JP2023171066A - 雄側管継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】シール溝の底を横切るように延びたり、シール溝の側壁において縦に延びたりするパーティングラインのない、2つのシール部材が装着可能な樹脂製の雄側管継手を製造すること。【解決手段】雄側管継手(101)は、樹脂材料からなる筒形状の第1本体部(1)と、第1本体部(1)の軸方向の端部が挿入されるとともに固定された樹脂材料からなる第2本体部(2)と、を備える。第1本体部(1)は、環状のシール部材が装着されるシール溝の側壁を形成する第1環状凸部(4)および第2環状凸部(5)を外周面に有し、第1環状凸部(4)および第2環状凸部(5)のうちの一方は、第1本体部(1)の筒部(3)と一体とされ、他方は、筒部(3)と別体とされて筒部(3)の外周面に固定される。【選択図】図1
Description
本発明は、樹脂製の雄側管継手に関する。
特許文献1に、管と管とを接続するための管継手が記載されている。この管継手は、一用途として、車両用空気調和装置の冷凍サイクルを構成する冷媒回路において、冷媒を流通させる冷媒管の接続に用いられるものである。
上記管継手は、雄側部材と雌側部材とで構成される。雄側部材には、Oリングを保持するための2つの保持溝が設けられている。これら2つの保持溝は、異なる幅の溝とされ、フランジ側の保持溝の方が幅の狭い溝とされている。2つの保持溝には、同一の材質・形状・大きさのOリングが装着される。これらの構成により、雄側部材のフランジ側のOリングが外側にはみ出し、これによって、管継手のシール性能の向上が図られている。
従来、自動車用のエアコン配管(冷媒管)、およびその管継手(特許文献1に記載のような管継手)は、アルミ製(金属製)とされている。これに対して、近年、ガソリン車の燃費向上や電気自動車の走行距離延長を図るために、エアコン配管およびその管継手などの金属製部品を樹脂製部品に置き替えることで自動車を軽量化することが検討されている。
ここで、2つのOリングが装着される特許文献1に記載のような管継手の雄側部材を、射出成型によって一体的に樹脂成形しようとすると、次のような問題がある。
成形された雄側部材から金型を外せるように、射出成型用の金型を割り型(円筒をその軸方向に沿って2つに割ったような金型)としなければならなくなる。このような割り型とすると、Oリングの保持溝(シール溝)にパーティングラインができることを避けることができない。そして、パーティングラインができると、そのパーティングラインを伝わって、管継手部からガス漏れが発生する可能性がある。なお、このパーティングラインは、保持溝の底や側壁にできるパーティングラインのことである。保持溝の底にできるパーティングラインは、保持溝の底を横切るように延びる。保持溝の側壁にできるパーティングラインは、保持溝の側壁において縦に延びる。このようなパーティングラインができると、保持溝の底や側壁の表面粗さを小さくすることが難しい。
本発明の目的は、シール溝の底を横切るように延びたり、シール溝の側壁において縦に延びたりするパーティングラインのない、2つのシール部材が装着可能な樹脂製の雄側管継手を製造することである。
本願で開示する雄側管継手は、樹脂材料からなる筒形状の第1本体部と、前記第1本体部の軸方向の端部が挿入されるとともに固定された樹脂材料からなる第2本体部と、を備える。前記第1本体部は、環状のシール部材が装着されるシール溝の側壁を形成する第1環状凸部および第2環状凸部を外周面に有し、前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうちの一方は、前記第1本体部の筒部と一体成形とされ、他方は、前記筒部と別体とされて前記筒部の外周面に固定されている。
上記構成の雄側管継手によれば、シール溝の底を横切るように延びたり、シール溝の側壁において縦に延びたりするパーティングラインのない、2つのシール部材が装着可能な樹脂製の雄側管継手を製造することができる。
本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明の雄側管継手は、自動車用のエアコン配管(冷媒管)で用いられる雄側管継手に限定されることはなく、様々な配管の接続に用いることができる雄側管継手である。
(第1実施形態)
図1、2に示すように、雄側管継手101は、第1本体部1と、第2本体部2とを備えている。この雄側管継手101は、例えば、自動車用のエアコン配管(冷媒管)において、管と管とを接続するための管継手のうちの雄側管継手として用いられる。本願において、雄側管継手101に対応する雌側管継手については、その図示を省略している。
図1、2に示すように、雄側管継手101は、第1本体部1と、第2本体部2とを備えている。この雄側管継手101は、例えば、自動車用のエアコン配管(冷媒管)において、管と管とを接続するための管継手のうちの雄側管継手として用いられる。本願において、雄側管継手101に対応する雌側管継手については、その図示を省略している。
第1本体部1は、雌側管継手(不図示)に挿入される部分である。第1本体部1の形状は筒形状である。第1本体部1は、筒部3と、第1環状凸部4と、第2環状凸部5とで構成される。筒部3、第1環状凸部4、および第2環状凸部5は、いずれも樹脂材料からなる。筒部3の筒孔3aは、冷媒(流体)の流路となる孔である。
第1環状凸部4は、筒部3の軸方向の一方の端部(雌側管継手に挿入される側の端部)の外周面に設けられている。第1環状凸部4は、筒部3と一体成形とされている。なお、第1環状凸部4は、筒部3の端部から少し離れた位置に設けられてもよい。すなわち、第1環状凸部4の位置は、筒部3の端部に限定されない。
これに対して、第2環状凸部5は、筒部3の軸方向の中途部の外周面に設けられている。第2環状凸部5は、第1環状凸部4と、後述する第2本体部2の受け口8との間の軸方向におけるほぼ中央部に設けられている。第2環状凸部5は、筒部3と別体とされており、筒部3の外周面に固定されている。第2環状凸部5は、樹脂製のリング形状の部品である。
第1環状凸部4と、第2環状凸部5と、第1環状凸部4と第2環状凸部5との間部分の筒部3の外周面とで、第1シール溝S1が形成される。この第1シール溝S1に、環状のシール部材(不図示)が装着される。環状のシール部材は、例えば、Oリングである。Oリングの材質は、ゴムまたは樹脂である。第1環状凸部4および第2環状凸部5は、それぞれ、第1シール溝S1の側壁を形成する。第1環状凸部4と第2環状凸部5との間部分の筒部3の外周面は、第1シール溝S1の底面を形成する。
また、第2環状凸部5と、後述する第2本体部2の受け口8と、第2環状凸部5と受け口8との間部分の筒部3の外周面とで、第2シール溝S2が形成される。この第2シール溝S2に、環状のシール部材(不図示)が装着される。環状のシール部材は、例えば、Oリングである。Oリングの材質は、ゴムまたは樹脂である。第2環状凸部5および受け口8は、それぞれ、第2シール溝S2の側壁を形成する。第2環状凸部5と受け口8との間部分の筒部3の外周面は、第2シール溝S2の底面を形成する。
このようにして、第1本体部1には、2つのOリング(環状のシール部材)が装着されるシール溝S1、S2が形成されている。なお、第1本体部1を構成する筒部3の、第1環状凸部4とは反対側の端部の外周面に凸部は設けられない。受け口8は、第1本体部1側に突出しているが、受け口8は、第1本体部1側に突出している必要はない。受け口8が第1本体部1側に突出していない場合、筒部3の長さが図1に示すものと同じであると、第2シール溝S2の幅が広すぎることとなる。そのため、受け口8が第1本体部1側に突出していない場合、それに合わせて、筒部3は、図1に示すものより短くされる。
第2本体部2は、冷媒の圧力などで雄側管継手101と雌側管継手とが離れてしまわないように、両者を強固に連結するためのいわゆるフランジ部分である。第2本体部2は、冷媒の流路となる孔6aが形成された本体部6と、本体部6から延在する締結部7とで構成される。第2本体部2(本体部6および締結部7)は、樹脂材料からなる。
本体部6には、第1本体部1の軸方向の端部が挿入されるとともに固定される筒形状の受け口8が設けられている。受け口8は、第1本体部1側に突出している。本体部6の、受け口8とは反対側の面には、樹脂製の配管50が挿入されるとともに固定される筒形状の受け口9が設けられている。
締結部7には、筒形状のカラー10が嵌め込まれる孔7aが形成されている。孔7aに嵌め込まれたカラー10にボルト(不図示)が挿入される。雌側管継手も同様の構造とされており、雌側管継手は、ボルトが挿入される孔を有するフランジ部分を備えている。雄側管継手101と雌側管継手とは、挿入されたボルト、およびナット(不図示)によって、強固に連結固定される。なお、雄側管継手101と雌側管継手との連結手段は、ボルト・ナットに限定されない。また、雄側管継手101が用いられる位置によっては、雄側管継手101と雌側管継手との連結にボルト・ナットが不要な場合もある。よって、雄側管継手101において、締結部7のような本体部6から延在する部分はなくてもよい場合がある。
雄側管継手101の製造方法について説明する。まず、図3を参照しつつ、第1本体部1の製造方法について説明する。
射出成型によって、第1環状凸部4を一体で有する樹脂製の筒部3を製造する(図3の中の上側の図を参照)。筒部3は、第1環状凸部4というリング形状の凸部を外周面に1つだけ一体で有する形状である。そのため、筒部3の射出成型用の金型として、円筒をその軸方向に沿って2つに割ったような金型(割り型)ではなく、分割面が存在しない1つの円筒形状の金型を用いることができる。一対の割り型を用いなくても、金型を成形品から外すことができるからである。
上記円筒形状の金型を用いると、第1シール溝S1の底面および第2シール溝S2の底面を形成する筒部3の外周面に、筒部3の軸方向に延びるパーティングラインはできない。すなわち、第1シール溝S1および第2シール溝S2の底を横切るように延びるパーティングラインはできない。そのため、各シール溝S1およびS2の底を横切るように延びるパーティングラインのない樹脂製の筒部3を得ることができる。また、第1環状凸部4の側壁において縦(筒部3の径方向)に延びるパーティングラインもできない。その結果、パーティングラインを伝わって、管継手部(雄側管継手101と雌側管継手との間)からガス漏れが発生するというような懸念はない。また、各シール溝S1およびS2の底面、および第1環状凸部4の側壁の表面粗さを小さくすることができ、シール性能に優れる雄側管継手101とすることができる。
次いで、別途準備した第2環状凸部5を筒部3の外周面に固定する。なお、第2環状凸部5も樹脂材料からなるため、第2環状凸部5も、金型を用いて射出成型によって製造される。
ここで、第1環状凸部4を含む筒部3の材料は、レーザー光に対して吸収性を有する樹脂材料とされる。これに対して、第2環状凸部5の材料は、レーザー光に対して透過性を有する樹脂材料とされる。レーザー光に対して吸収性を有する樹脂材料、およびレーザー光に対して透過性を有する樹脂材料は、公知であるため、その説明を省略する。なお、第1環状凸部4を含む筒部3の材料は、レーザー光に対して吸収性を有する樹脂材料以外の樹脂材料とされてもよい。また、第2環状凸部5の材料は、レーザー光に対して透過性を有する樹脂材料以外の樹脂材料とされてもよい。
筒部3の外周面に第2環状凸部5をはめ込み、第2環状凸部5を筒部3の外周面に密着させる。そして、図1に矢印で示すように、筒部3の径方向における外方から、第2環状凸部5に向かって、第2環状凸部5(筒部3)の全周にわたってレーザー光を照射する。なお、レーザー光の照射は全周でなくてもよい。レーザー光を照射すると、レーザー光は第2環状凸部5を透過し、筒部3の外周面で筒部3に吸収される。筒部3の外周面におけるレーザー光で照射された部分が発熱し溶融する。この発熱が、筒部3の外周面における発熱した部分に密着した第2環状凸部5に伝わり、第2環状凸部5も密着した部分が溶融する。そして、溶融した材料同士が混ざり合う。レーザー光の照射を停止すると、溶融した材料の温度が低下して材料は固まる。このようにして、第2環状凸部5は、筒部3の外周面にレーザー光にて溶着固定される。これにより、第1本体部1が製造される。
射出成型によって、別途、第2本体部2を製造する。第2本体部2(本体部6、締結部7、および受け口8、9)の材料は、レーザー光に対して透過性を有する樹脂材料とされる。なお、第2本体部2の材料は、レーザー光に対して透過性を有する樹脂材料以外の樹脂材料とされてもよい。
第2本体部2の受け口8に第1本体部1の端部を押し込み、受け口8を筒部3の外周面に密着させる。そして、図1に矢印で示すように、筒部3の径方向における外方から、受け口8に向かって、受け口8(筒部3)の全周にわたってレーザー光を照射する。レーザー光を照射すると、レーザー光は受け口8を透過し、筒部3の外周面で筒部3に吸収される。筒部3の外周面におけるレーザー光で照射された部分が発熱し溶融する。この発熱が、筒部3の外周面における発熱した部分に密着した受け口8に伝わり、受け口8も密着した部分が溶融する。そして、溶融した材料同士が混ざり合う。レーザー光の照射を停止すると、溶融した材料の温度が低下して材料は固まる。このようにして、第2本体部2は、受け口8において、筒部3の外周面にレーザー光にて溶着固定される。これにより、雄側管継手101が製造される。
なお、雄側管継手101と配管50との固定方法は、例えば、次のようにして行われる。配管50の材料は、レーザー光に対して吸収性を有する樹脂材料とされる。なお、配管50の材料は、レーザー光に対して吸収性を有する樹脂材料以外の樹脂材料とされてもよい。
第2本体部2の受け口9に配管50の端部を押し込み、受け口9を配管50の外周面に密着させる。そして、図1に矢印で示すように、配管50の径方向における外方から、受け口9に向かって、受け口9(配管50)の全周にわたってレーザー光を照射する。これにより、雄側管継手101と配管50とは、レーザー光にて溶着固定される。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態の雄側管継手102を示す図である。第2実施形態の雄側管継手102を構成する部品について、第1実施形態の雄側管継手101を構成する部品と同様の部品については、同一の符号を付している。
図4は、第2実施形態の雄側管継手102を示す図である。第2実施形態の雄側管継手102を構成する部品について、第1実施形態の雄側管継手101を構成する部品と同様の部品については、同一の符号を付している。
第1実施形態の雄側管継手101では、第1本体部1を構成する筒部3と第1環状凸部4とが一体(一体成形)とされ、第2環状凸部5は筒部3と別体とされている。これに対して、第2実施形態の雄側管継手102では、筒部3と第2環状凸部5とが一体(一体成形)とされ、第1環状凸部4は筒部3と別体とされている。この違いが、第1実施形態の雄側管継手101と、第2実施形態の雄側管継手102との相違点である。
雄側管継手102においても、筒部3の材料は、レーザー光に対して吸収性を有する樹脂材料とされる。そのため、筒部3と一体である第2環状凸部5の材料は、レーザー光に対して吸収性を有する樹脂材料となる。これに対して、第1環状凸部4の材料は、レーザー光に対して透過性を有する樹脂材料とされる。なお、第1実施形態の場合と同様に、第2環状凸部5を含む筒部3の材料は、レーザー光に対して吸収性を有する樹脂材料以外の樹脂材料とされてもよい。また、第1環状凸部4の材料は、レーザー光に対して透過性を有する樹脂材料以外の樹脂材料とされてもよい。
第1実施形態における第2環状凸部5の場合と同様に、第1環状凸部4は、筒部3の外周面にレーザー光にて溶着固定される。
第1環状凸部4に代えて、第2環状凸部5が筒部3と一体(一体成形)とされても、筒部3の射出成型用の金型として、円筒をその軸方向に沿って2つに割ったような金型(割り型)ではなく、分割面が存在しない円筒形状の金型を用いることができる。分割面が存在しない2つの円筒形状の金型を用いることで、金型を成形品から外すことができる。円筒形状の金型を用いると、第1シール溝S1の底面および第2シール溝S2の底面を形成する筒部3の外周面に、筒部3の軸方向に延びるパーティングラインはできない。すなわち、第1シール溝S1および第2シール溝S2の底を横切るように延びるパーティングラインはできない。また、第2環状凸部5の側壁において縦(筒部3の径方向)に延びるパーティングラインもできない。
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態の雄側管継手103を示す図である。第3実施形態の雄側管継手103を構成する部品について、第1実施形態の雄側管継手101を構成する部品と同様の部品については、同一の符号を付している。
図5は、第3実施形態の雄側管継手103を示す図である。第3実施形態の雄側管継手103を構成する部品について、第1実施形態の雄側管継手101を構成する部品と同様の部品については、同一の符号を付している。
第2実施形態の雄側管継手102では、第1環状凸部4は、筒部3の外周面にレーザー光にて溶着固定される。これに対して、第3実施形態の雄側管継手103では、第1環状凸部4は、筒部3の外周面に嵌め込みにて固定されている。この違いが、第2実施形態の雄側管継手102と、第3実施形態の雄側管継手103との相違点である。
雄側管継手103において、第1環状凸部4は、その内周面に環状の係合部4aが設けられている。係合部4aは、環状の凸部である。この係合部4aに対応する環状の凹部3bが、筒部3の端部の外周面に設けられている。係合部4aが凹部3bに嵌り込むことで、第1環状凸部4は、筒部3の外周面に固定される。
本実施形態においても、筒部3の射出成型用の金型として、円筒をその軸方向に沿って2つに割ったような金型(割り型)ではなく、分割面が存在しない2つの円筒形状の金型を用いることで、金型を成形品から外すことができる。円筒形状の金型を用いると、第1シール溝S1の底面および第2シール溝S2の底面を形成する筒部3の外周面に、筒部3の軸方向に延びるパーティングラインはできない。すなわち、第1シール溝S1および第2シール溝S2の底を横切るように延びるパーティングラインはできない。また、第2環状凸部5の側壁において縦(筒部3の径方向)に延びるパーティングラインもできない。
(効果)
雄側管継手101、102、103は、いずれも、樹脂材料からなる筒形状の第1本体部1と、第1本体部1の軸方向の端部が挿入されるとともに固定された樹脂材料からなる第2本体部2と、を備える雄側管継手である。第1本体部1は、環状のシール部材(例えば、Oリング)が装着されるシール溝の側壁を形成する第1環状凸部4および第2環状凸部5を外周面に有する。第1環状凸部4および第2環状凸部5のうちの一方は、第1本体部1の筒部3と一体とされ、他方は、筒部3と別体とされて筒部3の外周面に固定されている。
雄側管継手101、102、103は、いずれも、樹脂材料からなる筒形状の第1本体部1と、第1本体部1の軸方向の端部が挿入されるとともに固定された樹脂材料からなる第2本体部2と、を備える雄側管継手である。第1本体部1は、環状のシール部材(例えば、Oリング)が装着されるシール溝の側壁を形成する第1環状凸部4および第2環状凸部5を外周面に有する。第1環状凸部4および第2環状凸部5のうちの一方は、第1本体部1の筒部3と一体とされ、他方は、筒部3と別体とされて筒部3の外周面に固定されている。
この構成によると、射出成型によって筒部3を製造するに際し、筒部3の射出成型用の金型として、円筒をその軸方向に沿って2つに割ったような金型(割り型)ではなく、分割面が存在しない円筒形状の金型を用いることができる。円筒形状の金型を用いると、第1シール溝S1の底面および第2シール溝S2の底面を形成する筒部3の外周面に、筒部3の軸方向に延びるパーティングラインはできない。すなわち、第1シール溝S1および第2シール溝S2の底を横切るように延びるパーティングラインはできない。また、筒部3と一体とされた第1環状凸部4、または第2環状凸部5の側壁において縦(筒部3の径方向)に延びるパーティングラインもできない。したがって、シール溝の底を横切るように延びたり、シール溝の側壁において縦に延びたりするパーティングラインのない、2つのシール部材が装着可能な樹脂製の雄側管継手101、102、103を製造することができる。
また、第1環状凸部4および第2環状凸部5のうちの別体とした方は、別途、射出成型によって製造することとなるので、その分の金型が必要となる。ここで、第1環状凸部4および第2環状凸部5の両方を別体とすると、必要な金型がその分、増えてしまうことになる。第1環状凸部4および第2環状凸部5のうちのいずれかだけを別体とすることで、金型の数を減らすことができ、製造コストを抑えることができる。
ここで、第1環状凸部4および第2環状凸部5のうちの別体とされている方は、筒部3の外周面にレーザー光にて溶着固定されるとよい。この構成によると、第1環状凸部4および第2環状凸部5のうちの別体とされている方と筒部3とを強固に固定することができる。
また、筒部3は、レーザー光に対して吸収性を有する樹脂材料で形成され、且つ、第1環状凸部4および第2環状凸部5のうちの別体とされている方は、レーザー光に対して透過性を有する樹脂材料で形成されているとよい。この構成によると、レーザー光にての溶着(レーザー溶着)を容易に行うことができる。
また、第2本体部2は、第1本体部1の軸方向の端部が挿入されるとともに固定される筒形状の受け口8であって、第1本体部1側に突出する受け口8を有し、第1環状凸部4および第2環状凸部5に加えて、受け口8がシール溝の側壁を形成しているとよい。これによれば、シール溝を形成しやすい。
また、第2本体部2は、受け口8において、筒部3の外周面にレーザー光にて溶着固定されるとよい。この構成によると、第2本体部2と筒部3とを強固に固定することができる。
また、筒部3は、レーザー光に対して吸収性を有する樹脂材料で形成され、且つ、第2本体部2は、レーザー光に対して透過性を有する樹脂材料で形成されているとよい。この構成によると、レーザー光にての溶着(レーザー溶着)を容易に行うことができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記実施形態の要素を適宜組み合わせたり、上記実施形態に種々の変更を加えたりすることが可能である。
例えば、上記実施形態は、次のように変更可能である。
第1環状凸部4および第2環状凸部5のうちの別体とした方と、筒部3との固定方法は、レーザー溶着(第1、第2実施形態)、または嵌め込み(第3実施形態)に限定されない。他の固定方法として、スピン溶着、超音波溶着、および振動溶着などを挙げることができる。第2本体部2の受け口8と、筒部3との固定方法についても同様である。第2本体部2の受け口8と、筒部3との固定は、スピン溶着、超音波溶着、および振動溶着などの方法で行われてもよい。
第2本体部2において、カラー10はなくてもよい。
1:第1本体部
2:第2本体部
3:筒部
4:第1環状凸部
5:第2環状凸部
8:受け口
101、102、103:雄側管継手
S1:第1シール溝(シール溝)
S2:第2シール溝(シール溝)
2:第2本体部
3:筒部
4:第1環状凸部
5:第2環状凸部
8:受け口
101、102、103:雄側管継手
S1:第1シール溝(シール溝)
S2:第2シール溝(シール溝)
Claims (6)
- 樹脂材料からなる筒形状の第1本体部と、
前記第1本体部の軸方向の端部が挿入されるとともに固定された樹脂材料からなる第2本体部と、
を備え、
前記第1本体部は、環状のシール部材が装着されるシール溝の側壁を形成する第1環状凸部および第2環状凸部を外周面に有し、
前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうちの一方は、前記第1本体部の筒部と一体成形とされ、他方は、前記筒部と別体とされて前記筒部の外周面に固定されている、
雄側管継手。 - 請求項1に記載の雄側管継手において、
前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうちの前記他方は、前記筒部の外周面にレーザー光にて溶着固定されている、
雄側管継手。 - 請求項2に記載の雄側管継手において、
前記筒部は、レーザー光に対して吸収性を有する樹脂材料で形成されており、
前記第1環状凸部および前記第2環状凸部のうちの前記他方は、レーザー光に対して透過性を有する樹脂材料で形成されている、
雄側管継手。 - 請求項1から3のいずれかに記載の雄側管継手において、
前記第2本体部は、前記第1本体部の軸方向の端部が挿入されるとともに固定される筒形状の受け口であって、前記第1本体部側に突出する受け口を有し、
前記第1環状凸部および前記第2環状凸部に加えて、前記受け口が前記シール溝の側壁を形成している、
雄側管継手。 - 請求項4に記載の雄側管継手において、
前記第2本体部は、前記受け口において、前記筒部の外周面にレーザー光にて溶着固定されている、
雄側管継手。 - 請求項5に記載の雄側管継手において、
前記筒部は、レーザー光に対して吸収性を有する樹脂材料で形成されており、
前記第2本体部は、レーザー光に対して透過性を有する樹脂材料で形成されている、
雄側管継手。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022083284A JP2023171066A (ja) | 2022-05-20 | 2022-05-20 | 雄側管継手 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022083284A JP2023171066A (ja) | 2022-05-20 | 2022-05-20 | 雄側管継手 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023171066A true JP2023171066A (ja) | 2023-12-01 |
Family
ID=88928437
Family Applications (1)
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JP2022083284A Pending JP2023171066A (ja) | 2022-05-20 | 2022-05-20 | 雄側管継手 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023171066A (ja) |
-
2022
- 2022-05-20 JP JP2022083284A patent/JP2023171066A/ja active Pending
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