JP2023183558A - 繊維含有樹脂成形体および繊維含有樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】剛性向上あるいは軽量化を図りつつ、耐衝撃性を向上させることが可能な繊維含有樹脂成形体を提供する。【解決手段】植物性繊維と熱可塑性樹脂とを含有する概して板状の部材であり、少なくとも一方側の面12bに、凸部30が連続する繰り返しパターンを形成する。繰り返しパターンのない成形体と同じ目付けとすれば、その成形体に比較して、剛性を向上させることできる。一方、繰り返しパターンのない成形体と同じ剛性を確保する場合には、その成形体に比較して目付けを低減させること、つまり、軽量化することが可能である。また、無数の凸部の存在によって、当該成形体10に加わる板厚方向の力を、面方向に分散させることができ、当該成形体10に加わる衝撃を吸収し、衝撃による割れを抑制することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、繊維含有樹脂成形体に関し、また、繊維含有樹脂成形体の製造方法に関する。
例えば、下記特許文献1に記載されているように、植物性繊維同士が熱可塑性樹脂により結着された構造の繊維含有樹脂成形体が知られている。この繊維含有樹脂成形体は、軽量でありながら高い剛性を備えているため、例えば、ドアトリム等の車両用内装材や、建築物および家具等の内装材,外装材等、広く用いられている。また、下記特許文献1は、衝撃を受けた際の割れの発生を抑制すべく、特定の高強力繊維を混合させ、密度を特定するすることが記載されている。
特開2020-44747号公報
上記特許文献1のように、繊維含有樹脂成形体において、剛性を向上させる、あるいは、軽量化を図るとともに、耐衝撃性を向上させるという点において、未だ検討の余地が残されている。
本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、剛性向上あるいは軽量化を図りつつ、耐衝撃性を向上させることが可能な繊維含有樹脂成形体を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の繊維含有樹脂成形体は、植物性繊維と熱可塑性樹脂とを含有する概して板状の部材であり、少なくとも一方側の面に、凸部が連続する繰り返しパターンが形成されていることを特徴とする。
本願に開示の繊維含有樹脂成形体(以下、単に「成形体」と呼ぶ場合がある。)は、無数の凸部の存在によって、面剛性を向上させることができる。つまり、繰り返しパターンのない成形体と同じ目付けとすれば、その成形体に比較して、本願に開示の繊維含有樹脂成形体は、剛性を向上させることできる。一方、本願に開示の繊維含有樹脂成形体において、繰り返しパターンのない成形体と同じ剛性を確保する場合には、その成形体に比較して目付けを低減させること、つまり、軽量化することが可能である。また、本願に開示の繊維含有樹脂成形体は、無数の凸部の存在によって、当該成形体に加わる板厚方向の力を、面方向に分散させることができ、当該成形体に加わる衝撃を吸収し、衝撃による割れを抑制することができる。
なお、本願に開示の成形体における「繰り返しパターン」は、本発明の目的を損なわない限り、特に限定されず、例えば、円錐や角錐等の錘状の凸部を幾何学的に配置した構成のもの、逆に、角錐等の錘状の凹所を幾何学的に配置することで隣り合う凹所の間に凸部を形成した構成のものとすることができる。
上記構成において、前記凸部は、高さが0.5mm以上2.5mm以下とされた構成とすることができる。
各凸部の高さは、1.5mm以上2.5mm以下であることが、より好ましい。例えば、プレス成形によって繰り返しパターンを形成する場合、凸部の高さ2.5mmが形成可能な上限値となるが、凸部の高さが2.5mmに近いほど、当該成形体の剛性向上あるいは軽量化を図りつつ、耐衝撃性を向上させることができる。
上記構成において、前記凸部は、板面に対する傾斜角が、45°以下とされた構成とすることができる。
凸部を形成する傾斜面の角度は、15°以下であることが、より好ましい。特に、凸部の高さが2.5mmに近い場合には、10°以下であることが、より好ましい。
上記構成において、前記繰り返しパターンは、角錐形状の凹所が隙間なく配置されることで、前記凸部が連続する形状とされたものとすることができる。
この構成の成形体は、例えば、角錐形状を幾何学配置した成形型を用いてプレス成形することによって、繰り返しパターンを容易に形成することができる。また、隙間なく凸部が形成されるため、衝撃に弱い部分を減らし、効果的に耐衝撃性を向上させることができる。
上記構成において、意匠面を構成する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有し、前記第2面に、前記繰り返しパターンが形成されている構成とすることができる。
この構成の成形体は、1つの面が意匠面とされていることで、例えば乗物の内装材や家具等に採用し、繊維柄の意匠の物品等を実現することができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の繊維含有樹脂成形体の製造方法は、
植物性繊維と熱可塑性樹脂からなる樹脂繊維とをマット状に広げた繊維ウェブを加熱して、平板状のプレボードを成形するプレボード成形工程と、
前記プレボードを加熱プレスすることによって、前記プレボードの少なくとも一方側の面に、凸部が連続する繰り返しパターンを形成しつつ当該繊維含有樹脂成形体の成形を行う成形体成形工程と、
を含むことを特徴とする。
この構成の繊維含有樹脂成形体の製造方法によれば、成形体への成形と同時に、繰り返しパターンを形成できるため、成形体の製造時におけるサイクルタイムの短縮化を図ることができる。
上記構成において、前記成形体成形工程は、角錐形状の突起が隙間なく並んで設けられた成形型を用いて、前記プレボードの少なくとも一方側の面に、角錐形状の凹所を形成することで、隣り合う凹所の間が前記凸部となる前記繰り返しパターンを形成する構成とすることができる。
この構成の製造方法によれば、凸部を隙間なく配した耐衝撃性を向状させた成形体を、簡便に製造することができる。
本発明によれば、剛性向上あるいは軽量化を図りつつ、耐衝撃性を向上させることが可能な繊維含有樹脂成形体を提供することができる。
本実施形態の繊維含有樹脂成形体の断面構成を模式的に示す図 繊維含有樹脂成形体に形成された繰り返しパターンを示す斜視図 繰り返しパターンを示す平面図 繰り返しパターンを示す断面図(図3におけるA-A断面) プレボード成形工程を示す図 プレス成形装置の構成を模式的に示す図 成形体成形工程により成形体が得られる状態を示す図 本発明の繊維含有樹脂成形体の評価方法の説明図 評価結果を示す表
<繊維含有樹脂成形体の構成>
本実施形態の繊維含有樹脂成形体10およびその製造方法について、図1~図8を参照しつつ説明する。図1には、本実施形態の繊維含有樹脂成形体10の断面構成を模式的に表している。繊維含有樹脂成形体10(以下、単に「成形体10」と略す場合がある。)は、図1に示すように、平面状の中央部分である意匠面部12に対して外縁部14が立設する形状をなしており、例えば、車両用内装材(ドアトリムを構成するボード部材)として用いられる。成形体10は、植物性繊維と、熱可塑性樹脂とを含む繊維含有樹脂基材(プレボード)を所定形状に成形した概して板状の部材である。
本実施形態の成形体10を構成する植物性繊維は、植物に由来する繊維である。植物性繊維としては、例えば、ケナフ、ジュート麻、マニラ麻、サイザル麻、雁皮、三椏、楮、バナナ、パイナップル、ココヤシ、トウモロコシ、サトウキビ、バガス、ヤシ、パピルス、葦、エスパルト、サバイグラス、麦、稲、竹、各種針葉樹(スギ及びヒノキ等)、広葉樹及び綿花等の各種植物体から得られた繊維が挙げられる。これらの植物性繊維は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてもよい。植物性繊維としては、ケナフ繊維が好ましい。ケナフは成長が極めて早い一年草であり、優れた二酸化炭素吸収性を有するため、大気中の二酸化炭素量の削減、森林資源の有効利用等に貢献できる。また、前記植物性繊維として用いる植物体の部位は特に限定されず、繊維を採取できればよく、非木質部、茎部、根部、葉部及び木質部等の植物体を構成するいずれの部位であってもよい。更に、特定部位のみを用いてもよく2ヶ所以上の異なる部位を併用してもよい。
植物性繊維は、通常、中実体である。植物性繊維の繊維長の上限は、好ましくは150mmである。なお、上記繊維長の平均値(平均繊維長)は、好ましくは10mm~100mm、より好ましくは30mm~80mmである。また、植物性繊維の繊維径の上限は、本発明の目的を損なわない限り、特に制限はないが、例えば、1500μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましく、200μm以下が更に好ましい。ちなみに、本実施形態においては、植物性繊維には、平均繊維径が80μm~100μmのケナフ繊維を用いている。
本実施形態の成形体10において、植物性繊維の含有率(質量%)は、35質量%以上、好ましくは40質量%以上であり、55質量%以下、好ましくは50質量%以下である。植物性繊維の含有率がこのような範囲であると、本実施形態の成形体10の軽量性の確保あるいは剛性の確保を行うとともに、耐衝撃性を確保し易い。
次に、本実施形態の成形体10を構成する熱可塑性樹脂は、主に、バインダ樹脂として機能するものであり、種々の熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂(メタクリレート及び/又はアクリレート等を用いて得られた樹脂)、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂及びABS樹脂等が挙げられる。このうち、ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体(エチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体)等が挙げられる。ポリエステル樹脂としては、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン及びポリブチレンサクシネート等の脂肪族ポリエステル樹脂、並びに、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
そして、本実施形態の成形体10は、表面形状に特徴を有する。本成形体10は、意匠面部12の一方側の面12a、具体的には、外縁部14によって囲まれた側の面が、車室外側面(裏面)とされ、他方側の面12bが、車室内側面、つまり、意匠面(第1面)とされている。その意匠面部12の裏面(第2面)12bには、図2~図4に示すような繰り返しパターンが形成されている。この繰り返しパターンは、四角錘状の凹所20が上下左右に隣接するように、隙間なく形成されたものとである。つまり、隣接する凹所20と凹所20との間に、その中央を稜線22としてその両側に下降する傾斜面部24を有する凸部30が形成されていると考えることができる。つまり、この繰り返しパターンは、凸部30が連続する繰り返しパターンと考えることもできる。
この凸部30は、図4に示すように、高さH、つまり、凹所20の底20aから稜線22までの高低差は、0.5mm以上2.5mm以下とされている。なお、この凸部30の高さHは、好ましくは1.5mm以上2.5mm以下である。また、この凸部30の傾斜面部24の傾斜角θ、つまり、意匠面部12の板面に対してなす角度は、45°以下とされている。なお、この凸部30の傾斜角θは、好ましくは15°以下である。さらに言えば、凸部30の高さHが1.5mm以上2.5mm以下である場合には、10°以下であることが、より好ましい。
なお、本実施形態においては、繰り返しパターンが四角錘状の凹所20が複数形成されたものとされていたが、本発明の目的を損なわない限り、それに限定されない。例えば、三角錐状等の多角錘状の凹所が形成されることで連続する凸部が形成されたものとすることもできる。また、逆に、多角錘状の凸部が形成されたもの、円錐状の凸部が形成されたものとすることもできる。
以上のように構成された本実施形態の成形体10は、その効果について後に詳しく説明するが、無数の凸部30の存在によって、面剛性を向上させることができる。つまり、繰り返しパターンのない成形体と同じ目付けとすれば、その成形体に比較して、本実施形態の成形体10は、剛性を向上させることできる。一方、本実施形態の成形体10において、繰り返しパターンのない成形体と同じ剛性を確保する場合には、その成形体に比較して目付けを低減させること、つまり、軽量化することが可能である。また、本実施形態の成形体10は、無数の凸部30の存在によって、当該成形体10に加わる板厚方向の力を、面方向に分散させることができ、当該成形体10に加わる衝撃を吸収し、衝撃による割れを抑制することができる。
<繊維含有樹脂成形体の製造方法>
続いて、上記成形体10の製造方法について、図5~図7を参照しつつ説明する。本実施形態の製造方法は、大まかには、図5に示したプレボード製造装置60によって平板状のプレボードを成形するプレボード成形工程と、そのプレボードをプレス成形装置80によってプレス成形する成形体成形工程と、からなる。
プレボード成形工程を行う主体となるプレボード製造装置60は、図5に示すように、繊維供給部62と、フィードコンベア64と、カード機66と、コンベア68と、交絡装置70と、カッター72と、加熱加圧装置74と、を備える。
まず、繊維供給部62では、上述した植物性繊維と熱可塑性樹脂繊維とが、定められた割合で混合される。例えば、ドアトリムを構成するボード部材である本実施形態の成形体10においては、植物性繊維としてケナフ繊維と、熱可塑性樹脂繊維としてポリプロピレン繊維(PP繊維)とが混合される。そして、その混合状態とされた混合繊維10Aは、フィードコンベア64によってカード機66に送られる。
カード機66は、開繊シリンダ(メインシリンダ)66Aや、複数のローラ66B,66C等を含んで構成される。開繊シリンダ66Aは、円筒状をなすシリンダ本体の表面(外周面)に複数の刃を有するものであり、図2において時計回りに回転させられる。開繊シリンダ66Aが主体となって他のローラとの間で、混合繊維10Aを、掻き込むようにして開繊シリンダ66Aの表面上に載せて上方に運ぶようになっている。また、開繊シリンダ66Aの外周には、ウォーカローラ66Bおよびストリッパーローラ66Cが設けられている。ウォーカローラ66Bは、開繊シリンダ66Aとの間に混合繊維10Aを通過させることで、その混合繊維10Aに対して開繊処理を施す機能を有しており、ストリッパーローラ66Cは、ウォーカローラ66Bの表面に付着した混合繊維10Aを剥離する機能を有している。そして、開繊された繊維は、開繊シリンダ66Aの回転による遠心力によって、空中に放出される。
その開繊シリンダ66Aから放出された混合繊維10A(開繊された繊維)は、動作中のコンベア68上に堆積させられる。そのコンベア68上に堆積された混合繊維10Aは、コンベア68の動作によって下流側(図5における右側)に搬送される。つまり、コンベア68への混合繊維10Aの堆積および堆積された混合繊維10Aの搬送が連続的に行われることで、混合繊維10Aが開繊・積層されてなるマット状の繊維ウェブ10Bが成形されるのである。
繊維ウェブ10Bは、交絡装置70に搬送される。交絡装置70は、例えば、ニードルパンチ装置とされ、繊維ウェブ10Bに含まれる繊維同士を交絡させることで繊維ウェブ11Wを不織布状とすることが可能な構成とされている。交絡された繊維ウェブ10Bは、カッター72により所定の長さに裁断され、加熱加圧装置74に搬送される。
加熱加圧装置74は、例えば熱板プレス装置や熱ベルトプレス装置等からなり、通電によって発熱するヒータなどの発熱手段を備えている。繊維ウェブ10Bは、加熱されることで、熱可塑性樹脂繊維が溶融または軟化する。そして、繊維ウェブ10Bは、加熱されつつ、または、加熱後に、加圧される。その後、溶融(または軟化)した熱可塑性樹脂が冷却固化することで、その熱可塑性樹脂がバインダの機能を果たし、植物性繊維同士が結着される。つまり、平板状のプレボード10Cが成形される。
次いで、プレス成形装置80を用いて成形体成形工程が行われる。プレス成形装置80は、図6,図7に模式的に示すように、上型82と下型84とからなる成形型86を備えており、その成形型86に倣った形となるように成形される。具体的には、なお、成形型86は、固定型とされた下型84に対して、可動型である上型82を、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダなど)によって移動可能なものであり、上型82を下型84に対して接近離間させることで、成形型86の型閉じおよび型開きが可能な構成となっている。
下型84は、上型82との対向面である成形面84aが、上型82に向かって突き出す形状をなしている。また、上型82は、下型84との対向面である成形面82aが、下型84の形状に対応して凹む形状をなしている。上型82は、図7に示すように、型閉じされた状態では、下型84に対して、本実施形態の成形体10の板厚に等しい距離だけ離間して対向配置される。つまり、下型84の成形面84aと、上型82の成形面82aとの距離(クリアランス)は、プレボード10Cの厚みよりも小さくなるように、設定されている。また、下型84の成形面84aのうち、水平方向に広がって成形体10の意匠面部12を成形する意匠面部成形部84a1には、四角錘状の突起が幅方向および奥行き方向に並んで隙間なく形成されている。
成形体成形工程においては、まず、上述したプレボード10Cが加熱されて、熱可塑性樹脂が軟化され、図6に示すように、その加熱されたプレボード10Cが、下型84の上に保持される。そして、図7に示すように、上型82を下降させて成形型86を型閉じすると、プレボード10Cは、上述のようなクリアランスを有する上型82と下型84との間で、所定の形にされるとともに厚み方向に圧縮された状態となる。
そして、上型82と下型84との間で挟まれた状態で冷却され、プレボード10Cに含まれる熱可塑性樹脂の固化が行われる。その後、型開きして、プレス成形装置80から成形物を取り出すと、図1に示されるような、本実施形態の成形体10が得られる。また、意匠面部12の裏面12bには、四角錘状の凹所20が隙間なく形成されるのである。
<繊維含有樹脂成形体の評価>
次に、本発明の繊維含有樹脂成形体についての評価を、CAE解析により行った。今回の評価方法では、まず、図8に示すように、概して長方形(200mm×100mm)の平板状で、裏面(下面)に上記実施形態の成形体10と同様な繰り返しパターンを形成したボード部材100を想定する。なお、このボード部材100は、ケナフ繊維とPPとから構成され、目付け1000mg/mのものとしている。
そのボード部材100の長手方向における両端部102(20mmずつ)を固定し、ボード部材100の中央104(外径10mmの円内)に荷重F(=100N)を作用させる。その際のボード部材100の中央104における撓み量(mm)と応力(MPa)を算出している。そして、ボード部材100は、繰り返しパターンの凸部の高さHと、凸部の傾斜角θとを、それぞれ変化させて、それらに対応する撓み量と応力とを算出し、凸部を形成していないボード部材との比較を行った。なお、凸部の高さHおよび傾斜角θは、前述したプレス成形装置80による凸部の成形性を考慮して、傾斜角45°以下で、かつ、高さ25mm以下から5mm以上の範囲内で、変化させている。その結果を、図9に示す。
図9の表に示されるように、評価を行ったほぼ全ての態様において、比較例の凸部無しのボード部材に対して、撓み量と応力とのとの少なくとも一方は小さくなる傾向が見られた。特に、応力は、凸部の高さHに関係なく、傾斜角5°の場合に最も小さくなった。また、凸部の高さHが2mm以上2.5mm以下である場合には、傾斜角5°において撓み量も最も小さくなっていた。また、凸部の高さHが、上限値2.5mmに近いほど、撓み量および応力が小さくなっており、凸部の高さが2.5mmに近いほど、成形体の剛性向上あるいは軽量化を図りつつ、耐衝撃性を向上させることができると考えらる。
以上のことから、凸部の高さは、1.5mm以上2.5mm以下であることが好ましく、凸部の高さは、2.5mmに近いほどより好ましい。また、凸部の傾斜角θは、15°以下であることが、より好ましい。特に、凸部の高さが2.5mmに近い場合には、10°以下であることが好ましい。
<他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。例えば、次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態の成形体10は、一方側の面12aが意匠面とされていたが、意匠面でない場合や表皮材で覆われる場合には、裏面12bだけでなく、表面にも繰り返しパターンが形成されてもよい。
(2)上記実施形態の成形体10は、裏面12bの全面に繰り返しパターンが形成されるものとされていたが、一部のみに繰り返しパターンが形成されていてもよい。
(3)上記実施形態においては、成形体10は、車両用のドアトリムに用いられていたが、それに限定されず、インストルメントパネル、ルーフライニング、カウルサイドトリム、ピラーガーニッシュ等の他の車両用内装材に用いることができ、自動車以外の乗物の内装材に用いることもできる。さらに言えば、乗物以外にも、家具や小物類等、種々のものに用いることができる。
10…繊維含有樹脂成形体、10A…混合繊維、10B…繊維ウェブ、10C…プレボード、12a…意匠面、12b…裏面〔繰り返しパターン〕、20…凹所、30…凸部、80…プレス成型装置、82…上型、84…下型、84a…成形面、84a1…意匠面部成形部、86…成形型

Claims (8)

  1. 植物性繊維と熱可塑性樹脂とを含有する概して板状の部材であり、少なくとも一方側の面に、凸部が連続する繰り返しパターンが形成されていることを特徴とする繊維含有樹脂成形体。
  2. 前記凸部は、高さが0.5mm以上2.5mm以下とされた請求項1に記載の繊維含有樹脂成形体。
  3. 前記凸部は、板面に対する傾斜角が、45°以下とされた請求項1に記載の繊維含有樹脂成形体。
  4. 前記凸部は、高さが0.5mm以上2.5mm以下とされ、板面に対する傾斜角が、45°以下とされた請求項1に記載の繊維含有樹脂成形体。
  5. 前記繰り返しパターンは、角錐形状の凹所が隙間なく配置されることで、前記凸部が連続する形状とされたものである請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の繊維含有樹脂成形体。
  6. 意匠面を構成する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有し、前記第2面に、前記繰り返しパターンが形成されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の繊維含有樹脂成形体。
  7. 植物性繊維と熱可塑性樹脂からなる樹脂繊維とをマット状に広げた繊維ウェブを加熱して、平板状のプレボードを成形するプレボード成形工程と、
    前記プレボードを加熱プレスすることによって、前記プレボードの少なくとも一方側の面に、凸部が連続する繰り返しパターンを形成しつつ当該繊維含有樹脂成形体の成形を行う成形体成形工程と、
    を含む繊維含有樹脂成形体の製造方法。
  8. 前記成形体成形工程は、角錐形状の突起が隙間なく並んで設けられた成形型を用いて、前記プレボードの少なくとも一方側の面に、角錐形状の凹所を形成することで、隣り合う凹所の間が前記凸部となる前記繰り返しパターンを形成する請求項7に記載の繊維含有樹脂成形体の製造方法。
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