JP2023168051A - リチウムイオン電池用電極、それを用いた全固体リチウム二次電池及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン電池用電極、それを用いた全固体リチウム二次電池及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2023168051A
JP2023168051A JP2022079671A JP2022079671A JP2023168051A JP 2023168051 A JP2023168051 A JP 2023168051A JP 2022079671 A JP2022079671 A JP 2022079671A JP 2022079671 A JP2022079671 A JP 2022079671A JP 2023168051 A JP2023168051 A JP 2023168051A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lithium
electrode
sintered body
composite oxide
lithium ion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022079671A
Other languages
English (en)
Inventor
健太郎 冨田
Kentaro Tomita
一揮 古川
Kazuki Furukawa
春樹 上剃
Haruki Kamizori
昂一 末松
Koichi Suematsu
賢 渡邉
Ken Watanabe
憲剛 島ノ江
Kengo Shimanoe
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Ltd
Original Assignee
Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maxell Ltd filed Critical Maxell Ltd
Priority to JP2022079671A priority Critical patent/JP2023168051A/ja
Publication of JP2023168051A publication Critical patent/JP2023168051A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】電池性能の低下を抑制でき、理論容量に近い充放電が可能なリチウムイオン電池用電極及びその電極を用いたエネルギー密度が高い全固体リチウム二次電池及びリチウムイオン二次電池を提供する。【解決手段】本願のリチウムイオン電池用電極は、リチウム含有金属複合酸化物を含有する焼結体を備え、 前記焼結体の質量に対する前記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分と、前記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分以外の異相成分と、不純物成分との合計質量分率Pが100%であり、前記焼結体の質量に対する前記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分の質量分率Qが、90%≦Q≦100%であり、前記焼結体の質量に対する前記異相成分及び前記不純物成分の合計質量分率Rが、0%≦R≦10%であり、前記焼結体の体積に占める空隙の体積分率が17%以下であり、前記焼結体は、平均粒子径が1nm~900nmの前記リチウム含有金属複合酸化物の粒子が焼結して形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン電池用電極、それを用いた全固体リチウム二次電池及びリチウムイオン二次電池に関するものである。
従来、非水電解液を用いるリチウムイオン二次電池の電極には、活物質粉末と導電助剤とバインダとを含む多孔性の電極が用いられている。また、固体電解質を用いる全固体リチウム二次電池の場合は、活物質粉末と固体電解質粉末とを含み、導電助剤やバインダを混合した成形体が電極として用いられることが一般的であった。
特許文献1では、緻密で空隙率が低く、かつ、異相生成度が低い全固体型リチウムイオン電池用正極の製造方法が提案されている。特許文献1には、空隙率が4.5%以下であるリチウム複合酸化物からなる焼結体を用いた全固体リチウムイオン電池用正極が開示されている。
特開2014-63732号公報
従来、多孔性の電極では電解液を含侵させるための空隙が不可欠であり、また、固体電解質を含む成形体の電極では、固体電解質に占有される空間が不可欠であり、共に必然的に電極に活物質以外が占める領域が存在することになる。このため、電極のエネルギー密度を活物質固有の理論体積エネルギー密度に近づけることが困難であった。また、このような電極内部では、(1)導電助剤と電解液(あるいは固体電解質)、(2)活物質と電解液(あるいは固体電解質)の電位の異なる2つの界面が存在するため、局部電池が形成され、(1)の場合では電解液(あるいは固体電解質)の酸化反応が生じ、また、(2)の場合では活物質の還元反応が生じ、電極のイオン伝導率が低下したり、スピネル型の正極活物質の一部が正方晶型となることで体積変化を生じ、活物質がフラグメント化したり、電極が可塑変形して各成分の接合状態が悪化したりすることで電池性能が低下する課題があった。
しかしながら、特許文献1では、焼結体の製造時に焼結助剤を用いているため、焼結体に不純物成分として焼結助剤が必然的に残存することになり、不純物相がイオン伝導を妨げるため電池性能の低下のおそれがある。また、焼結体の作製に用いる焼結助剤と活物質粒子との混合体の平均粒子径が1μm以上と大きいため、充放電時における焼結体の体積変化による応力が分散されにくく、理論容量に近い充放電が困難であると考えられる。
本願は、上記問題を解決するためになされたものであり、電池性能の低下を抑制でき、理論容量に近い充放電が可能なリチウムイオン電池用電極及びその電極を用いたエネルギー密度が高い全固体リチウム二次電池及びリチウムイオン二次電池を提供するものである。
本発明のリチウムイオン電池用電極は、リチウム含有金属複合酸化物を含有する焼結体を含むリチウムイオン電池用電極であって、前記焼結体の質量に対する前記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分と、前記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分以外の異相成分と、不純物成分との合計質量分率Pが100%であり、前記焼結体の質量に対する前記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分の質量分率Qが、90%≦Q≦100%であり、前記焼結体の質量に対する前記異相成分及び前記不純物成分の合計質量分率Rが、0%≦R≦10%であり、前記焼結体の体積に占める空隙の体積分率が17%以下であり、前記焼結体は、平均粒子径が1nm~900nmの前記リチウム含有金属複合酸化物の粒子が焼結して形成されている。
また、本発明の全固体リチウム二次電池は、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に配置された固体電解質層とを含む全固体リチウム二次電池であって、前記正極に、本願の前記リチウムイオン電池用電極を用いる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータと、非水電解液とを含むリチウムイオン二次電池であって、前記正極に、本願の前記リチウムイオン電池用電極を用いる。
本願によれば、電池性能の低下を抑制でき、理論容量に近い充放電が可能なリチウムイオン電池用電極及びその電極を用いたエネルギー密度が高い全固体リチウム二次電池及びリチウムイオン二次電池を提供することができる。
図1は、実施形態の全固体リチウム二次電池の一例を示す断面図である。
(リチウムイオン電池用電極)
先ず、本願のリチウムイオン電池用電極(以下、単に電極ともいう。)の実施形態を説明する。本実施形態の電極は、リチウム含有金属複合酸化物を含有する焼結体を含み、前記焼結体の質量に対する前記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分と、前記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分以外の異相成分と、不純物成分との合計質量分率Pが100%であり、前記焼結体の質量に対する前記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分の質量分率Qが、90%≦Q≦100%であり、前記焼結体の質量に対する前記異相成分及び前記不純物成分の合計質量分率Rが、0%≦R≦10%であり、前記焼結体の体積に占める空隙の体積分率が17%以下であり、前記焼結体は、平均粒子径が1nm~900nmの前記リチウム含有金属複合酸化物の粒子が焼結して形成されている。
本実施形態の電極は、前記焼結体の質量に対する前記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分と、前記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分以外の異相成分と、不純物成分との合計質量分率Pが100%であり、前記焼結体の質量に対する前記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分の質量分率Qが、90%≦Q≦100%であり、前記焼結体の質量に対する前記異相成分及び前記不純物成分の合計質量分率Rが、0%≦R≦10%であり、前記焼結体の体積に占める空隙の体積分率が17%以下であるため、電極のエネルギー密度をリチウム含有金属複合酸化物の固有の理論体積エネルギー密度に近づけることができる。また、上記電極は、導電助剤を含まないため、局部電池が形成されず、電池性能の低下を抑制できる。更に、上記電極に用いる焼結体は、平均粒子径が1nm~900nmの前記リチウム含有金属複合酸化物の粒子を焼結して形成されているため、充放電時における焼結体の体積変化による応力が分散されやすく、理論容量に近い充放電が可能となり、エネルギー密度が高い電池を提供できる。
本実施形態の電極に用いる焼結体は、前述のように、平均粒子径が1nm~900nmの粒子を焼結して形成されているため、空隙が少ない緻密な焼結体とすることができることから電極の電気伝導率を1.0×10-6Scm-1以上とすることができる。これにより、電極の厚みを例えば100μm以上としても電極として動作せることができる。上記電極の電気伝導率は、4.0×10-6以上がより好ましい。
本実施形態の電極は、片面に厚みが1nm~100μmの金属膜を更に有することが好ましい。この金属膜は集電体として機能し、電極と端子部との電気的接続性を向上できる。上記金属膜は、金属のスパッタリング膜などで形成できる。
前述のとおり、本実施形態の電極の電気伝導率を1.0×10-6Scm-1以上とすることができるので、電極の厚みを100μm~2000μmとすることができる。
以下、本実施形態の電極について詳細に説明するが、本実施形態の電極は、通常、正極に使用されるので、本実施形態の電極を正極に適用する場合について説明する。
<正極>
本実施形態の正極は、リチウム含有金属複合酸化物を含有する焼結体を主体として構成される。上記焼結体の質量に対する上記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分と、上記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分以外の異相成分と、不純物成分との合計質量分率Pが100%である。即ち、本実施形態の正極には、導電助剤、バインダなどを含まないため、局部電池が形成されず、電池性能の低下を抑制できる。
上記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分とは、リチウム含有金属複合酸化物の特有の結晶構造を有する結晶成分であり、例えば、リチウム含有金属複合酸化物がスピネル型リチウムマンガン複合酸化物の場合には、粉末X線回折測定した場合に、スピネル構造の空間群:Fd3-m及び空間群:P4332に帰属される回析パターンが得られる結晶成分を意味する。
また、上記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分以外の異相成分とは、リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分が変性して生じた成分であり、リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分とは異なる結晶成分をいう。例えば、リチウム含有金属複合酸化物がスピネル型リチウムマンガン複合酸化物の場合には、スピネル型リチウム含有金属複合酸化物のスピネル構造が変性した、岩塩型構造を有するニッケル酸リチウム(Li1-xNixO)や単斜晶型構造(空間群:C2/m)を有するニッケルマンガン酸リチウム〔Li1+x(Ni,Mn)1-x2〕などが該当する。
また、上記不純物成分とは、上記焼結体を作製する際に混入の可能性のある不可避成分をいうが、通常、この不純物成分量は、上記焼結体の成分分析を行った際の検出限界以下の量に制御することができる。
上記焼結体の質量に対する上記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分の質量分率Qは、90%≦Q≦100%であり、上記焼結体の質量に対する上記異相成分及び上記不純物成分の合計質量分率Rは、0%≦R≦10%であり、上記焼結体の体積に占める空隙の体積分率は17%以下であるため、正極のエネルギー密度をリチウム含有金属複合酸化物の固有の理論体積エネルギー密度に近づけることができる。上記質量分率Qは、95%≦Q≦100%であることより好ましく、上記合計質量分率Rは、0%≦R≦5%であることより好ましい。通常、上記不純物成分の含有量は0%であるから、上記異相成分の含有量は5%以下が好ましい。また、上記焼結体の体積に占める空隙の体積分率は、理想的には0%であるが、通常は5%程度が下限値となる。
また、上記焼結体は、平均粒子径が1nm~900nmの粒子が焼結して形成されているため、空隙が少ない緻密な焼結体とすることができることから正極の電気伝導度を高くでき、かつ、充放電時における焼結体の体積変化による応力が分散されやすく、理論容量に近い充放電が可能となり、エネルギー密度が高い電池を提供できる。上記焼結体を構成する粒子の平均粒子径は、1nm~800nmであることがより好ましい。更に、上記焼結体の平均細孔サイズは、3nm~800nmであることが好ましい。
本実施形態の正極の活物質として用いるリチウム含有金属複合酸化物としては、LiMxMn2-x4(但し、Mは、B、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu、Al、Sn、Sb、In、Nb、Mo、W、Y、Ru及びRhよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0.01≦x≦0.5)で表されるスピネル型リチウムマンガン複合酸化物、LixMn(1-y-x)Niyz(2-k)l(但し、Mは、Co、Mg、Al、B、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Zr、Mo、Sn、Ca、Sr及びWよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0.8≦x≦1.2、0<y<0.5、0≦z≦0.5、k+l<1、-0.1≦k≦0.2、0≦l≦0.1)で表される層状化合物、LiCo1-xx2(但し、Mは、Al、Mg、Ti、Zr、Fe、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Nb、Mo、Sn、Sb及びBaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0≦x≦0.5)で表されるリチウムコバルト複合酸化物、LiNi1-xx2(但し、Mは、Al、Mg、Ti、Zr、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、Ge、Nb、Mo、Sn、Sb及びBaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0≦x≦0.5)で表されるリチウムニッケル複合酸化物、LiM1-xxPO4(但し、Mは、Fe、Mn及びCoよりなる群から選択される少なくとも1種の元素で、Nは、Al、Mg、Ti、Zr、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Nb、Mo、Sn、Sb及びBaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、0≦x≦0.5)で表されるオリビン型複合酸化物、Li4Ti512で表されるリチウムチタン複合酸化物などが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記リチウム含有金属複合酸化物は、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物を含むことが好ましい。スピネル型リチウムマンガン複合酸化物の焼結体は、層状化合物の焼結体より、充放電時に等方的に体積変化するため、正極の可塑変形による劣化を少なくすることができる。このため、上記リチウム含有金属複合酸化物の質量に対する上記スピネル型リチウムマンガン複合酸化物の質量分率Sは、90%≦S≦100%であることが好ましく、95%≦S≦100%であることがより好しい。
上記スピネル型リチウムマンガン複合酸化物は、前述のとおり、粉末X線回折測定により、スピネル構造の空間群がFd3-m及びP4332に帰属される。
上記スピネル型リチウムマンガン複合酸化物は、特に下記組成式で表されるリチウムニッケルマンガン複合酸化物であることが好ましい。リチウムニッケルマンガン複合酸化物を正極活物質として用いた電池は、従来の電池よりも5V級の起電力の発現が可能となり、電池のエネルギー密度の向上へより寄与できる。
Li1+aNixMn2-x-yy4-δ
上記組成式中で、-1≦a≦1、0≦x≦1.1、0≦y≦1.2、0≦δ≦0.5であり、Mは、Na、K、Mg、Ca、Sr、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Ni、Co、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Sn、Ba、Ta、W、La、Ce、Euからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素である。
次に、本実施形態の電極に用いる焼結体の製造方法について説明する。
<リチウム含有金属複合酸化物粒子の合成工程>
先ず、焼結体の原料となるリチウム含有金属複合酸化物粒子の合成工程を説明する。本合成工程では、最初にリチウム源、金属元素を含む原料、及び有機酸を溶媒に含有させ、常温で攪拌して固形分を溶解させて原料溶液を調製する。
リチウム源としては、リチウム元素を含む化合物を用いることができる。例えば、硝酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸リチウムなどを用いることができる。
金属元素を含む原料としては、Na、K、Mg、Ca、Sr、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Ni、Co、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Sn、Ba、Ta、W、La、Ce、Euからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含む化合物を用いることができる。金属元素を含む原料は、Ni元素を含む化合物及びMn元素を含む化合物が好ましい。
Ni元素を含む化合物としては、例えば、硝酸ニッケル、酸化ニッケルなどを用いることができ、Mn元素を含む化合物としては、例えば、酸化マンガン、炭酸マンガン、酢酸マンガンなどを用いることができる。
有機酸としては、例えば、DL-リンゴ酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、グルタミン酸などを用いることができる。有機酸は、金属イオンと錯体を形成するため前駆体中の金属イオンを良好に分散でき、活物質粒子を合成する際の焼成温度を下げる効果があるため、活物質粒子のサイズをナノスケールまで小さくする効果がある。
溶媒としては、リチウム源、金属元素を含む原料、及び有機酸を溶解できれば特に限定されず、例えば、水、エタノール、アセトンなどを用いることができるが、水を用いることが好ましい。
攪拌条件は特に限定されず、例えば、常温で、攪拌機の回転速度を200~500rpmに設定すればよい。
次に、上記原料溶液に、アンモニア水などのアルカリ水溶液を加え、pHが1程度の酸性の原料溶液のpHを3程度の弱酸性に調整する。
続いて、上記原料溶液を90~120℃で、0.5~1.5時間加熱し、その後、300~350℃まで徐々に昇温し、400~450℃で0.5~1.5時間保持して、溶媒を蒸発させ、原料を乾固する。
最後に乾固した原料を粉砕し、平均粒子径が1nm~900nmの粒子からなるリチウム含有金属複合酸化物を得る。
上記合成工程では、450℃を超えて原料を加熱する工程がないため、平均粒子径が1nm~900nmのナノ粒子からなるリチウム含有金属複合酸化物を合成できる。
リチウム含有金属複合酸化物粒子の平均粒子径は、例えば、レーザー散乱粒度分布測定装置を用い、これらの粒子を溶解したり膨潤させたりしない媒体に、粒子を分散させて測定した数平均粒子径として求めることができる。
<リチウム含有金属複合酸化物粒子の成型工程>
次に、合成したナノ粒子からなるリチウム含有金属複合酸化物を、プレス成形などの成型加工を行って、板状、シート状などの成形体に加工する。
<成形体の焼成工程>
最後に、得られたリチウム含有金属複合酸化物ナノ粒子からなる成形体を焼成して焼結体を作製する。本焼成工程は、下記の1段焼成工程及び2段焼成工程の2種類の焼成工程のいずれかにより実施できる。
[1段焼成工程]
1段焼成工程では、大気中又は酸素中で600~1000℃で、10~20時間焼成して焼結体を得る。
[2段焼成工程]
2段焼成工程では、先ず、不活性ガス雰囲気で900~1000℃で、10~20時間焼成し、続けて、大気中又は酸素中で500~800℃で、10~30時間焼成して焼結体を得る。不活性ガスとしては、アルゴン、ヘリウム、窒素などを使用できる。
上記焼結体の製造方法により、焼結体の質量に対するリチウム含有金属複合酸化物の結晶成分と、リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分以外の異相成分と、不純物成分との合計質量分率Pが100%であり、焼結体の質量に対するリチウム含有金属複合酸化物の結晶成分の質量分率Qが90%≦Q≦100%であり、焼結体の質量に対する異相成分及び不純物成分の合計質量分率Rが0%≦R≦10%であり、焼結体の体積に占める空隙の体積分率が17%以下であり、平均粒子径が1nm~900nmのナノ粒子が焼結した本実施形態の焼結体を作製することができる。また、上記焼結体の製造方法により、焼結体の平均細孔径を0.1nm~100nmに制御することができる。
上記合計質量分率P、上記質量分率Q及び上記合計質量分率Rは、上記焼結体を粉末X線回折測定して得られるXRDパターンにより分析できる。
上記焼結体の体積に占める空隙の体積分率は、次のようにして測定できる。放電状態の電池から電極を取り出し、集電体や反応抑制層などの表面層をエメリー紙などで研磨して除去する。その後、直方体形状に加工することで焼結体の板を作製し、寸法と重量を計測することで見かけ密度を求めることができる。焼結体の組成は蛍光X線分光法による測定で求めることができる。焼結体の結晶格子サイズは粉末XRD測定で求めることができる。前記組成と前記結晶格子サイズより真密度を算出し、100-(見かけ密度)/(真密度)×100を計算することで焼結体の空隙率(焼結体の体積に占める空隙の体積分率)を求めることができる。焼結体中の細孔のサイズは、水銀圧入法により求めることが出来る。
上記焼結体を構成するリチウム含有金属複合酸化物のナノ粒子の平均粒子径及び上記焼結体の平均細孔径は、焼結体の断面を走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡により観察し、任意の400箇所以上の粒子径及び細孔径を測定し、その算術平均値として求めることができる。上記焼結体を構成するリチウム含有金属複合酸化物のナノ粒子同士の焼結が進むことで、前記手法によるナノ粒子の平均粒子径の測定が困難な場合は、電子線後方散乱回折法を用いて焼結体の研磨面の結晶方位マッピングを行い、結晶粒サイズを測定し、その算術平均として求めることができる。
上記焼結体を構成するリチウム含有金属複合酸化物のナノ粒子の結晶子サイズは、焼結体の粉末X線回折パターンを測定し、リチウム含有金属複合酸化物の(111)面の回折に帰属されるピークについてシェラー式を用いて算出できる。結晶子サイズは1nm~110nmであることが好ましい。
(全固体リチウム二次電池)
次に、本願の全固体リチウム二次電池の実施形態を説明する。本実施形態の全固体リチウム二次電池は、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に配置された固体電解質層とを備え、前記正極に、本願のリチウムイオン電池用電極を用いるものである。前記負極と前記正極と前記固体電解質層とが少量の電解液を含む半固体電池の形態でもよい。本願のリチウムイオン電池用電極の実施形態については既に詳細に説明したので、ここでは重複する説明は省略する。
本実施形態の全固体リチウム二次電池は、本願のリチウムイオン電池用電極を正極として使用しているので、正極のエネルギー密度をリチウム含有金属複合酸化物の固有の理論体積エネルギー密度に近づけることができる。また、上記正極は、導電助剤を含まないため、局部電池が形成されず、電池性能の低下を抑制できる。更に、上記正極に用いる焼結体は、平均粒子径が1nm~900nmの粒子を焼結して形成されているため、空隙が少ない焼結体とすることができることから正極の電気伝導度を高くでき、かつ、充放電時における焼結体の体積変化による応力が分散されやすく、理論容量に近い充放電が可能となり、エネルギー密度が高い電池を提供できる。
以下、図面に基づき本実施形態の全固体リチウム二次電池を説明する。図1は、本実施形態のコイン形の全固体リチウム二次電池の一例を示す断面図である。図1において、全固体リチウム二次電池10は、外装缶11と、封口缶12と、これらの間に介在するガスケット13で構成された外装体の内部に、負極14、正極15、固体電解質層16からなる積層電極体が封入されている。
封口缶12は、外装缶11の開口部にガスケット13を介して嵌合しており、外装缶11の開口端部が内方に締め付けられ、これによりガスケット13が封口缶12に当接することで、外装缶11の開口部が封口されて外装体の内部が密閉構造となっている。外装缶11は正極端子を兼ね、封口缶12は負極端子を兼ねる。
次に、本実施形態の全固体リチウム二次電池の各構成部材について説明する。
<正極>
正極15は、本願のリチウムイオン電池用電極を用いているので、リチウム含有金属複合酸化物のナノ粒子からなる焼結体から形成されている。正極15に用いる焼結体の形状は特に限定されず、円形、正方形、長方形などとすることができるが、コイン形電池の場合は通常ペレット状の円形焼結体が用いられる。正極15の厚みも特に限定されないが、本願のリチウムイオン電池用電極に用いる焼結体は、前述のように、平均粒子径が1nm~900nmの粒子を焼結して形成されているため、空隙が少ない焼結体であるから電気伝導率が高い。このため、正極15の厚み(焼結体の厚み)を例えば100~2000μmと厚くすることができる。
また、正極15の外装缶11側の片面に厚みが1nm~100μmの金属膜を更に配置することができる。この金属膜は集電体として機能し、正極15と外装缶11との間の電気的接続性を向上できる。金属膜は、金、銅、ニッケルなどの金属を正極の片面にスパッタリングすることにより形成できる。
また、固体電解質層16に硫化物系固体電解質を用いた場合には、硫化物と正極活物質(特に、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物)との反応を抑制するために、正極15の固体電解質層16側の片面、又は、片面及び側面に、反応抑制層を配置することが好ましい。反応抑制層は、例えば、Li1-xNbO3-δ、Li1-xTaO3-δ、Li4-xTi512-δ、TiO2-δ、Li3-xBO3-δ、Li3-xPO4-δ、Li2-xWO4-δ、LiFから選ばれる少なくとも1種から形成すればよい。
<負極>
負極14としては、従来から知られているリチウムイオン二次電池に用いられている負極、即ち、Liイオンを吸蔵・放出可能な活物質を含有する負極であれば特に制限はない。例えば、負極活物質として、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などのリチウムを吸蔵・放出可能な炭素系材料の1種又は2種以上の混合物が用いられる。また、Si、Sn、Ge、Bi、Sb、Inなどの元素を含む単体、化合物及びその合金;リチウム含有窒化物又はリチウム含有酸化物などのリチウム金属に近い低電圧で充放電できる化合物;リチウム金属;リチウム/アルミニウム合金なども負極活物質として用いることができる。Li4Ti512やTiO2、WO3-δ、TiNb27などの酸化物を負極として用いてもよい。
負極14には、負極活物質に導電助剤(カーボンブラックなどの炭素材料、固体電解質など)やPVDFなどのバインダなどを適宜添加した負極合剤を、集電体を芯材として成形体(負極合剤層)に仕上げたもの、又は上記の各種合金やリチウム金属の箔を単独、若しくは集電体上に負極剤層として積層したものなどが用いられる。
負極14に集電体を用いる場合には、その集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタル、発泡メタルなどを用いることができる。
負極合剤層を有する負極を製造するに際しては、例えば、負極活物質やバインダ、更には必要に応じて使用する導電助剤などをキシレンなどの溶媒に分散させた負極合剤含有ペースト、スラリーなどを、集電体に塗布し、乾燥した後、必要に応じてカレンダ処理などの加圧成形をする方法が採用できる。上記溶媒としては、含有水分量を0.001質量%(10ppm)以下とした超脱水溶媒が好ましく用いられる。
また、負極集電体にパンチングメタルなどの導電性多孔質基材を使用する場合には、例えば、上記負極合剤含有ペースト、スラリーなどを、導電性多孔質基材の空孔内に充填し、乾燥した後、必要に応じてカレンダ処理などの加圧成形をする方法で、負極を製造することができる。
更に、上記負極合剤含有ペースト、スラリーなどではなく、負極活物質やバインダ、更には導電助剤などを含有し、溶媒を含有しない負極合剤を、導電性多孔質基材の空孔内に乾式で充填し、必要に応じてカレンダ処理などの加圧成形をする方法で、負極を製造してもよい。
負極14の形状は特に限定されず、円形、正方形、長方形などとすることができるが、コイン形電池の場合は通常円形状の負極が用いられる。また、負極14の厚みも特に限定されず、前記正極15の容量に適合する負極容量となる厚みとすればよい。
<固体電解質層>
固体電解質層16の形状は特に限定されず、前述の正極15、負極14に合わせた形状とすればよい。また、固体電解質層16の厚みも特に限定されず、例えば、0.01~1000μmとすることができる。
[固体電解質]
固体電解質層16に用いる固体電解質としては、リチウムイオン伝導性を有していれば特に限定されず、例えば、硫化物系固体電解質、水素化物系固体電解質、酸化物系固体電解質などが使用できる。
上記硫化物系固体電解質としては、例えば、Li2S-P25、Li2S-SiS2、Li2S-P25-GeS2、Li2S-B23などの硫化物系固体電解質ガラスなどが挙げられる他、近年、リチウムイオン伝導性が高いものとして注目されているLi10GeP212(LGPS系)やLi6PS5Cl(アルジロダイト系)も使用することができる。これらの中でも、特にリチウムイオン伝導性が高く、化学的に安定性の高いアルジロダイト系固体電解質が好ましく用いられる。
上記水素化物系固体電解質としては、例えば、LiBH4と下記のアルカリ金属化合物との固溶体(例えば、LiBH4とアルカリ金属化合物とのモル比が1:1~20:1の固溶体)などが挙げられる。上記固溶体におけるアルカリ金属化合物としては、ハロゲン化リチウム(LiI、LiBr、LiF、LiCl)、ハロゲン化ルビジウム(RbI、RbBr、RbF、RbCl)、ハロゲン化セシウム(CsI、CsBr、CsF、CsCl)、リチウムアミド、ルビジウムアミド、セシウムアミドから選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
上記酸化物系固体電解質としては、例えば、Li7La3Zr212、LiTi(PO43、LiGe(PO43、LiLaTiO3などが挙げられる。
上記例示の固体電解質の中でも、リチウムイオン伝導性の高い硫化物系固体電解質を用いることがより好ましい。
固体電解質層16は、1層構造の固体電解質層として用いることができるが、2層構造の固体電解質層を用いることもできる。この2層構造の固体電解質層の場合、正極側に配置される第1の固体電解質層と、負極側に配置される第2の固体電解質層とでは、それぞれ異なる固体電解質を用いることが好ましい。
正極側に配置される第1の固体電解質層に用いる固体電解質としては、負極活物質に対して不安定な固体電解質を用いることがより好ましい。このような固体電解質としては、例えば、アモルファスLi1-xNbO3-δ、アモルファスAl23、LLTO、LATP、LAGP、LiO2-Al23-SiO2-P25-TiO2-GeO2系ガラスセラミックス、LiTa2PO8などが挙げられる。
負極側に配置される第2の固体電解質層に用いる固体電解質としては、負極活物質に対して安定な固体電解質を用いることがより好ましい。このような固体電解質としては、例えば、硫化物系固体電解質、LiPON、LLZOなどが挙げられる。
<外装体>
外装体を構成する外装缶11及び封口缶12の材質としては、例えば、ステンレス鋼などが使用できる。また、ガスケットの材質には、ポリプロピレン、ナイロンなどを使用できるほか、電池の用途との関係で耐熱性が要求される場合には、融点が240℃を超える耐熱樹脂を使用することもできる。上記耐熱樹脂としては、例えば、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)などのフッ素樹脂;ポリフェニレンエーテル(PPE);ポリスルフォン(PSF);ポリアリレート(PAR);ポリエーテルスルフォン(PES);ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などを使用することができる。また、電池が耐熱性を要求される用途に適用される場合、その封口には、ガラスハーメチックシールを利用することもできる。
<電池の形態>
本実施形態の全固体リチウム二次電池の形態は、図1に示すような、外装缶と封口缶とガスケットとで構成された外装体を有するもの、即ち、一般にコイン形電池やボタン形電池と称される形態のものに限定されず、例えば、樹脂フィルムや金属-樹脂ラミネートフィルムで構成された外装体を有するものや、金属製の円筒形や角筒形の外装缶と、その開口部を封止する封止構造とを有する外装体を有するものであってもよい。
(リチウムイオン二次電池)
次に、本願のリチウムイオン二次電池の実施形態を説明する。本実施形態のリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータと、非水電解液とを備え、前記正極に、本願のリチウムイオン電池用電極を用いるものである。本願のリチウムイオン電池用電極の実施形態については既に詳細に説明したので、ここでは重複する説明は省略する。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、本願のリチウムイオン電池用電極を正極として使用しているので、正極のエネルギー密度をリチウム含有金属複合酸化物の固有の理論体積エネルギー密度に近づけることができる。また、上記正極は、導電助剤を含まないため、局部電池が形成されず、電池性能の低下を抑制できる。更に、上記正極に用いる焼結体は、平均粒子径が1nm~900nmの粒子を焼結して形成されているため、空隙が少ない焼結体とすることができることから正極の電気伝導度を高くでき、かつ、充放電時における焼結体の体積変化による応力が分散されやすく、理論容量に近い充放電が可能となり、エネルギー密度が高い電池を提供できる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池は、前述の全固体リチウム二次電池の固体電解質層に代えて、従来のセパレータと非水電解液を用いる。従って、図1において、全固体リチウム二次電池の固体電解質層に代えて、従来のセパレータと非水電解液とを用いれば、本実施形態のコイン形のリチウムイオン二次電池の一例を示す断面図となる。
上記セパレータとしては、例えば、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン製の微多孔膜を用いることができる。セパレータを構成する微多孔膜は、例えば、PEのみを使用したものやPPのみを使用したものであってもよく、また、PE製の微多孔膜とPP製の微多孔膜との積層体であってもよい。また、セパレータとして、熱可塑性樹脂を主体とする多孔質膜(I)と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む多孔質層(II)とを有する積層型のセパレータを使用してもよい。セパレータの厚みは、例えば、10~30μmであることが好ましい。
上記非水電解液としては、有機溶媒中に、リチウム塩を溶解させた溶液を使用する。
上記有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;ラクトン環を有する化合物などの環状エステル;ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、1,3-ジオキソラン、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどの鎖状エーテル;ジオキサン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル;アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシプロピオニトリルなどのニトリル類;エチレングリコールサルファイトなどの亜硫酸エステル類;などが挙げられ、これらは2種以上混合して用いることもできる。ポリエチレンオキサイドなどの熱可塑性ポリマーの形態でもよい。
上記リチウム塩としては、例えば、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、Li224(SO32、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiCn2n+1SO3(2≦n≦7)、LiN(RfOSO22〔ここで、Rfはフルオロアルキル基〕などが挙げられる。
以下、実施例に基づいて本願のリチウムイオン電池用電極を用いたリチウムイオン二次電池及び全固体リチウム二次電池を詳細に説明する。但し、下記実施例は、本願のリチウムイオン電池用電極及びそれを用いたリチウムイオン二次電池及び全固体リチウム二次電池を制限するものではない。
(実施例1)
<正極の作製>
[正極活物質の合成]
(1)リチウム源として硝酸リチウム(LiNO3)と、ニッケル源として硝酸ニッケル水和物〔Ni(NO32・6H2O〕と、マンガン源として酢酸マンガン水和物〔(CH3COO)2Mn・4H2O〕とを準備し、それぞれの原料を、Li:Ni:Mnのモル比が1:0.5:1.5となるように秤量した。
(2)次に、秤量した酢酸マンガン24.1377g、硝酸ニッケル9.4601g、硝酸リチウム4.5760gに、DL-リンゴ酸39.88gと蒸留水155mLとを加え、25℃で攪拌して、固形分を蒸留水に溶解させて原料溶液を調製した。攪拌は、攪拌機を用いて300rpmの回転速度で実施した。この原料溶液のpHは1.29であった。
(3)次に、上記原料溶液に、28%NH4OH水溶液を10mL加え、原料溶液のpHを3.09に調整した。
(4)次に、上記原料溶液を、マントルヒーターを用いて100℃で1時間加熱した後、4℃/分の昇温速度で300℃まで加熱して蒸留水を蒸発させて乾固し、その後、400℃で1時間保持した。
(5)次に、乾固した固形分をメノウ乳鉢で30分間粉砕して、正極活物質として用いるリチウムニッケルマンガン複合酸化物(LiNi0.5Mn1.54)粒子を作製した。
(6)作製したリチウムニッケルマンガン複合酸化物粒子の粒子径をレーザー散乱粒度分布測定装置で求めたところ200nmであった。
(7)次に、前記ナノ粒子をアルミナるつぼに入れて850℃で15時間焼成した。
(8)焼成した粉末はメノウ乳鉢で粉砕後、450rpmの条件で15時間の遊星ボールミル処理を行うことで微粒子とした。作製したリチウムニッケルマンガン複合酸化物微粒子の粒子径を走査型電子顕微鏡で求めたところ、平均粒子径は0.1μmであった。以下、作製したリチウムニッケルマンガン複合酸化物微粒子をLNMOナノ粒子という。
[正極活物質の焼結体の作製]
(1)作製したLNMOナノ粒子を、一軸加圧成型により円形ペレットとした後、冷間等方圧加圧装置(CIP)を用いて、260kgf/cm2の圧力で等方加圧して、焼結用成形体を作製した。
(2)次に、作製した成形体を、アルゴンガス中で900℃で15時間焼成した後、大気中で750℃で15時間焼成し、表面を研磨して厚みを調整することで直径7.60mm、厚み0.48mmの円形ペレット状の焼結体を作製した。
[焼結体の特性測定]
(1)作製した焼結体について、粉末X線回折測定を実施したところ、XRDパターンの分析結果から、得られた焼結体はスピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物(LiNi0.5Mn1.54)であり、焼結体の質量に対するスピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物の結晶成分の質量分率は100%であった。
(2)また、上記焼結体の空隙率(焼結体の体積に占める空隙の体積分率)は、14%であった。
(3)また、上記焼結体の電気伝導率を測定したところ、2.9×10-4Scm-1であった。
(4)また、上記焼結体を構成するスピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物粒子のサイズを測定したところ、0.11μmであった。
(5)また、上記焼結体内部の細孔径は0.12μmであった。
(6)また、上記焼結体の粉末X線回折パターンの(111)面の回折に帰属されるピークより算出した結晶子サイズは85.3nmであった。
[金属膜の形成]
作製した焼結体の片面に、スパッタリングにより厚み0.033μmの金(Au)製の薄膜を形成して、正極として用いた。
<負極の作製>
厚み100μmのリチウム箔を厚み10μmの銅箔に圧着し、直径7.6mmの円形に打ち抜き、負極として用いた。
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを体積比1:1で混合した混合溶媒に、1mol/LのLiPF6を溶解して、非水電解液として用いた。
<セパレータの準備>
厚み0.02mmのポリエチレン製微多孔フィルムを直径8.0mmの円形に打ち抜き、セパレータとして用いた。
<電池の組み立て>
先ず、上記負極と、上記セパレータと、上記正極とを積層して、図1に示した積層電極体と類似する形態の積層電極体を作製した。但し、正極はそのAu薄膜が積層電極体の外側に向くように、負極はその銅箔が積層電極体の外側に向くように、それぞれ積層した。次に、図1に示すように、外装缶11と、封口缶12と、これらの間に介在するガスケット13で構成された外装体の内部に、厚み50μmのカーボンシートと上記積層電極体と外径8mm-内径5mmのウェーブワッシャと上記非水電解液とを封入して、実施例1のリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例2)
正極活物質の焼結体の作製工程において、作製した成形体を、アルゴンガス中で900℃で15時間焼成した後、大気中で500℃で15時間焼成し、続いて大気中で750℃で15時間焼成して、直径7.60mm、厚み0.45mmの円形ペレット状の焼結体を作製した以外は、実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2のリチウムイオン二次電池を作製した。
作製した焼結体について、粉末X線回折測定を実施したところ、XRDパターンの分析結果から、得られた焼結体はスピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物(LiNi0.5Mn1.54)であり、焼結体の質量に対するスピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物の結晶成分の質量分率は100%であった。また、実施例1と同様にして焼結体の空隙率(焼結体の体積に占める空隙の体積分率)と電気伝導率を測定したところ、9%と、3.0×10-4Scm-1であった。また、上記焼結体を構成するスピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物粒子のサイズと細孔径と結晶子サイズは、0.09μmと、0.13μmと、86.2nmであった。
(実施例3)
正極活物質の焼結体の作製工程において、作製した成形体を、大気中で950℃で15時間焼成して、直径7.60mm、厚み0.46mmの円形ペレット状の焼結体を作製した以外は、実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3のリチウムイオン二次電池を作製した。
作製した焼結体について、粉末X線回折測定を実施したところ、XRDパターンの分析結果から、得られた焼結体はスピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物(LiNi0.5Mn1.54)であり、焼結体の質量に対するスピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物の結晶成分の質量分率は100%であった。また、実施例1と同様にして焼結体の空隙率(焼結体の体積に占める空隙の体積分率)と電気伝導率を測定したところ、16%と、4.8×10-6Scm-1であった。また、上記焼結体を構成するスピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物粒子のサイズと細孔径と結晶子サイズは、0.09μmと、0.13μmと、86.2nmであった。また、上記焼結体を構成するスピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物粒子のサイズと細孔径と結晶子サイズは、0.13μmと、0.16μmと、86.1nmであった。
(比較例1)
<正極の作製>
(1)体積基準の平均粒子径が7.0μmのリチウムニッケルマンガン複合酸化物(LiNi0.5Mn1.54)を成型金型内に投入し、1.5×103kgf/cm2の圧力で加圧を行い、空気中950℃で6時間焼成し、表面を研磨して厚みを調整することで、直径0.76mm、厚み0.49mmの円形ペレット状の焼結体を作製した以外は、実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例3のリチウムイオン二次電池を作製した。
作製した焼結体の質量に対するスピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物(LiNi0.5Mn1.54)の質量分率は100%である。また、実施例1と同様にして焼結体の空隙率(焼結体の体積に占める空隙の体積分率)と電気伝導率を測定したところ、45%と、1.5×10-5Scm-1であった。また、上記焼結体を構成するスピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物粒子のサイズと細孔径と結晶子サイズは、2.3μmと、0.30μmと、146nmであった。
(比較例2)
<正極の作製>
(1)平均粒子径7.0μmのリチウムニッケルマンガン複合酸化物(LiNi0.5Mn1.54)と、Li3BO3(焼結助剤)とを、質量比で99:1の割合で混合し、よく混練し、これを焼結体の作製に用いた以外は、比較例1と同様に直径0.76mm、厚み0.46mmの円形ペレット状の焼結体を作製した以外は、実施例1と同様にして正極を作製し、この正極を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2のリチウムイオン二次電池を作製した。
作製した焼結体の質量に対するスピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物(LiNi0.5Mn1.54)の質量分率は99%である。また、実施例1と同様にして焼結体の空隙率(焼結体の体積に占める空隙の体積分率)と電気伝導率を測定したところ、15%と、7.2×10-5Scm-1であった。また、上記焼結体を構成するスピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物粒子のサイズと細孔径と結晶子サイズは、3.2μmと、0.23μmと、132nmであった。
(比較例3)
<正極の作製>
394gの脱水エタノール中で、0.86gのリチウム及び38.7gのペンタエトキシニオブを混合し、反応抑制層形成用コート液を調製した。次に、転動流動層を用いたコート装置にて、1000gの平均粒子径7.0μmのスピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物(LiNi0.5Mn1.54)上に、前記反応抑制層形成用コート液を毎分2gの速度で塗布した。得られた粉末を350℃で熱処理することで、前記スピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物の表面に、Li1-xNbO3-δで構成された反応抑制層(前記スピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物:100質量部に対して、Li1-xNbO3-δで構成された反応抑制層が2質量部)を形成した。
反応抑制層を表面に形成した前記スピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物と、気相成長炭素繊維(導電助剤)と、Li6PS5Cl(硫化物系固体電解質)とを混合して正極合剤を調製した。前記スピネル型正極活物質と導電助剤と硫化物系固体電解質の混合比は、質量比で74:3:23であった。この正極合剤:57mgを直径:7.5mmの粉末成形金型に投入し、プレス機を用いて1000kgf/cm2の圧力で成形を行い、円柱形状の正極合剤成形体よりなる正極を作製した。
作製した成形体の質量に対するスピネル型リチウムニッケルマンガン複合酸化物(LiNi0.5Mn1.54)の質量分率は74%である。また、実施例1と同様にして成形体の空隙率(成形体の体積に占める空隙の体積分率)を測定したところ、5%であった。
<固体電解質層の形成>
前記粉末成形金型内の前記正極合剤成形体の上に、正極に使用したものと同じ硫化物系固体電解質:7mgを入れ、プレス機を用いて1000kgf/cm2の圧力で成形を行い、正極合剤成形体の上に固体電解質層を形成した。
<負極の作製>
厚み100μmのリチウム箔を厚み10μmの銅箔に圧着し、直径7.6mmの円形に打ち抜き、負極として用いた。
<電池の組み立て>
図1に示すように、外装缶11と、封口缶12と、これらの間に介在するガスケット13で構成された外装体の内部に、厚み50μmのカーボンシートと上記で作製した正極と固体電解質層と負極の積層体と、負極側に外径8mm-内径5mmのウェーブワッシャとを封入して、比較例3の全固体リチウム二次電池を作製した。
<電池のエネルギー密度の測定>
作製した実施例1~3及び比較例1~3の電池のエネルギー密度を下記のように測定した。その結果を各電池の仕様と共に表1に示す。先ず、0.02Cの充電レートで上限電圧5Vに達するまで定電流充電を行い、その後電流値が0.005Cに達するまで定電圧充電を行った後、OCVで10分間保持し、0.02Cの放電レートで下限電圧3.0Vに達するまで定電流放電を行うことで電池の容量を測定した。得られた電池の容量に平均作動電圧をかけて電池の体積で除することで体積当たりのエネルギー密度を算出した。
表1から、正極の主体に本願の焼結体を用いた実施例1~3の電池は、比較例1~3の電池に比べて、エネルギー密度が高いことが分かる。焼結助剤を用いて作製した焼結体を用いた比較例2の電池は、充電開始直後に上限電圧に達してしまうため電池の充放電ができなかった。比較例3の全固体電池は、正極の体積に占める導電助剤と固体電解質と空隙との体積がある分、電池のエネルギー密度が小さいことが分かる。
本願のリチウムイオン電池用電極を用いることにより、高エネルギー密度の全固体リチウム二次電池及びリチウムイオン二次電池を実現でき、各種の電子機器(特に携帯電話やノート型パーソナルコンピュータなどのポータブル電子機器)の電源用途に、好ましく用いることができる。
10 全固体リチウム二次電池
11 外装缶
12 封口缶
13 ガスケット
14 負極
15 正極
16 固体電解質層

Claims (10)

  1. リチウム含有金属複合酸化物を含有する焼結体を含むリチウムイオン電池用電極であって、
    前記焼結体の質量に対する前記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分と、前記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分以外の異相成分と、不純物成分との合計質量分率Pが100%であり、
    前記焼結体の質量に対する前記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分の質量分率Qが、90%≦Q≦100%であり、
    前記焼結体の質量に対する前記異相成分及び前記不純物成分の合計質量分率Rが、0%≦R≦10%であり、
    前記焼結体の体積に占める空隙の体積分率が17%以下であり、
    前記焼結体は、平均粒子径が1nm~900nmの前記リチウム含有金属複合酸化物の粒子が焼結して形成されていることを特徴とするリチウムイオン電池用電極。
  2. 前記リチウム含有金属複合酸化物は、スピネル型リチウムマンガン複合酸化物を含む請求項1に記載のリチウムイオン電池用電極。
  3. 前記リチウム含有金属複合酸化物の質量に対する前記スピネル型リチウムマンガン複合酸化物の質量分率Sが、90%≦S≦100%である請求項2に記載のリチウムイオン電池用電極。
  4. 前記スピネル型リチウムマンガン複合酸化物は、下記組成式で表される請求項2又は3に記載のリチウムイオン電池用電極。
    Li1+aNixMn2-x-yy4-δ
    前記組成式中で、-1≦a≦1、0≦x≦1.1、0≦y≦1.2、0≦δ≦0.5であり、Mは、Na、K、Mg、Ca、Sr、Al、Ti、Cr、Mn、Fe、Ni、Co、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Sn、Ba、Ta、W、La、Ce、Euからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素である。
  5. 電気伝導率が、1.0×10-6Scm-1以上である請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池用電極。
  6. 片面に厚みが1nm~100μmの金属膜を更に有する請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池用電極。
  7. 厚みが、100μm~2000μmである請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池用電極。
  8. 正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に配置された固体電解質層とを含む全固体リチウム二次電池であって、
    前記正極に、請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池用電極を用いることを特徴とする全固体リチウム二次電池。
  9. 正極と、負極と、前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータと、非水電解液とを含むリチウムイオン二次電池であって、
    前記正極に請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池用電極を用いることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  10. リチウム含有金属複合酸化物を含有する焼結体を含むリチウムイオン電池用電極であって、
    前記焼結体の質量に対する前記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分と、前記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分以外の異相成分と、不純物成分との合計質量分率Pが100%であり、
    前記焼結体の質量に対する前記リチウム含有金属複合酸化物の結晶成分の質量分率Qが、90%≦Q≦100%であり、
    前記焼結体の質量に対する前記異相成分及び前記不純物成分の合計質量分率Rが、0%≦R≦10%であり、
    前記焼結体の体積に占める空隙の体積分率が17%以下であり、
    前記焼結体は、結晶子サイズが1nm~110nmであるリチウムイオン電池用電極。
JP2022079671A 2022-05-13 2022-05-13 リチウムイオン電池用電極、それを用いた全固体リチウム二次電池及びリチウムイオン二次電池 Pending JP2023168051A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022079671A JP2023168051A (ja) 2022-05-13 2022-05-13 リチウムイオン電池用電極、それを用いた全固体リチウム二次電池及びリチウムイオン二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022079671A JP2023168051A (ja) 2022-05-13 2022-05-13 リチウムイオン電池用電極、それを用いた全固体リチウム二次電池及びリチウムイオン二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023168051A true JP2023168051A (ja) 2023-11-24

Family

ID=88837954

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022079671A Pending JP2023168051A (ja) 2022-05-13 2022-05-13 リチウムイオン電池用電極、それを用いた全固体リチウム二次電池及びリチウムイオン二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023168051A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11362366B2 (en) Secondary battery composite electrolyte, secondary battery, and battery pack
KR101234965B1 (ko) 비수전해질 이차전지용 양극 활물질 및 그것을 이용한 비수전해질 이차전지
EP2302723B1 (en) Ceramic material and use thereof
CN110521034B (zh) 非水电解质二次电池用负极材料和非水电解质二次电池
JP6988472B2 (ja) 電池
EP3082183B1 (en) Positive-electrode active material powder, positive electrode containing positive-electrode active material powder, and secondary battery
EP2202828A1 (en) Lithium transition metal-type compound powder, process for producing the lithium transition metal-type compound powder, spray dried product as firing precursor for the lithium transition metal-type compound powder, and positive electrode for lithium rechargeable battery and lithium rechargeable battery using the lithium tra
JP7168819B2 (ja) 電気化学素子用電極活物質およびその製造方法、電気化学素子用電極材料、電気化学素子用電極、電気化学素子、並びに移動体
JP5727092B2 (ja) 固体電解質材料、固体電解質及び電池
US11329316B2 (en) Secondary battery composite electrolyte, secondary battery, and battery pack
JP2022546323A (ja) 正極活物質、その製造方法、およびこれを含むリチウム二次電池
EP2395582A1 (en) Positive active material for rechargeable lithium battery, method of preparing the same, and rechargeable lithium battery including the same
CN111052465A (zh) 非水系电解质二次电池用正极活性物质及其制造方法、以及使用该正极活性物质的非水系电解质二次电池
JP2019121464A (ja) 電池用セパレータ、及び、リチウム電池、並びに、これらの製造方法
CN112054169A (zh) 正极活性物质和电池
JP2021082420A (ja) 負極活物質、負極、電池セル
JP2016081716A (ja) リチウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法並びにリチウムイオン二次電池
JP2019043843A (ja) リチウム化合物、リチウムニッケル複合酸化物前駆体混合物、及びリチウムニッケル複合酸化物の製造方法
CN111094188A (zh) 金属复合氢氧化物及其制造方法、非水电解质二次电池用正极活性物质及其制造方法、以及使用其的非水电解质二次电池
EP4254550A1 (en) Negative electrode active material for nonaqueous electrolyte secondary batteries, and nonaqueous electrolyte secondary battery
CN115385395A (zh) 金属复合氢氧化物、非水电解质二次电池用正极活性物质以及使用其的非水电解质二次电池
JP2020050562A (ja) 金属複合水酸化物とその製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質とその製造方法、及び、それを用いたリチウムイオン二次電池
JP2023168051A (ja) リチウムイオン電池用電極、それを用いた全固体リチウム二次電池及びリチウムイオン二次電池
JP7276323B2 (ja) 非水系電解質二次電池用正極活物質
KR20220057209A (ko) 리튬 이차 전지용 양극 활물질, 이의 제조 방법 및 이를 포함하는 리튬 이차전지

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20220831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20220831