JP2023502750A - 有機ポリヒドロキシ官能性腐食防止剤を含有する電着塗装材料 - Google Patents

有機ポリヒドロキシ官能性腐食防止剤を含有する電着塗装材料 Download PDF

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Abstract

本発明は、1種または複数種の陰極電着可能な樹脂(A);1種または複数種の架橋剤(B);および式(I)で表される1種または複数種の化合物【化1】TIFF2023502750000015.tif4782(式中、C(R1)(R2)は、C=OまたはCH2であり;R3は、HまたはOHであり;R4およびR5は、HまたはOHであり、但し、R4およびR5のうちの少なくとも一方はHであり;R6-R7は、C=CまたはHC-CHである)を含む、電着可能な塗装材料に関する。本発明のさらなる目的は、金属基材を、本発明の電着可能な塗装材料が入っている電着槽に浸漬させる工程;基材を陰極としてスイッチングする工程;電着可能な塗装材料を基材に堆積させて、塗装層を形成する工程;ならびにこのようにして形成した塗装層を乾燥および硬化させる工程を含む、金属基材を塗装する方法である。本発明のさらなる目的は、式(I)の化合物を電着塗料における腐食防止剤として使用する方法および本発明の方法に従って塗装した塗装済み基材である。

Description

本発明は、有機ポリヒドロキシ官能性腐食防止剤を含有する電着塗装材料、その電着塗装材料で基材を塗装する方法、有機ポリヒドロキシ官能性化合物を電着塗料における腐食防止剤として使用する方法、およびその電着塗装材料から得られる塗装物に関する。
自動車分野における通常の要件は、製造に使用される金属構成部品を腐食から保護しなければならないことである。達成すべき腐食防止に関する要件は、特に製造業者が錆の穿孔に対して長期間にわたる保証を付けることが多いため非常に厳しい。このような腐食防止は、通常、構成部品、またはその製造に使用される基材を、目的に適した少なくとも1種の塗料で塗装することによって達成される。
既知の塗装方法の欠点、特に自動車産業で採用されている既知の方法に影響を及ぼす欠点は、これらの方法が通常、塗装用の基材を、適切な腐食防止を確実にするために、任意の洗浄工程の後および堆積塗装工程の前に、リン酸塩処理工程においてリン酸亜鉛などの金属リン酸塩で処理するという、リン酸塩処理の前処理工程を想定していることである。この前処理は、通常、異なる加熱を伴う複数の異なる浸漬タンクにおける複数の方法工程の実施を必要とする。さらに、このような前処理の実施中に廃棄物スラッジが生じ、これは環境に負担をかけ、処分しなければならない。したがって、環境的および経済的理由から、このような前処理工程を行わずに済ますことができ、それにもかかわらず、既知の方法を使用して達成されるのと少なくとも同等の腐食防止効果を達成できることが特に望ましい。ジルコニウムをベースとする変換層に基づく最新の薄膜前処理技術は、プロセス工程の数、エネルギー消費、およびスラッジ形成に関して明らかな利点を示し、リン酸塩処理の代わりとなるが、欠陥に保護層を形成する浸出性および移動性の成分(リン酸塩様成分)によって基材を積極的に保護する活性腐食保護が欠けているため、保護性能はほとんどの場合同等ではない。
さらに、多くの場合、異なる金属組成の表面領域を含む基材のような多金属基材では十分な腐食保護が得られない。多くの場合、特に自動車の塗装では、異なる金属で構成される基材が、ワークピース、特に車体などの自動車部品に予め組み立てられ、その後、電着塗装法で塗装される。
他の場合、1種の金属または1タイプの合金のみで構成されている基材を同じ電着槽で塗装することを意図している。
特に重要なのは、電着塗装材料(すなわち電着塗料)の、その材料を塗布した基材を使用できるようにする能力であり、多種多様な金属基材、特にアルミニウム基材に腐食防止特性を付与することである。
アルミニウムの腐食は、鉄含有基材の腐食とは著しく異なる。特に、糸状腐食が、純アルミニウムまたはアルミニウム合金などのアルミニウムベースの基材でしばしば観察される。
したがって、-特に通常実施されるリン酸塩処理の前処理工程を行わずに済ませる目的で-使用される従来の塗装組成物よりも経済的および環境に優しい塗装方法を可能にし、それにもかかわらず、このような組成物に必要な腐食防止効果を達成するのに少なくとも同程度に適している電着塗装材料を用いて導電性基材を塗装するための電着可能な塗装組成物が必要とされている。
したがって、本発明の一目的は、従来技術から知られている塗装組成物よりも利点を有する、導電性基材を塗装するための塗装組成物を提供することである。本発明の一目的は、使用されている従来の塗装組成物よりも経済的および/または環境に優しい塗装方法を可能にする塗装組成物を提供することである。さらに、本発明の一目的は、従来の塗装方法よりも経済的および/または環境に優しい塗装を可能にする方法、言い換えれば、例えば、堆積塗装の前でさえも金属リン酸塩によって通常実施しなければならないリン酸塩処理を行わずに済ませることが可能になり、それにもかかわらず、通常の方法と比較して少なくとも同じ、より具体的には強化された腐食防止効果を達成することを可能にする方法を提供することである。
特に、アルミニウムベース基材を腐食から保護すべきであるが、塗装材料はまた、様々な種類の鋼など、他の金属基材に対する耐食性を利用するのにも適するべきである。
既知の技術では、このような電着塗料における架橋効率を高めるために腐食防止顔料または特定の有機金属もしくは金属含有触媒をしばしば使用するが、本発明の目的は、特定のポリヒドロキシ官能性有機化合物、さらには自然界に存在し、ひいては環境的に問題のない化合物を添加することによって、電着可能な塗装材料により優れた腐食防止特性を達成することであった。
一方、電着可能な塗装組成物ではないが、モノガロイルエラグ酸のケルセチン誘導体を含有する、鋼用の処理組成物がEP0298150A1から知られている。しかし、このような組成物は、架橋性結合剤および架橋剤を含有せず、かなりの量のリン酸およびリン酸亜鉛を含有し、リン酸およびリン酸亜鉛は両方とも腐食防止化合物として作用することが知られているが、電着塗料における望ましくない不純物としても知られている。
DE19623274A1およびEP3156522A1から、様々な有機物、特にフラボノイド化合物およびその配糖体を含有するスズ電気めっき槽が知られている。しかし、塗装材料の電着以外では、電気めっきはスズめっき膜の形成をまねき、有機結合剤はその後堆積および架橋されない。
US6,235,348B1は、防錆組成物、特に、基体上に形成されたZn系金属塗装物が錆びることを防止する方法を開示している。ケイ酸化合物および芳香族アミン系縮合生成物を含む第1の塗装膜上に、リン酸化合物、有機化合物、有機ポリマーを含有する第2の塗装膜を形成し、この有機化合物はとりわけケルセチンであり得る。しかし、この第2の塗装組成物は、陰極電着可能な架橋性樹脂および架橋剤を含まない。
さらに、特に好ましくは、電着可能な塗装組成物は、リン酸またはその塩を含有すべきではない。
Ulaetoらは、表題「Smart nanocontainer-based anticorrosive bio-coatings:Evaluation of quercetin for corrosion protection of aluminum alloys」(Progress in Organic Coatings、136(2019)105276)の科学論文においてメソポーラスシリカナノコンテナへのケルセチンのカプセル封入、および室温硬化性の非水性無溶媒2成分塗装組成物におけるその使用について提案している。カプセル封入されたケルセチンは、pH値が約10まで上昇することで生じる腐食事象が起きるまで、ナノコンテナ内に留まることが教示されている。しかし、陰極電着プロセス中に水性酸性電着塗装材料のpH変化が基材表面(陰極)で起こり、局所pH値が約12になることが当業者に知られているため、このようなケルセチン充填メソポーラスシリカナノコンテナの使用は、陰極電着可能な樹脂を含有する電着可能な塗装組成物には適さない(例えば、Goldschmidt&Streitberger「BASF Handbook on Basics of Coating Technology」、2003年、Vincentz Network、ハノーバー、ドイツ、481頁を参照)。このような条件下では、任意の乾燥および硬化の工程を実行することができる前でさえ、ナノコンテナが空になり、ケルセチンが放出されてしまうため、Ulaetoらの教示を利用することが妨げられる。さらに、Uleatoらは、有機腐食防止剤、すなわち、ナノカプセル封入されていない有機腐食防止剤の直接添加が、ほとんどの場合、防止剤分子の望ましくない浸出およびその後の塗料マトリックスとの反応をもたらすと教示している。言い換えれば、硬化工程において腐食防止剤に対して反応性を示す塗装材料に、事前にナノカプセル封入せずに有機腐食防止剤を使用することは、典型的には、このような腐食防止剤の望ましくない不活性化をもたらすことになる。
EP0298150A1 DE19623274A1 EP3156522A1 US6,235,348B1
「Smart nanocontainer-based anticorrosive bio-coatings:Evaluation of quercetin for corrosion protection of aluminum alloys」(Progress in Organic Coatings、136(2019)105276) Goldschmidt&Streitberger「BASF Handbook on Basics of Coating Technology」、2003年、Vincentz Network、ハノーバー、ドイツ、481頁
本発明の目的は、前述の欠点を克服し、リン酸塩処理のような化成被覆などの前処理なしでも、かつメソポーラスシリカナノコンテナへの組込みなど、腐食防止剤のカプセル封入なしでも、様々な金属基材および多金属基材、特にアルミニウムを含む基材に腐食保護をもたらすのに適する電着可能な塗装材料を提供することであった。
本発明が解決しようとする問題は、
i.1種または複数種の陰極電着可能な樹脂(A);
ii.1種または複数種の架橋剤(B);および
iii.式(I)で表される1種または複数種の化合物(C)
Figure 2023502750000002
(式中、
C(R)(R)は、C=OまたはCHであり;
は、HまたはOHであり;
およびRは、HまたはOHであり、但し、RおよびRのうちの少なくとも一方はHであり;
-Rは、C=CまたはHC-CHである)
を含む、電着可能な塗装材料を提供することによって解決された。
本発明のさらなる目的は、
a.金属基材を、本発明の電着可能な塗装材料が入っている電着槽に浸漬させる工程;
b.基材を陰極としてスイッチングする工程;
c.電着可能な塗装材料を基材に堆積させて、塗装層を形成する工程;
d.塗装済み基材を噴霧洗浄または浸漬洗浄する工程;ならびに
e.このようにして形成した塗装層を乾燥および硬化させる工程
を含む、金属基材を塗装する方法である。
本発明のさらに別の一目的は、式(I)で表される1種または複数種の化合物(C)
Figure 2023502750000003
(式中、
C(R)(R)は、C=OまたはCHであり;
は、HまたはOHであり;
およびRは、HまたはOHであり、但し、RおよびRのうちの少なくとも一方は、Hであり;
-Rは、C=CまたはHC-CHである)
を電着塗装材料における腐食防止剤として使用する方法である。
本発明のさらなる一目的は、本発明の方法に従って得られる塗料および塗装された基材である。
本発明のさらなる一目的は、金属基材上の第1の塗装層が本発明の方法に従って形成される、多層塗装された金属基材である。
電着可能な塗装組成物
本発明の電着可能な塗装組成物は、少なくとも1種の陰極電着可能な樹脂(A)、架橋剤(B)、および式(I)の化合物(C)を含む。それぞれの成分およびさらなる構成成分をより詳細に以下に説明する。電着プロセス中のpH値の変化は基材陰極における水と電子との反応を強制的に伴い、したがって、水酸化物イオンおよび水素が生成されるため、電着可能な塗装組成物は、本質的に水性塗装組成物(すなわち、水系塗装組成物)である。
本発明の電着可能な塗装組成物は少なくとも1種の陰極電着可能な樹脂(A)を含むことから、電着可能な塗装組成物はいわゆる陰極電着可能な塗装組成物であり、塗装プロセスはいわゆる陰極電着塗装プロセスである。
また、陰極電着可能な樹脂(A)と架橋剤(B)との間に早期硬化が起こらないことも電着プロセスに固有のものである。したがって、このような組成物は、40℃までの温度など、典型的な塗装槽温度では硬化しないが、例えば≧80℃、より好ましくは≧110℃、非常に好ましくは≧130℃、特に好ましくは≧140℃、例えば、90℃~300℃、好ましくは100~250℃、より好ましくは125~250℃、最も好ましくは150~200℃などのより高温でのみ硬化する。
陰極電着可能な樹脂(A)
電着塗装材料は、一般に、架橋剤(B)と反応する官能基を含む陰極電着可能な樹脂(A)を含む。架橋剤と反応する官能基は、好ましくはヒドロキシル基である。したがって、陰極電着可能な樹脂(A)は、好ましくは、ヒドロキシル基を含有する陰極電着可能な樹脂(A)である。
このような樹脂には、種々なものが知られており、限定するものではないが、エポキシ-アミン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、およびポリアクリレート樹脂などのビニル樹脂、およびポリブタジエン樹脂が挙げられる。自動車用途を含めた多くの電着塗装用途は、典型的には、陰極電着可能である、すなわち、プロトン化された塩基性基(例えば、第一級、第二級、もしくは第三級アミン基)または第四級基(例えば、アンモニウム基)を有する電着可能な樹脂を使用する。陰極電着塗装プロセスでは、塗装される物品は陰極である。
エポキシ-アミン系の電着可能な樹脂
好ましい一実施形態では、樹脂は、アミン基を有するエポキシ樹脂である。アミノ-エポキシ樹脂(エポキシ-アミン樹脂とも呼ばれる)は、1種または複数種の多官能性、好ましくは二官能性の延長剤化合物および1種または複数種のアミン化合物と反応させることができる、複数のエポキシド基を有する樹脂から製造することができる。エポキシ-アミン樹脂は、アミン基の他にヒドロキシル基も含む。ヒドロキシル基は、典型的には、アミン化合物と、複数のエポキシド基を有する樹脂のエポキシド基とのエポキシ開環反応によって形成される。ヒドロキシル基は、架橋剤(B)と反応する官能基として機能する。
複数のエポキシ基を有する樹脂の非限定的な例として、多価フェノールのジグリシジルエーテルなどのジグリシジル芳香族化合物、例えば、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-プロパン、4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシアセトフェノン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニレン)エタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)イソブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-tert-ブチルフェニル)プロパン、1,4-ビス(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン、2-メチル-1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス-(2-ヒドロキシナフチル)メタン、1,5-ジヒドロキシ-3-ナフタレン、および他のジヒドロキシナフチレンなど、カテコール、レゾルシノール、ならびに同類のもの、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびビスフェノールA系樹脂が挙げられる。また、脂肪族ジオールのジグリシジルエーテルも適切であり、それには、1,4-ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ(テトラヒドロフラン)、1,3-プロパンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンなどのジグリシジルエーテルが挙げられる。
ジカルボン酸のジグリシジルエステルもポリエポキシドとして使用することができる。化合物の具体例としては、シュウ酸、シクロヘキサン二酢酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などのジグリシジルエステルが挙げられる。
ポリグリシジル反応物は、好ましくは少量でジエポキシド反応物と組み合わせて使用することができる。
ノボラックエポキシは、ポリエポキシド官能性反応物として使用することができる。ノボラックエポキシ樹脂は、エポキシフェノールノボラック樹脂またはエポキシクレゾールノボラック樹脂から選択することができる。
他の適切な高級官能性ポリエポキシドは、トリオールおよびより高級なポリオールのグリシジルエーテルおよびエステル、例えば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、2,6-ビス(ヒドロキシメチル)-p-クレゾール、およびグリセロールのトリグリシジルエーテル;トリカルボン酸またはポリカルボン酸などである。
さらに、ポリエポキシドとして有用なのは、エポキシ化アルケン、例えばシクロヘキセンオキシドなど、ならびにエポキシ化脂肪酸および脂肪酸誘導体、例えばエポキシ化ダイズ油などである。
他の有用なポリエポキシドとしては、限定するものではないが、ポリエポキシドポリマー、例えば、アクリル、ポリエステル、ポリエーテル、およびエポキシの樹脂およびポリマーなど、ならびにエポキシ変性ポリブタジエン、ポリイソプレン、アクリロブタジエンニトリルコポリマー、または複数のエポキシド基を有する他のエポキシ変性ゴムベースのポリマーが挙げられる。
また、膜特性を向上させるために、過剰当量のエポキシド基を、ポリオール、ポリアミン、またはポリカルボン酸などの変性材料と反応させることによってエポキシ樹脂を延長させることも有利である可能性がある。適切な延長剤化合物の非限定的な例としては、ポリカルボン酸、ポリオール、ポリフェノール、および2個以上のアミノ水素を有するアミン、特に、ジカルボン酸、ジオール、ジフェノール、およびジアミンが挙げられる。適切な延長剤の非限定的な例としては、ジフェノール、ジオール、および二酸、ポリカプロラクトンジオール、およびエトキシ化ビスフェノールA樹脂、例えば、BASF Corporationから商標MACOL(登録商標)で入手可能なものなどが挙げられる。他の適切な延長剤としては、限定するものではないが、カルボキシまたはアミン官能性のアクリル、ポリエステル、ポリエーテル、およびエポキシの樹脂およびポリマーが挙げられる。さらに別の適切な延長剤としては、限定するものではないが、ポリアミン類、例えば、ジアミン類、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノブチルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノブチルアミン、ジプロピルアミンなど、およびピペリジン類、例えば、1-(2-アミノエチル)ピペラジンなど、ポリアルキレンポリアミン類、例えば、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、トリプロピレンテトラミン、テトラプロピレンペンタミン、ペンタプロピレンヘキサミン、N,N’-ビス(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、N-(2-ヒドロキシエチル)プロパン-1,3-ジアミンなど、およびポリオキシアルキレンアミン類、例えば、BASF AGから商標POLYAMIN(登録商標)で入手可能なものまたはHuntsmanから商標JEFFAMINE(登録商標)で入手可能なものなどが挙げられる。ポリエポキシドと延長剤との反応の生成物は、過剰当量のポリエポキシドが反応した場合にはエポキシド官能性となり、または過剰当量の延長剤が使用された場合には延長剤の官能性を有することになる。任意に、単官能性反応物を、ポリエポキシド樹脂および延長剤と反応させて、またはポリエポキシドとの反応後に延長剤と反応させて、エポキシ樹脂を製造してもよい。適切な単官能性反応物の非限定的な例としては、フェノール、アルキルフェノール類、例えば、ノニルフェノールおよびドデシルフェノールなど、他の単官能性エポキシド反応性化合物、例えば、ジメチルエタノールアミンなど、およびモノエポキシド類、例えば、フェノールのグリシジルエーテル、ノニルフェノールのグリシジルエーテル、またはクレゾールのグリシジルエーテルなど、および二量体脂肪酸が挙げられる。
ポリエポキシド樹脂と延長剤および任意の単官能性反応物との反応、ならびに樹脂のエポキシド基と三座アミン配位子を有する化合物の脂肪族アミン基との反応に有用な触媒としては、オキシラン環を活性化する任意のもの、例えば、第三級アミンまたは第四級アンモニウム塩(例えば、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノシクロヘキサン、トリエチルアミン、N-メチルイミダゾール、テトラメチルアンモニウムブロミド、およびテトラブチルアンモニウムヒドロキシド)、スズおよび/またはリン錯塩(例えば、(CHSnI、(CHPI、トリフェニルホスフィン、エチルトリフェニルホスホニウムヨージド、テトラブチルホスホニウムヨージド)などが挙げられる。いくつかの反応物では第三級アミン触媒が好ましい可能性があることが当技術分野で知られている。反応は、溶媒中または溶媒なしで約100℃~約350℃、好ましくは約160℃~約250℃の温度で実施することができる。適切な溶媒としては、限定するものではないが、不活性有機溶媒、例えば、メチルイソブチルケトンおよびメチルアミルケトンをはじめとするケトンなど、芳香族溶媒、例えば、トルエン、キシレン、Aromatic100、およびAromatic150など、ならびにエステル、例えば、酢酸ブチル、酢酸n-プロピル、酢酸ヘキシルなどが挙げられる。
アミノ基は、ポリフェノールのポリグリシジルエーテルをアミンまたはポリアミンと反応させることによって、例えば、ポリエポキシド樹脂を、第三級アミン基を有する延長剤と反応させることによって、またはアミン基を有する単官能性反応物と反応させることによって組み込むことができる。使用することができるアミン基を有する延長剤および単官能性反応物の適切な非限定的な例としては、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジブタノールアミン、ジイソブタノールアミン、ジグリコールアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、N-アミノエチルピペラジン、アミノプロピルモルホリン、テトラメチルジプロピレントリアミン、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジブチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジメチルアミノブチルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノブチルアミン、ジプロピルアミン、メチルブチルアミン、メチルエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、アミノプロピルモノメチルエタノールアミン、ポリオキシアルキレンアミン、およびケチミンを形成することによって保護されている第一級アミン基を有する化合物が挙げられる。第四級アンモニウム基を組み込むことができ、例えば、第三級アミンを酸で塩類化し、次いで、水素を、例えば、エポキシド基を有する化合物と反応させて、アンモニウム基を生成させることによって、第三級アミンから形成される。
いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂上のエポキシド基は、第二級アミン基および少なくとも1種の潜在的な第一級アミンを含む化合物と反応する。潜在的な第一級アミン基は、好ましくはケチミン基である。樹脂を乳化すると、第一級アミンが再生成される。
エポキシ変性ノボラックは、結合剤中の樹脂として使用することができる。エポキシ-ノボラック樹脂は、エポキシ樹脂について前述したのと同じ方法でキャッピングすることができる。
本発明における樹脂として、ポリブタジエン、ポリイソプレン、または他のエポキシ変性ゴムベースのポリマーを使用することができる。エポキシゴムは、塩化可能なアミン基を含む化合物でキャッピングすることができる。
他の電着可能な樹脂
カチオン性ポリウレタンおよびカチオン性ポリエステルも、陰極電着可能な樹脂(A)として使用することができる。このような材料は、例えば、アミノアルコールで末端キャッピングすることによって製造することができ、または、ポリウレタンの場合には、前述の塩化可能なアミン基を含む同じ化合物も有用であり得る。カチオン性ポリウレタンおよびカチオン性ポリエステルは、好ましくは、架橋剤(B)と反応する官能基としてヒドロキシル基を含む。
カチオン性アクリル樹脂も使用することができる。アクリルポリマーは、N’-ジメチルアミノエチルメタクリレート、tert-ブチルアミノエチルメタクリレート、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、ビニルピロリジン、または他のアミノモノマーなどのアミノ含有モノマーを組み込むことによって陰極堆積可能にすることができる。あるいは、エポキシ基は、重合反応にエポキシ官能性モノマーを含めることによって組み込むことができる。このようなエポキシ官能性アクリルポリマーは、エポキシ-アミン樹脂について前述した方法に従って、エポキシ基をアミンと反応させることによって陰極にすることができる。重合はまた、ヒドロキシル官能性モノマーを含んでいてもよい。有用なヒドロキシル官能性エチレン性不飽和モノマーとしては、限定するものではないが、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、メタクリル酸とスチレンオキシドとの反応生成物などが挙げられる。好ましいヒドロキシルモノマーは、化合物のヒドロキシルを有するアルコール部分が直鎖状または分岐状ヒドロキシアルキル部分であるメタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルである。
ヒドロキシル基を有するモノマーおよび塩形成可能な基を有するモノマー(カチオン性基の場合はアミン、またはアニオン性基の場合は酸もしくは無水物)は、1種または複数種の他のエチレン性不飽和モノマーと重合することができる。このような共重合用モノマーは、当技術分野で既知である。例示的な例としては、限定するものではないが、アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル、例えば、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸t-ブチル、メタクリル酸t-ブチル、アクリル酸アミル、メタクリル酸アミル、アクリル酸イソアミル、メタクリル酸イソアミル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸イソデシル、メタクリル酸イソデシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸置換シクロヘキシル、メタクリル酸置換シクロヘキシル、アクリル酸3,5,5-トリメチルヘキシル、メタクリル酸3,5,5-トリメチルヘキシル、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ビニル酢酸、およびイタコン酸の対応エステルなど;ならびにビニルモノマー、例えば、スチレン、t-ブチルスチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエンなどが挙げられる。他の有用な重合性コモノマーとしては、例えば、アクリル酸アルコキシエチルおよびメタクリル酸アルコキシエチル、アクリル酸アクリロキシおよびメタクリル酸アクリロキシ、ならびにアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクロレイン、およびメタクロレインなどの化合物が挙げられる。通常、これらの組合せが使用される。
樹脂は、塩形成可能な化合物の存在下で水中で乳化することができる。樹脂がアミン基などの塩基性基を有する場合、樹脂は酸で塩化される。通常、主樹脂および架橋剤は、樹脂を水中に分散させる前に一緒にブレンドされる。潜在的カチオン性基に適する中和剤の例は、有機酸および無機酸、例えば、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸、乳酸、ジメチロールプロピオン酸、クエン酸、またはスルホン酸、例えば、アミドスルホン酸、およびメタンスルホン酸などのアルカンスルホン酸などであり、例えば、より特に、ギ酸、酢酸、または乳酸である。酸は、主樹脂のアミン基を十分に中和して樹脂に水分散性を付与するのに十分な量で使用される。樹脂は完全に中和されていてもよいが、必要な水分散性を付与するには、通常、部分的な中和で十分である。「部分的中和」とは、樹脂上の塩形成可能な基のすべてよりは少ないが少なくとも1個が中和されていることを意味する。樹脂が少なくとも部分的に中和されていると言うことは、樹脂上の塩形成可能な基の少なくとも1個が中和されており、そのような基のすべてまでが中和されていてもよいことを意味する。各樹脂に必要な水分散性を与えるために必要とされる中和の程度は、その化学組成、分子量、および他のそのような要因に依存し、当業者なら簡単な実験を通じて容易に決定することができる。
架橋剤(B)
電着可能な塗装材料は、少なくとも1種の陰極電着可能な樹脂(A)の他に、樹脂(A)の反応性官能基との架橋反応を可能にする少なくとも1種の架橋剤(B)を含む。陰極電着可能な樹脂(A)の反応性官能基が最も好ましくはヒドロキシル基であるため、架橋剤(B)は、好ましくは、ヒドロキシル基と反応する基、例えば最も好ましくはブロック化ポリイソシアネートなどを含有する。
フェノール樹脂、多官能性マンニッヒ塩基、メラミン樹脂およびベンゾグアナミン樹脂などのアミノプラスト樹脂、ならびに特に好ましくはブロック化ポリイソシアネートなど、当業者に既知の慣習的なすべての架橋剤(B)を使用することができる。
利用することができるブロック化ポリイソシアネートは、例えば、ジイソシアネートなどの任意のポリイソシアネートであり、ここでは、イソシアネート基は化合物と反応しており、したがって、形成されたブロック化ポリイソシアネートは、特にヒドロキシルおよびアミノ基、例えば第一級および/または第二級アミノ基などに対して、室温、すなわち23℃の温度では安定であるが、例えば≧80℃、より好ましくは≧110℃、非常に好ましくは≧130℃、特に好ましくは≧140℃、または90℃~300℃、または100~250℃、より好ましくは125~250℃、非常に好ましくは150~200℃のような高温では反応する。
ブロック化ポリイソシアネートの製造において、架橋に適している任意の望ましい有機ポリイソシアネートを使用することが可能である。使用するイソシアネートは、好ましくは、(ヘテロ)脂肪族、(ヘテロ)環状脂肪族、(ヘテロ)芳香族、または(ヘテロ)脂肪族-(ヘテロ)芳香族イソシアネートである。好ましいのは、2~36個、より特には6~15個の炭素原子を含有するジイソシアネートである。好ましい例は、1,2-エチレンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4(2,4,4)-トリメチル-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,9-ジイソシアナト-5-メチルノナン、1,8-ジイソシアナト-2,4-ジメチルオクタン、1,12-ドデカンジイソシアネート、ω,ω’-ジイソシアナトジプロピルエーテル、シクロブテン1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン1,3-および1,4-ジイソシアネート、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、 IPDI)、1,4-ジイソシアナトメチル-2,3,5,6-テトラメチルシクロヘキサン、デカヒドロ-8-メチル-1,4-メタノナフタレン-2(または3),5-イレンジメチレンジイソシアネート、ヘキサヒドロ-4,7-メタノ-インダン-1(または2),5(または6)-イレンジメチレンジイソシアネート、ヘキサヒドロ-4,7-メタノインダン-1(または2),5(または6)-イレンジイソシアネート、2,4-および/または2,6-ヘキサヒドロトリレンジイソシアネート(H6-TDI)、2,4-および/または2,6-トリレンジイソシアネート(TDI)、ペルヒドロ-2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ペルヒドロ-4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)、4,4’-ジイソシアナト-3,3’,5,5’-テトラメチルジシクロヘキシルメタン、4,4’-ジイソシアナト-2,2’,3,3’,5,5’,6,6’-オクタメチルジシクロヘキシルメタン、ω,ω’-ジイソシアナト-1,4-ジエチルベンゼン、1,4-ジイソシアナトメチル-2,3,5,6-テトラメチル-ベンゼン、2-メチル-1,5-ジイソシアナトペンタン(MPDI)、2-エチル-1,4-ジイソシアナトブタン、1,10-ジイソシアナトデカン、1,5-ジイソシアナトヘキサン、1,3-ジイソシアナトメチル-シクロヘキサン、1,4-ジイソシアナトメチルシクロヘキサン、2,5(2,6)-ビス(イソシアナトメチル)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(NBDI)、ならびにまたこれらの化合物の任意の混合物である。
特に好ましいのは、前述のジイソシアネートの三量体またはより高級なオリゴマーなど、より高級なイソシアネート官能性のポリイソシアネートである。好ましくは、ポリイソシアネートは、3個以上のジイソシアネートの反応によって得られ、イソシアヌレート基、イミノオキサジアジンジオン基、ウレトジオン基、ビウレット基、アロファネート基、ウレタン基、およびウレア基から選択される1種または複数種の基を含む。
さらに、ポリイソシアネートの混合物も利用することができる。本発明の架橋剤(B)として企図する有機ポリイソシアネートはまた、例えば、ポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールを含めたポリオールに由来するプレポリマーでよい。
ブロック化ジイソシアネートまたはブロック化ポリイソシアネートの合成では、上記のジイソシアネートまたはポリイソシアネートのイソシアネート基は、ブロッキング剤と反応して、「ブロック化イソシアネート」基になる。
ブロック化ポリイソシアネートを製造するためのブロッキング剤は、例えば、以下の通りである
i.フェノール類、ピリジノール類、チオフェノール類、およびメルカプトピリジン類、好ましくは、フェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、クロロフェノール、エチルフェノール、t-ブチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸、この酸のエステル、2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシトルエン、チオフェノール、メチルチオフェノール、およびエチルチオフェノールからなる群から選択されるもの;
ii.アルコール類およびメルカプタン類、アルコール類は、好ましくは、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノール、n-アミルアルコール、t-アミルアルコール、ラウリルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシメタノール、2-(ヒドロキシエトキシ)フェノール、2-(ヒドロキシプロポキシ)フェノール、グリコール酸、グリコール酸エステル、乳酸、乳酸エステル、メチロール尿素、メチロールメラミン、ジアセトンアルコール、エチレンクロロヒドリン、エチレンブロモヒドリン、1,3-ジクロロ-2-プロパノール、1,4-シクロヘキシルジメタノール、またはアセトシアノヒドリンからなる群から選択されるもの、メルカプタン類は、好ましくは、ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t-ブチルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタンからなる群から選択されるもの;
iii.オキシム類、好ましくは、テトラメチルシクロブタンジオンのケトキシム、メチルn-アミルケトキシム、メチルイソアミルケトキシム、メチル3-エチルヘプチルケトキシム、メチル2,4-ジメチルペンチルケトキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム、メチルイソプロピルケトキシム、メチルイソブチルケトキシム、ジイソブチルケトキシム、メチルt-ブチルケトキシム、ジイソプロピルケトキシム、および2,2,6,6-テトラメチルシクロヘキサンオンのケトキシムからなる群のケトキシム類;または、好ましくは、ホルムアルドキシム、アセトアルドキシムからなる群からのアルドキシム類;
iv.アミド類、環状アミド類、およびイミド類、好ましくは、ラクタム類、例えば、ε-カプロラクタム、δ-バレロラクタム、γ-ブチロラクタム、またはβ-プロピオラクタムなど;酸アミド類、例えば、アセトアニリド、アセトアニシジンアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、アセトアミド、ステアルアミド、またはベンズアミドなど;およびイミド類、例えば、スクシンイミド、フタルイミド、またはマレイミドなど、からなる群から選択されるもの;
v.イミダゾール類およびアミジン類;
vi.ピラゾール類および1,2,4-トリアゾール類、例えば、3,5-ジメチルピラゾールおよび1,2,4-トリアゾールなど;
vii.アミン類およびイミン類、例えば、ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、キシリジン、N-フェニルキシリジン、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ブチルフェニルアミン、およびエチレンイミンなど;
viii.イミダゾール類、例えば、イミダゾールまたは2-エチルイミダゾールなど;
ix.尿素類、例えば、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素、または1,3-ジフェニル尿素など;
x.活性メチレン化合物、例えば、マロン酸ジエチルのようなマロン酸ジアルキル、およびアセト酢酸エステルなど;ならびに
xi.その他のもの、例えば、ヒドロキサム酸エステル類、例えば、ベンジルメタクリロヒドロキサメート(BMH)またはアリルメタクリロヒドロキサメートなど、およびカルバメート類、例えば、フェニルN-フェニルカルバメートまたは2-オキサゾリドンなど。
上記のブロッキング剤のうち、オキシム類(群iii)、特にメチルエチルケトオキシム、およびピラゾール類(群vi)、特に3,5-ジメチルピラゾールが、最も好ましい。
群xのブロッキング剤は、アルコール、特にポリオールと反応させた場合、高温での脱ブロッキング反応では反応しないが、そこに存在するエステル基のエステル交換反応では反応する。
化合物(C)
本発明による電着塗装材料は、式(I)で表される少なくとも1種の化合物(C)を含む。
Figure 2023502750000004
(式中、
C(R)(R)は、C=OまたはCHであり;
は、HまたはOHであり;
およびRは、HまたはOHであり、但し、RおよびRのうちの少なくとも一方はHであり;
-Rは、C=CまたはHC-CHである)
式(I)で表される化合物(C)のうち、カテキンなどのフラバノール類、ケルセチンおよびモリンなどのフラボノール類;ならびにナリンゲニンなどのフラバノン類からなる群から選択される化合物が好ましい。
フラバノール類において、C(R)(R)はCHであり、RはOHであり、R-RはHC-CHである。
フラボノール類において、C(R)(R)はC=Oであり、RはOHであり、R-RはC=Cである。
フラバノン類において、C(R)(R)はC=Oであり、RはHであり、R-RはHC-CHである。
式(I)の化合物は、その水和物の形でも、例えば、カテキン水和物またはモリン水和物として使用することができる。
驚くべきことに、これらの化合物は、少なくとも3個のヒドロキシル基を含有し、したがって、架橋条件下で前述の架橋剤(B)と潜在的に反応する可能性があるが、電着塗装材料の総質量に対して好ましくは150ppm~3000ppm、より好ましくは150ppm~2500ppm、好ましくは150ppm~900ppmの範囲の非常に少ない量でも本発明の電着塗装材料の腐食防止特性を著しく向上させる傾向があることが見出された。本発明において、「ppm」は、100万分の1質量部を表し、活性化合物の式量の量、すなわち、水和水を含まない量、および電着可能な塗装材料の総質量に基づいて計算される。式(I)で表される化合物(C)のより好ましい量は、電着塗装材料の総質量に対して180ppm~700ppm、さらにより好ましくは200ppm~600ppmの範囲である。特に、ケルセチンを使用する場合、電着塗装材料の総質量に対して150ppm~900ppm、例えば、180ppm~700ppmおよび200ppm~600ppmなどの範囲の量が好ましい。
式(I)の化合物(C)は、ほぼ非水溶性であり、したがって、好ましくはペーストの形態で使用され、特に好ましいのは顔料ペーストの形態である。しかし、特に排除するものではないが、式(I)の化合物(C)をシリカカプセル封入した形態で使用することは望ましくない。
顔料(D)および/または充填剤(D)
本発明の電着可能な塗装材料は、1種または複数種の顔料および/または充填剤(D)を含有することが好ましい。
電着可能な塗装材料中に存在するこの種の顔料および/または充填剤(D)は、好ましくは、有機および無機の着色(color-imparting)および体質顔料から選択される。
この少なくとも1種の顔料および/または充填剤(D)は、電着可能な塗装材料を製造するために使用され、かつ構成成分(A)および(B)を含む水溶液または分散液の一部として存在し得る。
少なくとも1種の顔料および/または充填剤(D)は、使用されるものとは異なるさらなる水性分散液または溶液の形態で電着可能な塗装材料に組み込むことができる。この実施形態では、対応する顔料含有水性分散液または溶液は、少なくとも1種の樹脂をさらに含むことができる。
適切な無機着色顔料(D)の例は、白色顔料、例えば、酸化亜鉛、硫化亜鉛、二酸化チタン、酸化アンチモン、またはリトポンなど;黒色顔料、例えば、カーボンブラック、鉄マンガンブラック、またはスピネルブラックなど;有彩顔料、例えば、コバルトグリーンもしくはウルトラマリングリーン、コバルトブルー、ウルトラマリンブルーもしくはマンガンブルー、ウルトラマリンバイオレットもしくはコバルトバイオレットおよびマンガンバイオレット、ベンガラ、モリブデンレッド、またはウルトラマリンレッドなど;茶色酸化鉄、混合茶色、スピネル相およびコランダム相;あるいは黄色酸化鉄、ニッケルチタンイエロー、またはバナジン酸ビスマスである。適切な有機着色顔料(D)の例は、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アントラキノン顔料、ベンズイミダゾール顔料、キナクリドン顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ジオキサジン顔料、インダントロン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、アゾメチン顔料、チオインジゴ顔料、金属錯体顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、フタロシアニン顔料、またはアニリンブラックである。適切な体質顔料(D)または充填剤(D)の例は、チョーク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、タルクもしくはカオリンなどのケイ酸塩、水酸化アルミニウムもしくは水酸化マグネシウムなどの酸化物、シリカ、または織物繊維、セルロース繊維、ポリエチレン繊維、もしくはポリマー粉末などの有機充填剤であり;さらに詳細には、Roempp Lexikon Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、1998年、250頁以降の「Fillers」を参照されたい。シリカが充填剤(D)として使用される場合、そのようなシリカは、好ましくは、化合物(C)用のナノコンテナなどのコンテナとして機能しない。
電着可能な塗装材料の顔料含有量は、顔料および/または充填剤(D)の性質に応じて変化する可能性がある。その量は、各々の場合において、電着可能な塗装材料の総質量に対して、好ましくは0.1~30質量%の範囲または0.5~20質量%の範囲、より好ましくは1.0~15質量%の範囲、非常に好ましくは1.5~10質量%の範囲、より特には2.0~5.0質量%の範囲、または2.0~4.0質量%の範囲、または2.0~3.5質量%の範囲である。
水および有機溶媒(E)
電着可能な塗装材料は、水性であり、これは水が液体希釈剤として含まれることを意味する。
用語「水性」は、電着可能な塗装材料と共に使用する場合、好ましくは、液体希釈剤の主成分として、すなわち、液体溶媒および/または分散媒体として水を含む電着可能な塗装材料を指す。
しかし、任意に、電着可能な塗装材料は、少なくとも1種の有機溶媒をごく少量含むことができる。そのような有機溶媒の例としては、複素環式、脂肪族、もしくは芳香族炭化水素、一価もしくは多価アルコール、特にメタノールおよび/もしくはエタノール、エーテル、エステル、ケトン、およびアミド、例えば、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、ジメチルホルムアミドなど、トルエン、キシレン、ブタノール、エチルグリコールおよびブチルグリコール、さらにはそれらのアセテート、ブチルジグリコール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、イソホロン、またはこれらの混合物が挙げられる。これらの有機溶媒の割合は、各々の場合において、電着可能な塗装材料中に存在する液体希釈剤-すなわち、液体溶媒および/または分散媒体-の総割合に対して、好ましくは20.0質量%以下、より好ましくは15.0質量%以下、非常に好ましくは10.0質量%以下、より特には5.0質量%以下または4.0質量%以下または3.0質量%以下、さらにより好ましくは2.5質量%以下または2.0質量%以下または1.5質量%以下、最も好ましくは1.0質量%以下または0.5質量%以下である。
本発明の電着可能な塗装材料に含まれる全構成成分の質量%での割合、言い換えると、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、および(F)の割合は、好ましくは、電着可能な塗装材料の総質量に対して合計で100質量%になる。
電着可能な塗装材料は、好ましくは、各々の場合において、電着可能な塗装材料の総質量に対して5~45質量%の範囲、より好ましくは7.5~35質量%の範囲、非常に好ましくは10~30質量%、さらにより好ましくは12.5~25質量%の範囲の固体含有量を有する。固体含有量を決定する方法は、当業者に既知である。固体含有量は、好ましくは、DIN EN ISO 3251(日付:2008年6月1日)に従って塗装組成物を180℃の温度で30分間乾燥させることによって決定される。
さらなる成分(F)および/または添加剤(F)
所望の用途に応じて、電着可能な塗装材料は、1種または複数種の通常使用される添加剤(F)を含むことができる。これらの添加剤(F)は、好ましくは、エッジ保護剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、界面活性剤などの表面活性化合物、流動制御補助剤、可溶化剤、消泡剤、レオロジー補助剤、酸化防止剤、安定剤、好ましくは熱安定剤、加工安定剤、ならびにUVおよび/または光安定剤、触媒、充填剤、ワックス、柔軟剤、可塑剤、ならびに上記添加剤の混合物を含むまたはからなる群から選択される。添加剤含有量は、集中的な(intensive)使用に応じて非常に大きく異なる可能性がある。量は、電着可能な塗装材料の総質量に対して好ましくは0.1~20.0質量%、より好ましくは0.1~15.0質量%、非常に好ましくは0.1~10.0質量%、特に好ましくは0.1~5.0質量%、より特には0.1~2.5質量%である。
電着可能な塗装材料のpH値
本発明の電着可能な塗装材料は、好ましくは、4.0~6.5の範囲のpHを有する。本発明に従って使用される電着可能な塗装材料は、より好ましくは4.5~6.5の範囲、より特には5.0~6.0の範囲または5.2~5.8の範囲、最も好ましくは5.3~5.5の範囲のpHを有する。水性組成物のpHレベルを調整する方法は当業者に既知である。所望のpHは、好ましくは、少なくとも1種の酸、より好ましくは少なくとも1種の無機酸および/または少なくとも1種の有機酸を添加することによって設定される。適切な無機酸の例は、硫酸および/または硝酸であり、それほど好ましくないのはリン酸である。適切な有機酸の例は、プロピオン酸、乳酸、酢酸、および/またはギ酸である。
本発明の方法
以下の工程を含む、金属基材を塗装する方法
a.金属基材を、本明細書で特許請求する電着可能な塗装材料が入っている電着槽に浸漬させる工程;
b.基材を陰極としてスイッチングする工程;
c.電着可能な塗装材料を基材に堆積させて、塗装層を形成する工程;ならびに
d.塗装済み基材を噴霧洗浄または浸漬洗浄する工程;ならびに
e.このようにして形成した塗装層を乾燥および硬化させる工程。
したがって、金属基材を塗装する上記の方法は、陰極電着塗装プロセスである。
これらの工程および任意の洗浄または前処理工程を、以下においてより詳細に説明する。
工程aを実行する前に、金属基材は、好ましくは、洗浄および/または脱脂される。用語「金属基材」は、本明細書で使用する場合、二次元または三次元の形態を有する任意の種類の金属製導電性基材に用いる。好ましい基材は、冷間圧延鋼などの鋼;溶融亜鉛めっき鋼、ここでは、鋼基材を亜鉛めっきするために使用される溶融めっき組成物が好ましくはZnAl合金またはZnAlMg合金などの亜鉛を含有している;ならびにアルミニウムおよびその合金である。
洗浄および/または脱脂操作は、好ましくは、洗浄および脱脂のうちの少なくとも一方を含む。洗浄および/または脱脂に使用する溶液は、好ましくは水性であり、酸性、アルカリ性、または中性であり得る。これらはさらに、界面活性剤および/またはキレート剤を含有することができる。好ましくは、脱脂は、アルカリ性水溶液で行われる。
洗浄および/または脱脂工程を実行する場合、このように処理した金属基材は、好ましくは、工程aを実行する前に水ですすぐ。
工程a
電着槽には、本発明による電着可能な塗装材料が入っている。好ましくは、本発明による電着可能な塗装材料の温度は、25~40℃の範囲であり、より好ましくは32±3℃である。
工程b
この工程では、金属基材を陰極としてスイッチングする。好ましい電圧は、200~250Vである。
工程c
好ましくは30秒~300秒、より好ましくは60秒~200秒、最も好ましくは90秒~150秒、例えば110秒~130秒などの期間中に電着が行われ、これにより塗装層が形成される。好ましい乾燥層の厚さは、10~40μm、より好ましくは15~30μm、最も好ましくは18~25μmである。
工程d
塗装材料を堆積させた後、工程cで形成した塗装層を、好ましくは水を用いて、噴霧洗浄または浸漬洗浄する。
工程e
その後、塗装層を乾燥させ、硬化させる。硬化温度および時間は、電着可能な樹脂(A)および架橋剤(B)、ならびに架橋のために電着可能な塗装材料において使用することができる任意の触媒に依存する。好ましくは、硬化温度は、120~200℃、より好ましくは140~190℃、最も好ましくは150~180℃の範囲である。塗布済み基材のほぼ室温(23℃)から硬化温度までの加熱段階を含む硬化時間は、好ましくは15~60分、より好ましくは20~45、例えば25~35分などの範囲である。加熱段階は変化する可能性があるが、適切には約10分である。
本発明の使用する方法
本発明の使用する方法は、式(I)で表される1種または複数種の化合物
Figure 2023502750000005
(式中、
C(R)(R)は、C=OまたはCHであり;
は、HまたはOHであり;
およびRは、HまたはOHであり、但し、RおよびRのうちの少なくとも一方は、Hであり;
-Rは、C=CまたはHC-CHである)
を電着塗装材料における腐食防止剤として使用する方法である。
本明細書に開示の式(I)による化合物の好ましい諸実施形態のいずれもが、本発明の使用する方法における好ましい諸実施形態でもある。
本発明の使用する方法が指す電着塗装材料は、好ましくは、本発明の電着可能な塗装材料について上記に開示した成分を含む。
特に好ましくは、式(I)で表される1種または複数種の化合物は、電着塗装材料の総質量に対して150ppm~3000ppmまたは150ppm~2500ppm、より好ましくは150ppm~900ppmまたは180~700ppm、最も好ましくは200~600ppmの総量で電着塗装材料において使用される。特にケルセチンでは、最後の3つの言及した範囲が特に好ましい。
本発明の塗装済み基材
本発明の塗装済み基材は、本発明による方法で得られた塗装済み金属基材である。塗装済み基材は、多層塗装された基材である可能性があり、ここで、好ましくは、金属基材上の第1の塗装層は、本発明の方法に従って形成される。
そのような好ましい第1の塗装層の後に、以下の順序で、好ましくは1種または複数種の充填剤層、続いて、好ましくは1種または複数種のベースコート層、さらに続いて、好ましくは1種または複数種のクリアコート層を塗布することができる。充填剤層および/またはベースコート層および/またはクリアコート層は、ウェット-オン-ウェット-オン-ウェットで塗布することができる。しかし、ベースコート層および/もしくはクリアコート層をウェット-オン-ウェットで塗布する前に、最初に充填剤層を硬化させることも可能であり、または充填剤層および/もしくはベースコート層および/もしくはクリアコート層をそれぞれ独立に硬化させることも可能である。
好ましい金属基材は、例えば、自動車ボディおよびその部品である。部品は、1種の金属もしくは合金から作製された単一の部品でもよく、または1種もしくは複数種の金属および/もしくは合金から作製された組み立て済みの部品でもよい。
好ましい金属基材は、冷間圧延鋼、電気亜鉛めっきおよび溶融亜鉛めっき鋼、アルミニウム(好ましくは6000シリーズ)、亜鉛-マグネシウム-アルミニウム亜鉛めっき鋼、ならびにGalvalume(登録商標)(BIEC International,Inc.)などのアルミニウム-ケイ素-亜鉛めっき鋼である。
以下の実施例は、本発明を明らかにするのに役立つが、いかなる制限を課すものとして解釈されるべきではない。
別段の注記のない限り、以下のパーセントでの数値は、いずれの場合でも質量パーセント値である。
腐食試験手順
中性塩水噴霧試験(NSS試験)
NSS試験は、基材上の塗装物の耐食性を判定するために使用される。NSS試験を、DIN EN ISO 9227 NSS(日付:2012年9月1日)に従って、本発明の塗装組成物または比較塗装組成物で塗装した導電性基材に行う。この試験では、分析下の試料は、6.5~7.2の範囲に制御されたpHにおいて35℃の温度で1008時間にわたって5%強度の食塩水を連続的に噴霧するチャンバ内にある。分析下の試料にミストが堆積して、試料が塩水の腐食膜で覆われる。DIN EN ISO 9227 NSSのNSS試験の前に分析下の試料上の塗装物にブレード切開(Scratch Master 1mmブレード、75μm)で基材まで刻み目を入れた場合、DIN EN ISO 9227 NSS試験中に基材が刻み目線に沿って腐食するため、試料を膜下腐食(浸食)レベルについてDIN EN ISO 4628-8(日付:2013年3月1日)で調査することができる。この調査は、NSS試験を1008時間実施した後に行う。腐食過程が進行した結果として、塗装物は試験中に多かれ少なかれ浸食される。浸食の程度[単位mm]は、腐食に対する塗装物の耐性の指標である。値は3枚のパネルの平均値である。
VDA気候変動試験(VDA試験)
VDA試験は、基材上の塗装物の耐食性を決定するために使用される。VDA試験を、DIN EN ISO 11997-1(2018年1月、サイクルB)に従って、本発明の塗装組成物または比較塗装組成物で塗装した導電性基材に行う。ここでの交互気候試験は10サイクルで行う。ここでの1サイクルは、合計168時間(1週間)からなり、以下のことを含む
a)DIN EN ISO 9227 NSS(日付:2017年6月)に準拠する24時間の塩水噴霧ミスト試験、
b)続いて、2005年9月のDIN EN ISO 6270-2、AHT方法に準拠する加熱を含む8時間の保管、
c)続いて、2005年9月のDIN EN ISO 6270-2、AHT方法に準拠する冷却を含む16時間の保管、
d)b)およびc)を3回繰り返す(したがって、合計72時間)、ならびに
e)2005年9月のDIN EN ISO 6270-2、AHT方法に準拠する通気された人工気候室での冷却を含む48時間の保管。
調査下の試料上の各々の塗装物にブレード切開で基材まで刻み目を入れ、その後、交互気候試験を実施すると、これにより、交互気候試験の実行中に基材が刻み目線に沿って腐食するため、試料を膜下腐食(浸食)レベルについてDIN EN ISO 4628-8(日付:2013年3月1日)で調査できるようになる。腐食過程が進行した結果として、塗装物は試験中に多かれ少なかれ浸食される。浸食の程度[単位mm]は、腐食に対する塗装物の耐性の指標である。以下の結果に記載している平均浸食レベルは、評価した3~5枚の異なるパネルの個々の値の平均値を表し、次いで、パネルの個々の値は、パネル上の11箇所の測定点の浸食レベルの平均値である。
気候変動試験PV1210(PV1210試験)
この気候変動試験は、基材上の塗装物の耐食性を決定するために使用される。気候変動試験は、いわゆる30サイクルで行う。PV1210試験の前に、試験する試験片の塗装物にナイフ切開(Scratch Master 1mmブレード、75μm)で基材まで刻み目を入れ、その後、気候変動試験を行うと、気候変動試験中に基材が刻み目線に沿って腐食するため、DIN EN ISO 4628-8(03-2013)に従って試験片を膜下腐食レベルについて試験することができる。腐食が進行すると、塗装物は試験中に多かれ少なかれ浸食される。浸食の程度[単位mm]は、塗装物の耐性の指標である。値は3枚のパネルの平均値である。
この交互気候試験PV1210は、基材上の塗装物の耐食性を決定するために使用される。溶融亜鉛めっき鋼(HDG)で構成される、対応する塗装済み導電性基材について、交互気候試験を行う。ここでの交互気候試験は、30サイクルで行う。ここでの1サイクル(24時間)は、DIN EN ISO 9227 NSS(2017年6月)に準拠する4時間の塩水噴霧ミスト試験、2005年9月のDIN EN ISO 6270-2(AHT方法)に準拠する冷却を含む4時間の保管、ならびに2005年9月のDIN EN ISO 6270-2、AHT方法に準拠する40±3℃および大気湿度100%においての加熱を含む16時間の保管からなる。5サイクルごとに、2005年9月のDIN EN ISO 6270-2、AHT方法に準拠する冷却を含む48時間の休止がある。したがって、30サイクルは、合計42日間に相当する。
調査下の試料上の各々の塗装物にブレード切開で基材まで刻み目を入れ、その後、交互気候試験を実施すると、これにより、交互気候試験の実行中に基材が刻み目線に沿って腐食するため、試料を膜下腐食(浸食)レベルについてDIN EN ISO 4628-8(日付:2013年3月1日)で調査できるようになる。腐食過程が進行した結果として、塗装物は試験中に多かれ少なかれ浸食される。浸食の程度[単位mm]は、腐食に対する塗装物の耐性の指標である。以下の結果に記載している平均浸食レベルは、評価した3~5枚の異なるパネルの個々の値の平均値を表し、次いで、パネルの個々の値は、パネル上の11箇所の測定点の浸食レベルの平均値である。
糸状腐食試験(FFC試験)
糸状腐食の判定は、基材上の塗装物の耐食性を確認するために使用される。この判定は、DIN EN3665(08-1997)に従って1008時間にわたって実施される。この時間の間に、問題の塗装物は、塗装物に損傷を誘発する線(Scratch Master 1mmブレード、75μm)から始まって、線状または糸状の形をした腐食によって浸食される。糸状物の最大および平均長さ[単位mm]を測定する。値は、3個の試料の平均値(横方向の切開および縦方向の切開において実施した測定の平均値)である。
銅の加速塩水噴霧試験(CASS試験)
CASS試験は、基材上の塗装物の耐食性を決定するために使用される。分析下の試料は、DIN EN ISO 9227(09-2012)に従って、pH値を制御しながら50℃の温度で240時間にわたって、酢酸および塩化銅が混合されている5%強度の食塩水を連続的に噴霧するチャンバ内にある。分析下の試料上に噴霧ミストが堆積して、試料が塩水の腐食膜で覆われる。CASS試験の前に、調査のための試料上の塗装物にブレード切開(Scratch Master 1mmブレード、75μm)で基材まで刻み目を入れる。CASS試験中に基材が刻み目線に沿って腐食するので、試料を膜下腐食レベルについてDIN EN ISO 4628-8(03-2013)に従って調査する。腐食過程が進行した結果として、塗装物は試験中に多かれ少なかれ浸食される。浸食の程度[単位mm]は、塗装物の耐性の指標である。値は3枚のパネルの平均値である。
ケルセチン含有電着塗装材料の製造
ケルセチン含有電着塗装材料は、ケルセチン含有顔料ペースト(表1に示す成分)を市販のエポキシ-アミン樹脂系電着塗装材料(Cathoguard(登録商標)800;BASF SE、ルートウィヒスハーフェン、ドイツ)に分散させることによって製造した。ケルセチンの量が異なる実施例を作成したため、表1のケルセチンの量を「x」と表記し、ケルセチンの量を増やした場合は含水ケイ酸アルミニウムの量を減らすことでバランスを取った。













Figure 2023502750000006
液体成分(品目1~3)を溶解機(1300rpm)で混合した。固体成分(品目4~11)を、得られた混合物に秤量して入れ、1810rpmで30分間溶解させた。温度は30℃未満に維持した。続いて、冷却しながら、混合物を30分間ビーズミリング(セラミックSiLibeads(登録商標)ZY、直径1.2~1.4mm)した。30分間の粉砕後、グラインドメータを使用して、粉末度を測定した。粉末度は10μm未満であった。
電着塗装材料の成分を表2に示す。
Figure 2023502750000007
最初に、表2の品目1および2を混合し、続いて、品目3および4を添加して、固体含有量が20質量%のケルセチン含有電着塗装材料を得た。使用前に、混合物を24時間撹拌した。
表3に示す電着槽を製造した。
Figure 2023502750000008
比較槽として別の槽、すなわち、ケルセチンの量が0ppm(x=0)の槽を準備した。
ケルセチン含有電着塗装材料の金属パネルへの塗布
試験パネル(冷間圧延鋼(CRS)、溶融亜鉛めっき鋼(HDG)、およびアルミニウムAA6014)を、Chemetall GmbH(フランクフルト、ドイツ)からGardoclean(登録商標)S5160として入手可能な水系洗浄液および水(97.7質量%)が入っている槽に60℃の温度で2分間浸漬させることによって洗浄した。洗浄後、パネルを水で噴霧洗浄し、次いで、電着塗装の塗布に直接使用した。
電着塗装では、パネルをそれぞれの電着槽に浸漬させ、プロセスにおける陰極として使用した。槽温度は32℃であった。塗布を、2分間の塗布時間内に20μmの乾燥膜厚を得るのに適した固定電圧(220~240Vの範囲)で定電位的に実行した。塗装後、パネルを水で噴霧洗浄し、オーブンにおいて175℃で25分間硬化させた。
続いて、このようにして製造した塗装済み試験パネルに、上述の腐食試験手順の1つまたは複数を施した。
さらなる電着塗装材料およびそれらの金属パネルへの塗布
ケルセチン含有電着塗装材料に関して記載したように、ケルセチン含有電着塗装材料と同様の方法においてケルセチンの代わりにカテキン水和物、モリン水和物、およびナリンゲニンのうちの1種を含有するさらなる塗装材料をそれぞれ製造し、塗布し、試験した。
腐食試験手順の結果
表4Aにおいて、ケルセチン含有電着塗装材料から製造した試験パネルの腐食試験からの試験結果をまとめている。












Figure 2023502750000009
表4Aの結果は、ケルセチン含有電着塗装材料を用いた場合、様々な基材、特に、CRS、HDG、およびアルミニウムに腐食保護を提供するという目的が達成されたことを明確に示している。
表4Bにおいて、カテキン水和物含有電着塗装材料から製造した試験パネルの腐食試験からの試験結果をまとめている。
Figure 2023502750000010
表4Bの結果から、カテキン水和物含有電着塗装材料を用いた場合、様々な基材、特に、HDGおよびアルミニウムに腐食保護を提供するという目的が達成されたことが明らかである。特に、膨れの数が、CASS試験において著しく下がった。
表4Cにおいて、モリン水和物含有電着塗装材料から製造した試験パネルの腐食試験からの試験結果をまとめている。
Figure 2023502750000011
表4Cの結果は、モリン水和物含有電着塗装材料を用いた場合、様々な基材、特に、HDGおよびアルミニウムに腐食保護を提供するという目的が達成されたことを明確に示している。特に、膨れの数が、CASS試験において著しく下がり、糸状腐食が減少した。
表4Dにおいて、ナリンゲニン含有電着塗装材料から製造した試験パネルの腐食試験からの試験結果をまとめている。
Figure 2023502750000012
表4Dの結果から、ナリンゲニン含有電着塗装材料を用いた場合、様々な基材、特に、HDGおよびアルミニウムに腐食保護を提供するという目的が達成されたことが明らかである。特に、膨れの数が、CASS試験において著しく下がり、糸状腐食が減少した。
要約すると、本発明によるすべての電着塗装材料は、少なくとも2種の異なる金属基材の腐食を低減する傾向があり、したがって、多金属基材塗装用途において腐食抑制をもたらすことが諸実施例によって示されている。

Claims (16)

  1. i.1種または複数種の陰極電着可能な樹脂(A);
    ii.1種または複数種の架橋剤(B);および
    iii.式(I)で表される1種または複数種の化合物(C)
    Figure 2023502750000013
    (式中、
    C(R)(R)は、C=OまたはCHであり;
    は、HまたはOHであり;
    およびRは、HまたはOHであり、但し、RおよびRのうちの少なくとも一方はHであり;
    -Rは、C=CまたはHC-CHである)
    を含む、電着可能な塗装材料。
  2. 水性であり、4.0~6.5の範囲のpH値を有することを特徴とする、請求項1に記載の電着可能な塗装材料。
  3. 前記1種または複数種の陰極電着可能な樹脂(A)が、陰極電着可能なエポキシ-アミン系樹脂および陰極電着可能なポリアクリレート樹脂からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の電着可能な塗装材料。
  4. 前記1種または複数種の架橋剤(B)が、ブロック化ジイソシアネート、ブロック化ポリイソシアネート、およびアミノプラスト樹脂からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の電着可能な塗装材料。
  5. 前記式(I)の1種または複数種の化合物が、フラバノール、フラボノール、およびフラバノンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の電着可能な塗装材料。
  6. 前記式(I)の1種または複数種の化合物が、カテキン、ケルセチン、モリン、およびナリンゲニンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の電着可能な塗装材料。
  7. 少なくとも1種の顔料および/または充填剤を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の電着可能な塗装材料。
  8. 前記式(I)の1種または複数種の化合物が、前記塗装材料の総質量に対して150~3000ppmの量で前記塗装材料に含有されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の電着可能な塗装材料。
  9. a.金属基材を、請求項1から8のいずれか一項に記載の電着可能な塗装材料が入っている電着槽に浸漬させる工程;
    b.前記基材を陰極としてスイッチングする工程;
    c.前記電着可能な塗装材料を前記基材に堆積させて、塗装層を形成する工程;ならびに
    d.このようにして形成した前記塗装層を乾燥および硬化させる工程
    を含む、金属基材を塗装する方法。
  10. 前記金属基材が、冷間圧延鋼、電気亜鉛めっき鋼、溶融亜鉛めっき鋼、アルミニウムおよびその合金などの鋼からなる金属基材の群から選択されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
  11. 前記金属基材が、異なる金属組成の表面領域を含む多金属基材であることを特徴とする、請求項9および10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 金属基材が、アルミニウム、アルミニウム合金であり、アルミニウム部分を含有し、かつ/またはアルミニウム合金部分を含有することを特徴とする、請求項9から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記金属基材が、事前塗装されていないことを特徴とする、請求項9および12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 式(I)で表される1種または複数種の化合物
    Figure 2023502750000014
    (式中、
    C(R)(R)は、C=OまたはCHであり;
    は、HまたはOHであり;
    およびRは、HまたはOHであり、但し、RおよびRのうちの少なくとも一方は、Hであり;
    -Rは、C=CまたはHC-CHである)
    を電着塗装材料における腐食防止剤として使用する方法。
  15. 請求項9から13のいずれか一項に記載の方法で得られた塗装済み金属基材。
  16. 前記金属基材上の第1の塗装層が、本発明の方法に従って形成されることを特徴とする、多層塗装された基材である請求項15に記載の塗装済み基材。
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