JP2023169904A - フィルム、及び、積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルム材料に関わらず、衝撃吸収性を付与することが可能なフィルム、及び積層体を提供する。【解決手段】表面、及び、裏面に凹凸形状が付いたフィルムは、前記表面で凸部を有する部分に対応して前記裏面は凹部を有しており、前記表面で凹部を有する部分に対応して前記裏面は凸部を有しており、前記表面又は前記裏面において、隣接する前記凸部と前記凹部は、その間の斜面部を共有してなり、前記表面もしくは前記裏面の前記凹凸形状において、前記斜面部のフィルム平面方向となす角度を傾斜角θ、前記傾斜角θが0.25以上となる前記斜面部の面積率を斜面面積率S、前記凹凸形状の高さを形状高さHとした際に、以下の式(1)を満たす。式(1): θ × S × H >20ただし、傾斜角θの単位はラジアン、斜面面積率Sの単位は%、形状高さHの単位はμmとする。【選択図】図1

Description

本発明は、フィルム、及び、積層体に関する。
一般に、プラスチックフィルムは、軽量である、化学的に安定である、加工がしやすい、柔軟で強度がある、大量生産が可能、などの性質がある。このため、プラスチックフィルムは、様々なものに利用されている。プラスチックフィルムの用途としては、例えば、食料品や医薬品等を包装する包装材や、点滴パック、買い物袋、ポスター、テープ、液晶テレビ等に利用される光学フィルム、保護フィルム、窓に貼合するウィンドウフィルム、ビニールハウス、建装材等々、多岐にわたる。このような用途に対し、用途に応じて適正なプラスチック材料が選択される。更にプラスチックフィルムを複数種類重ね、積層体とすることもなされている。
保護用フィルムとしては、内容物や装置、部材などを保護するため、様々な衝撃吸収性フィルムが用いられている。
例えば、特許文献1では、包装用途において内容物保護のため、材料やフィルム層構成を工夫することで、衝撃吸収性や剛性の向上を試みている。また、例えば、特許文献2、3においては、表示装置において外部衝撃からディスプレイパネル保護のため、材料やフィルム層構成を工夫することで、衝撃吸収性に加え、伸縮可能な柔軟性や、収納時等に傷付いたり張り付いたりすることを抑制する表面特性の向上を試みている。
このように、衝撃吸収性フィルムの保護する対象に応じて様々な提案がなされている。
特開2018―86843号公報 特開2016―138267号公報 特開2021―181219号公報
しかし、これらの提案では、保護する対象が異なる場合には、フィルム素材や形状などを細かく変更する必要があり、衝撃吸収性フィルム製作の労力やコストがかさんでしまう。また、保護する対象ごとに衝撃吸収性フィルムを特化させてしまうと、製造工程も複雑になってしまい、多品種少量生産によるコストの増大を招く。
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、フィルム材料に関わらず、衝撃吸収性を付与することが可能なフィルム、及び積層体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、代表的な本発明のフィルムの一つは、表面、及び、裏面に凹凸形状が付いたフィルムにおいて、
前記表面で凸部を有する部分に対応して前記裏面は凹部を有しており、前記表面で凹部を有する部分に対応して前記裏面は凸部を有しており、前記表面又は前記裏面において、隣接する前記凸部と前記凹部は、その間の斜面部を共有してなり、
前記表面もしくは前記裏面の前記凹凸形状において、前記斜面部のフィルム平面方向となす角度を傾斜角θ、前記傾斜角θが0.25以上となる前記斜面部の面積率を斜面面積率S、前記凹凸形状の高さを形状高さHとした際に、以下の式(1)を満たすことにより達成される。
式(1): θ × S × H >20
ただし、傾斜角θの単位はラジアン、斜面面積率Sの単位は%、形状高さHの単位はμmとする。
本発明によれば、フィルム材料に関わらず、衝撃吸収性を付与することが可能なフィルム、及び積層体を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
図1は、本実施形態のフィルムにおける一例を示す図であり、(a)はフィルム法線方向から観察した上面図、(b)は断面図である。 図2は、本実施形態のフィルムにおける一例を示す断面図である。 図3は、本実施形態のフィルムにおける一例を示す断面図である。 図4は、本実施形態のフィルムにおける一例を示す斜視図である。 図5は、本実施形態のフィルムにおける一例を示す断面図である。 図6は、本実施形態のフィルムにおける一例を示す断面図である。 図7は、本実施形態のフィルムの領域とフィルムを示す模式図である。 図8は、本実施形態のフィルムにおける一例を示す断面図である。 図9は、本実施形態のフィルムにおける一例を示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、各図は模式的に示した図であり、各部の大きさや形状等は理解を容易にするために適宜誇張して示している。また、説明を簡単にするため、各図の対応する部位には同じ符号を付している。
本実施形態のフィルム1は、図1に示すように、表面2、及び、裏面3に凹凸形状4が付いたフィルム1において、表面2で凸部5を有する部分に対応して裏面3は凹部6を有しており、表面2で凹部7を有する部分に対応して裏面3は凸部8を有している。隣接する凸部5と凹部7(凹部6と凸部8)は、その間の斜面部9を共有する。すなわち、凸部または凹部は、平面状の頂部または底部と、それを両側から挟む一対の斜面部9とから構成される。凸部5と凸部8の形状は同一であり、凹部6と凹部7の形状は同一であると好ましい。ただし、後述する比較例4は、頂部及び底部を有さず斜面部9同士が直接接合される凹凸形状(断面形状が三角形状)を備えるものとする。
本実施形態のフィルム1は、表面2もしくは裏面3の凹凸形状4の断面においてフィルム平面方向(フィルム1の裏面3の凸部8を所定平面上に載置したときに、前記所定平面に沿った方向)と斜面部9がなす角度を傾斜角θ、傾斜角θが0.25以上となる斜面部9の面積率を斜面面積率S、凹凸形状4の高さを形状高さHとした際に、以下の式(1)を満たすことを特徴とする。
式(1): θ × S × H > 20
ただし、傾斜角θの単位はラジアン、斜面面積率Sの単位は%、形状高さHの単位はμmとする。なお、図1(a)はフィルム1の上面図、図1(b)はフィルム1の断面図(図1(a)のフィルム1を側面視した図)を示している。
斜面面積率Sとは、表面2もしくは裏面3の表面積に対する、傾斜角θが0.25以上となる斜面部9の面積の割合を示している。ここで、形状高さHとは、図1に示すように、表面2の凹部7の底面から凸部5の上面までのフィルム法線方向(フィルム平面方向に直交する方向)の距離を示すものとする。
斜面部9を設けることで、フィルムの法線方向から力が加わった際に、力を凹凸形状4により吸収することが可能になる。より具体的には、斜面部9により力の分散をするとともに、一定以上の衝撃力が加わった際には斜面部9が折れ曲がることによりエネルギーが消費され、衝撃力を吸収させることができ、衝撃吸収性を付与することが可能となる。すなわち、斜面面積率Sを調整することにより、衝撃吸収特性の向上を図ることができる。
式(1)の左辺の値が20以下であると、同じ材料、同じ樹脂量の通常のフィルムに対して有意な差を達成することができないが、20を超えることにより、優位に衝撃吸収性を向上させることができる。傾斜角θ、斜面面積率S、及び形状高さHのそれぞれが大きい値をとることで、衝撃吸収性を向上させることができるが、特に、効果の有無のボーダーにおいては、それぞれの値の乗算が重要となる。
また、傾斜角θは0.25ラジアン、つまり15deg未満ではほとんど衝撃吸収性向上効果を有さないことから、斜面面積率Sの算出において、傾斜角θが0.25以上の斜面部9の面積を用いる。
上記のように、本発明は、材料特有の効果ではなく、フィルム形態、形状による効果により、衝撃吸収性を付与することが可能である。そのため、フィルム1の材料としては、何ら制限をされるものではない。例えば、剛性の高い樹脂にて、本実施形態を満たすことで、剛性と衝撃吸収性の両立も可能であり、タック性はなくて硬い樹脂を用いることで、柔軟性、衝撃吸収性に加え、傷付きや張り付きを抑えることも可能である。
詳細な形状は、式(1)を満たすようにすれば、適宜設計可能である。ただし、斜面面積率Sの算出に用いる斜面部9の主たる領域の傾斜角θは0.5rad以上、1.5rad以下であると良い。ここで主たる領域とは、斜面部9において傾斜角θが異なる場合、最も存在割合の多い傾斜角θを有する領域の事を示している。例えば、平面状の斜面部9の端部において、頂部または底部に接続する領域が、曲率半径の小さい曲面(断面が丸みを持つ)である場合、その曲面の領域は変化する傾斜角をもつ。しかし、斜面部9の大部分である平面領域の面積に対して、曲面の領域の総面積が相対的に小さい。かかる場合、主たる領域とは斜面部9の平面領域の部位になり、斜面部9の傾斜角θは平面領域の一定の傾きを示す値となる。ここで、傾斜角θが0.5rad未満では斜面面積率Sや形状高さHを大きくする必要があり、現実的に使用可能な形状を確保することが難しくなってしまう。一方、傾斜角θが1.5radを超えるとフィルム1の作製が困難になってしまう。より好ましくは、斜面部9において主たる領域の傾斜角θは0.8rad以上、1.4以下radである。
形状高さHは10μm以上、200μm以下であると良く、より好ましくは、20μm以上、100μm以下である。こうすることで、本発明の効果を有しつつ、フィルムとしての形態を保つことが可能である。
凹凸形状4のピッチPは、図1の例のように一定のピッチであっても良いし、図2の例のように、不等ピッチであっても良い。表面2で凸部5を有する部分に対応して裏面3は凹部6を有しており、表面2で凹部7を有する部分に対応して裏面3は凸部8を有していることが重要である。ただし、表面2、及び、裏面3の形状のピッチPは一定であるほうが、作製上の難易度を下げることができるため望ましい。
凹凸形状4の平均ピッチPは50μm~1000μmであると良く、より好ましくは100μm~600μmである。平均ピッチPが小さすぎると、製造工程上、凹凸形状4を付与すること難しくなり、平均ピッチPが大きすぎると、式(1)の左辺の値を大きく確保するためには、形状高さHも大きくする必要があり、それにより使い勝手が悪いフィルムとなる。ここで、平均ピッチPとは、凹凸形状4のピッチPの平均値を示すものとする。
フィルム1の厚みTは、3μm以上、100μm以下であると良く、より好ましくは、10μm以上、50μm以下である。こうすることで、本発明の効果を得やすく、フィルムとしての形態を保つことが可能である。なお、厚みTは、フィルム1の場所により変化していても良い。つまり、の凸部5(もしくは凹部6)の頂部、凹部7(もしくは凸部8)の底部、斜面部9の場所毎に厚みがばらついていても、本発明の効果を得ることは可能である。その場合、厚みTは、場所によらず、上記範囲であると良い。
凹凸形状は、図1の例のように断面形状が台形形状となっており、それが一方向に延在した形状でも良いし、図2の例のように台形形状のピッチPが一定でなく変化していても良い。また、図3(a)の例のように台形形状の先端が丸みを帯びていても良いし、図3(b)の例のように円弧状であっても良い。その他の形状であっても良く、断面形状の詳細な形状には限定されない。
なお、凹凸形状が図3(b)に示すような円弧状やレンズ形状の場合、傾斜角θは場所によって変化する。かかる場合、式(1)における傾斜角θ×斜面面積率Sの演算は、微小傾斜角dθとその傾斜角dθを持つ面の面積割合つまり微小斜面面積率S(dθ)を掛けたものを、微小傾斜角dθが0.25以上の範囲において積分[∫dθ・S(dθ)]つまり足し合わせをすればよい。このとき、形状高さHは円弧のトップ部と底部の高さの差とすれば良いので、積分する必要はない。そうすることで、傾斜角θ×斜面面積率S×形状高さHを同様に算出することが可能である。
また、フィルム1は、図1や図4(a)の例のように凹凸形状が一方向に繰り返し延在した形状を有していても良いし、図4(b)の例のように凹凸形状が2方向に整列した形状を有していても良い。その他、形状に限定はされないが、作製のしやすさ、扱いやすさを考慮すると、図1や図4(a)に示すように、凹凸形状が一方向に延在した形状が好ましい。
一方、図4(b)の例のように凹凸形状を2方向に繰り返すフィルム1の場合、斜面面積率は向上する場合もあるが、逆に減少する場合もある。その理由は、凹凸形状が二方向に延在する場合、他方向に延在する凹凸形状により、一方向に延在する凹凸形状の斜面部9の一部が隠されてしまうためである。斜面面積率Sの算出にはその点に注意する必要がある。
本発明のフィルム1の少なくとも一方の面には支持層11が積層されて積層体を形成していても良い。例えば図5(a)の例のように凹凸形状を埋めるように支持層11が積層されていても良いし、図5(b)の例のように凹部の内部に空隙を有して支持層11が積層されていても良い。図5(a)の例の場合、衝撃力を斜面部にて分散させるためには、支持層11はフィルム1よりも柔軟性の高い材料を使う必要がある。一方で、図5(b)の例の場合は、支持層11の材料は特に限定されない。どちらの場合も、フィルムとしてのコシ、剛性を持たせる効果や、片面を平坦な面にする効果を期待できる。
図5(b)の例のように、支持層11との貼り合わせを行う場合には、フィルム1の表面2(もしくは裏面3)の凸部5(もしくは凸部8)は平坦となっていると良い。こうすることで、フィルム1と支持層11との接着面積を増やすことができ、接着強度を向上させることができる。
特に、図1の例のように、凹凸形状が一方向に延在した形状であり、その断面形状が台形形状であると、上記の接着強度を向上させつつ、簡易に作成することができるため、好ましい。
本発明のフィルム1は、図6の例のように、必ずしも単層構成である必要はなく複数の層から構成されて積層体を形成していても良いし、本発明のフィルム1の一方の面に機能層12を積層して積層体を形成しても良い。機能層とは、例えば、ハードコート層、伸縮補助層、導電層、熱伝導層、バリア層、印刷層、粘着層などが挙げられる。
本実施形態のフィルム1は、以上の特徴を有するフィルム1が1つ以上同一平面上に配置されて成っていても良い。つまり、図7に示すように、上記特徴を有する複数の領域1Aが間隔をあけて並んだフィルム1としても良い。領域1A内では上記特徴を有するため、形状をフィルム1の全面に付与することが難しい場合は、このような形態で使用しても特に問題ない。また領域1Aの周縁でカットすることで、領域1Aをフィルム1として使用することもできる。
フィルム1を構成する材料としては、熱やUV光等による硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などが挙げられる。硬化性樹脂としては例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、熱可塑性樹脂としては例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、エチレン酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ乳酸、環状ポリオレフィン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及び、これらの誘導体等が挙げられる。ただし、これらの材料は特に限定されるものではなく、さらにこれらの材料は単独で用いられても良いし、これらのうちの複数の材料が組み合わされて用いられても良い。
本実施形態のフィルム1については、例えば、熱プレスや押出成形により作製することが出来る。
熱プレスによる方法では、フラットなフィルムに、別のフラットフィルム(支持層)を重ね、凹凸形状を設けた加熱ロール間もしくは加熱した平板状のプレス機に通した後、支持層を剥離することで、凹凸形状の付与されたフィルム1を得ることが可能である。この際、プレス深さやプレス圧、プレス温度、各フィルム材料、各フィルム厚みを調整することによって、フィルム1と支持層との間の界面、つまり、支持層剥離後の裏面3に、所望の凹凸構造を付与することができる。なお、図5(a)の例のように、支持層11を積層した積層体のまま使用したい場合は剥離する必要はない。
また、押出成形による方法では、複数の押出機を使用し、複数種類の別の樹脂をフィードブロック法、又はマルチマニホールド法により共押出することで、2層以上の多層構成のフィルムを得ることができる。この多層構成フィルムの冷却工程において、フィルム1の形状に対応する凹凸が表面に設けられた冷却ロールを用いて、ニップ圧力を付加しながら冷却することで、多層構成フィルムに凹凸形状を付与することが出来る。この時、ニップ圧力、樹脂温度、冷却ロール温度、各層の樹脂材料、樹脂厚みを調整することによって、多層構成フィルムの層界面にも所望の凹凸構造を付与することができる。この多層構成フィルムのフィルム化後、冷却ロール側の層を剥離することで、フィルム1を得ることができる。なお、図5(a)の例のように、支持層11を積層した積層体のまま使用したい場合は剥離する必要はない。
その他、凹凸形状を設けた1対の加熱ロール間もしくは加熱した平板状のプレス機を通してフィルム1を作製することも出来るし、冷却ロールおよびニップロールの両方に凹凸形状を付けた押出成形にて作製するなど、特に製造方法が限定されるものではない。
ただし、前述の支持層11を積層して作製することで、表面2で凸部5を有する部分に対応して裏面3は凹部6を有しており、表面2で凹部7を有する部分に対応して裏面3は凸部8を有する構造を、容易に作成することができる。
以上、本発明の実施形態を例示したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではないことはいうまでもない。また、以上の実施の形態を組み合わせて用いることは、任意である。
以下、本発明者らが作成した実施例を、比較例と比較して詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
フィルム1の材料として株式会社ベルポリエステルプロダクツ製のポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂「ベルペットEFG70」を用い、また、支持層11として日本ポリエチレン株式会社製の低密度ポリエチレン(PE)樹脂「ノバテックLD LC600A」を用い、共押出成形により二層を積層し、PET樹脂側を凹凸形状の付与されたロールにてニップしながら製膜することで、図5(a)の例のような支持層11が積層されたフィルム1を得た。その後、支持層11を剥離することで、フィルム1を得た。
凹凸形状は、図1の例のような、一方向に延在した断面形状が台形形状とした。台形形状の詳細は、図8に示す各部の値として、凸部5幅A=75μm、凹部7幅B=30μm、傾斜角θ=1.0rad、形状高さH=60μm、フィルム厚みT=15μmとした。このとき、形状ピッチPと斜面面積率Sは、容易に計算することができ、形状ピッチP=174μm、斜面面積率S=57%となった。
(実施例2~12,比較例1~5)
実施例2~12,比較例1~3、5は、断面形状である台形形状、また比較例4は断面形状である三角形状の形状パラメータである凸部5幅A、凹部7幅B、傾斜角θ、形状高さHを、表1に示すように変更し、それ以外は実施例1と同様とした。
(比較例6)
比較例6は、凹凸形状4を付与せず、平坦なフィルムとし、それ以外は、実施例1と同様とした。
(実施例13,14,比較例7)
実施例13,14,比較例7は、断面形状を台形でなく、図9の例のような角形形状、つまり、2段台形形状とした。形状パラメータは、凸部5幅A、凹部7幅B、凹部7の斜面部9の傾斜角θ1、凸部5の斜面部9の傾斜角θ2、傾斜角θ1の斜面部9の形状高さH1、傾斜角θ2の斜面部9の形状高さH2である。ここで、凹凸形状4の形状高さHはH=H1+H2となる。
実施例13は、凸部5幅A=50μm、凹部7幅B=15μm、凹部7の斜面部9の傾斜角θ1=1.0rad、凸部5の斜面部9の傾斜角θ2=0.5rad、傾斜角θ1の斜面部9の形状高さH1=30μm、傾斜角θ2の斜面部9の形状高さH2=30μmとした。このとき、形状ピッチPと傾斜角θ1の斜面面積率S1、傾斜角θ1の斜面面積率S2は、容易に計算することができ、形状ピッチP=204μm、斜面面積率S1=27%、斜面面積率S2=47%となった。それ以外は実施例1と同様とした。
実施例14、比較例7は、各形状パラメータを表2のように変更し、それ以外は実施例13と同様とした。
(実施例15,比較例8)
実施例15,比較例8は、図4(b)の例のように、台形形状が直交する2方向に延在した形状とした。このとき、直交する2方向のそれぞれの断面形状は同じとし、その断面形状の形状パラメータは、実施例15は実施例4と同様とし、比較例8は実施例2と同様とした。それ以外は実施例1と同様とした。数値の一覧は表3に記す。
(実施例16,17,比較例9,10)
実施例16,17,比較例9,10は、フィルム厚みTを変更した例である。実施例16,比較例9はフィルム厚みT=30μm、実施例17,比較例10はフィルム厚みT=50μmとした。形状パラメータについては、実施例16,17は実施例1と同様とし、比較例9,10は凹凸形状4を付与していない比較例7と同様とした。それ以外は実施例1と同様とした。数値の一覧は表4に記す。
(実施例18,19,20,比較例11,12,13)
実施例18,19,20,比較例11,12,13は、フィルムの材料を変更した例である。実施例18,比較例11はフィルムの材料として株式会社プライムポリマー製のポリプロピレン(PP)樹脂「プライムポリプロF-300SP」を用いた。実施例19,比較例12はフィルムの材料として三菱ケミカル株式会社製のエチレン-ビニルアルコール共重合(EVOH)樹脂「ソアノールD2908」を用いた。実施例20,比較例13はフィルムの材料として帝人株式会社製のポリカーボネート(PC)樹脂「パンライトL-1225Z100M」を用いた。形状パラメータについては、実施例18,19,20,は実施例1と同様とし、比較例11,12,13は凹凸形状4を付与していない比較例7と同様とした。それ以外は実施例1と同様とした。数値の一覧は表5に記す。
(フィルムの評価)
各実施例及び比較例の性能評価として、衝撃吸収性の評価を実施した。
コンクリート上に、松浪硝子工業株式会社製の大型スライドグラス「大型スライド水縁磨 t1.3」を置き、その上に、各実施例及び比較例のフィルムを重ね、その上から距離をあけて、株式会社ツバキ・ナカシマ製の鋼球(精密ボール)3/4インチサイズ「SBI―SUJ―1-3/4」を落下させた。このとき、スライドグラスが割れなければ鋼球の落下距離を10mm大きくし、再度落下試験を行った。初期の落下距離を10mmとし、スライドグラスが割れるまで、落下距離を上げていき、最終的に、割れなかった範囲での最高高さを落球耐久高さとして記録した。判定としては、凹凸形状4を付与していない比較例6,9,10,11,12,13の結果を基準とし、これを優位に超えるものを評価「〇」、同等もしくは下回るものを評価「×」とした。なお、実施例1~15,比較例1~8の基準は比較例6であり、実施例16の基準は比較例9であり、実施例17の基準は比較例10であり、実施例18の基準は比較例11であり、実施例19の基準は比較例12であり、実施例20の基準は比較例13である。また、基準を優位に超える判断とし、基準の落球耐久高さ+20mm以上を満たすこととした。
各実施例及び比較例における条件、及び評価結果の一覧表を表1~5に示す。
Figure 2023169904000002
Figure 2023169904000003
Figure 2023169904000004
Figure 2023169904000005
Figure 2023169904000006
(評価結果)
表1の実施例と比較例の判定を比べると、斜面面積率S×傾斜角θ×形状高さHが20μmを超えているものは、評価「〇」となり、20μmを下回っているものは評価「×」になっていることが分かる。
詳細に分析を行うと、比較例1,2は実施例1,2に比べ形状高さHが低くなっており、斜面面積率S×傾斜角θ×形状高さHも小さくなっているため、落球耐久高さは50mmにとどまり判定は評価「×」になっている。一方、実施例5は比較例1,2と同じ形状高さHであるが傾斜角θが大きいことで、斜面面積率S×傾斜角θ×形状高さHは20μmを上回った。落球耐久高さは60mmあり、判定として評価「〇」を得ることができている。
実施例1,6,比較例3,4は、形状高さHは同じで、傾斜角θが異なるが、傾斜角θが比較的小さい比較例3,4は、落球耐久高さは50mmにとどまり判定は評価「×」となった。また、実施例6,比較例3は形状高さHだけでなく、斜面面積率Sも同じであることから、評価の差が傾斜角θに依存することがわかる。
実施例3,4,7,8,9,10,11は、斜面面積率S、傾斜角θ、形状高さHの何れも小さい値はなく、斜面面積率S×傾斜角θ×形状高さHも大きな値となり、落球耐久高さも70mm以上と十分な耐衝撃性を発揮でき、評価「〇」となったた。
実施例12は、実施例7,10と同じ傾斜角θ,形状高さHであるが、斜面面積率Sが小さくなったことで、落球耐久高さも60mmとなっている。さらに斜面面積率Sが小さくなった比較例5は、落球耐久高さも50mmとなり、評価「×」となった。フラットなフィルムである比較例6も、評価「×」となった。
以上のように、斜面面積率S×傾斜角θ×形状高さHの値が20μmを超えるかどうかで、衝撃吸収性の効果を得ることができるかどうか、見極めることができることが分かる。
表2の実施例と比較例は、台形形状ではなく、2段台形形状の例であるが、表1の結果と同様に、斜面面積率S×傾斜角θ×形状高さHで評価することができる。なお、傾斜角が複数ある場合の斜面面積率S×傾斜角θは、傾斜角θnと傾斜角θnに対応する斜面面積率S(θn)を掛けた値を、傾斜角θnが0.25以上の範囲において足し合わせればよい。このとき、形状高さHは、各傾斜ごとではなくトータルの高さを最後に掛ければよいことが分かる。この場合でも、斜面面積率S×傾斜角θ×形状高さHの値が20μmである比較例7は評価「×」となり、20μmを超えている実施例13,14は評価「〇」となった。
表3の実施例と比較例は、凹凸形状が1方向に延在した形状ではなく、直交する2方向に延在した例であるが、この場合にも、斜面面積率S×傾斜角θ×形状高さHで評価することができる。実施例15は実施例4を2方向化した形状であるが、斜面面積率Sは向上し、落球耐久高さも向上し評価「〇」である。一方、比較例8は実施例2を2方向化した形状であるが、斜面面積率Sは減少し、落球耐久高さも低下した結果、評価「×」となってしまった。このように、2方向に凹凸形状をなすと、斜面面積率Sは増加する場合もあるが、逆に減少する場合もあるが、同様に斜面面積率S×傾斜角θ×形状高さHで評価することができる。
表4の実施例と比較例は、フィルム厚みTを増加させた例であり、フィルム厚みTを増加させることで、落球耐久高さは向上するが、特に式(1)左辺の寄与度が大きいことが分かる。この場合にも、斜面面積率S×傾斜角θ×形状高さHで評価することができており、フィルム厚みTの制限を受けないことが分かる。すなわち、凹凸形状を有しない比較例9,10が評価「×」であるのに対し、斜面面積率S×傾斜角θ×形状高さHの値が20μmを超えている実施例16,17は評価「〇」となった。
表5の実施例と比較例は、フィルム材料を変更した例であるが、どの材料においても、特に式(1)左辺の寄与度が大きいことが分かる。すなわち、斜面面積率S×傾斜角θ×形状高さHの値が20μmである比較例11,12,13は評価「×」となり、20μmを超えている実施例18,19、20は評価「〇」となった。このことから、本発明は材料に関わらず、衝撃吸収効果を得ることができるという事が分かる。
本明細書は、以下の発明の開示を含む。
(発明A)
表面、及び、裏面に凹凸形状が付いたフィルムにおいて、
前記表面で凸部を有する部分に対応して前記裏面は凹部を有しており、前記表面で凹部を有する部分に対応して前記裏面は凸部を有しており、前記表面又は前記裏面において、隣接する前記凸部と前記凹部は、その間の斜面部を共有してなり、
前記表面もしくは前記裏面の前記凹凸形状において、前記斜面部のフィルム平面方向となす角度を傾斜角θ、前記傾斜角θが0.25以上となる前記斜面部の面積率を斜面面積率S、前記凹凸形状の高さを形状高さHとした際に、以下の式(1)を満たすことを特徴とするフィルム。
式(1): θ × S × H >20
ただし、傾斜角θの単位はラジアン、斜面面積率Sの単位は%、形状高さHの単位はμmとする。
(発明B)
前記斜面部において、主たる領域の前記傾斜角θが0.5以上、1.5以下であることを特徴とする発明Aのフィルム。
(発明C)
前記凹凸形状は、一方向または二方向に繰り返し延在した台形形状であることを特徴とする発明Aまたは発明Bのフィルム。
(発明D)
発明A~発明Cのいずれかのフィルムの少なくとも一方の面に支持層を積層したことを特徴とする積層体。
(発明E)
発明A~発明Cのいずれかのフィルムの少なくとも一方の面に機能層を積層したことを特徴とする積層体。
(発明F)
発明Dの積層体の少なくとも一方の面に機能層を積層したことを特徴とする積層体。
1 フィルム
2 表面
3 裏面
4 凹凸形状
5 表面2の凸部
6 裏面3の凹部
7 表面2の凹部
8 裏面3の凸部
9 斜面部
11 支持層
12 機能層
1A 領域
A 凸部5幅
B 凹部6幅
H 形状高さ
T フィルム1の厚み
P 形状ピッチ
S 斜面面積率
θ 表面斜面部とフィルム平面方向となす角

Claims (6)

  1. 表面、及び、裏面に凹凸形状が付いたフィルムにおいて、
    前記表面で凸部を有する部分に対応して前記裏面は凹部を有しており、前記表面で凹部を有する部分に対応して前記裏面は凸部を有しており、前記表面又は前記裏面において、隣接する前記凸部と前記凹部は、その間の斜面部を共有してなり、
    前記表面もしくは前記裏面の前記凹凸形状において、前記斜面部のフィルム平面方向となす角度を傾斜角θ、前記傾斜角θが0.25以上となる前記斜面部の面積率を斜面面積率S、前記凹凸形状の高さを形状高さHとした際に、以下の式(1)を満たすことを特徴とするフィルム。
    式(1): θ × S × H >20
    ただし、傾斜角θの単位はラジアン、斜面面積率Sの単位は%、形状高さHの単位はμmとする。
  2. 前記斜面部において、主たる領域の前記傾斜角θが0.5以上、1.5以下であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム。
  3. 前記凹凸形状は、一方向または二方向に繰り返し延在した台形形状であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載されたフィルムの少なくとも一方の面に支持層を積層したことを特徴とする積層体。
  5. 請求項1~3のいずれか一項に記載のフィルムの少なくとも一方の面に機能層を積層したことを特徴とする積層体。
  6. 請求項4に記載の積層体の少なくとも一方の面に機能層を積層したことを特徴とする積層体。
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