JP2023170490A - 加工安定剤及びポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

加工安定剤及びポリアミド樹脂組成物 Download PDF

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Kazuhiro Kitamura
大和 高塚
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Abstract

【課題】樹脂材料の加工安定性の向上に有効な加工安定剤、特に樹脂材料のゲル化を十分に抑制する効果を有する加工安定剤を提供する。【解決手段】式(1):TIFF2023170490000013.tif28100[式(1)中、Xは、炭素数8以上の直鎖状の二価炭化水素基を表し、R1及びR2は、互いに独立に、メチル基、エチル基又はn-プロピル基を表す]で表されるフェノール化合物を含む加工安定剤。【選択図】なし

Description

本発明は、特定のフェノール化合物を含む加工安定剤、特定のフェノール化合物とポリアミド樹脂とを含むポリアミド樹脂組成物、及び該ポリアミド樹脂組成物を含むフィルムに関する。
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の樹脂材料は、製造時、加工時さらには使用時に、熱、酸素等の作用により劣化し、分子切断や分子架橋といった現象に起因する樹脂材料の強度物性の低下、流れ性の変化、着色、表面物性の低下等を伴い、商品価値が著しく損なわれることが知られている。
このような熱、酸素等による劣化を防ぐ目的で、従来から各種フェノール系安定剤が開発され、これらを樹脂材料に添加することにより、樹脂材料を安定化できることが知られている。例えば特許文献1には、フェノール系酸化防止剤を含むポリアミド樹脂組成物が開示されている。また、例えば特許文献2には、ヒンダードフェノール酸化防止剤化合物を含む熱及び紫外線安定化組成物が開示されている。
特許第6838555号公報 特表2017-518430号公報
本発明者らの検討によれば、樹脂材料に外力をかけて加工する際、樹脂材料の熱や酸素等による熱分解や酸化分解に加えて、樹脂材料のゲル化が生じ得ることがわかった。特にフィルム等の薄肉加工される樹脂材料や透明性が求められる用途に使用される樹脂材料にこのようなゲルが含まれていると、最終製品の品質を十分に高めることができない場合があると考えられる。例えば、特許文献1や特許文献2に開示されているような従来のフェノール系安定剤を添加する場合、このようなゲル化を十分に抑制することは難しいことがわかった。そのため、樹脂材料に外力をかけて加工する際の加工安定性を向上させるために使用される加工安定剤には、このようなゲル化を抑制する効果が求められる。
したがって、本発明の目的は、樹脂材料の加工安定性の向上に有効な加工安定剤、特に樹脂材料のゲル化を十分に抑制する効果を有する加工安定剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、以下の好適な態様を提供するものである。
〔1〕式(1):
Figure 2023170490000001
[式(1)中、
Xは、炭素数8以上の直鎖状の二価炭化水素基を表し、
及びRは、互いに独立に、メチル基、エチル基又はn-プロピル基を表す]
で表されるフェノール化合物を含む加工安定剤。
〔2〕式(1)中のXは炭素数8~12の直鎖状の二価炭化水素基を表す、〔1〕に記載の加工安定剤。
〔3〕ポリアミド樹脂用加工安定剤である、〔1〕又は〔2〕に記載の加工安定剤。
〔4〕ポリアミド樹脂は、芳香族化合物に由来する構成単位の割合が、ポリアミド樹脂に含まれる全構成単位に対して25モル%未満である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の加工安定剤。
〔5〕ポリアミド樹脂は脂肪族ポリアミドである、〔3〕又は〔4〕に記載の加工安定剤。
〔6〕ゲル化抑制剤である、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の加工安定剤。
〔7〕式(1):
Figure 2023170490000002
[式(1)中、
Xは、炭素数8以上の直鎖状の二価炭化水素基を表し、
及びRは、互いに独立に、メチル基、エチル基又はn-プロピル基を表す]
で表されるフェノール化合物と、ポリアミド樹脂とを含む、ポリアミド樹脂組成物。
〔8〕式(1)中のXは、炭素数8~12の直鎖状の二価炭化水素基を表す、〔7〕に記載のポリアミド樹脂組成物。
〔9〕ポリアミド樹脂は、芳香族化合物に由来する構成単位の割合が、ポリアミド樹脂に含まれる全構成単位に対して、25モル%未満である、〔7〕又は〔8〕に記載のポリアミド樹脂組成物。
〔10〕ポリアミド樹脂は脂肪族ポリアミドである、〔7〕~〔9〕のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
〔11〕〔7〕~〔10〕のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を含むフィルム。
本発明によれば、樹脂材料の加工安定性の向上に有効な加工安定剤、特に樹脂材料のゲル化を十分に抑制する効果を有する加工安定剤を提供できる。また、本発明のポリアミド樹脂組成物は高い加工安定性を有する。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本発明の範囲はここで説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更をすることができる。また、特定のパラメータ等について複数の上限値及び下限値が記載されている場合、これらの上限値及び下限値のうち任意の上限値と下限値とを組合せて好適な数値範囲とすることができる。
〔加工安定剤〕
本発明の加工安定剤は、式(1):
Figure 2023170490000003
[式(1)中、
Xは、炭素数8以上の直鎖状の二価炭化水素基を表し、
及びRは、互いに独立に、メチル基、エチル基又はn-プロピル基を表す]
で表されるフェノール化合物(以降、フェノール化合物(1)ともいう)を含む。
本発明者らは、式(1)中のXが炭素数8以上の直鎖状の二価炭化水素基を表し、かつ、R及びRが、互いに独立に、メチル基、エチル基又はn-プロピル基を表すフェノール化合物(1)を含む本発明の加工安定剤を樹脂材料に添加すると、樹脂材料に外力をかけて加工する際に生じ得る樹脂材料のゲル化が抑制され、樹脂材料の加工安定性を向上できることを見出した。フェノール化合物(1)を含む本発明の加工安定剤を添加することにより樹脂材料の加工安定性を向上できる理由は明らかではないが、フェノール化合物(1)はXが炭素数8以上の直鎖状の二価炭化水素基である構造を有しており、その結果、樹脂材料の加工温度におけるフェノール化合物(1)の樹脂材料への溶解性が最適化され、フェノール化合物(1)が有する加工安定化効果、特にゲル化抑制効果が効率的に発揮されるためであると考えられる。また、フェノール化合物(1)は、R及びRがメチル基、エチル基又はn-プロピル基であり、嵩高さが抑えられた構造を有しており、その結果、フェノール化合物(1)が樹脂材料のゲル化の原因となる部分に作用しやすくなるためであると考えられる。
式(1)中のXは、炭素数8以上の直鎖状の二価炭化水素基であれば特に制限されず、例えば炭素数8以上の直鎖状アルキレン基、炭素数8以上の直鎖状アルケニレン基及び炭素数8以上の直鎖状アルキニレン基等が挙げられる。これらの中でも、樹脂材料の加工安定性を向上しやすい観点から、式(1)中のXは、好ましくは炭素数8以上の直鎖状アルキレン基、より好ましくは炭素数8~12の直鎖状アルキレン基、さらに好ましくは炭素数8~11の直鎖状アルキレン基、特に好ましくは炭素数8~10の直鎖状アルキレン基である。
式(1)中、R及びRは、互いに独立に、メチル基、エチル基又はn-プロピル基を表し、R及びRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。式(1)中のR及びRは、樹脂材料の加工安定性を向上しやすい観点から、互いに独立に、好ましくはメチル基又はエチル基、より好ましくはメチル基である。
本発明の加工安定剤は、上記の式(1)で表される1種類のフェノール化合物(1)を含んでいてもよいし、式(1)で表される2種以上のフェノール化合物(1)を含んでいてもよい。
本発明の一実施形態において、本発明の加工安定剤におけるフェノール化合物(1)の含有量は、本発明の加工安定剤を添加する樹脂材料に対するフェノール化合物(1)の量を調整しやすい観点から、加工安定剤の総質量に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらにより好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上であり、好ましくは100質量%以下である。本発明の加工安定剤は、フェノール化合物(1)からなる加工安定剤であってもよい。
本発明の加工安定剤の形態は特に制限されず、例えば粉体状であっても、粉体状の本発明の加工安定剤を結着及び/又は凝集等により顆粒化させた造粒物の形態であってもよい。フェノール化合物(1)を含む本発明の加工安定剤は、樹脂材料に添加することにより、樹脂材料の加工安定剤、好ましくは樹脂材料に外力をかけて加工する際の加工安定剤、より好ましくは樹脂材料を加工する際の樹脂材料のゲル化を抑制するゲル化抑制剤、さらに好ましくは樹脂材料に外力をかけて加工する際の樹脂材料のゲル化を抑制するゲル化抑制剤として作用するため、樹脂材料の加工安定性を向上できる。
本発明の加工安定剤に含まれるフェノール化合物(1)は、式(1)中のXで表される炭素数8以上の直鎖状の二価炭化水素基を含む構造に対応する炭素数8以上の直鎖状ジアミンと、式(Y)で表されるカルボン酸、及び/又はその誘導体とを反応させることにより合成できる。式(Y)で表されるカルボン酸及びその誘導体は、単独で又は2種以上組合せて用いてよい。式(Y)で表されるカルボン酸の誘導体としては、カルボン酸エステル、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物等が挙げられる。
Figure 2023170490000004
[式(Y)中、Rは、式(1)中のR又はRと同じである]
式(1)中のXで表される炭素数8以上の直鎖状の二価炭化水素基を含む構造に対応する炭素数8以上の直鎖状ジアミンとしては、例えば、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン等が挙げられる。
式(Y)で表されるカルボン酸及びその誘導体の具体例としては、例えば、3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸メチル等のカルボン酸エステル、酢酸-3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸無水物等のカルボン酸無水物、3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸クロリド等のカルボン酸ハロゲン化物等が挙げられる。これらのカルボン酸及びその誘導体は、単独で又は2種以上組合せて用いてもよい。
これらの中でも、加水分解性が高く、反応性を高めやすい観点からは、式(Y)で表されるカルボン酸のエステルが好ましく、3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸メチル等の式(Y)のカルボン酸アルキルエステルがより好ましい。
式(1)中のXで表される炭化水素基を含む構造に対応するジアミンと式(Y)で表されるカルボン酸及び/又はその誘導体との反応において、式(Y)で表されるカルボン酸及び/又はその誘導体の使用量は、前記ジアミンに対してカルボン酸及び/又はその誘導体を不足なく反応させ、フェノール化合物(1)を得やすい観点から、ジアミン1モルに対して、好ましくは1.2~5モル、より好ましくは1.3~3モル、さらに好ましくは1.5~2モルであってよい。
前記反応は、必要に応じて触媒の存在下で行ってよい。触媒としては、例えばジブチルスズオキシド、ジオクチルスズオキシド、ジドデシルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、メチルフェニルスズオキシド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジクロリド、スズジ(2-エチルヘキサノエート)、スズジクロリド等のスズ化合物が挙げられる。これらの触媒は、単独で又は2種以上組合せて用いてよい。
前記反応を触媒の存在下で行う場合、触媒の添加量は適宜選択すればよく、例えばジアミン1モルに対して、0.001~1モル、好ましくは0.005~0.8モル、より好ましくは0.01~0.5モルであってよい。前記反応を触媒の存在下で行う場合、触媒は、一度に添加しても複数回に分けて添加してもよい。
前記反応は、溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としては、反応を阻害しない限り特に制限されず、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン等の脂肪族炭化水素;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等の含酸素系炭化水素;クロロホルム、四塩化炭素、モノクロロベンゼン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。これらの溶媒は単独で又は2種以上組合せて用いてもよい。これらの中でも、沸点及び溶解性の観点から、トルエン等の芳香族炭化水素が好ましい。
前記反応温度は、好ましくは60~180℃、より好ましくは80~160℃であり、還流状態で反応させることがさらに好ましい。前記反応は、空気下で行っても、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよいが、反応系内の水分を除去しやすい観点からは、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。また、前記反応は常圧下、加圧下、又は減圧下のいずれで行ってもよい。
前記反応後、得られた反応生成物を、慣用の方法、例えば濾過、洗浄、濃縮、再沈殿、再結晶、シリカゲルカラムトグラフィー等の分離手段により、反応混合物から分離精製することにより、フェノール化合物(1)を得ることができる。
本発明の一実施形態において、本発明の加工安定剤は、フェノール化合物(1)に加えて、必要に応じてさらに添加剤を含んでよい。添加剤としては、例えばフェノール化合物(1)を除くフェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、金属不活性化剤、過酸化物スカベンジャー、ポリアミド安定剤、ヒドロキシアミン、中和剤、滑剤、造核剤、充填剤、可塑剤、難燃剤、帯電防止剤、顔料、アンチブロッキング剤、界面活性剤、加工助剤、発泡剤、乳化剤、光沢剤等が挙げられる。これらの添加剤は単独で又は2種以上組合せて用いてよい。
フェノール化合物(1)を除くフェノール系酸化防止剤としては、例えば、アルキル化モノフェノール、アルキルチオメチルフェノール、ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、トコフェロール、ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、アルキリデンビスフェノール及びその誘導体、O-、N-及びS-ベンジル誘導体、ヒドロキシベンジル化マロネート誘導体、芳香族ヒドロキシベンジル誘導体、トリアジン誘導体、ベンジルホスホネート誘導体、アシルアミノフェノール誘導体、β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル、β-(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル、β-(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と一価又は多価アルコールとのエステル、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル酢酸と一価又は多価アルコールとのエステル、β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上組合せて用いてよい。
アルキル化モノフェノールとしては、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリ-t-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチルフェノール、2-t-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-イソブチルフェノール、2,6-ジシクロペンチル-4-メチルフェノール、2-(α-メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジオクダデシル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリシクロヘキシルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、2,6-ジ-ノニル-4-メチルフェノール、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルウンデシル-1'-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルヘプタデシル-1'-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1'-メチルトリデシル-1'-イル)フェノール及びそれらの混合物等が挙げられる。
アルキルチオメチルフェノールとしては、例えば、2,4-ジオクチルチオメチル-6-t-ブチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-エチルフェノール、2,6-ジドデシルチオメチル-4-ノニルフェノール及びそれらの混合物等が挙げられる。
ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノンとしては、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-4-メトキシフェノール、2,5-ジ-t-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-t-アミルヒドロキノン、2,6-ジフェニル-4-オクタデシルオキシフェノール、2,6-ジ-t-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)アジペート及びそれらの混合物等が挙げられる。
トコフェロールとしては、例えば、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール及びそれらの混合物等が挙げられる。
ヒドロキシル化チオジフェニルエーテルとしては、例えば、2,2'-チオビス(6-t-ブチルフェノール)、2,2'-チオビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-チオビス(4-オクチルフェノール)、4,4'-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4'-チオビス(2-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4'-チオビス(3,6-ジ-t-アミルフェノール)、4,4'-(2,6-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)ジスルフィド、及びそれらの混合物等が挙げられる。
アルキリデンビスフェノール及びその誘導体としては、例えば、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス[4-メチル-6-(α-メチルシクロヘキシル)フェノール)]、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4-メチル-6-ノニルフェノール)、2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'-エチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2'-エチリデンビス(4-イソブチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2'-メチレンビス[6-(α-メチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、2,2'-メチレンビス[4,6-(α,α-ジメチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、4,4'-メチレンビス(6-t-ブチル-2-メチルフェノール)、4,4'-メチレンビス(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4'-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1-ビス(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、2,6-ビス(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、1,1,3-トリス(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-3-n-ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコール ビス[3,3-ビス-3'-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2-(3'-t-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-メチルベンジル)-6-t-ブチル-4-メチルフェニル]テレフタレート、1,1-ビス(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-4-n-ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5-テトラ(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ペンタン、2-t-ブチル-6-(3'-t-ブチル-5'-メチル-2'-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェニル アクリレート、2,4-ジ-t-ペンチル-6-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ペンチルフェニル)エチル]フェニル アクリレート及びそれらの混合物等が挙げられる。
O-、N-及びS-ベンジル誘導体としては、例えば、3,5,3',5'-テトラ-t-ブチル-4,4'-ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル-4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート及びそれらの混合物等が挙げられる。
ヒドロキシベンジル化マロネート誘導体としては、例えば、ジオクタデシル-2,2-ビス(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル-2-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル-2,2-ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート、ビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル]-2,2-ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)マロネート及びそれらの混合物等が挙げられる。
芳香族ヒドロキシベンジル誘導体としては、例えば、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,4-ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、2,4,6-トリス(3,5-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノール及びそれらの混合物等が挙げられる。
トリアジン誘導体としては、例えば、2,4-ビス(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-n-オクチルチオ-4,6-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-n-オクチルチオ-4,6-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-フェノキシ)-1,3,5-トリアジン、トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルエチル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピル)-1,3,5-トリアジン、トリス(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、トリス[2-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシシンナモイルオキシ)エチル]イソシアヌレート及びそれらの混合物等が挙げられる。
ベンジルホスホネート誘導体としては、例えば、ジメチル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル-5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルベンジルホスホネート、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホン酸モノエステルのカルシウム塩及びそれらの混合物等が挙げられる。
アシルアミノフェノール誘導体としては、例えば、4-ヒドロキシラウリル酸アニリド、4-ヒドロキシステアリン酸アニリド、オクチル-N-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)カルバネート及びそれらの混合物等が挙げられる。
β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、β-(5-t-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロピオン酸、β-(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸又は3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル酢酸とエステルを形成し得る一価又は多価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、チオエチレングリコール、スピログリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2,2,2]オクタン及びそれらの混合物等が挙げられる。
β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミドとしては、例えば、N,N'-ビス[3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N'-ビス[3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヘキサメチレンジアミン、N,N'-ビス[3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオニル]トリメチレンジアミン及びそれらの混合物等が挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル 3,3'-チオジプロピオネート、トリデシル 3,3'-チオジプロピオネート、ジミリスチル 3,3'-チオジプロピオネート、ジステアリル 3,3'-チオジプロピオネート、ラウリル ステアリル 3,3'-チオジプロピオネート、ネオペンタンテトライルテトラキス (3-ラウリルチオプロピオネート)及びそれらの混合物等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えばトリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリル ペンタエリスリトール ジホスファイト、ジイソデシル ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチル-6-メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4,6-トリ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)-4,4'-ジフェニレンジホスホナイト、2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) 2-エチルヘキシル ホスファイト、2,2'-エチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フルオロ ホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチル-6-メチルフェニル) エチル ホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチル-6-メチルフェニル) メチル ホスファイト、2-(2,4,6-トリ-t-ブチルフェニル)-5-エチル-5-ブチル-1,3,2-オキサホスホリナン、2,2',2''-ニトリロ[トリエチル-トリス(3,3',5,5'-テトラ-t-ブチル-1,1'-ビフェニル-2,2'-ジイル) ホスファイト、6-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロポキシ]-2,4,8,10-テトラ-t-ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン及びそれらの混合物等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばサリシレート誘導体、2-ヒドロキシベンゾフェノン誘導体、2-(2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上組合せて用いてよい。
サリシレート誘導体としては、例えば、フェニル サリシレート、4-t-ブチルフェニル サリシレート、2,4-ジ-t-ブチルフェニル 3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシベンゾエート、4-t-オクチルフェニル サリシレート、ビス(4-t-ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、ヘシサデシル 3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル 3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシベンゾエート、2-メチル-4,6-ジ-t-ブチルフェニル 3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシベンゾエート及びそれらの混合物等が挙げられる。
2-ヒドロキシベンゾフェノン誘導体としては、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、ビス(5-ベンゾイル-4-ヒドロキシ-2-メトキシフェニル)メタン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン及びそれらの混合物等が挙げられる。
2-(2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールとしては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3',5'-ジ-t-ブチル-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(5'-t-ブチル-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3'-s-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-4'-オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3',5'-ジ-t-アミル-2'-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-3',3'-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-[(3'-t-ブチル-2'-ヒドロキシフェニル)-5'-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]-5-クロロベンゾトリアゾール、2-[3'-t-ブチル-5'-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]-2'-ヒドロキシフェニル]-5-クロロベンゾトリアゾール、2-[3'-t-ブチル-3'-ヒドロキシ-5'-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル]-5-クロロベンゾトリアゾール、2-[3'-t-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2-[3'-t-ブチル-2'-ヒドロキシ-5-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2-[3'-t-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]フェニル]ベンゾトリアゾール、2-[2-ヒドロキシ-3-(3,4,5,6-テトラヒドロフタルイミドメチル)-5-メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3'-ドデシル-2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール及び2-[3'-t-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾールの混合物、2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、2,2'-メチレンビス[4-t-ブチル-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]、ポリ(3~11)(エチレングリコール)と2-[3'-t-ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル]ベンゾトリアゾールとの縮合物、ポリ(3~11)(エチレングリコール)とメチル 3-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネートとの縮合物、2-エチルヘキシル 3-[3-t-ブチル-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネート、オクチル 3-[3-t-ブチル-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネート、メチル 3-[3-t-ブチル-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネート、3-[3-t-ブチル-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]プロピオン酸及びそれらの混合物等が挙げられる。
光安定剤としては、例えばヒンダードアミン系光安定剤、アクリレート系光安定剤、ニッケル系光安定剤、オキサミド系光安定剤、2-(2-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジン系光安定剤等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上組合せて用いてよい。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(N-オクトキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(N-ベンジルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(N-シクロヘキシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)2-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-ブチルマロネート、ビス(1-アクロイル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)2,2-ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2-ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)デカンジオエート、2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル メタクリレート、4-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]-1-[2-(3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、2-メチル-2-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジノール及び1-トリデカノールとの混合エステル化物、1,2,3,4-ブタンテトラボン酸と2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノール及び1-トリデカノールとの混合エステル化物、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジノール及び3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンとの混合エステル化物、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジノール及び3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンとの混合エステル化物、ジメチル サクシネートと1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの重縮合物、ポリ[(6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)((2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ)]、ポリ[(6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)イミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル((2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ)]、N,N'-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと1,2-ジブロモエタンとの重縮合物、N,N',4,7-テトラキス[4,6-ビス(N-ブチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-4,7-ジアザデカン-1,10ジアミン、N,N',4-トリス[4,6-ビス(N-ブチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン、N,N',4,7-テトラキス[4,6-ビス(N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン、N,N',4-トリス[4,6-ビス(N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン及びそれらの混合物等が挙げられる。
アクリレート系光安定剤としては、例えば、エチル α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、イソオクチル α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、メチル α-カルボメトキシシンナメート、メチル α-シアノ-β-メチル-p-メトキシシンナメート、ブチルα-シアノ-β-メチル-p-メトキシシンナメート、メチル α-カルボメトキシ-p-メトキシシンナメート及びN-(β-カルボメトキシ-β-シアノビニル)-2-メチルインドリン及びそれらの混合物等が挙げられる。
ニッケル系光安定剤としては、例えば、2,2'-チオビス-[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]のニッケル錯体、ニッケルジブチルジチオカルバメート、モノアルキルエステルのニッケル塩、ケトキシムのニッケル錯体及びそれらの混合物等が挙げられる。
オキサミド系光安定剤としては、例えば、4,4'-ジオクチルオキシオキサニリド、2,2'-ジエトキシオキサニリド、2,2'-ジオクチルオキシ-5,5'-ジ-t-ブチルアニリド、2,2'-ジドデシルオキシ-5,5'-ジ-t-ブチルアニリド、2-エトキシ-2'-エチルオキサニリド、N,N'-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2-エトキシ-5-t-ブチル-2'-エトキシアニリド、2-エトキシ-5,4'-ジ-t-ブチル-2'-エチルオキサニリド及びそれらの混合物等が挙げられる。
2-(2-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジン系光安定剤としては、例えば、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2,4-ジヒドロキシフェニル-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-プロピルオキシフェニル)-6-(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス(4-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ブチルオキシプロポキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-オクチルオキシプロポキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン及びそれらの混合物等が挙げられる。
金属不活性化剤としては、例えば、N,N'-ジフェニルオキサミド、N-サリチラル-N'-サリチロイルヒドラジン、N,N'-ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N'-ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3-サリチロイルアミノ-1,2,4-トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサリルジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N'-ビス(サリチロイル)オキサリルジヒドラジド、N,N'-ビス(サリチロイル)チオプロピオニルジヒドラジド及びそれらの混合物等が挙げられる。
過酸化物スカベンジャーとしては、例えば、β-チオジプロピオン酸のエステル、メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルジチオカルバミン酸の亜鉛塩、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリスリトール テトラキス(β-ドデシルメルカプト)プロピオネート及びそれらの混合物等が挙げられる。
ポリアミド安定剤としては、例えば、ヨウ化物又はリン化合物の銅又は2価のマンガン塩及びそれらの混合物等が挙げられる。
ヒドロキシアミンとしては、例えば、N,N-ジベンジルヒドロキシアミン、N,N-ジエチルヒドロキシアミン、N,N-ジオクチルヒドロキシアミン、N,N-ジラウリルヒドロキシアミン、N,N-ジテトラデシルヒドロキシアミン、N,N-ジヘキサデシルヒドロキシアミン、N,N-ジオクタデシルヒドロキシアミン、N-ヘキサデシル-N-オクタデシルヒドロキシアミン、N-ヘプタデシル-N-オクタデシルヒドロキシアミン及びそれらの混合物等が挙げられる。
中和剤としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ハイドロタルサイト(塩基性マグネシウム・アルミニウム・ヒドロキシ・カーボネート・ハイドレード)、メラミン、アミン、ポリアミド、ポリウレタン及びそれらの混合物等が挙げられる。
滑剤としては、例えばパラフィン、ワックス等の脂肪族炭化水素、炭素数8~22の高級脂肪酸、炭素数8~22の高級脂肪酸金属(Al、Ca、Mg、Zn)塩、炭素数8~22の脂肪族アルコール、ポリグリコール、炭素数4~22の高級脂肪酸と炭素数4~18の脂肪族1価アルコールとのエステル、炭素数8~22の高級脂肪族アマイド、シリコーン油、ロジン誘導体及びそれらの混合物等が挙げられる。
造核剤としては、例えば、ナトリウム 2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ホスフェート、[リン酸-2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)]ジヒドロオキシアルミニウム、ビス[リン酸-2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)]ヒドロオキシアルミニウム、トリス[リン酸-2,2'-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)]アルミニウム、ナトリウム ビス(4-t-ブチルフェニル)ホスフェート、安息香酸ナトリウムなどの安息香酸金属塩、p-t-ブチル安息香酸アルミニウム、1,3:2,4-ビス(O-ベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4-ビス(O-メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4-ビス(O-エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3-O-3,4-ジメチルベンジリデン-2,4-O-ベンジリデンソルビトール、1,3-O-ベンジリデン-2,4-O-3,4-ジメチルベンジリデンソルビトール、1,3:2,4-ビス(O-3,4-ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3-O-p-クロロベンジリデン-2,4-O-3,4-ジメチルベンジリデンソルビトール、1,3-O-3,4-ジメチルベンジリデン-2,4-O-p-クロロベンジリデンソルビトール、1,3:2,4-ビス(O-p-クロロベンジリデン)ソルビトール及びそれらの混合物等が挙げられる。
充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、珪酸塩、ガラス繊維、アスベスト、タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、カーボンブラック、カーボンファイバー、ゼオライト及びそれらの混合物等が挙げられる。
本発明の一実施形態において、本発明の加工安定剤が上記の添加剤の少なくとも1種を含む場合、該添加剤の総含有量は、最終的に加工安定剤が使用される樹脂材料の総質量に対して、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、さらにより好ましくは10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下となるような量であってよく、また、好ましくは0質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上となるような量であってよい。
本発明の加工安定剤によって加工安定性を向上可能な樹脂材料としては特に制限されないが、例えば、高密度ポリエチレン(HD-PE)、低密度ポリエチレン(LD-PE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン、ポリプロピレン、メチルペンテンポリマー、EEA(エチレン/アクリル酸エチル共重合)樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、ポリスチレン、ポリ(p-メチルスチレン)、ポリ(α-メチルスチレン)等のポリスチレン類、AS(アクリロニトリル/スチレン共重合)樹脂、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合)樹脂、AAS(特殊アクリルゴム/アクリロニトリル/スチレン共重合)樹脂、ACS(アクリロニトリル/塩素化ポリエチレン/スチレン共重合)樹脂、塩素化ポリエチレン、ポリクロロプレン、塩素化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、メタクリル樹脂、エチレン/ビニルアルコール共重合樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール、グラフト化ポリフェニレンエーテル樹脂及びポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、芳香族ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレートプリポリマー、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル変性ベンゾグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン/メラミン樹脂、ユリア樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリブタジエン、1,2-ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン/ブタジエン共重合体、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、エチレン/プロピレン共重合体等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独であっても、2種以上の組み合わせであってもよい。
これらの樹脂の中でも、熱可塑性樹脂、とりわけポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリカーボネート等のエンジニアリングプラスチック等が好ましく、より好ましくはポリアミド樹脂である。
本発明の一実施形態において、本発明の加工安定剤によって加工安定性を向上可能な樹脂材料、特にポリアミド樹脂の融点は、熱成形しやすい観点から、好ましくは280℃未満、より好ましくは270℃以下、さらに好ましくは260℃以下、特に好ましくは250℃以下である。また、前記融点は、耐熱性を維持しやすい観点から、好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃以上、さらに好ましくは210℃以上である。樹脂材料の融点は、示差走査熱量計を用いて、窒素雰囲気下で、30℃から360℃へ10℃/minの速度で昇温した際に得られる融解曲線から融解ピーク温度を測定することにより求めることができ、例えば実施例に記載の方法で求めることができる。
本発明の加工安定剤を樹脂材料、特にポリアミド樹脂に添加する際の本発明の加工安定剤の添加量は、特に制限されないが、本発明の加工安定剤による加工安定化効果を得やすい観点から、樹脂材料100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上であってよい。また、樹脂材料からのブリードアウトを抑制しやすい観点からは、樹脂材料100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは1質量部以下であってよい。また、本発明の加工安定剤の添加量は、本発明の加工安定剤による加工安定化効果を得やすい観点から、本発明の加工安定剤を添加する樹脂材料100質量部に対して、本発明の加工安定剤に含まれるフェノール化合物(1)の量が好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上となるような量であってよい。また、前記添加量は、変色を抑制しやすい観点から、本発明の加工安定剤を添加する樹脂材料100質量部に対して、本発明の加工安定剤に含まれるフェノール化合物(1)の量が好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは1質量部以下となるような量であってよい。
本発明の加工安定剤を樹脂材料に添加する際には、本発明の加工安定剤に樹脂材料を含有させた組成物、例えばマスターバッチとも称される組成物を予め調製し、このような組成物を本発明の加工安定剤として樹脂材料に添加してもよい。このような組成物は、例えば造粒物であっても、ペレットであってもよい。
ポリアミド樹脂は、ポリマー鎖にアミド結合を有するものであって、加熱溶融できるものであればよい。ポリアミド樹脂はいずれの方法で製造されたものでもよく、例えばジアミン類とジカルボン酸類との縮合反応、アミノカルボン酸類の縮合反応、ラクタム類の開環重合等の方法によって製造されたものが挙げられる。ポリアミド樹脂としては、例えばポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド69、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリ-ビス(p-アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド、ポリアミド46等の脂肪族ポリアミド;ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド9T、ポリアミドM5T等の半芳香族ポリアミド;ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド66とポリアミド6との共重合体であるポリアミド66/6、ポリアミド6/12等の共重合体;ポリアミド6Tとポリアミド66との共重合体である6T/66ポリアミド等が挙げられる。
本発明の一実施形態において、ポリアミド樹脂は、芳香族化合物に由来する構成単位の割合が、ポリアミド樹脂に含まれる全構成単位に対して好ましくは25モル%未満、より好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下、特に好ましくは5モル%以下であり、好ましくは0モル%以上である。また、本発明の一実施形態において、ポリアミド樹脂は、好ましくは脂肪族ポリアミド、より好ましくはポリアミド6である。
本発明の一実施形態において、本発明の加工安定剤は、ポリアミド樹脂用加工安定剤であることが好ましい。
〔ポリアミド樹脂組成物〕
本発明は、フェノール化合物(1)とポリアミド樹脂とを含むポリアミド樹脂組成物も包含する。本発明の加工安定剤の有効成分として作用し得るフェノール化合物(1)を含む本発明のポリアミド樹脂組成物は、高い加工安定性を有する。
本発明の一実施形態において、本発明のポリアミド樹脂組成物中のフェノール化合物(1)の含有量は、加工安定化効果、特にゲル化抑制効果を得やすい観点から、ポリアミド樹脂組成物100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上であり、また、変色を抑制しやすい観点から、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは1質量部以下である。
本発明のポリアミド樹脂組成物に含まれるポリアミド樹脂は、好ましい態様も含め、〔加工安定剤〕の項に記載のポリアミド樹脂と同様のポリアミド樹脂であってよい。
本発明の一実施形態において、本発明のポリアミド樹脂組成物中のポリアミド樹脂の含有量は、成形性を維持しやすい観点から、ポリアミド樹脂組成物の総質量に対して、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは91質量%以上、特に好ましくは95質量%以上であり、また、樹脂への安定化効果を発揮しやすい観点から、好ましくは99.9質量%以下、より好ましくは99.5質量%以下、さらに好ましくは99質量%以下である。
本発明の一実施形態において、本発明のポリアミド樹脂組成物は、必要に応じてさらに添加剤を含んでいてもよい。ポリアミド樹脂組成物が含んでもよいさらなる添加剤としては、例えば、〔加工安定剤〕の項に記載の添加剤等が挙げられ、これらの添加剤は単独で又は2種以上組み合わせて用いてよい。添加剤の総含有量は、ポリアミド樹脂100質量部に対して、好ましくは0~10質量部、より好ましくは0.01~5質量部、さらに好ましくは0.2~3質量部であってよい。
本発明の一実施形態において、本発明のポリアミド樹脂組成物における酸化チタンの含有量は、透過性の低下を抑制しやすい観点から、ポリアミド樹脂100質量部に対して、好ましくは10質量部未満、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは3質量部以下であってよい。本発明のポリアミド樹脂組成物における酸化マグネシウムの含有量は、成形性を維持しやすい観点から、ポリアミド樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5質量部未満、より好ましくは0.3質量部以下、さらに好ましくは0.1質量部以下であってよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物の形態は特に制限されず、最終的な製品における形態に加工された形態であってもよいし、最終的な製品における形態に加工する前の形態であってもよい。最終的な製品における形態に加工された形態としては、例えば、板状、フィルム状等が挙げられる。最終的な製品における形態に加工する前の形態としては、例えば、粉体状、造粒物状、ペレット状等が挙げられる。
本発明のポリアミド樹脂組成物を製造する方法は特に制限されず、例えば混合撹拌装置等を用いて、ポリアミド樹脂組成物を構成する成分、具体的にはフェノール化合物(1)及びポリアミド樹脂、並びに場合により添加剤を均一に混合することにより製造できる。
〔フィルム〕
本発明は、本発明のポリアミド樹脂組成物を含むフィルムも包含する。加工安定性の高い本発明のポリアミド樹脂組成物を含む本発明のフィルムは、ゲル等の樹脂由来の劣化物の生成を抑制することで欠点の少ない高い品質を有する。
本発明のフィルムの厚さは特に制限されないが、好ましくは20~500μm、より好ましくは25~300μm、さらに好ましくは30~200μmであってよい。フィルムの厚さは膜厚計等を用いて測定できる。
本発明のフィルムの製造方法は特に制限されず、例えば、本発明のポリアミド樹脂組成物を均一に混練した後、押出法、カレンダー法、プレス法、キャスティング法、インフレーション法等、公知の製膜方法によりフィルム状に成形することにより製造できる。
本発明のフィルムは、例えば自動車、電気・電子機器、産業機械、食品包装等の分野において好適に使用できるがこれらの用途に限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔合成例1〕
3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸メチル25.0g(0.10モル)、1,8-ジアミノオクタン7.2g(0.050モル)、ジブチルスズオキシド0.50g(0.002モル)、トルエン58mlを4つ口フラスコに仕込んだのち、窒素雰囲気下、還流状態で8時間撹拌した。反応にはディーンスターク装置を使用し、ディーンスターク管内にトルエンが溜まる度にトルエンを抜き出し、同量のトルエンを反応液に加えた。反応終了後トルエンを減圧蒸留で除去し得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することで、式(A-1)で表されるフェノール化合物A-1を4.1g、収率14.0%、純度98.5%で得た。
Figure 2023170490000005
H-NMR(CDCl、300MHz):
δ1.21―1.38(m、30H、C(CH)、δ2.22(s,6H、CH)、δ2.43(m、4H、NHCOCHCH)、δ2.85(m、4H、NHCOCHCH)、δ3.19(m、4H、CHNHCOCH)、δ4.94(s、2H、ArOH)、δ5.31(br-s、2H、NHCO)、δ6.83(d、J=1.8Hz、2H、Ar)、δ6.95(d、J=1.8Hz、2H、Ar)
〔合成例2〕
3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸メチル25.3g(0.101モル)、1,10-ジアミノデカン9.58g(0.056モル)、ジブチルスズオキシド0.33g(0.0013モル)、トルエン100mlを4つ口フラスコに仕込んだのち、窒素雰囲気下、還流状態で7時間撹拌した。反応にはディーンスターク装置を使用し、ディーンスターク管内にトルエンが溜まる度にトルエンを抜き出し、同量のトルエンを反応液に加えた。反応終了後トルエンを減圧蒸留で除去し得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することで、式(A-2)で表されるフェノール化合物A-2を3.8g、収率12.3%、純度98.3%で得た。
Figure 2023170490000006
H-NMR(CDCl、400MHz):δ1.23-1.43(m、16H)、δ1.43(s、18H、C(CH)、δ2.22(s,6H、CH)、δ2.45(m、4H、NHCOCHCH)、δ2.85(m、4H、CHNHCOCH)、δ3.19(m、4H、NHCOCHCH)、δ4.91(s、2H、ArOH)、δ5.36(t、J=6.4Hz、2H、NHCO)、δ6.82(d、J=2.8Hz、2H、Ar)、δ6.95(d、J=2.8Hz、2H、Ar)
〔合成例3〕
3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸メチル25g(0.10モル)、1,12-ジアミノドデカン10g(0.05モル)、ジブチルスズオキシド0.5g(0.002モル)、トルエン29mlを4つ口フラスコに仕込んだのち、窒素雰囲気下、還流状態で7時間撹拌した。反応にはディーンスターク装置を使用し、ディーンスターク管内にトルエンが溜まる度にトルエンを抜き出し、同量のトルエンを反応液に加えた。反応終了後トルエンを減圧蒸留で除去し得られた固体をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製することで、式(A-3)で表されるフェノール化合物A-3を20g、収率62.9%、純度98.3%で得た。
Figure 2023170490000007
H-NMR(CDCl、300MHz):
δ1.24―1.39(m、38H、C(CH)、δ2.21(s,6H、CH)、δ2.42(m、4H、NHCOCHCH)、δ2.84(m、4H、CHNHCOCH)、δ3.19(m、4H、CHNHCO)、δ4.95(s、2H、ArOH)、δ5.41(br-s、2H、NHCO)、δ6.82(d、J=1.5Hz、2H、Ar)、δ6.95(d、J=1.5Hz、2H、Ar)
〔合成例4〕
3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸メチル120g(0.48モル)、1,6-ジアミノヘキサン27.9g(0.24モル)、ジブチルスズオキシド2.39g(0.01モル)、トルエン138mlを4つ口フラスコに仕込んだのち、窒素雰囲気下、還流状態で22.5時間撹拌した。反応にはディーンスターク装置を使用し、ディーンスターク管内にトルエンが溜まる度にトルエンを抜き出し、同量のトルエンを反応液に加えた。反応終了後トルエンを減圧蒸留で除去し得られた固体を酢酸エチルおよびヘキサンにて洗浄することで、式(A-5)で表されるフェノール化合物A-5を76g、収率57%、純度95.5%で得た。
Figure 2023170490000008
H-NMR(CDCl、400MHz):δ1.12―1.17(m、4H、CHCHCHCH)、δ1.28―1.31(m、22H、C(CH、CHCHCHCH)、δ2.09(s,6H、CH)、δ2.23(t、4H、J=7.7Hz、NHCOCHCH)、δ2.61(t、4H、J=7.7Hz、CHNHCOCH)、δ2.96(m、4H、CHNHCO)、δ6.70(d、J=2.0Hz、2H、Ar)、δ6.78(d、J=2.0Hz、2H、Ar)、δ7.71(t、2H、J=5.6Hz、NHCO)、δ7.79(s、2H、ArOH)
フェノール化合物A-4としては、式(A-4)で表される構造を有する、市販品のIrganox1098(BASF社製)を使用した。
Figure 2023170490000009
〔フェノール化合物の分析条件〕
合成例で得られたフェノール化合物の純度は、以下の条件で測定した。
純度(LC)
機種:LC-20A
カラム:SUMIPAX ODS A-212(5μm、6mmφ、150mm)
注入量:5μL(各メタノール/クロロホルム=1/1(v/v)溶液)
移動相:A液 水/酢酸アンモニウム=1000/1(v/v)
B液 メタノール/酢酸アンモニウム=1000/1(v/v)
グラジエント:B conc.(%) 80%→(20min)→100%→(30min)→100%
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
測定波長:UV、280nm
合成例で得られたフェノール化合物の構造分析(H-NMR測定)は、以下の条件で行った。
装置:デジタルNMR(BRUKER製、AV300M)
測定溶媒:CDCl
〔融点の測定条件〕
成型品の一部をアルミニウム製パンに10mg計量し、アルミニウム製蓋で密封状態にして、測定試料を調製した後、示差走査熱量計(日立ハイテクサイエンス製 DSC7020)を用いて、窒素雰囲気で室温から10℃/分で昇温し、350℃まで測定を実施した。その際、融解による吸熱のピークトップ温度を融点とした。
<実施例1>
ポリアミド6(融点220℃、ユニチカ製、A1030)100質量部に、合成例1で得られたフェノール化合物A-1からなる加工安定剤 0.2質量部をドライブレンドして、ポリアミド6とフェノール化合物A-1とを含むポリアミド樹脂組成物を得た。
<実施例2~3及び比較例1~2>
化合物A-1からなる加工安定剤に代えて、化合物A-2~A-5からなる加工安定剤をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にしてポリアミド樹脂組成物を得た。
〔加工安定性の評価〕
実施例及び比較例で得られたポリアミド樹脂組成物を、卓上小型混練機Xplore(型式:MC15、レオ・ラボ株式会社製)を用いて、ヒーター温度300℃、スクリュー回転数100rpm、窒素フロー下において混練を行い、混練トルク値が最大値となる時間をトルクピークタイムとし、トルクピークタイムの測定を行った。結果を表1に示す。
トルクピークタイムが長いほど、樹脂材料のゲル化が抑制されており、加工安定性が良好であることを示す。
Figure 2023170490000010
表1に示されるように、フェノール化合物A-1~A-3からなる加工安定剤を添加した実施例1~3のポリアミド樹脂組成物は、フェノール化合物A-4~A-5からなる加工安定剤を添加した比較例のポリアミド樹脂組成物よりもトルクピークタイムが長く、ポリアミド6のゲル化が抑制されており、加工安定性が高いことが確認された。

Claims (11)

  1. 式(1):
    Figure 2023170490000011
    [式(1)中、
    Xは、炭素数8以上の直鎖状の二価炭化水素基を表し、
    及びRは、互いに独立に、メチル基、エチル基又はn-プロピル基を表す]
    で表されるフェノール化合物を含む加工安定剤。
  2. 式(1)中のXは炭素数8~12の直鎖状の二価炭化水素基を表す、請求項1に記載の加工安定剤。
  3. ポリアミド樹脂用加工安定剤である、請求項1又は2に記載の加工安定剤。
  4. ポリアミド樹脂は、芳香族化合物に由来する構成単位の割合が、ポリアミド樹脂に含まれる全構成単位に対して25モル%未満である、請求項3に記載の加工安定剤。
  5. ポリアミド樹脂は脂肪族ポリアミドである、請求項3に記載の加工安定剤。
  6. ゲル化抑制剤である、請求項1又は2に記載の加工安定剤。
  7. 式(1):
    Figure 2023170490000012
    [式(1)中、
    Xは、炭素数8以上の直鎖状の二価炭化水素基を表し、
    及びRは、互いに独立に、メチル基、エチル基又はn-プロピル基を表す]
    で表されるフェノール化合物と、ポリアミド樹脂とを含む、ポリアミド樹脂組成物。
  8. 式(1)中のXは、炭素数8~12の直鎖状の二価炭化水素基を表す、請求項7に記載のポリアミド樹脂組成物。
  9. ポリアミド樹脂は、芳香族化合物に由来する構成単位の割合が、ポリアミド樹脂に含まれる全構成単位に対して、25モル%未満である、請求項7又は8に記載のポリアミド樹脂組成物。
  10. ポリアミド樹脂は脂肪族ポリアミドである、請求項7又は8に記載のポリアミド樹脂組成物。
  11. 請求項7又は8に記載のポリアミド樹脂組成物を含むフィルム。
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