JP2023180151A - マイクロスコープ - Google Patents

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Abstract

【課題】側方から観察することができるマイクロスコープを提供することを課題とする。【解決手段】マイクロスコープ3は、立体観察用の第1観察光学系4及び/または第2観察光学系5と、第1観察光学系4及び第2観察光学系5を被写体Sに対して所望の位置に移動保持可能に支持するアーム22と、第2観察光学系5を、第1観察光学系4と分離する分離手段7と、を有している。第2観察光学系5は、第1観察光学系とは異なる方向から被写体Sの観察を可能とする側方観察手段50を具備している。【選択図】図1B

Description

本発明は、マイクロスコープに関する。
一般に、歯科診療装置による歯科診療を行う場合や、手術を行う場合には、精密な処置や、診断を行うために、マイクロスコープ(顕微鏡)や、撮影装置(カメラ)が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の手術用観察装置(2)は、観察者の左右眼に対応した立体観察を行う第1観察光学系(4)及び第2観察光学系(6)と、第1及び第2観察光学系(4,6)の一方に設けられた体内観察手段と、を備えている。その第1観察光学系(4)及び第2観察光学系(6)には、両者を一体に保持する支持部(24)と、支持部(24)を移動させることで、第1観察光学系(4)及び第2観察光学系(6)を所望位置に移動可能なアーム(58)と、を有している。
また、特許文献1に記載の手術用観察装置(2)は、2つの観察装置(硬性鏡)の位置に応じて、3D(立体観察)と、2D(二次元)に切り換えることが記載されている。また、手術用観察装置(2)は、立体視用の眼の間隔を微調整するための微調整機構を有している。
特開2005-110940号公報
しかし、手術用観察装置(2)は、治療する際に、患部の上方に医療用観察装置が配置されるので、医療用観察装置によって歯牙等の患部が邪魔されて見えなくなるという問題点があった。
図6は、従来のデジタルスコープ100を使用して歯科治療を行っているときの状態を示す説明図である。
図6に示すように、歯科治療において、術者Mがデジタルマイクロスコープ100を使用して患者Pの患部を観察しながら治療を行う場合、タービン等の歯科治療器具200が、患部の上方に配置されるので、歯科治療器具200で術者Mの視界が妨げられる。このため、術者Mは、歯科治療器具200を避けつつ、ルーペ300を使用して患部を観察しながら治療を行わなければならないので、無理な態勢で治療を強いられる場合があるという問題点があった。
また、デジタルマイクロスコープ100には、立体観察用に2つのカメラを内蔵したものがある。立体視用の2つのカメラは、患部観察用と死角観察用のカメラに切り換えることができない。このため、治療の際に死角から患部を観察する場合は、デジタルマイクロスコープ100を再度位置づけする必要があり、面倒であった。
そこで、本発明は、側方から観察することができるマイクロスコープを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係るマイクロスコープは、立体観察用の第1観察光学系及び第2観察光学系と、前記第1観察光学系及び前記第2観察光学系を被写体に対して所望の位置に移動保持可能に支持するアームと、前記第2観察光学系を、前記第1観察光学系と分離する分離手段と、を有し、前記第2観察光学系は、前記第1観察光学系とは異なる方向から前記被写体の観察を可能とする側方観察手段を具備する。
本発明は、側方から観察することができるマイクロスコープを提供することができる。
本発明の実施形態1に係るマイクロスコープを示す説明図である。 本発明の実施形態1に係るマイクロスコープの第1観察光学系と第2観察光学系とを分離したときの状態を示す説明図である。 本発明の実施形態2に係るマイクロスコープを示す説明図である。 本発明の実施形態2に係るマイクロスコープの第1観察光学系と第2観察光学系とを分離したときの状態を示す説明図である。 図2AのIIC-IIC拡大概略断面図である。 図2AのIID-IID拡大概略断面図である。 本発明の実施形態2に係るマイクロスコープを示す図で、立体観察時の状態を示す説明図である。 本発明の実施形態2に係るマイクロスコープを示す図で、立体観察時の表示装置の画像の表示状態を示す説明図である。 本発明の実施形態2に係るマイクロスコープを示す図で、側方観察時の状態を示す説明図である。 本発明の実施形態2に係るマイクロスコープを示す図で、側方観察時の表示装置の画像の表示状態を示す説明図である。 本発明の実施形態3に係るマイクロスコープを示す概略平面図である。 本発明の実施形態3に係るマイクロスコープを示す概略正面図である。 図3AのIIIC-IIIC拡大概略断面図である。 本発明の実施形態4に係るマイクロスコープを示す概略正面図である。 図4AのIVB-IVB拡大概略断面図である。 図4BのIVC-IVC拡大概略断面図である。 本発明の実施形態1に係るマイクロスコープの変形例を示す説明図である。 従来のデジタルスコープを使用して歯科治療を行っているときの状態を示す説明図である。
[実施形態1]
次に、図1A及び図1Bを参照して、本発明の実施形態1に係るマイクロスコープ3を説明する。マイクロスコープ3を説明する前に、まず、マイクロスコープ3を取り付けた診療装置1を説明する。
なお、実施形態1では、図1Aに示すマイクロスコープ3において、術者側を上方向、被写体S側を下方向、第1観察光学系4側を左方向、第2観察光学系5側を右方向として説明する。また、以下の説明において、同一の構成のものは、同じ符号を付してその説明を省略する。
≪診療装置≫
図1Aに示す診療装置1は、マイクロスコープ3と、表示装置9と、を備えた医療機器である。
なお、診療装置1は、少なくとも、マイクロスコープ3と、表示装置9と、を備えて、医療の診断及び治療を行う装置であればよく、使用用途、設置場所、構造等は特に限定されない。以下、診療装置1の一例として、マイクロスコープ3を取り付けた歯科用治療ユニット2によって、口腔内の歯牙等を被写体Sとする場合を例に挙げて説明する。
≪マイクロスコープ≫
マイクロスコープ3は、患者の患部を観察するための観察光学装置である。マイクロスコープ3は、立体観察用の第1観察光学系4及び第2観察光学系5と、第1観察光学系4及び第2観察光学系5を移動可能に支持するアーム22と、第2観察光学系5を第1観察光学系4と分離する分離手段7と、を有する。
なお、マイクロスコープ3は、第1観察光学系4及び第2観察光学系5と、アーム22と、分離手段7と、を備えて、医療の診断及び治療を行う装置であればよく、使用用途、設置場所、構造等は、診療装置1と同様、特に限定されない。
つまり、マイクロスコープ3は、歯科用マイクロスコープに限定されず、歯科以外の医療用観察装置として使用できることはもちろん、物体等を立体体観察したり、側方観察したりするものにも利用可能である。
<第1観察光学系>
第1観察光学系4は、被写体Sを上方から観察する立体観察用の硬性鏡である。第1観察光学系4は、口腔内に挿入される細長い金属製の筒体から成る第1筐体41を有する。
第1筐体41は、スコープ用スタンド(図示省略)に支持されている。第1筐体41内には、第1筐体41の下端部側から、第1フォーカスレンズ42、第1リレーレンズ43、第1ズームレンズ44が順に配設されている。
第1フォーカスレンズ42には、ピントを調節するための第1フォーカス手段(図示省略)が配設されている。また、第1ズームレンズ44には、倍率を調節するための変倍手段(図示省略)が設けられている。
第1接眼部45は、第1筐体41の上端部側に連設されている。第1接眼部45の上端部には、術者Mの一方の眼に対応する第1接眼レンズ46が配設されている。また、第1接眼部45の側方には、第1TVカメラ47が配設されている。第1接眼部45内には、第1ビームスプリッタ48が配設されている。第1ビームスプリッタ48は、第1ズームレンズ44から射出された光を第1接眼レンズ46と第1TVカメラ47とに分離可能な構成となっている。第1TVカメラ47は、表示装置9に電気的に接続されている。
<第2観察光学系>
第2観察光学系5は、立体観察用の硬性鏡であって、後記する側方観察手段50(死角観察手段)の機能を有している。第2観察光学系5は、第1観察光学系4と略同様な構成となっている。即ち、第2観察光学系5は、第2筐体51と、第2接眼部55と、を主に備えて構成されている。また、第2観察光学系5は、第2フォーカス手段(図示省略)及び第2変倍手段(図示省略)を有する。第2観察光学系5の第2光軸O2は、視差光軸角度θ1,θ2(図1B参照)を可変可能に構成されている。第2観察光学系5は、分離手段7の第2分離部72を備えた第2ガイド部材62を介在してアーム22の先端部に着脱可能に取り付けられている。
第2観察光学系5は、第1観察光学系4の第1接眼部45と、第2観察光学系5の第2接眼部55と、が術者Mの左右眼にほぼ対応するように第2ガイド部材62に支持されている。さらに、第2ガイド部材62には、第2観察光学系5を第1光軸O1と第2光軸O2との交点S1を中心として、例えば、左右方向(矢印b方向)回動させ、第1接眼部45と第2接眼部55との間隔(眼幅L1)を調節する眼幅調節手段63が配設されている。
第2観察光学系5の第2筐体51には、第2フォーカスレンズ52と、第2リレーレンズ53と、第2ズームレンズ54と、第2ビームスプリッタ58と、第2接眼レンズ56と、第2TVカメラ57と、が設けられている。第2TVカメラ57は、表示装置9に電気的に接続されている。
なお、第1TVカメラ47の焦点距離と、第2TVカメラ57の焦点距離は、同じである。第2TVカメラ57は、口腔外から口腔内を撮影する歯科用口腔外カメラ、口腔内から口腔内を撮影する口腔内カメラ、歯科手術用のデジタル式カメラ、デジタル式顕微鏡(デジタル式マイクロスコープ)、無影灯カメラ、光学式カメラ、光学式顕微鏡等から成る画像取得装置(歯科用撮像画像取得装置)であってもよい。
<側方観察手段>
側方観察手段50は、被写体Sの観察位置を中心として円弧状に移動して異なる視野方向から観察を可能とする死角観察手段である。側方観察手段50は、前記した第2観察光学系5と、分離手段7の第2分離部72を備えた第2ガイド部材62と、支柱21に取り付けられたアーム22と、を備えて構成されている。このため、側方観察手段50は、図1Aに示す状態に分離手段7によって保持された第2観察光学系5を、図1Bに示すように、第1分離部71から第2分離部72を側方に分離させることで、被写体Sを側方及び斜め上方から観察する死角観察手段を構成する。
<歯科治療器具>
図1Aに示す歯科治療器具10は、歯科診療に使用する歯科用器具であればよく、その種類等は、特に限定されない。歯科治療器具10は、例えば、プローブ、スケーラー、シリンジ、バキューム、超音波スケーラー等の歯科用診療器具や、根管治療用ファイル等の手用切削器具や、歯科用タービン、歯科用モーター、歯科用コントラアングル等の機械切削器具である。
<表示装置>
表示装置9は、複合表示形態と独立表示形態との間で表示形態を切り換える切換スイッチを備えたモニタである。表示装置9は、複合表示形態にある場合に、第1TVカメラ47及び第2TVカメラ57からの像を立体視可能な3DTV画像として表示することが可能である。また、表示装置9は、独立表示形態にある場合に、第1TVカメラ47で撮影した上方からの画像と、第2TVカメラ57で撮影した側方からの画像と、を別々に表示することが可能である。表示装置9は、歯科用治療ユニット2の支柱21等に回動可能に設置されている。
≪歯科用治療ユニット≫
歯科用治療ユニット2は、例えば、診療椅子(図示省略)と、診療台(図示省略)と、診療台等に立設された支柱21と、支柱21等に取り付けられたアーム22と、アーム22の先端部に取り付けたガイド部材6と、支柱21に設けた表示装置9と、を有する。歯科用治療ユニット2は、アーム22を有するものであればよく、型式、種類等は特に限定されない。
診療台(図示省略)は、支柱21を有するものであればよく、形状、構造等は特に限定されるものではない。
診療椅子(図示省略)は、患者が診療時に着座する医療用椅子である。
支柱21は、アーム22の基端部を回転可能に支持する柱部材である。支柱21は、例えば、円筒形状の金属製部材によって形成されている。支柱21の上下方向の中央部には、表示装置9が設置されている。支柱21の上部には、アーム22の基端部が回動可能に設置されている。
≪アーム≫
アーム22は、第1観察光学系4及び/または第2観察光学系5を被写体Sに対して所望の位置に移動保持可能に支持する部材である。アーム22は、支柱21からマイクロスコープ3に延びて配置されて、所定以上の力(予め設定された回転方向の任意の力)を移動方向に加えることで、マイクロスコープ3を上下前後左右方向に移動可能に弾性支持する支持力を有するバランスアームから成る。アーム22は、複数の関節を有する多関節アームによって構成されている。このため、アーム22は、第1ガイド部材61を三次元的に移動して保持することが可能な構成となっている。アーム22は、取付金具22aと、締結具22bと、第1アーム22cと、第1ジョイント部22dと、第2アーム22eと、第2ジョイント部22fと、第3アーム22gと、を備えて成る。なお、アーム22の構成等は、適宜変更してよい。
取付金具22aは、第1アーム22cを支柱21に水平方向に旋回可能に軸支するための取付部材である。取付金具22aは、支柱21に回動可能に取り付けられた略コ字状の部材から成る。取付金具22aの上部には、第1アーム22cの下端部が軸回り方向に回動可能に設けられている。
締結具22bは、取付金具22aを支柱21のアーム設置部21aに固定するためのねじ部材である。締結具22bの頭部には、回転ノブが一体形成されている。締結具22bは、回転ノブを回動操作することで、取付金具22aを支柱21に着脱できるようになっている。
第1アーム22cの先端部には、第1ジョイント部22dを介在して第2アーム22eが回動可能に配置されている。
第1ジョイント部22dは、第1アーム22cに対して、第2アーム22eを適宜な角度に保持可能に連結された連結部材である。
第2アーム22eの先端部には、第2ジョイント部22fを介在して第3アーム22gが回動可能に配置されている。第2アーム22eは、基端部が、第1ジョイント部22dに対して回転可能に連結されて、先端部が、第2ジョイント部22fに対して回動可能に連結されている。
第2ジョイント部22fは、第2アーム22eに対して、第3アーム22gを適宜な角度に保持可能に連結された連結部材である。
第3アーム22gは、第1観察光学系4を支持している第1ガイド部材61に連結されている。
≪ガイド部材≫
ガイド部材6は、マイクロスコープ3を支持する支持部材である。ガイド部材6は、マイクロスコープ3の第1観察光学系4を支持する第1ガイド部材61と、マイクロスコープ3の第2観察光学系5を支持する第2ガイド部材62と、第1ガイド部材61と第2ガイド部材62とを連結及び分離可能な分離手段7と、を備えて成る。
<第1ガイド部材>
第1ガイド部材61は、第1観察光学系4の第1筐体41を第1光軸O1に沿って上下方向(矢印a方向)に進退自在に支持する支持部材である。第1ガイド部材61は、第1ガイド孔61aと、クリック部材設置孔61bと、ばね部材61cと、スチールボール61dと、下側クリック溝61eと、上側クリック溝61fと、を備えて成る位置調節手段を構成している。また、第1ガイド部材61は、アーム22の先端の第3アーム22gによって支持されている。
第1ガイド孔61aは、第1観察光学系4の第1筐体41を上下動可能に挿通するための貫通孔である。第1ガイド孔61aは、第1ガイド部材61の上面から下面に亘って斜めに貫通して形成されている。
クリック部材設置孔61bと、ばね部材61cと、スチールボール61dと、下側クリック溝61eと、上側クリック溝61fとは、第1ガイド部材61を第1筐体41に弾性的に係止させるためのクリック機構(「節度機構」ともいう。)を構成している。
クリック部材設置孔61bは、ばね部材61cと、スチールボール61dと、を穴方向に進退自在に挿設するための有底穴である。クリック部材設置孔61bは、第1ガイド孔61aから径方向外側に向かって延設されている。
ばね部材61cは、スチールボール61dを下側クリック溝61e及び上側クリック溝61f側に付勢させるためのばねである。ばね部材61cは、圧縮コイルばねから成る。
ばね部材61cによって付勢されたスチールボール61dは、下側クリック溝61eまたは上側クリック溝61fを押圧した状態に係合することで、第1ガイド部材61を下側クリック溝61eの位置、または、上側クリック溝61fの位置に弾性的に保持させる。スチールボール61dは、クリック部材設置孔61b内に出没自在に配置されている。
第1筐体41には、スチールボール61dが係合される下側クリック溝61e及び上側クリック溝61fが配設されている。下側クリック溝61eは、スチールボール61dが係合されることによって、第1観察光学系4を立体観察位置に支持させるための保持溝である。下側クリック溝61eと上側クリック溝61fとは、第1光軸O1方向に所定の距離だけ離間して配置されている。上側クリック溝61fは、スチールボール61dが係合されていることで、第1観察光学系4を挿入位置に支持させるための保持溝である。
かかる構成によれば、第1観察光学系4は、下側クリック溝61eがある立体観察位置に支持されている場合に立体観察に用いられ、上側クリック溝61fある挿入位置に支持されている場合に口腔内に挿入させて口腔内の観察を行うことが可能である。このように、クリック部材設置孔61b、ばね部材61c及びスチールボール61dは、第1観察光学系4を第1ガイド部材61に対して第1光軸O1方向に移動させ保持する位置調節手段を構成している。
<第2ガイド部材>
第2ガイド部材62は、第2観察光学系5の第2筐体51を、第2筐体51の第2光軸O2に対して交点S1を中心として円周方向(矢印b方向)に回動自在に支持する支持部材である。第2ガイド部材62は、複数の円弧溝62bと、複数の円弧溝62bに移動自在に挿入されたピン62cと、を備えて成る眼幅調節手段63を構成している。このほか、第2ガイド部材62には、第2観察光学系5の第2筐体51が上下動自在に挿通される回動孔(図示省略)が形成されている。その回動孔(図示省略)の内面には、交点S1を中心とする同心の複数の円弧溝62bが形成されている。
円弧溝62bは、第1接眼レンズ46と第2接眼レンズ56との間隔を、術者Mの左右の眼の眼幅L1に合わせて微調整可能にするための溝である。円弧溝62bは、第2光軸O2方向に互いに離間して形成された2つの溝から成る。複数の円弧溝62bには、各々対応する複数のピン62cが摺動自在に挿入配置されている。
<分離手段>
図1A及び図1Bに示すように、分離手段7は、第2観察光学系5と第1観察光学系4と、を分離及び連結するための分離装置である。分離手段7は、第1ガイド部材61の右端部に設けられた第1分離部71と、第1分離部71に対向する第2ガイド部材62の左端部に設けられた第2分離部72と、を備えて構成されている。
第1分離部71と第2分離部72とは、その一例を挙げると、一方が磁石から成り、他方がその磁石の磁力によって吸着される鉄板等から成る。第1分離部71と第2分離部72とは、左右の両面で観察する場合、図1Aに示すように、第1分離部71と第2分離部72とを連結させて使用する。
また、患部を側方から観察する場合は、図1Bに示すように、アーム22を回動させることによって、第2分離部72を、第1分離部71から分離させて側方観察可能な状態に傾かせることができる。また、第2分離部72と第1分離部71とは、第2観察光学系5の第2筐体51を手で持って離間する方向に引っ張ることで、第2分離部72と第1分離部71を分離させることができる。このため、第2観察光学系5は、側方観察手段50(死角観察手段)として使用することができる。
≪作用≫
次に、図1A及び図1Bを参照しながら本発明の実施形態1に係るマイクロスコープ3の作用を、患者の口腔内の歯牙を被写体Sとして撮影する場合を例に挙げて説明する。
まず、図1Aに示すように、第1観察光学系4及び第2観察光学系5を第1ガイド部材61及び第2ガイド部材62に対して立体観察位置に配置する。そして、第1観察光学系4と第2観察光学系5とによって得られる画像の倍率が等しくなるように、第1及び第2の変倍手段(図示省略)を操作して第1ズームレンズ44及び第2ズームレンズ54を調節する。
さらに、第1観察光学系4のピントと第2観察光学系5のピントが第1光軸O1及び第2光軸O2の交点S1に一致するように、第1及び第2のフォーカス手段(図示省略)を操作して第1フォーカスレンズ42及び第2フォーカスレンズ52を調節する。
患部の観察あるいは治療を行う際には、取付金具22aを支柱21に固定して、歯科用治療ユニット2の診療椅子に横たわった患者の口腔内の被写体Sに、第1観察光学系4及び第2観察光学系5の向きを合わせる。次に、切換スイッチを操作して表示装置9を複合表示形態にした後、第1観察光学系4及び第2観察光学系5によって患部の拡大立体観察を行う。
この状態で、交点S1が患部に位置されるように、アーム22を操作して第1観察光学系4及び第2観察光学系5を移動させて適宜な状態に保持する。患部からの光は、第1観察光学系4及び第2観察光学系5に各々入射する。第1観察光学系4に入射した光は、第1フォーカスレンズ42、第1リレーレンズ43、第1ズームレンズ44を経て第1ビームスプリッタ48に入射する。第1ビームスプリッタ48を透過した光は、第1接眼レンズ46を経て術者Mの一方の眼に入射し、反射光は、第1TVカメラ47に入射する。
これと同様に、第2観察光学系5に入射した光は、術者Mの他方の眼に入射し、反射光は、第2TVカメラ57に入射する。表示装置9は、第1TVカメラ47及び第2TVカメラ57からの画像を立体視可能な3DTV画像として表示する。
このようにして、第1観察光学系4及び第2観察光学系5は、角度θ1,θ2の内向角を有したマイクロスコープ3(実体顕微鏡)として機能し、第1接眼レンズ46及び第2接眼レンズ56や3DTV画像を介して患部が拡大立体観察される。
なお、第1接眼レンズ46及び第2接眼レンズ56が術者Mの眼幅L1に適合していない場合には、第2観察光学系5を回動させて第1接眼レンズ46及び第2接眼レンズ56間の距離を調節する。その際、第1光軸O1と第2光軸O2との交点S1の位置は、変化せず、交点S1と第2フォーカスレンズ52との間の距離も変化しない。
まず、表示装置9の切換スイッチ(図示省略)を操作して表示装置9を独立表示状態とし、第1観察光学系4及び第2観察光学系5によって得られる像を表示装置9において別々に表示する。
図1Aに示すように、歯科治療器具10で患部を治療する場合は、歯科治療器具10によって邪魔されて、患部が見えなくなる。その場合は、図1Bに示すように、分離手段7の第2分離部72を第1分離部71から矢印c方向に分離させて、第2観察光学系5(側方観察手段50)を第1観察光学系4から離間させる。第2観察光学系5は、第2分離部72を第1分離部71から分離させることによって、アーム22によって支持されないので、フリーの状態になる。このため、フリーの状態になった第2観察光学系5は、術者M
が手に持って適宜な位置に移動させることによって、被写体Sを側方から観察することが可能となる。
その際、図1Aに示すように、術者Mが両眼を使った第1観察光学系4と第2観察光学系5の焦点距離は、同じに設定される。このため、表示装置9を使って最もピントが合った位置は、第1観察光学系4から観察位置までの距離と、第2観察光学系5から観察位置までの距離が同一となる。即ち、術者Mが手を使って第2観察光学系5を移動させた場合も、結果的に観察位置を中心として円弧状に移動したことになる。
なお、表示装置9を使えば、上方からの画像と側方(死角方向)からの画像を同時に観察することが可能となる。
また、診療台等に立設された支柱21、または、支柱21とは別の支柱に取り付けられたアームによって第2ガイド部材62を固定して、夫々の観察光学系を別々のアームで保持してもよい。
そして、第1観察光学系4を第1ガイド部材61に対して患部に向かって移動させる。その結果、スチールボール61dは、下側クリック溝61eから解放され、その後、ばね部材61cの作用により上側クリック溝61fに係合される。このようにして、第1観察光学系4は、挿入位置に配置される。
この状態で、アーム22を操作して第1観察光学系4の第1筐体41を口腔内に挿入し、観察に適した位置に移動させ保持する。そして、第1観察光学系4によってブラインド部分を観察する。その際、第1変倍手段及び第1フォーカス手段によって第1ズームレンズ44及び第1フォーカスレンズ42を調節して、観察に適した倍率を選択し、ピントを調節する。
第1観察光学系4は、第1光軸O1方向に移動されるため、第2観察光学系5の視野中心に向かって移動されることになる。このため、第2観察光学系5によって第1観察光学系4の先端部を観察することが可能である。第2観察光学系5によって第1観察光学系4の先端部及びその周辺部分をマクロ観察しながら、第1観察光学系4を口腔内に挿入する。その際、第2変倍手段(図示省略)及び第2フォーカス手段(図示省略)によって第2ズームレンズ54及び第2フォーカスレンズ52を調節して、観察に適した倍率を選択し、ピントを調節する。
このようにすることによって、第2観察光学系5は、歯牙の裏側や、歯牙の側面や、臼歯部分を撮影する場合も、観察することが可能となる。
このように、本発明の実施形態1に係るマイクロスコープ3は、図1A及び図1Bに示すように、立体観察用の第1観察光学系4及び第2観察光学系5と、第1観察光学系4及び/または第2観察光学系5を被写体Sに対して所望の位置に移動保持可能に支持するアーム22と、第2観察光学系5を、第1観察光学系4と分離する分離手段7と、を有し、第2観察光学系5は、第1観察光学系4とは異なる方向から被写体Sの観察を可能とする側方観察手段50(死角観察手段)を具備する。
かかる構成によれば、本発明のマイクロスコープ3は、第1観察光学系4及び第2観察光学系5を移動保持可能に支持するアーム22と、第2観察光学系5を、第1観察光学系4と分離する分離手段7と、を有している。このため、分離手段7は、第2観察光学系5及び側方観察手段50を第1観察光学系4から分離して、アーム22によって被写体Sの観察位置を中心として大きく旋回するように移動できるので、第1観察光学系4とは異なる視野方向から側方観察することができる。これにより、マイクロスコープ3は、立体視用デジタルマイクロスコープを患部観察用と死角観察用に切り換えることができるため、同時に表示装置9の画面に表示することで、作業効率を格段に上げることができる。
よって、本発明は、歯科治療器具10の影になって死角になっていたのを解消して、第2観察光学系5の第2光軸O2(観察軸)を第1観察光学系4の第1光軸O1(観察軸)から大きく分離して、側方から観察することができるマイクロスコープ3を提供することができる。
また、第1観察光学系4とは異なる方向とは、前記被写体Sの観察位置を中心として円弧状に移動した方向である。
なお、円弧状に移動した方向とは、第1観察光学系4から観察位置までの焦点距離と、第2観察光学系5から観察位置までの焦点距離が同一になるように移動した方向である。
かかる構成によれば、第1観察光学系4とは異なる方向とは、被写体Sの観察位置を中心として円弧状に移動した方向であるので、アーム22によって観測位置を移動させたとしても、第2観察光学系5及び側方観察手段50の焦点距離が同じなため、鮮明に映る状態を維持することができる。
[実施形態2]
なお、本発明は、前記実施形態1に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
図2Aは、本発明の実施形態2に係るマイクロスコープ3Aを示す説明図である。図2Bは、本発明の実施形態2に係るマイクロスコープ3Aの第1観察光学系4Aと第2観察光学系5Aとを分離したときの状態を示す説明図である。図2Cは、図2AのIIC-IIC拡大概略断面図である。図2Dは、図2AのIID-IID拡大概略断面図である。図2Eは、本発明の実施形態2に係るマイクロスコープ3Aを示す図で、立体観察時の状態を示す説明図である。図2Fは、本発明の実施形態2に係るマイクロスコープ3Aを示す図で、立体観察時の表示装置9の画像の表示状態を示す説明図である。
図2Gは、本発明の実施形態2に係るマイクロスコープ3Aを示す図で、側方観察時の状態を示す説明図である。図2Hは、本発明の実施形態2に係るマイクロスコープ3Aを示す図で、側方観察時の表示装置9の画像の表示状態を示す説明図である。
図2A~図2Dに示すように、本発明の側方観察手段50Aは、第1観察光学系4Aまたは第2観察光学系5Aに設けられたガイド溝41Aa,41Abと、第2観察光学系5Aまたは第1観察光学系4Aに設けられたガイド部材61A,62Aと、をそれぞれ有し、ガイド溝41Aa,41Abに沿ってガイド部材61A,62Aが移動することで、第2観察光学系5Aの光軸(第2光軸O2)の位置を可変可能にした。
かかる構成によれば、実施形態2のマイクロスコープ3Aは、ガイド部材61A,62Aが、ガイド溝41Aa,41Abに沿って第2観察光学系5Aの第2光軸O2の位置を可変可能である。このため、第2観察光学系5A(側方観察手段50)は、被写体Sを、歯科治療器具10によって邪魔されて死角にならない側方から観察をすることができる。
なお、ガイド部材61A,62Aおよび、ガイド溝41Aa,41Abを、観察位置を中心として円弧状に形成し、ガイド溝41Aa,41Abに沿ってガイド部材61A,62Aが観察位置を中心として円弧状移動することで、第1観察光学系4Aの光軸O1と第2観察光学系5Aの光軸O2のなす角度θ2を可変し、第2観察光学系5Aの光軸(第2光軸O2)の位置を可変可能にすることができる。
この場合、図2Cに示すように、第1観察光学系4Aの第1筐体41Aは、光軸O1を中心として前後方向に線対称な形状をしている。その第1筐体41Aの前側及び後側には、ガイド部材61A,62Aを移動自在に挿入した前後一対のガイド溝41Aa,41Abと、ガイド部材61A,62Aを固定するためのツマミ4A1,4A2の雄ねじ部4A1a,4A2aを設置するための前後一対のツマミ設置孔41Ac,41Adと、がそれぞれ形成されている。
このため、図2Bまたは図2Cに示すように、第2観察光学系5A(側方観察手段50A)は、ツマミ4A1,4A2を回してガイド部材62A(第2ガイド部材)を固定することで、側方観察手段50Aの第2光軸O2を固定することができる。側方観察手段50Aは、ツマミ4A1を回してガイド部材62Aの固定を緩めることで、側方観察手段50Aの第2光軸O2を周方向に移動させることができる。
図2A及び図2Bに示すように、ガイド部材62Aは、例えば、第2観察光学系5Aの第2筐体51Aに固定されて、第1観察光学系4Aのガイド溝41Aa,41Ab(図2C参照)に沿って移動可能に設けられている。
ガイド部材61A,62A及びガイド溝41Aa,41Abの形状は、第1フォーカスレンズ42から被写体Sまでのフォーカス距離に合わせて製作される。
分離手段7は、第1観察光学系4Aに設けられた分離手段7または第2観察光学系5Aの一方側壁に設けられた磁石から成る第1分離部71と、他方の側壁に設けられた鉄板から成る第2分離部72と、で構成されている。
視差調整手段40Aは、視差光軸角度θ1,θ2を任意に設定可能な装置である。視差調整手段40Aは、視差光軸角度θ1,θ2を調整することによって、術者Mの左右の眼の間隔をそれぞれの人に合った視差L1(図1A参照)に調整することができる。視差調整手段40Aは、視差調整用のガイド部材61Aと、ガイド溝41Aaと、ツマミ4A1と、から構成されている。
アーム22Aは、アーム22Aの先端部に第1観察光学系4Aに支持可能な保持部22A1を有する。
次に、図2E及び図2Fを参照して、実施形態2の立体観察時について説明する。
この場合、第1観察光学系4A及び第2観察光学系5Aは、視差調整手段40Aによって予め調整された光軸角度θ1の状態で、磁石(第1分離部71)の磁力で鉄板(第2分離部72)に結合されている。
術者Mは、裸眼により直接観察光学系(第1観察光学系4A及び第2観察光学系5A)を覗いてもよいし、第1TVカメラ47及び第2TVカメラ57の映像を表示装置9の表示画面91に映して、映し出された画像を視てもよいし、それら両方を併用してもよい。
また、第1観察光学系4A及び第2観察光学系5Aで撮影した画像を視る場合、術者Mは、3Dメガネ等の特殊眼鏡92Aを使用して三次元画像IMを視えるようにしてもよい。
表示装置9を使用する場合は、分離検知センサ31によって、第1観察光学系4Aと第2観察光学系5Aとが分離していないことを確認し、視線の交差点に立体映像(三次元画像IM)が見えるようにTV映像を配置する。
なお、分離検知センサ31は、例えば、第1観察光学系4Aまたは第2観察光学系5Aに向けて光を出す投光部と、第2観察光学系5Aまたは第1観察光学系4Aによって反射された光を受ける受光部と、から構成された光電センサ等から成る。
次に、図2G及び図2Hを参照して、実施形態2の側方観察時について説明する。
この場合、制御装置(図示省略)は、分離検知センサ31によって第1観察光学系4Aと第2観察光学系5Aとが分離していることを検出し、表示装置9の術者Mの左手側に側方観察映像を自動的で表示させる。また、制御装置(図示省略)は、側方観察時に、分離検知センサ31によって第1観察光学系4Aと第2観察光学系5Aとが分離したことを検出して、表示装置9の画像を、立体観察用の表示91a及び側方観察用の表示91bが表示される状態に切り換える。マイクロスコープ3Aは、利き手と反対方向から側方観察可能なように第2観察光学系5Aを配置する。
なお、側方観察の際は、特殊眼鏡92A(図2F参照)を使用しない。
このように、実施形態2のアーム22Aは、図2A及び図2Bに示すように、第1観察光学系4A(またはガイド部材6B(図3A及び図3B参照))を保持可能な保持部22A1を有している。
かかる構成よれば、アーム22Aは、保持部22A1を第1観察光学系4Aに連結することで、第1観察光学系4Aを適宜な位置に保持することができる。
また、第1観察光学系4A及び第2観察光学系5Aは、図2A~図2Hに示すように、裸眼による観察、TVカメラ(第1TVカメラ47及び第2TVカメラ57)を接続しての観察の何れか、あるいは、両方の観察が可能である。
かかる構成によれば、第1観察光学系4A及び第2観察光学系5Aは、術者Mの希望に応じて裸眼による観察も、第1TVカメラ47及び第2TVカメラ57による観察も行うことができるので、患者の治療を行い易くすることができる。
また、図2E~図2Hに示すように、実施形態2のマイクロスコープ3Aは、TVカメラ(第1TVカメラ47及び第2TVカメラ57)を接続しての立体観察の場合は、表示装置9の表示画面91を2画面に分割し、分割された2画面夫々に視差のある映像を第1観察光学系4Aと第2観察光学系5Aで撮影して表示し、第1TVカメラ47及び第2TVカメラ57を接続しての側方観察の場合は、分割された表示装置9の2画面の一方に被写体Sの上方からの映像を表示し、他方には側方からの映像を表示する。
かかる構成によれば、表示装置9は、第1TVカメラ47及び第2TVカメラ57で観察の場合に、表示画面91に、被写体Sの上方からの映像と、死角を回避した側方からの映像を表示することで、被写体Sの形状や状態を適宜に表示することができる。このため、術者Mは、歯科治療器具10で治療中であっても、治療する箇所の状態が分かるので、治療を行い易くすることができる。
また、図2E~図2Hに示すように、実施形態2のマイクロスコープ3Aは、第1観察光学系4A及び第2観察光学系5Aの分離を検知する分離検知センサ31を有し、制御装置(図示省略)は、分離検知センサ31で分離の有無を検知した場合に、表示装置9の表示画面91上の2画面を、立体観察用の表示91aと、側方観察用の表示91bと、に自動で切り換える。
かかる構成によれば、実施形態2のマイクロスコープ3Aは、分離検知センサ31を有しているので、第1観察光学系4Aと第2観察光学系5Aとを連結した状態に配置したり、離間させたりすることを自動的に検出することができる。表示装置9は、第1観察光学系4Aと第2観察光学系5Aとを分離したり、連結状態にしたりした場合に、それに合わせて、表示画面91上の2画面を自動的に立体観察用の表示91aと、側方観察用の表示91bと、に切り換えることができる。このため、表示装置9は、第1観察光学系4Aと第2観察光学系5Aとの配置状態に合わせて自動的に立体観察用の表示91aと、側方観察用の表示91bとをすることができるので、術者Mが治療中に切り換え操作をする必要がなく、治療に専念することができる。
[実施形態3]
図3Aは、本発明の実施形態3に係るマイクロスコープ3Bを示す概略平面図である。図3Bは、本発明の実施形態3に係るマイクロスコープ3Bを示す概略正面図である。図3Cは、図3AのIIIC-IIIC拡大概略断面図である。
前記実施形態2では、図2A及び図2Bに示すように、第2ガイド部材(ガイド部材62A)を第1観察光学系4Aに対して移動可能に設けた場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。図3A~図3Cに示すように、ガイド部材6Bを第1観察光学系4Bに対して固定したものであってもよい。
ガイド部材6Bは、第1観察光学系4Bを所定位置に固定し、第2観察光学系5Bを周方向の適宜な位置に固定するための部材である。図3Bに示すように、ガイド部材6Bは、第2フォーカスレンズ52から被写体Sまでのフォーカス距離に合わせて、正面視して、焦点距離で円弧状に湾曲形成された縦断面視して長方形の棒状部材から成る。図3Aに示すように、ガイド部材6Bは、第1観察光学系4B及び第2観察光学系5Bにツマミ4B1,5B1によって固定されている。
図3Cに示すように、第1観察光学系4Bの第1筐体41Bには、ガイド溝41Baと、ツマミ設置孔41Bcと、調整ねじ設置孔41Beと、が形成されている。ガイド溝41Baは、ガイド部材6Bが移動可能に挿入される長方形の貫通孔である。ツマミ設置孔41Bcは、ツマミ4B1の雄ねじ部4B1aが螺合されるねじ孔である。調整ねじ設置孔41Beは、視差調整手段40Bの調整ねじ40B1が螺合されるねじ孔である。
図3Aまたは図3Bに示すように、第2観察光学系5Bは、ツマミ5B1を締めることで、ガイド部材6Bの適宜な位置に固定されている。第2観察光学系5Bは、ツマミ5B1を緩めることで、第2筐体51をガイド溝41Ba内に挿入されたガイド部材6Bに沿って移動可能となる。このため、第2観察光学系5Bは、被写体Sの方向を向いた角度を保ちながらガイド部材6Bに沿って移動させることで、立体観察する位置状態に配置することもできれば、側方観察する位置状態に配置することもできる。
図3Aに示すように、視差調整手段40Bは、第1観察光学系4Bの調整ねじ設置孔41Beと、第2観察光学系5Bのねじ挿設孔51Beと、に螺合させた調整ねじ40B1から成る。第1観察光学系4Bに設けられた調整ねじ40B1は、回動させることによって、図3Bに示すように、第2観察光学系5Bを第1観察光学系4Bから分離させる分離手段7Bも兼ねている。第1観察光学系4Bから分離された第2観察光学系5Bは、第2筐体51Bをガイド部材6Bに沿って手動でスライド移動させて、視差距離を調整可能に構成されている。このため、第2観察光学系5B(側方観察手段50B)は、被写体Sを側方から観察する。
図3A、図3Bあるいは図3Cに示すように、分離手段7Bは、第1観察光学系4B及び第2観察光学系5Bにそれぞれ設けられたツマミ4B1,5B1、ガイド部材6B、及び、ガイド溝41Baを備えて構成されている。分離手段7Bは、第2観察光学系5Bに設けられたツマミ5B1を緩めることによって、第2観察光学系5Bを第1観察光学系4Bから手動で分離させることが可能になっている。また、分離した第2観察光学系5Bは、手で寄せることによって、調整ねじ40B1の先端に設けた磁石(図示省略)が第1観察光学系4Bを吸着して、第1観察光学系4Bを結合した状態に戻すことが可能になっている。
図3A及び図3Bに示すように、アーム22Bは、ガイド部材6Bを支持可能な保持部22B1と、保持部22B1の左端部に設けたジョイント部22B2と、ジョイント部22B2に回動自在に連結されたアーム部22B3と、を備えて成る。
このように、実施形態3のマイクロスコープ3Bは、図3Aに示すように、立体観察用の第1観察光学系4B及び第2観察光学系5Bを、分離手段7Bによって分離後の再結合で同一の視差を確保可能な視差調整手段40Bを具備している。
かかる構成によれば、第1観察光学系4Bと第2観察光学系5Bを分離する分離手段7Bは、第1観察光学系4Bと第2観察光学系5Bとの視差を確保可能な視差調整手段40Bの機能も有している。このため、マイクロスコープ3Bは、部品点数及び組付工数を削減してコストダウンを図ることができる。
また、アーム22Bは、図3A及び図3Bに示すように、第1観察光学系4B(図3A及び図3B参照)、前記第2観察光学系5Bあるいはガイド部材6Bを保持可能な保持部22B1を有している。
かかる構成よれば、アーム22Bは、保持部22B1をガイド部材6Bに連結することで、第1観察光学系4Bまたは第2観察光学系5Bを適宜な位置に保持することができる。
[実施形態4]
図4Aは、本発明の実施形態4に係るマイクロスコープ3Cを示す概略正面である。図4Bは、図4AのIVB-IVB拡大概略断面図である。図4Cは、図4BのIVC-IVC拡大概略断面図である。
前記実施形態3では、図3A及び図3Bに示すように、第2観察光学系5Bを第2ガイド部材62Bにスライド移動可能に設けた場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。図4A~図4Cに示すように、第2観察光学系5Cは、ガイド部材6Cに対して予め設定した任意の所定位置に固定可能にしたものであってもよい。
ガイド部材6Cは、正面視して円弧状に湾曲した帯状の一つの板部材から成る。ガイド部材6Cには、第2観察光学系5Cの挿入可能に形成された複数の差込口6C1と、第1観察光学系4Bをガイド部材6Cの延在方向に移動可能に長く形成された長孔6C2と、が形成されている。ガイド部材6Cは、ツマミ4C1によって第1観察光学系4Cの第1筐体41Cに移動可能に固定されている。
図4Aに示すように、差込口6C1は、第2観察光学系5Cの第2筐体51Cを係合、離脱可能に支持するための貫通孔である。差込口6C1は、第2観察光学系5Cによって被写体Sを側方観察可能にするために、第2観察光学系5Cを、予め設定した任意の複数の所定位置に固定可能に形成されている。差込口6C1は、差し込んだ第2観察光学系5Cの第2光軸O2の位置を可変可能にするために、例えば、ガイド部材6Cの延在方向に適宜な間隔で複数形成されている。差込口6C1は、立体観察用差込口6C1aと、側方観察用差込口6C1bと、から成る。
立体観察用差込口6C1aは、立体観察時に、第2観察光学系5Cを差し込むための差込口6C1である。立体観察用差込口6C1aは、第1観察光学系4Cを差し込む長孔6C2の隣に形成された差込口6C1から成る。
側方観察用差込口6C1bは、側方観察時に、第2観察光学系5Cを差し込むための差込口6C1である。側方観察用差込口6C1bは、第2観察光学系5Cの第2光軸O2の角度θ2を変更可能にするために、立体観察用差込口6C1aから右方向に適宜な間隔で形成された複数の差込口6C1から成る。
長孔6C2は、ガイド部材6Cを第1観察光学系4Cに対してスライド移動することで、視差bの調整して、第1観察光学系4Cと第2観察光学系5Cとの間隔を術者Mの左右の眼の間隔に合わせるための視差調整手段40Cを構成する孔である。長孔6C2は、ガイド部材6Cの延在方向に長く形成された長方形の孔から成る。長孔6C2には、第1観察光学系4Cがガイド部材6Cの延在方向に移動可能に遊嵌されている。
図4Bに示すように、第1観察光学系4Cの第1筐体41Cには、ガイド部材6Cを移動可能に挿設するためのガイド溝41Caと、ツマミ4C1の雄ねじ部4C1aが螺合されるツマミ設置孔41Ccと、が形成されている。
このように、実施形態3の側方観察手段50Cは、図4Aに示すように、第1観察光学系4Cに設けられたガイド部材6C上に形成された複数の差込口6C1のうちの任意の差込口6C1に、第2観察光学系5Cを差し込むことで第2光軸O2の位置を可変可能にした。
かかる構成によれば、術者Mは、側方観察手段50Cを、適宜な位置の差込口6C1に第2観察光学系5Cを差し込むだけで、第2光軸O2の位置を可変して側方観察をすることができる。このため、術者Mは、側方観察するときの操作が簡単で、治療に専念することができる。
[変形例]
図5は、本発明の実施形態1に係るマイクロスコープ3の変形例を示す説明図である。
図1Aに示す診療装置1のマイクロスコープ3は、第1ガイド部材61にアーム22を配置した場合を説明したが、図5に示すように、アーム22は、第1ガイド部材61と第2ガイド部材62との両方に設けて支持してもよい。
かかる構成によれば、マイクロスコープ3は、第1ガイド部材61と第2ガイド部材62とを支持するアーム22をそれぞれ備えていることで、第1観察光学系4と第2観察光学系5を分離手段7で分離して側方観察する際に、ガイド部材6を揺れること無く観測し易い状態に保持することができる。
[その他の変形例]
前記実施形態1では、第2観察光学系5が側方観察手段50(死角観察手段)を具備している場合を説明したが、側方観察手段50は、第1観察光学系4に備えたものであってもよい。
また、実施形態1では、図1Aに示すように、マイクロスコープ3の設置例として、アーム22を、歯科用治療ユニット2の支柱21に配置した場合を説明したが、それに限定されるものではない。
例えば、マイクロスコープ3を保持したアーム22は、スタンドに設けたスタンドアームや、歯科診療室の天井面に設置した天井面設置型アームや、歯科診療室の床面に設置した床面設置型アームや、歯科診用テーブル等のテーブル上に配置した卓上設置型アーム等であってもよい。
また、アーム22は、第1ガイド部材61を三次元的に移動可能に保持することに限定されず、第2ガイド部材62を三次元的に移動可能に保持してもよい。
1 診療装置1
2 歯科用治療ユニット
3,3A,3B,3C マイクロスコープ(歯科用マイクロスコープ)
4,4A,4B,4C 第1観察光学系
5,5A,5B,5C 第2観察光学系
6,6A,6B,6C ガイド部材
6C1 差込口
61,61A,61Aa,61Ab,62A 第1ガイド部材(ガイド部材)
62 第2ガイド部材
7,7A,7B,7C 分離手段
9 表示装置
22,22A,22B アーム
22A1,22B1 保持部
31 分離検知センサ
40A,40B,40C 視差調整手段
41Aa,41Ab,41Ba ガイド溝
47 第1TVカメラ(TVカメラ)
57 第2TVカメラ(TVカメラ)
50,50A,50B,50C 側方観察手段(死角観察手段)
91 表示画面
91a 立体観察用の表示
91b 側方観察用の表示
O1,O2 光軸
S 被写体

Claims (9)

  1. 立体観察用の第1観察光学系及び第2観察光学系と、
    前記第1観察光学系及び/または前記第2観察光学系を被写体に対して所望の位置に移動保持可能に支持するアームと、
    前記第2観察光学系を、前記第1観察光学系と分離する分離手段と、
    を有し、
    前記第2観察光学系は、前記第1観察光学系とは異なる方向から前記被写体の観察を可能とする側方観察手段を具備する、
    マイクロスコープ。
  2. 前記第1観察光学系とは異なる方向とは、前記被写体の観察位置を中心として円弧状に移動した方向である、
    請求項1に記載のマイクロスコープ。
  3. 前記側方観察手段は、
    前記第1観察光学系または前記第2観察光学系に設けられたガイド溝と、
    前記第2観察光学系または前記第1観察光学系に設けられたガイド部材と、
    をそれぞれ有し、
    前記ガイド溝に沿って前記ガイド部材が移動することで、前記第2観察光学系の光軸の位置を可変可能にした、
    請求項2に記載のマイクロスコープ。
  4. 前記側方観察手段は、
    前記第1観察光学系に設けられたガイド部材上に形成された複数の差込口のうちの任意の差込口に、前記第2観察光学系を差し込むことで光軸の位置を可変可能にした、
    請求項2に記載のマイクロスコープ。
  5. 前記立体観察用の第1観察光学系及び前記第2観察光学系を、前記分離手段によって分離後の再結合で同一の視差を確保可能な視差調整手段を具備した、
    請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のマイクロスコープ。
  6. 前記アームは、前記第1観察光学系、前記第2観察光学系あるいは前記ガイド部材を保持可能な保持部を有している、
    請求項3または請求項4に記載のマイクロスコープ。
  7. 前記第1観察光学系及び前記第2観察光学系は、裸眼による観察、TVカメラを接続しての観察の何れか、あるいは、両方の観察が可能である、
    請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のマイクロスコープ。
  8. TVカメラを接続しての立体観察の場合は、表示装置の表示画面を2画面に分割し、分割された2画面夫々に視差のある映像を前記第1観察光学系と前記第2観察光学系で撮影して表示し、
    前記TVカメラを接続しての側方観察の場合は、分割された前記表示装置の2画面の一方に被写体の上方からの映像を表示し、他方には側方からの映像を表示する、
    請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のマイクロスコープ。
  9. 前記第1観察光学系及び前記第2観察光学系の分離を検知する分離検知センサを有し、
    制御装置は、前記分離検知センサで分離の有無を検知した場合に、前記表示装置の表示画面上の2画面を、前記立体観察用の表示と、前記側方観察用の表示と、に自動で切り換える
    請求項8に記載のマイクロスコープ。
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