WO2024121990A1 - カテーテル - Google Patents

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ルーメンに挿入されるガイドワイヤを効果的に保持でき、かつガイドワイヤの摺動性を向上できるカテーテルを提供する。 先端から基端まで連通するルーメン(5)を有するシャフト(2)を備えたカテーテル(1)であって、シャフト(2)は、当該シャフト(2)の軸心方向(X)の少なくとも1か所にX線不透過性のマーカー(30)を有し、シャフト(2)のマーカー(30)が配置されたマーカー配置部(51)の内径(D1)は、シャフト(2)のマーカー(30)が配置されていないマーカー不在部(52)の内径(D2)よりも小さく、マーカー配置部(51)の内表面の表面粗さは、マーカー不在部(52)の内表面の表面粗さよりも大きい。

Description

カテーテル
 本発明は、血管等の管腔内で使用されるカテーテルに関する。
 近年、外科的侵襲が非常に低いという理由から、カテーテルを用いた血管等の管腔内の治療が盛んに行われている。例えば、体内の複雑に分岐した血管へ選択的に導入して使用されるカテーテルは、一般的に、血管へあらかじめ導入されるガイドワイヤに沿って押し込まれて、治療用の薬剤や診断用の造影剤等をルーメンを介して流通させることができる。また、カテーテルは、管腔内での位置を体外から認識できるように、X線不透過性のマーカーがシャフトに配置される(例えば特許文献1を参照)。
特開2014-100321号公報
 カテーテルは、内部のルーメンにガイドワイヤを挿入されて、ガイドワイヤに沿って血管の目的の部位まで押し込まれる。このため、カテーテルは、ガイドワイヤに沿って滑らかに摺動できる必要がある。また、カテーテルの先端部の内径は、ガイドワイヤ外径との差が小さくなるので、ガイドワイヤを保持(サポート)しやすくなる。したがって、カテーテルは、ガイドワイヤの保持性およびガイドワイヤの摺動性を向上できることが望まれる。
 本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ルーメンに挿入されるガイドワイヤを効果的に保持でき、かつガイドワイヤの摺動性を向上できるカテーテルを提供することを目的とする。
 上記目的を達成するカテーテルは、先端から基端まで連通するルーメンを有するシャフトを備えたカテーテルであって、前記シャフトは、当該シャフトの軸心方向の少なくとも1か所にX線不透過性のマーカーを有し、前記シャフトの前記マーカーが配置されたマーカー配置部の内径は、前記シャフトの前記マーカーが配置されていないマーカー不在部の内径よりも小さく、前記マーカー配置部の内表面の表面粗さは、前記マーカー不在部の内表面の表面粗さよりも大きいことを特徴とする。
 上記のように構成したカテーテルは、内径の小さいマーカー配置部により、ルーメンに挿入されるガイドワイヤを効果的に保持性できる。また、マーカー不在部の内径がマーカー配置部の内径よりも大きいため、カテーテル全体としてのガイドワイヤとの摺動抵抗を低減できる。さらに、内径が小さいためにマーカー不在部よりもガイドワイヤに接触しやすいマーカー配置部の内表面の表面粗さが、マーカー不在部の内表面の表面粗さよりも大きいため、カテーテル全体としてのガイドワイヤとの摺動抵抗を低減できる。したがって、本カテーテルは、ルーメンに挿入されるガイドワイヤを効果的に保持でき、かつガイドワイヤの摺動性を向上できる。
 前記マーカー不在部の内径から前記マーカー配置部の内径を減じた内径差の二分の一は、前記シャフトの径方向への前記マーカーの厚さよりも大きくてもよい。これにより、マーカーをシャフトの内部に無理なく埋設できるため、マーカーを配置することによるシャフトの強度低下を抑制できる。
 前記マーカー不在部の内径から前記マーカー配置部の内径を減じた内径差の二分の一は、前記シャフトの径方向への前記マーカーの厚さよりも小さくてもよい。これにより、マーカーを配置することによってマーカー配置部の肉厚が必要以上に大きくなることを抑制できる。また、マーカー配置部の外表面が径方向外側へ突出することを抑制できる。このため、カテーテルの生体管腔への挿入性の低下を抑制できる。
 カテーテルは、前記シャフトの外表面と内表面との間に配置されて管状に編組された複数の線材を備える補強体を有し、前記補強体の少なくとも一部は、前記マーカーと前記シャフトの外表面との間に配置されてもよい。これにより、マーカーがシャフトから脱落することを補強体によって効果的に抑制できる。
 前記マーカー配置部は、最も先端側の1つの先端マーカー配置部と、前記マーカー配置部よりも基端側の少なくとも1つの基端側マーカー配置部と、を有し、前記先端マーカー配置部の内径は、前記基端側マーカー配置部の内径よりも小さくてもよい。これにより、カテーテルは、複数のマーカーを備えつつ、先端マーカー配置部によりガイドワイヤの保持性を効果的に向上させ、基端側マーカー配置部によりガイドワイヤの摺動性を効果的に向上させることができる。
 また、上記目的を達成するカテーテルの他の態様は、先端から基端まで連通するルーメンを有するシャフトを備えたカテーテルであって、前記シャフトは、前記ルーメンを形成する前記シャフトの内表面と前記シャフトの外表面の間の少なくとも一部に配置されて管状に編組された複数の線材を備える補強体と、前記補強体と前記外表面の間に配置された少なくとも1以上のX線不透過性のマーカーと、を有し、前記シャフトの前記マーカーが配置されたマーカー配置部の内径は、前記シャフトの前記マーカーが配置されていないマーカー不在部の内径よりも小さく、前記シャフトの軸心方向に前記マーカーと隣接する部分の前記シャフトの内径と、前記マーカーが配置された部分の前記シャフトの内径との差を内径差と定義し、前記マーカー不在部の内径から前記マーカー配置部の内径を減じた内径差の二分の一は、前記シャフトの径方向への前記マーカーの厚さよりも大きいことを特徴とする。
 上記のように構成したカテーテルの他の態様は、マーカー配置部の内径が、マーカー不在部の内径からマーカーの存在による減少よりさらに小さくなるため、ルーメンに挿入されるガイドワイヤの保持性を向上できる。また、マーカー不在部の内径が、マーカー配置部の内径よりも大きいため、カテーテル全体としてのガイドワイヤとの摺動抵抗を低減できる。
実施形態に係るカテーテルを示す平面図である。 実施形態に係るカテーテルの先端部を示す断面図である。 実施形態に係るカテーテルの先端部を示す拡大断面図である。
 以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法は、説明の都合上、誇張されて実際の寸法とは異なる場合がある。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。本明細書において、カテーテルの生体管腔に挿入する側を「先端側」、操作する側を「基端側」と称することとする。
 本実施形態に係るカテーテル1は、腕の橈骨動脈、足の大腿動脈あるいは下肢末梢動脈から血管内に導入されて下肢の動脈内まで挿入され、治療や診断等を行うために用いられる。カテーテル1は、例えばサポートカテーテルであるが、他の用途のデバイスであってもよい。下肢の動脈とは、大動脈腸骨動脈分岐部近傍及びより末梢側の動脈である。カテーテル1は、図1に示すように、長尺なシャフト2と、シャフト2の基端に連結されるハブ3と、シャフト2およびハブ3の連結部位に設けられる耐キンクプロテクタ4とを有している。
 シャフト2は、図1~3に示すように、可撓性を有する管状の部材であり、基端から先端にかけて内部にルーメン5が形成されている。ルーメン5は、カテーテル1の血管への挿入時に、ガイドワイヤが挿通される。また、ルーメン5は、薬液や塞栓物質、造影剤、医療器具等の通路として用いることもできる。
 シャフト2の有効長は、特に限定されないが、好ましくは200mm~2600mmであり、より好ましくは400mm~2300mm、さらに好ましくは600mm~2300mmであり、本実施形態では900mmである。これにより、カテーテル1は、下肢の動脈へ到達できる。なお、シャフト2の有効長は、血管やシース等の内部へ挿入可能な部位の長さである。本実施形態において、有効長は、耐キンクプロテクタ4の最先端からシャフト2の最先端までの長さである。シャフト2の有効長は、腕の動脈から導入する場合は1200mm以上、大腿動脈から導入する場合は、650mm以上、足背動脈や後脛骨動脈の遠位部から導入する場合は、300mm以上であることが好ましい。
でもよい。
 シャフト2は、複数の層で構成されており、ルーメン5の内表面11を形成する内層10と、内層10の径方向外側に配置される複数のマーカー30と、内層10およびマーカー30の径方向外側に配置される補強体20と、内層10、マーカー30および補強体20の径方向外側に形成される外層40とを備えている。径方向外側とは、シャフト2の軸中心から離れる側である。
 内層10の内径は、特に限定されないが、好ましくは0.2mm~1.2mmであり、より好ましくは0.4mm~1.1mm、さらに好ましくは0.4mm~0.55mmである。内層10の内径および外径は、マーカー30に覆われる位置において、シャフト2の軸心方向Xに隣接する部位よりも小さくなっている。実施品の内層10の内径は、基部のマーカー不在部52の内径が0.5mmであり、マーカー配置部51の内径は0.42mmであった。
 内層10は、内部にルーメン5が形成されている。内層10の構成材料は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等を適用でき、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂、高密度ポリエチレン(HDPE)等の低摩擦材料等が好ましいが、ポリアミド樹脂、ポリアミドエラストマーあるいはポリエステル、ポリエステルエラストマーなどでもよい。
 マーカー30は、内層10の径方向外側に配置されるX線不透過性(X線造影性)の部材である。マーカー30は、軸心方向Xにおいて最も先端側の先端マーカー31と、先端マーカー31よりも基端側に配置される複数の基部マーカー32とを備えている。先端マーカー31および複数の基部マーカー32は、軸心方向Xへ所定の長さで離れて配置されている。先端マーカー31および基部マーカー32の各々は、X線不透過性の材料からなる線材をコイル状に巻いて形成されるが、形態はこれに限定されない。例えば、各々のマーカー30は、軸心方向Xと直交する断面形状がC字状であり、内層10に被せた後にカシメられて管状に変形した部材であってもよい。または、各々のマーカー30は、丸線あるいはリボン形状のX線造影性金属のワイヤをコイル巻きにしたもの、もしくは、パイプであってもよい。基部マーカー32の数は、好ましくは2つまたは3つであるが、4つ以上であってもよい。なお、基部マーカー32は、1つのみであってもよく、または設けられなくてもよい。
 マーカー30の厚みTは、特に限定されないが、好ましくは0.02mm~0.1mmであり、より好ましくは0.03mm~0.08mm、さらに好ましくは0.03mm~0.04mmであり、本実施形態では0.03mmである。
 マーカー30の軸方向の長さは、特に限定されないが、好ましくは0.5mm~5mmであり、より好ましくは0.7mm~3mm、さらに好ましくは0.9mm~2mmであり、本実施形態では1mmであるが、例えば先端マーカー31と基部マーカー32の長さを変えてもよい。
 マーカー30の構成材料は、白金、金、銀、タングステン、イリジウムまたはこれらの合金による金属粉末、硫酸バリウム、酸化ビスマス、またはそれらのカップリング化合物のようなX線造影剤を混練した材料が好適に使用できるほか、金属コイルあるいは造影性を有するハンダでもよい。
 補強体20は、内層10およびマーカー30の外周囲に、複数の線材21を、隙間を有するように管状に編組して形成される。補強体20は、同一方向の横巻きや、右巻き・左巻き等、巻き方向を変えながら線材21を巻きつけてもよく、また、巻きピッチ、格子間距離、周方向に対する傾斜角度等を位置によって変更してもよく、構成は特に限定されない。例えば1本の線材21を一方向にコイル状に巻いてもよい。
 補強体20は、シャフト2の軸心方向Xの全体に配置されてもよいが、一部にのみ配置されてもよい。本実施形態において、補強体20の先端は、先端マーカー31と、先端マーカー31の基端側の基部マーカー32との間に配置されている。補強体20の基端は、シャフト2の基端の近傍であって、シャフト2の基端よりも多少先端側に配置されている。したがって、補強体20は、先端マーカー31の外周囲を覆わないが、複数の基部マーカー32の外周囲を覆っている。シャフト2の先端部の補強体20が配置されない部位は、高い柔軟性を有するため、ガイドワイヤに沿って湾曲方向を変更することが容易であり、かつ接触する生体組織の負担を低減できる。
 補強体20の線材21の線径(直径)は、特に限定されないが、好ましくは0.03mm~0.08mmであり、より好ましくは0.03mm~0.06mm、さらに好ましくは0.04mm~0.06mmであり、本実施形態では0.03mmである。
 補強体20に用いられる線材21は、ステンレス鋼、白金(Pt)・タングステン(W)等の金属線、樹脂繊維、炭素繊維、ガラス繊維等を適用でき、または、これらの線材21を複数併用してもよく、丸線、楕円線、平線でもよく、線材21は1本毎に網組用の1つの線として使用されてもよく、図3に示すように2本以上の線材21を束ねたものが網組用の1つの線として使用されてもよい。
 外層40は、内層10、マーカー30および補強体20の外周囲に配置される管体である。外層40の外径は、特に限定されないが、好ましくは0.6m~1.6mmであり、より好ましくは0.65mm~1.4mmであり、さらに好ましくは0.65mm~0.9mmであり、本実施形態では外層40の先端側で0.75mm、外層40の基部側で0.75mmである。
 外層40の構成材料は、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、或いはこれら二種以上の混合物等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素樹脂等の高分子材料或いはこれらの混合物等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を適用できる。外層40には、X線不透過物質を混合してもよく、外層40の構成材料は、内層10の構成材料と同じでもよい。
 シャフト2は、軸心方向Xにおいて、マーカー30が配置される複数のマーカー配置部51と、マーカー30が配置されない複数のマーカー不在部52とを備えている。マーカー配置部51およびマーカー不在部52は、軸心方向Xに交互に配置されている。
 各々のマーカー配置部51の内径は、マーカー不在部52の内径よりも小さい。これにより、マーカー30を配置することで、内層10や外層40が必要以上に薄くなってシャフト2の強度が低下することを抑制できる。また、先端マーカー31が配置される先端マーカー配置部53の内径は、基部マーカー32が配置される基部マーカー配置部54の内径よりも小さい。これにより、シャフト2の先端マーカー配置部53が設けられる先端部の内径は、ルーメン5を通るガイドワイヤの外径との差が小さくなるので、ガイドワイヤを効果的に保持できる。また、各々のマーカー配置部51の内表面の表面粗さは、マーカー不在部52の内表面の表面粗さよりも大きい。これにより、マーカー配置部51の内表面に対する接触対象物の接触面積は、マーカー不在部52の内表面に対する接触対象物の接触面積よりも小さくなる。このため、マーカー配置部51の内表面の摩擦抵抗は、マーカー不在部52の内表面の摩擦抵抗よりも小さい。したがって、マーカー配置部51の内表面に対する接触対象物の摺動性が向上する。
 表面粗さの測定方法は、JISB0601:2001(ISO4287:1997)により定義される。例えば、表面粗さは、基準長さにおける最大山高さRp、基準長さにおける最大谷深さRv、または基準長さにおける最大山高さRpと最大谷深さRvの和である最大高さRzとすることができるが、マーカー配置部51の内表面の表面粗さが、マーカー不在部52の内表面の表面粗さよりも大きければ測定方法を特に限定しない。
 各々のマーカー配置部51は、内周面に、略一定の内径D1を有する内径一定部55と、内径一定部55から先端方向へ向かって減少する内径を有する先端テーパ部56と、内径一定部55から基端方向へ向かって減少する内径を有する基端テーパ部57とを備えている。各々のマーカー配置部51は、先端テーパ部56および基端テーパ部57を有することで、ルーメン5を通るガイドワイヤがマーカー配置部51に引っ掛かることを抑制できる。マーカー配置部51の軸心方向Xの長さLは、マーカー30の軸方向長さより大きければ特に限定されないが、0.5mm以上であり、例えば0.7mm~3mmである。
 マーカー不在部52の内径D2からマーカー配置部51の内径D1を減じた内径差の二分の一である突出量Pは、当該マーカー配置部51に配置されるマーカーの径方向への厚さTよりも大きい。なお、マーカー配置部51の突出量Pは、当該マーカー配置部51に配置されるマーカー30の径方向への厚さTよりも小さくてもよい。マーカー配置部51の突出量Pは、特に限定されないが、好ましくは、当該マーカー配置部51に配置されるマーカー30の厚さTの0.5倍以上~1.2倍であり、本実施形態では0.04mmである。マーカー不在部52の内径D2は、特に限定されないが、好ましくは0.4mm~1.1mmであり、本実施形態では0.5mmである。
 ハブ3は、シャフト2の基端部が接着剤、熱融着または止具(図示せず)等により液密に固着されている。ハブ3は、ルーメン5内へのガイドワイヤや医療器具の挿入口、ルーメン5内への薬液や塞栓物質、造影剤等の注入口等として機能し、また、カテーテル1を操作する際の把持部としても機能する。ハブ3の構成材料は、特に限定されないが、例えば、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリサルホン、ポリアリレート、メタクリレート-ブチレン-スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂が好適に使用できる。
 耐キンクプロテクタ4は、シャフト2の周囲を囲むように設けられる弾性材料からなり、シャフト2とハブ3の連結部位におけるシャフト2のキンクを抑制する。耐キンクプロテクタ4の構成材料は、例えば、天然ゴム、シリコーン樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマー等が好適に使用できる。
 以上のように、本実施形態に係るカテーテル1は、先端から基端まで連通するルーメン5を有するシャフト2を備えたカテーテル1であって、シャフト2は、当該シャフト2の軸心方向Xの少なくとも1か所にX線不透過性のマーカー30を有し、シャフト2のマーカー30が配置されたマーカー配置部51の内径D1は、シャフト2のマーカー30が配置されていないマーカー不在部52の内径D2よりも小さく、マーカー配置部51の内表面の表面粗さは、マーカー不在部52の内表面の表面粗さよりも大きい。
 上記のように構成したカテーテル1は、内径の小さいマーカー配置部51により、ルーメン5に挿入されるガイドワイヤの保持性を向上できる。また、マーカー不在部52の内径D2がマーカー配置部51の内径D1よりも大きいため、カテーテル1全体としてのガイドワイヤとの摺動抵抗を低減できる。さらに、内径が小さいためにマーカー不在部52よりもガイドワイヤに接触しやすいマーカー配置部51の内表面11の表面粗さが、マーカー不在部52の内表面の表面粗さよりも大きいため、カテーテル1全体としてのガイドワイヤとの摺動抵抗を低減できる。したがって、本カテーテル1は、ルーメン5に挿入されるガイドワイヤを効果的に保持できるとともに、ガイドワイヤの摺動性を向上できる。
 また、前記マーカー不在部52の内径D2からマーカー配置部51の内径D1を減じた内径差の二分の一である突出量Pは、シャフト2の径方向へのマーカー30の厚さTよりも大きい。これにより、マーカー30をシャフト2の内部に無理なく埋設できるため、マーカー30を配置することによるシャフト2の強度低下を抑制できる。
 または、マーカー不在部52の内径D2からマーカー配置部51の内径D1を減じた内径差の二分の一である突出量Pは、シャフト2の径方向へのマーカー30の厚さTよりも小さくてもよい。これにより、マーカー30を配置することによってマーカー配置部51の肉厚が必要以上に大きくなることを抑制できる。また、マーカー配置部51の外表面が径方向外側へ突出することを抑制できる。このため、カテーテル1の生体管腔への挿入性の低下を抑制できる。
 また、カテーテル1は、シャフト2の外表面41と内表面11との間に配置されて管状に編組された複数の線材21を備える補強体20を有し、補強体20の少なくとも一部は、マーカー30とシャフト2の外表面との間に配置される。これにより、マーカー30がシャフト2から脱落したりずれたりすることを補強体20によって効果的に抑制できる。また、カテーテル1の製造時に、内層10にマーカー30を配置した状態で補強体20を被せることができるため、外層40を配置する前にマーカー30が内層10からずれることを抑制でき、製造が容易となる。
 また、マーカー配置部51は、最も先端側の1つの先端マーカー配置部53と、マーカー配置部51よりも基端側の少なくとも1つの基部マーカー配置部54と、を有し、先端マーカー配置部53の内径は、基部マーカー配置部54の内径よりも小さい。これにより、カテーテル1は、複数のマーカー30を備えつつ、先端マーカー配置部53によりガイドワイヤの保持性を効果的に向上させ、基部マーカー配置部54によりガイドワイヤの摺動性を効果的に向上させることができる。
 また、カテーテル1は、先端から基端まで連通するルーメン5を有するシャフト2を備え、シャフト2は、ルーメン5を形成するシャフト2の内表面11とシャフト2の外表面41の間の少なくとも一部に配置されて管状に編組された複数の線材21を備える補強体20と、補強体20と外表面41の間に配置された少なくとも1以上のX線不透過性のマーカー30とを有し、シャフト2のマーカー30が配置されたマーカー配置部51の内径D1は、シャフト2のマーカー30が配置されていないマーカー不在部52の内径D2よりも小さく、シャフト2の軸心方向にマーカー30と隣接する部分のシャフト2の内径D2と、マーカー30が配置された部分のシャフト2の内径D1との差を内径差と定義し、マーカー不在部52の内径D2からマーカー配置部51の内径を減じた内径差の二分の一は、シャフト2の径方向へのマーカー30の厚さTよりも大きい。
 上記のように構成したカテーテル1は、マーカー配置部51の内径D1が、マーカー不在部52の内径D2からマーカー30の存在による減少よりさらに小さくなるため、ルーメン5に挿入されるガイドワイヤの保持性を向上できる。また、マーカー不在部52の内径D2が、マーカー配置部51の内径D1よりも大きいため、カテーテル1全体としてのガイドワイヤとの摺動抵抗を低減できる。
 なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、カテーテル1は、腕の動脈以外の血管から挿入されてもよい。
  1  カテーテル
  2  シャフト
  5  ルーメン
  10  内層
  11  内表面
  20  補強体
  21  線材
  30  マーカー
  31  先端マーカー
  32  基部マーカー
  41  外表面
  51  マーカー配置部
  52  マーカー不在部
  53  先端マーカー配置部
  54  基部マーカー配置部
  55  内径一定部
  56  先端テーパ部
  57  基端テーパ部
  D1  マーカー配置部の内径
  D2  マーカー不在部の内径
  P  突出量
  X  軸心方向

Claims (6)

  1.  先端から基端まで連通するルーメンを有するシャフトを備えたカテーテルであって、
     前記シャフトは、当該シャフトの軸心方向の少なくとも1か所にX線不透過性のマーカーを有し、
     前記シャフトの前記マーカーが配置されたマーカー配置部の内径は、前記シャフトの前記マーカーが配置されていないマーカー不在部の内径よりも小さく、
     前記マーカー配置部の内表面の表面粗さは、前記マーカー不在部の内表面の表面粗さよりも大きいことを特徴とするカテーテル。
  2.  前記マーカー不在部の内径から前記マーカー配置部の内径を減じた内径差の二分の一は、前記シャフトの径方向への前記マーカーの厚さよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
  3.  前記マーカー不在部の内径から前記マーカー配置部の内径を減じた内径差の二分の一は、前記シャフトの径方向への前記マーカーの厚さよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のカテーテル。
  4.  前記シャフトの外表面と内表面との間に配置されて管状に編組された複数の線材を備える補強体を有し、
     前記補強体の少なくとも一部は、前記マーカーと前記シャフトの外表面との間に配置されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のカテーテル。
  5.  前記マーカー配置部は、最も先端側の1つの先端マーカー配置部と、前記マーカー配置部よりも基端側の少なくとも1つの基端側マーカー配置部と、を有し、
     前記先端マーカー配置部の内径は、前記基端側マーカー配置部の内径よりも小さいことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のカテーテル。
  6.  先端から基端まで連通するルーメンを有するシャフトを備えたカテーテルであって、
     前記シャフトは、
     前記ルーメンを形成する前記シャフトの内表面と前記シャフトの外表面の間の少なくとも一部に配置されて管状に編組された複数の線材を備える補強体と、
     前記補強体と前記外表面の間に配置された少なくとも1以上のX線不透過性のマーカーと、を有し、
     前記シャフトの前記マーカーが配置されたマーカー配置部の内径は、前記シャフトの前記マーカーが配置されていないマーカー不在部の内径よりも小さく、
     前記シャフトの軸心方向に前記マーカーと隣接する部分の前記シャフトの内径と、前記マーカーが配置された部分の前記シャフトの内径との差を内径差と定義し、
     前記マーカー不在部の内径から前記マーカー配置部の内径を減じた内径差の二分の一は、前記シャフトの径方向への前記マーカーの厚さよりも大きいことを特徴とするカテーテル。
PCT/JP2022/045156 2022-12-07 カテーテル WO2024121990A1 (ja)

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