JP2023184678A - 皮膚線維症を処置するための組成物および方法 - Google Patents

皮膚線維症を処置するための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】皮膚線維症を処置するための組成物および方法の提供。【解決手段】本発明は、治療上有効な量の選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビター、好ましくはシタキセンタン、およびその薬学的に受容可能な塩を含む局部用または局所用組成物に関する。上記組成物は、皮膚線維症または結合組織疾患を有する状態を有する患者を処置するために有用である。本発明者らは、以前に使用されたものより実質的に低い用量のエンドセリンアンタゴニストで皮膚線維症の状態を処置するという手段を発見した。【選択図】なし

Description

発明の分野
本発明は、治療上有効な量の選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビター、好ましくはシタキセンタン(sitaxentan)(シタキセンタン(sitaxsentan)としても公知)、およびその薬学的に受容可能な塩を含む局部用または局所用の組成物に関する。上記組成物は、皮膚線維症または結合組織疾患が関わる状態を有する患者を処置するために有用である。
発明の背景
線維症は、器官または組織における過剰な線維性結合組織の形成である。それは、持続性の感染、自己免疫反応、アレルギー応答、化学的傷害、放射線、および組織傷害を含む種々の刺激に由来する損傷に対する一般的な病態生理学的応答である。修復プロセスは、代表的には、2つの別個の相を含む:傷害された細胞が同じタイプの細胞によって置き換えられ、損傷の形跡を持続させないようにする再生相;および結合組織が正常な実質組織に置き換わる、線維増殖または線維症として公知の相。このプロセスは、最初は有益である;しかし、それが適切に制御されなければ、過剰な細胞外マトリクス(ECM)構成要素が瘢痕組織として恒久的に正常組織に置き換わり、病原性の状態を生じる。線維症は、多くの異なる器官および組織において生じ得、線維性の疾患、例えば、特発性肺線維症、肝硬変、強皮症または全身性強皮症、進行性腎疾患、および心血管線維症といういくつかの異なるタイプが存在する。多くの場合には、線維症およびその合併症の影響は、顕著な罹病率、器官不全、および死すらも、もたらし得る。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2693329/を参照のこと。
線維性が共通するにも拘わらず、線維性障害の各タイプは、別個の原因論および臨床上の発現を有し、線維症の機構は、各器官において広く変動する。例えば、肝線維症(fibrotic liver)では、原発性のコラーゲン生成細胞は、他の器官に関して示されているとおりの線維芽細胞から生じるのではなく、肝星細胞(この細胞は、正常な生理状態では静止した表現型を有し、ビタミンAホメオスタシスを調節する)から生じる。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18222966を参照のこと。結論として、各線維性障害は、異なる処置目標およびアプローチを有する。例えば、肝線維症または肝硬変を処置することは、肝損傷の原因および程度に依存する。アルコール過剰消費に由来する肝硬変を有する人々は、さらなるアルコール消費を停止することで、損傷を最小限にし得る。しかし、原発性胆汁性肝硬変(原発性胆汁性胆管炎としても公知)を有する人々はしばしば、天然に存在する胆汁である薬物、ウルソジオールから、肝硬変の進行の顕著な遅延を経験する。ウルソジオールは、アルコール誘導性肝硬変に有益な効果を有しないことが実証されている。https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/cirrhosis/diagnosis-treatment/drc-20351492およびhttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12668982を参照のこと。
皮膚線維症の状態の全てではないがいくつかの例は、強皮症、瘢痕性脱毛症(他には、瘢痕性脱毛症として公知)、および瘢痕、例えば、肥厚性瘢痕またはケロイド瘢痕である。皮膚線維症の状態は、多くの特有のかつ複雑な特徴を有する。例えば、強皮症(皮膚線維症の最も顕著な状態のうちの1つ)において、その病因は、なお不明であり、報告はしばしば一致しない;ウイルスまたは細菌感染、遺伝的要因、および自己免疫プロセスは全て、その根底にある原因として提唱されてきた。線維症の他のタイプと比較して、皮膚線維症の状態の処置および研究は欠如しており、大きなニーズがある。例えば、治療の無作為化および対照比較研究はほとんど存在せず、皮膚線維症の最も重篤な状態である強皮症の皮膚症状に関してFDAが承認した処置は存在しない。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25672301を参照のこと。
強皮症は、限局性(すなわち、皮膚に存在するのみ)または全身性(すなわち、皮膚に加えて他の器官も罹患している)のいずれかであり得る。その重篤度は、個体間で変動し、軽度から生命を脅かすものまでの範囲に及び得る。その皮膚症状の全てではないが、いくつかの例としては、レイノー現象、手の腫脹または腫れ、関節における疼痛および硬直、皮膚の肥厚化、潰瘍化、石灰化、毛細血管拡張症、ドライスキン、皮膚の掻痒、および手指硬化症が挙げられる。さらに、皮膚の硬化および引き締め(tightening)は、外見を損なう可能性があり、極度の心理社会的緊張を引き起こし得る。強皮症を処置する試みにおいて使用される薬物のいくつかの例は、カルシウムチャネル遮断薬、ホスホジエステラーゼインヒビター、プロスタサイクリンアナログ、ステロイド、および免疫抑制剤である。しかし、これらの処置は、しばしば効果がない、および/または重篤な副作用を有する。さらに、強皮症を有する人々は、顕著に低いクオリティー・オブ・ライフを経験し、強皮症は、全体として医療制度および社会にかなりの経済的負担を課す。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28899803を参照のこと。
エンドセリン(ET-1、ET-2、およびET-3)は、2種の別個の高親和性レセプターサブタイプであるエンドセリン-A(ET-A)およびエンドセリン-B(ET-B)に対して作用する21アミノ酸のペプチドのファミリーを構成する。これらの3種のペプチドのうち、ET-1は、最も研究されており、軸の最も代表的なペプチドであると考えられる。それは、機械的刺激、種々のホルモン、および炎症促進性サイトカインを含む多くの要因によって内皮細胞において誘導され得る。ET-1は、心収縮および心筋の成長を刺激し、血管作用性物質(それは、強力な血管収縮因子である)の放出を調節し、平滑筋有糸分裂誘発を刺激し、そして好中球の接着および移動を促進することによって、ならびに炎症促進性サイトカインの生成を刺激することによって、炎症応答を制御し得る。それはまた、がんの進行に関わっており、腫瘍細胞の増殖および移動を調節し、間質反応の血管新生促進因子および誘導因子として作用する。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27266371を参照のこと。それらの広い活性を考慮すれば、エンドセリンを治療的に制御することは、多くの異なる病理学上の状態の潜在的処置に関する重要な領域であった。ボセンタン、二重(すなわち、非選択的)ET-A/ET-Bレセプターアンタゴニストを開発し、これはいまや、肺動脈高血圧症(PAH)を処置するために(錠剤形態において)FDAに承認されている。それはときおり、強皮症のための処置装備一式において「適応外」使用される;しかし、それはしばしば、効果的でなく、顕著な副作用と関連する。顕著なことには、FDAは、注意深い検討の後に、強皮症における使用に関してはそれを認可しなかった。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4474386/を参照のこと。
皮膚線維症の多くの状態(最も顕著なのは、強皮症である)に関してFDAが承認した処置は、現在は存在しない。従って、医師は、その状態にあたってみて制御するために、立証されていないかつ実験的な方法を使用しなければならない。ボセンタンでの経口処置は、強皮症においてときおり使用されるが、その効果はしばしば若干程度であり、副作用によって有用性が制限される。例えば、それは、強皮症において指の新しい潰瘍の出現を防止する助けになることが示されているに過ぎず、既存の潰瘍の治癒に対して効果はない。肝臓酵素異常は一般的であり、患者のうちの約10%が影響を及ぼされており、約5%において処置の中止が生じる。他の一般的な副作用としては、浮腫、体液貯留(fluid retention)、貧血、および消化管への影響が挙げられる。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4474386/およびhttp://ntag.nhs.uk/docs/app/Bosentan%20for%20digital%20ulcers%20-%20NETAG%20appraisal%20report%20%28Apr10%29.pdf#search=%22bosentan%2を参照のこと。
強皮症におけるボセンタンの欠点は、ある範囲の病気にわたって潜在的な処置としてエンドセリンアンタゴニストの期待が外れたことを表わしている。その発見の際に、多くの異なる状態を処置するための機構としてエンドセリン軸の標的化に、大きな関心があった。エンドセリン軸が発見されて5年以内には、経口利用可能なエンドセリンレセプターアンタゴニストが利用可能になり、それらの効果は、心血管疾患、心不全、肺動脈高血圧症、抵抗性動脈高血圧(resistant arterial hypertension)、脳卒中、くも膜下出血、腎疾患、および種々のがんに関する臨床試験において評価された。肺動脈高血圧症の処置の他に、他の適応症に関する大部分の臨床試験の結果は、はっきりしないか、否定的かのいずれかであり、多くの製薬会社のエンドセリン-レセプターアンタゴニストプログラムの中止をもたらした。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27266371を参照のこと。エンドセリン軸の治療的制御は、複雑で、微妙で、かつ困難な課題であり得る。
現在の研究は、ET-Bに対するET-Aの選択的アンタゴニズムに利益がないこと、または二重アンタゴニズムが好ましいことのいずれかが存在することを示唆する。例えば、PAHにおいて、ET-A選択的およびET-A/ET-B二重アンタゴニストの両方がFDAによって承認されており、それらの臨床転帰のなお綿密な分析から、薬物の1つのクラスの臨床上関連するその他方を超える利点を識別することは不可能であることが明らかにされた。しかし、ET-A選択的薬物に接した患者が、より顕著な有害事象、特に、体液貯留を経験することが観察された。この観察は、特有のものではなかった。他の例の中に、2種の異なるET-A選択的アンタゴニスト(一方は糖尿病性ニューロパチーに対するものおよび他方はがんに対するもの)のフェーズ3臨床試験は、水分貯留または死亡率の増大に起因して、早期の研究終了をもたらした。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27266371を参照のこと。
選択的エンドセリンインヒビター、特に、ET-Bに対してET-Aを阻害することに選択的な化合物を探索する研究努力がなされてきた。選択的ET-Aアンタゴニストであるシタキセンタンは、肺動脈高血圧症(PAH)を処置するための経口錠剤として開発された。シタキセタンは欧州において規制当局の承認を得たが、。結論として、シタキセンタンは、米国においてFDA承認を二度と獲得しなかった。標題「肺動脈高血圧症を超えたエンドセリン-レセプターアンタゴニスト:がんおよび線維症」という彼らの2016年の報告において、AubertおよびJuillerat-Jeanneretは、線維症関連障害において、ヒト臨床試験は、エンドセリンレセプターの遮断の有害効果、特に、体液貯留を明確に注記したと述べている。
さらなる例として、線維芽マトリクス遺伝子発現および結合組織リモデリングに対するエンドセリン-1の効果を試験するヒト皮膚線維芽細胞を使用するインビトロ研究において、Shi-wen et al.は、ET-AおよびET-Bの両方の阻害が、コラーゲンの生合成を防止するために必要であると結論づけた。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/11231316を参照のこと。別の複雑な層を加えると、高濃度では、ET-A選択的アンタゴニストは、それ自体が、ET-A/ET-Bに関する二重アンタゴニスト特性を示し得ることが実証された。これらの先行技術の教示に鑑みれば、従って、シタキセンタンが、コラーゲンの生成を含む皮膚線維症のいくつかの重要な機構において、ボセンタンより優れていることを本発明者らが発見したということは驚くべきことであった。シタキセンタンは、ボセンタンよりヒト皮膚細胞に対して細胞毒性が有意に低いという発見もまた、驚くべきことであった。さらに、本発明者らは、以前に使用されたものより実質的に低い用量のエンドセリンアンタゴニストで皮膚線維症の状態を処置するという手段を発見した。例えば、ボセンタンが強皮症において使用される場合、経口投与はしばしば、250mg/日に達し、望ましくない全身性の副作用を生じる。対照的に、本発明の局部用または局所用の組成物は、ET-Aインヒビターの経口投与から得られるものより有意に低い血漿レベルで利益を提供し得る。さらに、活性成分の局部または局所塗布を通じて皮膚線維症の状態を処置する新規なアプローチは、これらの化合物の以前の有用性を妨げた周知のおよび顕著な全身性の副作用を回避する手段を提供する。
皮膚線維症の状態の安全かつ有効な処置を開発するための継続した必要性が存在することは、前述から明らかである。エンドセリンの治療的制御は、重要な処置機会を提供し得るが、試みはこれまで失敗に終わっていた。選択的ET-Aレセプターアンタゴニストの局部または局所塗布が、皮膚線維症または結合組織障害の状態を処置するために安全に投与され得ることは、驚くべきことに本発明において見出された。
選択的エンドセリン-Aインヒビターであるシタキセンタンが、皮膚線維症または結合組織障害を含む状態を処置し、上記状態からの患者の解放を提供するために、安全にかつ有効に、局部的にまたは局所的に投与され得ることが、本発明において驚くべきことに見出された。
発明の要旨
本発明は、皮膚線維症または結合組織疾患の処置のために、選択的ET-Aレセプターアンタゴニストまたはインヒビターの局部または局所塗布のための使用方法およびその局部用または局所用の組成物に関する。
本発明は、高度に選択的なET-Aレセプターアンタゴニストであるシタキセンタンが、トランスフォーミング増殖因子β1(TGF-β1)で誘導して、線維性促進表現型(pro-fibrotic phenotype)を刺激したヒト皮膚線維芽細胞におけるコラーゲン生成の低減、生存能力の低減、アポトーシスの誘導、および線維芽細胞移動の低減において、ビヒクルコントロールより、かつ非選択的ET-A/ET-Bレセプターアンタゴニストであるボセンタンより、有意に有効であったという驚くべき発見に基づく。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
皮膚線維症または結合組織疾患を処置するための方法であって、前記方法は、治療上有効な量の選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターをその必要性のある哺乳動物に局部的にまたは局所的に塗布する工程を包含する、方法。
(項目2)
前記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターは、エンドセリン-B(ET-B)を超えて少なくとも2倍の選択性を有する、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターは、エンドセリン-B(ET-B)を超えて少なくとも5倍の選択性を有する、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターは、エンドセリン-B(ET-B)を超えて少なくとも10倍の選択性を有する、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターは、エンドセリン-B(ET-B)を超えて少なくとも100倍の選択性を有する、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターは、エンドセリン-B(ET-B)を超えて少なくとも1000倍の選択性を有する、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターは、エンドセリン-B(ET-B)を超えて少なくとも5000倍の選択性を有する、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記選択的エンドセリン-Aアンタゴニストまたはインヒビターは、シタキセンタンまたはその薬学的に受容可能な塩である、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記哺乳動物は、ヒト患者である、項目1~8のいずれかに記載の方法。
(項目10)
前記皮膚線維症または結合組織障害は、強皮症、全身性強皮症、限局性強皮症、びまん性皮膚硬化型全身性強皮症、限局皮膚硬化型全身性強皮症、レイノー現象、ペイロニー病、手指硬化症、皮膚潰瘍、斑状強皮症、剣創状強皮症、瘢痕性脱毛症、瘢痕性脱毛症、扁平毛孔性苔癬、前頭線維化脱毛症、頭頂部遠心性瘢痕性脱毛症、禿髪性毛包炎、円板状エリテマトーデス、解離性蜂巣炎、関節リウマチ、狼瘡、硬化性苔癬、ケロイド瘢痕、肥厚性瘢痕、熱傷瘢痕、およびこれらの組み合わせから選択される、項目1~9のいずれかに記載の方法。
(項目11)
前記薬学的に受容可能な塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびアンモニウム塩から選択される、項目8に記載の方法。
(項目12)
前記アルカリ金属塩は、リチウム、ナトリウム、およびカリウムから選択される、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記アルカリ金属塩はナトリウムである、項目11に記載の方法。
(項目14)
前記薬学的に受容可能な塩は、シタキセンタンナトリウムである、項目8に記載の方法。(項目15)
前記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターは、少なくとも1日1回塗布される、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターは、少なくとも1日2回塗布される、項目1に記載の方法。
(項目17)
前記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターは、少なくとも1週間に1回塗布される、項目1に記載の方法。
(項目18)
前記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターは、少なくとも1週間に2回塗布される、項目1に記載の方法。
(項目19)
前記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターは、前記皮膚線維症または結合組織疾患が処置されるまで少なくとも1日1回塗布される、項目1に記載の方法。
(項目20)
前記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターは、薬学的に受容可能な組成物から塗布される、項目1に記載の方法。
(項目21)
皮膚線維症または結合組織疾患を処置するための方法であって、前記方法は、治療上有効な量の選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターを含む薬学的に受容可能な組成物をその必要性のある哺乳動物に局部的にまたは局所的に塗布する工程を包含する、方法。
(項目22)
必要性のある哺乳動物において皮膚線維症または結合組織疾患を処置するための治療上有効な量の選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターの局部的または局所的送達のための医薬の製造における選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターの使用。
(項目23)
治療上有効な量の選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターおよび薬学的に受容可能なキャリアを含む、局部的または局所的な送達のための組成物。
(項目24)
前記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターは、エンドセリン-B(ET-B)を超えて少なくとも2倍の選択性を有する、項目23に記載の組成物。
(項目25)
前記選択的エンドセリン-Aアンタゴニストまたはインヒビターは、シタキセンタンまたはその薬学的に受容可能な塩である、項目23に記載の組成物。
(項目26)
前記薬学的に受容可能な塩は、シタキセンタンナトリウムである、項目25に記載の組成物。
(項目27)
哺乳動物への投与のための、項目23に記載の組成物。
(項目28)
前記哺乳動物はヒト患者である、項目27に記載の組成物。
(項目29)
単位投与組成物の形態にある、項目28に記載の組成物。
(項目30)
前記シタキセンタン活性物の重量に基づいて、約0.01~約1000mgのシタキセンタンまたはその薬学的に受容可能な塩を含む、項目29に記載の組成物。
(項目31)
前記シタキセンタン活性物の重量に基づいて、約0.001重量%~約25重量%のシタキセンタンまたはその薬学的塩を含む、項目29に記載の組成物。
(項目32)
前記シタキセンタン活性物の重量に基づいて、約0.01重量%~約10重量%のシタキセンタンまたはその薬学的塩を含む、項目29に記載の組成物。
(項目33)
前記シタキセンタン活性物の重量に基づいて、約0.1重量%~約5重量%のシタキセンタンまたはその薬学的塩を含む、項目29に記載の組成物。
(項目34)
前記シタキセンタン活性物の重量に基づいて、約0.2重量%~約3重量%のシタキセンタンまたはその薬学的塩を含む、項目29に記載の組成物。
(項目35)
以下の約13μg/ml未満のCmax、または約7μg/ml未満のCmax、または約40μg 時間/ml未満のAUCから選択される薬物動態パラメーターのうちの少なくとも1つを示す、項目29に記載の組成物。
(項目36)
項目23に記載の組成物を調製するための方法。
図1は、シタキセンタン(SIT, 100μM)を、ボセンタン(比較化合物としてBOS, 100μM)およびビヒクルコントロール(VC)に対して比較する処置の前に、50ng/mLのトランスフォーミング増殖因子-β1(TGF-β1)に24時間曝した男性の正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)のスクラッチアッセイ実験結果を示す。統計的有意性を以下のとおりに示す:*p<0.05, n=6。ダネットの事後分析を使用する一元配置ANOVA。
図2は、シタキセンタン(SIT, 100μM)を、ボセンタン(比較化合物としてBOS, 100μM)およびビヒクルコントロール(VC)に対して比較する処置の前に、50ng/mLのトランスフォーミング増殖因子-β1(TGF-β1)に48時間曝した女性の正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)のスクラッチアッセイ実験結果を示す。統計的有意性を以下のとおりに示す:*コントロールに対してp<0.05、#実験群間でp<0.05, n=3。テューキーのHSD事後分析(Tukey’s honest significant difference (HSD) post-hoc analysis)を使用する一元配置ANOVA。
図3は、50ng/mLのトランスフォーミング増殖因子-β1(TGF-β1)の存在下での、ビヒクル(VC)、シタキセンタン(SIT, 100μM)、またはボセンタン(BOS, 100μM)で48時間処理した男性の正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)のコラーゲン生成に関する実験結果を示す。さらに、図3は、TGF-β1で刺激しなかった男性の正常ヒト皮膚線維芽細胞のコラーゲン含有量に対するこれらの群の比較を示す。統計的有意性を以下のとおりに示す:*ビヒクルコントロールに対してp<0.05、#実験群間でp<0.05, n=6。テューキーのHSD事後分析を使用する一元配置ANOVA。
図4は、50ng/mLのトランスフォーミング増殖因子-β1(TGF-β1)で48時間刺激した男性の正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)の実験結果を示す。生存能力を、シタキセンタン(SIT, 100μM)をボセンタン(比較化合物としてBOS, 100μM)およびビヒクルコントロール(VC)に対して比較して測定し、y軸上に相対的蛍光単位(RFU)として報告した。統計的有意性を以下のとおりに示す:*コントロールに対してp<0.05、#実験群間でp<0.05, n=6。テューキーのHSD事後分析を使用する一元配置ANOVA。
図5は、50ng/mLのトランスフォーミング増殖因子-β1(TGF-β1)で48時間刺激した男性の正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)の実験結果を示す。細胞毒性を、シタキセンタン(SIT, 100μM)をボセンタン(比較化合物としてBOS, 100μM)およびビヒクルコントロール(VC)に対して比較して測定し、y軸上に相対的蛍光単位(RFU)として報告した。統計的有意性を以下のとおりに示す:#実験群間でp<0.05, n=6。テューキーのHSD事後分析を使用する一元配置ANOVA。
図6は、50ng/mLのトランスフォーミング増殖因子-β1(TGF-β1)で48時間刺激した男性の正常ヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)の実験結果を示す。アポトーシスを、シタキセンタン(SIT, 100μM)をボセンタン(比較化合物としてBOS, 100μM)およびビヒクルコントロール(VC)に対して比較して測定し、y軸上に相対的光単位(RLU)として報告した。統計的有意性を以下のとおりに示す:*コントロールに対してp<0.05、#実験群間でp<0.05, n=6。テューキーのHSD事後分析を使用する一元配置ANOVA。
発明の詳細な説明
本発明は、治療上有効な量の選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターをその必要性のある哺乳動物に局部的にまたは局所的に塗布する工程を包含する、皮膚線維症または結合組織疾患を処置するための方法に関する。
別の局面において、本発明は、治療上有効な量の選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターをその必要性のある哺乳動物に局部的にまたは局所的に塗布する工程を包含する、皮膚線維症を処置するための方法に関する。
別の局面において、本発明は、治療上有効な量の選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターをその必要性のある哺乳動物に局部的にまたは局所的に塗布する工程を包含する、結合組織疾患を処置するための方法に関する。
別の局面において、本発明は、上記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターが、エンドセリン-B(ET-B)を超えて少なくとも2倍の選択性を有する方法に関する。
別の局面において、本発明は、上記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターが、エンドセリン-B(ET-B)を超えて少なくとも5倍の選択性を有する方法に関する。
別の局面において、本発明は、上記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターが、エンドセリン-B(ET-B)を超えて少なくとも10倍の選択性を有する方法に関する。
別の局面において、本発明は、上記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターが、エンドセリン-B(ET-B)を超えて少なくとも100倍の選択性を有する方法に関する。
別の局面において、本発明は、上記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターが、エンドセリン-B(ET-B)を超えて少なくとも1000倍の選択性を有する方法に関する。
別の局面において、本発明は、上記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターが、エンドセリン-B(ET-B)を超えて少なくとも5000倍の選択性を有する方法に関する。
別の局面において、本発明は、上記選択的エンドセリン-Aアンタゴニストまたはインヒビターが、シタキセンタンまたはその薬学的に受容可能な塩である方法に関する。
別の局面において、本発明は、上記哺乳動物がヒト患者である方法に関する。
別の局面において、本発明は、上記皮膚線維症または結合組織障害が、強皮症、全身性強皮症、限局性強皮症、びまん性皮膚硬化型全身性強皮症、限局皮膚硬化型全身性強皮症、レイノー現象、ペイロニー病、手指硬化症、皮膚潰瘍、斑状強皮症、剣創状強皮症、瘢痕性脱毛症、瘢痕性脱毛症(扁平毛孔性苔癬、前頭線維化脱毛症、頭頂部遠心性瘢痕性脱毛症、禿髪性毛包炎、円板状エリテマトーデス、および解離性蜂巣炎が挙げられるが、これらに限定されない)、関節リウマチ、狼瘡、硬化性苔癬、ケロイド瘢痕、肥厚性瘢痕、熱傷瘢痕、およびこれらの組み合わせから選択される方法に関する。
別の局面において、本発明は、上記薬学的に受容可能な塩が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびアンモニウム塩から選択される方法に関する。
別の局面において、本発明は、上記アルカリ金属塩が、リチウム、ナトリウム、およびカリウムから選択される方法に関する。
別の局面において、本発明は、上記アルカリ金属塩がナトリウムである方法に関する。
別の局面において、本発明は、上記薬学的に受容可能な塩がシタキセンタンナトリウムである方法に関する。
別の局面において、本発明は、上記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターが少なくとも1日1回塗布される方法に関する。
別の局面において、本発明は、上記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターが少なくとも1日2回塗布される方法に関する。
別の局面において、本発明は、上記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターが少なくとも1週間に1回塗布される方法に関する。
別の局面において、本発明は、上記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターが少なくとも1週間に2回塗布される方法に関する。
別の局面において、本発明は、上記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターが、皮膚線維症または結合組織疾患が処置されるまで、少なくとも1日1回塗布される方法に関する。
別の局面において、本発明は、上記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターが、薬学的に受容可能な組成物から塗布される方法に関する。
別の局面において、本発明は、治療上有効な量の選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターを含む薬学的に受容可能な組成物をその必要性のある哺乳動物に局部的にまたは局所的に塗布する工程を包含する、皮膚線維症または結合組織疾患を処置するための方法に関する。
別の局面において、本発明は、必要性のある哺乳動物において皮膚線維症または結合組織疾患を処置するための治療上有効な量の上記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターの局部的または局所的送達のための医薬の製造における選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターの使用に関する。
別の局面において、本発明は、治療上有効な量の選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターおよび薬学的に受容可能なキャリアを含む、局部的または局所的な送達のための組成物に関する。
別の局面において、本発明は、上記選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビターが、エンドセリン-B(ET-B)を超えて少なくとも2倍の選択性を有する組成物に関する。
別の局面において、本発明は、上記選択的エンドセリン-Aアンタゴニストまたはインヒビターがシタキセンタンまたはその薬学的に受容可能な塩である組成物に関する。
別の局面において、本発明は、上記薬学的に受容可能な塩がシタキセンタンナトリウムである組成物に関する。
別の局面において、本発明は、哺乳動物への投与のための組成物に関する。
別の局面において、本発明は、上記哺乳動物がヒト患者である組成物に関する。
別の局面において、本発明は、単位投与組成物の形態にある組成物に関する。
別の局面において、本発明は、上記シタキセンタン活性物の重量に基づいて、約0.01~約1000mgのシタキセンタンまたあその薬学的に受容可能な塩を含む単位投与組成物に関する。
別の局面において、本発明は、上記シタキセンタン活性物の重量に基づいて、約0.001重量%~約25重量%のシタキセンタンまたはその薬学的塩を含む単位投与組成物に関する。
別の局面において、本発明は、上記シタキセンタン活性物の重量に基づいて、約0.01重量%~約10重量%のシタキセンタンまたはその薬学的塩を含む単位投与組成物に関する。
別の局面において、本発明は、上記シタキセンタン活性物の重量に基づいて、約0.1重量%~約5重量%のシタキセンタンまたはその薬学的塩を含む単位投与組成物に関する。
別の局面において、本発明は、上記シタキセンタン活性物の重量に基づいて、約0.2重量%~約3重量%のシタキセンタンまたはその薬学的塩を含む単位投与組成物に関する。
別の局面において、本発明は、以下の約13μg/ml未満のCmax、または約7μg/ml未満のCmax、または約40μg 時間/ml未満のAUC(曲線下面積)から選択される薬物動態パラメーターのうちの少なくとも1つを示す単位投与組成物に関する。
別の局面において、本発明は、本発明による組成物を調製するための方法に関する。
本発明のこれらおよび他の局面は、本明細書中の開示から明らかになる。
定義
本明細書で使用される場合、以下の用語および略語は、それとは反対に明示的に述べられなければ、示された意味を有する。
ET-Aアンタゴニストまたはインヒビターに関して用語「選択的(selective)」とは、ET-Bに対してET-Aを優先的に阻害するET-Aインヒビターを意味する。ET-Bに対するET-Aの選択性は、少なくとも2倍、好ましくは少なくとも5倍、より好ましくは少なくとも10倍、より好ましくは少なくとも100倍、より好ましくは少なくとも1000倍、および最も好ましくは少なくとも5000倍であるべきである。このような選択性は、本発明の治療上の利益を提供するために重要であり得る。ボセンタンのような非選択的インヒビターのものと比較して、この選択性の理論的解釈は、ET-B刺激の有益な効果(例えば、一酸化窒素生成および循環からのエンドセリンのクリアランス)の無視できる程度の阻害である。
用語「薬学的に受容可能な(pharmaceutically acceptable)」は、本発明の組成物、言い換えると製剤に関して、およびシタキセンタンの塩、すなわち、薬学的に受容可能な塩に関しても本明細書で使用される。本発明の薬学的組成物は、治療上有効な量のシタキセンタンおよび薬学的に受容可能なキャリアを含む。これらのキャリアは、広い範囲の賦形剤を含み得る。薬学的に受容可能なキャリアは、受容可能な安全性プロフィールを有するそれら従来から公知のキャリアである。上記組成物は、一般的な製剤化技術を使用して作製される。例えば、Remington’ Pharmaceutical Sciences, 第17版, Alfonso R. Gennaro編, Mack Publishing Company, Easton, PA, 第17版, 1985を参照のこと。薬学的に受容可能な塩に関して、これらは、以下で記載される。
用語「被験体(subject)」は、皮膚線維症または結合組織障害の処置または介入の必要性のあるヒト患者または動物を意味する。
用語「治療上有効な(therapeutically effective)」とは、医師によって理解されるように、処置の必要性のある被験体(例えば、ヒト患者または動物)に、意味のあるまたは実証可能な利益を提供するために必要とされるシタキセンタンの量を意味する。処置されることが意図される状態としては、例えば、皮膚線維症および結合組織疾患が挙げられる。例えば、意味のあるまたは実証可能な利益は、種々の臨床パラメーターを使用して表かまたは定量され得る。利益の実証はまた、インビトロモデル、インビボモデル、および動物モデルが挙げられるが、これらに限定されないモデルによって提供されるものを含み得る。このようなモデルの例は、ヒトプロコラーゲンタイプI C-ペプチド(PIP)アッセイである。このモデルは、種々の実験状態にあるヒト血清、血漿、細胞培養上清、細胞溶解物、および組織ホモジネート中のヒトプロコラーゲンを、AlphaLISA(登録商標)技術を使用して検出および定量するために設計される。使用され得る動物モデルの例は、ブレオマイシン誘導性皮膚線維症モデルである。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24706279を参照のこと。
用語「局所、局所用の(topical)」とは、薬学的組成物に関して本明細書で使用される場合、被験体(例えば、ヒト患者)の皮膚または粘膜に塗布される組成物を意味する。局所用薬学的組成物は、塗布部位において、すなわち、塗布部位の下の組織において、効果を有することが意図され、血液および他の組織中で顕著な薬物濃度を生じない。局所用薬学的組成物は、皮膚または粘膜を通じて吸収され、塗布部位から離れた身体の領域に全身的な効果を有することが意図された「経皮的(transdermal)」または「経粘膜(transmucosal)」薬学的組成物とは対照的である。http://corporatepharmacy.ca/health-news/topical-vs-transdermal-meds, (2016)を参照のこと。
さらに、米国食品医薬品局は、薬物に関する全ての投与経路、すなわち、投与経路(“Route of Administration)」に関する標準を提供してきた。以下の定義は、局所、経皮的、および経粘膜的な薬物投与経路に関して、FDAによって提供される。
https://www.fda.gov/Drugs/DevelopmentApprovalProcess/FormsSubmissionRequirements/ElectronicSubmissions/DataStandardsManualmonographs/ucm071667.htmを参照のこと。
用語「局部、局部用(local)」は、薬学的組成物に関して本明細書で使用される場合、その薬力学的効果が塗布位置の周りに概して含まれ、血液もしくは他の組織中の顕著な濃度も迅速な濃度も生じない組成物の投与経路を意味する。局所用組成物(上記で定義されるとおり)に加えて、他の局部投与経路の全てではないがいくつかの例としては、皮下注射および皮内注射が挙げられ得る。
用語「処置する(treat)」、「処置する(treating)」または「処置(treatment)」とは、本明細書で使用される場合、予防的および/または治療的のいずれかで、状態(例えば、皮膚線維症または結合組織疾患)を緩和する(alleviating)、弱める(abating)もしくは改善する(ameliorating)、または上記状態になるもしくは上記状態の症状を示すリスクを妨げるもしくは防止する、上記症状の根底にある原因を改善するもしくは防止する、上記状態を阻害する、上記状態の発生を停止させる、上記状態を軽減する(relieving)、上記状態の退縮を引き起こす、または上記状態の症状を停止させることを含む。
シタキセンタンもしくはその薬学的に受容可能な塩または本発明の薬学的組成物を使用する処置方法は、種々の実施形態において、皮膚線維症および結合組織疾患のような所望の処置のための医薬の製造におけるシタキセンタンまたはその薬学的に受容可能な塩の使用をも含む。
「ET-A」は、エンドセリン-Aの略語である。
「ET-B」は、エンドセリン-Bの略語である。
「TGF-β1」は、トランスフォーミング増殖因子-β1の略語である。
「NHDF」は、正常ヒト皮膚線維芽細胞の略語である。
シタキセンタン
本発明は、皮膚線維症および結合組織障害のような状態を処置するための局部用または局所用の組成物を提供するために、治療上有効な量の選択的エンドセリン-A(ET-A)レセプターアンタゴニストまたはインヒビター(例えば、シタキセンタンまたはその薬学的に受容可能な塩)、および同様に薬学的に受容可能なキャリアを利用する。
シタキセンタン(sitaxentan)は、シタキセンタン(sitaxsentan)としても公知であり、CAS登録番号 184036-34-8およびIUPAC名N-(4-クロロ-3-メチル-5-イソオキサゾリル)-2-[(2-メチル-4,5-メチレンジオキシフェニル)-アセチル]チオフェン-3-スルホンアミド、ならびに同様にコード名TBC-11251に相当する。ヒト使用のために開発された薬物の形態であるシタキセンタンナトリウム塩は、CAS登録番号 210421-64-0を有する。シタキセンタンは、肺動脈高血圧症(PAH)の処置のために経口用錠剤として開発され、2008年2月にPfizerによって購入されるまで、Encysive PharmaceuticalsによってThelin(登録商標)として市場に出されていた。2010年に、Pfizerは、安全性の懸念が出たことに起因して、シタキセンタンを市場から自発的に除去した。http://press.pfizer.com/press-release/pfizer-stops-clinical-trials-thelin-and-initiates-voluntary-product-withdrawal-interes
シタキセンタンの化学構造は、直下に示される。
シタキセンタン
シタキセンタンは、化学式C1815ClNおよびモル質量454.906g/molを有する。以下の薬物動態データが報告される:
経口バイオアベイラビリティー: 70~100%
タンパク質結合: >99%
代謝: 肝臓(CYP2C9およびCYP3A4媒介性)
生物学的半減期: 10時間
排出: 腎臓(50~60%)、糞便(40~50%)
シタキセンタンは、エンドセリン-A(ET-A)レセプターに対するエンドセリン(ET)の作用を選択的に遮断または阻害する低分子として記載される。この選択性は、エンドセリン-B(ET-B)と比較して、6000倍であると報告される。Girgis, RE; Frost, AE; Hill, NS; Horn, EM; Langleben, D; McLaughlin, VV; Oudiz, RJ; Robbins, IM; et al. (2007). 「Selective endothelin-A receptor antagonism with sitaxsentan for pulmonary arterial hypertension associated with connective tissue disease」. Annals of the rheumatic diseases. 66 (11): 1467-72. doi:10.1136/ard.2007.
069609. PMC 2111639 Freely accessible. PMID 17472992.を参照のこと。このような選択性は、本発明の治療上の利益を提供するために重要であり得る。
シタキセンタンの薬学的に受容可能な塩は、本発明の方法および組成物に有用である。本明細書で使用される場合、「薬学的に受容可能な塩(pharmaceutically acceptable salt)」とは、その塩を作製することによって改変されたシタキセンタンの誘導体に言及する。薬学的に受容可能な塩の例としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびアンモニウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。アルカリ金属塩の例としては、リチウム塩、ナトリウム塩、およびカリウム塩が挙げられる。アルカリ土類金属塩の例としては、カルシウム塩およびマグネシウム塩が挙げられる。上記アンモニウム塩、NH4自体は、種々のモノアルキル、ジアルキル、トリアルキル、およびテトラアルキルアンモニウム塩と同様に、調製され得る。また、このようなアンモニウム塩のアルキル基のうちの1またはこれより多くは、アルカノールアミンのアンモニウム塩を提供するために、ヒドロキシ基のような基でさらに置換され得る。1,2-ジアミノエタンのようなジアミンに由来するアンモニウム塩は、本明細書で企図される。シタキセンタンのナトリウム塩(シタキセンタンナトリウムともいわれる)は、本明細書で有用である。適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 第18版. (Mack Publishing Company, 1990)において見出される。
シタキセンタンの薬学的に受容可能な塩は、従来の化学的方法によって親化合物から調製され得る。一般に、このような塩は、上記化合物の遊離酸形態と化学量論的量の適切な塩基とを水中でもしくは有機溶媒中で、または上記2つの混合物中で反応させることによって調製され得る;概して、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。
投与量
一局面において、本発明は、治療上有効な量のシタキセンタンまたはその薬学的に受容可能な塩および薬学的に受容可能なキャリアを含む。
単位投与量に基づく組成物は、上記シタキセンタン活性物の重量に基づいて、約0.1mg~約1000mgのシタキセンタンまたはその薬学的に受容可能な塩を含み得る。他の投与量の例は、上記シタキセンタン活性物の重量に基づいて、1mg、10mg、50mg、100mg、および500mgのシタキセンタンまたはその薬学的に受容可能な塩である。
組成物はまた、重量パーセンテージに基づいて調製され得る。
一実施形態において、本明細書で有用な組成物は、上記シタキセンタン活性物の重量に基づいて、約0.001重量%~約25重量%のシタキセンタンまたはその薬学的塩を含む。
一実施形態において、本明細書で有用な組成物は、上記シタキセンタン活性物の重量に基づいて、約0.01重量%~約10重量%のシタキセンタンまたはその薬学的塩を含む。
一実施形態において、本明細書で有用な組成物は、上記シタキセンタン活性物の重量に基づいて、約0.1重量%~約5重量%のシタキセンタンまたはその薬学的塩を含む。
一実施形態において、本明細書で有用な組成物は、上記シタキセンタン活性物の重量に基づいて、約0.2重量%~約3重量%のシタキセンタンまたはその薬学的塩を含む。
指定された量のまたは重量パーセンテージのシタキセンタンを含むこれらの前述の組成物に関して、上記シタキセンタンの量または重量パーセンテージは、モル質量454.906を有し、シタキセンタン塩が使用される場合には任意の対イオンによって提供されるさらなる重量を含まないシタキセンタン部分の実際の量に基づいて、決定または計算される。言い換えると、上記組成物は、シタキセンタン化学部分の量または重量パーセンテージに基づく。
さらに、本発明は、局部用または局所用の組成物に関することから、および全身曝露を制限することが非常に望ましいことから、上記単位投与量は、以下の約13μg/ml未満のCmax、または約7μg/ml未満のCmax、または約40μg 時間/ml未満のAUCから選択される薬物動態パラメーターのうちの少なくとも1つを示すために製剤化され得る。これらの薬物動態パラメーターは、欧州医薬品庁にThelinに関して報告されたものに基づく。
局所投与用の製剤
一実施形態において、本発明の組成物または製剤は、選択的ET-Aレセプターアンタゴニストまたはその薬学的に受容可能な塩および薬学的に受容可能なキャリアを含む。これらの製剤は、製薬および製剤化分野の当業者が精通する標準的製剤化および混合技術を使用して作製され得る。
一実施形態において、本発明の組成物または製剤は、シタキセンタンまたはその薬学的に受容可能な塩および薬学的に受容可能なキャリアを含む。これらの製剤は、製薬および製剤化分野の当業者が精通する標準的製剤化および混合技術を使用して作製され得る。
一局面において、上記薬学的組成物は、ゲル、軟膏、ローション剤、エマルジョン、クリーム剤、フォーム剤、ムース、液体、パスタ剤、ゼリー、テープ、スプレー、懸濁物、分散物、またはエアロゾルからなる群より選択される。
薬学的に受容可能なキャリアが、ゴマ油、ミネラルオイル、オリーブ油、ワセリン、水、エタノール、エタノール/水混合物、イソプロパノール、イソプロパノール/水混合物、ジメチルスルホキシド、およびジメチルイソソルビドから選択される1またはこれより多くの物質から選択される組成物は、本明細書で有用である。薬学的キャリアの全ての例ではないが、他の例としては、果実もしくは野菜もしくは花もしくは堅果もしくは種子に由来する油(ゴマ油、ラッカセイ油、およびヒマシ油が挙げられるが、これらに限定されない)、アルコール(エタノール、ベンジルアルコール、およびイソプロピルアルコールが挙げられるが、これらに限定されない)、ジプロピレングリコール、酢酸エチル、乳酸エチル、オレイン酸エチル、グリセリン、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルスルホキシド、パルミチン酸イソプロピル、中鎖トリグリセリド、ミネラルオイル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール,トリカプリリン、および水から選択されるものを含む。薬学的に受容可能なキャリアの具体例は、エタノールである。これらの構成要素が使用され得、製薬および製剤化分野の当業者の知識に基づいて、製剤化に適切なレベルで使用され得る。上記量は、1重量%未満から最大で90重量%またはさらには99重量%超までの範囲に及び得る。
種々のさらなる成分は、本発明の組成物において使用され得る、上記組成物は、透過増強剤、保存剤、抗酸化剤、乳化剤、界面活性剤または湿潤剤、エモリエント剤、フィルム形成剤、または粘性改変剤から選択される1種またはこれより多くのさらなる成分を含み得る。これらの構成要素が使用され得、製薬および製剤化分野の当業者の知識に基づいて製剤化に適切なレベルで使用され得る。上記量は、1重量%未満から最大90重量%またはさらには99重量%超までの範囲に及び得る。
一局面において、透過増強剤が含まれ得る。別の局面において、保存剤が含まれ得る。別の局面において、抗酸化剤が含まれ得る。別の局面において、乳化剤が含まれ得る。別の局面において、エモリエント剤が含まれ得る。別の局面において、粘性改変剤が含まれ得る。別の局面において、界面活性剤または湿潤剤が含まれ得る。別の局面において、フィルム形成剤が含まれ得る。別の局面において、上記薬学的組成物は、ゲル、軟膏、ローション剤、エマルジョン、クリーム剤、液体、スプレー、懸濁物、ゼリー、フォーム剤、ムース、パスタ剤、テープ、分散物、エアロゾルからなる群より選択される形態にある。これらの構成要素が使用され得、製薬および製剤化分野の当業者の知識に基づいて製剤化に適切なレベルで使用され得る。
別の局面において、上記薬学的に受容可能なキャリアは、以下からなる群より選択される物質を含み得る:アルコール(エタノール、ベンジルアルコール、またはイソプロピルアルコールが挙げられるが、これらに限定されない)、アセトン、アルブミン、果実もしくは野菜もしくは花もしくは堅果もしくは種子に由来する油(アーモンド油、コーン油、綿実油、ココナツ油、ゴマ油、オリーブ油、ラッカセイ油、サフラワー油、ダイズ油、またはヒマワリ油が挙げられるが、これらに限定されない)、安息香酸ベンジル、ブチレングリコール、二酸化炭素、ヒマシ油、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルエーテル、フタル酸ジメチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジプロピレングリコール、酢酸エチル、乳酸エチル、オレイン酸エチル、グリセリン、グリセリルモノステアレート、グリコフロール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ライトミネラルオイル、ミネラルオイル、中鎖トリグリセリド、乳酸メチル、モノエタノールアミン、オクチルドデカノール、ポリエチレングリコール、ポリオキシル35ヒマシ油、炭酸プロピレン、プロピレングリコール、ピロリドン、トリアセチン、トリカプリリン、トリエタノールアミン、クエン酸トリエチル、トリオレイン、および水、またはこれらの組み合わせ。これらの構成要素が使用され得、製薬および製剤化分野の当業者の知識に基づいて製剤化に適切なレベルで使用され得る。上記量は、1重量%未満から最大90重量%またはさらには99重量%超までの範囲に及び得る。
別の局面において、上記少なくとも1種の透過増強剤は、以下からなる群より選択され得る:アルコール(エタノール、ベンジルアルコール、オレイルアルコール、またはイソプロピルアルコールが挙げられるが、これらに限定されない)、セバシン酸ジエチル、ジエチレングリコール、ジメチルスルホキシド、グリセリルモノオレエート、グリコフロール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ライトミネラルオイル、ラウリン酸、リノール酸、メントール、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシグリセリド、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノラウレート、ピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、スクアラン、チモール、トリカプリリン、トリオレイン、およびトランスクトール、またはこれらの組み合わせ。これらの構成要素が使用され得、製薬および製剤化分野の当業者の知識に基づいて、製剤化に適切なレベルで使用される。上記量は、1重量%未満から最大で90重量%までの範囲に及び得る。
別の局面において、上記少なくとも1種の保存剤は、以下からなる群より選択され得る:パラベン(ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、およびプロピルパラベンが挙げられる)、アセトンナトリウムビスルフェート、アルコール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、ホウ酸、ブロノポール、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチレングリコール、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エデト酸、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿酸、イソプロピルアルコール、モノチオグリセロール、ペンテト酸、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、酢酸フェニル水銀、ホウ酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、安息香酸カリウム、ピロ亜硫酸カリウム、硝酸カリウム、ソルビン酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、プロピレングリコール、プロピルパラベンナトリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ソルビン酸、二酸化イオウ、チメロサール、酸化亜鉛、およびN-アセチルシステイン、またはこれらの組み合わせ。これらの構成要素が使用され得、製薬および製剤化分野の当業者の知識に基づいて、製剤化に適切なレベルで使用され得る。上記量は、1重量%未満から最大で30重量%までの範囲に及び得る。
別の局面において、上記少なくとも1種の抗酸化剤は、以下からなる群より選択され得る:アセトン重亜硫酸ナトリウム、αトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、クエン酸一水和物、没食子酸ドデシル、エリソルビン酸、フマル酸、リンゴ酸、マンニトール、ソルビトール、モノチオグリセロール、没食子酸オクチル、ピロ亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、二酸化イオウ、チモール、ビタミンEポリエチレングリコールコハク酸塩、およびN-アセチルシステイン、またはこれらの組み合わせ。これらの構成要素が使用され得、製薬および製剤化分野の当業者の知識に基づいて、製剤化に適切なレベルで使用され得る。上記量は、1重量%未満から最大で30重量%までの範囲に及び得る。
別の局面において、上記少なくとも1種の乳化剤は、以下からなる群より選択され得る:アカシアガム、アガー、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、カルボマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、コレステロール、ジエタノールアミン、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノステアレート、ヘクトライト、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒプロメロース、ラノリン、ラノリンアルコール、ラウリン酸、レシチン、リノール酸、酸化マグネシウム、中鎖トリグリセリド、メチルセルロース、ミネラルオイル、モノエタノールアミン、ミリスチン酸、オクチルドデカノール、オレイン酸、オレイルアルコール、パーム油、パルミチン酸、ペクチン、リン脂質、ポロキサマー、ポリカルボフィル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシル15ヒドロキシステアレート、ポリオキシグリセリド、アルギン酸カリウム、アルギン酸プロピレングリコール、プロピレングリコールジラウレート、プロピレングリコールモノラウレート、サポナイト、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム二水和物(sodium citrate dehydrate)、乳酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ソルビタンエステル、デンプン、ステアリン酸、ステアリン酸スクロース、トラガカントガム、トリエタノールアミン、トロメタミン、ビタミンEポリエチレングリコールコハク酸塩、ワックス、およびキサンタンガム、またはこれらの組み合わせ。これらの構成要素が使用され得、製薬および製剤化分野の当業者の知識に基づいて、製剤化に適切なレベルで使用され得る。上記量は、1重量%未満から最大で30重量%までの範囲に及び得る。
別の局面において、上記少なくとも1種のエモリエント剤は、以下からなる群より選択され得る:アーモンド油、モノステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸ブチル、キャノーラ油、ヒマシ油、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、パルミチン酸セチル、コレステロール、ココナツ油、シクロメチコン、オレイン酸デシル、セバシン酸ジエチル、ジメチコン、エチレングリコールステアレート、グリセリン、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノステアレート、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラノリン、ラノリンアルコール、レシチン、ミネラルオイル、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、パーム核油、パーム油、ワセリン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコールジラウレート、プロピレングリコールモノラウレート、サフラワー油、スクアレン、ヒマワリ油、トリカプリリン、トリオレイン、ワックス、キシリトール、酢酸亜鉛、またはこれらの組み合わせ。これらの構成要素が使用され得、製薬および製剤化分野の当業者の知識に基づいて、製剤化に適切なレベルで使用され得る。上記量は、1重量%未満から最大で60重量%までの範囲に及び得る。
別の局面において、上記少なくとも1種の粘性改変剤は、以下からなる群より選択され得る:アカシアガム、アガー、アルギン酸、モノステアリン酸アルミニウム、アルギン酸アンモニウム、アタパルジャイト、ベントナイト、アルギン酸カルシウム、乳酸カルシウム、カルボマー、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、セルロース、イナゴマメ、セレシン、セトステアリルアルコール、パルミチン酸セチル、キトサン、コロイド性二酸化ケイ素、コーンシロップソリッド(corn syrup solid)、シクロメチコン、エチルセルロース、ゼラチン、ベヘン酸グリセリル、グアールガム、ヘクトライト、疎水性コロイド性シリカ、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒプロメロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マルトデキストリン、メチルセルロース、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、パーム油、ペクチン、ポリカルボフィル、ポリデキストロース、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリビニルアルコール、アルギン酸カリウム、アルギン酸プロピレングリコール、プルラン、サポナイト、アルギン酸ナトリウム、デンプン、スクロース、砂糖、スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン(sulfoburylether β-cyclodextrin)、トラガカントガム、トレハロース、およびキサンタンガム、またはこれらの組み合わせ。これらの構成要素が使用され得、製薬および製剤化分野の当業者の知識に基づいて、製剤化に適切なレベルで使用され得る。上記量は、1重量%未満から最大で60重量%までの範囲に及び得る。
別の局面において、上記少なくとも1種のフィルム形成剤は、以下からなる群より選択され得る:アルギン酸アンモニウム、キトサン、コロホニウム、コポビドン、エチレングリコールおよびビニルアルコールグラフト化コポリマー、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、ポリメタクリレート、ポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸無水物)、ポリビニルアセテート分散物、ポリビニルアセテートフタレート、ポリビニルアルコール、ポビドン、プルラン、ピロキシリン、およびシェラック、またはこれらの組み合わせ。これらの構成要素が使用され得、製薬および製剤化分野の当業者の知識に基づいて、製剤化に適切なレベルで使用され得る。上記量は、1重量%未満から最大で90重量%またはさらには99重量%超までの範囲に及び得る。
別の局面において、上記少なくとも1種の界面活性剤または湿潤剤は、以下からなる群より選択され得る:ドクサートナトリウム、リン脂質、ラウリル硫酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、αトコフェロール、グリセリルモノオレエート、ミリスチルアルコール、ポロキサマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシル15ヒドロキシステアレート、ポリオキシグリセリド、プロピレングリコールジラウレート、プロピレングリコールモノラウレート、ソルビタンエステル、ステアリン酸スクロース、トリカプリリン、およびビタミンEポリエチレングリコールコハク酸塩、またはこれらの組み合わせ。これらの構成要素が使用され得、製薬および製剤化分野の当業者の知識に基づいて、製剤化に適切なレベルで使用され得る。上記量は、1重量%未満から最大で30重量%までの範囲に及び得る。
別の局面において、緩衝化剤が含まれ得る。別の局面において、エモリエント剤が含まれ得る。別の局面において、乳化剤が含まれ得る。別の局面において、エマルジョン安定化剤が含まれ得る。別の局面において、ゲル化剤が含まれ得る。別の局面において、保湿剤が含まれ得る。別の局面において、軟膏基剤または油性ビヒクルが含まれ得る。別の局面において、懸濁剤が含まれ得る。別の局面において、酸味料が含まれ得る。別の局面において、アルカリ化剤(alkalizing agent)が含まれ得る。別の局面において、生体接着性物質が含まれ得る。別の局面において、着色料が含まれ得る。別の局面において、微小被包化剤が含まれ得る。別の局面において、硬化剤(stiffening agent)が含まれ得る。これらの構成要素が使用され得、製薬および製剤化分野の当業者の知識に基づいて、製剤化に適切なレベルで使用され得る。上記量は、1重量%未満から最大で90重量%またはさらには99重量%超までの範囲に及び得る。
製薬および製剤化分野の当業者は、本発明の組成物の必須のおよび選択肢的な構成要素の適切なレベルを決定し得る。
シタキセンタン組成物を調製する方法はまた、本発明の一部として含まれ、標準的な製剤化および混合技術を使用して、製薬および製剤化分野の当業者に明らかである。
処置方法
本発明は、皮膚線維症および結合組織疾患のような状態を処置するための局部用または局所用の組成物を提供するために、治療上有効な量のシタキセンタンまたはその薬学的に受容可能な塩および薬学的に受容可能なキャリアを利用する。このような状態としては、強皮症(全身性強皮症および限局性強皮症が挙げられるが、これらに限定されない)、レイノー現象、ペイロニー病、手指硬化症、皮膚潰瘍、斑状強皮症、剣創状強皮症、瘢痕性脱毛症、瘢痕性脱毛症(扁平毛孔性苔癬、前頭線維化脱毛症、頭頂部遠心性瘢痕性脱毛症、禿髪性毛包炎、円板状エリテマトーデス、および解離性蜂巣炎が挙げられるが、これらに限定されない)、関節リウマチ、狼瘡、硬化性苔癬、ケロイド瘢痕、肥厚性瘢痕、熱傷瘢痕、およびこれらの組み合わせが挙げられ得る。
上記方法は、治療上有効な量のシタキセンタンまたはその薬学的に受容可能な塩をその必要性のある上記哺乳動物(例えば、ヒト患者)に局部的にまたは局所的に塗布する工程を包含する。ヒト患者が処置されている場合、上記組成物は、上記ヒトの皮膚に塗布される。
種々の投与レジメンが処方され得、医師または他の専門家の技術および知識に基づいて使用され得る。いくつかの実施形態において、上記組成物の単位投与量は、本明細書で記載されるように、少なくとも1日1回塗布され得る。他の実施形態において、上記組成物の単位投与量は、少なくとも1日2回、または少なくとも1週間に1回、または少なくとも1週間に2回塗布され得る。
上記組成物の局部または局所投与は、所望の治療上の利益が達成されるまで、すなわち、皮膚線維症または結合組織疾患が処置されるまで、医師または専門家の判断において継続され得る。場合によっては、長期間の(long term)または長期間にわたる(chronic)治療を継続することは望ましいことであり得る。
以下の実施例はさらに、本発明の範囲内の実施形態を記載しかつ示す。実施例は、本発明の多くのバリエーションが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく可能であることから、例証目的で示されるに過ぎず、本発明の限定として解釈されるべきではない。
実施例1: 男性の細胞におけるTGF-β1誘導性線維芽細胞に対するシタキセンタンの効果
創傷閉鎖アッセイにおけるシタキセンタンの効果を、線維性表現型へとTGF-β1で誘導した男性の正常ヒト皮膚線維芽細胞を使用して測定した。強皮症線維芽細胞は、コントロールより有意に早くスクラッチアッセイにおいて創傷を「閉鎖」し、これらの誘導性線維芽細胞は、二次元スクラッチアッセイにおいて強皮症線維芽細胞と同様に挙動する。このアッセイに関して、上記細胞をコンフルエントになるまで増殖させ、スクラッチ/剥離、すなわち、「創傷」を作製し、その取り除かれたゾーンにまたがる移動を、追跡した。http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0007438およびWu, M. et al. Rosiglitazone abrogates bleomycin-induced scleroderma and blocks profibrotic responses through peroxisome proliferator-activated receptor-gamma. Am J Pathol174, 519-533, doi:10.2353/ajpath.2009.080574 (2009)を参照のこと。
男性の正常ヒト皮膚線維芽細胞(LLCT FC0024 lot 03869_male fibroblast, 23歳齢)を、10% ウシ胎仔血清(FBS) ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中、96ウェルプレートにおいてコンフルエントになるように播種した。
上記細胞を洗浄して、FBSを除去し、無血清培地を16時間、一晩(O/N)にわたって添加した。
スクラッチアッセイを、各コンフルエントの単層にわたって行った。
上記サンプルを必要に応じてCellTracker Green(5μM)で染色して、蛍光時間ゼロ画像を生成した。
上記細胞を、線維形成を誘導するために、50ng/mLのTGF-β1の存在下で、漸増濃度(1μM、3μM、10μM、30μM、および100μM)のビヒクルコントロール、シタキセンタン、およびボセンタン(比較化合物として)で処理した。6連のサンプルを、各濃度に対して実行した。
時間ゼロ画像を撮影し、上記スクラッチ/剥離の最初の距離を記録した。
上記サンプルを、24時間、37℃においてインキュベートし、その後、培地を除去し、0.5μg/mLのカルセインアセトキシメチル(カルセインAM)を添加した。
上記サンプルを、30分間インキュベートした。
画像を撮影し、上記スクラッチ/剥離の距離を記録した。
距離の減少は、「創傷」閉鎖を示した。
距離を計算し、GraphPad Prism 7を使用して分析した。
そのデータを、μM(マイクロメートル)単位での距離の変化として、表1に示す。
100μM濃度のビヒクルコントロール、シタキセンタン、およびボセンタンに関するデータを、図1において統計分析とともに棒グラフとして示す。
これらの結果は、シタキセンタンが、TGF-β1誘導性の男性の正常ヒト皮膚線維芽細胞の移動を有意に低減したのに対して、ボセンタンは、有意な効果を有しなかったことを示す。
実施例2:女性の細胞におけるTGF-β1誘導性線維芽細胞に対するシタキセンタンの効果
創傷閉鎖アッセイにおけるシタキセンタンの効果を、線維性表現型へとTGF-β1で誘導した女性の正常ヒト皮膚線維芽細胞を使用して測定した。強皮症線維芽細胞は、コントロールより有意に早くスクラッチアッセイにおいて創傷を「閉鎖」し、これらの誘導性線維芽細胞は、二次元スクラッチアッセイにおいて強皮症線維芽細胞と同様に挙動する。このアッセイに関して、上記細胞をコンフルエントになるまで増殖させ、スクラッチ/剥離、すなわち、「創傷」を作製し、その取り除かれたゾーンにまたがる移動を、追跡した。http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0007438およびWu, M. et al. Rosiglitazone abrogates bleomycin-induced scleroderma and blocks profibrotic responses through peroxisome proliferator-activated receptor-gamma. Am J Pathol174, 519-533, doi:10.2353/ajpath.2009.080574 (2009)を参照のこと。
女性の正常ヒト皮膚線維芽細胞(LLCT FC0024 lot 00703_female fibroblast, 45歳齢)を、10% ウシ胎仔血清(FBS) ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中、96ウェルプレートにおいてコンフルエントになるように播種した。
上記細胞を洗浄して、FBSを除去し、無血清培地を16時間、一晩(O/N)にわたって添加した。
スクラッチアッセイを、各コンフルエントの単層にわたって行った。
上記サンプルを必要に応じてCellTracker Green(5μM)で染色して、蛍光時間ゼロ画像を生成した。
上記細胞を、線維形成を誘導するために、50ng/mLのTGF-β1の存在下で、漸増濃度(3μM、10μM、30μM、および100μM)のビヒクルコントロール、シタキセンタン、およびボセンタン(比較化合物として)で処理した。3連のサンプルを、各濃度に対して実行した。
時間ゼロ画像を撮影し、上記スクラッチ/剥離の最初の距離を記録した。
上記サンプルを、48時間、37℃においてインキュベートし、その後、培地を除去し、0.5μg/mLのカルセインアセトキシメチル(カルセインAM)を添加した。
上記サンプルを、30分間インキュベートした。
画像を撮影し、上記スクラッチ/剥離の距離を記録した。
距離の減少は、「創傷」閉鎖を示した。
距離を計算し、GraphPad Prism 7を使用して分析した。
そのデータを、μM(マイクロメートル)単位での距離の変化として、表2に示す。
100μM濃度のビヒクルコントロール、シタキセンタン、およびボセンタンに関するデータを、図2において統計分析とともに棒グラフとして示す。
これらの結果は、シタキセンタンおよびボセンタンの両方が、ビヒクルコントロールと比較して、TGF-β1誘導性の女性の正常ヒト皮膚線維芽細胞の移動を有意に低減し、シタキセンタンは、ボセンタンより有意に大きく移動を低減したことを示す。
実施例3:TGF-β1誘導性ヒト皮膚線維芽細胞におけるコラーゲン生成に対するシタキセンタンの効果
コラーゲン生成に対するシタキセンタンの効果を、線維性表現型へとTGF-β1で誘導した男性の正常ヒト皮膚線維芽細胞を使用して、AlphaLISAアッセイにおいて測定した。このアッセイに関して、細胞を、ビヒクルコントロール、シタキセンタン、およびボセンタンの存在下で48時間増殖させた。http://www.perkinelmer.com/product/alphalisa-hpip-collagen-kit-100pts-al353hvを参照のこと。
AlphaLISAアッセイを使用した。このアッセイは、洗浄なしの高感度定量的アッセイにおいて、目的の分子の検出を可能にするFRET(機構共鳴エネルギー移動)技術のバリエーションである。AlphaLISAアッセイにおいて、ビオチン化抗分析物抗体は、ストレプトアビジン被覆ドナービーズに結合する一方で、別の光分析物抗体は、AlphaLISAアクセプタービーズに結合体化される。上記分析物の存在下で、上記ビーズは、接近した状態になる。上記ドナービーズの励起は、上記アクセプタービーズにおけるエネルギー移動のカスケードの引き金を引く一重項酸素分子の放出を引き起こし、615nmでの光放射の鋭いピークを生じる。
男性の正常ヒト皮膚線維芽細胞(LLCT FC0024 lot 03869_male fibroblast, 23歳齢)を、10% ウシ胎仔血清(FBS) ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中、96ウェルプレートにおいてコンフルエントになるように播種した。
上記細胞を洗浄して、FBSを除去し、無血清培地を一晩(O/N)添加した。
次いで、上記細胞を、50ng/mLのTGF-β1で刺激し、処理した。
上記ウェル中の細胞の上の上清培地を集め、無血清DMEM培地中で1:20希釈した。
各hPIP分析物標準5μLまたはサンプル5μLを添加した。
10μLの5×AlphaLISA 抗hPIPアクセプタービーズを添加した(最終10μg/mL)。
上記プレートを、30分間、23℃においてインキュベートした。
10μLの5×ビオチン化 抗hPIP抗体を添加した(1nM)。
上記プレートを60分間、23℃においてインキュベートした。
25μLの2×ストレプトアビジン-ドナービーズを添加した(最終40μg/mL)。
上記プレートを30分間、23℃において遮光してインキュベートした。
上記プレートを、Perkin Elmer EnVision-Alpha Reader(615nm)を使用して読み取った。
データを、GraphPad Prism 7を使用して分析した。
各サンプルにつき3連から4連で実行した。
上記データを、ng/mL(ナノグラム/mL)単位でヒトプロコラーゲンI型Cペプチド(HPIP)レベルとして表3に示す。
100μM濃度のビヒクルコントロール、シタキセンタン、およびボセンタンに関するデータを、図3において統計的分析とともに棒グラフとして示す。
これらの結果は、シタキセンタンおよびボセンタンの両方が、ビヒクルコントロールと比較して、TGF-β1誘導性の男性の正常ヒト皮膚線維芽細胞においてコラーゲンレベルの上昇を有意に減少させ、シタキセンタンが、ボセンタンより有意に有効であり、コラーゲンレベルを非処理/非誘導レベルに戻したことを示す。
実施例4:TGF-β1誘導性ヒト皮膚線維芽細胞における細胞生存能力、細胞毒性、およびアポトーシスに対するシタキセンタンの効果
細胞生存能力、細胞毒性、およびアポトーシスに対するシタキセンタンの効果を、線維性表現型へとTGF-β1で誘導した男性の正常ヒト皮膚線維芽細胞を使用して、アッセイにおいて測定した。これらのアッセイに関して、細胞を、ビヒクルコントロール、シタキセンタン、およびボセンタンの存在下で48時間増殖させた。適切なアッセイ試薬および測定技術を、本明細書で示されるように使用した。
男性の正常ヒト皮膚線維芽細胞(LLCT FC0024 lot 03869_male fibroblast, 23歳齢)を、10% ウシ胎仔血清(FBS) ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中、96ウェルプレートにおいてコンフルエントになるように播種した。
上記細胞を洗浄して、FBSを除去し、無血清培地を一晩(O/N)添加した。
次いで、上記細胞を、50ng/mLのTGF-β1で刺激し、48時間処理した。
以下の試薬を、種々のアッセイのために使用した:
細胞生存能力/細胞毒性アッセイに関して:
生存能力/細胞毒性試薬のマスターミックスを、各基質(GF-AFCおよびビスAAF-R110)10μLを2mLのアッセイ緩衝液(Promega, Cat # G6320)に合わせることによって作製した。次いで、この生存能力/細胞毒性試薬のうちの20μlを各ウェルに添加し、短時間混合した。上記プレートを、37℃において30分間インキュベートし、その後、400励起/505発光(生存能力)および485励起/520発光(細胞毒性)において蛍光を測定した。
アポトーシスアッセイに関して:
アポトーシスアッセイに関して、100μlのCaspase-Glo(登録商標) 3/7試薬(Promega, Cat # G6320)を引き続いて、生存能力/細胞毒性傾向読み取りの後に添加し、短時間混合した。
上記プレートを、さらに30分間、室温においてインキュベートし、その後、発光を測定して、アポトーシスを検出した。
データを、GraphPad Prism 7を使用して分析した。
各サンプルにつき6連から9連で実行した。
細胞生存能力に関して:
上記データを、細胞生存能力の尺度として相対的蛍光単位(RFU)として表4Aに示す。
100μM濃度のビヒクルコントロール、シタキセンタン、およびボセンタンに関する表4Aからのデータを、図4において統計的分析とともに棒グラフとして示す。
これらの結果は100μMまでの濃度では、シタキセンタンに関して有意な毒性がTGF誘導性の男性の正常ヒト皮膚線維芽細胞において観察されたかったことを示す。
細胞毒性に関して:
上記データを、細胞毒性の尺度として相対的蛍光単位(RFU)として表4Bに示す。
100μM濃度のビヒクルコントロール、シタキセンタン、およびボセンタンに関する表4Bからのデータを、図5において統計的分析とともに棒グラフとして示す。
これらの結果は、ボセンタンもシタキセンタンも、ビヒクルコントロールより有意に細胞毒性でなかったことを示す;しかし、ボセンタンは、TGF-β1誘導性の男性の正常ヒト皮膚線維芽細胞においてシタキセンタンより有意に細胞毒性であった。
アポトーシスに関して:
上記データを、細胞アポトーシスの尺度として相対的光単位(RLU)として表4Cに示す。
100μM濃度のビヒクルコントロール、シタキセンタン、およびボセンタンに関する表4Cからのデータを、図6において統計的分析とともに棒グラフとして示す。
これらの結果は、TGF-β1誘導性の男性の正常ヒト皮膚線維芽細胞のアポトーシスが、シタキセンタンおよびボセンタンの両方で処理後に上昇したが、シタキセンタンは、ボセンタンより有意に強力な効果を有したことを示す。
実施例5:局所的送達のための組成物の調製
シタキセンタンナトリウムを、エタノールと混合して、上記シタキセンタン活性物の重量に基づいて、1% 溶液を得た。
この組成物は、皮膚線維症または結合組織疾患のような状態の処置のためのヒト患者または動物への局所投与に有用である。
援用の表示
本明細書で言及される訂正証明書、特許出願文書、科学論文、政府報告書、ウェブサイト、および他の参考文献を含む特許文書の各々の開示全体は、全ての目的のためのその全体において本明細書に参考として援用される。用語法において矛盾する場合には、本明細書が優先する。
均等物
本発明は、その趣旨または本質的特性から逸脱することなく、他の具体的形態において具現化され得る。前述の実施形態は、本明細書中で記載される発明の限定ではなく、全ての点において例証とみなされるべきである。本発明の方法およびシステムの種々の実施形態において、用語、含む、包含するが、記載される上記方法の工程または上記組成物の構成要素に関して使用される場合、上記方法および組成物は、その記載される工程または構成要素から本質的になるかまたはからなることがまた、企図される。さらに、工程の順序またはある種の行為を行うための順序は、本発明が実施可能なままである限りにおいて、重要ではないことが理解されるべきである。さらに、2またはこれより多くの工程または行為は、同時に行われる可能性がある。
本明細書において、状況が別段明らかに規定しなければ、単数形は、複数形をも包含する。別段定義されなければ、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書が優先する。
さらに、ある種の場合には、組成物は、混合する前に、構成要素から構成されると記載され得ることは認識されるべきである。なぜなら混合の際に、ある種の構成要素は、さらに反応し得るかまたはさらなる物質へと変換され得るからである。
本明細書で使用される全てのパーセンテージおよび比は、別段示されなければ、重量による。

Claims (1)

  1. 本明細書に記載の発明。
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