JP2023510746A - Smarca2-vhl分解剤 - Google Patents

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    • A61P35/00Antineoplastic agents

Abstract

Figure 2023510746000001
本発明は、式(I)

Description

本発明は、全体として、スイッチ/スクロース非発酵(Switch/Sucrose Non-Fermentable)(SWI/SNF)複合体及びvon Hippel-Lindau(VHL)E3リガーゼ複合体に結合する、置換されている3-ピリダジニル-2-フェノール及び6-(1,2,4-トリアジニル)-2-フェノールのクラス、特に、SWI/SNF関連マトリックス結合性アクチン依存性のクロマチン制御因子、サブファミリA、メンバー2及び4(SWI/SNF Related,Matrix Associated,Actin Dependent Regulator of Chromatin,Subfamily A,Members 2 and 4)(SMARCA2及び/又はSMARCA4)並びにVHLに結合する、置換されている3-ピリダジニル-2-フェノール化合物及び6-(1,2,4-トリアジニル)-2-フェノール化合物、これらの使用、これらの調製プロセス、並びに前記化合物を含む組成物に関する。ある特定の態様では、本明細書で説明されている化合物は、SMARCA2及びVHLに同時に結合して、SMARCA2のユビキチン化を促進し、且つその後のSMARCA2の標的分解を促進する。これらの化合物は、固形腫瘍癌の処置等の様々な治療領域で有用である。
クロマチンは、染色体を構成するDNA及びタンパク質の複雑な組合せである。クロマチンは、真核細胞の核内で見られ、ヘテロクロマチン(凝縮)型とユークロマチン(伸長)型とに分けられる。クロマチンの主成分は、DNA及びタンパク質である。ヒストンは、クロマチンの主要なタンパク質成分であり、DNAが巻き付くスプールとして機能する。クロマチンの機能は、細胞内に収まるようにDNAを小さい体積にパッケージすること、有糸分裂及び減数分裂を可能とするようにDNAを強化すること、並びに発現及びDNA複製を制御するためのメカニズムとして機能することである。クロマチンの状態は、ヒストンタンパク質(特に、ヒストンH3及びH4)に対する及び最も一般的にはコアヌクレオソーム構造を超えて伸びる「ヒストンテール」内での一連の翻訳後改変により制御されている。ヒストンテールは、タンパク質間相互作用の部位であり、ヒストンの、翻訳後改変を最も受けやすい部分でもある。これらの改変として、アセチル化、メチル化、リン酸化、ユビキチン化、及びSUMO化が挙げられる。これらのエピジェネティックマークは、ヒストンテール内の特定の残基にタグを付す特定の酵素により書き込まれ、且つ消去され、それによりエピジェネティックコードが形成され、次いで、このエピジェネティックコードが細胞により解釈されて、クロマチン構造の遺伝子特異的制御が可能となり、それにより転写が可能となる。
全てのクラスのタンパク質の中で、ヒストンは、翻訳後改変の影響を最も受けやすいものの一つである。ヒストン改変は、特定の刺激に反応して付加され得るか又は除去され得ることから動的であり、これらの改変は、クロマチンの構造変化及び遺伝子転写の変更の両方を指示する。異なるクラスの酵素(即ち、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)及びヒストンデアセチラーゼ(HDAC))は、特定のヒストンリシン残基をアセチル化するか、又は脱アセチル化する(Struhl K.,GenesDev.,1989,12,5,599-606)。
約110個のアミノ酸の長さのブロモドメインは、多数のクロマチン関連タンパク質で形成されており、多くの場合には他のタンパク質モチーフに隣接して、約70種のヒトタンパク質で同定されている(Jeanmougin F.,et al.,Trends Biochem. Sci.,1997,22,5,151-153;及びTamkun J.W.,et al.,Cell,1992,7,3,561-572)。ブロモドメインと、改変されたヒストンとの間の相互作用は、クロマチン構造変化及び遺伝子制御の根底にある重要なメカニズムであり得る。ブロモドメイン含有タンパク質は、癌、炎症、及びウイルス複製等の疾患プロセスに関与している。例えば、Prinjha et al.,Trends Pharm. Sci.,33(3):146-153(2012)、及びMuller et al.,Expert Rev.,13(29):1-20(September 2011)を参照されたい。
細胞型特異性及び適切な組織機能性には、環境による影響を密接に受ける異なる転写プログラムの厳密な制御が必要である。この転写恒常性の変更は、多くの疾患状態(特に、癌、免疫炎症、神経障害、及び代謝疾患)に直接関連している。ブロモドメインは、特徴的な疾患関連転写経路を制御する役割を果たす重要なクロマチン改変複合体内に存在する。そのような複合体の一例は、SWI/SNFクロマチンリモデリング複合体であり、この複合体は、遺伝子制御、細胞系統の仕様及び発生に関与することが報告されており、SMARCA4(BRG1としても既知である)、SMARCA2(BRMとしても既知である)、及びPB1(PBRM1としても既知である)等の多くのブロモドメイン含有サブユニットを含む(Hohmann et al.,Trends in Genetics,30(8):356-363(2014)を参照されたい)。SWI/SNFサブユニットの不活性化変異は、ヒト癌の約20%で見られることが報告されており、近年の研究により、ある特定のサブユニット間での合成致死相互作用が明らかになっている(同文献)。例えば、SMARCA2は、SMARCA4欠損癌での合成致死標的として同定されている(Hoffman et al.,PNAS,111(8):3128-3133(2014);Oike et al.,Cancer Research,73(17):5508-5518(2013))。加えて、他の研究により、SWI/SNF変異を欠くある特定の癌がSMARCA2阻害に対して感受性であることが分かっている。従って、SMARCA2、SMARCA4、及びPB1等のある特定のSWI/SNFサブユニットの選択的阻害は、癌等のヒト機能不全の処置のための新規の治療薬の開発の様々な機会をもたらす。
Struhl K.,Genes Dev.,1989,12,5,599-606 Jeanmougin F.,et al.,Trends Biochem.Sci.,1997,22,5,151-153 Tamkun J.W.,et al.,Cell,1992,7,3,561-572 Prinjha et al.,Trends Pharm.Sci.,33(3):146-153(2012) Muller et al.,Expert Rev.,13(29):1-20(September 2011) Hohmann et al.,Trends in Genetics,30(8):356-363(2014) Hoffman et al.,PNAS,111(8):3128-3133(2014) Oike et al.,Cancer Research,73(17):5508-5518(2013)
本開示は、分解するためにE3ユビキチンリガーゼに内因性タンパク質を動員するように機能する二重特異性化合物、及びこの化合物を使用する方法を説明する。具体的には、本開示は、二重特異性又はタンパク質分解性のターゲティングキメラ(PROTAC)化合物を提供し、この化合物は、様々なポリペプチド及び他のタンパク質の標的を定めたユビキチン化のモジュレータとしての有用性を見出しており、これらのポリペプチド及びタンパク質は、次いで、本明細書で説明されている二重特異性化合物により分解される、及び/又は他の方法で阻害される。本明細書で提供される化合物の利点は、事実上あらゆるタンパク質のクラス又はファミリからの標的ポリペプチドの分解/阻害と一致する、広範囲の薬理学的活性が可能であるということである。加えて、本明細書は、癌(例えば、肺癌又は非小細胞肺癌等のSMARCA4変異/欠損癌)等の疾患状態の処置又は寛解のために、本明細書で説明されている化合物の有効な量を使用する方法を提供する。
そのため、癌(より具体的には、癌腫疾患等の固形癌)の予防及び/又は処置において、SMARCA2、SMARCA4、及びPB1の活性を調節するための新規のアプローチが必要とされている。異なる作用機序を利用し、且つ短期及び長期の両方において症状の緩和、安全性、及び患者死亡率の点でより良好な結果を有し得る薬剤が、依然として必要とされている。
本発明は、ブロモドメインタンパク質に結合する(より具体的には、SMARCA2及び/又はSMARCA4に結合するか又は阻害する)化合物を提供する。本発明は、一態様では、SMARCA2及び/又はSMARCA4に結合する、置換されている3-ピリダジニル-2-フェノール及び6-(1,2,4-トリアジニル)-2-フェノールを提供する。本明細書で提供されるある特定の化合物は、ポリブロモ1(PB1及びPBRM1として既知である)並びにブロモドメインタンパク質のBETファミリ(例えば、BRD2、BRD3、BRD4等)を含む他のブロモドメインとの結合会合と比較したSMARCA2及び/又はSMARCA4への選択的結合を提供する。本明細書により提供されるある特定の化合物は、IC50により測定した場合に、他のブロモドメイン含有タンパク質と比較してSMARCA2及び/又はSMARCA4に関する結合親和性が少なくとも10倍高い。ある特定の態様では、本発明の化合物は、他のブロモドメイン含有タンパク質と比較してSMARCA2及び/又はSMARCA4の少なくとも20倍又は50倍の選択的結合剤である。SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性の阻害は、癌(特に、固形腫瘍、即ち癌腫)等の様々な疾患の処置又は予防で望ましい場合がある。SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性の阻害は、様々な疾患(例えば、肺癌、膵癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、食道癌、腎癌、及びラブドイド癌(rhabdoid cancer))の処置又は予防で特に望ましい場合がある。
本発明は、一態様では、ブロモドメインに結合する(より具体的にはSMARCA2又はSMARCA4に結合する)、置換されている3-ピリダジニル-2-フェノール化合物及び6-(1,2,4-トリアジニル)-2-フェノール化合物を提供する。好ましくは、本発明の置換されている3-ピリダジニル-2-フェノール化合物及び6-(1,2,4-トリアジニル)-2-フェノール化合物は、SMARCA2阻害剤又はSMARCA4阻害剤である。
本発明の置換ピリダジン化合物は、式(I):
Figure 2023510746000002
に係る化合物及び塩である。
同様に提供されるのは、薬学的に許容される賦形剤、担体、又はアジュバントと、式(I)又はその部分式の少なくとも1種の化合物とを含む医薬組成物である。本発明により提供される医薬組成物は、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性により媒介される疾患の処置での使用に好適である。ある特定の態様では、本発明の医薬組成物は、クロマチンサイレンシング又はクロマチンリモデリングのいずれかの変化に関連する疾患(例えば、肺癌、膵癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、食道癌、腎癌、及びラブドイド癌等の癌)の処置での使用に好適である。
同様に提供されるのは、薬学的に許容される賦形剤、担体、又はアジュバントと、式(I)又はその部分式の少なくとも1種の化合物とを含む医薬組成物、並びにクロマチンサイレンシング又はクロマチンリモデリングにより媒介され且つSMARCA2及び/又はSMARCA4の活性に依存する疾患に罹患している患者を処置するためにこの組成物を使用するための指示書を含む、パッケージ化された医薬組成物である。ある特定の例では、この患者は、癌に罹患しており、より具体的には、固形腫瘍、例えば、ラブドイド癌、又は肺癌、膵癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、食道癌、腎癌に罹患している。ある特定の態様では、肺の腺癌の処置のための、パッケージ化された医薬組成物であって、薬学的に許容される賦形剤、担体、又はアジュバントと、式(I)又はその部分式の少なくとも1種の化合物とを含む医薬組成物、及びこの肺の腺癌に罹患している患者を処置するためにこの組成物を使用するための指示書を含む組成物が提供される。
同様に提供されるのは、哺乳動物において疾患を処置するか又は予防する方法であって、式(I)若しくはその部分式の少なくとも1種の化合物、又は薬学的に許容される賦形剤、担体、又はアジュバントと、式(I)若しくはその部分式の少なくとも1種の化合物とを含む医薬組成物の治療上有効な量を、必要な哺乳動物に投与することを含む方法である。
同様に提供されるのは、哺乳動物においてSMARCA2及び/又はSMARCA4の活性を調節する方法であって、式(I)若しくはその部分式の少なくとも1種の化合物、又は薬学的に許容される賦形剤、担体、又はアジュバントと、式(I)若しくはその部分式の少なくとも1種の化合物とを含む医薬組成物の治療上有効な量を、必要な哺乳動物に投与することを含む方法である。本発明の別の態様は、SMARCA4欠損又は変異疾患又は障害を処置する方法であって、治療が必要な患者に、本発明のSMARCA2及び/又はSMARCA4阻害剤を投与することを含む方法に関する。ある特定の実施形態では、SMARCA4変異又は欠損疾患又は障害は、肺癌、膵癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、食道癌、腎癌、及びラブドイド癌からなる群から選択される。
同様に提供されるのは、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性により媒介される疾患を処置するか又は予防するための薬剤の製造における、式I又はその部分式の少なくとも1種の化合物の使用である。
同様に提供されるのは、式I又はその部分式の化合物を調製する方法である。
他の態様及び実施形態は、下記の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。
本発明は、全体として、SMARCA2及び/又はSMARCA4に結合し、より具体的にはSMARCA2及び/又はSMARCA4の活性を調節し、ある特定の態様ではSMARCA2及び/又はSMARCA4の活性を阻害する、式Iの化合物並びにその塩及び互変異性体に関する。具体的には、本発明は、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性を選択的にブロックする化合物に関する。本明細書で提供されるある特定の化合物は、SWI/SNFリモデリング複合体にも関連するBRD7/9等の他のブロモドメインタンパク質、並びにBRD4及びその近縁相同体等の他のクロマチンリーダーに対する活性と比較して、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性を選択的に阻害する。本明細書で提供されるある特定の化合物は、他のブロモドメインタンパク質と比較して、SMARCA2及び/又はSMARCA4阻害に関して少なくとも10倍の選択性を付与する。本明細書で提供される他の化合物は、他のブロモドメインタンパク質と比較して、SMARCA2及び/又はSMARCA4阻害に関して少なくとも20倍、50倍、又は100倍の選択性を付与する。理論に拘束されることを望まないが、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性の選択的阻害は、SWI/SNF媒介クロマチンリモデリングの変化又はポリコーム抑制複合体(PRC)の活性の変化のいずれかと関連する疾患又は障害の処置に特に望ましい場合があると考えられる。
第1の実施形態では、化合物及びその塩であって、この化合物は、式(I):
Figure 2023510746000003
で表され、
式中、
は、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、ヒドロキシC~Cアルキル、又はC~Cシクロアルキルであり;
は、水素、C~Cアルキル、ヒドロキシC~Cアルキル、又はハロC~Cアルキルであり;
は、C(CH3a又はC~Cシクロアルキルであり、ここで、このシクロアルキルは、ハロゲン、ヒドロキシ、C~Cアルキル、ヒドロキシC~Cアルキル、ハロC~Cアルキル、C~Cアルコキシ、及びハロC~Cアルコキシからなる群から独立して選択される0、1、又は2個の基で任意選択的に置換されており、
3aは、水素、C~Cアルキル、ヒドロキシC~Cアルキル、又はハロC~Cアルキルであり;
Lは、結合、又は二価のC~Cアルカンジイルリンカーであり;
は、水素又はアミノであり;
は、各出現で、水素及びハロゲンから独立して選択され;
nは、0、1、2、又は3であり;
は、CH、N、O、若しくはSであり;
は、CH、N、O、若しくはSであり、ここで、X及びXのうちの0若しくは1個は、酸素原子若しくは硫黄原子であり;
は、CH、N、若しくは不存在であり;
は、CH若しくはNであり、ここで、Xは、X若しくはXがO若しくはSである場合には不存在であり、X、X、X、及びXのうちの少なくとも2つは、CH若しくは不存在であるか;又は
は、-C(H)=C(H)-であり;
は、CH若しくはNであり;
は、CH若しくはNであり;
は、不存在であり;
Zは、CH又はNである、
化合物及びその塩が提供される。
第2の実施形態では、第1の実施形態の化合物及びその塩であって、この化合物は、式II:
Figure 2023510746000004
で表される、化合物及びその塩が提供される。
第3の実施形態では、Rは、水素、フルオロ、クロロ、メチル、又はエチルである、第1又は第2の実施形態の化合物又はその塩が提供される。
第4の実施形態では、Rは、水素又はメチルである、第1又は第2の実施形態の化合物又はその塩が提供される。第3又は第4の実施形態のある特定の態様では、Rは、水素である、化合物又はその塩が提供される。第3又は第4の実施形態の他の態様では、Rは、メチルである、化合物又はその塩が提供される。
第5の実施形態では、Rは、水素、メチル、又はエチルである、第1~第4の実施形態のうちのいずれか1つの化合物又はその塩が提供される。
第6の実施形態では、Rは、イソプロピル、tert-ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-メチルシクロプロピル、1-メチルシクロブチル、又は1-メチルシクロペンチルである、第1~第5の実施形態のうちのいずれか1つの化合物又はその塩が提供される。
第7の実施形態では、Rは、イソプロピル又はtert-ブチルである、第6の実施形態の化合物又はその塩が提供される。第6又は第7の実施形態のある特定の態様では、Rは、イソプロピルである、化合物又はその塩が提供される。第6又は第7の実施形態の他の態様では、Rは、ter-ブチルである、化合物又はその塩が提供される。
第8の実施形態では、Lは、結合、メチレン(-CH-)、又はエチレン(-CHCH-)である、第1~第7の実施形態のうちのいずれか1つの化合物又はその塩が提供される。
第9の実施形態では、Lは、結合である、第8の実施形態の化合物又はその塩が提供される。
第10の実施形態では、Lは、メチレン(-CH-)である、第8の実施形態の化合物又はその塩が提供される。
第11の実施形態では、Rは、アミノである、第1~第10の実施形態のうちのいずれか1つの化合物又はその塩が提供される。
第12の実施形態では、nは、0である、第1~第11の実施形態のうちのいずれか1つの化合物又はその塩が提供される。
第13の実施形態では、nは、1であり、Rは、フルオロである、第1~第11の実施形態のうちのいずれか1つの化合物又はその塩が提供される。
第14の実施形態では、Zは、CHである、第1~第13の実施形態のうちのいずれか1つの化合物又はその塩が提供される。
第15の実施形態では、X、X、X、及びXのそれぞれは、CHである、第1~第14の実施形態のうちのいずれか1つの化合物又はその塩が提供される。
第16の実施形態では、Xのそれぞれは、CH又はNであり;X、X、及びXは、CHである、第1~第14の実施形態のうちのいずれか1つの化合物又はその塩が提供される。
第17の実施形態では、Xは、Nであり;X、X、及びXは、CHである、第1~第14の実施形態のうちのいずれか1つの化合物又はその塩が提供される。
第18の実施形態では、Xのそれぞれは、CH又はNであり;X、X、及びXは、CHである、第1~第14の実施形態のうちのいずれか1つの化合物又はその塩が提供される。
第19の実施形態では、Xのそれぞれは、Nであり;X、X、及びXは、CHである、第1~第14の実施形態のうちのいずれか1つの化合物又はその塩が提供される。
第20の実施形態では、Xは、CH、N、又はSであり;Xは、CHであり;Xは、不存在であり;Xは、CH又はSであり、ここで、X及びXのうちの少なくとも1つは、CHではなく、X及びXのうちの少なくとも1つは、Sではない、第1~第14の実施形態のうちのいずれか1つの化合物又はその塩が提供される。
第21の実施形態では、Xは、Nであり;Xは、CHであり;Xは、不存在であり、Xは、Sである、第20の実施形態の化合物又はその塩が提供される。
第22の実施形態では、Xは、Sであり;X及びXは、それぞれCHであり;Xは、不存在である、第20の実施形態の化合物又はその塩が提供される。
第23の実施形態では、第1又は第2の実施形態の化合物又はその塩は、式III:
Figure 2023510746000005
で表され、
式中、
は、水素又はメチルであり;
Lは、結合、又は二価のメタンジイルであり;
3aは、水素又はメチルであり;
は、CH又はNであり;
は、CH又はNであり、ここで、X及びXのうちの少なくとも1つは、CHである。
第24の実施形態では、第1の実施形態の化合物及びその塩であって、この化合物は、
Figure 2023510746000006
Figure 2023510746000007
Figure 2023510746000008
Figure 2023510746000009
Figure 2023510746000010
からなる群から選択される、化合物又はその塩が提供される。
別の実施形態では、1種又は複数種の薬学的に許容される担体と、式I又はその部分式のうちのいずれか1つの化合物の治療上有効な量とを含む医薬組成物が提供される。一部の態様は、この組成物は、注射用液体、噴霧剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、シロップ剤、クリーム剤、ゲル剤、及び経皮パッチからなる群から選択される形態で製剤化されている。ある特定の態様では、この組成物は、好ましくは、注射用液体の形態で製剤化されている。好ましい注射用液体は、点滴投与、静脈内投与、又は皮下投与に適している。
別の実施形態では、式I又はその部分式のうちのいずれか1つの化合物の治療上有効な量を含む組合せ(特に医薬組合せ)が提供される。
別の実施形態では、対象において、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性を調節する方法であって、式I又はその部分式の治療上有効な量を、この対象に投与することを含む方法が提供される。この実施形態の好ましい態様では、対象において、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性を阻害する方法であって、式I又はその部分式の化合物の治療上有効な量を、この対象に投与することを含む方法が提供される。この実施形態のある特定の態様では、対象において、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性を阻害する方法であって、式I又はその部分式の化合物の治療上有効な量を、この対象に投与することを含む方法が提供される。
さらに他の実施形態では、対象において、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性により媒介される障害又は疾患を処置する方法が提供される。この方法は、式I又はその部分式の化合物の治療上有効な量を、この対象に投与することを含む。
別の実施形態では、疾患又は障害を処置するか又は予防する方法であって、この疾患又は障害は、SMARCA2及び/又はSMARCA4により媒介される、方法が提供される。ある特定の態様では、この疾患又は障害は、SMARCA4の欠損又は変異の疾患又は障害である。この実施形態のある特定の態様では、この疾患又は障害は、肺癌、膵癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、食道癌、腎癌、及びラブドイド癌から選択される。この実施形態のある特定の具体的な態様では、この疾患又は障害は、肺癌、膵癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、食道癌、及び腎癌からなる群から選択され、この方法は、式I又はその部分式の化合物又は塩の治療上有効な量を、治療が必要な対象に投与する工程を含む。この実施形態のある特定の態様では、この方法は、肺癌、膵癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、食道癌、腎癌、及びラブドイド癌から選択される疾患又は障害を処置することを含む。ある特定の例では、この処置方法及び/又は予防方法は、肺腺癌の処置及び/又は予防に好適である。
別の態様では、本発明は、対象における、SMARCA2及び/又はSMARCA4により媒介される障害又は疾患の処置のための薬剤の調製での使用のための又はこの薬剤の製造での使用のための、式I又はその部分式の化合物の使用を提供する。ある特定の態様では、この疾患又は障害は、SMARCA4の欠損又は変異の疾患又は障害である。ある特定の他の態様では、本発明は、SMARCA2及び/又はSMARCA4により媒介される疾患又は障害の処置における、式I又はその部分式に係る化合物の使用を提供する。この実施形態のある特定の使用では、この疾患又は障害は、肺癌、膵癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、食道癌、腎癌、及びラブドイド癌から選択される。より具体的には、ヒト癌腫から選択される疾患又は障害の処置(より具体的には、肺癌、膵癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、食道癌、腎癌、及びラブドイド癌の処置)のための薬剤の調製での式Iの化合物の使用、又はこの薬剤の製造における使用での式Iの化合物の使用。ある特定の例では、本発明は、肺癌、膵癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、食道癌、腎癌、及びラブドイド癌等の癌から選択される、対象における疾患又は障害の処置のための薬剤の調製での使用のための又はこの薬剤の製造での使用のための、式I又はその部分式の化合物の使用を提供する。ある特定の例では、本発明は、肺のSMARCA4変異腺癌の処置のための薬剤の調製での使用のための又はこの薬剤の製造での使用のための、式I又はその部分式の化合物の使用を提供する。
本明細書を解釈するために、下記の定義が適用されることになり、適宜、単数形で使用される用語は、複数形も含むことになり、逆の場合も同様である。
本明細書で使用される場合、「PROTAC」という用語は、標的タンパク質のリガンド、リンカー、E3リガーゼのリガンドで構成された二重特異性分子を指す。標的タンパク質とは、PROTACによりユビキチンを受け取るタンパク質のことであり、それにより、ユビキチンプロテアソーム系の26Sプロテアソーム等のユビキチンプロテアソーム系(UPS)による破壊のために、前記標的タンパク質にタグが付される。「リンカー」は、PROTAC分子中においてE3リガーゼのリガンドから標的タンパク質のリガンドを分離するために使用されるスペーサーを指す。
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、最大20個の炭素原子を有する完全に飽和の分岐状又は非分岐状の炭化水素部分を指す。別途記載されていない限り、アルキルは、1~20個の炭素原子、1~16個の炭素原子、1~10個の炭素原子、1~7個の炭素原子、又は1~4個の炭素原子を有する炭化水素部分を指す。アルキルの代表的な例として下記挙げられるが、これらに限定されない:メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、及び同類のもの。
本明細書で使用される場合、「アルキレン」という用語は、1~20個の炭素原子を有する、本明細書において上記で定義された二価アルキル基を指す。別途記載されていない限り、アルキレンは、1~20個の炭素原子、1~16個の炭素原子、1~10個の炭素原子、1~7個の炭素原子、又は1~4個の炭素原子を有する部分を指す。アルキレンの代表的な例として下記が挙げられるが、これらに限定されない:メチレン、エチレン、n-プロピレン、イソ-プロピレン、n-ブチレン、sec-ブチレン、イソ-ブチレン、tert-ブチレン、n-ペンチレン、イソペンチレン、ネオペンチレン、n-ヘキシレン、3-メチルヘキシレン、2,2-ジメチルペンチレン、2,3-ジメチルペンチレン、n-ヘプチレン、n-オクチレン、n-ノニレン、n-デシレン、及び同類のもの。
本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」という用語は、本明細書で定義されている1つ又は複数のハロ基で置換されている、本明細書で定義されているアルキルを指す。ハロアルキルは、モノハロアルキル、ジハロアルキル、又はパーハロアルキルを含むポリハロアルキルであり得る。モノハロアルキルは、アルキル基内に1個のヨード、ブロモ、クロロ、又はフルオロを有し得る。ジハロアルキル及びポリハロアルキル基は、アルキル内に2個以上の同じハロ原子又は異なるハロ基の組合せを有し得る。典型的には、ポリハロアルキルは、最大で12個、又は10個、又は8個、又は6個、又は4個、又は3個、又は2個のハロ基を含む。ハロアルキルの非限定的な例として、下記が挙げられる:フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチル、及びジクロロプロピル。パーハロアルキルは、全ての水素原子がハロ原子で置き換えられたアルキルを指す。
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシアルキル」という用語は、1つ又は複数のヒドロキシ基で置換されている、本明細書で定義されているアルキルを指す。「ヒドロキシシクロアルキル-アルキル」という用語は、本明細書で定義される通り、シクロアルキル基で置換されており、且つ更にヒドロキシ基で置換されているアルキル基を指す。ヒドロキシ基は、アルキル基、シクロアルキル基、又はアルキル基及びシクロアルキル基のそれぞれにあり得る。
「アリール」という用語は、環部分において6~20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基を指す。典型的には、アリールは、6~20個の炭素原子を有する単環式、二環式、又は三環式のアリールである。さらに、「アリール」という用語は、本明細書で使用される場合、単一の芳香環又は共に縮合された複数の芳香環であり得る芳香族置換基を指す。非限定的な例として、フェニル、ナフチル、又はテトラヒドロナフチルが挙げられ、これらのそれぞれは、アルキル、トリフルオロメチル、シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、アルキル-C(O)-O-、アリール-O-、ヘテロアリール-O-、アミノ、チオール、アルキル-S-、アリール-S-、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルキル-O-C(O)--、カルバモイル、アルキル-S(O)-、スルホニル、スルホンアミド、フェニル、及びヘテロシクリル等の1~4個の置換基で任意選択的に置換され得る。
「アラルキル」という用語は、アリール基又はヘテロアリール基で置換されているアルキル基を指す。さらに、「アラルキル」という用語は、1~4個の炭素原子と、アルキル基の1つ又は2つの炭素原子に結合した1つ又は2つのアリール又はヘテロアリール基とを有するアルキル基を指す。アラルキルの非限定的な例として、下記が挙げられる:フェニル、1-又は2-ナフチル、2-又は3-チエニル、2-又は3-フリル、2-又は3-ピロリル、2-、4-、又は5-イミダゾリル、3-、4-、又は5-ピラゾリル、2-、4-、又は5-チアゾリル、3-、4-、又は5-イソチアゾリル、2-、4-、又は5-オキサゾリル、3-、4-、又は5-イソオキサゾリル、3-又は5-1,2,4-トリアゾリル、4-又は5-1,2,3-トリアゾリル、テトラゾリル、2-、3-、又は4-ピリジル、3-又は4-ピリダジニル、3-、4-、又は5-ピラジニル、2-ピラジニル、並びに2-、4-、及び5-ピリミジニルから選択される1つ又は2つのアリール基又はヘテロアリール基で置換されているメチル、エチル、又はプロピルが挙げられる。ある特定の好ましいアラルキル基として、ベンジル及びナフチルメチルが挙げられる。本明細書で使用される場合、「アルコキシ」という用語は、アルキル-O--を指し、アルキルは、本明細書において上記で定義されている。アルコキシの代表的な例として下記が挙げられるが、これらに限定されない:メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2-プロポキシ、ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロプロピルオキシ-、シクロヘキシルオキシ-、及び同類のもの。典型的には、アルコキシ基は、約1~7個、より好ましくは約1~4個の炭素を有する。
本明細書で使用される場合、「複素環」、「ヘテロシクロアルキル」、又は「ヘテロシクロ」という用語は、飽和又は不飽和の非芳香環又は環系を指し、例えば、4、5、6、若しくは7員の単環式、7、8、9、10、11、若しくは12員の二環式、又は10、11、12、13、14、若しくは15員三環式の環系であり、且つO、S、及びNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含み、N及びSはまた、様々な酸化状態へと任意選択的に酸化され得る。複素環式基は、ヘテロ原子又は炭素原子で結合され得る。ヘテロシクロアルキルは、縮合環又は架橋環、及びスピロ環式環を含み得る。複素環の例として、下記が挙げられる:テトラヒドロフラン、ジヒドロフラン、1,4-ジオキサン、モルホリン、1,4-ジチアン、ピペラジン、ピペリジン、1,3-ジオキソラン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピロリン、ピロリジン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、オキサチオラン、ジチオラン、1,3-ジオキサン、1,3-ジチアン、オキサチアン、チオモルホリン、アゼチジン、チアゾリジン、モルホリン、及び同類のもの。
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、3~12個の炭素原子の飽和又は部分不飽和の単環式、二環式、又は三環式の炭化水素基を指す。誤解を避けるために、シクロアルキルは、ナフチレン又はフェニル等の芳香族基を含むことを意図されていない。別途記載されていない限り、シクロアルキルは、3~9個の環炭素原子又は3~7個の環炭素原子を有する環状炭化水素基を指し、これらのそれぞれは、アルキル、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキル-C(O)--、アシルアミノ、カルバモイル、アルキル-NH--、(アルキル)N--、チオール、アルキル-S--、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルキル-O--C(O)--、スルホニル、スルホンアミド、スルファモイル、及びヘテロシクリルからなる群から独立して選択される1個、又は2個、又は3個、又はより多くの置換基で任意選択的に置換され得る。例示的な単環式炭化水素基として下記が挙げられるが、これらに限定されない:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、及びシクロヘキセニル、及び同類のもの。例示的な二環式炭化水素基として、下記が挙げられる:ボルニル、インジル、ヘキサヒドロインジル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]へプテニル、6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、2,6,6-トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、及び同類のもの。例示的な三環式炭化水素基として、アダマンチル及び同類のものが挙げられる。「ヒドロキシシクロアルキル」という用語は、特に、1つ又は複数のヒドロキシ基で置換されたシクロアルキル基を指す。
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、N、O及びSから選択される1~8個のヘテロ原子を有する5~14員の単環式、又は二環式、又は三環式の芳香環系を指す。ある特定の好ましい態様では、ヘテロアリールは、5~10員環系(例えば、5~7員単環式若しくは8~10員二環式)又は5~7員環系である。例示的な単環式ヘテロアリール基として、下記が挙げられる:2-又は3-チエニル、2-又は3-フリル、2-又は3-ピロリル、2-、4-、又は5-イミダゾリル、3-、4-、又は5-ピラゾリル、2-、4-、又は5-チアゾリル、3-、4-、又は5-イソチアゾリル、2-、4-、又は5-オキサゾリル、3-、4-、又は5-イソオキサゾリル、3-又は5-1,2,4-トリアゾリル、4-又は5-1,2,3-トリアゾリル、テトラゾリル、2-、3-、又は4-ピリジル、3-又は4-ピリダジニル、3-、4-、又は5-ピラジニル、2-ピラジニル、並びに2-、4-、及び5-ピリミジニル。例示的な二環式ヘテロアリール基として、下記が挙げられる:1-、3-、4-、5-、6-、7-、又は8-イソキノリニル、2-、3-、4-、5-、6-、7-、又は8-キノリニル、1-、3-、4-、5-、6-、7-、又は8-イソキノリニル、1-、2-、4-、5-、6-、7-、又は8-ベンゾイミダゾリル、及び1-、2-、3-、4-、5-、6-、7-、又は8-インドリル。
「ヘテロアリール」という用語はまた、ヘテロ芳香環が1つ又は複数のアリール、脂環式、又はヘテロシクリル環に縮合されており、結合の基又は点がヘテロ芳香環上にある基も指す。
本明細書で使用される場合、「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを指す。
本明細書で使用される場合、「任意選択的に置換される」という用語は、別途指定されない限り、置換されていないか又は1つ若しくは複数(典型的には、1、2、3、若しくは4個)の好適な非水素置換基で置換されている基を指す。「任意選択的な置換基」の同一性が、任意選択的に置換される基に関連して明確に定義されていない場合には、それぞれの任意選択的な置換基は、独立して、アルキル、ヒドロキシ、ハロゲン、オキソ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルコキシ、シクロアルキル、COH、ヘテロシクロアルキルオキシ(酸素橋を介して結合した複素環式基を意味する)、-COアルキル、メルカプト、ニトロ、シアノ、スルファモイル、スルホンアミド、アリール、-OC(O)アルキル、-OC(O)アリール、アリール-S-、アリールオキシ;アルキルチオ、ホルミル(即ちHC(O)-)、-C(O)NH、アラルキル(アリールで置換されたアルキル)、アリール、及びアリールであって、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、アルキル-C(O)--NH--、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、又はハロゲンで置換されたアリールからなる群から選択される。基が任意選択的に置換されることになると示される場合には、本開示は、その基が置換されない実施形態、及びその基が置換される実施形態を含むことが理解される。
本明細書で使用される場合、「異性体」という用語は、同じ分子式を有するが原子の配列及び立体配置が異なる種々の化合物を指す。同様に本明細書で使用される場合、「光学異性体」又は「立体異性体」という用語は、本発明の所与の化合物について存在する可能性があり且つ幾何異性体を含む様々な立体異性体配置のいずれかを指す。置換基が炭素原子のキラル中心で結合され得ることが理解される。従って、本発明は、化合物のエナンチオマー、ジアステレオマー、又はラセミ体を含む。「エナンチオマー」は、重ね合わせることができない、互いの鏡像となっている立体異性体の対である。エナンチオマーの対の1:1混合物は、「ラセミ」混合物である。この用語は、適宜、ラセミ混合物を示すために使用される。「rel」の使用は、ジアステレオマーの配向が知られているが絶対立体化学が不明であることを示す。絶対立体化学が決定されていない場合には、旋光性及び/又はキラルクロマトグラフィー条件は、いずれの異性体が存在するかを示す。
「ジアステレオ異性体」は、少なくとも2個の不斉原子を有するが互いの鏡像ではない立体異性体である。絶対立体化学は、カーン・インゴルド・プレローグR-Sシステムに従って指定される。化合物が純粋なエナンチオマーである場合には、各キラル炭素での立体化学は、R又はSのいずれかによって指定され得る。絶対配置が不明である分割された化合物は、ナトリウムD線の波長で平面偏光を回転する方向(右旋回又は左旋回)又はキラルクロマトグラフィー分離における保持時間に応じて、(+)又は(-)と示され得る。本明細書で説明されているある特定の化合物は、1つ又は複数の不斉中心又は軸を含み、そのため、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び絶対立体化学に関して(R)-若しくは(S)-又は(+)若しくは(-)符号として定義され得る他の立体異性体形態を生じる場合がある。本発明は、ラセミ混合物、光学的に純粋な形態、及び中間体混合物を含むそのような全ての可能な異性体を含むものとする。光学的に活性な(R)-及び(S)-異性体は、キラルシントン若しくはキラル試薬を使用して調製され得るか、又は従来の技術を使用して分割され得る。化合物が二重結合を含む場合には、置換基は、E配置又はZ配置であり得る。化合物が二置換シクロアルキルを含む場合には、シクロアルキル置換基は、cis又はtrans配置を有し得る。
式(I)の任意の化合物、又はその任意の実施形態、又は前述のうちのいずれかの塩等の、本明細書で提供される任意の化合物に関して、この化合物は、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー、若しくは互変異性体、又は1つ若しくは複数のエナンチオマーとジアステレオマーと互変異性体との任意の比率での混合物等の任意の立体化学形態で存在し得ることが理解される。
本明細書で使用される場合、「塩」という用語は、本発明の化合物の酸付加塩又は塩基付加塩を指す。「塩」は、特に、「薬学的に許容される塩」を含む。「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物の生物学的有効性及び特性を保持し、典型的には生物学的に又は他の様式で望ましくないものではない塩を指す。多くの場合、本発明の化合物は、アミノ及び/若しくはカルボキシル基又はそれと同様の基の存在により、酸及び/又は塩基の塩を形成可能である。
薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸及び有機酸と共に形成され得る。
塩が誘導され得る無機酸として、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、及び同類のものが挙げられる。
塩が誘導され得る有機酸として、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルホサリチル酸、及び同類のものが挙げられる。
薬学的に許容される塩基付加塩は、無機塩基及び有機塩基と共に形成され得る。
塩が誘導され得る無機塩基として、例えば、アンモニウム塩、及び周期表のカラムI~XIIの金属が挙げられる。ある特定の実施形態では、塩は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛、及び銅から誘導される。ある特定の他の実施形態では、塩は、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩から選択される。
塩が誘導され得る有機塩基として、例えば、第一級、第二級、及び第三級アミン、天然に存在する置換アミン等の置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂、及び同類のものが挙げられる。ある特定の有機アミンとして、イソプロピルアミン、ベンザチン、コリネート、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リシン、メグルミン、ピペラジン、及びトロメタミンが挙げられる。
別の態様では、本発明は、酢酸塩、アスコルビン酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、臭化物/臭化水素酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、カンファースルホン酸塩、カプリン酸塩、塩化物/塩酸塩、クロロテオフィリン塩、クエン酸塩、エタンジスルホン酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、グリコール酸塩、馬尿酸塩、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ナフトエ酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オクタデカン酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ポリガラクツロ酸塩、プロピオン酸塩、セバシン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルホサリチル酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフェニル酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、又はキシナホ酸塩の塩形態での、本明細書で開示されている化合物を提供する。さらに別の態様では、本発明は、C~Cアルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、又はモノ-、ジ-若しくはトリ-C~Cアルキル置換ベンゼンスルホン酸付加塩形態での、本明細書で開示されている化合物を提供する。
本明細書で示されているあらゆる式はまた、化合物の非標識形態及び同位体標識付き形態を表すことも意図されている。同位体標識付き化合物は、1つ又は複数の原子が、選択した原子質量若しくは質量数を有する原子に置き換わっている以外、本明細書で示されている式で表される構造を有する。本発明の化合物に組み込まれ得る同位体の例として、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、及び塩素の同位体が挙げられ、例えば、それぞれH、H、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36Cl、124I、125Iが挙げられる。本発明は、本明細書で定義されている種々の同位体標識化合物を含み、例えば、H、13C、及び14C等の放射性同位体が存在するものを含む。そのような同位体標識化合物は、代謝試験(14Cによる)、反応速度試験(例えば、H又はHによる)、薬物若しくは基質の組織分布アッセイを含むポジトロン放出断層撮影(PET)若しくは単光子放射型コンピューター断層撮影(SPECT)等の検出若しくはイメージング技術、又は患者の放射性処置で有用である。特に、18F又は標識化合物は、PET又はSPECT試験のために特に望ましい場合がある。本発明の同位体標識化合物及びその塩は、一般に、容易に入手可能な同位体標識試薬を非同位体標識試薬の代わりに置き換えることにより、下記で説明するスキーム又は例及び調製においで開示されている手順を行うことにより調製され得る。
さらに、より重い同位体、特に重水素(即ちH又はD)による置換は、より高い代謝安定性(例えば、インビボ半減期の増加、又は必要投与量の減少、又は治療指数の改善)から得られるある種の治療上の利点をもたらし得る。これに関連して、重水素は、式(I)の化合物の置換基と見なされることが理解される。そのようなより重い同位体(具体的には重水素)の濃度は、同位体濃縮係数によって定義され得る。「同位体濃縮係数」という用語は、本明細書で使用される場合、特定の同位体の同位体存在量と天然存在量との間の比を意味する。本発明の化合物における置換基が重水素を意味する場合には、そのような化合物は、それぞれの指定された重水素原子で少なくとも50%の重水素の取り込み、60%の重水素の取り込み、少なくとも75%の重水素の取り込み、少なくとも90%の重水素の取り込み、少なくとも95%の重水素の取り込み、少なくとも99%の重水素の取り込み、又は少なくとも99.5%の重水素の取り込みを有する。
本発明の化合物は、本質的に又は設計により、溶媒(例えば水)と溶媒和物を形成し得る。従って、本発明は、溶媒和と非溶媒和との両方の形態を包含することが意図されている。「溶媒和物」という用語は、本発明の化合物(その塩を含む)と1つ又は複数の溶媒分子との分子複合体を指す。そのような溶媒分子は、薬学分野において一般的に使用されるものであり、これらは、レシピエントに無害であることが知られており、例えば水、エタノール、ジメチルスルホキシド、アセトン、及び他の一般的な有機溶媒である。「水和物」という用語は、本発明の化合物及び水を含む分子複合体を指す。本発明による薬学的に許容される溶媒和物として、結晶化の溶媒が同位体により置換され得るものが挙げられ、例えばDO、d-アセトン、d-DMSOが挙げられる。
本発明の化合物の「治療上有効な量」という用語は、対象の生物学的若しくは医学的応答(例えば、酵素又はタンパク質の活性の低減若又は阻害)を誘発するか、或いは症状を寛解させるか、状態を緩和するか、疾患の進行を遅くするか若しくは遅延させるか、又は疾患を予防する等の本発明の化合物の量を指す。非限定的な一実施形態では、「治療上有効な量」という用語は、対象に投与されると、(1)(i)SMARCA2及び/若しくはSMARCA4の活性により媒介されるか又は(ii)SMARCA2及び/若しくはSMARCA4の活性に関連する状態、若しくは障害、若しくは疾患、若しくは生物学的プロセスを少なくとも部分的に緩和、阻害、予防、且つ/又は寛解させるか;或いは(2)SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性を阻害することに有効である、本発明の化合物の量を指す。別の非限定的な実施形態では、「治療上有効な量」という用語は、細胞、又は組織、又は非細胞性生物材料、又は培地に投与された場合に、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性を少なくとも部分的に阻害するのに有効な本発明の化合物の量を指す。
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、動物を指す。典型的には、動物は、哺乳動物である。対象はまた、例えば、霊長類(例えばヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚、トリ、及び同類のものも指す。ある特定の実施形態では、対象は、霊長類である。更に他の実施形態では、対象は、ヒトである。
本明細書で使用される場合、「阻害する」、「阻害」、又は「阻害すること」という用語は、所与の状態、症状、若しくは障害、若しくは疾患の低減若しくは抑制、又は生物学的活性若しくはプロセスのベースライン活性における有意な減少を指す。
本明細書で使用される場合、任意の疾患又は障害の「処置する」、「処置すること」、又は「処置」という用語は、一実施形態では、疾患又は障害を寛解させること(即ち、疾患又はその臨床症状の少なくとも1つの発達を遅延させるか、又は阻止するか、又は低減すること)を指す。別の実施形態では、「処置する」、「処置すること」、又は「処置」は、患者により識別可能でない可能性のあるものを含む少なくとも1つの身体的パラメータを緩和するか又は回復させることを指す。さらに別の実施形態では、「処置する」、「処置すること」又は「処置」は、物理的(例えば、識別可能な症状の安定化)、生理学的(例えば、身体的パラメータの安定化)のいずれか又は両方で、疾患又は障害を調節することを指す。
本明細書で使用される場合、任意の疾患又は障害の「予防する」、「予防すること」、又は「予防」という用語は、一実施形態では、疾患又は障害の発症を遅延させるか又はその回避(即ち、疾患又は障害を発症しやすい患者における疾患又は障害の発症を遅延させるか又は予防すること)を指す。
本明細書で使用される場合、対象は、そのような対象が処置から生物学的に、医学的に、又は生活の質において恩恵を被る場合には、そのような治療「を必要とする」。
本明細書で使用される場合、本発明に関連して(とりわけ特許請求の範囲に関連して)使用される「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その」、及び類似の用語は、別途本明細書で指示されない限り又は文脈と明確に矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含するものと解釈されなければならない。
本発明の化合物の任意の不斉原子(例えば、炭素等)は、ラセミ体で又は鏡像異性的に濃縮されて存在し得、例えば(R)-、(S)-、又は(R,S)-配置で存在し得る。ある特定の実施形態では、各不斉原子は、(R)-又は(S)-配置において少なくとも50%の鏡像異性体過剰率、少なくとも60%の鏡像異性体過剰率、少なくとも70%の鏡像異性体過剰率、少なくとも80%の鏡像異性体過剰率、少なくとも90%の鏡像異性体過剰率、少なくとも95%の鏡像異性体過剰率、又は少なくとも99%の鏡像異性体過剰率を有する。不飽和結合を有する原子における置換基は、可能な場合には、cis-(Z)-又はtrans-(E)-形態で存在し得る。
従って、本明細書で使用される場合、本発明の化合物は、例えば、実質的に純粋な幾何(シス又はトランス)異性体、ジアステレオマー、光学異性体(対掌体)、ラセミ体、又はこれらの混合物として、可能な異性体、回転異性体、アトロプ異性体、互変異性体、又はこれらの混合物のうちの1つの形態であり得る。
得られた異性体の任意の混合物を、例えばクロマトグラフィー及び/又は分別結晶法により、構成成分の物理化学的な差に基づいて、純粋な又は実質的に純粋な幾何又は光学異性体、ジアステレオマー、ラセミ体に分離し得る。
得られた最終生成物又は中間体の任意のラセミ体を、既知の方法により光学的対掌体に分割し得、例えば、光学的に活性な酸又は塩基により得たこれらのジアステレオマー塩を分離し、光学的に活性な酸性又は塩基性化合物を遊離させることにより、光学的対掌体に分割し得る。特に、このように塩基性部分を用いて、例えば、光学的に活性な酸(例えば、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジ-O,O’-p-トルオイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、又はカンファー-10-スルホン酸)により形成された塩の分別結晶により、本発明の化合物をその光学的対掌体に分割し得る。ラセミ体生成物をまた、キラルクロマトグラフィー(例えば、キラル吸着剤を使用する高速液体クロマトグラフィー(HPLC)又は超臨界流体クロマトグラフィー(SFC))によっても分割し得る。
本発明に従って入手可能な異性体の混合物を、当業者に既知の方法で個々の異性体に分離し得;ジアステレオ異性体を、例えば、多相溶媒混合物間の分配、再結晶、及び/又は例えばシリカゲルでのクロマトグラフィー分離若しくは例えば逆相カラムでの中圧液体クロマトグラフィーにより分離し得、ラセミ体を、例えば、光学的に純粋な塩形成試薬を用いて塩を形成し、そのようにして入手可能なジアステレオ異性体混合物を、例えば分別結晶の手段又は光学的に活性なカラム材料でのクロマトグラフィーによって分離することにより分離し得る。
本文の範囲内では、別途文脈により指示されない限り、本発明の化合物の特に所望される最終生成物の構成要素ではない容易に除去可能な基のみを「保護基」と称する。そのような保護基による官能基の保護、保護基自体、及びこれらの切断反応は、例えば下記等の標準的な参考文献で説明されている:J.F.W.McOmie,“Protective Groups in Organic Chemistry”,Plenum Press,London and New York 1973、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”,Third edition,Wiley,New York 1999、“The Peptides”;Volume 3(editors:E.Gross and J.Meienhofer),Academic Press,London and New York 1981、“Methoden der organischen Chemie”(Methods of Organic Chemistry),Houben Weyl,4th edition,Volume 15/I,Georg Thieme Verlag,Stuttgart 1974、H.-D.Jakubke and H.Jeschkeit,“Aminosauren,Peptide,Proteine”(Amino acids,Peptides,Proteins),Verlag Chemie,Weinheim,Deerfield Beach,and Basel 1982及びJochen Lehmann,“Chemie der Kohlenhydrate:Monosaccharide and Derivate”(Chemistry of Carbohydrates:Monosaccharides and Derivatives),Georg Thieme Verlag,Stuttgart 1974。保護基の特徴は、例えば、加溶媒分解、還元、光分解、又は生理学的条件下での代替方法(例えば酵素的切断)によって容易に除去され得る(即ち、望ましくない二次反応が発生しない)ことである。
中間体及び最終生成物を、標準的な方法に従い(例えば、クロマトグラフィー法、分配法、及び(再)結晶化、及び同類のものを使用して)、後処理し得る、及び/又は精製し得る。
本明細書で説明されている全ての方法を、別途本明細書で指示されない限り又は文脈と明確に矛盾しない限り、任意の適切な順序で実施し得る。本明細書で提供されるあらゆる例又は例示的な語(例えば「等」)の使用は、本発明を更に明らかにすることが意図されているにすぎず、別段の主張がない限り、本発明の範囲に限定を課すものではない。
本明細書で開示されているいずれのプロセス工程も、具体的に挙げられたものを含む当業者に既知の反応条件下で実行し得、例えば、使用される試薬に対して不活性であり且つこれを溶解する溶媒若しくは希釈剤を含む溶媒若しくは希釈剤の不存在下若しくは慣例的には存在下で実行し得、触媒、縮合剤、若しくは中和剤、例えばH形態の陽イオン交換体等の例えばイオン交換体の不存在下若しくは存在下で実行し得、反応及び/若しくは反応物の性質に依存して低温、通常温度、若しくは高温、例えば約-80℃~約250℃、例えば-80℃~-60℃、室温、-20℃~40℃、若しくは還流温度を含む約-100℃~約250℃の温度範囲で実行し得、大気圧下若しくは密閉容器中(必要に応じて加圧下並びに/又は不活性雰囲気中、例えばアルゴン若しくは窒素雰囲気下)で実行し得る。
任意の特定の反応に好適な溶媒が選択され得る溶媒として、プロセスの説明において別途指示されない限り、下記が挙げられる:具体的に言及されるもの、又は例えば、水、エステル類、例えば低級アルキル-低級アルカノエート、例えば酢酸エチル、エーテル類、例えば脂肪族エーテル類、例えばジエチルエーテル又は環状エーテル、例えばテトラヒドロフラン若しくはジオキサン、液体芳香族炭化水素、例えばベンゼン又はトルエン、アルコール類、例えばメタノール、エタノール、又は1-若しくは2-プロパノール、ニトリル類、例えばアセトニトリル、ハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレン又はクロロホルム、酸アミド、例えばジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミド、塩基、例えば複素環式窒素塩基、例えばピリジン又はN-メチルピロリジン-2-オン、カルボン酸無水物、例えば低級アルカン酸無水物、例えば無水酢酸、環状、直鎖状又は分岐状炭化水素、例えばシクロヘキサン、ヘキサン、又はイソペンタン、メチルシクロヘキサン、又はこれらの溶媒の混合物、例えば水溶液。そのような溶媒混合物はまた、後処理において、例えばクロマトグラフィー又は分配によっても使用され得る。
別の態様では、本発明は、本発明の化合物又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。更なる実施形態では、この組成物は、本明細書で説明されているもの等の少なくとも2種の薬学的に許容される担体を含む。本発明のために、別途指示されない限り、溶媒和物及び水和物は、通常、検討された組成物である。好ましくは、薬学的に許容される担体は、無菌である。この医薬組成物は、経口投与、非経口投与、及び直腸投与等の特定の投与経路のために製剤化され得る。加えて、本発明の医薬組成物は、固体形態(例えば、限定されないが、カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、若しくは坐剤)、又は液体形態(例えば、限定されないが、液剤、懸濁剤、若しくは乳剤)で調合され得る。この医薬組成物は、滅菌法等の従来の製薬操作に付され得、並びに/又は従来の不活性希釈剤、滑沢剤、又は緩衝剤、並びにアジュバント(例えば、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、及び緩衝液等)を含み得る。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、当業者に既知であるように、あらゆる溶媒、分散媒、コーティング剤、界面活性剤、抗酸化剤、保存剤(例えば、抗細菌剤、抗真菌剤)、等張化剤、吸収遅延剤、塩類、保存剤、薬物、薬物安定化剤、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤、色素、及び同類のもの、並びにこれらの組合せを含む(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.Mack Printing Company,1990,pp.1289-1329を参照されたい)。任意の従来の担体が活性成分に適合しない場合を除いて、治療用組成物又は医薬組成物における使用が企図される。
典型的には、本医薬組成物は、下記のうちの1つ又は複数と共に活性成分を含む錠剤又はゼラチンカプセル剤である:a)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、及び/又はグリシン;b)滑沢剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウム塩若しくはカルシウム塩、及び/又はポリエチレングリコール;錠剤の場合には更にc)結合剤、例えば、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドン;必要に応じてd)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸若しくはそのナトリウム塩、又は発泡性混合物;並びにe)吸収剤、着色剤、香味剤、及び甘味剤。錠剤は、当技術分野で既知の方法に従い、フィルムコート又は腸溶コートのいずれかがなされ得る。経口投与に好適な組成物は、本発明の化合物の有効な量を、錠剤、ロゼンジ剤、水性又は油性懸濁剤、分散可能な散剤若しくは顆粒剤、乳剤、硬若しくは軟カプセル剤、又はシロップ剤若しくはエリキシル剤の形態で含む。経口使用が意図されている組成物は、医薬組成物を製造するために当技術分野で既知の任意の方法に従って調製され、且つそのような組成物は、薬学的に簡潔で口当たりのよい調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤、及び保存剤からなる群から選択される1つ又は複数の薬剤を含み得る。錠剤は、活性成分を、錠剤の製造に好適な無毒の薬学的に許容される賦形剤と混合して含み得る。これらの賦形剤は、例えば、不活性な希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、又はリン酸ナトリウム;顆粒剤及び崩壊剤、例えばトウモロコシデンプン又はアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、又はアカシア;並びに滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、又はタルクである。錠剤は、コーティングされていないか、又は胃腸管における崩壊及び吸収を遅延させ、それによってより長期間にわたる持続作用をもたらすように、既知の技術によってコーティングされている。例えば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリル等の時間遅延物質を使用し得る。経口使用のための製剤は、活性成分が不活性な固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、若しくはカオリン)と混合されている硬ゼラチンカプセル剤として提示され得るか、又は活性成分が水又は油性媒体(例えば、ピーナッツ油、流動パラフィン、若しくはオリーブ油)と混合されている軟ゼラチンカプセル剤としても提示され得る。ある特定の注射可能な組成物は、水性等張溶液又は懸濁液であり、坐剤は、脂肪性エマルション又は懸濁液から有利に調製される。前記組成物は、滅菌処理され得、且つ/又は保存剤、安定剤、湿潤剤若しくは乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節するための塩、及び/又は緩衝液等のアジュバントを含み得る。加えて、この組成物はまた、他の治療上価値のある物質も含み得る。前記組成物は、それぞれ従来の混合法、造粒法、又はコーティング法に従って調製され、約0.1~75%又は約1~50%の活性成分を含む。経皮適用に好適な組成物は、好適な担体と共に本発明の化合物の有効な量を含む。経皮送達に好適な担体として、宿主の皮膚の通過を促進する、薬理学的に許容される吸収可能な溶媒が挙げられる。例えば、経皮デバイスは、裏打ち部材、任意選択的な担体と共に本化合物が入っているリザーバー、制御された所定の速度で長時間かけて宿主の皮膚の化合物を送達するための任意選択的な速度制御バリア、及び皮膚にデバイスを固定するための手段を含む帯具の形態である。例えば、皮膚及び眼への局所適用に好適な組成物として、水溶液、懸濁液、軟膏、クリーム、ゲル、又は例えばエアロゾル等によって送達するための噴霧可能な製剤が挙げられる。そのような局所送達系は、特に、皮膚適用、例えば皮膚癌の処置、例えば日焼け止めクリーム、ローション、スプレー、及び同類のものにおける予防的使用に適するであろう。そのため、この局所送達系は、特に、当技術分野で公知の化粧用製剤等の局所使用に好適である。そのようなものは、可溶化剤、安定剤、張性増強剤、緩衝液、及び保存剤を含み得る。本明細書で使用される場合、局所適用は、吸入又は鼻腔内適用にも関係し得る。これらはまた、好都合には、乾燥粉末吸入器から乾燥粉末(単独、混合物、例えば、ラクトースとの乾燥ブレンド、若しくは例えばリン脂質との混合成分粒子のいずれかとして)の形態で送達され得るか、又は好適な噴射剤を使用するか若しくは使用せずに加圧容器、ポンプ、スプレー、噴霧器、若しくはネブライザーからエアロゾルスプレー提供物の形態で送達され得る。
本発明は、水が、ある特定の化合物の分解を促進する可能性があることから、活性成分として本発明の化合物を含む無水の医薬組成物及び剤形を更に提供する。
本発明の無水の医薬組成物及び剤形は、無水成分又は低水分含有成分及び低水分条件又は低湿度条件を使用して調製され得る。無水の医薬組成物が調製され、その無水の性質が維持されるように保存され得る。従って、無水組成物は、水への暴露を予防することが知られている物質を使用して、この組成物が好適な処方集のキットに含まれ得るようにパッケージ化される。好適な包装の例として、密封金属箔、プラスチック、単位用量容器(例えば、バイアル)、ブリスターパック、及びストリップパックが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明は、活性成分としての本発明の化合物が分解することになる速度を低下させる、1種又は複数種の薬剤を含む医薬組成物及び剤形をさらに提供する。そのような薬剤(本明細書では「安定剤」と称される)として、アスコルビン酸、pH緩衝液、又は塩緩衝液等の酸化防止剤が挙げられるが、これらに限定されない。
予防的及び治療的使用
遊離形態又は薬学的に許容される塩形態の本明細書で開示されている化合物は、有用な薬理学的特性(例えば、SMARCAタンパク質調節特性、より具体的には、例えば次の節に記載されているインビトロ及びインビボ試験で示され、従って治療に関して示されるSMARCA2及び/又はSMARCA4タンパク質の活性の阻害)を呈する。
本発明は、本明細書で開示されている化合物の有効な量を、必要な対象に投与することにより、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性と関連する疾患又は障害を治療する方法を提供する。ある特定の態様では、SMARCA4の欠損又は変異と関連する疾患又は障害は、本発明の化合物を投与することによる治療に適している。ある特定の態様では、本発明の化合物の投与による治療に好適な疾患又は障害として下記が挙げられるが、これらに限定されない:ヒト癌腫、例えば、肺癌、膵癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、食道癌、腎癌、及びラブドイド癌。ある特定の態様では、患者への本発明の化合物の投与により肺腺癌を処置する方法が提供される。
特定の実施形態では、本発明は、本明細書で開示されている化合物の有効な量を、必要な対象に投与することにより、肺腺癌を処置するか又は予防する方法を提供する。
化合物、医薬組成物、又はこれらの組合せの治療上有効な量は、対象の種、体重、年齢及び個々の状態、処置される障害若しくは疾患又はそれらの重症度に依存する。通常の技能を有する医師、臨床医、又は獣医は、障害又は疾患の進行を予防するか、処置するか、又は阻害するのに必要なそれぞれの活性成分の有効な量を容易に決定し得る。
上記に引用された投与量特性は、有利には哺乳動物(例えば、マウス、ラット、イヌ、サル、又はこれらの単離された臓器、組織、及び調製物)を使用して、インビトロ及びインビボ試験によって実証可能である。本発明の化合物を、インビトロにおいて溶液(例えば水溶液)の形態で、インビボにおいて経腸的、非経口的、有利には静脈内(例えば懸濁剤として又は水溶液で)に適用し得る。
本発明に係る化合物の活性を、下記の実施例で説明されているもの等のインビトロ及びインビボでの方法により評価し得る。
本発明の化合物を、1種又は複数種以上の他の治療剤と同時に又はその前若しくは後のいずれかで投与し得る。本発明の化合物を、同じ若しくは異なる投与経路により別々に投与し得るか、又は他の薬剤と同じ医薬組成物中で一緒に投与し得る。
一実施形態では、本発明は、治療における同時の、別々の、又は連続的な使用のための組合せ製剤として、本明細書で開示されている化合物と少なくとも1種の他の治療剤を含む製品を提供する。一実施形態では、この治療は、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性により媒介される疾患又は状態の処置である。好ましい態様では、この治療は、ヒト癌腫(例えば、限定されないが、肺癌、膵癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、食道癌、腎癌、及びラブドイド癌、例えば、限定されないが、肺癌及び子宮癌)の処置である。
組合せ製剤として提供される製品として、同じ医薬組成物中で合わせた、本明細書で開示されている化合物及び他の治療剤、又は別々の形態(例えばキット形態)の本明細書で開示されている化合物及び他の治療剤を含む組成物が挙げられる。
一実施形態では、本発明は、本明細書で開示されている化合物と、別の治療剤とを含む医薬組成物を提供する。任意選択的に、この医薬組成物は、上記で説明されている薬学的に許容される担体を含み得る。
一実施形態では、本発明は、2つ以上の別々の医薬組成物を含み、その少なくとも1つが、本明細書で開示されている化合物を含む、キットを提供する。一実施形態では、このキットは、前記組成物を別々に保持するための手段(例えば、容器、分割されたボトル、又は分割された金属箔の袋)を含む。そのようなキットの一例は、錠剤、カプセル剤、及び同類のものの包装に通常使用されるようなブリスターパックである。
本発明のキットは、異なる剤形(例えば、経口及び非経口)で投与するために、別々の組成物を異なる投与間隔で投与するために、又は互いに対して別々の組成物を漸増するために使用され得る。服薬遵守を促進するために、本発明のキットは、典型的には、投与のための指示書を含む。
本発明の併用療法では、本発明の化合物及び他の治療剤は、同じ又は異なる製造業者によって製造され得、及び/又は製剤化され得る。さらに、本発明の化合物及び他の治療剤は、(i)組合せ製品の医師への引き渡し前に(例えば、本発明の化合物及び他の治療剤を含むキットの場合);(ii)投与直前に医師自身により(又は医師の指導の下に);(iii)患者自身において(例えば本発明の化合物及び他の治療剤の連続投与中に)、併用療法に合わせて取り入れられ得る。
従って、本発明は、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性により媒介される疾患又は状態を処置するための、本明細書で開示されている化合物の使用を提供し、この薬剤は、別の治療剤と共に投与するために調製されている。本発明はまた、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性により媒介される疾患又は状態を処置するための別の治療剤の使用も提供し、この薬剤は、本明細書で開示されている化合物と共に投与される。別の態様では、本発明は、肺癌、膵癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、食道癌、腎癌、及びラブドイド癌(又は、ある特定の態様では、肺癌及び子宮癌)から選択されるヒト癌腫を処置するための、本明細書で開示されている化合物の使用を提供し、この薬剤は、別の治療剤と共に投与するために調製されている。本発明はまた、肺癌、膵癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、食道癌、腎癌、及びラブドイド癌(又は、ある特定の態様では、肺癌及び子宮癌)から選択されるヒト癌腫から選択される疾患又は障害を処置するための別の治療剤の使用も提供し、この薬剤は、本明細書で開示されている化合物と共に投与される。
本発明はまた、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性により媒介される疾患又は状態を処置する方法での使用のための、本明細書で開示されている化合物も提供し、この化合物は、別の治療剤と共に投与するために調製されている。本発明はまた、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性により媒介される疾患又は状態を処置する方法での使用のための別の治療剤も提供し、この他の治療剤は、本明細書で開示されている化合物と共に投与するために調製されている。本発明はまた、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性により媒介される疾患又は状態を処置する方法での使用のための、本明細書で開示されている化合物も提供し、この化合物は、別の治療剤と共に投与される。本発明はまた、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性により媒介される疾患又は状態を処置する方法での使用のための別の治療剤も提供し、この他の治療剤は、本明細書で開示されている化合物と共に投与される。
本発明はまた、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性により媒介される疾患又は状態を処置するための本明細書で開示されている化合物の使用も提供し、患者は、予め(例えば、24時間以内に)別の治療剤で処置されている。本発明はまた、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性により媒介される疾患又は状態を処置するための別の治療剤の使用も提供し、患者は、予め(例えば、24時間以内に)本明細書で開示されている化合物で処置されている。
本医薬組成物を、単独で投与し得るか、又はSMARCA2及び/若しくはSMARCA4の活性と関連する疾患の処置(又はより具体的には、ヒト癌腫の処置)において有益な効果を有することが既知である他の分子と組み合わせて投与し得る。ある特定の態様では、提供される医薬組成物を、単独で投与し得るか、又はヒト癌腫(例えば、限定されないが、肺癌、膵癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、食道癌、腎癌、及びラブドイド癌)の処置において有益な効果を有することが既知である他の分子と組み合わせて投与し得る。ある特定の態様では、この医薬組成物は、肺癌及び子宮癌から選択される疾患の処置において有益な効果を有する。併用療法レジメンは、相加的であってもよいし、相乗的な結果(例えば、2種の薬剤の組合せ使用に対する予想を超えたミトコンドリア機能の改善)をもたらしてもよい。一部の実施形態では、本発明は、本発明の化合物及び別の治療剤により、SMARCA2及び/又はSMARCA4により媒介される疾患(又はより具体的には、肺癌、膵癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、食道癌、腎癌、及びラブドイド癌から選択され、より具体的には、肺癌及び子宮癌から選択されるか又は肺腺癌から選択されるヒト癌腫)を予防する及び/又は処置するための併用療法を提供する。
一実施形態では、本発明は、対象においてSMARCA2及び/又はSMARCA4の活性を阻害する方法であって、式(I)の定義による化合物の治療上有効な量を、この対象に投与することを含む方法を提供する。本発明は、さらに、本明細書で開示されている化合物を投与することにより、対象においてSMARCA2及び/又はSMARCA4タンパク質の活性を阻害する方法であって、本明細書で開示されている化合物の治療上有効な量を、この対象に投与することを含む方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、薬剤としての使用のための、本明細書で開示されている化合物を提供する。
一実施形態では、本発明は、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性を特徴とする、対象における障害又は疾患の処置のための、本明細書で開示されている化合物の使用を提供する。具外的には、本発明は、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性により媒介される障害又は疾患(例えばヒト癌腫、例えば、限定されないが、肺癌、膵癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、食道癌、腎癌、及びラブドイド癌、具体的には、肺癌及び子宮癌)の処置のための、本明細書で開示されている化合物の使用を提供する。ある特定の好ましい態様では、本発明は、肺腺癌の処置のための、本明細書で開示されている化合物の使用を提供する。
一実施形態では、本発明は、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性を特徴とする、対象における障害又は疾患の処置のための薬剤の製造での、本明細書で開示されている化合物の使用を提供する。より具体的には、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性を特徴とする、対象における疾患又は障害(例えばヒト癌腫、例えば、限定されないが、肺癌、膵癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、食道癌、腎癌、及びラブドイド癌、具体的には、肺癌及び子宮癌)の処置のための薬剤の製造。ある特定の好ましい態様では、本発明は、肺腺癌の処置のための薬剤の製造における、本明細書で開示されている化合物の使用を提供する。
本発明は、本プロセスの任意の変形形態を更に含み、ここで、その任意の段階で入手可能な中間体生成物が出発物質として使用され且つ残りの工程が実行されるか、出発物質が反応条件下においてインサイチュで形成されるか、又は反応の構成要素がその塩若しくは光学的に純粋な物質の形態で使用される。
下記の実施例は、本発明を説明することが意図されており、それに対して限定するものと解釈してはならない。温度は、摂氏温度(℃)で示される。別途示さない限り、全ての蒸発を、減圧下(典型的には約15mmHg~100mmHg(=20~133mbar))で実施する。最終生成物、中間体、及び出発物質の構造を、標準的分析法(例えば微量分析)又は分光的特性(例えばMS、IR又はNMR)により確認する。使用される略語は、当技術分野で慣例的なものである。
本発明はまた、プロセスの任意の段階で中間体として入手可能な化合物が出発物質として使用され且つ残りのプロセス工程が実行されるか、又は出発物質が反応条件下で形成されるか若しくは誘導体の形態(例えば、保護形態若しくは塩形態)で使用されるか、又は本発明に係るプロセスにより入手可能な化合物がプロセス条件下で生成されてインサイチュで更に加工される、プロセスの形態にも関する。
本発明の化合物を合成するために利用される全ての出発物質、構成要素、試薬、酸、塩基、脱水剤、溶媒、及び触媒は、市販されているか、又は当業者に既知の有機合成法により生成され得る。
別途記載しない限り、全ての材料を、市販業者から入手し、更に精製することなく使用した。別途指示しない限り、全ての部は、重量基準であり、温度は、摂氏温度単位である。全てのマイクロ波補助反応は、BiotageからのSmith Synthesizerを用いて実施した。質量スペクトルデータは、エレクトロスプレーイオン化技術により測定した。別途明記しない限り、反応を室温で実行した。
市販の材料を、Millipore-Sigma、HDH Pharma、Pharmablock、Alfa Aesar、Enovation Chemicals、及びCombi-Blocksから購入した。
本願で説明されている化合物の化合物名(即ち、IUPAC名)を、ChemDraw化合物命名ソフトウェアを用いて生成した。
略語:本明細書では、下記の略語を使用し得る。
AcOH 酢酸
aq又はaq. 水性
BOC又はBoc tert-ブチルオキシカルボニル
DCE 1,2-ジクロロエタン
DABCO 1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン
DCM ジクロロメタン
DMAP 4-ジメチルアミノピリジン
DME 1,2-ジメトキシエタン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
Dppf、DPPF、又はdppf 1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
eq、又はeq.、又はequiv. 当量
ESI又はES エレクトロスプレーイオン化
Et エチル
EtO ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
g グラム
h 時間
HBTU N,N,N’N’-テトラメチル-O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウム ヘキサフルオロホスフェート、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’N’-テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
iPr イソ-プロピル
iPrNEt又はDIPEA N-エチル ジイソプロピルアミン(ヒューニッヒ塩基)
KHMDS カリウムヘキサメチルジシラジド
KOAc 酢酸カリウム
ローソン試薬 2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-2,4-ジチオキソ-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン、2,4-ビス-(4-メトキシフェニル)-1,3-ジチア-2,4-ジホスフェタン 2,4-ジスルフィド
LC MS、LCMS、LC-MS、又はLC/MS 液体クロマトグラフィー質量分析
LG 脱離基(例えば、ハロゲン、メシレート、トリフレート)
LHMDS又はLiHMDS リチウムヘキサメチルジシラジド
m/z 質量電荷比
Me メチル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
mg ミリグラム
min 分
mL ミリリットル
MS 質量スペクトル
NaHMDS ナトリウムヘキサメチルジシラジド
NBS N-ブロモスクシンイミド
n-BuLi n-ブチルリチウム
NCS N-クロロスクシンイミド
NMR 核磁気共鳴
Pd(dba) トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
Pd(dppf)Cl・DCM、Pd(dppf)Cl [1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、ジクロロメタンとの錯体
Pd(PPh テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
Ph フェニル
PR、又はPG、又はProt.基 保護基
rbf 丸底フラスコ
RP-HPLC 逆相高圧液体クロマトグラフィー
RT、又はrt、又はr.t. 室温
sat.又はsatd. 飽和
SFC 超臨界流体クロマトグラフィー
TBAF テトラ-n-ブチルアンモニウム フルオリド
t-BuOH tert-ブタノール
TEA又はEtN トリメチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
UV 紫外線
(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド ヒドロクロリド(中間体1)。
Figure 2023510746000011
工程1:tert-ブチル (4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバメート。NMP(600mL)中のtert-ブチル(4-ブロモベンジル)カルバメート(100g、349mmol)、4-メチルチアゾール(42g、419mmol)、Pd(OAc)(784mg、3.49mmol)、及びKOAc(69g、699mmol)の混合物を、窒素雰囲気下で18時間にわたり140℃にて撹拌した。この反応混合物を、HO(1L)で希釈し、EtOAc(3回×200mL)で抽出した。まとめた有機層を、ブライン(3回×200mL)で洗浄し、無水NaSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗残留物を、石油エーテル/EtOAc 50:1~2:1で溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、tert-ブチル (4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバメート(60g、197mmol、56%収率)を黄色固形物として得た。
工程2:(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)メタンアミン ヒドロクロリド。tert-ブチル (4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバメート(21g、69mmol)のMeOH(200mL)溶液に、HCl/MeOH(4M、172mL)を滴下した。添加後、この混合物を、2時間にわたり15℃で撹拌した。この混合物を、減圧下で濃縮して(ロータリーエバポレーター)、粗(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)メタンアミン ヒドロクロリド(17g)を黄色固形物として得た。
工程3:tert-ブチル (2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート。DCM(300mL)中の(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)メタンアミン ヒドロクロリド(27g、112mmol)、(2S,4R)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(27g、118mmol)、及びHATU(64g、168mmol)の溶液に、15℃で、EtN(54mL、392mmol)を添加した。添加後、この混合物を、12時間にわたり15℃で撹拌した。この反応混合物を、水(200mL)でクエンチし、有機層を、分離し、水相を、DCM(2回×100mL)で抽出した。まとめた有機相を、ブライン(2回×100mL)で洗浄し、無水NaSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した(ロータリーエバポレーター)。粗残留物を、100:1~50:1 DCM/MeOHで溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、tert-ブチル (2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(23g、55mmol、49%収率)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 8.64(s,1H),7.24-7.35(m,4H),4.38-4.52(m,4H),3.47-3.51(m,2H),3.14-3.19(m,2H),2.47(s,3H),1.28-1.40(m,9H).
工程4:(2S,4R)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド ヒドロクロリド。tert-ブチル (2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボキシレート(23g、55mmol)のMeOH(20mL)溶液に、HCl/MeOH(4M、137mL)を添加し、次いで、この混合物を2時間にわたり15℃で撹拌した。この混合物を、40℃にて減圧下で濃縮して(ロータリーエバポレーター)、粗(2S,4R)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド ヒドロクロリド(17g)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 9.07(s,1H),7.45(d,J=8.0Hz,2H),7.36(d,J=8.0Hz,2H),4.30-4.40(m,4H),3.30-3.35(m,1H),2.95-3.05(m,3H),2.43(s,3H).
工程5:tert-ブチル ((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)カルバメート。DCM(200mL)中の(2S,4R)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド ヒドロクロリド(14.5g、41mmol)及び(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタン酸(10.4g、45mmol)の溶液に、HATU(23.4g、61mmol)を添加し、続いてEtN(28mL、20.7g、205mmol)を添加した。添加後、この混合物を、12時間にわたり15℃で撹拌した。この混合物を、DCM(200mL)で希釈し、水(2回×200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した(ロータリーエバポレーター)。残留物を、100:1~50:1 DCM/MeOHで溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、tert-ブチル ((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)カルバメート(14g、26.4mmol、64%収率)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 8.66(s,1H),7.42-7.45(m,1H),7.24-7.34(m,4H),5.18-5.21(m,1H),4.72(t,J=8.0Hz,1H),4.50-4.52(m,2H),4.27-4.30(m,1H),4.15(d,J=9.2Hz,1H),4.00-4.02(m,1H),3.56-3.60(m,1H),3.17-3.21(m,1H),2.47(s,3H),2.08-2.12(m,1H),1.36(s,9H),0.89(s,9H).
工程6:(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド ヒドロクロリド(中間体1)。tert-ブチル ((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)カルバメート(14g、26mmol)のMeOH(140mL)溶液に、HCl/MeOH(4M、66mL)を滴下した。添加後、この混合物を、2時間にわたり15℃で撹拌した。この混合物を、40℃にて減圧下で濃縮して(ロータリーエバポレーター)、粗(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド ヒドロクロリド(中間体1、13g)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz DMSO-d)δ ppm 9.05(s,1H),8.73(t,J=5.6Hz,1H),7.38(s,4H),4.52-4.54(m,1H),4.35-4.39(m,2H),4.23-4.24(m,1H),3.63-3.65(m,2H),3.48-3.51(m,1H),3.01-3.04(m,1H),2.43(s,3H),2.07-2.09(m,1H),1.84-1.86(m,1H),0.98(s,9H).
2-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)イソニコチンアミド(実施例1)
Figure 2023510746000012
工程1:tert-ブチル 4-(4-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート。DMSO(30mL)中のメチル 2-ブロモイソニコチネート(3.00g、13.89mmol、Combi Blocks)及びtert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(3.88g、20.83mmol、Spectrochem)の溶液に、DIPEA(7.28mL、41.7mmol)を添加した。この反応混合物を、16時間にわたり100℃で撹拌した。この反応混合物を、氷冷水でクエンチし、EtOAcで抽出し、まとめた有機抽出物を硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、石油エーテル中の0~20%のEtOAcを使用するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、tert-ブチル 4-(4-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(1.50g、4.67mmol、34%収率)をオフホワイトの固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 8.28(d,J=5.1Hz,1H),7.22(s,1H),7.06(dd,J=5.1,1.3Hz,1H),3.86(s,3H),3.54(dd,J=6.8,3.8Hz,4H),3.42(dd,J=6.8,3.8Hz,4H),1.42(s,9H).m/z(ESI):322(M+H)
工程2:メチル 2-(ピペラジン-1-イル)イソニコチネート。tert-ブチル 4-(4-(メトキシカルボニル)ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(1.50g、4.67mmol)の1,4-ジオキサン(15mL)溶液に、0℃で、ジオキサン中の4M HCl(15mL、60mmol)を滴下し、r.t.で16時間にわたり撹拌した。この反応混合物を、減圧下で濃縮して(ロータリーエバポレーター)、粗物質(1.4g)をオフホワイトの固形物として得た。この粗物質を、次の工程に直接使用した。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 9.52(s,2H),8.30(d,J=5.2Hz,1H),7.38(s,1H),7.16(dt,J=5.2,1.1Hz,1H),3.88(s,3H),3.82-3.86(m,4H),3.16-3.20(m,4H).m/z(ESI):222(M+H)
工程3:メチル 2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)イソニコチネート。DMSO(14mL)中のメチル 2-(ピペラジン-1-イル)イソニコチネート ヒドロクロリド(1.40g、5.43mmol)及び4-ブロモ-6-クロロピリダジン-3-アミン(1.25g、5.98mmol、Combi Blocks)の溶液に、DIPEA(4.74mL、27.2mmol)を添加し、16時間にわたり100℃で撹拌した。この反応混合物を、氷冷水でクエンチし、EtOAcで抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、DCM中の0~20%のMeOHで溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、メチル 2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)イソニコチネート(0.90g、2.58mmol、48%収率)をオフホワイトの固形物として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 8.32(d,J=5.1Hz,1H),7.28(s,1H),7.09(d,J=5.0Hz,1H),6.95(s,1H),6.26(s,2H),3.88(s,3H),3.75(t,J=4.8Hz,4H),3.10(t,J=4.8Hz,4H).m/z(ESI):349(M+H)
工程4:2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)イソニコチン酸。THF(2mL)、水(2mL)、及びMeOH(2mL)中のメチル 2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)イソニコチネート(0.20g、0.57mmol)の溶液に、LiOH一水和物(72mg、1.72mmol)を添加し、16時間にわたりr.t.で撹拌した。この反応混合物を濃縮し、1.5N HClで中和した。沈殿した固形物をろ過し、水で洗浄し、真空下で乾燥させて、2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)イソニコチン酸(150mg、0.45mmol、78%収率)をオフホワイトの固形物として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 13.43(s,1H),8.29(d,J=5.1Hz,1H),7.27(s,1H),7.04-7.12(m,1H),6.95(s,1H),6.25(s,2H),3.74(d,J=5.6Hz,4H),3.08-3.12(m,4H).m/z(ESI):333(M-H)
工程5:2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)イソニコチンアミド。2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)イソニコチン酸(0.15g、0.45mmol)のDCM(3mL)溶液に、0℃で、DIPEA(0.39mL、2.24mmol)を滴下し、続いてHATU(0.26g、0.67mmol)を滴下し、10分にわたり撹拌した。次いで、0℃で、(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド ヒドロクロリド(中間体1、0.31g、0.67mmol)を少量ずつ添加し、16時間にわたりr.t.で撹拌した。この反応混合物を、水及びブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、DCM中の0~20%のMeOHで溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)イソニコチンアミド(0.30g、0.22mmol、49%収率)をオレンジ色固形物として得た。m/z(ESI):748(M+H)
工程6:2-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)イソニコチンアミド(実施例1、3390123)。1,4-ジオキサン(5.4mL)及び水(1.8mL)中の2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダイン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)イソニコチンアミド(0.30g、0.40mmol)、(2-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(66mg、0.48mmol)、及び炭酸カリウム(0.11g、0.80mmol)の混合物を、5分にわたり窒素で脱気した。次いで、この反応混合物にX-Phos-Pd-G3(16mg、0.020mmol、Strem Chemicals)を添加し、16時間にわたり100℃で撹拌した。この反応混合物を、セライトパッドに通してろ過し、EtOAcで洗浄した。ろ液を、水、ブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、DCM中の0~20%のMeOHを使用するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、2-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)イソニコチンアミド(実施例1、0.10g、0.12mmol、31%収率)を淡黄色固体として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 14.22(s,1H),8.99(s,1H),8.60(t,J=6.1Hz,1H),8.39(d,J=9.1Hz,1H),8.25(d,J=5.2Hz,1H),7.94(d,J=7.9Hz,1H),7.58(s,1H),7.50-7.34(m,4H),7.34-7.19(m,2H),7.06(d,J=5.2Hz,1H),6.89(dd,J=7.8,6.3Hz,2H),6.42(s,2H),5.18(d,J=3.5Hz,1H),4.82(d,J=9.1Hz,1H),4.48-4.40(m,3H),4.27(d,J=5.5Hz,1H),3.82-3.76(m,5H),3.25-3.14(m,4H),2.45(s,3H),2.05(d,J=8.2Hz,1H),1.92(d,J=6.6Hz,1H),1.05(s,9H).m/z(ESI):806.3(M+H)
(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド ビス(ヒドロクロリド)塩(中間体2)。
Figure 2023510746000013
工程1:tert-ブチル (S)-(1-(4-ブロモフェニル)エチル)カルバメート。(S)-1-(4-ブロモフェニル)エタン-1-アミン(50.0g、250mmol)及びEtN(27.8g、275mmol)のDCM(350mL)溶液に、0℃で、BocO(57.3g、262mmol)を滴下し、この混合物を、1時間にわたり20℃で撹拌した。この混合物を、水(2回×150mL)、ブライン(150mL)で洗浄し、NaSO,で脱水し、ろ過し、濃縮して、粗tert-ブチル (S)-(1-(4-ブロモフェニル)エチル)カルバメート(65g)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 7.46-7.43(m,2H),7.19-7.16(m,2H),4.74(br s,2H),1.56(s,2H),1.53(s,1H),1.41(s,13H).
工程2:tert-ブチル (S)-(1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバメート。DMA(30mL)中のtert-ブチル (S)-(1-(4-ブロモフェニル)エチル)カルバメート(11.0g、36.6mmol)、4-メチルチアゾール(7.27g、73.3mmol)、KOAc(7.19g、73.3mmol)、及びPd(OAc)(82mg、366μmol)を脱気し、次いで、窒素下で12時間にわたり90℃まで加熱した。この反応混合物を、水(80mL)で希釈し、DCM(3回×80mL)で抽出した。まとめた有機層を、ブライン(2回×80mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した(ロータリーエバポレーター)。粗残留物を、30:1~3:1の石油エーテル/EtOAcで溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、tert-ブチル (S)-(1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバメート(19.0g、59.7mmol、41%収率)を白色固形物として得た。
工程3:(S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エタン-1-アミン ヒドロクロリド。MeOH(140mL)中のtert-ブチル (S)-(1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバメート(19.0g、56.7mmol)及びHCl/MeOH(4M、142mL)を、1時間にわたり25℃で撹拌した。この混合物を減圧下で濃縮して(ロータリーエバポレーター)、粗(S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エタン-1-アミン ヒドロクロリド(18.0g)を白色固形物として得た。
工程4:メチル (2S,4R)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシレート。DCM(140mL)中の(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタン酸(15.7g、86.5mmol)及びHATU(36.2g、95.1mmol)の溶液に、0℃で、メチル (2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシレート(20.0g、86.5mmol)及びEtN(30.6g、302mmol)を添加した。この混合物を、18時間にわたり25℃で撹拌し、次いで、この反応混合物を、25℃で水(400mL)によりクエンチし、EtOAc(3回×200mL)で抽出した。まとめた有機層を、5%のクエン酸(2回×140mL)、飽和NaHCO溶液(2回×140mL)、及びブライン(2回×140mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した(ロータリーエバポレーター)。粗残留物を、30:1~3:1の石油エーテル/EtOAcで溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、メチル (2S,4R)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシレート(24.0g、67.0mmol、77%収率)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 5.27(d,J=9.2Hz,1H),4.67(t,J=8.4Hz,1H),4.50(br s,1H),4.18(d,J=9.6Hz,1H),4.11(d,J=7.2Hz,1H),3.76(s,4H),3.0(br s,1H),2.37-2.32(m,1H),1.40(s,9H),1.1(s,9H),1.0(s,1H).
工程5:(2S,4R)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸。THF(34mL)及び水(10mL)中のメチル (2S,4R)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキシレート(7.00g、19.53mmol)、LiOH一水和物(2.34g、97.65mmol)の混合物を、窒素でパージし、次いで、この混合物を、18時間にわたり25℃で撹拌した。THFを減圧下で除去し(ロータリーエバポレーター)、残留物を氷水(35mL)で希釈し、pHを3N HCl(約20mL)でpH2~3へと緩やかに調整した。生じた懸濁液をろ過し、水(2回×30mL)で洗浄して、(2S,4R)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(5.36g、15.6mmol、80%収率)を白色固形物として得た。
工程6:tert-ブチル ((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)カルバメート。DCM(100mL)中の(S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エタン-1-アミン ヒドロクロリド(4.9g、19.2mmol)、(2S,4R)-1-((S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボン酸(7.4g、19.2mmol)、HATU(8.0g、21.2mmol)、EtN(9.3mL、67.3mmol)の混合物を、窒素でパージし、次いで、この混合物を、20時間にわたり0~25℃で撹拌した。この反応混合物を、水(50mL)でクエンチし、EtOAc(3回×100mL)で抽出した。まとめた有機層を、5%のクエン酸(2回×70mL)、飽和NaHCO溶液(2回×70mL)、及びブライン(2回×70mL)で洗浄し、NaSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した(ロータリーエバポレーター)。粗残留物を、逆相カラムクロマトグラフィーで精製して、tert-ブチル ((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)カルバメート(5.9g、10.2mmol、53%収率)を白色固形物として得た。
工程7:(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド ビス(ヒドロクロリド)塩(中間体2)。MeOH(30mL)中の((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)カルバメート(4.1g、7.5mmol)、HCl/MeOH(4M、18.8mL)の混合物を、窒素でパージし、次いで、この混合物を、2時間にわたり25℃で撹拌した。この混合物を濃縮して、粗生成物を得た。この残留物を、逆相カラムクロマトグラフィーで精製して、(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド ビス(ヒドロクロリド)塩(中間体2、5.1g、9.8mmol、92%収率)を黄色固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 9.16(s,1H),8.65(d,1H),8.17(s,3H),7.48-7.44(m,J=8.7,3,2H),7.41-7.38(m,2H),5.96(br s,1H),4.91(t,J=7.2,1H),4.54(t,J=8.0Hz,1H),4.30(s,1H),3.74(d,J=7.2,1H),3.50-3.46(m,1H),2.47(s,3H),2.11(t,J=4.8Hz,1H),1.77-1.72(m,1H),2.35-2.38(m,1H),1.37(s,J=8.0Hz,3H),1.02(s,9H).
6-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)ピコリンアミド(実施例2)
Figure 2023510746000014
工程1:tert-ブチル 6-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピコリネート。tert-ブチル 6-(ピペラジン-1-イル)ピコリネート(2.00g、7.59mmol、Aurum Pharmatech)のDMSO(25.3mL)溶液に、3-アミノ-4-ブロモ-6-クロロピリダジン(1.90g、9.11mmol、Combi Blocks)を滴下し、続いてDIPEA(2.94g、22.78mmol)を滴下した。この反応混合物を、18時間にわたり100℃で撹拌した。この反応混合物を、水で希釈し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。水層を分離し、EtOAc(3回)で逆抽出した。有機層を、NaSOで脱水し、濃縮し、ヘプタン中の0~60%のEtOH/EtOAc(3:1)で溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーを使用して精製して、tert-ブチル 6-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピコリネート(2.14g、5.47mmol、72%収率)を黄褐色固形物として得た。
工程2:tert-ブチル 6-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピコリネート。1,4-ジオキサン(5mL)及び水(2mL)中のtert-ブチル 6-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピコリネート(0.53g、1.36mmol)、2-ヒドロキシベンゼンボロン酸(0.28g、2.04mmol、Oakwood Products,Inc.)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II) メタンスルホネート(0.12g、0.14mmol、Sigma-Aldrich Corporation)、及び炭酸ナトリウム(0.36g、3.40mmol)の混合物を、窒素でパージし、蓋をかぶせ、2時間にわたり110℃まで加熱した。この反応混合物を、水で希釈し、EtOAc(2回)で抽出した。まとめた有機層を濃縮し、残留物を、ヘプタン中の0~80%のEtOH/ETOAc(3:1)で溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、標題の化合物(0.47g、1.05mmol、77%収率)を得た。m/z(ESI,+veイオン):449.2(M+H)
工程3:6-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)ピコリンアミド(実施例2)。tert-ブチル 6-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピコリネート(0.17g、0.37mmol)のDCM(2mL)溶液に、TFA(1.4mL、18.5mmol)を添加した。この反応物を、2時間にわたりr.t.で撹拌し、減圧下で濃縮乾固させた(ロータリーエバポレーター)。粗残留物を、DCM(2mL)中の(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(中間体2、165mg、0.370mmol)、ブロモトリ(1-ピロリジニル)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(0.26g、0.56mmol、Sigma-Aldrich Corporation)、及びTEA(0.26mL、1.85mmol)で処理した。生じた溶液を、2時間にわたりr.t.で撹拌し、水で希釈し、EtOAc(2回)で抽出した。まとめた有機層を、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、粗残留物を、DCM中の0~20%のMeOHの勾配で溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、6-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)ピコリンアミド(実施例2、29mg、0.035mmol、10%収率)を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.64(s,1H),8.53(br d,J=8.50Hz,1H),7.48-7.70(m,4H),7.27-7.39(m,6H),7.05(br d,J=8.09Hz,1H),6.85-6.94(m,2H),4.99-5.20(m,3H),4.77(br t,J=7.57Hz,1H),4.68(br d,J=8.50Hz,1H),4.54(br s,1H),4.24(br d,J=11.20Hz,1H),3.75(br s,4H),3.67(br d,J=10.78Hz,2H),3.24(br s,4H),2.98-3.13(m,1H),2.49(s,4H),1.99-2.14(m,1H),1.48(br d,J=6.84Hz,3H),1.15(s,9H).m/z(ESI,+veイオン):819.2(M+H)
2-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)イソニコチンアミド(実施例3)。
Figure 2023510746000015
工程1:tert-ブチル 4-(4-(((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート。DCM(20L)中の2-(4-[(tert-ブトキシ)カルボニル]ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-カルボン酸(1.73g、5.63mmol、Enamine)、(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド ヒドロクロリド(中間体2、2.71g、5.63mmol)、ブロモトリ(ピロリジン-1-イル)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(V)(2.89g、6.19mmol、Sigma-Aldrich Corporation)、及びEtN(2.4mL、16.9mmol)の混合物を、2時間にわたりr.t.で撹拌した。この反応混合物を、水で希釈し、DCM(2回)で抽出した。有機層を、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、粗残留物を、DCM中の0~10%のMeOHで溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、標題の化合物(3.19g、4.35mmol、77%収率)を得た。m/z(ESI,+veイオン):734.3(M+H)
工程2:2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)イソニコチンアミド。tert-ブチル 4-(4-(((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)カルバモイル)ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(3.59g、4.89mmol)のDCM(20mL)溶液に、TFA(7.54mL、97.80mmol)を添加した。この溶液を、2時間にわたりr.t.で撹拌し、減圧下で濃縮した(ロータリーエバポレーター)。粗残留物を、DMSO(10mL)に溶解させ、3-アミノ-4-ブロモ-6-クロロピリダジン(1.02g、4.89mmol、Combi-Blocks)及びDIPEA(8.54mL、48.9mmol)で処理し、18時間にわたり100℃まで加熱した。この反応混合物を、冷却し、水で希釈し、DCM(2回)で抽出した。有機層を、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、粗残留物を、DCM中の0~20%のMeOHの勾配で溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、標題の化合物(2.02g、2.65mmol、54%収率)を得た。m/z(ESI,+veイオン):761.1/762.3(M+H)
工程3:2-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)イソニコチンアミド(実施例3)。1,4-ジオキサン(15mL)及び水(10mL)中の2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)イソニコチンアミド(1.60g、2.10mmol)、2-ヒドロキシベンゼンボロン酸(0.58g、4.20mmol、Oakwood Products,Inc.)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II) メタンスルホネート(0.18g、0.21mmol、Sigma-Aldrich Corporation)、及び炭酸ナトリウム(0.67g、6.30mmol)を、1時間にわたり110℃まで加熱した。この反応混合物を、水で希釈し、DCM(3回)で抽出した。有機層を、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、粗残留物を、DCM中の0~20%のMeOHの勾配で溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製した。生成物を、70mL/分の流速を使用する65%の液体CO及び35%のMeOHの移動相によりPrinceton MSA(250×21mm、5mm)を使用する分取SFCによりさらに精製して、標題の化合物(実施例3、0.70g、0.86mmol、41%収率)を得た。H NMR(DMSO-d,400MHz)δ 14.21(br s,1H),8.99(br s,1H),8.41(br d,1H,J=7.0Hz),8.2-8.4(m,2H),7.94(br d,1H,J=6.8Hz),7.58(br s,1H),7.3-7.5(m,4H),7.2-7.3(m,2H),7.0-7.1(m,1H),6.90(br d,2H,J=6.8Hz),6.40(br s,2H),5.1-5.2(m,1H),4.9-5.0(m,1H),4.80(br d,1H,J=9.1Hz),4.47(br t,1H,J=7.6Hz),4.33(br s,2H),3.83(br s,4H),3.68(br s,2H),3.2-3.3(m,4H),2.5-2.5(m,2H),1.9-2.1(m,1H),1.82(br s,1H),1.39(br d,3H,J=6.4Hz),1.05(br s,9H).m/z(ESI,+veイオン):819.3(M+H)
(2S,4R)-1-((S)-2-(3-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例4)。
Figure 2023510746000016
工程1:メチル 3-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ベンゾエート。メチル 3-(ピペラジン-1-イル)ベンゾエート ヒドロクロリド(2.04g、7.95mmol、Zerenex)のDMSO(27mL)溶液に、3-アミノ-4-ブロモ-6-クロロピリダジン(1.99g、9.54mmol、Combi Blocks Inc.)を滴下し、続いてDIPEA(5.6mL、31.8mmol)を滴下した。この反応混合物を、18時間にわたり100℃で撹拌した。r.t.の冷却した後、この反応混合物を水で希釈し、EtOAc(100mL)で抽出した。水層を分離し、EtOAc(3回)で逆抽出した。まとめた有機層を、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、粗生成物を、ヘプタン中の0~60%のEtOAc/EtOH(3:1)の勾配を使用するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、メチル 3-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ベンゾエート(1.4g、4.0mmol、51%収率)を黄色固形物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 7.64(s,1H),7.59(d,J=7.67Hz,1H),7.36(t,J=7.98Hz,1H),7.16(dd,J=8.19,1.97Hz,1H),6.81(s,1H),4.82(br s,2H),3.92(s,3H),3.36-3.43(m,4H),3.21-3.28(m,4H).m/z(ESI,+veイオン):348.2(M+H)
工程2:3-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)安息香酸。25%塩酸(2.4mL、20mmol)中のメチル 3-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ベンゾエート(0.7g、2.0mmol)の懸濁液を、18時間にわたり80℃で撹拌した。r.t.まで冷却した後、この反応混合物を、5N NaOHでpH6~7まで中和した。生じた沈殿物を、ろ別により回収し、水で洗浄し、60℃にて真空オーブン中で乾燥させて、3-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)安息香酸(0.68g、2.00mmol、100%収率)を黄褐色固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 7.51(br s,2H),7.33-7.44(m,2H),7.27(br d,J=7.05Hz,1H),7.20(s,1H),3.36-3.44(m,4H),3.24(br s,4H).m/z(ESI,+veイオン):334.1(M+H)
工程3:(2S,4R)-1-((S)-2-(3-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド。DCM(4mL)中の3-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)安息香酸(0.20g、0.60mmol)、(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(中間体2、0.67g、1.50mmol)、トリエチルアミン(0.25mL、1.8mmol)、及びブロモトリ(1-ピロリジニル)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(0.31g、0.66mmol、Sigma-Aldrich Corporation)の混合物を、16時間にわたりr.t.で撹拌した。この反応混合物、40℃まで温め、さらに36時間にわたり撹拌下。r.t.まで冷却した後、この反応混合物を、ブラインで希釈し、EtOAc(3回)で抽出した。有機層をまとめ、脱水し(MgSO)、減圧下で濃縮した(ロータリーエバポレーター)。粗残留物を、ヘプタン中の0~90%のEtOAc/EtOH(3:1)の勾配で溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、2-(4-(3-アミノ-(2S,4R)-1-((S)-2-(3-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(0.14g、0.19mmol、32%収率)をオフホワイトの固形物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 8.67(s,1H),7.30-7.45(m,8H),7.19(d,J=7.46Hz,1H),7.10(dd,J=8.29,2.07Hz,1H),6.77-6.83(m,1H),5.09(五重線,J=7.15Hz,1H),4.87(br s,2H),4.71-4.79(m,2H),4.57(br s,1H),4.19(br d,J=11.40Hz,1H),3.67(dd,J=11.30,3.63Hz,1H),3.19-3.25(m,8H),2.52(s,3H),1.49(d,J=7.05Hz,3H),1.39(t,J=7.36Hz,2H),1.13(s,9H).m/z(ESI,+veイオン):760.3(M+H)
工程4:(2S,4R)-1-((S)-2-(3-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例4)。(2S,4R)-1-((S)-2-(3-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(0.14g、0.19mmol)、2-ヒドロキシベンゼンボロン酸(52mg、0.38mmol、Oakwood Products,Inc.)、X-Phos Pd G3(16mg、0.019mmol、Sigma-Aldrich Corporation)、及び炭酸カリウム(65mg、0.47mmol)の混合物を、窒素でフラッシュし、1,4-ジオキサン(710μL)及び水(240μL)で処理した。この反応混合物を、20時間にわたり100℃で加熱した。r.t.まで冷却した後、この反応混合物を、EtOAcとブラインとの間で分配した。水層を、EtOAc(3回)で逆抽出し、まとめた有機層を脱水し(MgSO)、減圧下で濃縮した(ロータリーエバポレーター)。粗残留物を、ヘプタン中の0~100%のEtOAc/EtOH(3:1)の勾配で溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、(2S,4R)-1-((S)-2-(3-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例4、37mg、0.045mmol、24%収率)をオフホワイトの固形物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 8.61(s,1H),8.10(s,1H),7.41-7.54(m,2H),7.32-7.38(m,6H),7.24-7.32(m,3H),6.82(br d,J=8.09Hz,1H),5.28-5.38(m,1H),4.64(t,J=8.60Hz,1H),4.58(dd,J=8.81,4.66Hz,1H),4.46(d,J=8.71Hz,1H),4.35-4.43(m,3H),4.02-4.10(m,2H),4.01- 4.04(m,1H),3.60-3.72(m,3H),3.56(dd,J=15.45,9.23Hz,1H),3.20-3.33(m,2H),3.11-3.20(m,1H),2.47(s,3H),1.63(s,3H),1.18-1.23(m,2H),0.98(s,9H).m/z(ESI,+veイオン):818.3(M+H)
2-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)チアゾール-4-カルボキサミド(実施例5)。
Figure 2023510746000017
工程1:エチル 2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-4-カルボキシレート。1-(tert-ブトキシカルボニル)-ピペラジン(1.41g、7.57mmol)及びエチル 2-ブロモチアゾール-4-カルボキシレート(2.14g、9.08mmol)のDMSO(5mL)溶液に、DIPEA(2.6mL、15.1mmol)を添加した。生じた混合物を、16時間にわたり100℃で撹拌し、r.t.まで冷却し、次いで、この反応混合物を、DCMで希釈し、HOで洗浄した。有機層を、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、0~40%のEtOAc/ヘプタンの勾配で溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、標題の化合物(2.07g、80%収率)を黄色固形物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 7.43-7.49(m,1H),4.32-4.40(m,2H),3.48-3.60(m,8H),1.48(s,9H),1.34-1.41(m,3H).m/z(ESI,+veイオン):342(M+H)
工程2:エチル 2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-4-カルボキシレート。DCM(10mL)中のエチル 2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-4-カルボキシレート(2.07g、6.06mmol)を、TFA(5.0mL、67.1mmol)で処理し、2時間にわたりr.t.で撹拌した。この反応混合物を、減圧下で濃縮乾固させ(ロータリーエバポレーター)、次いでDMSO(10mL)に溶解させ、0℃にてDIPEA(5.29mL、30.3mmol)で処理し、続いて3-アミノ-4-ブロモ-6-クロロピリダジン(1.52g、7.28mmol)で処理した。生じた混合物を、16時間にわたり110℃で加熱し、r.t.まで冷却し、次いで、この反応混合物を、DCMで希釈し、HOで洗浄し、有機層を、MgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した(ロータリーエバポレーター)。粗残留物を、DCM中の0~10%のMeOHの勾配で溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、標題の化合物(1.08g、48%収率)をオレンジ色固形物として得た。m/z(ESI,+veイオン):369(M+H)
工程3:2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-4-カルボン酸。EtOH(15mL)中のエチル 2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)トリアゾール-4-カルボキシレート(0.56g、1.52mmol)の撹拌懸濁液に、水(2mL)中の5N 水酸化ナトリウム溶液(2mL、107mmol)を添加した。生じた混合物を、1時間にわたり70℃で撹拌し、次いで、この反応混合物を、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、残留物を、HOに溶解させ、水性HClで中和した。沈殿物を、ろ別により回収し、ヘプタンで洗浄して、標題の化合物(0.47g、91%収率)を黄色固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 7.59-7.76(m,1H),6.97(s,1H),6.26(s,2H),3.58-3.68(m,4H),3.08-3.16(m,4H).m/z(ESI,+veイオン):341(M+H)
工程4:2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)チアゾール-4-カルボキサミド。DCM(2mL)中の2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)チアゾール-4-カルボン酸(40mg、0.12mmol)、(2S,4R)-1-((R)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド ヒドロクロリド(中間体2、57mg、0.12mmol)、ブロモトリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(0.11g、0.24mmol)、及びEtN(62μL、0.44mmol)を、2時間にわたりr.t.で撹拌した。この反応混合物を、DCM中の0~10%のMeOHの勾配で溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、標題の化合物(実施例5、65mg、72%収率)を黄色固形物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 8.59(s,1H),7.73(d,J=8.9Hz,1H),7.43(d,J=7.7Hz,1H),7.28-7.36(m,4H),6.71(s,1H),5.01(t,J=7.3Hz,1H),4.94(s,2H),4.68(t,J=7.8Hz,1H),4.60(d,J=8.9Hz,1H),4.47(br s,1H),4.08(br d,J=11.4Hz,1H),3.57-3.60(m,4H),3.33-3.38(m,1H),3.12(br s,4H),2.30-2.62(m,5H),1.41(d,J=7.0Hz,3H),1.04(s,9H).m/z(ESI,+veイオン):767(M+H)
工程5:2-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)チアゾール-4-カルボキサミド(実施例5)。2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)チアゾール-4-カルボキサミド(65mg、0.085mmol)、2-ヒドロキシフェニルボロン酸(35mg、0.25mmol)、X-Phos Pd G3(7.2mg、8.47μmol)、及び炭酸ナトリウム(22mg、0.21mmol)を、窒素でフラッシュし、1,4-ジオキサン(2mL)及び水(1mL)で処理した。この反応混合物を、2時間にわたり100℃で加熱し、減圧下で濃縮した(ロータリーエバポレーター)。粗残留物を、DCM中の0~10%のMeOHの勾配で溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、標題の化合物(実施例5、22mg、32%収率)をオフホワイトの固形物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 8.65(s,1H),7.80(br d,J=8.9Hz,1H),7.58(br d,J=7.5Hz,1H),7.46-7.52(m,1H),7.42-7.45(m,1H),7.26-7.40(m,7H),6.91(br t,J=7.5Hz,1H),5.00-5.16(m,1H),4.87-5.00(m,1H),4.76(br t,J=7.8Hz,1H),4.66(br d,J=8.7Hz,1H),4.54(br s,1H),4.21(br d,J=11.0Hz,1H),3.57-3.79(m,5H),3.12-3.35(m,4H),2.45-2.58(m,4H),2.01-2.12(m,1H),1.45-1.52(m,4H),1.06-1.18(m,9H).m/z(ESI,+veイオン):825.2(M+H)
(2S,4R)-1-((S)-2-(5-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)チオフェン-2-カルボキサミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例6)。
Figure 2023510746000018
工程1:tert-ブチル 4-(5-(エトキシカルボニル)チオフェン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート。エチル 5-ブロモチオフェン-2-カルボキシレート(1.00g、4.25mmol)、1-(tert-ブトキシカルボニル)-ピペラジン(0.79g、4.25mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.19g、0.85mmol)、rac-2,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1-ビナフチル(0.53g、0.85mmol)、及び炭酸セシウム(2.08g、6.38mmol)の混合物を、16時間にわたり100℃にて、1,4-ジオキサン(20mL)中で撹拌した。この反応混合物を、セライトに通してろ過し、EtOAcで洗浄した。ろ液を、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、ヘプタン中の0~40%のEtOAcの勾配で溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、標題の化合物(0.56g、1.63mmol、38%収率)を黄色固形物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 7.52(d,J=4.4Hz,1H),6.02(d,J=4.4Hz,1H),4.26(q,J=7.2Hz,2H),3.51-3.59(m,4H),3.15-3.23(m,4H),1.45(s,9H),1.31(t,J=7.0Hz,3H).m/z(ESI,+veイオン):341(M+H)
工程2:エチル 5-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)チオフェン-2-カルボキシレート。DCM(10mL)中のtert-ブチル 4-(5-(エトキシカルボニル)チオフェン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.61g、1.79mmol)を、TFA(2mL、26.8mmol)で処理し、2時間にわたりr.t.で撹拌した。この反応混合物を、減圧下で濃縮乾固させ(ロータリーエバポレーター)、DMSO(10mL)に溶解させ、0℃にてDIPEA(1.56mL、8.96mmol)で処理し、続いて3-アミノ-4-ブロモ-6-クロロピリダジン(0.45g、2.15mmol)で処理した。生じた混合物を、16時間にわたり110℃で加熱し、次いで、この反応混合物を、DCMで希釈し、HOで洗浄した。有機層を、MgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、粗残留物を、DCM中の0~10%のMeOHの勾配で溶離するシリカゲルによるクロマトグラフィーで精製して、標題の化合物(0.38g、1.03mmol、57%収率)をオレンジ色固形物として得た。m/z(ESI,+veイオン):368(M+H)
工程3:5-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)チオフェン-2-カルボン酸。EtOH(5mL)中のエチル 5-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)チオフェン-2-カルボキシレート(88mg、0.24mmol)の撹拌懸濁液に、水(2mL)中の5N 水酸化ナトリウム溶液(1.0mL、53.3mmol)を添加した。生じた混合物を、2時間にわたり70℃で撹拌した。この反応混合物の濃縮後、残留物を、HOに溶解させ、1N HCで中和した。生じた沈殿物を、ろ別により回収し、ヘプタンで洗浄して、標題の化合物をオレンジ色固形物(68mg、0.24mmol、100%)として得、この固形物を、次の工程で直接使用した。m/z(ESI,+veイオン):340(M+H)
工程4:(2S,4R)-1-((S)-2-(5-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)チオフェン-2-カルボキサミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド。DCM(2mL)中の5-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)チオフェン-2-カルボン酸(34mg、0.10mmol)、(2S,4R)-1-((R)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド ヒドロクロリド(中間体2、48mg、0.10mmol)、ブロモトリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(93mg、0.20mmol)、及びEtN(60μL、0.44mmol)の混合物を、2時間にわたりr.t.で撹拌した。この反応混合物を、DCM中の0~10%のMeOHの勾配で溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、標題の化合物(33mg、0.043mmol、43%収率)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 8.67(s,1H),7.44-7.51(m,1H),7.34-7.42(m,4H),6.78(s,1H),6.40(d,J=8.5Hz,1H),6.08(d,J=4.1Hz,1H),5.09(t,J=7.3Hz,1H),4.84(s,2H),4.64-4.80(m,2H),4.54(br s,1H),4.16(br d,J=11.4Hz,1H),3.63(dd,J=11.4,3.3Hz,1H),3.33-3.41(m,4H),3.18-3.22(m,4H),2.53(s,3H),2.13-2.20(m,1H),2.06(br dd,J=13.3,7.9Hz,1H),1.49(d,J=7.0Hz,3H),1.10(s,9H).m/z(ESI,+veイオン):766(M+H)
工程5:(2S,4R)-1-((S)-2-(5-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)チオフェン-2-カルボキサミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例6)。(2S,4R)-1-((S)-2-(5-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)チオフェン-2-カルボキサミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(33mg、0.043mmol)、2-ヒドロキシフェニルボロン酸(18mg、0.13mmol)、X-Phos Pd G3(3.6mg、4.3μmol)、及び炭酸ナトリウム(11mg、0.11mmol)を、窒素でフラッシュし、1,4-ジオキサン(2mL)及び水(1mL)で処理し、この反応混合物を、2時間にわたり100℃で加熱した。この反応混合物を、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、粗残留物を、DCM中の0~10%のMeOHの勾配で溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、標題の化合物(実施例6、3.3mg、4.0μmol、9.3%収率)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 8.64-8.70(m,1H),7.50-7.64(m,2H),7.32-7.44(m,7H),7.30-7.32(m,1H),7.07(br d,J=8.9Hz,1H),6.90-6.96(m,1H),6.38-6.45(m,1H),6.05-6.12(m,1H),5.05-5.14(m,1H),4.63-4.80(m,2H),4.55(br s,1H),4.10-4.20(m,1H),3.59-3.76(m,2H),3.23-3.52(m,8H),2.52(s,3H),2.18(s,1H),2.03-2.14(m,1H),1.49(br d,J=6.2Hz,3H),1.10(br s,9H).m/z(ESI,+veイオン):824(M+H)
(2S,4R)-1-((S)-2-(3-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ベンズアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例7)。
Figure 2023510746000019
工程1:エチル 6-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ニコチネート。1-(5-エトキシカルボニル-ピリジン-2-イル)ピペラジン(2.19g、9.30mmol)のDMSO(3mL)溶液に、3-アミノ-4-ブロモ-6-クロロピリダジン(2.33g、11.2mmol)を添加し、続いてDIPEA(4.87mL、27.9mmol)を滴下した。この反応混合物を、18時間にわたり100℃で撹拌した。この反応混合物を、水で希釈し、生じた沈殿物を、ろ別により回収し、水及びEtOAで洗浄し、乾燥させて、エチル 6-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ニコチネート(2.23g、6.14mmol、66%収率)を黄褐色固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 8.67(d,J=2.28Hz,1H),7.97(dd,J=9.12,2.28Hz,1H),6.95(d,J=8.17Hz,1H),6.94(s,1H),6.27(s,2H),4.26(q,J=7.05Hz,2H),3.80-3.90(m,4H),3.03-3.14(m,4H),1.29(t,J=7.15Hz,3H).m/z(ESI,+veイオン):363.02(M+H)
工程2:6-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ニコチン酸。25%水性塩酸(4.1mL、33.8mmol)中のエチル 6-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ニコチネート(1.23g、3.38mmol)の懸濁液を、18時間にわたり80℃で撹拌した。この反応混合物を、5N 水性NaOHでpH6~7へと中和した。生じた沈殿物を、ろ別により回収し、真空オーブン中で乾燥させて、6-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ニコチン酸(0.62g、1.85mmol、55%収率)を黄褐色固形物として得た。ろ液を、EtOHにより抽出した(水層中に留まっていた生成物)。水溶液を凍結乾燥させて、さらに0.54gの生成物を淡黄褐色固形物として得た(まとめた収率100%)。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ ppm 8.62(d,J=1.87Hz,1H),7.97(dd,J=8.71,2.07Hz,1H),6.95(s,1H),6.78(d,J=8.91Hz,1H),6.23(s,2H),3.66-3.77(m,4H),3.01-3.14(m,4H).m/z(ESI,+veイオン):335.0(M+H)
工程3:6-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)ニコチンアミド。DCM(1mL)中の6-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ニコチン酸(0.10g、0.30mmol)、TEA(0.13mL、0.90mmol)、(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(中間体2、0.33g、0.75mmol)、及びブロモトリ(1-ピロリジニル)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(0.15g、0.33mmol)の混合物を、1時間にわたりr.t.で撹拌した。この反応混合物を、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、ヘプタン中の0~100%のEtOAc/EtOH(3:1)で溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、2-(4-(3-アミノ6-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)ニコチンアミド(67mg、0.088mmol、30%収率)をオフホワイトの固形物として得た。m/z(ESI,+veイオン):761.1(M+H)
工程4:6-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)ニコチンアミド(実施例7)。6-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)ニコチンアミド(71mg、0.093mmol)、2-ヒドロキシベンゼンボロン酸(26mg、0.19mmol)、X-Phos Pd G3(7.9mg、9.3μmol)、及び無水炭酸カリウム(32mg、0.23mmol)の混合物を、窒素でフラッシュし、1,4-ジオキサン(350μL)及び水(120μL)で処理した。次いで、この反応混合物を、20時間にわたり100℃で加熱した。さらなるボロン酸(12mg)、X-Phos Pd G3(4mg)、及びジオキサン(0.3mL)を添加し、この反応混合物を、さらに6時間にわたり100℃で撹拌した。この反応混合物を、EtOAcとブラインとの間で分配し、水層を、EtOAc(3回)で逆抽出し、まとめた有機物を、脱水し(NaSO)、減圧下で濃縮した(ロータリーエバポレーター)。粗物質を、ヘプタン中の0~80%のEtOAc/EtOH(3:1)の勾配で溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、6-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)ニコチンアミド(実施例7、17mg、0.020mmol、22%収率)を黄褐色固形物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.62-8.70(m,2H),7.93(dd,J=2.49,8.91Hz,1H),7.59(dd,J=1.24,8.09Hz,1H),7.34-7.46(m,6H),7.28-7.33(m,1H),7.06(dd,J=0.93,8.19Hz,1H),6.88-6.96(m,1H),6.67(dd,J=8.81,18.14Hz,2H),5.10(t,J=7.15Hz,1H),4.87(s,2H),4.70-4.81(m,2H),4.56(br s,1H),4.22(br d,J=11.40Hz,1H),3.80-3.92(m,4H),3.65(dd,J=3.63,11.51Hz,1H),3.21-3.30(m,4H),2.55-2.64(m,1H),2.53(s,3H),2.09(br dd,J=7.98,13.99Hz,1H),1.49(d,J=6.84Hz,3H),1.13(s,9H).m/z(ESI,+veイオン):819.3(M+H)
(2S,4R)-1-((S)-2-(2-(2-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)アセトアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例8)。
Figure 2023510746000020
工程1:ジエチル 2-(2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)マロネート。DMSO(10mL)中のジエチル 2-(2-ブロモピリジン-4-イル)マロネート(1.00g、3.16mmol)、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(1.18g、6.33mmol、Chempure)、及びDIPEA(1.66mL、9.49mmol)の溶液を、24時間にわたり130℃で撹拌した。この反応混合物を、氷冷水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。まとめた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、NaSOで脱水し、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、ヘキサン中の0~30%のEtOAcを使用するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、ジエチル 2-(2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)マロネート(0.33g、0.78mmol、25%収率)を淡黄色油状物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 8.08(d,J=5.1Hz,1H),6.78(s,1H),6.61(d,J=5.2Hz,1H),5.22(s,1H),4.08-4.14(m,4H),3.83-3.78(m,4H),3.44-3.38(m,4H),1.35-1.44(s,9H),1.17(t,J=7.1Hz,6H).m/z(ESI):422.2(M+H)
工程2:ジエチル 2-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)マロネート。ジエチル 2-(2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)マロネート(0.33g、0.78mmol)のDCM(10mL)溶液に、0℃でTFA(0.5mL、6.49mmol)を添加し、この反応混合物を、12時間にわたりr.t.で撹拌した。溶媒を蒸発させて、ジエチル 2-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)マロネート(0.25g、0.78mmol、99%収率)を淡黄色の粘着性油状物として得た。m/z(ESI):322.1(M+H)
工程3:ジエチル 2-(2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)マロネート。DMSO(5mL)中のジエチル 2-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)マロネート(0.25g、0.78mmol)、4-ブロモ-6-クロロピリダジン-3-アミン(0.16g、0.78mmol)、及びDIPEA(0.41mL、2.33mmol)の溶液を、16時間にわたり110℃で撹拌した。この反応混合物を、氷冷水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を、無水NaSOで脱水し、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、DCM中の0~10%のMeOHで溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、ジエチル 2-(2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)マロネート(0.15g、0.33mmol、43%収率)を淡褐色の粘着性油状物として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 8.10(dd,J=17.7,5.1Hz,1H),6.95(s,1H),6.80(s,1H),6.56-6.72(m,1H),6.24(s,2H),3.97-4.24(m,3H),3.59-3.72(m,6H),3.09(t,J=5.1Hz,4H),1.07-1.25(m,6H).m/z(ESI):449.1(M+H)
工程4:2-(2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)酢酸。ジエチル 2-(2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)マロネート(0.15g、0.33mmol)の水(1mL)溶液に、KCO(92mg、0.67mmol)を添加し、この反応混合物を、5時間にわたり100℃で撹拌した。pHを、1.5N HClを使用してpH7に調整し、沈殿した固形物を、ろ別により回収して乾燥させて、2-(2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)酢酸(0.080g、0.23mmol、69%収率)をオフホワイトの固形物として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 12.50(s,1H),8.05(d,J=5.3Hz,1H),6.98(s,1H),6.88(s,1H),6.65(d,J=5.3Hz,1H),6.38(s,2H),3.69(s,4H),3.56(s,2H),3.11(s,4H).m/z(ESI):349.1(M+H)
工程5:(2S,4R)-1-((S)-2-(2-(2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)アセトアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド。DCM(5mL)中の2-(2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)酢酸(0.080g、0.23mmol)、DIPEA(0.12mL、0.69mmol)の溶液に、0℃でHATU(0.13g、0.34mmol)を添加し、続いて(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((R)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド ヒドロクロリド(中間体2、0.13g、0.28mmol)を添加した。この反応混合物を、16時間にわたりr.t.で撹拌し、次いで、この反応混合物を、水で希釈し、DCMで抽出した。有機抽出物を、無水NaSOで脱水し、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、DCM中の0~15%のMeOHで溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、(2S,4R)-1-((S)-2-(2-(2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)アセトアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(0.11g、0.14mmol、59%収率)を淡黄色固形物として得た。m/z(ESI):775.3(M+H)
工程6:(2S,4R)-1-((S)-2-(2-(2-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)アセトアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例8)。1,4-ジオキサン(2mL):水(0.4mL)中の(2S,4R)-1-((S)-2-(2-(2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)アセトアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((R)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(0.10g、0.13mmol)、(2-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(21mg、0.16mmol、Sigma Aldrich)、及びKCO(36mg、0.26mmol)を、窒素で脱気した。次いで、この反応混合物に、X-Phos Pd G3(5mg、6.45μmol、Strem Chemicals)を添加し、16時間にわたり100℃で撹拌した。この反応混合物を、氷冷水で希釈し、EtOAcで抽出し、有機抽出物を、ブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、減圧下での濃縮し(ロータリーエバポレーター)、DCM中の0~10%のMeOHを使用するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、(2S,4R)-1-((S)-2-(2-(2-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)アセトアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例8、44mg、0.053mmol、41%収率)をオフホワイトの固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm δ 14.22(s,1H),8.98(s,1H),8.38(d,J=7.8Hz,1H),8.16(d,J=9.2Hz,1H),8.04(d,J=5.1Hz,1H),7.99-7.83(m,1H),7.57(s,1H),7.43(d,J=8.1Hz,2H),7.37(d,J=8.1Hz,2H),7.30-7.17(m,2H),6.96-6.84(m,2H),6.60(d,J=5.2Hz,1H),6.40(s,2H),5.10(d,J=3.5Hz,1H),4.91(p,J=7.3Hz,1H),4.51(d,J=9.1Hz,1H),4.43(t,J=8.1Hz,1H),4.27(d,J=5.9Hz,1H),3.79-3.66(m,4H),3.64-3.53(m,3H),3.43(d,J =13.7Hz,1H),3.19(t,J=4.9Hz,3H),2.45(s,3H),2.02(dd,J=13.1,8.1Hz,1H),1.79(ddd,J= 13.1,8.7,4.5Hz,1H),1.37(d,J=7.0Hz,3H),0.93(d,J=8.9Hz,9H).m/z(ESI):833.3(M+H)
(2S,4R)-1-((S)-2-(3-(2-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)プロパンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例9)
Figure 2023510746000021
Figure 2023510746000022
工程1:tert-ブチル (E)-3-(2-ブロモピリジン-4-イル)アクリレート。THF(50mL)中のNaH(0.77g、32.0mmol)の懸濁液に、0℃で、tert-ブチル 2-(ジエトキシホルホリル)アセテート(8.14g、32.3mmol、Combi Blocks)を添加した。10分後、2-ブロモイソニコチンアルデヒド(5.00g、26.9mmol、Combi Blocks)を滴下し、2時間にわたりr.t.で撹拌した。この反応混合物を、氷冷水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機抽出物を、ブラインで洗浄し、無水NaSOで脱水し、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、ヘキサン中の10~13%のEtOAcで溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、tert-ブチル (E)-3-(2-ブロモピリジン-4-イル)アクリレート(5.80g、20.41mmol、76%収率)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 8.41(d,J=5.1Hz,1H),7.98-8.02(m,1H),7.76(dd,J=5.1,1.5Hz,1H),7.50(d,J=16.1Hz,1H),6.87(d,J=16.1Hz,1H),1.49(s,9H).m/z(ESI):284及び284.0及び286.0(M+H)
工程2:(E)-3-(2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)アクリル酸。1,4-ジオキサン(10mL)中のtert-ブチル (E)-3-(2-ブロモピリジン-4-イル)アクリレート(1.00g、3.52mmol)、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(0.79g、4.22mmol、Chempure)、及びナトリウム tert-ブトキシド(0.68g、7.04mmol)の溶液を、2分にわたり窒素で脱気した。次いで、この反応混合物に、キサントホス(0.20g、0.35mmol、Arbor Chemicals)及びPd(dba)(0.32g、0.35mmol、Chempure)を添加し、16時間にわたり100℃で撹拌した。この反応混合物を、水で希釈し、EtOACで抽出し、有機抽出物を、無水NaSOで脱水し、減圧下で濃縮して(ロータリーエバポレーター)、(E)-3-(2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)アクリル酸を黄色固形物(1.4g)として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 8.10(d,J=5.1Hz,1H),7.28(d,J=15.9Hz,1H),7.02(s,1H),6.88(d,J=5.2Hz,1H),6.69(d,J=15.9Hz,1H),3.54-3.50(m,4H),3.44-3.40(m,4H),1.32-1.52(s,9H).m/z(ESI):334.2(M+H)
工程3:tert-ブチル (E)-4-(4-(3-メトキシ-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート。(E)-3-(2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)アクリル酸(1.00g、3.00mmol)のDCM(10mL)溶液に、0℃で、ジエチルエーテル中のTMS-ジアゾメタン(6.00mL、12.00mmol)を滴下し、この反応混合物を、5時間にわたりr.t.で撹拌した。この反応混合物を、水で希釈し、DCMで抽出した。有機抽出物を、無水NaSOで脱水し、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、石油エーテル中の20~25%のEtOAcで溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、tert-ブチル (E)-4-(4-(3-メトキシ-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.50g、1.44mmol、48%収率)をオレンジ色油状物として得た。m/z(ESI):348.2(M+H)
工程4:tert-ブチル 4-(4-(3-メトキシ-3-オキソプロピル)ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート。
MeOH(10mL)中のtert-ブチル (E)-4-(4-(3-メトキシ-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.60g、1.73mmol)及びPd/C(0.15g、0.14mmol)の溶液を、4時間にわたり水素雰囲気下(1atm)で撹拌した。この反応混合物を、セライトのパッドに通してろ過し、MeOHで洗浄した。この反応混合物を、減圧下で濃縮して(ロータリーエバポレーター)、tert-ブチル 4-(4-(3-メトキシ-3-オキソプロピル)ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.50g、83%収率)を淡黄色油状物として得、この油状物を、精製することなく次の工程で使用した。m/z(ESI):350.2(M+H)。
工程5:メチル 3-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)プロパノエート。tert-ブチル 4-(4-(3-メトキシ-3-オキソプロピル)ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.53g、1.52mmol)の1,4-ジオキサン(2mL)溶液に、0℃で、ジオキサン(1mL)中の4M HClを添加し、2時間にわたりr.t.で撹拌した。この反応混合物を、減圧下で濃縮して(ロータリーエバポレーター)、メチル 3-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)プロパノエート ヒドロクロリド(0.43g、1.51mmol、99%収率)を白色固体として得、この固体を、さらに精製することなく次の工程で使用した。
工程6:メチル 3-(2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)プロパノエート。DMSO(3mL)中の4-ブロモ-6-クロロピリダジン-3-アミン(0.33g、1.58mmol、Combi Blocks)及びメチル 3-(2-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)プロパノエート ヒドロクロリド(0.45g、1.58mmol)の溶液に、DIPEA(1.38mL、7.92mmol)を添加し、16時間にわたり100℃で撹拌した。この反応混合物を、水で希釈し、EtOAcで抽出し、有機抽出物を、無水NaSOで脱水し、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、DCM中の10~11%のMeOHで溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、メチル 3-(2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)プロパノエート(0.15g、0.40mmol、27%収率)を淡黄色固形物として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 8.02(d,J=5.1Hz,1H),6.95(s,1H),6.76(s,1H),6.57(d,J=5.3Hz,1H),6.24(s,2H),3.69-3.65(m,4H),3.60(s,3H),2.78(t,J=7.5Hz,2H),2.61-2.72(m,4H),2.56(d,J=8.3Hz,2H).m/z(ESI):377.1(M+H)
工程7:3-(2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)プロパン酸。MeOH(1mL)、THF(1mL)、及び水(0.5mL)中のメチル 3-(2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)プロパノエート(0.15g、0.40mmol)の溶液に、LiOH一水和物(50mg、1.19mmol)を添加した。この反応混合物を、4時間にわたりr.t.で撹拌した。この反応混合物を、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、水で希釈し、1N HClを使用して(pH6へと)酸性化した。沈殿した固形物を、ろ別により回収し、乾燥させて、3-(2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)プロパン酸(0.12g、0.33mmol、83%収率)を白色固形物として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 12.19(s,1H),8.02(d,J=5.2Hz,1H),6.96(s,1H),6.80(s,1H),6.60(d,J=5.2Hz,1H),6.28(s,2H),3.70-3.66(s,4H),3.08(t,J=4.8Hz,4H),2.77(d,J=7.6Hz,2H),2.58(d,J=7.4Hz,2H).m/z(ESI):363.1(M+H)
工程8:(2S,4R)-1-((S)-2-(3-(2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)プロパンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド。3-(2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)プロパン酸(0.12g、0.33mmol)のDCM(3mL)溶液に、0℃で、HATU(0.19g、0.50mmol)を添加し、続いてDIPEA(0.23mL、1.32mmol)を添加し、15分後、(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド ヒドロクロリド(中間体2、0.16g、0.33mmol)を添加した。この反応混合物を、18時間にわたりr.t.で撹拌し、次いで、この反応混合物を、水で希釈し、DCMで抽出した。有機抽出物を、無水NaSOで脱水し、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、DCM中の10~11%のMeOHで溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、(2S,4R)-1-((S)-2-(3-(2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)プロパンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(0.20g、0.25mmol、77%収率)を黄色固形物として得た。H NMR(300MHz,DMSO-d):δ ppm 8.99(s,1H),8.38(d,J=7.8Hz,1H),8.00(d,J=5.0Hz,1H),7.90(d,J=9.3Hz,1H),7.44(d,J=8.4Hz,2H),7.38(d,J=8.2Hz,2H),6.95(s,1H),6.75(s,1H),6.56(d,J=5.1Hz,1H),6.24(s,2H),5.12(d,J=3.4Hz,1H),4.87-4.97(m,1H),4.53(d,J=9.3Hz,1H),4.43(t,J=8.1Hz,1H),4.29(s,1H),4.10(q,J=5.3Hz,1H),3.64(d,J=17.8Hz,6H),3.17(d,J=5.2Hz,2H),3.09-3.05(m,4H),2.62(dd,J=20.7,13.2Hz,1H),2.46(s,3H),2.01(d,J=9.3Hz,1H),1.37(d,J=6.9Hz,3H),0.90(s,9H).m/z(ESI):790.3(M+H)
工程9:(2S,4R)-1-((S)-2-(3-(2-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)プロパンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例9)。ジオキサン(5mL)及びHO(1mL)中の(2S,4R)-1-((S)-2-(3-(2-(4-(3-アミノ-6-クロロピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)プロパンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(0.20g、0.25mmol)、(2-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(0.042g、0.30mmol、Combi Blocks)、及びKCO(0.070g、0.51mmol)の溶液を、窒素で脱気し、次いで、X-Phos Pd G-3(9.8mg、0.013mmol、Aldrich)で処理した。この反応混合物を、18時間にわたり100℃で撹拌し、水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機抽出物を、無水NaSOで脱水し、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、DCM中の10~11%のMeOHで溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、(2S,4R)-1-((S)-2-(3-(2-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)ピリジン-4-イル)プロパンアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド(実施例9、0.15g、0.18mmol、70%収率)を白色固形物として得た。H NMR(400MHz,DMSO-d):δ ppm 14.22(s,1H),8.98(s,1H),8.37(d,J=7.8Hz,1H),8.02(d,J=5.1Hz,1H),7.92(t,J=9.5Hz,2H),7.55(d,J=5.2Hz,1H),7.31-7.48(m,4H),7.24(t,J=7.6Hz,1H),6.81-6.96(m,2H),6.77(s,1H),6.57(d,J=5.4Hz,1H),6.39(s,2H),5.12(d,J=3.5Hz,1H),4.90(d,J=7.3Hz,1H),4.53(d,J=9.3Hz,1H),4.42(t,J=8.1Hz,1H),4.28(s,1H),3.71(d,J=6.0Hz,4H),3.60(s,2H),3.18(d,J=5.9Hz,4H),2.75(d,J=7.2Hz,1H),2.63(d,J=7.5Hz,1H),2.45(s,3H),2.00(d,J=9.6Hz,1H),1.77(d,J=13.5Hz,1H),1.36(d,J=6.9Hz,3H),0.89(s,9H).m/z(ESI):847.3(M+H)
6-(4-(6-アミノ-3-(2-ヒドロキシフェニル)-1,2,4-トリアジン-5-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)ピコリンアミド(実施例10)
Figure 2023510746000023
工程1:2-ヒドロキシベンズイミドヒドラジド。ヒドラジン(54.6mL、54.6mmol、Sigma Aldrich)のTHF溶液に、-78℃で、THF中の1.0M LiHMDS(126mL、126mmol、Spectrochem)を添加した。30分後、この反応混合物に、THF中の2-ヒドロキシベンゾニトリル(5.00g、42.0mmol、Combi Blocks)を添加し、12時間にわたりr.t.で撹拌した。この反応混合物を、水でクエンチし、EtOAcで抽出した。まとめた有機層を、硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、粗2-ヒドロキシベンズイミドヒドラジド(5.00g、24.81mmol、59%収率)を無色液体として得た。m/z(ESI):152.1(M+H)
工程2:6-アミノ-3-(2-ヒドロキシフェニル)-1,2,4-トリアジン-5-オール。EtOH中のエチル 2-アミノ-2-チオキソアセテート(4.29g、32.2mmol、Sigma Aldrich)及び2-ヒドロキシベンズイミドヒドラジド(5.00g、24.81mmol)の混合物を、12時間にわたり100℃で撹拌した。この反応混合物を、濃縮し、ジエチルエーテルで希釈し、0℃で撹拌した。この懸濁液を、ろ過し、冷エタノールで洗浄して、6-アミノ-3-(2-ヒドロキシフェニル)-1,2,4-トリアジン-5-オール(2.00g、9.75mmol、39%収率)を淡黄色固形物として得た。H NMR(DMSO-d,400MHz):δ ppm 13.32(br s,2H),7.95(d,J=8.0Hz,1H),7.38(t,J=7.8Hz,1H),6.80-7.07(m,4H).m/z(ESI):205.1(M+H)
工程3:2-(6-アミノ-5-クロロ-1,2,4-トリアジン-3-イル)フェノール。6-アミノ-3-(2-ヒドロキシフェニル)-1,2,4-トリアジン-5-オール(2.00g、9.79mmol)及びSOCl(20mL、274mmol、Spectrochem)の混合物を、3時間にわたり70℃で撹拌した。この反応混合物を、減圧下で濃縮して(ロータリーエバポレーター)、2-(6-アミノ-5-クロロ-1,2,4-トリアジン-3-イル)フェノール(2.10g、9.43mmol、96%収率)を淡黄色固形物として得た。H NMR(DMSO-d,400MHz):δ ppm 10.65(br s,1H),6.97-7.84(m,5H),6.92(t,J=7.6Hz,1H).m/z(ESI):223.0(M+H)
工程4:tert-ブチル 4-(6-アミノ-3-(2-ヒドロキシフェニル)-1,2,4-トリアジン-5-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート。DMSO中の2-(6-アミノ-5-クロロ-1,2,4-トリアジン-3-イル)フェノール(2.00g、8.98mmol)、tert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(3.35g、17.97mmol、Spectrochem)、DIPEA(7.85mL、44.9mmol、Spectrochem)の混合物を、マイクロ波下で1時間にわたり120℃にて撹拌した。この反応混合物を、水で希釈し、EtOAcで抽出した。まとめた有機層を、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、石油エーテル中の40~80%のEtOAcで溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、tert-ブチル 4-(6-アミノ-3-(2-ヒドロキシフェニル)-1,2,4-トリアジン-5-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.95g、1.35mmol、15%収率)を褐色固形物として得た。m/z(ESI):373.1(M+H)
工程5:2-(6-アミノ-5-(ピペラジン-1-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)フェノール。DCM中のtert-ブチル 4-(6-アミノ-3-(2-ヒドロキシフェニル)-1,2,4-トリアジン-5-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.95g、2.55mmol)及びHCl(ジオキサン中に4.0M、638μL、2.55mmol)の混合物を、2時間にわたりr.t.で撹拌した。この反応混合物を、減圧下で濃縮して(ロータリーエバポレーター)、2-(6-アミノ-5-(ピペラジン-1-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)フェノール ヒドロクロリド(0.87g、1.78mmol、70%収率)を褐色固形物として得た。m/z(ESI):273.1(M+H)
工程6:メチル 6-(4-(6-アミノ-3-(2-ヒドロキシフェニル)-1,2,4-トリアジン-5-イル)ピペラジン-1-イル)ピコリネート。DMSO中の2-(6-アミノ-5-(ピペラジン-1-イル)-1,2,4-トリアジン-3-イル)フェノール ヒドロクロリド(0.85g、1.73mmol)、メチル 6-ブロモピコリネート(0.38g、1.73mmol、Combi Blocks)、及びDIPEA(0.91mL、5.20mmol)の混合物を、48時間にわたり120℃で撹拌した。この反応混合物を、r.t.まで冷却し、氷水で希釈し、EtOAcで抽出した。まとめた有機層を、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、石油エーテル中の5~15%のEtOAcで溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、メチル 6-(4-(6-アミノ-3-(2-ヒドロキシフェニル)-1,2,4-トリアジン-5-イル)ピペラジン-1-イル)ピコリネート(0.12g、0.22mmol、13%収率)を淡黄色固形物として得た。m/z(ESI):408.1(M+H)
工程7:6-(4-(6-アミノ-3-(2-ヒドロキシフェニル)-1,2,4-トリアジン-5-イル)ピペラジン-1-イル)ピコリン酸。THF及び水中のメチル 6-(4-(6-アミノ-3-(2-ヒドロキシフェニル)-1,2,4-トリアジン-5-イル)ピペラジン-1-イル)ピコリネート(0.12g、0.21mmol)、及びLiOH一水和物(7.6mg、0.32mmol、Spectrochem)の混合物を、3時間にわたりr.t.で撹拌した。この反応混合物を、濃縮し、氷水で希釈し、1.5N NClを使用してpHをpH5~6に調整した。生じた沈殿物を、ろ別により回収し、乾燥させて、6-(4-(6-アミノ-3-(2-ヒドロキシフェニル)-1,2,4-トリアジン-5-イル)ピペラジン-1-イル)ピコリン酸(80mg、0.17mmol、79%収率)を淡黄色固形物として得た。H NMR(DMSO-d,400MHz):δ ppm 13.39(s,1H),8.16(d,J=8.0Hz,1H),7.73(t,J=8.0Hz,1H),7.23-7.44(m,2H),7.12(d,J=8.4Hz,1H),6.92(t,J=8.7Hz,2H),6.61(s,2H),3.79(br s,8H).m/z(ESI):394.1(M+H)).
工程8:6-(4-(6-アミノ-3-(2-ヒドロキシフェニル)-1,2,4-トリアジン-5-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)ピコリンアミド(実施例10)。DMF中の6-(4-(6-アミノ-3-(2-ヒドロキシフェニル)-1,2,4-トリアジン-5-イル)ピペラジン-1-イル)ピコリン酸(60mg、0.15mmol)、HATU(87mg、0.23mmol、Spectrochem)、及びDIPEA(53μL、0.31mmol)の混合物に、(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド ヒドロクロリド(中間体2、73mg、0.15mmol)を添加し、48時間にわたり80℃で撹拌した。この反応混合物を、氷水で希釈し、EtOAcで抽出した。まとめた有機層を、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、分取HPLCで精製して、6-(4-(6-アミノ-3-(2-ヒドロキシフェニル)-1,2,4-トリアジン-5-イル)ピペラジン-1-イル)-N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)ピコリンアミド(実施例10、20mg、0.024mmol、16%収率)を淡黄色固形物として得た。H NMR(DMSO-d,400MHz):δ ppm 13.39(s,1H),8.99(s,1H),8.42-8.53(m,2H),8.18(dd,J=8.1,1.8Hz,1H),7.79(t,J=7.9Hz,1H),7.27-7.51(m,6H),7.19(d,J=8.5Hz,1H),6.89-6.99(m,2H),6.65(s,2H),5.15(d,J=3.5Hz,1H),4.86-4.96(m,1H),4.69(d,J=9.8Hz,1H),4.49(t,J=8.2Hz,1H),4.30(br s,1H),3.72-3.92(br m,8H),3.66(br s,2H),2.46(s,3H),2.05-2.16(m,1H),1.72-1.82(m,1H),1.40(d,J=7.0Hz,3H),1.02(s,9H).m/z(ESI):820.3(M+H)
N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)-2-(4-(6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)イソニコチンアミド(実施例11)
Figure 2023510746000024
工程1:2-(5-クロロピリダジン-3-イル)フェノール。1,4-ジオキサン及び水中の3,5-ジクロロピリダジン(2.00g、13.43mmol、Combi Blocks)、(2-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(1.85g、13.43mmol、Combi Blocks)、炭酸セシウム(10.94g、33.6mmol、Spectrochem)、及びビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.37g、0.67mmol、Chempure)の混合物を、酢酸パラジウム(II)(0.15g、0.67mmol、Hindustan Platanium)で処理し、16時間にわたり70℃で撹拌した。この反応混合物を、r.t.まで冷却し、セライトパッドに通してろ過し、ろ液を、水で希釈し、EtOAcで抽出した。まとめた有機層を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、石油エーテル中の0~20%のEtOAcを使用するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、2-(5-クロロピリダジン-3-イル)フェノール(0.80g、2.09mmol、16%収率)をオフホワイトの粘着性固形物として得た。m/z(ESI):207.1(M+H)
工程2:tert-ブチル 4-(6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート。DMSO中の2-(5-クロロピリダジン-3-イル)フェノール(0.60g、1.57mmol)、DIPEA(1.37mL、7.84mmol)、及びtert-ブチル ピペラジン-1-カルボキシレート(1.46g、7.84mmol、Chempure)の混合物を、16時間にわたり110℃で撹拌した。この反応混合物を、r.t.まで冷却し、氷冷水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。まとめた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、石油エーテル中の0~60%のEtOAcで溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、tert-ブチル 4-(6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.34g、0.95mmol、61%収率)を淡黄色固形物として得た。H NMR(DMSO-d,400MHz):δ ppm 14.53(s,1H),8.94(d,J=2.8Hz,1H),8.10(dd,J=8.4,1.7Hz,1H),7.56(d,J=3.0Hz,1H),7.26-7.43(m,1H),6.86-7.00(m,2H),3.60-3.70(m,4H),3.40-3.58(m,4H),1.44(s,9H).m/z(ESI):357.1(M+H)
工程3:2-(5-(ピペラジン-1-イル)ピリダジン-3-イル)フェノール。DCM中のtert-ブチル 4-(6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.34g、0.95mmol)及びTFA(1.0mL、13mmol)を、12時間にわたりr.t.で撹拌した。この反応混合物を、濃縮し、ジエチルエーテルと共蒸発させて、2-(5-(ピペラジン-1-イル)ピリダジン-3-イル)フェノール,2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(0.35g、0.95mmol、99%収率)をオフホワイトの固形物として得た。H NMR(DMSO-d,300MHz):δ ppm 8.97-9.23(m,3H),7.71-7.80(m,1H),7.62(br s,1H),7.44(t,J=7.7Hz,1H),6.93-7.11(m,2H),3.98(br s,4H),3.31(br s,4H).m/z(ESI):257.2(M+H)
工程4:メチル 2-(4-(6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)イソニコチネート。DMSO中の2-(5-(ピペラジン-1-イル)ピリダジン-3-イル)フェノール,2,2,2-トリフルオロ酢酸塩(0.35g、0.95mmol)、DIPEA(0.66mL、3.79mmol)、及びメチル 2-ブロモイソノコチネート(0.31g、1.42mmol、Combi Blocks)の混合物を、16時間にわたり110℃で撹拌した。この反応混合物を、r.t.まで冷却し、氷冷水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。まとめた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、濃縮し、石油エーテル中の0~80%のEtOAcを使用するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、メチル 2-(4-(6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)イソニコチネート(0.080g、0.20mmol、22%収率)を淡黄色固形物として得た。H NMR(DMSO-d,300MHz):δ ppm 14.56(s,1H),8.98(d,J=2.8Hz,1H),8.33(d,J=5.1Hz,1H),8.04-8.17(m,1H),7.59(d,J=2.9Hz,1H),7.30-7.41(m,1H),7.28(s,1H),7.10(d,J=5.1Hz,1H),6.93(d,J=7.7Hz,2H),3.88(s,3H),3.78(s,8H).m/z(ESI):392.1(M+H)
工程5:2-(4-(6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)イソニコチン酸。
THF及び水中のメチル 2-(4-(6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)イソニコチネート(0.080g、0.20mmol)及びLiOH一水和物(0.024g、1.02mmol)の混合物を、16時間にわたりr.t.で撹拌した。この反応混合物を、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、氷水で希釈し、1.5N HClを使用してpHをpH5~6に調整した。沈殿した固形物を、ろ過して乾燥させて、2-(4-(6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)イソニコチン酸(35mg、0.093mmol、45%収率)を褐色固形物として得た。H NMR(DMSO-d,400MHz):δ ppm 9.01(d,J=3.1Hz,1H),8.31(d,J=5.1Hz,1H),7.76(br s,1H),7.57(d,J=3.1Hz,1H),7.44(t,J=7.8Hz,1H),7.27(s,1H),6.83-7.18(m,3H),3.94(br s,4H),3.73-3.87(m,4H).m/z(ESI):378.1(M+H)
工程6:N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)-2-(4-(6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)イソニコチンアミド(実施例11)
DCM中の2-(4-(6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)イソニコチン酸(35mg、0.093mmol)、DIPEA(49μL、0.28mmol)、及びHATU(53mg、0.14mmol、Spectrochem)の混合物に、(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド ヒドロクロリド(中間体2、54mg、0.11mmol)を添加し、16時間にわたりr.t.で撹拌した。この反応混合物を、氷冷水で希釈し、DCMで抽出した。まとめた有機抽出物を、硫酸ナトリウムで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮し(ロータリーエバポレーター)、DCM中の0~10%のMeOHで溶離するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーで精製して、N-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-(((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)-2-(4-(6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)イソニコチンアミド(実施例11、20mg、0.025mmol、27%収率)をオフホワイトの固形物として得た。H NMR(DMSO-d,400MHz):δ ppm 14.60(s,1H),8.94-9.05(m,2H),8.44(d,J=7.7Hz,1H),8.35(d,J=9.1Hz,1H),8.25(d,J=5.2Hz,1H),8.14(d,J=8.0Hz,1H),7.62(s,1H),7.31-7.53(m,5H),7.25(s,1H),7.06(d,J=5.3Hz,1H),6.95(t,J=7.6Hz,2H),5.16(d,J=3.5Hz,1H),4.89-5.03(m,1H),4.80(d,J=9.0Hz,1H),4.46(t,J=8.2Hz,1H),4.32(br s,1H),3.80(br s,8H),3.68(br s,2H),2.47(s,3H),1.98-2.12(m,1H),1.75-1.87(m,1H),1.39(d,J=7.0Hz,3H),1.05(s,9H).m/z(ESI):804.3(M+H)
文献の化合物の評価
比較例1:(2S,4R)-1-((S)-2-(2-(4-(3-アミノ-6-(2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド
Figure 2023510746000025
標題の化合物を、国際公開第2019/207538号パンフレット(実施例43)に記載されている合成手順に従って、オフホワイトの固形物として単離した。
比較例2:(2S,4R)-1-((S)-2-(2-(4-(3-アミノ-6-(3-フルオロ-2-ヒドロキシフェニル)ピリダジン-4-イル)ピペラジン-1-イル)アセトアミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-((S)-1-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェニル)エチル)ピロリジン-2-カルボキサミド
Figure 2023510746000026
標題の化合物を、国際公開第2019/207538号パンフレット(実施例90)に記載されている合成手順に従って、淡黄色固形物として単離した。
生物活性
アッセイプトロコル:
A375細胞でのSMARCA2及びSMARCA4 MSDアッセイ:
細胞培養:
A375細胞(ATCC(登録商標)CRL-1619(商標))を、10%のウシ胎児血清(ThermoFisher Scientific 16000044)及び1×ペニシリン-ストレプトマイシン-グルタミン(ThermoFisher Scientific 10378016)を含むRPMI 1640培地(ThermoFisher Scientific 11875093)中で培養した。化合物処理の16時間前に、細胞を、96ウェル細胞培養プレート(Corning 3904)に2.5×10個の細胞/ウェル(90uL/ウェル)の密度で播種し、37℃、5%COでインキュベートした。1:3の化合物用量-反応滴定を、増殖培地で希釈し(1:20)、細胞培養プレートの適当なウェルに添加し(1:10)、次いで、このアッセイプレートを、37℃、5%COでインキュベートした。化合物処理の2時間後、細胞を、プロテアーゼ阻害剤(Roche 04693116001)及びホスファターゼ阻害剤(Roche 04906837001)を含むMSD溶解緩衝液(MSD R60TX-2)に溶解させた。
タンパク質検出:
MSD標準結合プレート(MSD L15XA-3)を、4℃で一晩、2ug/mLのSMARCA2捕捉抗体(Active Motif 39805)又はSMARCA4捕捉抗体(Millipore MABE121) 40uLでコーティングした。次いで、プレートを、プレート振盪器上で、1時間にわたり、ウェル当たり150uLの3%BSA(MSD R93BA-4)と共にインキュベートし、1時間にわたり、ウェル当たり25uLの細胞溶解物と共にインキュベートし、1時間にわたり、ウェル当たり25uLのSMARCA2検出抗体(0.25ug/mL Cell Signaling 11966S)又はSMARCA4検出抗体(1ug/mL Active Motif 38907)と共にインキュベートし、次いで、1時間にわたり、ウェル当たり25uLの0.5ug/mL Sulfo-タグ付きウサギ(SMARCA2,MSD R32AB-5)又はSulfo-タグ付きラット(SMARCA4,MSD R32AH-5)と共にインキュベートした。各工程の間に、プレートを、ウェル当たり300μLのMSD洗浄緩衝液(MSD R61TX-1)で洗浄した。最後のインキュベーションの後、プレートを、MSD洗浄緩衝液で洗浄し、次いで、各ウェルに、MSD読み取り緩衝液(MSD R92TC-2) 150uLを添加した。プレートを、MSDプレートリーダー(MSD Sector Imager 6000)で直接読み取り、データを、4-パラメーターロジスティックモデルを使用して解析して、IC50値を算出した。
Figure 2023510746000027
上記は、本発明の例示に過ぎず、本発明を、本開示の化合物に限定することを意図するものではない。当業者に明白である変形形態及び変更形態は、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲内及び趣旨内であることが意図される。
上記の説明から、当業者は、本発明の本質的特徴を容易に把握し得、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の種々の変更形態及び修正形態をなし、本発明を各種の用途及び条件に適合させ得る。

Claims (36)

  1. 化合物又はその薬学的に許容される塩であって、前記化合物は、式(I):
    Figure 2023510746000028
    で表され、
    式中、
    は、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、ヒドロキシC~Cアルキル、又はC~Cシクロアルキルであり;
    は、水素、C~Cアルキル、ヒドロキシC~Cアルキル、又はハロC~Cアルキルであり;
    は、C(CH3a又はC~Cシクロアルキルであり、ここで、前記シクロアルキルは、ハロゲン、ヒドロキシ、C~Cアルキル、ヒドロキシC~Cアルキル、ハロC~Cアルキル、C~Cアルコキシ、及びハロC~Cアルコキシからなる群から独立して選択される0、1、又は2個の基で任意選択的に置換されており、
    3aは、水素、C~Cアルキル、ヒドロキシC~Cアルキル、又はハロC~Cアルキルであり;
    Lは、結合、又は二価のC~Cアルカンジイルリンカーであり;
    は、水素又はアミノであり;
    は、各出現で、水素及びハロゲンから独立して選択され;
    nは、0、1、2、又は3であり;
    は、CH、N、O、若しくはSであり;
    は、CH、N、O、若しくはSであり、ここで、X及びXのうちの0若しくは1個は、酸素原子若しくは硫黄原子であり;
    は、CH、N、若しくは不存在であり;
    は、CH若しくはNであり、ここで、Xは、X若しくはXがO若しくはSである場合には不存在であり、X、X、X、及びXのうちの少なくとも2つは、CH若しくは不存在であるか;又は
    は、-C(H)=C(H)-であり;
    は、CH若しくはNであり;
    は、CH若しくはNであり;
    は、不存在であり;
    Zは、CH又はNである、
    化合物又はその薬学的に許容される塩。
  2. 前記化合物は、式II:
    Figure 2023510746000029
    で表される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  3. は、水素、フルオロ、クロロ、メチル、又はエチルである、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. は、水素又はメチルである、請求項3に記載の化合物。
  5. は、水素、メチル、又はエチルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. は、イソプロピル、tert-ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-メチルシクロプロピル、1-メチルシクロブチル、又は1-メチルシクロペンチルである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. は、イソプロピル又はtert-ブチルである、請求項6に記載の化合物。
  8. Lは、結合、メチレン、又はエチレンである、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
  9. Lは、結合である、請求項8に記載の化合物。
  10. Lは、メチレンである、請求項8に記載の化合物。
  11. は、アミノである、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
  12. nは、0である、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
  13. nは、1であり、Rは、フルオロである、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
  14. Zは、CHである、請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物。
  15. 、X、X、及びXのそれぞれは、CHである、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物。
  16. は、CH又はNであり;X、X、及びXは、CHである、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物。
  17. は、Nであり;X、X、及びXは、CHである、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物。
  18. は、CH又はNであり;X、X、及びXは、CHである、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物。
  19. は、Nであり;X、X、及びXは、CHである、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物。
  20. は、CH、N、又はSであり;
    は、CHであり;
    は、不存在であり;
    は、CH又はSであり、ここで、X及びXのうちの少なくとも1つは、CHではなく、X及びXのうちの少なくとも1つは、Sではない、
    請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物。
  21. は、Nであり;Xは、CHであり;Xは、不存在であり、Xは、Sである、請求項20に記載の化合物。
  22. は、Sであり;X及びXは、それぞれCHであり;Xは、不存在である、請求項20に記載の化合物。
  23. 前記化合物は、式III:
    Figure 2023510746000030
    で表され、
    式中、
    は、水素又はメチルであり;
    Lは、結合、又は二価のメタンジイルであり;
    3aは、水素又はメチルであり;
    は、CH又はNであり;
    は、CH又はNであり、ここで、X及びXのうちの少なくとも1つは、CHである、
    請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  24. 前記化合物は、
    Figure 2023510746000031
    Figure 2023510746000032
    Figure 2023510746000033
    Figure 2023510746000034
    Figure 2023510746000035
    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  25. 薬学的に許容される塩の形態である請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物。
  26. 薬学的に許容される賦形剤、担体、又はアジュバントと、請求項1~15のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物とを含む医薬組成物。
  27. 哺乳動物において、SMARCA2及び/又はSMARCA4により媒介される疾患又は障害を処置する方法であって、請求項1~15のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物若しくはその塩、又はその薬学的な塩、又はその医薬組成物の治療上有効な量を、前記哺乳動物に投与することを含む方法。
  28. 哺乳動物において、SMARCA4の欠乏又は変異により媒介される疾患又は障害を処置する方法であって、請求項1~15のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物、又はその薬学的な塩、又はその医薬組成物の治療上有効な量を、前記哺乳動物に投与することを含む方法。
  29. 前記疾患又は障害は、ヒト癌腫である、請求項18に記載の方法。
  30. 前記ヒト癌腫は、肺癌、膵癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、食道癌、腎癌、及びラブドイド癌からなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
  31. 前記ヒト癌腫は、肺癌及び子宮癌から選択される、請求項20に記載の方法。
  32. 哺乳動物において、SMARCA2及び/又はSMARCA4の活性を調節する方法であって、ある量の請求項1~15のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物、又はその薬学的な塩、又はその医薬組成物を、前記哺乳動物に投与して、前記哺乳動物においてSMARCA2及び/又はSMARCA4の活性を調節することを含む方法。
  33. 薬剤としての使用のための請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
  34. ヒト癌腫を処置するための薬剤の製造での使用のための請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
  35. 肺癌、膵癌、前立腺癌、結腸癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、食道癌、腎癌、及びラブドイド癌を処置するための薬剤の製造での使用のための請求項24に記載の化合物。
  36. 肺癌及び子宮癌を処置するための薬剤の製造での使用のための請求項25に記載の化合物。
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