JP2023513418A - Cdk阻害活性を示すプリン誘導体の調製のための方法 - Google Patents

Cdk阻害活性を示すプリン誘導体の調製のための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、式[I]の化合物:[式中、R1及びR2はそれぞれ独立してH、アルキル、又はハロアルキルであり;R3及びR4はそれぞれ独立してH、アルキル、ハロアルキル、又はアリールであり;R5はアルキル、アルケニル、シクロアルキル、又はシクロアルキル-アルキルであり、それぞれ1個又は2個以上のOH基で置換されていてもよく;R6はシクロプロピルアミノ、シクロプロピルメチルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロブチルメチルアミノ、及び式2(式中、X、Y、及びZのうち1つはNであり、残りはCR9であり;R7、R8、及び各R9は独立してH、アルキル、又はハロアルキルであり、R7、R8、及びR9のうち少なくとも1つはH以外である)から選択される]又はその薬学的に許容される塩を調製するための方法であって、以下のステップ:(i)式[II]の化合物及び式[III]の化合物を含む反応混合物を形成するステップ;(ii)前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[I]の化合物を形成するステップ;(iii)混合物から前記式[I]の化合物を単離し、任意に式[III]の未反応化合物を回収するステップ;並びに(iv)任意に前記式[I]の化合物を塩形態に変換するステップを含む方法に関する。本発明のさらなる態様は、式[II]の中間体、及び式[I]の化合物の合成において有用な他の中間体を調製するための方法に関する。【化1】JPEG2023513418000055.jpg47136【化2】JPEG2023513418000056.jpg6186

Description

本発明は、プリン誘導体を調製するための方法に関する。
CDK阻害活性を示すプリン誘導体は国際公開第2008/122767号パンフレット(Cyclacel Limited社;Cancer Research Technology Limited社)に開示されている。例として、試験では、化学名(2R,3S)-3-(6-((4,6-ジメチルピリジン-3-イルメチルアミノ)-9-イソプロピル-9H-プリン-2-イルアミノ)ペンタン-2-オールを有する化合物[1]が強力なCDK阻害活性を示し、したがって増殖性障害、免疫介在性及び炎症性障害、自己免疫及び自己免疫介在性障害、腎障害、心血管障害、眼障害、神経変性障害、精神障害、ウイルス性障害、代謝障害、並びに呼吸器障害の治療において潜在的な治療用途を有するということが実証されている。
Figure 2023513418000002

有利なことに、化合物[1]は、一連の異なる細胞株での細胞毒性試験において驚くほど高い効力を示している。
化合物[1]の合成的調製法は国際公開第2008/122767号パンフレットに最初に記載された。反応スキームを図1に示す。調製は、フルオロ置換プリン誘導体[2]を合成し、(2R,3S)-3-アミノペンタン-2-オール[3]とカップリングするステップを包含した。カップリング反応はnBuOH中、DMSO及びDIEAの存在下で行われた。反応は140℃の温度で72時間加熱することが必要であり、所望の生成物の収率はわずか12%であった。(S)-2-(トリチル-アミノ)-ブタン-1-オールのスワーン酸化及びその後のMeLi及びCuBr.SMeでの還元によって中間体化合物[3]が調製された。次に、得られた中間体をトリフルオロ酢酸(TFA)で処理して、化合物[3]が得られた。しかし、MeLi/CuBr.SMe還元ステップにより得られる立体選択性は低く、得られる生成物のジアステレオマー過剰率(d.e.)はわずか75%であった。
図2に示すように、カップリングステップの代替条件が国際公開第2011/089401号パンフレット(Cyclacel Limited社)に開示された。これらの代替条件は、化合物[2]を化合物[3]とDIEA及びエチレングリコール中、125℃の温度で48時間反応させるステップを包含した。これにより粗化合物[1]の収率が著しく改善され(59%、これに比べて国際公開第2008/122767号パンフレットでは12%)、次にMTBEから結晶化することで49.4%の全収率が得られた。続いて、結晶性遊離塩基材料をエタノール/水の混合物から再結晶化することにより結晶性L-酒石酸塩(形態II;形態Eとも呼ばれる)を収率72%で変換した。
図3に示すように、化合物[1]の調製のためのさらなる修正条件が国際公開第2018/138500号パンフレット(Cyclacel Limited社)に開示された。これらの条件は、化合物[2]を化合物[3]と1,2-プロパンジオール又はポリエチレングリコール中で反応させ、反応混合物を少なくとも約150℃の温度に加熱するステップを包含した。有利なことに、これらの代替カップリング条件によって収率が著しく改善された。例えば、1,2-プロパンジオールを溶媒として使用することで、化合物[1]の結晶性遊離塩基の全収率は約79%になることが示された(これに比べて国際公開第2011/089401号パンフレットに記載の条件を使用した場合では59%)。国際公開第2018/138500号パンフレットでは化合物[2]のアミノ前駆体も記載されている。
国際公開第2018/138500号パンフレットでは、化合物[1]をエタノール溶液中で還流させ、そこに水とエタノールとの混合物中のL-酒石酸の溶液を滴下添加するステップを含む、化合物[1]の結晶性L-酒石酸塩を調製するための最適化された条件がさらに記載されており、L-酒石酸溶液の添加後の最終混合物中のエタノール:水の比は少なくとも約15:1である。有利なことに、結晶化ステップにおいて水に対するエタノールの割合が増加することで、当技術分野において開示された収率に比べて、化合物[1]の結晶性酒石酸塩の収率が著しく改善される(国際公開第2011/089401号パンフレットの実施例5.5における72%に比べて約87%)。
最後に、国際公開第2018/138500号パンフレットでは、アミノアルコール[3]の調製のためのよりジアステレオ選択性の高い還元条件が記載されており、これにより、得られる中間体のジアステレオマー過剰率が非常に高くなる(約99%)。このジアステレオマー過剰率は、先行技術の方法によるこのような中間体の調製について観察されたレベルを遙かに上回っている。例えば国際公開第2003/002565号パンフレット(Cyclacel Limited社)又は国際公開第2008/122767号パンフレット(Cyclacel Limited社;Cancer Research Technology Limited社)を参照。
本発明は、化合物[1]等のCDK阻害剤の代替的な合成的調製を提供することを目的とする。より具体的には、但し排他的にではなく、本発明は、規模拡大に適切である、並びに/又は調製容易性の改善、合成ステップ数の減少、副生成物の量/数の減少、及び/若しくは試薬(特に、有害で腐食性の高い試薬)の量の減少のうち1つ若しくは2つ以上を実現すると同時に、許容される収率、純度、及び立体選択性を維持する、合成経路を提供することを目的とする。
国際公開第2008/122767号パンフレット 国際公開第2011/089401号パンフレット 国際公開第2018/138500号パンフレット 国際公開第2003/002565号パンフレット
本発明の第1の態様は、式[I]の化合物:
Figure 2023513418000003
[式中、
及びRはそれぞれ独立してH、アルキル、又はハロアルキルであり;
及びRはそれぞれ独立してH、アルキル、ハロアルキル、又はアリールであり;
はアルキル、アルケニル、シクロアルキル、又はシクロアルキル-アルキルであり、それぞれ1個又は2個以上のOH基で任意に置換されていてもよく;
はシクロプロピルアミノ、シクロプロピルメチルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロブチルメチルアミノ、及び
Figure 2023513418000004
(式中、X、Y、及びZのうち1つはNであり、残りはCRであり;
、R、及び各Rは独立してH、アルキル、又はハロアルキルであり、R、R、及びRのうち少なくとも1つはH以外である)から選択される]
又はその薬学的に許容される塩を調製するための方法であって、
以下のステップを含む方法に関する:
Figure 2023513418000005
(i)式[II]の化合物及び式[III]の化合物を含む反応混合物を形成するステップ;
(ii)前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[I]の化合物を形成するステップ;
(iii)任意に前記混合物から前記式[I]の化合物を単離し、任意に式[III]の未反応化合物を回収するステップ;並びに
(iv)任意に前記式[I]の化合物を塩形態に変換するステップ。
有利には、上記方法は2-クロロプリン中間体[II]をアミノアルコール[III]とカップリングするステップを包含する。これは、対応する2-フルオロプリン中間体を通じて進行する先行技術の方法とは対照的であり、2-フルオロプリン中間体自体は極めて有害な試薬であるフッ化水素を使用するフッ素化ステップにより調製された。したがって、2-クロロプリン中間体の使用は、規模拡大に適切な合成方法を開発する文脈において特に有益である。第1に、それにより追加の合成ステップの必要性が除去され、第2に、それによりフッ化水素の使用が完全に回避される。
本発明の第2の態様は、式[I]の化合物:
Figure 2023513418000006
[式中、R及びRはそれぞれ独立してH、アルキル、又はハロアルキルであり;
及びRはそれぞれ独立してH、アルキル、ハロアルキル、又はアリールであり;
はアルキル、アルケニル、シクロアルキル、又はシクロアルキル-アルキルであり、それぞれ1個又は2個以上のOH基で任意に置換されていてもよく;
はシクロプロピルアミノ、シクロプロピルメチルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロブチルメチルアミノ、及び
Figure 2023513418000007
(式中、X、Y、及びZのうち1つはNであり、残りはCRであり;
、R、及び各Rは独立してH、アルキル、又はハロアルキルであり、R、R、及びRのうち少なくとも1つはH以外である)から選択される]
又はその薬学的に許容される塩を調製するための方法であって、
以下のステップを含む方法に関する:
Figure 2023513418000008
(a)式[VI]の化合物をR-NH又はその塩で処理して、式[VII]の化合物を形成するステップ;
(b)前記式[VII]の化合物をRBrで処理して、式[II]の化合物を形成するステップ;
(c)式[II]の化合物及び式[III]の化合物を含む反応混合物を形成し、前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[I]の化合物を形成するステップ;
(d)任意に前記混合物から前記式[I]の化合物を単離し、任意に式[III]の未反応化合物を回収するステップ;並びに
(e)任意に前記式[I]の化合物を塩形態に変換するステップ。
本発明の第3の態様は、式[1]の化合物:
Figure 2023513418000009
又はその薬学的に許容される塩を調製するための方法であって、以下のステップを含む方法に関する
(a)式[6]の化合物を式[9]の化合物又はその塩で処理して、式[7]の化合物を形成するステップ;
(b)前記式[7]の化合物を臭化イソプロピルで処理して、式[2]の化合物を形成するステップ;
(c)式[2]の化合物及び式[3]の化合物を含む反応混合物を形成し、前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[1]の化合物を形成するステップ;
(d)任意に前記混合物から前記式[1]の化合物を単離し、任意に式[3]の未反応化合物を回収するステップ;並びに
(e)任意に前記式[1]の化合物を塩形態に変換するステップ。
本発明の第4の態様は、式[2]の化合物又はその塩に関する。
Figure 2023513418000010
化合物[2]は化合物[1]の合成において有用な中間体である。
図1は、国際公開第2008/122767号パンフレットに開示される化合物[1]を調製するための反応スキームを示す。 図2は、国際公開第2011/089401号パンフレットに開示される化合物[1]-L-酒石酸塩を調製するための反応スキームを示す。 図3は、国際公開第2018/138500号パンフレットに開示される化合物[1]-L-酒石酸塩を調製するための反応スキームを示す。
式[I]の化合物を調製するための方法
本発明は、一般式[I]の化合物及びその塩、特に特定の化合物[1]の合成のための新規手順を提供する。有利なことに、本明細書で特許請求される方法により、極めて有害な試薬であるフッ化水素の使用が回避され、このことは、規模拡大に適切な合成方法を開発する文脈で特に有益である。さらに、本明細書で特許請求される方法は、これまで記載された先行技術の方法よりも少ない数の合成ステップを包含する。
上記のように、本発明の第1の態様は、式[I]の化合物又はその薬学的に許容される塩を調製するための方法であって、以下のステップを含む方法に関する:
(i)式[II]の化合物及び式[III]の化合物を含む反応混合物を形成するステップ;
(ii)前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[I]の化合物を形成するステップ;
(iii)任意に混合物から前記式[I]の化合物を単離し、任意に式[III]の未反応化合物を回収するステップ;並びに
(iv)任意に前記式[I]の化合物を塩形態に変換するステップ。
有利なことに、化合物[II]と化合物[III]との間の反応は塩基の存在を必要としない。反応は別個の溶媒の存在も必要とせず、代わりに、反応を純粋なアミノアルコール[III]中で行うことができる([II]と[III]との混合物がスラリーを形成する)。これにより、必要な追加試薬の量が最小化され、このことはやはり規模拡大の目的に有益である。
したがって、1つの好ましい実施形態では、化合物[II]と化合物[III]との間の反応を溶媒の非存在下で行い、すなわち、化合物[III]は化合物[II]との溶液を形成し、追加溶媒は必要ではない。
本明細書において使用される用語「アルキル」は飽和直鎖アルキル基及び分岐状アルキル基の両方を含む。好ましくは、アルキル基はC1-20アルキル基、より好ましくはC1-15、さらにより好ましくはC1-12アルキル基、さらにより好ましくはC1-6アルキル基、より好ましくはC1-3アルキル基である。特に好ましいアルキル基としては例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、及びヘキシルが挙げられる。
本明細書において使用される用語「シクロアルキル」は環状アルキル基を指す。好ましくは、シクロアルキル基はC3-12シクロアルキル基である。
本明細書において使用される用語「シクロアルキル-アルキル」はシクロアルキル官能基及びアルキル官能基の両方を有する基を指す。
本明細書において使用される用語「アルケニル」は直鎖アルケニル基及び分岐状アルケニル基の両方を含む。好ましくは、アルケニル基はC2-20アルキル基、より好ましくはC2-15、さらにより好ましくはC2-12アルキル基、さらにより好ましくはC2-6アルキル基、より好ましくはC2-3アルキル基である。
本明細書において「ハロ」はクロロ、フルオロ、ブロモ、又はヨードとして定義される。
本明細書において使用される用語「アリール」は、ベンゾ縮合していてもよいC6-12芳香族基、例えばフェニル又はナフチルを指す。好ましくは、アリール基はフェニル基である。
1つの好ましい実施形態では、方法は式[III]の未反応化合物を回収するステップを含む。好ましくは、式[III]の未反応化合物を粗反応混合物の蒸留、より好ましくは分留により回収する。好ましくは、粗反応混合物を30~50mBar及び約80~約170℃の温度で真空中で分留する。1つの非常に好ましい実施形態では、未反応アミノアルコール[III]を、反応混合物に適切な溶媒(例えばポリエチレングリコール、好ましくはPEG300又はPEG400、より好ましくはPEG400)を加えた後、塩基(好ましくは水性NaOH)を添加することを含む、後処理手順において回収する。次に未反応アミノアルコールを真空蒸留により回収することができる。
別の好ましい実施形態では、方法は式[III]の未反応化合物を回収するステップなしで進行する。
本発明の1つの好ましい実施形態では、方法は以下のステップを含む:
(i)式[II]の化合物及び式[III]の化合物を含む反応混合物を形成するステップ;
(ii)前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[I]の化合物を形成するステップ;
(iii)混合物から前記式[I]の化合物を単離し、任意に式[III]の未反応化合物を回収するステップ;並びに
(iv)任意に前記式[I]の化合物を塩形態に変換するステップ。
本発明の1つの好ましい実施形態では、方法は以下のステップを含む:
(i)式[II]の化合物及び式[III]の化合物を含む反応混合物を形成するステップ;
(ii)前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[I]の化合物を形成するステップ;
(iii)式[III]の未反応化合物から前記式[I]の化合物を分離するステップ;並びに
(iv)任意に前記式[I]の化合物を塩形態に変換するステップ。
1つの好ましい実施形態では、式[III]の任意の未反応化合物を水性の酸で酸性化し、適切な有機溶媒(好ましくは酢酸エチル又は酢酸ブチル、より好ましくは酢酸エチル)に抽出することにより、式[I]の化合物を反応混合物から単離する。より好ましい実施形態では、ステップ(iii)は、ステップ(ii)からの反応混合物を水性HCl及び有機溶媒に抽出し、有機相を分離し、濾液を濃縮するステップを含む。1つの好ましい実施形態では、次に式[I]の化合物を、すなわち、遊離塩基材料をさらに精製又は結晶化することなく、塩形態に変換する。
別の好ましい実施形態では、式[I]の化合物を結晶化によってさらに精製する。本発明の1つの好ましい実施形態では、ステップ(iii)は、化合物[I]を適切な溶媒から結晶化するステップをさらに含む。次に、結晶性化合物[I]を以下に記載のように塩形態に変換することができる。1つの好ましい実施形態では、化合物[I]を酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)、又はそれらの2種又は3種以上の混合物から選択される溶媒から結晶化する。好ましくは、溶媒は無水である。好ましくは、溶媒(又は溶媒混合物)を少なくとも50℃の温度に加熱する。
1つの好ましい実施形態では、化合物[I]を酢酸n-ブチルから結晶化する。
1つの好ましい実施形態では、化合物[I]を酢酸エチルから結晶化する。
1つの好ましい実施形態では、化合物[I]を酢酸イソプロピルから結晶化する。
1つの好ましい実施形態では、1種又は2種以上のアルカン(例えばヘキサン、ヘプタン等)を結晶化溶媒に、結晶性化合物[I]の収率を増加させるための貧溶媒として添加する。1つの好ましい実施形態では、溶媒は酢酸エチルとヘプタンとの混合物である。
別の好ましい実施形態では、溶媒は酢酸イソプロピルとヘプタンとの混合物である。
1つの特に好ましい実施形態では、溶媒は酢酸n-ブチルとヘプタンとの混合物である。
別の好ましい実施形態では、方法は以下のステップを含む:
・式[II]の化合物及び式[III]の化合物を含む反応混合物を形成するステップ;
・前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[I]の化合物を形成するステップ;並びに
・任意に前記式[I]の化合物を塩形態に変換するステップ。
別の好ましい実施形態では、方法は以下のステップを含む:
・式[II]の化合物及び式[III]の化合物を含む反応混合物を形成するステップ;
・前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[I]の化合物を形成するステップ;並びに
・前記式[I]の化合物を塩形態に変換するステップ。
1つの好ましい実施形態では、反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[I]の化合物を形成するステップの後に、混合物を冷却し(好ましくは約60℃の温度に)、残留化合物[III]を適切な酸(例えば1モル当量のHCl)で酸性化する。次に化合物[I]を適切な有機溶媒(好ましくは酢酸エチル)に抽出し、水で洗浄する。好ましい実施形態では、次に有機相を蒸留により濃縮し、エタノールを加える。次に、有機溶媒(例えば酢酸エチル)が除去される、すなわちエタノールへの「溶媒交換」が生じるまで、蒸留を続ける。次に、化合物[I]のエタノール溶液を以下に記載のように塩形態に変換することができる。
本発明の1つの好ましい実施形態では、方法は、前記式[I]の化合物を対応するL-酒石酸塩に変換するステップを含む。
1つの好ましい実施形態では、R及びRのうち一方はHであり、他方はアルキルである。
より好ましくは、R及びRのうち一方はHであり、他方はメチル、エチル、又はイソプロピルである。
またさらに好ましくは、Rはアルキル、より好ましくはエチルであり、RはHである。
1つの好ましい実施形態では、R及びRはそれぞれ独立してH、アルキル、ハロアルキル、又はアリールであり、R及びRのうち少なくとも一方はH以外である。
1つの好ましい実施形態では、R及びRのうち一方はHであり、他方はアルキル又はハロアルキルである。
1つの好ましい実施形態では、RはHであり、Rはアルキル又はハロアルキルである。
1つの好ましい実施形態では、RはHであり、Rはメチルである。
1つの好ましい実施形態では、R及びRはそれぞれ独立してアルキルであり、R及びRはいずれもHである。好ましくは、R及びRはいずれもHであり、Rはエチルであり、RはMeである。
1つの好ましい実施形態では、Rは以下である。
Figure 2023513418000011
1つの好ましい実施形態では、YはNであり、X及びZはいずれもCRである。
1つの好ましい実施形態では、YはNであり;この実施形態について好ましくは、
XはCHであり、ZはC-Meであり、RはHであり、RはMeであるか;又は、
XはCHであり、ZはC-Meであり、R及びRはいずれもHであるか;又は、
XはCHであり、ZはC-CFであり、R及びRはいずれもHである。
より好ましくは、YはNであり、XはCHであり、ZはC-Meであり、RはHであり、RはMeである。
別の好ましい実施形態では、XはNである。この実施形態について好ましくは、
YはC-Meであり、ZはCHであり、R及びRはいずれもHであるか;又は、
Y及びZはCHであり、RはHであり、RはMeである。
別の好ましい実施形態では、ZはNである。この実施形態について好ましくは、XはCHであり、YはC-Meであり、RはMeであり、RはHである。
別の好ましい実施形態では、Rはシクロプロピルアミノ、シクロプロピルメチルアミノ、シクロブチルアミノ、又はシクロブチルメチルアミノである。
1つの好ましい実施形態では、Rはイソプロピル又はイソプロペニル、より好ましくはイソプロピルである。
1つの非常に好ましい実施形態では、式[I]の化合物は以下から選択される。
Figure 2023513418000012
1つの好ましい実施形態では、
一般式(I)の化合物は化合物[1]であり;
一般式(II)の化合物は化合物[2]であり;
一般式(III)の化合物は化合物[3]であり;
すなわち、本発明は、以下のステップを含む方法に関する:
Figure 2023513418000013
(i)式[2]の化合物及び式[3]の化合物を含む反応混合物を形成するステップ;
(ii)前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[1]の化合物を形成するステップ;
(iii)任意に混合物から前記式[1]の化合物を単離し、任意に式[3]の未反応化合物を回収するステップ;並びに
(iv)任意に前記式[1]の化合物を塩形態に変換するステップ。
1つの好ましい実施形態では、ステップ(ii)における反応混合物を約135℃~約220℃、より好ましくは約135℃~約200℃の温度に加熱する。反応混合物をより高い温度、例えば180℃超に加熱する場合、反応を密封系、例えばオートクレーブの中で行うことが好ましい。1つの好ましい実施形態では、ステップ(ii)における反応混合物を約135℃~約175℃の温度に加熱する。1つの好ましい実施形態では、反応混合物を約135℃~約160℃、より好ましくは約135℃~約155℃、より好ましくは約135℃~約150℃、またさらに好ましくは約135℃~約140℃の温度に加熱する。別の好ましい実施形態では、反応混合物を約150℃~約175℃、より好ましくは約150℃~約170℃、又は約150℃~約160℃、又は約155℃~約160℃の温度に加熱する。1つの好ましい実施形態では、ステップ(ii)における反応混合物を少なくとも140℃の温度に加熱する。別の好ましい実施形態では、ステップ(ii)における反応混合物を約140℃~約160℃、より好ましくは約140℃~約155℃、又は約140℃~約150℃の温度に加熱する。
別の好ましい実施形態では、ステップ(ii)における反応混合物を約140℃~約220℃、より好ましくは約140℃~約200℃、より好ましくは約160℃~約200℃、又はまたさらに好ましくは約180℃~約200℃の温度に加熱する。
1つの特に好ましい実施形態では、反応混合物を約150℃の温度に加熱する。
1つの好ましい実施形態では、ステップ(ii)における反応混合物を少なくとも12時間の間加熱する。より好ましい実施形態では、ステップ(ii)における反応混合物を少なくとも24時間の間加熱する。別の好ましい実施形態では、反応混合物を少なくとも48時間の間加熱する。別の好ましい実施形態では、反応混合物を少なくとも72時間の間加熱する。1つの非常に好ましい実施形態では、反応混合物を約24時間の間加熱する。別の非常に好ましい実施形態では、反応混合物を約48時間の間加熱する。別の非常に好ましい実施形態では、反応混合物を約72時間の間加熱する。
別の好ましい実施形態では、ステップ(ii)における反応混合物を約24時間~約96時間の間、より好ましくは約24時間~約72時間、又は約24時間~約48時間加熱する。別の好ましい実施形態では、反応混合物を約48~約96時間の間、より好ましくは約48~約72時間加熱する。
1つの好ましい実施形態では、化合物[II]と化合物[III]との間の反応を溶媒の非存在下で行い、すなわち、化合物[III]は化合物[II]との溶液を形成し、追加溶媒は必要ではない。
1つの好ましい実施形態では、ステップ(ii)における反応混合物は化合物[II]に対して約4~約7モル当量の化合物[III]を含む。より好ましい実施形態では、反応混合物は化合物[II]に対して約5~約7モル当量の化合物[III]を含む。より好ましくは、反応混合物は化合物[II]に対して約5~約6又は約5~約5.5モル当量の化合物[III]を含む。またさらに好ましくは、反応混合物は化合物[II]に対して約5モル当量の化合物[III]を含む。
1つの好ましい実施形態では、化合物[1]と化合物[3]との間の反応を溶媒の非存在下で行い、すなわち、化合物[3]は化合物[2]との溶液を形成し、追加溶媒は必要ではない。
1つの特に好ましい実施形態では、式[1]の化合物を調製する文脈において、反応混合物は化合物[2]に対して約4~約7モル当量の化合物[3]を含む。より好ましい実施形態では、反応混合物は化合物[2]に対して約5~約7モル当量の化合物[3]を含む。より好ましくは、反応混合物は化合物[2]に対して約5~約6又は約5~約5.5モル当量の化合物[3]を含む。またさらに好ましくは、反応混合物は化合物[2]に対して約5モル当量の化合物[3]を含む。
1つの好ましい実施形態では、方法は以下のステップを含む:
(i)式[2]の化合物及び式[3]の化合物を含む反応混合物を形成するステップ;
(ii)前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[1]の化合物を形成するステップ;
(iii)前記混合物から前記式[1]の化合物を単離し、任意に式[3]の未反応化合物を回収するステップ;並びに
(iv)任意に前記式[1]の化合物を塩形態に変換するステップ。
本発明の1つの好ましい実施形態では、方法は以下のステップを含む:
(i)式[2]の化合物及び式[3]の化合物を含む反応混合物を形成するステップ;
(ii)前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[1]の化合物を形成するステップ;
(iii)前記式[3]の未反応化合物から前記式[1]の化合物を分離するステップ;並びに
(iv)任意に前記式[1]の化合物を塩形態に変換するステップ。
1つの好ましい実施形態では、ステップ(iii)は、ステップ(ii)からの反応混合物を水性HCl(任意の残留未反応アミノアルコールを中和し、HCl塩の水相への抽出を可能にする)及び酢酸n-ブチルに抽出し、酢酸n-ブチル相を分離し、乾燥剤で乾燥させ、濾過し、濾液を濃縮してその体積を減少させるステップを含む。適切な乾燥剤(例えば硫酸マグネシウム)を当業者は熟知しているであろう。次に、減少した体積の有機相を窒素下で加熱し、生成物(例えば化合物[1])をシード添加し、徐々に冷却した後、ヘプタンを加える。次に生成物を濾過し、洗浄し(例えば2:1酢酸n-ブチル/ヘプタン混合物で)、真空中で乾燥させる。シード添加は、形態Aと命名され、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2011/089401号パンフレット(Cyclacel Limited社;特に実施例1を参照)に記載されている、結晶形態の化合物[1]の遊離塩基形態を使用して行うことが好ましい。
1つの非常に好ましい実施形態では、未反応アミノアルコール[III]又は[3]を、反応混合物に適切な溶媒(例えばポリエチレングリコール、好ましくはPEG300又はPEG400、より好ましくはPEG400)を加えた後、塩基(好ましくは水性NaOH)を加えることを含む、後処理手順によって回収する。次に任意の未反応アミノアルコールを真空蒸留により回収する。次に、残留反応混合物に酢酸n-ブチル及びブラインを加え、有機相を乾燥剤(例えば硫酸マグネシウム)で乾燥させる。次に、減少した体積の有機相を窒素下で加熱し、生成物(例えば化合物[1])をシード添加し、徐々に冷却した後、ヘプタンを加える。次に生成物を濾過し、洗浄し(例えば2:1酢酸n-ブチル/ヘプタン混合物で)、真空中で乾燥させる。有利なことに、この方法によって最大4当量のアミノアルコールが回収される。
別の好ましい実施形態では、方法は式[III]又は[3]の未反応化合物を回収するステップを含まない。
1つの好ましい実施形態では、本発明の方法は、以下により式[II]の化合物を調製するさらなるステップを含む:
Figure 2023513418000014
(i)式[VI]の化合物をR-NH又はその塩で処理して、式[VII]の化合物を形成するステップ;及び
(ii)前記式[VII]の化合物をRBrで処理して、式[II]の化合物を形成するステップ
(式中、R及びRは上で定義された通りである)。
全体を通じて使用される用語「処理する」は、適切な環境(例えば反応槽)内及び適切な条件(例えば温度、濃度、圧力)下で2種又は3種以上の成分を接触させることで、成分間の反応が行われるようにすることを意味する。
1つの好ましい実施形態では、ステップ(i)において形成された式[VII]の化合物をステップ(ii)の前に単離する。さらに好ましい実施形態では、ステップ(i)において形成された式[VII]の化合物をステップ(ii)の前に単離及び精製する。
1つの好ましい実施形態では、ステップ(ii)において形成された式[II]の化合物をアミノアルコール[III]と反応させる前に単離する。さらに好ましい実施形態では、ステップ(i)において形成された式[II]の化合物をアミノアルコール[III]と反応させる前に単離及び精製する。
代替的な好ましい実施形態では、本発明の方法は、以下により式[II]の化合物を調製するさらなるステップを含む:
Figure 2023513418000015
(i)式[VI]の化合物をRBrで処理して、式[VIII]の化合物を形成するステップ;及び
(ii)前記式[VIII]の化合物をR-NH又はその塩で処理して、式[II]の化合物を形成するステップ
(式中、R及びRは上で定義された通りである)。
1つの好ましい実施形態では、ステップ(i)において形成された式[VIII]の化合物をステップ(ii)の前に単離する。さらに好ましい実施形態では、ステップ(i)において形成された式[VIII]の化合物をステップ(ii)の前に単離及び精製する。
1つの好ましい実施形態では、ステップ(ii)において形成された式[II]の化合物をアミノアルコール[III]と反応させる前に単離する。さらに好ましい実施形態では、ステップ(i)において形成された式[II]の化合物をアミノアルコール[III]と反応させる前に単離及び精製する。
1つの好ましい実施形態では、アミンR-NHは塩、好ましくは塩酸塩、またさらに好ましくは二塩酸塩R-NH.2HClの形態である。
1つの好ましい実施形態では、R-NH又はその塩との反応を少なくとも100℃、より好ましくは少なくとも110℃、またさらに好ましくは少なくとも115℃の温度で行う。好ましくは、反応混合物をこの温度に少なくとも12時間、より好ましくは少なくとも18時間、またさらに好ましくは少なくとも24時間維持する。好ましくは、反応を窒素又は別の不活性ガスの下で行う。好ましくは、反応を溶媒、より好ましくはnBuOH中で行う。好ましくは、反応を塩基の存在下で行う。好ましくは、塩基は第三級脂肪族アミン塩基である。より好ましくは、塩基はN,N-ジイソプロピル-エチルアミン(DIEA)、トリ-プロピルアミン、及びトリ-ブチルアミンから選択される。さらにより好ましくは、塩基はN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)である。好ましくは、塩基は式[VI](又は式[VIII])の化合物に対して3~5モル当量、より好ましくは3~4モル当量、またさらに好ましくは約3.5モル当量で存在する。好ましくは、化合物R-NH又はその塩は式[VI](又は式[VIII])の化合物に対して約1モル当量の量で存在する。反応温度を上記期間にわたって維持した後、反応混合物を室温に冷却し、濾過し、得られた固体を例えばtert-ブチルメチルエーテル(TBME)で洗浄し、真空中で乾燥させる。
1つの好ましい実施形態では、R-Brとの反応を少なくとも55℃、より好ましくは少なくとも60℃、またさらに好ましくは少なくとも65℃の温度で行う。好ましくは、反応混合物をこの温度に少なくとも30分間、より好ましくは少なくとも45分間、またさらに好ましくは少なくとも60分間維持する。好ましくは、反応を窒素又は別の不活性ガスの下で行う。好ましくは、反応を溶媒、より好ましくはDMSO中で行う。好ましくは、反応を塩基、より好ましくはKCOの存在下で行う。好ましくは、化合物R-Brは式[VI](又は式[VII])の化合物に対して少なくとも3モル当量の量で存在する。好ましくは、化合物R-Brは式[VI](又は式[VII])の化合物に対して3~5モル当量、より好ましくは3~4モル当量、またさらに好ましくは約3モル当量の量で存在する。反応温度を上記期間にわたって維持した後、反応混合物を室温に冷却し、例えば水/酢酸エチルで抽出する。次に有機相を濃縮し、例えばSiOプラグ又はシリカクロマトグラフィーを使用して精製する。
本発明の1つの好ましい実施形態では、方法は、以下により式[2]の化合物を調製するさらなるステップを含む:
Figure 2023513418000016
(i)式[6]の化合物を式[9]の化合物又はその塩で処理して、式[7]の化合物を形成するステップ;及び
(ii)前記式[7]の化合物を臭化イソプロピルで処理して、式[2]の化合物を形成するステップ。
1つの好ましい実施形態では、ステップ(i)において形成された式[7]の化合物をステップ(ii)の前に単離する。さらに好ましい実施形態では、ステップ(i)において形成された式[7]の化合物をステップ(ii)の前に単離及び精製する。
1つの好ましい実施形態では、ステップ(ii)において形成された式[2]の化合物をアミノアルコール[3]と反応させる前に単離する。さらに好ましい実施形態では、ステップ(i)において形成された式[2]の化合物をアミノアルコール[3]と反応させる前に単離及び精製する。
本発明の別の好ましい実施形態では、方法は、以下により式[2]の化合物を調製するさらなるステップを含む:
Figure 2023513418000017
(i)式[6]の化合物を臭化イソプロピルで処理して、式[8]の化合物を形成するステップ;及び
(ii)前記式[8]の化合物を式[9]の化合物又はその塩で処理して、式[2]の化合物を形成するステップ。
1つの好ましい実施形態では、ステップ(i)において形成された式[8]の化合物をステップ(ii)の前に単離する。より好ましい実施形態では、ステップ(i)において形成された式[8]の化合物をステップ(ii)の前に単離及び精製する。
1つの好ましい実施形態では、ステップ(ii)において形成された式[2]の化合物をアミノアルコール[3]と反応させる前に単離する。より好ましい実施形態では、ステップ(ii)において形成された式[2]の化合物をアミノアルコール[3]と反応させる前に単離及び精製する。
1つの好ましい実施形態では、化合物[9]は塩、より好ましくは塩酸塩、またさらに好ましくは二塩酸塩の形態である。
1つの好ましい実施形態では、化合物[9]又はその塩との反応を少なくとも100℃、より好ましくは少なくとも110℃、またさらに好ましくは少なくとも115℃の温度で行う。好ましくは、反応混合物をこの温度に少なくとも12時間、より好ましくは少なくとも18時間、またさらに好ましくは少なくとも24時間維持する。好ましくは、反応を窒素又は別の不活性ガスの下で行う。好ましくは、反応を溶媒、より好ましくはnBuOH中で行う。好ましくは、反応を塩基の存在下で行う。好ましくは、塩基は第三級脂肪族アミン塩基である。より好ましくは、塩基はN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、トリ-プロピルアミン、及びトリ-ブチルアミンから選択される。さらにより好ましくは、塩基はN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)である。好ましくは、塩基は式[6](又は式[8])の化合物に対して3~5モル当量、より好ましくは3~4モル当量、またさらに好ましくは約3.5モル当量で存在する。好ましくは、化合物[9]又はその塩は式[6](又は式[8])の化合物に対して約1モル当量の量で存在する。反応温度を上記期間にわたって維持した後、反応混合物を室温に冷却し、濾過し、得られた固体を例えばtert-ブチルメチルエーテル(TBME)で洗浄し、真空中で乾燥させる。
1つの好ましい実施形態では、臭化イソプロピル(2-ブロモプロパン)との反応を少なくとも55℃、より好ましくは少なくとも60℃、またさらに好ましくは少なくとも65℃の温度で行う。好ましくは、反応混合物をこの温度に少なくとも30分間、より好ましくは少なくとも45分間、またさらに好ましくは少なくとも60分間維持する。好ましくは、反応を窒素又は別の不活性ガスの下で行う。好ましくは、反応を溶媒、より好ましくはDMSO中で行う。好ましくは、反応を塩基、より好ましくはKCOの存在下で行う。好ましくは、臭化イソプロピルは式[6](又は式[7])の化合物に対して少なくとも3モル当量の量で存在する。好ましくは、臭化イソプロピルは式[6](又は式[7])の化合物に対して3~5モル当量、より好ましくは3~4モル当量、またさらに好ましくは約3モル当量の量で存在する。反応温度を上記期間にわたって維持した後、反応混合物を室温に冷却し、水/酢酸エチルで抽出する。次に有機相を濃縮し、例えばSiOプラグ又はシリカクロマトグラフィーを使用して精製する。
1つの好ましい実施形態では、式[3]の任意の未反応化合物を水性の酸で酸性化し、適切な有機溶媒(好ましくは酢酸エチル又は酢酸ブチル、より好ましくは酢酸エチル)に抽出することにより、式[1]の化合物を反応混合物から単離する。より好ましい実施形態では、ステップ(iii)は、ステップ(ii)からの反応混合物を水性HCl及び有機溶媒に抽出し、有機相を分離し、濾液を濃縮するステップを含む。1つの好ましい実施形態では、次に式[1]の化合物を塩形態に変換する。すなわち、遊離塩基材料をさらに精製又は結晶化しない。
別の好ましい実施形態では、式[1]の化合物を結晶化によってさらに精製する。したがって、1つの好ましい実施形態では、化合物[1]を調製する文脈において、ステップ(iii)は、化合物[1]を適切な溶媒から結晶化するステップをさらに含む。次に、結晶性化合物[1]を以下に記載のように塩形態に変換することができる。1つの好ましい実施形態では、化合物[1]を酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)、又はそれらの2種又は3種以上の混合物から選択される溶媒から結晶化する。好ましくは、溶媒は無水である。好ましくは、溶媒(又は溶媒混合物)を少なくとも50℃の温度に加熱する。1つの好ましい実施形態では、1種又は2種以上のアルカン(例えばヘキサン、ヘプタン等)を結晶化溶媒に、収率を増加させるための貧溶媒として添加する。
1つの好ましい実施形態では、化合物[1]を酢酸n-ブチルから結晶化する。
1つの特に好ましい実施形態では、化合物[1]を酢酸n-ブチルとヘプタンとの混合物から結晶化する。
1つの非常に好ましい実施形態では、このステップは、化合物[1]の酢酸n-ブチル中濃縮溶液を約70℃の温度に加熱し、化合物[1]の結晶をシード添加し、シード添加混合物を室温に冷却し、反応混合物にヘプタンを加えた後、シード添加混合物を約0℃に冷却するステップを含む。
好ましくは、混合物をこの温度で約30分間撹拌した後、室温に冷却する。化合物[1]の種結晶を、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2011/089401号パンフレット(特に実施例1を参照)又は国際公開第2018/138500号パンフレットの手順に従って調製することができる。次に得られた生成物を濾過し、例えば2:1酢酸n-ブチル/ヘプタン(好ましくは冷混合物)で洗浄し、真空中で乾燥させることができる。
別の好ましい実施形態では、方法は以下のステップを含む:
・式[2]の化合物及び式[3]の化合物を含む反応混合物を形成するステップ;
・前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[1]の化合物を形成するステップ;並びに
・任意に前記式[1]の化合物を塩形態に変換するステップ。
1つの好ましい実施形態では、方法は、前記式[1]の化合物を塩形態に変換するステップを含み、すなわち、方法は以下のステップを含む:
・式[2]の化合物及び式[3]の化合物を含む反応混合物を形成するステップ;
・前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[1]の化合物を形成するステップ;並びに
・前記式[1]の化合物を塩形態に変換するステップ。
1つの好ましい実施形態では、反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[1]の化合物を形成するステップの後に、混合物を冷却し(好ましくは約60℃の温度に)、残留化合物[3]を適切な酸(例えば1モル当量のHCl)で酸性化する。次に化合物[1]を適切な有機溶媒(例えば酢酸エチル)に抽出し、水で洗浄する。1つの好ましい実施形態では、次に有機相を蒸留により濃縮し、エタノールを加える。次に、有機溶媒(例えば酢酸エチル)が除去される、すなわちエタノールへの「溶媒交換」が生じるまで、蒸留を続ける。次に、化合物[1]のエタノール溶液を以下に記載のように塩形態に変換することができる。
塩の形成
1つの実施形態では、方法は、式[I]又は[1]の化合物を薬学的に許容される塩の形態に変換するステップを含み、すなわち、ステップ(iv)が存在する。
薬学的に許容される塩は、その適切な酸付加塩又は塩基塩を含む。適切な薬学的塩の概説はBerge et al, J Pharm Sci, 66, 1-19 (1977)に見ることができる。塩は、例えば強無機酸、例えば鉱酸、例えば硫酸、リン酸、若しくはハロゲン化水素酸によって;強有機カルボン酸、例えば置換されていないか若しくは(例えばハロゲンで)置換されている1~4個の炭素原子のアルカンカルボン酸、例えば酢酸によって;飽和若しくは不飽和ジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、若しくはテトラフタル酸によって;ヒドロキシカルボン酸、例えばアスコルビン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、若しくはクエン酸によって;アミノ酸、例えばアスパラギン酸若しくはグルタミン酸によって;安息香酸によって;又は有機スルホン酸、例えば置換されていないか若しくは(例えばハロゲンで)置換されている(C-C)-アルキルスルホン酸若しくはアリールスルホン酸、例えばメタンスルホン酸若しくはp-トルエンスルホン酸によって形成される。
本発明の1つの非常に好ましい実施形態では、方法は、式[I]又は[1]の化合物を対応する酒石酸塩に変換するステップを含む。
1つの特に好ましい実施形態では、方法は、前記式[I]又は[1]の化合物をL-酒石酸塩、より好ましくは結晶形のL-酒石酸塩に変換するステップを含む。またさらに好ましくは、L-酒石酸塩は結晶形II(国際公開第2011/089401号パンフレットに記載の形態Eに対応)であり、当該パンフレットに記載の方法(実施例5、特に実施例5.5を参照)により調製することができる。
したがって、1つの好ましい実施形態では、方法は、ステップ(iii)において単離された生成物(すなわち式[I]又は[1]の化合物)をエタノール溶液中で還流させ、そこに水とエタノールとの混合物中のL-酒石酸の溶液を滴下添加するステップを含む。1つの好ましい実施形態では、このステップを、粗化合物[I]又は[1]に対して、結晶化による遊離塩基材料のさらなる精製なしに行う。
1つの特に好ましい実施形態では、L-酒石酸溶液の添加後の最終混合物中のエタノール:水の比は少なくとも15:1、より好ましくは少なくとも20:1、より好ましくは少なくとも25:1、またさらにより好ましくは少なくとも30:1である。有利なことに、結晶化ステップにおいて水に対するエタノールの割合が増加することで、当技術分野において開示された収率に比べて、化合物[1]の結晶性酒石酸塩の収率が著しく改善される(国際公開第2011/089401号パンフレットの実施例5.5における72%に比べて、約87%)。
1つの特に好ましい実施形態では、L-酒石酸溶液の添加後の最終混合物中のエタノール:水の比は約37.5:1である。
1つの好ましい実施形態では、方法は、L-酒石酸の溶液の添加中に温度を75~78℃に維持するステップを含む。
1つの好ましい実施形態では、結晶化ステップは、混合物をポリッシュ濾過し、濾液を約60~約65℃の温度に加温し、[1]-L-酒石酸塩の結晶形IIをシード添加するステップをさらに含む。[1]-L-酒石酸塩の結晶形II(形態Eとしても知られる)は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2011/089401号パンフレット(Cyclacel Limited社)の教示に従って調製することができる。特に実施例5を参照。
1つの好ましい実施形態では、シード添加濾液を約60~約65℃の温度で少なくとも1時間撹拌する。
1つの好ましい実施形態では、方法は、混合物を約15~約20℃の温度に冷却し、その温度で少なくとも1時間撹拌して、化合物[1]-L-酒石酸塩の結晶化を誘導するステップをさらに含む。好ましくは、冷却速度は約5~約10℃/時、より好ましくは約10℃/時である。
1つの好ましい実施形態では、化合物[1]-L-酒石酸塩を濾過し、エタノールで洗浄し、真空中で乾燥させる。
有利には、カップリング反応の文脈において、化合物[I]-L-酒石酸塩の目標規格を得るために十分な純度で式[I]の遊離塩基化合物を得るには、式[II]の高純度中間体の使用が重要である。
1つの好ましい実施形態では、ステップ(i)の前に、式[II]の化合物(例えば化合物[2])をシリカパッドに通し、ジエチルエーテル中でスラリー化し、濾過し、乾燥させる。
1つの好ましい実施形態では、式[II]の化合物(例えば化合物[2])は少なくとも97%、より好ましくは少なくとも97.5%、またさらに好ましくは少なくとも98%のHPLCによる純度を有する。
式[II]の化合物とのカップリング反応において良好な収率を得るには、高いジアステレオマー純度(すなわち高いd.e.)を有する式[III]の化合物の使用も重要である。特に、高いジアステレオマー純度を有する一般式[III]の化合物をカップリングステップにおいて使用することで、式[I]の化合物をその立体異性体からのクロマトグラフィー分離を必要とせずに高い収率で調製することが可能になる。代わりに、上記のように粗生成物を単純に単離し、結晶化により精製することができ、このことは規模拡大効率に関して明らかな利点を有する。
1つの好ましい実施形態では、式[III]の化合物(例えば化合物[3])は少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、またさらに好ましくは少なくとも95%のジアステレオマー過剰率を有する。
1つの非常に好ましい実施形態では、式[III]の化合物(例えば化合物[3])は少なくとも96、97、98、又は99%のジアステレオマー過剰率を有する。
1つの好ましい実施形態では、上で定義された式[III]の化合物(式中、RはHである)を以下のステップにより調製し:
Figure 2023513418000018
(式中、
1はアルキル又はハロアルキルであり;
はアルキル、ハロアルキル、又はアリールであり;

PGは保護基である)、
前記ステップは以下のステップを含む:
(a)THFを含む溶媒中で式[V]の化合物を(S)-2-Me-CBS-オキサゾボロリジンとボラン-N,N-ジエチルアニリンとの錯体で処理して、式[IV]の化合物を形成するステップ;及び
(b)前記化合物[IV]から保護基PGを除去して、式[III]の化合物を得るステップ
(式中、PGは保護基、好ましくはBocであり、Rはアルキル又はハロアルキルであり、RはH、アルキル、ハロアルキル、又はアリールである)。
別の好ましい実施形態では、式[III]の化合物は式[IIIa]の化合物であり、これを以下のステップにより調製し:
Figure 2023513418000019
(式中、
はアルキル又はハロアルキル、より好ましくはアルキルであり;
はアルキル、ハロアルキル、又はアリール、より好ましくはアルキルであり;
PGは保護基、好ましくはBOCである)、
前記ステップは以下のステップを含む:
(a)THFを含む溶媒中で式[Va]の化合物を(S)-2-Me-CBS-オキサゾボロリジンとボラン-N,N-ジエチルアニリンとの錯体で処理して、式[IVa]の化合物を形成するステップ;及び
(b)前記化合物[IVa]から保護基PGを除去して、式[IIIa]の化合物を得るステップ。
有利なことに、これらの条件によって、還元が非常にジアステレオ選択的になり、得られる中間体のジアステレオマー過剰率が非常に高くなる(約99%)。
1つの好ましい実施形態では、ステップ(b)は、メタノール中で前記化合物[IV]を気体HClによって処理し、真空中で濃縮し、酢酸エチルに溶解させた後、NHでスパージするステップを含む。
1つの非常に好ましい実施形態では、式[III]の化合物は式[3]の化合物であり、これを以下のステップにより調製する:
Figure 2023513418000020
(a)THFを含む溶媒中で式[5]の化合物を(S)-2-Me-CBS-オキサゾボロリジンとボラン-N,N-ジエチルアニリンとの錯体で処理して、式[4]の化合物を形成するステップ;及び
(b)前記式[4]の化合物から保護基PGを除去して、式[3]の化合物を得るステップ。
適切なアミン保護基を当業者は熟知しているであろう。例えばProtective Groups in Organic Synthesis by Theodora W. Greene and Peter G. M. Wutsを参照。好ましくは、保護基PGはt-ブチルオキシカルボニル(Boc)基である。
以下、本発明の合成方法のさらなる詳細を、スキーム1に記載の反応スキームを参照して説明する。
Figure 2023513418000021

本発明の第2の態様は、式[I]の化合物又はその薬学的に許容される塩を調製するための方法であって:
Figure 2023513418000022
[式中、R及びRはそれぞれ独立してH、アルキル、又はハロアルキルであり;
及びRはそれぞれ独立してH、アルキル、ハロアルキル、又はアリールであり;
はアルキル、アルケニル、シクロアルキル、又はシクロアルキル-アルキルであり、それぞれ1個又は2個以上のOH基で任意に置換されていてもよく;
はシクロプロピルアミノ、シクロプロピルメチルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロブチルメチルアミノ、及び
Figure 2023513418000023
(式中、X、Y、及びZのうち1つはNであり、残りはCRであり;
、R、及び各Rは独立してH、アルキル、又はハロアルキルであり、R、R、及びRのうち少なくとも1つはH以外である)から選択される]
以下のステップを含む方法に関する:
Figure 2023513418000024
(a)式[VI]の化合物をR-NH又はその塩で処理して、式[VII]の化合物を形成するステップ;
(b)前記式[VII]の化合物をRBrで処理して、式[II]の化合物を形成するステップ;
(c)式[II]の化合物及び式[III]の化合物を含む反応混合物を形成し、前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[I]の化合物を形成するステップ;
(d)混合物から前記式[I]の化合物を単離し、任意に式[III]の未反応化合物を回収するステップ;並びに
(e)任意に前記式[I]の化合物を塩形態に変換するステップ。
本発明の1つの好ましい実施形態では、方法は以下のステップを含む:
(a)式[VI]の化合物をR-NH又はその塩で処理して、式[VII]の化合物を形成するステップ;
(b)前記式[VII]の化合物をRBrで処理して、式[II]の化合物を形成するステップ;
(c)式[II]の化合物及び式[III]の化合物を含む反応混合物を形成し、前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[I]の化合物を形成するステップ;
(d)式[III]の未反応化合物から前記式[I]の化合物を分離するステップ;並びに
(e)任意に前記式[I]の化合物を塩形態に変換するステップ。
本発明の第3の態様は、式[1]の化合物又はその薬学的に許容される塩を調製する方法であって、以下のステップを含む方法に関する:
Figure 2023513418000025
(a)式[6]の化合物を式[9]の化合物又はその塩で処理して、式[7]の化合物を形成するステップ;
(b)前記式[7]の化合物を臭化イソプロピルで処理して、式[2]の化合物を形成するステップ;
(c)式[2]の化合物及び式[3]の化合物を含む反応混合物を形成し、前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[1]の化合物を形成するステップ;
(d)混合物から前記式[1]の化合物を単離し、任意に式[3]の未反応化合物を回収するステップ;並びに
(e)任意に前記式[1]の化合物を塩形態に変換するステップ。
本発明の1つの好ましい実施形態では、方法は以下のステップを含む:
(a)式[6]の化合物を式[9]の化合物又はその塩で処理して、式[7]の化合物を形成するステップ;
(b)前記式[7]の化合物を臭化イソプロピルで処理して、式[2]の化合物を形成するステップ;
(c)式[2]の化合物及び式[3]の化合物を含む反応混合物を形成し、前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[1]の化合物を形成するステップ;
(d)式[3]の未反応化合物から前記式[1]の化合物を分離するステップ;並びに
(e)前記式[1]の化合物を塩形態に変換するステップ。
本発明の第4の態様は、式[2]の化合物に関する。
Figure 2023513418000026
化合物[2]は化合物[1]の合成において有用な中間体である。したがって、本発明のさらなる態様は、本明細書に記載の化合物[1]の合成における中間体としての化合物[2]の使用に関する。
第1の態様について先に記載の好ましい実施形態は第2、第3、及び第4の態様にも同等に適用される。
以下の非限定的な実施例を参照して本発明をさらに説明する。
[実施例]
略語
THF テトラヒドロフラン
EtOAc 酢酸エチル
PMA リンモリブデン酸
MeOH メタノール
DCM ジクロロメタン
TBME(MTBE) tert-ブチルメチルエーテル
DCM ジクロロメタン
DIEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMSO ジメチルスルホキシド
H NMR:オートサンプラーを備えたJEOL社ECX 400MHz分光計を使用してH NMRスペクトルを収集した。試料を分析用にD-DMSOに溶解させ、スペクトルを周囲温度で、Delta NMR Processing and Control Softwareバージョン4.3を使用して16個の走査値を取得する標準的プロトン実験を使用して取得した。次にACD Labs社1D NMRプロセッサーバージョン12.0を使用してデータを処理した。
DSC:45ポジションサンプルホルダーを備えたPerkinElmer社Pyris 6000 DSC上でDSCデータを収集した。この装置は、認証インジウムを使用してエネルギー及び温度の較正を確かめた。所定量0.5~3.0mgの試料をピンホールアルミニウムパンに入れ、20℃.分-1で30℃から350℃に加熱するか、又はこれを実験に応じて変化させた。20ml.分-1での乾燥窒素のパージを試料の上で維持した。機器制御、データの取得及び分析をPyris Software v11.1.1 Revision Hにより行った。
XRPD:Cu Kα放射線(45kV、40mA)を使用するPANalytical回折計、θ-θゴニオメーター、集束鏡、発散スリット(1/2’’)、入射光束と発散光束との両方でのソーラースリット(4mm)、及びPIXcel検出器上でX線粉末回折パターンを収集した。データ収集に使用したソフトウェアはX'Pert Data Collectorバージョン2.2fであり、データはX'Pert Data Viewerバージョン1.2dを使用して示した。XRPDパターンを周囲条件下、透過箔試料台(ポリイミド-Kapton、厚さ12.7μmのフィルム)を通じてPANalytical X'Pert PROを使用して取得した。データ収集範囲は2.994~35°2θとし、連続走査速度は0.202004°s-1とした。
HPLC:方法A
試料溶液の調製:
試料50mgを正確に秤量して100mlメスフラスコに入れる。メタノール50mlをフラスコに添加し、必要であれば超音波処理により溶解させ、精製水で定容量に希釈し、得られた溶液を徹底的に混合する。
カラム:150×4.6mm Luna C18(2)、粒子径5μm(例-Phenomenex社;#OOF-4252-EO)
移動相:
A-0.01M酢酸アンモニウム緩衝液(pH8.0)
B-アセトニトリル
流量:1.0ml.分-1
注入量:5μl
検出:UV@254nm
カラム温度:30℃
ポストラン:5分
HPLC:方法B
試料溶液の調製:
試料50mgを正確に秤量して100mlメスフラスコに入れる。アセトニトリル50mlをフラスコに添加し、必要であれば超音波処理により溶解させ、精製水で定容量に希釈し、得られた溶液を徹底的に混合する。
カラム:150×4.6mm XBridge Phenyl、粒子径3.5μm(例-Waters社;#186003335)
移動相:
A-精製水:トリフルオロ酢酸(100:0.1)
B-アセトニトリル:トリフルオロ酢酸(100:0.1)
流量:1.0ml.分-1
注入量:5μl
検出:UV@268nm
カラム温度:30℃
ポストラン:5分
キラルHPLC
カラム:250×4.6mm Chiralpak AD-H、粒子径5μm(例-Daicel Chemical Industries, Ltd社;#DAIC 19325)
移動相:エタノール:ヘキサン(50:50)
流量:1.0ml.分-1
注入量:20μl
検出:UV@268nm
カラム温度:40℃
運転時間:20分
HRGC:
試料溶液の調製
試料50mgを正確に秤量して10mlメスフラスコに入れる。必要であれば超音波処理を使用し、ジクロロメタン5mlに溶解させ、ジクロロメタンで定容量に希釈し、得られた溶液を徹底的に混合する。
カラム:DB-1 30m×0.32mm;フィルム厚1.0μm(例-J&W Scientific社#123-1033)
オーブンプログラム:40℃(5分間保持)、次に10℃.分-1で300℃に(10分間保持)
注入器温度:200℃、スプリット
カラム温度:250℃、F.I.D.
ヘッド圧:12psi、定圧
キャリアガス:窒素
スプリット比:50:1
注入量:2μl
ライナー:グラスウールインサート付きSGE Focusliner
HRGCによる鏡像体過剰率:
標準溶液の調製
各鏡像異性体[(2R,3S);(2S,3R);(2R,3R);(2S,3S)]10mgを正確に秤量して適切な容器に入れる。HPLC用ジクロロメタン約1mlに溶解させ、必要であれば超音波処理する。無水トリフルオロ酢酸500μl及びトリフルオロ酢酸500μlを添加し、室温で15~30分間誘導体化する。この溶液を注入する。
試料溶液の調製
試料10mgを二つ組で正確に秤量して適切な容器に入れる。HPLC用ジクロロメタン約1mlに溶解させ、必要であれば超音波処理する。無水トリフルオロ酢酸500μl及びトリフルオロ酢酸500μlを添加し、室温で15~30分間誘導体化する。この溶液を注入する。
カラム:Gamma-TA Cyclodextrin 30m×0.32mm;0.125μmフィルム(例-Astec;カタログ番号73033)
オーブンプログラム:80℃(10分間保持)、次に2℃.分-1で90℃に(20分間保持)、次に10℃.分-1で80℃に
注入器温度:200℃、スプリット
カラム温度:250℃、F.I.D.
ヘッド圧:20psi、定圧
キャリアガス:窒素
スプリット比:50:1
注入量:1μl
ライナー:グラスウールインサート付きSGE Focusliner
Figure 2023513418000027
[実施例A]
(2R,3S)-3-アミノペンタン-2-オールの合成
化合物[4]の調製
Figure 2023513418000028
乾燥した窒素パージ槽中で(S)-2-メチル-CBS-オキサボロリジン(トルエン中1M溶液、59.6mL、0.06mol)をTHF(171mL)で希釈した。ボランN,N-ジエチルアニリン錯体(102mL、0.57mol)を室温で滴下添加し、溶液を15分間撹拌した。化合物[5](115.0g、0.57mol)をTHF(345mL)に溶解させ、4.5時間かけて滴下添加した。添加が完了した後、反応液を窒素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。薄層クロマトグラフィー(ヘプタン中20% EtOAc、PMAで可視化)は出発物質の消費完了を示した。メタノール(174mL)を1時間かけて滴下添加することにより反応液を慎重に反応停止させた。反応停止の間ずっと、温度を20℃未満に維持した。溶液を真空中で濃縮した後、追加のメタノール(174mL)を添加した。溶液を減圧下で濃縮して白色ワックス状固体を得た。粗生成物をヘプタン(202mL)から再結晶化した。再結晶化した生成物を濾過し、ヘプタン(2×156mL)ですすいで白色固体を得た。これを真空オーブン中、40℃で終夜乾燥させて化合物[4]を白色固体(99.2g、85%)として得た。上記のように分析をHRGC及びキラルHRGCにより行った。
[実施例B]
化合物[4]の脱保護
Figure 2023513418000029
20Lフラスコ中、N下で、MeOH(645mL)をHClによって20℃未満で1時間ガス処理した。滴定によれば溶液は3.85Mであった。フラスコを15℃未満に冷却した。化合物[4](101.1g、0.50mol)を15℃未満で少量ずつ加えた。溶液を終夜撹拌した。TLC(5% MeOH/DCM、PMAで可視化)により反応を完了させた。溶液を35~40℃で真空中で濃縮した。油状物をEtOAc(4×75mL)と共沸させ、粉砕して白色固体を得た。固体をEtOAc(588mL)に溶かした。反応混合物を0~5℃に冷却し、N下でNH(気体)によって0~5℃で1時間スパージした。添加終了時、pHは8であった。混合物を濾過し、濾過ケークをEtOAc(147mL)で洗浄した。濾液を35~40℃で真空中で濃縮して所望の生成物[3]を淡黄色油状物(50.7g)として得た。H NMRは、生成物の同一性を確認し、約4%の残留EtOAcが存在し、活性収率が48.7g、95%となることを示した。
[実施例C]
化合物[7]の合成
Figure 2023513418000030
槽に化合物[6](90g、0.48mol)及び化合物[9](100g、0.48mol)をn-ブタノール(1.98L)及びDIEA(295mL、1.68mol)と共に加える。反応混合物をN下で110℃に22時間加熱した。反応をH NMRによりモニタリングして、出発物質が消費されたことを確認した。反応液を室温に冷却し、15~25℃で30分間撹拌した。反応混合物を濾過し、TBME(3×125mL)で3回洗浄した。生成物を40℃で68時間真空中で乾燥させて化合物[7](124g、89%)を得た。H NMRは生成物の同一性を確認し、HPLC(方法A)は純度99.2%を示した。
[実施例D]
化合物[2]の合成
Figure 2023513418000031
槽に化合物[7](120g、0.416mol)、炭酸カリウム(115g、0.832mol)、及びDMSO(1.2L)を加える。2-ブロモプロパン(117ml、1.248mol)を2分かけて少量ずつ添加する。反応混合物を60℃に加熱し、50分間撹拌する。反応をHPLC(方法A)によりモニタリングして、出発物質が消費されたことを確認した。反応液を冷却し、水(1.2L)を添加し、混合物を酢酸エチル(3×0.9L)で3回抽出した。合わせた有機相を水(6×1.1L)で6回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。硫酸マグネシウムを濾別し、有機相をロータリーエバポレーター上で蒸発乾固した。粗生成物を、溶離液として酢酸エチル中15%メタノールを使用してシリカプラグを通じて精製した。生成物を含有する画分をロータリーエバポレーター上で蒸発乾固して化合物[2](130g、93%)を得た。H NMRは生成物の同一性を確認し、HPLC(方法A)は純度99.2%を示した。
代替的な実施形態では、化合物[2]を、上記と同様の条件及び試薬を使用して化合物[6]を2-ブロモプロパンで処理して、化合物[8]を形成することにより調製する。次に、上記と同様の条件を使用して化合物[8]をn-ブタノール及びDIEAの存在下で化合物[9]と反応させて、化合物[2]を形成する。
[実施例E]
化合物[1](粗製)の合成
Figure 2023513418000032
槽に化合物[2](25g、0.0768mol)及び化合物[3](39.6g、0.384mol)を加え、窒素下で170℃(加熱ブロック温度)に48時間加熱した。反応を化合物[2]の消失についてHPLC(方法B)によりモニタリングした。
蒸留による化合物[3]の回収
反応液を60℃に冷却し、PEG400(80mL)及び8M水酸化ナトリウム溶液(9.4mL)を添加した。反応混合物を30~50mBar及び80~170℃の温度で真空で分留した。化合物[3](25g、回収率71%)を含有する画分を88℃のヘッド温度で収集した。画分をH NMRにより分析したところ、純度95%超が示された。また、画分を含水量についてカールフィッシャー滴定により分析したところ、画分が12%の水を含有することが示された。
蒸留ポット残渣に酢酸ブチル(330mL)及びブライン(650mL)を添加し、撹拌した。有機相を分離し、水相を酢酸ブチル(170mL)で再抽出した。合わせた有機相を水(4×250mL)で4回洗浄し、硫酸マグネシウムで脱水し、濾過し、溶媒を真空中で除去して粗化合物[1](29g、収率86%)を得た。生成物をH NMRにより分析したところ、11%の酢酸ブチルを含有することが示され、また、HPLC(方法B)で分析したところ、純度95.5%が示された。
[実施例F]
粗化合物[1]の結晶化
[実施例F.1]
粗化合物[1](28g)を酢酸ブチル(130ml)に溶解させ、70℃に加熱した後、66℃に冷却し、化合物[1]の種結晶を添加し、1時間撹拌した。化合物[1]の種結晶は、形態Aと命名されており、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2011/089401号パンフレット(Cyclacel Limited社;特に実施例1を参照-以下で再現)に記載の通りである。混合物を25℃に14時間かけて冷却したところ、スラリーが形成された。スラリーを6時間撹拌した後、ヘプタン(60ml)を1時間20分かけて添加し、次に1時間撹拌した。ヘプタンは、収率を増加させるための貧溶媒として機能する。次にスラリーを0℃に1時間かけて冷却し、1時間撹拌した。生成物を真空中で濾過し、2:1酢酸ブチル:ヘプタン(2×20ml)で2回洗浄した後、45℃で18時間真空中で乾燥させて化合物[1](20.8g、全収率69%(結晶化収率83%))を得た。生成物をHPLC(方法B)により分析したところ、純度98.3%が示され、また、XRPDにより分析したところ、生成物が形態Aの結晶(国際公開第2011/089401号パンフレットの実施例1による)であることが示された。化合物[1]の結晶性遊離塩基(形態A)のXRPDピークを表1に示す。
[実施例F.2]
国際公開第2011/089401号パンフレットの実施例1に記載の化合物[1]の種結晶(形態A)の調製
化合物[1]をMTBEから以下の方法によって結晶化した。化合物[1]にMTBE(2容量)を添加し、加熱還流した。混合物を還流状態で30~60分間保持した後、温度を50℃に減少させた(2時間保持)。懸濁液を室温にゆっくりと冷却した後、濾過し、MTBE(3×1体容量)ですすいだ。固体を真空オーブン中、40℃で8時間乾燥させて所望の結晶性遊離塩基(全回収率84.5%、LC純度97.4%)を得た。
[実施例F.3]
粗化合物[1]の代替的な結晶化条件
酢酸イソプロピル、5容量、85℃、6g規模
還流冷却器及び420RPMのビーズ撹拌機を取り付けたN下の適切なガラス槽中で粗化合物[1](6.09g)を酢酸イソプロピル(30ml、5容量)に懸濁させた。ベージュ色懸濁液を85℃(目標80~85℃)に加熱したところ、同温で約15分後に完全溶解して濃褐色溶液が得られた。熱混合物を加熱大型ナイロンシリンジフィルター(0.44μm)を通じて清澄化して、95℃(目標内温=80~85℃)に予め加熱された200RPMのオーバーヘッドU字形撹拌機を備えたMya4 100mlプロセス槽に入れた。濃褐色溶液を74.5℃に15分かけて冷却し、化合物[1]の結晶(形態A)(約6mg、0.1重量%)をシード添加した。冷却を70.1℃まで続け、シード添加を繰り返したところ、同温で15分後も溶解状態で維持されることが観察された。T=0溶解度測定値(189.83mg/ml)を取得した後、次に混合物を5℃/時の速度で0℃に冷却した(14時間、840分)。著しい量のオフホワイト色析出物が約61~62℃で観察された。冷却後、混合物を0℃で約3時間保持した。固体を濾過により単離したところ、槽又は撹拌機の汚染の証拠はなかった。槽及び濾過ケークを単離濾液で洗浄し、15分間空気乾燥した後、オフホワイト色固体及び濃褐色液体を収集した。固体を収集し、45℃で約4時間真空中で乾燥させて表題化合物を得た。結晶性化合物[1]4.88gを収率80.1%で首尾よく単離した。単離前に0℃で測定された溶解度に基づく理論的最大回収率は94.2%であった。
[実施例F.4]
酢酸エチル、5容量、75℃、6g規模
還流冷却器及び420RPMのビーズ撹拌機を取り付けたN下の適切なガラス槽中で粗化合物[1](6.00g)を酢酸エチル(30ml、5容量)に懸濁させた。ベージュ色懸濁液を75℃(目標70~75℃)に加熱したところ、約68℃での加熱中に完全溶解して濃褐色溶液が得られた。熱混合物を加熱大型ナイロンシリンジフィルター(0.44μm)を通じて清澄化して、85℃(目標内温=70~75℃)に予め加熱された200RPMのオーバーヘッドU字形撹拌機を備えたMya4 100mlプロセス槽に入れた。濃褐色溶液を65.2℃に15分かけて冷却し(目標62.5~67.5℃)、化合物[1]の結晶(形態A)(約6mg、0.1重量%)をシード添加した。冷却を59.8℃(目標57.5~62.5℃)まで続け、シード添加を繰り返したところ、同温で約20分後も溶解状態で維持されることが観察された。T=0溶解度測定値(184.35mg/ml)を取得した後、次に混合物を5℃/時の速度で0℃に冷却した(12時間、720分)。著しい量のオフホワイト色析出物が約52~53℃で観察された。冷却後、混合物を0℃で約5時間保持した後、溶解度を測定したところ、発生率90.06%(18.84mg/ml)が示された。固体を濾過により単離した。槽及び濾過ケークを単離濾液で洗浄し、12分間空気乾燥した後、オフホワイト色固体及び濃褐色液体を収集した。固体を収集し、45℃で約4時間真空中で乾燥させて表題化合物を得た。結晶性化合物[1]4.59gを収率76.4%で首尾よく単離した。単離前に0℃で測定された溶解度に基づく理論的最大回収率は90.6%であった。
[実施例F.5]
酢酸n-ブチル、5容量、85℃、6g規模
還流冷却器及び420RPMのビーズ撹拌機を取り付けたN下の適切なガラス槽中で粗化合物[1](5.96g)を酢酸n-ブチル(30ml、5容量)に懸濁させた。ベージュ色懸濁液を85℃(目標80~85℃)に加熱したところ、約82℃での加熱中に完全溶解して濃褐色溶液が得られた。熱混合物を加熱大型ナイロンシリンジフィルター(0.44μm)を通じて清澄化して、95℃(目標内温=80~85℃)に予め加熱された200RPMのオーバーヘッドU字形撹拌機を備えたMya4 100mlプロセス槽に入れた。濃褐色溶液を74.6℃に15分かけて冷却し(目標72.5~77.5℃)、化合物[1]の結晶(形態A)(約6mg、0.1重量%)をシード添加した。冷却を69.5℃(目標67.5~72.5℃)まで続け、シード添加を繰り返したところ、同温で45分後も溶解状態で維持されることが観察された。T=0溶解度測定値(175.84mg/ml)を取得した後、次に混合物を5℃/時の速度で0℃に冷却した(14時間、840分)。少量の大きな微粒子の発生が約60~62℃で観察された。冷却後、混合物を0℃で約3時間保持した後、溶解度を測定したところ、発生率91.7%(16.61mg/ml)が示された。固体を濾過により単離した。槽及び濾過ケークを単離濾液で洗浄し、10分間空気乾燥した後、灰色固体及び濃褐色液体を収集した。固体を収集し、45℃で約4時間真空中で乾燥させて表題化合物を得た。結晶性化合物[1]4.64gを収率77.9%で首尾よく単離した。単離前に0℃で測定された溶解度に基づく理論的最大回収率は91.7%であった。
[実施例F.6]
ヘプタン貧溶媒の添加を使用する酢酸n-ブチル(5容量、85℃)中での粗化合物[1]の結晶化
以下の修正を加えた上で、実施例F.5で概説した結晶化手順に従った。
・5℃/時での制御冷却後に、ヘプタン(2.5容量)貧溶媒の添加を25℃にて1容量/時の速度で行い;
・1容量/時の速度でシード添加した後、ヘプタン(2.5容量)貧溶媒の添加を70℃で行い、続いて5℃/時で25℃に制御冷却した。
結晶化の最終組成物が混合溶媒系を含有していることから、酢酸n-ブチル/ヘプタン[2:1]の最終溶媒組成物を使用して標準2×2容量槽及び濾過ケークをすすいだことの影響を評価した。
5℃/時での制御冷却後に、ヘプタン(2.5容量)貧溶媒の添加による酢酸n-ブチル、5容量、85℃、6g規模の結晶化を25℃にて1容量/時の速度で行った
結晶性化合物[1]4.73gを収率78.5%で首尾よく単離した。単離前に25℃で測定された溶解度に基づく理論的最大回収率は92.4%であった。
ヘプタン(2.5容量)貧溶媒の添加による酢酸n-ブチル、5容量、85℃、6g規模の結晶化を70℃にて1容量/時の速度で行い、続いて5℃/時で25℃に制御冷却した
結晶性化合物[1]4.73gを収率76.0%で首尾よく単離した。単離前に25℃で測定された溶解度に基づく理論的最大回収率は92.4%であった。
[実施例G]
化合物[1]-L-酒石酸塩の合成
Figure 2023513418000033
結晶性化合物[1]の遊離塩基(29.9g、75.22mmol)をエタノール(420mL)に溶解させ、得られた溶液を還流状態で加熱した。L-酒石酸(11.29g、75.22mmol)の水(12mL)/エタノール(30mL)中溶液を滴下添加し、バッチ温度を75~78℃に維持した。溶液をポリッシュ濾過した(濾過中、57℃に冷却したところ、結晶化の証拠はなかった)。濾過溶液を60~65℃に加温し、国際公開第2011/089401号パンフレットの実施例5(以下で再現;Cyclacel Limited社)に従って調製した化合物[1]-L-酒石酸塩の形態II(形態E)(0.003g)をシード添加した。混合物を60~65℃で1時間撹拌し、その間に結晶化が開始した。次に懸濁液を10℃/時で15~20℃に冷却した。15~20℃で1時間撹拌した後、固体を濾過し、エタノール(3×60mL)で洗浄し、吸引乾燥させた。真空オーブン中でさらに乾燥させて[1]-L-酒石酸塩を白色固体(36.0g、遊離塩基から87%)として得た。H NMRは生成物の同一性を確認し、HPLC(方法B)は純度98.80%を示した。また、生成物をキラルHPLCにより分析した。DSC分析(ピーク182.73℃、開始179.61℃)及びXRPDは、国際公開第2011/089401号パンフレットによる形態Eを確認した。化合物[1]のL-酒石酸塩(形態E)のXRPDピークを表2に示す。
国際公開第2011/089401号パンフレットの実施例4及び5による化合物[1]のL-酒石酸塩(形態E)の種結晶の調製
[実施例4]
化合物[1]のL-酒石酸塩(形態D)の調製
フラスコに化合物[1](500mg、1.26mmol、1当量)、L-酒石酸(193mg、1.28mmol、1.02当量)、及び酢酸エチル(5ml、10当量)を加え、周囲条件下で2時間撹拌したところ、析出が1時間以内に生じた。白色析出物を真空濾過により単離し、EtOAc(3×0.5ml、2×1ml)で洗浄し、真空オーブン中、40℃で16時間乾燥させてL-酒石酸塩を白色固体(565mg、収率82%;形態D)として得た。
[実施例5.1]
上記の国際公開第2011/089401号パンフレットの実施例4において調製された化合物[1]の形態DのL-酒石酸塩(1.0g)のエタノール(12ml)中懸濁液を還流状態で加熱した。アセトニトリル(3ml)を30分かけて少量ずつ添加した。この添加後に溶液は得られなかった。溶液が得られるまで、さらなるエタノール(4.5ml)及びアセトニトリル(1ml)を加えた。溶液をポリッシュ濾過(熱)した後、室温に10℃/時の速度で冷却した(結晶化が約65℃で開始)。室温で終夜撹拌した後、得られた固体を濾過し、冷エタノール(5ml)で洗浄し、吸引乾燥させた。真空オーブン中、50℃でさらに乾燥させて所望の生成物を白色結晶性固体(0.725g、73%)として得た。H NMR分析は1:1塩を確認し、XRPDは形態Eを確認した。
[実施例5.2]
上記の国際公開第2011/089401号パンフレットの実施例4において調製された化合物[1]の形態DのL-酒石酸塩(10.2g)のエタノール(120ml)中懸濁液を65℃に加熱した。アセトニトリル(20ml)を添加し、懸濁液を還流状態で10分間加熱した後、溶液を得た。溶液を室温に2~3時間かけて冷却し、結晶化が約50℃で開始した。得られた懸濁液を室温で終夜撹拌した。得られた固体を濾過し、エタノール(10ml)で洗浄し、吸引乾燥させた。真空オーブン中、50℃でさらに乾燥させて所望の生成物を白色結晶性固体(8.76g、88%)として得た。H NMR分析は1:1塩を確認し、XRPDは形態Eを確認した。
[実施例5.3]
スラリー変換
また、化合物[1]のL-酒石酸塩の形態Eを4種の異なる溶媒(酢酸エチル、IPA、IMS、又はアセトニトリル)からのスラリー変換により調製した。L-酒石酸塩の形態D:形態Eの重量比1:1の混合物(合計200mg)を溶媒2ml中、45℃で48時間かけて加熱した後、濾過し、分析した。形態Eが各スラリー中で生成された(純度98%以上)。
[実施例5.4]
シード添加
上記の国際公開第2011/089401号パンフレットの実施例4において調製された化合物[1]の形態DのL-酒石酸塩(10.2g)のエタノール(120ml)中懸濁液を65℃に加熱した。アセトニトリル(20ml)を添加し、懸濁液を還流状態で10分間加熱した。混合物をHPLCフィルターフリットを通じてポリッシュ濾過した。析出はプロセス中に観察されなかった。次に材料を還流状態から冷却し、形態EのL-酒石酸塩(上記で調製)を70℃でシード添加し、1.5時間毎に10℃の速度で冷却した。第1のシードは完全に溶解し、シード添加を60℃で繰り返した。シードは残留し、溶液は変化して非常にかすかな不透明色の相を示した。結晶化が約50℃で開始した。単離収率80%が得られた。
[実施例5.5]
化合物[1]の遊離塩基からの形成
化合物[1]の遊離塩基の形態A(0.2g)をエタノール(9容量、1.8mL)に溶解させ、還流状態で加熱した。酒石酸(1当量、0.076g)の水(1.7容量、0.34mL)/エタノール(1容量、0.2mL)中溶液を滴下添加し、温度を還流状態に維持した。次に、得られた溶液をポリッシュ濾過した後、70℃に冷却した。形態Eのシードを添加したところ、混濁溶液が得られた。バッチを70℃で1時間撹拌した後、室温に冷却した。室温で2時間撹拌した後、固体を濾過し、エタノール(2×0.5mL)で洗浄し、吸引乾燥させた。真空オーブン中、50℃でさらに乾燥させて化合物[1]-L-酒石酸塩の形態Eを白色固体(0.2g、72%)として得た。H NMRは1:1塩を確認し、HPLCは純度97.97%を示した。XRPD及びDSCは形態Eを確認した。
[実施例H]
L-酒石酸塩としての直接単離による化合物[1]の調製
Figure 2023513418000034
槽に化合物[2](25g、0.0768mol)及び化合物[3](39.6g、0.384mol、5モル当量)を加え、窒素下で170℃(加熱ブロック温度)に48時間加熱した。反応を化合物[2]の消失についてHPLC(方法B)によりモニタリングした。
反応混合物を60℃に冷却した。残留化合物[3]含有量をH NMRにより決定し、残留化合物[3]の量に対して1モル当量のHCl(4M HClとしての)を加えた。酢酸エチル(10容量)を加え、撹拌して化合物[1]を有機相に抽出した。水相を分離し、さらなる10容量の酢酸エチルで再抽出した。有機相を合わせて水(10容量)で洗浄した。
有機相を蒸留によって約5容量に濃縮した。エタノール(10容量)を加え、酢酸エチルが除去されるまで蒸留を続けた。さらなるエタノールを加え、蒸留を続けて酢酸エチルを除去した。
化合物[1]の濃度を14容量とするために十分なエタノールを投入した。混合物を75~78℃に加熱した。化合物[1]に対してL-酒石酸(1モル当量)を精製水:エタノール(1:2.5比、1.4容量)に溶解させた。化合物[1]のエタノール溶液にL-酒石酸溶液を75~78℃で滴下添加した。混合物を60~65℃に冷却し、化合物[1]の酒石酸塩(形態E)をシード添加した。結晶化が開始するまで混合物を60~65℃で1時間撹拌した。懸濁液を10℃/時で15~25℃に冷却した。懸濁液を15~25℃で1時間撹拌した後、真空中で濾過し、エタノール(3×2容量)で洗浄し、50℃で真空中で乾燥させた。予想収率は65~70%である(収率70%で29.4g)。
本発明の上記態様の様々な修正形態及び変形形態は、本発明の範囲及び精神を逸脱することなく、当業者に明らかになろう。本発明を特定の好ましい実施形態に関して説明してきたが、特許請求される本発明がこのような特定の実施形態に不当に限定されるべきではないことを理解すべきである。実際、関連する分野の当業者に自明である、本発明を実施する上記様式の様々な修正形態は、以下の特許請求の範囲内にあるように意図されている。
Figure 2023513418000035
Figure 2023513418000036

Claims (35)

  1. 式[I]の化合物:
    Figure 2023513418000037


    [式中、
    R1及びR2はそれぞれ独立してH、アルキル、又はハロアルキルであり;
    R3及びR4はそれぞれ独立してH、アルキル、ハロアルキル、又はアリールであり;
    R5はアルキル、アルケニル、シクロアルキル、又はシクロアルキル-アルキルであり、それぞれ1個又は2個以上のOH基で任意に置換されていてもよく;
    R6はシクロプロピルアミノ、シクロプロピルメチルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロブチルメチルアミノ、及び
    Figure 2023513418000038


    (式中、X、Y、及びZのうち1つはNであり、残りはCR9であり;
    R7、R8、及び各R9は独立してH、アルキル、又はハロアルキルであり、R7、R8、及びR9のうち少なくとも1つはH以外である)から選択される]
    又はその薬学的に許容される塩を調製するための方法であって、
    以下のステップを含む、前記方法:
    Figure 2023513418000039


    (i)式[II]の化合物及び式[III]の化合物を含む反応混合物を形成するステップ;
    (ii)前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[I]の化合物を形成するステップ;
    (iii)前記混合物から前記式[I]の化合物を単離し、任意に式[III]の未反応化合物を回収するステップ;並びに
    (iv)任意に前記式[I]の化合物を塩形態に変換するステップ。
  2. 反応を溶媒の非存在下で行う、請求項1に記載の方法。
  3. ステップ(i)における反応混合物を約135℃~約175℃、より好ましくは約150℃~約175℃の温度に加熱する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ステップ(i)における反応混合物を少なくとも24時間の間加熱する、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. ステップ(ii)における反応混合物が化合物[II]に対して約4~約7モル当量の化合物[III]、より好ましくは化合物[II]に対して約5モル当量の化合物[III]を含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  6. ステップ(iii)が、ステップ(ii)からの反応混合物を水性HCl及び有機溶媒に抽出し、有機相を分離し、濾液を濃縮するステップを含む、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
  7. 以下のステップ:
    Figure 2023513418000040


    (i)式[VI]の化合物をR6-NH2又はその塩で処理して、式[VII]の化合物を形成するステップ;及び
    (ii)前記式[VII]の化合物をR5Brで処理して、式[II]の化合物を形成するステップ
    (式中、R5及びR6は請求項1に定義された通りである)
    により式[II]の化合物を調製するステップを含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
  8. 以下のステップ:
    Figure 2023513418000041


    (i)式[VI]の化合物をR5Brで処理して、式[VIII]の化合物を形成するステップ;及び
    (ii)前記式[VIII]の化合物をR6-NH2又はその塩で処理して、式[II]の化合物を形成するステップ
    (式中、R5及びR6は請求項1に定義された通りである)
    により式[II]の化合物を調製するステップを含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
  9. 請求項7のステップ(ii)又は請求項8のステップ(i)をDMSO及びK2CO3の存在下で行う、請求項7又は8に記載の方法。
  10. 請求項7のステップ(i)又は請求項8のステップ(ii)をnBuOH及び塩基、好ましくはDIPEAの存在下で行う、請求項7又は8に記載の方法。
  11. 請求項1のステップ(iii)が、化合物[I]を好ましくは酢酸n-ブチルとヘプタンとの混合物から結晶化するステップをさらに含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
  12. 式[I]の化合物を塩形態に変換するステップを含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
  13. 式[I]の化合物をL-酒石酸塩に変換するステップを含む、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
  14. L-酒石酸塩が結晶形、好ましくは形態Eである、請求項13に記載の方法。
  15. 式[I]の化合物をエタノール溶液中で還流させ、そこに水とエタノールとの混合物中のL-酒石酸の溶液を滴下添加するステップを含む、請求項14に記載の方法。
  16. L-酒石酸溶液の添加後の最終混合物中のエタノール:水の比が少なくとも約15:1、より好ましくは約37.5:1である、請求項15に記載の方法。
  17. L-酒石酸の溶液の添加中に温度を75~78℃に維持するステップを含む、請求項15又は16に記載の方法。
  18. 以下のステップ:
    Figure 2023513418000042


    (a)THFを含む溶媒中で化合物[V]を(S)-2-Me-CBS-オキサゾボロリジンとボラン-N,N-ジエチルアニリンとの錯体で処理して、化合物[IV]を形成するステップ;及び
    (b)前記化合物[IV]から保護基PGを除去して、化合物[III]を得るステップ
    (式中、PGは保護基、好ましくはBocであり、R1はアルキル又はハロアルキルであり、R3はアルキル、ハロアルキル、又はアリールである)
    により化合物[III](式中、R2はHである)を調製するステップをさらに含む、請求項1~17のいずれかに記載の方法。
  19. ステップ(b)が、メタノール中で化合物[IV]を気体HClによって処理し、真空中で濃縮し、酢酸エチルに溶解させた後、NH3でスパージするステップを含む、請求項18に記載の方法。
  20. 式[1]の化合物:
    Figure 2023513418000043


    又はその薬学的に許容される塩を調製するための、請求項1~19のいずれかに記載の方法であって、
    以下のステップを含む方法:
    Figure 2023513418000044


    (i)式[2]の化合物及び式[3]の化合物を含む反応混合物を形成するステップ;
    (ii)前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[1]の化合物を形成するステップ;
    (iii)前記混合物から前記式[1]の化合物を単離し、任意に式[3]の未反応化合物を回収するステップ;並びに
    (iv)任意に前記式[1]の化合物を塩形態に変換するステップ。
  21. 以下のステップ:
    Figure 2023513418000045

    (i)式[6]の化合物を式[9]の化合物又はその塩で処理して、式[7]の化合物を形成するステップ;及び
    (ii)前記式[7]の化合物を臭化イソプロピルで処理して、式[2]の化合物を形成するステップ
    により式[2]の化合物を調製するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
  22. 以下のステップ:
    Figure 2023513418000046

    (i)式[6]の化合物を臭化イソプロピルで処理して、式[8]の化合物を形成するステップ;及び
    (ii)前記式[8]の化合物を式[9]の化合物又はその塩で処理して、式[2]の化合物を形成するステップ
    により式[2]の化合物を調製するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
  23. 請求項21のステップ(ii)又は請求項22のステップ(i)をDMSO中、K2CO3の存在下で行う、請求項21又は22に記載の方法。
  24. 請求項21のステップ(i)又は請求項22のステップ(ii)をnBuOH中、塩基、好ましくはDIPEAの存在下で行う、請求項21又は22に記載の方法。
  25. 化合物[3]が少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%のジアステレオマー過剰率を有する、請求項20~22のいずれかに記載の方法。
  26. 以下のステップ:
    Figure 2023513418000047

    (a)THFを含む溶媒中で式[5]の化合物を(S)-2-Me-CBS-オキサゾボロリジンとボラン-N,N-ジエチルアニリンとの錯体で処理して、式[4]の化合物を形成するステップ;及び
    (b)前記式[4]の化合物から保護基PGを除去して、式[3]の化合物を得るステップ
    (式中、PGは保護基、好ましくはBocである)
    により式[3]の化合物を調製するステップをさらに含む、請求項20~25のいずれかに記載の方法。
  27. 請求項20のステップ(iii)において単離された生成物をエタノール溶液中で還流させ、そこに水とエタノールとの混合物中のL-酒石酸の溶液を滴下添加するステップを含む、請求項20~26のいずれかに記載の方法。
  28. 混合物をポリッシュ濾過し、濾液を約60~約65℃の温度に加温し、[1]-L-酒石酸塩の結晶形Eをシード添加するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
  29. シード添加濾液を約60~約65℃の温度で少なくとも1時間撹拌するステップを含む、請求項28に記載の方法。
  30. 混合物を約15~約20℃の温度に冷却し、その温度で少なくとも1時間撹拌して、化合物[1]-L-酒石酸塩の結晶化を誘導するステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。
  31. 冷却速度が約5~約10℃/時である、請求項30に記載の方法。
  32. 化合物[1]-L-酒石酸塩を濾過し、エタノールで洗浄し、真空中で乾燥させる、請求項30又は31に記載の方法。
  33. 式[I]の化合物:
    Figure 2023513418000048

    [式中、R1及びR2はそれぞれ独立してH、アルキル、又はハロアルキルであり;
    R3及びR4はそれぞれ独立してH、アルキル、ハロアルキル、又はアリールであり;
    R5はアルキル、アルケニル、シクロアルキル、又はシクロアルキル-アルキルであり、それぞれ1個又は2個以上のOH基で任意に置換されていてもよく;
    R6はシクロプロピルアミノ、シクロプロピルメチルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロブチルメチルアミノ、及び
    Figure 2023513418000049

    (式中、X、Y、及びZのうち1つはNであり、残りはCR9であり;
    R7、R8、及び各R9は独立してH、アルキル、又はハロアルキルであり、R7、R8、及びR9のうち少なくとも1つはH以外である)から選択される]
    又はその薬学的に許容される塩を調製するための方法であって、
    以下のステップを含む方法:
    Figure 2023513418000050

    (a)式[VI]の化合物をR6-NH2又はその塩で処理して、式[VII]の化合物を形成するステップ;
    (b)前記式[VII]の化合物をR5Brで処理して、式[II]の化合物を形成するステップ;
    (c)式[II]の化合物及び式[III]の化合物を含む反応混合物を形成し、前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[I]の化合物を形成するステップ;
    (d)前記混合物から前記式[I]の化合物を単離し、任意に式[III]の未反応化合物を回収するステップ;並びに
    (e)任意に前記式[I]の化合物を塩形態に変換するステップ。
  34. 式[1]の化合物
    又はその薬学的に許容される塩を調製する方法であって、以下のステップを含む前記方法:

    Figure 2023513418000051

    (a)式[6]の化合物を式[9]の化合物又はその塩で処理して、式[7]の化合物を形成するステップ;
    (b)前記式[7]の化合物を臭化イソプロピルで処理して、式[2]の化合物を形成するステップ;
    (c)式[2]の化合物及び式[3]の化合物を含む反応混合物を形成し、前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[1]の化合物を形成するステップ;
    (d)前記混合物から前記式[1]の化合物を単離し、任意に式[3]の未反応化合物を回収するステップ;並びに
    (e)任意に前記式[1]の化合物を塩形態に変換するステップ。
  35. 式[I]の化合物:
    Figure 2023513418000052

    [式中、
    R1及びR2はそれぞれ独立してH、アルキル、又はハロアルキルであり;
    R3及びR4はそれぞれ独立してH、アルキル、ハロアルキル、又はアリールであり;
    R5はアルキル、アルケニル、シクロアルキル、又はシクロアルキル-アルキルであり、それぞれ1個又は2個以上のOH基で置換されていてもよく;
    R6はシクロプロピルアミノ、シクロプロピルメチルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロブチルメチルアミノ、及び
    Figure 2023513418000053

    (式中、X、Y、及びZのうち1つはNであり、残りはCR9であり;
    R7、R8、及び各R9は独立してH、アルキル、又はハロアルキルであり、R7、R8、及びR9のうち少なくとも1つはH以外である)から選択される]
    又はその薬学的に許容される塩を調製するための方法であって、
    以下のステップを含む方法:
    Figure 2023513418000054

    (i)式[II]の化合物及び式[III]の化合物を含む反応混合物を形成するステップ;
    (ii)前記反応混合物を少なくとも約130℃の温度に加熱して、式[I]の化合物を形成するステップ;
    (iii)任意に前記混合物から前記式[I]の化合物を単離し、任意に式[III]の未反応化合物を回収するステップ;並びに
    (iv)任意に前記式[I]の化合物を塩形態に変換するステップ。

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