JP2023167793A - 積層フィルムの製造方法 - Google Patents

積層フィルムの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023167793A
JP2023167793A JP2022079256A JP2022079256A JP2023167793A JP 2023167793 A JP2023167793 A JP 2023167793A JP 2022079256 A JP2022079256 A JP 2022079256A JP 2022079256 A JP2022079256 A JP 2022079256A JP 2023167793 A JP2023167793 A JP 2023167793A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
film
coating liquid
base film
gravure roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022079256A
Other languages
English (en)
Inventor
雄三 佐藤
Yuzo Sato
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2022079256A priority Critical patent/JP2023167793A/ja
Publication of JP2023167793A publication Critical patent/JP2023167793A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

【課題】硬度の低い基材フィルム上に安定的に塗工できる積層フィルムの製造方法を提供する。【解決手段】基材フィルム1上に、グラビアロール3を用いて塗工液2を塗布して塗膜4を形成する塗工工程を有し、前記基材フィルムは、ナノインデンターによる押し込み硬さ試験から得られた押込み深さ(hp)が3nm以下である硬度を有し、前記塗工工程において、塗工液液溜まりにおける最小高さ(H)が50~500μmであり、基材に作用するせん断応力の計算値τfが0.3~1.5N/m2であることを特徴とする、積層フィルムの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、積層フィルムの製造方法に関する。
スマートフォン等のディスプレイのフレキシブル化のため、リジットなガラス材料の代替としてフレキシブルなフィルム材料が検討されている。さらに、このようなフィルム材料の最表面に形成する層として、耐指紋(以下、AF:Anti-Fingerprintと称する場合がある)性を付与するための層の使用が検討されている。
このようなフィルム材料への耐指紋層の塗工については、従来、蒸着によるAF層の成形、スプレー塗工によるAF層の付与、塗工ロールを用いて基材フィルムに塗膜を形成する方法などが提案されている。
これらの中でも、塗工ロールを用いて基材フィルムに塗膜が形成する方法として、グラビア塗工方式の方法が知られている。当該方法は、基材フィルム上に、グラビアロールを用いて塗工液を塗布して塗膜を形成する塗布工程を含む。グラビアロールは、周面に塗工液を保持する凹部が形成されたロールである。前記塗布工程では、グラビアロールに塗工液が供給されると、前記凹部にて塗工液が一旦保持される。そして、連続搬送される基材フィルムにグラビアロールが接触することによって、前記凹部内の塗工液が基材フィルムに塗布される。
特許文献1には、グラビア塗工形式の方法において、ロール周面に螺旋状の斜線型セルを有し、かつ最表面がダイヤモンドライクカーボンで被覆されたグラビアロールを用いた技術が開示されている。また、特許文献2には、塗工液を塗布する前の基材フィルムに対して、プラズマ照射を行う技術が開示されている。
特開2015-223552号公報 特開2010-125358号公報
しかしながら、基材フィルムへの耐指紋層の塗工に際し、特許文献1および2に開示された技術では、いずれも高精度で均一な塗膜の形成が困難であり、塗膜の外観及び耐擦傷性の面で改善の余地や塗膜と基材との密着性という観点で課題があった。
前述の塗膜と基材フィルムとの密着性を向上するには、基材フィルム上に易接着層を形成し、その易接着層上に塗膜を形成することが考えられるが、易接着層の硬度は低く、安定的に塗膜を形成できないという課題を見出した。
そこで、本発明の一態様は、硬度の低い基材フィルム上に安定的に塗工できる積層フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明の一態様は、均一な塗膜を形成でき、外観及び耐擦傷性に優れた塗膜を形成できる積層フィルムの製造方法を実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様は、以下の構成を有する。
(1).基材フィルム上に、グラビアロールを用いて塗工液を塗布して塗膜を形成する塗工工程を有し、
前記基材フィルムは、ナノインデンターによる押し込み硬さ試験から得られた押込み深さ(hp)が3nm以下である硬度を有し、
前記塗工工程において、塗工液液溜まりにおける最小高さ(H)が50~500μmであり、
塗工時の基材に作用するせん断応力の計算値τfが0.3~1.5N/mであることを特徴とする、積層フィルムの製造方法。
(2).前記基材フィルムは、易接着層を有し、
易接着層上のナノインデンターによる押し込み硬さ試験から得られた押込み深さ(hp)が3nm以下である硬度であり、
前記グラビアロールを用いて塗工液を塗布して塗膜を形成する塗工工程が、易接着層の上にグラビアロールを用いて塗工液を塗布して塗膜を形成する塗工工程であることを特徴とする、(1)に記載の積層フィルムの製造方法。
(3).前記易接着層が、アルコキシラン系のカップリング剤を塗布したものであることを特徴とする(2)に記載の積層フィルムの製造方法。
(4).前記塗工工程にて形成された前記塗膜を乾燥する乾燥工程と含む、(1)~(3)のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
(5).前記塗工液は、溶剤と、当該溶剤に可溶性の樹脂と、を含み、
前記塗工液の固形分濃度が0.05~0.5%であり、前記塗工液の粘度が0.1~100mPa・sであり、前記塗膜の膜厚が5~50nmである、(1)~(4)の何れか1項に記載の積層フィルムの製造方法。
(6).前記塗工液は、フッ素系塗工液である、(1)~(5)の何れか1項に記載の積層フィルムの製造方法。
(7).前記塗工工程の水蒸気量が10~25g/mである、(1)~(6)の何れか1項に記載の積層フィルムの製造方法。
(8).前記塗膜は耐指紋層である、(1)~(7)の何れか1項に記載の積層フィルムの製造方法。
本発明の一態様によれば、硬度の低い基材フィルム上に安定的に塗工できる積層フィルムの製造方法を提供することができる。また、本発明の一態様によれば、均一な塗膜を形成でき、外観及び耐擦傷性に優れた塗膜を形成できる積層フィルムの製造方法を実現することもできる。
本発明の実施形態に係る積層フィルム製造方法の塗工工程にて使用される塗工装置の構成の一例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る積層フィルム製造方法の塗工工程にて使用される塗工装置の構成の拡大図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、記述した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態および実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。尚、本明細書においては特記しない限り、数値範囲を表わす「A~B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)、B以下(Bを含みかつBより小さい)」を意味する。
〔本発明の一実施形態の技術的思想〕
基材フィルム(光学フィルム)への耐指紋層の塗工においては、製造された積層フィルムに対して、ガラス材料に代替し得る程度のAF特性及び外観性が要求される。フレキシブル性とのバランスに起因して、基材フィルム自体は、硬度が低くなる。さらに、基材フィルムの表面性により塗膜の均一な塗工ができず、満足できるAF特性および外観性や密着性を実現することが困難である場合があった。
耐指紋層の塗工液は、非常に白濁しやすく、塗工方法および基材フィルムの凹凸に影響を受けやすい。基材フィルムの塗工面内において、局所的に厚い箇所ができると塗膜が白濁する一方、厚さが薄い箇所では、耐擦傷性の点で欠点となる。
また、基材フィルムへの耐指紋層の塗工のために、厚さ10~30nm程度の薄膜を高精度に塗工することが好ましい。グラビア塗工方式で耐指紋層の塗工を行う場合、Roll to Rollで外観及び耐擦傷性に優れた、均一な塗膜を高精度に製膜することが課題となる。特に耐指紋層は、厚さに数nmの差があっても、目視できる程度に白濁してしまい、外観性が悪い。このため、グラビア塗工に際し、塗工液に高いせん断を掛ける必要がある。
特許文献2に記載の技術では、ピックアップロールとしてグラビアロールを使用する可能性があるだけであり、基材への塗工するためのロールは、ゴムロールである。また、特許文献2に記載の技術は、金属基材への塗工を想定しており、光学フィルムに対する塗工精度を必要としない。
そこで、本発明者は、外観及び耐擦傷性に優れた、均一な塗膜を高精度に製膜できるグラビア塗工方式の塗工について、鋭意検討した。その結果、ナノインデンターによる押し込み硬さ試験から得られた押込み深さ(hp)が3nm以下である硬度を有する基材フィルムに対し塗工する場合、前記塗工工程において、塗工液液溜まりにおける最小高さ(H)を50~500μmとし、塗工時の基材に作用するせん断応力の計算値τfが0.3~1.5N/mとすることによって、均一な塗膜を形成でき、外観及び耐擦傷性に優れた塗膜を形成できるという知見を見出し、本発明の実施形態に至った。
〔本発明の一実施形態〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
<本実施形態に係る積層フィルムの製造方法>
本実施形態に係る積層フィルムの製造方法(以下、本製造方法と称する場合がある)は、基材フィルム上に、グラビアロールを用いて塗工液を塗布して塗膜を形成する塗工工程を有し、前記基材フィルムは、ナノインデンターによる押し込み硬さ試験から得られた押込み深さ(hp)が3nm以下である硬度を有し、前記塗工工程において、塗工液液溜まりにおける最小高さ(H)が50~500μmであり、塗工時の基材に作用するせん断応力の計算値τfが0.3~1.5N/mであることを特徴とする、積層フィルムの製造方法である。
ナノインデンターによる押し込み硬さ試験から得られた押込み深さ(hp)とは、基材フィルムの硬度を表し、具体的には、押し込み硬さ試験機(株式会社エリオニクス:ENT-2100)において、バーコビッチ圧子を用い、基材フィルム表面に対して5μNの荷重を与え、2秒の保持時間の後に徐荷を行い、試験後の基材表面の変形量を押込み深さ(hp)として測定した。ナノインデンターによる押し込み硬さ試験から得られた押込み深さ(hp)が3nm以下であれば、本件製造方法は有効に働くが、外観の観点から前記押込み深さ(hp)は、2.6nm以下であることが好ましい。押込み深さ(hp)が前記上限以下であると、前期塗工工程にて基材フィルムにダメージを与えることなく、必要なせん断応力を作用させることができる。
(基材フィルム)
本製造方法にて使用される基材フィルムは、厚さが均一であり、かつ可撓性があるフィルムまたはシート状の基材を長尺帯状に形成したものである。前記基材を構成する材料は、特に限定されないが、例えば、樹脂、紙、布、金属などが挙げられ、用途に応じて適宜選択され得る。基材フィルムを構成する材料が樹脂である場合、当該材料として、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ環状オレフィン等のポリオレフィン系樹脂;アクリル系樹脂;セルロース系樹脂;ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート;ポリイミド;これら樹脂の混合物等が挙げられる。積層フィルムの用途がスマートフォン等のディスプレイである場合、これら樹脂の中でも、基材フィルムの材料は、ポリイミド系樹脂であることが好ましい。
<易接着層>
本発明は、ナノインデンターによる押し込み硬さ試験から得られた押込み深さ(hp)が3nm以下である硬度を有する表面であれば、特に限定されず適用で可能であるが、基材と塗膜の間に存在し、塗膜の接着性を向上するための易接着層(例えば、プライマー層やカップリング剤層と呼ばれるものなど)に好適に適用することができる。
基材フィルムが、易接着層を有し、易接着層のナノインデンターによる押し込み硬さ試験から得られた押込み深さ(hp)が3nm以下である硬度であり、
前記グラビアロールを用いて塗工液を塗布して塗膜を形成する塗工工程が、易接着層の上にグラビアロールを用いて塗工液を塗布して塗膜を形成する塗工工程であることが特に好ましい。
易接着層としては、アルコキシラン系のカップリング剤、チタネート系のカップリング剤、アルミネート系のカップリング剤等のカップリング剤を塗布したものなどが例示できる。さらにアルコキシラン系のカップリング剤は、アルコキシランと別の反応基を持った化合物であり、反応基としては、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、イソシアヌレート基、ウレイド基、メルカプト基等を例示することができ、具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン 、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3-ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン 、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物等を例示することができある。
これらの中でも、易接着層が、アルコキシラン系のカップリング剤を塗布したものであることが、密着性の観点で好ましい。
易接着層の塗工方法は、特に限定されず、キスコート、グラビアコート等のロールコート、スロットダイコート、ファウンテンダイコート等のダイコート、コンマコート、リップコート等のブレードコート、蒸着、スパッタリング等のドライコートスピンコート、バーコート、スプレーコート、ディップコート等が利用できる。
(塗工工程)
本製造方法における塗工工程は、基材フィルム上に、グラビアロールを用いて塗工液を塗布して塗膜を形成する工程であればよい。より具体的には、前記塗工工程では、帯状の基材フィルムを搬送ロールにより連続的に搬送しながら、グラビアロールを用いて基材フィルム表面に連続的に塗工液の塗工を施す。グラビアロールは、その周面に塗工液を付着(保持)させて回転する回転体である。グラビアロールが基材フィルム表面に接触することによって、グラビアロールに付着した塗工液は、基材フィルム表面に転移する。
図1は、本製造方法の塗工工程にて使用される塗工装置の構成の一例を示す断面図である。図1に示されるように、塗工装置10は、搬送ロールF1およびF2と、塗工液槽Hと、グラビアロール3と、押圧ロール5Aおよび5Bと、ブレード6と、を備えている。また、塗工装置10においては、少なくともグラビアロール3、およびグラビアロール3に接触する基材フィルム1が収容されるチャンバー7が設けられている。チャンバー7は、塗工装置10における塗工部を構成する。
グラビアロール3は、回転軸3Aを有し、塗工液槽H内の塗工液2に接触して回転する回転体である。また、グラビアロール3と搬送ロールF1およびF2とは、互いに回転方向が異なる。すなわち、グラビアロール3は、搬送ロールF1およびF2による基材フィルム1の搬送方向に対して、リバース回転する。また、グラビアロール3の表面には、微細な液溜め用凹部が形成されている。塗工装置10では、搬送ロールF1およびF2により連続的に搬送される基材フィルム1に対して、グラビアロール3から塗工液2が転移し、基材フィルム1の裏面に塗膜4が形成される。グラビアロール3の幅は、基材フィルム1の幅よりも大きい。このため、グラビアロール3は、基材フィルム1の全幅に接触する。それゆえ、グラビアロール3により、基材フィルム1の全幅に塗工液2を転移させることができる。
押圧ロール5Aおよび5Bは、その位置調整により、基材フィルム1におけるグラビアロール3が接触する面の裏面を、グラビアロール3へ向けて押圧するように構成されている。押圧ロール5Aおよび5Bにより、連続搬送される基材フィルム1とグラビアロール3との接触状態が維持される。
ブレード6は、その先端が、基材フィルム1に転移する前の塗工液2が付着しているグラビアロール3の表面に向けて配置されている。ブレード6の先端部は、グラビアロール3の表面に接触している。また、ブレード6の先端部の幅は、基材フィルム1の幅よりも大きい。ブレード6の先端部が、基材フィルム1の幅以上の幅に亘ってグラビアロール3の表面に付着している塗工液2に接触することにより、グラビアロール3表面にある塗工液2の膜の厚みを均すことができる。
また、塗工装置10では、チャンバー7内に水蒸気が供給されるようになっていてもよい。チャンバー7に供給される水蒸気の量を調節することにより、塗工工程での水蒸気量が調節される。
本製造方法では、例えば塗工装置10を稼働させることにより前記塗工工程を実施することができる。当該塗工工程では、搬送ロールF1およびF2により帯状の基材フィルム1を連続的に搬送しながら、グラビアロール3によって、基材フィルム1の表面に連続的に塗工液2の塗工を施す。具体的には、当該塗工工程では、次の段階(i)~(iii)が、連続的に行われる。塗工液槽Hから塗工液2をグラビアロール3に供給し、グラビアロール3の表面に塗工液2を付着させてグラビアロール3を回転させる段階(i)。回転しているグラビアロール3の表面に付着している塗工液2をブレード6に接触させることによって、塗工液2の膜の厚みを均一化する段階(ii)。グラビアロール3をさらに回転させて基材フィルム1に接触させることによって、段階(ii)にて厚みが均一化した塗工液2の膜を基材フィルム1へ転移させる段階(iii)。
上述のように、押圧ロール5Aおよび5Bにより、連続搬送される基材フィルム1とグラビアロール3との接触状態が維持される。それゆえ、前記段階(i)~(iii)を行うことにより、基材フィルム1とグラビアロール3との間に挟まれた塗工液2は、基材フィルム1とグラビアロール3との間で回転しながらビード部2A(液溜まり)を形成し、安定した状態を保ちます。このようにビード部2Aが安定な状態に保たれることによって、基材フィルム1に対して、安定した塗膜4を形成できる。
なお、前記塗工工程にて使用される塗工装置は、図1に示す構成に限定されず、グラビアロールを用いて塗工可能な構成であればよい。例えば、前記塗工工程では、グラビアロールと搬送ロールとが、互いに回転方向が同じであってもよい。ビード部を安定な状態に保つ観点では、グラビアロールと搬送ロールとは、互いに回転方向が異なることが好ましい。
前記塗工工程にて形成されるビード2Aにおいて、グラビアロールと基材の間の最小となる高さを、塗工液液溜まりにおける最小高さ(H)とし、塗工液液溜まりにおける最小高さ(H)は50~500μmであることが好ましく、60~300μmであることがより好ましく、70~200μmであることがさらに好ましい。最小高さ(H)を前記下限以上とすることで、基材フィルム表面にダメージを与えることなく前記塗工を行うことができる。また、最小高さ(H)を前記上限以下とすることで、ビード2Aを安定した状態に保つことができ、前期塗工を安定的に精度良く行うことができる。また、塗工液液溜まりにおける最小高さ(H)は、図2に示されるグラビアロール3と基材1の間隙における最小距離を表す。
前記塗工工程にて基材フィルム表面に作用するせん断応力(τ)の計算値は、以下の計算式(1)~(3)により求めた。ここでμは粘性係数を、Hはビードの最小高さを、Vrはグラビアロールの回転速度を、Vfは基材の搬送速度を、dp/dxはx軸方向の圧力勾配を、hは任意の位置xでのビード高さを、Rはグラビアロールの半径を表す。
基材に作用するせん断応力τfが0.3~1.5N/mであることを好ましく、0.4~1.3N/mであることがより好ましい。せん断応力が前記下限以上であることで、ビード2Aを安定した状態に保つことができ、前期塗工を安定的に精度良く行うことができる。またせん断応力を延期上限以下であることで、基材フィルム表面にダメージを与えることなく前記塗工を行うことができる。
本製造方法では、上述の塗工装置、特に図1に示す塗工装置を用いた塗工工程において、塗工工程での水蒸気量は、好ましくは10~25g/mであり、より好ましくは、12~24g/mであり、さらに好ましくは15~20g/mである。前記水蒸気量の数値範囲は、湿度70~80%程度に相当する。
前記Vr/Vfおよび前記水蒸気量が上記数値範囲であることによって、(a)ビード部を安定な状態に保つことができ、(b)基材フィルムに塗布された塗工液に対して高速回転するグラビアロールから高いせん断力を付与することができる。その結果、均一な塗膜を形成でき、外観及び耐擦傷性に優れた塗膜を形成できる。
前記Vr/Vfの数値範囲を満たす高速グラビア塗工では、基材フィルムとグラビアロールとの接触部分が静電気で帯電する。そして、この帯電により、ビート部が不安定化し乱れる。そこで、この帯電によるビート部の乱れを抑制するために、塗工工程での水蒸気量を上記数値範囲に調整する必要がある。塗工工程での水蒸気量の調節方法は、特に限定されず、例えば図1に示す塗工装置を用いた場合、チャンバー7に供給する水蒸気の量を調整する。また、チャンバー7内の水蒸気の量を調整する装置も公知の調湿装置を利用でき、特に限定されない。例えば、塗工装置への精密空調機の接続によるチャンバー内気相の調湿によって水蒸気の量を好適に調整できる。
(乾燥工程)
本製造方法は、前記塗工工程にて形成された塗膜を乾燥する乾燥工程と含んでいてもよい。例えば図1に示す塗工装置を用いて、基材フィルムに塗工液を転移させ塗膜を形成した後、乾燥工程にて、塗膜中の溶媒を除去し、塗膜を乾燥および硬化させる。前記乾燥工程での塗膜の乾燥および硬化方法は、塗膜中の溶媒を除去し塗膜を乾燥および硬化させることができれば、グラビア塗工技術にて使用される公知の乾燥方法と採用することができる。
(塗工液)
本製造方法にて使用される塗工液は、溶剤と、当該溶剤に可溶性の樹脂と、を含む。当該可溶性の樹脂は、基材フィルムへの塗工後に乾燥および硬化など行って塗膜を形成し得る樹脂であれば、特に限定されない。
前記塗工液に使用される前記樹脂としては、例えば、具体的には、ポリウレタン;ポリシクロオレフィン;ポリカーボネート;ポリエステル;ポリエーテルケトン;ポリアミド;ポリイミド;フッ素樹脂;これらの樹脂の混合物等が挙げられる。特に、前記フッ素樹脂は、分子内にアルコキシシリル基を有するパーフルオロアルキル基含有化合物、フルオロアルキルエーテルオリゴマー等が挙げられる。また、前記塗工工程にて形成される塗膜が耐指紋層である場合、前記塗工液は、上述のフッ素樹脂を含むフッ素系塗工液であることが好ましい。
前記塗工液に使用される前記溶剤は、前記樹脂を溶解または分散できるものをいう。それゆえ、前記塗工液中で、前記樹脂は、溶剤により溶解されていても、固形分として分散されていてもよい。前記溶剤は、前記樹脂を溶解または分散できるものであればよく、使用する樹脂および基材フィルムに応じて適宜選択することができる。前記溶剤としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;フェノール、p-クロロフェノール等のフェノール類;メタノール、エタノール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;アセトン;酢酸エチル;エチレングリコールモノメチルエーテル;ジエチレングリコールジメチルエーテル;メチルイソブチルケトン;メチルエーテルケトン;シクロヘキサン;シクロペンタノン;水;ハイドロフルオロエーテル等が挙げられる。これらの溶剤は、1種で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。特に、前記塗工液がフッ素系塗工液である場合、前記溶剤は、ハイドロフルオロエーテルが挙げられる。
また、前記塗工液の固形分濃度は、0.05~0.5%であることが好ましく、0.1~0.3%であることがより好ましい。塗工液の固形分濃度が前記数値範囲内であることによって、塗工後の乾燥前の大きな流動を低減することができ、また乾燥前のレベリング効果を十分に得ることができる。
また、前記塗工液の粘度は、0.1~100mPa・sであることが好ましく、0.3~50mPa・sであることがより好ましく、0.5~20mPa・sであることがさらに好ましい。使用される塗工液が前記数値範囲内のような低い粘度であっても、本製造方法では、グラビアロールと基材フィルムとの間に液分が介在すれば、表面張力により、塗工液を基材フィルムに塗工することができる。
また、前記塗工工程にて形成される前記塗膜の膜厚は、5~50nmであることが好ましく、10~30nmであることがより好ましい。前記塗膜の膜厚が前記数値範囲内であることによって、外観が白濁することなく、十分な耐擦傷性を有する塗膜を得ることができる。
(積層フィルムの製造装置)
本実施形態に係る積層フィルムの製造装置(以下、本製造装置を称する場合もある)は、上述した積層フィルムの製造方法の各工程のうち、少なくとも前記塗工工程を行うように構成されている。すなわち、本製造装置は、搬送ロールにより搬送される基材フィルム上に塗工液を塗布して塗膜を形成するグラビアロールを備えた塗工部を備えた、装置である。そして、本製造装置では、前記塗工工程において、塗工液液溜まりにおける最小高さ(H)が50~500μmとなるように設定されており、また塗工時の基材に作用するせん断応力の計算値τfが0.3~1.5N/mとなるように設定されている。
そしてさらに、本製造装置では、前記塗工部の水蒸気量が10~25g/mに調節されていることが好ましい。例えば、本製造装置は、図1に示す塗工装置10を備えた構成である。なお、本製造装置は、上述した製造方法の説明を適宜援用する。
以下に実施例、比較例および参考例を挙げるが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(1)ポリアミド酸溶液の調製
反応容器に、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を383重量部投入し、窒素雰囲気下で撹拌した。そこに、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジンを31.8重量部、3,3’-ジアミノジフェニルスルホンを10.5重量部投入し、窒素雰囲気化で撹拌してジアミン溶液を得た。当該ジアミン溶液に、p-フェニレンビス(トリメリット酸無水物)を15.9重量部、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン酸無水物を37.4重量部、および3,3’、4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を10.4重量部加え、窒素雰囲気下で撹拌してポリアミド酸溶液を得た。
(2)イミド化およびポリイミド樹脂の抽出
(1)にて得られたポリアミド酸溶液(ポリアミド酸の固形分100重量部)に、イミド化触媒としてピリジン38.4重量部を添加し、撹拌した。その後、無水酢酸49.5重量部を添加し、120℃で2時間撹拌後、室温まで冷却してポリイミド溶液を得た。当該ポリイミド溶液を撹拌しながら、1Lのイソプロピルアルコールを滴下して、ポリイミド樹脂を析出させた。その後、濾別したポリイミド樹脂をイソプロピルアルコールで3回洗浄した後、120℃で12時間乾燥させてポリイミド樹脂の粉体を得た。
(3)ポリイミドフィルムの作製
(2)にて得られたポリイミド樹脂を塩化メチレンに溶解し、固形分濃度10%のポリイミド溶液を得た。コンマコーターを用いて、ポリイミド溶液を基材上に塗布し、40℃で10分、80℃で10分、150℃で10分、180℃で10分の順番で、大気圧雰囲気下で乾燥した後、基材から剥離して、厚み50μmの透明ポリイミドフィルムを得た。
(4)ハードコート組成物の調製
反応容器に、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン100重量部、塩化マグネシウム0.12重量部、水11重量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテル11重量部を仕込み、130℃で3時間攪拌後、60℃で減圧脱気してシロキサン樹脂を得た。そして、前記シロキサン系樹脂100重量部、トリアリールスルホニウム・SbF塩のプロピレンカーボネート溶液2重量部、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンのキシレン/イソブタノール溶液0.2重量部、およびプロピレングリコールモノメチルエーテル100重量部を配合し、ハードコート組成物を得た。
(5)分子内にアミノ基を有するシラン化合物を含む組成物の調整
調整に際し、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン(東京化成社製:A0774)をアセトンで6wt%に希釈し、易接着層組成物を得た。
(6)分子内にアルコキシシリル基を有するパーフルオロアルキル基含有化合物を含む組成物の調製
調製に際し、溶液I:分子内にトリアルコキシシリル基を有するフルオロアルキルエーテルオリゴマーのハイドロフルオロエーテル20%溶液(ダイキン工業社製;OPTOOL UD509)、および溶液II:ハイドロフルオロエーテル(スリーエム社製;Novec7200)を使用した。具体的には、溶液Iを溶液IIで希釈し、固形分濃度0.1%の、分子内にアルコキシシリル基を有するパーフルオロアルキル基含有化合物を含む組成物(以下、塗工液Aと称する場合がある)を得た。当該組成物の粘度は、0.6mPa・sであった。
(実施例1)
透明樹脂フィルム層としての厚さ50μmの透明ポリイミドフィルムの上に、乾燥膜厚が20μmとなるようにダイコーター用いてハードコート組成物を塗布し、120℃に加熱して溶媒を除去した。その後、高圧水銀ランプを用いて、積算光量が1950mJ/cmとなるように紫外線を照射し、ハードコート組成物を硬化させて、ハードコート層付き透明樹脂フィルム(以下、基材フィルムAと称する場合がある)を得た。
コロナ処理機を用いて、基材フィルムAのハードコート層の表面に対して処理密度40W・min/mのコロナ処理を行った後に、基材フィルムAに対して(5)にて得られた塗工液を塗工する塗工工程を行った。当該塗工工程では、図1に示す塗工装置10を使用して、基材フィルムAに対して(5)にて得られた塗工液を塗工し、130℃で熱処理することで、押し込み深さ2.6nmの塗膜を形成し、易接着層付きハードコートフィルム(以下、基材フィルムBと称する場合がある)を得た。
基材フィルムBの易接着層の表面に対して(6)にて得られた塗工液を塗工する塗工工程を行った。当該塗工工程では、図1に示す塗工装置10を使用して、次の条件で、基材フィルムBに対して(6)にて得られた塗工液を塗工し、膜厚10nmの塗膜を形成した。
(i)図2に示す最小高さ(H)を100μmとし、(ii)基材フィルムBに作用するせん断応力τfを0.39とし、(iii)塗工部を構成するチャンバー7内の水蒸気量を17.3g/mとし、基材フィルムBの搬送速度(Vf)を0.5m/minとした。
前記塗工工程後、130℃にて、基材フィルムBに形成された塗工液(6)の塗膜中の溶剤を除去して、耐指紋層付きハードコートフィルムを得た。当該ハードコートフィルムでは、基材フィルムBの易接着層上に塗膜として耐指紋層が積層されている。
(実施例2および比較例1~19)
最小高さ(H)、Vf、およびグラビアロール回転速度Vrの値を調整し、基材フィルムAの表面に形成された塗膜の押し込み深さ(hp)を2.6~18に、基材フィルムBに作用するせん断応力τfを0.01~100とした以外は、実施例1と同様の方法で耐指紋層付きハードコートフィルムを得た。実施例2および比較例1~19でそれぞれにて設定された押し込み深さ(hp)、最小高さ(H)、Vf、Vr、基材フィルムBに作用するせん断応力τfは、表1の通りである。
(比較例20~21)
最小高さ(H)、Vf、およびVrの値を調整し、基材フィルムAの表面に易接着層となる塗膜を形成せずに押し込み深さ(hp)を0.11に、基材フィルムBに作用するせん断応力τfを0.39および1.3とした以外は、実施例1および実施例2と同様の方法で耐指紋層付きハードコートフィルムを得た。比較例20、21でそれぞれにて設定された押し込み深さ(hp)、最小高さ(H)、Vf、Vr、基材フィルムBに作用するせん断応力τfは、表1の通りである。
実施例1、2および比較例1~23で得られた耐指紋層付きハードコートフィルムに対する評価基準は、以下の通りである。
<外観>
得られた耐指紋層付きハードコートフィルムの外観は、光源を用いた反射及び投影による目視、およびデジタルマイクロスコープ(キーエンス製:VHX-5000)を用いた観察により評価した。耐指紋層の形成前と同等の外観を保つものを○、耐指紋性層の塗工ムラにより白濁が生じるものを△、易接着層の塑性変形により白濁が生じるものを×、ビードが決壊し均一な塗膜が形成できないものを-とした。
<耐擦傷性試験後のキズ>
Minoan社製の直径6mmの消しゴムを圧子にセットして、往復摩耗試験機(新東科学社製TYPE:30S)を用いて50mmストロークで1サイクル/秒の条件で、耐指紋層付きハードコートフィルムの耐指紋層側表面の耐擦傷性試験を行った。荷重は500gとし、回数は1500回とした。耐擦傷性試験後のサンプルを目視確認し、試験した面に傷が全くない、あるいは傷の長さ2mm未満であるものを○、傷の長さが2mm以上であるものを△、傷が全幅に連続的にあるものを×とした。
<耐擦傷性試験後の接触角>
協和界面化学製接触角計PCA-11を用いて、耐擦傷性試験後のサンプルの水接触角を測定した。当該測定には純水を用い、液滴量は2μLとした。接触角が105°以上のものを○、接触角が95以上、105°未満であるものを△、接触角が95°未満のものを×とした。
実施例1、2および比較例1~23の評価結果を表1に示す。
表1に示す評価結果から、易接着層を有する基材フィルムBの表面に形成された塗膜の押し込み深さ(hp)が2.6nm以下であり、前記塗工工程において、塗工液液溜まりにおける最小高さ(H)が50~500μmであり、塗工時の基材に作用するせん断応力τfが0.3~1.5N/m2である場合には、得られる耐指紋層を有するハードコートフィルムの外観が良好であり、耐擦傷性も良好であることが確認できた。
なお、比較例1~3、5、6、9、15のように、せん断応力が大きい場合、基材フィルムBの表面である易接着層が、前記塗工工程において塑性変形してしまい、外観および耐擦傷性が悪くなったと推測される。また比較例4、7、8、10~14のように、せん断応力が小さい場合、前記塗工工程において基材フィルムBの幅方向に均一なビードを形成できなくなったり、最悪の場合、ビードが形成できず塗工できなくなり、耐擦傷性が悪くなったと推測される。
また、比較例16~19のように、基材フィルムAの表面に形成された塗膜の押し込み深さ(hp)が2.6nm以上である場合、基材フィルムBの表面である易接着層が、前記塗工工程において塑性変形してしまい、外観および耐擦傷性が悪くなったと推測される。
また比較例、20、21のように、基材フィルムAの表面に易接着層となる塗膜を形成しない場合、塗膜の外観は良好だが、耐擦傷性が悪くなったと推測される。
1 基材フィルム
2 塗工液
3 グラビアロール
4 塗膜
5A,5B 押圧ロール
6 ブレード
7 チャンバー(塗工部)
F1,F2 搬送ロール


Claims (8)

  1. 基材フィルム上に、グラビアロールを用いて塗工液を塗布して塗膜を形成する塗工工程を有し、
    前記基材フィルムは、ナノインデンターによる押し込み硬さ試験から得られた押込み深さ(hp)が3nm以下である硬度を有し、
    前記塗工工程において、塗工液液溜まりにおける最小高さ(H)が50~500μmであり、
    塗工時の基材に作用するせん断応力の計算値τfが0.3~1.5N/mであることを特徴とする、積層フィルムの製造方法。
  2. 前記基材フィルムは、易接着層を有し、
    易接着層上のナノインデンターによる押し込み硬さ試験から得られた押込み深さ(hp)が3nm以下である硬度であり、
    前記グラビアロールを用いて塗工液を塗布して塗膜を形成する塗工工程が、易接着層の上にグラビアロールを用いて塗工液を塗布して塗膜を形成する塗工工程であることを特徴とする、請求項1に記載の積層フィルムの製造方法。
  3. 前記易接着層が、アルコキシラン系のカップリング剤を塗布したものであることを特徴とする請求項2に記載の積層フィルムの製造方法。
  4. 前記塗工工程にて形成された前記塗膜を乾燥する乾燥工程と含む、請求項1~3のいずれかに記載の積層フィルムの製造方法。
  5. 前記塗工液は、溶剤と、当該溶剤に可溶性の樹脂と、を含み、
    前記塗工液の固形分濃度が0.05~0.5%であり、前記塗工液の粘度が0.1~100mPa・sであり、前記塗膜の膜厚が5~50nmである、請求項1~3の何れか1項に記載の積層フィルムの製造方法。
  6. 前記塗工液は、フッ素系塗工液である、請求項1~3の何れか1項に記載の積層フィルムの製造方法。
  7. 前記塗工工程の水蒸気量が10~25g/mである、請求項1~3の何れか1項に記載の積層フィルムの製造方法。
  8. 前記塗膜は耐指紋層である、請求項1~3の何れか1項に記載の積層フィルムの製造方法。
JP2022079256A 2022-05-13 2022-05-13 積層フィルムの製造方法 Pending JP2023167793A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022079256A JP2023167793A (ja) 2022-05-13 2022-05-13 積層フィルムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022079256A JP2023167793A (ja) 2022-05-13 2022-05-13 積層フィルムの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023167793A true JP2023167793A (ja) 2023-11-24

Family

ID=88838334

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022079256A Pending JP2023167793A (ja) 2022-05-13 2022-05-13 積層フィルムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023167793A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5519361B2 (ja) 離型フィルム
TWI317324B (en) Laminated polyester film and laminated polyester film roll
TWI778135B (zh) 離型膜及積層體
JP6657953B2 (ja) 積層フィルム、およびその製造方法
EP3895891A1 (en) Release film
TW201836849A (zh) 保護板片
JP6010381B2 (ja) 離型フィルム
JP7006710B2 (ja) セラミックグリーンシート製造用離型フィルム
JP2009196178A (ja) 離型フィルム
JP7173045B2 (ja) 積層フィルム、離型フィルムおよび積層体
KR102069612B1 (ko) 양면 점착 시트
JP4242509B2 (ja) 流延製膜方法
TW201922482A (zh) 透明導電性膜
JP2023167793A (ja) 積層フィルムの製造方法
KR20140009140A (ko) 도포층을 갖는 폴리에스테르 필름
JP2013052552A (ja) 離型フィルム
TW202100346A (zh) 剝離片
JP2013136208A (ja) 離型フィルム
JP2023049924A (ja) 積層フィルムの製造方法および製造装置
JP7035441B2 (ja) セラミックグリーンシート製造用離型フィルム
JP5869432B2 (ja) 両面離型フィルム
JP2024090189A (ja) 塗工方法および積層フィルムの製造方法
TW201940565A (zh) 乾式膜抗蝕劑基材用聚酯膜
WO2024005216A1 (ja) 積層フィルム
JP6130230B2 (ja) 離型フィルム