JP2023182305A - 点火装置 - Google Patents

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光宏 泉
Mitsuhiro Izumi
功 楠原
Isao Kusuhara
裕幸 木村
Hiroyuki Kimura
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Abstract

【課題】ON時電圧による意図しない放電を抑制できる点火装置を提供する。【解決手段】この点火装置1は、気筒91内の圧力が上昇中の時刻であるON時刻に、スイッチング素子30をOFFからONに切り替えることにより、一次コイル21への通電を開始する。制御部60は、バッテリー10の電源電圧が高いほど、ON時刻を遅めに設定する。そして、電源電圧と、ON時刻における気筒91内の圧力とに基づいて、点火プラグ50にON時電圧による放電が生じにくいと判断される電源電圧を選択する。これにより、ON時電圧による意図しない放電を抑制できる。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関用の点火装置に関する。
従来、自動車の内燃機関に使用される点火装置が知られている。点火装置は、内燃機関の気筒内に配置された点火プラグを有する。内燃機関の駆動時には、気筒内においてピストンが燃料ガスを圧縮するとともに、点火装置が点火プラグに火花放電を発生させる。これにより、気筒内の燃料が燃焼する。
従来の点火装置については、例えば、特許文献1に記載されている。
特開2013-68126号公報
点火装置は、電磁結合された一次コイルおよび二次コイルを備える。点火装置は、一次コイルに通電を行った後、一次コイルへの通電を遮断することにより、二次コイルに高電圧を誘起する。これにより、二次コイルに接続された点火プラグに、放電を発生させることができる。
この種の点火装置では、一次コイルへの通電時に、二次コイルに電圧(ON時電圧)が発生する。このON時電圧は、点火プラグにおいて、意図しない放電が発生する要因となり得る。特に、近年では、温室効果ガスの排出を減らすために、内燃機関において、水素を含む燃料が使用される場合がある。その場合、水素は、ガソリンと比べて着火しやすいため、ON時電圧による意図しない放電により、燃料に着火する可能性がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、ON時電圧による意図しない放電を抑制できる点火装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、内燃機関の気筒内において火花放電を発生させる点火装置であって、バッテリーと、前記バッテリーに接続された一次コイルと、前記バッテリーから前記一次コイルへの通電のON/OFFを切り替えるスイッチング素子と、前記一次コイルと電磁結合された二次コイルと、前記二次コイルに接続された点火プラグと、前記バッテリーおよび前記スイッチング素子を制御する制御部と、を備え、前記バッテリーは、複数の電源電圧を選択可能であり、前記制御部は、前記気筒内の圧力が上昇中の時刻であるON時刻に、前記スイッチング素子をOFFからONに切り替えることにより、前記一次コイルへの通電を開始し、前記バッテリーの電源電圧が高いほど、前記ON時刻を遅めに設定し、前記電源電圧と、前記ON時刻における前記気筒内の圧力とに基づいて、前記点火プラグに放電が生じにくいと判断される電源電圧を選択する。
本願の第2発明は、第1発明の点火装置であって、前記制御部は、前記内燃機関の回転数と、前記電源電圧とに基づいて、前記一次コイルへの通電時間を設定するとともに、前記内燃機関の回転数と、前記気筒内の圧力とに基づいて、前記一次コイルへの通電を遮断するOFF時刻を設定し、前記通電時間と前記OFF時刻とに基づいて、前記ON時刻を設定する。
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の点火装置であって、前記制御部は、前記電源電圧と、前記ON時刻における前記気筒内の圧力との関係が、予め設定された許容範囲となる電源電圧を選択する。
本願の第4発明は、第1発明から第3発明までのいずれか1発明の点火装置であって、前記制御部は、前記内燃機関の負荷が予め設定された閾値よりも低い場合、前記電源電圧を決定した後に、前記ON時刻を遅延させる。
本願の第5発明は、第1発明から第4発明までのいずれか1発明の点火装置であって、前記内燃機関は水素を含む燃料を使用する。
本願の第1発明~第5発明によれば、制御部は、電源電圧と、ON時刻における気筒91内の圧力とに基づいて、点火プラグに放電が生じにくいと判断される電源電圧を選択する。これにより、ON時電圧による意図しない放電を抑制できる。
特に、本願の第4発明によれば、ON時刻における気筒内の圧力がより高くなるため、ON時電圧による放電をより抑制できる。
特に、本願の第5発明によれば、水素を含む燃料を使用するため、温室効果ガスの排出量を低減できる。ただし、水素は着火しやすいという問題があるが、本発明によれば、ON時電圧による水素の着火を抑制できる。
点火装置の構成を示した図である。 点火装置および内燃機関の動作の流れを示したフローチャートである。 気筒内の圧力の変化を示したグラフである。 スイッチング素子のON/OFFの状態、二次電流、および二次電圧の経時変化を示したグラフである。 電源電圧を選択する処理の流れを示すフローチャートである。 通電時間マップの例である。 点火時刻マップの例である。 バッテリーの電源電圧および気筒内の圧力と、異常放電の発生しやすさとの関係を示したグラフである。 変形例に係る処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
<1.点火装置の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る点火装置1の構成を示した図である。この点火装置1は、自動車に搭載され、内燃機関9の気筒91に供給される燃料に点火を行う装置である。なお、本実施形態では、内燃機関9において、水素を含む燃料を使用するものとする。
内燃機関9は、燃焼室である気筒91と、気筒91内において燃料を圧縮するピストン92と、を有する。気筒91には、吸気管93および排気管95が接続されている。吸気管93と気筒91との接続部には、吸気バルブ94が設けられている。吸気バルブ94が開放された状態で、ピストン92が下降すると、吸気管93から気筒91内へ、燃料を含む混合気が供給される。排気管95と気筒91との接続部には、排気バルブ96が設けられている。排気バルブ96が開放された状態で、ピストン92が上昇すると、気筒91内の気体が、排気管95へ排出される。また、吸気バルブ94および排気バルブ96が閉鎖された状態で、ピストン92が上昇すると、気筒91内の混合気が圧縮される。
図1に示すように、点火装置1は、バッテリー10、点火コイル20、スイッチング素子30、ダイオード40、点火プラグ50、および制御部60を備えている。
バッテリー10は、直流電力を供給可能な電源装置である。バッテリー10は、複数の電源電圧を選択可能となっている。バッテリー10は、複数の電源電圧のうち、制御部60により選択される1つの電源電圧を出力する。電源電圧の切り替え方法としては、例えば、オルタネータのレギュレータにより電圧を変更する方法や、電圧が異なる蓄電池を切り替えて使用する方法などが考えられる。
点火コイル20は、点火プラグ50へ高電圧を誘起するためのユニットである。図1に示すように、点火コイル20は、一次コイル21、二次コイル22、および鉄芯23を有する。一次コイル21と二次コイル22とは、鉄芯23を介して電磁結合されている。二次コイル22の巻き数は、一次コイル21の巻き数よりも多い。
一次コイル21の一端は、電源線71を介して、バッテリー10と電気的に接続されている。一次コイル21の他端は、接地線72を介して、グラウンドに接地されている。接地線72には、スイッチング素子30が介挿されている。
二次コイル22の一端は、電源線71の経路上に位置する結線部73と、第1接続線74を介して、電気的に接続されている。第1接続線74には、ダイオード40が介挿されている。二次コイル22の他端は、第2接続線75を介して、点火プラグ50の後述する中心電極51と、電気的に接続されている。
スイッチング素子30は、バッテリー10から一次コイル21への通電のON/OFFを切り替えるスイッチである。スイッチング素子30には、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が使用される。スイッチング素子30のコレクタは、一次コイル21の上述した他端と、電気的に接続される。スイッチング素子30のエミッタは、グラウンドと電気的に接続される。
ダイオード40は、二次コイル22の一端と結線部73とを接続する第1接続線74に、設けられている。ダイオード40は、二次コイル22から結線部73へ向かう方向が順方向となる向きで、二次コイル22に対して直列に接続される。
点火プラグ50は、内燃機関9の気筒内に配置される。点火プラグ50は、中心電極51と接地電極52とを有する。中心電極51は、二次コイル22の上述した他端と、第2接続線75を介して、電気的に接続されている。接地電極52は、気筒91を介してエンジンブロックからグラウンドに接地されている。
制御部60は、点火コイル20による点火プラグ50の放電動作を制御するためのユニットである。制御部60は、CPUやメモリを有するマイクロコントローラまたはコンピュータにより構成される。制御部60は、例えば、自動車に搭載されたECU(Engine Control Unit)である。制御部60は、バッテリー10およびスイッチング素子30と、電気的に接続されている。制御部60は、バッテリー10に対して制御信号を出力することにより、バッテリー10の電源電圧を切り替える。また、制御部60は、スイッチング素子30に対して制御信号を出力することにより、スイッチング素子30のON/OFFを制御する。
<2.点火装置の動作>
続いて、上述した点火装置1の動作について説明する。図2は、点火装置1および内燃機関9の動作の流れを示したフローチャートである。図3は、図2の動作を行うときの気筒91内の圧力の変化を示したグラフである。図3の横軸は、時刻を示している。図3の縦軸は、気筒91内の圧力を示している。
また、図4は、図2のステップS2~S5の動作を行うときの、スイッチング素子30のON/OFFの状態、二次電流、および二次電圧の経時変化を示したグラフである。二次電流は、二次コイル22に流れる電流である。二次電圧は、二次コイル22の上述した他端側(点火プラグ50側)の電圧である。
点火装置1は、内燃機関9の動作に合わせて、図2のステップS1~S6の動作を繰り返し実行する。内燃機関9が4サイクルエンジンの場合、図2のステップS1~S6の動作の間に、気筒91内においてピストン92が2往復する。具体的には、図2のステップS2~S5においてピストン92が1往復し、ステップS6~S1においてピストン92が1往復する。
内燃機関9は、まず、吸気バルブ94を開放し、ピストン92を上死点から下死点へ移動させる。これにより、吸気管93から気筒91内へ、燃料を含む混合気が供給される(ステップS1)。次に、時刻t0において、ピストン92は、下死点から上死点へ向けて移動を開始する。また、内燃機関9は、吸気バルブ94を閉鎖する。これにより、混合気の圧縮が開始される(ステップS2)。
点火装置1は、気筒91内の圧力が上昇中の時刻t1(以下、「ON時刻」と称する)において、一次コイル21への通電を開始する。具体的には、制御部60が、スイッチング素子30を、OFF(開放状態)からON(閉鎖状態)に切り替える(ステップS3)。そうすると、バッテリー10から、電源線71、一次コイル21、および接地線72を介して、グラウンドへ一次電流が流れる。これにより、点火コイル20に、一次エネルギーが蓄積される。
その後、ピストン92が上死点に到達する時刻よりも手前の時刻t2(以下、「OFF時刻」と称する)において、制御部60は、スイッチング素子30を、ON(閉鎖状態)からOFF(開放状態)に切り替える(ステップS4)。これにより、一次コイル21への通電が遮断される。そうすると、鉄芯23を介して二次コイル22に、誘導起電力が誘起され、二次コイル22に、上記の一次エネルギーに応じた高電圧が発生する。誘導起電力の正負は、二次コイル22の巻き方向に依存するが、本実施形態では、二次コイル22に、一端側(ダイオード40側)が正、他端側(点火プラグ50側)が負となる高電圧が発生するものとする。
二次コイル22に高電圧が発生すると、点火プラグ50の中心電極51と接地電極52との間にも、高電圧が発生する。具体的には、中心電極51の電圧値が、接地電極52の電圧値(接地電圧)に対して、マイナス数千V~マイナス数万Vとなる。そして、当該高電圧によって、点火プラグ50の中心電極51と接地電極52との間に絶縁破壊が生じ、両電極間に火花放電が生じる。この火花によって、内燃機関9の気筒91内に供給された燃料が燃焼する(ステップS5)。
図4のグラフでは、時刻t2~時刻t3の間、点火プラグ50において放電が発生している。このとき、中心電極51と接地電極52との間の絶縁破壊により、グラウンドから、接地電極52、中心電極51、第2接続線75、および二次コイル22を介して、第1接続線74へ二次電流が流れる。この二次電流は、ダイオード40を順方向に流れる。
気筒91内の燃料が燃焼すると、気筒91内の圧力が上昇し、ピストン92が、上死点から下死点へ移動する。その後、内燃機関9は、排気バルブ96を開放する。また、ピストン92が、下死点から上死点へ移動する。これにより、気筒91内の燃焼後の気体が、排気管95へ排出される(ステップS6)。
<3.ON時電圧について>
上記のON時刻t1において、一次コイル21への通電を開始したとき、一次コイル21と二次コイル22は電磁結合されているため、図4に示すように、二次コイル22に電圧(以下、「ON時電圧Vo」と称する)が発生する。本実施形態では、二次コイル22に、一端側(ダイオード40側)が負、他端側(点火プラグ50側)が正となるON時電圧Voが発生する。
このON時電圧Voは、点火プラグ50において、意図しない放電(以下「異常放電」と称する)が発生する要因となり得る。特に、内燃機関9が水素を含む燃料を使用する場合、ガソリンを使用する場合よりも、燃料が着火しやすい。このため、ON時電圧Voによる異常放電を、極力防止することが望ましい。
そこで、この点火装置1では、二次コイル22と結線部73との間の第1接続線74に、ダイオード40が介挿されている。ダイオード40は、二次コイル22から結線部73へ向かう方向が順方向となる向きで、接続されている。このようにすれば、一次コイル21への通電中に、バッテリー10から二次コイル22へ電流が流れることが、抑制される。これにより、点火プラグ50において、ON時電圧Voによる異常放電が発生することを、抑制できる。ただし、ダイオード40を介挿しても、幾分かのON時電圧は発生してしまう。
また、上述の通り、本実施形態のバッテリー10は、複数の電源電圧を選択可能となっている。この点火装置1は、制御部60が、バッテリー10の電源電圧を適切に選択することによって、ON時電圧Voによる異常放電をより抑制する機能を有する。以下では、当該機能について説明する。
図5は、制御部60が電源電圧を選択する処理の流れを示すフローチャートである。図5に示すように、制御部60は、まず、内燃機関9の動作状態を把握する(ステップS11)。具体的には、内燃機関9に設けられた各種センサの計測値に基づいて、内燃機関9の回転数や、気筒91内の圧力を、検知または算出する。
次に、制御部60は、一次コイル21への通電時間Δt(ON時刻t1からOFF時刻t2までの時間)を設定する(ステップS12)。制御部60のメモリには、予め、通電時間マップM1が記憶されている。図6は、通電時間マップM1の例である。図6に示すように、通電時間マップM1は、内燃機関9の回転数とバッテリー10の電源電圧との組み合わせに対して、設定すべき通電時間Δtを規定したテーブルデータである。ステップS12では、制御部60は、通電時間マップM1に基づいて、内燃機関9の回転数と、バッテリー10の現在の電源電圧とに対応する通電時間Δtを決定する。
また、制御部60は、一次コイル21への通電を遮断するOFF時刻t2を設定する(ステップS13)。制御部60のメモリには、予め、点火時刻マップM2が記憶されている。図7は、点火時刻マップM2の例である。図7に示すように、点火時刻マップM2は、内燃機関9の回転数と気筒91内の圧力との組み合わせに対して、設定すべきOFF時刻t2(上死点に対する進角量)を規定したテーブルデータである。ステップS13では、制御部60は、点火時刻マップM2に基づいて、内燃機関9の回転数と、気筒91内の圧力とに対応するOFF時刻t2を決定する。
続いて、制御部60は、ステップS12で設定された通電時間Δtと、ステップS13で設定されたOFF時刻t2とに基づいて、ON時刻t1を設定する(ステップS14)。具体的には、OFF時刻t2から通電時間Δtだけ前の時刻を、ON時刻t1として算出する。
その後、制御部60は、バッテリー10の電源電圧と、ON時刻t1における気筒91内の圧力とに基づいて、点火プラグ50にON時電圧Voによる異常放電が発生する可能性を評価する(ステップS15)。
ON時電圧Voは、バッテリー10の電源電圧に対して比例的に発生する。このため、バッテリー10の電源電圧を低くする方が、ON時電圧Voを抑えることができる。したがって、気筒91内の圧力が同じであれば、バッテリー10の電源電圧を低くする方が、ON時電圧Voによる異常放電は生じにくい。
ただし、バッテリー10の電源電圧を低くすると、必要な一次エネルギーを蓄積するために、上記のステップS12において、一次コイル21への通電時間Δtが長めに設定される。その場合、上記のステップS14において、ON時刻t1が早めに設定される。そして、図3のグラフから分かるように、ON時刻t1が早めに設定されると、ON時刻t1における気筒91内の圧力が低くなる。そうすると、気筒91内において、ON時電圧Voによる異常放電が発生しやすい状況となる。
図8は、バッテリー10の電源電圧および気筒91内の圧力と、異常放電の発生しやすさとの関係を示したグラフである。図8の横軸は、バッテリー10の電源電圧を示している。図8の縦軸は、ON時刻t1における気筒91内の圧力を示している。上述の通り、バッテリー10の電源電圧が高いほど、ON時電圧Voによる異常放電が発生しやすく、バッテリー10の電源電圧が低いほど、ON時電圧Voによる異常放電が発生しにくい。また、上述の通り、ON時刻t1における気筒91内の圧力が低いほど、ON時電圧Voによる異常放電が発生しやすく、ON時刻t1における気筒91内の圧力が高いほど、ON時電圧Voによる異常放電が発生しにくい。
制御部60は、このような事情を考慮して、ON時電圧Voによる異常放電が発生しやすい状況であるか否かを判断する。例えば、図8に示すように、気筒91内の圧力とバッテリー10の電源電圧との比(圧力/電源電圧)が、予め設定された閾値THよりも小さい場合、異常放電が発生しやすい状況と判断し、当該比が、予め設定された閾値THよりも大きい場合、異常放電が発生しにくい状況と判断する。ただし、制御部60は、バッテリー10の電源電圧と、ON時刻t1における気筒91内の圧力とに基づいて、他の基準により、異常放電が発生しやすい状況であるか否かを判断してもよい。
ステップS15の評価の結果、異常放電が発生しにくい状況と判断された場合(ステップS16:No)、制御部60は、バッテリー10の現在の電源電圧を維持する(ステップS17)。
一方、ステップS15の評価の結果、異常放電が発生しやすい状況と判断された場合(ステップS16:Yes)、制御部60は、電源電圧の値を上げた場合と下げた場合のそれぞれについて、上述したステップS12~S15の処理を再度実行する。これにより、電源電圧の値を上げた場合と下げた場合のそれぞれについて、異常放電が発生する可能性を再評価する(ステップS18)。そして、制御部60は、電源電圧の値を上げた場合と下げた場合のうち、異常放電が発生しにくい方の電圧値に、バッテリー10の電源電圧を変更する(ステップS19)。
以上のように、この点火装置1では、バッテリー10が、複数の電源電圧を選択可能である。制御部60は、バッテリー10の電源電圧が高いほど、ON時刻t1を遅めに設定する。そして、電源電圧と、ON時刻t1における気筒91内の圧力とに基づいて、点火プラグ50に異常放電が生じにくいと判断される電源電圧を選択する。
電源電圧が低い場合、ON時電圧Voは低くなるが、ON時刻t1が早めに設定されるため、ON時刻t1における気筒91内の圧力が低くなる。一方、電源電圧が高い場合、ON時電圧Voは高くなるが、ON時刻t1が遅めに設定されるため、ON時刻t1における気筒91内の圧力が高くなる。制御部60は、低電圧で気筒91内の圧力が低い場合と、高電圧で気筒91内の圧力が高い場合のうち、ON時電圧Voによる放電が生じにくいと判断される方を選択する。これにより、ON時電圧Voによる意図しない放電を抑制できる。
特に、本実施形態の点火装置1は、バッテリー10の電源電圧と、ON時刻t1における気筒91内の圧力との関係が、予め設定された許容範囲となるように(例えば、気筒91内の圧力とバッテリー10の電源電圧との比が、予め設定された閾値THよりも小さくなるように)、電源電圧を選択している。これにより、ON時電圧Voによる意図しない放電を適切に抑制できる。
<4.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
<4-1.第1変形例>
例えば、図5の処理の後に、図9の処理を追加してもよい。図9の例では、図5のステップS17またはステップS19において電源電圧が決定された後、制御部60は、内燃機関9の負荷が、予め設定された閾値よりも低いか否かを判断する(ステップS20)。
内燃機関9の負荷が、閾値以上である場合(ステップS20:No)、制御部60は、図5のステップS14で設定されたON時刻t1を維持する(ステップS21)。一方、内燃機関9の負荷が閾値よりも小さい場合(ステップS20:Yes)、制御部60は、上記実施形態の通電時間マップM1とは別の、低負荷用の通電時間マップを使用して、上記のステップS12~S14の処理を再度実行する。これにより、ON時刻t1を再設定する(ステップS22)。
低負荷用の通電時間マップは、上記実施形態の通電時間マップM1よりも、通電時間Δtが短めに設定されている。このため、ステップS22では、通電時間Δtが、図5の処理時よりも短めに設定される。したがって、ON時刻t1が、図5の処理時よりも遅めに設定される。このように、電源電圧を決定した後に、ON時刻t1を遅延させれば、ON時刻t1における気筒91内の圧力が、より高くなる。このため、ON時電圧Voによる異常放電を、さらに抑制できる。
<4-2.他の変形例>
上記の実施形態では、内燃機関9が4サイクルエンジンである場合について、説明した。しかしながら、本発明の点火装置が適用される内燃機関は、必ずしも4サイクルエンジンに限定されるものではなく、2サイクルエンジン等であってもよい。
また、上記の実施形態では、自動車に搭載される点火装置1について説明した。しかしながら、本発明の「点火装置」は、自動車以外の輸送機器に搭載されるものであってもよい。また、本発明の「点火装置」は、輸送機器以外の産業機械や発電機などに搭載されるものであってもよい。
また、点火装置の細部の構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜に変更を加えてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1 点火装置
9 内燃機関
10 バッテリー
20 点火コイル
21 一次コイル
22 二次コイル
23 鉄芯
30 スイッチング素子
40 ダイオード
50 点火プラグ
51 中心電極
52 接地電極
60 制御部
71 電源線
72 接地線
73 結線部
74 第1接続線
75 第2接続線
91 気筒
92 ピストン
93 吸気管
94 吸気バルブ
95 排気管
96 排気バルブ
M1 通電時間マップ
M2 点火時刻マップ
TH 閾値
Vo ON時電圧
t1 ON時刻
t2 OFF時刻
Δt 通電時間

Claims (5)

  1. 内燃機関の気筒内において火花放電を発生させる点火装置であって、
    バッテリーと、
    前記バッテリーに接続された一次コイルと、
    前記バッテリーから前記一次コイルへの通電のON/OFFを切り替えるスイッチング素子と、
    前記一次コイルと電磁結合された二次コイルと、
    前記二次コイルに接続された点火プラグと、
    前記バッテリーおよび前記スイッチング素子を制御する制御部と、
    を備え、
    前記バッテリーは、複数の電源電圧を選択可能であり、
    前記制御部は、
    前記気筒内の圧力が上昇中の時刻であるON時刻に、前記スイッチング素子をOFFからONに切り替えることにより、前記一次コイルへの通電を開始し、
    前記バッテリーの電源電圧が高いほど、前記ON時刻を遅めに設定し、
    前記電源電圧と、前記ON時刻における前記気筒内の圧力とに基づいて、前記点火プラグに放電が生じにくいと判断される電源電圧を選択する、点火装置。
  2. 請求項1に記載の点火装置であって、
    前記制御部は、
    前記内燃機関の回転数と、前記電源電圧とに基づいて、前記一次コイルへの通電時間を設定するとともに、
    前記内燃機関の回転数と、前記気筒内の圧力とに基づいて、前記一次コイルへの通電を遮断するOFF時刻を設定し、
    前記通電時間と前記OFF時刻とに基づいて、前記ON時刻を設定する、点火装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の点火装置であって、
    前記制御部は、
    前記電源電圧と、前記ON時刻における前記気筒内の圧力との関係が、予め設定された許容範囲となる電源電圧を選択する、点火装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の点火装置であって、
    前記制御部は、前記内燃機関の負荷が予め設定された閾値よりも低い場合、前記電源電圧を決定した後に、前記ON時刻を遅延させる、点火装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載の点火装置であって、
    前記内燃機関は水素を含む燃料を使用する、点火装置。
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