JP2023170704A - 車両用リッド装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、車両用リッド装置に関する。
車両用部材に設けられた開口をリッド部材により開閉する車両用リッド装置として種々のものが知られている。
当該車両用リッド装置の一種として、車両用ドアハンドル装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。当該車両用ドアハンドル装置は、車両ドアのラッチを解除するドアハンドルを、使用しない際には車両ドアの外部から遮断し、使用する際には車両ドアの外部からアクセス可能にするための装置である。
より詳しくは、ドアハンドルは、車両用部材としての車両ドアに設けられた開口の奥側、すなわち車両ドアの内部に設けられる。リッド部材は、開口を閉じる閉位置と開口を開放する開位置との間を位置変化することで、当該開口を開閉する。
当該車両用リッド装置の一種として、車両用ドアハンドル装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。当該車両用ドアハンドル装置は、車両ドアのラッチを解除するドアハンドルを、使用しない際には車両ドアの外部から遮断し、使用する際には車両ドアの外部からアクセス可能にするための装置である。
より詳しくは、ドアハンドルは、車両用部材としての車両ドアに設けられた開口の奥側、すなわち車両ドアの内部に設けられる。リッド部材は、開口を閉じる閉位置と開口を開放する開位置との間を位置変化することで、当該開口を開閉する。
近年、車体や車両外装品、路面等を明るく照らしたり、これらに各種の意匠を表示したりする目的で、車両に光源を搭載することが提案されている。特許文献1にも、車両用ドアハンドル装置に光源を搭載する旨が紹介されている。
詳しくは、特許文献1に紹介されている車両用ドアハンドル装置では、車両ドアの内部に光源を搭載している。そして、特許文献1には、当該光源が発する光によって開口の内部を照明する旨が説明されている。さらに、当該特許文献1には、リッド部材が閉位置にあるときに、当該光源が発した光を、開口の周縁部とリッド部材との隙間から車両用ドアハンドル装置の外方に向けて透過させる旨も説明されている(例えば特許文献1の[0060]~[0063]段落)。
ところで、特許文献1の車両用ドアハンドル装置のように、光源の発する光を、リッド部材が閉位置にあるときに開口の周縁部とリッド部材との隙間から外部に向けて透過させるためには、開口の周縁部とリッド部材との間の隙間が必須となる。
しかし乍ら、上記の隙間が過大であれば、当該隙間を経て車両ドアの内部に雨水や塵芥等が多量に入り込む等の不具合が生じる虞がある。当該隙間を最小限に設計すると、リッド部材や開口周縁部の寸法がばらついた場合に、当該隙間が過小になる虞がある。当該隙間が過小であれば、光源が発する光を車両外部から視認し難くなり、ドアハンドル装置に優れた機能性や意匠性を付与し難い問題が生じる。
上記した特許文献1のように車両ドアの内部に光源を搭載し、さらに、リッド部材自体にも光源を搭載する場合には、上記した開口の周縁部とリッド部材との間の隙間を設けることなく、当該光源が発する光を、車両用ドアハンドル装置の外部に向けて表示することができると考えられる。具体的には、光源をリッド部材の表面に露出させたり、可視光を透過可能な光透過部をリッド部材に設けるとともに光源を当該光透過部の奥側に配置したりすることが考えられる。
しかし上記のようにリッド部材自体にも光源を搭載する場合には、各々異なる光源を含む異なる二種の照明機構を必要とするために、車両用ドアハンドル装置が複雑化し、その結果、当該車両用ドアハンドル装置に要するコストが高騰する問題がある。
また、上記したようにリッド部材は開位置と閉位置との間を位置変化するものであるところ、リッド部材に光源を搭載する場合には、当該光源と電源とを連絡するワイヤハーネスとして、リッド部材の位置変化に伴い変形するものを用いる必要がある。この場合、リッド部材と電源との位置関係や、リッド部材が位置変化する軌跡等よっては、当該ワイヤハーネスがリッド部材の位置変化に干渉する虞もある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、リッド部材を光源により照らすことができ、かつ、簡単な構造からなる車両用リッド装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の車両用リッド装置は、
車両用部材に設けられた開口を閉じる閉位置と、前記開口を開放する開位置と、の間で位置変化するリッド部材と、
前記開口よりも奥側に配置されている反射体と、
前記開口よりも奥側に配置され前記反射体に向けて可視光を発する光源と、を有し、
前記反射体は、前記光源が発した光を前記開口に向けて反射し、
前記リッド部材は、前記閉位置において前記反射体からの光を前記車両用部材の外部に透過する光透過部を有する、車両用リッド装置である。
車両用部材に設けられた開口を閉じる閉位置と、前記開口を開放する開位置と、の間で位置変化するリッド部材と、
前記開口よりも奥側に配置されている反射体と、
前記開口よりも奥側に配置され前記反射体に向けて可視光を発する光源と、を有し、
前記反射体は、前記光源が発した光を前記開口に向けて反射し、
前記リッド部材は、前記閉位置において前記反射体からの光を前記車両用部材の外部に透過する光透過部を有する、車両用リッド装置である。
本発明の車両用リッド装置は、リッド部材を光源により照らすことができ、かつ、簡単な構造からなる車両用リッド装置である。
本発明の車両用リッド装置は、開口よりも奥側に配置されている反射体と、同じく開口よりも奥側に配置され反射体に向けて可視光を発する光源と、を有する。反射体は、光源が発した光を開口に向けて反射する。つまり本発明の車両用リッド装置によると、光源が発し反射体が反射した反射光によって、開口を間接照明し得る。
このため本発明の車両用リッド装置では、リッド部材が開位置にあるときには、当該反射光が開口を経て外部から視認される。換言すると、この場合には開口の奥側が照らされて、開口の内部が全体的に光っているように見える。
また、リッド部材が閉位置と開位置との間の位置にあるとき、つまり、開口の周縁部とリッド部材との間に手前側-奥側方向の多少の隙間がある場合には、反射体が開口に向けて反射した反射光によって、開口の周縁部とリッド部材との隙間が照らされて、当該隙間がライン状に光っているように見える。
さらに本発明の車両用リッド装置におけるリッド部材は、可視光を透過可能な光透過部を有する。このため、リッド部材が閉位置にあるとき、すなわちリッド部材が開口を閉じているときには、開口に到達した反射光は、リッド部材の光透過部を経て車両用部材の外部に透過する。つまり、本発明の車両用リッド装置によると、光源が発し反射部材を反射した反射光が、光透過部を透過することによってリッド部材を間接照明でき、及び/又は、光透過部に応じた光の意匠をリッド部材に表示できる。
本発明の車両用リッド装置では、このように反射光を用いることにより、別途光源を設けることなく、リッド部材を照明したり、リッド部材に光の意匠を表示したりすることが可能になる。
そしてリッド部材を照明する光源は、開口よりも奥側に配置されリッド部材には搭載されないため、リッド部材は簡単な構造からなる。つまり、本発明の車両用リッド装置は、リッド部材を照明する光源を有するにも拘わらず、簡単な構造からなるものである。
そしてリッド部材を照明する光源は、開口よりも奥側に配置されリッド部材には搭載されないため、リッド部材は簡単な構造からなる。つまり、本発明の車両用リッド装置は、リッド部材を照明する光源を有するにも拘わらず、簡単な構造からなるものである。
以下、本発明の車両用リッド装置をその構成要素毎に説明する。
なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x~y」は、下限x及び上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値及び下限値、並びに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで新たな数値範囲を構成し得る。更に、上記の何れかの数値範囲内から任意に選択した数値を新たな数値範囲の上限、下限の数値とすることができる。
なお、特に断らない限り、本明細書に記載された数値範囲「x~y」は、下限x及び上限yをその範囲に含む。そして、これらの上限値及び下限値、並びに実施例中に列記した数値も含めてそれらを任意に組み合わせることで新たな数値範囲を構成し得る。更に、上記の何れかの数値範囲内から任意に選択した数値を新たな数値範囲の上限、下限の数値とすることができる。
本発明の車両用リッド装置は、車両用部材に設けられた開口をリッド部材により開閉するものであれば良い。例えば、本発明の車両用リッド装置は、既述した類いの車両用ドアハンドル装置であっても良い。または、本発明の車両用リッド装置は、車両の給油口や充電ポートを収容する筐体の開口をリッド部材により開閉するためのものであっても良い。
本発明の車両用リッド装置が車両用ドアハンドル装置である場合、本発明の車両用リッド装置は、ラッチ解除ハンドルとも称される車両ドアのハンドルを含んでも良いし含まなくても良い。
本発明の車両用リッド装置が車両用ドアハンドル装置である場合、本発明の車両用リッド装置は、ラッチ解除ハンドルとも称される車両ドアのハンドルを含んでも良いし含まなくても良い。
本発明の車両用リッド装置は、リッド部材、反射体および光源を有する。
このうち光源は可視光を発するものであれば良く、その種類、数、光色等は特に限定しない。光源の一例として、LEDランプやハロゲンランプ、白熱灯を例示できる。
光源は開口の奥側に配置され、反射体に向けて光を発すれば良く、その位置は特に問わないが、開口の手前側つまり本発明の車両用リッド装置の外部から視認され難い位置にあるのが好適である。光源が直接視認されると、車両用リッド装置の意匠性が損なわれる虞があるためである。
例えば本発明の車両用リッド装置が車両用ドアハンドル装置である場合、開口は車両ドアに設けられる。車両ドアにおいて、当該開口よりも奥側かつ上側の領域は、当該開口よりも奥側かつ下側の領域に比べて小さく、また、様々な部材を配置する場合が多い。このため光源は、開口よりも奥側かつ下側の領域に配置するのが特に好適である。換言すると、光源は、車両ドアの内部において開口よりも下側の領域に配置するのが特に好適である。
反射体は、可視光を反射できれば良く、その形状や材料は特に限定されないが、可視光を全反射するものであるのが好適である。例えば反射体は、平滑な反射面3rを有する金属板であっても良いし、樹脂等を基体とし当該基体の反射面3rにメッキや塗装等による反射層を形成したものであっても良い。
また反射体は、可視光を単に反射するだけでなく、当該可視光を開口に向けて集光する集光体であるのが特に好ましい。集光体としての反射体は、例えば、集光レンズや集光ミラー等と称される凹面鏡構造を有するのが特に好適である。この場合には、光の損失を抑制でき、少ない光量で開口やリッド部材を明るく間接照明でき、及び/又は、光透過部に応じた明るい光の意匠をリッド部材に表示することが可能になる。
反射体は、開口の手前側から視認されても良いし、視認されなくても良い。反射体が開口の手前側から視認される場合、リッド部材が開位置にあるときには開口から反射光で光る反射体が見える。
なお、反射体の反射面3rは単なる平滑面であっても良いが、所定の文字や図形等を表示する凹凸面であっても良い。また、反射体の反射面3rは単色であっても良いが、塗装や印刷等により所定の文字や図形を表示しても良い。これらの場合には、本発明の車両用リッド装置により多様な意匠を表示することが可能になる。
なお、反射体の反射面3rは単なる平滑面であっても良いが、所定の文字や図形等を表示する凹凸面であっても良い。また、反射体の反射面3rは単色であっても良いが、塗装や印刷等により所定の文字や図形を表示しても良い。これらの場合には、本発明の車両用リッド装置により多様な意匠を表示することが可能になる。
リッド部材は、車両用部材に設けられた開口を開閉可能であり、当該開口を閉じる閉位置と当該開口を開放する開位置との間で位置変化する。本発明では、リッド部材の位置変化様式やリッド部材を駆動する機構等については特に限定しない。例えば、リッド部材は、閉位置から開位置に位置変化する際に開口の奥側に入り込む所謂ダイブ型のものであっても良いし、開口の手前側に飛び出す所謂ポップアップ型のものであっても良い。
本発明の車両用リッド装置におけるリッド部材は、開口を開閉可能であり、かつ、可視光を透過可能な光透過部を有すれば良く、その形状や材料もまた特に限定されない。
光透過部は、光源が発し反射体を経た反射光(可視光)を透過可能なものである。このような光透過部は、反射光の光路上にあり、当該反射光をリッド部材の手前側つまり車両用リッド装置の外部に透過することで、当該反射光を車両外部から視認可能にできれば良い。換言すると、光透過部は、リッド部材の少なくとも一部において、閉位置にある当該リッド部材を奥側-手前側方向に光学的に連絡し、上記反射光の光路となるものである。
リッド部材は光透過部とは別に、光を透過しない部分を有するのが好ましい。当該光を透過しない部分を非透過部と称する。リッド部材が光透過部と非透過部とを有することで、光る部分と光らない部分とのコントラストが鮮明になり、光透過部の意匠が際立ち、その結果、本発明の車両用リッド装置に優れた意匠性を付与することが可能である。
なお、光透過部は波長380~800nmの可視光を少しでも透過可能であれば良いが、本発明の車両用リッド装置に優れた機能性や意匠性を付与することを考慮すると、可視光透過率がある程度大きいものであることが好適である。具体的には、本発明の車両用リッド装置における光透過部の可視光透過率は、30%以上、50%以上、または70%以上であるのが好適である。
リッド部材が光透過部と非透過部とを有する場合、車両用リッド装置の意匠性を考慮すると、光透過部は、リッド部材の外縁部における周方向の少なくとも一部を構成するのが好ましい。なお、リッド部材の外縁部とは、リッド部材のうち開口を覆う部分、換言すると、閉位置において外部から視認される部分の外縁部を意味する。光透過部は、リッド部材の外縁部における周方向全周にわたって線状に存在するのが特に好ましい。
光透過部と非透過部とを有するリッド部材は、一般的な方法で製造すれば良い。例えば、この種のリッド部材の製造方法として、透明樹脂と有色樹脂とを材料とした二色成型法や、インサート成形法を例示できる。その他、別体で成形した光透過部と非透過部とを、爪嵌合や接着テープ、接着剤等を用いて一体化しても良い。
また、例えばリッド部材の基体を透明樹脂製とし、非透過部に相当する部分の表面を光透過性の低い塗料を用いて塗装等することで、光透過部と非透過部とを有するリッド部材を製造することも可能である。
また、例えばリッド部材の基体を透明樹脂製とし、非透過部に相当する部分の表面を光透過性の低い塗料を用いて塗装等することで、光透過部と非透過部とを有するリッド部材を製造することも可能である。
光透過部は、集光体を有するのが好適である。当該集光体は、〔1〕光透過部に入射した光を出射面側に集める機能を有するか、または、〔2〕光透過部に入射する光を集める機能を有するのが好適である。
〔1〕の場合、集光体は、光透過部の一部又は全体は構成するのが好適である。つまり、〔1〕の場合、集光体すなわち光透過部の一部または全体は、当該光透過部に入射し透過する光を、当該光透過部における出射面側の部分に向けて集光する機能を有する。
〔2〕の場合、集光部は、例えば、光透過部のうち反射体側の部分に設けるのが良く、表面積の大きな凹凸面状をなすのが好適である。つまり、〔2〕の場合、集光体すなわち光透過部における入射面側の部分は、当該光透過部により多くの光を入射させるための機能を有する。
これらの場合には、光の損失を抑制でき、少ない光量でリッド部材を明るく間接照明でき、及び/又は、光透過部に応じた明るい光の意匠をリッド部材に表示することが可能になる。
〔1〕の場合、集光体は、光透過部の一部又は全体は構成するのが好適である。つまり、〔1〕の場合、集光体すなわち光透過部の一部または全体は、当該光透過部に入射し透過する光を、当該光透過部における出射面側の部分に向けて集光する機能を有する。
〔2〕の場合、集光部は、例えば、光透過部のうち反射体側の部分に設けるのが良く、表面積の大きな凹凸面状をなすのが好適である。つまり、〔2〕の場合、集光体すなわち光透過部における入射面側の部分は、当該光透過部により多くの光を入射させるための機能を有する。
これらの場合には、光の損失を抑制でき、少ない光量でリッド部材を明るく間接照明でき、及び/又は、光透過部に応じた明るい光の意匠をリッド部材に表示することが可能になる。
以下、具体例を挙げて、本発明の車両用リッド装置を説明する。
(実施例)
実施例の車両用リッド装置は、既述した車両用ドアハンドル装置である。図1はリッド部材が閉位置にある実施例の車両用リッド装置を手前側(外部側)から見た様子を模式的に表す説明図である。図2及び図3はリッド部材が閉位置にある実施例の車両用リッド装置を奥側から見た様子を模式的に表す説明図である。このうち図2はケース体の奥壁を閉めた様子を示し、図3はケース体の奥壁を取り除いた様子を表す。つまり図3はケース体の内部が露出した状態で車両用リッド装置を奥側から見た様子を表す。図4はリッド部材が閉位置にある実施例の車両用リッド装置を切断した様子を模式的に表す説明図である。図5は図4の要部を拡大した様子を模式的に表す説明図である。図6はリッド部材が開位置にある実施例の車両用リッド装置を手前側からみた様子を模式的に表す説明図である。図7はリッド部材が開位置にある実施例の車両用リッド装置を切断した様子を模式的に表す説明図である。
以下、上、下、左、右、手前、奥とは各図に示す上、下、左、右、手前、奥を意味するものとする。なお、各方向は実施例の車両用リッド装置を正面から見た場合の方向に一致する。
(実施例)
実施例の車両用リッド装置は、既述した車両用ドアハンドル装置である。図1はリッド部材が閉位置にある実施例の車両用リッド装置を手前側(外部側)から見た様子を模式的に表す説明図である。図2及び図3はリッド部材が閉位置にある実施例の車両用リッド装置を奥側から見た様子を模式的に表す説明図である。このうち図2はケース体の奥壁を閉めた様子を示し、図3はケース体の奥壁を取り除いた様子を表す。つまり図3はケース体の内部が露出した状態で車両用リッド装置を奥側から見た様子を表す。図4はリッド部材が閉位置にある実施例の車両用リッド装置を切断した様子を模式的に表す説明図である。図5は図4の要部を拡大した様子を模式的に表す説明図である。図6はリッド部材が開位置にある実施例の車両用リッド装置を手前側からみた様子を模式的に表す説明図である。図7はリッド部材が開位置にある実施例の車両用リッド装置を切断した様子を模式的に表す説明図である。
以下、上、下、左、右、手前、奥とは各図に示す上、下、左、右、手前、奥を意味するものとする。なお、各方向は実施例の車両用リッド装置を正面から見た場合の方向に一致する。
図1、図2及び図3に示すように、実施例の車両用リッド装置1は、車両用部材である車両ドア90の内部に搭載されるものである。
実施例の車両用リッド装置1は、リッド部材2、反射体3、光源4、リッド部材駆動機構5、ラッチ解除ハンドル6(図4参照)及びケース体7を有する。
リッド部材2、反射体3、光源4、リッド部材駆動機構5及びラッチ解除ハンドル6は、ケース体7の内部に収容保持されている。ケース体7は後述する車両ドア90のアウタパネル91に対し、後述する開口92に奥側から対面する位置に取り付けられている。
リッド部材2、反射体3、光源4、リッド部材駆動機構5及びラッチ解除ハンドル6は、ケース体7の内部に収容保持されている。ケース体7は後述する車両ドア90のアウタパネル91に対し、後述する開口92に奥側から対面する位置に取り付けられている。
車両には、車両ドア90を開操作可能な状態で閉位置にロックするためのラッチと称されるロック機構が設けられている。ラッチ解除ハンドル6(図4参照)は、当該ラッチを解除操作するための操作部であり、車両ドア90の内部に配置されている。
詳しくは、実施例の車両用リッド装置1が搭載される車両ドア90は、アウタパネル91とインナパネル(図略)とが一体化されて成るものであり、当該アウタパネル91とインナパネルとの間に内部空間93を有する。
ラッチ解除ハンドル6を含む実施例の車両用リッド装置1は、アウタパネル91に取り付けられ、当該内部空間93に配置される。
ラッチ解除ハンドル6を含む実施例の車両用リッド装置1は、アウタパネル91に取り付けられ、当該内部空間93に配置される。
アウタパネル91には、その外部からラッチ解除ハンドル6を操作するための開口92(図1参照)が設けられている。開口92は、左右に延びる略矩形状をなし、車両ドア90のアウタパネル91を手前側-奥側方向に貫通する。
実施例の車両用リッド装置1は、その全体が、車両ドア90の内部空間に配置される。参考までに、ラッチ解除ハンドル6を含む実施例の車両用リッド装置1は、車両に設けられた複数の車両ドア90の各々に搭載され、各々独立して動作する。
図5に示すように、リッド部材2は、リッド本体部20、光透過部21、ベース部22及びガスケット23を有する。リッド部材2を構成する上記の各部分のうち光透過部21以外の部分は、既述した非透過部に相当する。
このうちリッド本体部20は、開口92よりもやや小径の板状をなす。リッド本体部20は可視光を透過しない。また、リッド部材2が図5に示す閉位置にあるときに、リッド本体部20は開口92の内部に填まり込み、このとき開口92の周縁部とリッド本体部20との間には隙間が形成される。
光透過部21は、可視光を透過する透明樹脂製であり、リッド本体部20よりもやや大径の板状をなし、リッド本体部20の奥側に重ねられて当該リッド本体部20に一体化されている。光透過部21の外縁部は、リッド本体部20の径方向外側に、リッド本体部20の周方向全周にわたって露出している。したがって、実施例の車両用リッド装置1におけるリッド部材2の外縁部には、その全周にわたって、光透過部21が線状に存在する。当該部分を光透過部21の出射部25と称する。出射部25はリッド本体部20の外縁を周方向全周にわたって帯状に縁取っているともいい得る。
図5に示すように、光透過部21の奥側面21bは凹面状をなしている。当該奥側面21bは、光透過部21のうち後述する反射体3側の面である。この奥側面21bは、凹面状をなし、光透過部21の奥側部分は、光透過部21に入射した光を出射部25に集める集光体として機能する。換言すると、実施例の車両用リッド装置1では、リッド本体部20の外縁を周方向全周にわたって効率よく照らすために、光透過部21に凹面状をなす奥側面21bを設けている。そして、光透過部21に入射した光を、当該奥側面21bにより効率よく出射部25に集め、当該出射部25から光透過部21の外部に光を出射する。
ベース部22は、内側に窓部22wを有する矩形の枠状をなす。当該窓部22wには光透過部21の奥側部分が填まり込んでおり、ベース部22と光透過部21とは一体化されている。なお、実施例の車両用リッド装置1におけるベース部22、光透過部21およびリッド本体部20は、一体に多色成形されている。
図3及び図4に示すようにベース部22の左右端部には、各々ラック51が設けられている。当該ラック51は、上方に延びるとともに、その上端部が奥側に湾曲し、さらに上方に延びている。当該ラック51は、後述するように車両ドア90に対して回転可能に取り付けられたピニオン52と噛合する。なお、ピニオン52は図略の電動モータに接続されており、当該電動モータに駆動されて回転する。ピニオン52が回転すると、当該ピニオン52に噛合するラック51がスライドし、当該ラック51が一体に設けられているリッド部材2は、当該ラック51の延びる方向に沿って位置変化する。具体的には、図4に示すように開口92を閉じる閉位置に配置されているリッド部材2は先ず、奥側に向けてスライドし、次いで上方に向けてスライドする。
またベース部22の左端部には、ピン状をなし左方に突起する第2ガイド部54が設けられている。ベース部22の右端部にもまた、ピン状をなし右方に突起する第2ガイド部54が設けられている。各第2ガイド部54は、ケース体7の左右側壁に設けられた溝状をなす第1ガイド部53に挿入される。
第1ガイド部53は、手前側から奥側に向けて延びるとともに、その奥端部が上側に向けて湾曲し、さらに上方に延びている。第2ガイド部54は第1ガイド部53内を相対的にスライドし得る。このため、第1ガイド部53と第2ガイド部54は、リッド部材2を安定的に位置変化させるためのガイド部として機能する。
光源4は、LEDランプであり、図略の電源に接続されている。図3に示すように、実施例の車両用リッド装置1は3つの光源4を有し、各々の光源4はケース体7の下側内部において左右方向に配列している。各光源4は反射体3に向けて光を照射する。
反射体3は、ケース体7の内部において、光源4よりも上側かつリッド部材2よりも奥側に配置されている。
反射体3は、樹脂製の基体にメッキによる反射層が形成されてなる。反射体3のうち当該反射層のある面が反射面3rである。反射体3はその反射面3rを手前側に向けた凹面鏡構造を有し、上記の凹面鏡構造によって、光源4が発した光を集め開口92に向けて反射する集光体として機能する。
反射体3は、樹脂製の基体にメッキによる反射層が形成されてなる。反射体3のうち当該反射層のある面が反射面3rである。反射体3はその反射面3rを手前側に向けた凹面鏡構造を有し、上記の凹面鏡構造によって、光源4が発した光を集め開口92に向けて反射する集光体として機能する。
リッド部材駆動機構5は、既述したラック51、ピニオン52、図略の電動モータ、第1ガイド部53及び第2ガイド部54を有する。実施例の車両用リッド装置1において、電動モータを駆動制御するリッド部材駆動機構5の制御部、および、光源4をオン/オフ制御する制御部として、車両のECUを用いているが、これら制御部として車両用リッド装置1専用のものを設けても良い。また、実施例の車両用リッド装置1では、電動モータや光源4の電源として車両の走行用バッテリを用いているが、車両用リッド装置1専用の電源を別途設けても良い。
ラッチ解除ハンドル6は、ケース体7の内部つまり開口92の奥側において開口92よりも上側に配置されている。
ラッチ解除ハンドル6は、左右方向に延びており、ケース体7に対して枢支されて、待機位置(図4参照)と解除位置(図示せず)との間を回動可能である。ラッチ解除ハンドル6は、図略のラッチ機構に接続されている。ユーザーが開口92から奥側に指を差し込み、待機位置にあるラッチ解除ハンドル6を解除位置にまで回動させることで、ラッチ機構によるドアロックを解除することができる。なおラッチ解除ハンドル6は、図略の付勢部材により、図4に示す待機位置に付勢されている。
ラッチ解除ハンドル6は、左右方向に延びており、ケース体7に対して枢支されて、待機位置(図4参照)と解除位置(図示せず)との間を回動可能である。ラッチ解除ハンドル6は、図略のラッチ機構に接続されている。ユーザーが開口92から奥側に指を差し込み、待機位置にあるラッチ解除ハンドル6を解除位置にまで回動させることで、ラッチ機構によるドアロックを解除することができる。なおラッチ解除ハンドル6は、図略の付勢部材により、図4に示す待機位置に付勢されている。
以下、実施例の車両用リッド装置1の動作を説明する。
実施例の車両用リッド装置1では、先ず、スマートキーを有するユーザーが車両ドア90に近づくと、車両に搭載されているセンサがそれを検知し、制御部が光源4への給電を開始する。
このときリッド部材2は図4及び図5に示す閉位置に配置されており、開口92を閉じている。つまり開口92の内部にはリッド部材2のリッド本体部20及び光透過部21が露出し、図1に示すように、光透過部21の出射部25はリッド本体部20の外縁を周方向全周にわたって帯状に縁取っている。出射部25のうち手前側の面は光透過部21の出射面である。
給電を受けた光源4は、図5に示すように、反射体3に向けて光を発する。光源4が発した光は反射体3の反射面3rで反射し、開口92に向けて進む。図5に示すようにリッド部材2が閉位置にある場合には、反射面3rを経た反射光は、リッド部材2の奥側面21bに到達する。
ここで、リッド部材2の奥側面21bには、光透過部21が露出している。光透過部21の奥側面21bは凹面状をなし、光透過部21のうち奥側部分は、光透過部21に入射した光を出射部25に向けて集める集光体として機能する。つまり実施例の車両用リッド装置1によると、リッド部材2の奥側面21bに到達し光透過部21に入射した反射光は、光透過部21内を出射部25に向けて進み、出射部25の出射面25eを経て外部すなわち開口92の手前側に出射する。
したがって、このとき開口92の内部には、リッド部材2の光透過部21、より詳しくは出射部25の形状に応じた帯状の明るい光の意匠が表示される。
したがって、このとき開口92の内部には、リッド部材2の光透過部21、より詳しくは出射部25の形状に応じた帯状の明るい光の意匠が表示される。
ユーザーが車両ドア90にさらに近づくか、または、ユーザーがキーシリンダにキーを差し込むと、制御部が電動モータへの給電を開始し、ラック51とピニオン52とによるラックアンドピニオン機構により、リッド部材2が図4に示す閉位置から図7に示す開位置に位置変化する。このときリッド部材2が奥側に引き込まれることで、開口92の奥側、より具体的には反射体3が視認できるようになる。反射体3は光源4に照らされて明るく光る。また、反射体3の反射光は開口92に向けて進む。したがって、図6に示すように、このとき開口92の内部は反射光により一様に明るく光る。
なお、本実施例では図示しないが、リッド部材2が閉位置と開位置との間の位置にあり、かつ、リッド部材2が開口92の内部に視認されるときには、開口92の周縁部とリッド部材2との間に隙間が生じる。この場合、反射光によって当該隙間がライン状に明るく光る。
以上のように、実施例の車両用リッド装置1では、反射光を用いた照明を行うことにより、リッド部材2専用の光源4を別途要することなく、リッド部材2に光の意匠を表示することが可能である。
実施例の車両用リッド装置1における光源4は、開口92よりも奥側に配置され、反射光すなわち間接光でリッド部材2を照らすため、リッド部材2に光源4を搭載する必要はなく、リッド部材2の構造を単純化できる。
したがって、実施例の車両用リッド装置1は、リッド部材2を照明する光源4を有するにも拘わらず、簡単な構造からなるものといい得る。
実施例の車両用リッド装置1における光源4は、開口92よりも奥側に配置され、反射光すなわち間接光でリッド部材2を照らすため、リッド部材2に光源4を搭載する必要はなく、リッド部材2の構造を単純化できる。
したがって、実施例の車両用リッド装置1は、リッド部材2を照明する光源4を有するにも拘わらず、簡単な構造からなるものといい得る。
尚、本発明は、上述した実施形態等に限定されるものではなく、当該実施形態等に記載した要素を適宜抽出し組み合わせて実施することや、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
また、本発明の明細書は、出願当初における各請求項の引用関係に止まらず各請求項に記載された事項を適宜組み合わせた技術思想を開示するものである。
また、本発明の明細書は、出願当初における各請求項の引用関係に止まらず各請求項に記載された事項を適宜組み合わせた技術思想を開示するものである。
1:車両用リッド装置 2:リッド部材
3:反射体 4:光源
21:光透過部 6:ラッチ解除ハンドル
90:車両ドア(車両用部材) 92:開口
3:反射体 4:光源
21:光透過部 6:ラッチ解除ハンドル
90:車両ドア(車両用部材) 92:開口
Claims (5)
- 車両用部材に設けられた開口を閉じる閉位置と、前記開口を開放する開位置と、の間で位置変化するリッド部材と、
前記開口よりも奥側に配置されている反射体と、
前記開口よりも奥側に配置され前記反射体に向けて可視光を発する光源と、を有し、
前記反射体は、前記光源が発した光を前記開口に向けて反射し、
前記リッド部材は、前記閉位置において前記反射体からの光を前記車両用部材の外部に透過する光透過部を有する、車両用リッド装置。 - 前記反射体は、前記反射体に反射した光を前記開口に向けて集める集光体である、請求項1に記載の車両用リッド装置。
- 前記光透過部は、前記光透過部に入射した光を出射面側に集める集光体を有する、請求項1に記載の車両用リッド装置。
- 前記光透過部は、前記リッド部材の外縁部における周方向の少なくとも一部を構成する、請求項1に載の車両用リッド装置。
- 前記車両用部材は、車両ドアであり、
さらに、前記車両ドアの内部に配置され、前記リッド部材が前記開位置にあるときには前記開口を通じて前記車両ドアの外部から操作可能であり、所定操作が行われた場合に前記車両ドアのラッチを解除するラッチ解除ハンドルを有する、請求項1~請求項4の何れか1項に記載の車両用リッド装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022082649A JP2023170704A (ja) | 2022-05-19 | 2022-05-19 | 車両用リッド装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2022082649A JP2023170704A (ja) | 2022-05-19 | 2022-05-19 | 車両用リッド装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023170704A true JP2023170704A (ja) | 2023-12-01 |
Family
ID=88927571
Family Applications (1)
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JP2022082649A Pending JP2023170704A (ja) | 2022-05-19 | 2022-05-19 | 車両用リッド装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023170704A (ja) |
-
2022
- 2022-05-19 JP JP2022082649A patent/JP2023170704A/ja active Pending
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