JP2023514024A - 濃厚ホエータンパク質ナノゲルを生成する方法、得られたホエータンパク質ナノゲルまたはナノゲル組成物、およびそのようなホエータンパク質ナノゲルまたはナノゲル組成物を含む食品 - Google Patents

濃厚ホエータンパク質ナノゲルを生成する方法、得られたホエータンパク質ナノゲルまたはナノゲル組成物、およびそのようなホエータンパク質ナノゲルまたはナノゲル組成物を含む食品 Download PDF

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Abstract

本発明は、ホエータンパク質の変性による特別なホエータンパク質ナノゲルの生成、さらに、得られたホエータンパク質ナノゲル、およびそれらの飲料などの食品における使用に関する。本ホエータンパク質ナノゲルは、飲料および液体製品中高濃度で使用されると、非常に低い粘度寄与を提供し、これは、それらの独自性を明示する。【選択図】図2

Description

本発明はホエータンパク質の変性による特別なホエータンパク質ナノゲルの生成、さらに、得られたホエータンパク質ナノゲル、およびそれらの飲料などの食品における使用に関する。本ホエータンパク質ナノゲルは、飲料および液体製品において高濃度で使用されると、非常に低い粘度寄与を提供し、これは、それらの独自性を明示する。
変性されたホエータンパク質のミクロまたはナノ粒子の形成は以前記載されており、ホエータンパク質の機能性を改変する方法として知られている。
US 6,605,311 B2号は、水和状態にある場合0.1-3ミクロンの平均直径を有する不溶性の、変性された、熱安定タンパク質粒子を開示し、これは、水溶液中で分散可能であり、食品および飲料製品において使用される。
WO2007/110421 A2号はホエータンパク質の熱変性によるナノサイズホエータンパク質ミセルの調製を開示する。実施例11は20%w/wのタンパク質含量を有するホエータンパク質ミセル濃縮物の形成を記載する。濃縮物はWO2007/110421A2号の28ページ、第2セクションに「クリーム状の半固体テクスチャ」を有すると記載され、これは明確に高粘度を示す。
CN105542195A号は多糖とホエータンパク質のコンジュゲーションおよびその後の加熱処理により形成されたナノゲルを開示し、さらにこれらのナノゲルの食品での使用を開示する。
本発明者らは、特別なプロセス条件が、驚くほど高濃度のタンパク質を有し、特に、ホエー中の主タンパク質であり、ホエータンパク質の熱凝集の駆動力となる驚くほど高濃度の天然βラクトグロブリン(BLG)を有する、溶液中で変性されたホエータンパク質のナノゲルを生成させること可能にすることを発見した。高タンパク質濃度でナノゲルを形成する能力は、処理中、エネルギー消費/kgタンパク質を低減させるので、1kgタンパク質あたり、より少ない溶液が加熱され、その後に冷却されなければならないので、非常に有利である。これはさらに、液体形態のナノゲル製品を輸送するためのコストを低減させる。というのも、輸送されなければならない水がより少なくなるからである。それはナノゲル懸濁液を粉末に変換させるコストを低減させる。というのも、除去されなければならい水がより少なくなるからである。
よって、発明の1つの態様は、ホエータンパク質ナノゲル組成物を生成する方法に関し、方法は、下記を含む:
a)下記を有するホエータンパク質溶液を提供すること:
-少なくとも3%w/wの量の天然BLGの含量、
-5.8-7.5、好ましくは5.8-6.5の範囲のpH、
-せいぜい0.010であるカルシウムの総量と天然BLGの間の重量比、ならびに
-下記の一価金属カチオンの総濃度:
-ホエータンパク質溶液の天然BLGの含量が10%w/w未満である場合、せいぜい25mM、または
-ホエータンパク質溶液の天然BLGの含量が少なくとも10%w/wである場合、せいぜい20mM、
b)ホエータンパク質溶液を少なくとも68℃の温度まで、ホエータンパク質ナノゲルの懸濁液を形成させるのに十分な期間の間加熱すること、
c)任意で、ホエータンパク質ナノゲルの懸濁液を濃縮して、ホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液を得ること、
d)任意で、ステップb)またはc)に由来するホエータンパク質ナノゲルを含む乾燥機供給物を乾燥させること。
発明の別の態様は、ホエータンパク質ナノゲル組成物を生成する方法に関し、方法は下記を含む:
a)下記を有するホエータンパク質溶液を提供すること:
-少なくとも3%w/wの量の天然BLGの含量、
-5.8-7.5、好ましくは5.8-6.5の範囲のpH、
-下記である、カルシウムの総量と天然BLGの間の重量比:
-せいぜい0.0041pH-0.0209、および
-少なくとも0.0037pH-0.0234だが0よりも大きい、ならびに
-下記の一価金属カチオンの総濃度:
-ホエータンパク質溶液の天然BLGの含量が10%w/w未満である場合、せいぜい25mM、または
-ホエータンパク質溶液の天然BLGの含量が少なくとも10%w/wである場合、せいぜい20mM、
b)ホエータンパク質溶液を少なくとも68℃の温度まで、ホエータンパク質ナノゲルの懸濁液を形成させるのに十分な期間の間加熱すること、
c)任意で、ホエータンパク質ナノゲルの懸濁液を濃縮してホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液を得ること、
d)任意で、ステップb)またはc)に由来するホエータンパク質ナノゲルを含む乾燥機供給物を乾燥させること。
上記利点に加えて、発明者らは、本発明のナノゲルは液体中に例えば20%w/wのタンパク質または実に30%w/wの高タンパク質濃度で存在する場合、驚くほど低い粘度を提供し、同時に、加熱処理、そのようなタンパク質濃度での滅菌加熱処理に対して安定であることを観察した。
変性されたホエータンパク質の先行技術粒子は増加したタンパク質濃度でずっと高い粘度を提供し、液体溶液中で20%w/wのタンパク質濃度に到達することすらできない可能性がある。
よって、発明の別の態様は、総タンパク質に対して少なくとも30%の量のホエータンパク質ナノゲル、および、総固体に対して少なくとも30%w/wのタンパク質の総量を含むホエータンパク質ナノゲル組成物に関する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、下記を含む粉末の形態のホエータンパク質ナノゲル組成物である:
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、
-総タンパク質に対してせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/wの量の総BLG、ならびに
-総固体に対して少なくとも30%のタンパク質の総量。
本ナノゲルの低粘度および並外れた熱-安定性により、それらは、高タンパク質飲料に非常に好適なものとなり、低い粘度を有し、よって飲みやすい高タンパク質の、加熱滅菌された飲料製品の生成が可能になる。
よって、発明の別の態様は、3-8の範囲のpHを有し、少なくとも1%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含むパッケージされた加熱処理済み飲料に関する。さらなる態様はパッケージされた、加熱処理済み飲料を生成するプロセスに関する。
よって、発明の別の態様は、下記ステップを含む酸性、濃厚食品を生成するプロセスに関し:
-少なくとも5.7のpHを有する液体食品ベースを調製するステップであって、液体食品ベースは、4-20%w/wの量のタンパク質を提供するのに十分なホエータンパク質ナノゲル組成物を含み、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、好ましくは本明細書で規定されるように、下記を含むステップ:
-総タンパク質に対して15-70%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体、
-総タンパク質に対して少なくとも30-85%の量のホエータンパク質ナノゲル、
-液体食品ベースを少なくとも70℃で液体食品ベースを少なくとも低温殺菌するのに十分な期間の間加熱処理するステップ、
-任意で、加熱処理済み液体食品ベースをホモジナイズするステップ、
-加熱処理済み、液体食品ベースをせいぜい5.4のpHまで酸性化するステップ、
-任意で酸性化食品ベースをホモジナイズするステップ
酸性、濃厚食品は酸性化食品ベース、または、酸性化液体食品ベースおよび、例えば甘味料および/または香味料などのさらなる材料成分の混合物である。
さらなる態様はこのプロセスにより得ることができる酸性、濃厚食品に関する。
さらに、発明の1つの態様は、下記の1つ以上のための、本明細書で規定されるホエータンパク質ナノゲル組成物および/または本明細書で規定される複数のホエータンパク質ナノゲルの使用に関する:
-食品成分として、
-少なくとも10%のタンパク質、さらにより好ましくは少なくとも21%のタンパク質を含む無菌飲料を生成するための食品成分として、
-5.5未満のpHおよび20℃かつ300s-1のせん断速度で測定して200cPを超える粘度を有する酸性、濃厚食品を生成するための食品成分として、ならびに
-例えばコーヒー用クリームにおける白色剤として。
発明のさらなる態様は、3.0-5.0、最も好ましくは3.5-4.6のpHを有する加熱処理済みタンパク質飲料の渋味および/または酸味を低減させるためのタンパク質源としての、ホエータンパク質ナノゲルおよび/またはホエータンパク質ナノゲル組成物の使用に関し、
-好ましくは、ホエータンパク質ナノゲルは、加熱処理済み飲料の総タンパク質の少なくとも50%w/w、より好ましくは加熱処理済み飲料の総タンパク質の少なくとも70%w/w、さらにいっそう好ましくは少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wを与え;ならびに
-好ましくは、加熱処理済み飲料は2-35%w/w、より好ましくは4-30%w/w、さらにいっそう好ましくは6-25%w/w、より好ましくは8-20%w/wの量の総タンパク質を含む。
90℃で14分間の、4-16%天然BLGタンパク質、pH5.9を含むホエータンパク質溶液の熱処理後の、総タンパク質に対するホエータンパク質ナノゲルおよび可溶性凝集体の分布を示す。 下記で調製したホエータンパク質ナノゲル懸濁液の透過型電子顕微鏡画像を示す:A:4%w/w天然BLG;B:8%w/w天然BLG;C:12%w/w天然BLGおよびD:16%w/w天然BLG。スケールバーは全ての画像に対して500nmである。 およそ30%w/w総タンパク質までの、14%w/wホエータンパク質ナノゲル懸濁液(黒丸)および天然BLG溶液(×印)のUF濃縮中の粘度進行を示す。 総タンパク質に対して、1.9%(試料D)~59.2%(試料A)の可溶性ホエータンパク質凝集体を含むホエータンパク質ナノゲル調製物の貯蔵弾性率(ゲル強度)の進行を示す。全ての試料を貯蔵弾性率の決定前に4%総タンパク質に希釈した。
BLGはウシホエーおよび乳清中の最も主要なタンパク質であり、いくつかの遺伝的バリアントで存在し、牛乳中の主なものはAおよびBに分類される。BLGはリポカリンタンパク質であり、多くの疎水性分子に結合することができ、それらの輸送における役割が示唆される。BLGはまた、鉄にシデロホアを介して結合することができることが示されており、病原体との闘いにおいて役割を果たす可能性がある。BLGの同族体がヒト母乳で足りない。
ウシBLGはおよそ162アミノ酸残基の比較的小さなタンパク質であり、およそ18.3-18.4kDaの分子量を有する。生理的条件下では、それは主に二量体であるが、約pH3未満で解離して単量体になり、核磁気共鳴分光法を使用して決定されるようにその天然状態が保存される。反対に、BLGはまた、様々な自然条件下で四量体、八量体および他の多量体凝集形態で生じる。
本発明との関連で、「天然BLG」という用語は、例えば生乳もしくはホエー中で、または、例えばBLG結晶化、クロマトグラフィーまたは濾過により調製された低熱BLG単離物中で見出される未変性BLG分子に関する。そのため、結晶形の天然BLGは依然として天然BLGである。天然BLGの量は分析6に従い定量される。
本発明との関連で、「総BLG」という用語は、天然、変性および凝集BLGの合計に関する。総BLGの量は、分析17に従い定量される。
本発明との関連で、「結晶」という用語はその構成要素(例えば、原子、分子またはイオン)が高度に秩序化された微細構造で配列され、全方向に延在する結晶格子を形成する固体材料に関する。
本発明との関連で、「BLG結晶」という用語は主に、凝集していない、好ましくは、高度に秩序化された微細構造で配列され、全方向に延在する結晶格子を形成する天然BLGを含むタンパク質結晶に関する。BLG結晶は例えば、モノリシックまたは多結晶とすることができ、例えば、完全な結晶、結晶の断片、またはそれらの組み合わせとすることができる。結晶の断片は、例えば、完全な結晶が処理中に機械的せん断に供せられた時に形成される。結晶の断片はまた、結晶の高度に秩序化された微細構造を有するが、完全な結晶の平らな表面および/または滑らかな縁もしくは角を欠く可能性がある。どちらの場合においても、BLG結晶または結晶断片は、光学顕微鏡法を用いて明確に定義された、コンパクトな可干渉構造として視覚的に同定することができる。BLG結晶または結晶断片はしばしば、少なくとも部分的に透明である。タンパク質結晶はさらに、複屈折性であることが知られており、この光学特性を使用して結晶構造を有する未知の粒子を同定することができる。
本発明との関連で、「可食組成物」という用語は、人の飲食および食品成分としての使用に安全であり、問題となる量の毒性成分、例えばトルエンまたは他の望まれない有機溶媒を含まない組成物に関する。本発明のホエータンパク質ナノゲル組成物および食品は好ましくは可食食品である。
本発明との関連で、「ALA」または「αラクトアルブミン」という用語は、哺乳類種由来の、例えば、天然および/またはグリコシル化形態のαラクトアルブミンに関し、天然起源の遺伝的バリアントを含む。その用語は、凝集ALAおよび沈殿BLGをさらに含む。ALAの量に言及する場合、例えば凝集ALAを含むALAの総量が示される。ALAの総量は、実施例1.31に従い決定される。「凝集ALA」という用語は、典型的には少なくとも部分的に折り畳まれておらず、他の変性されたALA分子および/または他の変性ホエータンパク質と、典型的には、疎水性相互作用および/または共有結合により、さらに凝集しているALAに関する。
本発明との関連で、「カゼイノマクロペプチド」または「CMP」という用語は、アスパラギン酸プロテイナーゼ、例えばキモシンによる「κ-CN」または「κカゼイン」の加水分解から生じた哺乳類種由来の、例えば、天然および/またはグリコシル化形態の親水性ペプチド、残基106-169に関し、天然起源の遺伝的バリアントを含む。
本発明との関連で、「BLG単離物」という用語は、BLGを、総タンパク質に対して少なくとも85%w/wの量で含む組成物を意味する。BLG単離物は好ましくは、総固体に対して、少なくとも30%w/w、好ましくは少なくとも80%w/wの総タンパク質含量を有する。
「ホエー」という用語は、乳のカゼインを沈殿させ、除去した後に残る液相に関する。カゼイン沈殿は例えば、乳の酸性化および/またはレンネット酵素に使用により達成することができる。いくつかの型のホエー、例えば、カゼインのレンネットに基づく沈殿により生成されるホエー生成物である「スイートホエー」、カゼインの酸に基づく沈殿により生成されるホエー生成物である「酸ホエー」もしくは「サワーホエー」が存在する。カゼインの酸に基づく沈殿は例えば、食物酸の添加により、または細菌培養により達成することができる。
「乳清」という用語は、カゼインおよび乳脂肪球が、例えば、精密濾過または大孔限外濾過により乳から除去された時に残る液体に関する。乳清はまた、ホエーの1つの型と考えられ、時として、「理想的なホエー」と呼ばれる。
「乳清タンパク質」または「セラムタンパク質」という用語は、乳清中に存在するタンパク質に関する。
本発明との関連で、「ホエータンパク質」という用語はホエーまたは乳清中に見出されるタンパク質に関する。ホエータンパク質はホエーまたは乳清中に見出されるタンパク質種のサブセット、および、さらには、単一ホエータンパク質種であってもよく、または、それは、ホエーまたは/および乳清中で見出されるタンパク質種の完全なセットであってもよい。
本発明との関連で、「液体」および「溶液」という用語は、微粒子状物質を含まない液体組成物ならびに液体および固体および/または半固体粒子、例えば、タンパク質結晶または他のタンパク質粒子などの組み合わせを含む液体組成物の両方を包含する。しかしながら、「液体」および「溶液」は好ましくはポンピング可能である。
本発明との関連で、「ホエータンパク質濃縮物」(WPC)および「セラムタンパク質濃縮物」(SPC)という用語は、総固体に対して20-89%w/wのタンパク質の総量を含む乾燥または水性組成物に関する。
WPCまたはSPCは好ましくは下記を含む:
総固体に対して20-89%w/wのタンパク質、
総タンパク質に対して15-70%w/wのBLG、
総タンパク質に対して8-50%w/wのALA、および
タンパク質に対して0-40%w/wのCMP。
あるいは、これもまた好ましいが、WPCまたはSPCは下記を含み得る:
総固体に対して20-89%w/wのタンパク質、
総タンパク質に対して15-90%w/wのBLG、
総タンパク質に対して4-50%w/wのALA、および
タンパク質に対して0-40%w/wのCMP。
好ましくは、WPCまたはSPCは下記を含む:
総固体に対して20-89%w/wのタンパク質、
総タンパク質に対して15-80%w/wのBLG、
総タンパク質に対して4-50%w/wのALA、および
タンパク質に対して0-40%w/wのCMP。
より好ましくは、WPCまたはSPCは下記を含む:
総固体に対して70-89%w/wのタンパク質、
総タンパク質に対して30-90%w/wのBLG、
総タンパク質に対して4-35%w/wのALA、および
タンパク質に対して0-25%w/wのCMP。
SPCは典型的にはCMPを含まないか、または微量のCMPしか含まない。
「ホエータンパク質単離物」(WPI)および「セラムタンパク質単離物」(SPI)という用語は、総固体に対して90-100%w/wのタンパク質の総量を含む乾燥または水性組成物に関する。
WPIまたはSPIは好ましくは下記を含む:
総固体に対して90-100%w/wのタンパク質、
総タンパク質に対して15-70%w/wのBLG、
総タンパク質に対して8-50%w/wのALA、および
総タンパク質に対して0-40%w/wのCMP。
あるいは、これもまた好ましいが、WPIまたはSPIは下記を含み得る:
総固体に対して90-100%w/wのタンパク質、
総タンパク質に対して30-95%w/wのBLG、
総タンパク質に対して4-35%w/wのALA、および
総タンパク質に対して0-25%w/wのCMP。
より好ましくは、WPIまたはSPIは下記を含み得る:
総固体に対して90-100%w/wのタンパク質、
総タンパク質に対して30-90%w/wのBLG、
総タンパク質に対して4-35%w/wのALA、および
総タンパク質に対して0-25%w/wのCMP。
SPIは典型的にはCMPを含まないか、または微量のCMPしか含まない。
本発明との関連で、「ホエータンパク質ナノゲル」という用語は、変性ホエータンパク質のナノサイズ(典型的には約150-1000nm)粒子に関し、典型的には球状またはほぼ球状の形状である。ホエータンパク質ナノゲルはまた、ホエータンパク質ミセルとも呼ばれており、例えば、WO2007/110421A2号において記載されているが、それらのミセル性質は、疑わしい。ホエータンパク質ナノゲルの量は、分析3に従い定量される。タンパク質ナノゲルは懸濁されると不透明の、乳白色の外観を有し、よって、不透明飲料に非常によく適している。
本発明との関連で、「可溶性ホエータンパク質凝集体」という用語は、変性ホエータンパク質の小さな凝集体に関し、この凝集体はpH4.6への酸性化中に強いゲル(天然ホエータンパク質よりずっと強い)を形成することができ、この凝集体は典型的には線形、蠕虫様、分枝または鎖状形状を有し、典型的には、サブミクロンサイズを有する。可溶性ホエータンパク質凝集体は当業者によく知られており、例えば、WO2007/110421A2号で記載され、そこでは、それらは線形凝集体と呼ばれる。可溶性ホエータンパク質凝集体の量は、分析3に従い定量される。可溶性ホエータンパク質凝集体は典型的には、水に溶解されると透明な溶液を形成し、よって、透明な飲料に非常によく適している。
「から本質的に構成される」および「から本質的に構成される」という用語は、問題になっている請求の範囲または特徴が特定の材料またはステップ、および特許請求される発明の基本および新規特性(複数可)に実質的に影響しないものを包含することを意味する。
本発明との関連で、「Yおよび/またはX」という句は、「Y」または「X」または「YおよびX」を意味する。同じ論理の方向に沿って、「n、n、...、ni-1、および/またはn」という句は、「n」または「n」または...または「ni-1」または「n」または下記構成要素の任意の組み合わせを意味する:n、n,...ni-1、およびn
本発明との関連で、「乾燥」または「乾燥された」という用語は、問題になっている組成物または生成物はせいぜい10%w/wの水、好ましくはせいぜい6%w/wおよびより好ましくはされにそれ未満を含むことを意味する。
本発明との関連で、ある一定の組成物、生成物、または材料の成分の重量パーセンテージ(%w/w)は、別の基準(例えば、総固体または総タンパク質)に特定的に言及されない限り、特定の組成物、生成物、または材料の重量に対してその成分の重量パーセンテージを意味する。
本発明との関連で、成分Xと成分Yの間の「重量比」という用語は計算m/mにより得られる値を意味し、ここで、mは成分Xの量(重量)であり、mは成分Yの量(重量)である。
本発明との関連で、「少なくとも低温殺菌」という用語は、70℃で10秒の加熱処理以上の微生物死滅効果を有する加熱処理に関する。細菌死滅効果を決定するための基準は大腸菌O157:H7である。
本発明との関連で、「無菌」という用語は、問題になっている無菌組成物または生成物は生存微生物を含まず、よって、室温での保存中微生物増殖がないことを意味する。滅菌された組成物は無菌である。
飲料などの液体が滅菌され、無菌容器内に無菌でパッケージされる場合、それは典型的には室温で少なくとも6ヶ月の有効期間を有する。滅菌処理は液体の腐敗を引き起こす可能性のある胞子および微生物を死滅させる。
よって、発明の1つの態様は、ホエータンパク質ナノゲル組成物を生成する方法に関し、方法は下記を含む:
a)下記を有するホエータンパク質溶液を提供すること:
-少なくとも3%w/wの量の天然BLGの含量、
-5.8-7.5、好ましくは5.8-6.5の範囲のpH、
-せいぜい0.010であるカルシウムの総量と天然BLGの間の重量比、および
-下記の一価金属カチオンの総濃度:
-ホエータンパク質溶液の天然BLGの含量が10%w/w未満である場合、せいぜい25mM、または
-ホエータンパク質溶液の天然BLGの含量が少なくとも10%w/wである場合、せいぜい20mM、
b)ホエータンパク質溶液を少なくとも68℃の温度まで、ホエータンパク質ナノゲルの懸濁液を形成させるのに十分な期間の間加熱すること、
c)任意で、ホエータンパク質ナノゲルの懸濁液を濃縮してホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液を得ること、
d)任意で、ステップb)またはc)に由来するホエータンパク質ナノゲルを含む乾燥機供給物を乾燥させること。
発明の別の態様は、ホエータンパク質ナノゲル組成物を生成する方法に関し、方法は下記を含む:
a)下記を有するホエータンパク質溶液を提供すること:
-少なくとも3%w/wの量の天然BLGの含量、
-5.8-7.5、好ましくは5.8-6.5の範囲のpH、
-下記である、カルシウムの総量と天然BLGの間の重量比:
-せいぜい0.0041pH-0.0209、および
-少なくとも0.0037pH-0.0234だが0よりも大きい、および
-下記の一価金属カチオンの総濃度:
-ホエータンパク質溶液の天然BLGの含量が10%w/w未満である場合、せいぜい25mM、または
-ホエータンパク質溶液の天然BLGの含量が少なくとも10%w/wである場合、せいぜい20mM、
b)ホエータンパク質溶液を少なくとも68℃の温度まで、ホエータンパク質ナノゲルの懸濁液を形成させるのに十分な期間の間加熱すること、
c)任意で、ホエータンパク質ナノゲルの懸濁液を濃縮してホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液を得ること、
d)任意で、ステップb)またはc)に由来するホエータンパク質ナノゲルを含む乾燥機供給物を乾燥させること。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、方法は、粉末の形態のホエータンパク質ナノゲル組成物を提供し、ステップa)、b)、c)およびd)を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、方法は、粉末の形態のホエータンパク質ナノゲル組成物を提供し、ステップa)、b)およびd)を含むが、ステップc)を含まない。
本発明のさらに好ましい実施形態では、方法は、液体の形態のホエータンパク質ナノゲル組成物を提供し、ステップa)、b)およびc)を含むが、ステップd)を含まない。
本発明のさらにいっそう好ましい実施形態では、方法は、液体の形態のホエータンパク質ナノゲル組成物を提供し、ステップa)、およびb)を含むが、ステップc)およびd)を含まない。
上記のように、ステップa)は天然BLG、および、任意でまた、他のホエータンパク質も含むホエータンパク質溶液を提供する。ホエータンパク質溶液は水溶液であり、好ましくは少なくとも50%w/wの量の水を含む。ホエータンパク質溶液は好ましくは食用であり、食品として好適である。ホエータンパク質溶液は溶解タンパク質に加えて懸濁粒子を含み得る。
ホエータンパク質溶液は、少なくとも3%w/wの量の天然BLGの含量を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、少なくとも4%w/w、より好ましくは少なくとも6%w/w、さらにより好ましくは少なくとも8%w/w、最も好ましくは少なくとも10%w/wの量の天然BLGを含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、少なくとも11%w/w、より好ましくは少なくとも16%w/w、さらにより好ましくは少なくとも18%w/w、最も好ましくは少なくとも20%w/wの量の天然BLGを含む。
本発明のさらに好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、少なくとも21%w/w、より好ましくは少なくとも23%w/w、さらにより好ましくは少なくとも25%w/w、最も好ましくは少なくとも27%w/wの量の天然BLGを含む。
好ましくは、ホエータンパク質溶液は、3-30%w/wの量の、より好ましくは4-28%w/wの量の、さらにより好ましくは6-26%w/wの量の、最も好ましくは8-24%w/wの量の天然BLGを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、11-30%w/wの量の、より好ましくは12-28%w/wの量の、さらにより好ましくは14-26%w/wの量の、最も好ましくは16-24%w/wの量の天然BLGを含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、10-24%w/wの量の、より好ましくは12-22%w/wの量の、さらにより好ましくは14-20%w/wの量の、最も好ましくは16-18%w/wの量の天然BLGを含む。
本発明のさらにいっそう好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、21-32%w/wの量の、より好ましくは22-31%w/wの量の、さらにより好ましくは23-30%w/wの量の、最も好ましくは24-29%w/wの量の天然BLGを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、少なくとも4%w/w、より好ましくは少なくとも6%w/w、さらにより好ましくは少なくとも8%w/w、最も好ましくは少なくとも10%w/wの量の総タンパク質を含む。
好ましくは、ホエータンパク質溶液は1-30%w/wの量の、より好ましくは4-28%w/wの量の、さらにより好ましくは6-26%w/wの量の、最も好ましくは8-24%w/wの量の総タンパク質を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は11-30%w/wの量の、より好ましくは12-28%w/wの量の、さらにより好ましくは14-26%w/wの量の、最も好ましくは16-24%w/wの量の総タンパク質を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は10-24%w/wの量の、より好ましくは12-22%w/wの量の、さらにより好ましくは14-20%w/wの量の、最も好ましくは16-18%w/wの量の総タンパク質を含む。
本発明のさらにいっそう好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は21-32%w/wの量の、より好ましくは22-31%w/wの量の、さらにより好ましくは23-30%w/wの量の、最も好ましくは24-29%w/wの量の総タンパク質を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は総固体に対して少なくとも30%w/w、より好ましくは総固体に対して少なくとも60%w/w、さらにより好ましくは総固体に対して少なくとも70%w/w、最も好ましくは総固体に対して少なくとも80%w/wの量の総タンパク質を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、総固体に対して少なくとも85%w/w、より好ましくは総固体に対して少なくとも90%w/w、さらにより好ましくは総固体に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは総固体に対して少なくとも95%w/wの量の総タンパク質を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、より好ましくは総タンパク質に対して少なくとも60%w/w、さらにより好ましくは総タンパク質に対して少なくとも70%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対して少なくとも80%w/wの量の天然BLGを含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、総タンパク質に対して少なくとも85%w/w、より好ましくは総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、さらにより好ましくは総タンパク質に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対して少なくとも95%w/wの量の天然BLGを含む。ホエータンパク質溶液は総タンパク質に対して少なくとも97%w/wの量の天然BLGを含むことがしばしば好ましい。
本発明のさらに好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、総タンパク質に対して50-80%w/wの範囲、より好ましくは総タンパク質に対して52-75%w/wの範囲、さらにより好ましくは総タンパク質に対して54-70%w/wの範囲、最も好ましくは総タンパク質に対して55-65%w/wの範囲の量の天然BLGを含む。これは、例えば、高度に脱塩されたWPIがホエータンパク質溶液のためのタンパク質源として使用される場合に有用となる。
ホエータンパク質溶液は天然BLG以外の他のタンパク質を含むことができ、典型的には他のホエータンパク質を含む。本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は哺乳類ホエー由来のタンパク質のみを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は総タンパク質に対してせいぜい20%w/w、より好ましくは総タンパク質に対してせいぜい10%w/w、さらにより好ましくは総タンパク質に対してせいぜい5%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対してせいぜい2%w/wのタンパク質変性度を有する。
さらに低い変性が好ましい可能性があり、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、総タンパク質に対してせいぜい1%w/w、より好ましくは総タンパク質に対してせいぜい0.5%w/w、さらにより好ましくは総タンパク質に対してせいぜい0.2%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対してせいぜい0.1%w/wのタンパク質変性度を有する。
タンパク質変性度は分析3に従い測定される。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、3-50%w/wの量の、より好ましくは4-40%w/wの量の、さらにより好ましくは6-35%w/wの量の、最も好ましくは8-30%w/wの量の総固体含量を有する。
本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、10-50%w/wの量の、より好ましくは12-40%w/wの量の、さらにより好ましくは14-35%w/wの量の、最も好ましくは16-30%w/wの量の総固体含量を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は50-97%w/wの量の、より好ましくは60-96%w/wの量の、さらにより好ましくは65-94%w/wの量の、最も好ましくは70-92%w/wの量の含水量を有する。
固体ではないホエータンパク質溶液の部分は好ましくは水である。
ホエータンパク質溶液は、5.8-7.5の範囲のpHを有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、5.8-6.5、より好ましくは5.9-6.3、最も好ましくは5.9-6.2の範囲のpHを有する。
本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、5.9-6.5、より好ましくは6.0-6.4、最も好ましくは6.1-6.3の範囲のpHを有する。
本発明のさらにいっそう好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、6.5-7.5、より好ましくは6.6-7.2、さらにいっそう好ましくは6.7-7.0の範囲のpHを有する。
pH-調整は好ましくは、NaおよびKなどの一価金属イオンの含量を増加させないアルカリ化剤を使用して実施される。Ca(OH)またはアミン系アルカリ化剤が現在のところ好ましい。あるいは、これもまた好ましく、アルカリ化剤の使用は一価金属イオンを含む1つ以上の塩基および二価金属イオンを含む1つ以上の塩基の組み合わせを含み得る。そのような組み合わせは、pH調整のためのCa(OH)のみの使用が、カルシウムと天然BLGの間の高すぎる重量比を提供し、一価金属イオンの得られた濃度がナノゲルの効率的な形成について要求される閾値を超えない場合に、例えば有用である。
発明のいくつかの特に好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、下記であるカルシウムの総量と天然BLGの間の重量比を有する:
-せいぜい0.0041pH-0.0209、および
-少なくとも0.0037pH-0.0234だが0よりも大きい。
「ゼロより大きい」という用語は、カルシウムの総量と天然BLGの間の重量比が常に絶対ゼロより大きいことを意味し、というのも、ホエータンパク質溶液は、検出することが困難であったとしても、常に微量のカルシウムを含むからである。しかしながら、重量比は非常にゼロに近くすることができる。
ホエータンパク質溶液の他の二価金属の総重量はカルシウムの総重量より低く、より好ましくはカルシウムの総重量のせいぜい50%、最も好ましくはカルシウムの総重量のせいぜい20%であることがさらに好ましい。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、下記である、カルシウムの総量と天然BLGの間の重量比を有する:
-せいぜい0.0041pH-0.0220、および
-少なくとも0.0037pH-0.0222だが0よりも大きい。
本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、下記である、カルシウムの総量と天然BLGの間の重量比を有する:
-せいぜい、0.0040pH-0.0221、および
-少なくとも0.0039pH-0.0221だが0よりも大きい。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、せいぜい0.0070、より好ましくはせいぜい0.0065、さらにより好ましくはせいぜい0.0060、最も好ましくはせいぜい0.0050のカルシウムの総量と天然BLGの間の重量比を有する。
本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、せいぜい0.0045、より好ましくはせいぜい0.0040、さらにより好ましくはせいぜい0.0035、最も好ましくはせいぜい0.0030のカルシウムの総量と天然BLGの間の重量比を有する。
さらに低い重量比がしばしば好ましく、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、せいぜい0.0025、より好ましくはせいぜい0.0020、さらにより好ましくはせいぜい0.0015、最も好ましくはせいぜい0.0005のカルシウムの総量と天然BLGの間の重量比を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、0.0005-0.0065の範囲、より好ましくは0.0010-0.0050、さらにいっそう好ましくは0.0015-0.0040、最も好ましくは0.0015-0.0030の範囲、例えば好ましくは0.0017-0.0027のカルシウムの総量と天然BLGの間の重量比を有する。
ホエータンパク質溶液はさらに、下記の一価金属カチオンの総濃度を有する:
-ホエータンパク質溶液の天然BLGの含量が10%w/w未満である場合、せいぜい25mM、または
-ホエータンパク質溶液の天然BLGの含量が少なくとも10%w/wである場合、せいぜい20mM。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液の天然BLGの含量は10%w/w未満であり、ホエータンパク質溶液は、せいぜい24mM、より好ましくはせいぜい22mM、さらにいっそう好ましくはせいぜい21mM、最も好ましくはせいぜい20mMの一価金属カチオンの総濃度を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、天然BLGの含量に関係なく、ホエータンパク質溶液は、せいぜい19mM、より好ましくはせいぜい17mM、さらにいっそう好ましくはせいぜい15mM、最も好ましくはせいぜい10mMの一価金属カチオンの総濃度を有する。一価金属カチオンのさらに低い含量が好ましい可能性があり、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、せいぜい8mM、より好ましくはせいぜい6mM、さらにいっそう好ましくはせいぜい4mM、最も好ましくはせいぜい2mMの一価金属カチオンの総濃度を有する。
本方法により、ホエータンパク質ナノゲルの非常に高い収率、および、しばしば望ましくない可溶性ホエータンパク質凝集体および微小粒子の低い含量を有するホエータンパク質ナノゲル組成物を生成させることが可能になる。よって、本方法により、高純度のホエータンパク質ナノゲルを有するホエータンパク質ナノゲル組成物を生成する、改善された、より費用効率が高い方法が提供され、先行技術では入手できない新規ホエータンパク質ナノゲル組成物の生成が可能になる。
ホエータンパク質溶液はタンパク質以外の他の主要栄養素、例えば例として炭水化物および/または脂質を含み得る。
しかしながら、ホエータンパク質溶液は、総固体に対してせいぜい15%w/w、より好ましくは総固体に対してせいぜい5%w/w、さらにいっそう好ましくは総固体に対してせいぜい1%w/w、最も好ましくは総固体に対してせいぜい0.1%w/wの量の炭水化物を含むことがしばしば好ましい。
ホエータンパク質溶液は、総固体に対してせいぜい8%w/w、より好ましくは総固体に対してせいぜい2%w/w、さらにいっそう好ましくは総固体に対してせいぜい0.5%w/w、最も好ましくは総固体に対してせいぜい0.1%w/wの量の脂質を含むことがさらにしばしば好ましい。
ホエータンパク質溶液はタンパク質以外の他の主要栄養素および材料成分を含み得る。パッケージされた加熱処理済み飲料との関連で以下に記載され、主要栄養素および追加の材料成分に関する実施形態および優先物は、ホエータンパク質溶液に同様にあてはまり、我々は、それらの実施形態を、それらをここで繰り返す代わりに参照する。
発明のいくつかの特に好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、タンパク質が天然形態にあることを除き、パッケージされた加熱処理済み飲料のものと同じ化学組成を有する。
発明の他の特に好ましい実施形態では、ホエータンパク質溶液は、パッケージされた加熱処理済み飲料のものと同じ化学組成を有する。
ホエータンパク質溶液のためのタンパク質源は天然BLG、および任意でミネラルも提供する任意の源であってもよい。ホエータンパク質源は例えば、ホエータンパク質単離物、乳清タンパク質単離物、乳清タンパク質濃縮物、またはそれらの組み合わせとすることができる。ホエータンパク質単離物および/または乳清タンパク質分離物が特に好ましい。ホエータンパク質源は好ましくは、非常に低いミネラル含量を有する。
現在好ましいホエータンパク質源はWO2018/115520A1号において概説されるBLG結晶の結晶化および回収により、すなわちホエータンパク質を含み、pH5-6を有する水溶液からのモードでの加塩におけるBLGの結晶化により得ることができるBLG単離物である。タンパク質源は例えば、WO2018/115520A1号によるプロセスにより得られる湿潤結晶スラリー、または、WO2018/115520A1号に従い得られる噴霧乾燥結晶スラリーであってもよい。あるいは、これもまた好ましいが、タンパク質源はPCT/EP2019/066998号による、好ましくは、PCT/EP2019/066998号において概説されるプロセスにより得ることができるBLG単離物であってもよい。WO2018/115520A1号およびPCT/EP2019/066998号は全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
あるいは、これもまた好ましいが、タンパク質源はde Jongh et al(Mild Isolation Procedure Discloses New Protein Structural Properties of beta-Lactoglobulin, J Dairy Sci., vol. 84(3), 2001, 562-571ページ)により得ることができるBLG単離物であってもよく、その後、透析によるさらなる脱塩に供せられ得る。
あるいは、これもまた好ましいが、タンパク質源は市販の高品質WPIであってもよく、これは使用前に、透析による脱塩に供せられる。
ホエータンパク質溶液中で使用されるホエータンパク質は、哺乳類乳、例えば、例として、雌ウシ、ヤギ、雌馬、ヒツジ、ラクダ、および/または水牛由来の乳由来のホエータンパク質である。ウシホエータンパク質が特に好ましい。
本明細書で記載される様々な組成物のタンパク質は好ましくは食用タンパク質であり、BLGに加えて他の食用タンパク質を含み得る。本発明のタンパク質は哺乳類乳に由来し、例えば、タンパク質は、哺乳類乳由来の1つ以上のタンパク種を分離および/または改変させることにより提供されることが特に好ましい。本発明のタンパク質はホエータンパク質、または、好ましくは熱-変性により、ホエータンパク質に由来するタンパク質材料であることが最も好ましい。しかしながら、本発明のホエータンパク質ナノゲルまたはホエータンパク質ナノゲル組成物を含む食品は乳由来のタンパク質種に加えて非乳タンパク質を含み得ることが想定され、しばしば、好ましい。
理想的には、ホエータンパク質溶液は、ホエータンパク質源を脱塩水に溶解し、任意でpHを調整することにより提供される。本明細書で記載される有用なホエータンパク質溶液に到達するにはミネラル組成を改変することがさらに必要となる可能性がある。
ステップb)は、ホエータンパク質溶液を少なくとも68℃の温度まで、ホエータンパク質ナノゲルの懸濁液を形成させるのに十分な期間の間加熱することを含む。ステップb)は、懸濁液が温めて使用されない限り、例えば直接噴霧乾燥のためまたは食品の生成のため、懸濁液を冷却して加熱処理を終わらせることをさらに含み得る。
ステップb)が冷却を含む場合、懸濁液は典型的には、せいぜい50℃、より好ましくはせいぜい40℃、さらにいっそう好ましくはせいぜい20℃、より好ましくはせいぜい10℃の温度まで冷却される。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップb)の加熱はホエータンパク質溶液を少なくとも70℃、より好ましくは少なくとも75℃、さらにいっそう好ましくは少なくとも80℃、最も好ましくは少なくとも85℃の温度まで加熱する。さらに高い温度が有用であることが証明されており、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップb)の加熱はホエータンパク質溶液を少なくとも90℃、より好ましくは少なくとも95℃、さらにいっそう好ましくは少なくとも100℃、最も好ましくは少なくとも120℃の温度まで加熱する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップb)の加熱はホエータンパク質溶液を、68-160℃、より好ましくは75-150℃、さらにいっそう好ましくは80-120℃、最も好ましくは85-100℃の範囲の温度まで加熱する。
ステップb)の加熱はホエータンパク質溶液を、80-95℃、より好ましくは82-92℃、さらにいっそう好ましくは84-90℃、最も好ましくは85-89℃の範囲の温度まで加熱することが特に好ましい。
ステップb)の加熱処理の期間は、かなりの量のナノゲルを形成するのに十分でなければならない。期間は好ましくは少なくとも500ミリ秒であり、しばしばずっと長い。期間は好ましくは、ホエータンパク質溶液の相当量の天然BLGを変性させるように選択される。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップb)の加熱は、天然BLGの少なくとも50%w/w、より好ましくは天然BLGの少なくとも80%w/w、さらにいっそう好ましくは天然BLGの少なくとも90%、最も好ましくは天然BLGの少なくとも95%w/wを変性させるのに十分な期間の間実施される。さらに高いレベルのBLG変性が好ましい可能性があり、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップb)の加熱は天然BLGの少なくとも96%w/w、より好ましくは天然BLGの少なくとも97%w/w、さらにいっそう好ましくは天然BLGの少なくとも98%、最も好ましくは天然BLGの少なくとも99%w/wを変性させるのに十分な期間の間実施される。
本発明者らは、高レベルのBLG変性は得られたホエータンパク質ナノゲル組成物のより良好な熱-安定性を提供することを見出した。
加熱処理の期間は温度に依存するが、典型的には1分~1時間、好ましくは4-50分、より好ましくは6-45分、さらにいっそう好ましくは8-40分、最も好ましくは10-30分である。
本方法は驚いたことに、高タンパク質濃度で、ホエータンパク質溶液において使用される比較的高いタンパク質濃度にかかわらず限られた機械的せん断のみで、またはさらには、機械的せん断なしでホエータンパク質ナノゲル組成物を生成することを可能にする。本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップb)の加熱処理は機械的せん断、例えば例としてかき取り表面熱交換器または高圧均質化を含まない。しかしながら、機械的せん断は本発明から排除されず、本発明の他の好ましい実施形態では、ステップb)の加熱処理は機械的せん断を含む。
ステップa)のホエータンパク質溶液との関連で記載される組成的特徴は、ステップb)で得られたホエータンパク質ナノゲルの懸濁液に同様にあてはまるが、ただし、かなりの量の天然タンパク質が変性され、よって、例えばホエータンパク質ナノゲルに変換されていることを除外する。
ステップc)は任意的であるが、いくつかの実施形態では好ましい。
よって、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、方法は、ホエータンパク質ナノゲルの懸濁液を濃縮してホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液を得ることを含むステップc)を含む。
しかしながら、本発明の他の好ましい実施形態では、方法はステップc)を含まず、よって、懸濁液は濃縮されない。
本内容では「ホエータンパク質ナノゲルの懸濁液を濃縮する」という用語は、例えば噴霧乾燥などの乾燥ステップを含まないが、少なくとも水を除去して少なくともホエータンパク質ナノゲルの濃度を増加させることを含む。
ホエータンパク質ナノゲルの懸濁液は好ましくは、下記方法の1つ以上により濃縮される:精密濾過、限外濾過、ナノ濾過、逆浸透および/または蒸発。限外濾過、ナノ濾過または逆浸透が特に好ましく、というのも、懸濁液のタンパク質含量を保持するからである。
本発明のいくつかの実施形態では、ステップc)の濃縮は懸濁液のホエータンパク質ナノゲルの含量を少なくとも25%だけ、より好ましくは少なくとも50%だけ、さらにより好ましくは少なくとも75%だけ、最も好ましくは少なくとも100%だけ増加させる。さらに高いレベルの濃縮が必要とされる可能性があり、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップc)の濃縮は懸濁液のホエータンパク質ナノゲルの含量を少なくとも200%だけ、より好ましくは少なくとも300%だけ、さらにより好ましくは少なくとも500%だけ、最も好ましくは少なくとも700%だけ増加させる。
本発明のいくつかの実施形態では、ステップc)の濃縮は懸濁液のホエータンパク質ナノゲルの含量を25-900%だけ、より好ましくは100-850%だけ、さらにより好ましくは200-825%だけ、最も好ましくは300-800%だけ増加させる。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップc)の濃縮は、少なくとも21%w/w、より好ましくは少なくとも25%、さらにより好ましくは少なくとも28%w/w、最も好ましくは少なくとも30%w/wのタンパク質の総量を含むホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液を提供する。
よって、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液は、少なくとも21%w/w、より好ましくは少なくとも25%、さらにより好ましくは少なくとも28%w/w、最も好ましくは少なくとも30%w/wのタンパク質の総量を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、ステップc)の濃縮は、21-35%w/w、より好ましくは25-33%、さらにより好ましくは28-32%w/w、最も好ましくは29-31%w/wのタンパク質の総量を含むホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液を提供する。
よって本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液は、21-35%w/w、より好ましくは25-33%、さらにより好ましくは28-32%w/w、最も好ましくは29-31%w/wのタンパク質の総量を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ステップc)の濃縮は、少なくとも21%w/w、より好ましくは少なくとも25%、さらにより好ましくは少なくとも28%w/w、最も好ましくは少なくとも30%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含むホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液を提供する。
よって、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液は少なくとも21%w/w、より好ましくは少なくとも25%、さらにより好ましくは少なくとも28%w/w、最も好ましくは少なくとも30%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、ステップc)の濃縮は、21-35%w/w、より好ましくは25-33%、さらにより好ましくは28-32%w/w、最も好ましくは29-31%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含むホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液を提供する。
よって、本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液は21-35%w/w、より好ましくは25-33%、さらにより好ましくは28-32%w/w、最も好ましくは29-31%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。
本発明者らは、懸濁液および濃縮懸濁液の可溶性ホエータンパク質凝集体の含量を制御し、それらを最小に維持することが好ましいことを見出した。
よって、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液は、せいぜい8%w/w、より好ましくはせいぜい6%、さらにより好ましくはせいぜい3%w/w、最も好ましくはせいぜい1%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体を含む。可溶性ホエータンパク質凝集体のさらに低い含量は実現可能であり、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液は、せいぜい1%w/w、より好ましくはせいぜい0.5%、さらにより好ましくはせいぜい0.3%w/w、最も好ましくはせいぜい0.1%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液は、総タンパク質に対して少なくとも60%w/w、より好ましくは少なくとも70%w/w、さらにいっそう好ましくは少なくとも80%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対して少なくとも90%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。
ホエータンパク質ナノゲルのさらに高い含量が実現可能であり、かつ、しばしば好ましい。よって本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液は、総タンパク質に対して少なくとも92%w/wの量、より好ましくは少なくとも94%w/w、さらにいっそう好ましくは少なくとも96%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対して少なくとも98%w/wのホエータンパク質ナノゲルを含む。
ステップa)のホエータンパク質溶液との関連で記載される組成的特徴はステップc)で得られたホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液に同様にあてはまるが、ただし、かなりの量の天然タンパク質が変性され、よって、例えばホエータンパク質ナノゲルに変換されていることを除外する。さらに総タンパク質の含量は濃縮のために増加された。
ホエータンパク質ナノゲル組成物のpHがホエータンパク質ナノゲルの形成中に使用されるpHとは異なる場合、方法は好ましくは、ステップb)により、またはこれに従い得られたホエータンパク質ナノゲル含有ストリーム、例えば、ホエータンパク質ナノゲルの懸濁液、ホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液、および/または乾燥機供給物の1つ以上のpHを調整する1つ以上のステップを含む。1つ以上のpH-調整は、所望のpH、好ましくは、ホエータンパク質ナノゲル組成物との関連で言及される好ましい範囲の1つを有するホエータンパク質ナノゲル組成物を提供するのに十分である。1つ以上のpH-調整は好ましくは、本明細書で言及される酸または塩基から好ましくは選択される、1つ以上の好適な酸または塩基を使用する。
ステップd)は任意的であるが、いくつかの実施形態では好ましい。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、方法はステップd)を含まず、乾燥ステップは実施されない。
しかしながら、本発明の他の好ましい実施形態では、方法は、ステップb)またはc)に由来するホエータンパク質ナノゲルを含む乾燥機供給物を乾燥させることを含むステップd)を含む。ステップd)が特に好ましく、というのも、輸送が容易であり、水性懸濁液よりも良好な保存安定性を有する粉末の形態のホエータンパク質ナノゲル組成物を提供するからである。
本発明との関連で、「乾燥機供給物」という用語は、供給物を粉末に変換するために乾燥機に供給される液体供給物に関する。本乾燥機供給物はステップb)で生成されたホエータンパク質ナノゲルを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乾燥機供給物はステップb)のホエータンパク質ナノゲルの懸濁液の固体および/またはステップc)のホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液の固体を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、乾燥機供給物の固体はステップb)のホエータンパク質ナノゲルの懸濁液の固体および/またはステップc)のホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液の固体を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乾燥機供給物は、ステップb)のホエータンパク質ナノゲルの懸濁液および/またはステップc)のホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液である。
好ましくは、乾燥機供給物は少なくとも21%w/w、より好ましくは少なくとも25%、さらにより好ましくは少なくとも28%w/w、最も好ましくは少なくとも30%w/wのタンパク質の総量を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乾燥機供給物は21-35%w/w、より好ましくは25-33%、さらにより好ましくは28-32%w/w、最も好ましくは29-31%w/wのタンパク質の総量を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、乾燥機供給物は15-32%w/w、より好ましくは17-31%、さらにより好ましくは18-30%w/w、最も好ましくは19-29%w/wのタンパク質の総量を含む。
好ましくは、乾燥機供給物は、少なくとも21%w/w、より好ましくは少なくとも25%、さらにより好ましくは少なくとも28%w/w、最も好ましくは少なくとも30%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乾燥機供給物は、21-35%w/w、より好ましくは25-33%、さらにより好ましくは28-32%w/w、最も好ましくは29-31%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、乾燥機供給物は、10-35%w/w、より好ましくは12-30%、さらにより好ましくは14-25%w/w、最も好ましくは15-20%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。
発明者らは、10-25%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む乾燥機供給物の乾燥は、水中で再構成させると改善された分散性を有する乾燥されたホエータンパク質ナノゲル組成物を提供するという徴候をみた。よって、発明のいくつかの好ましい実施形態では、乾燥機供給物は、10-25%w/w、より好ましくは12-25%、さらにより好ましくは14-20%w/w、最も好ましくは15-20%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。
乾燥機供給物は、せいぜい8%w/w、より好ましくはせいぜい6%、さらにより好ましくはせいぜい3%w/w、最も好ましくはせいぜい1%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体を含むことが好ましい。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乾燥機供給物は総タンパク質に対して少なくとも60%w/w、より好ましくは少なくとも70%w/w、さらにいっそう好ましくは少なくとも80%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対して少なくとも90%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。
ホエータンパク質ナノゲルのさらに高い含量が実現可能であり、しばしば好ましい。よって本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乾燥機供給物は総タンパク質に対して少なくとも92%w/w、より好ましくは少なくとも94%w/w、さらにいっそう好ましくは少なくとも96%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対して少なくとも98%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、乾燥機供給物は下記を含む:
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量の総BLGの含量、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質の含量、
-21-40%w/w、最も好ましくは24-35%w/wの範囲の総固体の含量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/w、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
本発明のさらに好ましい実施形態では、乾燥機供給物は下記を含む:
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量の総BLGの含量、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質の含量、
-8-25%w/w、最も好ましくは12-22%w/wの範囲の総固体の含量、
-総タンパク質に対して30-85%w/w、最も好ましくは35-70%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対して15-70%w/w、最も好ましくは30-65%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
本発明のさらにいっそう好ましい実施形態では、乾燥機供給物は下記を含む:
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも60%w/wの量の総BLGの含量、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質の含量、
-8-25%w/w、最も好ましくは12-22%w/wの範囲の総固体の含量、
-総タンパク質に対して30-85%w/w、最も好ましくは35-70%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対して15-70%w/w、最も好ましくは30-65%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
乾燥機供給物は総固体に対してせいぜい15%w/w、より好ましくは総固体に対してせいぜい5%w/w、さらにいっそう好ましくは総固体に対してせいぜい1%w/w、最も好ましくは総固体に対してせいぜい0.1%w/wの量の炭水化物を含むことが特に好ましい。
発明のいくつかの好ましい実施形態では、乾燥機供給物は総固体に対して1-15%w/w、より好ましくは5-15%w/w、最も好ましくは総固体に対して8-15%w/wの範囲の量の炭水化物を含む。発明者らは、そのような実施形態は粉末形態のホエータンパク質ナノゲル組成物に有用であるという徴候をみており、というのも、それらは、粉末の再構成および水和が容易であると考えられるからである。炭水化物は好ましくは、例えばスクロース、ラクトース、グルコース、ガラクトースおよび/またはマルトデキストリンなどの消化可能な炭水化物を含む、またはさらに、これから構成される。
炭水化物はステップb)の加熱処理前にホエータンパク質溶液に存在し得る。しかしながら、発明のいくつかの好ましい実施形態では、乾燥機供給物の炭水化物の少なくともいくらかがステップb)の加熱処理後に添加される。
乾燥機供給物は総固体に対してせいぜい8%w/w、より好ましくは総固体に対してせいぜい2%w/w、さらにいっそう好ましくは総固体に対してせいぜい0.5%w/w、最も好ましくは総固体に対してせいぜい0.1%w/wの量の脂質を含むことが、さらに特に好ましい。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、方法は粉末の形態のホエータンパク質ナノゲル組成物を生成する方法であり、方法は下記を含む:
a)下記を有するホエータンパク質溶液を提供すること:
-8-30%w/w、最も好ましくは12-24%w/wの量の天然BLGの含量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量の天然BLGの含量、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質の含量、
-5.8-7.5、最も好ましくは5.8-6.5の範囲のpH、
-下記である総量カルシウムと天然BLGの間の重量比
-せいぜい0.0041pH-0.0209、および
-少なくとも0.0037pH-0.0234だが0よりも大きい、ならびに
-下記の一価金属カチオンの総濃度:
-ホエータンパク質溶液の天然BLGの含量が10%w/w未満である場合、せいぜい20mM、最も好ましくはせいぜい15mM、または
-ホエータンパク質溶液の天然BLGの含量が少なくとも10%w/wである場合、せいぜい15mM、最も好ましくはせいぜい10mM、
b)ホエータンパク質溶液を80-100℃、最も好ましくは少なくとも85-95℃の温度までホエータンパク質ナノゲルの懸濁液を形成させるのに十分な期間の間加熱することであって、期間は、天然BLGの少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%を変性させるのに十分である、こと、
c)任意で、ホエータンパク質ナノゲルの懸濁液を濃縮してホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液を得ること、
d)乾燥機供給物を噴霧乾燥により乾燥させることであって、乾燥機供給物はステップb)またはc)に由来するホエータンパク質ナノゲルを含み、好ましくは、乾燥機供給物はステップb)の懸濁液またはステップc)の濃縮懸濁液である、こと。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、方法は粉末の形態のホエータンパク質ナノゲル組成物を生成する方法であり、方法は下記を含む:
a)下記を有するホエータンパク質溶液を提供すること:
-8-30%w/w、最も好ましくは12-24%w/wの量の天然BLGの含量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量の天然BLGの含量、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質の含量、
-5.8-7.5、最も好ましくは5.8-6.5の範囲のpH、
-下記である、カルシウムの総量と天然BLGの間の重量比:
-せいぜい0.0041pH-0.0209、および
-少なくとも0.0037pH-0.0234だが0よりも大きい、ならびに
-下記の一価金属カチオンの総濃度:
-ホエータンパク質溶液の天然BLGの含量が10%w/w未満である場合、せいぜい20mM、最も好ましくはせいぜい15mM、または
-ホエータンパク質溶液の天然BLGの含量が少なくとも10%w/wである場合、せいぜい15mM、最も好ましくはせいぜい10mM、
b)ホエータンパク質溶液を80-100℃、最も好ましくは少なくとも85-95℃の温度までホエータンパク質ナノゲルの懸濁液を形成させるのに十分な期間の間加熱することであって、期間は、天然BLGの少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%を変性させるのに十分である、こと、
c)ステップb)の懸濁液中のホエータンパク質ナノゲルの濃度が、ステップd)の要求されるホエータンパク質ナノゲル濃度未満である場合、ホエータンパク質ナノゲルの懸濁液を濃縮して、要求されるホエータンパク質ナノゲル濃度を有するホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液を得ること、
d)乾燥機供給物を噴霧乾燥により乾燥させることであって、乾燥機供給物はステップb)またはc)に由来するホエータンパク質ナノゲルを含み、好ましくは、乾燥機供給物はステップb)の懸濁液またはステップc)の濃縮懸濁液であり、乾燥機供給物は下記を含む、こと:
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量の総BLGの含量、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質の含量、
-21-40%w/w、最も好ましくは24-35%w/wの範囲の総固体の含量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/w、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、方法は粉末の形態のホエータンパク質ナノゲル組成物を生成する方法であり、方法は下記を含む:
a)下記を有するホエータンパク質溶液を提供すること:
-16-30%w/w、最も好ましくは18-24%w/wの量の天然BLGの含量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量の天然BLGの含量、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質の含量、
-5.8-7.5、最も好ましくは5.8-6.5の範囲のpH、
-下記である、カルシウムの総量と天然BLGの間の重量比:
-せいぜい0.0041pH-0.0209、および
-少なくとも0.0037pH-0.0234だが0よりも大きい、ならびに
-下記の一価金属カチオンの総濃度:
-ホエータンパク質溶液の天然BLGの含量が10%w/w未満である場合、せいぜい20mM、最も好ましくはせいぜい15mM、または
-ホエータンパク質溶液の天然BLGの含量が少なくとも10%w/wである場合、せいぜい15mM、最も好ましくはせいぜい10mM、
b)ホエータンパク質溶液を80-100℃、最も好ましくは少なくとも85-95℃の温度まで、ホエータンパク質ナノゲルの懸濁液を形成させるのに十分な期間の間加熱することであって、期間は、天然BLGの少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%を変性させるのに十分である、こと、
d)乾燥機供給物を噴霧乾燥により乾燥させることであって、乾燥機供給物はステップb)またはc)に由来するホエータンパク質ナノゲルを含み、乾燥機供給物はステップb)の懸濁液である、こと。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、方法は粉末の形態のホエータンパク質ナノゲル組成物を生成する方法であり、方法は下記を含む:
a)下記を有するホエータンパク質溶液を提供すること:
-3-10%w/w、最も好ましくは4-8%w/wの量の天然BLGの含量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量の天然BLGの含量、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質の含量、
-5.8-7.5、最も好ましくは5.8-6.5の範囲のpH、
-下記である、カルシウムの総量と天然BLGの間の重量比:
-せいぜい0.0041pH-0.0209、および
-少なくとも0.0037pH-0.0234だが0よりも大きい、ならびに
-下記の一価金属カチオンの総濃度:
-せいぜい15mM、最も好ましくはせいぜい10mM、
b)ホエータンパク質溶液を80-100℃、最も好ましくは少なくとも85-95℃の温度まで、ホエータンパク質ナノゲルの懸濁液を形成させるのに十分な期間の間加熱することであって、期間は、天然BLGの少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%を変性させるのに十分である、こと、
c)ホエータンパク質ナノゲルの懸濁液を濃縮して、ステップd)で要求されるホエータンパク質ナノゲル濃度を有するホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液を得ること、
d)乾燥機供給物を噴霧乾燥により乾燥させることであって、乾燥機供給物はステップb)またはc)に由来するホエータンパク質ナノゲルを含み、乾燥機供給物はステップc)の濃縮懸濁液であり、乾燥機供給物は下記を含む、こと:
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量の総BLGの含量、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質の含量、
-21-40%w/w、最も好ましくは24-35%w/wの範囲の総固体の含量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/w、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
ホエータンパク質ナノゲル組成物は、総固体に対してせいぜい15%w/w、より好ましくは総固体に対してせいぜい5%w/w、さらにいっそう好ましくは総固体に対してせいぜい1%w/w、最も好ましくは総固体に対してせいぜい0.1%w/wの量の炭水化物を含むことが特に好ましい。
発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、総固体に対して1-15%w/w、より好ましくは5-15%w/w、最も好ましくは総固体に対して8-15%w/wの範囲の量の炭水化物を含む。発明者らは、そのような実施形態は粉末形態のホエータンパク質ナノゲル組成物に有用であるという徴候をみたことがあり、というのも、粉末の再構成および水和は容易であると考えられるからである。炭水化物は好ましくは、例えばスクロース、ラクトース、グルコース、ガラクトースおよび/またはマルトデキストリンなどの消化可能な炭水化物を含む、またはさらに、これから構成される。
ホエータンパク質ナノゲル組成物は総固体に対してせいぜい8%w/w、より好ましくは総固体に対してせいぜい2%w/w、さらにいっそう好ましくは総固体に対してせいぜい0.5%w/w、最も好ましくは総固体に対してせいぜい0.1%w/wの量の脂質を含むことが、さらに特に好ましい。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、方法は粉末の形態のホエータンパク質ナノゲル組成物を生成する方法であり、方法は下記を含む:
a)下記を有するホエータンパク質溶液を提供すること:
-8-20%w/w、最も好ましくは12-18%w/wの量の天然BLGの含量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量の天然BLGの含量、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質の含量、
-5.8-7.5、最も好ましくは5.9-6.5の範囲のpH、
-下記である、カルシウムの総量と天然BLGの間の重量比:
-せいぜい0.0041pH-0.0209、および
-少なくとも0.0037pH-0.0234だが0よりも大きい、ならびに
-下記の一価金属カチオンの総濃度:
-ホエータンパク質溶液の天然BLGの含量が10%w/w未満である場合、18-25mM、最も好ましくは20-25mM、または
-ホエータンパク質溶液の天然BLGの含量が少なくとも10%w/wである場合、15-20mM、最も好ましくは17-20mM、
b)ホエータンパク質溶液を80-100℃、最も好ましくは少なくとも85-95℃の温度までホエータンパク質ナノゲルの懸濁液を形成させるのに十分な期間の間加熱することであって、期間は、天然BLGの少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%を変性させるのに十分である、こと、
c)任意で、ホエータンパク質ナノゲルの懸濁液を濃縮してホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液を得ること、
d)乾燥機供給物を噴霧乾燥により乾燥させることであって、乾燥機供給物はステップb)またはc)に由来するホエータンパク質ナノゲルを含み、好ましくは、乾燥機供給物はステップb)の懸濁液またはステップc)の濃縮懸濁液であり、好ましくは、乾燥機供給物は下記を含む、こと:
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量の総BLGの含量、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質の含量、
-8-25%w/w、最も好ましくは12-22%w/wの範囲の総固体の含量、
-総タンパク質に対して30-85%w/w、最も好ましくは35-70%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対して15-70%w/w、最も好ましくは30-65%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
さらに、発明の1つの態様は、総タンパク質に対して少なくとも30%の量のホエータンパク質ナノゲル、および、総固体に対して少なくとも30%w/wのタンパク質の総量を含むホエータンパク質ナノゲル組成物に関する。ホエータンパク質ナノゲル組成物は好ましくは、本明細書で記載される方法により得ることができる。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、総タンパク質に対して少なくとも60%w/w、より好ましくは少なくとも70%w/w、さらにいっそう好ましくは少なくとも80%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対して少なくとも90%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。
ホエータンパク質ナノゲルのさらに高い含量がしばしば好ましく、本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、総タンパク質に対して少なくとも92%w/w、より好ましくは少なくとも94%w/w、さらにいっそう好ましくは少なくとも96%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対して少なくとも98%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。
さらに、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、総タンパク質に対して約100%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含むことが好ましい場合がある。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、総タンパク質に対してせいぜい30%w/w、より好ましくはせいぜい20%w/w、さらにいっそう好ましくはせいぜい10%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対してせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体を含む。
可溶性ホエータンパク質凝集体のさらに低い含量がしばしば好ましく、ホエータンパク質ナノゲル組成物は好ましくは、総タンパク質に対してせいぜい3%w/w、より好ましくはせいぜい2%w/w、さらにいっそう好ましくはせいぜい1%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対してせいぜい0.5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、組成物の総重量に対してせいぜい30%w/w、より好ましくはせいぜい20%w/w、さらにいっそう好ましくはせいぜい10%w/w、最も好ましくは組成物の総重量に対してせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体を含む。
可溶性ホエータンパク質凝集体のさらに低い含量がしばしば好ましく、ホエータンパク質ナノゲル組成物は好ましくは、組成物の総重量に対してせいぜい3%w/w、より好ましくは組成物の総重量に対してせいぜい2%w/w、さらにいっそう好ましくは組成物の総重量に対してせいぜい1%w/w、最も好ましくは組成物の総重量に対してせいぜい0.5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体を含む。
可溶性ホエータンパク質凝集体の低含量を有するホエータンパク質ナノゲル組成物は高タンパク質酸性飲料に特に有用である。
本発明者らは、増加したホエータンパク質ナノゲルの含量を有するそのようなホエータンパク質ナノゲル組成物は、可溶性ホエータンパク質凝集体よりも、遅い胃腸消化に供せられ、胃の酸性環境においてより少ないゲルを形成すると考えられるという徴候をみた。そのため、ホエータンパク質ナノゲルは、可溶性ホエータンパク質凝集体よりも構造の発展および満腹感への寄与がより少ないと考えられる。これにより、これらのホエータンパク質ナノゲルが、満腹感を促進しない任意のpHの臨床栄養のための高エネルギー飲料に有用となる。
本発明者らは可溶性ホエータンパク質凝集体の著しい含量を有するホエータンパク質ナノゲル組成物は加熱処理に安定であり、酸性化でゲルをさらに生成させることを観察した。このため、そのようなホエータンパク質ナノゲル組成物は、液体食品ベースを低温殺菌し、その後、加熱処理済み食品ベースを酸性化することにより生成される酸性、濃厚食品に非常に好適なものになる。これは例えば、デンプン、ガムまたはペクチンなどの炭水化物系親水コロイドの使用にとって代わるのに有用である。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、下記を含む:
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して30-85%w/w、最も好ましくは35-70%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対して15-70%w/w、最も好ましくは30-65%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、下記を含む:
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも60%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して30-85%w/w、最も好ましくは35-70%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対して15-70%w/w、最も好ましくは30-65%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
本発明者らは、増加した可溶性ホエータンパク質凝集体の含量を有するそのようなホエータンパク質ナノゲル組成物は、より速い胃腸消化に供せられると考えられ、胃の酸性環境においてゲルを形成し、構造の発展および満腹感に寄与すると思われるという徴候をみた。これにより、これらのホエータンパク質ナノゲル組成物が、改善された満腹および/またはタンパク質の迅速消化を促進することができる飲料に有用なものとなる。
総タンパク質に対して15-70%w/w、最も好ましくは30-65%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体を含むホエータンパク質ナノゲル組成物は、5.5未満のpHおよび20℃かつ300s-1のせん断速度で測定して200cPを超える粘度を有する濃厚食品を生成するための食品成分としてとして使用され得る。
本発明のホエータンパク質ナノゲル組成物は、飲料における沈降およびさらに、砂質の感じを引き起こす可能性があるより大きなホエータンパク質粒子を少量含むことが典型的には好ましい。よって、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、総タンパク質に対してせいぜい10%w/w、より好ましくはせいぜい5%w/w、さらにいっそう好ましくはせいぜい3%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対してせいぜい1%w/wの量のホエータンパク質微小粒子を含む。ホエータンパク質微小粒子の含量は、分析3に従い決定される。
本実施例のホエータンパク質ナノゲル組成物は典型的には、もしあれば4%w/w未満のホエータンパク質微小粒子を含んだ。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は総固体に対して少なくとも30%w/w、より好ましくは総固体に対して少なくとも60%w/w、さらにより好ましくは総固体に対して少なくとも70%w/w、最も好ましくは総固体に対して少なくとも80%w/wの量の総タンパク質を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、総固体に対して少なくとも85%w/w、より好ましくは総固体に対して少なくとも90%w/w、さらにより好ましくは総固体に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは総固体に対して少なくとも95%w/wの量の総タンパク質を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は少なくとも30%w/w、より好ましくは少なくとも60%w/w、さらにより好ましくは少なくとも70%w/w、最も好ましくは少なくとも80%w/wの量の総タンパク質を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は少なくとも85%w/w、より好ましくは少なくとも90%w/w、さらにより好ましくは少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量の総タンパク質を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、より好ましくは総タンパク質に対して少なくとも60%w/w、さらにより好ましくは総タンパク質に対して少なくとも70%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対して少なくとも80%w/wの量の総BLGを含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は総タンパク質に対して少なくとも85%w/w、より好ましくは総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、さらにより好ましくは総タンパク質に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対して少なくとも95%w/wの量の総BLGを含む。ホエータンパク質ナノゲル組成物は総タンパク質に対して少なくとも97%w/wの量の総BLGを含むことがしばしば好ましい。
本発明のさらに好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、総タンパク質に対して50-80%w/wの範囲、より好ましくは総タンパク質に対して52-75%w/wの範囲、さらにより好ましくは総タンパク質に対して54-70%w/wの範囲、最も好ましくは総タンパク質に対して55-65%w/wの範囲の量の総BLGを含む。
本発明との関連で、「の量の総BLG」および「BLGの総量」という用語は同じ意味で使用され、どちらも、天然および変性BLGの両方を含む問題になっている組成物のBLGの総量に関する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は液体であり、1-50%w/wの量の、より好ましくは10-45%w/wの量の、さらにより好ましくは15-40%w/wの量の、最も好ましくは20-35%w/wの量の総固体を含む。
ホエータンパク質ナノゲル組成物が液体である場合、それは50-99%w/wの量の、より好ましくは55-90%w/wの量の、さらにより好ましくは60-85%w/wの量の、最も好ましくは65-80%w/wの量の水を含むことが好ましい。
液体ホエータンパク質ナノゲル組成物との関連で、可溶性ホエータンパク質凝集体はせいぜい8%w/w、より好ましくはせいぜい6%、さらにより好ましくはせいぜい3%w/w、最も好ましくはせいぜい1%w/wの量で存在することが好ましい。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末であり、90-99%w/wの量の、より好ましくは92-99%w/wの量の、さらにより好ましくは94-99%w/wの量の、最も好ましくは95-99%w/wの量の総固体を含む。
ホエータンパク質ナノゲル組成物が粉末である場合、それは1-10%w/wの量の、より好ましくは1-8%w/wの量の、さらにより好ましくは1-6%w/wの量の、最も好ましくは1-5%w/wの量の水を含むことが好ましい。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物はペーストであり、51-89%w/wの量の、より好ましくは55-90%w/wの量の、さらにより好ましくは60-85%w/wの量の、最も好ましくは65-80%w/wの量の総固体を含む。
ホエータンパク質ナノゲル組成物が粉末である場合、それは11-49%w/wの量の、より好ましくは13-45%w/wの量の、さらにより好ましくは15-40%w/wの量の、最も好ましくは20-35%w/wの量の水を含むことが好ましい。
幅広いpHが可能であるが、ホエータンパク質ナノゲル組成物は好ましくは、3-8、より好ましくは4-7、さらにいっそう好ましくは5-7、最も好ましくは6-7の範囲のpHを有する。
ホエータンパク質ナノゲル組成物がかなりの量の可溶性ホエータンパク質凝集体を含む場合、pHは5.7-8の範囲、最も好ましくは6.0-7.5の範囲であることが好ましい。
本発明者らは、ホエータンパク質ナノゲル組成物のpH中性バリアントはpH中性食品用途に好適であり、この場合、最終食品、例えば飲料のpHは、ホエータンパク質ナノゲル組成物のpHに近いことを見出した。これにより、タンパク質の取扱い中、特にpH調整中の望ましくないタンパク質の凝集のリスクが低減する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は6-8、最も好ましくは6-7の範囲のpHを有する。本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は7-8の範囲のpHを有する。
本発明のさらに好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、6.5-8.0、より好ましくは6.6-7.5、さらにいっそう好ましくは6.8-7.5、最も好ましくは6.9-7.5の範囲のpHを有する。
ホエータンパク質ナノゲル組成物のpH中性バリアントの状況と同様に、本発明者らは、ホエータンパク質ナノゲル組成物の酸性バリアントは酸性食品用途に特に好適であり、この場合、最終食品、例えば飲料のpHはホエータンパク質ナノゲル組成物のpHに近く、というのも、それにより、タンパク質の取扱い中、特にpH調整中の望ましくないタンパク質の凝集のリスクを低減させるからであることを見出した。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は3-5、最も好ましくは3-4の範囲のpHを有する。
本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は4-5の範囲のpHを有する。
本発明のさらに好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は3-5.5、より好ましくは3.0-5.0、さらにいっそう好ましくは3.0-4.7、最も好ましくは3.5-4.5の範囲のpHを有する。
本発明のナノゲルは典型的にはナノ範囲の粒子サイズを有する。本発明のいくつかの好ましい実施形態では、水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-1000nm、より好ましくは170-900nm、さらにより好ましくは200-800nm、最も好ましくは250-700nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-800nm、より好ましくは250-700nm、さらにより好ましくは300-600nm、最も好ましくは350-500nmのz-平均直径を有する。
ナノゲルが粉末ホエータンパク質ナノゲル組成物の形態で提供される場合、粒子サイズおよび多分散指数の測定には、粒子サイズ測定前に水中での再構成およびホエータンパク質ナノゲルの水和が必要となり、好ましくは、確実に水和されていることを確認するために、再構成されたホエータンパク質ナノゲルが均質化に供せられる。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.3、より好ましくはせいぜい0.2、さらにいっそう好ましくはせいぜい0.1、最も好ましくはせいぜい0.05の多分散指数を有する。
ホエータンパク質ナノゲル組成物が例えば、ステップb)のホエータンパク質ナノゲルの懸濁液またはステップc)の濃縮懸濁液を直接乾燥させることにより調製される場合、それはホエータンパク質溶液が含んだ、総固体に基づく同じかまたはわずかに少ないミネラルを含む。
よって、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物はせいぜい0.0070、より好ましくはせいぜい0.0065、さらにより好ましくはせいぜい0.0060、最も好ましくはせいぜい0.0050のカルシウムの総量と天然BLGの間の重量比を有する。
本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、せいぜい0.0045、より好ましくはせいぜい0.0040、さらにより好ましくはせいぜい0.0035、最も好ましくはせいぜい0.0030のカルシウムの総量と総BLGの間の重量比を有する。
さらに低い重量比がしばしば好ましく、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、せいぜい0.0025、より好ましくはせいぜい0.0020、さらにより好ましくはせいぜい0.0015、最も好ましくはせいぜい0.0010のカルシウムの総量と総BLGの間の重量比を有する。
本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、0.0010-0.0030の範囲、最も好ましくは0.0017-0.0027の範囲のカルシウムの総量と総BLGの間の重量比を有する。
ホエータンパク質ナノゲル組成物は、好ましくは、真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化させた場合、せいぜい20mM、より好ましくはせいぜい15mM、さらにいっそう好ましくはせいぜい10mM、より好ましくはせいぜい5mMの一価金属カチオンの総濃度を有し得る。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は総固体に対してせいぜい0.5%w/w、より好ましくはせいぜい0.3%w/w、さらにいっそう好ましくは総固体に対してせいぜい0.1%w/w、最も好ましくは総固体に対してせいぜい0.01%w/wの一価金属イオンの総含量を有する。
本方法はステップb)の加熱処理中のカルシウムと天然BLGの間の重量比を制限するが、得られたホエータンパク質ナノゲルの懸濁液をカルシウムおよび他のミネラルで増強させることが可能である。これは、例えば、ホエータンパク質ナノゲル組成物が食品のミネラル含量を増強させるために使用されることになっている場合、有利となり得る。
よって、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は少なくとも0.005、より好ましくは少なくとも0.01、さらにより好ましくは少なくとも0.02、最も好ましくは少なくとも0.03のカルシウムの総量と総BLGの間の重量比を有する。
本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、0.005-0.050、より好ましくは0.010-0.045、さらにいっそう0.015-0.040、最も好ましくは0.020-0.035のカルシウムの総量と総BLGの間の重量比を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化させた場合、20mM超、より好ましくは少なくとも25mM、さらにいっそう好ましくは少なくとも50mM、より好ましくは少なくとも100mMの一価金属カチオンの総濃度を有する。
本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化させた場合、20-400mM、より好ましくは少なくとも40-350mM、さらにいっそう好ましくは50-300mM、最も好ましくは60-250mMの一価金属カチオンの総濃度を有する。
ホエータンパク質ナノゲル組成物は、例えば炭水化物および/または脂質などの、タンパク質以外の他の主要栄養素を含み得る。
しかしながら、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、総固体に対してせいぜい15%w/w、より好ましくは総固体に対してせいぜい5%w/w、さらにいっそう好ましくは総固体に対してせいぜい1%w/w、最も好ましくは総固体に対してせいぜい0.1%w/wの量の炭水化物を含むことがしばしば好ましい。
発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、総固体に対して1-15%w/w、より好ましくは5-15%w/w、最も好ましくは総固体に対して8-15%w/wの範囲の量の炭水化物を含む。発明者らは、そのような実施形態は粉末形態のホエータンパク質ナノゲル組成物に有用であるという徴候をみたことがあり、というのも、粉末の再構成および水和は容易であると考えられるからである。炭水化物は好ましくは、例えばスクロース、ラクトース、グルコース、ガラクトースおよび/またはマルトデキストリン(maltoxdetrin)などの消化可能な炭水化物を含む、またはさらに、これから構成される。
ホエータンパク質ナノゲル組成物は、総固体に対してせいぜい8%w/w、より好ましくは総固体に対してせいぜい2%w/w、さらにいっそう好ましくは総固体に対してせいぜい0.5%w/w、最も好ましくは総固体に対してせいぜい0.1%w/wの量の脂質を含むことがさらにしばしば好ましい。
ホエータンパク質ナノゲル組成物はタンパク質以外の他の主要栄養素および材料成分を含み得る。パッケージされた加熱処理済み飲料との関連で以下で記載され、主要栄養素および追加の材料成分に関する実施形態および優先物は、ホエータンパク質ナノゲル組成物に同様に当てはまり、我々はそれらの実施形態を、それらをここで繰り返す代わりに参照する。
発明のいくつかの特に好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、タンパク質が天然形態にあることを除き、パッケージされた加熱処理済み飲料と同じ化学組成を有する。
発明の他の特に好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物はパッケージされた加熱処理済み飲料と同じ化学組成を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/w、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、
ii)真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化した場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい150cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい100cPの粘度を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも55%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも70%w/w、最も好ましくは少なくとも80%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/w、より好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、
ii)真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化した場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい150cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい100cPの粘度を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも85%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい20%w/w、最も好ましくはせいぜい15%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、
ii)真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化した場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい300cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい200cPの粘度を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも55%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも70%w/w、最も好ましくは少なくとも80%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/w、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、
ii)真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化した場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい300cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい200cPの粘度を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して30-85%w/w、最も好ましくは35-70%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対して15-70%w/w、最も好ましくは30-65%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも55%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して30-59%w/w、最も好ましくは35-50%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対して21-50%w/w、最も好ましくは30-45%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明の粉末は好ましくは噴霧乾燥により乾燥される。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は液体の形態であり、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-ホエータンパク質ナノゲル組成物の総重量に対して21-35%w/w、最も好ましくは24-32%w/wの量の総タンパク質、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量の総BLG、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/wの量の、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体、
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、および
ii)真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化した場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい200cPの粘度を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体の形態のホエータンパク質ナノゲル組成物は真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化した場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい200cP、より好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい100cP、さらにいっそう好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい50cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい20cPの粘度を有する。
本ホエータンパク質ナノゲル組成物を調製するために他の方法を使用することができるが、ホエータンパク質ナノゲル組成物は本明細書で記載される方法により得ることができることが好ましい。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、6-8、最も好ましくは7-8の範囲のpHを有し、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/w、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、
ii)真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化した場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい150cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい100cPの粘度を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、6-8、最も好ましくは7-8の範囲のpHを有し、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも55%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも70%w/w、最も好ましくは少なくとも80%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/w、より好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、
ii)真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化した場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい150cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい100cPの粘度を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明の他の好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、6-8、最も好ましくは7-8の範囲のpHを有し、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも55%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも60%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/w、より好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、
ii)真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化した場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい150cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい100cPの粘度を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、6-8、最も好ましくは7-8の範囲のpHを有し、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも85%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい20%w/w、最も好ましくはせいぜい15%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、
ii)真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化した場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい300cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい200cPの粘度を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、6-8、最も好ましくは7-8の範囲のpHを有し、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも55%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも70%w/w、最も好ましくは少なくとも80%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/w、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、
ii)真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化した場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい300cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい200cPの粘度を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、6-8、最も好ましくは7-8の範囲のpHを有し、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも55%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも60%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/w、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、
ii)真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化した場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい300cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい200cPの粘度を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、6-8、最も好ましくは7-8の範囲のpHを有し、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して30-85%w/w、最も好ましくは35-70%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対して15-70%w/w、最も好ましくは30-65%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、6-8、最も好ましくは7-8の範囲のpHを有し、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも55%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して30-59%w/w、最も好ましくは35-50%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対して21-50%w/w、最も好ましくは30-45%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明の粉末は好ましくは噴霧乾燥により乾燥される。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は液体の形態であり、6-8、最も好ましくは7-8の範囲のpHを有し、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-ホエータンパク質ナノゲル組成物の総重量に対して21-35%w/w、最も好ましくは24-32%w/wの量の総タンパク質、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量の総BLG、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/wの量の、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体、
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、および
ii)真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化した場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい200cPの粘度を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は液体の形態であり、6-8、最も好ましくは7-8の範囲のpHを有し、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-ホエータンパク質ナノゲル組成物の総重量に対して21-35%w/w、最も好ましくは24-32%w/wの量の総タンパク質、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも55%w/wの量の総BLG、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも55%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/wの量の、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体、
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、および
ii)真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化した場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい200cPの粘度を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、3-5、最も好ましくは3-4の範囲のpHを有し、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/w、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、
ii)真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化した場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい150cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい100cPの粘度を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、3-5、最も好ましくは3-4の範囲のpHを有し、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも55%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも70%w/w、最も好ましくは少なくとも80%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/w、より好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、
ii)真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化した場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい150cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい100cPの粘度を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、3-5、最も好ましくは3-4の範囲のpHを有し、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも55%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも60%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/w、より好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、
ii)真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化した場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい150cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい100cPの粘度を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、3-5、最も好ましくは3-4の範囲のpHを有し、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも85%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい20%w/w、最も好ましくはせいぜい15%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、
ii)真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化した場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい300cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい200cPの粘度を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、3-5、最も好ましくは3-4の範囲のpHを有し、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも55%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも70%w/w、最も好ましくは少なくとも80%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/w、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、
ii)真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化した場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい300cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい200cPの粘度を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、3-5、最も好ましくは3-4の範囲のpHを有し、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも55%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも60%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/w、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、
ii)真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化した場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい300cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい200cPの粘度を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、3-5、最も好ましくは3-4の範囲のpHを有し、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して30-85%w/w、最も好ましくは35-70%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対して15-70%w/w、最も好ましくは30-65%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は粉末形態であり、3-5、最も好ましくは3-4の範囲のpHを有し、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-組成物の総重量に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは少なくとも94%w/wの量の総固体、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも55%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して30-59%w/w、最も好ましくは35-50%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対して21-50%w/w、最も好ましくは30-45%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
本発明の粉末は好ましくは噴霧乾燥により乾燥される。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、ホエータンパク質ナノゲル組成物は液体の形態であり、3-5、最も好ましくは3-4の範囲のpHを有し、前記ホエータンパク質ナノゲル組成物は下記を含む:
-ホエータンパク質ナノゲル組成物の総重量に対して21-35%w/w、最も好ましくは24-32%w/wの量の総タンパク質、
-総固体に対して少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wの量の総タンパク質、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量の総BLG、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/wの量の、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体、
ならびに、下記の1つ以上:
i)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子は150-900nmの動的光散乱により測定されるz-平均直径を有する、および
ii)真空蒸発またはmilli-Q水の添加により20%w/w総タンパク質に標準化した場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい200cPの粘度を有する、および
iii)水和形態のホエータンパク質ナノゲル組成物の粒子はせいぜい0.2の多分散指数を有する。
ホエータンパク質ナノゲル組成物は好ましくは、5.8-7.5の範囲またはステップa)のホエータンパク質溶液との関連で記載される好ましいサブレンジの1つのpHでのホエータンパク質の熱変性により調製される。
さらに、発明の1つの態様は、本明細書で記載される方法により得ることができるホエータンパク質ナノゲルに関する。個々のホエータンパク質ナノゲルは、例えば、精密濾過、分画遠心法、および密度勾配遠心法により分離され得る。
水和形態の複数の本ホエータンパク質ナノゲルは好ましくは150-1000nm、より好ましくは170-900nm、さらにより好ましくは200-800nm、最も好ましくは250-700nmのz-平均直径を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、水和形態の複数の本ホエータンパク質ナノゲルは150-800nm、より好ましくは250-700nm、さらにより好ましくは300-600nm、最も好ましくは350-500nmのz-平均直径を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、本ホエータンパク質ナノゲルは、そのようなホエータンパク質ナノゲルが脱塩水中20.0%w/wの量で存在する場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい200cP、より好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい100cP、さらにいっそう好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい50cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい40cPの粘度を提供する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、水和形態の複数の本ホエータンパク質ナノゲルはせいぜい0.3、より好ましくはせいぜい0.2、最も好ましくはせいぜい0.1の多分散指数を有する。
さらに、本発明の1つの態様は、本明細書で規定されるホエータンパク質ナノゲル組成物または本明細書で規定される複数のホエータンパク質ナノゲルを含む食品に関する。
食品は好ましくは、ホエータンパク質ナノゲル組成物またはホエータンパク質ナノゲルに加えて少なくとも1つ以上の追加の材料成分を含み、および/または、もはやホエータンパク質ナノゲル組成物ではない製品に変換されている。
食品は好ましくは飲料、酸性濃厚食品、または固体食品である。
発明者らは、本ホエータンパク質ナノゲルおよびホエータンパク質ナノゲル組成物は飲料および好ましくは高タンパク質含量を有するパッケージされた加熱処理済み飲料に特に有用であることを見出した。
よって、発明の特定の態様は、少なくともホエータンパク質ナノゲルを含むパッケージされた加熱処理済み飲料に関する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は3-8の範囲のpHを有し、少なくとも1%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。
飲料のホエータンパク質ナノゲルは本明細書で規定されるホエータンパク質ナノゲル組成物により提供され、または、本明細書で規定されるホエータンパク質ナノゲルであることが特に好ましい。飲料のホエータンパク質ナノゲルは本明細書で記載される方法により得ることができることが、さらに特に好ましい。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、1-32%w/w、より好ましくは5-31%w/w、さらにいっそう好ましくは10-30%w/w、最も好ましくは21-30%w/wの範囲の量の総タンパク質を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、17-32%w/w、より好ましくは21-31%w/w、さらにいっそう好ましくは22-30%w/w、最も好ましくは24-30%w/wの範囲の量の総タンパク質を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、8-32%w/w、より好ましくは9-24%w/w、さらにいっそう好ましくは10-22%w/w、最も好ましくは11-20%w/wの範囲の量の総タンパク質を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、より好ましくは総タンパク質に対して少なくとも60%w/w、さらにより好ましくは総タンパク質に対して少なくとも70%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対して少なくとも80%w/wの量の総BLGを含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は総タンパク質に対して少なくとも85%w/w、より好ましくは総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、さらにより好ましくは総タンパク質に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対して少なくとも95%w/wの量の総BLGを含む。ホエータンパク質ナノゲル組成物は総タンパク質に対して少なくとも97%w/wの量の総BLGを含むことがしばしば好ましい。
本発明のさらに好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は総タンパク質に対して50-80%w/wの範囲、より好ましくは総タンパク質に対して52-75%w/wの範囲、さらにより好ましくは総タンパク質に対して54-70%w/wの範囲、最も好ましくは総タンパク質に対して55-65%w/wの範囲の量の総BLGを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、少なくとも5%w/w、より好ましくは少なくとも8%w/w、さらにいっそう好ましくは少なくとも10%w/w、最も好ましくはせいぜい少なくとも11%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。
好ましくは、パッケージされた加熱処理済み飲料は5-32%w/w、より好ましくは8-24%w/w、さらにいっそう好ましくは10-22%w/w、最も好ましくはせいぜい11-20%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含み得る。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、少なくとも21%w/w、より好ましくは少なくとも22%w/w、さらにいっそう好ましくは少なくとも25%w/w、最も好ましくは少なくとも28%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。
好ましくは、パッケージされた加熱処理済み飲料は、21-32%w/w、より好ましくは22-31%w/w、さらにいっそう好ましくは23-30%w/w、最も好ましくは24-30%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、より好ましくは少なくとも70%w/w、さらにいっそう好ましくは少なくとも80%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対して少なくとも90%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。ホエータンパク質ナノゲルのさらに高い含量がしばしば好ましく、本発明の他の好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、総タンパク質に対して少なくとも92%w/w、より好ましくは少なくとも94%w/w、さらにいっそう好ましくは少なくとも96%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対して少なくとも98%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。
飲料のBLG変性度は好ましくは非常に高い。本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、総タンパク質に対して少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにいっそう好ましくは少なくとも85%、最も好ましくは少なくとも90%のBLG変性度を有する。さらに高いBLG変性度がしばしば好ましく、本発明の他の好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は少なくとも92%、より好ましくは少なくとも94%、さらにいっそう好ましくは少なくとも96%、最も好ましくは少なくとも98%のBLG変性度を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、総タンパク質に対してせいぜい30%w/w、より好ましくはせいぜい20%w/w、さらにいっそう好ましくはせいぜい10%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対してせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体を含む。
可溶性ホエータンパク質凝集体のさらに低い含量がしばしば好ましく、パッケージされた加熱処理済み飲料は好ましくは、総タンパク質に対してせいぜい3%w/w、より好ましくはせいぜい2%w/w、さらにいっそう好ましくはせいぜい1%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対してせいぜい0.5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、飲料の総重量に対してせいぜい8%w/w、より好ましくはせいぜい5%w/w、さらにいっそう好ましくはせいぜい2%w/w、最も好ましくは飲料の総重量に対してせいぜい0.5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体を含む。
本発明のパッケージされた加熱処理済み飲料は、飲料における沈降およびさらに、砂質の感じを引き起こす可能性があるより大きなホエータンパク質粒子を少量含むことが典型的には好ましい。よって、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、総タンパク質に対してせいぜい10%w/w、より好ましくはせいぜい5%w/w、さらにいっそう好ましくはせいぜい3%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対してせいぜい1%w/wの量のホエータンパク質微小粒子を含む。ホエータンパク質微小粒子の含量は、分析3に従い決定される。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は下記を含む:
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/w、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
本発明の他の好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は下記を含む:
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも85%w/w、最も好ましくは少なくとも89%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい15%w/w、最も好ましくはせいぜい11%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は3-50%w/wの量の、より好ましくは4-40%w/wの量の、さらにより好ましくは6-35%w/wの量の、最も好ましくは8-30%w/wの量の総固体含量を有する。
本発明の他の好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は10-50%w/wの量の、より好ましくは12-40%w/wの量の、さらにより好ましくは14-35%w/wの量の、最も好ましくは16-30%w/wの量の総固体含量を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は50-97%w/wの量の、より好ましくは60-96%w/wの量の、さらにより好ましくは65-94%w/wの量の、最も好ましくは70-92%w/wの量の含水量を有する。
固体ではないパッケージされた加熱処理済み飲料の部分は好ましくは水である。
飲料のpHは酸性から弱アルカリ性に及ぶ可能性がある。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、5.5-8.0、より好ましくは6.0-7.5、さらにより好ましくは6.2-7.3、最も好ましくは6.3-7.2の範囲のpHを有する。
本発明の他の好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、6.0-7.5、より好ましくは6.2-7.5、最も好ましくは6.3-7.5の範囲のpHを有する。
本発明のさらに好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、6.0-8.0、より好ましくは6.6-7.7、さらにより好ましくは6.7-7.6、最も好ましくは6.8-7.5の範囲のpHを有する。
本発明の他の好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、3.0-5.4、より好ましくは3.5-5.0、さらにより好ましくは3.7-4.8、最も好ましくは4.0-4.6の範囲のpHを有する。
本発明のさらに好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、3.0-5.4、より好ましくは3.0-5.0、さらにより好ましくは3.5-5.0、最も好ましくは3.5-4.6の範囲のpHを有する。
本発明のさらにいっそう好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、3.0-5.4、より好ましくは3.1-5.0、さらにより好ましくは3.2-4.6、最も好ましくは3.5-4.0の範囲のpHを有する。
発明者らは、可溶性ホエータンパク質凝集体の粘度寄与はpH4.0未満でより顕著でなくなることを見出した。よって、発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、3.0-4.0、より好ましくは3.0-3.8、最も好ましくは3.0-3.6の範囲のpHを有する。好ましくは、パッケージされた加熱処理済み飲料は3.0-4.0、より好ましくは3.0-3.8、最も好ましくは3.0-3.6の範囲のpHを有することができ;ならびに、ホエータンパク質ナノゲルはパッケージされた加熱処理済み飲料の総タンパク質の50-95%w/w、より好ましくは55-85%w/w、さらにいっそう好ましくは60-75%w/wを与えることができ;ならびに、可溶性ホエータンパク質凝集体はパッケージされた加熱処理済み飲料の総タンパク質の5-50%w/w、より好ましくは15-45%w/w、最も好ましくは25-30%w/wを与えることができる。
発明者らはさらに、総タンパク質に対して高いホエータンパク質ナノゲルの含量は、pH範囲4.0-5.0、最も好ましくは4.2-4.8の低粘度高タンパク質飲料を生成することを可能にすることを見出した。よって、発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、4.0-5.0、最も好ましくは4.2-4.8の範囲のpHを有する。好ましくは、パッケージされた加熱処理済み飲料は4.0-5.0、最も好ましくは4.2-4.8の範囲のpHを有することができ、ホエータンパク質ナノゲルはパッケージされた加熱処理済み飲料の総タンパク質の少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wを与えることができる。
本発明者らは、本ホエータンパク質ナノゲルを含む加熱処理済み、酸性タンパク質飲料は驚いたことに他の型の変性ホエータンパク質を含む同等飲料より少ない渋味を有することを観察した。これは例えば実施例8において示されている。これは例えば、タンパク質変性加熱処理、例えば例として100℃を超える温度での加熱処理に供せられた飲料に有利である。
本パッケージされた加熱処理済み飲料の利点は、それが含むタンパク質の量に比べて、それが驚くほど低い粘度を有することである。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、20℃でかつ300s-1のせん断速度でせいぜい200cP、より好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい100cP、さらにより好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい50cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい20cPの粘度を有する。
さらに低い粘度が可能であり、しばしば望ましい。よって、本発明の他の好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい15cP、より好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい10cP、さらにより好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい8cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい5cPの粘度を有する。
パッケージされた加熱処理済み飲料は無菌であることが特に好ましい。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、少なくとも6ヶ月、より好ましくは少なくとも1年、さらにいっそう好ましくは少なくとも2年の周囲温度での貯蔵寿命を有する。
本発明のパッケージされた加熱処理済み飲料は、例えば炭水化物および/または脂質などの、タンパク質以外の他の主要栄養素を含み得る。
発明のいくつかの実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、炭水化物をさらに含む。発明の加熱処理済み飲料中の総炭水化物含量は、加熱処理済み飲料の使用目的に依存する。
パッケージされた加熱処理済み飲料の炭水化物は好ましくは、炭水化物源の1つ以上の源により提供される。
有用な炭水化物源は下記からなる群より選択され得る:スクロース、マルトース、デキストロース、ガラクトース、マルトデキストリン、コーンシロップ固体、スクロモルト、グルコースポリマー、コーンシロップ、加工デンプン、難消化性デンプン、コメ由来炭水化物、イソマルツロース、白砂糖、グルコース、フルクトース、ラクトース、高果糖コーンシロップ、蜂蜜、糖アルコール、フラクトオリゴ糖、大豆繊維、コーンファイバ、グアーガム、コンニャク粉、ポリデキストロース、ファイバーソル、およびそれらの組み合わせ。発明のいくつかの実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料はフルクタンのような非消化性糖を含み、フルクタンはイヌリンまたはフラクトオリゴ糖を含む。
発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は飲料の総エネルギー量の0~95%、より好ましくは飲料の総エネルギー量の10~85%の範囲、さらにいっそう好ましくは飲料の総エネルギー量の20~75%の範囲、最も好ましくは飲料の総エネルギー量の30~60%の範囲の炭水化物を含む。
さらに低い炭水化物含量がしばしば好ましく、よって発明のいくつかの好ましい実施形態では、好ましくは飲料の総エネルギー量の0~30%の範囲、より好ましくは飲料の総エネルギー量の0~20%の範囲、さらにいっそう好ましくは飲料の総エネルギー量の0~10%の範囲である。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、飲料は、スポーツ飲料として特に有用であり、例えば、飲料の総エネルギー量(E)のせいぜい75%、より好ましくはせいぜい40E%、さらにいっそう好ましくはせいぜい10E%、最も好ましくはせいぜい5E%の炭水化物の総量を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、栄養的に不完全な栄養補助食品として特に有用であり、例えば、飲料の総エネルギー量(E)の70-95%、好ましくは80-90E%の範囲の炭水化物の総量を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、飲料の総エネルギー量の30-60%の範囲、最も好ましくは35-50E%の範囲の炭水化物の総量を含む。そのような飲料は栄養的に完全な飲料に特に有用である。
発明のいくつかの実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、ビタミン、香味剤、ミネラル、甘味料、抗酸化剤、食物酸、脂質、炭水化物、プレバイオティクス、プロバイオティクスおよび非ホエータンパク質、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの追加の材料成分をさらに含む。
追加の材料成分は、飲料の栄養寄与および味覚および香味特性を調整するために使用することができる。
発明の1つの実施形態では、飲料は少なくとも1つの高甘味度甘味料(HIS)を含む。少なくとも1つのHISは好ましくは、アスパルテーム、サイクラミン酸、スクラロース、アセスルファム塩、ネオテーム、サッカリン、ステビア抽出物、例えばレバウジオシドAなどのステビオール配糖体、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される。
発明のいくつかの実施形態では、甘味料は、1つ以上の高甘味度甘味料を含む、またはさらに、これから構成されることが特に好ましい。
HISは天然および人工甘味料の両方の中で見出されており、典型的にはスクロースの少なくとも10倍の甘味度を有する。
使用される場合、飲料のHISの総量は典型的には0.001-2%w/wの範囲である。好ましくは、HISの総量は0.005-1%w/wの範囲である。最も好ましくは、HISの総量は0.01-0.5%w/wの範囲である。
甘味料の選択は生成される飲料に依存する可能性があり、例えば高甘味度甘味料(例えばアスパルテーム、アセスルファム(acetsulfam)-Kまたはスクラロース)が甘味料からのエネルギー寄与が望まれていない飲料中で使用され得、一方、天然プロファイルを有する飲料については天然甘味料(例えばステビオール配糖体、ソルビトールまたはスクロース)が使用され得る。
甘味料は、1つ以上のポリオール甘味料(複数可)を含む、またはさらに、これから構成されることがさらに好ましい可能性がある。有用なポリオール甘味料の非限定的な例はマルチトール、マンニトール、ラクチトール、ソルビトール、イノシトール、キシリトール、トレイトール、ガラクチトールまたはそれらの組み合わせである。使用される場合、飲料のポリオール甘味料の総量は典型的には1-20%w/wの範囲である。より好ましくは、飲料のポリオール甘味料の総量は2-15%w/wの範囲である。さらにいっそう好ましくは、ポリオール甘味料の総量は4-10%w/wの範囲であってもよい。
発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は下記を含む:
-せいぜい1%w/w、より好ましくはせいぜい0.5%w/w、最も好ましくはせいぜい0.1%w/wの炭水化物の総量、および
-0.001-2%w/wの範囲、より好ましくは0.005-1%w/wの範囲、最も好ましくは0.01-0.5%w/wの範囲のHISの総量。
発明のいくつかの実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、脂質をさらに含む。発明の加熱処理済み飲料中の総脂質含量は加熱処理済み飲料の使用目的に依存する。
発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、飲料の総エネルギー量の0~50%、好ましくは飲料の総エネルギー量の0~40%の範囲、好ましくは飲料の総エネルギー量の0~30%の範囲、好ましくは飲料の総エネルギー量の0~20%の範囲、好ましくは飲料の総エネルギー量の0~10%の範囲、好ましくは飲料の総エネルギー量の0~5%の範囲の脂質含量を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、飲料は、スポーツ飲料として特に有用であり、例えば、せいぜい10E%、好ましくはせいぜい1E%の脂質の総量を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、栄養的に不完全な栄養補助食品として特に有用であり、例えば、飲料の総エネルギー量のせいぜい10%、好ましくはせいぜい1E%の脂質の総量を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、例えばスポーツ飲料の形態の飲料は下記を含む:
-飲料の重量に対して1-30%w/w、より好ましくは飲料の重量に対して4-24%w/w、さらにいっそう好ましくは飲料の重量に対して8-20%w/w、最も好ましくは飲料の重量に対して10-20%w/wの範囲のタンパク質の総量、
-飲料の総エネルギー量(E)のせいぜい75%、より好ましくはせいぜい40E%、さらにいっそう好ましくはせいぜい10E%、最も好ましくはせいぜい5E%の炭水化物の総量、および
-せいぜい10E%、より好ましくはせいぜい6E%、さらにいっそう好ましくはせいぜい3E%、最も好ましくはせいぜい1E%の脂質の総量。
本発明の他の好ましい実施形態では、例えば、低炭水化物スポーツ飲料の形態の飲料は下記を含む:
-飲料の重量に対して1-30%w/w、より好ましくは飲料の重量に対して4-24%w/w、さらにいっそう好ましくは飲料の重量に対して8-20%w/w、最も好ましくは飲料の重量に対して10-20%w/wの範囲のタンパク質の総量、
-せいぜい10E%、より好ましくはせいぜい6E%、さらにいっそう好ましくはせいぜい3E%、最も好ましくはせいぜい1E%の炭水化物の総量、
-せいぜい5E%、より好ましくはせいぜい4E%、さらにいっそう好ましくはせいぜい3E%、最も好ましくはせいぜい1E%の脂質の総量、および
-0.001-2%w/wの範囲、より好ましくは0.005-1%w/wの範囲、最も好ましくは0.01-0.5%w/wの範囲のHISの総量。
本発明の他の好ましい実施形態では、例えば栄養的に完全な飲料の形態のパッケージされた加熱処理済み飲料は下記を含む:
-飲料の重量に対して1-30%w/w、より好ましくは飲料の重量に対して4-24%w/w、さらにいっそう好ましくは飲料の重量に対して8-20%w/w、最も好ましくは飲料の重量に対して10-20%w/wの範囲のタンパク質の総量、
-飲料の総エネルギー量の30-60%の範囲、最も好ましくは35-50E%の範囲の炭水化物の総量、および
-総エネルギー量の20-50%の範囲、より好ましくは25-45E%の範囲、最も好ましくは30-40E%の脂質の総量。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、3.0-5.4、最も好ましくは3.5-4.6の範囲のpHを有し、下記を含む:
-飲料の重量に対して8-32%w/w、最も好ましくは飲料の重量に対して10-22%w/wの範囲のタンパク質の総量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも85%w/w、最も好ましくは少なくとも89%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい15%w/w、最も好ましくはせいぜい11%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
本発明の他の好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、3.0-5.4、最も好ましくは3.5-4.6の範囲のpHを有し、下記を含む:
-飲料の重量に対して8-32%w/w、最も好ましくは飲料の重量に対して10-22%w/wの範囲のタンパク質の総量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい10%w/w、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、3.0-5.4、最も好ましくは3.5-4.6の範囲のpHを有し、下記を含む:
-飲料の重量に対して8-32%w/w、最も好ましくは飲料の重量に対して10-22%w/wの範囲のタンパク質の総量、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも55%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも60%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい15%w/w、最も好ましくはせいぜい11%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
本発明の他の好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、3.0-5.4、最も好ましくは3.5-4.6の範囲のpHを有し、下記を含む:
-飲料の重量に対して8-32%w/w、最も好ましくは飲料の重量に対して10-22%w/wの範囲のタンパク質の総量、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも55%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも60%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい10%w/w、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、6.2-7.5、最も好ましくは6.8-7.5の範囲のpHを有し、下記を含む:
-飲料の重量に対して8-32%w/w、最も好ましくは飲料の重量に対して10-22%w/wの範囲のタンパク質の総量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも85%w/w、最も好ましくは少なくとも89%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい15%w/w、最も好ましくはせいぜい11%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
本発明の他の好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、6.2-7.5、最も好ましくは6.8-7.5の範囲のpHを有し、下記を含む:
-飲料の重量に対して8-32%w/w、最も好ましくは飲料の重量に対して10-22%w/wの範囲のタンパク質の総量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい10%w/w、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、6.2-7.5、最も好ましくは6.8-7.5の範囲のpHを有し、下記を含む:
-飲料の重量に対して8-32%w/w、最も好ましくは飲料の重量に対して10-22%w/wの範囲のタンパク質の総量、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも55%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも60%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい15%w/w、最も好ましくはせいぜい11%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
本発明の他の好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、6.2-7.5、最も好ましくは6.8-7.5の範囲のpHを有し、下記を含む:
-飲料の重量に対して8-32%w/w、最も好ましくは飲料の重量に対して10-22%w/wの範囲のタンパク質の総量、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも55%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも60%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい10%w/w、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、例えばスポーツ飲料の形態の飲料は下記を含む:
-飲料の総エネルギー量(E)のせいぜい75%、より好ましくはせいぜい40E%、さらにいっそう好ましくはせいぜい10E%、最も好ましくはせいぜい5E%の炭水化物の総量、および
-せいぜい10E%、より好ましくはせいぜい6E%、さらにいっそう好ましくはせいぜい3E%、最も好ましくはせいぜい1E%の脂質の総量。
本発明の他の好ましい実施形態では、例えば栄養的に完全な飲料の形態のパッケージされた加熱処理済み飲料は下記を含む:
-飲料の総エネルギー量の30-60%の範囲、最も好ましくは35-50E%の範囲の炭水化物の総量、および
-総エネルギー量の20-50%の範囲、より好ましくは25-45E%の範囲、最も好ましくは30-40E%の脂質の総量。
発明の1つの態様は、3-8の範囲のpHを有するパッケージされた加熱処理済み飲料を生成するプロセスに関し、下記ステップを含み:
1)3-8の範囲のpHを有し、下記を含む液体溶液を提供すること:
-1~32重量%のタンパク質の総量(タンパク質の少なくとも50w/w%がβラクトグロブリン(BLG)である)
-任意で、甘味料および/または香味料
2)液体溶液をパッケージすること、
ステップa)の液体溶液および/またはステップb)のパッケージされた液体溶液は少なくとも低温殺菌を含む加熱処理に供せられる。
よって、加熱処理済み飲料は加熱処理済み液体溶液である。
発明のいくつかの特に好ましい実施形態では、液体溶液はホエータンパク質ナノゲル組成物を生成する上記方法のステップa)によるホエータンパク質溶液であり、パッケージされた加熱処理済み飲料を生成するプロセスの加熱処理は上記方法のステップb)である。加熱処理は、好ましくは滅菌であり、よって、無菌、液体ホエータンパク質ナノゲル組成物を加熱処理済み液体溶液として、パッケージされた加熱処理済み飲料を生成するプロセスのステップ2)においてパッケージすることを可能にする。
発明の他の特に好ましい実施形態では、液体溶液は下記であり:
-ホエータンパク質ナノゲル組成物を生成する上記方法のステップb)から得られたナノゲルの懸濁液、および/または
-ステップc)から得られたナノゲルの濃縮懸濁液、
パッケージされた加熱処理済み飲料を生成するプロセスの加熱処理は、液体溶液またはパッケージされた液体溶液を滅菌する。
いくつかの好ましい実施形態では、液体溶液は3-8の範囲のpHを有し、少なくとも1%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。
液体溶液のホエータンパク質ナノゲルは、本明細書で規定されるように、好ましくは粉末形態のホエータンパク質ナノゲル組成物により提供される、および/または、本明細書で規定されるホエータンパク質ナノゲルであることが特に好ましい。液体溶液のホエータンパク質ナノゲルは本明細書で記載される方法により得ることができることが、さらに特に好ましい。液体溶液の提供は典型的には、粉末形態のホエータンパク質ナノゲル組成物を水中で再構成すること、必要なら、再構成されたホエータンパク質ナノゲル組成物を十分な分散が得られるまでホモジナイズすることを含む。好ましくは、液体溶液のホエータンパク質ナノゲルの粒子サイズは乾燥ステップd)前のそれらの粒子サイズと実質的に同じである。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体溶液は、1-32%w/w、より好ましくは5-31%w/w、さらにいっそう好ましくは10-30%w/w、最も好ましくは21-30%w/wの範囲の量の総タンパク質を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体溶液は、17-32%w/w、より好ましくは21-31%w/w、さらにいっそう好ましくは22-30%w/w、最も好ましくは24-30%w/wの範囲の量の総タンパク質を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、液体溶液は、8-32%w/w、より好ましくは9-24%w/w、さらにいっそう好ましくは10-22%w/w、最も好ましくは11-20%w/wの範囲の量の総タンパク質を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体溶液は総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、より好ましくは総タンパク質に対して少なくとも60%w/w、さらにより好ましくは総タンパク質に対して少なくとも70%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対して少なくとも80%w/wの量の総BLGを含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、液体溶液は総タンパク質に対して少なくとも85%w/w、より好ましくは総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、さらにより好ましくは総タンパク質に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対して少なくとも95%w/wの量の総BLGを含む。ホエータンパク質ナノゲル組成物は総タンパク質に対して少なくとも97%w/wの量の総BLGを含むことがしばしば好ましい。
本発明のさらに好ましい実施形態では、液体溶液は、総タンパク質に対して50-80%w/wの範囲、より好ましくは総タンパク質に対して52-75%w/wの範囲、さらにより好ましくは総タンパク質に対して54-70%w/wの範囲、最も好ましくは総タンパク質に対して55-65%w/wの範囲の量の総BLGを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体溶液は少なくとも5%w/w、より好ましくは少なくとも8%w/w、さらにいっそう好ましくは少なくとも10%w/w、最も好ましくはせいぜい少なくとも11%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。
好ましくは、液体溶液は5-32%w/w、より好ましくは8-24%w/w、さらにいっそう好ましくは10-22%w/w、最も好ましくはせいぜい11-20%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含み得る。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体溶液は、少なくとも21%w/w、より好ましくは少なくとも22%w/w、さらにいっそう好ましくは少なくとも25%w/w、最も好ましくは少なくとも28%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。
好ましくは、液体溶液は、21-32%w/w、より好ましくは22-31%w/w、さらにいっそう好ましくは23-30%w/w、最も好ましくは24-30%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体溶液は、総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、より好ましくは少なくとも70%w/w、さらにいっそう好ましくは少なくとも80%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対して少なくとも90%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。ホエータンパク質ナノゲルのさらに高い含量がしばしば好ましく、本発明の他の好ましい実施形態では、液体溶液は、総タンパク質に対して少なくとも92%w/w、より好ましくは少なくとも94%w/w、さらにいっそう好ましくは少なくとも96%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対して少なくとも98%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを含む。
特に、液体溶液のタンパク質が主にホエータンパク質ナノゲル、および、任意で可溶性ホエータンパク質凝集体の形態である場合、液体溶液のBLG変性度はしばしば非常に高い。本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体溶液は、総タンパク質に対して少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにいっそう好ましくは少なくとも85%、最も好ましくは少なくとも90%のBLG変性度を有する。さらに高いBLG変性度がしばしば好ましく、本発明の他の好ましい実施形態では、液体溶液は、少なくとも92%、より好ましくは少なくとも94%、さらにいっそう好ましくは少なくとも96%、最も好ましくは少なくとも98%のBLG変性度を有する。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体溶液は、総タンパク質に対してせいぜい30%w/w、より好ましくはせいぜい20%w/w、さらにいっそう好ましくはせいぜい10%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対してせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体を含む。
可溶性ホエータンパク質凝集体のさらに低い含量がしばしば好ましく、液体溶液は好ましくは、総タンパク質に対してせいぜい3%w/w、より好ましくはせいぜい2%w/w、さらにいっそう好ましくはせいぜい1%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対してせいぜい0.5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体を含む。
本発明の他の好ましい実施形態では、液体溶液は、液体溶液の総重量に対してせいぜい8%w/w、より好ましくはせいぜい5%w/w、さらにいっそう好ましくはせいぜい2%w/w、最も好ましくは液体溶液の総重量に対してせいぜい0.5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体を含む。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体溶液は下記を含む:
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい9%w/w、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
液体溶液は、飲料における沈降およびさらに、砂質の感じを引き起こす可能性があるより大きなホエータンパク質粒子を少量含むことが典型的には好ましい。よって、本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体溶液は、総タンパク質に対してせいぜい10%w/w、より好ましくはせいぜい5%w/w、さらにいっそう好ましくはせいぜい3%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対してせいぜい1%w/wの量のホエータンパク質微小粒子を含む。
液体溶液のpHは酸性から弱アルカリ性に及ぶ可能性がある。
ほぼpH中性の飲料の生成には、ほぼpH中性の液体溶液が特に好ましい。本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体溶液は、5.5-8.0、より好ましくは6.0-7.5、さらにより好ましくは6.2-7.3、最も好ましくは6.3-7.2の範囲のpHを有する。
本発明の他の好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は、6.0-7.5の範囲、より好ましくは6.2-7.5、最も好ましくは6.3-7.5のpHを有する。
本発明のさらに好ましい実施形態では、液体溶液は、6.0-8.0、より好ましくは6.6-7.7、さらにより好ましくは6.7-7.6、最も好ましくは6.8-7.5の範囲のpHを有する。
酸性飲料の生成には、酸性液体溶液が特に好ましい。本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体溶液は、3.0-5.4、より好ましくは3.5-5.0、さらにより好ましくは3.7-4.8、最も好ましくは4.0-4.6の範囲のpHを有する。
本発明のさらに好ましい実施形態では、液体溶液は、3.0-5.4、より好ましくは3.0-5.0、さらにより好ましくは3.5-5.0、最も好ましくは3.5-4.6の範囲のpHを有する。
本発明のさらにいっそう好ましい実施形態では、液体溶液は、3.0-5.4、より好ましくは3.1-5.0、さらにより好ましくは3.2-4.6、最も好ましくは3.3-3.8の範囲のpHを有する。
発明者らは、可溶性ホエータンパク質凝集体の粘度寄与はpH4.0未満でより顕著でなくなることを見出した。よって、発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体溶液は、3.0-4.0、より好ましくは3.0-3.8、最も好ましくは3.0-3.6の範囲のpHを有する。好ましくは、液体溶液は3.0-4.0、より好ましくは3.0-3.8、最も好ましくは3.0-3.6の範囲のpHを有することができ;ホエータンパク質ナノゲルは、液体溶液の総タンパク質の50-95%w/w、より好ましくは55-85%w/w、さらにいっそう好ましくは60-75%w/wを与えることができ;ならびに、可溶性ホエータンパク質凝集体は液体溶液の総タンパク質の5-50%w/w、より好ましくは15-45%w/w、最も好ましくは25-30%w/wを与えることができる。
発明者らはさらに、総タンパク質に対して高いホエータンパク質ナノゲルの含量は、pH範囲4.0-5.0、最も好ましくは4.2-4.8の低粘度高タンパク質飲料を生成することを可能にすることを見出した。よって、発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体溶液は、4.0-5.0、最も好ましくは4.2-4.8の範囲のpHを有する。好ましくは、液体溶液は4.0-5.0、最も好ましくは4.2-4.8の範囲のpHを有することができ、ホエータンパク質ナノゲルは液体溶液の総タンパク質の少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wを与えることができる。
一般に任意の好適な食物酸または食物塩基を使用して、液体溶液のpHを調整することができる。当業者であれば、pHを調整するための好適な手段を認識するであろう。好適な食物塩基としては炭酸ナトリウムもしくはカリウム、炭酸水素ナトリウムもしくはカリウム、または水酸化アンモニウムが挙げられる。あるいはKOHまたはNaOHが例えば、pHを調整するために使用され得る。好適な食物酸としては、例えば、クエン酸、塩酸、リンゴ酸もしくは酒石酸またはリン酸が挙げられる。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体溶液は、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい200cP、より好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい100cP、さらにより好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい50cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい20cPの粘度を有する。
さらに低い粘度が可能であり、しばしば望ましい。よって、本発明の他の好ましい実施形態では、液体溶液は、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい15cP、より好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい10cP、さらにより好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい8cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい5cPの粘度を有する。
液体溶液は無菌であることが特に好ましい。
本発明の液体溶液はタンパク質以外の他の主要栄養素および材料成分を含み得る。パッケージされた加熱処理済み飲料との関連で記載され、主要栄養素および追加の材料成分に関する実施形態および優先物は液体溶液に同様にあてはまり、我々はそれらの実施形態を、それらをここで繰り返す代わりに参照する。
発明のいくつかの特に好ましい実施形態では、液体溶液は、パッケージされた加熱処理済み飲料と同じ化学組成を有する。
発明の他の特に好ましい実施形態では、液体溶液は、より少ないタンパク質変性を除き、パッケージされた加熱処理済み飲料と同じ化学組成を有する。
液体溶液の提供は本明細書で規定される粉末の形態のホエータンパク質ナノゲル組成物を水および任意で1つ以上の追加の材料成分と合わせることを含むことが特に好ましい。
粉末形態のホエータンパク質ナノゲル組成物は、液体溶液のホエータンパク質ナノゲルの少なくとも50%w/w、より好ましくは少なくとも80%w/w、さらにいっそう好ましくは少なくとも90%w/w、最も好ましくは液体溶液の全てのホエータンパク質ナノゲルを与えることが好ましい。
粉末形態のホエータンパク質ナノゲル組成物は、液体溶液のタンパク質の少なくとも50%w/w、より好ましくは少なくとも80%w/w、さらにいっそう好ましくは少なくとも90%w/w、最も好ましくは液体溶液の全てのタンパク質を与えることがさらに好ましい。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体溶液は、3.0-5.4、最も好ましくは3.5-4.6の範囲のpHを有し、下記を含む:
-液体溶液の重量に対して8-32%w/w、最も好ましくは液体溶液の重量に対して10-22%w/wの範囲のタンパク質の総量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも85%w/w、最も好ましくは少なくとも89%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい15%w/w、最も好ましくはせいぜい11%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
本発明の他の好ましい実施形態では、液体溶液は、3.0-5.4、最も好ましくは3.5-4.6の範囲のpHを有し、下記を含む:
-液体溶液の重量に対して8-32%w/w、最も好ましくは液体溶液の重量に対して10-22%w/wの範囲のタンパク質の総量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい10%w/w、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体溶液は、3.0-5.4、最も好ましくは3.5-4.6の範囲のpHを有し、下記を含む:
-液体溶液の重量に対して8-32%w/w、最も好ましくは液体溶液の重量に対して10-22%w/wの範囲のタンパク質の総量、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも55%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも60%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい15%w/w、最も好ましくはせいぜい11%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
本発明の他の好ましい実施形態では、液体溶液は、3.0-5.4、最も好ましくは3.5-4.6の範囲のpHを有し、下記を含む:
-液体溶液の重量に対して8-32%w/w、最も好ましくは液体溶液の重量に対して10-22%w/wの範囲のタンパク質の総量、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも55%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、最も好ましくは少なくとも60%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい10%w/w、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、液体溶液は、6.2-7.5、最も好ましくは6.8-7.5の範囲のpHを有し、下記を含む:
-液体溶液の重量に対して8-32%w/w、最も好ましくは液体溶液の重量に対して10-22%w/wの範囲のタンパク質の総量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも85%w/w、最も好ましくは少なくとも89%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい15%w/w、最も好ましくはせいぜい11%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
本発明の他の好ましい実施形態では、液体溶液は、6.2-7.5、最も好ましくは6.8-7.5の範囲のpHを有し、下記を含む:
-液体溶液の重量に対して8-32%w/w、最も好ましくは液体溶液の重量に対して10-22%w/wの範囲のタンパク質の総量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wのBLGの総量、
-総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、最も好ましくは少なくとも95%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、および
-総タンパク質に対してせいぜい10%w/w、最も好ましくはせいぜい5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体。
本発明のいくつかの好ましい実施形態では、例えば、スポーツ飲料の調製のための液体溶液は下記を含む:
-液体溶液の総エネルギー量(E)のせいぜい75%、より好ましくはせいぜい40E%、さらにいっそう好ましくはせいぜい10E%、最も好ましくはせいぜい5E%の炭水化物の総量、および
-せいぜい10E%、より好ましくはせいぜい6E%、さらにいっそう好ましくはせいぜい3E%、最も好ましくはせいぜい1E%の脂質の総量。
本発明の他の好ましい実施形態では、例えば、栄養的に完全な飲料の調製のための液体溶液は下記を含む:
-液体溶液の総エネルギー量の30-60%の範囲、最も好ましくは35-50E%の範囲の炭水化物の総量、および
-総エネルギー量の20-50%の範囲、より好ましくは25-45E%の範囲、最も好ましくは30-40E%の脂質の総量。
ステップ2)のパッケージングは任意の好適なパッケージング技術であってもよく、任意の好適な容器が液体溶液をパッケージするために使用され得る。
しかしながら、発明の好ましい実施形態では、ステップ2)のパッケージングは無菌パッケージングであり、すなわち、液体溶液は無菌条件下でパッケージされる。例えば、無菌パッケージングは無菌充填システムを使用することにより実施することができ、それは好ましくは、液体溶液を1つ以上の無菌容器(複数可)に充填することを含む。
液体溶液が充填前すでに無菌であるか、または、微生物が非常に低い場合、無菌充填およびシーリングが特に好ましい。
有用な容器の例は、例えば瓶、紙パック、ブリック、および/またはバッグである。
発明のプロセスのいくつかの好ましい実施形態では、ステップ1)の液体溶液は、少なくとも低温殺菌を含む熱処理に供せられ、次いでステップ2)でパッケージされる。
発明のプロセスの別の実施形態では、ステップ2)のパッケージされた液体溶液は少なくとも低温殺菌を含む熱処理に供せられる。
いくつかの好ましい実施形態では、加熱処理は、液体溶液を70-80℃の範囲の温度まで加熱することを含む。
発明のいくつかの好ましい実施形態では、加熱処理の温度は、70-80℃の範囲、好ましくは70-79℃の範囲、より好ましくは71-78℃の範囲、さらにいっそう好ましくは72-77℃の範囲、最も好ましくは73-76℃の範囲、例えばおよそ75℃である。
好ましくは、加熱処理の期間は、70-80の範囲の温度で実施される場合、1秒~60分である。最高暴露時間は温度範囲の最低温度に最適であり、逆の場合も同じである。
他の好ましい実施形態では、加熱処理の温度は70℃で少なくとも60分間、好ましくは75℃で少なくとも45分間、好ましくは80℃で少なくとも30分間、好ましくは85℃で少なくとも22分間、好ましくは90℃で少なくとも10分間である。
発明の特に好ましい実施形態では、加熱処理は、70-78℃で1秒~30分間、より好ましくは71-77℃で1分~25分間、さらにより好ましくは72-76℃で2分~20分間を提供する。
発明のいくつかの好ましい実施形態では、加熱処理のプロセスは、85℃-95℃の温度まで1~30分間加熱することを含む。
いくつかの実施形態では、とりわけ、BLGについて、アンフォールディングが、および任意で凝集も必要とされる場合、より高い温度がまた、好ましい場合がある。例えば、加熱処理の温度は、少なくとも81℃、好ましくは少なくとも91℃、好ましくは少なくとも95℃、より好ましい少なくとも100℃、さらにより好ましくは少なくとも120℃、最も好ましくは少なくとも140℃であってもよい。
発明の他の好ましい実施形態では、加熱処理の温度は、好ましくは少なくとも95℃、より好ましい少なくとも100℃、さらにより好ましくは少なくとも120℃、最も好ましくは少なくとも140℃である。例えば、加熱処理の温度は、好ましくは95-160℃の範囲、より好ましくは100-155℃の範囲、さらにより好ましくは120-153℃の範囲、最も好ましくは140-152℃の範囲である。
発明のいくつかの好ましい実施形態では、加熱処理は熱滅菌であり、好ましくは120~155℃の範囲温度で無菌状態を得るのに十分な期間、典型的には0.3秒~10分の間、より好ましくは140~155℃で4-30秒を含む。
加熱処理は例えば、90-130℃の範囲の温度および5秒-10分の範囲の期間を含み得る。加熱処理は例えば、90-95℃の範囲の温度まで、1-10分の期間の間、例えば、およそ120℃までおよそ20秒間加熱することを含み得る。あるいは、加熱処理は、115-125℃の範囲の温度まで5-30秒の期間の間、例えばおよそ120℃までおよそ20秒間加熱することを含み得る。
あるいは、加熱処理は滅菌UHT-型処理であることが特に好ましく、これは典型的には135-146℃の範囲の温度および2-10秒の範囲の期間を含む。
あるいは、これもまた好ましいが、加熱処理は145-180℃の範囲の温度、および、0.01-2秒の範囲の期間、より好ましくは150-180℃の範囲の温度および0.01-0.3秒の範囲の期間を含み得る。
加熱処理の実行は、機器、例えばプレートもしくはチューブ式熱交換器、かき取り表面熱交換器またはレトルトシステムの使用を含み得る。あるいは、特に好ましくは、95℃超での加熱処理では、直接蒸気ベース加熱を使用することができ、例えば、直接蒸気噴射、直接蒸気注入、またはスプレークッキングが使用される。加えて、そのような直接蒸気ベース加熱は好ましくはフラッシュ冷却と組み合わせて使用される。スプレークッキングの実行の好適な例がWO2009113858A1号(これは、全ての目的のために本明細書に組み込まれる)において見出される。直接蒸気噴射および直接蒸気注入の実行の好適な例がWO2009113858A1号およびWO2010/085957A3号(それらは、全ての目的のために本明細書に組み込まれる)において見出される。高温処理の一般的な態様は、例えば、“Thermal technologies in food processing” ISBN 185573558 Xにおいて見出され、これは、全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
発明のいくつかの好ましい実施形態では、加熱処理は、好ましくは少なくとも80℃の温度、より好ましくは少なくとも95℃、さらにいっそう好ましくは少なくとも100℃、最も好ましくは少なくとも120℃の温度でのレトルト加熱処理を含む、またはさらに、これから構成される。実施例10で見られるように、本発明者らは、本発明による飲料は150℃で10分間のレトルト型加熱処理に耐えることができることを証明している。
発明の他の好ましい実施形態では、加熱処理は、好ましくは少なくとも100℃の温度、より好ましくは少なくとも120℃、さらにいっそう好ましくは少なくとも130℃、最も好ましくは少なくとも140℃の温度での蒸気注入またはスプレークッキングを含む、またはさらに、これから構成される。
発明のいくつかの好ましい実施形態では、低温殺菌が物理的微生物低減と組み合わされる。
物理的微生物低減の有用な例は微生物濾過、UV照射、高圧処理、パルス電場処理、および超音波の1つ以上を含む。
発明のいくつかの好ましい実施形態では、加熱処理は滅菌加熱処理であり、よって、無菌液体溶液、そのため無菌飲料が得られる。そのような滅菌は、例えば微生物濾過および低温殺菌を組み合わせることにより、または、少なくとも100℃で、滅菌を得るのに十分な期間の間加熱処理を実施することにより得られ得る。
発明のいくつかの特に好ましい実施形態では、加熱処理は、液体溶液を100-160℃の範囲の温度まで、液体溶液を滅菌するのに十分な期間の間加熱することを含む。これは好ましくは、液体溶液を120~155℃の範囲の温度まで、無菌状態を得るのに十分な期間の間、典型的には0.3秒~10分、より好ましくは140~155℃で0.3-30秒間加熱することを含む。
液体溶液は加熱処理後冷却に供せられることが有益である。発明のプロセスの好ましい実施形態によれば、加熱処理に続いて、加熱処理済み液体溶液は任意的なステップにおいて好ましくは0~50℃、好ましくは0~25℃、好ましくは0~20℃、好ましくは0~15℃、好ましくは0~10℃、好ましくは4~8℃、好ましくは2~5℃、好ましくは1~5℃でまで冷却される。
液体溶液が少なくとも低温殺菌されている場合、それは好ましくは、加熱処理後0~15℃、より好ましくは1~5℃まで冷却される。
冷却は充填ステップ前または充填ステップ後に起こり得る。
発明のいくつかの好ましい実施形態では、パッケージされた加熱処理済み飲料は上記プロセスにより得ることができる。
食品はその代わりに、酸性、濃厚食品であってもよい。本発明者らは、ホエータンパク質ナノゲルに加えて、可溶性ホエータンパク質凝集体をかなりの量で含むホエータンパク質ナノゲル組成物は熱安定であり、かつ、酸性化で粘度を増加させることができることを観察した。そのようなホエータンパク質ナノゲル組成物は、液体食品ベースがほぼ中性pHで低温殺菌または滅菌され、その後化学的にまたは細菌により酸性化される用途に有用である。
本発明との関連で、「濃厚食品」は20℃かつ300s-1のせん断速度で200cP超の粘度を有する。濃厚食品は粘性であるが、依然として注げる液体である可能性があり、または、それはコヒーレントゲルであり得る。
本発明との関連で、「酸性食品」は25℃でせいぜい5.6のpHを有する。
よって、発明の特定の態様は、酸性、濃厚食品を生成するプロセスに関し、下記ステップを含み:
-少なくとも5.7のpHを有する液体食品ベースを調製するステップであって、液体食品ベースは、4-20%w/wの量のタンパク質を提供するのに十分なホエータンパク質ナノゲル組成物を含み、ホエータンパク質ナノゲル組成物は、好ましくは本明細書で規定されるように、下記を含むステップ、:
-総タンパク質に対して15-70%w/w、より好ましくは20-50%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体、
-総タンパク質に対して30-85%,より好ましくは50-80%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、
-液体食品ベースを少なくとも70℃で、液体食品ベースを少なくとも低温殺菌するのに十分な期間の間加熱処理するステップ、
-任意で、加熱処理済み液体食品ベースをホモジナイズするステップ、
-加熱処理済み液体食品ベースをせいぜい5.4のpHまで酸性化するステップ、
-任意で酸性化食品ベースをホモジナイズするステップ
酸性、濃厚食品は酸性化食品ベース、または、酸性化液体食品ベースおよび例えば甘味料および/または香味料などのさらなる材料成分の混合物である。
発明の別の特定的な態様は、上記プロセスにより得ることができる、好ましくは注げる、粘性液体または注げないゲルの形態の、酸性、濃厚食品に関する。
さらに、発明の1つの態様は、下記の1つ以上のための、本明細書で規定されるホエータンパク質ナノゲル組成物および/または本明細書で規定される複数のホエータンパク質ナノゲルの使用に関する:
-食品成分として、
-少なくとも10%w/wのタンパク質、さらにより好ましくは少なくとも21%w/wのタンパク質を含む無菌飲料を生成するための食品成分として、
-5.5未満のpH、および、20℃かつ300s-1のせん断速度で測定して200cPを超える粘度を有する濃厚食品を生成するための食品成分として、ならびに
-例えばコーヒー用クリームにおける白色剤として。
発明のさらなる態様は、3.0-5.0、最も好ましくは3.5-4.6のpHを有する加熱処理済みタンパク質飲料の渋味および/または酸味を低減させるためのタンパク質源としての、ホエータンパク質ナノゲルおよび/またはホエータンパク質ナノゲル組成物の使用に関し
-好ましくは、ホエータンパク質ナノゲルは、加熱処理済み飲料の総タンパク質の少なくとも50%w/w、より好ましくは少なくとも70%w/w、さらにいっそう好ましくは少なくとも80%w/w、最も好ましくは加熱処理済み飲料の総タンパク質の少なくとも90%w/wを与え;ならびに
-好ましくは、加熱処理済み飲料は2-35%w/w、より好ましくは4-30%w/w、さらにいっそう好ましくは6-25%w/w、最も好ましくは8-20%w/wの量の総タンパク質を含む。
好ましくは、発明のホエータンパク質ナノゲルは少なくとも60%w/w、より好ましくは少なくとも70%w/w、さらにいっそう好ましくは少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wのBLGの総量を含む。
上記使用のホエータンパク質ナノゲルおよび/またはホエータンパク質ナノゲル組成物は好ましくは本明細書で規定されるホエータンパク質ナノゲルおよび/またはホエータンパク質ナノゲル組成物であり、好ましくは本発明の方法により得ることができる。
本発明について以上で、特定の実施形態を参照して記載してきた。しかしながら、以上で記載されているもの以外の他の実施形態も、発明の範囲内にあることが同様に可能である。発明の様々な実施形態および態様の異なる特徴およびステップは別記されない限り、本明細書で記載されるもの以外の様式で組み合わせることができる。
実施例
分析の方法
分析1:透過型電子顕微鏡法による凝集体形態の決定
試料を2%グルタルアルデヒドリン酸緩衝液(pH7.2)中で、1:1の体積比を用いて、40分間室温で固定する。その後、固定した試料を水中で約0.2%のタンパク質濃度まで希釈した。4μlの希釈試料を放電させたフォルムバール/炭素フィルムグリッド(300メッシュ)上に1分間置き、続いて、濾紙を用いてブロッティングした。染色を4μlリンタングステン酸(1%、pH7.0)を添加することにより、1分間実施し、次いでブロッティングした。グリッドを1回MilliQ水で洗浄し、乾燥させ、その後、100kVで動作されるPhilips CM-100電子顕微鏡に挿入した。画像は、グリッド上の少なくとも5つの異なる場所で得る。
分析2:動的光散乱による凝集体サイズの決定
ホエータンパク質ナノゲルの流体力学直径をMalvern Nanosizer S機器を使用して測定した。milliQ水中で0.05%以下のタンパク質濃度まで希釈したホエータンパク質ナノゲル調製物を2.5mLの12.5x12.5x45mm使い捨てキュベットに入れ、矢印マーカーが機器レーザーの方向を示すようにした。試料を、ソフトウェアにより決定される減衰率および測定期間の自動調整と共に30秒の平衡時間後、20℃で測定した。ソフトウェアにより提供される5回の測定からのナノメートルで表される平均したZ-平均流体力学直径が提示される。
分析3:ホエータンパク質ナノゲル、可溶性ホエータンパク質凝集体、微小粒子および残留タンパク質の量の定量化
ホエータンパク質ナノゲル、ホエータンパク質微小粒子、可溶性ホエータンパク質凝集体および残留タンパク質の量を以下で記載されるように、分析される試料(milliQ水中で4%タンパク質まで希釈(18.2MΩ)およびpH7.0に調整)の分別により決定した。各画分のタンパク質含量を分析7に記載されるように決定した。
微小粒子の量を4%タンパク質溶液の5.0mLサブサンプルを2.0μmシリンジフィルタに通して濾過し、初期サブサンプルのタンパク質の総量(Ptotal)と濾液のタンパク質の総量(Pfiltrate)の間の差を測定することにより決定した。総タンパク質に対するホエータンパク質微小粒子の量を下記として計算した:
Figure 2023514024000002
変性ホエータンパク質はpH4.6未満または超のpH値でよりも、pH4.6でより低い溶解度を有することが知られており、そのため、非変性(天然)ホエータンパク質の量はpH4.6での遠心分離下、同じpHでのタンパク質の総量に対して沈降しないタンパク質の量を測定することにより決定される。
そのため、4.0%(w/w)総タンパク質を含み、4.6のpHを有する試料の溶液を5%(w/w)HCl(aq)を使用したpH調整により調製した。溶液を2時間室温で保存し、その後、50.000gで1時間遠心分離した。上清のタンパク質の総量
Figure 2023514024000003
および遠心分離前のタンパク質の量
Figure 2023514024000004
を決定した。総タンパク質に対する非変性タンパク質の量を下記として計算した:
Figure 2023514024000005
可溶性ホエータンパク質凝集体の画分を、試料のpH7.0溶液の遠心分離後に上清中に存在するタンパク質の量を測定し(可溶性ホエータンパク質凝集体および非変性ホエータンパク質の両方を測定)pH4.6溶液の遠心分離後に上清中に存在するタンパク質の量(非変性ホエータンパク質のみを測定)を減算することにより決定した。
そのため、4.0%タンパク質溶液のサブサンプル(pH7.0)を2時間室温で保存し、その後、50.000gで1時間遠心分離した。上清のタンパク質の総量
Figure 2023514024000006
および遠心分離前のサブサンプルのタンパク質の総量
Figure 2023514024000007
を決定した。
総タンパク質に対する可溶性ホエータンパク質凝集体の量を下記として決定した:
Figure 2023514024000008
総タンパク質に対するホエータンパク質ナノゲルの量を、微小粒子、非変性タンパク質および可溶性ホエータンパク質凝集体の相対量をタンパク質含量の総量(100%)から減算することにより決定した:
ナノゲル(%)=100%-微小粒子(%)-可溶性ホエータンパク質凝集体(%)-非変性タンパク質(%)
タンパク質変性度を、100%-残留タンパク質(%)として決定した。
分析4:液体試料の粘度
粘度をハンドヘルド細管粘度計(Viscoman、Gilson)を用いて20℃で測定し、300s-1のせん断速度で報告した。
分析5:酸性化中のゲル形成の定量化
レオメータ(Anton Paar Physica MCR301)を使用して、酸性化中のホエータンパク質ナノゲルを含む試料のゲル形成および粘度の発達を評価した。ホエータンパク質ナノゲル試料を脱塩水を使用して4w/w%の総タンパク質含量まで希釈し、42℃で10分間平衡化させた。GDL(D-グルコン酸δ-ラクトン)を粉末形態から撹拌溶液に添加し、1w/w%の最終濃度とし、撹拌下で1分間溶解させた。
20mLの溶液を42℃に予め平衡化させたレオメータ内のカップ(CC27-SS)に添加し、60分間0.1Hz、0.5%引張で貯蔵および損失弾性率を測定した。pHを、実験を通して、標準溶液を42℃で用いて較正されたWTW Multi 3410 pHロガーを用いて記録した。
分析6:天然BLG、天然ALAおよびCMPの決定ならびにBLG変性度の決定
タンパク質試料(加熱なし、および加熱済み)をMQ水中2%に希釈した。5mLのタンパク質溶液、10mLのMilli-Q、4mLの10%酢酸および6mLの1.0M NaOAcを混合し、20分間撹拌し、約pH4.6で変性タンパク質を沈殿凝集させる。溶液を0.22μmフィルタに通して濾過し、凝集体および非天然タンパク質を除去する。全ての試料をポリッシュ水を添加することにより同じ希釈度に供した。各試料について、同じ体積をUPLCカラム
Figure 2023514024000009
を有するUPLCシステム上にロードし、214nmで検出した。
試料を、下記条件を使用して流した:
バッファーA:Milli-Q水、0.1%w/wTFA
バッファーB:HPLCグレードアセトニトリル、0.1%w/wTFA
流速:0.4ml/分
勾配:0-6.00分24-45%B;6.00-6.50分45-90%B;6.50-7.00分90%B;7.00-7.50分90-24%Bおよび7.50-10.00分24%B。
タンパク質標準(Sigma L0130)に対するBLGピークの面積を使用して、試料中の天然BLGの濃度を決定した(5レベル較正曲線)。試料をさらに希釈し、線形範囲の外側である場合再注入した。加熱処理により提供されたBLG変性度(D)を下記として計算した:
D=((BLGnative,non-heated-BLGnative,heated)/BLGnative,non-heated100%。
分析6もまた、使用して、試料の天然BLG、天然ALAおよびCMPの含量を決定する。
分析7:総タンパク質の決定
試料の総タンパク質含量(真のタンパク質)を下記により決定する:
1)ISO8968-1/2|IDF020-1/2-乳-窒素含量の決定-パート1/2:窒素含量の決定に従い、Kjeldahl法を使用して、試料の総窒素を決定すること。
2)ISO8968-4|IDF020-4-乳-窒素含量の決定-パート4:非タンパク質窒素含量の決定に従い、試料の非タンパク質窒素を決定すること。
3)総量タンパク質を(mtotal nitrogen-mnon-protein-nitrogen6.38として計算すること。
分析8:脂質の総量の決定
脂質の量は、ISO1211:2010(脂肪含量の決定-Rose-Gottlieb重量測定法)に従い決定される。
分析9:ラクトースの総量の決定
ラクトースの総量は、ISO5765-2:2002(IDF79-2:2002)「粉乳、乾き氷混合物およびプロセスチーズ-ラクトース含量の決定-パート2:ラクトースのガラクトース部分を利用する酵素方法」に従い決定される。
分析10:ブリックスの決定
ブリックス測定は、ポリッシュ水(せいぜい0.05mS/cmの導電率を得るために逆浸透により濾過された水)に対して較正されたAtago PAL-αデジタルハンドヘルド屈折計を使用して実施した。
およそ500μlの試料を機器のプリズム表面に移し、測定を開始した。測定値を読み取り、記録した。
ホエータンパク質溶液のブリックスは総固体(TS)の含量に比例し、TS(%w/wで測定)はおよそブリックス0.85である。
分析11:灰分の決定
食品の灰分は、NMKL173:2005「食品中の灰分、重量測定決定」に従い決定される。
分析12:総固体および含水量の決定
製品の総固体は、NMKL 110第2版、2005(総固体(水)-乳および乳製品中の重量測定決定)に従い決定され得る。NMKLは「Nordisk Metodikkomite for Naringsmidler」についての略語である。
製品の含水量は100%-総固体の相対量(%w/w)として計算することができる。
分析13:pHの測定
pH値は全てpHガラス電極を使用して、25℃で測定する。pHガラス電極(温度補償を有する)は使用前に注意深くすすぎ、使用前に較正する。試料が液体形態である場合、pHは液体溶液において25℃で直接測定する。試料が粉末である場合、10グラムの粉末を90mlの脱塩水中に室温で激しく撹拌しながら溶解させる。次いで、溶液のpHを25℃で測定する。
分析14:カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムおよびリンの量の決定(ICP-MS法)
カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、およびリンの総量を、試料を最初に、マイクロ波分解を使用して分解させ、次いでミネラル(複数可)の総量をICP装置を用いて決定する手順を使用して決定する。
装置:
マイクロ波はAnton Paar由来であり、ICPはPerkinElmer Inc.製のOptima 2000DVである。
材料:
1M HNO
2%HNO中のイットリウム
5%HNO中のカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、およびリンについての好適な標準
前処理:
ある一定の量の粉末を量り取り、粉末をマイクロ波分解管に移す。5mLの1M HNOを添加する。試料をマイクロ波においてマイクロ波使用説明書に従い、分解する。分解された管を通風室に入れ、蓋を取り、揮発性煙霧を蒸発させる。
測定手順:
前処理済み試料をDigiTUBEに、公知の量のMilli-Q水を使用して移す。イットリウムを含む2%HNOの溶液を分解管に添加し(50mL希釈試料あたり約0.25mL)、公知の体積までMilli-Q水を使用して希釈する。試料をICPで、製造者により記載される手順を使用して分析する。
盲試料を、Milli-Q水を使用して、10mLの1M HNOおよび0.5mLのイットリウムを含む2%HNOの溶液の混合物を希釈して、100mLの最終体積にすることにより調製する。予測される試料濃度を一括する濃度を有する少なくとも3つの標準試料を調製する。
分析16:熱凝固時間の決定
ホエータンパク質の熱安定性は、超高温処理が飲料組成物の長期貯蔵寿命を確実にするために必要となる、中性pH範囲にある高タンパク質飲料に特に重要である。
そのため、熱凝固時間分析が熱安定性の尺度として開発された。1.0mLホエータンパク質ナノゲル調製物を2mLの32×11.5mm注入バイアル(Mikrolab、品番ML33003V)に移し、クリンプシールした。次いで、試料を、Mikrolab超熱加熱ユニットにおいて150℃に予熱されたアルミニウムブロックにおけるインキュベーションにより加熱した。アルミニウムブロックはバイアルの寸法に正確に適合するようにドリリングされた穴を有し、効率的な熱伝達が確保された。20-100℃の温度増加が40秒で達成され、140℃の温度に、132秒以内で到達した。
個々の試料のアリコートを(分:秒)0:45、1:00、1:20、1:47、2:22、3:10、4:13、5:38、7:30または10:00間インキュベートし、測定した試料内の温度は132秒(2:12)後140℃を超え、UHT条件をシミュレートした。加熱後、試料を直ちに冷水に移し、さらなる反応を停止させた。試料を逆にし、その底まで流れる能力を各加熱時間で記録した。熱凝固時間(HCT)を、試料がゲル化し、よって、逆にしても、バイアルの底まで流れない第1の加熱時間として決定した。
温度をOmega HH802デジタル温度計に接続させた熱電対温度計を、高温での試料の煮沸および蒸発を回避するために1mLの油を含むバイアルに入れることにより記録した。
分析17:BLGおよびALAの総量の決定
試料のBLGの総量およびALAの総量(凝集形態のBLGおよび/またはALAを含む)を、PCT出願第PCT/EP2019/067039号の実施例1.31に従い決定する。
実施例1:濃厚ホエータンパク質ナノゲル溶液の調製
本発明者らは以前、偶然に、ホエータンパク質ナノゲルは驚くほど高いタンパク質含量を有する溶液で生成させることができることを発見した。本実施例の目的は高タンパク質濃度でホエータンパク質ナノゲルを作製する可能性をさらに探ることであり、得られたホエータンパク質ナノゲル組成物を特徴付けた。
材料および方法:
Figure 2023514024000010
例示的なホエータンパク質溶液をWO2018/115520号、実施例7において記載されるように生成させたBLG単離物粉末を溶解することにより調製した。BLG単離物粉末の特性を表1に記載する。
ミネラル含量を分析14により、脂肪、ラクトース、灰分、総固体および総タンパク質を、それぞれ、分析8、9、10、11、12および7により決定した。タンパク質組成を、分析6を使用して決定した。
粉末を量り取り、タンパク質/総固体を考慮して、4、8、10、12、および16%タンパク質の最終ホエータンパク質組成物を生成させた。90%のmilli-Q水を試料に添加し、pHを、3M NaOHを使用して、5.9(または10%タンパク質でpH6.0)に調整した。
残りの水を添加し、最終pHを確認した。PBTねじ蓋(Duran)が載置されたDuran GL18ねじ管(壁厚1.8mm、16mm外径、カタログ番号28625320)中の15mLの各試料を水浴中90℃で14分間(または10%タンパク質で10分)熱処理し、その後、氷水浴中で直ちに冷却した。
可溶性ホエータンパク質凝集体およびホエータンパク質ナノゲルの動的光散乱(Z-平均流体力学直径)、透過型電子顕微鏡法、および分画によるホエータンパク質ナノゲルのキャラクタリゼーションを、それぞれ、分析1、2および3に記載されるように実施した。
結果:
ホエータンパク質ナノゲル調製物を90℃で14分間のBLGの熱処理により形成させた。驚いたことに、ホエーナノゲル調製物は、表2に示されるように、少なくとも16%タンパク質までの高タンパク質濃度で加熱しても液体のままであることが見出された。
例えば90℃で10分間の熱処理により、95-97%の変性が引き起こされ、3-5%の非変性タンパク質(分析6による)のみが熱処理後に存在することが一般に見出された。
ホエーナノゲル調製物を、196-287nmのz-平均直径、ならびに、増加したタンパク質濃度で、それぞれ6~20%の可溶性ホエータンパク質凝集体の画分および94~80%のナノゲル画分を有すること(図1を参照されたい)により特徴付けた。
図2はその個々のサイズが動的光散乱測定とよく合致する(表2)高度に均一な、球状ナノゲルを含む透過型電子顕微鏡画像を示す。TEM試料調製中、染色および乾燥の両方が粒子に対して効果を発揮し、それらは、図2に示されるように、一緒にクラスターを生成する。
非球形凝集体が12-16%ホエータンパク質ナノゲル調製物のTEM画像では視覚的に豊富であるが、球状凝集体の質量分率がそれらのコンパクトな構造のために>80%を占める。
タンパク質濃度の増加に伴う可溶性凝集体の画分の増加は、TEM画像におけるより小さな鎖状凝集体の出現と一致したことがさらに見出され、これにより、タンパク質濃度の増加および/またはNaおよびKの含量の増加は、可溶性凝集体の画分の増加という結果になることが示唆される。
Figure 2023514024000011
結論:
ホエータンパク質ナノゲル調製物は、低カルシウム(0.0016Ca:BLGw:w)および一価塩により特徴付けられるホエータンパク質溶液を使用した場合、少なくとも16%までのタンパク質の濃度であっても調製することができる。得られたホエータンパク質ナノゲル調製物は大部分(≧80%)が、211-287nmのサイズを有する球状ナノゲルから構成され、可溶性ホエータンパク質凝集体のわずかな画分を有する。
可溶性ホエータンパク質凝集体の画分は、タンパク質および/または一価塩の含量(Na+K)の増加に伴い増加する。
実施例2:可溶性凝集体の低い含量を有するホエータンパク質ナノゲル調製物
本ホエータンパク質ナノゲル調製の目的はどのように、ホエータンパク質組成物の熱処理中に存在する一価および二価カチオンが、ナノゲルと可溶性ホエータンパク質凝集体の間の分布に影響するかを示すことであり、最終的に、高タンパク質濃度で、ゲル化なしでのホエータンパク質溶液の熱処理が可能になり、ホエータンパク質ナノゲルが形成する。
材料および方法:
ホエータンパク質ナノゲル調製物を、表1で記載される組成を有する実施例1で使用されるBLG粉末から、それぞれ、3、4、5および16%BLGに到達するように(全て、BLG1グラムあたり0.0016gのカルシウム含量を有する)、BLG粉末を量り取ることにより、調製した。粉末をMilliQ水中に分散させ所望の濃度に到達させ、3M NaOHを使用した6.0へのpH調整により溶解させ、添加したミネラルの量を記録した。0-50mM NaClを1M原液からの調製物に添加した。Na+Kの総モル濃度をそれらの個々の分子量を使用した粉末中のNa+Kの固有の含量、NaClの形態で添加したNaの量およびNa+Kの得られた総量を合計することにより計算し、表3において示す。
2mLの透明クリンプシールしたバイアル(Agilent Technologies、ドイツ)中の1mLの各試料を10分間、90℃で予熱したアルミニウムブロック内で加熱した。ホエータンパク質ナノゲルのサイズを光散乱により分析2を使用して、流動挙動(ゲル/液体)を試料反転時の底までの試料流を評価することにより、および分析4に記載されるViscomanを使用する試料粘度の測定を評価した。
試料A-Eを同じBLG粉末から調製し、0.0016g/gBLGの固有Ca含量を有する12%BLG組成物を作製した。BLG粉末を量り取り、MilliQ水中に分散させ、3M NaOHを添加してpH5.9に到達させることにより溶解させた(試料A)。
試料B-Eを、3M NaOHを用いたさらなる滴定により、それぞれ、pH6.0-6.1-6.3および6.5に到達させることにより調製した。
15mLの各試料(A-E)を95℃で15分間、Duranガラス管内で水浴中への浸漬により加熱し、加熱後、直ちに氷水浴中で冷却した。
試料F-Lを同じBLG粉末から調製し、0.0021g/gBLGのカルシウム含量を有する14%BLG溶液を作製した。BLG粉末を量り取り、MilliQ水中に分散させ、5%Ca(OH)2スラリー(均質性を確保するため撹拌下)を用いた0.0021g/gBLGのCa含量および5.97のpHまでの滴定により溶解させた(試料F)。試料G-Kを試料Fから、3M NaOHを用いた調整により、pH6.1-6.7に到達させ(表を参照されたい)調製し、その間、添加したNaOHの量を記録した。
15mLの試料F-Lの各々を95℃で14分間水浴中で加熱し、ホエータンパク質ナノゲルを調製し、加熱後直ちに冷却した。
試料セットMを、試料F-Lについて記載されるように調製したが、1M CaClから7.5mM CaCl2の添加を用いて、5.97への初期pH調整後に、0.0044g/gBLGのカルシウム含量に到達させた。pHを3M NaOHを使用して5.9-6.5に調整し、試料を試料F-Lについて記載されるように加熱した。
試料セットNを、試料セットMについて記載されるように調製したが、14.9mM CaClの添加を用いて、0.0065g/gBLGのCa含量に到達させた。試料のアリコートを3M NaOHを使用して5.9-6.7範囲のpHに調整し、試料F-Lについて記載されるように加熱した。
追加のホエータンパク質ナノゲル調製物O-P-Qを、5%Ca(OH)2スラリーを用いる6.04-5.94-5.89へのpH調整によりBLG粉末を溶解させ、14-16-20%BLGに到達させることにより調製し、それぞれ、0.0022、0.0024および0.0023g/gBLGのCa含量に到達させた。次いで、3M NaOHを使用してpHを調整し、それぞれ、pH6.11、6.10および6.08に到達させた。次いで、可溶性ホエータンパク質凝集体の低い含量を有するホエータンパク質ナノゲル調製物O-P-Qを、Duranガラス管内の15mL試料を95℃水浴に14分間浸漬させて加熱することにより調製した。試料O-P-Qの粘度を分析4に従い決定した。
試料RおよびSを試料Fについて記載されるように調製し、さらに、5%Ca(OH)を使用してそれぞれ、pH6.2および6.4に滴定し、試料F-Lについて記載されるように加熱した。試料のカルシウム含量は表4に記載されるように0.0028および0.0030g/gBLGであった。
ホエータンパク質ナノゲル調製物中におけるZ-平均サイズおよびナノゲルと可溶性ホエータンパク質凝集体の間の分布を、それぞれ分析2および3により特徴付けた。粘度を分析4により、ミネラル含量を分析14に記載されるように決定した。
結果:
0.0016g/gBLGの固有カルシウム含量により特徴付けられた1.0mLのホエータンパク質組成物をpH6.0に調整し、0-50mMのNaClを添加し、90℃で10分間、アルミニウムブロック内で熱処理した。調整後の添加したNaClの量およびNa+Kの得られた総量は表3(3%、4%および5%ホエータンパク質溶液)および表4(16%ホエータンパク質溶液)において見ることができる。
少なくとも16%までの天然BLGであってもホエータンパク質ナノゲル調製物を形成させることができる(実施例1)ことを証明したところであるが、発明者らは、見かけのしきい濃度は約20mM総Na+Kにあることは非常に驚くべきことであることを見出した。それを超えると、ホエータンパク質溶液は熱処理でゲルを形成する。より低いタンパク質濃度(3-5%)では、ホエータンパク質ナノゲル調製物はとうとう23-25mM総Na+Kまでで形成させることができるであろう。
一価ミネラルのこのおおよその含量を超えると、熱処理により、タンパク質投与量が3%、4%、5%(表3)またはさらに、16%タンパク質(表4)であるかどうかに関係なく、試料のゲル化という結果になる。対照的に、<20mM Na+K(16%)または<25mM(3-5%)を含む全ての試料は液体のままであり、よって、低い一価ミネラル含量でホエータンパク質ナノゲル調製物を製造する実現可能性が明確に証明される。表4はさらに、総Na+Kの15.2から19.5までのわずかな増加ですら、16%ホエータンパク質溶液の熱処理で、粘度を24cPから>100cPまで増加させることを明らかにする。
Figure 2023514024000012
Figure 2023514024000013
一価ミネラルの添加を最小に抑えるに抑えるために、Ca(OH)スラリーの使用により、これにより、滴定中に一価カチオンの代わりに二価カチオンを添加することにより14%ホエータンパク質組成物をpH調整することが企図された。
よって、Ca(OH)を使用するpH5.97へのpH調整の使用によりBLGを溶解することにより、Ca含量を0.0021g/gBLGとして、14%ホエータンパク質組成物を調製した。しかしながら、表6(試料F-L)に示されるように、95℃で10分間の熱処理により、試料のゲル化という結果となった。
よって、pHを3M NaOHの使用によりさらに増加させ、カルシウム含量を0.0021g/gBLGで一定に維持し、その間、タンパク質間の静電反発を増加させた。これにより驚いたことに、14%タンパク質で、95℃で10分間の熱処理により、せいぜいpH6.1から、少なくとも6.7まででホエータンパク質ナノゲル調製物の形成が可能になった。表6に示されるように、総Na+KはこのpH範囲内で≦20mMのままである。
驚いたことに、加熱済みホエータンパク質ナノゲル調製物における可溶性凝集体の画分はpH6.1-6.3で著しく低いままであり(≦2%)、使用される高いタンパク質濃度に関係なく、試料中での沈降の徴候はなく、これにより、このpH範囲でナノゲルを調製するのが特に有益なものとなる。
さらにいっそう驚いたことに、(1)Ca(OH)を使用して所望のカルシウム含量に到達する、および、(2)pHを約6.1まで増加させ、確実に、総Na+Kを、20mMをはるかに下回るように維持する2段階pH調整により達成された約0.0022-0.0024(試料O-P-Q)g/gBLGのカルシウム含量により、表6に示されるように少なくとも20%BLGまでのタンパク質濃度の熱処理が可能になったことが見出された。
しかしながら、カルシウム含量がCaCl、Ca(OH)または他の起源の添加により改変されない場合、表6(試料A-D、0.0016g/gBLG)で示されるpH5.9-6.1で熱処理した12%ホエータンパク質ナノゲル調製物により、可溶性ホエータンパク質の画分はpHと共に著しく高くなり、増加し、最終的にpH≧6.3でゲル化に至ることが証明される。
表6(試料セットM-N)により、CaClが添加され、ホエータンパク質組成物中のカルシウム含量が0.0043から0.0065g/gBLGに、5.9-6.7の範囲のpHで増加すると、熱処理でゲル化という結果になることがさらに証明される。
驚いたことに、pHをCa(OH)の使用のみで増加させ、液体ホエータンパク質ナノゲル試料RおよびSを94℃で14分間、それぞれ、pH6.2-6.48での熱処理により調製した場合であっても、ナノゲル形成が0.0028-0.0030gカルシウム/gBLGおよび3.7mM総Na+Kで実現可能であった(表6を参照されたい)。
Figure 2023514024000014
Figure 2023514024000015
結論:
少なくとも98%までのナノゲルを含むホエータンパク質ナノゲル調製物を、カルシウム/BLGの量およびpHを制御しながら、一価ミネラルの含量を低く維持する(≦20mM総Na+K)ことによりうまく調製した。好適なカルシウム含量および総Na+Kレベルを、好適なタンパク質原料を、Ca(OH)およびNaOHを使用するpH調整と組み合わせて、適切なミネラルレベルに到達することにより達成した。
≧90%ナノゲル含量での凝集体サイズを276-563nmの範囲で観察した。より高いカルシウムが存在する場合にゲル化を回避するためには、ナノゲル形成により高いpHが必要とされること、および、高すぎるpHもまた、可溶性ホエータンパク質凝集体の大きな画分の形成のためにゲル化という結果になることが観察された。よって、特定のカルシウム含量に合わせられた中間pH値が最適性能に必要とされる。
実施例3:高温で調製されるホエータンパク質ナノゲル
4-16%BLGを含むホエータンパク質溶液を85~150℃の範囲の温度で加熱処理し、広い温度範囲にわたってホエータンパク質ナノゲルを生成する機会を評価した。
材料および方法:
ホエータンパク質溶液を、3M NaOHでpH5.9に調整することにより、実施例1で記載されるようにBLGを溶解することにより調製した。
試料セットAを85℃で22分間熱処理した。120μlの各々4-16%、pH5.9のBLG溶液を96ウェルPCRプレート(VWR、カタログ番号732-2387)に移し、接着アルミホイル(VWRカタログ番号60941-126)を用いて密閉した。プレートを、試料を20℃で5分間平衡化させ、続いて、4℃/秒で標的温度まで加熱し、85℃の標的温度で22分の記載される期間維持するようにプログラムされたEsco Healthcare Swiftmax MaxPro熱サイクラにおいて加熱し、試料をその後4℃まで冷却した。
試料セットBは試料セットAと同一であったが、95℃のより高い温度で14分間熱処理し、ホエータンパク質ナノゲル調製物を生成させた。
試料セットCは以上で記載されるように調製され、3M NaOHを使用して5.9-6.0および6.1の範囲でpH調整された、12%BLG溶液から構成された。各pHでの10mLの12%BLG溶液を、実施例1で記載されるように、95℃で10分間水浴で加熱した。
試料セットDは試料セットCについて記載されるように調製されたpH5.9-6.0の12%BLG溶液から構成された。しかしながら、試料セットDは、150℃で0-10分のインキュベーションにより熱処理した。1.0mL試料を2mLの32×11.5mm注入バイアル(Mikrolab、品番ML33003V)に移し、クリンプシールした。次いで、試料を、Mikrolab超熱加熱ユニットにおいて150℃に予熱されたアルミニウムブロックにおけるインキュベーションにより加熱した。アルミニウムブロックはバイアルの寸法に正確に適合するようにドリリングされた穴を有し、効率的な熱伝達が確保された。個々の試料のアリコートを、典型的には(分:秒)0:45、1:00、1:20、1:47、2:22、3:10、4:13、5:38または7:30間インキュベートし、試料内の温度は、UHT条件をシミュレートするために、測定すると、132秒(2:12)後に140℃を超えた。加熱後、試料を直ちに冷水に移し、さらなる反応を停止させた。
試料Eを実施例2における試料セットF-Lで記載されるように14%BLG溶液として調製し、3M NaOHを使用してpH6.2に調整した。
ホエータンパク質ナノゲル調製物のZ-平均サイズを分析2に記載されるように決定した。ミネラル含量を、分析14を使用して決定した。熱凝固時間およびナノゲルと可溶性ホエータンパク質凝集体の間の分布を、それぞれ、分析16および3を使用して決定した。
結果:
表7は、3.8~16mMに集約されるNaおよびK濃度、約180-390nmのZ-平均直径により特徴付けられるホエータンパク質ナノゲルは、0.0016g/gBLGのカルシウム含量のせいぜい4~少なくとも12%のタンパク質溶液の加熱、および、せいぜい85℃~少なくとも95℃の範囲の温度で、約pH6での熱処理により調製することができることを強調する。
さらに、0.0022gカルシウム/gBLGおよび6.9mMに集約されるNa+Kにより特徴付けられる14%天然ホエータンパク質組成物を150℃熱ブロック中0-7:30分間のインキュベーションにより熱処理した場合、驚いたことに、得られたナノゲル調製物は、少なくとも5:38~7:30分間150℃で、それぞれ、pH6.0および5.9での熱処理後であっても、驚いたことに液体のままであり、反転させるとHPLCバイアルの底まで自由に流れることが見出された。
Figure 2023514024000016
Figure 2023514024000017
結論:
ホエータンパク質ナノゲル調製物は、驚くほど広い範囲の温度で、例えば85℃で/22分または150℃で/7:30分、および、せいぜい4%から少なくとも16%タンパク質の著しく高いBLG濃度で調製することができることが見出された。
140℃は、150℃の熱ブロック内での2分12秒加熱後に到達されるので、4分30秒を超える驚くほど長い有効保持時間、および、その結果として高い熱負荷が12-14%試料に適用され得、その間、依然として、液体形態のホエータンパク質ナノゲルが生成される。
UHT条件下せん断なしでの高タンパク質濃縮物の加熱により、ゲル化および機器のブロッキングが引き起こされると一般に考えられるが、よって、驚いたことに、UHT条件下、12-14%での天然BLGの処理は驚いたことに、せん断力が適用されていなくても試料のゲル化を引き起こさなかったことが見出された。これは特に驚くべきであり、というのも、BLGは熱安定性が最も低いホエータンパク質の一つであると考えられるからである。
約184-389nmの得られたナノゲルサイズは前の実施例および図2においてTEMにより観察される凝集体サイズと十分一致している。
実施例4:熱安定性ホエータンパク質ナノゲル調製物
本調査は、タンパク質ナノゲル調製物は超高温処理での使用に好適であり、中性pHの高タンパク質飲料用途での使用に理想的なものとなることを証明することを目的とする。
材料および方法:
14-16-20%ホエータンパク質ナノゲル調製物は実施例2における試料O-P-Qについて記載される通りであった。
14-16および20%ナノゲル調製物を、試料が凝固する第1の加熱時間により規定される熱安定性を評価するために、UHT温度での第2の熱処理に供した。この時間は熱凝固時間と呼ばれ、分析16に従い測定される。
さらに、14%試料を24%タンパク質に限外濾過により下記の通り濃縮させた:150mLホエータンパク質ナノゲル調製物を、5kDaの名目分子量カットオフを有するKoch HFK 328膜を備えた200mL Amicon攪拌式セルに入れることにより濃縮させた。3バールのN2ガスを適用して、セルを加圧し、液体を限外濾過膜に強制的に通過させることにより試料を濃縮させた。残余分および濾過物のブリックスを測定し、残余分タンパク質含量を分析10に記載されるように計算した。濃縮中、圧力を一時的に緩和させ、セルの上部を取り出し、ブリックス(分析10)および分析4に記載される粘度によるタンパク質濃度の測定を可能にした。
24%濃縮物の熱凝固時間を分析16に従い決定した。
ホエータンパク質ナノゲル調製物のZ-平均直径および粘度を、それぞれ、分析2および4により決定した。ホエータンパク質ナノゲルと可溶性ホエータンパク質凝集体の間の分布を、分析3を使用して決定した。
結果:
表9は高タンパク質濃縮物の熱処理により製造したホエータンパク質ナノゲル調製物の特性をまとめたものである。
非加熱溶液を0.0022-0.0024gCa/gBLGおよび11mM未満の総Na+Kにより示される一価イオンの低い含量により特徴付けた。
ホエータンパク質ナノゲル調製物を高タンパク質含量にもかかわらず(それぞれ、14-20%)2.9-4.7cPの驚くほど低い粘度により特徴付け、凝集体のZ-平均直径は約350-560nmの範囲にあることが見出された。総タンパク質に対してナノゲルの著しく高い(>98%)含量が試料中で見出された。
表9に見られるように、驚いたことに、ナノゲル調製物は特に熱安定性であったことが見出された。というのも、14%、16%、20%タンパク質の全ての試料および24%に濃縮された14%ホエータンパク質ナノゲル調製物さえも、2分20秒加熱後に液体のままであり、よって、UHT温度に抵抗し、ゲル化を進めるためには、150℃で、14-16%で少なくとも7分30秒間、または、20%および24%タンパク質で3分10秒間さらなる加熱を必要としたからである。表9を参照されたい。
Figure 2023514024000018
結論:
約353-562nmの直径および低粘度を有する熱安定性ホエータンパク質ナノゲル調製物は高タンパク質濃度で、pH14-20%タンパク質、0.0022-0.0024gカルシウム/gBLGおよび10.6mM未満 Na+Kでの熱処理により調製することができる。試料をホエータンパク質ナノゲルの高い画分(>98%)により特徴付け、熱処理に対して著しく抵抗性であることを見出した。というのも、それらは140℃を超える熱処理後であっても液体のままであったからであり、限外濾過により24%タンパク質に濃縮された14%試料ですら、UHT温度までの加熱に抵抗した。
実施例5:低粘度ホエータンパク質調製物
可溶性凝集体の低い含量を有するホエータンパク質ナノゲル調製物を生成させ、可溶性ホエータンパク質凝集体のタンパク質寄与を低減させ、高度に濃縮したホエータンパク質ナノゲル調製物を製造する実現可能性を評価した。
低粘度の高タンパク質は、より高いタンパク質濃度に到達する能力が、直接、噴霧乾燥器の能力を増加させる工業プロセスにおいて強い利点となる。低粘度進行が生成においてさらに望ましく、というのも、膜を横切るフラックス(例えば、限外濾過との関連で)は濾過される液体の粘度に反比例して拡大するからである。
低粘度は、高タンパク質ホエータンパク質飲料および高タンパク質ヨーグルトにおいてさらに望ましい。
材料および方法:
200mLの14%BLG組成物を、粉末をMilliQに分散させ、5%Ca(OH)スラリーを使用した6.0へのpH調整および3M NaOHを使用した6.2への最終pH調整により溶解させることにより調製した。試料をいくつかの15mLアリコートに分配させ、これらを95℃水浴中に14分間浸漬させ、加熱後直ちに冷却し、単一試料にプールした。
試料を、UF濃縮により濃縮させ、その間、適切な時間点でタンパク質濃度および粘度を追跡した。
ホエータンパク質ナノゲル調製物の粘度をレオメータ(Anton Paar、Physica MCR301)を使用して測定した。19.6mLの試料をカップCC27-SS(SN33864)に添加し、試料を8℃に平衡化させた。1s-1と1000s-1の間でのせん断速度掃引を10.5分にわたり実施した。粘度を単位センチポアズ(cP)で300s-1のせん断速度にて提示した。
UF濃縮を、150mLの14%試料を、Kock HFK328膜が取り付けられた200mL Amicon攪拌式セルに入れて実施した。3バールのN2ガスを適用し、セルを加圧し、試料を濃縮した。濾過物のブリックスを一貫して測定すると0.0であり、よって、水に等しく、膜を通るタンパク質の通過がないことが示唆された。濃縮中、圧力を一時的に緩和させ、分析10に記載されるブリックスによるタンパク質濃度および分析4に記載される粘度の測定を可能にした。試料を24%タンパク質への濃縮後に取り出し、4℃で一晩放置した。
結果:
表10は14%タンパク質で95℃で14分間、0.0022g/gBLGのカルシウム含量で、合わせて6.9mM濃度のNaおよびKの存在下での熱処理により調製した95.5%ナノゲルを含むナノゲル調製物の特性を記載する。濃縮ホエータンパク質調製物のそのような熱処理は典型的にはゲル化し、および/または、加熱中のゲル化を回避するために、例えばかき取り熱交換器の使用による高せん断を必要とするが、発明者らは、熱処理したホエータンパク質調製物は、表10に見られるように天然ホエータンパク質溶液と実験誤差内で同等な、著しく低粘度のままであったことを見出した。
ホエータンパク質ナノゲル調製物を限外濾過によりさらに濃縮し、その間、図3に示されるように、粘度進行をタンパク質含量の関数としてモニタリングした。驚いたことに、ナノゲル調製物は、少なくとも29.5%タンパク質まで濃縮することができ、粘度は予想とは対照的に、少なくとも29.5%タンパク質まで常に加熱なしホエータンパク質溶液の粘度に厳密に従ったことが見出された。
Figure 2023514024000019
結論:
高タンパク質(14%)、低Na+Kおよび0.0022gカルシウム/gBLGの、95℃で14分間の熱処理との組み合わせは、総タンパク質に対して95.5%のナノゲル、および、305.5±2.8nmのZ-平均サイズにより特徴付けられる安定なホエータンパク質ナノゲル調製物を生成させた。濃縮ホエータンパク質ナノゲル調製物の粘度さえ、一貫して低く、少なくとも29.5%までの高タンパク質レベルへ濃縮した場合であっても、天然BLG溶液の粘度におよそ等しいことが見出された。
これにより、UHT温度に抵抗するホエータンパク質ナノゲルの濃縮(前の実施例では24%)が可能になり、これにより、UHT処理が、例えば、高タンパク質がいくつかの患者群にとって望ましい医療用飲料について必須条件である中性pHで特に有用なものになる。
実施例6:低粘度酸性化製品
低量の可溶性凝集体を含むナノゲル調製物を生成させ、低粘度酸性化製品を調製することができることを証明した。
方法:
試料A-CをBLG粉末から調製し、0.0016g/gBLGの固有カルシウム含量を有する12%BLG組成物を製造した。BLG粉末を量り取り、MilliQ水中に分散させ、3M NaOHを添加してpH5.9に到達させることにより溶解させた(試料A)。試料B-Cを3M NaOHでさらに滴定して、それぞれ、pH6.0および6.2に到達させることにより調製した。
試料DをBLG粉末から調製し、酸ゲル化可能タンパク質含量が特に低い16%BLGホエータンパク質ナノゲル調製物を製造した。タンパク質を量り取り、MilliQ水に分散させ、5%Ca(OH)スラリーを用いた滴定により、pH5.94に到達させ溶解させた。次いで、pHを3M NaOHを使用して6.0に調整した。
3×18mLの各試料A-Dを、Duranガラス管中で、水浴中への浸漬により、95℃で15分間加熱し、加熱後、直ちに氷水浴中で冷却した。
15グラムの試料A-Dの各々を量り取り、30グラムのMilliQ(試料A-C)または45mLのMilliQ(試料D)を添加し、試料を4%タンパク質まで希釈した。希釈試料を分析5に従い、酸性化でのゲル形成に関して評価した。
ホエータンパク質溶液のミネラル組成を、分析14を使用して決定した。ホエータンパク質ナノゲルと可溶性ホエータンパク質凝集体の間の分布を分析3により決定した。酸性化中の構造形成を分析5を使用して決定した。
結果:
可溶性凝集体の様々な含量を有する12-16%ホエータンパク質ナノゲル調製物を、表11に示されるように、うまく調製した。1.9%の可溶性凝集体の著しく低い含量を有する16%試料が含まれる。
図4により、レオメータにおける試料(全て、分析前に4%タンパク質まで希釈)の酸性化により、大量の可溶性凝集体を含む試料では貯蔵弾性率(ゲル強度)の著しい増加という結果になる(例えば、試料Aでは、約18分で最大1257が観察された(pHは4.4であった))が、一方、可溶性ホエータンパク質凝集体の画分の減少に伴い、最大ゲル強度の減少が観察されることが証明される。例えば、1.9%酸ゲル化可能タンパク質を含む16%試料(D)の酸性化中、7.1Paの貯蔵弾性率が最大として測定され、そのようなホエータンパク質ナノゲル調製物は、低いタンパク質ゲル化度が望ましい酸性化/発酵製品、例えば酸性ホエータンパク質飲料および高タンパク質ヨーグルトにおいて特に有用となる。
Figure 2023514024000020
結論:
高タンパク質濃度で、低量の可溶性凝集体の形成に有利な条件下で生成されたホエータンパク質ナノゲル調製物は低粘度酸性化製品に特に有用である。というのも、酸性化後であっても粘度が低いままであるからである。
実施例7:ホエータンパク質ナノゲル調製のためのWPIとBLGの間の混合物の使用
ホエータンパク質ナノゲル調製物を、BLG組成物をWPIと混合することにより生成させ、WPI源からのミネラル寄与は高タンパク質濃度での、≧20-25mM Na+Kおよび/または高すぎるCa:BLG比でのホエータンパク質ナノゲル調製物の形成を阻害することを証明した。
方法:
12%ホエータンパク質組成物(A)を、BLG単離物粉末(実施例1を参照されたい)をMilliQ水に分散させることにより調製し、3M NaOHを使用した6.0へのpH調整により溶解させた。12%ホエータンパク質組成物(B)を、3M NaOHを使用したpH6.4へのさらなる滴定により調製した。
第3のホエータンパク質組成物(C)を解凍し(凍結)、MilliQ水中で12%まで希釈し、3M NaOHを使用してpH6.0に調整した。組成物Cのタンパク質組成を表12に提供する。
100%の12%BLG Aならびに12%BLG A溶液と12%WPI溶液の80:20、75:25、66.7:33.3および50:50混合物から構成される12%ホエータンパク質溶液を、適切な体積のBLG AおよびWPIを混合することにより調製した。
さらに、BLG BおよびWPIの66.7:33.3混合物を調製し、6.2のpHを有するホエータンパク質組成物を得た。
全ての試料を95℃で14分間加熱し、加熱後直ちに冷却した。試料の状態をガラス管の反転により評価した。可溶性凝集体とナノゲルの間の分布を、50.000xgで1時間の遠心分離前/後に測定したブリックスの使用により評価した。
Figure 2023514024000021
ミネラル含量を、分析14を使用して決定した。ホエータンパク質ナノゲルと可溶性ホエータンパク質凝集体の間の分布を分析3により決定した。
結果:
表13はBLGのWPIとの混合により調製したホエータンパク質ナノゲル調製物を示す。全てのナノゲル調製物の総Na+K含量は低く、調製物は、カルシウム含量が0.0032g/gBLGである場合pH6.0での加熱後液体のままであるが、一方、より高いカルシウム含量では、ゲル塊の広範な形成または試料全体のゲル化につながる。驚いたことに、pHを6.2まで増加させるとゲル化が低減し、0.0037g/gBLGのカルシウム含量で、より多くのALAおよびCMPが試料中に存在しても、12%ホエータンパク質ナノゲル調製物の形成が可能になったことが見出された。
Figure 2023514024000022
ホエータンパク質ナノゲル調製物中で見出された非変性タンパク質は主にCMPから構成された。
結論:
ホエータンパク質ナノゲル調製物は、高タンパク質濃度、BLG以外の他のタンパク質の存在下、増加したカルシウムレベルで、NaおよびKの含量が十分低く、pHがより高いカルシウムレベルを補償するように増加されている場合、製造することができる。
実施例8:渋味が低い酸性飲料の調製のためのナノゲルの使用
発明者らは、ナノゲルの形態のホエータンパク質は他の型の変性されたホエーより少ない渋味を提供するという徴候を見た。渋味は味覚ではないが、口の感覚であり、頬筋肉の収縮および唾液生成の増加のような感じである。渋味は、例えば、食品、例えば熟していない果実、赤ワインおよび加熱滅菌された酸性タンパク質飲料の摂取から生じる可能性がある。本実施例では、発明者らはホエータンパク質ナノゲルの低い渋味を調査した。
方法
BLGナノゲル調製物を、実施例2「O-P-Q」において記載されるように、下記改変を用いて調製した:
実施例1、表1の特性により特徴付けられる10%BLGを、5%Ca(OH)スラリーを用いて0.0021w:wのCa:BLG比に調整し、さらに10%NaOHを使用して6.0に調整した。パイロット規模のかき取り熱交換器を使用して、93℃で10分間の熱処理、続いて、10℃までの冷却を実施した。最後に、ナノゲル調製物を20.4%タンパク質にMMS SW40 ROパイロットユニット上で、渦巻形逆浸透膜(Alfa laval RO98pHt-65-263364)を20バールの圧力で使用して濃縮させ、Anhydro MicraSpray MS 750上で噴霧乾燥させ、ナノゲル粉末を製造した。
7.3kgの、下記表14で記載される特性を有するホエータンパク質ナノゲル粉末をscanimaミキサ中30.8kgの脱塩水中に分散させ、18%BLGナノゲル調製物を生成させ、一晩10℃で穏やかに撹拌しながら水和させた。分散物を200バールでホモジナイズし、続いて、9%HClを使用してpH調整し、脱塩水中で希釈し、10%BLGナノゲル溶液pH3.5を製造した。
ナノゲル溶液を、プレート熱交換器を用いて120℃で20秒間の熱処理を提供するように構成されたOMVE HT320パイロットプラントUHTシステムを使用して滅菌し、100mLねじキャップ瓶に入れた。
PCT出願WO2020/002426号の実施例2に従い調製した、表14に記載される特性を有する1.1kgの酸性BLG粉末を8.9kgの脱塩水に溶解させ、10%供給溶液を生成させた。pHを3.51とし、さらに調整せずに使用した。BLG溶液を、プレート熱交換器を用いて120℃で20秒間の熱処理を提供するように構成されたOMVE HT320パイロットプラントUHTシステムを使用して滅菌し、100mLねじキャップ瓶に入れた。
飲料調製物の粘度を分析4に記載されるように測定した。PCT出願WO2020/002435号で概説されるように、本実施例では非希釈試料を評価したという改変を用いて渋味の知覚レベルを評価した。
PCT出願WO2020/002435号に記載されるように、渋味を0-15のスケールで評価し、0は強度なしであり、15は高い強度である。PCT出願WO2020/002435号の実施例1.9および実施例1.7に従い、明度および濁度を決定した。原料、ナノゲルおよび飲料組成物のミネラル、総固体、灰分およびタンパク質含量を、それぞれ、本分析14、12、11および7に従い決定した。
結果
458nmのz-平均流体力学直径(分析2)、粘度5.3cP(分析4)、89%ナノゲルおよび11%可溶性凝集体により特徴付けられる10%ナノゲル調製物を調製し、濃縮し、乾燥させ、ナノゲル粉末を製造した。ナノゲル粉末を再水和させ、ホモジナイズし、飲料組成物でのその使用を促進した。
下記表15に示されるように、10%ホエータンパク質ナノゲル飲料組成物をpH3.5で、120℃/20秒の熱処理により調製し、120℃/20秒で熱処理した10%酸性BLG組成物と比較した。得られたUHT-処理済み10%参照飲料は可溶性凝集体、および単量体タンパク質(98%)およびごくわずかなナノゲル(2%)から本質的に構成されるタンパク質画分を有する。
Figure 2023514024000023
ナノゲル飲料組成物は、高い濁度および明度(L)により示される乳白色の外観を有する飲料を生成したが、一方、対照的に、酸性BLG参照飲料は可溶性凝集体および単量体タンパク質の量により示されるように透明であった(表15を参照されたい)。
ナノゲル飲料中のリンの含量は検出限界未満であり、これにより、そのようなナノゲル調製物は、慢性腎臓疾患患者にとって特に有用なものとなる。
感覚評価は発明者らの初期所見を認め、ナノゲル飲料組成物は透明な参照飲料と比べて著しく低減した渋味を有することを明確に証明した(表15を参照されたい)。この効果は、透明BLG参照飲料と比べて、乳白色ナノゲル飲料中の可溶性凝集体および単量体タンパク質の含量が低いことと密接に関連すると考えられ、ホエータンパク質ナノゲルはUHT-処理済み酸性ホエータンパク質飲料に特に有用であることが示される。
Figure 2023514024000024
結論
栄養組成の高い濁度および白色度を有する「乳白色」ナノゲル飲料を調製した。飲料は非常に低いリンレベルを含み、これは、限定はされないが、高レベルのリンに耐容性がない慢性腎臓疾患のための高タンパク質飲料の製造に特に重要である。感覚検査により、渋味は、UHT処理済みナノゲル飲料組成物に本質的に存在せず、UHT-処理済みBLG参照飲料よりもずっと低かったことが明らかになった。
実施例9:酸性高エネルギー飲料の調製のためのナノゲルの使用
酸性条件下でのUHT-処理済み高エネルギー栄養組成物の調製のためのナノゲルの使用の実現可能性を評価した。
方法
実施例8で記載されるように調製した10.8kgのナノゲル粉末を68.5kgの水道水中に65℃で分散させた。乳化剤、油および乾燥材料成分を、Brine Mixer Rotostatを使用して15分間混合して液体にした。
pHを10%リン酸を使用して3.5に調整し、栄養組成物を150バールでホモジナイズした。均質化後、栄養組成物をチューブ式熱交換器上、120℃で30秒間熱処理し、10℃まで冷却し、その後、100mL無菌瓶に瓶詰めした。
粘度を分析4に従い測定し、渋味および酸味を、PCT出願WO2020/002435号に記載されるように決定したが、感覚検査前に希釈しなかった。
結果
発明者らは、酸性、高エネルギー飲料を調製することができ、11.3cPの驚くほど低い粘度により特徴付けられることを見出した。対照的に、ナノゲルの形態のタンパク質を酸性、未分画ホエータンパク質単離物由来の等しいタンパク質質量に置き換えると、UHT機器の目詰りおよびブロッキングにつながることが見出された。10%のタンパク質、4%の脂肪および16%の炭水化物を含む、低粘度の、酸性、高エネルギー栄養組成物を調製し、小さなパッケージ内で140kcal/100mLの高いエネルギー密度を提供した。
ナノゲル組成物の味見により、実施例8における10%BLG参照飲料の評価からの5のスコアと比べて、0-15(低-高)のスケールでたった1のスコアを有する驚くほど低レベルの渋味が明らかになった。さらに、pH3.5のナノゲル飲料組成物は、驚いたことに、高タンパク質濃度(10%)および試料希釈なしにもかかわらず、0-15のスケールでたった2の酸味を有した(例えば、PCT出願WO2020/002435号の図15と比較されたい)。
結論
優れた感覚特性(知覚された渋味および酸味/酸性度が低い)を有するUHT処理された、低粘度、高エネルギーの栄養ナノゲル調製物を、ナノゲルを脂肪および炭水化物源と酸性条件下で合わせることにより、うまく調製した。相当する、まだ未分画の、天然ホエータンパク質単離物に基づく参照生成物を生成する試みにより、加熱でのコントロール不良の凝集のためにブロックされたUHT-装置という結果となった。
実施例10:高エネルギーpH中性飲料の調製のためのナノゲルの使用
中性pH条件でのUHT-処理済み高エネルギー液体栄養組成物の調製のためのナノゲル使用の実現可能性を評価した。
方法
ホエータンパク質ナノゲル粉末を実施例8で記載されるように調製し、これを使用して、18%ホエータンパク質ナノゲル溶液を調製し、これを、一晩4℃で水和させ、その後200バールでホモジナイズした。ホモジネートを3M NaOHを使用してpH7.0に調整し、水浴中50℃まで予熱した。表16に示される栄養ナノゲル組成物を作製するために、0.5g/LのGrindsted Citrem LR10、ナタネ油、スクロースおよび残りの水を混合し、ホモジネートの試料とした。最終液体栄養組成物に対する重量分率を提供する。最後に、栄養組成物を150バールでホモジナイズした。
1mLの各栄養組成物をHPLCバイアルに移し、これを、クリンプシールし、150℃のアルミニウムブロック中10分間のバイアルのインキュベーションにより加熱した。加熱済み試料を、試料の反転で流れる能力について分析し、バイアルからキャップを取り除いた後、粘度を分析4に従い測定した。
結果
炭水化物源(範囲8-17w:w%スクロース)、脂肪(ナタネ油;範囲4-9w:w%)およびナノゲル(範囲10-15w:w%)を含む栄養ナノゲル組成物を調製した。驚いたことに、評価したナノゲル組成物は全て、評価したタンパク質、脂肪および炭水化物含量に関係なく、150℃で10分の長期間の広範な熱加熱後であっても液体のままであり、自由に流れた。
粘度は評価した15%の最高タンパク質投与量であっても著しく低いままであり、ナノゲルは実に、150℃で10分間の加熱後の液体状態および測定された低い粘度から明らかなように、15%タンパク質、8%脂肪および17%炭水化物を合わせることにより、少なくとも200kcal/100mLのエネルギー量を有する滅菌栄養組成物の調製を可能にした。
Figure 2023514024000025
結論
少なくとも150℃の温度で少なくとも10分までの間の熱処理に抵抗する低粘度、流動性高エネルギー栄養ナノゲル組成物は少なくとも200kcal/100mLまでのエネルギー量を用いた熱処理により調製することができる。よって、本ホエータンパク質ナノゲルに基づく高タンパク質飲料は、高タンパク質濃度であっても、レトルト型加熱処理に耐えるのに十分熱安定とすることができる。
実施例11:酸性およびpH-中性ホエータンパク質ナノゲル粉末および高タンパク質飲料の調製のための使用
酸性pH(pH3.5)および中性pH(pH7.0)のホエータンパク質ナノゲル粉末を調製し、高タンパク質飲料を調製するために使用した。
方法
ナノゲル粉末を本質的に実施例8で記載されるように、下記改変を用いて生成させた:
ナノゲル調製物を16%タンパク質に濃縮させ、3つのアリコートに分け、そのうちの2を、それぞれ、4.5%HClおよび2%NaOHを使用して、pH3.5および7.0に調整した。3つの供給物を個々に噴霧乾燥させ、ナノゲル粉末を製造した。
各ナノゲル粉末(pH3.5、6.6および7.0)の20%ナノゲル分散物を、脱塩水中で再水和させ、150バールでホモジナイズした。ホモジネートを脱塩水中10-20%に希釈し、pHを必要に応じて再調整した。1mL試料を、HPLC注入バイアル(Mikrolab、品番ML33003V)に移し、クリンプシールした。試料を170℃のアルミニウムブロックに、バイアルの寸法に正確に適合するようにドリリングされた穴を用いて挿入し、効率的な熱伝達を確保した。試料を170℃で120秒間、または、90℃で、10分までの間で維持し、直ちに冷却させた。
流動性(液体/ゲル)に関する最初の兆候をバイアルの反転で流れる能力により決定し、粘度を、分析4を使用して決定した。加熱後の粒子サイズをHydroLV液体分散ユニットが備えられたMalvern Mastersizer 3000を使用して決定した。加熱済みナノゲル溶液を、水を含む分散ユニット中に、1500rpmでの撹拌下、8-10%のオブスキュレーションに達するまで、滴下させた。粒子サイズを、Mastersizer 3000ソフトウェアバージョン3.62において粒子サイズを計算する場合、球状粒子と仮定して、1.4のRI、0.01の吸収係数および1.33の溶媒(水)の屈折率を使用して、推定した。
結果
0.424ミクロンの粒子サイズにより特徴付けられるナノゲル調製物をうまく調製し、続いて、pH調整、濃縮および乾燥させ、pH3.5、6.6および7.0を生成し、下記組成のナノゲル粉末(総粉末の%w/w)を生成させた:
Figure 2023514024000026
ナノゲル調製物を使用して、加熱処理済みの、低粘度の依然としてタンパク質リッチのナノゲル飲料についての利用可能なタンパク質範囲を評価した:
Figure 2023514024000027
結論
pH3.5、6.6、および7.0の粉末をうまく調製し、酸性およびpH-中性両方の高タンパク質飲料を生成するために使用した。
栄養高タンパク質飲料を、下記のナノゲル含有飲料の熱処理により調製した:
・少なくとも18%まで、pH7.0、170℃での少なくとも120秒までの間の加熱
・少なくとも20%まで、pH7.0、90℃での少なくとも10分までの間の加熱
・少なくとも20%まで、pH6.6、90℃での少なくとも10分までの間の加熱
・少なくとも14%まで、pH3.5、170℃での120秒間の加熱。

Claims (18)

  1. ホエータンパク質ナノゲル組成物を生成する方法であって、
    a)下記を有するホエータンパク質溶液を提供すること:
    -少なくとも3%w/wの量の天然βラクトグロブリン(BLG)の含量、
    -5.8-7.5の範囲のpH、
    -下記である総量カルシウムと天然BLGの間の重量比
    -せいぜい0.0041pH-0.0209、および
    -少なくとも0.0037pH-0.0234だが0よりも大きい、ならびに
    -下記の一価金属カチオンの総濃度:
    -前記ホエータンパク質溶液の天然BLGの含量が10%w/w未満である場合、せいぜい25mM、または
    -前記ホエータンパク質溶液の天然BLGの含量が少なくとも10%w/wである場合、せいぜい20mM、
    b)前記ホエータンパク質溶液を少なくとも68℃の温度まで、ホエータンパク質ナノゲルの懸濁液を形成させるのに十分な期間の間加熱すること、
    c)任意で、ホエータンパク質ナノゲルの前記懸濁液を濃縮してホエータンパク質ナノゲルの濃縮懸濁液を得ること、
    d)任意で、ステップb)またはc)に由来するホエータンパク質ナノゲルを含む乾燥機供給物を乾燥させること
    を含む、前記方法。
  2. 前記ホエータンパク質溶液は3-30%w/wの量の、より好ましくは4-28%w/wの量の、さらにより好ましくは6-26%w/wの量の、最も好ましくは8-24%w/wの量の天然BLGを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ホエータンパク質溶液は11-30%w/wの量の、より好ましくは12-28%w/wの量の、さらにより好ましくは14-26%w/wの量の、最も好ましくは16-24%w/wの量の天然BLGを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  4. 前記ホエータンパク質溶液は、総タンパク質に対して少なくとも50%w/w、より好ましくは総タンパク質に対して少なくとも60%w/w、さらにより好ましくは総タンパク質に対して少なくとも70%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対して少なくとも80%w/wの量の天然BLGを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  5. 前記ホエータンパク質溶液は、総タンパク質に対して少なくとも85%w/w、より好ましくは総タンパク質に対して少なくとも90%w/w、さらにより好ましくは総タンパク質に対して少なくとも92%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対して少なくとも95%w/wの量の天然BLGを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  6. 前記ホエータンパク質溶液は、総タンパク質に対してせいぜい20%w/w、より好ましくは総タンパク質に対してせいぜい10%w/w、さらにより好ましくは総タンパク質に対してせいぜい5%w/w、最も好ましくは総タンパク質に対してせいぜい2%w/wのタンパク質変性度を有する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  7. 前記ホエータンパク質溶液は、5.8-6.5、より好ましくは5.9-6.3、さらにいっそう好ましくは5.9-6.2の範囲pHを有する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  8. 前記ホエータンパク質溶液は、せいぜい19mM、より好ましくはせいぜい17mM、さらにいっそう好ましくはせいぜい15mM、最も好ましくはせいぜい10mMの一価金属カチオンの総濃度を有する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  9. ステップb)の前記加熱は、前記天然BLGの少なくとも50%w/w、より好ましくは前記天然BLGの少なくとも80%w/w、さらにいっそう好ましくは前記天然BLGの少なくとも90%、最も好ましくは前記天然BLGの少なくとも95%w/wを変性させるのに十分な期間実施される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  10. ステップc)を含み、ホエータンパク質ナノゲルの前記濃縮懸濁液は、21-35%w/w、より好ましくは25-33%、さらにより好ましくは28-32%w/w、最も好ましくは29-31%w/wのタンパク質の総量を含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  11. ホエータンパク質ナノゲルの前記濃縮懸濁液は、せいぜい8%w/w、より好ましくはせいぜい6%、さらにより好ましくはせいぜい3%w/w、最も好ましくはせいぜい1%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体を含む、請求項10に記載の方法。
  12. ステップd)を含み、前記乾燥機供給物は21-35%w/w、より好ましくは25-33%、さらにより好ましくは28-32%w/w、最も好ましくは29-31%w/wのタンパク質の総量を含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  13. -総タンパク質に対して少なくとも90%w/wの量のホエータンパク質ナノゲル、
    -総タンパク質に対してせいぜい10%、より好ましくは5%w/wの量の可溶性ホエータンパク質凝集体、
    -総タンパク質に対して少なくとも90%w/wの量の総BLG、および
    -総固体に対して少なくとも30%のタンパク質の総量
    を含む、粉末または液体の形態のホエータンパク質ナノゲル組成物。
  14. 請求項1-12の1つ以上に記載の方法により得ることができるホエータンパク質ナノゲルであって、前記ホエータンパク質ナノゲルは、そのようなホエータンパク質ナノゲルが脱塩水中20.0%w/wの量で存在する場合、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい200cP、より好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい100cP、さらにいっそう好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい50cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい40cPの粘度を提供する、ホエータンパク質ナノゲル。
  15. 少なくとも20%w/wの量のホエータンパク質ナノゲルを提供するのに十分な量の請求項14に記載の複数のホエータンパク質ナノゲルおよび/または請求項13に記載のホエータンパク質ナノゲル組成物を含み、20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい200cP、より好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい100cP、さらにいっそう好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい50cP、最も好ましくは20℃かつ300s-1のせん断速度でせいぜい40cPの粘度を有する、パッケージされた加熱処理済み飲料である食品。
  16. 3.0-5.0、最も好ましくは3.5-4.6のpHを有する加熱処理済みタンパク質飲料の渋味および/または酸味を低減させるためのタンパク質源としての、ホエータンパク質ナノゲルおよび/またはホエータンパク質ナノゲル組成物の使用であって、
    -好ましくは、ホエータンパク質ナノゲルは、前記加熱処理済み飲料の総タンパク質の少なくとも50%w/w、より好ましくは前記加熱処理済み飲料の総タンパク質の少なくとも70%w/w、さらにいっそう好ましくは少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wを与え;ならびに
    -好ましくは、前記加熱処理済み飲料は2-35%w/w、より好ましくは4-30%w/w、さらにいっそう好ましくは6-25%w/w、より好ましくは8-20%w/wの量の総タンパク質を含む、使用。
  17. 前記ホエータンパク質ナノゲルは、少なくとも60%w/w、より好ましくは少なくとも70%w/w、さらにいっそう好ましくは少なくとも80%w/w、最も好ましくは少なくとも90%w/wのBLGの総量を含む、請求項16に記載の使用。
  18. 前記ホエータンパク質ナノゲルおよび/またはホエータンパク質ナノゲル組成物は
    -請求項1-12の1つ以上に記載の方法により得ることができ、または
    -請求項13に記載のホエータンパク質ナノゲル組成物であり、または
    -請求項14に記載のホエータンパク質ナノゲルである、請求項16または17に記載の使用。
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