JP2023507469A - 精製2,5-フランジカルボン酸の水及び熱による処理 - Google Patents

精製2,5-フランジカルボン酸の水及び熱による処理 Download PDF

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Abstract

カルボン酸組成物を製造するための精製2,5-フランジカルボン酸(FDCA)の熱処理であって、方法が、精製カルボン酸組成物及び水含有処理溶媒組成物を含む熱処理組成物を準備する又は製造する工程と、熱処理組成物を高温に供する工程であり、FDCAが部分的に溶解される、工程と、処理された組成物を冷却して、処理された組成物からFDCAの少なくとも一部を分離してカルボン酸組成物を得る工程とを含む、熱処理。

Description

本発明は、カルボン酸組成物の製造方法、それぞれのカルボン酸組成物及びポリアルキレンフラノエートの製造のための出発原料に関する。
2,5-フランジカルボン酸(FDCA)は、高性能ポリマーの製造において石油系モノマーを置き換えるための非常に有望な構成単位であることが当技術分野で公知である。近年、FDCA及び現在広く使用されている石油系プラスチックと比較して優れた性能特性を有する、完全に再利用可能なプラスチックである新規の植物系ポリエステルポリエチレンフラノエート(PEF)が多くの注目を集めている。これらの材料は、石油系ポリマー及びプラスチックへの依存の低減に顕著に寄与することができると同時に、地球資源のより持続可能な管理を可能にする。したがって、商業的に実行可能な方法でFDCA及びPEFを製造するための技術に到達し、これらの有望な材料のマーケティングの成功を可能にするための包括的な研究が当分野で行われた。
FDCAは、典型的にフラン部分を有する分子、例えば5-ヒドロキシメチルフルフラール(5-HMF)及び対応する5-HMFエステル又は5-HMFエーテル、並びに典型的に植物系の糖から、例えば糖の脱水によって得られる同様の出発原料の酸化によって粗製カルボン酸組成物として得られる。例えば、酵素又は金属触媒プロセスを含む広範な種類の酸化プロセスが先行技術から公知である。
当分野で最も確立された技術の1つは、コバルト、マンガン及び臭素を含む触媒システムを使用し、酸化剤として酸素又は空気を使用して、フラン部分を有する化合物をFDCAに酸化する。幅広い種類の出発原料に適用可能なそれぞれの方法は、例えばWO2014/014981A1又はWO2011/043660A1に開示される。
ほとんどの場合、上述の方法で粗製カルボン酸組成物について得ることができる純度は、FDCAのPEF又は他の高性能ポリマーへの重合に必要とされる所要の純度の程度を達成するのに十分ではない。したがって、粗製カルボン酸組成物を更に精製し、精製カルボン酸組成物を製造するための精製方法が開発された。これらの方法は、得られたカルボン酸組成物を洗浄及び単離する複数の工程を含む包括的な精製スキームとしばしば組み合わされる、例えば水素化工程、酸化後工程、蒸留工程、再結晶化工程、又は同様の方法を含む。例示的な精製方法は、例えばWO2014/014981A1又はWO2016/195499A1に開示される。
十分に純粋なFDCA(ポリマーグレードFDCAと標識される場合もある)を得るための既存の方法を改善する包括的な努力にもかかわらず、公知の精製方法によって得られる結果は、多くの場合完全に満足のいくものではない。粗製FDCAを精製するための先行技術の方法は、5-ホルミル-2-フランカルボン酸(FFCA)、すなわち、ほとんどの場合に出発原料の不完全な酸化によって得られる主要な不純物に対して良好な結果をもたらすことが多いが、これらの方法は、ほとんどの場合に他の一般的な不純物の顕著な低減を達成せず、不純物の一部が酸化に使用されるプロセスに基づいて顕著な量で存在する可能性がある。特に、いくつかの先行技術の方法は、2-フランカルボン酸(FCA)、すなわち、例えばFDCAの脱カルボキシル化によって酸化中にしばしば製造される、FDCAに対応する一酸の量の顕著な低減をもたらさない。
更に、先行技術の精製方法によって得られる固体FDCA粒子は、多くの場合あまり望ましくない物理的及び機械的特性を有することが当分野で認識された。これらの特性は、例えば、固体生成物の望ましくない微粉、すなわち、多くの場合割れたガラスの破片のような形状の非常に小さな粒子の量の増加、及び一般に得られた粒子の強度の低下を含む。他のあまり望ましくない特性は、例えば、単離及び乾燥手順中に形成される場合があり、異常に大きい粒子をもたらす凝集を含む。これらの特性は、最も一般的な石油系二酸に比べ、粒子の取扱いを顕著により困難且つ高額にする。例えば、固体FDCA生成物を管及びパイプを通して注入すること、又はそれを供給することはより困難である。更に、固体FDCAの貯蔵特性も、粒子が多くの場合互いに粘着する傾向にあるため、あまり望ましくない。
おそらく、あまり望ましくない機械的及び物理的特性の最も顕著な欠点の1つは、固体FDCAと他の出発原料、及びポリマーの製造に必要とされる触媒を混合することがあまり容易でない場合があり、必要とされる反応時間と得られるポリマーの品質の両方に悪影響を及ぼす可能性がある、濃度勾配を有するあまり均質でない出発混合物をもたらすことである。
本発明の発明者らは、あまり望ましくない機械的及び物理的特性が、粒子の形状及び低い強度、並びに得られる精製FDCA組成物中の粒径分布に起因すると考えている。これらは、ほとんどの場合、大量の微粉を有する板状粒子を呈する。現在まで、精製FDCAの機械的及び物理的特性を効率的に改善するための簡便な手法は当技術分野で公知ではない。
固体FDCAのあまり望ましくない純度及び機械的特性に関する上述の問題は、FDCAの製造に使用される出発原料と無関係に発生する傾向がある。
しかし、近年では、FDCAに到達するための有望な手法が、酸化のための出発原料として顕著な量の5-HMFエーテルを利用することが発見された。結果として、そのような方法で得られる粗製カルボン酸組成物は、遊離二酸、すなわちFDCAを含むだけでなく、顕著な量のFDCAのモノアルキルエステルも含み、現在、これらの方法は、顕著な量のFDCAのモノメチルエステル(FDCA-Me)をもたらす最も確立されている方法と思われる。それぞれの方法は、FDCAのモノアルキルエステルを生じない同等の方法に対して複数の利益を有するが、これらの方法で得られる固体FDCAの純度及び機械的特性に関する上述の欠点は、特に望ましくない。本発明者らは今般、FDCAのモノアルキルエステルが、多くの先行技術の精製方法によって不十分に除去される不純物の1種であると思われることを見出した。結果として、上述の技術を使用して製造される精製FDCA組成物は、顕著な量のFCA及びFDCA-Meを含む傾向があり、ここで後続の重合反応において、FCAは潜在的な末端停止剤であり、FDCA-Meは危険な副反応を生じ得るメタノールを製造する場合がある。更に、本発明者らは、微量であっても、FDCA-Meの存在がFDCA-Meを含まない精製FDCA組成物で見出されるものより不都合な固体FDCAの機械的及び物理的特性をもたらすことができることを見出した。要約として、上述の先行技術の方法の欠陥は、粗製及び/又は精製カルボン酸組成物中にFDCA-Meを含む方法で特に明白である。
WO2014/014981A1 WO2011/043660A1 WO2016/195499A1 WO2017/003293A1 WO2016195499 WO2016195500 WO2016/195500A1
上述の問題に鑑みて、先行技術の方法のそれぞれの欠点を克服するための、長年にわたって切望される必要性が存在した。本発明の目的は、特にFCA及び/又はFDCA-Me不純物に対する、得られるカルボン酸組成物の純度を更に増加させる改善された方法を提供することであった。別の目的は、良好な機械的及び物理的特性を有するカルボン酸組成物をもたらし、したがって固体生成物の効率的な取扱い及び後続の重合反応における固体FDCAの好都合な挙動を可能にする方法を提供することであった。本発明のさらなる目的は、既存の酸化及び精製方法と容易に組み合わせることができ、連続、半連続又はバッチ式に実行することができる方法を提供することであった。
さらなるプロセス工程を資源効率的な方法で実行することができ、それ自体が微量の廃棄物しか生じないことが望ましい。同様に、主に残りの製造方法の他の工程中でも、例えば酸化又は精製中でも利用される化学化合物及び出発原料を使用し、貯蔵費用を低減させ、製造プラントで取り扱う必要がある異なる物質の量を最小化する方法を提供することが望ましい。
同様に、それぞれの方法が限られた量のエネルギーを必要とし、主に非腐食性の物質を利用し、且つ特に安全な方法で操作することができ、健康上のリスク及び環境への危険物質の曝露を最小化することが好ましい。FCA及び/又はFDCA-Meに関する特定の効率的な精製に対する要望を別にして、方法が広範な種類の生じ得る不純物を除去し、先行技術の精製方法を効率的に補うことができることが更に望ましい。
更に、高純度を有するだけでなく、後続の重合反応における出発原料としての効率的な使用を可能にする、好都合な物理的及び/又は機械的特性も示すカルボン酸組成物を提供することが本発明の目的であった。
それに対応して、重合中の反応時間の短縮を可能にし、及び/又は特定の好都合な生成物をもたらすポリアルキレンフラノエートの製造のための出発原料を提供することが、本発明の別の目的であった。
本発明者らは今般、2,5-フランジカルボン酸を含むカルボン酸組成物の製造方法であって、
a)2,5-フランジカルボン酸及び5-ホルミル-2-フランカルボン酸を含む粗製カルボン酸組成物を準備する又は製造する工程と、
b)粗製カルボン酸組成物を精製し、好ましくは少なくとも部分的に固体であり、より好ましくは少なくとも5%固体であり、最も好ましくは少なくとも80%固体である、2,5-フランジカルボン酸を含む精製カルボン酸組成物を製造する工程であり、精製が、
- 5-ホルミル-2-フランカルボン酸の少なくとも一部を水素化する工程、
- 5-ホルミル-2-フランカルボン酸の少なくとも一部を酸化する工程、
- 2,5-フランジカルボン酸の少なくとも一部を再結晶化する工程、及び
- 2,5-フランジカルボン酸のジアルキルエステルを加水分解する工程
からなる群から選択される少なくとも1つの工程を含む、工程と、
c)処理溶媒組成物の質量に対して95質量%より多く、好ましくは98質量%より多く、より好ましくは99質量%より多くの水を含む処理溶媒組成物を準備する又は製造する工程と、
d)精製カルボン酸組成物及び処理溶媒組成物を含む熱処理組成物を準備する又は製造する工程と、
e)熱処理組成物を5~240分の範囲の時間にわたって140~200℃の範囲の高温に供して、処理された組成物を得る工程であり、2,5-フランジカルボン酸の全量に対する溶解された2,5-フランジカルボン酸のパーセンテージが10~80%の範囲である、工程と、
f)処理された組成物を20~80℃の範囲の温度に冷却し、処理された組成物から2,5-フランジカルボン酸の少なくとも一部を分離して、カルボン酸組成物及び水を含む処理母液を得る工程と
を含む方法を見出した。方法によって得ることができる、又は得られるカルボン酸組成物は、工程a)の粗製カルボン酸組成物及び工程b)の精製カルボン酸組成物と比較して改変されたカルボン酸組成物である。改変されたカルボン酸組成物は、以下でカルボン酸組成物と称される。
上記の方法は、酸化工程と精製工程の両方の後に実行される、FDCAを含むカルボン酸組成物の製造におけるさらなる方法工程を提供する。本発明の一部であるさらなる方法工程は、特定の熱処理であり、精製カルボン酸組成物と処理溶媒組成物を混合し、熱処理に供することを含む。
熱処理中にあるパーセンテージのFDCAが処理溶媒組成物に溶解される一方で、残留FDCAが固体沈殿物として残存するように本方法の熱処理が実行される。理論によって束縛されることを望むことなく、熱処理後に得られる特定の好都合な粒子形状、粒子強度の増加及び/又は固体FDCAの有益な粒径分布をもたらすのは、長期間の熱処理との組合せでの、溶解及び沈殿されたFDCA間の化学平衡及び交換であると思われる。驚くべきことに、熱処理中に溶解される特定のパーセンテージのFDCAを用いる方法で得られた材料の純度は、FDCAが十分に溶解される方法によって処理された材料の純度より優れることが見出された。
本発明による熱処理を伴わない方法で得られたFDCAの例示的な粒子であり、目盛は100μmに対応する図である。 本発明による熱処理を伴わない方法で得られたFDCAの例示的な粒子であり、目盛は100μmに対応する図である。 本発明による熱処理を伴う方法で得られたFDCAの例示的な粒子であり、目盛は100μmに対応する図である。
以下では、本発明の主題がより詳細に考察され、本発明の好ましい実施形態が開示される。これにより、2つ以上の好ましい実施形態を組み合わせて、とりわけ好ましい実施形態を得ることが特に好ましい。これに対応して、本発明の好ましい実施形態の2つ以上の特色を定義する本発明による方法がとりわけ好ましい。
カルボン酸組成物は、精製カルボン酸組成物と比較した場合、低減された量の少なくとも1種のフラン系不純物、すなわち2,5-フランジカルボン酸ではないフラン部分を有する任意の物質を含み、並びに/又は改善された機械的及び/若しくは物理的特性を示すカルボン酸組成物である。
本発明による方法の工程a)は、FDCA及びFFCA、すなわち出発原料の酸化中に、不完全な酸化のために製造される最も重要な不純物を含む粗製カルボン酸組成物の準備又は製造である。本発明によると、粗製カルボン酸組成物は準備されてもよく、例えば、別の方法若しくは別個の設備から取得されてもよく、又は先行技術から公知のFDCA及びFFCAを含む粗製カルボン酸組成物を得るための複数の方法の1つを使用して製造されてもよい。本発明の方法は、粗製カルボン酸組成物を得るために使用される酸化方法に関して制限されない。しかし、粗製カルボン酸組成物は、好ましくはフラン部分を有する化合物、好ましくは5-ヒドロキシメチルフルフラール及び/又は5-ヒドロキシメチルフルフラールのアルキルエーテルの、酸化ガスとしての酸素、2~6個の炭素原子を有する飽和有機酸溶媒及び水を含む溶媒組成物の存在下での、コバルト、マンガン及び臭素を含む触媒系による酸化によって製造される。
本発明の方法の工程b)は、工程a)で準備又は製造された粗製カルボン酸組成物の精製に対応し、少なくとも部分的に固体の2,5-フランジカルボン酸を含む精製カルボン酸組成物をもたらす。本発明の方法は、上記で定義された群から選択される少なくとも1つの精製工程を含み、これらの工程は、先行技術で公知の、粗製カルボン酸組成物のための最も良好に確立された精製方法の最も重要な工程に対応する。FFCAを別にして、他の着色体及び不純物、例えば、いわゆる重質フラニクス(heavy furanics)、すなわち1つより多くのフラン部分を含む分子も、多くの場合精製工程中に除去される。
5-ホルミル-2-フランカルボン酸の少なくとも一部の水素化は、粗製カルボン酸組成物中の複数の不純物が選択的に水素化されてもよく、その後FDCAから分離される周知の原理に基づく水素化による精製に対応する。
本発明の枠組み内では、水素化による精製が特に好ましく、水素化は、好ましくは水素化溶媒、及びFFCAを水素化生成物に水素化する水素化触媒の存在下で粗製カルボン酸組成物と水素を接触させ、FDCAを水素化生成物から分離することによって実行され、水素化溶媒は好ましくは水であり、水素化触媒は、好ましくはパラジウム炭素である。一般原理として、水素化触媒は、幅広い種類の利用可能な触媒から選択されてもよい。典型的に、水素化触媒は、担体上の、周期表の8~10族の金属から選択される1種若しくは複数の金属又は金属化合物を含む。そのような好適な金属は、Pt、Pd、Ru、Rh、Ir、Os、Ni、Co及びこれらの混合物を含む。当技術分野で公知のように、そのような水素化は、通常十分に溶解された条件下で行われる。
5-ホルミル-2-フランカルボン酸の少なくとも一部を酸化する工程は、後酸化による精製に対応し、不完全な酸化の生成物、すなわちFFCAが後続の酸化反応でFDCAに酸化され得るという概念に基づく。
FDCAの少なくとも一部の再結晶化による精製は、カルボン酸生成物を第2の溶媒に溶解する、及び/又は温度を変化させることによって元の溶媒へのFDCAの溶解度を変化させ、所望の生成物を溶解し、その後沈殿させる周知の技術に対応する。
最後に、2,5-フランジカルボン酸のジアルキルエステルを加水分解する工程は、粗製カルボン酸組成物中のFDCA及び/又はFDCAのモノアルキルエステルをアルコールでエステル化し、2,5-フランジカルボン酸のジアルキルエステル(例えば、FDCA-DMe)をもたらす精製方法に対応し、精製は、得られる組成物の蒸留、再結晶化、又は溶融結晶化によって、及び続いて精製されたFDCAのジアルキルエステルを加水分解し、精製FDCAを得ることによって達成される。言い換えると、2,5-フランジカルボン酸のジアルキルエステルを加水分解する工程は、粗製カルボン酸組成物からFDCAのジアルキルエステルを形成し、FDCAのジアルキルエステルを精製し、その後FDCAのジアルキルエステルを加水分解してFDCAを得ることに対応する。
工程c)では、処理溶媒組成物の質量に対して95質量%より多くの水を含む処理溶媒組成物が準備又は製造される。処理溶媒組成物は、熱処理工程中の溶媒として、且つ残存する固体のための分散体中の担体液体として作用する溶媒組成物である。好ましい処理溶媒組成物は、2~6個の炭素原子を有する飽和有機酸及び水を含む。
驚くべきことに、処理溶媒組成物が、水を主要成分として、すなわち処理溶媒組成物の質量に対して95質量%より多くの水を含む場合に許容可能な結果を得ることができることが見出された。水の使用は比較的安価であり、極めて持続可能な方法を可能にするため、処理溶媒組成物として本質的に純粋な水を使用することが好ましい。
処理溶媒組成物は、水と他の溶媒を異なる反応器で混合し、それを本発明の方法に供給することによってもたらされてもよい。しかし、処理溶媒組成物はまた、本発明の方法の枠組み内で製造されてもよい。ここで、処理溶媒組成物を製造するために精製工程b)で利用される溶媒組成物を使用することが特に好ましい。精製工程b)で使用される溶媒からの処理溶媒組成物の製造は、濾過、2~6個の炭素原子を有する有機酸溶媒の添加、水の添加、有機酸化合物の除去、又は水の除去を含む、上記で定義された処理溶媒組成物に到達するためのすべての好適な工程を含んでもよい。
好ましい実施形態では、工程b)で得られる精製カルボン酸組成物と、工程b)における精製に使用される溶媒の少なくとも一部は、いずれも熱処理反応器に送られ、ここで2~6個の炭素原子を有する飽和有機酸溶媒及び/若しくは水をさらなる溶媒として添加するか、又は熱処理組成物を製造するために除去することが好ましい。溶媒の前記部分は、例えば濾過又は遠心分離工程後に固体に付着したままの溶媒からなってもよい。
工程d)は、精製カルボン酸組成物、及び処理溶媒組成物を含む熱処理組成物を準備する又は製造することを含む。熱処理組成物は、実際は液相及び固相を含む。精製カルボン酸組成物は、工程b)から得られる。処理溶媒組成物は、工程c)からのものである。熱処理組成物は、精製カルボン酸組成物と処理溶媒組成物を、当業者にとって好適であることが公知の任意の方法で組み合わせることによって得られてもよい。
本発明の文脈では、工程e)は、しばしば熱処理又は熱処理工程と呼ばれる。
本発明によると、熱処理組成物は、5~240分の範囲の時間にわたって140~200℃の範囲の高温に供される。FDCAの全量に対する溶解されたFDCAのパーセンテージが10~800%の範囲であることが、本発明にとって本質的である。この溶解の程度は、全熱処理の間に少なくとも5分間維持されることが好ましく、溶解されたFDCAのそれぞれの量は、5~240分の熱処理全体の間に所与の範囲内にあることが好ましい。溶解された2,5-フランジカルボン酸のパーセンテージは、実際値が少なくとも5分間にわたって既定の範囲内にあることを条件として、熱処理の継続期間にわたって平均した場合に所与の範囲にあることが好ましい。
当業者は、熱処理の条件を所要の溶解の程度に合わせて調整することができ、利用される溶媒組成物に応じた所与の温度でのFDCAの溶解度の値を列挙する以下の表1が使用されてもよい。これらのデータは実験値から作成され、適正な溶解度モデルに適合された。中間値は、補間によって得ることができる。
Figure 2023507469000001
熱処理工程e)で熱処理組成物を高温に供した後、処理された組成物を20~80℃の範囲の温度に冷却することにより、溶媒中へのFDCAの溶解度が減少し、カルボン酸組成物の沈殿が生じる。処理された組成物から固体FDCAの少なくとも一部を分離することによってカルボン酸組成物が得られ、ここで水を含む母液が残存する。
カルボン酸組成物は、精製カルボン酸組成物と比較して増加した純度を示すだけでなく、精製カルボン酸組成物とは異なり、不都合な板状形状を示さず、より球状である傾向がある固体粒子も特色とする。同様に、粒径分布がより好都合である傾向があり、固体生成物のより簡便な取扱いを可能にする。得られるカルボン酸組成物は、アルキレングリコール、好ましくはエチレングリコールとの非常に有益な混合挙動を示す傾向があり、したがってポリアルキレンフラノエートの製造に非常に有望な出発原料を構成する。
本発明の方法は、粗製FDCAを得るために使用される技術に関して制限がなく、先行技術で公知の最も重要な精製方法と組み合わせることができるため、本発明の方法で使用される上述の熱処理工程は、有益にはFDCAを含むカルボン酸組成物を製造するための既存の方法に組み込まれてもよい。
処理溶媒組成物が水を含むことが有益であり、これは水が、酸化反応と粗製FDCAの精製の両方で、例えば水素化又は不純物の後酸化中に先行技術のいくつかの方法で使用される最も一般的な溶媒の1種であるためである。これにより、効率的なプラント管理が可能になり、さらなる化学物質を貯蔵する必要性が低減し、したがって貯蔵費用が低減する。
驚くべきことに、本発明の方法を用いると、高価な触媒又は高度に腐食性及び/若しくは有害な物質を必要とすることなく上述の有益な効果を得ることができ、処理溶媒組成物の主成分としての、水の驚くほど高い適合性が特に有益である。更に、本発明による方法の他の工程で使用するための水を含む処理母液を、好ましくは酸化工程及び/又は精製工程及び/又は熱処理工程に再使用することができる。これにより、廃棄物の生成が少ない特定の持続可能な方法に到達することができる。
工程b)において、工程b)で定義される群から選択される少なくとも2つの工程を含む方法が好ましい。更に、工程b)で、精製が、5-ホルミル-2-フランカルボン酸の少なくとも一部を水素化する工程、及び水素化反応混合物から固体2,5-フランジカルボン酸の少なくとも一部を結晶化する工程を含む、本発明による方法が好ましい。
本発明の枠組み内で、表現「の少なくとも一部」は、好ましくは少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも40%、更により好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも60%を意味し、濃度に関して、別段示されない場合、これらの値は質量パーセントとして与えられる。
粗製カルボン酸組成物及び/又は精製カルボン酸組成物が、2,5-フランジカルボン酸のモノアルキルエステル、好ましくは2,5-フランジカルボン酸のモノメチルエステル(FDCA-Me)を含む、本発明による方法が好ましい。
以前考察されたように、本発明の根底にある問題が、粗製カルボン酸組成物及び/又は精製カルボン酸組成物中にFDCAのモノアルキルエステルを含む方法に対して特に明白であることが見出されたという事実のために、好ましい方法が特に有益である。FDCAのモノアルキルエステルを含むそれぞれの粗製カルボン酸組成物は、例えば、5-HMFのアルキルエーテルを含む出発原料の供給物を酸化することによって製造されてもよい。先行技術の精製方法のほとんどが、粗製カルボン酸組成物からFDCAのモノアルキルエステルを完全に除去するのにあまり好適でないという事実のために、粗製カルボン酸組成物と精製カルボン酸組成物の両方が2,5-フランジカルボン酸のモノアルキルエステルを含むことがしばしば観察される。
当分野で最も成熟した技術の1つでは、FDCAのモノメチルエステル及びFDCAのモノエチルエステルは、最も重要なFDCAのモノアルキルエステルであり、ここで、FDCAのモノメチルエステルが特に普及しているため、粗製カルボン酸組成物及び精製カルボン酸組成物中にFDCAのモノメチルエステル(FDCA-Me)が存在することが、その高い工業的重要性のために特に好ましい。上記で詳述したように、精製FDCAもFDCAのモノアルキルエステル、特にFDCAのモノメチルエステルを含む場合、固体の精製FDCAの機械的及び物理的特性があまり望ましくないことがしばしば見出される。任意の理論によって束縛されることを望むことなく、これは、いわゆるFDCA及びFDCA-Meの固体溶液の形成によるものと思われる。驚くべきことに、本発明の発明者らは、FDCA及びFDCA-Meの固体溶液が、FDCA-Meの除去に対して、並びに固体生成物の物理的及び機械的特性の増強に対しての両方に特に有効であることが示される本発明の方法により、非常に効率的に補償及び/又は予防され得ることを見出した。
工程e)が、不活性ガス、好ましくは窒素又はアルゴンで加圧される反応器で実行され、及び/又は工程e)の熱処理組成物が、少なくとも一部の時間、好ましくは撹拌によってかき混ぜられ、固体2,5-フランジカルボン酸をせん断力に曝露する、本発明による方法が好ましい。
不活性ガスで加圧された反応器中で工程e)を実行することが特に有益であり、これは、そうでなければ先の方法工程から存在し得る、反応器中の酸素又は他の反応性気体化合物の存在が低減するためである。これらの実施形態では、操作中の反応器中の雰囲気は、主に不活性ガス及び気化有機酸溶媒及び/又は水によって構成される。結果として、FDCAと反応性気体化合物の望ましくない副反応が阻害される。したがって、不活性ガスを使用すると、潜在的に危険な副反応及び/又は発熱反応及び/又は火災の可能性が減少するため、特に安全な方法が可能になる。
本発明による方法の結果は、多くの場合、熱処理組成物の熱処理のみで満足のいくものであることが見出されるが、本発明者らは、工程e)で熱処理組成物を更にかき混ぜ、固体FDCA粒子をせん断力に曝露すると、得られるカルボン酸組成物の粒子の機械的及び物理的特性に対する有益な影響が更に増加し得ることを発見した。任意の理論によって束縛されることを望むことなく、熱処理中に熱処理組成物をかき混ぜると、液相の均質性も増強され、不純物の濃度勾配が低減し、それにより精製及び得られる粒子の機械的特性の改善の両方が促進されると考えられる。かき混ぜは、当業者に公知のすべての好適な手段、例えば、熱処理組成物の撹拌又は外部ポンプループの利用によってもたらされてもよい。
熱処理組成物が、熱処理溶媒組成物の質量に対して15~45質量%、好ましくは20~40質量%の量の2,5-フランジカルボン酸を含む、本発明による方法が好ましい。
そのような好ましい方法は、それぞれの量のFDCAが、高温を必要とせずに、且つ利用される溶媒の組成に関して高い柔軟性を伴って使用される場合、工程e)における溶解されたFDCAと固体FDCAの間の所望の比を容易に得ることができるため、有益である。
処理溶媒組成物が、処理溶媒組成物の量に対して好ましくは0.05~4.5質量%、好ましくは0.1~3質量%の範囲の量の酢酸を含む、本発明による方法が好ましい。
主な目的が、可能な最高の純度の程度、及び最も有益な機械的特性を得ることである場合、規定の量の酢酸を含むそれぞれの処理溶媒組成物が特に好ましい。酢酸が存在することにより、最良の不純物除去が可能になることが見出された。
以前考察されたように、処理溶媒組成物の主成分として水を使用すると、驚くべきことに熱処理において妥当な結果が得られ、費用及び持続可能性の観点から好都合であり得る。特に、水中での熱処理は、有機酸中の熱処理と同様の粒子形状を生じることが見出され、これが一部の場合で不純物の除去に対してより良好な結果をもたらすことが見出されたが、例えば、方法の持続可能性及び出発原料の費用に関して他の欠点を有する。更に、水中での熱処理は、プロセスパラメーターが調整される場合に(例えば、より長い滞留時間)、少なくともFDCA-Me及びFCA含有量に関して同様の生成物品質をもたらす可能性を有する。任意の理論によって束縛されることを望むことなく、この少なくとも一部は、加水分解によるFDCA-MeのFDCAへの変換に起因し得ると考えられる。溶媒として主に水を利用する、又は水のみを利用する熱処理は、一部の場合で有機酸中の熱処理と比べてより高い温度又はより長い滞留時間を必要とすることが見出された。これに対応して、工程e)の熱処理組成物が、30~240分の範囲の時間にわたって160~200℃の範囲の高温に供される方法が好ましい。
工程b)で製造される精製カルボン酸組成物が、精製カルボン酸組成物の質量に対して25質量%未満、好ましくは15質量%未満、最も好ましくは10質量%未満の溶媒を含む、本発明による方法が好ましい。
精製カルボン酸組成物から精製工程b)中に使用された顕著な量の溶媒を除去し、その後これを処理溶媒組成物と混合して熱処理組成物を得る(例えば、精製工程からの水を、低含水量で実行される熱処理のための溶媒ループに入らないようにするために)ことが有益であり得るため、それぞれの方法が好ましい。熱処理工程にとって不都合であり得る異なる溶媒、例えば芳香族化合物を使用する精製方法を利用する方法、又は精製カルボン酸の中間単離によって熱処理前に除去されてもよい多量の可溶性の副生成物及び/若しくは不純物を生じる方法にとって、それぞれの方法が特に有益である。
工程e)及びf)におけるプロセスパラメーターが、
- 0.2bar及び2barの分散圧力での粒径測定間で35%未満、好ましくは25%未満の平均粒子径の減少を示す、並びに/又は
- 50~300μmの範囲、好ましくは60~200μmの範囲の体積平均中位粒径(d50)を有する
2,5-フランジカルボン酸の粒子を製造するよう選択される、本発明による方法が好ましい。
本発明の方法の最も有益な態様の1つは、さらなる精製と、得られる生成物の機械的及び物理的特性の増強の両方を提供することができることである。そのような相乗的な関係は、驚くべきことに、それぞれの他のパラメーターを測定及び分析することにより、純度の態様又は機械的特性の態様のいずれかを確実に推定又は予測することを可能にする。本発明による方法で得られる生成物の機械的特性及び/又は粒径分布は、ほとんどの場合容易に決定することができるため、当業者が上記のパラメーターを監視でき、且つ生成物の包括的な化学分析を実行する必要なく所望の純度の程度に到達する時間を極めて確実に予測できることから、好ましい方法が特に有利である。それぞれの利点は、FDCAのモノアルキルエステルを含む方法に対して特に明確であることが見出された。理論によって束縛されることを望むことなく、これは、FDCAのモノアルキルエステルが、いくつかの場合、得られた生成物の機械的特性及び粒径分布に及ぼす望ましくない効果によって生じると考えられる。言い換えると、好ましい方法で定義される所望の粒子形状は、多くの場合、FDCA-Meに対する所望の純度の程度も得られた場合に到達することが見出された。
平均粒子径と体積平均中位粒径(d50)の両方は、当業者に周知であり、且つ確実に決定できるパラメーターである。実際に、それぞれのパラメーターの決定のために当技術分野で使用される典型的な測定は、少なくとも同様の値をもたらすことが予想される。したがって、圧倒的多数の場合、平均粒子径及び体積平均中位粒径(d50)の決定に使用される装置は重要ではない。しかし、疑義が生じた場合、平均粒子径及び体積平均中位粒径(d50)は、粒径測定のための最も一般的なデバイスの1つ、すなわちMalvern Panalytical社製のレーザー回折粒径分析器モデルMastersizer3000を使用して、レーザーオブスキュレーション1.5%及び屈折率1.538の値、及び分散圧力0.2barの設定で、PSD乾燥方法を使用して測定される。
0.2bar及び2barの分散圧力での粒径測定間の平均粒子径の減少は、同じ物質について、しかし異なるアリコートで測定される(すなわち、同じ粒子に対して後続の測定ではない)。このために、粒子の分散を作り出すための2つの異なるレベルの空気圧を使用して試料を試験する。0.2barの分散圧力を使用した結果は「最も穏やか」とみなされ、一方で2barの分散圧力を使用した結果は、より激しい分散である。これは、例えば、空気式搬送操作中に経験されるストレスを表す場合がある条件下での粒子強度及び安定性の試験として使用されてもよい。
粗製カルボン酸組成物が、好ましくは組成物の質量に対して1~2000質量ppmの範囲の量、より好ましくは組成物の質量に対して1~1000質量ppmの範囲の量の2-フランカルボン酸を含み、カルボン酸組成物が、700質量ppm以下の量、より好ましくは500質量ppm以下の量の2-フランカルボン酸を含む、本発明による方法が好ましい。
上記で考察されたように、FCAは、FDCAを含む粗製カルボン酸組成物中の不純物の1つであり、これらは多くの場合、先行技術の精製方法によって不十分に除去される。特に、FCAは芳香族カルボン酸であり、酸化条件下で幾分安定であり、酸化によって除去するのが困難である。更に、芳香族カルボン酸として、FCAは、FFCAを水素化するがFDCAを水素化しない条件下での水素化にも耐性であり、水素化によって除去するのが困難である。また、FDCAをエステル化してジエステルを形成し、続く蒸留、再結晶化、又は溶融結晶化によってFCAを除去することができるが、その精製ジアルキルエステルを加水分解して二酸を製造する際に新たなFCAが形成されるため、この方法もFCAの除去に適正ではない。驚くべきことに、本発明の方法、すなわち熱処理を含む方法は、カルボン酸組成物中のFCAの量を顕著に低減できることが見出された。FDCAを含むカルボン酸組成物からのFCAの除去に対する驚くほど高い適合性のために、好ましい方法が特に有利である。機械的及び物理的特性に関して以前に考察された通り、FCAを含むカルボン酸組成物について、熱処理を使用すると、驚くべきことに生成物の機械的及び物理的特性が十分である可能性があるかどうかも、カルボン酸組成物中のFCAの濃度から極めて確実に推定又は予測できることが見出された。カルボン酸組成物の質量に対して700質量ppm以下、好ましくは500質量ppm以下の量のFCAを含むカルボン酸組成物が、熱処理後に、満足のいく物理的及び機械的特性を示すことを見出した。設備における装置の利用可能性に応じて、得られた生成物の機械的特性を直接分析する代わりに、化学組成を分析することが好ましい場合があるため、これは有益である。
粗製カルボン酸組成物が、粗製カルボン酸組成物の質量に対して90~99.5質量%の範囲の量、好ましくは94~99質量%の範囲の量の2,5-フランジカルボン酸を含み、
及び/又は
粗製カルボン酸組成物が、粗製カルボン酸組成物中のすべてのフラニクスの全質量に対して90~99.5質量%の範囲の量、好ましくは94~99質量%の範囲の量の2,5-フランジカルボン酸を含み、
及び/又は
粗製カルボン酸組成物が、粗製カルボン酸組成物の質量に対して100~3800質量ppmの範囲の量、好ましくは150~3000質量ppmの範囲の量、より好ましくは1500質量ppm以下の量の5-ホルミル-2-フランカルボン酸を含み、
及び/又は
粗製カルボン酸組成物が、粗製カルボン酸組成物の質量に対して0.2~50質量%の範囲の量、好ましくは0.3~3質量%の範囲の量の2,5-フランジカルボン酸のモノアルキルエステルを含む方法が好ましい。
そのような方法で実行される熱処理が、それぞれの粗製カルボン酸組成物を用いて出発した方法で利用される場合に特に有効であることが見出されたため、上記の方法が好ましい。用語フラニクスは、当技術分野で公知であり、少なくとも1つのフラン部分、すなわち置換又は非置換フラン環を含むすべての化合物を説明する。実際に、最も重要なフラニクスは、典型的にフラン、5-HMF並びにそのエーテル及びエステル、FCA及びそのエステル、FDCA及びそのエステル、FFCA及びそのエステル、2,5-ジホルミルフラン、5-メチルフラン-2-カルボン酸、並びにこれらの化合物のダイマーである。
工程b)の精製が、5-ホルミル-2-フランカルボン酸の少なくとも一部を水素化する工程を含み、
及び/又は
工程b)の精製が、精製カルボン酸組成物を単離する工程も含み、単離が、濾過及び/又は洗浄及び/又は乾燥を含む本発明による方法が好ましい。
熱処理は、精製方法として水素化と組み合わされた場合にとりわけ良好な結果を示すことが見出されたため、それぞれの方法が好ましい。水素化による精製は、特に費用効率的であり、連続式又は半連続式方法で取り扱われる大体積の生成物に好適であるだけでなく、粗製カルボン酸組成物からのFFCAの除去にも非常に効率的である。精製方法としての水素化はまた、この方法が通常主に水を含む水素化溶媒を利用するため、特に好ましい。したがって、水素化溶媒組成物は、多くの場合熱処理中に利用される処理溶媒組成物の前駆体として使用することができる。ほとんどの場合、処理溶媒組成物の所望の組成を調整するために水及び/又は有機酸を添加する必要があるが、一部の場合、水素化溶媒の少なくとも一部を、処理溶媒組成物として改変することなく直接使用することができる。しかし、これらの場合では、熱処理中の溶解されたFDCAの所望のパーセンテージを確立するために、多くの場合、水素化溶媒の少なくとも一部を除去することが好ましい。例えば、十分に溶解された条件を利用する水素化のプロセスは、その後蒸発晶析装置を使用して結晶化され、水素化溶媒の一部を除去し、プロセスにおけるFDCAの濃度を増加させることができる。部分的な溶媒除去の他の選択肢は、デカンテーション、ハイドロサイクロン又は浄化器等の方法を含む。
本発明の方法は、カルボン酸組成物の純度及び機械的特性に関して良好な結果を確実にもたらすが、精製カルボン酸組成物が、他の成分、例えば精製に使用される溶媒から単離される単離工程を含むことが特に有益であり得ることが見出された。そのような単離工程は、典型的に濾過及び/又は洗浄及び/又は乾燥の工程を含む。それぞれの方法は、通常費用及び/又は時間効率に関して最適化されないが、固体生成物の中間単離によって熱処理中の精製が促進され、液体成分の変化を考慮する必要なく、熱処理組成物の組成の緊密な制御が可能になる。これに対応して且つ上述のように、それぞれの方法は、カルボン酸組成物の最高純度のうちの1つをもたらすことが予想される。
精製カルボン酸組成物が、精製カルボン酸組成物の質量に対して95~99.9質量%の範囲の量、好ましくは98~99.9質量%の範囲の量の2,5-フランジカルボン酸を含み、
及び/又は
精製カルボン酸組成物が、精製カルボン酸組成物の質量に対して1~200質量ppmの範囲の量、好ましくは1~100質量ppmの範囲の量の5-ホルミル-2-フランカルボン酸を含み、
及び/又は
精製カルボン酸組成物が、精製カルボン酸組成物の質量に対して100~13000質量ppmの範囲の量、好ましくは200~11000質量ppmの範囲の量の2,5-フランジカルボン酸のモノアルキルエステルを含み、
及び/又は
精製カルボン酸組成物が、精製カルボン酸組成物の質量に対して1~2500質量ppmの範囲の量、好ましくは1~1700質量ppmの範囲の量の2-フランカルボン酸を含む本発明による方法が好ましい。
本発明の方法の熱処理が、所与の規格の精製カルボン酸組成物と特に良好に働くことが見出されたため、それぞれの方法が好ましい。本発明の方法は、研究された広範な種類の精製カルボン酸組成物に対し、生成物の純度の程度の増加、並びに機械的及び物理的特性の増強をもたらすこと傾向があるが、一部の場合、不純物の全体的な量、特にFDCA及びFCAのアルキルエステルの量が特定の閾値を超える場合、効率が減少したことが観察された。不純物を溶解するために利用されてもよい溶媒の量が、熱処理の本質的な特色、すなわち特定の量のFDCAが熱処理中に固相に残存する必要があることによって制限されるという事実のために、同様の効果が他の精製方法で観察された。
同様に、本発明の熱処理が、ポリマーグレードのFDCAにおける所望されない末端停止剤でもあるFFCAの除去にあまり好適でないことが見出されたため、上記の方法が好ましい。これに対応して、精製工程b)が、熱処理前にFFCAのほとんどを除去するように実行される方法が好ましい。熱処理のFFCAを除去する能力が比較的低いことを理解した上で、当業者は、先行技術の方法を所望のFFCA量を有する精製カルボン酸組成物をもたらすように問題なく調整することができる。
工程e)の温度が150~190℃の範囲、好ましくは160~190℃の範囲である、
及び/又は
工程e)の熱処理組成物が15~120分の範囲、好ましくは30~90分の範囲の時間、最も好ましくは0.7*(220-T/℃)~3.0*(220-T/℃)分の範囲の時間まで高温に供され、ここでTが工程e)における温度である、
及び/又は
工程e)で、2,5-フランジカルボン酸の全量に対する溶解された2,5-フランジカルボン酸のパーセンテージが20~60%の範囲、好ましくは30~60%の範囲である方法が好ましい。
上記の方法は、純度と機械的特性の両方に関するカルボン酸組成物の最良の結果を得るために最も好適であることが見出された熱処理のプロセスパラメーターを定義するため、上記の方法が好ましい。ここで、熱処理中の温度範囲及び溶解されたFDCAのパーセンテージは、主に処理溶媒組成物の組成及び量によって決定される要因によって関連付けられる。都合が良いことに、スクリーニング実験に基づき、上記で開示される熱処理温度に依存して好適な滞留時間が与えられてもよい。
工程f)の処理された組成物が、30~80℃の範囲、好ましくは40~80℃の範囲の温度に冷却される、
及び/又は
工程f)が、処理母液を処理し、残留する処理された組成物から水の少なくとも一部を除去する工程を含む、
及び/又は
工程f)が、処理母液の少なくとも一部を再利用し、工程c)における処理溶媒組成物を提供する工程を含む、本発明による方法が好ましい。
温度の低下によって処理溶媒組成物へのFDCAの溶解度が低減し、溶解されたFDCAの沈殿が生じる場合があるため、工程f)の冷却は、得られる生成物の機械的特性に影響を及ぼすと予想されることが理解されてもよい。これに対応して、カルボン酸組成物の機械的特性を改変しようとする当業者は、工程e)の熱処理と工程f)の冷却の間の温度勾配を変化させることを企図すべきである。工程f)中の温度勾配が再現可能に制御され、且つ急峻すぎない場合に有益であり得ることが見出された。処理された組成物を、20~25℃の典型的な室温より更に十分に高い温度に冷却することが好ましい。最大600K/時間の冷却速度が極めて許容可能である2530~120K/時間のレベルが好ましい。理論によって束縛されることを望むものではないが、本発明者らは、加工温度において大きな固体画分が存在することにより、そうでなければこれらの比較的高い冷却速度で経験される可能性がある微粉の形成、又は自発的な核形成のリスクが低減すると考える。高い冷却速度は、系に対する熱応力が、所望の処理効果をもたらすのに必要な応力より長く延長されないことによって有利である。過剰な熱応力は、例えば、色の形成を含む望ましくない反応を生じる可能性がある。高い冷却速度は、有利には溶媒の少なくとも一部を蒸発させること、例えば、溶媒を沸騰させることによってもたらされる。
熱処理工程の持続可能性を増大させるため、及び本発明による方法によって生成される廃棄物の量を低減させるために、処理母液の少なくとも一部を再利用して熱処理工程に戻すことが好ましい。これは、処理母液の少なくとも一部が、精製カルボン酸組成物の熱処理における処理溶媒組成物として使用することを意味する。この再利用工程では、溶媒組成物を、発生した任意の変化に対して調整することが重要であり得る。例えば、精製カルボン酸組成物が、水で湿潤している、例えば濾過及び水洗されたが乾燥されない場合、熱処理後に水を母液に組み込み、再利用前に少なくとも一部を母液から除去すべきである。このようにして、全体的な熱処理組成物を、所望の濃度レベルに維持することができる。
更に、本発明は、カルボン酸組成物の質量に対して98質量%より多い2,5-フランジカルボン酸を含むカルボン酸組成物であって、カルボン酸組成物粒子が、0.2bar及び2barの分散圧力での粒径測定間で35%未満の平均粒子径の減少を示し、カルボン酸組成物が、好ましくは0.1質量%未満の2~6個の炭素原子を有する飽和有機酸溶媒を含み、カルボン酸組成物が、好ましくは本発明の方法を使用して製造される、カルボン酸組成物に関する。
良好な物理的及び/又は機械的特性を有し、例えば生成物の貯蔵又は輸送中に効率的に加工することができるカルボン酸組成物を提供するという目的に直面し、本発明者らは、驚くべきことに上記のカルボン酸組成物を提供することによって技術的問題を解決することができることを見出した。それぞれのパラメーターは、粒子が効率的な取扱い及び長時間の貯蔵に好適であり、したがって有益であるという指標である。
本発明のカルボン酸組成物は、本発明の方法を使用し、特に精製カルボン酸組成物の熱処理工程によって製造されてもよい。これに対応して、本発明の方法又は本発明の方法の好ましい実施形態を使用して製造されたカルボン酸組成物が好ましい。
カルボン酸組成物粒子が50~300μmの範囲、好ましくは60~200μmの範囲の体積平均中位粒径(d50)を有する、
及び/又は
カルボン酸組成物粒子が20μm以上のd10を有し、d10が、10体積%の粒子がより小さい直径を有する直径と定義され、
及び/又は
カルボン酸組成物粒子が400μm以下のd90を有し、d90が、90体積%の粒子がより小さい直径を有する直径と定義され、
及び/又は
d50のd10に対する比が、1~3の範囲、好ましくは1.5~2.5の範囲である、本発明によるカルボン酸組成物が好ましい。
最も有益な機械的特性を示したこれらのカルボン酸組成物粒子を分析したところ、それぞれのカルボン酸組成物粒子は、本発明によるカルボン酸組成物粒子が配管を通して容易に注入及び圧送することができると同時に、長期間の貯蔵後でもそれらの特性を維持するという事実に少なくとも寄与すると考えられる特定の粒径分布を示す傾向があることが見出された。更に、これらのカルボン酸組成物粒子は、良好な安定性並びに良好な圧送及び混合特徴を有するスラリーを作製するために好都合な特性を有することが見出された。
カルボン酸組成物が、カルボン酸組成物の質量に対して200~5000質量ppmの範囲の量の2,5-フランジカルボン酸のモノアルキルエステル、好ましくは2,5-フランジカルボン酸のモノメチルエステルを含み、
及び/又は
カルボン酸組成物が、カルボン酸組成物に対して10~500質量ppm、好ましくは20~200質量ppmの範囲の量の2-フランカルボン酸を含み、
及び/又は
カルボン酸組成物が、カルボン酸組成物に対して1~100質量ppm、好ましくは2~50質量ppm、最も好ましくは30質量ppm未満の範囲の量の5-ホルミル-2-フランカルボン酸を含む、本発明によるカルボン酸組成物が好ましい。機械的パラメーターが特に好都合であるだけでなく、組成物が更に、カルボン酸組成物の重合挙動に対して最も有害な効果を及ぼすことが公知の不純物を少量で含むため、そのようなカルボン酸組成物が好ましい。
本発明はまた、本発明によるカルボン酸組成物及びアルキレングリコール、好ましくはエチレングリコール並びに重合触媒を含む、ポリ(アルキレン-2,5-フランジカルボキシレート)とも呼ばれるポリアルキレンフラノエートの製造のための出発原料であって、ポリアルキレンフラノエートが、好ましくはポリ(エチレン-2,5-フランジカルボキシレート)である、出発原料に関する。
ポリアルキレンフラノエートの製造のためのそれぞれの出発原料は、本発明のカルボン酸組成物とアルキレングリコール、及び当技術分野で公知の典型的な重合触媒の混合物である。それぞれの組成物は、ポリアルキレンフラノエートをもたらす重合反応で使用するのに特に好適である。上記で考察されたように、これは、本発明のカルボン酸組成物、すなわち本発明の方法によって得られるカルボン酸組成物の有益な機械的及び物理的特性に起因する。FDCA粒子の形状及び特定の粒径分布は、低モル比であってもアルキレングリコールとの非常に効率的な混合を可能にする傾向がある。明確な対比として、先行技術の精製方法によって得られる固体FDCAは、多くの場合低モル比でエチレングリコールとの所望の混合物を形成しないことが見出される。これは、所与の組成物の高性能ポリマーをもたらし、したがって単純にモル比を増加させ、出発原料の増強された混合を可能にする、又は望ましくない過剰なグリコールの除去に必要とされるさらなるエネルギーを提供するよう容易に適合することができない重合方法に重大な問題を課す。結果として、本発明のカルボン酸組成物及びポリアルキレンフラノエートの重合における出発原料としてのその使用は、特にそれらの製造履歴のためにFDCAのモノアルキルエステルを含む精製カルボン酸組成物と比較して高度に有益であり、長年切望されている必要性を満たす。
以下、実験を使用して本発明をより詳細に記載する。
(実施例A)
熱処理:
A1-精製FDCAの調製
2,5-フランジカルボン酸及び5-ホルミル-2-フランカルボン酸を含む粗製カルボン酸組成物(cFDCA)を、WO2017/003293A1の教示に従い、以前記載されたように調製した。次に、このcFDCAを、WO2016195499及びWO2016195500の教示による水素化によって精製に供し、hFDCA(水素化FDCAを表す)と表記される精製FDCAを製造した。結果を理解するために、hFDCAの実際の組成を分析することが簡便である。
hFDCAを分析すると、98質量%超の2,5-フランジカルボン酸(FDCA)を含有し、主な不純物は、10300質量ppmで存在する2,5-フランジカルボン酸のモノメチルエステル(FDCA-Me)、及び1680質量ppmで存在する2-フランカルボン酸(FCA)を含むことが見出された。これらのレベルの不純物は、一般的にポリマー製造で使用するのにあまり好適でないとみなされる。特に、FDCAのモノエステルは、ポリマー製造中にメタノールを生成し、これは不利である。モノカルボン酸、FCAは、重合部位を1つのみ有し、分子量の成長を制限する末端停止剤である。更に、FCAは、色の形成にも関与する。
A2-熱処理のための実験設備
研究室用オートクレーブで熱処理試験を実施した。オートクレーブの壁を介して加熱及び冷却を実行し、かき混ぜ器を使用した。
A3-比較例1及び2-FDCAの溶解
比較例1及び2は、10wt%の水中hFDCAを使用し、FDCAを十分に溶解するために、熱処理中に160℃に加熱された(少量のhFDCAが、完全な溶解を可能にするために必要とされる)。この完全な溶解は、本発明によるものではない。次に、熱処理組成物を所与の温度で30分間保持した。比較例1では、その後、試料を急速な冷却によって40℃に冷却した。比較例2では、減圧を使用して水を蒸発させることにより、試料を15分間でまず109℃に冷却し、その後急速な冷却によって40℃に冷却した。各場合において、次に試料を真空下で40℃で濾過し、水で洗浄し(乾燥固体と比較して質量で1:1)、その後乾燥した。
以下の表に示されるように、処理は、乾燥FDCAのモノエステル含有量の妥当な減少をもたらしたが、FCA含有量は、実際には最初の供給物と比べて増加した(水中で加工された際のFDCA/FDCA-Meのさらなる脱カルボキシル化を示す)。
顕微鏡写真により、熱処理後に得られた粒子が、幾分平坦な板を有し、鋭い縁を有する「割れたガラス」の外観、及び顕著なレベルの微粉を有することが明白になった。この粒子の形状は不都合とみなされる。比較例1及び比較例2で得られた粒子の例示的な写真を、それぞれ図1及び図2に示す。写真は、倍率20xでEuromex iScope IS.1053-PLPOLRi顕微鏡を使用して得られた。
Figure 2023507469000002
A4-比較例3及び4-温度
比較例3及び4を、比較例1及び2について上述されたものと同様に調製し、プロセスパラメーターを以下のTable 2(表3)に要約する。両方の場合で、加熱速度はプロセス温度(すなわち、本発明で定義されるものより低い)に達するまで1.5K/分であり、プロセス温度を1時間保持し、その後1K/分で40℃に冷却した。
理解を促すために、プロセス温度での所与の溶媒へのFDCAの推定溶解度も提示される。
以下のTable 2(表3)に示されるように、より低温での不完全な溶解による熱処理は、乾燥FDCAのモノエステル含有量とFCA含有量の両方の妥当な減少をもたらした。しかし、比較例4を比較例1及び比較例2と比較した場合、FCAに対する除去効率は増加するが、FDCA-Meに対する除去効率は減少する。
顕微鏡写真により、熱処理後に得られた粒子は、鋭い縁及び板状の外観を有することが明白になった。この粒子形状は不都合とみなされる。
Figure 2023507469000003
A5-実施例1、2及び3
実施例1、2及び3を、比較例1及び比較例2について上述されたものと同様に調製し、プロセスパラメーターを以下のTable 3(表4)に要約する。すべての場合において、加熱速度はプロセス温度に達するまで1.5K/分であり、プロセス温度を1時間維持し、その後40℃に冷却した。実施例1及び3では、1K/分の速度で冷却を実行した。実施例2では、減圧を使用して水を蒸発することにより、試料をまず7分間で107℃に冷却し、その後1K/分の速度で40℃に冷却した。
理解を促すために、プロセス温度での所与の溶媒中へのFDCAの推定溶解度も提示される。
実施例1及び2は、本発明によるものとみなされず、単なる比較目的で含まれる。
実施例3について以下のTable 3(表4)に示されるように、本発明による熱処理は、比較例1~4より著しく明白な乾燥FDCAのFDCA-Me含有量とFCA含有量の両方の顕著な減少をもたらし、温度と正確なFDCA溶解の程度の両方が重要であることを示す。
更に、顕微鏡写真により、熱処理後に得られた粒子が、幾分平滑且つ丸みを帯びた形状と、低レベルの微粉有することが明白になった。この粒子の形状は、非常に好都合とみなされる。実施例3で得られた粒子の例示的な写真を図3に示す。写真は、倍率20xでEuromex iScope IS.1053-PLPOLRi顕微鏡を使用して得られた。
Figure 2023507469000004
(実施例B)
粒子
B1-熱処理で使用するための異なるFDCA供給物の調製
主に5-メトキシメチルフルフラール(5-HMFエーテル)及び5-ヒドロキシメチルフルフラール(5-hydroxymethyl fufural)(5-HMF)を含む混合フラニクスを、WO2017/003293A1の教示に従い、メタノール中のフルクトースの酸触媒脱水、それに続く酸の部分的中和、並びに5-メトキシメチルフルフラール及び5-ヒドロキシメチルフルフラールの回収によって調製した。
回収後、WO2011/043660A1の教示に従い、混合フラニクスを、酢酸(HAc)並びにコバルト、マンガン及びイオン性臭素の供給源を含む触媒とともに酸化反応器に供給した。酸化の生成物は、主に2,5-フランジカルボン酸及び2,5-フランジカルボン酸のモノメチルエステルであり、より少量の5-ホルミル-フランジカルボン酸、及び微量の他の副生成物を伴った。これは、以下cFDCAと表記する粗製カルボン酸組成物に対応する。cFDCAが最大量の不純物を有し、観察される効果が特に明白になるため、粗製cFDCAの使用は、本発明の熱処理の影響の特に良好な分析を可能にすることが留意される。したがって、cFDCAは本発明の方法で定義される精製工程に供されなかったが、cFDCAを用いて以下で得られる結果は、本発明の方法の効果を評価するのに非常に重要である。
粗製カルボン酸組成物を、種々の方法によって更に精製した。
1つの精製方法では、二酸をメタノールでエステル化して2,5-フランジカルボン酸のジメチルエステルを形成し、これを精製した後に塩基の存在下で加水分解し、再び酸性化して精製カルボン酸組成物を形成した。対応する試料は、eFDCAと表記される。
別の精製方法では、WO2016/195499A1及びWO2016/195500A1の教示に従い、粗製カルボン酸組成物を水及び水素と混合し、加熱して固体を溶解した後に触媒の存在下でフローシステムで水素化し、精製カルボン酸組成物を形成することによって精製した。対応する試料はhFDCAと表記される。
最後に、水素化FDCA(hFDCA)から別のFDCAの供給物を得て、これを十分に溶解し、その後水から再結晶化した。対応する試料はrFDCAと表記される。
これらの供給物を分析し、以下の表に示されるFDCA-Me及びFCAのレベルを含有することが見出された(範囲は、同じ種類の試料に対する複数の測定の結果を示す)。
Figure 2023507469000005
B2-粒径分析
上述のように種々の方法によって調製されたFDCAの試料を粒径分析に供し、試料の粒径分布(PSD)を決定した。粒径分析は、Malvern Panalytical社製のレーザー回折粒径分析器モデルMastersizer3000を使用した。機器を使用して粒径の完全な分布を生成し、これを次いで試料の体積の10%、50%及び90%に対する体積平均粒径(直径)カットオフを表す、十分に確立されたd10、d50及びd90パラメーターとともに要約テーブルに取り込む。更に、比d50/d10として報告される粒径分布の幅を表すための統計が提示される。この比の大きな値は、中央値よりはるかに小さい粒子、又は微粉の顕著な集団を有する分布を示し、これは不都合と見出された。
B3-応力試験
標準的な粒径分析に加え、粒子分散を作り出すための複数のレベルの空気圧を使用して試料を試験した。0.2barの分散圧力を使用した結果は「最も穏やか」とみなされ、一方で2barの分散圧力を使用した結果は、より激しい分散である。これは、例えば、空気式搬送操作中に経験されるストレスを表す場合がある条件下での粒子強度及び安定性の試験として使用されてもよい。この試験は、0.2barと比較して2.0barで試験した際のd50の低減として、以下の表で定量的に示される。
B4-熱処理の実験設備
316Lステンレス鋼から作製された5リットルのオートクレーブを熱処理及び対応する結晶化に使用した。システムは、選択された温度及び溶媒に対応するように定格圧力である。容器は316Lステンレス鋼から作製された。温度、圧力及び軸速度を記録する。インペラーは、この目的のために好適なEkato製「Viscoprop」である。
B5-比較例5~12-粒径分布
比較例5~12では、それぞれの材料を熱処理中に十分に溶解し、その後以下の表中の詳細に従って冷却及び結晶化した。各場合において、材料を熱処理温度で30分間保持した後、40℃に至るまで冷却した。比較例7は、冷却速度が180℃~140℃の冷却に対して20K/時間、次いで140℃~100℃で40K/時間、次いで100℃~40℃で60K/時間である、より洗練された冷却スキームを使用した。
得られた粒子を分析し、粒径分布を決定した。分布の幅の測定値としてd50/d10の比を使用し、大きな数字は、中央値よりはるかに小さい直径を有する粒子の顕著な画分を示す。
Figure 2023507469000006
B6-実施例4~9-粒径分布
実施例4~9の熱処理を、比較例5~12について上述されたものと同様に実行し、プロセスパラメーターを以下のTable 6(表7)に要約する。実施例8及び9では、熱処理時間は240分に延長された。
Figure 2023507469000007
実施例4~9は、処理溶媒組成物中のより低い水濃度を使用し、本発明に従うものではない。しかし、本発明者らは、95質量%より多くの水を含む処理溶媒組成物に対しても上記の傾向を見出した。したがって、得られたデータから、本発明による熱処理は、d50/d10比の減少によって示される微粉の顕著な減少を伴う、はるかにより好都合な粒径分布をもたらすことが推定できる。
B7-比較例13及び14-粒子強度
比較例13及び14を、以下のtable(表8)の条件に従い、水素化によって精製されたFDCA(hFDCA)の試料を取得し、十分な溶解及び制御された結晶化に供することによって熱処理に供した。各場合において、試料は水中20wt% FDCAであり、hFDCAを十分に溶解するために180℃に加熱され、その後40℃に冷却された。
これらの試料を試験し、0.2barの分散圧力、更に2.0barの分散圧力における粒径分布を生成し、粒子強度を試験した。結果を以下のTable 7(表8)に示す。
Figure 2023507469000008
B8-実施例10~12-粒子強度:
実施例10~12を、以下の表の条件に従い、水素化によって精製されたFDCA(hFDCA)の試料を取得し、それを部分的な溶解及び制御された結晶化に供することによって熱処理に供した。各場合において、試料は指定の時間にわたって所望の温度に維持され、その後40℃に冷却された。
これらの試料を試験し、0.2barの分散圧力、更に2.0barの分散圧力における粒径分布を生成し、粒子強度を試験した。結果を以下のTable 8(表9)に示す。
Figure 2023507469000009
実施例10~12は、処理溶媒組成物中のより低い水濃度を使用し、したがって本発明に従うものではない。しかし、本発明者らは、95質量%より多くの水を含む処理溶媒組成物に対しても上記の傾向を見出した。したがって、得られたデータから、本発明による熱処理では、2.0barでの試験を0.2barの分散圧力と比較した場合のd50のパーセンテージ低減の低下によって示されるように、熱処理後にはるかにより安定な粒子が得られると推定することができる。
(実験C)
熱処理
水中の粗製FDCAの水素化、続く結晶化、冷却、濾過及び水での洗浄により、精製FDCAを調製した。溶媒組成物は、質量で65:35の比の酢酸及び水から作製された。各実験に対して、30グラムのFDCAを70グラムの溶媒と混合した。混合物をオートクレーブで所望の温度に加熱し、撹拌しながら60分定温で保持した。次いで混合物を40℃に至るまで急速に冷却し、その後濾過した。濾過ケーキを溶媒で洗浄し、乾燥して列挙される不純物について分析した。結果を以下の表に示す。熱処理温度で溶解される全FDCAの推定%も示される。40℃での実行は比較であり、本発明によるものではない。
Figure 2023507469000010
実施例13~15は、処理溶媒組成物中のより低い水濃度を使用し、したがって本発明に従うものではない。しかし、本発明者らは、95質量%より多くの水を含む処理溶媒組成物に対しても上記の傾向を見出した。したがって、得られたデータから、本発明による熱処理では、温度及び溶解の程度が、FDCA-Me及びFCAの相対的な除去としてそれぞれ測定される熱処理によって得られる生成物に重要であると推定することができる。
(実験D)
溶媒組成物
水中での水素化、続く結晶化、冷却、濾過及び水での洗浄によってFDCAを調製した。溶媒組成物は、表に示される異なる質量比の酢酸及び水から作製された。各実験に対して、27~30wt%のFDCAを含む組成物を所望の溶媒中で作製した。混合物をオートクレーブで180℃に加熱し、撹拌しながら60分定温で保持した。次いで混合物を40℃に至るまで急速に冷却し、その後濾過した。濾過ケーキを溶媒で洗浄し、乾燥して報告される不純物について分析した。結果を以下のTable 10(表9)に示す。熱処理温度(180℃)で溶解される全FDCAの推定%も報告される。
Figure 2023507469000011
実施例16~20は、処理溶媒組成物中のより低い水濃度を使用し、したがって本発明に従うものではない。しかし、本発明者らは、95質量%より多くの水を含む処理溶媒組成物に対しても上記の傾向を見出した。したがって、得られたデータから、本発明による熱処理では、広範な種類の溶媒組成物についてFDCA-Me及びFCAの優れた除去率を得ることができると推定することができる。
(実験E)
完全な溶解後の水からの結晶化
完全な溶解でさらなる比較実験を実行した。異なる精製FDCA組成物の混合によって作製されたFDCAの混合物を準備し、FDCAに対してFCA及びFDCA-Meの変動を有する試料を生成した。140℃で十分な溶解を達成するために、FDCA4wt%の全濃度で試料を調製した。水中での処理後、試料を冷却してFDCAを結晶化し、ケーキを純度について分析した。以下の表は、水から再結晶化した際の結果を示す。
Figure 2023507469000012
データから、ほんの限られた量のFDCA-Meが存在する場合にFCAの除去効率が顕著に改善することを見ることができる。更に、FDCA-Meは、この条件下で水からの再結晶化によって除去されず、実質的に完全にケーキに再組み込みされたことが見られる。比較実験20は、実際の操作で遭遇するFDCA-Meの濃度に近似し、多くの場合不十分である除去効率を示す。

Claims (15)

  1. 2,5-フランジカルボン酸を含むカルボン酸組成物の製造方法であって、
    a)2,5-フランジカルボン酸及び5-ホルミル-2-フランカルボン酸を含む粗製カルボン酸組成物を準備する又は製造する工程と、
    b)粗製カルボン酸組成物を精製して、2,5-フランジカルボン酸を含む精製カルボン酸組成物を製造する工程であり、精製が、
    - 5-ホルミル-2-フランカルボン酸の少なくとも一部を水素化する工程、
    - 5-ホルミル-2-フランカルボン酸の少なくとも一部を酸化する工程、
    - 2,5-フランジカルボン酸の少なくとも一部を再結晶化する工程、及び
    - 2,5-フランジカルボン酸のジアルキルエステルを加水分解する工程
    からなる群から選択される少なくとも1つの工程を含む、工程と、
    c)水を、処理溶媒組成物の質量に対して95質量%より多く含む処理溶媒組成物を準備する又は製造する工程と、
    d)精製カルボン酸組成物及び処理溶媒組成物を含む熱処理組成物を準備する又は製造する工程と、
    e)熱処理組成物を5~240分の範囲の時間にわたって140~200℃の範囲の高温に供して、処理された組成物を得る工程であり、2,5-フランジカルボン酸の全量に対する溶解された2,5-フランジカルボン酸のパーセンテージが10~80%の範囲である、工程と、
    f)処理された組成物を20~80℃の範囲の温度に冷却し、処理された組成物から2,5-フランジカルボン酸の少なくとも一部を分離して、カルボン酸組成物及び水を含む処理母液を得る工程と
    を含む、方法。
  2. 粗製カルボン酸組成物及び/又は精製カルボン酸組成物が、2,5-フランジカルボン酸のモノアルキルエステル、好ましくは2,5-フランジカルボン酸のモノメチルエステルを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 工程e)が、不活性ガス、好ましくは窒素若しくはアルゴンで加圧される反応器で実行され、及び/又は
    工程e)の熱処理組成物が、少なくとも一部の時間、好ましくは撹拌によってかき混ぜられて、固体2,5-フランジカルボン酸をせん断力に曝露する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 熱処理組成物が、熱処理溶媒組成物の質量に対して15~45質量%、好ましくは20~40質量%の量の2,5-フランジカルボン酸を含み、及び/又は
    処理溶媒組成物が、酢酸及び水を含む、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 工程e)及びf)におけるプロセスパラメーターが、
    - 0.2bar及び2barの分散圧力での粒径測定間で35%未満の平均粒子径の減少を示す、並びに/又は
    - 50~300μmの範囲、好ましくは60~200μmの範囲の体積平均中位粒径(d50)を有する、
    2,5-フランジカルボン酸の粒子を製造するよう選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 粗製カルボン酸組成物が、好ましくは組成物の質量に対して1~2000質量ppmの範囲の量、より好ましくは組成物の質量に対して1~1000質量ppmの範囲の量の2-フランカルボン酸を含み、カルボン酸組成物が、700質量ppm以下の量、より好ましくは500質量ppm以下の量の2-フランカルボン酸を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 粗製カルボン酸組成物が、粗製カルボン酸組成物の質量に対して0.2~50質量%の範囲の量、好ましくは0.3~3質量%の範囲の量の2,5-フランジカルボン酸のモノアルキルエステルを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 工程b)の精製が、5-ホルミル-2-フランカルボン酸の少なくとも一部を水素化する工程を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 工程e)で、2,5-フランジカルボン酸の全量に対する溶解された2,5-フランジカルボン酸のパーセンテージが、20~60%の範囲、好ましくは30~60%の範囲である、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 工程e)の温度が150~190℃の範囲、好ましくは160~190℃の範囲である、及び/又は
    工程e)の熱処理組成物が、15~120分の範囲、好ましくは30~90分の範囲の時間、最も好ましくは0.7*(220-T/℃)~3.0*(220-T/℃)分の範囲の時間まで高温に供され、Tが工程e)における温度である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 工程f)の処理された組成物が、30~80℃の範囲、好ましくは40~80℃の範囲の温度に冷却される、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 98質量%より多い2,5-フランジカルボン酸を含むカルボン酸組成物であって、カルボン酸組成物粒子が、0.2bar及び2barの分散圧力での粒径測定間で35%未満の平均粒子径の減少を示し、カルボン酸組成物が0.1質量%未満の2~6個の炭素原子を有する飽和有機酸溶媒を含む、カルボン酸組成物。
  13. カルボン酸組成物粒子が、50~300μmの範囲、好ましくは60~200μmの範囲の体積平均中位粒径(d50)を有する、及び/又は
    d50のd10に対する比が、1~3の範囲、好ましくは1.5~2.5の範囲である、
    請求項12に記載のカルボン酸組成物。
  14. カルボン酸組成物が、カルボン酸組成物の質量に対して200~5000質量ppmの範囲の量の2,5-フランジカルボン酸のモノアルキルエステル、好ましくは2,5-フランジカルボン酸のモノメチルエステルを含む、及び/又は
    カルボン酸組成物が、カルボン酸組成物に対して10~500質量ppm、好ましくは20~200質量ppmの範囲の量の2-フランカルボン酸を含む、
    請求項12又は13に記載のカルボン酸組成物。
  15. ポリアルキレンフラノエートの製造のための出発原料であって、請求項12から14のいずれか一項に記載のカルボン酸組成物及びアルキレングリコール、好ましくはエチレングリコール並びに重合触媒を含む、出発原料。
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