JP2023180728A - 熱硬化性樹脂組成物、樹脂シート、熱伝導性部材、金属ベース基板、及び電子装置 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、樹脂シート、熱伝導性部材、金属ベース基板、及び電子装置 Download PDF

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Tomomasa Kashino
昭良 大葉
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Abstract

【課題】熱伝導性及び耐熱性のバランスが向上した熱伝導性部材を実現できる熱硬化性樹脂組成物及び樹脂シート、並びに、熱伝導性及び耐熱性のバランスが向上した熱伝導性部材、金属ベース基板、及び電子装置を提供する。【解決手段】エポキシ樹脂(A)と、シアネートエステル樹脂(B)と、熱伝導性フィラー(C)とを含み、前記エポキシ樹脂(A)が、分子内にレスベラトロール骨格を有するレスベラトロール型エポキシ樹脂(A1)を含む熱硬化性樹脂組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物、樹脂シート、熱伝導性部材、金属ベース基板、及び電子装置に関する。
電子部品の処理能力の向上に伴い、電子部品から発生する熱量は増加傾向にある。そのため電子部品から熱を効果的に外部へ放散させる放熱対策が重要となっている。このような放熱対策として、金属、セラミックス、又は樹脂組成物等の放熱材料からなる熱伝導性部材が適用されている。
これらの熱伝導性部材の中でも、エポキシ樹脂組成物により形成される熱伝導性エポキシ樹脂成形体は、電気絶縁性、機械的性質、耐熱性、耐薬品性、接着性等が良好であるため、注型品、積層板、封止材、熱伝導性シート、接着剤等として電気電子分野を中心に広く使用されている。
このような熱伝導性エポキシ樹脂成形体に関する技術としては、例えば、特許文献1(特開2015-193504号公報)及び特許文献2(特開2004-331811号公報)に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、樹脂成分と、前記樹脂成分中に分散した熱伝導性充填剤と、を含み、前記熱伝導性充填剤は、(1)ゆるめ嵩密度が0.52g/mL以上であり、(2)平均の円形度が0.65以上である窒化ホウ素粒子を含む樹脂組成物によれば、放熱性に優れた材料が得られると記載されている。
特許文献2には、アゾメチン基を有するエポキシ樹脂を主成分とする熱伝導性エポキシ樹脂成形体であって、熱伝導率が0.5~30W/(m・K)であることを特徴とする熱伝導性エポキシ樹脂成形体が、優れた熱伝導性を発揮させることができると記載されている。
特開2015-193504号公報 特開2004-331811号公報
電子部品の処理能力のさらなる向上に伴い、熱伝導性部材には、熱伝導性及び耐熱性のバランスのさらなる向上が求められている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、熱伝導性及び耐熱性のバランスが向上した熱伝導性部材を実現できる熱硬化性樹脂組成物及び樹脂シート、並びに、熱伝導性及び耐熱性のバランスが向上した熱伝導性部材、金属ベース基板、及び電子装置を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、レスベラトロール型エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂及び熱伝導性フィラーを含む熱硬化性樹脂組成物を用いることにより、得られる熱伝導性部材の熱伝導性及び耐熱性のバランスを向上できることを見出して、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下に示す熱硬化性樹脂組成物、樹脂シート、熱伝導性部材、金属ベース基板、及び電子装置が提供される。
[1]
エポキシ樹脂(A)と、シアネートエステル樹脂(B)と、熱伝導性フィラー(C)とを含み、
前記エポキシ樹脂(A)が、分子内にレスベラトロール骨格を有するレスベラトロール型エポキシ樹脂(A1)を含む熱硬化性樹脂組成物。
[2]
フェノキシ樹脂(D)を更に含む、前記[1]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[3]
前記熱伝導性フィラー(C)がシリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化ホウ素、窒化珪素、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、及び硫酸バリウムからなる群から選択される少なくとも一種を含む、前記[1]又は[2]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[4]
前記熱伝導性フィラー(C)が窒化ホウ素を含む、前記[1]~[3]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[5]
硬化促進剤(E)を更に含む、前記[1]~[4]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
[6]
前記硬化促進剤(E)が窒素原子含有化合物、フェノール化合物、フェノール樹脂及びベンゾオキサジン樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含む、前記[5]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[7]
前記[1]~[6]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂組成物層を含む樹脂シート。
[8]
前記樹脂組成物層はBステージ状態である、前記[7]に記載の樹脂シート。
[9]
前記[1]~[6]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる樹脂硬化物層を含む熱伝導性部材。
[10]
熱伝導性シートである、前記[9]に記載の熱伝導性部材。
[11]
昇温速度5℃/min、周波数10Hzの条件で動的粘弾性測定により測定される、前記樹脂硬化物層のガラス転移温度が210℃以上である、前記[9]又は[10]に記載の熱伝導性部材。
[12]
JIS R 1611:2010に準拠したフラッシュ法により大気雰囲気下、25℃の条件下で測定される、前記樹脂硬化物層の厚み方向の熱伝導率が15W/(m・K)以上である、前記[9]~[11]のいずれかに記載の熱伝導性部材。
[13]
金属基板と、
前記金属基板上に設けられた絶縁層と、
前記絶縁層上に設けられた金属層と、を備え、
前記絶縁層が、前記[1]~[6]のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂組成物層、及び前記[9]~[12]のいずれかに記載の熱伝導性部材からなる群から選択される一種を含む、金属ベース基板。
[14]
前記[13]に記載の金属ベース基板と、
前記金属ベース基板上に設けられた電子部品と、
を備える電子装置。
[15]
パワーモジュールである、前記[14]に記載の電子装置。
本発明によれば、熱伝導性及び耐熱性のバランスが向上した熱伝導性部材を実現できる熱硬化性樹脂組成物及び樹脂シート、並びに、熱伝導性及び耐熱性のバランスが向上した熱伝導性部材、金属ベース基板、及び電子装置を提供することができる。
本実施形態に係る金属ベース基板の構成の一例を示す概略断面図である。 本実施形態に係る電子装置の構成の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。また、数値範囲を示す「~」は特に断りがなければ「以上」から「以下」を表す。
[熱硬化性樹脂組成物]
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)と、シアネートエステル樹脂(B)と、熱伝導性フィラー(C)とを含み、エポキシ樹脂(A)が、分子内にレスベラトロール骨格を有するレスベラトロール型エポキシ樹脂(A1)を含む。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物によれば、得られる樹脂シート及び熱伝導性部材の熱伝導性及び耐熱性のバランスを向上させることができる。また、本発明に係る熱硬化性樹脂組成物によれば、熱伝導性及び耐熱性のバランスが向上した金属ベース基板、及び電子装置を実現することができる。
このような効果が得られる理由は、以下の通りであると推察される。
レスベラトロール型エポキシ樹脂(A1)は、分子内にレスベラトロール骨格を有する。このレスベラトロール骨格は多官能性、剛直性、直線性及び電子共役を有するとともに対称構造であるため、硬化時に、レスベラトロール骨格により架橋密度及び結晶性を向上させることができ、その結果、得られる樹脂シート及び熱伝導性部材の熱伝導性及び耐熱性のバランスを向上させることができると考えられる。
以下に、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
<エポキシ樹脂(A)>
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)を含む。
(レスベラトロール型エポキシ樹脂(A1))
エポキシ樹脂(A)は、レスベラトロール型エポキシ樹脂(A1)を含む。
レスベラトロール型エポキシ樹脂(A1)とは、分子内にレスベラトロール骨格を有するエポキシ樹脂であり、例えば、レスベラトロール化合物とエピクロロヒドリン等のエポキシ化合物とから誘導されたエポキシ樹脂である。ここで、レスベラトロール骨格とは、例えば、下記式(1)で示される構造である。
Figure 2023180728000002
(前記式(1)において、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、又は炭素数1以上6以下の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基を示し、好ましくは水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を示し、より好ましくは水素原子又はメチル基、更に好ましくは水素原子を示し、aは、それぞれ独立して、0以上3以下の整数、好ましくは0又は1、より好ましくは0であり、bは、それぞれ独立して、0以上4以下の整数、好ましくは0又は1、より好ましくは0であり、*は結合手を示す。)
レスベラトロール型エポキシ樹脂(A1)の単量体は、例えば、下記(2)で示される。レスベラトロール型エポキシ樹脂(A1)の多量体(オリゴマー)は、例えば、下記(3)で示される。
Figure 2023180728000003
(前記式(2)において、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、又は炭素数1以上6以下の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基を示し、好ましくは水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を示し、より好ましくは水素原子又はメチル基、更に好ましくは水素原子を示し、aは、それぞれ独立して、0以上3以下の整数、好ましくは0又は1、より好ましくは0であり、bは、それぞれ独立して、0以上4以下の整数、好ましくは0又は1、より好ましくは0である。)
Figure 2023180728000004
(前記式(3)において、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1以上4以下のアルコキシ基、又は炭素数1以上6以下の直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基を示し、好ましくは水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を示し、より好ましくは水素原子又はメチル基、更に好ましくは水素原子を示し、aは、それぞれ独立して、0以上3以下の整数、好ましくは0又は1、より好ましくは0であり、bは、それぞれ独立して、0以上4以下の整数、好ましくは0又は1、より好ましくは0であり、nは、好ましくは1以上50以下の整数であり、より好ましく2以上30以下の整数、更に好ましくは3以上15以下の整数、更に好ましくは4以上10以下の整数である。)
レスベラトロール型エポキシ樹脂(A1)のエポキシ当量は、得られる樹脂シート及び熱伝導性部材の熱伝導性及び耐熱性のバランスをより向上させる観点から、好ましくは130g/eq以上、より好ましくは150g/eq以上、更に好ましくは180g/eq以上、更に好ましくは200g/eq以上、そして、好ましくは500g/eq以下、より好ましくは400g/eq以下、更に好ましくは350g/eq以下、更に好ましくは300g/eq以下である。
本明細書におけるエポキシ当量の測定手法を以下に記載する。
エポキシ樹脂をクロロホルムやシクロヘキサノン等の適切な溶媒20mLに溶解する。得られた溶解液に酢酸20mL、臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液10mL(臭化テトラエチルアンモニウム100gに対して酢酸400mLを添加して溶解した溶液)を加え、0.1Nに調整した過塩素酸溶液を用いて電位差自動滴定装置(メトローム社製916 Ti-Touch)により滴定する。ブランクテストを行い、下記式よりエポキシ当量を算出する。
エポキシ当量(g/eq)=(1000×W)/{(S-B)×N}
W:試料質量
B:ブランクテストに使用した0.1N過塩素酸溶液の量(mL)
S:サンプルの滴定に使用した0.1N過塩素酸溶液の量(mL)
N:過塩素酸溶液の規定度(0.1N)
レスベラトロール型エポキシ樹脂(A1)の重量平均分子量(Mw)は、得られる樹脂シート及び熱伝導性部材の熱伝導性及び耐熱性のバランスをより向上させる観点から、好ましくは350以上、より好ましくは500以上、更に好ましくは1,000以上、更に好ましくは1,500以上、更に好ましくは1,800以上、更に好ましくは2,000以上、更に好ましくは2,300以上、更に好ましくは2,500以上、更に好ましくは2,800以上であり、そして、好ましくは10,000以下、より好ましくは7,000以下、更に好ましくは4,000以下である。
レスベラトロール型エポキシ樹脂(A1)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値を示す。
本明細書において、レスベラトロール型エポキシ樹脂(A1)の重量平均分子量(Mw)は、GPC(Gel Permeation Chromatography)を用いて分子量分布曲線を得ることにより測定できる。レスベラトロール型エポキシ樹脂(A1)の重量平均分子量(Mw)は、GPC測定により得られる標準ポリスチレン(PS)の検量線から求めたポリスチレン換算値を用いて、算出する。
GPCの測定条件は、たとえば以下の通りである。
東ソー(株)社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC-8320GPC
カラム:東ソー(株)社製TSK-GEL GMH、G2000H、SuperHM-M
検出器:液体クロマトグラム用UV検出器
測定温度:40℃
溶媒:THF
試料濃度:2.0mg/ミリリットル
(その他のエポキシ樹脂(A2))
エポキシ樹脂(A)は、得られる樹脂シートや熱伝導性部材の成形性、外観、柔軟性、可撓性、耐屈曲性、応力緩和性、他部材との密着性等をより向上させる観点から、レスベラトロール型エポキシ樹脂(A1)以外のエポキシ樹脂(A2)を含むことができる。
エポキシ樹脂(A2)は特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4’-(1,3-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4’-(1,4-フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4’-シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂等のアリールアルキレン型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂;ナフトール型エポキシ樹脂;ナフタレンジオール型エポキシ樹脂;1,6-ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、2,7-ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、1,5―ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、1、4-ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、2,6―ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂;ビナフチル型エポキシ樹脂;ナフタレンアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂等のナフタレン型エポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン骨格を有するエポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂;フェノールアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含み、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、アダマンタン骨格を有するエポキシ樹脂、フェノールアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂、及びナフタレンアラルキル骨格を有するエポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。
エポキシ樹脂(A2)は、得られる樹脂シートや熱伝導性部材の成形性、外観、柔軟性、可撓性、耐屈曲性、応力緩和性、他部材との密着性等をより向上させる観点から、好ましくは、23℃で液状又は半固形のエポキシ樹脂を含む。
本実施形態において、エポキシ樹脂(A)は、得られる熱硬化性樹脂組成物の成形性をより向上させる観点から、レスベラトロール型エポキシ樹脂(A1)と、23℃で液状又は半固形のエポキシ樹脂(A2)とを組み合わせて含むことが好ましい。
エポキシ樹脂(A)は、得られる樹脂シート及び熱伝導性部材の熱伝導性及び耐熱性のバランスをより向上させる観点から、レスベラトロール型エポキシ樹脂(A1)を好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、更に好ましくは80質量%以上含み、そして、好ましくは100質量%以下含むことができる。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物中のエポキシ樹脂(A)の含有量は、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物の熱伝導性フィラー(C)を除く成分の合計量すなわちエポキシ樹脂(A)、シアネートエステル樹脂(B)、フェノキシ樹脂(D)及び硬化促進剤(E)の合計量(以下、本明細書において、「樹脂成分の合計量」と呼ぶ。)を100質量部としたとき、得られる樹脂シート及び熱伝導性部材の熱伝導性及び耐熱性のバランスをより向上させる観点から、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、更に好ましくは25質量部以上、更に好ましくは30質量部以上であり、得られる樹脂シートや熱伝導性部材の成形性、外観、柔軟性、可撓性、耐屈曲性、応力緩和性、他部材との密着性等をより向上させる観点から、好ましくは80質量部以下、より好ましくは60質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、更に好ましくは45質量部以下、更に好ましくは40質量部以下である。
<シアネートエステル樹脂(B)>
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、得られる樹脂シートや熱伝導性部材の成形性、外観、柔軟性、可撓性、耐屈曲性、応力緩和性、他部材との密着性等を向上させる観点から、シアネートエステル樹脂(B)を含む。
ここで、本明細書において、シアネートエステル樹脂(B)には、イソシアネート化合物は含まれない。
シアネートエステル樹脂(B)は、例えば、ノボラック型シアネートエステル樹脂;ビスフェノールA型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールE型シアネートエステル樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネートエステル樹脂等のビスフェノール型シアネートエステル樹脂;ナフトールアラルキル型フェノール樹脂とハロゲン化シアンとの反応で得られるナフトールアラルキル型シアネートエステル樹脂;ジシクロペンタジエン型シアネートエステル樹脂;及びビフェニレン骨格含有フェノールアラルキル型シアネートエステル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含み、得られる樹脂シートや熱伝導性部材の熱伝導性及び耐熱性のバランスをより向上させる観点から、好ましくはノボラック型シアネートエステル樹脂及びナフトールアラルキル型シアネートエステル樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含み、より好ましくはノボラック型シアネートエステル樹脂を含む。
ノボラック型シアネートエステル樹脂としては、例えば、下記式(I)で示されるものが挙げられる。
Figure 2023180728000005
前記式(I)で示されるノボラック型シアネートエステル樹脂の平均繰り返し単位nは任意の整数である。平均繰り返し単位nは、特に限定されないが、ノボラック型シアネートエステル樹脂の耐熱性がより向上し、加熱時に低量体が脱離及び揮発することをより一層抑制できる観点から、好ましくは1以上、より好ましくは2以上であり、溶融粘度が高くなるのを抑制でき、成形性をより向上できる観点から、好ましくは10以下、より好ましくは7以下である。
ナフトールアラルキル型シアネートエステル樹脂としては、例えば、下記式(II)で示されるものが挙げられる。
下記式(II)で表わされるナフトールアラルキル型シアネートエステル樹脂は、例えば、α-ナフトールあるいはβ-ナフトール等のナフトール類とp-キシリレングリコール、α,α’-ジメトキシ-p-キシレン、1,4-ジ(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ベンゼン等との反応により得られるナフトールアラルキル型フェノール樹脂とハロゲン化シアンとを縮合させて得られるものである。
下記式(II)の繰り返し単位nは、より均一な樹脂シートを得る観点、及び、収量の低下を防止できる観点から、好ましくは10以下の整数である。
Figure 2023180728000006
前記式(II)中、Rはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、nは1以上10以下の整数を示す。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物中のシアネートエステル樹脂(B)の含有量は、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物の樹脂成分の合計量を100質量部としたとき、得られる樹脂シートや熱伝導性部材の成形性、外観、柔軟性、可撓性、耐屈曲性、応力緩和性、他部材との密着性等をより向上させる観点から、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、更に好ましくは25質量部以上、更に好ましくは30質量部以上であり、得られる樹脂シートや熱伝導性部材の熱伝導性及び耐熱性のバランスをより向上させる観点から、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは60質量部以下、更に好ましくは50質量部以下である。
<熱伝導性フィラー(C)>
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、得られる樹脂シートや熱伝導性部材の熱伝導性を向上させる観点から、熱伝導性フィラー(C)を含む。
熱伝導性フィラー(C)は、例えば、シリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化ホウ素、窒化珪素、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、及び硫酸バリウムからなる群から選択される少なくとも一種を含み、熱伝導性をより向上させる観点から、好ましくは窒化ホウ素、窒化アルミニウム及びアルミナからなる群から選択される少なくとも一種を含み、より好ましくは窒化ホウ素を含む。
前記窒化ホウ素は、好ましくは鱗片状窒化ホウ素を含み、より好ましくは鱗片状窒化ホウ素の単分散粒子及び鱗片状窒化ホウ素の凝集粒子からなる群から選択される少なくとも一種を含み、更に好ましくは鱗片状窒化ホウ素の凝集粒子を含む。
鱗片状窒化ホウ素は顆粒状に造粒されていてもよい。鱗片状窒化ホウ素の凝集粒子は、焼結粒子であっても、非焼結粒子であってもよい。
熱伝導性フィラー(C)の平均粒径は、得られる樹脂シートや熱伝導性部材の熱伝導性をより向上させる観点から、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは30μm以上、更に好ましくは50μm以上であり、得られる樹脂シートや熱伝導性部材の成形性、外観、柔軟性、可撓性、耐屈曲性、応力緩和性、他部材との密着性等を向上させる観点から、好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下、更に好ましくは200μm以下である。
ここで、熱伝導性フィラー(C)の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置により、粒子の粒度分布を体積基準で測定したときのメディアン径(D50)である。
熱伝導性フィラー(C)は、前記窒化ホウ素を好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上含み、そして、好ましくは100質量%以下含むことができる。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物中の熱伝導性フィラー(C)の含有量は、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物の樹脂成分の合計量を100質量部としたとき、熱伝導性をより向上させる観点から、好ましくは50質量部以上、より好ましくは100質量部以上、更に好ましくは150質量部以上、更に好ましくは200質量部以上、更に好ましくは250質量部以上、更に好ましくは280質量部以上であり、得られる樹脂シートや熱伝導性部材の成形性、外観、柔軟性、可撓性、耐屈曲性、応力緩和性、他部材との密着性等を向上させる観点から、好ましくは500質量部以下、より好ましくは450質量部以下、更に好ましくは400質量部以下、更に好ましくは350質量部以下、更に好ましくは330質量部以下である。
<フェノキシ樹脂(D)>
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、得られる樹脂シートや熱伝導性部材の成形性、外観、柔軟性、可撓性、耐屈曲性、応力緩和性、他部材との密着性等をより向上させる観点から、好ましくはフェノキシ樹脂(D)を更に含む。
フェノキシ樹脂(D)は、例えば、ビスフェノール骨格を有するフェノキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するフェノキシ樹脂、アントラセン骨格を有するフェノキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂、ビスフェノールアセトフェノン骨格を有するフェノキシ樹脂及びこれらの骨格を複数種有した構造のフェノキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含み、より好ましくはビスフェノール骨格を有するフェノキシ樹脂を含み、更に好ましくはビスフェノールA骨格を有するフェノキシ樹脂、ビスフェノールF骨格を有するフェノキシ樹脂及びビスフェノールA骨格とビスフェノールF骨格を両方有するフェノキシ樹脂から選択される少なくとも一種を含み、更に好ましくはビスフェノールA骨格を有するフェノキシ樹脂を含む。
フェノキシ樹脂(D)の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、好ましくは1,000以上、より好ましくは2,000以上、更に好ましくは5,000以上、更に好ましくは10,000以上、更に好ましくは20,000以上であり、そして、好ましくは80,000以下である。フェノキシ樹脂(D)の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値を示す。
本実施形態において、フェノキシ樹脂(D)の重量平均分子量(Mw)は、GPC(Gel Permeation Chromatography)を用いて分子量分布曲線を得ることにより測定できる。フェノキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、GPC測定により得られる標準ポリスチレン(PS)の検量線から求めたポリスチレン換算値を用いて、算出する。
GPCの測定条件は、たとえば以下の通りである。
東ソー(株)社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC-8320GPC
カラム:東ソー(株)社製TSK-GEL GMH、G2000H、SuperHM-M
検出器:液体クロマトグラム用UV検出器
測定温度:40℃
溶媒:THF
試料濃度:2.0mg/ミリリットル
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物中のフェノキシ樹脂(D)の含有量は、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物の樹脂成分の合計量を100質量部としたとき、得られる樹脂シートや熱伝導性部材の成形性、外観、柔軟性、可撓性、耐屈曲性、応力緩和性、他部材との密着性等をより向上させる観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上、更に好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上、更に好ましくは20質量部以上であり、得られる樹脂シートや熱伝導性部材の熱伝導性及び耐熱性のバランスをより向上させる観点から、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは40質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。
<硬化促進剤(E)>
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性、反応性及び耐熱性をより向上させる観点から、好ましくは硬化促進剤(E)を更に含む。
硬化促進剤(E)は特に限定されないが、例えば、窒素原子含有化合物、有機リン化合物、フェノール化合物、有機酸、有機金属塩及びフェノール樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含む。
硬化促進剤(E)の種類や配合量は特に限定されないが、反応速度や反応温度、保管性等の観点から、適切なものを選択することができる。
硬化促進剤(E)は、耐熱性をより向上させる観点から、好ましくは、イミダゾール類、3級アミン類等の窒素原子含有化合物;フェノール化合物;フェノール樹脂;及びベンゾオキサジン樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含む。
イミダゾール類は、耐熱性をより向上させる観点から、好ましくは、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2,4-ジエチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、及び1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテートからなる群から選択される少なくとも一種を含む。
3級アミン類は、耐熱性をより向上させる観点から、好ましくは、トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、及び1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7からなる群から選択される少なくとも一種を含む。
フェノール化合物は、耐熱性をより向上させる観点から、好ましくは、フェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ノニルフェノール、アリルフェノール、及び2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパンからなる群から選択される少なくとも一種を含む。
フェノール樹脂は、耐熱性をより向上させる観点から、好ましくは、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、アミノトリアジンノボラック樹脂、ノボラック樹脂、トリスフェニルメタン型のフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂;フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型樹脂;及びレゾール型フェノール樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含む。
ベンゾオキサジン樹脂は、耐熱性をより向上させる観点から、好ましくは、o-クレゾールアニリン型ベンゾオキサジン樹脂、m-クレゾールアニリン型ベンゾオキサジン樹脂、p-クレゾールアニリン型ベンゾオキサジン樹脂、フェノール-アニリン型ベンゾオキサジン樹脂、フェノール-メチルアミン型ベンゾオキサジン樹脂、フェノール-シクロヘキシルアミン型ベンゾオキサジン樹脂、フェノール-m-トルイジン型ベンゾオキサジン樹脂、フェノール-3,5-ジメチルアニリン型ベンゾオキサジン樹脂、ビスフェノールA-アニリン型ベンゾオキサジン樹脂、ビスフェノールA-アミン型ベンゾオキサジン樹脂、ビスフェノールF-アニリン型ベンゾオキサジン樹脂、ビスフェノールS-アニリン型ベンゾオキサジン樹脂、ジヒドロキシジフェニルスルホン-アニリン型ベンゾオキサジン樹脂、ジヒドロキシジフェニルエーテル-アニリン型ベンゾオキサジン樹脂、ベンゾフェノン型ベンゾオキサジン樹脂、ビフェニル型ベンゾオキサジン樹脂、ビスフェノールAF-アニリン型ベンゾオキサジン樹脂、ビスフェノールA-メチルアニリン型ベンゾオキサジン樹脂、フェノール-ジアミノジフェニルメタン型ベンゾオキサジン樹脂、トリフェニルメタン型ベンゾオキサジン樹脂、及びフェノールフタレイン型ベンゾオキサジン樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含む。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物中の硬化促進剤(E)の含有量は、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物の樹脂成分の合計量を100質量部としたとき、熱硬化性、反応性及び耐熱性をより向上させる観点から、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.10質量部以上、更に好ましくは0.20質量部以上、更に好ましくは0.50質量部以上、更に好ましくは1.0質量部以上であり、そして、好ましくは10.0質量部以下、より好ましくは8.0質量部以下、更に好ましくは5.0質量部以下、更に好ましくは3.0質量部以下である。
<その他の成分>
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、上述した成分以外の成分を含むことができる。その他の成分としては、例えば、カップリング剤、酸化防止剤、レベリング剤、分散安定剤、界面活性剤等が挙げられる。
本発明に係る熱硬化性樹脂組成物中の、エポキシ樹脂(A)、シアネートエステル樹脂(B)、熱伝導性フィラー(C)、フェノキシ樹脂(D)及び硬化促進剤(E)の合計含有量は、熱硬化性樹脂組成物の全体を100質量%としたとき、得られる熱伝導性部材、金属ベース基板、及び電子装置の熱伝導性及び耐熱性のバランスをより向上させる観点から、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、更に好ましくは98質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下である。
[熱硬化性樹脂組成物の製造方法]
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物の製造方法として、例えば、次のような方法がある。
まず、熱伝導性フィラー(C)以外の上記各成分を、溶媒中で混合することにより樹脂ワニス(ワニス状の熱硬化性樹脂組成物)を調製する。この混合は、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、自転公転式分散方式等の各種混合機を用いることができる。
上記溶媒は特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、及びN-メチルピロリドンからなる群から選択される少なくとも一種を含む。
次いで、得られた樹脂ワニスに、熱伝導性フィラー(C)を添加し、三本ロール等を用いて混練することにより、Bステージ状態の熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。混練時に熱伝導性フィラー(C)を添加することにより、熱硬化性樹脂組成物中に熱伝導性フィラー(C)をより均一に分散させることが可能であるが、この方法に限定されない。熱硬化性樹脂組成物は、混練時に添加してもよいが、樹脂ワニスの混合時に添加してもよい。混練後に冷却固化し、混練物を、顆粒状、タブレット状、またはシート状に加工してもよい。
[樹脂シート]
本実施形態に係る樹脂シートは、前述した本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂組成物層を含む。前記樹脂組成物層は、好ましくはBステージ状態である。
本実施形態に係る樹脂シートの具体的な形態は、例えば、基材と、基材上に設けられた、本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂組成物層と、を備えるものである。
本実施形態に係る樹脂シートは、例えば、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物を基材上に塗布して得られた塗布膜に対して、溶媒除去処理を行うことにより得ることができる。上記樹脂シート中の溶媒含有率が、熱硬化性樹脂組成物全体に対して10質量%以下とすることが好ましい。例えば、80℃~200℃、1分間~30分間の条件で、前記溶媒除去処理を行うことができる。
本実施形態に係る樹脂シートの平面形状は、特に限定されず、放熱体や発熱体等の形状に合わせて適宜選択することが可能であるが、例えば矩形とすることができる。
本実施形態に係る樹脂シートの樹脂組成物層の膜厚は、例えば、機械的強度、耐熱性、絶縁性及び放熱性のバランスをより向上させる観点から、50μm以上500μm以下である。
上記基材は、例えば、樹脂フィルム及び金属箔からなる群から選択される少なくとも一種を含む。
樹脂フィルムは、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム;ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム;ポリカーボネートフィルム;フッ素系樹脂フィルム;及びポリイミド樹脂フィルムからなる群から選択される少なくとも一種を含む。
金属箔は、特に限定されないが、例えば、銅箔、銅系合金箔、アルミ箔、アルミ系合金箔、鉄箔、鉄系合金箔、銀箔、銀系合金箔、金箔、金系合金箔、亜鉛箔、亜鉛系合金箔、ニッケル箔、ニッケル系合金箔、錫箔及び錫系合金箔からなる群から選択される少なくとも一種を含む。
上記基材の厚みは、例えば、10μm以上500μm以下である。
本実施形態に係る樹脂シートは、各種の基板用途に用いることが可能であり、熱伝導性及び耐熱性のバランスの観点から、パワーモジュールに用いるパワーモジュール用基板の材料として好適に用いることができる。
[熱伝導性部材]
本実施形態に係る熱伝導性部材は、熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる樹脂硬化物層を含む。前記樹脂硬化物層は、好ましくはCステージ状態である。
本実施形態に係る熱伝導性部材は、例えば、前述した本実施形態に係る樹脂シートを硬化し、必要に応じて基材を剥離することによって得ることができる。
また、本実施形態に係る熱伝導性部材は、取り扱い性を向上させる観点から、好ましくは熱伝導性シートである。
本実施形態に係る熱伝導性部材は、例えば、発熱体と、放熱体との間に介在する熱伝導材として使用される。
発熱体としては、半導体素子、LED素子、半導体素子やLED素子等が搭載された基板、Central Processing Unit(CPU)、パワー半導体、リチウムイオン電池、燃料電池等を挙げることができる。
放熱体としては、ヒートシンク、ヒートスプレッダー、放熱(冷却)フィン等を挙げることができる。
また、本実施形態に係る熱伝導性部材は、例えば、電子装置内の高熱伝導性が要求される接合界面に設けられ、発熱体から放熱体への熱伝導を促進することができる。これにより、半導体チップ等における特性変動に起因した故障を抑え、電子装置の安定性の向上が図られている。
本実施形態に係る熱伝導性部材の平面形状は、特に限定されず、放熱体や発熱体等の形状に合わせて適宜選択することが可能であるが、例えば矩形とすることができる。
本実施形態に係る熱伝導性部材における樹脂硬化物層の厚みは、機械的強度、耐熱性及び絶縁性をより向上させる観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは50μm以上、更に好ましくは100μm以上であり、放熱性をより向上させる観点から、好ましくは400μm以下、より好ましくは350μm以下、更に好ましくは250μm以下である。
本実施形態に係る熱伝導性部材において、昇温速度5℃/min、周波数10Hzの条件で動的粘弾性測定により測定される、前記樹脂硬化物層のガラス転移温度は、耐熱性及び絶縁性をより向上させる観点から、好ましくは210℃以上、より好ましくは215℃以上、更に好ましくは220℃以上である。前記ガラス転移温度の上限値は特に限定されないが、例えば350℃以下であり、330℃以下であってもよく、300℃以下であってもよい。
前記ガラス転移温度は熱伝導性部材を構成する各成分の種類や配合割合を適切に調節することにより制御することができる。
本実施形態に係る熱伝導性部材において、JIS R 1611:2010に準拠したフラッシュ法により大気雰囲気下、25℃の条件下で測定される、前記樹脂硬化物層の厚み方向の熱伝導率は、得られる金属ベース基板や電子装置の放熱性をより向上させる観点から、好ましくは15W/(m・K)以上、より好ましくは16W/(m・K)以上、更に好ましくは17W/(m・K)以上である。
前記熱伝導率は、具体的には、フラッシュ法(ハーフタイム法)にて測定した熱拡散係数(α)、DSC法により測定した比熱(Cp)、JIS-K-6911に準拠して測定した密度(ρ)より次式を用いて算出することができる。測定温度は25℃である。
熱伝導率[W/(m・K)]=α[m/s]×Cp[J/(kg・K)]×ρ[kg/m
本実施形態に係る熱伝導性部材は、各種の基板用途に用いることが可能であり、熱伝導性及び耐熱性のバランスの観点から、パワーモジュールに用いるパワーモジュール用基板の材料として好適に用いることができる。
[金属ベース基板]
図1は、本実施形態に係る金属ベース基板100の構成の一例を示す概略断面図である。
本実施形態に係る金属ベース基板100は、金属基板101と、金属基板101上に設けられた絶縁層102と、絶縁層102上に設けられた金属層103と、を備え、絶縁層102が、前述した本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂組成物層、及び前述した本実施形態に係る熱伝導性部材からなる群から選択される一種を含む。
絶縁層102は、金属層103の回路加工の前では、Bステージ状態の樹脂組成物層で構成されていてもよく、回路加工の後では、それを硬化処理されてなる樹脂硬化物層であってもよい。
絶縁層102の厚みは、機械的強度、耐熱性及び絶縁性をより向上させる観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは50μm以上、更に好ましくは100μm以上であり、金属ベース基板100全体における放熱性をより向上させる観点から、好ましくは400μm以下、より好ましくは350μm以下、更に好ましくは250μm以下である。
金属層103は絶縁層102上に設けられ、回路加工されるものである。この金属層103を構成する金属は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、鉄及び錫等からなる群から選択される少なくとも一種を含む。
金属層103は、回路加工性をより向上させる観点から、好ましくは銅層及びアルミニウム層からなる群から選択される少なくとも一種を含み、より好ましくは銅層を含む。金属層103は、板状で入手できる金属箔を用いてもよいし、ロール状で入手できる金属箔を用いてもよい。
金属層103の厚みは、高電流を要する用途であっても、回路パターンの発熱をより抑制する観点から、好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.05mm以上、更に好ましくは0.10mm以上、更に好ましくは0.25mm以上であり、回路加工性をより向上できるとともに、基板全体をより薄型化できる観点から、好ましくは10.0mm以下、より好ましくは5.0mm以下、更に好ましくは3.0mm以下、更に好ましくは2.0mm以下、更に好ましくは1.0mm以下である。
金属基板101は、金属ベース基板100に蓄積された熱を放熱する役割を有する。金属基板101は、放熱性の金属基板であれば特に限定されないが、好ましくは銅基板、銅合金基板、アルミニウム基板及びアルミニウム合金基板からなる群から選択される少なくとも一種を含み、放熱性をより向上させる観点から、より好ましくは銅基板及びアルミニウム基板からなる群から選択される少なくとも一種を含み、更に好ましくは銅基板を含む。
金属基板101の厚みは特に限定されないが、外形加工や切り出し加工等における加工性を向上できるとともに、基板全体をより薄型化できる観点から、好ましくは20.0mm以下、より好ましくは10.0mm以下、更に好ましくは5.0mm以下であり、放熱性をより向上させる観点から、好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.1mm以上、更に好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは1.0mm以上、更に好ましくは2.0mm以上である。
金属ベース基板100は、パターンにエッチング等することによって回路加工された金属層103を有することができる。この金属ベース基板100において、最外層に不図示のソルダーレジストを形成し、露光・現像により電子部品が実装できるよう接続用電極部が露出されていてもよい。
本実施形態に係る金属ベース基板100は、各種の基板用途に用いることが可能であり、熱伝導性及び耐熱性のバランスの観点から、パワーモジュールに用いるパワーモジュール用基板として好適に用いることができる。
[電子装置]
本実施形態に係る金属ベース基板100は、放熱絶縁性が要求される各種用途に用いることができ、例えば半導体装置等の電子装置に用いることができる。
図2は、本実施形態に係る電子装置200の構成の一例を示す概略断面図である。
本実施形態に係る電子装置200は、前述した本実施形態に係る金属ベース基板100と、金属ベース基板100上に設けられた電子部品201と、を備える。
動作により発熱する電子部品201(各種の発熱素子)からの熱に対して、金属ベース基板100はヒートスプレッターとして機能することができる。
図2に示す電子装置200は、金属ベース基板100の金属層103上に、ダイアタッチ材等の接着層202を介して半導体素子等の電子部品201が搭載されている。電子部品201は、ボンディングワイヤ203を介して金属ベース基板100に形成された接続用電極部に接続されており、金属ベース基板100に実装されている。そして、電子部品子201は、金属ベース基板100上に封止樹脂層205により一括封止されている。
金属ベース基板100の金属基板101側には、熱伝導層209(サーマル・インターフェース材(TIM))を介してヒートシンク207が設けられている。ヒートシンク207は熱伝導性に優れた材料から構成されており、アルミニウム、鉄、銅などの金属が挙げられる。
電子部品201としては、パワー半導体素子を用いることができる。これにより、本実施形態に係る電子装置200をパワーモジュールとすることが可能である。パワーモジュールにおいては、パワー半導体素子以外にも、他の電子部品が金属ベース基板100上に搭載されていてもよい。
パワー半導体素子は、例えば、SiC、GaN、Ga、又はダイヤモンドのようなワイドバンドギャップ材料を使用したものであり、高電圧・大電流で使用されるように設計されているため、通常のシリコンチップ(半導体素子)よりも発熱量が大きくなるので、さらに高温の環境下で動作することになる。パワー半導体素子には、例えば、200℃以上や250℃以上等の高温の動作環境下で、長時間の使用が要求される。パワー半導体素子としては、例えば、整流ダイオード、パワートランジスタ、パワーMOSFET、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、サイリスタ、ゲートターンオフサイリスタ(GTO)、トライアック等が挙げられる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の様々な構成を採用することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、本発明について実施例および比較例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例および比較例の記載に何ら限定されるものではない。
[ワニス状の熱硬化性樹脂組成物の作製]
実施例及び比較例について、以下のように熱硬化性樹脂組成物を作製した。
表1に示す熱硬化性樹脂組成物の組成に従い、樹脂成分、フィラー成分を溶媒中に均一に溶解・分散させたワニス状の熱硬化性樹脂組成物を得た。
表1中の各成分の詳細は以下のとおりである。なお、表1中の各成分の量の単位は質量部である。
(エポキシ樹脂(A))
・エポキシ樹脂1:分子内にレスベラトロール骨格を有するレスベラトロール型エポキシ樹脂(重量平均分子量:3319、エポキシ当量:257g/eq、下記製造例1により製造)
・エポキシ樹脂2:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON 830、23℃で液状)
・エポキシ樹脂3:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICLON HP-7200、23℃で固体状)
製造例1:反応容器にエピクロロヒドリン41.1質量部、レスベラトロール20.3質量部、テトラブチルアンモニウムクロライド0.3質量部、ジメチルスルホキシド8.9質量部を量り取り、45~50℃にて溶解・撹拌し、次いで、45~50℃にて2時間反応させた。次いで、50質量%水酸化ナトリウム水溶液14.7質量部をゆっくりと滴下後、50℃に昇温して2時間撹拌して反応させた。次いで、50質量%水酸化ナトリウム水溶液14.7質量部をゆっくりと滴下後、80-90℃に昇温して6時間撹拌して反応させた。得られた反応液を濃縮後、反応混合液に対して7倍量純水を用いた再沈殿法により、レスベラトロール型エポキシ樹脂を得た。
(シアネートエステル樹脂(B))
・シアネートエステル樹脂1:ノボラック型シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン社製、PT-30)
(熱伝導性フィラー(C))
・熱伝導性フィラー1:鱗片状窒化ホウ素の凝集粒子(水島合金鉄社製、窒化ホウ素粉末HP-40)
(フェノキシ樹脂(D))
・フェノキシ樹脂1:ビスフェノールA骨格を有するフェノキシ樹脂(日鉄ケミカル&マテリアル社製、YP-55)
(硬化促進剤(E))
・硬化促進剤1:ノボラック型フェノール樹脂(住友ベークライト社製、製品名:PR-55617)
・硬化促進剤2:2-メチルイミダゾール(2MZ、四国化成工業社製)
・硬化促進剤3:ベンゾオキサジン樹脂(四国化成工業社製、P-d型)
[エポキシ樹脂(A)の物性測定]
(エポキシ当量)
エポキシ樹脂をシクロヘキサノン20mLに溶解した。得られた溶解液に酢酸20mL、臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液10mL(臭化テトラエチルアンモニウム100gに対して酢酸400mLを添加して溶解した溶液)を加え、0.1Nに調整した過塩素酸溶液を用いて電位差自動滴定装置(メトローム社製916 Ti-Touch)により滴定した。ブランクテストを行い、下記式よりエポキシ当量を算出した。
エポキシ当量(g/eq)=(1000×W)/{(S-B)×N}
W:試料質量
B:ブランクテストに使用した0.1N過塩素酸溶液の量(mL)
S:サンプルの滴定に使用した0.1N過塩素酸溶液の量(mL)
N:過塩素酸溶液の規定度(0.1N)
(重量平均分子量(Mw))
エポキシ樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、GPC測定により得られる標準ポリスチレン(PS)の検量線から求めたポリスチレン換算値を用いて、算出した。
GPCの測定条件は、以下の通りである。
東ソー(株)社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC-8320GPC
カラム:東ソー(株)社製TSK-GEL GMH、G2000H、SuperHM-M
検出器:液体クロマトグラム用UV検出器
測定温度:40℃
溶媒:THF
試料濃度:2.0mg/ミリリットル
[樹脂シート及び熱伝導性部材の評価]
得られた樹脂シート及び熱伝導性部材について、次のような評価項目に基づいて評価を実施した。評価結果は表1に示す。
(熱伝導率)
・熱伝導性部材の作製
得られたワニス状の熱硬化性樹脂組成物を用いて、Bステージ状態の樹脂シートを作製し、0.018mmの銅箔で挟みセットし、コンプレッション成形を10MPaで180℃、90minを行い、樹脂成形体(熱伝導性部材)を得た。得られた樹脂成形体から10mm□の熱拡散率測定用サンプルを切り出し、熱拡散率測定に用いた。
・樹脂成形体の密度(比重)
密度(比重)測定は、JIS K 6911(熱硬化性プラスチック一般試験方法)に準拠して行った。試験片は、上記の樹脂成形体から、縦2cm×横2cmに切り出したものを用いた。密度(比重)(ρ)の単位をkg/mとする。
・樹脂成形体の比熱
得られた上記の樹脂成形体について、DSC法により比熱(Cp)を測定した。
・樹脂成形体の熱伝導率の測定
得られた樹脂成形体から、厚み方向測定用として、10mm□に切り出したものを試験片とした。次に、ULVAC社製のXeフラッシュアナライザーTD-1RTVを用いて非定常法により板状の試験片の厚み方向の熱拡散係数(α)の測定を行った。測定は、大気雰囲気下、25℃の条件下で行った。
樹脂成形体について、得られた熱拡散係数(α)、比熱(Cp)、密度(ρ)の測定値から、下記式に基づいて熱伝導率を算出した。結果を表1に示す。
熱伝導率[W/(m・K)]=α[m/s]×Cp[J/(kg・K)]×ρ[kg/m
表1中、樹脂成形体の熱伝導率を「熱伝導率」とした。
(ガラス転移温度(Tg))
動的粘弾性装置(日立ハイテク社製、製品名:DMA-7100)を用いて、樹脂成形体のガラス転移温度(Tg)を、DMA(動的粘弾性測定)により昇温速度5℃/min、周波数10Hzの条件で測定した。
(樹脂シートの柔軟性)
得られたBステージ状態の樹脂シートの柔軟性について以下の基準で評価した。
直径9cmの巻き芯を用いてシートの巻取りを行なった際にシート上に割れや欠け等が生じたものを「NG」、外観異常が見られなかったものを「OK」として判定した。
Figure 2023180728000007
100 金属ベース基板
101 金属基板
102 絶縁層
103 金属層
200 電子装置
201 電子部品
202 接着層
203 ボンディングワイヤ
205 封止樹脂層
207 ヒートシンク
209 熱伝導層

Claims (15)

  1. エポキシ樹脂(A)と、シアネートエステル樹脂(B)と、熱伝導性フィラー(C)とを含み、
    前記エポキシ樹脂(A)が、分子内にレスベラトロール骨格を有するレスベラトロール型エポキシ樹脂(A1)を含む熱硬化性樹脂組成物。
  2. フェノキシ樹脂(D)を更に含む、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 前記熱伝導性フィラー(C)がシリカ、アルミナ、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化ホウ素、窒化珪素、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、及び硫酸バリウムからなる群から選択される少なくとも一種を含む、請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 前記熱伝導性フィラー(C)が窒化ホウ素を含む、請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 硬化促進剤(E)を更に含む、請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 前記硬化促進剤(E)が窒素原子含有化合物、フェノール化合物、フェノール樹脂及びベンゾオキサジン樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含む、請求項5に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂組成物層を含む樹脂シート。
  8. 前記樹脂組成物層はBステージ状態である、請求項7に記載の樹脂シート。
  9. 請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる樹脂硬化物層を含む熱伝導性部材。
  10. 熱伝導性シートである、請求項9に記載の熱伝導性部材。
  11. 昇温速度5℃/min、周波数10Hzの条件で動的粘弾性測定により測定される、前記樹脂硬化物層のガラス転移温度が210℃以上である、請求項9に記載の熱伝導性部材。
  12. JIS R 1611:2010に準拠したフラッシュ法により大気雰囲気下、25℃の条件下で測定される、前記樹脂硬化物層の厚み方向の熱伝導率が15W/(m・K)以上である、請求項9に記載の熱伝導性部材。
  13. 金属基板と、
    前記金属基板上に設けられた絶縁層と、
    前記絶縁層上に設けられた金属層と、を備え、
    前記絶縁層が、請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂組成物層、及び請求項9に記載の熱伝導性部材からなる群から選択される一種を含む、金属ベース基板。
  14. 請求項13に記載の金属ベース基板と、
    前記金属ベース基板上に設けられた電子部品と、
    を備える電子装置。
  15. パワーモジュールである、請求項14に記載の電子装置。
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