JP2023172267A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ねじ軸の全長を長くすることなく、ステアリングコラムの脱落をより確実に抑制することができるステアリング装置を提供すること。【解決手段】ステアリング装置は、ステアリングシャフトの外側に配置される第1ステアリングコラムと、第1ステアリングコラムの外側に配置され且つ第1ステアリングコラムに対して第1方向に相対移動が可能な第2ステアリングコラムと、を備える。第1ステアリングコラムは、第1方向に交差する第2方向に延びるピンを有する。第2ステアリングコラムは、ピンに対して第1方向の一方側に配置され且つピンに当接して第1ステアリングコラムの移動を阻止することが可能な凸部を有する。【選択図】図2
Description
本開示は、ステアリング装置に関する。
特許文献1に示す格納式ステアリング装置が公知である。格納式ステアリング装置においては、伸縮可能なステアリングコラムを軸方向に縮ませてステアリングホイールを例えばダッシュボード内に格納させる。ステアリングコラムは、複数のステアリングコラムが連結されて軸方向に伸縮する。格納式ステアリング装置は、例えば、ステアリングホイールが連結されるステアリングシャフトの外側に設けられる第1ステアリングコラムと、第1ステアリングコラムの外側に設けられる第2ステアリングコラムと、第1ステアリングコラムと第2ステアリングコラムとの軸方向距離を変えるアクチュエータ装置と、を備える。
アクチュエータ装置は、ねじ軸およびナットを有するボールねじと、モータと、を備える。ねじ軸の軸方向の一方側が第1ステアリングコラムに設けられ、ねじ軸の軸方向の他方側にナットが噛み合って当該ナットが第2ステアリングコラムに設けられる。モータが稼動して回転すると、ねじ軸が回転しナットがねじ軸に対して相対的に軸方向に移動する。これにより、第1ステアリングコラムに対して第2ステアリングコラムが軸方向に移動する。
ここで、第1ステアリングコラムに対して第2ステアリングコラムの軸方向位置が所定位置になるとモータが停止して第2ステアリングコラムの移動が止まる。しかし、例えばモータが故障して第2ステアリングコラムが所定位置で止まらない場合、第2ステアリングコラムが第1ステアリングコラムから脱落する可能性がある。
この脱落防止のために、特許文献1において、ねじ軸の先端には、ねじ軸の雄ねじ部分よりも径が大きく且つナットに当接可能な突起が設けられる。当該突起にナットが当たるとナットの回転が止まり、当該ナットがねじ軸の先端から抜けないようになっており、これにより、第2ステアリングコラムが第1ステアリングコラムから脱落することを抑制している。
特許文献1では、ねじ軸の先端にナットの移動を規制するための突起を設けるため、ねじ軸の全長が長くなる。ねじ軸の長さを短くするためには、突起の軸方向長さを短く(薄く)する必要があるが、突起を薄くした場合には、ナットと突起が当接した場合、突起が変形し、ナットの移動を規制できず、ステアリングコラムが脱落するおそれがある。すなわち、ねじ軸の全長を長くすることなく、ステアリングコラムの脱落をより確実に抑制することができるステアリング装置が望まれる。
本開示は、前記課題に鑑みてなされたものであって、ねじ軸の全長を長くすることなく、ステアリングコラムの脱落をより確実に抑制することができるステアリング装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本開示の一態様に係るステアリング装置は、第1方向に延び且つ第1方向の一方側の端部にステアリングホイールが連結されるステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトの外側に配置される第1ステアリングコラムと、前記第1ステアリングコラムの外側に配置され且つ前記第1ステアリングコラムに対して第1アクチュエータ装置を介して第1方向に相対移動が可能な第2ステアリングコラムと、を備え、前記第1ステアリングコラムは、第1方向に交差する第2方向に延びるピンを有し、前記第2ステアリングコラムは、前記ピンに対して第1方向の一方側に配置され且つ前記ピンに当接可能な凸部を有する。
前述したように、特許文献1では、ねじ軸の先端にナットの移動を規制するための突起を設けるため、ねじ軸の全長が長くなる。よって、ねじ軸の全長を長くすることなく、ステアリングコラムの脱落をより確実に抑制することができるステアリング装置が望まれる。
これに対して、本開示では、第1ステアリングコラムに設けられて第2方向に延びるピンを有する。ピンが第2ステアリングコラムの凸部に当接して、第2ステアリングコラムの第1ステアリングコラムからの脱落を抑制することができる。このように、本開示によれば、ねじ軸の全長を長くすることなく、ステアリングコラムの脱落をより確実に抑制することができるステアリング装置を提供することが可能となる。
本開示の他の態様では、前記凸部は、第1方向および第2方向に交差する第3方向へ突出するため、ピンが凸部により当接しやすくなり、ステアリングコラムの脱落をより確実に抑制することができる。
本開示の他の態様では、前記凸部には、第1方向の他方側に切欠き部が設けられ、当該切欠き部に前記ピンが当接可能である。このように、ピンが切欠き部に当接するため、ピンの位置が切欠き部からずれにくくなり、第2ステアリングコラムの第1ステアリングコラムからの脱落をより確実に抑制することができる。
本開示の他の態様では、前記凸部は、第2方向から見て矩形状の形状を有する板状部材であり、前記板状部材における第1方向の他方側の辺と第3方向の一方側の辺との角部に前記切欠き部が設けられる。換言すると、凸部は、第1方向に延びる板状部材であるため、第1方向に向かう力に対する凸部の剛性がより大きくなり、第2ステアリングコラムの第1ステアリングコラムからの脱落をより確実に抑制することができる。
本開示の他の態様では、前記ステアリングシャフトと前記第1ステアリングコラムとの間には、第1方向に沿って延びる第3ステアリングコラムが設けられ、当該第3ステアリングコラムは、前記第1ステアリングコラムに対し第2アクチュエータ装置を介して第1方向に相対移動が可能であり、前記第2アクチュエータ装置は、前記ピンを介して前記第1ステアリングコラムに取り付けられる。換言すれば、ピンは、第2アクチュエータ装置および第1ステアリングコラムに取り付けられるため、ピンの取付剛性がより向上する。よって、ピンがより損傷しにくくなり第2ステアリングコラムの第1ステアリングコラムからの脱落をより確実に抑制することができる。
本開示の他の態様では、前記第2アクチュエータ装置における前記第1ステアリングコラムとの取付部には、第2方向に貫通する貫通孔が設けられ、前記第1ステアリングコラムは、第3方向の一方側に突出するフランジを有し、当該フランジには、第2方向に貫通する貫通孔が設けられ、前記ピンが前記取付部の貫通孔と前記フランジの貫通孔とを貫通して、前記第2アクチュエータ装置が前記第1ステアリングコラムに取り付けられる。従って、ピンの取付剛性がより向上するため、ピンが更に損傷しにくくなり第2ステアリングコラムの第1ステアリングコラムからの脱落をより確実に抑制することができる。
本開示の一態様に係るステアリング装置は、第1方向に延び且つ第1方向の一方側の端部にステアリングホイールが連結されるステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトの外側に配置される第1ステアリングコラムと、前記第1ステアリングコラムの外側に配置され且つ前記第1ステアリングコラムに対して第1方向に相対移動が可能な第2ステアリングコラムと、前記ステアリングシャフトと前記第1ステアリングコラムとの間に配置され且つ第1方向に沿って延びる第3ステアリングコラムと、を備え、前記第3ステアリングコラムは、前記第1ステアリングコラムに対して、モータおよびギヤボックスを含む第1アクチュエータ装置を介して第1方向に相対移動が可能であり、前記第2ステアリングコラムは、前記モータおよび前記ギヤボックスに対して第1方向の一方側に配置され且つ前記モータまたは前記ギヤボックスと当接可能なフレーム部を有する。
従って、フレーム部と第1アクチュエータ装置のモータまたはギヤボックスとが当接可能である。フレーム部とモータまたはギヤボックスとは、前述したピンおよび板状部材よりも剛性を高くすることが容易である。従って、フレーム部およびモータまたはギヤボックスの損傷がより小さくなり、第2ステアリングコラムの第1ステアリングコラムからの脱落をより確実に抑制することができる。なお、これによっても、ねじ軸の全長を長くすることなく、ステアリングコラムの脱落をより確実に抑制することができるステアリング装置を提供することが可能となる。
本開示のステアリング装置によれば、ねじ軸の全長を長くすることなく、ステアリングコラムの脱落をより確実に抑制することができるステアリング装置を提供することが可能となる。
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、構成が同じものには同一符号を付けて説明を省略する。なお、XYZ直交座標において、Y方向はX方向と直交(交差)する。Z方向は、X方向およびY方向に直交(交差)する。X1側は、X2側の反対側であり、Y1側は、Y2側の反対側であり、Z1側は、Z2側の反対側である。以下の説明において、X方向は第1方向に相当し、Z方向は第2方向に相当し、Y方向は第3方向に相当する。X2側は第1方向の一方側、X1側は第1方向の他方側、Z1側は第2方向の一方側、Z2側は第2方向の他方側、Y1側は第3方向の一方側、Y2側は第3方向の他方側である。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態におけるステアリング装置の斜視図である。図2は、第1実施形態におけるステアリング装置の斜視図であり、ピンと凸部とが離隔している状態を示している図である。図3は、第1実施形態におけるステアリング装置の斜視図であり、第2アクチュエータ装置を組み付ける状態を示している図である。
図1は、第1実施形態におけるステアリング装置の斜視図である。図2は、第1実施形態におけるステアリング装置の斜視図であり、ピンと凸部とが離隔している状態を示している図である。図3は、第1実施形態におけるステアリング装置の斜視図であり、第2アクチュエータ装置を組み付ける状態を示している図である。
第1実施形態において、ステアリング装置100は、たとえば、格納式ステアリング装置である。格納式ステアリング装置においては、車両の運転をしない場合は、伸縮可能なステアリングコラムを軸方向に縮ませてステアリングホイールを例えばダッシュボード内に格納させることができる。また、車両の運転をする場合は、ステアリングコラムを軸方向に伸長させ、ステアリングホイールを例えばダッシュボード内から車室内に突出させることができる。以下、詳細に説明する。
図1から図3に示すように、ステアリング装置100は、ステアリングシャフト1と、インナーコラム2(第3ステアリングコラム)と、中間コラム3(第1ステアリングコラム)と、アウターコラム4(第2ステアリングコラム)と、第1アクチュエータユニット113と、第2アクチュエータユニット5と、を備える。
図1から図3に示すように、ステアリングホイール105は、ステアリングシャフト1におけるX2側の端部に連結されている。X2側の端部は、後方端部または第1方向の一方側の端部とも称される。そして、運転者がステアリングホイール105を操作すると、第1中心軸AX1を中心にステアリングシャフト1が回転し、ステアリングシャフト1に操作トルクが付与される。このように、ステアリングシャフト1は、ステアリングホイール105に連結され且つX方向(第1方向、軸方向)に延びる。
インナーコラム2の内周には、ステアリングシャフト1が挿入される。換言すると、ステアリングシャフト1の外側に筒状のインナーコラム2が配置される。インナーコラム2は、第3ステアリングコラムとも称される。インナーコラム2は、ステアリングシャフト1に対して図示しないトーションバーを介して接続される。
中間コラム3の内側には、インナーコラム2が挿入される。換言すると、インナーコラム2の外側に筒状の中間コラム3が配置される。中間コラム3は、第1ステアリングコラムとも称される。インナーコラム2と中間コラム3とは、第2アクチュエータユニット5を介してX方向に沿った相対移動が可能である。第2アクチュエータユニット5は、第2中心軸AX2の軸方向であるX方向(第1方向)に延びる。第2アクチュエータユニット5は、インナーコラム2と中間コラム3とを連結し且つインナーコラム2と中間コラム3との軸方向距離を変える。
筒状の中間コラム3は、インナーコラム2の外側に配置され側部に開放部33が設けられる。中間コラム3には平坦部31および湾曲部32が設けられる。平坦部31はX方向およびZ方向に延びる平面である。開放部33は、Y方向から見て矩形状である。具体的には、開放部33に面する内周壁部34は、X方向に沿って長い長方形である。
平坦部31におけるX1側の端部には、Y1側に突出するフランジ35が設けられる。フランジ35は、Z1側およびZ2側にそれぞれ1つずつ設けられる。2つのフランジ35には、貫通孔351が設けられる。貫通孔351には、ピン36が挿入される。ピン36はZ方向に延びる。
ブラケット60は、インナーコラム2の外周に固定される。ブラケット60には、切欠き部61が設けられる。切欠き部61は、Y1側が開口する。ブラケット60は、開放部33の内側をX方向に沿って移動することが可能である。ブラケット60が内周壁部34におけるX2側の端部に当接することにより、中間コラム3に対するインナーコラム2のX2側の移動が阻止され、これにより、中間コラム3に対するインナーコラム2の抜け止めとなる。
また、第2アクチュエータユニット5は、第2アクチュエータ装置50と、ブラケット60と、フランジ35と、を備える。第2アクチュエータ装置50は、モータ51と、ギヤボックス52と、ねじ軸53と、ナット62と、を有する。
第2アクチュエータ装置50において、ねじ軸53の外周には雄ねじが形成される。ねじ軸53は第2中心軸AX2の軸方向であるX方向(第1方向)に延びる。ナット62の内周には雌ねじが形成され、当該雌ねじは、ねじ軸53の雄ねじと噛み合う。ナット62は、Z方向に突出する突起63を有する。ナット62の突起63は、ブラケット60の切欠き部61に嵌合する。このように、第2アクチュエータ装置50におけるX2側は、ナット62およびブラケット60を介してインナーコラム2に固定される。
ねじ軸53のX1側は、ギヤボックス52、ピン36およびフランジ35を介して中間コラム3に取り付けられる。以下、具体的に説明する。ねじ軸53のX1側には、ギヤボックス52が取り付けられる。ギヤボックス52の内部には、モータ51のウォームシャフト(図示せず)と、ねじ軸53に取り付けられたウォームホイール(図示せず)とが収納され、これらのウォームシャフトとウォームホイールとが噛み合っている。即ち、ギヤボックス52は、モータ51の出力軸に設けたウォームシャフトとねじ軸53に設けたウォームホイールとが噛み合うウォームギヤ機構を収納する。当該ウォームギヤ機構により、モータ51が回転すると、ウォームシャフトおよびウォームホイールを介してねじ軸53が回転する。図2及び図4に示すように、ギヤボックス52は、ねじ軸53のX1側に取り付けられる。ギヤボックス52は、突設部521(取付部)を有する。突設部521には、Z方向に貫通する貫通孔522が設けられる。ピン36は、フランジ35の貫通孔351および突設部521の貫通孔522に貫通する。このように、第2アクチュエータ装置50における突設部521は、第2アクチュエータ装置50を中間コラム3に取り付ける取付部である。そして、図2に示すように、ピン36の先端部36aは、フランジ35よりもZ1側に突出する。ピン36の先端部36aには、スナップリング37が嵌められる。スナップリング37はピン36の抜け止めの作用を有する。これにより、第2アクチュエータ装置50における突設部521(取付部)がピン36を介してフランジ35に取り付けられる。
以上の構成を有する第2アクチュエータユニット5によれば、モータ51が稼動して回転し、ギヤボックス52の内部において、ウォームシャフトが回転するとウォームホイールも回転する。すると、ウォームホイールと共にねじ軸53も回転するため、ねじ軸53に噛み合ったナット62はねじ軸53に対して軸方向(X方向、第1方向)に移動する。これにより、ナット62とギヤボックス52との間のX方向に沿った相対距離が変わる。従って、インナーコラム2は、中間コラム3に対して第2アクチュエータユニット5を介してX方向に相対移動が可能となる。
アウターコラム4の内側には、中間コラム3が配置される。換言すると、中間コラム3の外側にアウターコラム4が配置される。アウターコラム4は、第2ステアリングコラムとも称される。アウターコラム4は、本体部41と、凸部7と、を備える。本実施形態では、凸部7の一例として板状部材70を適用している。
本体部41のY1側の側方は開放される。即ち、本体部41は、第1中心軸AX1の軸回りの周方向に沿って円弧状に延びて、断面が略U字状の形状を有する。本体部41において、周方向の一方の端部は第1周方向端部411であり、周方向の他方の端部は第2周方向端部412である。第1周方向端部411と第2周方向端部412との間は、開口部42である。即ち、本体部41は、Y1側が開口する断面が略U字状である。また、本体部41におけるX1側の端部には、円環状の環状部材43が取り付けられている。第1周方向端部411および第2周方向端部412は、それぞれX方向に沿って直線状に延びる。第1周方向端部411および第2周方向端部412は、略平行である。第1周方向端部411と第2周方向端部412とは、Z方向に離隔している。第1周方向端部411はZ1側に位置し、第2周方向端部412はZ2側に位置する。第2周方向端部412におけるX2側の部位には、板状部材70が設けられる。板状部材70は、Y1側に突出する。板状部材70は、Z方向から見て略矩形状であり、Y1側の端面(辺)72と、X1側の端面(辺)73と、X2側の端面(辺)74と、を有する。端面(辺)73と端面(辺)74とは、Y方向に沿って略平行に延びる。端面(辺)72と端面(辺)73との角部には、Z方向から見て円弧状の切欠き部71が設けられる。切欠き部71は、端面(辺)74に向けて凹む。切欠き部71は、ピン36が当接可能である。
中間コラム3とアウターコラム4とは、第1アクチュエータユニット113を介してX方向に沿った相対移動が可能である。第1アクチュエータユニット113は、第3中心軸AX3の軸方向であるX方向(第1方向)に延びる。第1アクチュエータユニット113は、第1アクチュエータ装置112と、ブラケット64と、フランジ114と、を備える。第1アクチュエータ装置112は、モータ106と、ギヤボックス107と、ねじ軸108と、ナット67と、を備える。ギヤボックス107は、アウターコラム4に取り付けられる。ギヤボックス107は、モータ106の出力軸に設けたウォームシャフトとねじ軸108に設けたウォームホイールとが噛み合うウォームギヤ機構を収納する。ウォームギヤ機構により、モータ106が回転すると、ウォームシャフトおよびウォームホイールを介してねじ軸108が回転する。ギヤボックス107は、ねじ軸108のX1側に取り付けられる。ナット67は、ねじ軸108のX2側に取り付けられる。ナット67は、Y方向に突出する突起68を有する。ブラケット64は、中間コラム3の外周に固定される。ブラケット64には、切欠き部66が設けられる。切欠き部66は、Z2側が開口する。ナット67の突起68は、ブラケット64の切欠き部66に嵌合される。
以上の構成を有する第1アクチュエータユニット113によれば、モータ106が作動してウォームシャフトが回転するとウォームホイールも回転する。すると、ウォームホイールと共にねじ軸108も回転するため、ねじ軸108に噛み合ったナット67は軸方向(X方向、第1方向)に移動する。これにより、ナット67とギヤボックス107との間のX方向に沿った相対距離が変わる。従って、中間コラム3は、アウターコラム4に対して第1アクチュエータユニット113を介してX方向に相対移動が可能となる。
なお、アウターコラム4には、ギヤボックス101、電動モータ102およびECU104が設けられる。ギヤボックス101の内部には、電動モータ102のウォームシャフトおよびウォームホイールが収納され、これらのウォームシャフトとウォームホイールとが噛み合う。ECU104は、電動モータ102の動作を制御する。ECU104および電動モータ102によって、ステアリングシャフト1に補助トルクが付与される。つまり、本実施形態のステアリング装置100は、運転者の操舵を電動モータ102で補助する電動パワーステアリング装置である。
なお、アウターコラム4のZ1側には、取付部材110が設けられる。取付部材110には取付部111が4箇所設けられ、4箇所の取付部111を介して取付部材110は車体に取り付けられる。
次いで、アウターコラム4に対して中間コラム3がX方向に移動したときにおけるピン36の動きについて説明する。図4は、第1実施形態におけるステアリング装置の斜視図であり、ピンと凸部とが当接している状態を示している図である。
前述のように、ステアリング装置100は、格納式ステアリング装置であり、伸縮可能なステアリングコラムを軸方向に縮ませてステアリングホイール105を例えばダッシュボード内に格納させる。ステアリングコラムを伸ばしてダッシュボードからステアリングホイール105を車両後方側(X2側)に向けて出すときは、第1アクチュエータユニット113および第2アクチュエータユニット5を稼動させて、インナーコラム2および中間コラム3をX2側に向けて移動させる。例えば、前述のように、インナーコラム2は、中間コラム3に対して第2アクチュエータユニット5を介してX方向に相対移動が可能となる。また、中間コラム3は、アウターコラム4に対して第1アクチュエータユニット113を介してX方向に相対移動が可能となる。
例えば図2に示すように、アウターコラム4に対する中間コラム3のX方向位置が所定位置になるときに第2アクチュエータユニット5のモータ51の回転が止まる。しかし、何らかの異常等により、所定位置でモータ51の回転が止まらない場合は、図2の状態よりも、中間コラム3がアウターコラム4に対してさらにX2側に移動する。
この場合、図4に示すように、ピン36が板状部材70の切欠き部71に当接する。これにより、アウターコラム4に対する中間コラム3のX方向移動が阻止され、アウターコラム4の中間コラム3からの脱落が抑制される。
以上説明したように、第1実施形態に係るステアリング装置100は、X方向に延び且つX2側の端部にステアリングホイール105が連結されるステアリングシャフト1と、ステアリングシャフト1の外側に配置される中間コラム3(第1ステアリングコラム)と、中間コラム3(第1ステアリングコラム)の外側に配置され且つ中間コラム3(第1ステアリングコラム)に対して第1アクチュエータユニット113を介してX方向に相対移動が可能なアウターコラム4(第2ステアリングコラム)と、を備える。中間コラム3(第1ステアリングコラム)は、Z方向に延びるピン36を有し、アウターコラム4(第2ステアリングコラム)は、ピン36に対してX2側に配置され且つピン36に当接可能な凸部7を有する。
前述したように、特許文献1では、ねじ軸の先端にナットの移動を規制するための突起を設けるため、ねじ軸の全長が長くなる。よって、ねじ軸の全長を長くすることなく、ステアリングコラムの脱落をより確実に抑制することができるステアリング装置が望まれる。
これに対して、本実施形態では、中間コラム3(第1ステアリングコラム)に設けられてZ方向に延びるピン36を有する。ピン36がアウターコラム4の凸部7に当接して、アウターコラム4(第2ステアリングコラム)の中間コラム3(第1ステアリングコラム)からの脱落を抑制することができる。このように、第1実施形態によれば、ねじ軸53の全長を長くすることなく、アウターコラム4(第2ステアリングコラム)の脱落をより確実に抑制することができるステアリング装置100を提供することが可能となる。
また、凸部7には、X1側に切欠き部71が設けられ、切欠き部71にピン36が当接可能である。このように、ピン36が切欠き部71に当接するため、ピン36の位置が切欠き部71からずれにくくなる。
そして、凸部7は、Z方向から見て矩形状の形状を有する板状部材70であり、板状部材70におけるY1側の端面(辺)72とX1側の端面(辺)73との角部に切欠き部71が設けられる。換言すると、凸部7は、X方向に延びる板状部材であるため、X方向に向かう力に対する凸部7の剛性がより大きくなり、アウターコラム4の中間コラム3からの脱落をより確実に抑制することができる。
さらに、ステアリングシャフト1と中間コラム3(第1ステアリングコラム)との間には、X方向に沿って延びるインナーコラム2(第3ステアリングコラム)が設けられ、インナーコラム2は、中間コラムに対し第2アクチュエータ装置を介して第1方向に相対移動が可能であり、第2アクチュエータ装置50は、ピン36を介して中間コラム3に取り付けられる。換言すれば、ピン36は、第2アクチュエータ装置50および中間コラム3に取り付けられるため、ピン36の取付剛性がより向上する。よって、ピン36がより損傷しにくくなりアウターコラム4の中間コラム3からの脱落をより確実に抑制することができる。
なお、中間コラム3(第1ステアリングコラム)は、Y1側に突出するフランジ35を有し、フランジ35には、Z方向に貫通する貫通孔351が設けられる。第2アクチュエータ装置50における突設部521(取付部)にはZ方向に貫通する貫通孔522が設けられる。ピン36が突設部521の貫通孔522とフランジ35の貫通孔351とを貫通して、第2アクチュエータ装置50が中間コラム3に取り付けられる。
このように、ピン36は、フランジ35と、第2アクチュエータ装置50における突設部521(取付部)とに取り付けられる。従って、ピン36の取付剛性が向上するため、ピン36が損傷しにくくなりアウターコラム4の中間コラム3からの脱落をより確実に抑制することができる。
[第2実施形態]
次いで、第2実施形態を説明する。図5は、第2実施形態におけるステアリング装置の斜視図である。図6は、第2実施形態におけるステアリング装置の側面図である。図7は、図6のVII-VII線による断面図である。
次いで、第2実施形態を説明する。図5は、第2実施形態におけるステアリング装置の斜視図である。図6は、第2実施形態におけるステアリング装置の側面図である。図7は、図6のVII-VII線による断面図である。
第2実施形態に係るステアリング装置100Aにおいては、アウターコラム4Aに第1フレーム(フレーム部)7Aおよび第2フレーム8Aを設けている。以下、具体的に説明する。
図5から図7に示すように、アウターコラム4Aは、本体部41Aと、第1フレーム7A(フレーム部)と、第2フレーム8Aと、を備える。
本体部41Aは、Z1側およびZ2側に設けられる。本体部41Aは、X方向に沿って延びる。Z1側の本体部41Aは、図7に示すように、Z1側に向けて凸の断面V字状である。
第1フレーム7Aは、X方向から見て略U字状である。具体的には、第1フレーム7Aは、一対の脚部71Aと、連結部72Aとを有する。一対の脚部71Aは、Z方向に離隔している。即ち、Z1側の脚部71AとZ2側の脚部71Aとが連結部72Aを介して連結される。X方向から見て、第1フレーム7Aと、ブラケット60およびナット62とは非重畳である。即ち、中間コラム3に対してインナーコラム2がX方向に移動すると、ブラケット60およびナット62もX方向に移動する。このときに、ブラケット60およびナット62は、第1フレーム7Aの内側を通過可能である。
第2フレーム8Aは、X方向から見て略U字状である。具体的には、第2フレーム8Aは、一対の脚部81Aと、連結部82Aとを有する。一対の脚部81Aは、Z方向に離隔している。第2フレーム8Aは、突設部521およびフランジ35の外側を覆う。換言すると、Y方向から見て、第2フレーム8Aは、突設部521およびフランジ35と重畳する。
また、第2アクチュエータユニット5は、第2アクチュエータ装置50を備える。前述のように、第2アクチュエータ装置50は、モータ51と、ギヤボックス52と、ねじ軸53と、ナット62と、を有する。X方向から見て、第1フレーム7Aは、モータ51およびギヤボックス52と重畳する。従って、第2アクチュエータ装置50における例えばモータ51およびギヤボックス52が第1フレーム7Aに当接可能である。
以上説明したように、第2実施形態に係るステアリング装置100Aにおいて、ステアリングシャフト1と中間コラム3(第1ステアリングコラム)との間には、X方向に沿って延びるインナーコラム2(第3ステアリングコラム)が設けられ、インナーコラム2(第3ステアリングコラム)は、中間コラム3(第1ステアリングコラム)に対して第2アクチュエータ装置50を介してX方向に相対移動が可能である。インナーコラム2(第3ステアリングコラム)は、中間コラム3(第1ステアリングコラム)に対して第2アクチュエータユニット5を介してX方向に相対移動が可能であり、アウターコラム4(第2ステアリングコラム)は、第2アクチュエータユニット5に対してX2側に配置され且つ第2アクチュエータ装置50のモータ51またはギヤボックス52と当接可能な第1フレーム7A(フレーム部)を有する。
第2実施形態では、第1フレーム7A(フレーム部)と第2アクチュエータ装置50のモータ51またはギヤボックス52とが当接可能である。第2実施形態によっても、ねじ軸53の全長を長くすることなく、アウターコラム4(第2ステアリングコラム)の脱落をより確実に抑制することができるステアリング装置100Aを提供することが可能となる。なお、第1フレーム7A(フレーム部)とモータ51またはギヤボックス52とは、第1実施形態のピン36および板状部材70よりも剛性が高いため、これによっても、アウターコラム4(第2ステアリングコラム)の脱落をより確実に抑制することができる。
1 ステアリングシャフト
2 インナーコラム(第3ステアリングコラム)
3 中間コラム(第1ステアリングコラム)
31 平坦部
32 湾曲部
33 開放部
34 内周壁部
35 フランジ
351 貫通孔
36 ピン
36a 先端部
37 スナップリング
4、4A アウターコラム(第2ステアリングコラム)
41、41A 本体部
411 第1周方向端部
412 第2周方向端部
42 開口部
43 環状部材
5 第2アクチュエータユニット
50 第2アクチュエータ装置
51 モータ
52 ギヤボックス
521 突設部(取付部)
522 貫通孔
53 ねじ軸
60 ブラケット
61 切欠き部
62 ナット
63 突起
64 ブラケット
66 切欠き部
67 ナット
68 突起
7 凸部
70 板状部材
71 切欠き部
72 端面(辺)
73 端面(辺)
74 端面(辺)
7A 第1フレーム(フレーム部)
71A 脚部
72A 連結部
8A 第2フレーム
81A 脚部
82A 連結部
100、100A ステアリング装置
101 ギヤボックス
102 電動モータ
104 ECU
105 ステアリングホイール
106 モータ
107 ギヤボックス
108 ねじ軸
110 取付部材
111 取付部
112 第1アクチュエータ装置
113 第1アクチュエータユニット
114 フランジ
AX1 第1中心軸
AX2 第2中心軸
AX3 第3中心軸
2 インナーコラム(第3ステアリングコラム)
3 中間コラム(第1ステアリングコラム)
31 平坦部
32 湾曲部
33 開放部
34 内周壁部
35 フランジ
351 貫通孔
36 ピン
36a 先端部
37 スナップリング
4、4A アウターコラム(第2ステアリングコラム)
41、41A 本体部
411 第1周方向端部
412 第2周方向端部
42 開口部
43 環状部材
5 第2アクチュエータユニット
50 第2アクチュエータ装置
51 モータ
52 ギヤボックス
521 突設部(取付部)
522 貫通孔
53 ねじ軸
60 ブラケット
61 切欠き部
62 ナット
63 突起
64 ブラケット
66 切欠き部
67 ナット
68 突起
7 凸部
70 板状部材
71 切欠き部
72 端面(辺)
73 端面(辺)
74 端面(辺)
7A 第1フレーム(フレーム部)
71A 脚部
72A 連結部
8A 第2フレーム
81A 脚部
82A 連結部
100、100A ステアリング装置
101 ギヤボックス
102 電動モータ
104 ECU
105 ステアリングホイール
106 モータ
107 ギヤボックス
108 ねじ軸
110 取付部材
111 取付部
112 第1アクチュエータ装置
113 第1アクチュエータユニット
114 フランジ
AX1 第1中心軸
AX2 第2中心軸
AX3 第3中心軸
Claims (7)
- 第1方向に延び且つ第1方向の一方側の端部にステアリングホイールが連結されるステアリングシャフトと、
前記ステアリングシャフトの外側に配置される第1ステアリングコラムと、
前記第1ステアリングコラムの外側に配置され且つ前記第1ステアリングコラムに対して第1アクチュエータ装置を介して第1方向に相対移動が可能な第2ステアリングコラムと、
を備え、
前記第1ステアリングコラムは、第1方向に交差する第2方向に延びるピンを有し、
前記第2ステアリングコラムは、前記ピンに対して第1方向の一方側に配置され且つ前記ピンに当接可能な凸部を有する、
ステアリング装置。 - 前記凸部は、第1方向および第2方向に交差する第3方向へ突出する、
請求項1に記載のステアリング装置。 - 前記凸部には、第1方向の他方側に切欠き部が設けられ、当該切欠き部に前記ピンが当接可能である、
請求項2に記載のステアリング装置。 - 前記凸部は、第2方向から見て矩形状の形状を有する板状部材であり、
前記板状部材における第1方向の他方側の辺と第3方向の一方側の辺との角部に前記切欠き部が設けられる、
請求項3に記載のステアリング装置。 - 前記ステアリングシャフトと前記第1ステアリングコラムとの間には、第1方向に沿って延びる第3ステアリングコラムが設けられ、
当該第3ステアリングコラムは、前記第1ステアリングコラムに対し第2アクチュエータ装置を介して第1方向に相対移動が可能であり、
前記第2アクチュエータ装置は、前記ピンを介して前記第1ステアリングコラムに取り付けられる、
請求項1から4のいずれか1項に記載のステアリング装置。 - 前記第2アクチュエータ装置における前記第1ステアリングコラムとの取付部には、第2方向に貫通する貫通孔が設けられ、
前記第1ステアリングコラムは、第3方向の一方側に突出するフランジを有し、当該フランジには、第2方向に貫通する貫通孔が設けられ、
前記ピンが前記取付部の貫通孔と前記フランジの貫通孔とを貫通して、前記第2アクチュエータ装置が前記第1ステアリングコラムに取り付けられる、
請求項5に記載のステアリング装置。 - 第1方向に延び且つ第1方向の一方側の端部にステアリングホイールが連結されるステアリングシャフトと、
前記ステアリングシャフトの外側に配置される第1ステアリングコラムと、
前記第1ステアリングコラムの外側に配置され且つ前記第1ステアリングコラムに対して第1方向に相対移動が可能な第2ステアリングコラムと、
前記ステアリングシャフトと前記第1ステアリングコラムとの間に配置され且つ第1方向に沿って延びる第3ステアリングコラムと、
を備え、
前記第3ステアリングコラムは、前記第1ステアリングコラムに対して、モータおよびギヤボックスを含むアクチュエータ装置を介して第1方向に相対移動が可能であり、
前記第2ステアリングコラムは、前記モータおよび前記ギヤボックスに対して第1方向の一方側に配置され且つ前記モータまたは前記ギヤボックスと当接可能なフレーム部を有する、
ステアリング装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022083948A JP2023172267A (ja) | 2022-05-23 | 2022-05-23 | ステアリング装置 |
PCT/JP2022/046204 WO2023228447A1 (ja) | 2022-05-23 | 2022-12-15 | ステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022083948A JP2023172267A (ja) | 2022-05-23 | 2022-05-23 | ステアリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022083948A Pending JP2023172267A (ja) | 2022-05-23 | 2022-05-23 | ステアリング装置 |
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WO (1) | WO2023228447A1 (ja) |
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JP2008080940A (ja) * | 2006-09-27 | 2008-04-10 | Nsk Ltd | 電動テレスコ調整式ステアリング装置 |
DE102015216326B4 (de) * | 2015-08-26 | 2016-09-08 | Thyssenkrupp Ag | Motorisch verstellbare Lenksäule für ein Kraftfahrzeug |
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DE102018218243A1 (de) * | 2018-10-24 | 2020-04-30 | Thyssenkrupp Ag | Lenksäule für ein Kraftfahrzeug |
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-
2022
- 2022-05-23 JP JP2022083948A patent/JP2023172267A/ja active Pending
- 2022-12-15 WO PCT/JP2022/046204 patent/WO2023228447A1/ja unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2023228447A1 (ja) | 2023-11-30 |
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