JP2021080331A - 変性エポキシ樹脂、熱硬化性樹脂組成物、樹脂シート、及び金属ベース基板 - Google Patents

変性エポキシ樹脂、熱硬化性樹脂組成物、樹脂シート、及び金属ベース基板 Download PDF

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Abstract

【課題】熱伝導性、溶剤溶解性に優れた熱硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明の変性エポキシ樹脂は、1分子中に、第一のメソゲン構造を有するエポキシ化合物由来の構造単位と、第二のメソゲン構造を有するイソシアネート化合物由来の構造単位と、を含むものである。【選択図】なし

Description

本発明は、変性エポキシ樹脂、熱硬化性樹脂組成物、放熱シート材、及び金属ベース基板に関する。
これまで熱硬化性樹脂組成物について様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、窒化ホウ素およびエポキシ樹脂を含む樹脂組成物が記載されている(特許文献1の請求項など)。
特開2019−167436号公報
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載の樹脂組成物において、熱伝導性、溶剤溶解性の点で改善の余地があることが判明した。
樹脂組成物の熱伝導率を制御するためにメソゲン構造を有するフェノキシ樹脂を使用することを考えた。しかしながら、フェノキシ樹脂は、通常、エポキシ樹脂と比べて分子量が大きいため、溶剤溶解性が低下し、ワニスやそれを用いたフィルムの形態での取り扱いが低下する恐れがあった。
本発明者は、上記事情を踏まえて更に検討したところ、メソゲン構造を有するエポキシ化合物を原料に、メソゲン構造を有するイソシアネート化合物と重合反応させることによって、溶剤溶解性に優れ、熱伝導率を向上させることができるイソシアネート変性エポキシ樹脂を実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
1分子中に、第一のメソゲン構造を有するエポキシ化合物由来の構造単位と、第二のメソゲン構造を有するイソシアネート化合物由来の構造単位と、を含む、変性エポキシ樹脂が提供される。
また本発明によれば、
上記の変性エポキシ樹脂を含む、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物が提供される。
また本発明によれば、
基材と、
前記基材上に設けられた、上記の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層と、を備える、樹脂シートが提供される。
また本発明によれば、
金属基板と、
前記金属基板上に設けられた絶縁層と、
前記絶縁層上に設けられた金属層と、を備えており、
前記絶縁層が、上記の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層、または前記樹脂層の硬化物で構成される、金属ベース基板が提供される。
本発明によれば、熱伝導性および溶剤溶解性に優れた変性エポキシ樹脂、およびそれを用いた熱硬化性樹脂組成物、それを用いた樹脂シート、及び金属ベース基板が提供される。
本実施形態に係る金属ベース基板の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
本実施形態の変性エポキシ樹脂を概説する。
変性エポキシ樹脂は、1分子中に、第一のメソゲン構造を有するエポキシ化合物由来の構造単位と、第二のメソゲン構造を有するイソシアネート化合物由来の構造単位と、を含むイソシアネート変性エポキシ樹脂である。
本発明者の知見によれば、変性エポキシ樹脂のメソゲン構造によって、変性エポキシ樹脂を用いた熱硬化性樹脂組成物の硬化物における熱伝導率を向上できるとともに、変性エポキシ樹脂中のイソシアネート化合物のイソシアネート基由来の構造によって、アセトンなどの汎用性的な溶剤に対する溶剤溶解性を向上できることが見出された。
また、これらのエポキシ化合物とイソシアネート化合物とが重合反応した、比較的に高分子量の変性エポキシ樹脂においても、熱伝導率および溶剤溶解性を向上できることが見出された。
詳細なメカニズムは定かでないが、第一のメソゲン構造を有するエポキシ化合物と第二のメソゲン構造を有するイソシアネート化合物とを反応させることによって、それぞれの化合物由来のメソゲン構造が、変性エポキシ樹脂の分子内に形成されつつ、エポキシ化合物のエポキシ基とイソシアネート化合物のイソシアネート基との反応基が、溶剤溶解性の機能を発揮するため、と考えられる。具体的には、メソゲンのみの繰り返し構造は、メソゲン同士の配向による結晶化、構造の対称性からくる結晶性の高さから溶剤溶解性が低下する。一方、変性エポキシ樹脂の場合は、エポキシとイソシアネートの結合部が5員環構造をとり、対称性が落ちて、平面構造からずれ、配向性も落ちるため、溶剤溶解性が向上すると、考えられる。
本実施形態の変性エポキシ樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物は、一例として、ワニス状に好適に用いることができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、電気・電子機器などの放熱材料として用いることが可能である。この放熱材料は、例えば、電子部品を搭載するための基板材料に用いることができる。
電気・電子機器は、たとえば、通常の半導体装置(電子部品として半導体素子を備える電子装置)やパワーモジュール(電子部品としてパワー半導体素子を備える電子装置)等を用いることができる。パワー半導体素子は、SiC、GaN、Ga、またはダイヤモンドのようなワイドバンドギャップ材料を使用したものであり、高電圧・大電流で使用されるように設計されているため、通常のシリコンチップ(半導体素子)よりも発熱量が大きくなるので、さらに高温の環境下で動作することになる。パワー半導体素子には、たとえば、200℃以上や250℃以上等の高温の動作環境下で、長時間の使用が要求される。パワー半導体素子の具体例としては、たとえば、整流ダイオード、パワートランジスタ、パワーMOSFET、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、サイリスタ、ゲートターンオフサイリスタ(GTO)、トライアック等が挙げられる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物によれば、パワーモジュールに用いることができる放熱材料を提供することができる。
以下、本実施形態の変性エポキシ樹脂を用いた熱硬化性樹脂組成物を詳述する。
熱硬化性樹脂組成物は、変性エポキシ樹脂を含む。
(変性エポキシ樹脂)
変性エポキシ樹脂は、1分子中に、第一のメソゲン構造を有するエポキシ化合物由来の構造単位Aと、第二のメソゲン構造を有するイソシアネート化合物由来の構造単位Bと、を含む。
変性エポキシ樹脂は、1分子内に2以上のエポキシ基を有するポリマーを含んでもよい。すなわち、変性エポキシ樹脂は、構造単位Aと構造単位Bとを含む単位の繰り返し構造を有してもよい。
なお、変性エポキシ樹脂は、原料由来の成分を含んでもよく、これらの1または2種以上の反応物を含んでもよい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
変性エポキシ樹脂は、第一のメソゲン構造と第二のメソゲン構造とが、下記のヘテロ五員環を介して結合した構造を有してもよい。すなわち、変性エポキシ樹脂は、エポキシ化合物とイソシアネート化合物とが、これらのエポキシ基とイソシアネート基とが反応して形成された基として、ヘテロ五員環を有してもよい。
Figure 2021080331
第一のメソゲン構造および第二のメソゲン構造は、例えば、下記一般式(1)または一般式(2)で表される構造のいずれかを有してもよい。
−A−x−A− ・・(1)
−x−A−x− ・・(2)
上記一般式(1)、一般式(2)中、AおよびAは、各々独立して、芳香族基、縮合芳香族基、脂環基、または脂環式複素環基を表し、xは、各々独立して、直接結合、または−O−、−C=C−、−C≡C−、−CO−、−CO−O−、−CO−NH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH−、−N=N−および−N(O)=N−からなる群から選択される2価の結合基を示す。
ここで、A、Aは各々独立して、ベンゼン環を有する炭素数6〜12の炭化水素基、ナフタレン環を有する炭素数10〜20の炭化水素基、ビフェニル構造を有する炭素数12〜24の炭化水素基、ベンゼン環を3個以上有する炭素数12〜36の炭化水素基、縮合芳香族基を有する炭素数12〜36の炭化水素基、炭素数4〜36の脂環式複素環基から選択されるものであることが好ましい。A、Aは、無置換であってもよく、または置換基を有する誘導体であってもよい。
メソゲン構造中のA、Aの具体例としては、例えば、フェニレン、ビフェニレン、ナフチレン、アントラセニレン、シクロヘキシル、ピリジル、ピリミジル、チオフェニレン等が挙げられる。また、これらは無置換であっても良く、脂肪族炭化水素基、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基などの置換基を有する誘導体であってもよい。
メソゲン構造中の結合基(連結基)に相当するxとしては、例えば、直接結合、または−C=C−、−C≡C−、−CO−O−、−CO−NH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH−、−N=N−または−N(O)=N−の群から選ばれる2価の置換基が好ましい。
ここで、直接結合とは、単結合、またはメソゲン構造中のAおよびAが互いに連結して環構造を形成することを意味する。例えば、上記一般式(1)で表される構造に、ナフタレン構造が含まれていてもよい。
イソシアネート化合物としては、例えば、下記の一般式(A)で表される化合物を用いることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 2021080331
上記一般式(A)中、RおよびRは、それぞれ独立に、イソシアネート基(−N=C=O)を表し、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の鎖状もしくは環状アルキル基、フェニル基およびハロゲン原子から選択される1種を表し、aおよびcはそれぞれ1〜3の整数であり、bおよびdそれぞれは0〜2の整数である。ただし、a+bおよびc+dは、それぞれ1〜3のいずれかである。
エポキシ化合物としては、例えば、下記の一般式(B)で表される有化合物を用いることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 2021080331
上記一般式(B)中、RおよびRは、それぞれ独立に、グリシジルエーテル基を表し、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6の鎖状もしくは環状アルキル基、フェニル基およびハロゲン原子から選択される1種を表し、eおよびgはそれぞれ1〜3の整数であり、fおよびhそれぞれは0〜2の整数である。ただし、e+fおよびg+hは、それぞれ1〜3のいずれかである。
また、上記一般式(A)および一般式(B)中のRは、それぞれ、上記の−A−x−A−、−x−A−x−、または−x−を表すものである。なお、上記一般式(A)中の2つのベンゼン環は互いに連結して縮合環を形成してもよい。
上記R、R、RおよびRの具体例としては、それぞれ、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、塩素原子、臭素原子等が挙げられるが、これらの中でも、特に、水素原子またはメチル基であるのが好ましい。
上記一般式Aで表されるイソシアネート化合物の中でも、ジイソシアネート化合物が好ましく、1分子中に、第二のメソゲン構造に結合した2つのイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物を用いることがより好ましい。
上記一般式Bで表されるエポキシ化合物の中でも、2官能エポキシ化合物が好ましく、1分子中に、第一のメソゲン構造に結合した2つのエポキシ基を有する2官能エポキシ化合物を用いることが好ましい。
ジイソシアネート化合物として、上記RおよびRのイソシアネート基が、それぞれのベンゼン環のパラ位に結合した直鎖型ジイソシアネート化合物を用いることができる。また、ジイソシアネート化合物が、メソゲン構造として、ビフェニル骨格、または縮合環としてナフタレン環を有する場合、上記RおよびRに位置する2つのイソシアネート基が、ビフェニル骨格中のビフェニルの4、4’位にそれぞれ結合にしたもの、あるいは、ナフタレン環の2位,6位、または2位,7位のいずれかに結合した直鎖型ジイソシアネート化合物を用いることができる。
また、2官能エポキシ化合物として、上記RおよびRのグリシジルエーテル基が、それぞれのベンゼン環のパラ位に結合した直鎖型2官能エポキシ化合物を用いることができる。また、2官能エポキシ化合物が、メソゲン構造として、ビフェニル骨格、または縮合環としてナフタレン環を有する場合、上記RおよびRに位置するグリシジルエーテル基が、ビフェニル骨格中のビフェニルの4、4’位にそれぞれ結合にしたもの、あるいは、ナフタレン環の2位,6位、または2位,7位のいずれかに結合した直鎖型2官能エポキシ化合物を用いることができる。
上記の直鎖型ジイソシアネート化合物および上記の直鎖型2官能エポキシ化合物の少なくとも一方、好ましくは両方を用いることによって、熱伝導性をさらに高めることが可能になる。
詳細なメカニズムは定かではないが、ヘテロ五員環がメソゲン構造に直鎖状的に結合した構造によって、電子共役系が適切な配置となるため、熱伝導性を一層高められる、と考えられる。
また、このような直鎖状的な構造によって、樹脂へのなじむも良好となる上、溶剤溶解性も向上できる。
変性エポキシ樹脂は、25℃において、粘性液体で構成されていてもよい。これにより、溶剤溶解性を向上させることができる。
変性エポキシ樹脂の重量平均分子量Mwは、好ましくは150〜5000、より好ましくは180〜3000、さらに好ましくは200〜2000である。重量平均分子量を適切に調整することで、有機溶剤に対する溶解性などを調整することができる。
また、変性エポキシ樹脂の多分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、好ましくは1.0〜8.0、より好ましくは1.0〜7.5、さらに好ましくは1.0〜2.8である。多分散度を適切に調整することで、変性エポキシ樹脂の物性を均質にすることができ、好ましい。
なお、これらの値は、ポリスチレンを標準物質として用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により求めることができる。
変性エポキシ樹脂の含有量の下限は、フィラーを含まない熱硬化性樹脂組成物の樹脂成分(100質量%)に対して、例えば、1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。これにより、熱伝導率および溶剤溶解性を向上できる。一方、変性エポキシ樹脂の含有量の上限は、フィラーを含まない熱硬化性樹脂組成物の樹脂成分(100質量%)に対して、例えば、40質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。これにより、放熱性を高められる。
本明細書中、フィラーを含まない熱硬化性樹脂組成物において、「フィラー」とは、後述の熱伝導性フィラー、無機フィラーまたは有機フィラー等の通常のフィラー、分散安定剤として用いられる無機ナノ粒子を含む。すなわち、フィラーを含まない熱硬化性樹脂組成物は、フィラー以外の樹脂成分で構成されるものであって、樹脂成分として、例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、シアネート樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物は、変性エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を含んでもよい。
エポキシ樹脂は、1分子内に2以上のエポキシ基を有する化合物であり、モノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量や分子構造は特に限定されない。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂としては、たとえば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂(4,4’−(1,3−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールP型エポキシ樹脂(4,4’−(1,4−フェニレンジイソプリジエン)ビスフェノール型エポキシ樹脂)、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂(4,4’−シクロヘキシジエンビスフェノール型エポキシ樹脂)等のビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノール基メタン型ノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェノール基エタン型ノボラック型エポキシ樹脂,縮合環芳香族炭化水素構造を有するノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂;キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂等のアリールアルキレン型エポキシ樹脂;ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、2官能ないし4官能エポキシ型ナフタレン樹脂、ビナフチル型エポキシ樹脂、ナフタレンアラルキル型エポキシ樹脂等のナフタレン型エポキシ樹脂;アントラセン型エポキシ樹脂;フェノキシ型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ノルボルネン型エポキシ樹脂;アダマンタン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂の含有量の下限値は、フィラーを含まない熱硬化性樹脂組成物の樹脂成分(100質量%)に対して、例えば、5質量%以上であり、好ましくは7質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上である。これにより、熱硬化性樹脂組成物のハンドリング性を高められる。一方、エポキシ樹脂の含有量の上限値は、フィラーを含まない熱硬化性樹脂組成物の樹脂成分(100質量%)に対して、例えば、80質量%以下であり、好ましくは75質量%以下である。また、エポキシ樹脂の含有量の上限値は、例えば、45質量%以下としてもよい。これにより、放熱性をより一層高められる。
エポキシ樹脂は、液状エポキシ樹脂を含んでもよい。
液状エポキシ樹脂は、熱硬化性樹脂組成物をBステージ化した際のシートの可とう性を発現することができる。
上記液状エポキシ樹脂としては、2個以上のエポキシ基を有しており、室温25℃において液状であるエポキシ化合物を用いることができる。この液状エポキシ樹脂の25℃における粘度は、例えば、1mPa・s〜8000mPa・sであり、好ましくは5mPa・s〜6000mPa・sであり、より好ましくは10mPa・s〜5000mPa・sとすることができる。
本明細書中、「〜」は、特に明示しない限り、上限値と下限値を含むことを表す。
上記液状エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、アルキルジグリシジルエーテルおよび脂環式エポキシからなる群から選択される一種以上を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また上記液状エポキシ樹脂のエポキシ当量としては、例えば、100g/eq以上200g/eq以下であり、好ましくは105g/eq以上190g/eq以下であり、さらに好ましくは110g/eq以上180g/eq以下である。これにより、Bステージ化した際のシートの可とう性を発現することができる。
液状エポキシ樹脂の含有量の下限値は、フィラーを含まない熱硬化性樹脂組成物の樹脂成分(100質量%)に対して、例えば、5質量%以上であり、好ましくは7質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上である。これにより、最終的に得られるシートの可とう性を発現することができる。一方、液状エポキシ樹脂の含有量の上限値は、フィラーを含まない熱硬化性樹脂組成物の樹脂成分(100質量%)に対して、例えば、60質量%以下であり、好ましくは55質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。これにより、耐熱性および放熱性を担保することができる。
熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂の他に、他の熱硬化性樹脂を含んでもよいが、含まなくてもよい。
他の熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ビスマレイミド樹脂、アクリル樹脂、またフェノール誘導体これらの誘導体等が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、1分子内に反応性官能基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般を用いることができ、その分子量や分子構造は特に限定されない。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記熱硬化性樹脂の含有量は、フィラーを含まない熱硬化性樹脂組成物の樹脂成分(100質量%)に対して、例えば、0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、0.5質量%以上15質量%以下がより好ましい。上記下限値以上であると、硬化性が向上し、樹脂層を形成するのが容易となる。上記上限値以下であると、樹脂層の保存安定性がより一層向上したり、樹脂層の熱伝導性がより一層向上したりする。
(フェノキシ樹脂)
熱硬化性樹脂組成物は、上記の変性エポキシ樹脂以外にフェノキシ樹脂を含んでもよい。これにより、耐屈曲性を高められる。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール骨格を有するフェノキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するフェノキシ樹脂、アントラセン骨格を有するフェノキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するフェノキシ樹脂等が挙げられる等が挙げられる。また、これらの骨格を複数種有した構造のフェノキシ樹脂を用いることもできる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノキシ樹脂は、分子内に上記のメソゲン構造を有する化合物を含んでもよい。これにより、熱伝導率をさらに高められる。
上記フェノキシ樹脂の含有量は、フィラーを含まない熱硬化性樹脂組成物の樹脂成分(100質量%)に対して、例えば、1質量%〜30質量%、好ましくは5質量%〜25質量%である。
(シアネート樹脂)
熱硬化性樹脂組成物は、シアネート樹脂を含んでよい。
シアネート樹脂を含むことによって、熱硬化性樹脂組成物の硬化物について、低線膨張化や、弾性率および剛性の向上を図ることができる。また、得られる電子装置の耐熱性や耐湿性の向上に寄与することも可能である。
(硬化剤)
上記熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、硬化剤を含むことができる。
上記硬化剤としては、熱硬化性樹脂の種類に応じて選択され、これと反応するものであれば特に限定されない。
硬化剤としては、フェノール樹脂系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、メルカプタン系硬化剤等を挙げることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記フェノール樹脂系硬化剤としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、アミノトリアジンノボラック樹脂、ノボラック樹脂、トリスフェニルメタン型のフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等の変性フェノール樹脂;フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレン骨格及び/又はビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール化合物;レゾール型フェノール樹脂等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、ガラス転移温度の向上及び線膨張係数の低減の観点から、ノボラック型フェノール樹脂またはレゾール型フェノール樹脂を用いることができる。
(硬化促進剤)
上記熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、硬化促進剤を含むことができる。
上記硬化促進剤の種類や配合量は特に限定されないが、反応速度や反応温度、保管性などの観点から、適切なものを選択することができる。
上記硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール類、有機リン化合物、3級アミン類、フェノール化合物、有機酸等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、耐熱性を高める観点から、イミダゾール類などの窒素原子含有化合物を用いることが好ましい。
上記イミダゾール類としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2,4−ジエチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等が挙げられる。
上記3級アミン類としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等が挙げられる。
上記フェノール化合物としては、例えば、フェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
上記有機酸としては、例えば、酢酸、安息香酸、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。
上記硬化促進剤の含有量は、熱硬化性樹脂と硬化剤との合計100質量%に対して、0.01質量%〜10質量%でもよく、0.02質量%〜8質量%でもよく、0.05質量%〜5質量%でもよい。
(熱伝導性フィラー)
熱硬化性樹脂組成物は、熱伝導性フィラーを含んでもよい。
上記熱伝導性フィラーは、たとえば、20W/m・K以上の熱伝導率を有する高熱伝導性無機粒子を含むことができる。高熱伝導性無機粒子としては、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素及び酸化マグネシウムから選択される少なくとも1種以上を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記熱伝導性フィラーの窒化ホウ素は、鱗片状窒化ホウ素の、単分散粒子、凝集粒子またはこれらの混合物を含むことができる。鱗片状窒化ホウ素は顆粒状に造粒されていてもよい。鱗片状窒化ホウ素の凝集粒子を用いることによって、一層に熱伝導性を高められる。凝集粒子は、焼結粒子であっても、非焼結粒子であってもよい。
熱伝導性フィラーの、体積基準粒度分布における累積頻度が50%となる粒子径d50は、例えば、0.1μm〜30μm、好ましくは0.2μm〜28μm、より好ましくは0.5μm〜25μmである。上記下限値以上とすることで、樹脂組成物のワニス時の粘度あるいは溶融粘度を低減できる。上記上限値以下とすることで、熱伝導性を向上できる。
また、鱗片状窒化ホウ素の凝集粒子(鱗片状フィラーの凝集物)を使用することにより厚み方向の熱伝導率を高めることができる。詳細なメカニズムは定かでないが、鱗片状フィラーの一部がプレス成形時に押しつぶされて、鱗片状フィラーの凝集物が一方向に配向することなく等方的な熱伝導パスが形成されるため、と考えられる。また、遊星型ミキサーまたはホモミキサー等の使用によって、鱗片状フィラーの凝集物の崩壊を抑えつつ、分散を可能となる混合手法を採用することにより、上記のような等方的な熱伝導パスを実現できると考えられる。
熱伝導性フィラーの含有量は、フィラーを含まない熱硬化性樹脂組成物の樹脂成分(100質量%)に対して、100質量%〜400質量%であり、好ましくは150質量%〜350質量%であり、より好ましくは200質量%〜330質量%である。上記下限値以上とすることにより、熱伝導性を向上させることができる。上記上限値以下とすることにより、プロセス性の低下を抑制することができる。
(分散安定剤)
上記熱硬化性樹脂組成物は、分散安定剤を含むことができる。
分散安定剤を使用することにより、熱伝導性フィラーの沈降を抑制することができる。分散安定剤として、例えば、ナノ成分を添加することで、熱硬化性樹脂組成物のワニス粘度が上昇するため、熱伝導性フィラーの沈降を抑制できる。これにより、フィラーが均一に分散し、成形不良なく複合成形体を得ることが可能とし、安定した熱伝導性を発現できると考えられる。
上記熱硬化性樹脂組成物は、シランカップリング剤を含むことができる。
これにより、熱硬化性樹脂組成物中における熱伝導性フィラーの相溶性を向上させることができる。カップリング剤は、熱硬化性樹脂組成物に添加してもよいし、熱伝導性フィラー表面に処理して使用してもよい。
上記シランカップリング剤としては、例えば、エポキシ系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤、ウレイド系シランカップリング剤、カチオニック系シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤からなる群から選択される一種以上を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この中でも、官能基として、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、ウレイド基またはヒドロキシ基の少なくとも一種以上を有するシランカップリング剤を用いることができる。また、樹脂成分との相溶性を向上させる観点から、非反応性のフェニル基を有するシランカップリング剤を用いることができる。
上記官能基を有するシランカップリング剤の具体例としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。上記フェニル基を含有するシランカップリング剤としては、例えば、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリエトキシシラン、N−メチルアニリノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアニリノプロピルトリエトキシシラン、3−フェニルイミノプロピルトリメトキシシラン、3−フェニルイミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトシキシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン等が挙げられる。
上記カップリング剤の添加量は、熱伝導性フィラー100質量%に対して、例えば、0.05質量%以上3質量%以下が好ましく、特に0.1質量%以上2質量%以下が好ましい。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、上述した成分以外の他の成分を含むことができる。この他の成分としては、例えば、酸化防止剤、レベリング剤が挙げられる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物の製造方法として、例えば、次のような方法がある。
フィラー以外の上記の各成分を、溶剤中に溶解、混合、撹拌することにより樹脂ワニス(ワニス状の熱硬化性樹脂組成物)を調整することができる。この混合は、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いることができる。
上記溶剤としては特に限定されないが、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノン等が挙げられる。
また、当該樹脂ワニスに、熱伝導性フィラー等のフィラーを添加し、三本ロール等を用いて混練することにより、Bステージ状態の熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。混練時に添加することにより、熱硬化性樹脂中に熱伝導性フィラーをより均一に分散させることが可能であるが、これに限定されない。熱伝導性フィラーは、混練時に添加してもよいが、樹脂ワニスの混合時に添加してもよい。なお、分散性の観点から、ナノ粒子は、例えば、所定の溶剤に分散させもの(ナノ粒子分散液)を樹脂ワニス中に添加することが好ましい。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、様々な態様で使用できるが、一例として、シート状で使用することができる。
(樹脂シート)
本実施形態の樹脂シートは、キャリア基材と、キャリア基材上に設けられた、上記の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層と、を備えるものである。
上記樹脂シートは、たとえばワニス状の熱硬化性樹脂組成物をキャリア基材上に塗布して得られた塗布膜(樹脂層)に対して、溶剤除去処理を行うことにより得ることができる。上記樹脂シート中の溶剤含有率が、熱硬化性樹脂組成物全体に対して10重量%以下とすることができる。たとえば80℃〜150℃、1分間〜30分間の条件で溶剤除去処理を行うことができる。これにより、熱硬化性樹脂組成物の硬化が進行することを抑制しつつ、十分に溶剤を除去することが可能となる。
上記樹脂シート(キャリア基材付き樹脂層)は、巻き取り可能なロール状でもよいし、矩形形状の枚葉状であってもよい。樹脂シートの樹脂膜の表面は、例えば、露出していてもよく、保護フィルム(カバーフィルム)で覆われていてもよい。保護フィルムとしては、公知の保護機能を有するフィルムを用いることができるが、例えば、PETフィルムを使用してもよい。
また、本実施形態において、上記キャリア基材としては、例えば、高分子フィルムや金属箔などを用いることができる。当該高分子フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、シリコーンシート等の離型紙、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂などの耐熱性を有した熱可塑性樹脂シート等が挙げられる。当該金属箔としては、特に限定されないが、例えば、銅および/または銅系合金、アルミおよび/またはアルミ系合金、鉄および/または鉄系合金、銀および/または銀系合金、金および金系合金、亜鉛および亜鉛系合金、ニッケルおよびニッケル系合金、錫および錫系合金などが挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートで構成されるシートが安価および剥離強度の調節が簡便なため最も好ましい。これにより、キャリア基材付き樹脂層から、キャリア基材を適度な強度で剥離することが容易となる。
(樹脂基板)
本実施形態の樹脂基板は、上記熱硬化性樹脂組成物の硬化物で構成された絶縁層を備えるものである。この樹脂基板は、半導体素子やパワー半導体などの電子部品を搭載するための素子搭載基板の材料として用いることができる。
(金属ベース基板)
本実施形態の金属ベース基板100について図1に基づいて説明する。
図1は、金属ベース基板100の構成の一例を示す断面図である。
上記金属ベース基板100は、図1に示すように、金属基板101と、金属基板101上に設けられた絶縁層102と、絶縁層102上に設けられた金属層103と、を備えることができる。この絶縁層102は、上記の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層、熱硬化性樹脂組成物の硬化物および積層板からなる群から選択される一種で構成することが可能である。これらの樹脂層、積層板のそれぞれは、金属層103の回路加工の前では、Bステージ状態の熱硬化性樹脂組成物で構成されていてもよく、回路加工の後では、それを硬化処理されてなる硬化体であってもよい。
金属層103は絶縁層102上に設けられ、回路加工されるものである。この金属層103を構成する金属としては、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、鉄、錫等から選択される一種または二種以上が挙げられる。これらの中でも、金属層103は、好ましくは銅層またはアルミニウム層であり、特に好ましくは銅層である。銅またはアルミニウムを用いることで、金属層103の回路加工性を良好なものとすることができる。金属層103は、板状で入手できる金属箔を用いてもよいし、ロール状で入手できる金属箔を用いてもよい。
金属層103の厚みの下限値は、例えば、0.01mm以上であり、好ましくは0.10mm以上、さらに好ましくは0.25mm以上である。このような数値以上であれば、高電流を要する用途であっても、回路パターンの発熱を抑えることができる。
また、金属層103の厚みの上限値は、例えば、2.0mm以下であり、好ましくは1.5mm以下であり、さらに好ましくは1.0mm以下である。このような数値以下であれば、回路加工性を向上させることができ、また、基板全体としての薄型化を図ることができる。
金属基板101は、金属ベース基板100に蓄積された熱を放熱する役割を有する。金属基板101は、放熱性の金属基板であれば特に限定されないが、例えば、銅基板、銅合金基板、アルミニウム基板、アルミニウム合金基板であり、銅基板またはアルミニウム基板が好ましく、銅基板がより好ましい。銅基板またはアルミニウム基板を用いることで、金属基板101の放熱性を良好なものとすることができる。
金属基板101の厚さは、本発明の目的が損なわれない限り、適宜設定できる。
金属基板101の厚さの上限値は、例えば、20.0mm以下であり、好ましくは5.0mm以下である。この数値以下の厚さの金属基板101を用いることで、金属ベース基板100全体としての薄型化を行うことができる。また、金属ベース基板100の外形加工や切り出し加工等における加工性を向上させることができる。
また、金属基板101の厚さの下限値は、例えば、0.1mm以上であり、好ましくは1.0mm以上であり、さらに好ましくは2.0mm以上である。この数値以上の金属基板101を用いることで、金属ベース基板100全体としての放熱性を向上させることができる。
本実施形態において、金属ベース基板100は、各種の基板用途に用いることが可能であるが、熱伝導性及び耐熱性に優れることから、パワーモジュールに用いるパワーモジュール用基板として用いることが可能である。
金属ベース基板100は、パターンにエッチング等することによって回路加工された金属層103を有することができる。この金属ベース基板100において、最外層に不図示のソルダーレジストを形成し、露光・現像により電子部品が実装できるよう接続用電極部が露出されていてもよい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
<変性エポキシ樹脂の合成>
・変性エポキシ樹脂1:下記の合成手順1で得られたイソシアネート変性エポキシ樹脂
(合成手順1)
下記化学式で表されるあらかじめ加熱溶融した2官能ナフタレン型エポキシ樹脂(メソゲン含有、DIC株式会社製、HP−4032D)500重量部を、下記化学式で表される4,4’−ジイソシアナート−3,3’−ジメチルビフェニル(メソゲン含有、ジイソシアネート、東京化成社製)100重量部と、を反応器に投下し、アルゴン雰囲気下、120℃で15時間攪拌させながら反応させ、変性エポキシ樹脂1(25℃で粘性液体、Mw:540、Mn:202、Mw/Mn:2.67)を得た。
Figure 2021080331
Figure 2021080331
・変性エポキシ樹脂2:下記の合成手順2で得られたイソシアネート変性エポキシ樹脂
(合成手順2)
ジイソシアネートの添加量を200重量部に変更した以外は、合成手順1と同様にして、変性エポキシ樹脂2(25℃で粘性液体、Mw:414、Mn:202、Mw/Mn:2.06)を得た。
・変性エポキシ樹脂3:下記の合成手順3で得られたイソシアネート変性エポキシ樹脂
(合成手順3)
ジイソシアネートの添加量を300重量部に変更した以外は、合成手順1と同様にして、変性エポキシ樹脂3(25℃で粘性液体、Mw:379、Mn:201、Mw/Mn:1.88)を得た。
・変性エポキシ樹脂4:下記の合成手順4で得られたイソシアネート変性エポキシ樹脂
(合成手順4)
ジイソシアネートの添加量を300重量部に変更した以外は、合成手順1と同様にして、変性エポキシ樹脂4を得た。
(合成手順4)
上記化学式で表される2官能ナフタレン型エポキシ樹脂(メソゲン含有、DIC株式会社製、HP−4032D)100重量部と、下記化学式で表されるテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂(2官能エポキシ化合物、メソゲン構造あり、三菱ケミカル社製、YX−4000)400重量部とを加熱溶融してから、上記化学式で表される4,4’−ジイソシアナート−3,3’−ジメチルビフェニル(メソゲン含有、ジイソシアネート、東京化成社製)100重量部と、触媒として2−エチル−4−メチルイミダゾール(東京化成社製)2×10−4重量部と、を反応器に投下し、アルゴン雰囲気下、120℃で15時間攪拌させながら反応させ、変性エポキシ樹脂4(所定時間保管後、25℃で固体)を得た。
Figure 2021080331
・変性エポキシ樹脂5:下記の合成手順5で得られたイソシアネート変性エポキシ樹脂
(合成手順5)
2官能ナフタレン型エポキシ樹脂(メソゲン含有、DIC株式会社製、HP−4032D)を、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂(2官能エポキシ化合物、メソゲン構造あり、三菱ケミカル社製、YX−4000)に変更した以外は、合成手順1と同様にして、変性エポキシ樹脂5(25℃で粘性液体、Mw:649、Mn:274、Mw/Mn:2.37)を得た。
・変性エポキシ樹脂6:下記の合成手順6で得られたイソシアネート変性エポキシ樹脂
(合成手順6)
2官能ナフタレン型エポキシ樹脂(メソゲン含有、DIC株式会社製、HP−4032D)を、エポキシ樹脂(日鉄ケミカル&マテリアル社製、TC−3200E)に変更し、120℃を145℃に変更した以外は、合成手順1と同様にして、変性エポキシ樹脂6(25℃で粘性液体、Mw1989、Mn:266、Mw/Mn:7.46)を得た。
上記のMw、Mn、分散度(Mw/Mn)としては、GPC測定により得られる、標準ポリスチレン換算値を用いることができる。測定条件は、たとえば以下の通りである。
装置:東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8320GPC
カラム:東ソー社製TSK−GEL Supermultipore HZ−M
検出器:液体クロマトグラム用UV検出器
測定温度:40℃
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
試料濃度:2.0mg/2.5g
サンプル側流量:1.0mL/分
(変性エポキシ樹脂の溶解性)
得られた変性エポキシ樹脂1〜6について、反応後にアセトンに溶解させ、その溶解性を確認した。
変性エポキシ樹脂1〜6は、いずれも溶解直後時では溶解性を示した。ただし、変性エポキシ樹脂4は、経時的に、個化が進み、溶解性が低下した。
なお、イソシアネート由来の構造単位を有しないビスフェノールA型フェノキシ樹脂(メソゲン構造なし、三菱ケミカル社製、YP−55)は、アセトンに導入して溶解性を確認した結果、アセトンに溶解性を示さないことが分かった。
(IRスペクトル)
得られた変性エポキシ樹脂1〜6、原料エポキシ樹脂の一つであるHP−4032D、原料ジイソシアネート(4,4’−ジイソシアナート−3,3’−ジメチルビフェニル)について、FT−IR(拡散反射法)の測定データを測定した。
原料ジイソシアネートのIRスペクトルでは、約3300cm−1の部分にピークが現れる。
変性エポキシ樹脂1とHP−4032Dとを比較すると、変性エポキシ樹脂1のIRスペクトルには、原料ジイソシアネートのイソシアネート基由来の約3300cm−1のピークが消失しており、原料ジイソシアネートのシアネート骨格由来の約2270cm−1のピークがシャープになり、環状部のC=Oに対応する約1700cm−1のピークが生成される結果が示された。
その他の変性エポキシ樹脂2〜6についても、変性エポキシ樹脂1同様に、原料ジイソシアネートのイソシアネート基由来の約3300cm−1のピークが消失しており、原料ジイソシアネートのシアネート骨格由来の約2270cm−1のピークがシャープになり、環状部のC=Oに対応する約1700cm−1のピークが生成される結果が示された。
以上の結果から、変性エポキシ樹脂1〜6は、1分子中に、原料エポキシの由来の骨格、原料ジイソシアネート由来の骨格を有し、原料エポキシのエポキシ基と原料ジイソシアネートのイソシアネート基とが互いに反応して形成された下記のヘテロ五員環を有することが分かった。
Figure 2021080331
(顆粒状窒化ホウ素の作製手順)
市販の炭化ホウ素粉末をカーボンるつぼの中に投入し、窒素雰囲気下、2000℃、10時間の条件で窒化処理した。
次いで、得られた窒化ホウ素粉末に市販の三酸化二ホウ素粉末を加え、ブレンダ―で1時間混合した(窒化ホウ素:三酸化二ホウ素=7:3(質量比))。得られた混合物をカーボンるつぼの中に投入し、窒素雰囲気下、2000℃、10時間の条件で焼成することにより、顆粒状窒化ホウ素を得た。
・凝集窒化ホウ素粒子1:上記で得られた顆粒状窒化ホウ素をそのまま使用した。
(エポキシ樹脂)
・エポキシ樹脂1:2官能ナフタレン型エポキシ樹脂(25℃で液状、DIC株式会社製、HP−4032D)
・エポキシ樹脂2:3官能ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、HP−4700)
・エポキシ樹脂3:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(25℃で液状、DIC社製、EPICLON 830S)
(フェノキシ樹脂)
・フェノキシ樹脂1:下記の合成手順Aで得られる直鎖型フェノキシ樹脂A
(合成手順A)
下記化学式で表されるエステル基含有ビスフェノール(2官能フェノール化合物、メソゲン構造あり、上野製薬社製、HQHBA)22.9重量部と、下記化学式で表されるテトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂(2官能エポキシ化合物、メソゲン構造あり、三菱ケミカル社製、YX4000)72.4重量部と、トリフェニルホスフィン(TPP)0.1重量部と、シクロヘキサノン4.6重量部とを反応器に投下し、100℃で1時間溶融混合後120℃下で溶剤を除去しながら反応させた。GPCで目的の分子量となることを確認し、反応を停止させた。重量平均分子量で7800(ポリスチレン屈折率換算)の直鎖型フェノキシ樹脂Aを得た。
Figure 2021080331
Figure 2021080331
・フェノキシ樹脂2:ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(メソゲン構造なし、三菱ケミカル社製、YP−55)
(硬化剤)
・硬化剤1:ジシアンジアミド(アミン系硬化剤、東京化成社製)
・硬化剤2:4,4’−ジイソシアナト−3,3−ジメチルビフェニル
(シアネート樹脂)
・シアネート樹脂1:シアネート樹脂(メソゲン構造なし、ロンザジャパン社製、PT−30)
<熱硬化性樹脂組成物の調製>
表1に示す配合割合に従い、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、硬化促進剤、必要に応じて硬化剤、界面活性剤、を溶媒であるシクロヘキサノンに添加し、これを撹拌して熱硬化性樹脂組成物の溶液を得た。次いで、この溶液に凝集窒化ホウ素粒子を入れて予備混合した後、大気圧の自転・公転ミキサーにて混合し、凝集窒化ホウ素粒子を均一に分散させたワニス状の熱硬化性樹脂組成物を得た。
Figure 2021080331
得られた熱硬化性樹脂組成物について、以下の評価項目について評価を行った。
(熱伝導率)
得られた熱硬化性樹脂組成物ワニスを、厚み18μmの銅箔上に塗布、乾燥させ樹脂層付き銅箔を作製した。この銅箔の樹脂層を別の銅箔で挟むようにして重ね合わせてセットし、コンプレッション成形を180℃、10MPaで20分行った後、180℃、3時間の後硬化を行い、縦10cm×横10cm×厚み0.2mmの複合成形体を得た。
・複合成形体の比重
比重測定は、JIS K 6911(熱硬化性プラスチック一般試験方法)に準拠して行った。試験片は、上記の複合成形体から、縦3cm×横4cm×厚み2mmに切り出して銅箔を除去したものを用いた。比重(SP)の単位をg/cmとする。
・複合成形体の比熱
得られた複合成形体について、DSC法により比熱(Cp)を測定した。
・複合成形体の熱伝導率の測定
得られた複合成形体から、厚み方向測定用として、直径10mm×厚み0.2mmに切り出したものを試験片とした。次に、ULVAC社製のXeフラッシュアナライザーTD−1RTVを用いて、レーザーフラッシュ法により板状の試験片の厚み方向の熱拡散係数(α)の測定を行った。測定は、大気雰囲気下、25℃の条件下で行った。
複合成形体のそれぞれについて、得られた熱拡散係数(α)、比熱(Cp)、比重(SP)の測定値から、下記式に基づいて熱伝導率を算出した。
熱伝導率[W/m・K]=α[m/s]×Cp[J/kg・K]×Sp[g/cm
(Tg:ガラス転移温度)
上記で得られた複合成形体から縦3cm×横0.5cm×厚み2mmに切り出して銅箔を除去し熱伝導性シート硬化物を得た。次いで、得られた硬化物のガラス転移温度(℃)を、DMA(動的粘弾性測定)試験装置(セイコーインスツメルツ社製DMS6100)により昇温速度10℃/min、周波数1Hz、引張モードの条件で測定した。
(CTE:線膨張係数)
上記で得られた複合成形体から縦3cm×横0.5cm×厚み2mmに切り出して銅箔を除去し熱伝導性シート硬化物を得た。次いで得られた試験片について、線膨張係数を測定した。TMA(Thermal Mechanical Analyzer)試験装置(セイコーインスツメルツ社製TMA/SS6100)を用いて、昇温速度5℃/分、荷重0.05N、引張モード、測定温度範囲30〜320℃の条件で、熱機械分析(TMA)を2サイクル測定した。得られた結果から、50℃〜100℃における平面方向(XY方向)の線膨張係数の平均値(α1)、及び240℃〜270℃における平面方向(XY方向)の線膨張係数の平均値(α2)を算出した。なお、線膨脹係数(ppm/℃)は、2サイクル目の値を採用した。
(E’:貯蔵弾性率)
上記で得られた複合成形体から縦3cm×横0.5cm×厚み2mmに切り出して銅箔を除去し熱伝導性シート硬化物を得た。次いで、得られた硬化物の50℃での貯蔵弾性率E’を、DMA(動的粘弾性測定)(上記同)により測定した。ここで、貯蔵弾性率E’(GPa)は、熱伝導性シート硬化物に引張り荷重をかけて、周波数1Hz、昇温速度10℃/分で25℃から380℃で測定した際の、50℃での貯蔵弾性率の値である。
(フィラー沈降性)
得られたワニス状の熱硬化性樹脂組成物を、10mLメスシリンダーに10mL分入れてメスシリンダーの開口部をラップフィルムで蓋をした。次いで、25℃で2時間静置した。調製後のワニスはフィラーが分散され透明性は全くないが、フィラー沈降しやすいものはフィラーが沈降し、メスシリンダー上面部には透明性のある上澄み液が発生する。この上澄み液の体積を読み取りフィラー沈降性の指標とした。比較例1、2では上澄み液が0.4mL分発生した。実施例1〜3、4、5では上澄み液が0mLであった。
(吸湿率)
上記で得られた複合成形体から縦3cm×横4cm×厚み2mmに切り出して銅箔を除去し熱伝導性シート硬化物を得た。その後、オーブンにて120℃、3時間の乾燥を行い、吸湿率測定用サンプルを得た。次いで、30℃/90%RH条件で48時間放置し、処理前後の重量変化から吸湿率(%)を算出した。吸湿率は1%以下の場合、実用上問題なく使用できると判断した。
変性エポキシ樹脂1〜6は、アセトンなどの有機溶剤への溶解性に優れることが分かった。
これらの変性樹脂を用いた実施例1〜6の熱硬化性樹脂組成物は、比較例1〜3に対して、熱伝導率が向上する結果を示した。また、実施例1〜6は、対応する比較例1,2と比べて、線膨張係数α1を低減できること、フィラーの沈降が抑制されることが分かった。このような実施例の熱硬化性樹脂組成物は、ワニスとして使用でき、放熱材となる樹脂シートに好適に用いることができる。
100 金属ベース基板
101 金属基板
102 絶縁層
103 金属層

Claims (11)

  1. 1分子中に、第一のメソゲン構造を有するエポキシ化合物由来の構造単位と、第二のメソゲン構造を有するイソシアネート化合物由来の構造単位と、を含む、変性エポキシ樹脂。
  2. 請求項1に記載の変性エポキシ樹脂であって、
    前記第一のメソゲン構造及び第二のメソゲン構造が、下記一般式(1)および一般式(2)で表される構造のいずれかで表される、変性エポキシ樹脂。
    −A−x−A− ・・(1)
    −x−A−x− ・・(2)
    上記一般式(1)、一般式(2)中、AおよびAは、各々独立して、芳香族基、縮合芳香族基、脂環基、または脂環式複素環基を表し、xは、各々独立して、直接結合、または−O−、−S−、−C=C−、−C≡C−、−CO−、−CO−O−、−CO−NH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH−、−N=N−および−N(O)=N−からなる群から選択される2価の結合基を示す。
  3. 請求項1又は2に記載の変性エポキシ樹脂であって、
    前記イソシアネート化合物は、1分子中に、前記第二のメソゲン構造に結合した2つのイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物を含む、変性エポキシ樹脂。
  4. 請求項3に記載の変性エポキシ樹脂であって、
    前記イソシアネート化合物において、
    前記第二のメソゲン構造がビフェニル骨格を有するものであり、
    前記2つのイソシアネート基が、前記ビフェニル骨格中のビフェニルの4、4’位にそれぞれ結合する、変性エポキシ樹脂。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の変性エポキシ樹脂であって、
    前記第一のメソゲン構造と前記第二のメソゲン構造とが、下記のヘテロ五員環を介して結合する、変性エポキシ樹脂。
    Figure 2021080331
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の変性エポキシ樹脂であって、
    前記エポキシ化合物が、2官能エポキシ化合物を含む、変性エポキシ樹脂。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の変性エポキシ樹脂を含む、ワニス状の熱硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項7に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    熱伝導性フィラーを含む、熱硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項7または8に記載の熱硬化性樹脂組成物であって、
    硬化剤を含む、熱硬化性樹脂組成物。
  10. 基材と、
    前記基材上に設けられた、請求項7〜9のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層と、を備える、樹脂シート。
  11. 金属基板と、
    前記金属基板上に設けられた絶縁層と、
    前記絶縁層上に設けられた金属層と、を備えており、
    前記絶縁層が、請求項7〜9のいずれか一項に記載の熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層、または前記樹脂層の硬化物で構成される、金属ベース基板。
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