JP2023512062A - 関節の炎症を治療するためにモメロチニブを使用する方法 - Google Patents
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Abstract
本開示は、モメロチニブ(MMB)を使用して、対象において関節の炎症、例えば、関節リウマチを治療する方法を提供する。
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2020年1月29日に出願された米国仮出願第62/967,376号及び2020年6月1日に出願された米国仮出願第63/033,082号の優先権を主張し、これらの両方が、参照によりその全体が本出願に組み込まれる。
本出願は、2020年1月29日に出願された米国仮出願第62/967,376号及び2020年6月1日に出願された米国仮出願第63/033,082号の優先権を主張し、これらの両方が、参照によりその全体が本出願に組み込まれる。
ヤヌスキナーゼ(JAK)は、炎症、自然免疫、獲得免疫及び赤血球生成を統合する(orchestrate)シグナル伝達ハブとして機能する。そのため、JAK阻害剤(JAKi)は、後期段階の臨床開発にあるその他の疾患とともに、いくつかの適応症(例えば、関節の炎症(joint inflammation))にわたって承認されている。残念ながら、これらの薬剤のいくつかは、JAK依存性赤血球生成の抑制を引き起こし、それによって炎症に関連した貧血を悪化させ、投与量の不足及び治療利益の低下をもたらし得る。
例えば、関節リウマチに対して承認された経口療法、例えば、JAK阻害剤クラスは、様々な副作用、例えば、骨髄抑制及び貧血を伴い、慢性疾患の貧血(ACD:anemia of chronic disease)の状態下で悪化し得る。ACDは、炎症性貧血(anemia of inflammation)と呼ばれることもあり、循環する鉄が減少し、鉄の制限による赤血球生成の阻害(iron-restricted inhibition of erythropoiesis)を引き起こす。関節リウマチ患者の最大65%はまた、ACDを経験し得る。現在、これらの副作用は、ラベルによる投与量の変更によって管理されているが、これは、最適でない曝露及び潜在的な臨床利益の減少につながる可能性がある。
臨床的には、ACDは、その他の形態の貧血と区別され得る(Madu, Med Princ Pract. 2017;26(1):1-9.)。ACD及び鉄欠乏性貧血(IDA:iron-deficiency anemia)の主要な違いは、IDAには、鉄の絶対的な不足(血清フェリチン30ng/mL未満)が存在するが(Poggiali, Eur J Intern Med. 2014;25:12-17.)、一方で、ACDの病因は、鉄が隔離された多因子性であり、赤血球生成において鉄を利用することができない点である。ACDにおいて、トランスフェリンは増加し、血清鉄及びトランスフェリン飽和度は低下し、赤血球遊離プロトポルフィリン、血清フェリチン、骨髄貯蔵鉄は増加する(Spivak, Oncology 2002;16:25-33.)。ヘプシジンもまた増加する(Ganz, N Engl J Med. 2019;381:1148-1157.)。これらのバイオマーカーは、現在承認されているJAK阻害剤から限られた臨床利益を受け得る慢性疾患の鉄制限性貧血(iron-restricted anemia)も有する関節リウマチ患者を特定するのに役立ち得る。
スティル病(SD)は、スパイク熱、発疹、多関節痛、咽頭痛、さらには生命を脅かす合併症、例えば、マクロファージ活性化症候群及び劇症肝炎を特徴とする自己炎症性疾患である。サイトカインの過剰且つ不適切な産生は、SD発症の礎である。血清フェリチンはスティル病の診断及び疾患活動性マーカーとして有用であると考えられている(Hu, Annals of the Rheumatic Diseases 2020;79:842-844.)。血清フェリチンレベルは通常、その他の自己免疫疾患又は炎症性疾患よりも高く、3,000~30,000μg/Lの非常に高いレベルも珍しくない(Bagnari, Rheumatol Int. 2010;30(7):855-62.)。フェリチンレベルのカットオフ値1,000μg/Lは、多くの研究でスティル病を示すものとして使用されている(Fautrel, Joint Bone Spine 2002;69(4):355-7.)。ヘプシジンもまたこの疾患において増加し得る(Lopez-Aparicio, EJCRIM 2015;2(6).)。幅広いサイトカインの炎症促進作用を遮断するJAK阻害剤は、SD患者において有益であり得る。幅広いサイトカインの炎症促進作用をブロックし、さらにACVR1阻害を介してヘプシジンを減少させることができるJAK阻害剤は、この疾患においてより有益であり得る。
JAKiであるモメロチニブ(MMB)は、ラットモデルにおいて貧血を改善することが示されており、その効果はMMBで治療した骨髄線維症患者において臨床的に再現された。次いで、MMBの貧血改善効果の分子基盤は、アクチビン受容体1型(ACVR1)の強力な阻害の結果、ヘプシジンが減少し、その結果、全身の鉄利用率が増加し、赤血球生成が改善されることにあると判断された。
炎症に関連した貧血を治療及び予防するとともに、関節の炎症、例えば、関節リウマチを治療及び予防するための方法が目的である。
炎症に関連した貧血を治療及び予防するとともに、関節リウマチを治療及び予防する方法が目的である。
炎症に関連した貧血を治療及び予防するとともに、スティル病を治療及び予防するための方法が目的である。
本明細書に開示されるのは、関節の炎症を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量のモメロチニブ(MMB)又はその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、前記方法である。いくつかの実施形態において、対象は関節炎を有する。いくつかの実施形態において、対象は、関節リウマチを有する。
いくつかの実施形態において、関節炎の1又は2以上の症状を改善することは、関節体積の減少を含む。いくつかの実施形態において、関節体積の減少は、治療有効量のMMBを投与する前の関節体積と比較して、少なくとも2%である。いくつかの実施形態において、関節体積の減少は、治療有効量のMMBを投与する前の関節体積と比較して、少なくとも5%である。
いくつかの実施形態において、関節の炎症を治療することは、炎症している関節の径の減少によって評価される、患部組織の腫脹を改善することを含む。いくつかの実施形態において、炎症している関節の径の減少は、治療有効量のMMBを投与する前の炎症している関節の径と比較して、少なくとも2%である。
いくつかの実施形態において、関節の炎症を治療することは、治療有効量のMMBを投与した後に対象における血中好中球数を減少させることを含む。いくつかの実施形態において、関節の炎症を治療することは、脾臓及び/又は滑膜組織における骨髄系細胞の浸潤を減少させることを含む。いくつかの実施形態において、関節の炎症を治療することは、滑滑膜組織における顆粒球、マクロファージ、単球及び好中球のうちの少なくとも1種を減少させることを含む。いくつかの実施形態において、炎症性マクロファージは、CD1lb+である。
いくつかの実施形態において、滑膜組織における顆粒球又はマクロファージのうちの少なくとも一方の量の減少は、MMBを投与する前の対象の滑膜組織における顆粒球又はマクロファージのうちの少なくとも一方の量と比較される。いくつかの実施形態において、顆粒球又はマクロファージのうちの少なくとも一方の量は、少なくとも10%減少する。いくつかの実施形態において、顆粒球又はマクロファージのうちの少なくとも一方の量は、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%又は少なくとも60%減少する。
いくつかの実施形態において、治療有効量のMMB又はその薬学的に許容可能な塩を投与することにより、MMB又はその薬学的に許容可能な塩を投与する前の対象の脾臓におけるIL-17A産生ヘルパーTリンパ球(Th17細胞)の数と比較して、対象の脾臓におけるIL-17A産生ヘルパーTリンパ球(Th17細胞)の数が減少する。
いくつかの実施形態において、治療有効量のMMB又はその薬学的に許容可能な塩を投与することにより、MMB又はその薬学的に許容可能な塩を投与する前の対象の炎症している関節の滑膜組織におけるCD4+T細胞及び/又はCD8+T細胞の数と比較して、対象の炎症している関節の滑膜組織におけるCD4+T細胞及び/又はCD8+T細胞の数が減少する。
いくつかの実施形態において、MMB又はその薬学的に許容可能な塩は、経口投与される。いくつかの実施形態において、MMB又はその薬学的に許容可能な塩は、毎日又は毎週投与される。いくつかの実施形態において、MMB又はその薬学的に許容可能な塩は、断続的に投与される。
いくつかの実施形態において、MMB又はその薬学的に許容可能な塩の治療有効量は、25~500mg/日である。いくつかの実施形態において、治療有効量は、25mg/日、50mg/日、100mg/日、200mg/日、300mg/日、400mg/日及び500mg/日から選択される。いくつかの実施形態において、治療有効量は、200mg/日である。
いくつかの実施形態において、治療有効量のMMB又はその薬学的に許容可能な塩は、1週間又はそれ以上の期間投与される。いくつかの実施形態において、治療有効量は、1週間若しくはそれ以上の期間又は3週間又はそれ以上の期間投与される。いくつかの実施形態において、治療有効量は、3週間又はそれ以上の期間投与される。
本開示のいくつかの実施形態において、対象は哺乳動物である。いくつかの実施形態において、対象はヒトである。
本明細書ではまた、対象における関節の炎症を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量のモメロチニブ(MMB)又はその薬学的に許容可能な塩を投与することと、前記対象に1種又は2種以上の追加の抗炎症剤を投与することとを含む、前記方法が開示される。いくつかの実施形態において、1種又は2種以上の追加の抗炎症剤は、抗関節炎剤である。
本発明のこれら及びその他の特徴、態様及び利点は、以下の説明及び添付の図面に関してよりよく理解されるであろう。
定義
特許請求の範囲及び明細書で使用する用語は、別段の規定がない限り、以下に示すように定義される。
特許請求の範囲及び明細書で使用する用語は、別段の規定がない限り、以下に示すように定義される。
用語「改善」は、疾患状態、例えば、関節炎疾患状態の治療における任意の治療的に有益な転帰を指し、その予防、重症度又は進行の軽減、寛解又は治癒が含まれる。
本明細書で使用する用語「哺乳動物」は、ヒト及び非ヒトの両方を含み、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、マウス、ウシ、ウマ及びブタを含むが、これらに限定されない。
2又は3以上の核酸配列又はポリペプチド配列の文脈におけるパーセント「同一性」という用語は、最大一致について比較及びアラインメントした場合に、以下に記載する配列比較アルゴリズム(例えば、BLASTP及びBLASTN又は当業者が利用可能なその他のアルゴリズム)の1種を使用して測定した際、又は目視検査によって測定した際に、同一であるヌクレオチド又はアミノ酸残基の特定のパーセントを有する2又は3以上の配列又は部分配列を指す。適用に応じて、パーセント「同一性」は、比較される配列の領域にわたって、例えば、機能ドメインにわたって存在し得、或いは、比較される2の配列の全長にわたって存在し得る。
配列比較に関して、通常、1の配列が基準配列として機能し、それに対して試験配列を比較する。配列比較アルゴリズムを使用する場合には、試験配列及び参照配列をコンピュータに入力し、必要に応じて部分配列の座標を指定し、配列アルゴリズムプログラムのパラメータを指定する。次いで、配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムのパラメータに基づいて、参照配列に対する試験配列のパーセント配列同一性を算出する。
本明細書において、パーセント同一性及び配列類似性は、BLASTアルゴリズムを使用して実施され、これは、Altschul et al., J. Mol. Biol. 215:403-410 (1990)に記載されている。BLAST分析を実施するためのソフトウェアは、アメリカ国立生物工学情報センター(www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通じて公的に入手可能である。
本明細書で使用する場合、用語「対象」は、任意の動物、例えば、以下に限定されないが、ヒト及び非ヒト動物(例えば、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、家禽、魚、甲殻類動物等)を広範に意味する。
本明細書で使用する場合、用語「有効量」は、有益な又は所望の結果をもたらすのに十分な合成物(例えば、合成ペプチド)の量を指す。有効量は、1回又は2回以上の投与、適用又は用量で投与され得、特定の製剤又は投与経路に限定されることは意図され得れていない。
用語「治療有効量」は、疾患の症状を改善するのに有効な量である。治療有効量は、予防を治療とみなすことができるため、「予防有効量」であり得る。
本明細書で使用する場合、用語「投与」及び「投与すること」は、薬物、プロドラッグ若しくはその他の薬剤又は治療処置(例えば、ペプチド)を、対象又はin vivo、in vitro又はex vivoで細胞、組織及び器官に与える行為を意味する。人体への例示的な投与経路は、脳又は脊髄のくも膜下の空間(髄腔内)、目(眼科的)、口(経口)、皮膚(局所又は経皮)、鼻腔(経鼻)、肺(吸入)、口腔粘膜(頬又は舌)、耳、直腸、膣、注射による(例えば、静脈内、皮下、腫瘍内、腹腔内等)等である。
本明細書で使用する場合、用語「治療」は、有益な又は意図された臨床転帰を得るためのアプローチを意味する。有益な又は意図された臨床転帰は、症状の緩和、疾患の重症度の低下、疾患又は状態の根本原因の抑制、非進行状態での疾患の安定化、疾患の進行の遅延及び/又は疾患状態の改善若しくは緩和を含み得る。
本明細書で使用する場合、用語「医薬組成物」は、有効成分と、組成物をin vitro、in vivo又はex vivoでの治療用途又は診断用途に特に適したものにする不活性又は活性な担体との組合せを指す。
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容可能な」又は「薬理学的に許容可能な」は、対象に投与したときに有害反応、例えば、毒性反応、アレルギー反応又は免疫学的反応を実質的に生じない組成物を意味する。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の参照語を含むことに留意が必要である。
モメロチニブ(MMB)
一態様において、本開示は、化合物モメロチニブ(MMB)の使用方法を提供する。MMBは、CYT387と呼ばれることもある。化合物MMBはまた、化学名:N-(シアノメチル)-4-(2-(4-モルホリノフェニルアミノ)ピリミジン-4-イル)ベンズアミドによっても特定される。塩、例えば、MMBの薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物及び/又は多形形態は、本明細書に開示される主題の方法における使用を見出すことができる。
一態様において、本開示は、化合物モメロチニブ(MMB)の使用方法を提供する。MMBは、CYT387と呼ばれることもある。化合物MMBはまた、化学名:N-(シアノメチル)-4-(2-(4-モルホリノフェニルアミノ)ピリミジン-4-イル)ベンズアミドによっても特定される。塩、例えば、MMBの薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物及び/又は多形形態は、本明細書に開示される主題の方法における使用を見出すことができる。
MMBは、国際特許出願番号PCT/US2015/035316及び国際特許公開番号WO2008/109943に開示されており、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。当業者は、MMBを合成するために使用することができる方法を、国際特許公開番号WO2008/109943において見出す。
表1は、MMB化合物の構造を示す。
いくつかの場合において、MMBの薬学的に許容可能な塩が利用される。いくつかの場合において、主題の方法における使用を見出すMMB塩は、塩酸塩である。特定の場合において、MMB塩は二塩酸塩である。いくつかの場合において、MMB塩は、一塩酸塩である。いくつかの場合において、MMB塩は、水和物、例えば、一水和物である。
「溶媒和物」は、溶媒及び化合物の相互作用により形成される。本明細書に記載される化合物の塩の溶媒和物もまた提供される。溶媒が水である場合、溶媒和物は水和物と呼ばれることがある。MMB又はMMB塩の水和物もまた、主題の方法における使用を見出すことができる。
いくつかの実施形態において、MMB塩は、MMB二塩酸塩一水和物である。
いくつかの実施形態において、MMB塩は、MMB二塩酸塩無水物である。
いくつかの実施形態において、投与されるMMB又はMMB塩の合成物は、多形形態、例えば、開示内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,469,613号に記載されている多形形態である。
特定の場合において、MMB多形形態は、MMB二塩酸塩一水和物形態IIである。MMB二塩酸塩一水和物形態IIの結晶形態は、T=100°Kにおいて以下の単位格子パラメータ:a=10.2837(6)Å、b=10.4981(6)Å、c=11.5143(7)Å、α=83.297(2)°、β=87.649(2)°、y=67.445(2)°、及び三斜晶系P1空間群を有する結晶を有し得る。MMB二塩酸塩一水和物形態IIの結晶形態は、米国特許第9,469,613号の図5に実質的に記載されているX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とし得る。MMB二塩酸塩一水和物形態IIの結晶形態は、約7.7°(2θ)±0.2°(2θ)、約19.3°(2θ)±0.2°(2θ)、約24.0°(2θ)±0.2°(2θ)、約25.7°(2θ)±0.2°(2θ)及び約29.6°(2θ)±0.2°(2θ)にピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とし得る。MMB二塩酸塩一水和物形態IIの結晶形態は、米国特許第9,469,613号の図8に実質的に記載されている示差走査熱量測定(DSC)パターンを特徴とし得る。MMB二塩酸塩一水和物形態IIの結晶形態は、米国特許第9,469,613号の図14に実質的に記載されている動的蒸気収着(DVS)パターンを特徴とし得る。
特定の場合において、本開示のMMBは、重水素原子(D)によって置き換えられた1~n個の水素原子を有していてもよく、ここで、nは、化合物中の水素原子の数である。このような重水素化MMB化合物は、代謝に対する耐性を増加させ、したがって、哺乳動物に投与された際に、本明細書に記載の化合物の半減期を増加させるために有用であり得る。例えば、Foster, “Deuterium Isotope Effects in Studies of Drug Metabolism,” Trends Pharmacol. Sci., 5(12):524-527 (1984)を参照されたい。
慢性疾患の貧血を伴う関節リウマチ
慢性疾患の鉄制限性貧血にも苦しむ関節リウマチ患者又はスティル病患者は、現在承認されているJAK阻害剤から限られた臨床的利益を示す可能性がある。これらの患者は、特定のバイオマーカーを測定することによって特定され得る。いくつかの実施形態において、これらの患者は、正常範囲を超えるトランスフェリンレベルを有する場合がある。いくつかの実施形態において、これらの患者はまた、正常範囲を下回る血清鉄及びトランスフェリン飽和度を有する場合もある。いくつかの実施形態において、これらの患者はまた、正常範囲を超えるヘプシジンレベルを有する場合もある。
慢性疾患の鉄制限性貧血にも苦しむ関節リウマチ患者又はスティル病患者は、現在承認されているJAK阻害剤から限られた臨床的利益を示す可能性がある。これらの患者は、特定のバイオマーカーを測定することによって特定され得る。いくつかの実施形態において、これらの患者は、正常範囲を超えるトランスフェリンレベルを有する場合がある。いくつかの実施形態において、これらの患者はまた、正常範囲を下回る血清鉄及びトランスフェリン飽和度を有する場合もある。いくつかの実施形態において、これらの患者はまた、正常範囲を超えるヘプシジンレベルを有する場合もある。
投与
本明細書に開示されるように、本発明の方法は、有効量のMMBの投与を含む。一実施形態において、MMBの有効量は、単剤療法として投与される。本開示は、有効量のMMBを対象に投与する、治療方法を提供する。用語「有効量」又は「治療有効量」は、例えば、本明細書に記載されるように、疾患の症状を改善するのに有効な量を指す。
本明細書に開示されるように、本発明の方法は、有効量のMMBの投与を含む。一実施形態において、MMBの有効量は、単剤療法として投与される。本開示は、有効量のMMBを対象に投与する、治療方法を提供する。用語「有効量」又は「治療有効量」は、例えば、本明細書に記載されるように、疾患の症状を改善するのに有効な量を指す。
本明細書に記載の疾患及び状態の治療又は予防において、MMBの適切な投与量レベルは、一般に、1日あたり患者の体重1kgにつき約0.01~500mgであり、これは単回又は複数回の投与で投与され得る。場合によっては、投与量レベルは、1日当たり約0.1~約250mg/kg、例えば、1日あたり約0.5~約100mg/kgである。好適な投与量レベルは、1日あたり約0.01~250mg/kg、1日あたり約0.05~100mg/kg又は1日あたり約0.1~50mg/kgであってよい。この範囲内において、投与量は1日あたり0.05~0.5mg/kg、0.5~5mg/kg又は5~50mg/kgであってもよい。経口投与の場合、組成物は、1.0~1000ミリグラムの有効成分、特に、1.0ミリグラム、5.0ミリグラム、10.0ミリグラム、15.0ミリグラム、20.0ミリグラム、25.0ミリグラム、50.0ミリグラム、75.0ミリグラム、100.0ミリグラム、150.0ミリグラム、200.0ミリグラム、250.0ミリグラム、300.0ミリグラム、400.0ミリグラム、500.0ミリグラム、600.0ミリグラム、750.0ミリグラム、800.0ミリグラム、900.0ミリグラム及び1000.0ミリグラムの有効成分を含む錠剤の形態で提供されることが好ましい。投与量は、治療効果のため及び/又は処置される患者への投与量の症候的な調整のために、例えば、これらの範囲内の任意の用量に選択されてもよい。MMBは、1日当たり1~4回、好ましくは1日当たり1回又は2回のレジメンで投与され得る。
任意の特定の患者における特定の用量レベル及び投与頻度は、変動してもよく、様々な要因、例えば、使用される特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用時間の長さ、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与様式及び投与時間、排出速度、薬物の組合せ、特定の状態の重症度、並びに治療を受けている宿主に依存することが理解されるであろう。
さらに本明細書に開示されるように、本開示の方法はまた、有効量のMMBを投与し、第2の有効量のさらなる治療を共投与(co-administer)する併用療法を含む。さらなる治療には、CKDに関連する疾患又は状態の治療において使用を見出す任意の便利な追加の薬剤を投与することが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの場合において、追加の薬剤は、降圧剤、抗脂質剤又は抗糖尿病剤である。
共投与は、MMB及び追加の治療が同時に与えられる方法、MMB及び追加の治療が順次に与えられる方法、並びにMMB及び追加の治療のいずれか一方又は両方が断続的又は連続的に与えられる方法、或いは、同時の、順次の、断続的な及び/又は連続的な方法の任意の組合せを包含する。断続的投与が、薬剤の第1の投与及び次いでその同じ薬剤の後の時間での別の投与も含むため、断続的投与が、必ずしも順次投与と同じではないことを当業者は認識する。加えて、断続的投与が、第1の薬剤が再び投与される前に、異なる薬剤の投与による第1の薬剤の投与の中断を含むため、断続的投与が、いくつかの態様において順次投与も包含することを当業者は理解する。さらに、当業者は、多くの経路、例えば、i.v.点滴又は栄養チューブ等によって連続投与を達成することができることもわかる。
さらに、より一般的な方法において、「共投与される」という用語は、対象へのMMBの別個の投与及びさらなる治療の別個の投与が任意の時間枠の間で重複するあらゆるすべての方法を包含する。
一態様において、対象へのMMB又は追加の治療の投与頻度は、Q1d、Q2d、Q3d、Q4d、Q5d、Q6d、Q7d、Q8d、Q9d、Q10d、Q14d、Q21d、Q28d、Q30d、Q90d、Q120d、Q240d又はQ365dを含むが、これらに限定されない。用語「QnD又はqnd」は、「n」日に1回の薬物投与を意味する。例えば、QD(又はqd)は、毎日1回又は1日1回の投与を指し、Q2D(又はq2d)は、2日に1回の投与を指し、Q7Dは、7日に1回又は週に1回の投与を指し、Q5Dは、5日に1回の投与を指す。一態様において、MMB及び追加の治療は、異なるスケジュールで投与される。
いくつかの態様において、本開示は、MMB及び/又は追加の治療のいずれか一方又は両方又はそれらの任意の組合せが、静脈内、皮下、経皮、経口、筋肉内及び腹腔内からなる群から選択される経路によって投与される方法を提供する。いくつかの態様において、本開示は、MMB及び/又は追加の治療のいずれか一方又は両方又はそれらの任意の組合せが、静脈内投与される方法を提供する。いくつかの態様において、本開示は、MMB及び/又は追加の治療のいずれか一方又は両方又はそれらの任意の組合せが、経口投与される方法を提供する。
本開示の単位剤形は、同じ又は異なる物理的形態で、すなわち、例えば、カプセル若しくは錠剤を介して経口で、及び/又はi.v.注入を介して液体で投与され得ることが、当業者によって理解される。さらに、各投与の単位剤形は、特定の投与経路によって異なり得る。いくつかの様々な剤形が、MMB及び追加の治療のいずれか一方又は両方について存在し得る。異なる医学的状態は、異なる投与経路の根拠となり得るため、本明細書に記載されるMMB及び追加の治療の組合せの同じ成分は、組成及び物理的形態が全く同じであり得るが、状態を緩和するために異なる方法で、おそらく異なる時間に与えられる必要があり得る。例えば、状態、例えば、持続性悪心、特に嘔吐を伴う持続性悪心は、経口剤形の使用を困難にする可能性があり、そのような場合、別の単位剤形、おそらくその前又はその後に使用されるその他の剤形と同一の剤形を、代わりに又は加えて、吸入経路、頬内経路、舌下経路又は坐剤経路で投与することが必要であり得る。様々な要因、例えば、化学的安定性又は薬物動態に問題があり得るため、特定の剤形が、MMB及び追加の治療の特定の組合せの要件であり得る。
いくつかの態様において、MMBの有効量は、最大耐容量(MTD)未満若しくはそれと等しい、重篤な毒性が発現しない最大投与量(HNSTD)未満若しくはそれと等しい、又は無毒性量(NOAEL)未満若しくはそれと等しい。
一般に、本開示の化合物は、同様の有用性を提供する薬剤の許容される投与様式のいずれかにより治療有効量で投与される。本技術の化合物、すなわち、有効成分の実際の量は、多数の要因、例えば、治療される疾患の重症度、対象の年齢及び相対的な健康状態、使用される化合物の効力、投与の経路及び形態、並びに当業者に周知のその他の要因に依存する。薬物は、少なくとも1日1回、好ましくは1日1回又は2回投与することができる。
そのような薬剤の有効量は、最も効果的で便利な投与経路及び最も適切な製剤と同様に、日常的な実験により容易に決定され得る。様々な製剤及び薬物送達システムが当技術分野で利用可能である。例えば、Gennaro, A.R., ed. (1995) Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th ed., Mack Publishing Coを参照されたい。
治療有効用量は、当技術分野で周知の様々な技術を使用して最初に評価され得る。動物実験で使用される初期用量は、細胞培養アッセイで確立された有効濃度に基づく場合がある。ヒト対象に適した投与量範囲は、例えば、動物実験及び細胞培養アッセイから得られたデータを使用して決定され得る。
薬剤、例えば、MMBの有効量又は治療有効量又は治療有効用量は、対象において症状の改善又は生存の延長をもたらす薬剤又は化合物の量を指す。そのような分子の毒性及び治療有効性は、細胞培養又は実験動物における標準的な薬学的手順によって、例えば、最大耐用量(MTD)、重篤な毒性が発現しない最大投与量(HNSTD)、無毒性量(NOAEL)、又はLD50(集団の50%に対して致死的な用量)及びED50(集団の50%において治療上有効な用量)を決定することによって決定され得る。治療効果に対する毒性の用量比は、治療指数であり、これは、MTD、HNSTD、NOAEL、又はED50に対するLD50の比として表され得る。高い治療指数を示す薬剤が好ましい。
有効量又は治療有効量は、研究者、獣医、医師又はその他の臨床医によって求められている、組織、システム、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を引き出す化合物又は医薬組成物の量である。投与量は、特に、毒性をほとんど又は全く有しないED50を含む循環濃度の範囲内である。投与量は、使用される剤形及び/又は利用される投与経路に応じてこの範囲内で変動してもよい。正確な調合、投与経路、投与量及び投与間隔は、対象の状態の詳細を考慮して、当技術分野で既知の方法に従って選択されるべきである。
投与量及び間隔は、所望の効果を達成するのに十分な有効成分の血漿レベル、すなわち、最小有効濃度(MEC)を提供するために、別個に調整されてもよい。MECは、各化合物について変動するが、例えば、in vitroデータ及び動物実験から評価され得る。MECを達成するために必要な投与量は、別個の特徴及び投与経路に依存する。局所投与又は選択的取込み(selective uptake)の場合には、薬物の有効な局所濃度は、血漿濃度に関連しない場合がある。
投与される薬剤又は組成物の量は、様々な要因、例えば、治療される対象の性別、年齢及び体重、苦痛(affliction)の重症度、投与方法、並びに処方医の判断に依存し得る。
単位剤形は、当業者によって一般的に理解される用語である。単位剤形は、特定の使用のために販売される薬学的な医薬品である。医薬品は、1種又は2種以上の有効成分と、不活性成分(ほとんどの場合、薬学的に許容可能な担体又は賦形剤の形態である)とを含む。複数の単位剤形は異なる医薬品であることが理解される。
さらなる実施形態において、本発明は、MMB二塩酸塩一水和物を含む単位剤形に関する。いくつかの実施形態において、単位剤形は、約10mg~約1000mg、約10mg~約800mg、約10mg~約700mg、約10mg~約500mg、約10mg~約400mg、約10mg~約300mg、約10mg~約250mg、約10mg~約200mg、約10mg~約150mg、約10mg~約100mg、約10mg~約50mg、約50mg~約1000mg、約50mg~約800mg、約50mg~約700mg、約50mg~約500mg、約50mg~約400mg、約50mg~約300mg、約50mg~約250mg、約50mg~約200mg、約50mg~約150mg、約50mg~約100mg、約100mg~約1000mg、約100mg~約800mg、約100mg~約700mg、約100mg~約500mg、約100mg~約400mg、約100mg~約300mg、約100mg~約250mg、約100mg~約200mg、約150mg~約300mg、約150mg~約250mg、約150mg~約200mg、約200mg~約300mg、約200mg~約250mg又は約200mg~約300mgに相当する量のMMB又はその薬学的に許容可能な塩を含む。場合によっては、その量は、存在するMMB遊離塩基を基準として決定される。
医薬組成物
関節の炎症(例えば、関節リウマチ)の治療のための方法が本明細書に記載される。本開示の方法は、治療有効量のMMBを投与することを含む。MMBは、医薬組成物中に調合されてもよい。これらの組成物は、有効1種又は2種以上の化合物に加えて、当業者に周知の薬学的に許容可能な賦形剤、担体、緩衝剤、安定剤又はその他の材料を含んでいてもよい。このような材料は、非毒性である必要があり、有効成分の有効性を妨害してはならない。担体又はその他の材料の正確な性質は、投与経路、例えば、経口、静脈内、皮膚又は皮下、鼻腔内、筋肉内、腹腔内経路に依存し得る。
関節の炎症(例えば、関節リウマチ)の治療のための方法が本明細書に記載される。本開示の方法は、治療有効量のMMBを投与することを含む。MMBは、医薬組成物中に調合されてもよい。これらの組成物は、有効1種又は2種以上の化合物に加えて、当業者に周知の薬学的に許容可能な賦形剤、担体、緩衝剤、安定剤又はその他の材料を含んでいてもよい。このような材料は、非毒性である必要があり、有効成分の有効性を妨害してはならない。担体又はその他の材料の正確な性質は、投与経路、例えば、経口、静脈内、皮膚又は皮下、鼻腔内、筋肉内、腹腔内経路に依存し得る。
経口投与用の医薬組成物は、錠剤、カプセル、粉末又は液体形態であり得る。錠剤は、固体担体(例えば、ゼラチン)又は賦形剤を含むことができる。液体の医薬組成物は、一般に、液体担体、例えば、水、石油、動物性油、植物性油、鉱油又は合成油を含む。生理食塩水、デキストロース若しくはその他の糖類の溶液、又はグリコール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール又はポリエチレングリコールを含めることができる。
静脈内、皮膚若しくは皮下注射、又は苦痛部位での注射について、有効成分は、非経口的に許容可能な水溶液の形態であり、それは、パイロジェンフリーであり、適切なpH、等張性及び安定性を有する。当業者は、等張性ビヒクル、例えば、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、乳酸リンゲル注射液を使用して適切な溶液を調製することが十分に可能である。必要に応じて、防腐剤、安定剤、緩衝剤、酸化防止剤及び/又はその他の添加物を含めることができる。
本技術は、特定の組成物又は医薬担体に限定されるものではなく、そのようなものは変動し得る。一般に、本技術の化合物は、以下の経路:経口、全身(例えば、経皮、鼻腔内又は坐剤)又は非経口(例えば、筋肉内、静脈内又は皮下)投与のうちのいずれか1つにより医薬組成物として投与される。好ましい投与方法は、苦痛の程度に従って調整可能な便利な1日投与レジメンを使用する経口投与である。組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、半固体剤、散剤、持続放出製剤、溶液剤、懸濁液剤、エリキシル剤、エアロゾル剤又は任意のその他の適切な組成物の形態をとることができる。本技術の化合物を投与するための別の好ましい方法は、吸入である。
製剤の選択は、様々な要因、例えば、薬物投与の様式及び薬物物質のバイオアベイラビリティに依存する。吸入による送達の場合、化合物は、液体溶液、懸濁液、エアロゾル噴射剤又は乾燥粉末として調合され、投与用の好適なディスペンサーに充填され得る。いくつかの種類の医薬吸入デバイス:ネブライザー吸入器、定量吸入器(MDI)及びドライパウダー式吸入器(DPI)が存在する。ネブライザーデバイスは、治療剤(液体形態で調合される)を対象の気道に運搬するミストとして噴霧させる高速の空気流をもたらす。MDIは、典型的には、圧縮ガスとともに包装された製剤である。作動時に、デバイスは、圧縮ガスにより、一定量の治療剤を放出し、したがって、設定された量の薬剤を投与する信頼性の高い方法を提供する。DPIは、自由流動粉末の形態で治療剤を投薬し、自由流動粉末は、デバイスによって呼吸時に対象の吸気流中に分散させることができる。自由流動粉末を達成するために、治療剤は、賦形剤、例えば、ラクトースとともに調合される。一定量の治療剤は、カプセル形態で保存され、各回の作動により投薬される。
本技術の化合物の医薬剤形は、当技術分野で周知の任意の方法、例えば、従来の混合、ふるい分け、溶解、融解、造粒、糖衣錠作製、打錠、懸濁、押出、噴霧乾燥、粉末化(levigating)、乳化、(ナノ/マイクロ)カプセル化、封入又は凍結乾燥プロセスによって製造され得る。上記のように、本技術の組成物は、有効分子の医薬用途のための調製物への加工を促進する1種又は2種以上の生理学的に許容可能な不活性成分を含むことができる。
表面積を増大させること、すなわち、粒径を低下させることによってバイオアベイラビリティを増大させることができるという原理に基づいて、特に、不十分なバイオアベイラビリティを示す薬物のための医薬組成物が開発された。例えば、米国特許第4,107,288号には、有効物質が高分子の架橋マトリックス上に担持された10~1,000nmのサイズ範囲の粒子を有する医薬製剤が記載されている。米国特許第5,145,684号には、薬物物質を表面改質剤の存在下でナノ粒子(平均粒径400nm)に粉砕し、次いで、液体媒体中に分散させて、顕著に高いバイオアベイラビリティを示す医薬製剤を得る、医薬製剤の製造が記載されている。
組成物は、一般に、本技術の化合物を、少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤と組み合わせて構成される。許容可能な賦形剤は、非毒性であり、投与を補助し、且つ、特許請求の範囲に記載の化合物の治療利益に悪影響を与えない。そのような賦形剤は、任意の固体、液体、半固体であってもよく、或いは、エアロゾル組成物の場合には、当業者にとって一般に利用可能である気体賦形剤であってもよい。
固体の医薬賦形剤には、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、胡粉、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク等が含まれる。液体及び半固体の賦形剤は、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノール及び様々な油、例えば、石油、動物油、植物油又は合成由来の油、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油等から選択してもよい。好ましい液体担体、特に注射用溶液のための液体担体には、水、生理食塩水、含水デキストロース及びグリコールが含まれる。
圧縮ガスを使用して、本技術の化合物をエアロゾル形態で分散させてもよい。この目的のために好適な不活性ガスは、窒素、二酸化炭素等である。その他の好適な医薬賦形剤及びその製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,E.W.Martin編(Mack Publishing Company, 第18版, 1990)に記載されている。
本組成物は、所望に応じて、有効成分を含有する1又は2以上の単位剤形を含有するパック又はディスペンサー装置で提供され得る。そのようなパック又は装置は、例えば、金属若しくはプラスチック箔(例えば、ブリスターパック)又はガラス及びゴム栓(例えば、バイアルにおける)を含み得る。パック又はディスペンサー装置には、投与のための説明書が添付されていてもよい。適合性の医薬担体中で調合された本技術の化合物を含む組成物はまた、調製され、適切な容器に入れられ、指示された状態の治療についてラベル表示され得る。
製剤中の化合物の量は、当業者によって使用される全範囲内で変動し得る。典型的には、製剤は、重量パーセント(wt%)基準で、総製剤を基準に約0.01~99.99wt%の本技術の化合物を含み、残部は1種又は2種以上の好適な医薬賦形剤である。好ましくは、化合物は、約1~80wt%のレベルで存在する。
以下は、本発明を実施する特定の実施形態の実施例である。これらの実施例は、例示目的のためにのみ提供され、本発明の範囲を制限することを何ら意図しない。使用される数値(例えば、量、温度等)に関して正確性を確保するための努力をしているが、ある程度の実験誤差及び偏差は当然ながら許容されるべきである。
本発明の実施は、別段の指示がない限り、当業者の技術範囲内で、タンパク質化学、生化学、組換えDNA技術及び薬理学の従来の方法を採用する。このような技術は、文献において十分に説明されている。
方法
動物の飼育
ルイスラット及びDBA/1マウスをチャールズリバー社から購入する。ルイスラットは到着後3日目まで免疫される。マウスを離乳期において購入し、実験を開始する前に3週間馴化させる。すべての動物を12:12時間の明暗サイクルで飼育し、標準的な動物用飼料(SNIFF、166mg/kg 鉄)を自由摂食で供給する。動物の健康状態及び福祉を少なくとも1日1回モニターする。
動物の飼育
ルイスラット及びDBA/1マウスをチャールズリバー社から購入する。ルイスラットは到着後3日目まで免疫される。マウスを離乳期において購入し、実験を開始する前に3週間馴化させる。すべての動物を12:12時間の明暗サイクルで飼育し、標準的な動物用飼料(SNIFF、166mg/kg 鉄)を自由摂食で供給する。動物の健康状態及び福祉を少なくとも1日1回モニターする。
PG-PSラット関節炎モデル
6週齢の雌のルイスラットに、15mg/kgの連鎖球菌の(Streptococcal)ペプチドグリカン-多糖(PG-PS)を腹腔内(IP)投与して免疫する。2週間後に目的の抗炎症剤による治療を開始し、7日間(短期)から21日間(長期)継続する。疾患の進行は、後述するようにモニターする(「関節病理学、臨床的スコアリング、バイオイメージング」の項を参照)。血液サンプルを毎週1回採取し、以下に記載するように処理する。実験の終了時に、血液、血清及び臓器試料を採取し、本明細書に記載されるように処理する。
6週齢の雌のルイスラットに、15mg/kgの連鎖球菌の(Streptococcal)ペプチドグリカン-多糖(PG-PS)を腹腔内(IP)投与して免疫する。2週間後に目的の抗炎症剤による治療を開始し、7日間(短期)から21日間(長期)継続する。疾患の進行は、後述するようにモニターする(「関節病理学、臨床的スコアリング、バイオイメージング」の項を参照)。血液サンプルを毎週1回採取し、以下に記載するように処理する。実験の終了時に、血液、血清及び臓器試料を採取し、本明細書に記載されるように処理する。
コラーゲン抗体誘導性関節炎(CAIA)モデル
6週齢の雄マウスを、14日スパンで2回尾基部に皮内投与するニワトリII型コラーゲン(200μg/用量/動物)の完全フロイントアジュバント(CFA、200μLエマルジョン/マウス)溶液により免疫する。目的の抗炎症剤による治療を、最初の免疫後28日目に開始し、さらに7日間(短期)又は21日間(長期)継続する。症状の発達を、後肢関節径のノギス測定と、動物の関節腫脹に基づく臨床スコアの決定により、生存中にモニターする。実験の終了時に、血液、血清及び臓器試料を採取し、本明細書に記載されるように処理する。
6週齢の雄マウスを、14日スパンで2回尾基部に皮内投与するニワトリII型コラーゲン(200μg/用量/動物)の完全フロイントアジュバント(CFA、200μLエマルジョン/マウス)溶液により免疫する。目的の抗炎症剤による治療を、最初の免疫後28日目に開始し、さらに7日間(短期)又は21日間(長期)継続する。症状の発達を、後肢関節径のノギス測定と、動物の関節腫脹に基づく臨床スコアの決定により、生存中にモニターする。実験の終了時に、血液、血清及び臓器試料を採取し、本明細書に記載されるように処理する。
組織処理及び細胞分離
脾臓及びリンパ節の細胞は、PBS中で100μmセルストレーナー(コーニング)を通じて器官を機械的に押すことにより分離する。ラットの滑膜浸潤物の分離のために、後肢を皮膚、骨及び主要な腱から遊離させる。残りの組織をミンチにして、0.16U リベラーゼ TM、10μg/mL DNase I、60U ヒアルロニダーゼ Iで37℃、1時間RPMI中で消化する。血液をヘパリン化チューブに採取し、直ぐに血球数測定に使用する。血中白血球のイムノフェノタイピングのために、血液サンプルをACKバッファー(150mM NH4Cl、10mM KHCO3、0.1mM EDTA)で溶解させて、赤血球を除去する。
脾臓及びリンパ節の細胞は、PBS中で100μmセルストレーナー(コーニング)を通じて器官を機械的に押すことにより分離する。ラットの滑膜浸潤物の分離のために、後肢を皮膚、骨及び主要な腱から遊離させる。残りの組織をミンチにして、0.16U リベラーゼ TM、10μg/mL DNase I、60U ヒアルロニダーゼ Iで37℃、1時間RPMI中で消化する。血液をヘパリン化チューブに採取し、直ぐに血球数測定に使用する。血中白血球のイムノフェノタイピングのために、血液サンプルをACKバッファー(150mM NH4Cl、10mM KHCO3、0.1mM EDTA)で溶解させて、赤血球を除去する。
血液学的及び鉄パラメータの測定並びに組織染色
血球数をScil ABC Vet Counter(堀場メディカ社製)により測定する。
血球数をScil ABC Vet Counter(堀場メディカ社製)により測定する。
トランスフェリン及びヘプシジン濃度を、市販のELISAキットにより評価する。血清/血漿及び臓器非ヘム鉄濃度を、BioAssay Systems社製の市販キットにより測定する。
血清及び組織の鉄含有量を市販のキット(QuantiChrom)により測定する。鉄染色キット(シグマ)により、ホルマリン固定パラフィン包埋材料の3~5μm厚切片において、Pearlsのプルシアンブルー染色(Pearls's Prussian Blue staining)を使用して、脾臓及び肝臓における鉄の沈着を可視化する。
フローサイトメトリー
フローサイトメトリー染色を、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるParajuli et al., Int. J. Cancer 126:896-908, 2010に記載のように実施する。測定をCytoflex S device(Beckman Coulter)及びFACS Symphony(Beckton Dickinson)により実施する。これらは、それぞれ13及び52の蛍光パラメータの検出が可能であり、自動絶対細胞数決定が可能である。
フローサイトメトリー染色を、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるParajuli et al., Int. J. Cancer 126:896-908, 2010に記載のように実施する。測定をCytoflex S device(Beckman Coulter)及びFACS Symphony(Beckton Dickinson)により実施する。これらは、それぞれ13及び52の蛍光パラメータの検出が可能であり、自動絶対細胞数決定が可能である。
細胞内サイトカイン/転写因子の染色のために、Golgi Stop(BD Bioscience)の存在下で、ホルボール12,13-ジブチレート(PDBu)及びイオノマイシン(それぞれ50ng/mL及び500ng/mL)でラット及びマウスT細胞を4時間再刺激する。合計すると、種(ラット、マウス)ごとに5種の多色抗体パネルが確立されている(血液白血球、臓器白血球、Th細胞サブタイプの細胞内染色、血液網状赤血球、骨髄赤血球)。データ解析をFlowJo Softwareを使用して実施する。
免疫蛍光顕微鏡法
免疫蛍光(IF)顕微鏡は、T細胞及び顆粒球によるマウス関節浸潤を可視化するための主要な技術として使用される。マウス滑膜組織のフローサイトメトリーによるより正確なイムノフェノタイピングは、酵素的組織消化後の細胞収量が低いため実用的でない。
免疫蛍光(IF)顕微鏡は、T細胞及び顆粒球によるマウス関節浸潤を可視化するための主要な技術として使用される。マウス滑膜組織のフローサイトメトリーによるより正確なイムノフェノタイピングは、酵素的組織消化後の細胞収量が低いため実用的でない。
その各々が参照によりその全体が本明細書に組み込まれるTymoszuk et al., Eur. J. Immunol. 44:2247-2262, 2014及びTymoszuk et al., BMC Cancer 14:257, 2014に記載されるように、IF顕微鏡検査を、ホルマリン固定パラフィン包埋されたマウス足首関節材料により実施する。簡単に言えば、3~5μmのサンプル切片を脱パラフィンし、再水和し、クエン酸緩衝液(pH6.0)中、95℃で抗原を賦活化する。抗CD3(clone 17A2)、抗CD4(GK1.5)、抗IL-17A(TC11-18H10)、抗Ly6G(1A8)、抗Ly6C(HK1.4)及びF4/80(BM8)抗体並びに適切な二次試薬により染色を実施する。サンプルをAxioscope(Zeiss)蛍光顕微鏡により撮影する。
サイトカイン測定
臓器サンプル(肝臓、脾臓、滑膜組織)を使用するRNA及びタンパク質単離、qRT PCR及びウェスタンブロッティングを、その全体が参照により本明細書に組み込まれるAsshoff et al., Blood 129:1823-1830, 2017に記載されるように実施する。簡単に言えば、qRT PCRを使用して、選択された鉄ターンオーバータンパク質(例えば、Fpn1/Slc40a1、TfR1及びヘプシジン)、JAK/STATの転写標的(Irf1、Socs1、Socs3、Stat1、Stat3)及びAVCR1/SMAD経路(Smad1/2/3/4、Fos、Pdgfb、Dusp1)、並びに選択されたサイトカイン、炎症性及びThサブセット特徴遺伝子(IL1b、IL2、IL4、IL5、IL6、IL8、IL10、IL12a、IL12b、IL17a、IL21、IL22、Tgfb1、Tnf、CRP、iNOS、Arg1、Rankl、MMP1、MMP4、MMP6、MMP9、BMP4)に対する転写レベルを決定する。ウェスタンブロッティングを使用して、鉄ターンオーバータンパク質(FPN1、フェリチン、TfR1)、JAK/STAT経路の活性(リン酸化及び総STAT1及びSTAT3)及びAVCR1/SMAD経路の活性(リン酸化及び総SMAD1/2/3、総SMAD4)のタンパク質レベルを評価する。
臓器サンプル(肝臓、脾臓、滑膜組織)を使用するRNA及びタンパク質単離、qRT PCR及びウェスタンブロッティングを、その全体が参照により本明細書に組み込まれるAsshoff et al., Blood 129:1823-1830, 2017に記載されるように実施する。簡単に言えば、qRT PCRを使用して、選択された鉄ターンオーバータンパク質(例えば、Fpn1/Slc40a1、TfR1及びヘプシジン)、JAK/STATの転写標的(Irf1、Socs1、Socs3、Stat1、Stat3)及びAVCR1/SMAD経路(Smad1/2/3/4、Fos、Pdgfb、Dusp1)、並びに選択されたサイトカイン、炎症性及びThサブセット特徴遺伝子(IL1b、IL2、IL4、IL5、IL6、IL8、IL10、IL12a、IL12b、IL17a、IL21、IL22、Tgfb1、Tnf、CRP、iNOS、Arg1、Rankl、MMP1、MMP4、MMP6、MMP9、BMP4)に対する転写レベルを決定する。ウェスタンブロッティングを使用して、鉄ターンオーバータンパク質(FPN1、フェリチン、TfR1)、JAK/STAT経路の活性(リン酸化及び総STAT1及びSTAT3)及びAVCR1/SMAD経路の活性(リン酸化及び総SMAD1/2/3、総SMAD4)のタンパク質レベルを評価する。
血清及び回収培養上清のサイトカインレベルを、ProcartaPlexサイトカインパネル(Thサイトカインサブセットパネル、マウス用:EPX170-26087-901、ラット用:EPX140-30120-901、いずれもThermo Fisher社製)及びインスブルック医科大学のマルチプレックス検出パイプラインにより測定した。
Th17リコールアッセイ(Th17 Recall Assays)
コントロール及び薬剤処置したCAIA動物から分離した脾臓細胞及びリンパ節細胞を、ペニシリン、ストレプトマイシン、L-グルタミン、ピルビン酸及びβ-メルカプトエタノールを補充したRPMI1640培地中で、50μg/mLのニワトリコラーゲンとともに96ウェルプレートで培養する。培養開始2日後に培養上清中のサイトカイン濃度をサイトカインマルチプレックスにより測定する。
コントロール及び薬剤処置したCAIA動物から分離した脾臓細胞及びリンパ節細胞を、ペニシリン、ストレプトマイシン、L-グルタミン、ピルビン酸及びβ-メルカプトエタノールを補充したRPMI1640培地中で、50μg/mLのニワトリコラーゲンとともに96ウェルプレートで培養する。培養開始2日後に培養上清中のサイトカイン濃度をサイトカインマルチプレックスにより測定する。
関節病理学、臨床的スコアリング及びバイオイメージング
すべての動物モデルにおける関節炎の進行の定期的なモニタリングは、バーニヤのノギスによる後肢の足首関節径を測定することによって達成される(体積=D×d2π/6、D及びdは垂直軸で測定した足首径、D>d)。さらに、マウス関節炎モデルにおいて、その全体が参照により本明細書に組み込まれるInglis et al., Arthritis Res. Ther. 8:R113, 2007に記載されるように、各動物の四肢の腫脹及び可動性を評価するシステムにより、動物を臨床的にスコアリングする。実験動物の各肢を、以下のように別個に評価する:0-正常、1-わずかな腫脹又は紅斑、2-顕著な腫脹、3-関節の硬直。各動物の肢のスコアを合計し、マウス1匹につき最大12点とする。群の割り当てに対して盲検化された評価者によって、スコアリングを実施する。
すべての動物モデルにおける関節炎の進行の定期的なモニタリングは、バーニヤのノギスによる後肢の足首関節径を測定することによって達成される(体積=D×d2π/6、D及びdは垂直軸で測定した足首径、D>d)。さらに、マウス関節炎モデルにおいて、その全体が参照により本明細書に組み込まれるInglis et al., Arthritis Res. Ther. 8:R113, 2007に記載されるように、各動物の四肢の腫脹及び可動性を評価するシステムにより、動物を臨床的にスコアリングする。実験動物の各肢を、以下のように別個に評価する:0-正常、1-わずかな腫脹又は紅斑、2-顕著な腫脹、3-関節の硬直。各動物の肢のスコアを合計し、マウス1匹につき最大12点とする。群の割り当てに対して盲検化された評価者によって、スコアリングを実施する。
2種の非侵襲的バイオイメージングツール(マイクロCT及びMRI(磁気共鳴画像法))を、関節炎の齧歯類モデルにおける疾患の進行を追跡するための画像データ解析と組み合わせて使用する。
剖検では、選択された代表的な動物の四肢を被毛及び皮膚がないようにし、ホルマリンで固定し、パラフィンに包埋する。関節病理学及びパラメータ、例えば、白血球浸潤、腱、骨及び軟骨の損傷を、HE(マウス及びラット)及びIF顕微鏡(マウスのみ)で染色した3~5μm厚の組織スライドで調査する。
疾患モニタリング及び生体内血液サンプルの精密検査
関節体積を毎週測定し、各治療群から選択した代表的な動物でマイクロCTスキャンを実施する。CAIAモデルにおいて、マウスはまた、1週間間隔で臨床的にスコアリングされる。生存中に採取した血液サンプルについて、以下のパラメータ:血球数(Hb、WBC、RBC、MCV及び網状赤血球)、血漿TF-Sat、鉄及びヘプシジン濃度、フローサイトメトリーによる血中白血球のイムノフェノタイピング、並びにサイトカイン複合体による血漿サイトカイン濃度を確認する。凍結血漿サンプルについて、追加の測定を実施することができる。
関節体積を毎週測定し、各治療群から選択した代表的な動物でマイクロCTスキャンを実施する。CAIAモデルにおいて、マウスはまた、1週間間隔で臨床的にスコアリングされる。生存中に採取した血液サンプルについて、以下のパラメータ:血球数(Hb、WBC、RBC、MCV及び網状赤血球)、血漿TF-Sat、鉄及びヘプシジン濃度、フローサイトメトリーによる血中白血球のイムノフェノタイピング、並びにサイトカイン複合体による血漿サイトカイン濃度を確認する。凍結血漿サンプルについて、追加の測定を実施することができる。
実施例1:ラットモデルにおけるモメロチニブ(MMB)の関節炎治療の評価
慢性関節炎のラットモデル(PG-PS誘導)を使用して、JAK1/2及びACVR1二重阻害剤モメロチニブ(MMB)のin vivoでの有効性を評価した。PG-PSにより免疫して関節炎を誘導した2週間後に、MMB(5mg/kg、10mg/kg及び25mg/kg)又はビヒクルの毎日の経口投与によりラットを3週間処置した。
慢性関節炎のラットモデル(PG-PS誘導)を使用して、JAK1/2及びACVR1二重阻害剤モメロチニブ(MMB)のin vivoでの有効性を評価した。PG-PSにより免疫して関節炎を誘導した2週間後に、MMB(5mg/kg、10mg/kg及び25mg/kg)又はビヒクルの毎日の経口投与によりラットを3週間処置した。
関節炎の連続的な評価を、関節の厚さの測定及び肢のスコアリングによって実施した。3週間の処置後、滑膜免疫細胞浸潤及びT細胞サブセット分化をマルチカラーフローサイトメトリーにより定量化した。サイトカイン遺伝子の発現をReal-Time PCRによりプロファイリングした。血中ヘモグロビン並びに血清、脾臓及び肝臓の鉄レベルの測定により貧血を評価した。
後肢関節の径和の平均(±SEM[n=8/群])の有意な減少が、処置の最終日にノギスで測定されるように、10mg/kg及び25mg/kgのMMBの毎日の投与により観察された(図2A及び図2B)。ボンフェローニ・ポストホック検定を伴う一元配置ANOVAにより、統計的有意性を決定した(**p<0.01、***p<0.001)。図2Cは、ビヒクル又はMMB(10mg/kg)により処置した非免疫ラット及びPG-PS免疫ラットの後肢足首関節のH&E染色切片の代表的な写真である。この結果は、JAK1/2及びACVR1二重阻害剤MMBが、関節炎後肢関節の腫脹及び軟骨破壊を実質的に阻害することを示す。
MMB処置の有無における各組織の骨髄系細胞集団を評価するために、すべての動物から脾臓及び滑膜組織サンプルを採取し、フローサイトメトリーによって評価した。25mg/kgのMMBにより3週間処置したPG-PS免疫ラットは、脾臓の顆粒球(CD45+、CD11b/c+、Granulocyte+)の有意な減少を示した(図3A)。MMB処置により、PG-PSで免疫したラットの後肢足首関節から分離した滑膜組織顆粒球(CD45+、CD11b/c+、Granulocyte+)、炎症性CD11b/c+マクロファージ(CD45+Granulocyte-CD11b/c+マクロファージ+)及び単球(CD45+Granulocyte-CD11b/c+Macrophage+)も有意に減少した(図3B)。脾臓の顆粒球(脾臓の総CD45+白血球の割合)及び滑膜骨髄細胞(肢関節ペアあたりの総数)をフローサイトメトリーで測定し、平均±SEMで示した(各群n=6~10)。ボンフェローニ・ポストホック検定を伴う一元配置ANOVAにより、統計的有意性を決定した(*p<0.05、***p<0.001)。これらの結果は、MMB処置後の抗関節炎活性が、滑膜への炎症性骨髄細胞の浸潤の有意な減少に起因することを示唆する。
脾臓組織由来のサンプルをさらに使用して、非免疫ラット並びにPG-PSで免疫し、ビヒクル又は種々の濃度のMMBで3週間毎日処置したラットの脾臓におけるTh1、Th17及びTreg細胞のレベルを評価した。結果は、MMB処置により、脾臓Th17細胞(CD45+、CD3+、CD8-、CD4+、FOXP3-、IFN-γ-、IL17A+)が有意に減少し、脾臓Th1細胞(CD45+、CD3+、CD8-、CD4+、FOXP3-、IFN-γ+、IL17A-)が減少したことを示す(図4A)。脾臓Treg細胞(CD45+、CD3+、CD8-、CD4+、FOXP3+)は、MMB処置後に有意な変化を示さなかった。
ラット後肢足首関節からの滑膜組織のサンプルを使用して、ビヒクル又は種々の濃度のMMBで処置した動物におけるCD4+T細胞及びCD8+T細胞のレベルを評価した。MMB処置により、滑膜のCD4+及びCD8+T細胞が顕著に減少した(図4B)。
脾臓T細胞の割合(CD4+T細胞のうちの割合)(図4A)及び後肢足首関節あたりの絶対T細胞数(図4B)をフローサイトメトリーにより測定した。関節炎の足首滑膜におけるCD4+T細胞の減少は、試験したMMBの最低用量(5mg/kg)による処置後でも観察された(図4B)。データは平均値±SEMで示される(群あたりn=6~10)。ボンフェローニ・ポストホック検定を伴う一元配置ANOVAにより、統計的有意性を決定した(*p<0.05、***p<0.001)。このデータは、MMB処置の抗関節炎活性が、少なくとも部分的に、Th17細胞の分化及び滑膜組織へのT細胞のリクルートの阻害を介することを示唆する。
MMB処置は、PG-PS動物におけるビヒクル処置と比較して、滑膜組織における炎症性顆粒球及びマクロファージの浸潤を、すべての試験用量において60%を超えて減少させた。MMB処置は、試験した最低用量(5mg/kg)から滑膜における関節炎誘発性Th17細胞の分化及び全体的なCD4+T細胞を効果的に減少させ、25mg/kgで関節腫脹の完全寛解と一致した。
実施例2:DBA/1マウスにおけるコラーゲン抗体誘導性関節炎(CAIA)の治療に対するモメロチニブ(MMB)の有効性の評価
第2の関節炎動物モデルにおけるMMB治療の有効性を評価するために、0日目にコラーゲン抗体カクテルを静脈内注射し、3日目にリポ多糖(LPS)を腹腔内注射して、DBA/1マウスに関節炎を誘導した。0日目から、1日1回のビヒクル若しくはMMB(20mg/kg又は50mg/kg)又は1日2回のMMB(30mg/kg)のいずれかにより試験期間中、マウスを経口で処置した。比較対照のデキサメタゾン(1mg/kg)又はTNF-α阻害剤エタネルセプト(10mg/kg)を0日目から毎日腹腔内注射で投与した。実験戦略の概要を示す模式図を図5に示す。
第2の関節炎動物モデルにおけるMMB治療の有効性を評価するために、0日目にコラーゲン抗体カクテルを静脈内注射し、3日目にリポ多糖(LPS)を腹腔内注射して、DBA/1マウスに関節炎を誘導した。0日目から、1日1回のビヒクル若しくはMMB(20mg/kg又は50mg/kg)又は1日2回のMMB(30mg/kg)のいずれかにより試験期間中、マウスを経口で処置した。比較対照のデキサメタゾン(1mg/kg)又はTNF-α阻害剤エタネルセプト(10mg/kg)を0日目から毎日腹腔内注射で投与した。実験戦略の概要を示す模式図を図5に示す。
5日目から、ビヒクルと比較して、MMB(1日50mg/kg又は1日2回30mg/kg)又はエタネルセプトの毎日の投与後に、平均総関節炎スコア(図6A)、平均後肢関節炎スコア(図6B)及び平均後肢厚(図6C)の有意な減少が観察された。MMB処置(20mg/kg/日)もまた、ビヒクルと比較して7日目及び12日目の平均後肢厚を減少させた(図6C)。デキサメタゾン処置では、4日目~12日目のすべての測定値で減少した(図6A~6C)。これらの結果は、マウスコラーゲン抗体誘導性関節炎(CAIA)モデルにおいて、関節炎スコアリングにおける有意且つ持続的な減少を伴うMMBの抗関節炎活性を確認し、それは、TNF-α阻害剤エタネルセプトに対して非劣性を示した。
MMBの抗関節炎活性は、CAIAモデルにおいて、関節炎スコアリングにおける有意且つ持続的な減少によって確認され、それは、TNF-α阻害剤エタネルセプトに対して非劣性を示した。ACVR1-ヘプシジン軸に対するその阻害活性と一致して、MMBは、循環ヘプシジンレベルを低下させ、全身性鉄を動員し、その結果、ラットにおけるRAに関連した貧血の実質的な改善をもたらした。
実施例3:ラットモデルにおける関節リウマチのモメロチニブ(MMB)処置の評価
ラット関節リウマチ(RA)モデル
雌のルイスラットに15mg/kgの連鎖球菌のペプチドグリカン-多糖(PG-PS)を腹腔内(IP)投与して免疫し、関節リウマチモデルラットを作製した。ラットを使用して、JAK1/2及びACVR1の二重阻害剤モメロチニブ(MMB)のin vivoでの有効性を評価した。PG-PSにより免疫して関節リウマチを誘導した2週間後に、3日間又は21日間、MMB(5mg/kg、10mg/kg、25mg/kg)又はビヒクルの毎日の経口投与によりラットを処置した。
ラット関節リウマチ(RA)モデル
雌のルイスラットに15mg/kgの連鎖球菌のペプチドグリカン-多糖(PG-PS)を腹腔内(IP)投与して免疫し、関節リウマチモデルラットを作製した。ラットを使用して、JAK1/2及びACVR1の二重阻害剤モメロチニブ(MMB)のin vivoでの有効性を評価した。PG-PSにより免疫して関節リウマチを誘導した2週間後に、3日間又は21日間、MMB(5mg/kg、10mg/kg、25mg/kg)又はビヒクルの毎日の経口投与によりラットを処置した。
RA動物についてボンフェローニ・ポストホック検定を伴う一元配置ANOVAにより、統計的有意性を決定した(群あたりN=5~10、*p<0.05、**p<0.01)。
サイトカイン遺伝子の発現をReal-Time PCRによりプロファイリングした。血液のイムノフェノタイピングのために、白血球及び顆粒球数を取得した。血中ヘモグロビン並びに血清、脾臓及び肝臓の鉄レベルの測定により、貧血を評価した。
3日間の処置の後、MMB処置は、脾臓及び肝臓のサイトカイン発現、血中白血球及び顆粒球数を顕著に減少させる(図7A)。データを正規化し、群ごとの平均値をヒートマップとして示した。
21日間の処置の後、MMBは後肢の関節の腫脹を減少させる。図7Bは、健常ラット、関節リウマチラット及びMMB10(10mg/kg)処置ラットの代表的な写真及び後肢厚の合計を示す。
21日間の処置の後、MMB療法は、軟骨損傷を緩和する。図7Cは、代表的なH&E染色された後肢の関節切片を示す。
21日間の処置の後、MMBは、動物の後肢滑膜における好中球(CD45+CD11b/c+Granulocyte+)及びマクロファージ(CD45+Granulocyte-CD11b/c+Macrophage+)の浸潤を減少させる。図7Dは、MMB処置を受けたラットにおける関節の好中球及び関節のマクロファージのフローサイトメトリー(FC)データを示した。
図7Eは、21日間の処置の後、MMBが、健常ラットと比較して、RAラットのTh1(CD45+、CD3+、CD4+、FOXP3-、IFN-γ+、IL17A-)及び制御性Treg細胞(CD45+、CD3+、CD8-、CD4+、FOXP3+)に影響を与えずに、脾臓Th17細胞(CD45+、CD3+、CD4+、FOXP3-、IFN-γ-、IL17A+)の分化を阻害することを示すフローサイトメトリーデータを示す。
図7Fは、21日間の処置の後、MMBが、後肢滑膜組織におけるCD4+及びCD8+T細胞の浸潤を有意に減少させることを示すフローサイトメトリーデータを示す。
21日間の処置の後、MMBは、健常ラット及びRAラットと比較して、PG-PSラットRAにおいてヘプシジンを減少させ、貧血を是正する(図8)。
ヤヌスキナーゼ(JAK)は、炎症、免疫及び赤血球生成を統合する。いくつかのJAK阻害剤(JAKi)は、RA治療薬として承認されている。RAに関連した貧血の悪化は、JAKiの一般的な副作用である。JAK1/2及びアクチビン受容体1(ACVR1)阻害剤であるMMBは、PG-PSラットRAモデル及び骨髄線維症患者において貧血を改善する。
ここで、MMBは、ラットPG-PS関節炎モデルにおいて、有意な抗RA活性を示す。MMBは、ラットPG-PSモデルにおいて、全身性炎症、滑膜組織への免疫細胞の浸潤を改善し、関節炎誘発性Th17細胞の分化を阻害する。抗関節炎活性に加えて、MMB処置はヘプシジンを減少させ、鉄利用能を改善し、RAに関連した貧血を是正する。さらに、MMBは、ACVR1阻害を介して、炎症に起因するヘプシジン産生を減少させ、鉄利用能を改善し、赤血球生成を改善する。
実施例4:CAIAマウス関節リウマチにおけるモメロチニブ(MMB)の臨床的活性及び非劣性
マウス関節リウマチ(RA)モデル
BALB/Cマウスに、0日目に2mgの抗コラーゲンII抗体を腹腔内投与(IP)し、3日目に100μgのリポ多糖(LPS)を腹腔内注射して免疫した。RA誘導時から、マウスは、1日1回のビヒクル、MMB(50mg/kg)、1日2回のMMB(30mg/kg)又は毎日の腹腔内エタネルセプト(ETA)(10mg/kg)のいずれかで、試験の全期間にわたって経口投与された。
マウス関節リウマチ(RA)モデル
BALB/Cマウスに、0日目に2mgの抗コラーゲンII抗体を腹腔内投与(IP)し、3日目に100μgのリポ多糖(LPS)を腹腔内注射して免疫した。RA誘導時から、マウスは、1日1回のビヒクル、MMB(50mg/kg)、1日2回のMMB(30mg/kg)又は毎日の腹腔内エタネルセプト(ETA)(10mg/kg)のいずれかで、試験の全期間にわたって経口投与された。
関節リウマチの連続的な評価を、動物及び後肢のスコアリング並びに後肢厚の測定によって実施した。
6日目から、ビヒクルと比較して、MMB(1日50mg/kg又は1日2回30mg/kg)又はエタネルセプトを毎日投与した後、平均総動物関節リウマチスコア(図9A)及び平均後肢関節リウマチスコア(図9B)及び平均後肢厚(図9C)の顕著な減少が観察された。これらの結果は、マウスコラーゲン抗体誘導性関節炎(CAIA)モデルにおいて、関節リウマチのスコアが有意且つ持続的に減少するMMBの抗関節炎活性を支持し、それはTNF-α阻害剤エタネルセプトに対して非劣性を示す。RA-両方比較のための反復測定ANOVAにより統計的有意性を決定した(N=10~13/群、***p<0.001)。
MMBは、マウスCAIA RAモデルにおいて有意な抗関節炎活性を示し、エタネルセプトと少なくとも同等の効果があることを示す。集合的に、これらのデータは、MMB処置が、関節炎の齧歯類モデルにおける局所的及び全身的な炎症並びにその結果として生じる貧血に対処可能であることを強く示唆する。
均等物及び参照による組み込み
本発明は、好ましい実施形態及び様々な代替的な実施形態を参照して特に示され、説明されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細における様々な変更がそこになされ得ることは、関連技術分野の当業者には理解される。
本発明は、好ましい実施形態及び様々な代替的な実施形態を参照して特に示され、説明されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細における様々な変更がそこになされ得ることは、関連技術分野の当業者には理解される。
本明細書の本文中に引用されたすべての文献、刊行済み特許及び特許出願は、すべての目的のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
Claims (40)
- 関節の炎症を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量のモメロチニブ(MMB)又はその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、前記方法。
- 前記対象が関節炎を有する、請求項1に記載の方法。
- 前記対象が関節リウマチを有する、請求項2に記載の方法。
- 関節の炎症を治療することが、関節炎の1又は2以上の症状を少なくとも改善することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
- 関節炎の1又は2以上の症状を少なくとも改善することが、関節体積の減少を含む、請求項4に記載の方法。
- 前記関節体積の減少が、治療有効量のMMBを投与する前の関節体積と比較して、少なくとも2%である、請求項5に記載の方法。
- 前記関節体積の減少が、治療有効量のMMBを投与する前の関節体積と比較して、少なくとも5%である、請求項6に記載の方法。
- 関節の炎症を治療することが、炎症している関節の径の減少によって測定される、患部組織の腫脹の改善を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記炎症している関節の径の減少が、治療有効量のMMBを投与する前の炎症している関節の径と比較して、少なくとも2%である、請求項8に記載の方法。
- 関節の炎症を治療することが、治療有効量のMMBを投与した後に前記対象における血中好中球数を減少させることを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
- 関節の炎症を治療することが、脾臓及び/又は滑膜組織における骨髄系細胞の浸潤を減少させることを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
- 滑膜組織における顆粒球、マクロファージ、単球及び好中球のうちの少なくとも1種を減少させることを含む、請求項11に記載の方法。
- 炎症性マクロファージが、CD1lb+である、請求項12に記載の方法。
- MMBを投与する前の前記対象の滑膜組織における顆粒球又はマクロファージのうちの少なくとも一方の量と比較して、滑膜組織における顆粒球又はマクロファージのうちの少なくとも一方の量を減少させることを含む、請求項12に記載の方法。
- 顆粒球又はマクロファージのうちの少なくとも一方の量が、少なくとも10%減少する、請求項14に記載の方法。
- 顆粒球又はマクロファージのうちの少なくとも一方の量が、少なくとも15%減少する、請求項15に記載の方法。
- 顆粒球又はマクロファージのうちの少なくとも一方の量が、少なくとも20%減少する、請求項16に記載の方法。
- 顆粒球又はマクロファージのうちの少なくとも一方の量が、少なくとも30%減少する、請求項17に記載の方法。
- 顆粒球又はマクロファージのうちの少なくとも一方の量が、少なくとも40%減少する、請求項18に記載の方法。
- 顆粒球又はマクロファージのうちの少なくとも一方の量が、少なくとも50%減少する、請求項19に記載の方法。
- 顆粒球又はマクロファージのうちの少なくとも一方の量が、少なくとも60%減少する、請求項20に記載の方法。
- 治療有効量のMMB又はその薬学的に許容可能な塩を投与することにより、MMB又はその薬学的に許容可能な塩を投与する前の前記対象の脾臓におけるIL-17A産生ヘルパーTリンパ球(Thl7細胞)の数と比較して、前記対象の脾臓におけるIL-17A産生ヘルパーTリンパ球(Thl7細胞)の数が減少する、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
- 治療有効量のMMB又はその薬学的に許容可能な塩を投与することにより、MMB又はその薬学的に許容可能な塩を投与する前の前記対象の炎症している関節の滑膜組織におけるCD4+T細胞及び/又はCD8+T細胞の数と比較して、前記対象の炎症している関節の滑膜組織におけるCD4+T細胞及び/又はCD8+T細胞の数が減少する、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
- MMB又はその薬学的に許容可能な塩が経口投与される、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
- MMB又はその薬学的に許容可能な塩が毎日投与される、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
- MMB又はその薬学的に許容可能な塩が毎週投与される、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
- MMB又はその薬学的に許容可能な塩が断続的に投与される、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
- MMB又はその薬学的に許容可能な塩の治療有効量が25~500mg/日である、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
- MMB又はその薬学的に許容可能な塩の治療有効量が、25mg/日、50mg/日、100mg/日、200mg/日、300mg/日、400mg/日及び500mg/日から選択される、請求項28に記載の方法。
- MMB又はその薬学的に許容可能な塩の治療有効量が200mg/日である、請求項29に記載の方法。
- 治療有効量のMMB又はその薬学的に許容可能な塩が、1週間又はそれ以上の期間投与される、請求項30に記載の方法。
- 治療有効量のMMB又はその薬学的に許容可能な塩が、2週間又はそれ以上の期間投与される、請求項31に記載の方法。
- 治療有効量のMMB又はその薬学的に許容可能な塩が、3週間又はそれ以上の期間投与される、請求項32に記載の方法。
- 治療有効量のMMB又はその薬学的に許容可能な塩が、1か月又はそれ以上の期間投与される、請求項33に記載の方法。
- 前記対象が哺乳動物である、請求項1~34のいずれか一項に記載の方法。
- 前記対象がヒトである、請求項1~35のいずれか一項に記載の方法。
- 対象における関節の炎症を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量のモメロチニブ(MMB)又はその薬学的に許容可能な塩を投与することと、前記対象に1種又は2種以上の追加の抗炎症剤を投与することとを含む、前記方法。
- 前記1種又は2種以上の追加の抗炎症剤が、抗関節炎剤である、請求項37に記載の方法。
- 対象における関節の炎症を治療するとともに炎症に関連した貧血を治療する方法であって、それを必要とする対象に治療有効量のモメロチニブ(MMB)又はその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、前記方法。
- 前記対象が、正常範囲を超えるトランスフェリンレベル又はヘプシジンレベルを有し、且つ、正常範囲を下回る血清鉄及びトランスフェリン飽和度を有する、請求項39に記載の方法。
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