JP2023172556A - 窒化物半導体発光素子の製造方法、及び窒化物半導体発光素子 - Google Patents

窒化物半導体発光素子の製造方法、及び窒化物半導体発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】品質が良好な窒化物半導体発光素子の製造方法、及び品質が良好な窒化物半導体発光素子を提供する。【解決手段】窒化物半導体発光素子1の製造方法は、誘導結合プラズマエッチングを実行し、第2AlN層11の表面に積層方向に延びる複数の凸部11Aを形成する凸部形成工程と、凸部形成工程の後にTHAH水溶液を用いたウェットエッチングを実行し、凸部11Aが有する積層方向に延びる外面11Dを所定の結晶面に整える整形工程と、を備える。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年2月25日、第69回 応用物理学会 春季学術講演会の予稿集に要約として、窒化物半導体発光素子の製造方法、及び窒化物半導体発光素子に関する研究について公開した。 令和4年3月26日、第69回 応用物理学会 春季学術講演会において、窒化物半導体発光素子の製造方法、及び窒化物半導体発光素子に関する研究について公開した。
本発明は窒化物半導体発光素子の製造方法、及び窒化物半導体発光素子に関するものである。
紫外発光デバイスは、絶縁性を有するサファイア基板、又はAlN基板を下地層として用い、下地層に成長させたAlGaN系窒化物半導体結晶を用いて作製されることが知られている。例えば、非特許文献1には、サファイア基板の表面にAlN層を形成した後、AlN層の表面に誘導結合プラズマエッチングによって複数の凸部を形成した基板を用いることによって、AlN層に積層されるAlGaN層の上部における転位密度を低下させる一方で、不規則に現れる大型のヒロックやV字型のピットの形成を抑制することが開示されている。
ここで、さらに転位密度を低減させるには、凸部の間にボイドを形成することが有効であることが知られている。具体的には、凸部を形成する際に深くエッチングをして、その上にAlGaN層を積層させてボイドを形成することによって転位密度を低減し得る。しかしながら、ボイドを形成すると、大型のヒロックやV字型のピットが増加することがわかった。誘導結合プラズマエッチングによって深くエッチングして形成された複数の凸部を観察すると、各凸部における積層方向に延びる外面が曲面状をなしており、特定の結晶面以外の様々な結晶面が表れた状態になっているものと考えられる。そして、外面がこのような状態であることが、AlN層に積層されるAlGaN層に少なからず影響を与え、ヒロックやV字型ピットの発生によるAlGaN層表面の平坦性を悪化させる要因であると考えられる。このため、複数の凸部における外面を整える手法の確立が望まれている。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、品質が良好な窒化物半導体発光素子の製造方法、及び品質が良好な窒化物半導体発光素子を提供することを解決すべき課題としている。
第1発明の窒化物半導体発光素子の製造方法は、
ドライエッチングを実行し、下地層の表面に積層方向に延びる複数の凸部を形成する凸部形成工程と、
前記凸部形成工程の後にアルカリ性を有する液体を用いたウェットエッチングを実行し、前記凸部が有する前記積層方向に延びる面を所定の結晶面に整える整形工程と、
を備える。
この構成によれば、凸部形成工程において、効率よく凸部のおおよその形状を形成し、整形工程において、凸部の積層方向に延びる面を所定の結晶面に整えることができるので、効率よく所定の結晶面に整えられた凸部を形成することができる。ここでいう所定の結晶面とは、凸部の積層方向に直線状をなして延びる結晶面であり、単一の結晶面だけでなく、複数の結晶面が積み重なった状態において、各結晶面の端部が階段状に露出して形成された面も含む。
第2発明の窒化物半導体発光素子は、
積層方向に延びる複数の凸部が形成された下地層を備え、
前記凸部は、基端から先端にかけて積層方向に延びる所定の結晶面を有している。
この構成によれば、凸部は、積層方向に延びる所定の結晶面を有しているので、凸部を核として結晶成長する場合に、ヒロックやV字型ピットの発生を抑制して結晶表面の平坦性を向上させた結晶成長が行い易い。
実施例1の窒化物半導体発光素子の構造を示す模式図である。 実施例1の窒化物半導体発光素子において、凸部形成工程を実行後における凸部を形成した第2AlN層の表面の電子顕微鏡画像であり、(A)は、平面視の電子顕微鏡画像であり、(B)は側面視の電子顕微鏡画像であり、(C)は斜め上方から見た電子顕微鏡画像である。 実施例1の窒化物半導体発光素子において、整形工程を実行後における凸部を形成した第2AlN層の表面の電子顕微鏡画像であり、(A)は、平面視の電子顕微鏡画像であり、(B)は側面視の電子顕微鏡画像であり、(C)は斜め上方から見た電子顕微鏡画像である。 (A)は実施例1の窒化物半導体発光素子の第2ガイド層の表面の電子顕微鏡画像であり、(B)は、比較例1のサンプルの第2ガイド層の表面の電子顕微鏡画像である。 (A)は実施例1の窒化物半導体発光素子において、第2AlN層と、u-AlGaN層とを拡大して示す電子顕微鏡画像であり、(B)は比較例1のサンプルにおいて、第2AlN層と、u-AlGaN層とを拡大して示す電子顕微鏡画像である。 実施例1の窒化物半導体発光素子、及び比較例1のサンプルにおける励起光強度に対する発光強度を示すグラフである。
本発明における好ましい実施の形態を説明する。
第1発明において、アルカリ性を有する液体は、TMAH水溶液であり、
整形工程において、下地層の凸部の頂部の表面は、SiO2に覆われ得る。TMAH水溶液を用いたエッチングは、従来、表面がIII族極性面の表面の場合、エッチングされないことが知られている。しかしながら、凸部頂部の表面がIII族極性面であってもSiO2膜で覆われていないと、TMAH水溶液でエッチングした場合、横方向からのエッチングが進行するため、凸部は徐々に消滅していく。しかし、この構成によれば、整形工程において凸部の頂部の表面がSiO2で覆われているため、凸部の頂部の横方向からのエッチングを抑制することができる。これにより、凸部の上部からのエッチングを防ぐことができ、TMAH水溶液を用いて積層方向に延びる面を所定の結晶面に整えることができる。
第1発明において、凸部は、柱状をなしており、整形工程を実行した後における凸部の基端の外径は、100nmから500nmであり得る。この構成によれば、微細な構造を保ちつつ、柱状に延びる凸部を折損し難くすることができる。
第1発明において、凸部の基端から先端までの長さは、700nmから2000nmであり得る。この構成によれば、凸部を折損し難くすることができる。
第2発明において、凸部は柱状をなしており、凸部の基端の外径は、100nmから500nmであり得る。この構成によれば、微細な構造を保ちつつ、柱状に延びる凸部を折損し難くすることができる。
第2発明において、凸部の基端から先端までの長さは、700nmから2000nmであり得る。この構成によれば、凸部を折損し難くすることができる。
次に、第1発明の窒化物半導体発光素子の製造方法、及び第2発明の窒化物半導体発光素子を具体化した実施例1について、図面を参照しつつ説明する。
<実施例1>
実施例1の窒化物半導体発光素子1は、図1に示すように、サファイア基板10A、第1AlN層10B、第2AlN層11、u-AlGaN層12A、n-AlGaN層12B、第1ガイド層13A、二重量子井戸活性層13B、及び第2ガイド層13Cを備えている。実施例1の窒化物半導体発光素子1は、MOCVD法(有機金属気相成長法)を用いて積層して結晶成長する。
サファイア基板10AはC面((0001)面)が表面(表は図1における上側である、以下同じ)である。第1AlN層10Bは、サファイア基板10Aの表面に、スパッタ法を用いて積層される。第1AlN層10Bは、下地層である。第1AlN層10Bは、AlNを含む。第1AlN層10BのAlNのモル分率は、100%である。第1AlN層10Bの厚みは450nmである。第1AlN層10Bを積層したところで、N2(窒素)雰囲気中で1700℃、3時間アニールを行う。こうして、サファイア基板10A、及び第1AlN層10Bを有するスパッタ法を用いたAlNテンプレート基板10を作製する。その後、MOCVD法を用いて層構造を形成する。
MOCVD法を実行することができる反応炉(以下、単に、反応炉ともいう)内にAlNテンプレート基板10を配置し、AlNテンプレート基板10の表面(第1AlN層10Bの表面)にN(窒素)原料であるNH3(アンモニア)を流しながら(以下、供給は停止しない)、H2(水素)雰囲気中で、AlNテンプレート基板10の温度を1200℃まで昇温した後、10分間保持する。
次に、第1AlN層10Bの表面に第2AlN層11を積層して結晶成長する。第2AlN層11の厚みは1550nmである。第2AlN層11は、AlNテンプレート基板10の温度を1200℃にした状態で、Al(アルミニウム)原料のTMAl(トリメチルアルミニウム)を反応炉内に供給して形成する。第2AlN層11のAlNのモル分率は、100%である。第2AlN層11は、AlNを含む。第2AlN層11は、下地層である。第1AlN層10Bと第2AlN層11との厚みの合計(すなわち下地層の厚み)は2000nmである。
[凸部形成工程について]
次に、第2AlN層11(下地層)の表面に積層方向に柱状をなして延びる複数の凸部11Aを形成する凸部形成工程を実行する。具体的には、第2AlN層11の表面にスパッタ装置を用いてSiO2層を420nm積層させる。そして、SiO2層の表面にレジストを塗布してレジスト膜を形成した後に、ナノインプリント装置を用いて、ピッチ1000nm、外径500nmの微細なパターンをレジスト膜に形成する。この微細なパターンよりも外側の部分は、SiO2層の表面が露出する。そして、ICP装置を用いて、露出したSiO2層をCF4ガスにてドライエッチングである誘導結合プラズマエッチングを実行し、続いて、バッファードフッ酸を用いて、SiO2層の残渣を除去する。そして、Cl2ガスを用いて、第2AlN層11の表面側を1000nmの深さになるように誘導結合プラズマエッチングを施した。こうして、図2に示すように、第2AlN層11の表面側に、ピッチがおよそ1000nm、先端における外径がおよそ416nmから435nm、高さがおよそ924nmの凸部11Aを複数形成する。こうして、凸部形成工程を実行する。つまり、第2AlN層11は、積層方向に延びる複数の凸部が形成されている。
凸部形成工程を実行した後の凸部11Aが有する積層方向に延びる外面11Dは、図2(B)(C)に示すように、径方向内向きに湾曲しており、基端から先端にかけて外径が徐々に小さくなっている。凸部11Aの外面11Dと、外面11Dの基端に連続する周辺の底面11Eとは、なだらかに連続しており、凸部11Aの基端と、基端に連続する周辺の底面との境界が明瞭でない(図2(B)参照)。
[整形工程について]
凸部形成工程の後に整形工程を実行する。具体的には、アルカリ性を有する液体である25%のTMAH(Tetramethyl ammonium hydroxide)水溶液を用いて、複数の凸部11Aが形成された第2AlN層11(下地層)の表面に対して5分間ウェットエッチングを実行する。TMAH水溶液の温度は、85℃である。整形工程において、凸部11A(第2AlN層11(下地層))の頂部の表面は、SiO2で覆われている。このため、凸部11Aの頂部は、横方向からのエッチングが抑制される。これにより、凸部11Aの上部からのエッチングを防ぐことができる。その後、マスクとして利用したSiO2層及びレジスト膜をバッファードフッ酸を用いて除去する。
整形工程を実行した後の凸部11Aが有する積層方向に延びる外面11Bは、図3(B)に示すように、基端から先端にかけて概ね直線状をなし、且つ基端から先端に向かうにつれて外径が徐々に大きくなっている。また、凸部11Aの外面11Bと、外面11Bに連続する周辺の底面11Cとの境界が明瞭に表れている。凸部11Aの外面11Bは、基端から先端にかけて特定の結晶面が明瞭に形成されている。そして、底面11Cは、特定の結晶面であるC面等が明瞭に形成されている。つまり、整形工程は、凸部11Aが有する積層方向に延びる面を所定の結晶面に整える。こうして、図3に示すように、第2AlN層11の表面側にピッチがおよそ1000nm、先端の外径がおよそ375nmから390nm、基端の外径がおよそ308nmから313nm、高さがおよそ1280nmの凸部11Aを複数形成する。つまり、凸部11Aは、基端から先端にかけて積層方向に延びる所定の結晶面を有している。なお、凸部11Aの基端の外径は、100nmから500nmでもよく、好ましくは、200nmから400nmであり、より好ましくは、200nmから300nmである。また、凸部11Aの基端から先端までの長さは、700nmから2000nmでもよく、好ましくは、800nmから1500nmであり、より好ましくは、800nmから1200nmである。
次に、凸部11Aを形成した第2AlN層11の表面にu-AlGaN層12Aを積層して結晶成長させる。具体的には、凸部11Aを形成したAlNテンプレート基板10を再び反応炉に配置する。そして、AlNテンプレート基板10の温度を1200℃まで昇温し、所定の温度に達したら、AlNのモル分率が68%になるようにH2、TMGa、TMAl、NH3を反応炉内に供給する。反応炉内の圧力は、7kPaである。u-AlGaN層12Aの厚みは、5μmである。u-AlGaN層12Aの厚みを5μmにすることによって、凸部11Aが形成された第2AlN層11の表面を埋め込んで平坦化させることができる。u-AlGaN層12Aには、SiやMg等の不純物を添加していないが、u-AlGaN層12Aに変えて、Siなどをドーピングしたn-AlGaN層としても良い。ここで、u-AlGaN層12Aの厚みは、凸部11Aの基端からu-AlGaN層12Aの表面までの寸法である。
次に、u-AlGaN層12Aの表面に、n-AlGaN層12Bを積層して結晶成長させる。具体的には、H2、TMGa、TMAl、NH3の反応炉内への供給を継続しつつ、SiH4を反応炉内に供給する。n-AlGaN層12BにおけるSiの添加濃度は6×1018cm-3になるように原料の供給流量を調整する。n-AlGaN層12Bの厚みは4μmである。n-AlGaN層12BのAlNのモル分率は、62%である。
次に、n-AlGaN層12Bの表面に第1ガイド層13A、二重量子井戸活性層13B、第2ガイド層13Cを積層して結晶成長させる。具体的には、AlNテンプレート基板10の温度を1050℃まで降温し、反応炉内の圧力を30kPaにする。そして、TMGaからTEGa(トリエチルガリウム)に切り替える。そして、AlNテンプレート基板10の温度が所定の温度に達したら、150nmの厚みの第1ガイド層13A(AlNのモル分率は、48%)、4nmの厚みの井戸層(AlNのモル分率は、30%)及び8nmの厚みの障壁層(AlNのモル分率は、48%)が2組積層された二重量子井戸活性層13B、及び150nmの厚みの第2ガイド層13C(AlNのモル分率は、48%)の順に積層して結晶成長させる。
そして、TMGa、及びTMAlの反応炉内への供給を停止して、結晶成長を終了させ、H2とNH3を反応炉内に流しながら室温までAlNテンプレート基板10の温度を降温する。AlNテンプレート基板10の温度が室温になった後、反応炉のパージを十分行い、AlNテンプレート基板10を反応炉から取り出す。こうして、図1に示す層構造を有する窒化物半導体発光素子1が完成する。
ここで、実施例1の窒化物半導体発光素子1の作製手順の内の整形工程を実行しない比較例1のサンプルを作製した。図4に示すように、実施例1の窒化物半導体発光素子1の表面(第2ガイド層13Cの表面)は、比較例1のサンプルに比べて、ピットの密度が小さく、凹凸が少ない(すなわち、表面状態が良好である)ことがわかった。
図5に示すように、実施例1の窒化物半導体発光素子1、及び比較例1のサンプルの凸部11Aの基端部の周囲には、ともに空間Vo(ボイド)が形成されている。実施例1の窒化物半導体発光素子1は、空間Voに臨む凸部11Aの外面11B、及び底面11Cを覆うようにu-AlGaN層12Aが形成されている(図5(A)参照)。比較例1のサンプルは、空間Voに臨む凸部11Aの外面11D、及び底面11Eを覆うようにu-AlGaN層12Aが形成されている(図5(B)参照)。実施例1と比較例1とは、空間Vo(ボイド)の形状は異なるものの平坦性につながると思われる形状の違いは明確ではない。但し、実施例1と比較例1の凸部11Aの外面の形状が異なることによって、外面からの結晶の成長形状が異なり、これによって、u-AlGaN層12Aで埋め込んだ時の表面形状が異なってくることが影響していると考えられる。また、比較例1の凸部11Aの外面11Dの形状は、実施例1の凸部11Aの外面11Bより形状ばらつきが大きいことも影響していると考えられる。
次に、実施例1の窒化物半導体発光素子1及び比較例1のサンプルの各々に共振器長300μmの光励起レーザ構造(図示せず)を作製し、YAGレーザの4倍高調波(λ=266nm)を用いて光励起レーザの評価を室温にて行った結果を図6に示す。
実施例1の窒化物半導体発光素子1、及び比較例1のサンプルともに、波長約300nmにてレーザ発振することがわかった。レーザ発振の閾値励起光強度は、実施例1の窒化物半導体発光素子1において23kW/cm2であり、比較例1のサンプルにおいて63kW/cm2であった。つまり、整形工程を実行することによって、レーザ発振の閾値励起光強度をおよそ1/3にすることができ、大幅に特性が改善することがわかった。
カソードルミネッセンスによる暗点密度を測定した結果、実施例1の窒化物半導体発光素子1は、3.8×108/cm2であり、比較例1のサンプルは、3.4×108/cm2であることがわかった(図視せず)。すなわち、実施例1の窒化物半導体発光素子1におけるカソードルミネッセンスによる暗点密度の測定結果は、比較例1のサンプルのものと同等であり、有意な差が認められないことがわかった。
この結果から、実施例1の窒化物半導体発光素子1における閾値励起光強度が、比較例1のサンプルのものより良好となった原因は、ウエハ(下地層)の表面状態に起因するものと考えられる。例えば、誘導結合プラズマエッチングのみで凸部11Aを形成した場合、凸部11Aの外面11Dや、底面11Eの形状にばらつきが生じる(図2(B)参照)。これに対して、整形工程を実行すると、凸部11Aの外面11Bや底面11Cにおいて、明瞭な結晶面が表れる(図3(B)参照)。これによって、均一に結晶成長することができ、内部ロスが低減し、閾値励起光強度が低減できたと考えられる。
次に、上記実施例における作用を説明する。
この窒化物半導体発光素子の製造方法は、誘導結合プラズマエッチングを実行し、第2AlN層11の表面に積層方向に延びる複数の凸部11Aを形成する凸部形成工程と、凸部形成工程の後にTMAH水溶液(アルカリ性を有する液体)を用いたウェットエッチングを実行し、凸部11Aが有する積層方向に延びる外面11Dを所定の結晶面に整える整形工程と、を備える。この構成によれば、凸部形成工程において、効率よく凸部11Aのおおよその形状を形成し、整形工程において、凸部11Aの積層方向に延びる外面11Dを所定の結晶面に整えることができるので、効率よく所定の結晶面に整えられた凸部11Aを形成することができる。
窒化物半導体発光素子1は、積層方向に延びる複数の凸部11Aが形成された第2AlN層11を備え、凸部11Aは、基端から先端にかけて積層方向に延びる所定の結晶面を有している。この構成によれば、凸部11Aは、積層方向に延びる所定の結晶面を有しているので、凸部11Aを核として結晶成長する場合に、ヒロックやV字型ピットの発生を抑制して結晶表面の平坦性を向上させた結晶成長が行い易い。
アルカリ性を有する液体は、TMAH水溶液であり、整形工程において、第2AlN層11の凸部11Aの頂部の表面は、SiO2で覆われている。TMAH水溶液を用いたエッチングは、従来、III族極性面の表面の場合、エッチングされないことが知られている。しかしながら、凸部頂部の表面がIII族極性面であってもSiO2膜で覆われていないと、TMAH水溶液でエッチングした場合、横方向からのエッチングが進行するため、凸部は徐々に消滅していく。しかし、この構成によれば、凸部11Aの頂部の表面がSiO2で覆われているため、凸部11Aの頂部の横方向からのエッチングを抑制することができる。これにより、凸部11Aの上部からのエッチングを防ぐことができ、TMAH水溶液を用いて積層方向に延びる面を所定の結晶面に整えることができる。
本発明の窒化物半導体発光素子の製造方法において、凸部11Aは、柱状をなしており、整形工程を実行した後における凸部11Aの基端の外径は、100nmから500nmである。この構成によれば、微細な構造を保ちつつ、柱状に延びる凸部11Aを折損し難くすることができる。
本発明の窒化物半導体発光素子の製造方法において、凸部11Aの基端から先端までの長さは、700nmから2000nmである。この構成によれば、凸部11Aを折損し難くすることができる。
本発明の窒化物半導体発光素子1において、凸部11Aは柱状をなしており、凸部11Aの基端の外径は、100nmから500nmである。この構成によれば、微細な構造を保ちつつ、柱状に延びる凸部11Aを折損し難くすることができる。
本発明の窒化物半導体発光素子において、凸部11Aの基端から先端までの長さは、700nmから2000nmである。この構成によれば、凸部11Aを折損し難くすることができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例1に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例1では、n型不純物としてSiを添加してn-AlGaN層としているが、これに限らず、n型不純物である、Ge、Te等であっても良い。また、p型不純物としてMg、Zn,Be、Ca、Sr、及びBa等を添加して、p-AlGaN層としてもよい。また、初期にu-AlGaN層を成長し、その後にn-AlGaN層を用いる構造でも良い。
(2)実施例1ではサファイア基板を使用しているが、AlN基板等の他の基板にAlN層を積層して結晶成長しても良い。
(3)実施例1では、下地層として第1AlN層、第2AlN層を用いているが、下地層にAlGaNを用いてもよい。つまり、下地層は、AlGaN及びAlNのいずれかで形成されていればよい。
(4)実施例1では、下地層にスパッタで作製したAlN層を含めているが、スパッタに変えて、MO―VPE成長のAlN層のみでも良い。
(5)実施例1に限らず、外面を有する凸部を含んだ構成を用いる場合に、凸部形成工程と整形工程とを実行して外面が整えられた凸部を形成してもよい。すなわち、窒化物半導体発光素子以外の半導体素子構造を製造する場合にも本発明を適用することができる。
(6)TMAH水溶液に代えて、KOH水溶液を用いてもよい。TMAH水溶液、及びKOH水溶液は、ともにアルカリ性を有した液体である。
(7)誘導結合プラズマエッチングに代えて、ECRプラズマエッチングなど、他の反応性イオンエッチング法を実行してもよい。
(8)窒化物半導体のドライエッチングのマスクとしてSiO2を用いたが、Ni、Al23を用いてもよい。
1…窒化物半導体発光素子
11…第2AlN層(下地層)
11A…凸部
11D…外面(凸部が有する積層方向に延びる面)
11E…底面(凸部の基端に連続する底面)

Claims (7)

  1. ドライエッチングを実行し、下地層の表面に積層方向に延びる複数の凸部を形成する凸部形成工程と、
    前記凸部形成工程の後にアルカリ性を有する液体を用いたウェットエッチングを実行し、前記凸部が有する前記積層方向に延びる面を所定の結晶面に整える整形工程と、
    を備える窒化物半導体発光素子の製造方法。
  2. 前記アルカリ性を有する液体は、TMAH水溶液であり、
    前記整形工程において、前記下地層の前記凸部の頂部の表面は、SiO2に覆われている請求項1に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  3. 前記凸部は、柱状をなしており、
    前記整形工程を実行した後における前記凸部の基端の外径は、100nmから500nmである請求項1又は請求項2に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  4. 前記凸部の基端から先端までの長さは、700nmから2000nmである請求項1又は請求項2に記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
  5. 積層方向に延びる複数の凸部が形成された下地層を備え、
    前記凸部は、基端から先端にかけて前記積層方向に延びる所定の結晶面を有している窒化物半導体発光素子。
  6. 前記凸部は柱状をなしており、前記凸部の基端の外径は、100nmから500nmである請求項5に記載の窒化物半導体発光素子。
  7. 前記凸部の基端から先端までの長さは、700nmから2000nmである請求項5又は請求項6に記載の窒化物半導体発光素子。
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