JP5130865B2 - ステアリング装置 - Google Patents
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Description
この特許文献1のステアリング装置は、一端にステアリングホイールを固定したステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムと、チルト駆動機構及びテレスコ駆動機構を内蔵してステアリングコラムの外周に組付けられるハウジングとを備えた電動式ステアリング装置であり、ハウジングの外周にフランジ部及びボス部を形成し、これらフランジ部の取付け面及びボス部の取付け面を、ステアリングコラムの外周に設けた取付け面に当接し、フランジ部及びボス部に形成したボルト穴に挿通したボルトを、ステアリングコラムの外周に設けた取付け面にねじ込むことで、ステアリングコラム及びハウジングが一体に組付けられている。
本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、ステアリングコラムとハウジングの位置決めを行なう位置決め機構を、高精度に、且つ低コストで形成することができるステアリング装置を提供することを目的としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載のステアリング装置において、前記第1及び第2の位置決め突出部材を、金属製の板材を切欠き円筒形状に塑性変形して形成した。
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載のステアリング装置において、前記第1及び第2の位置決め突出部材を、合成樹脂の押し出し成形により形成した。
図1は、本発明によるステアリング装置を組付けた車両を示す全体構成図であり、図2は、本発明によるステアリング装置を示す全体構成図である。
図1において、ステアリングコラム装置10は、ステアリングシャフト11を回動自在に支持するステアリングコラム12を有する。ステアリングシャフト11には、その後端にステアリングホイール13が装着され、ステアリングシャフト11の前端にはユニバーサルジョイント14を介して中間シャフト15が連結されている。中間シャフト15にはその前端にユニバーサルジョイント16を介してラックアンドピニオン機構等からなるステアリングギヤ17が連結されている。このステアリングギヤ17の出力軸がタイロッド18を介して転舵輪19に連結されている。
なお、ステアリングコラム12の車両後方部位には、後述する電動チルト機構30及び電動テレスコ機構50を駆動するコントロールスイッチ、コンビスイッチやコラムカバー等の周辺部品Pが配設されている。
ステアリングコラム12は、アウタコラム12aと、このアウタコラム12aに摺動自在に保持されたインナコラム12bとで構成され、インナコラム12bの車両前方側端部の内周面に配設された転がり軸受(不図示)及びアウタコラム12aの車両後方側端部の内周面に配設された転がり軸受(不図示)によってステアリングシャフト11が回転自在に支持されている。
電動チルト機構30は、電動モータ40の駆動によって正逆転するウォーム(不図示)、ウォームホイール(不図示)、ウォームホイールから回転力が伝達されて上下方向に移動する送りねじ機構(不図示)等を備えている。電動チルト機構50も、電動モータ42の駆動によって正逆転するウォーム(不図示)、ウォームホイール(不図示)、ウォームホイールから回転力が伝達されてアウタコラム12の軸線方向に移動する送りねじ機構(不図示)等を備えている。
ここで、図3から図8は、アウタコラム12a及びギヤハウジング26の組付け構造の第1実施形態を示すものである。
図3は、ギヤハウジング26が組付けられるアウタコラム12aの下部外周の形状を具体的に示した図であり、図4は図3のA−A線矢視図であり、図5は、ギヤハウジング26の取付け面を示す図であり、図6は図5のB−B線矢視図であり、図7は、アウタコラム12a及びギヤハウジング26の組付け要部を示す図であり、図8は、本実施形態の組付けで使用される位置決め突出部材の構造を示す図である。
一方のコラム取付け面61は、アウタコラム12aのコラム軸線P1を含む鉛直方向の仮想面Fに対して一方の領域にコラム軸線P1に延在する平面として形成されている。また、他方のコラム取付け面62は、仮想面Fに対して他方の領域に、一方のコラム取付け面61側に段差63を設け、且つコラム軸線P1に延在する平面として形成されている。
また、図5及び図6に示すように、アウタコラム12aに組付くギヤハウジング26の部位には、矩形状のハウジング開口部54が形成されており、このコラム開口部54の周囲にハウジング取付け面71,72と、段差73が形成されている。
一方のハウジング取付け面71は、一方のコラム取付け面61の第1組付け穴64に係合する位置決め突出部材78が突出して設けられているとともに、一方のコラム取付け面61の第2組付け穴65に対応する挿通穴75が形成されている。
先ず、一方のハウジング取付け面71の挿通穴74から突出している位置決め突出部材78を、一方のコラム取付け面61に形成した第1組付け穴64の係合穴64bに嵌め込み、且つ、他方のハウジング取付け面72の挿通穴から突出している位置決め突出部材79を、他方のコラム取付け面62に形成した第3組付け穴66の係合穴に嵌め込んでアウタコラム12a及びギヤハウジング26の位置決めを行ないながら、ギヤハウジング26の段差73をアウタコラム12の段差63に面接触させつつ、一方のハウジング取付け面71を一方のコラム取付け面61に当接し、他方のハウジング取付け面72を他方のコラム取付け面62に当接する。
また、図7に示すように、位置決め突出部材78が嵌まり込みながら互いに対応している挿通穴74及び第1組付け穴64に、ギヤハウジング26側から組付けボルト80のねじ部80aを挿入し、位置決め突出部材78内を通過したねじ部80aを第1組付け穴64のねじ穴64にねじ込む。また、詳細には示さないが、位置決め突出部材79が嵌まり込みながら互いに対応している挿通穴及び第3組付け穴66に、ギヤハウジング26側から組付けボルトのねじ部を挿入し、位置決め突出部材79内を通過したねじ部を第3組付け穴66のねじ穴にねじ込む。これにより、アウタコラム12a及びギヤハウジング26は、組付けボルト80を介して一体に組付けられる。
さらに、車両の衝突に伴って運転者がステアリングホイール13に二次衝突すると、ステアリングシャフト13を介して車両前方を向く大きな衝撃荷重がステアリングコラム12に加わり、アウタコラム12a及びギヤハウジング26を組付けている組付けボルト80にも車両前後方向のせん断応力が加わる。ところが、本実施形態では、位置決め部材として使用した位置決め突出部材78,79が、コラム取付け面61,62とハウジング取付け面71、72との間に埋設された状態となり、この位置決め突出部材78,79がせん断応力に抗する部材として機能するので、二次衝突に対する剛性を向上させたアウタコラム12a及びギヤハウジング26の組付け構造とすることができる。
次に、図9から図12は、アウタコラム12a及びギヤハウジング26の組付け構造の第2実施形態を示すものである。なお、図1から図8で示した構成と同一構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
図9は、ギヤハウジング26が組付けられるアウタコラム12aの下部外周の形状を具体的に示した図であり、図10は図9のC−C線矢視図であり、図11は、ギヤハウジング26の取付け面を示す図であり、図12は図11のD−D線矢視図である。
図9及び図10に示すように、アウタコラム12aのコラム開口部52の周囲はコラム取付け面81,82が形成されている。
一方のコラム取付け面81には3箇所の穴、第1〜第3組付け穴83,84,85が形成されている。最も車両後方(図9の右側)に位置する第1組付け穴83は、図10に示すように、底側に形成されたねじ穴83aと、このねじ穴83aから穴開口まで形成されてねじ穴83aより大径寸法の係合穴83bとで構成されている。また、最も車両前方(図9の左側)に位置する第3組付け穴85と、第1組付け穴83及び第3組付け穴85の間に位置する第2組付け穴84は、ねじ穴として形成されている。
ギヤハウジング26一方のハウジング取付け面91は、一方のコラム取付け面81に面接触するように平面とされ、他方のハウジング取付け面92は、他方のコラム取付け面82に面接触するように平面とされている。
位置決め突出部材100は、図8で示したものと同形状であり、バネ鋼からなる板材を円筒状に丸めることで軸方向にスリットを設けてなる切欠き中空円筒部材であり、図12に示すように、一方のコラム取付け面81の第1組付け穴83に対応する位置の一方のハウジング取付け面91に形成した挿通穴100aに一部が嵌め込まれることで、挿通穴100aと同心に一方のハウジング取付け面91から突出して設けられている。
ここで、図11に示すように、ハウジング開口部54を間に挟んで互いに対角の位置に配置されているハウジング取付け面81,82の位置決め突出部材100,101の中心を結ぶ線を第1仮想線K1、互いに対角の位置に配置されているハウジング取付け面81,82の挿通穴94,96の中心を結ぶ線を第2仮想線K2とし、これら第1及び第2仮想線K1,K2が交わる位置を回転位置Qとすると、この回転位置Qを中心としてギヤハウジング26を180°回転した場合、挿通穴93及び第2組付穴84が重ならず、挿通穴95及び第5組付穴87も重ならないので、アウタコラム12a及びギヤハウジング26をボルト止めすることができない。すなわち、位置決め突出部材100,101は、回転位置Qに対して非点対称位置に配置されている。
また、位置決め突出部材100,101が、コラム取付け面81,82とハウジング取付け面91、92との間に埋設された状態で配置されており、これら位置決め突出部材100,101が二次衝突時のせん断応力に抗する部材として機能するので、二次衝突に対する剛性を向上させたアウタコラム12a及びギヤハウジング26の組付け構造とすることができる。
次に、図13から図16は、アウタコラム12a及びギヤハウジング26の組付け構造の第3実施形態を示すものである。なお、図9から図12で示した構成と同一構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
図13及び図14に示すように、一方のコラム取付け面81には、第1〜第3組付け穴110,111,112が形成されているとともに、これら第1〜第3組付け穴110,111,112に対して異なる位置に、位置決め突出部材100が嵌め込まれる第1係合穴113が形成されている。
他方のコラム取付け面82には、第4〜第6組付け穴114,115,116が形成されているとともに、これら第4〜第6組付け穴114,115,116に対して異なる位置に、位置決め突出部材101が嵌め込まれる第2係合穴117が形成されている。
また、図15及び図16に示すように、一方のハウジング取付け面91は、一方のコラム取付け面81の第1〜第3組付け穴110,111,112に対応する挿通穴118,119,120が形成されているとともに、第1係合穴113に係合する位置決め突出部材100が突出して設けられている。位置決め突出部材100は、図16に示すように、一方のハウジング取付け面91に形成した装着穴121に嵌め込まれている。
Claims (6)
- ステアリングホイールを取付けたステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムと、前記ステアリングホイールの位置を調節するために前記ステアリングコラムを駆動する駆動機構を内蔵しているハウジングとを、複数のボルトを介して組付けてなるステアリング装置において、
互いに当接する前記ステアリングコラム及び前記ハウジングの取付け面の一方に、他方の取付け面に向けて突出する少なくとも2箇所の第1及び第2の位置決め突出部材と、前記ボルトが挿通する少なくとも2箇所の第1及び第2の挿通穴とを設け、
前記他方の取付け面に、前記第1及び第2の位置決め突出部材がそれぞれ嵌まり込む少なくとも2箇所の第1及び第2の位置決め穴と、前記第1の位置決め突出部材が前記第1の位置決め穴に嵌まり込み、且つ前記第2の位置決め突出部材が前記第2の位置決め穴に嵌まり込んだときに、前記第1及び第2の挿通穴にそれぞれ対応する第1及び第2の取り付け穴とを設け、
前記第1及び第2の位置決め突出部材の中心を結ぶ線を第1仮想線とし、
前記第1仮想線に交差して前記第1及び第2の挿通穴の中心を結ぶ線を第2仮想線とし、
これら第1及び第2仮想線が交わる位置を回転位置とし、この回転位置を中心として前記ステアリングコラム及び前記ハウジングの一方を180°回転したときに、前記第1の挿通穴に前記第1の取り付け穴が対応せず、前記第2の挿通穴に前記第2の取り付け穴が対応しないように、前記第1及び第2の位置決め突出部材を前記回転位置に対して非点対称位置に設けたことを特徴とするステアリング装置。 - 前記第1及び第2の位置決め穴は、前記他方の取付け面に形成したねじ穴に同軸に、且つ前記取付け面側に設けた前記ボルトのねじ部より大径の穴であり、前記第1及び第2の位置決め突出部材は、前記一方の取付け面から突出し、前記ボルトのねじ部が挿通しながら前記第1及び第2の位置決め穴に嵌まり込む中空円筒部材であることを特徴とする請求項1記載のステアリング装置。
- 前記第1及び第2の位置決め突出部材は軸方向に1条のスリットを設けた切欠き中空円筒形状であり、これら第1及び第2の位置決め突出部材の一部が、前記一方の取付け面に形成した係合穴に弾性変形しながら縮径されて嵌め込まれていることを特徴とする請求項1又は2記載のステアリング装置。
- 前記第1及び第2の位置決め突出部材を、金属製の板材を切欠き円筒形状に塑性変形して形成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のステアリング装置。
- 前記第1及び第2の位置決め突出部材を、金属材料の押し出し成形により形成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のステアリング装置。
- 前記第1及び第2の位置決め突出部材を、合成樹脂の押し出し成形により形成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のステアリング装置。
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