JP2023175171A - カテーテル - Google Patents
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Abstract
【課題】カテーテルのシャフトの耐伸性を十分に向上させる。【解決手段】カテーテルは、筒状のシャフトと、第1補強体と、第2補強体とを備える。第1補強体は、シャフトに螺旋状に巻かれた複数本の素線から構成されている。第2補強体は、シャフトの径方向に第1補強体と重なるようにシャフトに螺旋状に巻かれた少なくとも1本の素線から構成されている。第1補強体と第2補強体との複数の重なり箇所のうちの一部である第1重なり箇所では、第1補強体が第2補強体より内側に位置する。複数の重なり箇所のうちの他の一部である第2重なり箇所では、第1補強体が第2補強体より外側に位置する。【選択図】図3
Description
本明細書に開示される技術は、カテーテルに関する。
カテーテルは、血管等の生体管腔内に挿入され、生体管腔内を診断または治療するために使用される長尺状医療機器である。カテーテルは、筒状のシャフトと、シャフトを補強する補強体とを備える。補強体としては、例えば、シャフトに螺旋状に巻かれたコイル体が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
カテーテルが使用される際には、シャフトが延伸することがある。例えば、カテーテルが屈曲した血管内を進むときに、外圧等によってシャフトの内腔が狭くなり、そのように狭くなった内腔を物体(例えば、動脈瘤を塞ぐための塞栓コイルや粘度の高い塞栓物質)が通ると、該物体と内腔の表面との間の抵抗によってシャフトが延伸することがある。また、カテーテルを血管内の屈曲部や閉塞部に進入させた後、基端側に戻すように引っ張ると、シャフトが延伸することがある。
シャフトが延伸すると、シャフトが破断するおそれがある。また、シャフトが延伸すると、シャフトの内腔が狭くなるため、内腔を通す併用デバイス(例えば、ガイドワイヤやマイクロカテーテル等)がスタックしたり、内腔における流体(例えば、動脈瘤を塞ぐための塞栓物質やバルーンカテーテルを拡張させるための拡張媒体等)の円滑な流通が阻害されたりするおそれがある。また、シャフトが延伸すると、シャフトの先端部に設けられたマーカーの位置や複数のマーカー間の間隔が変化するため、マーカーの位置を基準とした物体の投与(例えば、動脈瘤への塞栓物質の投与)の位置決めの精度が低下するおそれがある。そのため、カテーテルにおいては、シャフトの耐伸性を向上させることが好ましい。
従来のカテーテルでは、シャフトを補強する補強体として単純なコイル体が用いられているため、シャフトが延伸しようとする際に、補強体が延伸したり位置ずれを起こしたりして、補強体によってシャフトの耐伸性を十分に向上させることができない、という課題がある。
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
(1)本明細書に開示されるカテーテルは、筒状のシャフトと、第1補強体と、第2補強体とを備える。第1補強体は、前記シャフトに螺旋状に巻かれた複数本の素線から構成されている。第2補強体は、前記シャフトの径方向に前記第1補強体と重なるように前記シャフトに螺旋状に巻かれた少なくとも1本の素線から構成されている。前記第1補強体と前記第2補強体との複数の重なり箇所のうちの一部である第1重なり箇所では、前記第1補強体が前記第2補強体より前記シャフトの径方向内側に位置する。前記複数の重なり箇所のうちの他の一部である第2重なり箇所では、前記第1補強体が前記第2補強体より前記シャフトの径方向外側に位置する。
本カテーテルでは、第1補強体が第2補強体より内側に位置する第1重なり箇所と、第1補強体が第2補強体より外側に位置する第2重なり箇所とが混在している。そのため、第1補強体と第2補強体とが互いに拘束し合う。そのため、本カテーテルによれば、シャフトが延伸しようとする際に、第1補強体および第2補強体が互いに拘束し合うことによって延伸したり位置ずれを起こしたりすることが抑制され、第1補強体および第2補強体によってシャフトの耐伸性を十分に向上させることができる。
(2)上記カテーテルにおいて、少なくとも一部の前記重なり箇所について、前記シャフトの長手方向に沿って、前記第1重なり箇所と前記第2重なり箇所とが規則的に配置されている構成としてもよい。本構成を採用すれば、第1補強体および第2補強体が強固に拘束し合うことによって、シャフトの耐伸性をさらに効果的に向上させることができる。
(3)上記カテーテルにおいて、少なくとも一部の前記重なり箇所について、前記シャフトの長手方向に沿って、前記第1重なり箇所と前記第2重なり箇所とが交互に配置されている構成としてもよい。本構成を採用すれば、第1補強体および第2補強体がさらに強固に拘束し合うことによって、シャフトの耐伸性を極めて効果的に向上させることができる。
(4)上記カテーテルにおいて、前記第2補強体を構成する素線の本数は、前記第1補強体を構成する素線の本数より少ない構成としてもよい。本構成を採用すれば、第2補強体の存在によってシャフトの柔軟性が低下することを抑制しつつ、シャフトの耐伸性を向上させることができる。
(5)上記カテーテルにおいて、前記第2補強体の巻き方向と、前記第1補強体の巻き方向とは、逆向きである構成としてもよい。本構成では、第2補強体の巻き方向と第1補強体の巻き方向とが同じ向きである構成と比較して、第1補強体と第2補強体との重なり箇所の個数を増大させることができる。従って、本構成を採用すれば、第1補強体および第2補強体がさらに強固に拘束し合うことによって、シャフトの耐伸性を効果的に向上させることができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、カテーテル、カテーテルの製造方法等の形態で実現することができる。
A.実施形態:
A-1.カテーテル100の構成:
図1は、本実施形態のカテーテル100の側面構成を概略的に示す説明図であり、図2は、カテーテル100の一部分(図1のX1部)の断面構成を概略的に示す説明図であり、図3は、カテーテル100の一部分(図1のX1部)の側面構成を概略的に示す説明図である。
A-1.カテーテル100の構成:
図1は、本実施形態のカテーテル100の側面構成を概略的に示す説明図であり、図2は、カテーテル100の一部分(図1のX1部)の断面構成を概略的に示す説明図であり、図3は、カテーテル100の一部分(図1のX1部)の側面構成を概略的に示す説明図である。
各図には、互いに直交するXYZ軸を示している。カテーテル100において、Z軸正方向側が、体内に挿入される先端側(遠位側)であり、Z軸負方向側が、医師等の手技者によって操作される基端側(近位側)である。各図においては、カテーテル100の一部の構成について適宜、拡大して示したり、図示を省略したりしている。また、各図においては、カテーテル100の中心軸AxがZ軸方向に平行な略直線状となった状態を示しているが、カテーテル100は湾曲させることができる程度の柔軟性を有している。本明細書では、カテーテル100およびその各構成部分について、先端側の端を「先端」といい、先端およびその近傍を「先端部」といい、基端側の端を「基端」といい、基端およびその近傍を「基端部」という。
カテーテル100は、血管系、リンパ腺系、胆道系、尿路系、気道系、消化器官系、分泌腺及び生殖器官といった生体管腔内に挿入され、生体管腔内を診断または治療するために使用される長尺状医療機器である。カテーテル100は、シャフト10と、先端側補強体20と、基端側補強体30と、コネクタ90とを備える。
シャフト10は、中心軸Axに沿って延在する筒状の長尺部材である。シャフト10には、シャフト10の先端から基端まで中心軸Axに沿って延在する内腔10M(図2)が形成されている。内腔10Mの横断面形状は、任意の形状を取り得るが、例えば略円形である。シャフト10の内腔10Mは、併用デバイス(例えば、ガイドワイヤ、マイクロカテーテル等)や、流体(例えば、動脈瘤を塞ぐための塞栓物質、バルーンカテーテルを拡張させるための拡張媒体等)を通過させるために利用される。シャフト10の外径、内径、および全長は任意に設定できる。シャフト10の外径は、例えば0.2mm~2.0mm程度であり、シャフト10の全長は、例えば1200~1800mm程度である。
図1に示すように、シャフト10の先端部には、第1マーカー18および第2マーカー19が設けられている。第1マーカー18は、シャフト10の先端付近に配置され、第2マーカー19は、第1マーカー18から所定距離(例えば30mm程度)だけ基端側の位置に配置されている。第1マーカー18および第2マーカー19は、放射線不透過性を有する材料により形成されている。医師等の手技者は、放射線下で第1マーカー18を視認することにより、シャフト10の先端位置を把握することができる。また、手技者は、放射線下で第1マーカー18が視認できなくても、第2マーカー19が視認された位置と、上記所定距離とに基づき、シャフト10の先端位置を把握することができる。
図2に示すように、本実施形態では、シャフト10は、内層11と外層12とから構成されている。内層11は、内腔10Mを規定する筒状部材であり、外層12は、内層11の外周を覆う筒状部材である。なお、図3では説明の便宜上、外層12の図示を省略している。
シャフト10は、抗血栓性、可撓性、生体適合性を有する材料により形成されることが好ましい。シャフト10を形成するための材料としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂材料が挙げられる。例えば、内層11は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)により形成され、外層12は、ナイロン系エラストマー樹脂により形成される。シャフト10の形成材料を含む構成は、全長にわたって均一であってもよいし、長手方向に沿った部分毎に異なっていてもよい。
図1に示すように、コネクタ90は、カテーテル100の基端部を構成し、手技者によって把持される部材である。コネクタ90は、例えば略円筒形状の本体部91と、本体部91の外周面に形成された複数の羽根部92とを有する。本体部91の先端部には、シャフト10の基端部が挿入された状態で接合されている。本体部91の基端部には、シャフト10の内腔10Mに連通する図示しない開口が形成されている。コネクタ90は、例えば、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエーテルサルフォン等の樹脂材料により形成されている。
先端側補強体20は、シャフト10を補強するための部材であり、シャフト10における先端部に埋設されている。図2に示すように、先端側補強体20は、シャフト10の内層11の外周面に巻かれた状態で、シャフト10の外層12によって覆われている。先端側補強体20の構成については、後に詳述する。
基端側補強体30は、シャフト10を補強するための部材であり、シャフト10における先端側補強体20が埋設された部分より基端側の部分に埋設されている。基端側補強体30は、任意の構成を取り得るが、例えば、素線を網目織りにしたメッシュ形状の筒状体(いわゆるブレード)であってもよいし、素線を螺旋状に巻いたコイル体であってもよい。基端側補強体30は、例えば、金属材料や樹脂材料により形成される。なお、図1では説明の便宜上、シャフト10に埋設された先端側補強体20および基端側補強体30を実線で示している。
A-2.先端側補強体20の詳細構成:
次に、先端側補強体20の詳細構成について説明する。図2および図3に示すように、先端側補強体20は、第1補強体21と、第2補強体22と、を有する。
次に、先端側補強体20の詳細構成について説明する。図2および図3に示すように、先端側補強体20は、第1補強体21と、第2補強体22と、を有する。
第1補強体21は、シャフト10に螺旋状に巻かれた複数本の素線21aから構成されたコイル体である。本実施形態では、第1補強体21は、8本の素線21aから構成されている。第1補強体21を構成する8本の素線21aは、シャフト10の長手方向(中心軸Axに平行な方向)に沿って互いに接するように並べられている。これらの8本の素線21aの集合体が、螺旋状に疎巻きされることにより、第1補強体21が構成されている。第1補強体21は、シャフト10に対して、Z巻きされている。
第2補強体22は、シャフト10の径方向に第1補強体21と重なるように、シャフト10に螺旋状に巻かれた少なくとも1本の素線22aから構成されたコイル体である。本実施形態では、第2補強体22は、1本の素線22aから構成されている。すなわち、第2補強体22を構成する素線22aの本数は、第1補強体21を構成する素線21aの本数より少ない。この1本の素線22aが、螺旋状に疎巻きされることにより、第2補強体22が構成されている。第2補強体22は、シャフト10に対して、S巻きされている。すなわち、第2補強体22の巻き方向と、第1補強体21の巻き方向とは、逆向きである。
第1補強体21および第2補強体22は、例えば、金属材料(SUS304等のステンレス合金、NiTi合金、タングステン等)や樹脂材料により形成される。なお、第2補強体22を構成する素線22aの本数は第1補強体21を構成する素線21aの本数より少ないことから、第2補強体22を構成する素線22aには荷重が集中しやすいため、第2補強体22の形成材料の引張強度は、第1補強体21の形成材料の引張強度より高いことが好ましい。第1補強体21は、例えばNiTi合金により形成され、第2補強体22は、例えばタングステンにより形成される。
ここで、図3に示すように、第1補強体21および第2補強体22は共に螺旋状のコイル体であるため、両者は複数の重なり箇所OPでシャフト10の径方向に重なっている。複数の重なり箇所OPのうちの一部である第1重なり箇所OP1では、第1補強体21が第2補強体22よりシャフト10の径方向内側(以下、単に「内側」という。)に位置している。反対に、複数の重なり箇所OPのうちの他の一部である第2重なり箇所OP2では、第1補強体21が第2補強体22よりシャフト10の径方向外側(以下、単に「外側」という。)に位置している。このように、本実施形態のカテーテル100では、第1補強体21が第2補強体22より内側に位置するように両者が重なった第1重なり箇所OP1と、第1補強体21が第2補強体22より外側に位置するように両者が重なった第2重なり箇所OP2とが、混在している。
より具体的には、図3に示すように、少なくとも一部の重なり箇所OPについて、シャフト10の長手方向(中心軸Axに平行な方向)に沿って、第1重なり箇所OP1と第2重なり箇所OP2とが交互に配置されている。換言すれば、シャフト10の長手方向に沿って、第1重なり箇所OP1と第2重なり箇所OP2とが規則的に配置されている。なお、本実施形態では、すべての重なり箇所OPについて、シャフト10の長手方向に沿って、第1重なり箇所OP1と第2重なり箇所OP2とが交互に配置されている。
なお、このような構成の第1補強体21および第2補強体22は、例えば、ブレーディング機を用いて、第1補強体21用の8本の素線21a用のボビンと、第2補強体22用の1本の素線22a用のボビンとを相対移動させつつ、各素線を編むことにより作製することができる。
A-3.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態のカテーテル100は、筒状のシャフト10と、第1補強体21と、第2補強体22とを備える。第1補強体21は、シャフト10に螺旋状に巻かれた複数本の素線21aから構成されている。第2補強体22は、シャフト10の径方向に第1補強体21と重なるようにシャフト10に螺旋状に巻かれた少なくとも1本の素線22aから構成されている。第1補強体21と第2補強体22との複数の重なり箇所OPのうちの一部である第1重なり箇所OP1では、第1補強体21が第2補強体22よりシャフト10の径方向内側に位置し、複数の重なり箇所OPのうちの他の一部である第2重なり箇所OP2では、第1補強体21が第2補強体22よりシャフト10の径方向外側に位置する。
以上説明したように、本実施形態のカテーテル100は、筒状のシャフト10と、第1補強体21と、第2補強体22とを備える。第1補強体21は、シャフト10に螺旋状に巻かれた複数本の素線21aから構成されている。第2補強体22は、シャフト10の径方向に第1補強体21と重なるようにシャフト10に螺旋状に巻かれた少なくとも1本の素線22aから構成されている。第1補強体21と第2補強体22との複数の重なり箇所OPのうちの一部である第1重なり箇所OP1では、第1補強体21が第2補強体22よりシャフト10の径方向内側に位置し、複数の重なり箇所OPのうちの他の一部である第2重なり箇所OP2では、第1補強体21が第2補強体22よりシャフト10の径方向外側に位置する。
本実施形態のカテーテル100は、このような構成を有するため、以下に説明するように、シャフト10の耐伸性を向上させることができる。図4は、本実施形態のカテーテル100における第1補強体21および第2補強体22の構成を模式的に示す説明図である。また、図5は、第1比較例のカテーテル100X1における第1補強体21および第2補強体22の構成を模式的に示す説明図であり、図6は、第2比較例のカテーテル100X2における第1補強体21および第2補強体22の構成を模式的に示す説明図である。
図5に示す第1比較例のカテーテル100X1では、第1補強体21と第2補強体22との複数の重なり箇所OPのすべてが、第1補強体21が第2補強体22より外側に位置する第2重なり箇所OP2となっている。そのため、第1補強体21は、第2補強体22によって拘束されない。また、第2補強体22は、第1補強体21の張力によって拘束されるものの、その拘束力は小さい。そのため、シャフト10が延伸しようとする際に、第1補強体21および第2補強体22が延伸したり位置ずれを起こしたりして、第1補強体21および第2補強体22によってシャフト10の耐伸性を十分に向上させることができない。
また、図6に示す第2比較例のカテーテル100X2では、第1補強体21と第2補強体22との複数の重なり箇所OPのすべてが、第1補強体21が第2補強体22より内側に位置する第1重なり箇所OP1となっている。そのため、第2補強体22は、第1補強体21によって拘束されない。また、第1補強体21は、第2補強体22の張力によって拘束されるものの、その拘束力は小さい。そのため、シャフト10が延伸しようとする際に、第1補強体21および第2補強体22が延伸したり位置ずれを起こしたりして、第1補強体21および第2補強体22によってシャフト10の耐伸性を十分に向上させることができない。
これに対し、図4に示すように、本実施形態のカテーテル100では、第1補強体21が第2補強体22より内側に位置する第1重なり箇所OP1と、第1補強体21が第2補強体22より外側に位置する第2重なり箇所OP2とが混在している。そのため、第1補強体21と第2補強体22とが互いに拘束し合う。そのため、シャフト10が延伸しようとする際に、第1補強体21および第2補強体22が互いに拘束し合うことによって延伸したり位置ずれを起こしたりすることが抑制され、第1補強体21および第2補強体22によってシャフト10の耐伸性を十分に向上させることができる。
このように、本実施形態のカテーテル100によれば、第1補強体21および第2補強体22によってシャフト10の耐伸性を十分に向上させることができるため、シャフト10の破断を抑制することができる。また、シャフト10の延伸に起因して、シャフト10の内腔10Mを通す併用デバイスがスタックしたり、内腔10Mにおける流体の円滑な流通が阻害されたりすることを抑制することができる。また、シャフト10の延伸に起因してシャフト10の先端部に設けられたマーカー(第1マーカー18および第2マーカー19)の位置や複数のマーカー間の間隔が変化することを抑制することができ、マーカーの位置を基準とした物体の投与の位置決めの精度が低下することを抑制することができる。
また、本実施形態のシャフト10では、少なくとも一部の重なり箇所OPについて、シャフト10の長手方向に沿って、第1補強体21が第2補強体22より内側に位置する第1重なり箇所OP1と、第1補強体21が第2補強体22より外側に位置する第2重なり箇所OP2と、が規則的に配置されている。そのため、本実施形態のカテーテル100によれば、第1補強体21および第2補強体22が強固に拘束し合うことによって、シャフト10の耐伸性をさらに効果的に向上させることができる。
また、本実施形態のシャフト10では、少なくとも一部の重なり箇所OPについて、シャフト10の長手方向に沿って、第1補強体21が第2補強体22より内側に位置する第1重なり箇所OP1と、第1補強体21が第2補強体22より外側に位置する第2重なり箇所OP2と、が交互に配置されている。そのため、本実施形態のカテーテル100によれば、第1補強体21および第2補強体22がさらに強固に拘束し合うことによって、シャフト10の耐伸性を極めて効果的に向上させることができる。
また、本実施形態のシャフト10では、第2補強体22を構成する素線22aの本数は、第1補強体21を構成する素線21aの本数より少ない。そのため、本実施形態のカテーテル100によれば、第2補強体22の存在によってシャフト10の柔軟性が低下することを抑制しつつ、シャフト10の耐伸性を向上させることができる。
また、本実施形態のシャフト10では、第2補強体22を構成する素線22aの本数は1本である。そのため、本実施形態のカテーテル100によれば、第2補強体22の存在によってシャフト10の柔軟性が低下することを効果的に抑制しつつ、シャフト10の耐伸性を向上させることができる。
また、本実施形態のシャフト10では、第2補強体22の巻き方向と第1補強体21の巻き方向とが逆向きである。そのため、本実施形態のカテーテル100では、第2補強体22の巻き方向と第1補強体21の巻き方向とが同じ向きである構成と比較して、第1補強体21と第2補強体22との重なり箇所OPの個数を増大させることができる。従って、本実施形態のカテーテル100によれば、第1補強体21および第2補強体22がさらに強固に拘束し合うことによって、シャフト10の耐伸性を効果的に向上させることができる。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態におけるカテーテル100の構成は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、シャフト10の長手方向に沿って、第1補強体21が第2補強体22より内側に位置する第1重なり箇所OP1と、第1補強体21が第2補強体22より外側に位置する第2重なり箇所OP2と、が交互に配置されているが、第1重なり箇所OP1と第2重なり箇所OP2との配置はこれに限られない。例えば、少なくとも一部の重なり箇所OPについて、シャフト10の長手方向に沿って、M個(Mは1以上の整数)の第1重なり箇所OP1と、N個(Nは1以上の整数)の第2重なり箇所OP2とが交互に配置された構成であってもよい。なお、このような構成は、第1重なり箇所OP1と第2重なり箇所OP2とが規則的に配置された構成であると言える。また、シャフト10の長手方向に沿って、第1重なり箇所OP1と第2重なり箇所OP2とが不規則に配置された構成であってもよい。
上記実施形態では、第1補強体21が8本の素線21aから構成されているが、第1補強体21を構成する素線21aの本数は、複数本である限りにおいて、任意に設定することができる。また、上記実施形態では、第2補強体22が1本の素線22aから構成されているが、第2補強体22を構成する素線22aの本数は、任意に設定することができる。また、上記実施形態では、第2補強体22を構成する素線22aの本数は、第1補強体21を構成する素線21aの本数より少ないが、第2補強体22を構成する素線22aの本数が、第1補強体21を構成する素線21aの本数以上であってもよい。
上記実施形態では、第1補強体21はシャフト10に対してZ巻きされ、第2補強体22はシャフト10に対してS巻きされているが、反対に、第1補強体21はシャフト10に対してS巻きされ、第2補強体22はシャフト10に対してZ巻きされた構成としてもよい。また、上記実施形態では、第2補強体22の巻き方向と第1補強体21の巻き方向とが逆向きであるが、第2補強体22の巻き方向と第1補強体21の巻き方向とが同じ向きであってもよい。
上記実施形態では、先端側補強体20が、シャフト10の先端部に埋設されているが、先端側補強体20は、シャフト10の基端部に埋設されていてもよいし、シャフト10の先端部と基端部とを除く中間部に埋設されていてもよいし、シャフト10の全長にわたって埋設されていてもよい。
上記実施形態では、シャフト10に2つのマーカー(第1マーカー18および第2マーカー19)が設けられているが、シャフト10に1つのみのマーカーが設けられていてもよいし、シャフト10にマーカーが設けられていなくてもよい。
10:シャフト 10M:内腔 11:内層 12:外層 18:第1マーカー 19:第2マーカー 20:先端側補強体 21:第1補強体 21a:素線 22:第2補強体 22a:素線 30:基端側補強体 90:コネクタ 91:本体部 92:羽根部 100:カテーテル OP1:第1重なり箇所 OP2:第2重なり箇所 OP:重なり箇所
Claims (5)
- カテーテルであって、
筒状のシャフトと、
前記シャフトに螺旋状に巻かれた複数本の素線から構成された第1補強体と、
前記シャフトの径方向に前記第1補強体と重なるように前記シャフトに螺旋状に巻かれた少なくとも1本の素線から構成された第2補強体と、
を備え、
前記第1補強体と前記第2補強体との複数の重なり箇所のうちの一部である第1重なり箇所では、前記第1補強体が前記第2補強体より前記シャフトの径方向内側に位置し、前記複数の重なり箇所のうちの他の一部である第2重なり箇所では、前記第1補強体が前記第2補強体より前記シャフトの径方向外側に位置する、
カテーテル。 - 請求項1に記載のカテーテルであって、
少なくとも一部の前記重なり箇所について、前記シャフトの長手方向に沿って、前記第1重なり箇所と前記第2重なり箇所とが規則的に配置されている、
カテーテル。 - 請求項2に記載のカテーテルであって、
少なくとも一部の前記重なり箇所について、前記シャフトの長手方向に沿って、前記第1重なり箇所と前記第2重なり箇所とが交互に配置されている、
カテーテル。 - 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のカテーテルであって、
前記第2補強体を構成する素線の本数は、前記第1補強体を構成する素線の本数より少ない、
カテーテル。 - 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のカテーテルであって、
前記第2補強体の巻き方向と、前記第1補強体の巻き方向とは、逆向きである、
カテーテル。
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Applications Claiming Priority (1)
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WO (1) | WO2023233723A1 (ja) |
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- 2022-05-30 JP JP2022087483A patent/JP2023175171A/ja active Pending
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2023
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Also Published As
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