JP2023170448A - 精製ガスの製造方法および精製ガスの製造装置 - Google Patents

精製ガスの製造方法および精製ガスの製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023170448A
JP2023170448A JP2022082215A JP2022082215A JP2023170448A JP 2023170448 A JP2023170448 A JP 2023170448A JP 2022082215 A JP2022082215 A JP 2022082215A JP 2022082215 A JP2022082215 A JP 2022082215A JP 2023170448 A JP2023170448 A JP 2023170448A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
adsorption
carbon monoxide
purified
adsorption tower
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022082215A
Other languages
English (en)
Inventor
貴紀 貝川
Takanori KAIGAWA
真子 寺井(田中)
Terai, (Tanaka) Masako
彩香 和田
Ayaka Wada
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Air Water Inc
Original Assignee
Air Water Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Air Water Inc filed Critical Air Water Inc
Priority to JP2022082215A priority Critical patent/JP2023170448A/ja
Publication of JP2023170448A publication Critical patent/JP2023170448A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

【課題】精製ガスの回収率が高く、かつ、機器点数を削減することで、設備導入およびメンテナンスに係る負担を軽減した精製ガスの製造方法および精製ガスの製造装置を提供すること【解決手段】対象ガスを含む精製ガスの製造方法であって、前記対象ガスを含む原料ガスを第1圧力により吸着塔に供給することで前記対象ガスを吸着する吸着工程と、排ガスを第2圧力により排出する排気工程と、前記吸着塔の前記対象ガスの濃度を上昇させるパージ工程と、前記吸着塔に吸着された前記対象ガスを第3圧力により脱着し、前記精製ガスを得る回収工程と、を備え、前記吸着工程において、前記吸着塔における前記対象ガスの吸着容量上限まで前記対象ガスの吸着を行わず、前記排気工程および前記パージ工程において、前記吸着塔における前記対象ガスの吸着容量上限まで前記対象ガスの吸着を行う。【選択図】図1

Description

本開示は、精製ガスの製造方法および精製ガスの製造装置に関する。
2種以上のガスが混合されたガスを分離して、目的としたガスを得る方法が知られている。例えば、空気を分離することにより窒素ガスと酸素ガスとを得ることができる。例えば、炭化水素系ガスと酸素系ガスとを含むガスを反応させ、発生した一酸化炭素ガスと水素ガスとを含むガスを分離することにより、一酸化炭素ガスと水素ガスとを得ることができる。
特許文献1(特開2009-263199号公報)は、炭化水素系ガス、酸素系ガス、および水蒸気を含む原料ガスから、カーボンの析出を抑制しつつ一酸化炭素ガスを製造するための製造装置および製造方法を開示している。
特許文献2(特開2014-024696号公報)は、炭化水素系ガス、酸素系ガスおよび炭酸ガスを含む原料ガスを改質反応させ、一酸化炭素ガスと水素ガスとを主体とした合成ガスを製造する、合成ガスの製造方法を開示している。
特許文献3(特開2020-055770号公報)は、炭化水素系ガス、酸素系ガスおよび炭酸ガスを含む原料ガスを改質反応させ、一酸化炭素ガスと水素ガスとを主体とした改質ガスから、一酸化炭素ガスを分離するための装置および方法を開示している。
特開2009-263199号公報 特開2014-024696号公報 特開2020-055770号公報
しかし、特許文献1に記載の一酸化炭素ガスの製造装置および製造方法では、同時に発生した水素ガスの発生量が一酸化炭素ガスよりも多く、一酸化炭素ガスの回収率に改善の余地がある。
特許文献2に記載の合成ガスの製造方法では、特許文献1と比較して一酸化炭素ガスの回収率は高いが、合成ガスから一酸化炭素ガスを分離する方法が開示されていない。
特許文献3に記載の一酸化炭素ガスの製造装置および製造方法では、特許文献1と比較して一酸化炭素ガスの回収率は高いが、機器点数が多いため、設備費用および消費動力が高くなること、設置面積が大きくなること、機器のメンテナンスに要する費用の負担等が大きくなること、といった問題がある。
本開示の目的は、精製ガスの回収率が高く、かつ、機器点数を削減することで、設備導入およびメンテナンスに係る負担を軽減した精製ガスの製造方法および精製ガスの製造装置を提供することである。
〔1〕 対象ガスを含む精製ガスの製造方法であって、
前記対象ガスを含む原料ガスを第1圧力により吸着塔に供給することで前記対象ガスを吸着する吸着工程と、
排ガスを第2圧力により排出する排気工程と、
前記吸着塔の前記対象ガスの濃度を上昇させるパージ工程と、
前記吸着塔に吸着された前記対象ガスを第3圧力により脱着し、前記精製ガスを得る回収工程と、を備え、
前記吸着工程において、前記吸着塔における前記対象ガスの吸着容量上限まで前記対象ガスの吸着を行わず、
前記排気工程および前記パージ工程において、前記吸着塔における前記対象ガスの吸着容量上限まで前記対象ガスの吸着を行う、精製ガスの製造方法。
〔2〕 前記吸着工程は、真空再生型圧力スイング吸着により行われる、〔1〕に記載の精製ガスの製造方法。
〔3〕 前記精製ガス中の前記対象ガスの濃度は、90mol%以上である、〔1〕または〔2〕に記載の精製ガスの製造方法。
〔4〕 一酸化炭素ガスを含む精製ガスの製造方法であって、
酸素ガス、炭酸ガスおよび炭化水素系ガスを含む原料ガスを触媒反応に供し、一酸化炭素ガスおよび水素ガスを主体とした改質ガスを得る触媒反応工程と、
前記改質ガスを含む混合ガスを加圧し、加圧された前記混合ガスを得る第1加圧工程と、
加圧された前記混合ガス中の少なくとも炭酸ガスを吸着除去し、中間ガスを得る第1分離工程と、
前記第1分離工程で排出された炭酸ガスおよび一酸化炭素ガスを含むガスである第1リサイクルガスを前記第1加圧工程に導入し、前記第1リサイクルガスを前記改質ガスに合流させて前記混合ガスを得る第1リサイクル工程と、
前記中間ガス中の少なくとも一酸化炭素ガスを吸着する第2分離工程と、を備え、
前記第2分離工程は、前記中間ガスを吸着塔に供給することで一酸化炭素ガスを吸着する吸着工程と、排ガスを排出する排気工程と、前記吸着塔の一酸化炭素ガスの濃度を上昇させるパージ工程と、前記吸着塔に吸着された一酸化炭素ガスを脱着し、前記精製ガスを得る回収工程と、をさらに備え、
前記吸着工程において、前記吸着塔における一酸化炭素ガスの吸着容量上限まで一酸化炭素ガスの吸着を行わず、
前記排気工程および前記パージ工程において、前記吸着塔における一酸化炭素ガスの吸着容量上限まで一酸化炭素ガスの吸着を行う、精製ガスの製造方法。
〔5〕 前記第1分離工程および前記第2分離工程は、真空再生型圧力スイング吸着により行われる、〔4〕に記載の精製ガスの製造方法。
〔6〕 〔4〕または〔5〕に記載の一酸化炭素ガスを含む精製ガスの製造方法に用いられる精製ガスの製造装置であって、
酸素ガス、炭酸ガス、および炭化水素系ガスを含む原料ガスを触媒反応に供し、一酸化炭素ガスおよび水素ガスを主体とした改質ガスを得るための改質器と、
前記改質ガスを含む混合ガスを加圧し、加圧された前記混合ガスを得るための第1加圧手段と、
加圧された前記混合ガス中の少なくとも炭酸ガスを吸着除去し、中間ガスを得るための第1分離装置と、
前記第1分離装置で排出された炭酸ガスおよび一酸化炭素ガスを含むガスである第1リサイクルガスを前記第1加圧手段の上流に導入し、前記第1リサイクルガスを前記改質ガスに合流させて前記混合ガスを得るための第1リサイクルガス配管と、
前記中間ガス中の少なくとも一酸化炭素ガスを吸着する第2分離装置と、
前記精製ガスを導出する精製ガス導出配管と、を備える、精製ガスの製造装置。
〔7〕 前記第1分離装置および前記第2分離装置は、真空再生型圧力スイング吸着装置を備える、〔6〕に記載の精製ガスの製造装置。
本開示によれば、精製ガスの回収率が高く、かつ、機器点数を削減することで、設備導入およびメンテナンスに係る負担を軽減した精製ガスの製造方法および精製ガスの製造装置を提供することができる。
図1は、実施形態1に係る精製ガスの製造装置の構成の一例を示す概略図である。 図2は、実施形態1に係る吸着塔、および、実施形態2に係る第2分離工程における吸着塔の内部のガスの吸着状況を示す図である。 図3は、実施形態2に係る精製ガスの製造装置の構成の一例を示す概略図である。 図4は、実施例1に係る精製ガスを製造するための装置の構成を示す概略図である。
以下、本開示の実施形態が説明される。ただし以下の説明は特許請求の範囲を限定するものではない。
[実施形態1]
<対象ガスを含む精製ガスの製造方法>
本実施形態に係る対象ガスを含む精製ガスの製造方法は、対象ガスを含む原料ガスを第1圧力により吸着塔に供給することで対象ガスを吸着する吸着工程と、
排ガスを第2圧力により排出する排気工程と、
吸着塔の対象ガスの濃度を上昇させるパージ工程と、
吸着塔に吸着された対象ガスを第3圧力により脱着し、精製ガスを得る回収工程と、を備え、
吸着工程において、吸着塔における対象ガスの吸着容量上限まで対象ガスの吸着を行わず、
排気工程およびパージ工程において、吸着塔における対象ガスの吸着容量上限まで対象ガスの吸着を行う。
図1は、本実施形態に係る精製ガスを製造するための装置構成の一例を示す概略図である。以下、精製ガスの製造方法の各工程について説明する。
本実施形態において「対象ガス」とは、吸着剤が充填された吸着塔で吸着可能なガスを示す。このような対象ガスとしては、例えば、一酸化炭素ガス、炭酸ガス、炭化水素系ガス等が挙げられる。
本実施形態において「原料ガス」とは、少なくとも対象ガスを含むガスを示す。原料ガスは、対象ガスを含む限り、他のガスを含んでもよい。
本実施形態において「精製ガス」とは、原料ガスよりも対象ガスの割合が多いガスを示す。精製ガス中の対象ガスの割合は、90mol%以上であることが好ましく、95mol%以上であることがより好ましい。精製ガスは、対象ガスを含む限り、他のガスを含んでもよい。
本実施形態においては、吸着方法は特に限定されないが、例えば、真空再生型圧力スイング吸着(PVSA)、圧力スイング吸着(PSA)による方法等が挙げられる。以下、PVSAにより精製ガスを製造する方法についての説明を行う。
また、本実施形態においては、精製ガスの製造は、1つの吸着塔のみを用いることでも実施することができるが、2つ以上の吸着塔を用いることが好ましい。2つ以上の吸着塔を用いることで、連続的に精製ガスが製造され得る。また、4つ以上の吸着塔を用いることがより好ましい。
本実施形態においては、PVSAは、典型的には(1)吸着工程、(2)排気工程、(3)パージ工程、および、(4)回収工程を順次繰り返す。図1において、例えば、PVSA10aを吸着工程とし、PVSA10bを排気工程とし、PVSA10cをパージ工程とし、PVSA10dを回収工程とし、それぞれのPVSAにおいて上記(1)~(4)の工程を順次繰り返してもよい。以下に、上記(1)~(4)の工程、および、(5)復圧工程を説明する。
(1)吸着工程
本工程は、吸着塔に原料ガスを第1圧力により導入し、対象ガスを吸着する工程である。吸着塔には、原料ガスに含まれる対象ガスを回収するための吸着剤が充填される。吸着剤としては、例えば、シリカゲル、活性アルミナ、活性炭、ゼオライト、金属有機構造体(MOF:Metal Organic Framework)、固体アミン等が挙げられる。1種の吸着剤が単独で吸着塔に充填されてもよく、複数の吸着剤が組み合わされて吸着塔に充填されてもよい。
第1圧力は、第2圧力および第3圧力よりも大きい。第1圧力は、例えば、0.02MPaG以上0.9MPaG以下である。
(2)排気工程
本工程は、吸着工程後の吸着塔から吸着塔内の空隙に存在する排ガスを排出することにより、第2圧力まで減圧する工程である。本工程により、回収工程の前に吸着塔内の対象ガス濃度を向上させることができる。なお、本実施形態においては、排ガスと共に対象ガスが排出されるおそれがあるが、後述するように、排出される対象ガスは少量のため、精製ガスの回収率の低下は抑制されるものと考えられる。
第2圧力は、第1圧力よりも小さく、かつ、第3圧力よりも大きい。第2圧力は、例えば、0MPaG以上0.02MPaG未満である。
(3)パージ工程
本工程は、精製ガスを吸着塔内に導入し、吸着塔の対象ガスの濃度を上昇させる工程である。本工程に用いる精製ガスは、例えば、回収工程において回収された精製ガスを用いる。なお、本実施形態においては、導入した精製ガスが余剰分として排出されるおそれがあるが、後述するように、排出される余剰分の精製ガスは少量であるため、精製ガスの回収率の低下は抑制されるものと考えられる。
(4)回収工程
本工程は、パージ工程後の吸着塔を、例えば、真空ポンプにより第3圧力まで減圧し、吸着剤に吸着させた対象ガスを脱着させ、高純度の対象ガスである精製ガスを得る工程である。
第3圧力は、第1圧力および第2圧力よりも小さい。第3圧力は、例えば、-0.1MPaG以上0MPaG未満である。
また、回収工程は、吸着塔から精製ガスを導出する精製ガス導出工程を含む。精製ガス導出工程は、吸着塔から精製ガス導出配管12を介して精製ガスを導出することにより行うことができる。
(5)復圧工程
本実施形態の精製ガスの製造方法は、復圧工程を備えていてもよい。本工程は、回収工程を経た状態である吸着塔に対し、第3圧力よりも高い圧力のガスを導入し、吸着工程を行うための圧力まで復圧させる工程である。第3圧力よりも高い圧力のガスとしては、例えば、吸着塔から導出されたオフガスを用いてもよい。
(吸着状況)
図2は、本実施形態に係る吸着塔の内部のガスの吸着状況を示す図である。従来、本実施形態のような吸着塔を用いたガスの吸着では、吸着工程において、吸着塔内における吸着容量の上限近くまでガスの吸着を実施することが一般的であった。しかし、このような方法では、排気工程において、排ガスだけでなく吸着容量上限を超えたガスも一定量が排出されていた。また、パージ工程においても、導入したガスの一定量は吸着容量上限を超えた余剰分のガスとして排出されていた。したがって、目的とするガスの回収率が低下するという問題があった。
このような問題を改善するため、排気工程およびパージ工程で排出されたガスをリサイクルし、吸着工程に導入することで、回収率を向上させるという方法が実施されていた。しかし、このような方法では、ガスをリサイクルするために追加の機器を備える必要があり、設備費用および消費動力が高くなること、設置面積が大きくなること、機器のメンテナンスに要する費用の負担等が大きくなること、といった新たな問題が生じていた。
そこで、本発明者らは、上記問題を解消するため、図2に示すように、吸着工程において、吸着塔における対象ガスの吸着容量上限まで対象ガスの吸着を行わず、排気工程およびパージ工程において、吸着塔における対象ガスの吸着容量上限まで対象ガスの吸着を行う、という新たな知見を得た。このようにすることで、排気工程における排ガス中に含まれる対象ガスの量およびパージ工程における余剰分の精製ガスの量を抑制することができるため、精製ガスの回収率の低下を抑制することができる。また、ガスのリサイクルが不要となるため、機器点数を低減することができ、設備導入およびメンテナンスに係る負担も軽減することができる。
吸着工程における対象ガスの吸着容量は、その上限まで行わなければ特に制限はされないが、例えば、90%以下でもよく、80%以下でもよく、70%以下でもよい。同様に、その下限も特に制限はされないが、例えば、30%以上でもよく、40%以上でもよく、50%以上でもよい。ただし、吸着工程における対象ガスの吸着量が多い場合、排気工程における排ガス中に含まれる対象ガスの量およびパージ工程における余剰分の精製ガスの量が増加するおそれがあるため、吸着容量上限から、排気工程およびパージ工程における対象ガスの吸着容量分を差し引いた容量に制御することが好ましい。
また、本実施形態における対象ガスの吸着容量の制御方法は、特に制限はされない。例えば、各工程に要する時間を制御することにより対象ガスの吸着容量を制御してもよい。例えば、供給する対象ガスの量を制御することにより対象ガスの吸着容量を制御してもよい。例えば、各工程における圧力を制御することにより対象ガスの吸着容量を制御してもよい。
<対象ガスを含む精製ガスの製造装置>
図1を参照して、本実施形態に係る精製ガスの製造装置20は、分離装置10および精製ガス導出配管12を含む。
図1において、分離装置10は、4つの吸着塔を含むPVSA(PVSA10a、PVSA10b、PVSA10c、PVSA10d)から構成されている。なお、図1には、分離装置10として4つの吸着塔が並列に配置されているが、吸着塔の数は、必ずしも4つであることを要しない。
また、上述の回収工程において、吸着塔は、例えば、真空ポンプ13により負圧まで減圧され、吸着剤に吸着させた対象ガスが脱着される。脱着された高純度の対象ガスである精製ガスは、精製ガス導出配管12を介して排出される。精製ガスは、例えば、精製ガス加圧手段14により加圧された後、図示しない精製ガス回収ホルダーに貯蔵されてもよい。
本実施形態に係る精製ガスの製造装置20は、オフガス導出配管11を備えていてもよい。排気工程で排出された排ガスおよびパージ工程で排出された精製ガスは、オフガスとしてオフガス導出配管11を介して精製ガスの製造装置20の系外に排出される。
[実施形態2]
<一酸化炭素ガスを含む精製ガスの製造方法>
本実施形態に係る一酸化炭素ガスを含む精製ガスの製造方法は、酸素ガス、炭酸ガスおよび炭化水素系ガスを含む原料ガスを触媒反応に供し、一酸化炭素ガスおよび水素ガスを主体とした改質ガスを得る触媒反応工程と、
改質ガスを含む混合ガスを加圧し、加圧された混合ガスを得る第1加圧工程と、
加圧された混合ガス中の少なくとも炭酸ガスを吸着除去し、中間ガスを得る第1分離工程と、
第1分離工程で排出された炭酸ガスおよび一酸化炭素ガスを含むガスである第1リサイクルガスを第1加圧工程に導入し、第1リサイクルガスを改質ガスに合流させて混合ガスを得る第1リサイクル工程と、
中間ガス中の少なくとも一酸化炭素ガスを吸着する第2分離工程と、を備え、
第2分離工程は、中間ガスを吸着塔に供給することで一酸化炭素ガスを吸着する吸着工程と、排ガスを排出する排気工程と、吸着塔の一酸化炭素ガスの濃度を上昇させるパージ工程と、吸着塔に吸着された一酸化炭素ガスを脱着し、精製ガスを得る回収工程と、精製ガスを導出する精製ガス導出工程と、をさらに備え、
吸着工程において、吸着塔における一酸化炭素ガスの吸着容量上限まで一酸化炭素ガスの吸着を行わず、
排気工程およびパージ工程において、吸着塔における一酸化炭素ガスの吸着容量上限まで一酸化炭素ガスの吸着を行う。
図3は、実施形態2に係る一酸化炭素ガスを製造するための装置構成の一例を示す概略図である。以下、精製ガスの製造方法の各工程について図3を参照しながら説明する。
本実施形態においては、第1分離工程および第2分離工程における吸着方法は特に限定されないが、例えば、PVSA、PSAによる方法等が挙げられる。以下、PVSAにより精製ガスを製造する方法についての説明を行う。なお、実施形態1と重複する説明は省略する。
《触媒反応工程》
本工程は、原料ガスを改質器30を用いて触媒反応に供し、改質ガスを得る工程である。改質器30は、原料ガスを触媒反応に供し、一酸化炭素ガスおよび水素ガスを主体とした改質ガスを得るための反応器である。
本実施形態において「原料ガス」とは、一酸化炭素ガスを製造するためのガスであり、酸素ガス、炭酸ガスおよび炭化水素系ガスを含むガスを示す。
本実施形態において「改質ガス」とは、一酸化炭素ガスおよび水素ガスを主体としたガスを示す。改質ガス中の一酸化炭素ガスおよび水素ガスの割合は、50mol%以上である。改質ガスは、一酸化炭素ガスおよび水素ガスを主体として含む限り、他のガスを含んでもよい。
本工程では、例えば、350℃~900℃まで昇温された原料ガスが改質器30に導入されることで改質ガスが得られる。改質器30に含まれる触媒は、特に制限されず、酸素ガス、炭酸ガスおよび炭化水素系ガスを含む原料ガスを一酸化炭素ガスおよび水素ガスを主体とした改質ガスに転化することが可能な、あらゆる触媒が用いられ得る。改質器30に含まれる触媒は、例えば、四元系の改質触媒であってもよく、具体的には、Rh修飾(Ni-CeO)-Pt触媒であってもよい。すなわち、改質器30は、触媒反応に用いる触媒としてRh修飾(Ni-CeO)-Pt触媒を含んでもよい。Rh修飾(Ni-CeO)-Pt触媒を用いることにより、炭化水素系ガスの燃焼反応と改質反応とを同じ反応領域内で同時に行ない得ると考えられる。
《第1加圧工程》
本工程は、混合ガスを、例えば、第1加圧手段40を用いて加圧する工程である。
本実施形態において「混合ガス」とは、少なくとも改質ガスを含むガスを示す。混合ガスは、後述する第1リサイクルガスを含んでいてもよい。
混合ガスは、本工程により、例えば、0.2MPaG以上0.9MPaG以下まで加圧されてもよい。
《第1分離工程》
本工程は、加圧された混合ガス中の少なくとも炭酸ガスを吸着除去し、中間ガスを得る工程である。
本実施形態において「中間ガス」とは、改質ガスよりも炭酸ガスの割合が少なく、一酸化炭素ガスおよび水素ガスの割合が多いガスを示す。
また、本実施形態においては、中間ガスの製造は、1つの吸着塔のみを用いることでも実施することができるが、2つ以上の吸着塔を用いることが好ましい。2つ以上の吸着塔を用いることで、連続的に中間ガスが製造され得る。また、4つ以上の吸着塔を用いることがより好ましい。
本実施形態においては、PVSAは、典型的には(1)吸着工程、(2)排気工程、(3)パージ工程、および、(4)回収工程を順次繰り返す。図3において、例えば、PVSA50aを吸着工程とし、PVSA50bを排気工程とし、PVSA50cをパージ工程とし、PVSA50dを回収工程とし、それぞれのPVSAにおいて上記(1)~(4)の工程を順次繰り返してもよい。以下に、上記(1)~(4)の工程、および、(5)復圧工程を説明する。
(1)吸着工程
本工程は、吸着塔に加圧された混合ガスを導入し、加圧された混合ガス中の炭酸ガスを吸着除去し、中間ガスを得る工程である。吸着塔には、混合ガスに含まれる炭酸ガスを回収するための吸着剤が充填される。吸着剤としては、例えば、シリカゲル、活性アルミナ、活性炭、ゼオライト等が挙げられる。1種の吸着剤が単独で吸着塔に充填されてもよく、複数の吸着剤が組み合わされて吸着塔に充填されてもよい。
中間ガスは、中間ガス排出導管45を介して吸着塔から導出される。本工程は、例えば、0.2MPaG以上0.9MPaG以下の圧力下で行ってもよい。
(2)排気工程
本工程は、吸着工程後の吸着塔から吸着塔内の空隙に存在するガスを排出することにより、略大気圧まで減圧する工程である。吸着塔から排出されるガスは、第1リサイクルガスであり、炭酸ガスと一酸化炭素ガスとを含んでいる。そのため、係るガスを回収し、再度吸着工程に導入することにより、一酸化炭素ガスの収率が向上するものと考えられる。
(3)パージ工程
本工程は、炭酸ガスを吸着塔内に導入し、吸着塔の対象ガスの濃度を上昇させる工程である。本工程に用いる炭酸ガスは、例えば、回収工程において回収された炭酸ガスを用いる。
(4)回収工程
本工程は、パージ工程後の吸着塔を、例えば、真空ポンプにより負圧まで減圧し、吸着剤に吸着させた炭酸ガスを脱着させ、炭酸ガスを回収する工程である。例えば、吸着塔からの炭酸ガスの流量が0Nm/hとなるまでを回収工程としてもよい。
(5)復圧工程
本実施形態の精製ガスの製造方法は、復圧工程を備えていてもよい。本工程は、回収工程を経た状態である吸着塔に対し、有圧のガスを導入し、吸着工程を行うための圧力まで復圧させる工程である。有圧のガスとしては、例えば、吸着工程から導出された中間ガスの一部を用いてもよいし、加圧工程により昇圧された混合ガスの一部を用いてもよい。
《第1リサイクル工程》
本工程は、第1分離工程で排出された第1リサイクルガスを第1加圧工程に導入し、第1リサイクルガスを改質ガスに合流させて混合ガスを得る工程である。このようにすることで、一酸化炭素ガスの収率が向上するものと考えられる。
《第2分離工程》
本工程は、中間ガス中の一酸化炭素ガスを吸着し、精製ガスを得る工程である。
本実施形態において「精製ガス」とは、中間ガスよりも一酸化炭素ガスの割合が多いガスを示す。精製ガス中の一酸化炭素ガスの割合は、90mol%以上であることが好ましく、95mol%以上であることがより好ましい。精製ガスは、一酸化炭素ガスを含む限り、他のガスを含んでもよい。
また、本実施形態においては、精製ガスの製造は、1つの吸着塔のみを用いることでも実施することができるが、2つ以上の吸着塔を用いることが好ましい。2つ以上の吸着塔を用いることで、連続的に精製ガスが製造され得る。また、4つ以上の吸着塔を用いることがより好ましい。
本実施形態においては、PVSAは、典型的には(1)吸着工程、(2)排気工程、(3)パージ工程、および、(4)回収工程を順次繰り返す。図3において、例えば、PVSA70aを吸着工程とし、PVSA70bを排気工程とし、PVSA70cをパージ工程とし、PVSA70dを回収工程とし、それぞれのPVSAにおいて上記(1)~(4)の工程を順次繰り返してもよい。以下に、上記(1)~(4)の工程、および、(5)復圧工程を説明する。
(1)吸着工程
本工程は、吸着塔に中間ガスを導入し、一酸化炭素ガスを吸着する工程である。吸着塔には、中間ガスに含まれる一酸化炭素ガスを回収するための吸着剤が充填される。吸着剤としては、例えば、ゼオライト、塩化銅を添着した活性炭等が挙げられる。1種の吸着剤が単独で吸着塔に充填されてもよく、複数の吸着剤が組み合わされて吸着塔に充填されてもよい。
本工程は、例えば、0.18MPaG以上0.88MPaG以下の圧力下で行ってもよい。
(2)排気工程
本工程は、吸着工程後の吸着塔から吸着塔内の空隙に存在する排ガスを排出することにより、略大気圧まで減圧する工程である。本工程により、回収工程の前に吸着塔内の一酸化炭素ガス濃度を向上させることができる。なお、本実施形態においては、排ガスと共に一酸化炭素ガスが排出されるおそれがあるが、後述するように、排出される一酸化炭素ガスは少量のため、精製ガスの回収率の低下は抑制されるものと考えられる。
(3)パージ工程
本工程は、精製ガスを吸着塔内に導入し、吸着塔の対象ガスの濃度を上昇させる工程である。本工程に用いる精製ガスは、例えば、回収工程において回収された精製ガスを用いる。なお、本実施形態においては、導入した精製ガスが余剰分として排出されるおそれがあるが、後述するように、排出される余剰分の精製ガスは少量であるため、精製ガスの回収率の低下は抑制されるものと考えられる。
(4)回収工程
本工程は、パージ工程後の吸着塔を、例えば、真空ポンプにより負圧まで減圧し、吸着剤に吸着させた一酸化炭素ガスを脱着させ、高純度の一酸化炭素ガスである精製ガスを回収する工程である。本工程は、例えば、-0.1MPaG以上0MPaG以下の圧力下で行ってもよい。
また、回収工程は、吸着塔から精製ガスを導出する精製ガス導出工程を含む。精製ガス導出工程は、吸着塔から精製ガス導出配管62を介して精製ガスを導出することにより行うことができる。
(5)復圧工程
本実施形態の精製ガスの製造方法は、復圧工程を備えていてもよい。本工程は、回収工程を経た状態である吸着塔に対し、有圧のガスを導入し、吸着工程を行うための圧力まで復圧させる工程である。有圧のガスとしては、例えば、吸着塔から導出されたオフガスを用いてもよい。
(吸着状況)
図2は、本実施形態に係る第2分離工程における吸着塔の内部のガスの吸着状況を示す図である。図2に示すように、吸着工程において、吸着塔における一酸化炭素ガスの吸着容量上限まで一酸化炭素ガスの吸着を行わず、排気工程およびパージ工程において、吸着塔における一酸化炭素ガスの吸着容量上限まで一酸化炭素ガスの吸着を行う。このようにすることで、排気工程における排ガス中に含まれる一酸化炭素ガスの量およびパージ工程における余剰分の精製ガスの量を抑制することができるため、精製ガスの回収率の低下を抑制することができる。また、ガスのリサイクルが不要となるため、機器点数を低減することができ、設備導入およびメンテナンスに係る負担も軽減することができる。
吸着工程における一酸化炭素ガスの吸着容量は、その上限まで行わなければ特に制限はされないが、例えば、90%以下でもよく、80%以下でもよく、70%以下でもよい。同様に、その下限も特に制限はされないが、例えば、30%以上でもよく、40%以上でもよく、50%以上でもよい。ただし、吸着工程における一酸化炭素ガスの吸着量が多い場合、排気工程における排ガス中に含まれる一酸化炭素ガスの量およびパージ工程における余剰分の精製ガスの量が増加するおそれがあるため、吸着容量上限から、排気工程およびパージ工程における対象ガスの吸着容量分を差し引いた容量に制御することが好ましい。
また、本実施形態における一酸化炭素ガスの吸着容量の制御方法は、特に制限はされない。例えば、各工程に要する時間を制御することにより一酸化炭素ガスの吸着容量を制御してもよい。例えば、供給する一酸化炭素ガスの量を制御することにより一酸化炭素ガスの吸着容量を制御してもよい。例えば、各工程における圧力を制御することにより対象ガスの吸着容量を制御してもよい。
《第2リサイクル工程》
本実施形態の精製ガスの製造方法は、第2リサイクル工程を備えていてもよい。本工程は、上述の第1分離工程における回収工程において、吸着塔より回収された炭酸ガスを加圧し、加圧された炭酸ガスである第2リサイクルガスとする工程である。第2リサイクルガスは、改質器30に導入されることが好ましい。これにより、原料としての炭酸ガスの供給量が抑制されると考えられる。
<一酸化炭素ガスを含む精製ガスの製造装置>
本実施形態に係る一酸化炭素ガスを含む精製ガスの製造装置は、酸素ガス、炭酸ガス、および炭化水素系ガスを含む原料ガスを触媒反応に供し、一酸化炭素ガスおよび水素ガスを主体とした改質ガスを得るための改質器と、
改質ガスを含む混合ガスを加圧し、加圧された混合ガスを得るための加圧手段と、
加圧された混合ガス中の少なくとも炭酸ガスを吸着除去し、中間ガスを得るための第1分離装置と、
第1分離装置で排出された炭酸ガスおよび一酸化炭素ガスを含むガスである第1リサイクルガスを第1加圧手段の上流に導入し、第1リサイクルガスを改質ガスに合流させて混合ガスを得るための第1リサイクルガス配管と、
中間ガス中の少なくとも一酸化炭素ガスを吸着する第2分離装置と、
精製ガスを導出する精製ガス導出配管と、を備える。
以下、精製ガスの製造装置について図3を参照しながら説明する。
本実施形態の精製ガスの製造装置100は、改質器30と、第1加圧手段40と、第1分離装置50と、第1リサイクルガス配管41と、第2分離装置70と、精製ガス導出配管62と、を含む。
《原料ガス》
酸素ガスは酸素導入配管1を介して、炭酸ガスは炭酸ガス導入配管2を介して、炭化水素系ガスは炭化水素系ガス導入配管3を介して、精製ガスの製造装置100に供給される。酸素ガスおよび炭酸ガスは合流した後、第1原料ヒータ4にて加熱される。炭化水素系ガスは、第2原料ヒータ5にて加熱された後、脱硫器6に導入され、付臭成分であるイオウ分が除去される。第1原料ヒータ4を経た酸素ガスおよび炭酸ガスと、脱硫器6を経た炭化水素系ガスとが合流することにより、原料ガスが形成される。原料ガスは、改質器30へと導入される。
《改質器》
改質器30の内部において、例えば、炭化水素系ガスがメタンガスである場合、以下式(1)に示す燃焼反応、および式(2)に示す炭酸改質反応が生じていると考えられる。式(2)に示されるように、改質器30の内部において、一酸化炭素ガスと水素ガスとが1:1の割合で発生する。すなわち、改質ガスに含まれる一酸化炭素ガスの量は、水素ガスの量とほぼ同等であると考えられる。改質ガスから一酸化炭素ガスが分離されるため、本実施形態に係る精製ガスの製造装置100は、一酸化炭素ガスの収率を向上させ得ると期待される。
燃焼反応 CH+2O⇔2HO+CO …式(1)
炭酸改質反応 CH+CO⇔2CO+2H …式(2)
改質器30は、改質ガスを冷却するための冷却媒体を導入するための冷却媒体導入配管7を備えることが好ましい。改質反応で生じる改質ガス中の水素ガスや一酸化炭素ガスの含有比が高い場合、改質ガスからのカーボン析出が起こりやすい傾向にある。ここで、改質ガスからのカーボン析出は、下記の式(3)に表される平衡反応によって生じる。
+CO⇔C+HO …式(3)
式(3)における平衡を左辺に移動させるため、改質器30に改質ガスを冷却するための冷却媒体を導入するための冷却媒体導入配管7を備えることが好ましい。冷却媒体は、HOを主体とする冷却媒体であることが好ましく、HOからなる冷却媒体であることがさらに好ましい。これにより、カーボン析出が抑制されると期待される。
改質器30を経たガスは、高温である。そのため、上述の冷却媒体導入配管7に加えて、改質ガスを冷却するための改質ガス冷却器8をさらに設けてもよい。これにより、改質ガスの温度は、例えば、室温まで降温され得る。改質ガスの温度が降温されることにより、第1加圧手段40の選択肢の豊富化が期待される(すなわち、第1加圧手段40として通常の仕様の圧縮機等を用い得る)。
室温まで降温された改質ガスは、水分等の液体を含んでいると考えられる。そのため、気液分離器9で水分等の液体を改質ガスから除去することが好ましい。これにより、水分量が低減された改質ガスを得ることができる。
《第1加圧手段》
第1加圧手段40は、改質ガスを含む混合ガスを加圧できる限り特に制限されないが、例えば、圧縮機(コンプレッサ)等が挙げられる。第1加圧手段40により加圧された混合ガスは、第1分離装置50へと導入される。
《第1分離装置》
図3において、第1分離装置50は、4つの吸着塔を含むPVSA(PVSA50a、PVSA50b、PVSA50c、PVSA50d)から構成されている。なお、図3には、第1分離装置50として4つの吸着塔が並列に配置されているが、吸着塔の数は、必ずしも4つであることを要しない。
上述のように、(1)吸着工程、(2)排気工程、(3)パージ工程、および、(4)回収工程を経ることで、中間ガスが得られる。得られた中間ガスは、中間ガス導出配管45を介して第1分離装置50から導出される。
《第1リサイクルガス配管》
上述の第1リサイクル工程において、第1リサイクルガスは、第1分離装置50から第1リサイクルガス配管41を介して導出される。第1リサイクルガスを再利用することにより、一酸化炭素ガスの収率が向上するものと考えられる。
《第2分離装置》
図3において、第2分離装置70は、4つの吸着塔を含むPVSA(PVSA70a、PVSA70b、PVSA70c、PVSA70d)から構成されている。なお、図3には、第2分離装置70として4つの吸着塔が並列に配置されているが、吸着塔の数は、必ずしも4つであることを要しない。
第2分離装置70は、オフガス導出配管61を備える。排気工程で排出された排ガスおよびパージ工程で排出された精製ガスは、オフガスとしてオフガス導出配管61を介して精製ガスの製造装置100の系外に排出される。
《精製ガス導出配管》
上述の回収工程において、吸着塔は、例えば、第1真空ポンプ63により負圧まで減圧され、吸着剤に吸着させた一酸化炭素ガスが脱着される。脱着された高純度の一酸化炭素ガスである精製ガスは、精製ガス導出配管62を介して排出される。精製ガスは、例えば、精製ガス加圧手段64により加圧された後、図示しない精製ガス回収ホルダーに貯蔵されてもよい。
《第2加圧手段》
本実施形態の精製ガスの製造装置100は、第1分離装置50において吸着除去された炭酸ガスを、例えば、第2真空ポンプ42により加圧し、加圧された炭酸ガスである第2リサイクルガスを得るための第2加圧手段43と、加圧された第2リサイクルガスを改質器30の上流に導入する、第2リサイクルガス配管44と、を備えていてもよい。これにより、原料としての炭酸ガスの供給量が抑制されると考えられる。
以下、実施例が説明される。ただし以下の例は、特許請求の範囲を限定するものではない。
<実施例1>
図4に記載の構成を有する装置が準備された。酸素ガス、炭酸ガスおよび天然ガスが準備された。上述の実施形態2の一酸化炭素ガスを含む精製ガスの製造方法に従い、一酸化炭素ガスを含む精製ガスが製造された。また、第2分離工程においては、吸着工程を180秒、排気工程を170~178秒、パージ工程を110~130秒、回収工程を170~178秒とした。図4における、ポイントA~Eにおける組成等は、以下の表1に示されている。
Figure 2023170448000002
表1に示されるように、実施例1では、純度99.1mol%の精製ガスを得ることができた。また、精製ガスの最大回収率は93%であった。さらに、機器点数が低減され、設備導入およびメンテナンスに係る負担も軽減することが可能となった。
また、本開示の一酸化炭素を含む精製ガスの製造方法および製造装置は、炭酸ガスを有用な化学原料である一酸化炭素に変換することができる。その結果、産業分野における環境負荷の低減に貢献することができ、持続可能な開発目標(SDGs)の一部活動に貢献することができる。さらに、一酸化炭素ガスは取り扱いに注意が必要であり、機器点数が低減されることで、本開示の一酸化炭素を含む精製ガスの製造方法および製造装置は、安全性の観点からも有用であると考えられる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 酸素導入配管、2 炭酸ガス導入配管、3 炭化水素系ガス導入配管、4 第1原料ヒータ、5 第2原料ヒータ、6 脱硫器、 7 冷却媒体導入配管、8 改質ガス冷却器、9 気液分離器、10 分離装置、11 オフガス導出配管、12 精製ガス導出配管、13 真空ポンプ、14 精製ガス加圧手段、20 精製ガスの製造装置、30 改質器、40 第1加圧手段、41 第1リサイクルガス配管、42 第2真空ポンプ、43 第2加圧手段、44 第2リサイクルガス配管、45 中間ガス導出配管、50 第1分離装置、61 オフガス導出配管、62 精製ガス導出配管、63 第1真空ポンプ、64 精製ガス加圧手段、70 第2分離装置、100 精製ガスの製造装置。

Claims (7)

  1. 対象ガスを含む精製ガスの製造方法であって、
    前記対象ガスを含む原料ガスを第1圧力により吸着塔に供給することで前記対象ガスを吸着する吸着工程と、
    排ガスを第2圧力により排出する排気工程と、
    前記吸着塔の前記対象ガスの濃度を上昇させるパージ工程と、
    前記吸着塔に吸着された前記対象ガスを第3圧力により脱着し、前記精製ガスを得る回収工程と、を備え、
    前記吸着工程において、前記吸着塔における前記対象ガスの吸着容量上限まで前記対象ガスの吸着を行わず、
    前記排気工程および前記パージ工程において、前記吸着塔における前記対象ガスの吸着容量上限まで前記対象ガスの吸着を行う、精製ガスの製造方法。
  2. 前記吸着工程は、真空再生型圧力スイング吸着により行われる、請求項1に記載の精製ガスの製造方法。
  3. 前記精製ガス中の前記対象ガスの濃度は、90mol%以上である、請求項1または請求項2に記載の精製ガスの製造方法。
  4. 一酸化炭素ガスを含む精製ガスの製造方法であって、
    酸素ガス、炭酸ガスおよび炭化水素系ガスを含む原料ガスを触媒反応に供し、一酸化炭素ガスおよび水素ガスを主体とした改質ガスを得る触媒反応工程と、
    前記改質ガスを含む混合ガスを加圧し、加圧された前記混合ガスを得る第1加圧工程と、
    加圧された前記混合ガス中の少なくとも炭酸ガスを吸着除去し、中間ガスを得る第1分離工程と、
    前記第1分離工程で排出された炭酸ガスおよび一酸化炭素ガスを含むガスである第1リサイクルガスを前記第1加圧工程に導入し、前記第1リサイクルガスを前記改質ガスに合流させて前記混合ガスを得る第1リサイクル工程と、
    前記中間ガス中の少なくとも一酸化炭素ガスを吸着する第2分離工程と、を備え、
    前記第2分離工程は、前記中間ガスを吸着塔に供給することで一酸化炭素ガスを吸着する吸着工程と、排ガスを排出する排気工程と、前記吸着塔の一酸化炭素ガスの濃度を上昇させるパージ工程と、前記吸着塔に吸着された一酸化炭素ガスを脱着し、前記精製ガスを得る回収工程と、をさらに備え、
    前記吸着工程において、前記吸着塔における一酸化炭素ガスの吸着容量上限まで一酸化炭素ガスの吸着を行わず、
    前記排気工程および前記パージ工程において、前記吸着塔における一酸化炭素ガスの吸着容量上限まで一酸化炭素ガスの吸着を行う、精製ガスの製造方法。
  5. 前記第1分離工程および前記第2分離工程は、真空再生型圧力スイング吸着により行われる、請求項4に記載の精製ガスの製造方法。
  6. 請求項4または請求項5に記載の一酸化炭素ガスを含む精製ガスの製造方法に用いられる精製ガスの製造装置であって、
    酸素ガス、炭酸ガス、および炭化水素系ガスを含む原料ガスを触媒反応に供し、一酸化炭素ガスおよび水素ガスを主体とした改質ガスを得るための改質器と、
    前記改質ガスを含む混合ガスを加圧し、加圧された前記混合ガスを得るための第1加圧手段と、
    加圧された前記混合ガス中の少なくとも炭酸ガスを吸着除去し、中間ガスを得るための第1分離装置と、
    前記第1分離装置で排出された炭酸ガスおよび一酸化炭素ガスを含むガスである第1リサイクルガスを前記第1加圧手段の上流に導入し、前記第1リサイクルガスを前記改質ガスに合流させて前記混合ガスを得るための第1リサイクルガス配管と、
    前記中間ガス中の少なくとも一酸化炭素ガスを吸着する第2分離装置と、
    前記精製ガスを導出する精製ガス導出配管と、を備える、精製ガスの製造装置。
  7. 前記第1分離装置および前記第2分離装置は、真空再生型圧力スイング吸着装置を備える、請求項6に記載の精製ガスの製造装置。
JP2022082215A 2022-05-19 2022-05-19 精製ガスの製造方法および精製ガスの製造装置 Pending JP2023170448A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022082215A JP2023170448A (ja) 2022-05-19 2022-05-19 精製ガスの製造方法および精製ガスの製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022082215A JP2023170448A (ja) 2022-05-19 2022-05-19 精製ガスの製造方法および精製ガスの製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023170448A true JP2023170448A (ja) 2023-12-01

Family

ID=88928218

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022082215A Pending JP2023170448A (ja) 2022-05-19 2022-05-19 精製ガスの製造方法および精製ガスの製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023170448A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI521056B (zh) Methane recovery method and methane recovery unit
US7892328B2 (en) PSA apparatus for producing high-purity hydrogen gas
US6770390B2 (en) Carbon monoxide/water removal from fuel cell feed gas
JPWO2008056579A1 (ja) 水素ガスの分離方法および分離装置
JP6523134B2 (ja) 水素ガス製造方法及び水素ガス製造装置
JP5698540B2 (ja) 合成ガス製造方法および装置
JP2017189750A (ja) 高炉ガスからの二酸化炭素の分離回収方法および高炉ガスの利用方法
JP5280824B2 (ja) 高純度水素製造装置
JP5498661B2 (ja) 高炉ガスの分離方法
JP2018071894A (ja) 高炉ガスからの水素の分離回収方法、水素の製造方法、および、高炉ガスからの水素の分離回収装置
JP2007015909A (ja) 高純度水素製造方法
JP2017226562A (ja) 水素ガス製造方法及び水素ガス製造装置
JP6930513B2 (ja) 有機物の合成装置および合成方法
CN112499584A (zh) 一种解吸气制备氢氮合成气工艺
JP5403685B2 (ja) アルゴンガスの精製方法および精製装置
JP4187569B2 (ja) 水素製造装置
JP2023170448A (ja) 精製ガスの製造方法および精製ガスの製造装置
CN108557787A (zh) 一种回收粗氩气再提纯方法
JP7117962B2 (ja) 一酸化炭素ガスの製造装置および一酸化炭素ガスの製造方法
JP2009249571A (ja) バイオガス中の硫化水素の除去方法
CN214299309U (zh) 一种解吸气制备氢氮合成气装置
WO2023042535A1 (ja) ガス分離方法
JP2005177716A (ja) 水素psa精製装置から排出されるオフガスの処理方法
JP2587334B2 (ja) Ch4を含まないcoガスの分離方法
JP7191619B2 (ja) 一酸化炭素ガスの分離装置および一酸化炭素ガスの分離方法