JP2023508900A - 過剰な薬剤送達を最小限にするための方法および装置 - Google Patents

過剰な薬剤送達を最小限にするための方法および装置 Download PDF

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Abstract

薬剤コーティングされた治療デバイスの送達中に、患者の体内で吸引を行って、患者の血液中に離脱した薬剤コーティングの除去を補助するための装置および方法を開示する。薬剤治療デバイスは、薬剤コーティングバルーン、薬剤コーティングステント、または同様のデバイスとすることができる。このデバイスは、離脱した薬剤コーティングを封じ込めるのに有用な閉塞バルーンを備えることが可能であり、吸引は、処置の間に、薬剤コーティングバルーンの近位側もしくは遠位側、または近位側および遠位側の両方で行うことができる。【選択図】図3

Description

関連出願
本出願は、「薬剤送達処置中の薬剤沈着の最小化」の名称で2019年12月18日に出願された米国仮出願第62/950,039号による恩恵および優先権を主張するものであって、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
様々な血管処置では、薬剤をコーティングしたデバイスを利用して、患者の体内の組織の特定の部分に薬剤または同様の物質を付与する。これらの薬剤は、狭窄、再狭窄、硬化症、または類似の血管疾患の治療または予防に使用されることが多い。
1つの具体例では、このような薬剤送達の目的のために、バルーンカテーテルを使用することができる。カテーテルのバルーンは、その外面に薬剤コーティングを含み、膨張したときに、血管の内面に対して薬剤コーティングを押し付けることにより、薬剤コーティングの少なくとも一部が、接触した組織に付与されるようになっている。別の例では、ステントが、その表面に薬剤コーティングを含み、ステントが拡張して接する血管組織に、この薬剤が付与され、薬剤を組織に吸収させることができる。
そのようなデバイス上の薬剤コーティングは、依然として血管系の対象領域への薬剤送達の重要な方法ではあるが、薬剤コーティングのかなりの部分が、送達処置中に離脱したり解放されたりする可能性がある。薬剤は、離脱してしまうと、患者の血液および血管系内で、多くの意図しない場所に移動する可能性があり、それによって、患者に望ましくない合併症を引き起こし得る。
例えば、パクリタキセルは、再狭窄または血管狭窄の治療のために、バルーンカテーテルの薬剤コーティングに含有させることがある。パクリタキセルは、高濃度であること、およびコーティングからの迅速な放出という理由から、バルーンカテーテルを介した適用に特に適したものである。しかしながら、バルーンやステントを介したパクリタキセルによる治療は、死亡リスクの増加にも関連する。この死亡率上昇の原因の1つとして考えられるのは、パクリタキセルが患者の血流中に放出され、肺など、薬剤に特に敏感な臓器に移動する可能性があることである。薬剤コーティング中のパクリタキセルの濃度が比較的高い治療例では、患者の血液中のパクリタキセルの測定可能な濃度が、30日以上にわたって残存する場合がある。
薬剤コーティングからの意図しない薬剤の放出は、コーティング自体の特性によって更に複雑になる。コーティングが、デバイスから離脱しにくければ、患者の組織に放出される薬剤が非常に少なくなる。コーティングが容易に離脱すると、薬剤の大部分が患者の血管系内を循環することになる可能性がある。従って、このようなコーティングを用いた所望の量の薬剤の送達には、多くの場合、血流中への薬剤の一部、またはかなりの部分の放出を必然的に伴うことになる。
実際に、本出願人らは実験および分析を行い、以下の統計を得た。1%未満の薬剤が、一般的なバルーンコーティングから対象組織領域に移される一方、処置が完了した後、バルーンにはコーティングの約16%しか残っていない。薬剤コーティングの約25%は、ガイドカテーテル内を通ってバルーンカテーテルを案内している間に離脱し、薬剤コーティングの約59%は、バルーンの膨張、収縮、およびカテーテルからの取り出しの間に離脱する。結果として、約84%の薬剤コーティングが、処置の間にバルーンから離脱し、患者の血管系および器官全体に分散すると考えられる。薬剤コーティングの種類、コーティング中の薬剤の濃度、およびバルーン(またはそれ以外のデバイス)の種類に応じ、多くの場合、かなりの量の薬剤が、治療後の一定期間にわたり、患者の血液中で測定される可能性がある。
少なくともこれらの理由から、治療中に患者の血流内に意図せずに放出される薬剤の量を減少させる、改善された治療の方法および装置が必要とされている。
少なくとも1つの態様は、患者の血液中に離脱した薬剤コーティングを除去するのを補助するために、薬剤コーティングされた治療デバイスの送達中に、患者の体内で吸引を行うためのデバイスを対象とする。薬剤コーティングされた治療デバイスは、薬剤コーティングバルーン、薬剤コーティングステント、または同様のデバイスとすることができる。
少なくとも1つの態様は、薬剤コーティングされた治療デバイスの遠位部分の近傍、薬剤コーティングされた治療デバイスの近位部分の近傍、または両方の場所のそれぞれにおける吸引を生成する治療システムおよび使用方法を対象とする。吸引は、患者の血管系内で送達デバイスを遠位方向に進めている間、薬剤コーティングされた治療デバイスを半径方向に拡張/インプラントしている間、薬剤コーティングされた治療デバイスを近位方向に引き抜いている間、および/またはこれらの期間の合間もしくは付近のいずれかの時点で生じさせることができる。
少なくとも1つの態様は、血管に対して拡張するように構成された近位側の薬剤コーティングバルーンと、血管を閉塞するように構成された遠位側の閉塞バルーンとを備えたバルーンカテーテルを有する方法および治療システムを対象とする。治療システムは、処置中に、その遠位端から物質を吸引するように構成されたガイドカテーテル(または、これに代えて、ガイドシースもしくはイントロデューサシース)を更に備えていてもよい。
少なくとも1つの態様は、順次膨張するバルーンを備えたバルーンカテーテルを有する方法および治療システムを対象とする。バルーンは、最初に膨張する遠位部分を有し、この遠位部分は、一般的に薬剤コーティングがない。また、バルーンは、2番目に膨張する近位部分を有し、この近位部分は、薬剤コーティングを備える。治療システムは、処置中に、その遠位端から物質を吸引するように構成されたガイドカテーテル(または、これに代えて、ガイドシースまたはイントロデューサシース)を更に備えていてもよい。
少なくとも1つの態様は、薬剤コーティングバルーンを備えたバルーンカテーテルと、バルーンカテーテルの遠位端から吸引するように構成されたガイドワイヤルーメンとを有する方法および治療システムを対象とする。ガイドワイヤルーメンは、比較的大きな直径を有していてもよく、吸引源に接続することが可能である。バルーンカテーテルは、必要に応じ、近位側に配置された閉塞バルーンおよび/または吸引を行うように構成されたガイドカテーテル(または、これに代えて、ガイドシースまたはイントロデューサシース)と共に使用してもよい。
少なくとも1つの態様は、薬剤コーティングバルーンを通って延在し、ガイドカテーテル(または、これに代えて、ガイドシースまたはイントロデューサシース)に選択的に接続されて、吸引を生成可能な吸引通路を備えたバルーンカテーテルを有する方法および治療システムを対象とする。ガイドカテーテルは、吸引を行うように構成することが可能であり、その遠位端は、吸引通路に接続可能であり、薬剤コーティングバルーンの遠位側での吸引を可能にする。必要に応じ、吸引通路を通して閉塞バルーンを前進させ、当該閉塞バルーンを薬剤コーティングバルーンの遠位側で使用することができる。
本発明の具現化によって可能となる、これらおよび別の態様、特徴、および利点は、添付の図面を参照した、本発明の実施形態についての以下の記載から明白であり、明らかとなる。
バルーンカテーテルの側面図である。
ガイドカテーテル内のバルーンカテーテルの側面図である。
ガイドカテーテル内のデュアルバルーンカテーテルの側面図である。
図3のデュアルバルーンカテーテルの側面図である。
順次膨張可能なバルーンカテーテルの側面図である。
図5の順次膨張可能なバルーンカテーテルの側面図である。
図5の順次膨張可能なバルーンカテーテルの側面図である。
図5の順次膨張可能なバルーンカテーテルの側面図である。
図5の順次膨張可能なバルーンカテーテルの側面図である。
図5の順次膨張可能なバルーンカテーテルの側面図である。
拡大されたガイドワイヤ通路を有するバルーンカテーテルの側面図である。
図11のバルーンカテーテルの側面図である。
図11のバルーンカテーテルの側面図である。
バルーンカテーテルの側面図である。
ガイドカテーテルおよび閉塞カテーテルを有する図14のバルーンカテーテルの側面図である。
添付図面を参照し、本発明の具体的な実施形態について、以下に説明する。但し、本発明は、多くの様々な形態で具現化されてもよいものであって、本明細書に記載した実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、これらの実施形態は、本開示が綿密かつ完全であり、本発明の範囲が当業者に完全に伝わるように提供されるものである。添付図面に示される実施形態についての詳細な説明で使用される用語は、本発明の限定を意図するものではない。図面において、同様の番号は同様の要素を指している。様々な実施形態が記載されているが、各実施形態の特徴は、それ以外の記載された実施形態と置換して使用することができる。言い換えれば、実施形態のそれぞれの特徴のいずれかを、互いに混在させたり、組み合わせたりすることが可能であり、実施形態は、必ずしも、図示または説明した特徴のみを含むものと厳密に解釈すべきではない。
本明細書では、薬剤および薬剤コーティングという用語を使用しているが、これらの用語は、デバイス上のコーティングに含有させることが可能な任意の治療薬、化合物、化学物質、またはそれ以外の物質を含むことを意図している。
前述したように、バルーンカテーテルおよびステントなど、薬剤コーティングされたデバイスは、治療処置中に、望ましくない量の薬剤コーティングを血液中に放出する場合が多く、この薬剤は、その後、患者の血管系を循環する。このような望ましくない薬剤放出の多くは、外側のガイドカテーテルを通ってデバイス(例えば、バルーンまたはステント)を案内しているとき、患者の血管内でのデバイスの拡張中、デバイスの収縮中、およびガイドカテーテル内への引き戻し中に起こる可能性がある。
このような薬剤コーティングの望ましくない喪失の1つの具体例を、図1および図2に見ることができる。図1は、細長いカテーテル本体102の遠位端に配置された薬剤コーティングバルーン106を有する、典型的なバルーンカテーテル100を示している。また、カテーテル本体102は、バルーン106の近位側および遠位側に開口するガイドワイヤ通路104のほか、バルーン106の内部と近位カテーテルハブ108との間を連通して、バルーンの膨張を可能にするバルーン膨張ルーメン(図示せず)も備えている。このガイドワイヤ通路104の構成は、一般的に、ラピッドエクスチェンジ型カテーテルと呼ばれるが、カテーテルの近位端にガイドワイヤ通路の開口部を備えたオーバーザワイヤ型のカテーテルも考えられる。
図2を参照すると、通常、バルーンカテーテル100を、外側を覆うガイドカテーテル110から出して前進させることにより、薬剤コーティングバルーン106を、対象治療領域の血管壁に隣接して配置する。膨張媒体が膨張ルーメン内に注入されることにより、薬剤コーティングバルーン106を膨張させて、血管壁に接触させ、薬剤コーティングの少なくとも一部が血管壁に送達される。最終的に、薬剤コーティングバルーン106を収縮させ、外側を覆うガイドカテーテル110内に後退させる。なお、本明細書全体を通してガイドカテーテルを使用しているが、本明細書全体を通し、この構成要素の代わりに、ガイドシースまたはイントロデューサシースを使用できることを理解されたい。
図2に示すように、薬剤コーティング109の大部分が、この治療処置中にバルーン106から解放され、患者の血液と混ざり合い、患者の血管系、ならびに心臓および肺などの器官の少なくとも一部を通って循環する。薬剤の種類、バルーンから解放される量、治療箇所、およびそれ以外の要因に応じ、望ましくないかなりの濃度の薬剤が、治療処置の後、数日間、または数週間にもわたって、患者の血液および/または器官内に残留する可能性がある。
本明細書は、治療デバイスのコーティングから離脱した薬剤の望ましくない蓄積を抑制するためのいくつかの治療装置および方法を記載している。主にバルーンカテーテルの様々な実施形態が記載されているが、本発明の装置および方法は、ステントなど、別の薬剤コーティングデバイスと共に使用するように同様に適合させることが可能であり、またコーティングされておらず対象領域に薬剤を直接送達するデバイス(例えば、その細孔から薬剤を排出するように構成された滲出バルーン)であっても、共に使用するように同様に適合させることが可能であると理解すべきである。
図3および図4は、治療処置中に患者の血管系に放出された薬剤コーティングの少なくとも一部を吸引または除去するように構成された治療システム120の一実施形態を示している。治療システム120は、薬剤コーティングバルーン126の膨張前に患者の対象血管の遠位部分を閉塞するように構成された閉塞バルーン124を有するバルーンカテーテル121を備えている。以下で詳細に述べるように、処置中に離脱または解放された薬剤コーティングを含む血液は、患者の血管を介した循環を防止するために、患者から吸引されて除去される。
閉塞バルーン124は、バルーンカテーテル121の細長い本体122上の薬剤コーティングバルーン126の遠位側に位置する。バルーン124,126、および細長い本体122は、薬剤コーティングバルーン126の有意な膨張の前に、閉塞バルーン124を完全に膨張させ、薬剤コーティングバルーン126の収縮の後に、閉塞バルーン124を収縮させるように構成されている。このような膨張順序は、薬剤コーティングが患者の血液中へと離脱する可能性が最も高くなる処置の部分にある間、血管を閉塞状態に保持する上で有効であり、例えば、閉塞バルーン124は、薬剤コーティングバルーン126からの薬剤の遠位側への移動を防止する上で有効であり、および/または、より詳細に説明するように、後で行う吸引処置のための封止を行う上で有効である。一例において、この膨張順序は、細長い本体122内の2つの別個の膨張ルーメンを用いて達成可能であり、これら膨張ルーメンのそれぞれは、細長い本体122の近位端で、別個の膨張ルーメンおよび膨張ポート(例えば、ポート123Aおよびポート123B)に接続される。
別の例では、バルーン124,126の両方が、本体122内の単一の膨張ルーメンに接続されていてもよい。所望の膨張順序を生成するために、閉塞バルーン124は、薬剤コーティングバルーン126よりも膨張しやすい材料から構成されていてもよい。1つの具体例において、閉塞バルーン124は、(例えば、ビニール袋を膨らませるのと同様に)ほとんど抵抗なく直径が増大するような比較的弾性のない材料から構成される一方、薬剤コーティングバルーン126は、(例えば、ゴム製のパーティ用風船と同様に)膨張中に伸張して抵抗をもたらす比較的弾性のある材料から構成されてもよい。従って、膨張ルーメン内の圧力が上昇するに従い、まず閉塞バルーン124が膨張してから、薬剤コーティングバルーン126が膨張し、まず薬剤コーティングバルーン126が収縮してから、閉塞バルーン126が収縮する。
前述のバルーンの膨張の例のいずれかにおいて、細長い本体122の近位端(例えば、カテーテルハブ)は、膨張を生じさせるために手動で操作される1つ以上のシリンジ、または電動膨張装置に接続されるようにしてもよい。電動膨張装置の場合、膨張ルーメン内の圧力の異なるレベルによって、2つのバルーン124,126の膨張の順序が定まる(例えば、低圧により、閉塞バルーン124のみを膨張させ、高圧により、薬剤コーティングバルーン126も膨張させる)ので、特に前述の単一の膨張ルーメンの例では、膨張ルーメンおよびバルーン内に、様々な圧力レベルを提供して保持することが望ましい場合がある。この点に関し、電動膨張装置は、バルーンの所望の膨張および収縮の順序を達成するために、所定の順序の圧力レベルを提供するように構成されたアルゴリズムを備えるようにしてもよい。
前述のように、治療システム120は、離脱した薬剤コーティング128のいくらかを含む、薬剤コーティングバルーン近傍の血液を除去するための吸引を行うように構成される。本実施形態において、この吸引は、バルーンカテーテル121が貫通して配置される外側のガイドカテーテル130またはシースを介してもたらすことができる。ガイドカテーテル130は、概ね管状の本体を有していてもよく、ガイドカテーテル130の内部ルーメンに開口する吸引ポート132を備えて、シリンジ136またはポンプなどの真空源を、それに接続できるようにしてもよい。真空源が起動されると、ガイドカテーテル130の遠位端から、血液が、そのルーメン内に、そして真空源に向けて引き込まれる。ガイドカテーテルは、通常、その近位端(例えば、バルーンカテーテル121を取り囲んで)に止血弁を備えているので、空気がガイドカテーテル130のルーメン内に引き込まれるのが防止される。換言すれば、ガイドカテーテル130は、ガイドカテーテル130の近位端からではなく、その遠位端から真空源に向かう吸引のみを可能にするように構成される。本実施形態では、離脱した薬剤粒子を患者からガイドカテーテル130が吸引できるようになる前に、それらの薬剤粒子が患者の血管系を介して移動するのを防止するのに、血管の継続的な閉塞が有効となる。
真空源としてシリンジ136を使用する場合、医師は、初めに、シリンジ136とガイドカテーテル130との間に配置されたストップコックバルブ134を閉鎖位置に維持するようにしてもよい。シリンジ136のプランジャを引いて、負圧を生成することが可能であり、その後、患者内での吸引が必要になると、ストップコックバルブ134を開くことができる。次に、薬剤コーティングカテーテル126の近傍の領域からの血液が、ガイドカテーテル130内へと引き込まれ、更にシリンジ136内に引き込まれる。処置の場所、薬剤コーティングの特性、およびそれ以外の要因に基づいて、様々な量の血液を吸引するようにしてもよい。多くの場合、30ccまたは60ccのシリンジまたは吸引容量が適切となり得る。
治療システム120は、一例において、最初にガイドワイヤを患者の血管系内に前進させ、その遠位端が血管内の所望の治療箇所の近傍に位置するようにすることによって使用することができる。次に、ガイドカテーテル130を、その遠位端が所望の治療箇所の近傍に位置するように、ガイドワイヤを伝って前進させることができる。その後、ガイドワイヤ通路122Aを通り、ガイドワイヤを伝ってバルーンカテーテル121を前進させることにより、薬剤コーティングカテーテル126を、所望の対象箇所に配置し、閉塞バルーン124を、対象箇所から遠方側に配置する。必要に応じ、バルーン124,126の膨張前に、ガイドワイヤを引き戻すことができる。
次に、閉塞バルーン124を膨張させて、血管を閉塞し、血液が通過して流れるのを実質的に阻止する。血管が閉塞されると、図3に示すように、薬剤コーティングバルーン126を膨張させ、当該バルーン126上の薬剤コーティング128が、血管の内側表面に接触し、この薬剤コーティングが、血管の組織に送達または付与される。
前述したように、ガイドカテーテル130内にバルーンカテーテル121をたどらせる過程、薬剤コーティングバルーン126を膨張させる過程、薬剤コーティングバルーン126を収縮させる過程、および処置中のそれ以外の動きにより、薬剤コーティング128のかなりの部分が離脱または解放される可能性がある。この点に関し、薬剤コーティングバルーン126が(部分的にまたは完全に)収縮される際に、医師は、ガイドカテーテル130を介して吸引を行うことができる。なお、吸引は、移動および膨張の過程全体にわたって行ってもよい。この場合も、このような吸引は、種々の方法の中でも特に、プランジャを引いたシリンジ136に接続されたバルブ134を開くことによって生成することができる。
図4に示すように、血液および離脱した薬剤コーティング128は、ガイドカテーテル130内に引き込まれ、ポート132から出て、シリンジ136内へと引き込まれる(但し、いくらかの血液および薬剤コーティングの一部は、ガイドカテーテル130内にも残存する可能性がある)。一例において、医師は、閉塞バルーン125とガイドカテーテル130の遠位端との間の領域から、30~60ミリリットルの血液を除去するようにしてもよい。最終的に、薬剤コーティングバルーン126は、完全に収縮され(まだ完全には収縮されていない場合)、閉塞バルーン124も完全に収縮され、医師が、バルーンカテーテル121をガイドカテーテル130内へと近位方向に引き戻せるようにして、処置を完了できるようにする。従って、何もしなければ患者の血管系を循環することになる離脱した薬剤コーティングの多くが、患者から除去される。
図5~図10は、バルーンカテーテル140の別の実施形態を示しており、最初に部分的に膨張して患者の血管の一部を閉塞し、その後、完全に膨張して治療薬を血管の組織に送達することができる、順次膨張可能な単一のバルーン146を有したバルーンカテーテル140が示されている。前述のバルーンカテーテル121と同じく、これにより、患者の血管の一部を閉塞して、離脱した薬剤の移動を防止し、次に、患者の血液内の離脱した薬剤のいくらかを、吸引して除去することができる。
図5および図6に示すように、バルーンカテーテル140は、少なくともその遠位部分を通って延びるガイドワイヤ通路144(例えば、ラピッドエクスチェンジ型でモノレール形式のガイドワイヤ通路)を有した細長い本体142と、当該細長い本体142の遠位端近傍に配置されたバルーン146とを備える。
薬剤コーティングは、患者の血管に薬剤を付与することができるように、バルーン近位部分146Bに配置される一方、バルーン遠位部分146Aは、薬剤コーティングを、ほとんどまたは全く含まない。従って、バルーン遠位部分146Aは、膨張して血管を閉塞することが可能であり、カテーテル140から離脱してこの部分から遠位方向に移動する薬剤コーティングは、あったとしてもごく僅かとなる。
図7~図10に示すように、バルーンカテーテル140は、バルーン遠位部分146Aおよびバルーン近位部分146Bを順次膨張および収縮させるように構成される。具体的には、まずバルーン遠位部分146Aが膨張してから、バルーン近位部分145Bが膨張し、バルーン遠位部分146Aが収縮してから、バルーン近位部分145Bが収縮する。
このようなバルーンの順次の膨張は、いくつかの異なる方法によって達成することができる。例えば、バルーン146の各部分146A,146Bは、バルーン近位部分146Bよりも低い圧力で、バルーン遠位部分146Aを膨張させる(即ち、膨張しやすい)ような材料で構成することができる。2つの部分146A,146B間の膨張に対するこのような抵抗の差は、異なる材質、異なる材料厚さ、近位部分146Bに重ねられる付加的な層/帯状材料、これらの技法のいずれかの組み合わせ、または同様の技法を構成することによって達成することができる。また、細長い本体142は、この膨張/収縮の順番を可能にするために、バルーン146と連通する単一の膨張ルーメンを備えていてもよい。前述の実施形態と同様に、膨張機構は、シリンジなどの手動作動装置、または順次の膨張に必要な特定の所望の圧力を達成して保持するようにプログラム可能な電動膨張装置とすることができる。
別の例では、バルーン146が、バルーン遠位部分146Aおよびバルーン近位部分146Bに、異なる速度で膨張媒体を給排して、順次の膨張を生じさせる機構を備えていてもよい。これは、バルーン146の内側の細長い本体142に設けられた大き目の遠位膨張ポートおよび小さ目の近位膨張ポート、2つの部分146A,146Bを分離するバルーン内の部分的な壁もしくは完全な壁、異なる量で開くバルブを有した遠位膨張ポートおよび近位膨張ポート、細長い本体142内の別個の膨張ルーメン、またはこれらの特徴の組み合わせを用いて達成することができる。
バルーンカテーテル140は、以下の例示的な手順で使用することができる。まず、ガイドワイヤを患者の体内で前進させ、その遠位端を、患者の血管の対象領域の近傍に配置する。次に、ガイドワイヤを伝って細長い管状のガイドカテーテル148を前進させ、ガイドカテーテル148の遠位端を、対象領域に近接して配置する。次に、ガイドワイヤを伝い、ガイドカテーテル148の内部ルーメンを通ってバルーンカテーテル140を前進させ、その遠位端およびバルーン146を、患者の血管の対象領域に配置する。遠位部分146Aが、対象領域の遠位側に配置される一方、薬剤コーティングされた近位部分146Bが、血管の対象領域内で内周に沿って配置されるのが好ましい。
図7を参照すると、まずバルーン146の遠位部分146Aを膨張させて、血管を完全にまたは実質的に閉塞する。図8に示すように、薬剤でコーティングされた近位部分146Bを膨張させ、その薬剤でコーティングされた表面を、血管の対象領域に対して拡張させ、その薬剤の一部を付与または送達する。
図9を参照すると、バルーン近位部分146Bを部分的にまたは完全に収縮させたときに、離脱した薬剤コーティング143が、バルーン146の近傍にとどめられている血液内に残留する。この時点で、ガイドカテーテル148を介して吸引がなされるが、この時点よりも前に吸引を行うこともできる。この吸引は、前述のガイドカテーテル130について説明したのと同様の方法で、同様の装置を用いて行うことができる。
最後に、図10に示すように、バルーン146を完全に膨張させて、ガイドカテーテル148内に引き戻し、処置を完了することができる。吸引は、必要に応じ、この完全な収縮およびバルーン引き抜きの間も継続し、離脱する可能性がある薬剤コーティングを更に除去するようにしてもよい。
図11~図13は、バルーンカテーテル150の別の実施形態を示しており、このバルーンカテーテル150は、その遠位端を介した吸引により、離脱した薬剤コーティング156の一部を除去するのを補助するように構成される。このような遠位側での吸引は、必要に応じ、ガイドカテーテル(前述のガイドカテーテル130およびガイドカテーテル148など)からのバルーン154の近位側での吸引と共に用いることができる。
バルーンカテーテル150は、吸引通路としても機能するように構成されたガイドワイヤ通路が内部を通って延在する細長い本体を備えていてもよい。この通路は、ガイドワイヤが当該通路に入るのを可能とする近位開口部157をカテーテルハブ151内に有するほか、この通路からガイドワイヤが出るのを可能とする遠位開口部158を有していてもよい。カテーテルハブ151は、ガイドワイヤ通路とも連通してシリンジ136などの真空源に接続可能な吸引ポート153を有していてもよい。ガイドワイヤ通路の近位部分にある血流動態バルブが通路の近位端を密封し、従って、負圧がガイドワイヤ通路に印加されると、バルーンカテーテル150の遠位開口部158からの吸引または吸入が生じる。
必要に応じ、ガイドワイヤ通路は、吸引中の詰まりを防止し、吸引によって所望の速度で確実に血液を除去できるようにするために、一般的なガイドワイヤ通路よりも幾分大きい直径を有する。一例において、膨張したバルーン154に対するガイドワイヤ/吸引通路の直径比は、約0.2~0.8の範囲内にある。先行技術のガイドワイヤルーメンと、本実施形態による、より大きなガイドワイヤ通路のサイズとについての、いくつかの比率および測定値の例を、以下の表1に示す。例えば、0.036mmの直径サイズのガイドワイヤルーメンおよび2mmのバルーン直径サイズでは、0.18の比率となる一方、1.22mmのバルーン直径および2mmのバルーン直径では、0.61の比率となる。
表1
Figure 2023508900000002
バルーンカテーテル150は、以下の例示的な手順で使用することができる。まず、ガイドワイヤを患者の体内で前進させ、その遠位端を、患者の血管の対象領域の近傍に配置する。次に、ガイドワイヤを伝って細長い管状のガイドカテーテル(ガイドカテーテル130またはガイドカテーテル148と同様)を前進させ、ガイドカテーテルの遠位端を、対象領域に近接して配置する。次に、ガイドワイヤを伝い、ガイドカテーテルの内部ルーメンを通ってバルーンカテーテル150を前進させ、その遠位端およびバルーン154を、患者の血管の対象領域に配置する。
図12を参照すると、バルーン154は、その薬剤コーティング156が対象領域の組織に押し付けられるように膨張される。バルーン154をガイドカテーテルから出して前進させ、膨張させている間、ガイドカテーテルからの吸引(前述の実施形態について記載したような吸引)、および/またはガイドワイヤルーメンの遠位開口部158からの吸引は、この間に離脱した薬剤コーティング156のいくらかの収集を補助するために用いることができる。
図13を参照すると、バルーン154は、対象領域との接触が所望の時間経過した後に収縮させることができる。この収縮は、更なる薬剤コーティング(要素159として血液中に示される)を離脱させることになる可能性があるので、更なる吸引は、カテーテル150の遠位端から薬剤粒子および血液を捕捉して吸引するのに有効である。本実施形態による吸引は、遠位開口部158を介したもののみとしてもよいし、処置の全体にわたって様々な時期に、ガイドカテーテルからの吸引と組み合わせて行うようにしてもよい。
遠位開口部158およびガイドカテーテルの両方から吸引を行う場合、意図する吸引がどの程度の強さであるべきかに応じ、各供給源から異なる負圧を印加するのが望ましい場合がある。例えば、患者の血管が潰れるのを防止するために、遠位開口部158からは小さ目の、より穏やかな負圧を使用することが望ましい一方、ガイドカテーテルからの比較的強力な真空源は、ガイドカテーテルの開口部から出て遠位方向に延びるバルーンカテーテルによって、血管の潰れが生じにくい。
図14および図15は、治療システムの別の実施形態を示しており、この治療システムは、処置中に、薬剤コーティングバルーン162の近位側および遠位側での選択的な吸引が可能となっている。具体的には、薬剤コーティングバルーンカテーテル160が、吸引源に接続されたガイドカテーテル130の遠位開口部と結合、即ち密封係合できるように構成される。このような構成により、図15に示すように、ガイドカテーテル130が、バルーン162から切り離されたときに、バルーン162の近位側で吸引を行い、またバルーン162の近位端と係合したときに、通路164を介してバルーン162の遠位側で吸引を行うことが可能となる。
一実施形態において、薬剤コーティングバルーンカテーテル160は、その遠位端が、通路164を有した拡大管状部分に接続される細長いカテーテル本体168を備える。バルーン164は、拡大管状部分に接続され、細長いカテーテル本体168内の膨張ルーメンを介して膨張するように構成される。
バルーン162は、バルーン遠位部分162Aが、より大きい膨張直径を有し、バルーン近位部分162Bが、比較的小さい膨張直径を有して膨張するように構成される。バルーン遠位部分162Aの膨張時の直径は、対象血管の内周面に接触する上で十分な大きさとして、その薬剤コーティング166の一部を送達できるようにするのが好ましい。バルーン近位部分162Bの膨張時の直径は、ガイドカテーテル130の内部ルーメンの内径とほぼ同じサイズの(例えば、内部ルーメンよりわずかに大きいか、等しいか、またはわずかに小さい)直径を有する。このようなサイズにより、膨張したバルーン近位部分162Bが、ガイドカテーテル130の内側に嵌合し、係止することが可能となる。従って、吸引がガイドカテーテル130で行われると、通路164の近位開口部164Aを通って遠位開口部164Bから外へと吸引がつながる。これに代えて、バルーン近位部分162Bが円錐状または傾斜面状に膨張し、遠位方向に向かうにつれて大きさが増加していくようにして、ガイドカテーテル130の内部ルーメンに「楔状に」入り込むようにしてもよい。
必要に応じ、通路164は、前述の実施形態と同様に、バルーン162の遠位側の血管の領域を閉塞可能とするために、通過する閉塞バルーンカテーテル170を収容する上で十分な大きさの直径を有する。一例において、通路164は、0.014インチ(0.035cm)のバルーンを収容する直径を有する。従って、バルーンは、約0.050インチ(0.13cm)の内径を有していてもよい。この点に関し、通路164は、バルーンカテーテル170の本体172の周りに十分な大きさの間隔をもたらす直径を有していてもよく、その結果、バルーンカテーテル170が通路164内にある間も、通路164を介した吸引が生じ得る。
バルーンカテーテル160は、以下の例示的な手順で使用することができる。まず、ガイドワイヤ111を患者内で前進させ、その遠位端を、患者の血管の対象領域の近くに配置する。次に、ガイドワイヤ111を伝って細長い管状のガイドカテーテル130を前進させ、ガイドカテーテル130の遠位端を、対象領域に近接して配置する。次に、ガイドワイヤを伝い(通路164を通り)、ガイドカテーテル130の内部ルーメンを通って薬剤コーティングバルーンカテーテル160を前進させ、その遠位端およびバルーン162を、患者の血管の対象領域に配置する。
場合により、ガイドワイヤ111を伝い、薬剤コーティングバルーンカテーテル160の通路164を通って、閉塞バルーンカテーテル170を前進させる。次に、閉塞バルーン174を膨張させて、対象領域の遠位側の患者の血管の領域に接触させ、この領域を閉塞する。このような構成は、図15に見ることができる。
次に、薬剤コーティングカテーテル160のバルーン162を、そのバルーン遠位部分162A上の薬剤コーティング166が、患者の血管の対象領域に接触するように膨張させる。この間、ガイドカテーテル130の遠位端は、バルーン162から近位側に離れて配置させてもよく、他の実施形態で前述した方法で吸引を行うことができる。
次に、ガイドカテーテル130の遠位端を、バルーン162に向けて遠位方向に移動することにより、そのルーメンが、バルーン162の小径部分162Bを取り囲んで重なり合うようにすることができる。次に、ガイドカテーテル130を介した吸引がまだ作動していなければ、これを作動させ、閉塞バルーン174(存在する場合)と薬剤コーティングバルーン162との間の空間で吸引を生成する。従って、2つのバルーン162,174の間の血液中に存在する離脱した薬剤コーティングは、部分的にまたは完全に除去される。
所望の量の吸引がなされたら、薬剤コーティングバルーン162を収縮させ、ガイドカテーテル130内に引き込む。同様に、閉塞バルーン174を収縮させ、ガイドカテーテル130内に引き込んで、処置を完了することができる。
代替の実施形態では、前述の実施形態の薬剤コーティングバルーンおよび/または閉塞バルーンのいずれかを、拡張可能なメッシュデバイスなどの非膨張性デバイスで置き換えることができる。
代替の実施形態では、前述の実施形態の薬剤コーティングバルーンおよびバルーンカテーテルを、薬剤コーティングステント(または同様のインプラント可能なデバイス)およびステント送達カテーテルで置き換えることができる。
代替の実施形態では、前述の実施形態の薬剤コーティングバルーンおよびバルーンカテーテルを、バルーンの表面の孔から液体薬剤を「滲み出す」またはゆっくりと放出するバルーンを有したバルーンカテーテルで置き換えることができる。
本実施形態に記載する手順は、患者の血管系における多くの異なる位置で実行してもよいが、腕、脚、および胴体における処置に特に有用となる場合がある。
特定の実施形態および用途に関して本発明を説明したが、当業者であれば、本教示に照らして、特許請求される発明の真意から逸脱することなく、または特許請求される発明の範囲を超えることなく、更なる実施の形態および変形例を生成することが可能であろう。従って、図面および本明細書の記載は、本発明の理解を容易にするために一例として提供されるものであって、本発明の範囲を限定するものであると解釈されるべきでないことを理解されたい。
最後に、図10に示すように、バルーン146を完全に収縮させて、ガイドカテーテル148内に引き戻し、処置を完了することができる。吸引は、必要に応じ、この完全な収縮およびバルーン引き抜きの間も継続し、離脱する可能性がある薬剤コーティングを更に除去するようにしてもよい。
必要に応じ、ガイドワイヤ通路は、吸引中の詰まりを防止し、吸引によって所望の速度で確実に血液を除去できるようにするために、一般的なガイドワイヤ通路よりも幾分大きい直径を有する。一例において、膨張したバルーン154に対するガイドワイヤ/吸引通路の直径比は、約0.2~0.8の範囲内にある。先行技術のガイドワイヤルーメンと、本実施形態による、より大きなガイドワイヤ通路のサイズとについての、いくつかの比率および測定値の例を、以下の表1に示す。例えば、0.036mmの直径サイズのガイドワイヤルーメンおよび2mmのバルーン直径サイズでは、0.18の比率となる一方、1.22mmのルーメン直径および2mmのバルーン直径では、0.61の比率となる。
一実施形態において、薬剤コーティングバルーンカテーテル160は、その遠位端が、通路164を有した拡大管状部分に接続される細長いカテーテル本体168を備える。バルーン162は、拡大管状部分に接続され、細長いカテーテル本体168内の膨張ルーメンを介して膨張するように構成される。

Claims (19)

  1. バルーンカテーテルとガイドカテーテルとを備えた血管治療システムであって、
    前記バルーンカテーテルは、
    細長い本体と、
    前記細長い本体の遠位端の近傍に接続された薬剤コーティングバルーンと、
    前記薬剤コーティングバルーン上に配置された薬剤コーティングとを備え、
    前記ガイドカテーテルは、
    内部にガイドカテーテルルーメンを有した細長い管状本体と、
    前記ガイドカテーテルルーメンに接続され、更に真空源に接続するように構成された吸引ポートとを備え、
    前記ガイドカテーテルは、治療処置中に前記薬剤コーティングバルーンの近傍の血液を吸引するように構成される、
    血管治療システム。
  2. 前記バルーンカテーテルは、前記細長い本体の前記薬剤コーティングバルーンの遠位側に接続された閉塞バルーンを更に備え、前記バルーンカテーテルは、まず前記閉塞バルーンを膨張させ、次に前記薬剤コーティングバルーンを膨張させるように構成される、請求項1に記載の血管治療システム。
  3. 前記バルーンカテーテルは、まず前記薬剤コーティングバルーンを収縮させ、次に前記閉塞バルーンを収縮させるように構成される、請求項2に記載の血管治療システム。
  4. 前記薬剤コーティングバルーンは、
    遠位部分と、
    近位部分とを備え、
    前記薬剤コーティングは、前記近位部分に配置され、前記薬剤コーティングバルーンは、まず前記遠位部分を膨張させ、次に前記近位部分を膨張させるように構成される、
    請求項1に記載の血管治療システム。
  5. 前記遠位部分は、バルーンの厚さの変化、補強帯状体、前記近位部分と前記遠位部分との間で異なるバルーン材料の使用、および前記近位部分と前記遠位部分との間で異なる膨張開口サイズのうちの1つまたは複数の要素によって、前記近位部分より前に膨張するように構成される、請求項4に記載の血管治療システム。
  6. 前記バルーンカテーテルは、前記薬剤コーティングバルーンの遠位側にガイドワイヤ通路の開口部を備え、前記ガイドワイヤ通路は、吸引源に接続して、前記ガイドワイヤ通路の前記開口部で吸引を行うように構成される、請求項4に記載の血管治療システム。
  7. 前記バルーンカテーテルは、前記薬剤コーティングバルーンの遠位側にガイドワイヤ通路の開口部を備え、前記ガイドワイヤ通路は、吸引源に接続して、前記ガイドワイヤ通路の前記開口部で吸引を行うように構成される、請求項1に記載の血管治療システム。
  8. 膨張した前記薬剤コーティングバルーンの直径と、前記ガイドワイヤ通路の直径との比が、約0.2~0.8の範囲内にある、請求項7に記載の血管治療システム。
  9. 前記薬剤コーティングバルーンは、前記薬剤コーティングが配置される遠位部分と、前記ガイドカテーテルルーメンに嵌合して係止するように、完全に膨張したときの直径の大きさが定められた近位部分とを有する、請求項1に記載の血管治療システム。
  10. 前記バルーンカテーテルの通路を通って遠位方向に進み、前記薬剤コーティングバルーンの遠位側で血管を閉塞するように構成された閉塞カテーテルを更に備える、請求項9に記載の血管治療システム。
  11. 血管治療の方法であって、
    患者の体内の対象箇所の近傍にガイドカテーテルを前進させるステップと、
    バルーンカテーテルの薬剤コーティングバルーンを、前記ガイドカテーテルの遠位端から出して前進させるステップと、
    前記薬剤コーティングバルーンを膨張させて、前記対象箇所に薬剤を付与するステップと、
    前記薬剤コーティングバルーンの近傍で吸引することにより、前記薬剤コーティングバルーンから離脱した薬剤の少なくとも一部を除去するステップと
    を備える方法。
  12. 前記薬剤コーティングバルーンの近傍での吸引は、吸引源に接続された前記ガイドカテーテルの遠位端を介して行われる、請求項11に記載の方法。
  13. 前記薬剤コーティングバルーンを膨張させる前に、前記薬剤コーティングバルーンの遠位側で閉塞バルーンを膨張させるステップを更に備える、請求項12に記載の方法。
  14. 前記薬剤コーティングバルーンを膨張させるステップは、
    前記バルーンカテーテルの遠位部分を膨張させて、前記対象箇所の近傍の血管を閉塞するステップと、
    次に、前記対象箇所に対し、薬剤コーティングを有したバルーンの近位部分を膨張させるステップと
    を更に備える、請求項11に記載の方法。
  15. 前記薬剤コーティングバルーンの近傍での吸引は、前記ガイドカテーテルの遠位端を介して行われる、請求項14に記載の方法。
  16. 前記薬剤コーティングバルーンの近傍での吸引は、前記バルーンカテーテル内のルーメンの遠位開口部を介して行われる、請求項11に記載の方法。
  17. 前記薬剤コーティングバルーンの近傍で吸引するステップは、前記薬剤コーティングバルーンの近位部分の少なくとも一部が、前記ガイドカテーテルのルーメン内に位置するように、前記ガイドカテーテルを遠位方向に前進させるステップを備え、前記吸引は、前記薬剤コーティングバルーンの遠位側で生じる、請求項11に記載の方法。
  18. 前記薬剤コーティングバルーンの膨張に先立って、前記薬剤コーティングバルーンの遠位側で閉塞バルーンを膨張させる、請求項17に記載の方法。
  19. バルーンカテーテルとガイドカテーテルとを備えた血管治療キットであって、
    前記バルーンカテーテルは、
    細長い本体と、
    前記細長い本体の遠位端の近傍に接続された薬剤コーティングバルーンと、
    前記薬剤コーティングバルーン上に配置された薬剤コーティングとを備え、
    前記ガイドカテーテルは、
    内部にガイドカテーテルルーメンを有した細長い管状本体と、
    前記ガイドカテーテルルーメンに接続され、更に真空源に接続するように構成された吸引ポートとを備え、
    前記ガイドカテーテルは、治療処置中に前記薬剤コーティングバルーンの近傍の血液を吸引するように構成される、
    血管治療キット。
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