JP2023508293A - Otfの可溶性背面層 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023508293000001
本発明は、少なくとも1種のポリマーおよび少なくとも1種の医薬活性剤を含有するマトリックス層、ならびに少なくとも1つの裏張り層を含む、多層口腔用薄膜であって、少なくとも1つの裏張り層は遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーを有し、遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーの遊離カルボキシル基の10~100%は中和された形態で塩として存在する、前記多層口腔用薄膜に関する。本発明はまた、それを製造する方法、および医薬品としてのその使用にも関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層口腔用薄膜、それを製造する方法、および医薬品としてのその使用に関する。
口腔用薄膜は、口腔内または口腔粘膜に直接置かれそこで溶解するかまたは柔らかくなりその際に活性剤を送達させる、少なくとも1種の医薬活性剤を含有する薄膜である。これらの膜は特に、粘膜、特に口腔粘膜に適用されると、活性剤を直接そこへ送達させることができる、薄い、1層または多層の活性剤含有ポリマー系膜である。口腔粘膜への非常に良好な血液供給は、活性剤が血流へ急速に移行することを確実にする。この投薬システムは、活性剤が大部分は粘膜により再吸収され、そのため錠剤の形態である活性剤の従来の剤形の場合に生じる初回通過効果を回避するという利点を有する。活性剤は、膜に溶解、乳化、または分散させてもよい。
先行技術で知られている口腔用薄膜は、患者の粘膜上のあるポイントでより長時間とどまることを意図している場合、それらが常時浸食を受けるという欠点を有する。これは、材料の大部分が飲み込まれ、そのため所望の継続時間にわたって適用部位にとどまらないことにつながる。しかし、滞留時間が医薬活性剤の経粘膜的輸送において決定的に重要であるのももっともである。
背面側の保護層は、液体が配合物に染み込み、それを過度に急速に溶解させることを防ぐことができ、その結果活性剤が適用部位に最大限の時間でとどまって粘膜を通した最大限の浸透または遅延放出を実現する。裏張り層の別の効果は、投与された膜が適用部位からはがれ、歯などの別の場所に付着することを防ぐことである。
不溶性または非常に遅溶性のポリマーまたはポリマー膜がそのような裏張り層の材料として多くの場合に使用される。しかし、これらは適用が完了したら除去するかまたは飲み込む必要があるという欠点を有する。
遅溶性ポリマーでできている裏張り層はまた、長鎖の高分子量ポリマーをベースとするという欠点も有する。これらは高い粘度に起因して加工するのが困難である(長い乾燥時間、不規則な膜)。さらに、それらは口腔内の唾液の粘度を高める傾向があり、口腔内のねばねばした感触をもたらす。
本発明の目的は、先行技術の上記の欠点を克服することにある。特に、本発明の目的は、溶解時間を変動させることができ、したがって調整することができ、残留物を生じさせずおよび不快な口当たりを生じさせずに溶解させることができる、少なくとも1つの裏張り層を有する多層口腔用薄膜を提供することである。
上記の目的は、少なくとも1種のポリマーおよび少なくとも1種の医薬活性剤を含有するマトリックス層、ならびに少なくとも1つの裏張り層を含む、請求項1に記載の多層口腔用薄膜によって対処され、少なくとも1つの裏張り層は遊離カルボキシル基を含有する少なくとも1種のポリマーを含み、遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーの遊離カルボキシル基の10~100%は中和された形態で塩として存在する。
そのような多層口腔用薄膜は、遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーの中和の度合いを選択的に調整することにより、所望の時間後に残留物を生じずに溶解してしまう裏張り層を提供することができるという利点を有する。ポリマーは好ましくは中和されていない状態で水不溶性であり完全に中和された状態で水溶性が高いので、溶解速度は不溶性から急速な可溶性まで必要に応じて調整できる。このようにして裏張り層は、適用された膜を遅溶性によって確実に所望の持続時間にわたって保護する。
舌で塗り消しても、溶解は機械的に加速させることができないので浸食の増大をもたらすことはないが、既存の唾液およびその後作り出される唾液の緩衝能によって決まる。
さらに、中和された状態での良好な溶解性に起因して、裏張り層が不快な口当たりを引き起こさないことは有利である。
さらに、裏張り層はより良好な視認性を実現するために着色剤により着色することができる。
さらに、適用中の口当たりを改善するために香味料を取り込むことも可能であり、これは他の膜を上回る主な利点である。
裏張り層なし、PET裏張り層あり、および本発明による裏張り層ありの配合物の溶解時間のグラフである。 中和されていないポリマーとあらかじめ中和されたポリマーとのポリマー混合物pH値を示すグラフである。 裏張り層が放出媒体に面する構成における、様々な中和の度合い(pH値)を有する裏張り層の効果を示すグラフである。 裏張り層がPET側に適用した構成における、マトリックスの放出プロファイルを示すグラフである。
口腔用薄膜の本発明の説明において、「含む(comprising)」という語は「からなる(consisting of)」も意味する。
「裏張り層」という用語は、多層口腔用薄膜の最外層の1つである、多層口腔用薄膜の層を意味すると理解される。
遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーは好ましくは、以下の表に従い、水に溶解することが困難である、溶解することが非常に困難である、または事実上不溶性であるポリマーである。
15℃~25℃での溶解性
Figure 2023508293000002
遊離カルボキシル基を含むポリマーの水への溶解性は、部分的中和または少なくとも1種の塩基の添加により変動させることができることが示された。多層口腔用薄膜の裏張り層に適用される場合、これは患者の口内での裏張り層の分解時間を変動させることができることを意味する。
本発明による多層口腔用薄膜は好ましくは、遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーの遊離カルボキシル基の少なくとも10%、特に好ましくは15~100%が中和された形態で塩として存在することを特徴としている。
好ましくは、遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーの遊離カルボキシル基の15~100%、または20~100%、または25~100%、または30~100%、または35~100%、または40~100%、または45~100%、または50~100%、または60~100%、または70~100%、または80~100%、または90~100%が中和された形態で塩として存在する。
好ましくは、遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーの遊離カルボキシル基の10~100%、または15~100%、または20~95%、または25~90%、または30~85%、または35~80%、または40~75%、または45~70%、または50~65%、または55~60%が中和された形態で塩として存在する。
遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーの遊離カルボキシル基の0%が中和された形態である場合、ポリマーは好ましくは不溶性である。遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーの遊離カルボキシル基の約10%が中和されている場合、ポリマーのpHは好ましくは約4であり、したがって非常に遅溶性である。
遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーの遊離カルボキシル基の約15%~100%が中和された形態である場合、ポリマーのpHは好ましくは約4.6~7である。
本発明による多層口腔用薄膜は、好ましくは、少なくとも1つの裏張り層のpHが3.5~7.5、好ましくは4~7、特に4.5~6.5であることをさらに特徴とする。
裏張り層のpHは、20℃における裏張り層のすべての成分の水溶液の溶液または懸濁液のpHに相当する。水溶液はここでは溶媒として水のみを含んでいてもよいが、水と有機溶媒の混合物を含んでいてもよい。原理上は、すべての水混和性有機溶媒は有機溶媒として適している。好ましいのは、ケトン、アルコール、および/またはエステル、特にアセトン、またはエタノールである。
遊離カルボキシル基を含む1種を超えるポリマーが裏張り層に存在する場合、遊離カルボキシル基の中和の度合いについての上記の値は存在するすべてのカルボキシル基の合計を指す。
本発明による多層口腔用薄膜はまた、好ましくは、遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーが裏張り層の総重量に対して10~99wt.%、好ましくは20~95wt.%、特に好ましくは25~90wt.%の量で裏張り層に提供されることも特徴とする。
遊離カルボキシル基を含む数種類のポリマーの混合物も使用できる。この場合、遊離カルボキシル基を含むすべてのポリマーの合計は、裏張り層の総重量に対して10~99wt.%、好ましくは20~95wt.%、特に好ましくは25~90wt.%である。
本発明による多層口腔用薄膜は、好ましくは、遊離カルボキシル基を含むポリマー中の遊離カルボキシル基の含量が、平均ポリマー質量に対して10~40wt.%、好ましくは15~35wt.%、特に好ましくは20~30wt.%であることをさらに特徴とする。
遊離カルボキシル基を含む1種を超えるポリマーが裏張り層に存在する場合、これらの記載される値は存在するすべてのカルボキシル基の合計に関する。
遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーは好ましくは、(メタ)アクリル酸をベースとする、および/または(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリレートとのコポリマーをベースとするポリマーを含む。
非常に特に好ましくは、遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーは、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリレートとのコポリマー、非常に特に好ましくは(メタ)アクリル酸/エチルアクリレートコポリマーを含む。
適切なポリマーは、例えば、Kollicoat L100、Kollicoat L100-55、Kollicoat MAE Kollicoat Smart Seal(BASF社)、またはEudragit L、Eudragit S(Evonic社)、またはAcryl-EZE(Colorcon社)の商品名で入手可能である。
これらのポリマーは、水にほぼ不溶性であり、少なくとも1種の塩基を添加することによりそれらの溶解性を容易に変動させることができるという利点を有する。これらのポリマーのいくつかは製造業者により既にあらかじめ中和されている。
本発明による多層口腔用薄膜は、好ましくは、遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーの遊離カルボキシル基が少なくとも1種の塩基の添加により中和されていることをさらに特徴とする。
塩基の種類は制限されないが、原理上は任意の薬学的に許容可能な塩基を使用できる。特に好ましくは、塩基は、水酸化物、特にアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物を含む。NaOHの使用が非常に特に好ましい。
好ましくは、少なくとも1種の塩基の添加量は、遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーの遊離カルボキシル基に対する塩基の当量比が1:10~2:1、好ましくは1:10~1:1であるような添加量である。
NaOHを塩基として添加する場合、添加量は好ましくは、遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーの重量に対して0.5~15wt.%のNaOHが添加されるような量であってもよい。
本発明による多層口腔用薄膜は、好ましくは、裏張り層が少なくとも1種の可塑剤を含むことをさらに特徴とする。
適切な可塑剤はここでは、クエン酸エステル、アルファトコフェロール、ベンジルベンゾエート、ブチルステアレート、クロロブタノール、ジブチルフタレート、ジブチルセバケート、ジエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジプロピレングリコール、グリセリン、グリセリンモノステアレート、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ステアリン酸、トリアセチン、および/またはトリカプリリン、特に好ましくはトリエチルシトレートを含む。
本発明による多層口腔用薄膜は好ましくは、少なくとも1種の可塑剤が、裏張り層の総重量に対して1~20wt.%、好ましくは5~15wt.%、特に好ましくは8~12wt.%の量で多層口腔用薄膜の裏張り層に提供されることを特徴とする。
本発明による多層口腔用薄膜は、好ましくは、マトリックス層が少なくとも1種の水溶性ポリマーを含むことをさらに特徴とする。
水溶性ポリマーは、化学的に非常に様々な天然または合成ポリマーを含み、それらの共通の機能は水または水性媒体中でのそれらの溶解性である。前提条件は、これらのポリマーが水溶性のための十分な多数の親水性基を有し、架橋していないことである。親水性基は非イオン性、アニオン性、カチオン性、および/または両性イオン性であってもよい。
水溶性ポリマーは、好ましくは上記の表による少なくとも「可溶性」である水への溶解性を有する。
少なくとも1種の水溶性ポリマーは好ましくは、デンプンおよびデンプン誘導体、デキストラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルまたはプロピルセルロースのようなセルロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシドポリマー、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ゼラチン、コラーゲン、アルギネート、ペクチン、プルラン、トラガカント、キトサン、アルギン酸、アラビノガラクタン、ガラクトマンナン、寒天、アガロース、カラギーナン、ならびに天然ゴムからなる群から選択される。
特に好ましくは、少なくとも1種の水溶性ポリマーはビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマーを含む。
本発明による多層口腔用薄膜は好ましくは、少なくとも1種のポリマー、好ましくは水溶性ポリマーが、マトリックス層の総重量に対して5~95wt.%、好ましくは10~80wt.%の量で多層口腔用薄膜のマトリックス層に提供されることを特徴とする。
少なくとも1種のポリマー、好ましくは水溶性ポリマーが、マトリックス層の総重量に対して5~50wt.%、好ましくは10~40wt.%の量で多層口腔用薄膜のマトリックス層に提供される、本発明による多層口腔用薄膜の実施形態も可能である。
少なくとも1種の医薬活性剤は、原理上はいかなる制約も受けないが、好ましくは口腔投与および/または経粘膜的適用に適しているあらゆる医薬活性剤から選択される。
本発明によれば、特定の医薬活性剤のすべての薬学的に許容可能な塩および溶媒和物も、医薬活性剤に属している。
活性剤は好ましくは、鎮痛薬、ホルモン、睡眠薬、鎮静薬、抗てんかん薬、滋養強壮薬、精神神経症薬、神経筋遮断薬、鎮痙薬、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、強心薬、抗不整脈薬、利尿剤、降圧薬、昇圧薬、抗うつ薬、鎮咳薬、去痰薬、甲状腺ホルモン、性ホルモン、抗糖尿病薬、抗腫瘍性活性剤、抗生物質、化学療法薬、および麻酔薬の活性剤のクラスからなる群から選択されるが、しかしこの群は最終的なものではない。
少なくとも1種の医薬活性剤は、特に好ましくはケタミンおよび/またはその薬学的に活性な塩または溶媒和物、好ましくはケタミンHClである。
本発明の場合、ケタミンは、(S)-(±)-2-(2-クロロフェニル)-2-(メチルアミノ)シクロヘキサン-1-オン、(R)-(±)-2-(2-クロロフェニル)-2-(メチルアミノ)シクロヘキサン-1-オン、およびラセミ体(RS)-(±)-2-(2-クロロフェニル)-2-(メチルアミノ)シクロヘキサン-1-オンを意味すると理解される。
しかし、(S)ケタミンまたはその薬学的に許容可能な塩、特に(S)ケタミンHClは、特に好ましくはケタミンの単一の立体異性体として存在し、なぜなら(S)ケタミンの鎮痛性および麻酔性の効能は(R)型の効能よりもおよそ3倍高いからである。
本発明による多層口腔用薄膜はまた、好ましくは、少なくとも1種の医薬活性剤、好ましくはケタミンが、マトリックス層の総重量に対して1~50wt.%、好ましくは10~40wt.%、特に好ましくは25~35wt.%の量でマトリックス層に提供されることも特徴とする。
本発明による多層口腔用薄膜はまた、好ましくは、マトリックス層がいずれの場合にも、着色剤、香味料、甘味料、可塑剤、味覚遮蔽剤、乳化剤、増強剤、pH調整剤、保湿剤、保存剤、および/または抗酸化剤を含む群から選択される少なくとも1種の補助物質も含むことも特徴とする。
これらの補助物質のそれぞれは好ましくは、いずれの場合にも、マトリックス層の総重量に対して約0.1~40wt.%、好ましくは0.1~30wt.%、特に好ましくは0.1~15wt.%の量でこの層に含有されている。
本発明による多層口腔用薄膜はまた、好ましくは、裏張り層が、着色剤、香味料、甘味料、味覚遮蔽剤、乳化剤、増強剤、pH調整剤、保湿剤、保存剤、および/または抗酸化剤を含む群から選択される少なくとも1種の補助物質も含むことも特徴とする。
これらの補助物質のそれぞれは好ましくは、いずれの場合にも、裏張り層の総重量に対して約0.1~40wt.%、好ましくは0.1~30wt.%、特に好ましくは0.1~15wt.%の量でこの層に含有されている。
本発明による口腔用薄膜は好ましくは、約0.5cm~約10cm、より好ましくは約2cm~約8cmの面積を有する。
本発明による口腔用薄膜は好ましくは、口腔用薄膜の単位面積当たりの質量がおよそ10~500g/m、好ましくはおよそ100~400g/mであることを特徴とする。
裏張り層の面積密度は、溶解挙動を制御する、および裏張り層が活性剤を唾液中への溶解から保護する機能を制御するのに重要である。活性剤の十分な保護ならびに十分な溶解時間を確保するのに一定の厚さが必要とされ、溶解時間は通常は、能動的な浸透要件、したがってマトリックス層の溶解時間と少なくとも同じ長さであるべきである。
さらに、特に、非常に薄い層を十分な精度でコーティングすることも困難である。他方では、厚い層は口腔内の不快な感覚を引き起こすことがあるだけでなく、製造が難しいことがあり、層が所望の(例えば一晩)適用において溶解するのに長い時間がかかりすぎるということを引き起こすことがある。全体として、裏張り層は、少なくとも10g/m、より好ましくは少なくとも20g/m、もしくは最も好ましくは少なくとも30g/mの面積密度、または400g/m以下、より好ましくは350g/m以下、もしくは最も好ましくは300g/m以下の面積密度、または10~400g/m、より好ましくは20~350g/m、もしくは最も好ましくは30~300g/mの面積密度を有することが好ましい。
これは好ましくは約10μm~約500μm、特に好ましくは約20μm~約300μmの層厚さに相当することが好ましい。
本発明による口腔用薄膜は好ましくは、特定の実施形態において、口腔用薄膜を患者へ投与した後、担体層が5分以上、好ましくは10分以上、より好ましくは15分以上で、または12時間以下、好ましくは8時間以下、より好ましくは4時間以下で、または5分ないし12時間、好ましくは10分ないし8時間、より好ましくは15分ないし4時間で溶解することを特徴とする。
裏張り層が、水中、人工唾液もしくは天然唾液中、または任意の他の水性媒体中、好ましくは緩衝水性媒体中で、37℃および150rpmにおいて、5分以上、好ましくは10分以上、好ましくは15分以上、より好ましくは30分以上で、および15時間以下、好ましくは12時間以下、より好ましくは10時間以下で、または10分もしくは15時間、好ましくは15分もしくは12時間、より好ましくは30分もしくは10時間で形成されることも好ましい。
特に、裏張り層はサイズに関してマトリックス層と同等またはそれ以上であってもよい。したがって、特定の実施形態では、裏張り層のサイズおよびマトリックス層のサイズは同じであるが、一方他の実施形態では、裏張り層はマトリックス層の表面積よりも大きく、サイズが大きくなる。2層シートを打ち抜いて層状構造を得ることができるので、裏張り層およびマトリックス層が同じサイズである層状構造は製造がより容易である一方、裏張り層がマトリックス層よりも大きい層状構造は製造がより困難であるが、マトリックス層の縁部も担体層により覆われているので、激しい漏れのリスクがより少ないという利点ももたらす。
本発明は、本発明による口腔用薄膜を製造する方法にも関する。この方法は
a)少なくとも1つの活性剤含有マトリックス層を提供する工程であって、
a1)少なくとも1種のポリマーおよび少なくとも1種の医薬活性剤を含む溶液または懸濁液を製造する工程、ならびに
a2)工程a1)に従って得られる溶液または懸濁液を広げ乾燥させる工程
を含む工程と、
b)少なくとも1つの裏張り層を提供する工程であって、
b1)遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーを含む溶液または懸濁液を製造する工程であり、遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーの遊離カルボキシル基の10~100%が中和された形態で塩として存在する、工程;ならびに
b2)工程b1)に従って得られる溶液を広げ乾燥させる工程;
を含む工程と;
c)多層口腔用薄膜を得るために、a)に従って得られる活性剤含有マトリックス層およびb)に従って得られる裏張り層を共に接合する工程と
を含む。
工程b)で使用されるポリマーは、上記のような少なくとも1種の塩基を添加することにより少なくとも部分的に中和してもよい。あるいは、製造業者により既にあらかじめ中和されているポリマーを使用してもよい。
2枚の膜は、当業者に一般に知られている方法により接合することができる。例えば、さらなる膜をコーティングにより第1の膜に適用することができ、裏張り層が最外層のうちの1つを成す限り、どの膜がどの膜上にコーティングされるかは重要ではない。さらに、2層を接着剤層により共に連結することができる。さらに、2層を熱により共に連結することができる。
本発明は、上記の方法により得ることができる多層口腔用薄膜にも関する。
さらに、本発明は、上記のような、または上記の方法により得ることができる、医薬品としての多層口腔用薄膜に関する。
本発明はさらに、痛みおよび/もしくは鬱病の治療において使用して特に自殺のリスクを低下させるため、ならびに/または全身麻酔薬として使用して、好ましくは全身麻酔を開始および実施するための医薬品としての、または局所麻酔の場合の追加としての、ならびに/または鎮痛薬としての、上記のような、または上記の方法により得ることができる、多層口腔用薄膜に関する。
本発明による多層薄膜について上記に記載される好ましい実施形態は、本発明による方法、この方法により得られる多層口腔用薄膜、および医薬品としての前記多層口腔用薄膜の使用にも適用可能である。
本発明を非限定的な例に基づいて以下でより詳細に説明することにする。
実施例1
裏張り層を以下の通りに製造した:
組成物の配合:
Figure 2023508293000003
製造手順:
溶媒を合わせ、可塑剤および香味料を加えた。次いで甘味料を順々に溶解させ、ポリマーを振り入れ溶解させた。ここで泡がなくなるまで塊状物を静置した。
結果は、均質のわずかに濁った塊状物であった。
コーティング/乾燥:
塊状物をシリコン処理したライナーに適用し、得られる膜を乾燥させた。
結果は、薄く、安定で、透明な膜であった。
さらなる加工:
ここで得られるコーティングをさらに加工することができる。例えば、さらなる膜、例えばマトリックス層などを、コーティング、接着、または熱によりこの裏張り層に適用することができる。
実施例2
最初の調査において、3種の配合物の変形体を試験した。配合物1は裏張り層のないベースとした。次いで裏張り(不溶性、2)を有する配合物、および本発明による溶解性の裏張り層(3)を有する配合物を、同じ塊状物から得た。
Figure 2023508293000004
Figure 2023508293000005
分解速度および活性剤の放出を試験した。
分解時間はシンカーを有する標準分解テスターにより試験され、十分に知られており薬局方において記載されている。活性剤は「回転シリンダー」法を使用して標準溶解テスターにより放出させた。この目的のために、放出媒体中で回転するシリンダー上にOTFをのりづけした。HPLCにより分析を行った。
試験は、本発明による配合物3の裏張り層が溶解し、参照(1)と比較して分解および活性剤の放出を著しく遅らせたことを裏付けた。結果を図1に示す。
苛性ソーダ(好ましくは、ポリマー溶液としても使用される、適切な溶媒中の溶液として)を、水に懸濁されたまたは有機溶媒および水の混合物中に溶解されたポリマー(この場合Kollicoat L100-55)へ滴加することにより、ポリマーを中和した。中和の増加は有機溶媒中の溶解性を低下させ水への溶解性を高めた。
ここでは一定量の水が存在することが好ましく、存在しない場合は相分離が生じることになりポリマーが固体成分として析出することがある。
高濃度においては添加される苛性ソーダの割合が非常に高くなるので、あらかじめ中和されたポリマー(製造業者によりNaOHを使用してあらかじめ中和されているKollicoat MAE 100P)および中和されていないポリマー(Kollicoat MAE 100-55)のブレンドも使用した(表4を参照)。表4にまとめたポリマー混合物のpH値を図2に示す。
Figure 2023508293000006
実施例3
さらなる試験において、異なるpH値間の差を示した。この目的のために、先述の試験と同様の組成を有する活性剤の膜に、様々な中和の度合い(pH値)を有する裏張り層を設けた。組成(wt.%)を表5にまとめる。
Figure 2023508293000007
パドルオーバーディスク(TTSホルダー)による2つの構成で放出を試験した。第1の変形形態では、API側がPET膜に面し、裏張り層が放出媒体に面するようにして、メッシュサイズ40(35mm直径)のUSP 5 TTSホルダーによりOTFを試験した。裏張り層の効果をここで試験することができた。測定結果を図3にまとめる。
第2の変形体では、構成は基本的に同じとし、APIマトリックスの放出プロファイルを示すようにOTFの裏張り層をPET側へ適用した点が異なった。測定結果を図4にまとめる。
実施例5
表6および7に示す組成物の医薬活性剤としてアゴメラチンを使用した口腔用薄膜も調製した。
Figure 2023508293000008
Figure 2023508293000009
実施例3aにおいて、ガラスビーカーにアゴメラチンを装入した。エタノール、ユーカリプトール、メントール、メチルサリチレート、Novamintフレッシュペパーミント、Kolliphor RH 40、FD&C Red #40、スクラロース、およびPolysorbate 80を加え、次いで混合物を撹拌した。撹拌しながらポリビニルピロリドンを加え、約2.5時間撹拌した後、透明赤色溶液を得た。
実施例3b~3hにおいて、同じコーティング組成物をアゴメラチン含有層に使用し、これは以下のように調製した:ガラスビーカーにアゴメラチンを入れた。エタノール、メントール、ユーカリプトール、メチルサリチレート、Kolliphor RH 40、FD&C Red #40、スクラロース、およびPolysorbate 80を加え、次いで混合物を撹拌した。透明溶液を得た。ポリビニルピロリドンを加え、さらに撹拌した後、撹拌しながらNovamintフレッシュペパーミントを滴加して透明赤色溶液を得た。
第2のコーティング組成物(裏張り層)の調製:
実施例3cにおいて、ガラスビーカーにエチルセルロースを装入した。エタノールを加え次いで混合物を撹拌した。撹拌しながらヒマシ油を加えてわずかに不透明な混合物を得た。
実施例3e~3hにおいて、ガラスビーカーにエタノールを装入した。精製水およびKollidonを加え、次いで混合物を撹拌して溶液を得た。撹拌しながらEudragitおよびグリセリンを加え、透明混合物を得た。
実施例3fおよび3gにおいて、水酸化ナトリウム溶液を加えて表7に示すようなpH値を得た。
実施例3cおよび3e~3hの得られる第2のコーティング組成物をポリエステル膜(ポリエチレンテレフタレート膜、片面をシリコン処理済み、75μm厚さ、分離層として作用することが可能である)に適用し、室温で約10分および70℃で20分(実施例3c)、室温で約5分、35℃で10分、および80℃で2分(実施例3e~3h)乾燥させた。膜厚によりそれぞれ12.3g/m(実施例3c)、26.8g/m(実施例3e)、26.0g/m(実施例3f)、20.5g/m(実施例3g)、および22.9g/m(実施例3h)の面積密度が得られた。
実施例3dにおいて、15μmの厚さを有する市販のポリエチレンテレフタレート膜を担体層として使用した。
実施例3aおよび3bの、結果として得られるアゴメラチン含有の第1のコーティング組成物をポリエステル膜(ポリエチレンテレフタレート膜、片面をシリコン処理済み、75μm厚さ、分離層として作用することが可能である)に適用し、室温で約15分および70℃で5分(実施例3a)、または室温で約5分、50℃で10分、および90℃で2分(実施例3b)乾燥させた。実施例3aおよび3bでは、乾燥させた膜が最終的なアゴメラチン含有層状構造である。
実施例3cおよび3e~3hの、結果として得られるアゴメラチン含有の最初のコーティング組成物を乾燥させた担体層に適用し、室温で約5分、50℃で10分、および90℃で2分(実施例3cおよび3e~3h)乾燥させた。
コーティング厚さにより55.4g/m(実施例3a)または50.0g/m(実施例3b、3c、および3e~3h)の面積密度が得られた。コーティング組成物を15μm厚さのポリエチレンテレフタレート膜に適用し、担体層(ポリエチレンテレフタレート膜)を有するOTFを得ることを除いて、実施例3dのコーティング方法は実施例3b、3c、および3e~3hの方法と同一とした。
担体層をアゴメラチン含有層に積層することにより、実施例3b、3c、および3e~3hのOTFを調製した。分離層は積層前に取り除いた。
粘膜浸透速度の測定:
実施例3a~3hに従って調製されたOTFの浸透量および対応する粘膜浸透速度を、OECDガイドライン(2004年4月13日に採用)に従いブタ粘膜(食道粘膜)を使用したインビトロ実験により測定した。デルマトームを使用して無傷のバリア機能を有する400μm以下の厚さの粘膜を作成した。OTFを0.522cmの面積を有する粘膜に適用し、上面にOTFを有する粘膜を人工唾液に浸した(下面は受容媒体に接触しており、上面は1.145cmの粘膜の面積に分割されている)。37±1℃の温度における受容媒体(リン酸塩緩衝溶液pH7.4)中のアゴメラチン浸透量を測定し、対応する粘膜浸透過速度を計算した。結果を表8および9ならびに図3aおよび3bに示す。n-法を使用してこの実施例における標準偏差(SD)を計算した。
Figure 2023508293000010
Figure 2023508293000011
アゴメラチンの使用:
6時間後の累積浸透量に基づき、および初期のアゴメラチン含量に基づき、6時間後のアゴメラチンの使用を計算した。結果を表10に示す。
Figure 2023508293000012
インビトロ実験は、良好な粘膜浸透速度および良好な活性剤の使用を示した。実施例3aおよび3bと比較して実施例3c~3hは、裏張り層を使用した場合であっても、低くはなるが依然として良好な浸透を得ることができることを示した。

Claims (15)

  1. 少なくとも1種のポリマーおよび少なくとも1種の医薬活性剤を含有するマトリックス層、ならびに少なくとも1つの裏張り層を含む、多層口腔用薄膜であって、少なくとも1つの裏張り層は遊離カルボキシル基を含有する少なくとも1種のポリマーを含み、遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーの遊離カルボキシル基の10~100%は中和された形態で塩として存在する、前記多層口腔用薄膜。
  2. 少なくとも1つの裏張り層のpHは3.5~7である、請求項1に記載の多層口腔用薄膜。
  3. 遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーは裏張り層の総重量に対して10~99wt.%の量で裏張り層に提供される、請求項1または2に記載の多層口腔用薄膜。
  4. 遊離カルボキシル基を含むポリマー中の遊離カルボキシル基の含量は、平均ポリマー質量に対して10~40wt.%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の多層口腔用薄膜。
  5. 遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーは、(メタ)アクリル酸をベースとする、および/または(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリレートとのコポリマーをベースとするポリマーを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の多層口腔用薄膜。
  6. 遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーは、(メタ)アクリル酸/エチルアクリレートコポリマーを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の多層口腔用薄膜。
  7. 遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーの遊離カルボキシル基は、少なくとも1種の塩基、好ましくはNaOHの添加により中和されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の多層口腔用薄膜。
  8. 裏張り層は、少なくとも1種の可塑剤、好ましくはトリエチルシトレートを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の多層口腔用薄膜。
  9. マトリックス層は、少なくとも1種の水溶性ポリマーを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の多層口腔用薄膜。
  10. 少なくとも1種の水溶性ポリマーは、デンプンおよびデンプン誘導体、デキストラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルまたはプロピルセルロースのようなセルロース誘導体、ポリアクリル酸、ポリアクリレート、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシドポリマー、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ゼラチン、コラーゲン、アルギネート、ペクチン、プルラン、トラガカント、キトサン、アルギン酸、アラビノガラクタン、ガラクトマンナン、寒天、アガロース、カラギーナン、ならびに天然ゴムからなる群から選択される、請求項9に記載の多層口腔用薄膜。
  11. 少なくとも1種の医薬活性剤は、鎮痛薬、ホルモン、睡眠薬、鎮静薬、抗てんかん薬、滋養強壮薬、精神神経症薬、神経筋遮断薬、鎮痙薬、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、強心薬、抗不整脈薬、利尿剤、降圧薬、昇圧薬、抗うつ薬、鎮咳薬、去痰薬、甲状腺ホルモン、性ホルモン、抗糖尿病薬、抗腫瘍性活性剤、抗生物質、化学療法薬、および麻酔薬の活性剤のクラスからなる群から選択され、少なくとも1種の医薬活性剤は好ましくはケタミン、特に好ましくは(S)ケタミンである、請求項1~10のいずれか1項に記載の多層口腔用薄膜。
  12. マトリックス層はいずれの場合にも、着色剤、香味料、甘味料、可塑剤、味覚遮蔽剤、乳化剤、増強剤、pH調整剤、保湿剤、保存剤、および/または抗酸化剤を含む群から選択される少なくとも1種の補助物質も含み、裏張り層は、着色剤、香味料、甘味料、味覚遮蔽剤、乳化剤、増強剤、pH調整剤、保湿剤、保存剤、および/または抗酸化剤を含む群から選択される少なくとも1種の補助物質も含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の多層口腔用薄膜。
  13. 請求項1~12のいずれか1項に記載の多層口腔用薄膜を製造する方法であって、以下の工程:
    a)少なくとも1つの活性剤含有マトリックス層を提供する工程であって、
    a1)少なくとも1種のポリマーおよび少なくとも1種の医薬活性剤を含む溶液または懸濁液を製造する工程、ならびに
    a2)工程a1)に従って得られる溶液または懸濁液を広げ乾燥させる工程
    を含む工程と;
    b)少なくとも1つの裏張り層を提供する工程であって、
    b1)遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーを含む溶液または懸濁液を製造する工程であり、遊離カルボキシル基を含む少なくとも1種のポリマーの遊離カルボキシル基の10~100%が中和された形態で塩として存在する、工程;ならびに
    b2)工程b1)に従って得られる溶液を広げ乾燥させる工程;
    を含む工程と;
    c)多層口腔用薄膜を得るために、a)に従って得られる活性剤含有マトリックス層およびb)に従って得られる裏張り層を共に接合する工程と
    を含む、前記方法。
  14. 請求項13に記載の方法により得ることができる、多層口腔用薄膜。
  15. 請求項1~12および14のいずれか1項に記載の多層口腔用薄膜の、医薬品としての使用。
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