JP2023134611A - 細胞懸濁液の製造方法、及び、接着細胞の製造方法 - Google Patents

細胞懸濁液の製造方法、及び、接着細胞の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】細胞懸濁液を効率よく大量に製造する方法を提供する。また、接着細胞を効率よく大量に製造する方法を提供する。更に、有用物質含有液を効率よく大量に製造する方法、及び有用物質を効率よく大量に製造する方法を提供する。【解決手段】(A)接着細胞、マイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が0.3L以上である細胞懸濁液中で、前記接着細胞を培養すること、(B)前記(A)を経て得られた接着細胞、マイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が5L以上である細胞懸濁液中で、前記接着細胞を培養すること、及び、(C)前記(B)を経て得られた接着細胞、マイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が10L以上である細胞懸濁液中で、前記接着細胞を培養すること、を含む細胞懸濁液の製造方法を提供する。【選択図】なし

Description

本開示は、細胞懸濁液の製造方法、接着細胞の製造方法、有用物質含有液の製造方法、及び有用物質の製造方法に関する。
接着細胞は、増殖に足場を必要とする細胞である。一般的に、接着細胞の培養には、足場となる培養担体が使用される。このような接着細胞を、細胞製剤、有用物質生産等に用いる場合には、大量に増やす必要がある。Biochemical Engineering Journal, 120 (2017), pp. 49-62では、ヒト間葉系間質細胞を、培養担体としてマイクロキャリアを使用して大量に培養する方法が検討されている。
一方、細胞から分泌される物質として、エクソソーム等の細胞外小胞が知られている。国際公開第2009/105044号では、間葉系幹細胞の少なくとも1つの生物学的性質を含む粒子を、間葉系幹細胞馴化培地(MSC-CM)から単離することを含む粒子の製造方法が検討されている。
幹細胞は、増殖能及び分化能を有するため、再生医療分野への臨床応用が期待されている。臨床応用には、非常に多くの数の幹細胞が必要とされる。また、幹細胞から単離されたエクソソームは、様々な生理活性物質を含むことから、疾患の治療法及び診断法への利用が期待されている。十分な量のエクソソームを得るためには、やはり多くの数の幹細胞が必要である。しかし、幹細胞を大規模培養する技術に関しては、改善の余地があるのが現状である。
そこで、本開示は、細胞懸濁液を効率よく大量に製造する方法を提供する。また、本開示は、接着細胞を効率よく大量に製造する方法を提供する。更に、本開示は、有用物質含有液を効率よく大量に製造する方法、及び、有用物質を効率よく大量に製造する方法を提供する。
本開示には、本発明の様々な実施形態が含まれる。実施形態の例を以下に挙げる。
一実施形態は、下記(A)、(B)、及び(C)を含む、細胞懸濁液の製造方法に関する。
(A)接着細胞、マイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が0.3L以上である細胞懸濁液中で、前記接着細胞を培養すること
(B)前記(A)を経て得られた接着細胞、マイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が5L以上である細胞懸濁液中で、前記接着細胞を培養すること、及び、
(C)前記(B)を経て得られた接着細胞、マイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が10L以上である細胞懸濁液中で、前記接着細胞を培養すること
別の一実施形態は、接着細胞、新鮮なマイクロキャリア、及び培地を含有する細胞懸濁液を得て、前記細胞懸濁液を間欠撹拌すること、及び、前記間欠撹拌を経た後に、前記細胞懸濁液を連続撹拌することを含む、細胞懸濁液の製造方法に関する。
更に別の一実施形態は、上記いずれかの実施形態による製造方法により得られた細胞懸濁液を準備すること、及び、前記細胞懸濁液から接着細胞を得ることを含む、接着細胞の製造方法に関する。
更に別の一実施形態は、上記いずれかの実施形態による製造方法により得られた細胞懸濁液を準備すること、及び、前記細胞懸濁液から有用物質含有液を得ることを含む、有用物質含有液の製造方法に関する。
更に別の一実施形態は、上記いずれかの実施形態による製造方法により得られた細胞懸濁液、又は、上記実施形態による製造方法により得られた有用物質含有液を準備すること、及び、前記細胞懸濁液又は前記有用物質含有液から有用物質を得ることを含む、有用物質の製造方法に関する。
本開示により、細胞懸濁液を効率よく大量に製造する方法が提供される。また、本開示により、接着細胞を効率よく大量に製造する方法が提供される。更に、本開示により、有用物質含有液を効率よく大量に製造する方法、及び、有用物質を効率よく大量に製造する方法が提供される。
図1は、実施例における細胞懸濁液の製造方法を示す概念図である。
本発明の実施形態について説明する。本発明は以下の実施形態に限定されない。以下の実施形態は、単独で又は組み合わせて、実施することが可能である。
<細胞懸濁液の製造方法>
[工程(A)、(B)及び(C)を含む製造方法]
本開示の実施形態によれば、細胞懸濁液の製造方法は、下記(A)、(B)、及び(C)を含む。
(A)接着細胞、マイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が0.3L以上である細胞懸濁液中で、前記接着細胞を培養すること
(B)前記(A)を経て得られた接着細胞、マイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が5L以上である細胞懸濁液中で、前記接着細胞を培養すること、及び、
(C)前記(B)を経て得られた接着細胞、マイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が10L以上である細胞懸濁液中で、前記接着細胞を培養すること
本開示において、上記(A)、(B)及び(C)を、それぞれ、工程(A)、工程(B)、及び工程(C)という場合がある。ただし、「工程」には、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、当該「工程」において規定される操作が実施される限り、他の工程と明確に区別できない工程も含まれる。
工程(A)、(B)及び(C)を含む細胞懸濁液の製造方法によれば、接着細胞を容易に大量培養することが可能であり、大量培養後には、良好な生存率で、均質な細胞集団が得られる。接着細胞の大量培養では、接着細胞を足場である培養担体から剥離し、継代し、培養するという方法が用いられることがある。しかし、剥離等による接着細胞とマイクロキャリアとの分離を伴う継代の操作は、接着細胞の汚染、損傷等を引き起こす場合がある。本開示によれば、新鮮なマイクロキャリアを含む培養用の細胞懸濁液に関し、特定の体積管理をしながら工程(A)、(B)及び(C)を順に行うという簡便な方法によって、接着細胞のマイクロキャリア間の移動を促進し、接着細胞の効率よい継代培養を可能とし、接着細胞の大量培養を実現したものである。
細胞懸濁液とは、細胞を含む液体を意味し、ここでの細胞がマイクロキャリアに接着した状態又は接着していない状態のいずれであってもよい。
[接着細胞]
接着細胞として、選択された基材に対して接着性を示すことが知られている細胞であれば特に制限はなく、例えば、体細胞、幹細胞等が挙げられる。体細胞として、例えば、内皮細胞、表皮細胞、上皮細胞、心筋細胞、筋芽細胞、神経細胞、骨細胞、骨芽細胞、線維芽細胞、脂肪細胞、肝細胞、腎細胞、膵細胞、副腎細胞、歯根膜細胞、歯肉細胞、骨膜細胞、皮膚細胞、樹状細胞、マクロファージ等が挙げられる。
接着細胞は、動物由来の細胞であることが好ましく、哺乳動物由来の細胞であることがより好ましい。哺乳動物として、例えば、ヒト、サル、チンパンジー、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、ラット、マウス、モルモット、イヌ、ネコ等が挙げられる。接着細胞は、例えば、皮膚、肝臓、腎臓、筋肉、骨、血管、血液、神経組織等の組織に由来する細胞であってよい。細胞は、通常は1種を単独で培養に供するが、2種以上を組み合わせて培養に供してもよい。細胞は、組織からの初代細胞であってもよく、不死化することによって確立された細胞株であってもよい。更に、細胞は、人工的に樹立された細胞であってもよい。
一実施形態において、接着細胞は、幹細胞であってよい。幹細胞としては、間葉系幹細胞、造血系幹細胞、神経系幹細胞、骨髄幹細胞、生殖幹細胞等の体性幹細胞などを挙げることができ、間葉系幹細胞、又は骨髄間葉系幹細胞とすることができる。間葉系幹細胞とは、人体の様々な組織に存在し、骨芽細胞、軟骨細胞及び脂肪細胞等の間葉系の細胞の全て又はいくつかへの分化が可能な体性幹細胞を広義に意味する。幹細胞には、更に、人工多能性幹細胞(Induced pluripotent stem cells;iPS細胞)、胚性幹細胞(Embryonic stem cell;ES細胞)が含まれていてもよい。一実施形態において、本開示による細胞懸濁液の製造方法は、間葉系幹細胞の大量生産に適した方法である。
[マイクロキャリア]
マイクロキャリアは、接着細胞の培養において、細胞の増殖の足場となる担体である。細胞培養用の担体として知られているマイクロキャリアを使用することができる。マイクロキャリアの材質は、有機物、無機物、又はこれらの複合材料であってよく、溶解性又は不溶解性であってもよい。有機物として、例えば、ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、(メタ)アクリル系ポリマー、(メタ)アクリルアミド系ポリマー、シリコーン系ポリマー、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の合成高分子;セルロース、デキストラン、コラーゲン、ポリガラクツロン酸、ポリアルギン酸、ゼラチン等の天然高分子などが挙げられる。無機物として、例えば、ガラス、セラミック、金属、合金、金属酸化物等が挙げられる。細胞適合性の観点から、マイクロキャリアの材質は、有機物を含むことが好ましく、天然高分子を含むことがより好ましい。操作性の観点から、溶解性のマイクロキャリアであることが好ましいが、これに限定されない。本開示において「溶解性のマイクロキャリア」とは、接着していた細胞がマイクロキャリアから遊離可能となる程度まで、酵素等の手段によって分解可能なマイクロキャリアを意味する。
細胞の付着を促進する観点から、マイクロキャリアの表面には、カチオン性官能基が導入されていてもよい。カチオン性官能基として、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アミノ基等の置換又は非置換のアミノ基を含む基が挙げられる。また、細胞の付着を促進する観点から、マイクロキャリアの表面には、細胞接着性ポリマーが配置されていてもよい。細胞接着性ポリマーとしては、細胞接着性を示すポリペプチド又は多糖であってもよく、コラーゲン、ゼラチン、アルギン酸、Matrigel(商標)(BD Biosciences)、ヒアルロン酸、ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、エラスチン、ヘパラン硫酸、デキストラン、デキストラン硫酸、コンドロイチン硫酸等が挙げられる。細胞接着性ポリマーは、細胞接着性を示す部分ペプチド又はオリゴ糖であってよい。
マイクロキャリアの形状としては、例えば、球状、扁平状、円柱状、板状、角柱状等が挙げられる。マイクロキャリアは、球状マイクロキャリアを含むことが好ましい。マイクロキャリアは、内部に細孔を有する多孔質マイクロキャリアであっても、内部に細孔を有しないマイクロキャリアであってもよい。
マイクロキャリアの平均粒子径(D50)は、細胞の増殖促進の観点から、例えば50~1,000μmであり、100~500μmであることが好ましく、150~250μmであることがより好ましい。マイクロキャリアの平均粒子径は、生理食塩水又は培地中のメジアン径(D50)として測定した値とする。マイクロキャリアの平均粒子径は、レーザー回折散乱式の粒子径分布測定装置により測定することができる。
マイクロキャリアとして、新鮮なマイクロキャリア又は使用済みのマイクロキャリアを用いることができ、新鮮なマイクロキャリアを使用することが好ましい。本開示において、「新鮮なマイクロキャリア」とは、細胞培養用の担体(足場)として使用されたことがないマイクロキャリア、すなわち、未使用のマイクロキャリアを意味する。本開示において、「使用済みのマイクロキャリア」とは、細胞培養の担体として既に使用されたことがあるマイクロキャリアを意味する。
懸濁液中のマイクロキャリアの濃度は、マイクロキャリアの形状、大きさ、表面積等に基づいて適宜調整することが可能であるが、例えば、0.01~100g/L、0.5~50g/L、又は1~20g/Lとすることができる。
[培地]
培地として、本開示による製造方法では液体培地を使用する。培地は、無機塩、アミノ酸、糖、及び水を含有することが好ましい。培地は、血清、ヌクレオシド及び/又はヌクレオチド、ビタミン、ホルモン、抗生物質、増殖因子、接着因子等の任意の成分を更に含有してもよい。培地として、細胞培養用の基礎培地として知られている培地を使用することができる。
培地として、選択された細胞を培養するために用いられることが知られているものであれば特に制限なく使用することができ、例えば、DMEM(ダルベッコ改変イーグル培地)、MEM(イーグル最小必須培地)、αMEM培地(イーグル最小必須培地α改変型)、GMEM(グラスゴー最小必須培地)、IMDM(イスコフ改変ダルベッコ培地)、Ham’s F12(栄養混合物F-12ハム)、RPMI-1640(RPMI-1640培地)、McCoy’s 5A(マッコイ5A培地)、MSC growth medium 2(Promocell社製)、Prime XV XSFM(Irvine Scientific社製)及びこれらから選択される2種以上を含む混合物が挙げられる。これらの他、公知の培地を使用することが可能であり、特に幹細胞の培養に用いられることが知られている培地を使用することができる。培養に用いられる培地は、異種由来成分を含まないものとすることができる。異種由来成分を含まない培地は、動物由来の血清の代わりに、血清の代替添加物(例えばKnockout Serum Replacement(KSR)(Invitrogen社製)、Chemically-defined Lipid concentrated(Gibco社製)、Glutamax(Gibco社製)等)を含むことができる。
細胞の増殖を促進する観点から、培地は、ヌクレオシド及び/又はヌクレオチドを含有することが好ましく、ヌクレオシドを含有することがより好ましい。ヌクレオシドは、リボヌクレオシド、デオキシリボヌクレオシド、又はこれらの混合物であってよい。ヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、又はこれらの混合物であってよい。ヌクレオシド及びヌクレオチドに含まれる塩基としては、アデニン、グアニン等のプリン塩基、シトシン、チミン、ウラシル等のピリミジン塩基などが挙げられる。培地がヌクレオシド及び/又はヌクレオチドを含有する場合、培地中のこれらの濃度は、1~20mg/L、又は5~10mg/Lとすることができる。
[培養]
接着細胞を培養する条件は、細胞の種類に応じ、細胞の増殖に適した条件となるように調整すればよい。培養温度は、例えば、20~45℃とすることができ、30~40℃であることが好ましい。二酸化炭素濃度は、例えば、1~20体積%とすることができ、3~15体積%であることが好ましい。哺乳類細胞の場合には、一般に、37℃の温度、5%(v/v)の二酸化炭素濃度が用いられる。培養容器としては、例えば、フラスコ、バイオリアクター、タンク、培養バッグ等が挙げられる。
培養は、細胞懸濁液を撹拌又は振とうすることによって行うことができる。各工程において、撹拌又は振とうを停止する時間が含まれてもよい。撹拌は、間欠撹拌のみ、連続撹拌のみ、又は、間欠撹拌及び連続撹拌の組み合わせであってよい。後述する間欠撹拌及び連続撹拌の説明、態様、例、条件等を、それぞれ独立に、工程(A)、(B)及び/又は(C)に適用することができる。
培養は、培養容器内に入れられた細胞懸濁液を撹拌又は振とうし、マイクロキャリアを細胞懸濁液中に浮遊させた状態で行うことが好ましい。撹拌方法としては、後述する細胞懸濁液の体積に応じて選択される培養容器の種類、大きさ等によって適宜選択することができ、例えば、マグネチックスターラー、メカニカルスターラー、ホモミキサー、ホモジナイザー、ヴォルテックスミキサー等を用いる方法が挙げられる。振とう方法としては、例えば、振とう機を用いる方法が挙げられる。一実施形態によれば、マイクロキャリアが細胞懸濁液中に良好に分散した懸濁液を得る観点から、細胞懸濁液を撹拌することが好ましい。
マイクロキャリアを細胞懸濁液中に良好に分散させることができる撹拌速度は、培養容器の形状及び容量に依存するが、一般的に、1~50L撹拌槽バイオリアクター(Stirred Tank Bioreactor)の場合に30~200rpmとすることができ、40~100rpmであることが好ましい。マイクロキャリア又は細胞の浮遊状態に応じて培養途中で撹拌速度を変更してもよい。
[工程(A)]
工程(A)では、接着細胞、マイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が0.3L以上である細胞懸濁液中で、接着細胞を培養する。培養によって、接着細胞がマイクロキャリアに付着し、増殖し、これにより、マイクロキャリアに接着した接着細胞を含有する細胞懸濁液が得られる。すなわち、工程(A)を経て得られた接着細胞は、マイクロキャリアに接着した接着細胞の集団を含む。培養は所定時間にわたり行うことができる。前記細胞懸濁液の体積は、接着細胞を均質で且つ効率よく大量培養する観点から、例えば0.3L以上、0.5L以上、又は1L以上とすることができる。前記細胞懸濁液の体積の上限値としては、特に制限はないが、効率性及び経済性の観点から、例えば10L以下、又は5L以下とすることができる。
例えば、工程(A)では、接着細胞、新鮮なマイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が0.3L以上である細胞懸濁液を得て、接着細胞を培養する。本開示において、工程(A)において得られ、培養前の細胞懸濁液を、細胞懸濁液(A1)という場合がある。また、本開示において、工程(A)における培養後の細胞懸濁液を、細胞懸濁液(A2)という場合がある。
細胞懸濁液(A1)は、例えば、少なくとも、接着細胞、新鮮なマイクロキャリア、及び培地を混合することにより得ることができる。より具体的には、細胞懸濁液(A1)は、少なくとも、マイクロキャリアに接着していない接着細胞、新鮮なマイクロキャリア、及び新鮮な培地を混合することによって得ることができる。細胞懸濁液(A1)の体積は、接着細胞を均質で且つ効率よく大量培養する観点から、例えば0.3L以上、0.5L以上、又は1L以上とすることができる。細胞懸濁液(A1)の体積の上限値としては、特に制限はないが、効率性及び経済性の観点から、例えば10L以下、又は5L以下とすることができる。
細胞懸濁液(A1)中の接着細胞の濃度は、例えば1×10~2×10細胞/mLであり、好ましくは5×10~1×10細胞/mLであり、より好ましくは1×10~5×10細胞/mLである。細胞懸濁液(A1)中の新鮮なマイクロキャリアの濃度は、例えば0.1~50g/Lであり、好ましくは0.5~10g/Lであり、より好ましくは1~5g/Lである。
工程(A)における培養期間としては、細胞の播種密度、細胞の種類、培養条件等によって異なるが、一般に、細胞が十分に成育した状態、例えば、マイクロキャリアの細胞接着可能領域(接着細胞が接着可能な領域)を基準として、80%以上、90%以上、95%以上、又は100%コンフルエントとなるまでの期間とすることができる。本開示において、細胞接着可能領域における細胞の成育状態は、蛍光顕微鏡(キーエンス社製)にて観察することができる。具体的には、マイクロキャリア表面積を基準とするマイクロキャリア表面に接着する細胞の伸展面積の百分率(コンフルエントの程度)を求めることにより、細胞の成育状態を確認することができる。培養期間は、例えば、2~14日とすることができる。
工程(A)において、効率性の観点から、接着細胞の培養は、温度、二酸化炭素濃度等が調整された適切な培養条件下で、細胞懸濁液(A1)を撹拌することによって行うことができる。撹拌は、間欠撹拌のみ、連続撹拌のみ、又は、間欠撹拌及び連続撹拌の組み合わせであってよい。一実施形態において、工程(A)は、細胞懸濁液(A1)を間欠撹拌すること、及び、間欠撹拌を経て得られた細胞懸濁液を連続撹拌することを含む。間欠撹拌及び連続撹拌については後述する。連続撹拌の後に、間欠撹拌を行ってもよく、間欠撹拌及び連続撹拌の組み合わせを繰り返し行ってもよい。他の実施形態において、工程(A)における撹拌は、細胞懸濁液(A1)を間欠撹拌することのみからなる。
工程(A)によって得られる細胞懸濁液(A2)の体積は、0.3L以上、0.5L以上、又は1L以上とすることができる。工程(A)では、培養途中の細胞懸濁液(A1)に培地を添加すること、及び/又は、培養途中の細胞懸濁液(A1)に含まれる培地の一部又は全部を新鮮な培地に交換することができる。工程(A)の途中で、培養途中の細胞懸濁液(A1)を2以上組み合わせてもよい。場合によっては、培養途中の細胞懸濁液(A1)に、マイクロキャリアに接着していない接着細胞を加えてもよい。細胞懸濁液(A2)の体積の上限値としては、特に制限はないが、効率性及び経済性の観点から、例えば10L以下、又は5L以下とすることができる。
[工程(B)]
工程(B)では、工程(A)を経て得られた接着細胞、マイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が5L以上である細胞懸濁液中で、接着細胞を培養する。培養によって、工程(A)によって得られたマイクロキャリアに接着した接着細胞が、別のマイクロキャリア、好ましくは新鮮なマイクロキャリアに遊走して付着し、増殖し、これにより、マイクロキャリアに接着した接着細胞を含有する細胞懸濁液が得られる。すなわち、工程(B)を経て得られた接着細胞は、マイクロキャリアに接着した接着細胞の集団を含む。培養は所定時間にわたり行うことができる。前記細胞懸濁液の体積は、例えば5L以上、8L以上、又は10L以上とすることができる。前記細胞懸濁液の体積は、接着細胞を効率よく大量培養する観点から、例えば50L以下、40L以下、又は30L以下とすることができる。
例えば、工程(B)では、工程(A)を経て得られた接着細胞、新鮮なマイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が5L以上である細胞懸濁液を得て、接着細胞を培養する。本開示において、工程(B)において得られ、培養前の細胞懸濁液を、細胞懸濁液(B1)という場合がある。また、本開示において、工程(B)における培養後の細胞懸濁液を、細胞懸濁液(B2)という場合がある。
細胞懸濁液(B1)は、例えば、少なくとも、工程(A)を経て得られた接着細胞、新鮮なマイクロキャリア、及び培地を混合することによって得ることができる。より具体的には、細胞懸濁液(B1)は、少なくとも、細胞懸濁液(A2)の一部又は全部、新鮮なマイクロキャリア、及び新鮮な培地を混合することによって得ることができる。混合には、別途独立した工程(A)を実施することによって得られた2個以上の細胞懸濁液(A2)を組み合わせて使用することも可能である。この場合、細胞懸濁液(B1)は、2個以上の細胞懸濁液(A2)に由来する接着細胞を含む。
工程(B)では、工程(A)で使用し、細胞懸濁液(A1)を含む培養容器を、引き続き使用してもよいし、工程(A)で使用した培養容器とは異なる培養容器を使用してもよい。前者では、培養容器に、新鮮なマイクロキャリア及び培地を加えることで、細胞懸濁液(B1)を得ることができる。後者では、培養容器に、細胞懸濁液(A1)、新鮮なマイクロキャリア、及び培地を加えることで、細胞懸濁液(B1)を得ることができる。いずれの場合も、加える順序は特に限定されない。
細胞懸濁液(B1)の体積は、接着細胞を効率よく大量培養する観点から、例えば5L以上、8L以上、又は10L以上とすることができる。細胞懸濁液(B1)の体積は、接着細胞を効率よく大量培養する観点から、例えば50L以下、40L以下、又は30L以下とすることができる。細胞懸濁液(B1)の体積は、細胞懸濁液(A2)の体積よりも大きいことが好ましい。細胞懸濁液(B1)の体積と細胞懸濁液(A2)の体積の比([細胞懸濁液(B1)の体積]/[細胞懸濁液(A2)の体積])は、細胞懸濁液(A2)から細胞懸濁液(B1)へ効率よくスケールアップさせる観点から、例えば1.5~20であり、好ましくは2~10であり、より好ましくは3~6である。特に、細胞懸濁液(A2)の一部又は全部、新鮮なマイクロキャリア、及び新鮮な培地を混合することによって細胞懸濁液(B1)を得た場合、細胞懸濁液(A2)から細胞懸濁液(B1)へ効率よくスケールアップさせる観点から、細胞懸濁液(B1)の体積と混合に用いた細胞懸濁液(A2)の全体積の比([細胞懸濁液(B1)の体積]/[混合に用いた細胞懸濁液(A2)の全体積])は、例えば1.5~20であり、好ましくは2~10であり、より好ましくは3~8である。本開示において「スケールアップ」とは、培養環境の体積を増大させることを意味する。
細胞懸濁液(B1)中の接着細胞の濃度は、例えば1×10~2×10細胞/mLであり、好ましくは5×10~1×10細胞/mLであり、より好ましくは1×10~5×10細胞/mLである。細胞懸濁液(B1)中の新鮮なマイクロキャリアの濃度は、例えば0.1~50g/Lであり、好ましくは0.5~10g/Lであり、より好ましくは1~5g/Lである。
工程(B)における培養期間としては、細胞の播種密度、細胞の種類、培養条件等によって異なるが、一般に、細胞が十分に成育した状態、例えば、マイクロキャリアの細胞接着可能領域を基準として、80%以上、90%以上、95%以上、又は100%コンフルエントとなるまでの期間とすることができる。培養期間は、例えば、2~10日とすることができる。
工程(B)において、効率性の観点から、接着細胞の培養は、温度、二酸化炭素濃度等が調整された適切な培養条件下で、細胞懸濁液(B1)を撹拌することによって行うことができる。撹拌は、間欠撹拌のみ、連続撹拌のみ、又は、間欠撹拌及び連続撹拌の組み合わせであってよい。一実施形態において、工程(B)は、細胞懸濁液(B1)を間欠撹拌すること、及び、間欠撹拌を経て得られた細胞懸濁液を連続撹拌することを含む。間欠撹拌及び連続撹拌については後述する。連続撹拌の後に、間欠撹拌を行ってもよく、間欠撹拌及び連続撹拌の組み合わせを繰り返し行ってもよい。他の実施形態において、工程(B)における撹拌は、細胞懸濁液(B1)を間欠撹拌することのみからなる。
工程(B)によって得られる細胞懸濁液(B2)の体積は、例えば5L以上、8L以上、又は10L以上とすることができる。工程(B)で、培養途中の細胞懸濁液(B1)に、培地を添加すること、及び/又は、培養途中の細胞懸濁液(B1)に含まれる培地の一部又は全部を新鮮な培地に交換することができる。工程(B)の途中で、培養途中の細胞懸濁液(B1)を2以上組み合わせてもよい。場合によっては、培養途中の細胞懸濁液(B1)に、マイクロキャリアに接着していない接着細胞を加えてもよい。細胞懸濁液(B2)の体積の上限値は特に制限はないが、接着細胞を効率よく大量培養する観点から、例えば50L以下、40L以下、又は30L以下とすることができる。
[工程(C)]
工程(C)では、工程(B)を経て得られた接着細胞、マイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が10L以上である細胞懸濁液中で、接着細胞を培養する。培養によって、工程(B)によって得られたマイクロキャリアに接着した接着細胞が、別のマイクロキャリア、好ましくは新鮮なマイクロキャリアに遊走して付着し、増殖し、これにより、マイクロキャリアに接着した接着細胞を含有する細胞懸濁液が得られる。すなわち、工程(C)を経て得られた接着細胞は、マイクロキャリアに接着した接着細胞の集団を含む。培養は所定時間にわたり行うことができる。前記細胞懸濁液の体積は、接着細胞を効率よく大量培養する観点から、例えば10L以上、20L以上、又は30L以上とすることができる。前記細胞懸濁液の体積は、接着細胞を効率よく大量培養する観点から、例えば500L以下、300L以下、150L以下、100L以下、又は80L以下とすることができる。
例えば、工程(C)では、工程(B)を経て得られた接着細胞、新鮮なマイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が10L以上である細胞懸濁液を得て、接着細胞を培養する。本開示において、工程(C)において得られ、培養前の細胞懸濁液を、細胞懸濁液(C1)という場合がある。また、本開示において、工程(C)における培養後の細胞懸濁液を、細胞懸濁液(C2)という場合がある。
細胞懸濁液(C1)は、例えば、少なくとも、工程(B)を経て得られた接着細胞、新鮮なマイクロキャリア、及び培地を混合することによって得ることができる。より具体的には、細胞懸濁液(C1)は、少なくとも、細胞懸濁液(B2)の一部又は全部、新鮮なマイクロキャリア、及び新鮮な培地を混合することによって得ることができる。混合には、別途独立した工程(B)を実施することによって得られた2個以上の細胞懸濁液(B2)を組み合わせて使用することも可能である。この場合、細胞懸濁液(C1)は、2個以上の細胞懸濁液(B2)に由来する接着細胞を含む。
細胞懸濁液(C1)の体積は、接着細胞を効率よく大量培養する観点から、例えば10L以上、20L以上、又は30L以上とすることができる。細胞懸濁液(C1)の体積は、接着細胞を効率よく大量培養する観点から、例えば500L以下、300L以下、150L以下、100L以下、又は80L以下とすることができる。細胞懸濁液(C1)の体積は、細胞懸濁液(B2)の体積よりも大きいことが好ましい。細胞懸濁液(C1)の体積と細胞懸濁液(B2)の体積の比([細胞懸濁液(C1)の体積]/[細胞懸濁液(B2)の体積])は、細胞懸濁液(B2)から細胞懸濁液(C1)へ効率よくスケールアップさせる観点から、例えば1.5~20であり、好ましくは2~10であり、より好ましくは2~6である。特に、細胞懸濁液(B2)の一部又は全部、新鮮なマイクロキャリア、及び新鮮な培地を混合することによって細胞懸濁液(C1)を得た場合、細胞懸濁液(B2)から細胞懸濁液(C1)へ効率よくスケールアップさせる観点から、細胞懸濁液(C1)の体積と混合に用いた細胞懸濁液(B2)の全体積の比([細胞懸濁液(C1)の体積]/[混合に用いた細胞懸濁液(B2)の全体積])は、例えば1.5~10であり、好ましくは1.8~6であり、より好ましくは2~3である。
細胞懸濁液(C1)中の接着細胞の濃度は、例えば1×10~2×10細胞/mLであり、好ましくは5×10~1×10細胞/mLであり、より好ましくは1×10~5×10細胞/mLである。細胞懸濁液(C1)中の新鮮なマイクロキャリアの濃度は、例えば0.1~50g/Lであり、好ましくは0.5~10g/Lであり、より好ましくは1~5g/Lである。
工程(C)における培養期間としては、細胞の播種密度、細胞の種類、培養条件等によって異なるが、一般に、細胞が十分に成育した状態、例えば、マイクロキャリアの細胞接着可能領域を基準として、80%以上、90%以上、95%以上、又は100%コンフルエントとなるまでの期間とすることができる。培養期間は、例えば、3~20日とすることができる。
工程(C)において、効率性の観点から、接着細胞の培養は、温度、二酸化炭素濃度等が調整された適切な培養条件下で、細胞懸濁液(C1)を撹拌することによって行うことができる。撹拌は、間欠撹拌のみ、連続撹拌のみ、又は、間欠撹拌及び連続撹拌の組み合わせであってよい。一実施形態において、工程(C)は、細胞懸濁液(C1)を間欠撹拌すること、及び、間欠撹拌を経て得られた細胞懸濁液を連続撹拌することを含む。間欠撹拌及び連続撹拌については後述する。連続撹拌の後に、間欠撹拌を行ってもよく、間欠撹拌及び連続撹拌の組み合わせを繰り返し行ってもよい。他の実施形態において、工程(C)における撹拌は、細胞懸濁液(C1)を間欠撹拌することのみからなる。
工程(C)によって得られる細胞懸濁液(C2)の体積は、例えば10L以上、20L以上、又は30L以上とすることができる。工程(C)で、培養途中の細胞懸濁液(C1)に、培地を添加すること、及び/又は、培養途中の細胞懸濁液(C1)に含まれる培地の一部又は全部を新鮮な培地に交換することができる。工程(C)の途中で、培養途中の細胞懸濁液(C1)を2以上組み合わせてもよい。場合によっては、培養途中の細胞懸濁液(C1)に、マイクロキャリアに接着していない接着細胞を加えてもよい。細胞懸濁液(C2)の体積の上限値は特に制限はないが、経済性の観点から、例えば500L以下、300L以下、150L以下、100L以下、又は80L以下とすることができる。
[工程(A)、(B)及び(C)を含む製造方法の例]
本開示において、細胞懸濁液の製造方法は、工程(A)、(B)及び(C)を含む。工程(A)、(B)及び(C)を実施することにより接着細胞を含有する細胞懸濁液(例えば、細胞懸濁液(C2))が得られる。各工程において、接着細胞は継代培養される。細胞懸濁液の製造方法は、各工程をそれぞれ独立に2回以上、含んでもよい。各工程の間に、任意の工程を含んでもよい。一実施形態において、細胞懸濁液の製造方法に含まれる工程(A)、工程(B)、及び工程(C)の合計の回数は、6回以下であることが好ましく、5回以下であることがより好ましく、3回又は4回であることが更に好ましい。一実施形態において、細胞懸濁液の製造方法に含まれる「細胞懸濁液(A2)から細胞懸濁液(B1)へのスケールアップ」及び「細胞懸濁液(B2)から細胞懸濁液(C1)へのスケールアップ」の合計の回数は、5回以下であることが好ましく、4回以下であることがより好ましく、2回又は3回であることが更に好ましく、2回であることが特に好ましい。
製造方法として、例えば、1回の工程(A)、1回の工程(B)、及び1回の工程(C)を含む製造方法;別途独立した複数の工程(A)、前記で得た2個以上の細胞懸濁液(A2)を組み合わせて用いる1回の工程(B)、及び1回の工程(C)を含む製造方法(合計4回以上の工程);1回の工程(A)、1回目の工程(B)、前記で得た細胞懸濁液(B2)を用いる2回目の工程(B)、及び1回の工程(C)を含む製造方法(合計4回の工程)、等が挙げられる。
細胞懸濁液の製造方法に含まれる任意の工程として、例えば、凍結された細胞を解凍すること、細胞を洗浄すること、細胞を播種すること、マイクロキャリアを追加すること、培地又は培地に含まれる少なくとも1種の成分を細胞懸濁液に追加すること、細胞懸濁液に含まれる少なくとも一部の培地を交換すること、細胞懸濁液を静置すること、細胞とマイクロキャリアとを分離すること、工程(A)の前又は工程(C)の後に培地交換、細胞培養、又は培地交換と細胞培養とを行うことなどが挙げられる。一実施形態において、細胞懸濁液の製造方法は、マイクロキャリアから接着細胞を剥離する等のマイクロキャリアと接着細胞とを分離することを含まない。マイクロキャリアと接着細胞との分離工程を含まない場合、接着細胞の汚染、損傷等を抑え、接着細胞が持つ機能を良好に保つことができ、また、細胞培養の経済的及び時間的な効率を向上させることができる。
[間欠撹拌すること及び連続撹拌することを含む細胞懸濁液の製造方法]
本開示の別の実施形態によれば、細胞懸濁液の製造方法は、接着細胞、マイクロキャリア、及び培地を含有する細胞懸濁液を得て、前記細胞懸濁液を間欠撹拌すること、及び、前記間欠撹拌を経て得られた細胞懸濁液を連続撹拌することを含む。ここでの細胞懸濁液の例として、上記の細胞懸濁液(A1)、細胞懸濁液(B1)、細胞懸濁液(C1)等が挙げられるが、これらに限定されない。接着細胞、マイクロキャリア、及び培地等については上述のとおりである。細胞懸濁液の製造方法は、凍結された細胞を解凍すること、細胞を洗浄すること、細胞を播種すること、培地及び培地に含まれる少なくとも1種の成分を細胞懸濁液に追加すること、細胞懸濁液に含まれる少なくとも一部の培地を交換すること、細胞懸濁液を静置すること、細胞とマイクロキャリアとを分離することなど任意の工程を含んでよい。
本開示によれば、間欠撹拌と連続撹拌とを含む製造方法により、接着細胞の大量培養を実現することができる。一般的に、マイクロキャリアを用いる接着細胞の培養では、培養用の細胞懸濁液でマイクロキャリアの良好な分散状態を得るために、連続撹拌が行われる。一方、本開示では、間欠撹拌と連続撹拌とを組み合わせて行うという簡便な方法によって、マイクロキャリアの良好な懸濁状態を得ることを可能とし、接着細胞の大量培養を実現した。これを更に説明すれば、連続撹拌時及び間欠撹拌時で生じることがあるマイクロキャリアの沈殿が、接着細胞の接着量に起因するマイクロキャリアの重さのばらつき、接着細胞が接着していないマイクロキャリアの凝集などによるものと考えられる。このような沈殿を、間欠撹拌と連続撹拌とを組み合わせて行うという簡便な方法によって解消し、マイクロキャリアの良好な懸濁状態を得ることを可能とし、接着細胞の大量培養を実現したと推測できる。また、本開示では、この撹拌方式に加えて、新鮮なマイクロキャリアを培養系に加えることによって、接着細胞が、接着済みのマイクロキャリアから、接着可能面積の大きい他のマイクロキャリアに遊走して効率よく増殖する、いわゆる「bead to bead」様式の培養方法を組み合わせることによって、より大きいスケールの培養を可能にした。ただし、この理論に拘束されない。
本開示において、間欠撹拌とは、所定の時間ごとに、撹拌を行ったり、撹拌を行わなかったりすることをいう。例えば、間欠撹拌とは、所定の時間にわたり撹拌を行うことと、所定の時間にわたり撹拌を行わないこととを交互に実施することをいう。交互に実施することは、撹拌を行うことと、撹拌を行わないこととの組み合わせを、2回以上繰り返すことであってよい(「『撹拌する』とそれに続く『撹拌しない』」を組み合わせの1回と数える。)。撹拌を行う時間と、撹拌を行わない時間は、同じでも異なってもよい。また、2回以上の繰り返しにおいて、各回の間で、撹拌する時間及び/又は撹拌を行わない時間が、同じでも異なってもよい。撹拌を行わない時間は、細胞懸濁液を静置する時間であってよい。
撹拌を行う時間は、例えば0.5~60分間であり、好ましくは1~20分間、より好ましくは3~10分間である。撹拌を行わない時間は、例えば0.1~10時間であり、好ましくは0.5~6時間、より好ましくは1~3時間である。組み合わせの例として、「『0.5~60分間、撹拌する』とそれに続く『0.1~10時間、撹拌しない』」が挙げられ、「『1~20分間、撹拌する』とそれに続く『0.5~6時間、撹拌しない』」が好ましく、「『3~10分間、撹拌する』とそれに続く『1~3時間、撹拌しない』」がより好ましい。
間欠撹拌を行う時間(2回以上の「『撹拌する』とそれに続く『撹拌しない』」を行う合計の時間)は、例えば1~80時間であり、好ましくは10~40時間であり、より好ましくは20~30時間である。
間欠撹拌を経た後に行われる連続撹拌は、所定の時間にわたり続けて撹拌を行うことをいう。撹拌を行う時間は、例えば1~14日であり、好ましくは2~10日であり、より好ましくは3~7日である。細胞の培養においては、例えば、細胞懸濁液への培地の追加、培地交換などのために撹拌が一時的に停止されることがある。ここでいう一時的な停止は、通常は、細胞懸濁液を単に静置する時間ではない。前記の撹拌を行う時間は、一時的な停止前の撹拌を行う時間と、一時的な停止後の撹拌を行う時間の合計ではなくてよい。すなわち、撹拌の停止によって、撹拌を行う時間を区切って測定してもよい。
間欠撹拌と連続撹拌とは、連続して行ってもよいし、又は、間欠撹拌と連続撹拌との間に、所定の時間にわたり撹拌しないことを含めてもよい。所定の時間は、例えば0.1~24時間であり、好ましくは0.5~5時間であり、より好ましくは1~2時間である。撹拌しないことは、細胞懸濁液を静置することであってよい。連続撹拌の後に、間欠撹拌を行ってもよく、間欠撹拌及び連続撹拌の組み合わせを繰り返し行ってもよい。
間欠撹拌及び連続撹拌を含む培養時間の合計は、培養する接着細胞の種類、目的、培養の条件に応じ、適宜設定することができる。
<接着細胞の製造方法>
本開示の実施形態によれば、接着細胞の製造方法は、上記のいずれかの実施形態により得られた細胞懸濁液を準備すること、及び、前記細胞懸濁液から接着細胞を得ることを含む。接着細胞の製造方法は、任意の工程を含んでよい。前記細胞懸濁液の製造方法により得られた細胞懸濁液には、マイクロキャリアに接着した接着細胞が含まれる。
細胞懸濁液中のマイクロキャリアに接着した接着細胞を、上清の除去、遠心分離等の公知の分離方法を用いて細胞懸濁液から回収することによって、接着細胞をマイクロキャリアに接着した状態で得ることができる。その後、酵素処理等の公知の剥離方法によってマイクロキャリアから接着細胞を剥離し、回収することによって、接着細胞を得ることができる。又は、公知の溶解方法によってマイクロキャリアを溶解させ、接着細胞を回収することによって、接着細胞を得ることができる。
他の実施形態では、マイクロキャリアに接着した接着細胞を含む細胞懸濁液に、所定の酵素等を加えて、接着細胞をマイクロキャリアから剥離させ、又はマイクロキャリアを溶解させ、あるいは、これら双方をおこなって、接着細胞のみを回収可能な状態にすることができる。その後、回収可能な状態の接着細胞を、フィルタ等の公知の分離器を用いて回収することによって、接着細胞を得ることができる。
<有用物質含有液の製造方法、及び、有用物質の製造方法>
前記細胞懸濁液の製造方法により得られた細胞懸濁液には、マイクロキャリア、マイクロキャリアに接着した接着細胞、及び有用物質が含まれ得る。有用物質は、接着細胞から分泌される物質であってよく、例えば、エクソソーム、マイクロベシクル、アポトーシス小体等の細胞外小胞;サイトカイン、ホルモン、抗体等の機能性タンパク質などが挙げられる。
本開示の実施形態によれば、有用物質含有液の製造方法は、上記のいずれかの実施形態により得られた細胞懸濁液を準備すること、及び、前記細胞懸濁液から有用物質含有液を得ることを含む。有用物質含有液の製造方法は、任意の工程を更に含んでよい。
有用物質含有液の製造方法における任意の工程としては、例えば、有用物質を回収するための追加培養工程が挙げられる。追加培養工程では、上記の細胞懸濁液の製造方法により細胞内に生成された有用物質を効率よく回収するための回収用培地を用いてもよい。回収用培地としては、例えば、FBS等のエクソソームを含む添加物を含有せず、細胞の生育を維持できる培地が挙げられ、有用物質の種類、細胞の種類等により適宜選択できる。例えば、有用物質がエクソソームを含む場合には、FGF-2、インシュリン、トランスフェリン、及びセレニウムを含有するDMEM/F12等が挙げられる。
細胞懸濁液中のマイクロキャリア及び接着細胞と、有用物質とを分離して、有用物質を含有する液を回収することにより有用物質含有液を得ることができる。分離には、上清の回収、遠心分離等の公知の分離方法を使用できる。例えば、細胞懸濁液からマイクロキャリア及び接着細胞を除去することによって有用物質含有液を得ることができる。有用物質含有液は、マイクロキャリア及び接着細胞を実質的に含有しなくてよい。本明細書において、「有用物質含有液がマイクロキャリア及び細胞を実質的に含有しない」とは、例えば、有用物質含有液100mLあたり、細胞が2個以下であり、50μm以上の粒子径を有するマイクロキャリアが1個以下であることを意味する。
本開示の実施形態によれば、有用物質の製造方法は、上記のいずれかの実施形態により得られた細胞懸濁液、又は、上記の実施形態により得られた有用物質含有液を準備すること、及び、前記細胞懸濁液又は前記有用物質含有液から有用物質を得ることを含む。有用物質の製造方法は、任意の工程を更に含んでよい。
有用物質含有液中の有用物質とその他の成分とを分離して、有用物質を回収することにより有用物質を得ることができる。分離には、上清の除去、遠心分離等の公知の分離方法を使用できる。例えば、細胞懸濁液から有用物質を単離することによって有用物質を得ることができる。
一実施形態において、有用物質はエクソソームを含む。エクソソームは、脂質二重層を含む小胞である。エクソソームの直径は、例えば、50~1000nm、50~300nm、又は50~200nmである。エクソソームは、タンパク質、核酸、糖質、脂質等の様々な生理活性物質を含むことから、疾患の治療法及び診断法、医薬品、化粧品等への利用が期待されている。
エクソソームは、接着細胞が細胞懸濁液中に存在する場合、接着細胞から細胞懸濁液中に分泌される。接着細胞に由来するエクソソームとしては、上述した接着細胞から得られるものであれば特に制限はされない。例えば、国際公開第2009/105044号に記載されているエクソソームが挙げられる。
有用物質含有液を、ろ過、濃縮、又は、ろ過及び濃縮してもよい。例えば、サイズ又は分子量カットオフ値を有する膜を用いて有用物質含有液をろ過できる。あるいは、タンジェンシャルフローフィルトレーション又は限外ろ過を用いて、有用物質含有液をろ過又は濃縮できる。
有用物質含有液における有用物質は、有用物質含有液から単離して使用することができる。この場合、有用物質含有液中の有用物質は、例えば、有用物質含有液を噴霧乾燥、凍結乾燥処理等の公知の処理に供することによって、有用物質含有液から単離することができる。
有用物質含有液がエクソソーム含有液である場合、エクソソーム含有液中のエクソソームとその他の成分とを、エクソソームの性質に基づき分離することができる。エクソソームは、エクソソーム含有液から、エクソソームの性質に基づき単離することができる。
例えば、エクソソームは、分子量、大きさ、形状、組成物、又は生物活性に基づいて単離できる。具体的には、超遠心分離による沈降物の分取、密度勾配超遠心による分画の分取、サイズ排除クロマトグラフィーを用いた分取、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、CIMmultusTM EV(BIA separations製)を用いた分取、タンパク質(例えば、MagCaptureTM エクソソームアイソレーションキット PS(富士フイルム和光純薬製))を用いた捕捉による分取、抗体を用いた捕捉による分取、ポリエチレングリコール等のポリマーを用いた沈澱物の分取などが挙げられる。これらの方法は、1つあるいは複数を組み合わせて実施できる。
エクソソームの性質は、エクソソーム含有液の製造方法及びエクソソームの製造方法において、エクソソームの活性を追跡するために使用し得る。例えば、エクソソームの活性は、静的光散乱、動的光散乱、紫外可視検出器、蛍光検出器、又は示差屈折率検出器を使用して確認できる。
<実施形態の例>
以下に本発明の実施形態を挙げる。本発明の実施形態は以下に限定されない。
[1] 下記(A)、(B)、及び(C)を含む、細胞懸濁液の製造方法。
(A)接着細胞、マイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が0.3L以上である細胞懸濁液中で、前記接着細胞を培養すること
(B)前記(A)を経て得られた接着細胞、マイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が5L以上である細胞懸濁液中で、前記接着細胞を培養すること、及び、
(C)前記(B)を経て得られた接着細胞、マイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が10L以上である細胞懸濁液中で、前記接着細胞を培養すること
[2] 前記(A)が、接着細胞、新鮮なマイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が0.3L以上である細胞懸濁液を得ること、及び、前記接着細胞を培養することを含み、
前記(B)が、前記(A)を経て得られた接着細胞、新鮮なマイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が5L以上である細胞懸濁液を得ること、及び、前記接着細胞を培養することを含み、
前記(C)が、前記(B)を経て得られた接着細胞、新鮮なマイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が10L以上である細胞懸濁液を得ること、及び、前記接着細胞を培養することを含む、
上記[1]に記載の細胞懸濁液の製造方法。
[3] 前記(A)を経て得られた接着細胞、及び、前記(B)を経て得られた接着細胞が、マイクロキャリアに接着した細胞の集団を含む、上記[1]又は[2]に記載の細胞懸濁液の製造方法。
[4] 前記(B)が、少なくとも前記(A)を経て得られた接着細胞、新鮮なマイクロキャリア、及び新鮮な培地を混合して細胞懸濁液を得ることを含み、
前記(C)が、少なくとも前記(B)を経て得られた接着細胞、新鮮なマイクロキャリア、及び新鮮な培地を混合して細胞懸濁液を得ることを含む、
上記[2]又は[3]に記載の細胞懸濁液の製造方法。
[5] 前記(B)における細胞懸濁液の体積が、前記(A)における細胞懸濁液の体積よりも大きく、前記(C)における細胞懸濁液の体積が、前記(B)における細胞懸濁液の体積よりも大きい、上記[1]~[4]のいずれかに記載の細胞懸濁液の製造方法。
[6] 前記(C)における細胞懸濁液の体積が、30L以上である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の細胞懸濁液の製造方法。
[7] 前記(A)、(B)及び(C)からなる群から選択される少なくとも1つが、前記細胞懸濁液を間欠撹拌することを含む、上記[1]~[6]のいずれかに記載の細胞懸濁液の製造方法、又は、
前記(A)、(B)及び(C)からなる群から選択される少なくとも1つが、前記細胞懸濁液を間欠撹拌すること、及び、前記間欠撹拌を経て得られた細胞懸濁液を連続撹拌することを含む、上記[1]~[6]のいずれかに記載の細胞懸濁液の製造方法。
[8] 接着細胞、マイクロキャリア、及び培地を含有する細胞懸濁液を得て、前記細胞懸濁液を間欠撹拌すること、及び、前記間欠撹拌を経て得られた細胞懸濁液を連続撹拌することを含む、細胞懸濁液の製造方法。前記接着細胞、マイクロキャリア、及び培地を含有する細胞懸濁液が、上記(A)、(B)及び(C)からなる群から選択される少なくとも1つにおける細胞懸濁液であってよい。
[9] 上記[1]~[8]のいずれかに記載の製造方法により得られた細胞懸濁液を準備すること、及び、
前記細胞懸濁液から接着細胞を得ること
を含む、接着細胞の製造方法。
[10] 上記[1]~[8]のいずれかに記載の製造方法により得られた細胞懸濁液を準備すること、及び、
前記細胞懸濁液から有用物質含有液を得ること
を含む、有用物質含有液の製造方法。
[11] 上記[1]~[8]のいずれかに記載の製造方法により得られた細胞懸濁液、又は、上記[10]に記載の製造方法により得られた有用物質含有液を準備すること、及び、
前記細胞懸濁液又は前記有用物質含有液から有用物質を得ること
を含む、有用物質の製造方法。
[12] 前記有用物質が、細胞外小胞及び機能性タンパク質からなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[10]又は[11]に記載の製造方法。
本発明の実施形態について実施例により具体的に説明する。本発明の実施形態は以下の実施例に限定されない。
[実施例1 細胞懸濁液及び接着細胞の製造]
<hMSCの平面培養>
Lonza,Inc.から入手した2継代目のヒト骨髄由来の間葉系幹細胞(hMSC)を用意した。ヌクレオシド及び10体積%ウシ胎児血清(FBS)(Biological Industries社製)を含有するイーグル最小必須培地α改変型(MEM alpha,nucleosides(Gibco社製))を培地として使用した。hMSCを組織培養フラスコに3,000細胞/cmの密度で播種し、37℃及び5体積%COのインキュベーター内で7日間培養した。酵素溶液(TrypLE Select、Thermo Fisher Scientific社製)を用い、細胞をフラスコから剥離し、3継代目のhMSCを得た。3継代目のhMSCを多層細胞培養容器(10-layer Nunc EasyFill Cell Factory、Thermo Fisher Scientific社製)に3,000細胞/cmの密度で播種し、7日間培養した後、酵素処理して4継代目の細胞を得た。得られた4継代目のhMSCを液体窒素中で凍結保存した。
<hMSCの大量培養(細胞懸濁液の製造)>
以下の工程(A)、(B)及び(C)を行い、培養スケールを順次アップさせ、hMSCを大量培養した。図1に、工程(A)、(B)及び(C)を含む細胞懸濁液の製造方法の概念を示す。工程(B)及び(C)の下部の図は、マイクロキャリア間での接着細胞の遊走、いわゆるbead-to-bead cell transferの様子を表している。
なお、実施例では、新鮮なマイクロキャリアとして未使用のマイクロキャリア、すなわち、細胞接着可能領域の面積の100%に接着細胞が接着していないマイクロキャリアを使用した。Cytodex 1の細胞接着可能領域(表面積/質量)は、4,400cm/gである。
[工程(A)]
hMSCの培養には、2つの使い捨て2Lバイオリアクター(UniVessel(R)SU、Sartorius Stedim Biotech社製)を使用した。各バイオリアクターに上記と同じ培地1Lを入れ、コントローラー(BIOSTAT(R)B、Sartorius Stedim Biotech社製)を用い、温度(37°C)、pH(7.4)、及び溶存酸素濃度DO(100%)を4時間にわたり制御した。上記で凍結保存したhMSCを、37℃の水浴中で解凍し、洗浄した。各バイオリアクターに新鮮なマイクロキャリア(Cytodex 1、GE Healthcare Bio-Sciences社製)2.27g及び4継代目のhMSC 3×10細胞を接種し、細胞懸濁液を得た。得られた細胞懸濁液を間欠的に撹拌した。間欠的な撹拌の条件は、「『5分間にわたり撹拌すること』と、これに続けて行われる『25分間にわたり撹拌しないこと(静置すること)』」を1サイクルとし、これを6サイクル行うこと、とした。続いて、細胞懸濁液を一晩にわたり静置(撹拌しない)した。各バイオリアクターに新鮮な培地1Lを加え、細胞懸濁液の体積を2Lに増加させた。その後、培養1日目から8日目まで、撹拌速度を70rpmから85rpmに増加させて連続撹拌を行った。培養8日目に50体積%の培地交換を行い、9日目まで培養した。
工程(A)では、体積1Lの細胞懸濁液に対して間欠的な撹拌を3時間行い、一晩(15時間)の静置を経た後に、体積2Lの細胞懸濁液に対して連続的な撹拌を7日間行った。
[工程(B)]
50Lの培養バッグ(Flexsafe STR、Sartorius Stedim Biotech社製)をバッグホルダーにセットし、培養バッグに上記と同じ培地15Lを加えた。培地の温度、pH、及び溶存酸素濃度DOは、一晩にわたりコントロールタワー(BIOSTAT(R)STR、Sartorius Stedim Biotech社製)を用いて制御した。50L培養バッグに、培地中に新鮮なマイクロキャリア18.2gを分散させた懸濁液1Lと、上記工程(A)により得た培養9日目の細胞懸濁液4Lとを加え、体積20Lの細胞懸濁液を得た。得られた細胞懸濁液を25時間にわたり間欠的に撹拌した。間欠的な撹拌の条件は、「『5分間にわたり撹拌すること』と、これに続けて行われる『2時間にわたり撹拌しないこと(静置すること)』」を1サイクルとし、これを12サイクル行うこと、とした。次いで、細胞懸濁液を4日間にわたり連続的に撹拌した。
工程(B)では、体積20Lの細胞懸濁液に対して間欠的な撹拌を25時間行い、間欠的な撹拌に続いて連続的な撹拌を4日間行った。
[工程(C)]
その後、13日目に、培養バッグに、培地中に新鮮なマイクロキャリア34.1gを分散させた懸濁液1Lと、温められた新鮮な培地29Lとを加えた。細胞懸濁液の体積は、50Lに増加した。工程(B)と同様に、細胞懸濁液を25時間にわたり間欠的に撹拌した。次いで、細胞懸濁液を7日間にわたり連続的に撹拌し、20日目に50体積%の培地交換を行った。培地交換後、細胞懸濁液を7日間にわたり連続的に撹拌した。
工程(C)では、体積50Lの細胞懸濁液に対して間欠的な撹拌を25時間行い、間欠的な撹拌に続いて連続的な撹拌を合計して14日間行った。
[細胞密度、生存率、及び全細胞数の評価]
工程(A)~(C)において、細胞培養中の細胞懸濁液からサンプルを毎日採取した。採取したサンプルを用いて細胞密度(細胞(cells)/mL)、生存率(viability)(%)、及び全細胞数(細胞(cells))の評価を行った。評価結果を表1に示す。表中の工程(A)の欄には、合計の体積4Lの細胞懸濁液における結果を示した。「0日」の細胞密度についても、合計の体積が4Lであるとみなして算出した。
Figure 2023134611000001
各工程において細胞密度は経時的に増加し、27日目に2.9×10細胞/mLに達した。細胞の生存率は、細胞懸濁液に新鮮なマイクロキャリアを加えた後に一時的に低下したものの、全培養期間中83.7%以上に維持され、27日目では98.1%に達した。全細胞数は、6.00×10細胞から1.46×1010細胞に増加し、27日間培養中に総細胞数は243倍に増加した。
[蛍光顕微鏡法による観察]
表1中の0、9、10、13、14、及び27日目に採取したサンプルを用い、蛍光顕微鏡(キーエンス社製)にてマイクロキャリアに接着した細胞を観察した。0、10、及び14日目に採取したサンプルでは、マイクロキャリアの凝集体の形成が抑えられ、ほとんどのマイクロキャリアに細胞が接着していることが確認できた。9、13、及び27日目に採取したサンプルでは、細胞は、マイクロキャリア表面でコンフルエントまで増殖していることが確認できた。
<hMSCの回収(接着細胞の製造)>
撹拌されている27日目の細胞懸濁液から、細胞を回収するためのサンプルを培養容器内に採取した。サンプルを静置し、マイクロキャリアが沈殿した後に上清を除去し、マグネシウム及びカルシウムイオンのいずれも含まないリン酸緩衝食塩水(PBS)を用いてマイクロキャリアを2回洗浄した。酵素溶液(TrypLE Select、Thermo Fisher Scientific社製)をマイクロキャリアに加え、培養容器を小型恒温振とう培養機(バイオシェーカー、タイテック株式会社製)を用いて12分間にわたり振動させた。位相差顕微鏡(OLYMPUS社製)にて細胞がマイクロキャリアから剥離したことを確認した。剥離した細胞及びマイクロキャリアを含有する懸濁液に培地を加え、メッシュフィルター(Falcon(TM) mesh、ホールサイズ:50μm、Corning社製)を用いて、マイクロキャリアから細胞を分離し、回収した。
回収した細胞が、増殖能を有し、表面マーカー(CD73、CD90、及びCD105)を発現し、かつ、脂肪細胞、骨細胞、及び軟骨細胞への三系統分化能を維持していることを確認した。
[実施例2 有用物質含有液の製造]
<エクソソーム含有液(有用物質含有液)の製造>
培養対象となる細胞を、脂肪由来間葉系幹細胞(Lonza社製)とし、工程(C)で、体積50Lの細胞懸濁液に対して間欠的な撹拌を25時間行い、間欠的な撹拌に続いて連続的な撹拌を合計して12日間行う以外は、実施例1の工程(A)、工程(B)及び工程(C)に記載の方法を用いて、脂肪由来幹細胞を培養して、脂肪由来幹細胞系幹細胞を含有する体積50Lの細胞懸濁液を得る。
工程(C)の開始から12日目で工程(C)を終了して、培養終了後の細胞を回収した後、PBS50Lを添加して、細胞を洗浄する。PBSを除去後、10ng/mLのFGF-2(Bio Vision製)及び1×ITS(インシュリン・トランスフェリン・セレニウム:InVitria製)を含有する50LのDMEM/F12(Gibco製)を添加し、適切な回転数で撹拌しながら48時間培養し、細胞懸濁液を得る。
細胞懸濁液を、タンジェンシャルフローフィルトレーション装置(Repligen社製)を使用し、0.65μmのモジュールにて浮遊している接着細胞、マイクロキャリア、及び細胞デブリを除去し、エクソソーム含有液を得る。
<エクソソーム濃縮液(有用物質含有液)の製造>
上記で得られるエクソソーム含有液50Lから、タンジェンシャルフローフィルトレーション装置(Repligen社製)を使用し、0.2μmのモジュールにて粒子径200nm以上の粒子を除去する。次いで、分画分子量(MWCO)500kDaのモジュールを用いて、体積が50mLになるまで濃縮し、エクソソーム濃縮液を得る。
<エクソソーム精製液(有用物質含有液)の製造1>
上記で得られるエクソソーム濃縮液50mLを、超遠心機XE-90及びスウィングローターSW 41 Ti(いずれもBeckmann Coulter社製)を用い、35,000rpm、70分で遠心分離して、エクソソームを沈降させる。上清を除去後、沈降したエクソソームにPBS10mLを添加してヴォルテックスミキサーで撹拌した後、35,000rpm、70分でエクソソームを沈降させる。上清を除去後、PBS30μLを添加してピペッティングを行うことによってエクソソームを回収する。
<エクソソーム精製液(有用物質含有液)の製造2>
上記で得られるエクソソーム濃縮液50mLを、MagCaptureTM エクソソームアイソレーションキット PS(富士フイルム和光純薬社製)を用いて、キット付属のプロトコールに従ってエクソソームを精製する。
<エクソソーム精製液(有用物質含有液)の製造3>
上記で得られるエクソソーム濃縮液50mLを、クロマトグラフィーシステム FPLC AKTA pure 150(AKTA社製)及び1mL volumeモノリスカラム(BIA separations社製)を用いて精製する。移動相に50mM HEPESバッファー及び20mM NaCl水溶液(pH 7.0)を用い、プロトコールに従い前処理したモノリスカラムにエクソソームを担持させ、1時間にわたり移動相をフローしてカラムを洗浄する。洗浄後、移動相を50mM HEPESバッファー及び2.0M NaCl水溶液に変更し、1mL/分で移動相を流入させることによって、担持されたエクソソームを回収する。
<エクソソームの粒度分布及び濃度測定>
上記で精製されるエクソソーム精製液中のエクソソームの粒度分布及び濃度を、ナノ粒子トラッキング装置Zeta View(Particle Metrix社製)を用い、ソフトウェアに付属するEV測定メソッドに従い測定する。測定条件は、Sensitivityを82、Shutterを100に設定する。
これにより、エクソソームの粒度分布及び濃度を確認することができ、例えば、粒度分布(散乱光強度基準)は20~500nm、濃度は1010~1011particles/mLとの結果が得られる。
<エクソソームのタンパク質発現の評価>
上記で精製されるエクソソーム精製液20μLを使用し、DCアッセイ(Bio-Rad社製)を使用してエクソソームの全タンパク量を定量する。エクソソーム精製液のタンパク量が0.5μgとなるようにエクソソーム精製液を量り取り、4μLの4× SDS-PAGE Sample buffer(東京化成工業社製)を混合する。得られた混合液に更に蒸留水を加えて合計量が16μLとなるように調製した後、37℃で5分間加温する。続いて、混合液を、10%ポリアクリルアミドゲル(ATTO社製)にアプライし、電気泳動装置(ATTO社製)を利用し、タンパク量500ng/lane、150V、30分の条件でタンパク質を泳動分離する。泳動後、ゲル中のタンパク質を、転写装置(いずれもATTO社製)を用い、100V、15分で、フッ化ポリビニリデン(PVDF)メンブレン(ATTO社製)に転写する。メンブレンをブロッキングバッファー(ナカライテスク社製)でブロッキング後、1μg/mLの抗ヒトCD9マウスIgG、抗ヒトCD63マウスIgG、抗ヒトCD81マウスIgG抗体(いずれもコスモ・バイオ社製)と、4℃で18時間にわたりそれぞれ反応させる。反応後のメンブレンをTBSバッファーで洗浄後、0.2μg/mLのマウス-HRP抗体を室温で1時間にわたりそれぞれ反応させる。反応後のメンブレンをTBSバッファーで洗浄後、イムノスターLD(富士フイルム和光純薬社製)で発光させ、化学発光イメージングシステム(富士フイルム和光純薬社製)を用いて、CD9、CD63、及びCD81の発現をそれぞれ確認する。
これにより、エクソソームのCD9、CD63、及びCD81の発現を確認できる。また、その他の各種抗体を用いることによって、エクソソームのタンパク質発現を評価することができる。例えば、Hsp70、TSG101、tubulin等の発現を確認できる。
本願の開示は、2020年3月13日に出願された特願2020-43974号に記載の主題と関連しており、その全ての開示内容は、引用によりここに援用される。また、本明細書に記載された文献における全ての開示内容は、引用によりここに援用される。

Claims (11)

  1. 下記(A)、(B)、及び(C)を含む、細胞懸濁液の製造方法。
    (A)接着細胞、マイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が0.3L以上である細胞懸濁液中で、前記接着細胞を培養すること
    (B)前記(A)を経て得られた接着細胞、マイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が5L以上である細胞懸濁液中で、前記接着細胞を培養すること、及び、
    (C)前記(B)を経て得られた接着細胞、マイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が10L以上である細胞懸濁液中で、前記接着細胞を培養すること
  2. 前記(A)が、接着細胞、新鮮なマイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が0.3L以上である細胞懸濁液を得ること、及び、前記接着細胞を培養することを含み、
    前記(B)が、前記(A)を経て得られた接着細胞、新鮮なマイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が5L以上である細胞懸濁液を得ること、及び、前記接着細胞を培養することを含み、
    前記(C)が、前記(B)を経て得られた接着細胞、新鮮なマイクロキャリア、及び培地を含有し、体積が10L以上である細胞懸濁液を得ること、及び、前記接着細胞を培養することを含む、
    請求項1に記載の細胞懸濁液の製造方法。
  3. 前記(A)を経て得られた接着細胞、及び、前記(B)を経て得られた接着細胞が、マイクロキャリアに接着した細胞の集団を含む、請求項1又は2に記載の細胞懸濁液の製造方法。
  4. 前記(B)が、少なくとも前記(A)を経て得られた接着細胞、新鮮なマイクロキャリア、及び新鮮な培地を混合して細胞懸濁液を得ることを含み、
    前記(C)が、少なくとも前記(B)を経て得られた接着細胞、新鮮なマイクロキャリア、及び新鮮な培地を混合して細胞懸濁液を得ることを含む、
    請求項2又は3に記載の細胞懸濁液の製造方法。
  5. 前記(B)における細胞懸濁液の体積が、前記(A)における細胞懸濁液の体積よりも大きく、前記(C)における細胞懸濁液の体積が、前記(B)における細胞懸濁液の体積よりも大きい、請求項1~4のいずれかに記載の細胞懸濁液の製造方法。
  6. 前記(C)における細胞懸濁液の体積が、30L以上である、請求項1~5のいずれかに記載の細胞懸濁液の製造方法。
  7. 前記(A)、(B)及び(C)からなる群から選択される少なくとも1つが、前記細胞懸濁液を間欠撹拌することを含む、請求項1~6のいずれかに記載の細胞懸濁液の製造方法。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載の製造方法により得られた細胞懸濁液を準備すること、及び、
    前記細胞懸濁液から接着細胞を得ること
    を含む、接着細胞の製造方法。
  9. 請求項1~7のいずれかに記載の製造方法により得られた細胞懸濁液を準備すること、及び、
    前記細胞懸濁液から有用物質含有液を得ること
    を含む、有用物質含有液の製造方法。
  10. 請求項1~7のいずれかに記載の製造方法により得られた細胞懸濁液、又は、請求項9に記載の製造方法により得られた有用物質含有液を準備すること、及び、
    前記細胞懸濁液又は前記有用物質含有液から有用物質を得ること
    を含む、有用物質の製造方法。
  11. 前記有用物質が、細胞外小胞及び機能性タンパク質からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項9又は10に記載の製造方法。
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