JP2021194809A - 繊維ボード、成形体、それらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷間プレス時に生じる一面と他面との収縮差を緩和可能な繊維ボード、その収縮差による変形を抑制可能な成形体、及びそれらの製造方法を提供する。【解決手段】繊維ボード11は、植物繊維14と、植物繊維14同士を結着するバインダ樹脂と、を含み、バインダ樹脂として、一面12側に第1の樹脂組成物15を含み、他面13側に第2の樹脂組成物16を含み、第2の樹脂組成物16の成形収縮率は、第1の樹脂組成物15の成形収縮率よりも低く、成形体は、この繊維ボード11から形成された基材を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、植物繊維と、植物繊維同士を結着するバインダ樹脂と、を含む繊維ボード、その繊維ボードから形成された基材を有する成形体、および繊維ボードの製造方法、成形体の製造方法に関する。
用途を車両内装材等とする成形体として、植物繊維を熱可塑性樹脂で結着した繊維ボードを用いるものが挙げられる。この成形体は、加熱軟化させた繊維ボードを冷間プレスすることにより、任意の形状に形成されている。こうした成形体及び繊維ボードに関する技術として、特許文献1が知られている。
上記繊維ボードは、冷間プレスの際、プレス成形装置の下型の上に載せられる(例えば、図8参照)。この際、繊維ボードは、下面と上面とで冷え方に差が生じる。
即ち、下型に載せた繊維ボードの下面は、該下型と直接的に接触されることで、先に冷やされる。対して、繊維ボードの上面は、該繊維ボードを下型に載せた時点では、上型に接触しておらず、後から冷やされる。
上述のように、繊維ボードの下面と上面とで冷え方に差があると、下面と上面とで収縮差が生じる。そして、この収縮差に因り、成形体には、反り、撓み、歪み等の変形が生じてしまう。
即ち、下型に載せた繊維ボードの下面は、該下型と直接的に接触されることで、先に冷やされる。対して、繊維ボードの上面は、該繊維ボードを下型に載せた時点では、上型に接触しておらず、後から冷やされる。
上述のように、繊維ボードの下面と上面とで冷え方に差があると、下面と上面とで収縮差が生じる。そして、この収縮差に因り、成形体には、反り、撓み、歪み等の変形が生じてしまう。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、冷間プレス時における繊維ボードの一面と他面との収縮差を緩和可能な繊維ボード、収縮差による変形を抑制可能な成形体、およびそれらの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下に示される。
請求項1に記載の繊維ボードは、植物繊維と、前記植物繊維同士を結着するバインダ樹脂と、を含む繊維ボードであって、
前記バインダ樹脂として、一面側に第1の樹脂組成物を含み、他面側に第2の樹脂組成物を含み、
前記第2の樹脂組成物の成形収縮率は、前記第1の樹脂組成物の成形収縮率よりも低いことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1の樹脂組成物は、結晶性樹脂を含み、
前記第2の樹脂組成物は、前記結晶性樹脂と、該結晶性樹脂に添加された添加材料と、を含む、ことを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記添加材料は、無機材料、前記結晶性樹脂よりも成形収縮率が低い熱可塑性樹脂の群から選択される少なくとも1つであることを要旨とする。
請求項4に記載の成形体の発明は、請求項1乃至3のうちの何れかに記載の繊維ボードから形成された基材を有することを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記第2の樹脂組成物を含む前記基材の他面には、表皮材が貼着されていることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明において、前記成形体は、パッケージトレイであることを要旨とする。
請求項7に記載の繊維ボードの製造方法の発明は、請求項1乃至3のうちの何れかに記載の繊維ボードの製造方法であって、
植物繊維と、第1の樹脂組成物を含む第1の樹脂繊維と、を混繊して、一面側を形成する第1ウェブを得る第1混繊工程と、
植物繊維と、第2の樹脂組成物を含む第2の樹脂繊維と、を混繊して、他面側を形成する第2ウェブを得る第2混繊工程と、
前期第1ウェブと、前記第2ウェブと、を積層し、積層方向に加熱圧縮して、繊維ボードを得るボード形成工程と、を備えることを要旨とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記第2の樹脂繊維は、結晶性樹脂によって形成された第1相と、添加材料によって形成された第2相と、を有することを要旨とする。
請求項9に記載の成形体の製造方法の発明は、請求項4乃至6のうちの何れかに記載の成形体の製造方法であって、
前記繊維ボードを加熱軟化させる加熱軟化工程と、
加熱軟化させた前記繊維ボードを、冷間プレス機の下型と上型と間にセットし、前記下型と前記上型とを型締めして冷間プレスするプレス工程と、を備え、
前記プレス工程では前記繊維ボードを、第1の樹脂組成物を含む一面側が前記下型に接触されるようにして、冷間プレスすることを要旨とする。
請求項1に記載の繊維ボードは、植物繊維と、前記植物繊維同士を結着するバインダ樹脂と、を含む繊維ボードであって、
前記バインダ樹脂として、一面側に第1の樹脂組成物を含み、他面側に第2の樹脂組成物を含み、
前記第2の樹脂組成物の成形収縮率は、前記第1の樹脂組成物の成形収縮率よりも低いことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1の樹脂組成物は、結晶性樹脂を含み、
前記第2の樹脂組成物は、前記結晶性樹脂と、該結晶性樹脂に添加された添加材料と、を含む、ことを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記添加材料は、無機材料、前記結晶性樹脂よりも成形収縮率が低い熱可塑性樹脂の群から選択される少なくとも1つであることを要旨とする。
請求項4に記載の成形体の発明は、請求項1乃至3のうちの何れかに記載の繊維ボードから形成された基材を有することを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記第2の樹脂組成物を含む前記基材の他面には、表皮材が貼着されていることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の発明において、前記成形体は、パッケージトレイであることを要旨とする。
請求項7に記載の繊維ボードの製造方法の発明は、請求項1乃至3のうちの何れかに記載の繊維ボードの製造方法であって、
植物繊維と、第1の樹脂組成物を含む第1の樹脂繊維と、を混繊して、一面側を形成する第1ウェブを得る第1混繊工程と、
植物繊維と、第2の樹脂組成物を含む第2の樹脂繊維と、を混繊して、他面側を形成する第2ウェブを得る第2混繊工程と、
前期第1ウェブと、前記第2ウェブと、を積層し、積層方向に加熱圧縮して、繊維ボードを得るボード形成工程と、を備えることを要旨とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記第2の樹脂繊維は、結晶性樹脂によって形成された第1相と、添加材料によって形成された第2相と、を有することを要旨とする。
請求項9に記載の成形体の製造方法の発明は、請求項4乃至6のうちの何れかに記載の成形体の製造方法であって、
前記繊維ボードを加熱軟化させる加熱軟化工程と、
加熱軟化させた前記繊維ボードを、冷間プレス機の下型と上型と間にセットし、前記下型と前記上型とを型締めして冷間プレスするプレス工程と、を備え、
前記プレス工程では前記繊維ボードを、第1の樹脂組成物を含む一面側が前記下型に接触されるようにして、冷間プレスすることを要旨とする。
本発明によれば、冷間プレス時に生じる一面と他面との収縮差を緩和可能な繊維ボード及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、繊維ボードの一面と他面との収縮差による変形を抑制可能な成形体及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、繊維ボードの一面と他面との収縮差による変形を抑制可能な成形体及びその製造方法を提供することができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
本発明の繊維ボードを示す断面図である。
本発明の成形体を示す断面図である。
成形体の基材の一部を拡大した断面図である。
本発明の成形体であるパッケージトレイを示す斜視図である。
本発明の繊維ボードの製造方法を説明する説明図である。
繊維ボードとなる繊維マットを示す側面図である。
(a)〜(e)は第2の樹脂繊維を説明する断面図である。
本発明の成形体の製造方法を説明する説明図である。
以下、本発明を詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
本発明の繊維ボードは、図1に示すように、植物繊維14と、植物繊維14同士を結着するバインダ樹脂と、を含む繊維ボード11である。
繊維ボード11は、上記バインダ樹脂として、一面12側(下面側)に第1の樹脂組成物15を含んでいる。また、繊維ボード11は、上記バインダ樹脂として、他面13側(上面側)に第2の樹脂組成物16を含んでいる。
そして、第2の樹脂組成物16は、その成形収縮率(S16)が、第1の樹脂組成物15の成形収縮率(S15)よりも低い(S15>S16)ものである。
繊維ボード11は、上記バインダ樹脂として、一面12側(下面側)に第1の樹脂組成物15を含んでいる。また、繊維ボード11は、上記バインダ樹脂として、他面13側(上面側)に第2の樹脂組成物16を含んでいる。
そして、第2の樹脂組成物16は、その成形収縮率(S16)が、第1の樹脂組成物15の成形収縮率(S15)よりも低い(S15>S16)ものである。
上記繊維ボードは、用途について、特に限定されない。通常、繊維ボードの用途は、冷間プレスによる成形体の材料である。
また、繊維ボードは、具体的な形状、大きさ(平面積)、厚さ等について、特に限定されない。通常、繊維ボードの形状、大きさ(平面積)、厚さ等は、その用途に応じたものになるように、設定される。
また、繊維ボードは、具体的な形状、大きさ(平面積)、厚さ等について、特に限定されない。通常、繊維ボードの形状、大きさ(平面積)、厚さ等は、その用途に応じたものになるように、設定される。
上記植物繊維14は、植物体(幹、茎、枝、葉、根等)から取り出された繊維である。この植物繊維14は、葉脈系植物繊維、靭皮系植物繊維、木質系植物繊維等を含む。
植物繊維14の元となる植物体は、特に限定されない。植物体としては、例えば、ケナフ、ヘンプ、ジュート麻、ラミー、亜麻(フラックス)、マニラ麻、サイザル麻、雁皮、三椏、楮、バナナ、パイナップル、ココヤシ、トウモロコシ、サトウキビ、バガス、ヤシ、パピルス、葦、エスパルト、サバイグラス、麦、稲、竹、各種針葉樹(スギ及びヒノキ等)、広葉樹及び綿花等が挙げられる。これら植物体は、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
植物体は、上述したなかでも、靭皮植物、即ち、ケナフ、ヘンプ、ジュート麻、ラミー、亜麻(フラックス)が好ましく、この中でも、特にケナフが好ましい。更に、植物繊維14は、ケナフの靭皮から採取されるケナフ繊維がとりわけ好ましい。
植物繊維14の元となる植物体は、特に限定されない。植物体としては、例えば、ケナフ、ヘンプ、ジュート麻、ラミー、亜麻(フラックス)、マニラ麻、サイザル麻、雁皮、三椏、楮、バナナ、パイナップル、ココヤシ、トウモロコシ、サトウキビ、バガス、ヤシ、パピルス、葦、エスパルト、サバイグラス、麦、稲、竹、各種針葉樹(スギ及びヒノキ等)、広葉樹及び綿花等が挙げられる。これら植物体は、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
植物体は、上述したなかでも、靭皮植物、即ち、ケナフ、ヘンプ、ジュート麻、ラミー、亜麻(フラックス)が好ましく、この中でも、特にケナフが好ましい。更に、植物繊維14は、ケナフの靭皮から採取されるケナフ繊維がとりわけ好ましい。
植物繊維14の具体的な形状は、特に限定されない。植物繊維14は、例えば、平均繊維長を10〜200mm(更に20〜170mm、特に25〜150mm、とりわけ30〜90mm)とすることができる。この平均繊維長は、JIS L1015に準拠して、直接法にて無作為に単繊維を1本ずつ取り出し、伸張させずに真っ直ぐに伸ばし、置尺上で繊維長を測定し、合計200本について測定した値の平均値である。
植物繊維14の繊維径は、特に限定はされない。植物繊維14は、例えば、平均繊維径を1〜2500μm(更に10〜2000μm、特に100〜1750μm、とりわけ200〜1500μm)とすることができる。この平均繊維径は、平均繊維長の測定に用いた合計200本の各単繊維の長さ方向の中央における繊維径を、光学顕微鏡を用いて測定した値の平均値である。
植物繊維14の繊維径は、特に限定はされない。植物繊維14は、例えば、平均繊維径を1〜2500μm(更に10〜2000μm、特に100〜1750μm、とりわけ200〜1500μm)とすることができる。この平均繊維径は、平均繊維長の測定に用いた合計200本の各単繊維の長さ方向の中央における繊維径を、光学顕微鏡を用いて測定した値の平均値である。
上記第1の樹脂組成物15及び上記第2の樹脂組成物16の種類は、第2の樹脂組成物16の成形収縮率(S16)が、第1の樹脂組成物15の成形収縮率(S15)よりも低い(S15>S16)のであれば、特に限定されない。この成形収縮率は、第1の樹脂組成物15又は第2の樹脂組成物16からなるペレットを用い、JIS K7152−4に規定された方法で測定した値である。
第1の樹脂組成物15と第2の樹脂組成物16の成形収縮率の差(S15−S16)は、特に限定されない。S15−S16は、例えば、2/1000(0.2%)〜23/1000(2.3%)、更に6/1000(0.6%)〜23/1000(2.3%)、特に6/1000(0.6%)〜21/1000(2.1%)、とりわけ8/1000(0.8%)〜17/1000(1.7%)とすることができる。
第1の樹脂組成物15と第2の樹脂組成物16の成形収縮率の差(S15−S16)は、特に限定されない。S15−S16は、例えば、2/1000(0.2%)〜23/1000(2.3%)、更に6/1000(0.6%)〜23/1000(2.3%)、特に6/1000(0.6%)〜21/1000(2.1%)、とりわけ8/1000(0.8%)〜17/1000(1.7%)とすることができる。
第1の樹脂組成物15の具体的な成形収縮率は、特に限定されない。第1の樹脂組成物15の成形収縮率(S15)は、例えば、10/1000(1.0%)〜25/1000(2.5%)とすることができる。
第2の樹脂組成物16の具体的な成形収縮率は、特に限定されない。第2の樹脂組成物16の成形収縮率(S16)は、例えば、2/1000(0.2%)〜8/1000(0.8%)、更に2/1000(0.2%)〜4/1000(0.4%)、とすることができる。
第2の樹脂組成物16の具体的な成形収縮率は、特に限定されない。第2の樹脂組成物16の成形収縮率(S16)は、例えば、2/1000(0.2%)〜8/1000(0.8%)、更に2/1000(0.2%)〜4/1000(0.4%)、とすることができる。
第1の樹脂組成物15は、結晶性樹脂を含むものとすることができる。この結晶性樹脂の種類は限定されず、周知のものを利用することができる。
結晶性樹脂として、具体的には、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
結晶性樹脂として、具体的には、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上述のポリエステル樹脂としては、ポリ乳酸、脂肪族ポリエステル樹脂、芳香族ポリエステル樹脂等が挙げられる。脂肪族ポリエステル樹脂としては、ポリカプロラクトン及びポリブチレンサクシネート等が挙げられる。芳香族ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。
上述のアクリル樹脂としては、メタクリレート、アクリレート等を用いて得られた各種樹脂が挙げられる。
上述のフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン・四フッ化エチレン共重合体等が挙げられる。
上述のアクリル樹脂としては、メタクリレート、アクリレート等を用いて得られた各種樹脂が挙げられる。
上述のフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン・四フッ化エチレン共重合体等が挙げられる。
結晶性樹脂としては、上述したなかでも、ポリオレフィン樹脂が好ましい。
ポリオレフィン樹脂を構成するオレフィン単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
即ち、ポリオレフィン樹脂としては、エチレン単独重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体等のポリエチレン樹脂が挙げられる。これらのポリエチレン樹脂は、全構成単位数のうちの50%以上がエチレンに由来する単位の樹脂である。
更に、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体(プロピレン・エチレンランダム共重合体等)、プロピレン・1−ブテン共重合体等のポリプロピレン樹脂が挙げられる。これらのポリプロピレン樹脂は、全構成単位数のうちの50%以上がプロピレンに由来する単位の樹脂である。
ポリオレフィン樹脂を構成するオレフィン単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
即ち、ポリオレフィン樹脂としては、エチレン単独重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体等のポリエチレン樹脂が挙げられる。これらのポリエチレン樹脂は、全構成単位数のうちの50%以上がエチレンに由来する単位の樹脂である。
更に、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体(プロピレン・エチレンランダム共重合体等)、プロピレン・1−ブテン共重合体等のポリプロピレン樹脂が挙げられる。これらのポリプロピレン樹脂は、全構成単位数のうちの50%以上がプロピレンに由来する単位の樹脂である。
第1の樹脂組成物15は、上述の結晶性樹脂と、更に、極性基を導入して変性された熱可塑性樹脂と、を含むものとすることができる。なお、第1の樹脂組成物15は、結晶性樹脂のみ含むものとしてもよい。
変性された熱可塑性樹脂(以下、単に「変性熱可塑性樹脂」という)は、上述の各種熱可塑性樹脂が主鎖となり、主鎖に対して変性基が導入された樹脂である。この変性基の種類は限定されないが極性基が好ましい。極性基としては、無水カルボン酸基(−CO−O−OC−)、カルボン酸基(−COOH)、カルボニル基(−CO−)、ヒドロキシル基(−OH)、アミノ基(−NH2)、ニトロ基(−NO2)、ニトリル基(−CN)等が挙げられる。
これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、無水カルボン酸基、カルボン酸基、カルボニル基のうちの少なくとも1種が好ましく、無水カルボン酸基又はカルボン酸基が特に好ましい。
変性された熱可塑性樹脂(以下、単に「変性熱可塑性樹脂」という)は、上述の各種熱可塑性樹脂が主鎖となり、主鎖に対して変性基が導入された樹脂である。この変性基の種類は限定されないが極性基が好ましい。極性基としては、無水カルボン酸基(−CO−O−OC−)、カルボン酸基(−COOH)、カルボニル基(−CO−)、ヒドロキシル基(−OH)、アミノ基(−NH2)、ニトロ基(−NO2)、ニトリル基(−CN)等が挙げられる。
これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、無水カルボン酸基、カルボン酸基、カルボニル基のうちの少なくとも1種が好ましく、無水カルボン酸基又はカルボン酸基が特に好ましい。
第1の樹脂組成物15に、結晶性樹脂及び変性熱可塑性樹脂が含まれる場合、これらの樹脂の主鎖は異なってもよいが、同じであることが好ましい。
即ち、結晶性樹脂がポリオレフィン樹脂(非変性ポリオレフィン樹脂)である場合、変性熱可塑性樹脂は変性ポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
第1の樹脂組成物15に、結晶性樹脂及び変性熱可塑性樹脂が含まれる場合、変性熱可塑性樹脂の割合は、結晶性樹脂及び変性熱可塑性樹脂の合計を100質量%として、1〜12質量%であることが好ましく、2〜9質量%であることがより好ましく、3〜7質量%であることが更に好ましく、4〜6質量%であることが特に好ましい。
即ち、結晶性樹脂がポリオレフィン樹脂(非変性ポリオレフィン樹脂)である場合、変性熱可塑性樹脂は変性ポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
第1の樹脂組成物15に、結晶性樹脂及び変性熱可塑性樹脂が含まれる場合、変性熱可塑性樹脂の割合は、結晶性樹脂及び変性熱可塑性樹脂の合計を100質量%として、1〜12質量%であることが好ましく、2〜9質量%であることがより好ましく、3〜7質量%であることが更に好ましく、4〜6質量%であることが特に好ましい。
上記第2の樹脂組成物16は、結晶性樹脂と、該結晶性樹脂に添加された添加材料と、を含むものとすることができる。この結晶性樹脂の種類は限定されず、周知のものを利用することができる。
第2の樹脂組成物16は、結晶性樹脂として、上述した第1の樹脂組成物15が含む結晶性樹脂と同一のものを含むことが好ましい。結晶性樹脂の詳細については、上述した第1の樹脂組成物15で説明した結晶性樹脂と同じであり、説明を省略する。
第2の樹脂組成物16は、更に、上述した変性熱可塑性樹脂を含むことができる。変性熱可塑性樹脂の詳細については、上述した第1の樹脂組成物15で説明した変性熱可塑性樹脂と同じであり、説明を省略する。
第2の樹脂組成物16は、結晶性樹脂として、上述した第1の樹脂組成物15が含む結晶性樹脂と同一のものを含むことが好ましい。結晶性樹脂の詳細については、上述した第1の樹脂組成物15で説明した結晶性樹脂と同じであり、説明を省略する。
第2の樹脂組成物16は、更に、上述した変性熱可塑性樹脂を含むことができる。変性熱可塑性樹脂の詳細については、上述した第1の樹脂組成物15で説明した変性熱可塑性樹脂と同じであり、説明を省略する。
また、第2の樹脂組成物16は、結晶性樹脂のみ含むものとしてもよい。この場合、第2の樹脂組成物16に含まれる結晶性樹脂は、第1の樹脂組成物15に含まれる結晶性樹脂と同系又は同種のものとすることができる。この場合、第2の樹脂組成物16に含まれる結晶性樹脂は、その成形収縮率(S16)が、第1の樹脂組成物15に含まれる結晶性樹脂の成形収縮率(S15)よりも低い(S15>S16)ものを用いる。
具体例として、第1の樹脂組成物15に含まれる結晶性樹脂がポリオレフィン樹脂であるポリプロピレン樹脂の場合、第2の樹脂組成物16に含まれる結晶性樹脂は、同系のポリオレフィン樹脂、あるいは同種のポリプロピレン樹脂とすることができる。この場合、第2の樹脂組成物16に含まれるポリオレフィン樹脂、あるいはポリプロピレン樹脂には、その成形収縮率(S16)が、第1の樹脂組成物15に含まれるポリオレフィン樹脂の成形収縮率(S15)よりも、低いものが用いられる。
同系又は同種の結晶性樹脂であって、異なる成形収縮率とする手段は、特に限定されない。例えば、同種の結晶性樹脂としてポリプロピレン樹脂を用いる場合、数平均分子量、質量平均分子量を変える等して、異なる成形収縮率とする手段が挙げられる。この他に、第1の樹脂組成物15を含む第1の樹脂繊維35と、第2の樹脂組成物16を含む第2の樹脂繊維36と、について、繊度を変える等して、異なる成形収縮率とする手段が挙げられる。
具体例として、第1の樹脂組成物15に含まれる結晶性樹脂がポリオレフィン樹脂であるポリプロピレン樹脂の場合、第2の樹脂組成物16に含まれる結晶性樹脂は、同系のポリオレフィン樹脂、あるいは同種のポリプロピレン樹脂とすることができる。この場合、第2の樹脂組成物16に含まれるポリオレフィン樹脂、あるいはポリプロピレン樹脂には、その成形収縮率(S16)が、第1の樹脂組成物15に含まれるポリオレフィン樹脂の成形収縮率(S15)よりも、低いものが用いられる。
同系又は同種の結晶性樹脂であって、異なる成形収縮率とする手段は、特に限定されない。例えば、同種の結晶性樹脂としてポリプロピレン樹脂を用いる場合、数平均分子量、質量平均分子量を変える等して、異なる成形収縮率とする手段が挙げられる。この他に、第1の樹脂組成物15を含む第1の樹脂繊維35と、第2の樹脂組成物16を含む第2の樹脂繊維36と、について、繊度を変える等して、異なる成形収縮率とする手段が挙げられる。
添加材料は、第2の樹脂組成物16の成形収縮率(S16)を、第1の樹脂組成物15の成形収縮率(S15)よりも低くするための材料である。特に、第2の樹脂組成物16に含まれる結晶性樹脂と、第1の樹脂組成物15に含まれる結晶性樹脂と、が同一である場合(つまり、成形収縮率も略同値である場合)、添加材料による成形収縮率を低くする機能は、極めて有用なものになる。
添加材料の種類は、S16をS15よりも低くできるのであれば、特に限定されない。添加材料として、具体的には、ガラス、カーボン(炭素)、セラミック、金属、鉱石等の無機材料、あるいは、第2の樹脂組成物16に含まれる結晶性樹脂よりも成形収縮率が低い熱可塑性樹脂が挙げられる。これら無機材料、熱可塑性樹脂は、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
添加材料の形状は、特に限定されない。添加材料は、例えば、粒子状、繊維状等の形状で第2の樹脂組成物16に含ませることができる。
添加材料の種類は、S16をS15よりも低くできるのであれば、特に限定されない。添加材料として、具体的には、ガラス、カーボン(炭素)、セラミック、金属、鉱石等の無機材料、あるいは、第2の樹脂組成物16に含まれる結晶性樹脂よりも成形収縮率が低い熱可塑性樹脂が挙げられる。これら無機材料、熱可塑性樹脂は、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
添加材料の形状は、特に限定されない。添加材料は、例えば、粒子状、繊維状等の形状で第2の樹脂組成物16に含ませることができる。
添加材料としては、無機材料の場合、上述したなかでも、繊維状としたガラス、つまりガラス繊維が好ましい。
また、添加材料としては、熱可塑性樹脂であれば、結晶性樹脂がポリオレフィン樹脂である場合、成形収縮率が10/1000(1.0%)未満の熱可塑性樹脂が好ましい。この熱可塑性樹脂として、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(成形収縮率:2/1000〜4/1000)、ポリフェニレンサルファイド(成形収縮率:6/1000〜8/1000)、ポリスチレン(成形収縮率:4/1000〜7/1000)、ポリカーボネート(成形収縮率:5/1000〜7/1000)、ポリ塩化ビニル(成形収縮率:1/1000〜5/1000)等が挙げられる。
また、添加材料としては、熱可塑性樹脂であれば、結晶性樹脂がポリオレフィン樹脂である場合、成形収縮率が10/1000(1.0%)未満の熱可塑性樹脂が好ましい。この熱可塑性樹脂として、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(成形収縮率:2/1000〜4/1000)、ポリフェニレンサルファイド(成形収縮率:6/1000〜8/1000)、ポリスチレン(成形収縮率:4/1000〜7/1000)、ポリカーボネート(成形収縮率:5/1000〜7/1000)、ポリ塩化ビニル(成形収縮率:1/1000〜5/1000)等が挙げられる。
第2の樹脂組成物16に結晶性樹脂と添加材料とが含まれる場合、添加材料がガラス繊維であれば、該添加材料の割合は、第2の樹脂組成物16中の結晶性樹脂及び添加材料の合計を100質量%として、好ましくは10〜40質量%、より好ましくは15〜35質量%、更に好ましくは20〜30質量%である。
また、添加材料が熱可塑性樹脂であれば、該添加材料の割合は、第2の樹脂組成物16中の結晶性樹脂及び添加材料の合計を100質量%として、好ましくは30〜60質量%、より好ましくは35〜55質量%、更に好ましくは40〜50質量%である。
また、添加材料が熱可塑性樹脂であれば、該添加材料の割合は、第2の樹脂組成物16中の結晶性樹脂及び添加材料の合計を100質量%として、好ましくは30〜60質量%、より好ましくは35〜55質量%、更に好ましくは40〜50質量%である。
上記繊維ボード11は、上述した植物繊維14、第1の樹脂組成物15、第2の樹脂組成物16等の他、必要に応じて可塑剤(バインダ樹脂である第1の樹脂組成物15及び第2の樹脂組成物16に対する可塑剤)、酸化防止剤、難燃剤、滑剤、防黴剤、抗菌剤、充填剤、着色剤等の他成分を含むことができる。
繊維ボード11中における他成分の含有量は、植物繊維14と、第1の樹脂組成物15及び第2の樹脂組成物16と、の合計質量を100質量部とした場合に、通常、0.1〜10質量部である。
繊維ボード11中における他成分の含有量は、植物繊維14と、第1の樹脂組成物15及び第2の樹脂組成物16と、の合計質量を100質量部とした場合に、通常、0.1〜10質量部である。
繊維ボード11に含まれる植物繊維14の総量と、バインダ樹脂の総量との割合は、特に限定されない。なお、バインダ樹脂の総量とは、第1の樹脂組成物15の総量と、第2の樹脂組成物16の総量との合計である。
植物繊維14の総量と、バインダ樹脂の総量との合計を100質量%とした場合に、植物繊維14の総量の割合は、10〜90質量%とすることができ、15〜85質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、25〜75質量%がより更に好ましく、30〜70質量%が特に好ましく、35〜65質量%がより特に好ましく、40〜60質量%がとりわけ好ましい。
植物繊維14の総量と、バインダ樹脂の総量との合計を100質量%とした場合に、植物繊維14の総量の割合は、10〜90質量%とすることができ、15〜85質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、25〜75質量%がより更に好ましく、30〜70質量%が特に好ましく、35〜65質量%がより特に好ましく、40〜60質量%がとりわけ好ましい。
繊維ボード11の厚さは、特に限定されない。繊維ボード11の厚さは、通常、0.5〜200mm、特に0.5〜80mmとすることができる。繊維ボードの厚さが0.5〜200mmであれば、多くの用途において十分な強度等を有し、且つ軽量な部材として用いることができる。
繊維ボード11の目付は、特に限定されない。繊維ボード11の目付は、例えば、200〜3000g/m2とすることができる。この目付は、更に400〜2500g/m2であることが好ましく、更に600〜2000g/m2であることが好ましく、更に800〜1800g/m2であることが好ましい。
本発明の成形体は、図2及び図3に示すように、基材21を有する成形体20である。この基材21は、上述の繊維ボード11から形成されている。
上記成形体20は、その用途について、特に限定されない。また、成形体20の形状、大きさ、厚さ等は、用途に応じて設定され、特に限定されない。
成形体20の用途として、例えば、自動車、鉄道車両、船舶、飛行機等の内装材や外装材が挙げられる。これらの他に、成形体20の用途として、例えば、建築物、家具等の内装材及び外装材等が挙げられる。即ち、ドア表装材、ドア構造材、各種家具(机、椅子、棚、箪笥など)の表装材等が挙げられる。その他、成形体20の用途として、包装体、収容体(トレイ等)、保護用部材、パーティション部材等が挙げられる。
上記成形体20は、その用途について、特に限定されない。また、成形体20の形状、大きさ、厚さ等は、用途に応じて設定され、特に限定されない。
成形体20の用途として、例えば、自動車、鉄道車両、船舶、飛行機等の内装材や外装材が挙げられる。これらの他に、成形体20の用途として、例えば、建築物、家具等の内装材及び外装材等が挙げられる。即ち、ドア表装材、ドア構造材、各種家具(机、椅子、棚、箪笥など)の表装材等が挙げられる。その他、成形体20の用途として、包装体、収容体(トレイ等)、保護用部材、パーティション部材等が挙げられる。
成形体20の用途として挙げた中でも、自動車の内装材や外装材として、具体的には、パッケージトレイ、ドア基材、ピラーガーニッシュ、スイッチベース、クォーターパネル、サイドパネル、アームレスト、自動車用ドアトリム、シート構造材、シートバックボード、天井材、コンソールボックス、自動車用ダッシュボード、各種インストルメントパネル、デッキトリム、バンパー、スポイラー、カウリング等が挙げられる。
上記繊維ボード11は、軽量且つ高剛性であることから、成形体20の用途として、自動車用内装材は、有用である。
この自動車用内装材の中でも、図4に示すパッケージトレイは、成形体20の用途として、特に有用である。これは、成形体20であるパッケージトレイは、サイズの大きな板状物であり、変形しやすいためである。
上記繊維ボード11は、軽量且つ高剛性であることから、成形体20の用途として、自動車用内装材は、有用である。
この自動車用内装材の中でも、図4に示すパッケージトレイは、成形体20の用途として、特に有用である。これは、成形体20であるパッケージトレイは、サイズの大きな板状物であり、変形しやすいためである。
上記基材21は、上述の繊維ボード11から形成されたものである。
即ち、基材21は、図3に示すように、植物繊維14と、植物繊維14同士を結着するバインダ樹脂として第1の樹脂組成物15及び第2の樹脂組成物16と、を含んでいる。
この基材21は、繊維ボード11の一面12側を該基材21の一面22側とし、繊維ボード11の他面13側を該基材21の他面23側として、形成されている。
従って、基材21は、バインダ樹脂として、一面22側に、第1の樹脂組成物15を含んでいる。また、基材21は、バインダ樹脂として、他面23側に、第2の樹脂組成物16を含んでいる。
即ち、基材21は、図3に示すように、植物繊維14と、植物繊維14同士を結着するバインダ樹脂として第1の樹脂組成物15及び第2の樹脂組成物16と、を含んでいる。
この基材21は、繊維ボード11の一面12側を該基材21の一面22側とし、繊維ボード11の他面13側を該基材21の他面23側として、形成されている。
従って、基材21は、バインダ樹脂として、一面22側に、第1の樹脂組成物15を含んでいる。また、基材21は、バインダ樹脂として、他面23側に、第2の樹脂組成物16を含んでいる。
成形体20(パッケージトレイ)は、図2及び図4に示すように、基材21と、更に表皮材27と、を有するものとすることができる。
上記表皮材27は、基材21の他面23(パッケージトレイの表面)、即ち第2の樹脂組成物16を含む側の面に貼着されている。
なお、表皮材27は、基材21の他面23(パッケージトレイの表面)にのみ貼着されることに限らず、基材21の他面23(パッケージトレイの表面)と一面22(パッケージトレイの裏面)の両面に貼着することができ、また、基材21の一面22(パッケージトレイの裏面)にのみ貼着することができる。
上記表皮材27は、基材21の他面23(パッケージトレイの表面)、即ち第2の樹脂組成物16を含む側の面に貼着されている。
なお、表皮材27は、基材21の他面23(パッケージトレイの表面)にのみ貼着されることに限らず、基材21の他面23(パッケージトレイの表面)と一面22(パッケージトレイの裏面)の両面に貼着することができ、また、基材21の一面22(パッケージトレイの裏面)にのみ貼着することができる。
表皮材27の材料は、基材21と貼着可能であれば、特に限定されない。表皮材27の材料としては、例えば、不織布や織布や編布等の布帛、合成皮革や本革等の皮革、樹脂フィルム、木目調シート等を挙げることができる。これらのなかでも、表皮材27の材料としては、不織布が好ましい。
上記不織布は、繊維を交絡させてシート状としたものである。繊維を交絡させる方法は、特に限定されない。その方法としては、例えば、ニードルパンチ法、ステッチボンド法、スパンボンド法、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、メルトブロー法、スパンレース法、スチームジェット法、ウォーターパンチ法等が挙げられる。
上記不織布は、繊維を交絡させてシート状としたものである。繊維を交絡させる方法は、特に限定されない。その方法としては、例えば、ニードルパンチ法、ステッチボンド法、スパンボンド法、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、メルトブロー法、スパンレース法、スチームジェット法、ウォーターパンチ法等が挙げられる。
不織布に使用される繊維は、特に限定されない。繊維としては、例えば、上述の熱可塑性樹脂(結晶性樹脂)による樹脂繊維、ガラス繊維等の無機繊維、上述の植物繊維や木綿やセルロース繊維等の天然繊維、レーヨン繊維等の半合成繊維などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらのなかでも、樹脂繊維は、不織布に使用されるものとして好ましい。更に、樹脂繊維の中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル樹脂は、入手容易性やハンドリング性に優れることから、好ましい。
樹脂繊維の繊度は、特に限定されず、例えば、4〜16dtexとすることができ、より好ましくは6〜12dtexとすることができる。
また、不織布(表皮材12)は、上記繊維ボード11と同様に、必要に応じて可塑剤(樹脂繊維に対する可塑剤)、酸化防止剤、難燃剤、滑剤、防黴剤、抗菌剤、充填剤、着色剤等の他成分を含むことができる。
これらのなかでも、樹脂繊維は、不織布に使用されるものとして好ましい。更に、樹脂繊維の中でも、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステル樹脂は、入手容易性やハンドリング性に優れることから、好ましい。
樹脂繊維の繊度は、特に限定されず、例えば、4〜16dtexとすることができ、より好ましくは6〜12dtexとすることができる。
また、不織布(表皮材12)は、上記繊維ボード11と同様に、必要に応じて可塑剤(樹脂繊維に対する可塑剤)、酸化防止剤、難燃剤、滑剤、防黴剤、抗菌剤、充填剤、着色剤等の他成分を含むことができる。
本発明の繊維ボードの製造方法は、第1混繊工程と、第2混繊工程と、ボード形成工程と、を備える。
第1混繊工程は、植物繊維14と、第1の樹脂組成物15を含む第1の樹脂繊維35と、を混繊して、繊維ボード11の一面12側を形成する第1ウェブ32を得る工程である。
第2混繊工程は、植物繊維14と、第2の樹脂組成物16を含む第2の樹脂繊維36と、を混繊して、繊維ボード11の他面13側を形成する第2ウェブ33を得る工程ある。
ボード形成工程は、第1ウェブ32と、第2ウェブ33と、を積層し、積層方向に加熱圧縮して、繊維ボード11を得る工程である。
第1混繊工程は、植物繊維14と、第1の樹脂組成物15を含む第1の樹脂繊維35と、を混繊して、繊維ボード11の一面12側を形成する第1ウェブ32を得る工程である。
第2混繊工程は、植物繊維14と、第2の樹脂組成物16を含む第2の樹脂繊維36と、を混繊して、繊維ボード11の他面13側を形成する第2ウェブ33を得る工程ある。
ボード形成工程は、第1ウェブ32と、第2ウェブ33と、を積層し、積層方向に加熱圧縮して、繊維ボード11を得る工程である。
上記製造方法では、図5に示すような、製造装置50を使用することができる。
製造装置50は、第1混繊工程を行う第1混繊部51と、第2混繊工程を行う第2混繊部52と、ボード形成工程行うボード形成部53と、を備えている。
製造装置50は、第1混繊工程を行う第1混繊部51と、第2混繊工程を行う第2混繊部52と、ボード形成工程行うボード形成部53と、を備えている。
第1混繊部51は、第1繊維供給部51Aと、第1エアレイ装置51Bと、を有している。
第1繊維供給部51Aは、その内部に投入された植物繊維14及び第1の樹脂繊維35を、第1エアレイ装置51Bへ送るものである。
第1エアレイ装置51Bは、植物繊維14及び第1の樹脂繊維35を混繊し、コンベア上に堆積させて、第1ウェブ32を形成するものである。
第1繊維供給部51Aは、その内部に投入された植物繊維14及び第1の樹脂繊維35を、第1エアレイ装置51Bへ送るものである。
第1エアレイ装置51Bは、植物繊維14及び第1の樹脂繊維35を混繊し、コンベア上に堆積させて、第1ウェブ32を形成するものである。
第2混繊部52は、第2繊維供給部52Aと、第2エアレイ装置52Bと、を有している。
第2繊維供給部52Aは、その内部に投入された植物繊維14及び第2の樹脂繊維36を、第2エアレイ装置52Bへ送るものである。
第2エアレイ装置52Bは、植物繊維14及び第2の樹脂繊維36を混繊し、コンベア上に堆積させて、第2ウェブ33を形成するものである。
第2繊維供給部52Aは、その内部に投入された植物繊維14及び第2の樹脂繊維36を、第2エアレイ装置52Bへ送るものである。
第2エアレイ装置52Bは、植物繊維14及び第2の樹脂繊維36を混繊し、コンベア上に堆積させて、第2ウェブ33を形成するものである。
ボード形成部53は、ニードルパンチ装置53Aと、カッター53Bと、ダブルベルトプレス装置53Cと、を有している。
ニードルパンチ装置53Aは、上下方向に積層された第1ウェブ32及び第2ウェブ33を交絡し、繊維マット31を形成するものである。
カッター53Bは、繊維マット31を所定サイズに裁断するものである。
ダブルベルトプレス装置53Cは、上下方向に繊維マット31を加熱圧縮して、繊維ボード11を形成するものである。
ニードルパンチ装置53Aは、上下方向に積層された第1ウェブ32及び第2ウェブ33を交絡し、繊維マット31を形成するものである。
カッター53Bは、繊維マット31を所定サイズに裁断するものである。
ダブルベルトプレス装置53Cは、上下方向に繊維マット31を加熱圧縮して、繊維ボード11を形成するものである。
上記製造方法では、第1混繊部51による第1混繊工程において、コンベア上に第1ウェブ32が形成される。
また、第2混繊部52による第2混繊工程において、コンベア上に第2ウェブ33が形成される。
また、第2混繊部52による第2混繊工程において、コンベア上に第2ウェブ33が形成される。
なお、第1混繊工程と第2混繊工程とは、形成されたウェブを搬送するコンベアに同一のものを使用し、そのコンベアの上流側に第1混繊部51を配し、下流側に第2混繊部52を配している。
このため、第1混繊工程で形成された第1ウェブ32がコンベアに載せられた後、該第1ウェブ32上に第2混繊工程で形成された第2ウェブ33が積層される。
このため、第1混繊工程で形成された第1ウェブ32がコンベアに載せられた後、該第1ウェブ32上に第2混繊工程で形成された第2ウェブ33が積層される。
ボード形成部53によるボード形成工程では、まず、ニードルパンチ装置53Aにより、第1ウェブ32と、第2ウェブ33とが交絡されて、繊維マット31が形成される。この繊維マット31は、カッター53Bによって所定サイズに裁断され、ダブルベルトプレス装置53Cへと送られる。
ダブルベルトプレス装置53Cは、一対のステンレスベルト間に繊維マット31を挟みながら、該繊維マット31を上流側から下流側へと送ることにより、繊維マット31を上下方向に圧縮する。
繊維マット31は、ダブルベルトプレス装置53C内の上流側において、複数のローラ群によって加熱される。この加熱により、第1の樹脂繊維35及び第2の樹脂繊維36は、溶融されて、植物繊維14を結着する。
そして、繊維マット31は、ダブルベルトプレス装置53C内の下流側において、複数のローラ群によって冷却される。この冷却により、第1の樹脂繊維35に含まれる第1の樹脂組成物15と、第2の樹脂繊維36に含まれる第2の樹脂組成物16と、が固化されて、繊維マット31は、繊維ボード11となる。
ダブルベルトプレス装置53Cは、一対のステンレスベルト間に繊維マット31を挟みながら、該繊維マット31を上流側から下流側へと送ることにより、繊維マット31を上下方向に圧縮する。
繊維マット31は、ダブルベルトプレス装置53C内の上流側において、複数のローラ群によって加熱される。この加熱により、第1の樹脂繊維35及び第2の樹脂繊維36は、溶融されて、植物繊維14を結着する。
そして、繊維マット31は、ダブルベルトプレス装置53C内の下流側において、複数のローラ群によって冷却される。この冷却により、第1の樹脂繊維35に含まれる第1の樹脂組成物15と、第2の樹脂繊維36に含まれる第2の樹脂組成物16と、が固化されて、繊維マット31は、繊維ボード11となる。
上記繊維マット31は、図6に示すように、一面側(下面側)に第1ウェブ32を有し、該第1ウェブ32に積層されることにより、他面側(上面側)に第2ウェブ33を有している。
第1ウェブ32中では、植物繊維14と、第1の樹脂繊維35と、が混繊されている。
第2ウェブ33中では、植物繊維14と、第2の樹脂繊維36と、が混繊されている。
第1ウェブ32中では、植物繊維14と、第1の樹脂繊維35と、が混繊されている。
第2ウェブ33中では、植物繊維14と、第2の樹脂繊維36と、が混繊されている。
上記第1の樹脂繊維35は、上述した第1の樹脂組成物15を含む。この第1の樹脂繊維35は、第1の樹脂組成物15を含むのであれば、特に限定されない。
上記第2の樹脂繊維36は、上述した第2の樹脂組成物16を含む。この第2の樹脂繊維36は、第2の樹脂組成物16を含むのであれば、特に限定されない。
第1の樹脂繊維35及び第2の樹脂組成物16の繊度は、例えば、0.1〜50dtexが好ましい。この範囲では、植物繊維14との混繊がし易く、また、繊維同士を均一に分散させ易い。この繊度は、0.5〜25dtexがより好ましく、1〜10dtexが特に好ましい。
上記第2の樹脂繊維36は、上述した第2の樹脂組成物16を含む。この第2の樹脂繊維36は、第2の樹脂組成物16を含むのであれば、特に限定されない。
第1の樹脂繊維35及び第2の樹脂組成物16の繊度は、例えば、0.1〜50dtexが好ましい。この範囲では、植物繊維14との混繊がし易く、また、繊維同士を均一に分散させ易い。この繊度は、0.5〜25dtexがより好ましく、1〜10dtexが特に好ましい。
第2の樹脂組成物16が結晶性樹脂及び添加材料を含む場合、第2の樹脂繊維36は、図7(a)〜(e)に示すように、結晶性樹脂によって形成された第1相36Aと、添加材料によって形成された第2相36Bと、を有するものとすることができる。
具体的に、添加材料がガラス繊維の場合、第2の樹脂繊維36は、図7(a)に示すように、結晶性樹脂による第1相36Aに、添加材料(ガラス繊維)による複数の第2相36Bが、分散して内包された形態とすることができる。
添加材料が熱可塑性樹脂の場合、第2の樹脂繊維36は、該熱可塑性樹脂と結晶性樹脂とを用いた溶融紡糸により、図7(b)〜(e)に示すような形態とすることができる。
図7(b)は、添加材料(熱可塑性樹脂)による第2相36Bを芯とし、結晶性樹脂による第1相36Aを鞘とした、芯鞘型の第2の樹脂繊維36である。
図7(c)は、結晶性樹脂による第1相36Aが左半部を形成し、添加材料(熱可塑性樹脂)による第2相36Bが右半部を形成する、サイドバイサイド型の第2の樹脂繊維36である。
図7(d)は、結晶性樹脂による第1相36Aを海とし、添加材料(熱可塑性樹脂)による第2相36Bを島とする、海島型の第2の樹脂繊維36である。
図7(e)は、結晶性樹脂による第1相36Aと、添加材料による第2相36Bと、が周方向で交互になるように放射状に配された、割繊型の第2の樹脂繊維36である。
具体的に、添加材料がガラス繊維の場合、第2の樹脂繊維36は、図7(a)に示すように、結晶性樹脂による第1相36Aに、添加材料(ガラス繊維)による複数の第2相36Bが、分散して内包された形態とすることができる。
添加材料が熱可塑性樹脂の場合、第2の樹脂繊維36は、該熱可塑性樹脂と結晶性樹脂とを用いた溶融紡糸により、図7(b)〜(e)に示すような形態とすることができる。
図7(b)は、添加材料(熱可塑性樹脂)による第2相36Bを芯とし、結晶性樹脂による第1相36Aを鞘とした、芯鞘型の第2の樹脂繊維36である。
図7(c)は、結晶性樹脂による第1相36Aが左半部を形成し、添加材料(熱可塑性樹脂)による第2相36Bが右半部を形成する、サイドバイサイド型の第2の樹脂繊維36である。
図7(d)は、結晶性樹脂による第1相36Aを海とし、添加材料(熱可塑性樹脂)による第2相36Bを島とする、海島型の第2の樹脂繊維36である。
図7(e)は、結晶性樹脂による第1相36Aと、添加材料による第2相36Bと、が周方向で交互になるように放射状に配された、割繊型の第2の樹脂繊維36である。
本発明の成形体の製造方法は、加熱軟化工程と、プレス工程と、を備える。
加熱軟化工程は、繊維ボード11を加熱軟化させる工程である。
プレス工程は、加熱軟化させた繊維ボード11を、冷間プレス機62の下型63と上型64と間にセットし、下型63と上型64とを型締めして、冷間プレスする工程である。
そして、プレス工程では、繊維ボード11を、第1の樹脂組成物15を含む一面12側が下型63に接触されるようにして、冷間プレスする。
加熱軟化工程は、繊維ボード11を加熱軟化させる工程である。
プレス工程は、加熱軟化させた繊維ボード11を、冷間プレス機62の下型63と上型64と間にセットし、下型63と上型64とを型締めして、冷間プレスする工程である。
そして、プレス工程では、繊維ボード11を、第1の樹脂組成物15を含む一面12側が下型63に接触されるようにして、冷間プレスする。
上記製造方法では、図8に示すような、成形装置60を使用することができる。
成形装置60は、加熱軟化工程を行うヒータ装置61と、プレス工程を行う冷間プレス機62と、を備えている。
ヒータ装置61は、繊維ボード11を加熱軟化させることが可能なものであれば、構成等について特に限定されない。
成形装置60は、加熱軟化工程を行うヒータ装置61と、プレス工程を行う冷間プレス機62と、を備えている。
ヒータ装置61は、繊維ボード11を加熱軟化させることが可能なものであれば、構成等について特に限定されない。
冷間プレス機62は、下型63と上型64とを有するものであれば、構成等について特に限定されない。
例えば、図8に示すように、冷間プレス機62は、固定された下型63と、該下型63に対して上下方向に可動する上型64と、を有している。下型63及び上型64は、それぞれ凹凸状の型面を有しており、互いの型面の間で繊維ボード11をプレスすることにより、成形体20の基材21とする。
下型63及び上型64の材質は、特に限定されないが、例えば鉄、アルミニウム、銅、真鍮、ステンレス鋼等といった熱伝導率の高い金属が挙げられる。
例えば、図8に示すように、冷間プレス機62は、固定された下型63と、該下型63に対して上下方向に可動する上型64と、を有している。下型63及び上型64は、それぞれ凹凸状の型面を有しており、互いの型面の間で繊維ボード11をプレスすることにより、成形体20の基材21とする。
下型63及び上型64の材質は、特に限定されないが、例えば鉄、アルミニウム、銅、真鍮、ステンレス鋼等といった熱伝導率の高い金属が挙げられる。
上記加熱軟化工程において、繊維ボード11は、ヒータ装置61によって加熱軟化される。加熱温度は、例えば、バインダ樹脂(第1の樹脂組成物15及び第2の樹脂組成物16)に含まれる結晶性樹脂の融点以上、より好ましくは、結晶性樹脂の融点以上で該融点より10℃高い温度以下、特に好ましくは、結結晶性樹脂の融点以上で該融点より5℃高い温度以下とすることができる。
上記プレス工程では、加熱軟化された繊維ボード11が、冷間プレス機62の下型63と上型64との間にセットされる。このセット時に、繊維ボード11は、一面12側が下型63に接触されるようにして、下型63に載置される。
繊維ボード11をセットした後、下型63と上型64とを型締めすることにより、繊維ボード11は、冷間プレスされる。
この冷間プレスにより、繊維ボード11は、加熱軟化状態から冷却されて、所定形状に形成される。そして、所定形状に形成された繊維ボード11を基材21として、この基材21を有する成形体20が得られる。
繊維ボード11をセットした後、下型63と上型64とを型締めすることにより、繊維ボード11は、冷間プレスされる。
この冷間プレスにより、繊維ボード11は、加熱軟化状態から冷却されて、所定形状に形成される。そして、所定形状に形成された繊維ボード11を基材21として、この基材21を有する成形体20が得られる。
なお、プレス工程において、表皮材27は、上型64に装着される。
また、表皮材27は、加熱軟化された繊維ボード11の他面13に圧接された際、溶融状態となっている第2の樹脂組成物16が染み込む等することにより、該他面13に貼着される。
また、表皮材27は、加熱軟化された繊維ボード11の他面13に圧接された際、溶融状態となっている第2の樹脂組成物16が染み込む等することにより、該他面13に貼着される。
プレス工程におけるプレス圧は、特に限定されない。通常、プレス圧は、好ましくは0.2〜0.8MPa、より好ましくは0.25〜0.7MPa、特に好ましくは0.3〜0.6MPaとすることができる。
プレス工程における冷却温度は、特に限定されない。通常、冷却温度は、第1の樹脂組成物15及び第2の樹脂組成物16に含まれる結晶化樹脂の融点より、好ましくは100〜150℃、より好ましくは110〜140℃、特に好ましくは115〜135℃、低い温度である。
プレス工程における冷却温度は、特に限定されない。通常、冷却温度は、第1の樹脂組成物15及び第2の樹脂組成物16に含まれる結晶化樹脂の融点より、好ましくは100〜150℃、より好ましくは110〜140℃、特に好ましくは115〜135℃、低い温度である。
上記プレス工程では、繊維ボード11の一面12が下型63に接触されるように、下型63の上に繊維ボード11が載置される。
プレス工程では、繊維ボード11の一面12は、下型63に接触された時点、つまり、下型63の上に繊維ボード11が載置され時点で、すぐに冷却される。
この時点で、繊維ボード11の他面13は、上型64と接触していない。
このため、冷間プレス時において、一面12は、下型63によって先に冷却され、他面13は、該一面12の後から上型64によって冷却される。
なお、繊維ボード11の冷却は、下型63と上型64とが型開きされるまで続行され、他面13と一面12とで冷却の終了は、同時となる。
プレス工程では、繊維ボード11の一面12は、下型63に接触された時点、つまり、下型63の上に繊維ボード11が載置され時点で、すぐに冷却される。
この時点で、繊維ボード11の他面13は、上型64と接触していない。
このため、冷間プレス時において、一面12は、下型63によって先に冷却され、他面13は、該一面12の後から上型64によって冷却される。
なお、繊維ボード11の冷却は、下型63と上型64とが型開きされるまで続行され、他面13と一面12とで冷却の終了は、同時となる。
即ち、繊維ボード11の冷間プレス時において、下型63側とされた一面12と、上型64側とされた他面13とは、冷え方に差が生じる。
特に、繊維ボード11がバインダ樹脂として結晶性樹脂を含む場合、後から上型64によって冷却される他面13は、結晶性樹脂の結晶化によって、下型63によって先に冷却される一面12に比べ、収縮が大きくなる傾向を示す。
特に、繊維ボード11がバインダ樹脂として結晶性樹脂を含む場合、後から上型64によって冷却される他面13は、結晶性樹脂の結晶化によって、下型63によって先に冷却される一面12に比べ、収縮が大きくなる傾向を示す。
繊維ボード11は、他面13に含まれる第2の樹脂組成物16の成形収縮率(S16)が、一面12に含まれる第1の樹脂組成物15の成形収縮率(S15)に比べ、低くなっている(S15>S16)。こうした成形収縮率の差(S15−S16)の分、繊維ボード11の他面13は、一面12に比べて、冷間プレス時における収縮量が小さくなる。
冷間プレス時において、繊維ボード11は、先に冷却される下型63側に、成形収縮率が高い第1の樹脂組成物15を含む一面12が配され、後から冷却される上型64側に、成形収縮率が低い第2の樹脂組成物16を含む他面13が配される。これにより、繊維ボード11は、冷間プレス時における他面13と一面12との収縮差を緩和される。
その結果、成形体20の基材21は、繊維ボード11の他面13と一面12との収縮差による変形を抑制される。
冷間プレス時において、繊維ボード11は、先に冷却される下型63側に、成形収縮率が高い第1の樹脂組成物15を含む一面12が配され、後から冷却される上型64側に、成形収縮率が低い第2の樹脂組成物16を含む他面13が配される。これにより、繊維ボード11は、冷間プレス時における他面13と一面12との収縮差を緩和される。
その結果、成形体20の基材21は、繊維ボード11の他面13と一面12との収縮差による変形を抑制される。
本発明は、車両及び建材等の広範な製品分野で利用することができ、特に車両の内装材の製造方法として有用であり、例えば、パッケージトレイ等の各種の内装材に好適に用いられる。
11;繊維ボード、12;一面、13;他面、14;植物繊維、15;第1の樹脂組成物、16;第2の樹脂組成物、
20;成形体、21;基材、22;一面、23;他面、27;表皮材、
31;繊維マット、32;第1ウェブ、33;第2ウェブ、35;第1の樹脂繊維、36;第2の樹脂繊維、36A;第1相、36B;第2相、
50;製造装置、51;第1混繊部、51A;第1繊維供給部、51B;第1エアレイ装置、52;第2混繊部、52A;第2繊維供給部、52B;第2エアレイ装置、53;ボード形成部、53A;ニードルパンチ装置、53B;カッター、53C;ダブルベルトプレス装置、
60;成形装置、61;ヒータ装置、62;冷間プレス機、63;下型、64;上型。
20;成形体、21;基材、22;一面、23;他面、27;表皮材、
31;繊維マット、32;第1ウェブ、33;第2ウェブ、35;第1の樹脂繊維、36;第2の樹脂繊維、36A;第1相、36B;第2相、
50;製造装置、51;第1混繊部、51A;第1繊維供給部、51B;第1エアレイ装置、52;第2混繊部、52A;第2繊維供給部、52B;第2エアレイ装置、53;ボード形成部、53A;ニードルパンチ装置、53B;カッター、53C;ダブルベルトプレス装置、
60;成形装置、61;ヒータ装置、62;冷間プレス機、63;下型、64;上型。
Claims (9)
- 植物繊維と、前記植物繊維同士を結着するバインダ樹脂と、を含む繊維ボードであって、
前記バインダ樹脂として、一面側に第1の樹脂組成物を含み、他面側に第2の樹脂組成物を含み、
前記第2の樹脂組成物の成形収縮率は、前記第1の樹脂組成物の成形収縮率よりも低いことを特徴とする繊維ボード。 - 前記第1の樹脂組成物は、結晶性樹脂を含み、
前記第2の樹脂組成物は、前記結晶性樹脂と、該結晶性樹脂に添加された添加材料と、を含む、請求項1に記載の繊維ボード。 - 前記添加材料は、無機材料、前記結晶性樹脂よりも成形収縮率が低い熱可塑性樹脂の群から選択される少なくとも1種である請求項2に記載の繊維ボード。
- 請求項1乃至3のうちの何れかに記載の繊維ボードから形成された基材を有することを特徴とする成形体。
- 前記第2の樹脂組成物を含む前記基材の他面には、表皮材が貼着されている請求項4に記載の成形体。
- 前記成形体は、パッケージトレイである請求項4又は5に記載の成形体。
- 請求項1乃至3のうちの何れかに記載の繊維ボードの製造方法であって、
植物繊維と、第1の樹脂組成物を含む第1の樹脂繊維と、を混繊して、一面側を形成する第1ウェブを得る第1混繊工程と、
植物繊維と、第2の樹脂組成物を含む第2の樹脂繊維と、を混繊して、他面側を形成する第2ウェブを得る第2混繊工程と、
前期第1ウェブと、前記第2ウェブと、を積層し、積層方向に加熱圧縮して、繊維ボードを得るボード形成工程と、を備えることを特徴とする繊維ボードの製造方法。 - 前記第2の樹脂繊維は、結晶性樹脂によって形成された第1相と、添加材料によって形成された第2相と、を有する請求項7に記載の繊維ボードの製造方法。
- 請求項4乃至6のうちの何れかに記載の成形体の製造方法であって、
前記繊維ボードを加熱軟化させる加熱軟化工程と、
加熱軟化させた前記繊維ボードを、冷間プレス機の下型と上型と間にセットし、前記下型と前記上型とを型締めして冷間プレスするプレス工程と、を備え、
前記プレス工程では前記繊維ボードを、第1の樹脂組成物を含む一面側が前記下型に接触されるようにして、冷間プレスすることを特徴とする成形体の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2020101249A JP2021194809A (ja) | 2020-06-10 | 2020-06-10 | 繊維ボード、成形体、それらの製造方法 |
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Family Applications (1)
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JP2020101249A Pending JP2021194809A (ja) | 2020-06-10 | 2020-06-10 | 繊維ボード、成形体、それらの製造方法 |
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