JP2023505407A - 懸濁細胞のための自動化された培地交換戦略 - Google Patents

懸濁細胞のための自動化された培地交換戦略 Download PDF

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Abstract

本発明は、懸濁培養物の培養培地を交換する方法に関連し、懸濁培養物は、培養培地中に懸濁された細胞を含み、方法は、以下の工程を含む:(i)懸濁培養物の一部を容器に移す工程であって、容器が底面に少なくとも1つの開口部を備える、工程; (ii)懸濁液の一部に含まれる細胞を、重力によって、容器の底面にある少なくとも1つの開口部に沈殿させる工程であって、それによって、上清を形成する、工程; (iii)容器の底部に沈殿した細胞を分取して懸濁培養物に入れる(戻す)工程; (iv)上清を捨てる工程。TIFF2023505407000003.tif68147

Description

関連出願の相互参照
本願は、2019年12月11日に出願された欧州特許出願番号19215091.0の優先権の恩典を主張する。欧州特許出願番号19215091.0の内容は、その全体が、全ての目的のために本明細書に参照により組み入れられる。
発明の技術分野
本発明は、懸濁培養物の培養培地を交換する方法であって、懸濁培養物が、培養培地中に懸濁された細胞を含む、方法、に関する。
背景
人工多能性幹細胞(iPSC)および他の付着細胞は、従来より、静的な細胞培養用の容器内で培養および拡大される(「2D培養」)。付着特性があるため、この種の培養物を用いると培地を簡単に交換することができる。すなわち、使用済み培地は除去されるのに対して、付着細胞は細胞培養容器の表面に残る。しかしながら、2D培養は限られた程度でしか拡張および自動化することができず、その結果として、例えば、GMP条件下で多数の臨床療法用細胞および商業的な治療用細胞製品を生成するために、手操作による、かつ費用集約的な大きな作業負荷が生じる。
商業的バイオプロセス開発に関して、従来の2D培養に取って代わる魅力的な案は懸濁培養物を攪拌バイオリアクター内で培養することである。例えば、iPSCをiPSC凝集物の形で懸濁液中で培養(「3D培養」)することが数回、文献で述べられている(Olmer et al. 2012; Kwok et al. 2018; Amit et al. 2010)。3D懸濁培養は、pH、溶存酸素(DO)、および温度などの培養パラメータを制御することができる、効率的で、再現性があり、かつ拡張可能なバイオプロセスを開発する可能性をもたらす。
従来の2D培養とは対照的に、懸濁培養物中の培地の交換は、細胞/細胞凝集物を培地から分離し、使用済み培地を除去すると同時に細胞/細胞凝集物を保持しなければならないので、依然難しい問題である。バイオプロセスでは、これは灌流による古典的な手法で解決することができる。既に述べられている別の可能性は、細胞/細胞凝集物の攪拌および沈降を中断した後に培地を除去し、新鮮な培地を添加することである(例えば、Kwok et al. 2018を参照されたい)。しかしながら、攪拌を長時間にわたって中断すると、さらに大きな凝集物(凝集物の融合体)の形成に至ることがある。これにより、もっと大きく不均一な凝集物の形成に至り、その結果、物質移動およびシグナル勾配に違いが生じ、自発的分化が起こり、細胞凝集物の多能性が低下する(Lipsitz et al. 2018、実施例1も参照されたい)。
US2016/0215257は、幹細胞および/または分化細胞を含み、攪拌タンクバイオリアクター内での密閉システムの使用を含む、細胞凝集物を拡大および継代するための方法を開示する。WO2013/109520は、細胞凝集物トラップを備える灌流バイオリアクターシステムを開示する。US2017/0191022は、細胞を保持するための音響フィルター(acoustic filter)の使用を開示する。
従って、懸濁培養物の培養培地を交換する方法、特に、システムから細胞または凝集物を取り出すことなく、沈降および/または遠心分離に関連したストレスに細胞を長期間曝露することなく全プロセスを行うことができる、懸濁培養物の培養培地を交換する方法が依然として必要とされている。本発明は、この必要性に対処することを目的とする。
この必要性は、特許請求の範囲において定義される保護対象によって解決される。懸濁培養物の培養培地を交換する方法であって、懸濁培養物が、培養培地中に懸濁された細胞を含む、方法、が本明細書において示される。
従って、本発明は、懸濁培養物の培養培地を交換する方法であって、
懸濁培養物が、培養培地中に懸濁された細胞を含み、
以下:
(i)懸濁培養物の一部を容器に移す工程であって、容器が底面に少なくとも1つの開口部を備える、工程;
(ii)懸濁液の一部に含まれる細胞を、重力によって、容器の底面にある少なくとも1つの開口部に沈殿させる工程であって、それによって、上清を形成する、工程;
(iii)容器の底部に沈殿した細胞を分取して懸濁培養物に入れる(戻す)工程;
(iv)上清を捨てる工程
を含む、方法、に関する。
前記方法は、バイオリアクター内で行われてもよい。バイオリアクターは、攪拌バイオリアクター(STR)、ロッキングモーションバイオリアクター(RM)、および/またはマルチパラレルバイオリアクターでもよい。
懸濁培養物は、連続して攪拌されてもよい。
前記細胞は、培養培地に本質的に均一に分散されていてもよい。
容器は管状でもよい。容器は円錐の底面を有してもよい。容器は、ピペットチップ、(使い捨て)バッグ、または(使い捨て)バッグの円錐/円錐形部分でもよい。
工程(i)において、懸濁培養物の一部は、吸引されて容器に入れられてもよい。
前記細胞は、真核細胞、真菌細胞、例えば、酵母細胞、例えば、P.パストリス(P. pastoris)、昆虫細胞、例えば、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)S2およびヨトウガ(Spodoptera frugiperda)Sf9細胞、細菌細胞、例えば、大腸菌(E.coli)、ストレプトマイセス属(Streptomyces)およびネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)細胞、または植物細胞でもよい。好ましくは、前記細胞は、真核細胞である。
前記細胞は、懸濁液中で培養された付着細胞でもよい。
前記細胞は、初代細胞、組織または臓器から得られた細胞、不死化細胞、多能性幹細胞からなる群より選択されてもよく、好ましくは、前記細胞は、多能性幹細胞、好ましくは、人工多能性幹細胞(iPSC)、またはiPSC由来細胞である。前記細胞は、TC-1133、GibcoのヒトエピソームiPSC株、ATCC ACS-1004、ATCC ACS-1021、ATCC ACS-1025、ATCC ACS-1027、ATCC ACS-1030、HEK293、HEK293T、BHK21、CHO、NS0、およびSp2/0-Ag14からなるリストより選択されてもよい。前記細胞は、ヒト細胞または非ヒト細胞でもよい。
前記細胞は、細胞凝集物でもよい。細胞凝集物は、約50~800μm、約150~800μm、少なくとも約800μm、少なくとも約600μm、少なくとも約500μm、少なくとも約400μm、少なくとも約300μm、少なくとも約200μm、少なくとも約150μm、約300~500μm、約150~300μm、約50~150μm、約80~100μm、約180~250μm、または約200~250μmの平均直径を有してもよい。
前記方法は、(v)上清に等しい体積を、懸濁培養物に添加する工程、をさらに含んでもよい。
本発明の方法の工程(ii)では、細胞を沈殿させる期間は、少なくとも1分、少なくとも2分、少なくとも3分、少なくとも4分、少なくとも5分、少なくとも6分、少なくとも7分、少なくとも8分、少なくとも9分、少なくとも10分、少なくとも11分、少なくとも12分、少なくとも13分、少なくとも14分、少なくとも15分、少なくとも16分、少なくとも17分、少なくとも18分、少なくとも19分、または少なくとも20分でもよい。
工程(i)において移された細胞の、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97.5%、少なくとも99%、または本質的に全ての細胞が、工程(iii)において分取されて懸濁培養物に入れられて(戻され)てもよい。
前記細胞はマイクロキャリア粒子上で増殖されてもよい。懸濁培養物はマイクロキャリア培養物でもよい。
本発明の方法の工程(ii)において、懸濁液の一部は静的に保たれ、それによって、懸濁液の一部に含まれる細胞を、重力によって、容器の底面にある少なくとも1つの開口部に沈殿させてもよい。
本発明の方法の工程(i)において、懸濁液の一部は、容器の底面にある少なくとも1つの開口部を通して容器に移されてもよい。
本発明の方法の工程(iii)において、容器の底部に沈殿した細胞は、容器の底面にある少なくとも1つの開口部を通して分取されて懸濁培養物に入れられる(戻される)。
本発明は、非限定的な実施例および添付の図面と共に考慮された時に詳細な説明に関連してより深く理解される。
「チップ沈殿」または「ピペットチップ沈殿」とも呼ばれることがある、本発明の方法の、例示的な態様を示す。懸濁培養物の一部(2)が、懸濁培養物から容器(1)に移されている。これは自動プロセスでもよく、少なくとも1つの開口部(3)を備える容器(1)のチップが懸濁培養物に沈められ、懸濁培養物の一部(2)が吸引される。例示的な容器(1)は、この図では断面が円錐形のピペットチップとして示され、底面に1つの開口部(3)を有する。次いで、この図ではピペットチップであるが、容器を、約3分または約5分などの定義された期間にわたって静的に保つことによって、細胞(22)を、容器の底面にある少なくとも1つの開口部において、重力により沈殿させる。容器が懸濁培養物に沈められている間に、または容器が懸濁培養物から再度取り出され得る間に、沈降が起こってもよい。それによって、本質的に細胞が無い、培養培地の上清が作製される(21)。十分な数の細胞または細胞凝集物を沈降させた後、細胞(22)は分取されて懸濁培養物に戻されるのに対して、培養培地の上清(21)は保持される。残っている上清(21)は、例えば、これを分取して廃棄物容器に入れることによって、捨てられてもよい。図1に示したプロセスは連続して繰り返されてもよい。これにより培養培地の連続交換が可能になる。この連続交換は、灌流培地交換プロセスを模倣するとみなすことができる。 iPSC凝集物の形態を示す。ambr15懸濁培養物から採取した凝集物を含有する24ウェルプレートのウェルの画像を図示する。Cellavista Cell Imagerを用いて画像を取得した。スケールバー:3mm。 4日後のiPSC拡大速度を示す。 多能性関連遺伝子の発現を示す。iPSC懸濁培養の4日目にフローサイトメトリーによって多能性関連遺伝子の発現を分析した。
発明の詳細な説明
本発明が以下において詳述され、添付の実施例および図面でもさらに例示される。
バイオリアクター内にある懸濁培養物の自動化された培地交換は依然として難しい問題である。手操作による培地交換は、通常、懸濁培養物の少なくとも一部をバイオリアクターから移すことを伴い、例えば、細胞の遠心分離を含む。この機械的刺激は、幹細胞の望まない分化など、細胞生存率または機能に悪影響を及ぼすことがある(Lipsitz et al. 2018、実施例1も参照されたい)。本発明の培地交換方法は、バイオリアクターからの細胞の移動とストレスの多い機械的刺激を回避する。それによって、手操作による相互作用の回数が制限され、汚染リスクが制限される。
バイオリアクター内にある懸濁培養物を自動で培地交換(「容器沈殿」)する可能性の1つは、攪拌を止め、バイオリアクターの底部に細胞を沈殿させることである。次いで、上清を吸引し、新鮮な培地と取り替えることができる。しかしながら、こうすることで細胞の機械的刺激も起こり、不規則な増殖と多能性の消失につながることがある(例えば、実施例1、図2および図4を参照されたい)。この問題は本発明の方法によって克服される。
上記で概説された問題は本発明の方法(「チップ沈殿」)によって解決される。バイオリアクターにおいて懸濁培養物中の細胞は好ましくは攪拌される。これは、懸濁培養において細胞凝集物を形成することがある、通常は付着性の細胞にとって、特に重要である。現状技術では、攪拌が止められ、そして細胞または細胞凝集物の沈降が可能になる。沈降後に上清が交換され、再び攪拌が開始される(例えば、Kwok et al. 2018を参照されたい)。しかしながら、沈降は細胞に悪影響を及ぼす(Lipsitz et al. 2018、実施例1、図2および図4)。従って、本発明の方法では、バイオリアクターの攪拌を好ましくは止めることなく、連続して動作させ、攪拌の停止が好ましくは回避される。しかしながら、本発明の方法は、培養培地が攪拌されていないバイオリアクターの中でも行うことができる。
驚いたことに、容器沈殿方法と比較して、規則正しく形成された/形作られた細胞凝集物(図2)と、多能性マーカー陽性iPSCの劇的に高い割合(図4)とを生じたにもかかわらず、本発明の方法(「チップ沈殿」)は、実施例1および図4に示したように、速いiPSC増殖速度ももたらす。つまり、本発明の方法は、懸濁培養物の培養培地を交換する改善された方法である。
本発明の方法の例示的な態様(図1または実施例1も参照されたい)では、細胞培養培地の一部が、容器、例えば、ピペットチップに移される。移された後に、細胞を、重力によって、容器の底部で、容器の底面にある少なくとも1つの開口部で沈殿させる。それによって、培養培地の一部の底部に、前記細胞が集まる。すなわち、好ましくは本質的に細胞が無い上清が形成する。沈降後に、前記細胞は分取され、例えば、上清を容器に残しながら細胞を射出することによってバイオリアクターの培養培地に戻される。上清は捨てることができる。バイオリアクター内に一定の体積の培養培地を維持するために、捨てられた上清は等量の新鮮な培養培地と取り替えられてもよい。重要なことに、細胞の(比較的わずかな)部分しか懸濁培養物から採取されず、これに対して、残っている細胞は連続して攪拌される。従って、少数の細胞だけが容器の中にあり、そのため、培地交換に必要な時間を短縮し、従って、培地交換中に細胞を沈降させる時間も短縮することができる。最も重要なことに、バイオリアクターから細胞を取り出す必要はない。
従って、本発明は、懸濁培養物の培養培地を交換する方法であって、
懸濁培養物が、培養培地中に懸濁された細胞を含み、
以下:
(i)懸濁培養物の一部を容器に移す工程であって、容器が底面に少なくとも1つの開口部を備える、工程;
(ii)懸濁液の一部に含まれる細胞を、重力によって、容器の底面にある少なくとも1つの開口部に沈殿させる工程であって、それによって、上清を形成する、工程;
(iii)容器の底部に沈殿した細胞を分取して懸濁培養物に入れる(戻す)工程;
(iv)上清を捨てる工程
を含む、方法、に関する。
本発明の方法を実施する時に、懸濁液の一部に含まれる細胞は、工程(ii)では静的に保たれているとみなすことができる。このことは、工程(ii)では液体流入がないが、細胞だけが重力によって沈殿することを意味している。従って、本発明の方法の工程(ii)はまた、
(ii)懸濁液の一部を静的に保つ工程であって、それによって、懸濁液の一部に含まれる細胞を、重力によって、容器の底面にある少なくとも1つの開口部に沈殿させ、それによって、上清を形成する、工程
も含んでよい。
従って、本発明はまた、懸濁培養物の培養培地を交換する方法であって、
懸濁培養物が、培養培地中に懸濁された細胞を含み、
以下:
(i)懸濁培養物の一部を容器に移す工程であって、容器が底面に少なくとも1つの開口部を備える、工程;
(ii)懸濁液の一部を静的に保つ工程であって、それによって、懸濁液の一部に含まれる細胞を、重力によって、容器の底面にある少なくとも1つの開口部に沈殿させ、それによって、上清を形成する、工程;
(iii)容器の底部に沈殿した細胞を分取して懸濁培養物に入れる(戻す)工程;
(iv)上清を捨てる工程
を含む、方法、にも関する。
本発明のさらなる特徴は、懸濁培養物の一部が容器に移されること、および/または、容器の底部に沈殿した細胞が、容器の底面にある少なくとも1つの開口部を通して容器から分取されること、とみなされ得る。従って、細胞懸濁液の一部を容器に移すために、および容器の底部に沈殿した細胞を容器から懸濁培養物に移す(戻す)ために、同じ開口部が用いられてもよい。
従って、本発明の方法の工程(i)はまた、
(i)懸濁培養物の一部を容器に移す工程であって、容器が底面に少なくとも1つの開口部を備え、懸濁液の一部が容器の底面にある少なくとも1つの開口部を通して容器に移される、工程
も含んでもよい。
工程(iii)はまた、
(iii)容器の底部に沈殿した細胞を、容器の底面にある少なくとも1つの開口部を通して分取して懸濁培養物に入れる(戻す)工程
も含んでもよい。
従って、本発明はまた、懸濁培養物の培養培地を交換する方法であって、
懸濁培養物が、培養培地中に懸濁された細胞を含み、
以下:
(i)懸濁培養物の一部を容器に移す工程であって、容器が底面に少なくとも1つの開口部を備え、懸濁液の一部が容器の底面にある少なくとも1つの開口部を通して容器に移される、工程;
(ii)懸濁液の一部に含まれる細胞を、重力によって、容器の底面にある少なくとも1つの開口部に沈殿させる工程であって、それによって、上清を形成する、工程;
(iii)容器の底部に沈殿した細胞を分取して懸濁培養物に入れる(戻す)工程;
(iv)上清を捨てる工程
を含む、方法、にも関する。
従って、本発明はまた、懸濁培養物の培養培地を交換する方法であって、
懸濁培養物が、培養培地中に懸濁された細胞を含み、
以下:
(i)懸濁培養物の一部を容器に移す工程であって、容器が底面に少なくとも1つの開口部を備える、工程;
(ii)懸濁液の一部に含まれる細胞を、重力によって、容器の底面にある少なくとも1つの開口部に沈殿させる工程であって、それによって、上清を形成する、工程;
(iii)容器の底部に沈殿した細胞を、容器の底面にある少なくとも1つの開口部を通して分取して懸濁培養物に入れる(戻す)工程;
(iv)上清を捨てる工程
を含む、方法、にも関する。
従って、本発明はまた、懸濁培養物の培養培地を交換する方法であって、
懸濁培養物が、培養培地中に懸濁された細胞を含み、
以下:
(i)懸濁培養物の一部を容器に移す工程であって、容器が底面に少なくとも1つの開口部を備え、懸濁液の一部が容器の底面にある少なくとも1つの開口部を通して容器に移される、工程;
(ii)懸濁液の一部を静的に保つ工程であって、それによって、懸濁液の一部に含まれる細胞を、重力によって、容器の底面にある少なくとも1つの開口部に沈殿させ、それによって、上清を形成する、工程;
(iii)容器の底部に沈殿した細胞を、容器の底面にある少なくとも1つの開口部を通して分取して懸濁培養物に入れる(戻す)工程;
(iv)上清を捨てる工程
を含む、方法、にも関する。
本明細書において用いられる「分取する」という用語は、容器の内部から力を加えることに限定されない。または、例えば、容器から細胞を吸い取ることによって、容器の外側から細胞を取り出すことも本発明によって想定される。そうしている間に、上清は容器の中に留まり得、その後に捨てることができる。
捨てられた培養培地の量または体積は、上清に等しい体積を懸濁培養物に添加することによって、取り替えられてもよい。それによって、懸濁培養物の体積を一定に保つことができる。従って、本発明の方法は、工程(v):上清に等しい体積を懸濁培養物に添加する工程、をさらに含んでもよい。本発明の方法はまた、懸濁培養物の体積を増加または減少させるために用いられてもよい。例えば、上清の体積を上回る体積を懸濁培養物に添加することによって、懸濁培養物の(総)体積を増やす。従って、本発明の方法は、工程(v):上清の体積を上回る体積を懸濁培養物に添加する工程、をさらに含んでもよい。逆もまた同じであり、上清の体積より少ない体積を懸濁培養物に添加することによって、懸濁培養物の(総)体積を減らす。従って、本発明の方法は、工程(v):上清の体積より少ない体積を懸濁培養物に添加する工程、をさらに含んでもよい。
本明細書において用いられる「懸濁培養」という用語は、シングル細胞または小さな細胞凝集物が、好ましくは、撹拌された増殖培地中で機能および増殖することが可能であり、従って、懸濁液が形成される、細胞培養の一種である(化学:「液体中に懸濁された小さな固い粒子」にある定義を参照されたい)。これは、細胞外マトリックス(ECM)のタンパク質でコーティングされていることがある細胞培養容器に、細胞が付着されている、付着培養とは対照的である。懸濁培養では、好ましくは、ECMのタンパク質は、細胞および/または培養培地に添加されない。懸濁培養は、好ましくは、固体粒子、例えば、ビーズ、マイクロスフェア、マイクロキャリア粒子などが本質的に無い。細胞または細胞凝集物は、この状況で固体粒子でない。一態様において、前記細胞はマイクロキャリア(懸濁液)培養物の中にない。
本発明の方法はまた、マイクロキャリア培養における培地交換にも、すなわち、マイクロキャリア粒子上で増殖された細胞にも使用することができる。従って、前記細胞は、マイクロキャリア粒子上で増殖されてもよい。本明細書において用いられる「マイクロキャリア粒子」は、バイオリアクター内での付着細胞の増殖を可能にする支持マトリックスに関する。マイクロキャリアは、典型的には125~250μmの球体であり、その密度により、穏やかに攪拌しながら懸濁液中で細胞を維持することができる。マイクロキャリアは、DEAE-デキストラン、ガラス、ポリスチレンプラスチック、アクリルアミド、コラーゲン、およびアルギン酸塩を含む多数の異なる材料から作製することができる。表面化学には、細胞外マトリックスタンパク質、組換えタンパク質、ペプチド、および正または負に荷電している分子が含まれ得る。アルギン酸塩ベース(GEM, Global Cell Solutions)、デキストランベース(Cytodex, GE Healthcare)、コラーゲンベース(Cultispher, Percell)、およびポリスチレンベース(SoloHill Engineering)のマイクロキャリアを含む、いくつかのタイプのマイクロキャリアが市販されている。これらのマイクロキャリアは、多孔度、比重、光学的性質、動物成分の存在、および表面化学の点で異なってもよい。
本明細書において用いられる「増殖培地」または「培養培地」は、微生物、細胞、または小さな植物の増殖を支持するように設計された液体である。異なるタイプの細胞を増殖させるために異なるタイプの培地が用いられる。当業者は、特定の細胞タイプには、どの培養培地が最適かを決定することができる。
本発明の方法は好ましくはバイオリアクター中で実施される。本明細書において用いられる「リアクター」および「バイオリアクター」という用語は同義で使用することができ、細胞培養のために動的な流体環境を提供するように構成された、密閉した培養容器を指す。バイオリアクターは攪拌(stir)および/または攪拌(agitate)されてもよい。攪拌リアクターの例には、攪拌タンクバイオリアクター、ウェーブミックスド/ロッキング バイオリアクター、上下攪拌バイオリアクター(すなわち、ピストン運動を備える攪拌リアクター)、スピナーフラスコ、振盪フラスコ、振盪バイオリアクター、パドルミキサー、バーチカルウィール バイオリアクターが含まれるが、これに限定されない。攪拌リアクターは、約2mL~20,000Lの細胞培養体積を収容するように構成されてもよい。好ましいバイオリアクターの体積は最大50Lでもよい。本発明の方法に適した例示的なバイオリアクターは、Sartorius Stedim Biotechから入手可能なambr15バイオリアクターである。バイオリアクターは、ステンレス鋼または使い捨てバイオリアクターでもよい。バイオリアクターは、1個の容器からなってもよく、いくつかのバイオリアクターを並列に備えてもよい。使い捨てバイオリアクターは、ガラスまたはプラスチックから製造されてもよい。使い捨てバイオリアクターは、攪拌タンクバイオリアクターまたはロッキングモーションバイオリアクターでもよい。例:Sartorius STR、RM、ambr15、ambr250。培養培地のpHは、バイオリアクターによって、好ましくは、CO2供給によって制御されてもよく、6.6~7.6の範囲、好ましくは約7.4に保たれてもよい。
バイオリアクターは、攪拌バイオリアクター(STR)でもよい。STRは、例えば、Sartorius Stedim Biotechから入手可能であり、BIOSTAT(登録商標)A/B/B-DCU/Cplus/D-DCU、ambr(登録商標)15およびambr(登録商標)250を含むが、これに限定されない。バイオリアクターは、ロッキングモーションバイオリアクター(RM)でもよい。RMは、例えば、Sartorius Stedim Biotechから入手可能であり、BIOSTAT(登録商標)RMおよびBIOSTAT(登録商標)RM TXを含むが、これに限定されない。バイオリアクターは、例えば、Sartorius Stedim Biotechから入手可能であり、ambr(登録商標)15およびambr(登録商標)250を含むが、これに限定されないマルチパラレルバイオリアクターでもよい。
一部の態様において、バイオリアクター内にある培養容器の体積は、約50mL~約20,000Lである。一部の態様において、バイオリアクター内にある培養容器の体積は、約50mL~約2,000Lである。一部の態様において、バイオリアクター内にある培養容器の体積は、約50mL~約200Lである。一部の態様において、バイオリアクター内にある培養容器の体積は、約50mL~約100Lである。一部の態様において、バイオリアクター内にある培養容器の体積は、約50mL~約50Lである。一部の態様において、バイオリアクター内にある培養容器の体積は、約50mL~約20Lである。一部の態様において、バイオリアクター内にある培養容器の体積は、約50mL~約10Lである。一部の態様において、バイオリアクター内にある培養容器の体積は、約50mL~約1Lである。一部の態様において、バイオリアクター内にある培養容器の体積は、約100mL~約10Lである。一部の態様において、バイオリアクター内にある培養容器の体積は、約100mL~約5Lである。一部の態様において、バイオリアクター内にある培養容器の体積は、約150mL~約1Lである。一部の態様において、バイオリアクター内にある培養容器の体積は、約1L~約1,000Lである。
本明細書において概説される時、懸濁培養物中の細胞は、好ましくは培養培地中に沈降せず、分散されている。従って、懸濁培養物は好ましくは攪拌される。連続攪拌すると、培養培地/懸濁培養物中の細胞を本質的に均一に分散することができ、iPSCなどの幹細胞が多能性を維持するのを助けることができる(実施例1および図4も参照されたい)。従って、前記細胞は、好ましくは培養培地中で本質的に均一に分散されている。
本明細書において用いられる「容器」という用語は、培養培地中に懸濁された細胞を含む懸濁培養物を保持するのに適した任意の容器に関する。容器は管状でもよい、すなわち、円柱形状を有してもよい。円柱の一方の基部は、好ましくは、本質的に重力の方を向いている。容器または円柱は平面の基部ではなく円錐の底面を有してもよい。少なくとも1つの開口部が円錐面のまさにその底面にあってもよい。このような円錐の底面がある容器はピペットチップと言われることもある。従って、本発明の容器として任意のタイプのピペットチップが想定される。
しかしながら、容器はピペットチップなどに限定されない。容器はバッグでもよい。本明細書において用いられる「バッグ」は、少なくとも1つの可撓性の管を備える、可撓性のある容器、好ましくは、プラスチックから作られた可撓性のある容器に関する。可撓性の管は懸濁培養物に沈められていてもよい。すなわち、容器がバッグの場合、容器の「底面」は、懸濁培養物の中に沈められた管の末端と関係があってもよい。管は円錐の/円錐形の末端を有してもよく、円錐の/円錐形の末端は懸濁培養物に沈められていてもよく、本明細書に記載の容器の底面に対応する。バッグの例には、Sartorius Stedim biotechから市販されており、Flexsafe(登録商標)2DまたはFlexsafe(登録商標)3Dバッグとして販売され得る、使い捨てバッグが含まれるが、これに限定されない。バッグは使い捨てバッグでもよい。
沈降した細胞を容器から分取して懸濁培養物に戻すために、容器は底面に少なくとも1つの開口部を備え、少なくとも1つの開口部を通して細胞を分取することができる。前記細胞の一部は、底面にある少なくとも1つの開口部を介して容器に移されてもよい。しかしながら、懸濁培養物の一部を容器に移すために異なる開口部が用いられることも、本発明では想定される。(密閉した)バイオリアクターが用いられる場合は、容器は、好ましくはバイオリアクターの内部にある。
懸濁培養物の一部は任意の適切な手段によって移すことができる。例えば、この移動は、吸引によって、例えば、一部を吸引して容器内に入れるわずかな陰圧を加えることによって、制御される。従って、工程(i)において、懸濁培養物の一部は吸引されて容器に入れられてもよい。
本発明の方法は、一般的に、細胞培養で培養することができるいかなる細胞にも、すなわち、付着細胞培養物にも使用することができる。好都合なことに、前記方法は懸濁培養物の培養培地の交換に用いられ、この場合、細胞と培養培地を分離することが最も重要である。これに関連して、「培養培地中に懸濁された」とは、実際に懸濁細胞であるかどうかに関係なく懸濁液中で培養された細胞を指す。従って、付着細胞が培養培地中で懸濁されるのあれば、本発明の方法は付着細胞にも使用することができる。従って、前記細胞は、懸濁液中で培養された付着細胞でもよい。
懸濁液中で培養されている、すなわち、培養容器に付着できない付着細胞は、細胞凝集物を形成することがある。本明細書において用いられる「凝集物」および「細胞凝集物」という用語は同義で用いられることがあり、複数の細胞、例えば、(人工)多能性幹細胞を指す。この場合、細胞間の結合は細胞間相互作用によって(例えば、互いとの生物学的接着によって)引き起こされる。生物学的接着は、例えば、表面タンパク質、例えば、インテグリン、免疫グロブリン、カドヘリン、セレクチン、または他の細胞接着分子によるものでもよい。例えば、細胞は懸濁液中で自発的に結合し、細胞間接着(例えば、自己集合)を形成し、それによって、凝集物を形成することがある。一部の態様において、細胞凝集物は実質的に均一でもよい(すなわち、概して、同じタイプの細胞を含有してもよい)。他の態様において、細胞凝集物は不均一でもよい(すなわち、複数のタイプの細胞を含有してもよい)。
本発明の方法は細胞凝集物に適している。細胞凝集物はサイズが異なってもよい。細胞凝集物は、約50~800μm、約150~800μm、少なくとも約800μm、少なくとも約600μm、少なくとも約500μm、少なくとも約400μm、少なくとも約300μm、少なくとも約200μm、少なくとも約150μm、約300~500μm、約150~300μm、約50~150μm、約80~100μm、約180~250μm、または約200~250μmの平均直径を有してもよい。
前記細胞は、懸濁液中で培養することができる任意の細胞、例えば、原核細胞または真核細胞でよく、一態様では真核細胞が好ましい。前記細胞は、初代細胞、組織または臓器から得られた細胞、不死化細胞、多能性幹細胞からなる群より選択されてもよく、好ましくは、前記細胞は多能性幹細胞、より好ましくは人工多能性幹細胞(iPSCs)、またはiPSCに由来する細胞である。「iPSCに由来する細胞」は、身体のあらゆる細胞タイプにもはや分化することができない、分化細胞または特定の細胞タイプに分化した細胞に関する。iPSCから異なる細胞タイプに分化するための方法は当業者に公知である。「iPSCに由来する細胞」は、心臓細胞および/もしくは組織、肝臓細胞および/もしくは組織、腎臓細胞および/もしくは組織、脳細胞および/もしくは組織、膵臓細胞および/もしくは組織、肺細胞および/もしくは組織、骨格筋細胞および/もしくは組織、胃腸細胞および/もしくは組織、ニューロン細胞および/もしくは組織、皮膚細胞および/もしくは組織、骨細胞および/もしくは組織、骨髄、脂肪細胞および/もしくは組織、結合細胞および/もしくは組織、網膜細胞および/もしくは組織、血管細胞および/もしくは組織、ストローマ細胞または心筋細胞に関するものでもよい。心臓組織を作製するための方法はWO2015/025030およびWO2015/040142から公知である。前記細胞はまた、バイオリアクター内で、バイオリアクター外でも、例えば、心筋細胞またはストローマ細胞に分化されてもよい。これらの分化細胞はまた、本発明の方法を利用してバイオリアクター内で培養されてもよい。組織または臓器から得られた細胞は、心臓細胞および/もしくは組織、肝臓細胞および/もしくは組織、腎臓細胞および/もしくは組織、脳細胞および/もしくは組織、膵臓細胞および/もしくは組織、肺細胞および/もしくは組織、骨格筋細胞および/もしくは組織、胃腸細胞および/もしくは組織、ニューロン細胞および/もしくは組織、皮膚細胞および/もしくは組織、骨細胞および/もしくは組織、骨髄、脂肪細胞および/もしくは組織、結合細胞および/もしくは組織、網膜細胞および/もしくは組織、血管細胞および/もしくは組織、ストローマ細胞または心筋細胞から得られてもよい。
前記細胞は、哺乳動物、例えば、いくつか例示を挙げてみただけでも、ヒト、イヌ、マウス、ラット、ブタ、類人猿、例えば、カニクイザルの細胞でもよい。好ましくは、前記細胞はヒト細胞である。他の好ましい細胞には、真菌細胞、例えば、酵母細胞、例えば、P.パストリス、昆虫細胞、例えば、キイロショウジョウバエS2およびヨトウガSf9細胞、細菌細胞、例えば、大腸菌、ストレプトマイセス属およびネズミチフス菌細胞、または植物細胞が含まれる。
本明細書において用いられる「多能性幹細胞」(PSC)という用語は、身体のあらゆる細胞タイプに分化することができる細胞を指す。従って、多能性幹細胞は、本質的に全ての組織または臓器に分化するユニークな機会を提供する。現在、最も利用されている多能性細胞は胚性幹細胞(ESC)または人工多能性幹細胞(iPSC)である。ヒトESC株は最初にThomsonと共同研究者によって樹立された(Thomson et al.(1998), Science 282:1145-1147)。ヒトESC研究によって、最近、身体の細胞をES様細胞にリプログラミングする新技術の開発が可能になった。山中と共同研究者らが、この技術を2006年に他に先駆けて開発した(Takahashi & Yamanaka (2006), Cell, 126:663-676)。結果として得られた人工多能性細胞(iPSC)はESCと極めて似た挙動を示し、重要なことに、身体のあらゆる細胞に分化することもできる。従って、一態様において、iPSCという用語はESCを含む。しかしながら、本発明の文脈では、これらの多能性幹細胞は、好ましくは、ヒトの生殖細胞系列遺伝子同一性の改変を伴うプロセス、または産業目的もしくは商業目的でのヒト胚の使用を伴うプロセスを用いて作製されることはない。好ましくは、多能性幹細胞は霊長類に由来し、より好ましくはヒトに由来する。
適切な人工PSCは、例えば、いくつか名前を挙げてみただけでも、NIH human embryonic stem cell registry、European Bank of Induced Pluripotent Stem Cells(EBiSC)、Stem Cell Repository of the German Center for Cardiovascular Research(DZHK)、またはATCCから入手することができる。人工多能性幹細胞はまた、商業的用途のために、例えば、米国立神経疾患・脳卒中研究所(U.S. National Institute of Neurological Disorders and Stroke)(NINDS)によって運営されており、ヒト細胞資源を広く学術研究者および産業研究者に配布しているNINDS Human Sequence and Cell Repository(https://stemcells.nindsgenetics.org)からも入手可能である。本発明において使用することができる適切な細胞株の例示の1つは、臍帯血幹細胞に由来する人工(未編集)多能性幹細胞である、細胞株TC-1133である。この細胞株は、例えば、NINDS, USAから直接入手することができる。好ましくは、TC-1133はGMPに準拠している。本発明において使用することができる、さらに例示的なiPSC細胞株には、Gibco(商標)のヒトエピソームiPSC株(注文番号A18945、Thermo Fisher Scientific)、またはATTCから入手可能なiPSC細胞株である、ATCC ACS-1004、ATCC ACS-1021、ATCC ACS-1025、ATCC ACS-1027、もしくはATCC ACS-1030が含まれるが、これに限定されない。または、リプログラミングの当業者は、公知のプロトコール、例えば、Okita et al,「A more efficient method to generate integration-free human iPS cells」 Nature Methods, Vol.8 No.5, May 2011, 409-411頁、またはLu et al 「A defined xeno-free and feeder-free culture system for the derivation, expansion and direct differentiation of transgene-free patient-specific induced pluripotent stem cells」, Biomaterials 35 (2014) 2816e2826に記載のプロトコールによって適切なiPSC株を容易に作製することができる。
前記細胞は、TC-1133、GibcoのヒトエピソームiPSC株 、ATCC ACS-1004、ATCC ACS-1021、ATCC ACS-1025、ATCC ACS-1027、ATCC ACS-1030、HEK293、HEK293T、BHK 21、CHO、NS0、Sp2/0-Ag14からなる群より選択されてもよい。
本明細書において説明されるように、本発明において用いられる(人工)多能性幹細胞は、任意の適切な細胞タイプ(例えば、幹細胞、例えば、間葉系幹細胞、もしくは上皮幹細胞、または分化細胞、例えば、線維芽細胞)および任意の適切な供給源(体液または組織)から得ることができる。このような供給源(体液または組織)の例には、いくつか名前を挙げてみただけでも、臍帯血、皮膚、歯肉、尿、血液、骨髄、臍帯の任意の区画(例えば、臍帯の羊膜またはワルトンゼリー)、臍帯-胎盤接合部、胎盤または脂肪組織が含まれる。1つの例示は、例えば、CD34に対して特異的に作られた抗体を用いた磁気細胞分離と、それに続く、Chou et al.(2011), Cell Research, 21:518-529に記載のようなリプログラミングによる臍帯血からのCD34陽性細胞の単離である。Baghbaderani et al.(2015), Stem Cell Reports, 5(4):647-659は、iPSC作製プロセスが、細胞株ND50039を作製するために医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準(good manufacturing practice)の規制に準拠している可能性があることを示す。
従って、多能性幹細胞は、好ましくは、医薬品の製造管理及び品質管理に関する基準の要件を満たしている。
本明細書において概説される本発明の方法は、工程(ii)において、懸濁細胞の沈降を必要とする。沈降に必要な時間は、細胞のサイズ、形、および質量と共に変化することがある。十分な細胞沈降に必要な時間を求めることは、当業者の知識の範囲内である。従って、本発明の方法の工程(ii)において、細胞を沈殿させる期間は、少なくとも1分、少なくとも2分、少なくとも3分、少なくとも4分、少なくとも5分、少なくとも6分、少なくとも7分、少なくとも8分、少なくとも9分、少なくとも10分、少なくとも11分、少なくとも12分、少なくとも13分、少なくとも14分、少なくとも15分、少なくとも16分、少なくとも17分、少なくとも18分、少なくとも19分、または少なくとも20分であってもよい。
「十分な沈降」とは、工程(i)において移された細胞の、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97.5%、少なくとも99%、または本質的に全ての細胞が、工程(iii)において分取されて懸濁培養物に入れられる(戻される)ことを意味する。従って、工程(i)において移された細胞の、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97.5%、少なくとも99%、または本質的に全ての細胞が、好ましくは、工程(iii)において、分取されて懸濁培養物に入れられる(戻される)。
本明細書において用いられる単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、特に文脈によってはっきり示されていない限り複数の言及を含むことに留意する。従って、例えば、「1つの試薬」についての言及は、このような異なる試薬の1つまたは複数を含み、「その試薬」についての言及は、本明細書に記載の方法の代わりに改変または使用することができる、当業者に公知の等価な工程および方法についての言及を含む。
特に定めのない限り、一連の要素の前にくる「少なくとも」という用語は、一連の要素の中にある全ての要素について言及していると理解しなければならない。当業者は、本明細書に記載の本発明の特定の態様に対する多くの均等物を認識するか、または日常的な実験にすぎない実験を用いて突き止めることができる。このような均等物は本発明に包含されることが意図される。
「および/または」という用語は、本明細書において用いられる場合は必ず、「および」、「または」、および「前記用語によってつながっている要素の全てまたは他の任意の組み合わせ」の意味を含む。
「より小さい」という用語、または同様に「より大きい」という用語は、その具体的な数字を含まない。
例えば、「20より小さい」とは、示された数より小さいことを意味する。同様に、「より大きい」、または、「を上回る」とは、示された数より大きい、または示された数を上回ることを意味する。例えば、80%より大きい、とは、示された数である80%より大きい、または示された数である80%を上回ることを意味する。
以下の本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、特に文脈によって必要とされない限り、「含む(comprise)」という単語ならびに「含む(comprises)」および「含む(comprising)」などの語尾変化は、述べられた整数もしくは工程または整数もしくは工程の集まりを含むことを意味するが、他の任意の整数もしくは工程または整数もしくは工程の集まりを排除することを意味しないことが理解される。本明細書において用いられる「含む(comprising)」という用語は、「含有する(containing)」または「含む(including)」という用語で置換されてもよく、時として、本明細書において用いられる時、「有する(having)」という用語で置換されてもよい。本明細書において用いられる時、「からなる」は、明記されていない要素、工程、または成分を排除する。
「を含む(including)」という用語は、「を含むが、これに限定されない」を意味する。「を含む」および「を含むが、これに限定されない」は同義で用いられる。
本明細書において用いられる「約(about)」、「約(approximately)」、または「本質的に」という用語は、ある特定の値または範囲の20%以内、好ましくは15%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内を意味する。これはまた、その具体的な数字も含む。すなわち、「約20」は数字20を含む。
本発明は、本明細書に記載の特定の方法論、プロトコール、材料、試薬、および物質などに限定されず、従って、変更することができると理解されるはずである。本明細書において用いられる方法論は、特定の態様を説明することだけを目的とし、本発明の範囲を限定すると意図されない。本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ定義される。
前記にあっても下記にあっても、本明細書の本文全体を通して引用された全ての刊行物(全ての特許、特許出願、科学刊行物、説明書などを含む)は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。本明細書には、先行発明に基づいて本発明がこのような開示に先行する権利がないと認められると解釈されるものは何もない。参照により組み入れられる資料が矛盾するか、または本明細書と一致しない範囲まで、本明細書は、このような資料に取って代わる。
本明細書において引用された全ての文書および特許文書の内容は、その全体が参照により組み入れられる。
本発明およびその利点をさらに深く理解することは以下の実施例から明らかであり、以下の実施例は例示のためだけに提供される。実施例は、本発明の範囲を限定すると意図されない。
材料および方法
特別の定めのない限り、実施例全体を通して以下の材料および方法を使用した。
細胞培養
・細胞: TC1133、NINDS
・播種密度: 5x105 細胞 / mL
・培養条件: 37℃、pH7.4、dO 50%、300rpm下方攪拌(downstirr)
・2日目に培地交換を開始する
材料
・ambr15 cell culture 24 Disposableバイオリアクター、低温、スパージャなし、部品番号:001-2B81
・StemMACS iPS-Brew XF、基本培地、注文番号:130-107-086
・StemMACS(商標)iPS-Brew XF 50xサプリメント;注文番号:130-107-087
・Ambr15バイオリアクター、Sartorius Stedim
・Nucleocounter NC-200タイプ 900-0201
・Cellavista Cell Imager
・フローサイトメーター: BD LSR II Special Order System
培地交換
容器沈殿:
1. 培養ステーションの攪拌を止める
2. 5分間小休止して凝集物を底部に沈殿させる
3. ピペットチップと容器底面との距離を1.4cm離して培地を吸引する
4. 新鮮な培地を添加する
5. 培養ステーションの攪拌を開始する
6. 全培地交換:66%
チップ沈殿:
1. 900μlの細胞懸濁液をピペットチップに取り込む
2. チップの中に懸濁液を残したまま5分間小休止する
3. 100μlを容器に戻す。残っている使用済み培地を捨てる
4. 800μlの新鮮な培地を容器に添加する
5. 工程1~4を6回繰り返す
6. 全培地交換:57%
実施例1:ambr15システムにおいて最大能力でiPSC培養物の培地を交換するための手段としての容器沈殿戦略およびチップ沈殿戦略の評価
本発明者らは、ambr15において24の容器の最大能力でiPSCを培養するために2種類の培地交換戦略を比較した。両戦略を並行して試験するために、容器沈殿戦略を培養ステーション1で行い、チップ沈殿戦略を培養ステーション2で行った。ambr15システムの最大能力を以下のように模倣した。活性化攪拌(860秒;反対側の培養ステーションの容器の培地交換をシミュレート)と、不活性化攪拌(881秒;同じ培養ステーションにある容器の交換をシミュレート)の繰り返しを容器設定中に含めた。この期間は、予め、経験的に決定した。チップ沈殿培地交換のそれぞれの間に2.5時間の休止を含めた。
結果
形態学
培地交換を開始する前にiPSC凝集物の形態は似ていた(図2)。培地交換後に、容器沈殿戦略の凝集物は、散らばっているか、または管の形をしており、大きかった。この観察から、凝集物が融合したことが分かる。対照的に、チップ沈殿戦略の凝集物は、丸く、小さかった。
細胞数および拡大速度
容器沈殿戦略を用いて4日間懸濁培養した後、細胞数は3.61倍に増加した。同じ期間中にチップ沈殿戦略は21.81倍の平均増加をもたらした(図3)。
多能性
チップ沈殿戦略を用いて4日間懸濁培養した後、多能性関連遺伝子(OCT4、TRA-1-60、NANOG)の発現は、高かった(90%OCT4/TRA-1-60二重陽性細胞、91%OCT4/NANOG二重陽性細胞、図4)。容器沈殿戦略を用いて培養した細胞の発現は、かなり低かった(11%OCT4/TRA-1-60二重陽性細胞、9%OCT4/NANOG二重陽性細胞、図4)。
分析
ambr15システムなどのバイオリアクターにおいて最大能力で細胞培養物、特にiPSCを培地交換するには容器沈殿戦略と比較してチップ沈殿戦略の方が適している。多能性関連マーカーの十分でない発現を考慮すると、容器沈殿戦略は、特に、24の容器の最大能力のambr15では培地交換に全く適さない可能性がある。この理由は、おそらく、攪拌なしでは、この期間中に凝集物が融合して、自発的分化が起こってしまうことである。
参考文献
Figure 2023505407000002

Claims (18)

  1. 懸濁培養物の培養培地を交換する方法であって、
    懸濁培養物が、培養培地中に懸濁された細胞を含み、
    以下:
    (i)懸濁培養物の一部を容器に移す工程であって、容器が底面に少なくとも1つの開口部を備える、工程;
    (ii)懸濁液の一部に含まれる細胞を、重力によって、容器の底面にある少なくとも1つの開口部に沈殿させる工程であって、それによって、上清を形成する、工程;
    (iii)容器の底部に沈殿した細胞を分取して懸濁培養物に入れる(戻す)工程;
    (iv)上清を捨てる工程
    を含む、方法。
  2. 好ましくは、攪拌バイオリアクター、ロッキングモーションバイオリアクター、および/またはマルチパラレルバイオリアクターである、バイオリアクター
    において行われる、請求項1記載の方法。
  3. 懸濁培養物が、連続して攪拌される;および/または
    細胞が、培養培地中で本質的に均一に分散されている、
    前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  4. 容器が、管状である;および/または
    容器が、円錐の底面を有する;および/または
    容器が、ピペットチップ、(使い捨て)バッグ、もしくは(使い捨て)バッグの円錐/円錐形部分である、
    前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  5. 工程(i)において懸濁培養物の一部が吸引されて容器に入れられる、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  6. 細胞が、真核細胞、例えば、ヒト細胞、真菌細胞、例えば、酵母細胞、例えば、P.パストリス(P.pastoris)、昆虫細胞、例えば、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)S2およびヨトウガ(Spodoptera frugiperda)Sf9細胞、細菌細胞、例えば、大腸菌(E.coli)、ストレプトマイセス属(Streptomyces)およびネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)細胞、または植物細胞である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  7. 細胞が、懸濁液中で培養された付着細胞である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  8. 細胞が、初代細胞、組織または臓器から得られた細胞、不死化細胞、多能性幹細胞からなる群より選択され、好ましくは、細胞が多能性幹細胞、より好ましくは、人工多能性幹細胞(iPSC)である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  9. 細胞が、TC-1133、GibcoのヒトエピソームiPSC株、ATCC ACS-1004、ATCC ACS-1021、ATCC ACS-1025、ATCC ACS-1027、ATCC ACS-1030、HEK293、HEK293T、BHK 21、CHO、NS0、Sp2/0-Ag14からなる群より選択される、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  10. 細胞が、ヒト細胞である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  11. 細胞が、細胞凝集物であり、細胞凝集物が、好ましくは、約50~800μm、約150~800μm、少なくとも約800μm、少なくとも約600μm、少なくとも約500μm、少なくとも約400μm、少なくとも約300μm、少なくとも約200μm、少なくとも約150μm、約300~500μm、約150~300μm、約50~150μm、約80~100μm、約180~250μm、または約200~250μmの平均直径を有する、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  12. (v)上清に等しい体積を、懸濁培養物に添加する工程
    をさらに含む、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  13. 工程(ii)において、細胞を沈殿させる期間が、少なくとも1分、少なくとも2分、少なくとも3分、少なくとも4分、少なくとも5分、少なくとも6分、少なくとも7分、少なくとも8分、少なくとも9分、少なくとも10分、少なくとも11分、少なくとも12分、少なくとも13分、少なくとも14分、少なくとも15分、少なくとも16分、少なくとも17分、少なくとも18分、少なくとも19分、または少なくとも20分である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  14. 工程(i)において移された細胞の、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97.5%、少なくとも99%、または本質的に全ての細胞が、工程(iii)において分取されて懸濁培養物に入れられる(戻される)、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  15. 細胞が、マイクロキャリア粒子上で増殖される、および/または懸濁培養物が、マイクロキャリア培養物である、請求項1~7、9~10、および12~14のいずれか一項記載の方法。
  16. 工程(ii)において、懸濁液の一部が静的に保たれ、それによって、懸濁液の一部に含まれる細胞を、重力によって、容器の底面にある少なくとも1つの開口部に沈殿させる、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  17. 工程(i)において、懸濁液の一部が、容器の底面にある少なくとも1つの開口部を通して容器に移される、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
  18. 工程(iii)において、容器の底部に沈殿した細胞が、容器の底面にある少なくとも1つの開口部を通して分取されて懸濁培養物に入れられる(戻される)、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
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