JP2023167493A - 灰押出装置及び灰押出方法 - Google Patents

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由知 岡部
Yoshitomo Okabe
正実 香島
Masami Kashima
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Abstract

【課題】大掛かりな追加の装置を必要とせずに既存のストーカ式焼却施設の改良だけで実現可能で、且つ使用するエネルギーの増加量を抑制して、有価金属類を回収可能な灰押出装置及び灰押出方法を提供する。【解決手段】ストーカ式焼却炉から排出される主灰を受け入れて水冷する貯水部10と、貯水部の一端側に設けられ、冷却された含水主灰を排出するシュート40と、貯水部からシュートまで上向きに傾斜して設けられている傾斜部20と、貯水部内に投入された主灰を傾斜部に向かって押し出すプッシャー30と、を備え、シュートは、第1のシュート43と第2のシュート45とに区分されており、第1のシュートと第2のシュートとの間には、傾斜部からシュートに向かう含水主灰の進行方向に対向する方向に回転する掻き取りドラム50が設けられ、傾斜部の先端と掻き取りドラムとの間に、第1のシュートへの投入開口の寸法を調整するスライド調整板60が設けられているストーカ式焼却炉の灰押出装置。【選択図】図2

Description

本発明は、ストーカ式焼却炉の主灰から有価金属類を回収することができる灰押出装置及び灰押出方法に関し、特に大掛かりな追加の処理装置を必要とせず、且つ使用するエネルギーの増加量が少ない湿式の灰押出装置及び灰押出方法に関するものである。
廃棄物焼却施設では、雑多なごみを焼却しているが、かかる焼却により生じる燃え殻の処理が問題であり、燃え殻の減量化や資源化が求められている。そのため、燃え殻から資源(例えば、有価金属類)を回収し、リサイクルする技術が種々提案されている。
例えば、特許文献1においては、火格子式廃棄物焼却炉から排出される焼却灰から金属製錬原料を回収する金属製錬原料回収装置が開示されている。特許文献1の図5に明示されているように、火格子の隙間および火格子の燃焼用空気の噴出口から落下する落塵灰は落塵灰捕集装置にて捕集された後、廃棄物ガス化溶融装置へ送られる落塵灰供給運転と、火格子末端部から排出される主灰は主灰捕集装置にて捕集された後、廃棄物ガス化溶融装置へ送られる主灰供給運転と、を切り換えることにより、落塵灰から有価金属類を回収する技術が提案されている。特許文献1には、主灰中の有価金属類が少量であり、その回収は困難であるから、主灰と落塵灰とを分離回収して、それぞれを廃棄物ガス化溶融装置にて別々に溶融処理して有価金属類を回収することが記載されている。
特許文献2においては、廃棄物中に混入していた貴金属が付着した貴金属付着粒子を含む焼却灰を破砕し、焼却灰中の貴金属付着粒子の表面から削り取られた貴金属部分を含む貴金属濃縮粒子と、その他の粒子とを生成する破砕工程と、破砕工程で得られた貴金属濃縮粒子とその他の粒子とを一定の粒径に分級する分級工程と、分級工程で分級された粒子を比重選別して貴金属濃縮粒子をその他の粒子から選別する比重選別工程と、貴金属濃縮粒子を含む重量灰に含まれている磁着性の金属を磁場により選別する高磁力選別工程と、有する焼却灰からの貴金属回収方法が提案されている。分級工程は篩分けにより行われ、比重選別工程は吹上空気流と吸引空気流によってエアテーブル上の焼却灰を浮かしつつ振動によって比重の大きい粒状灰が下層、比重の小さい軽量灰が上層となる流動層を形成させることにより行われる乾式工程である。
特許文献3においては、焼却灰を乾燥させ、磁力選別により磁性金属を取り除き、次いで篩分級して、再び磁力選別及び渦電流選別により原所定粒径以下の磁性金属に付着した磁性金属ではない粒子を回収し、竪型ミルにより粉砕、乾燥及び微粉(ミル精粉)と粗粉(ミル排石)への分級を行い、ミル排石に有価金属を濃縮させて回収する、有価金属回収システムが提案されている。
特許文献4には、燃焼用空気噴出口の面積の火格子炉床全面積に対する割合が2%
以上5%以下の火格子を用いて、火格子の隙間および燃焼用空気噴出口から落下する落塵灰と火格子の末端部から排出される主灰とを分離し捕集し、分離捕集された落塵灰について有価金属類の回収を行う廃棄物焼却灰中の金属回収方法及び装置が開示されている。特許文献4には、有価金属類は主灰よりも落塵灰に多く含まれていること、火格子気孔率が2%より小さいと有価金属類のほとんどが主灰に含まれることが記載されている。
特許第6391046号公報 特許第6465825号公報 特許第6375205号公報 特許第3661662号公報
特許文献1に記載の技術においては、落塵灰から分離された主灰はそのまま後段の廃棄物ガス化溶融装置に送られて、廃棄物と一緒に処理される。有価金属類は落塵灰中に多く含まれるが、ストーカ式焼却炉における落塵灰の総量は主灰の総量に比して少量であり、廃棄物全体から回収できる有価金属類は少量である。また、含水率の高い主灰をそのまま廃棄物と一緒に廃棄物ガス化溶融装置にて溶融処理するため、乾燥装置や排水処理装置等が必要になり、エネルギー消費が多い割には有価金属類の回収率が低いという問題がある。
特許文献2及び3に記載の技術は、いずれも乾式で篩分級と磁力選別とを併用するため、装置構成が大がかりで煩雑になる。
特許文献4に記載の技術は、特定範囲の火格子気孔率を有する火格子を用いて、火格子の隙間から落下する落塵灰から有価金属類を回収するが、主灰からの有価金属類の回収は行われない。火格子気孔率が特定範囲を逸脱する場合には、有価金属類が主灰に含まれることになり、焼却灰からの有価金属類の回収ができないことになる。
したがって、本発明の目的は、大掛かりな追加の装置を必要とせずに既存のストーカ式焼却施設の改良だけで実現可能で、且つ使用するエネルギーの増加量を抑制して、有価金属類を回収可能な灰押出装置及び灰押出方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解消すべく鋭意検討し、現存する焼却施設の貯水部にて主灰中の有価金属類を濃縮した有価金属類高濃縮灰と、有価金属類の含有量が少ない有価金属類低濃縮灰と、を形成して分別回収することにより、有価金属類を低コストで回収できる本発明を完成するに至った。
本発明は以下の各態様を提供するものである。
[1]ストーカ式焼却炉から排出される主灰を受け入れて水冷する貯水部と、
当該貯水部の一端側に設けられ、冷却された含水主灰を排出するシュートと、
当該貯水部から上記シュートまで上向きに傾斜して設けられている傾斜部と、
当該貯水部内に投入された主灰を当該傾斜部に向かって押し出すプッシャーと、
を備えるストーカ式焼却炉の灰押出装置であって、
当該シュートは、第1のシュートと第2のシュートとに区分されており、
当該第1のシュートと当該第2のシュートとの間には、傾斜部からシュートに向かう含水主灰の進行方向に対向する方向に回転する掻き取りドラムが設けられ、
当該傾斜部の先端と当該掻き取りドラムとの間に、当該第1のシュートへの投入開口の寸法を調整するスライド調整板が設けられている
ことを特徴とするストーカ式焼却炉の灰押出装置。
[2]前記プッシャーの先端に位置する押出面は、少なくとも一部に、プッシャーの前進方向に突出するように形成された傾斜部を有することを特徴とする上記[1]に記載の灰押出装置。
[3]前記プッシャーは、その押出面の後退限位置から半ストローク以下のストローク長で複数回往復動して、前記貯水部に投入された主灰と水とを流動撹拌させて含水主灰を生成可能であり、該押出面を所定時間停止可能であり、且つ該押出面を後退限位置から前進
限位置まで全ストローク長で稼働させて、含水主灰を前記傾斜部に圧縮搬送することにより、含水主灰中の相対的に小粒径の粒子又は相対的に重量成分を沈降させて、相対的に大粒径の軽量成分を浮上させ、含水主灰を有価金属類の含有量が異なる第1の含水主灰と第2の含水主灰を形成可能であることを特徴とする、上記[1]又は[2]に記載のストーカ式焼却炉の灰押出装置。
[4]上記[1]~[3]のいずれか1に記載の灰押出装置を具備するストーカ式焼却設備において主灰を分別回収する灰押出方法であって、
ストーカ式焼却炉から貯水部に投入された主灰に対して、半ストローク長以下の複数回の往復動にてプッシャーにより撹拌混合を行ない、含水主灰を形成する撹拌混合工程と、当該プッシャーを所定時間停止させて、当該含水主灰中の相対的に小粒径の粒子又は重量成分を沈降させ、相対的に大粒径の軽量成分を浮上させる静止工程と、
当該プッシャーを全ストローク長で進行させて、当該含水主灰を傾斜部に圧縮搬送させる圧縮搬送工程と、を含み、
当該撹拌混合工程と、当該静止工程と、当該圧縮搬送工程を複数回繰り返して、当該含水主灰を傾斜部に沿って上向きにシュートまで圧縮搬送しながら、含水主灰中の相対的に小粒径の粒子又は相対的に重量成分を沈降させて、相対的に大粒径の軽量成分を浮上させ、有価金属類の濃度が異なる第1の含水主灰と第2の含水主灰とを形成し、
当該含水主灰が傾斜部の先端に到達した時点で、掻き出しドラムを含水主灰の進行方向と対向する方向に回転させて、含水主灰の下層を掻き取り第1のシュートに投入し、含水主灰の残部を第2のシュートに投入し、有価金属類の濃度が異なる含水主灰を分別回収することを特徴とする灰押出方法。
[5]前記第1の含水主灰は、相対的に有価金属類の濃度が高い有価金属類高濃縮主灰であり、前記第2の含水主灰は、相対的に有機金属類の濃度が低い有価金属類低濃縮主灰である、上記[4]に記載の灰押出方法。
本発明の灰押出装置及び本発明の灰押出方法は、既存のストーカ式焼却炉の貯水部及びシュートを改良するだけで主灰中の有価金属類を濃縮して分別できるため、従来の湿式濃縮において必要となる排水処理装置や乾燥装置など特別な装置が不要であり、且つ主灰の冷却及び湿潤に使用する既存設備の所要エネルギーの他に水処理に使用するエネルギーの増加が少ない。従来はストーカ式焼却炉の火格子からの落塵灰を処理対象としていたため回収できる有価金属類は少量であったが、本発明では大量に発生する主灰を処理対象とすることで回収できる有価金属類を増量することができる。本発明の灰押出装置及び灰押出方法は、既存の灰溶融装置やエコセメント装置などの有価金属類の回収装置の前処理として有用である。
図1は、ストーカ式焼却炉と灰押出装置の全体構成を模式的に示す概略説明図である。 図2(b)は本発明の灰押出装置を模式的に示す概略説明図であり、図2(a)は図2(b)の上面透視図であり、図2(c)は図2(b)のX-X断面図である。 図3(a)は本発明の灰押出装置に用いることができるプッシャーの第1の実施形態を示す上面図であり、図3(b)は図3(a)の側面図である。 図4(a)は本発明の灰押出装置に用いることができるプッシャーの第2の実施形態を示す上面図であり、図4(b)は図4(a)の側面図である。 図5(a)は本発明の灰押出装置に用いることができるプッシャーの第3の実施形態を示す上面図であり、図5(b)は図5(a)の側面図である。 図6(a)は本発明の灰押出装置に用いることができるプッシャーの第4の実施形態を示す上面図であり、図6(b)は図6(a)の側面図である。 図7(a)は本発明の灰押出装置に用いることができるプッシャーの第5の実施形態を示す上面図であり、図7(b)は図7(a)の側面図である。 図8(b)は、別の実施形態の灰押出装置を模式的に示す概略説明であり、図8(a)は図8(b)の上面透視図であり、図8(c)は図8(b)のX-X断面図である。 図9は、図2(b)のシュート部分の拡大図であり、スライド調整板で第1のシュートの開口部を閉じた状態を示す。 図10は、図2(b)のシュート部分の拡大図であり、スライド調整板で第1のシュートの開口部を開いた状態を示す。 図11は、実施例におけるスライド調整板位置Aを示す概略説明図である。 図12は、実施例におけるスライド調整板位置すなわち第1のシュートの含水主灰投入口の大きさと掻き取りドラムの回転数と含水主灰の掻き取り量との関係を示すグラフである。 図13(b)は従来の灰押出装置灰押出装置を模式的に示す概略説明図であり、図13(a)は図13(b)の上面透視図であり、図13(c)は図13(b)のX-X断面図である。
1 灰押出装置
10 貯水部
20 傾斜部
21 第1の傾斜面
21b 傾斜部(第1の傾斜面)の先端
23 第1の含水主灰搬送路(有価金属類高濃縮灰搬送路)
25 仕切(第2の傾斜面)
27 第2の含水主灰搬送路(有価金属類低濃縮灰搬送路)
30 プッシャー
33 押出面
33c 傾斜部
40 シュート
43 第1のシュート(有価金属類高濃縮灰排出口)
45 第2のシュート(有価金属類低濃縮灰排出口)
50 掻き取りドラム
60 スライド調整板
62 スライド調整機構
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
図1に示すように、本発明の灰押出装置は、ストーカ式焼却炉において種々雑多なごみを焼却処分して得られる焼却灰のうち、火格子3端部から主灰投入管5を介して灰押出装置の貯水部10に投入される主灰を処理対象とする。ストーカ式焼却炉においては飛灰よりも主灰が多量に発生する。主灰は、飛灰中の含有量よりも微量ではあるが、金、銀、銅、白金等の貴金属、及び亜鉛、鉛などの有価金属類を含む。本明細書において、主灰中に含まれる貴金属及び有価金属をまとめて「有価金属類」という。
本発明において「有価金属類高濃縮灰」とは有価金属類が濃縮されて相対的に高濃度で含まれる主灰であり、「有価金属類低濃縮灰」とは有価金属類が濃縮されておらず相対的に低濃度で含まれる主灰である。「有価金属類高濃縮灰」は、主灰中の有価金属類の平均濃度の約1.5倍以上、好ましくは約1.7倍以上の有価金属類の濃度を有し、「有価
金属類低濃縮灰」は、主灰中の有価金属類の平均濃度の約0.7倍以下、好ましくは約0.6倍以下の有価金属類の濃度を有する。「有価金属類高濃縮灰」は、「有価金属類低濃縮灰」の有価金属類の濃度の約2倍以上、好ましくは約2.5倍以上の有価金属類の濃度を有することが望ましい。たとえば、有価金属が銅の場合、有価金属類高濃縮灰は、10g/kg以上の銅を含有することが好ましい。
〔灰押出装置〕
図2に示す本発明のストーカ式焼却炉の灰押出装置1は、図13に示す従来のストーカ式焼却炉の灰押出装置を改良したものであり、改良点以外は従来のストーカ式焼却炉の灰押出装置の構成を用いることができる。ここでは、改良点を中心に説明する。
本発明のストーカ式焼却炉の灰押出装置は、ストーカ式焼却炉から排出される主灰を受け入れて水冷する貯水部10と、当該貯水部の一端側に設けられ、冷却された含水主灰を排出するシュート40と、当該貯水部から上記シュートまで上向きに傾斜して設けられている傾斜部20と、当該貯水部内に投入された主灰を当該傾斜部に向かって押し出すプッシャー30と、を備え、主灰を有価金属類高濃縮灰と有価金属類低濃縮灰に分別して回収できる装置である。以下、更に詳述する。
〔貯水部〕
貯水部10は、図1に示すように、ストーカ式焼却炉の火格子3端部から主灰投入管5を介して受け入れた主灰を冷却する水を蓄えることができるように構成されている。図2に示すように、貯水部10の上面は、主灰投入管5からの主灰を投入可能とするために開口11となっている。また、貯水部10の下部には、プッシャー30を挿通させるためのプッシャー挿通口13と、プッシャー挿通口13に対向する位置に設けられ、押し出される主灰を傾斜部20へと押し出すための主灰押出口15が設けられている。また、貯水部10内の水位を監視する水位計(図示せず)が設置されていてもよい。
〔プッシャー〕
図2に示すように、プッシャー30は、駆動装置(図示せず)に連結されたアーム31と、アーム31の先端に配され、貯水部10内に投入される主灰を傾斜部20に向かって押し出す押出面33と、により構成されている。アーム31は、従来のプッシャーにおいて用いられているものと同様に油圧シリンダー等の公知の駆動機構により駆動される。本発明の灰押出装置においては、プッシャー30の動作位置を決定するための前進限及び後退限リミットに加えて、中立リミット及び/又は比例制御電磁弁を設け、プッシャー30の押出面33が後退限位置(プッシャー挿通口13よりもアームの基端側の位置)から前進限位置(傾斜部21側)に至る全ストロークの往復運動に加えて、後退限位置から貯水部10の底面の中央程度までの半ストロークの往復運動を可能とし、またプッシャー30の押出面33を所定位置に所定時間停止可能としている。すなわち、プッシャー30をその後退限位置(プッシャー挿通口13よりもアームの基端側の位置)から半ストローク以下のストローク長(貯水部10の中央部分程度の位置までの間)で複数回往復動して貯水部10に投入された主灰と水とを流動撹拌させて、主灰に含まれる有価金属類などの重量成分を主灰から分離させ、その後プッシャー30を後退限位置にて数十秒から数分間の所定時間停止して、重量成分を下方に沈降させ、軽量成分を上方に浮上させる比重差分離時間を確保することにより、重量成分を多く含む下層と軽量成分を多く含む上層との二層構造を有する含水主灰を形成することができる。半ストローク長の複数回の往復動と後退限での所定時間の停止の1セットを複数回繰り返した後、プッシャー30を前進限位置(主灰押出口15よりも傾斜部20の先端側の位置)まで全ストローク長で稼働させて、含水主灰を傾斜部20に圧縮搬送することができる。上記の動作を繰り返すことにより、含水主灰に含まれる相対的に小粒径の粒子又は重量が重い粒子は下層に移動し、含水主灰に含まれる相対的に大粒径で軽い粒子は上層に押し出され、有価金属類高濃縮灰と、有価金
属類低濃縮灰とが形成される。
このように、プッシャー30における押出面33は、傾斜部20の基端20aまで移動可能となされている。押出面33の押出位置は、通常の制御機構を用いて自在に制御することができる。例えば、アーム31は、前進限及び後退限リミット並びに中立リミット及び/又は比例制御電磁弁の作用により、作動位置が制御されるように構成される。比例制御電磁弁はアームにおける油圧シリンダーの速度を制御できるため、中立リミットを設けない態様とすることもできるが、比例制御電磁弁及び中立リミットを有することにより、主灰の量に応じてさらに適切なストローク調整ができ、良好に有価金属類の濃度の高い灰を得ることができる。
〔プッシャー押出面〕
プッシャー押出面は、図3に示すように平坦であってもよいし、もしくは図4~7に示すように種々の形状の傾斜部を有するものでもよい。
図4に示すプッシャー30は、プッシャーの先端に位置する押出面33に、中央部が突出するように周縁部33aから中央部33bに向かって傾斜する傾斜部33cが設けられており、プッシャー33の先端は円錐形状又は角錐形状に形成されている。
図5に示すプッシャー30は、押出面33に、周縁部33aから中央部33bに向かって傾斜する傾斜部33cが設けられ、中央部33bは平坦であって、プッシャー33の先端は載台円錐形状又は載台角錐形状に形成されている。
図6に示すプッシャー30は、押出面33に、周縁部33aから断面形状が円弧状となるように傾斜部33cが設けられており、プッシャー33の先端はドーム状に形成されている。
図7に示すプッシャー30は、押出面33に、周縁部33aの一部から中央部33bに向かって傾斜する傾斜部33cが設けられ、押出面33の残部は平坦に形成されている。
〔傾斜部〕
傾斜部20は、貯水部10の底面からシュート40に向かって上方に傾斜し、貯水部10の底部に投入されて冷却された含水主灰をプッシャー30によって圧縮して脱水しながら、シュート40に向かって上方に押し出し搬送する搬送路である。傾斜部20の傾斜角度は、含水主灰を脱水しながら圧縮搬送できる経路を形成できれば特に限定されないが、一般的には20°~35°が好ましい。貯水部10にてプッシャー30の動作により相対的に小粒径の粒子又は重量が重い粒子が沈降して形成された下層の有価金属類高濃縮灰と、相対的に大粒径で軽い粒子が押し出されて形成された上層の有価金属類低濃縮灰は、傾斜部20を搬送される間にさらに比重差分離及び粒径差分離による偏析が進行する。
図8に示すように、傾斜部20は、貯水部10の底面から上向きに傾斜して設けられている第1の傾斜面21と、第1の傾斜面21の少なくとも先端側に第1の傾斜面21より上方の位置に、第1の傾斜面21と平行に設けられている第2の傾斜面を形成する仕切25と、を有する構成とすることもできる。第1の傾斜面21と第2の傾斜面を形成する仕切25との間に第1の含水主灰搬送路23を画定し、第2の傾斜面を形成する仕切25の上に第2の含水主灰搬送路27を画定する。ここで、第1の含水主灰と第2の含水主灰に含まれる有価金属類の濃度は異なる。第1の含水主灰が有価金属類高濃縮灰である場合、第2の含水主灰は有価金属類低濃縮灰であり、第1の含水主灰が有価金属類低濃縮灰である場合、第2の含水主灰は有価金属類高濃縮灰である。
仕切25が第1の傾斜面21の幅方向中央部において第1の傾斜面21よりも上方に位置づけられて、第1の含水主灰(有価金属類高濃縮灰)搬送路23は第1の傾斜面21の幅方向中央部に設けられ、第1のシュート43への開口が第1の傾斜面21の幅方向中央部に設けられている構造でもよい。含水主灰が傾斜部20を圧縮されながら押し上げられる間に、小粒径の重量成分は沈降するが、この沈降の程度は含水主灰の両縁部よりも中央部においてより大きいため、より効率よく有価金属類高濃縮灰を形成することができる。
仕切25は、第1の傾斜面21の少なくとも先端側に設けられていればよく、仕切25の長さは特に限定されず、第1の傾斜面21の基端21aから先端21bにかけて同じ長さで設けられていてもよいし、第1の傾斜面21の基端21aより先端側に近い位置に仕切25の基端が位置づけられ第1の傾斜面21より短い長さでもよい。たとえば、含水主灰の含水率が約20%より高い場合には比重差による偏析が生じやすいので、仕切25の基端は第1の傾斜面21の基端21aに近く、全長は長い方が好ましいが、含水主灰の含水率が約20%より低い場合には粒径差による偏析を効果的に生じさせるために、仕切25の基端は第1の傾斜面21の先端21bに近く、全長は短い方が好ましい。たとえば、含水主灰に不燃物や大きな異物が多く含まれる場合には、これらが傾斜部20を搬送する際の抵抗になるため、仕切25の基端を第1の傾斜面21の先端21bに近く、全長を短くすることが好ましい。
仕切25は、第1の傾斜面21とほぼ平行に離間して設けられていればよく、傾斜部20の上壁面に対して平行である必要はない。図面には、傾斜部20の上壁面と下壁面(第1の傾斜面に相当する)とが平行である場合を記載している。図示した形態では、第2の含水主灰搬送路27は基端から先端まで同じ高さである。しかし、傾斜部20の上壁面の傾斜角が下壁面の傾斜角より大きく、シュート側に向かって拡幅される形状の場合には、仕切25は第1の傾斜面21に対してほぼ平行であるが、傾斜部20の上壁面に対して平行ではない。すなわち、第2の含水主灰搬送路27は、基端側より先端側が拡幅された形状でもよい。先端側が拡幅されていることで、第2の含水主灰搬送路27において圧密状態が生じにくく、含水主灰による栓塞が生じにくくなる。
また、仕切25の第1の傾斜面21からの離間距離は限定されない。たとえば、第1の含水主灰搬送路23と第2の含水主灰搬送路27とが同じ高さを有するように、あるいは第1の含水主灰搬送路23の高さが第2の含水主灰搬送路27の高さより大きく又は小さくなるように、仕切25を設けることができる。たとえば、傾斜部20を搬送される含水主灰の下層が有価金属類高濃縮灰である場合、仕切25を傾斜部20の全高さの1/2以下、好ましくは1/3以下の高さ位置に設けることができる。
仕切25の幅方向断面は線形であってもアーチ形状であってもよい。ここで断面が線形とは、傾斜部20の幅方向の全体に亘って一様に平坦な面を有することを意味し、断面がアーチ形状とは同幅方向の中央部が上方又は下方に突出する凹凸面を有することを意味する。断面がアーチ形状の場合、幅方向中央部に第1の傾斜面20とほぼ平行な凹面又は凸面が形成されていてもよいし、凹面又は凸面を頂部とするドーム状でもよい。ドーム状とすることで第1の含水主灰搬送路23において圧密状態が生じにくく、含水主灰による栓塞が生じにくくなる。
仕切25の長手方向断面は線形であってもアーチ形状であってもよい。ここで断面が線形とは、傾斜部20の長手方向において全長に亘って一様に平坦な面を有することを意味し、断面がアーチ形状とは傾斜部20の基端近傍と先端近傍において第1の傾斜面21とほぼ平行であるが、傾斜部20の中央部においては上方又は下方に突出する面を有する
ことを意味する。アーチ形状とすることで圧密状態が生じにくく、含水主灰による栓塞が生じにくくなる。
〔シュート〕
シュート40は、傾斜部20の第1の傾斜面21の先端21bに連設されている中空の筒体で構成されており、第1のシュート43と、第2のシュート45と、に区分されている。第1のシュートは、含水主灰の下層の有価金属類高濃縮灰を受け入れ、第2のシュートは含水主灰の上層の有価金属類低濃縮灰を受け入れる。
〔掻き取りドラム〕
掻き取りドラム50は、第1のシュート43と第2のシュート45との間に設けられている。掻き取りドラム50は、回転軸52と、回転軸52を中心として放射状に外方向に向かって突出して設けられている複数の羽根54と、を有する。掻き取りドラム50の羽根54は、傾斜部20からシュート40へと搬送される含水主灰の進行方向に対向する方向に回転し、第2のシュート45に投入される前に含水主灰の下層を掻き取り、又は第2のシュート45に落下する含水主灰の下層を受け取り、第1のシュート43へ戻して投入する。羽根54の先端54aは、含水主灰の少なくとも下層表面(底面)を掻き取ることができる高さに位置づけられていることが好ましい。掻き取りドラム50の回転数は、インバーター駆動もしくは可変減速駆動機にて調整可能であることが好ましい。
掻き取りドラム50は、傾斜部20の第1の傾斜面21の先端21bに含水主灰が存在しない場合には回転しない。含水主灰が先端21bに到達した後、プッシャー30により含水主灰が傾斜部20を上向きに押し上げられている間に、掻き取りドラム50は回転する。先端21bでの含水主灰下層の掻き取りが終了すると、プッシャー30は後退し、掻き取りドラム50は回転を停止する。
〔スライド調整板〕
第1のシュート43の含水主灰投入口には、傾斜部20の第1の傾斜面21の先端21bを起点として第1のシュート43への投入開口の寸法を調整するスライド調整板60と、スライド調整板60を摺動させるスライド調整機構62と、が設けられている。スライド調整機構62は、スライド調整板60を傾斜部20の先端21bよりも前進させて、第1のシュート43の含水主灰投入口を閉じ、また、スライド調整板60を傾斜部20の先端21bよりも後退させて、第1のシュート43の含水主灰投入口を開くことができる構造であれば特に限定されない。たとえば、スライド調整板60を前進又は後退させるピストン構造を好ましく挙げることができる。スライド調整板60と掻き取りドラム50との間には、掻き取りドラム50が回転可能となるように空隙が設けられている。
図9は、スライド調整板60を前進させて、第1のシュート43の含水主灰投入口が閉じられた状態を示す。図10は、スライド調整板60を後退させて、第1のシュート43の含水主灰投入口が開かれた状態を示す。第1のシュート43の含水主灰投入口の大きさが大きいほど、第1のシュート43に投入される含水主灰の量は増えるが、大きすぎると含水主灰の下層ばかりでなく上層も落下する可能性があるため、第1のシュート43の含水主灰投入口の大きさは適切な大きさとする。
傾斜部20を上向きに押し出されて搬送される含水主灰は水分を含有するが、プッシャー30の前進後退動作の繰り返し及びその後の傾斜部20上での押出によって固められているため、外力を加えなければ第1のシュート43の含水主灰投入口に自然落下する可能性は低く、第1のシュート43の含水主灰投入口を経由して、掻き取りドラム50まで搬送される。含水主灰の下層は掻き取りドラム50によって掻き取られ、進行方向と反対方向に回転する掻き取りドラム50によって第1のシュート43の含水主灰投入口へ戻さ
れて、自重により第1のシュート43に投入される。含水主灰の上層は、掻き取りドラム50を通過して、第2のシュート45の投入口まで搬送されて、自重により第2のシュート45に投入される。
〔その他の部材〕
本発明の灰押出装置1は、上述の各構成部材に加えて、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、公知の灰押出装置の任意の部材を具備することができる。
〔灰押出方法〕
本発明の灰押出装置1による灰押出方法を説明する。
ストーカ式焼却炉で焼却された主灰を、主灰投入管5を通じて灰押出装置1における貯水部10へと投下する。貯水部10内には、所定量の水が予め投入されており、そこへ主灰が投入されることにより、後述するプッシャーによる撹拌混合によって、含水主灰(スラリー)を形成する。
貯水部10内に投下された主灰に対して、プッシャー30を前後進させることで、主灰と水とを撹拌混合して含水主灰(スラリー)を形成する。この際、従来は、油圧シリンダーを全ストロークで往復動させるが、本発明においては、貯水部10の後退限に位置するプッシャー30を貯水部10の中央部分まで進行させて停止し、次いで後退限位置まで引き戻す、半ストローク程度の往復運動を数回行い、圧縮や下流装置への搬送を伴わない程度に、主灰と水を流動攪拌させる。これによりスラリー化が進行すると共に、相対的に小粒径の粒子又は重量成分が沈降して、相対的に大粒径の軽量成分は相対的に上層に押し出され、含水主灰の下部に有価金属が高濃度に含有される有価金属類高濃縮灰が形成され、大粒径の軽量成分が浮上して含水主灰の上部の有価金属類低濃縮灰が形成される。
ストーカ式焼却炉から投入される主灰の量は、後燃焼帯ストーカが長期停止後に可動し主灰を投下した場合には多量であり、逆に短期停止後に可動し主灰を投下した場合には少量となる。すなわち、貯水部10に投入された主灰が多量である場合には、ストローク往復動は短距離で且つ動作回数を多くなるように制御し、逆に少量の場合にはストローク往復動は長距離で且つ動作回数を少なくなるように制御する。いずれの場合もプッシャーの往復動距離は、全ストローク長ではなく、半ストローク長以下で行う。なお、主灰の投下量は後燃焼帯ストーカの制御によって検知できる他、例えば、水位を監視する水位計によっても主灰の投下量が分かるため、水位計によるプッシャー作動制御を行うこともできる。
複数回のストローク往復動による主灰と水の攪拌操作の後、プッシャー30の押出面33を後退限に位置させて、数十秒から数分程度停止させ、粒径差や比重差の分離時間を確保して沈降分離を行い、有価金属類高濃縮灰と有価金属類低濃縮灰との分離を十分に行う。
その後、プッシャー30を、アーム31を最大限に伸長させた状態(前進限)まで可動させ、有価金属類高濃縮灰と有価金属類低濃縮灰が形成された含水主灰を傾斜部20に沿ってシュート40まで圧縮搬送する。傾斜部20からシュート40へと移送する間に、更なる有価金属類の沈降濃縮及び圧縮脱水が進行しながら搬送される。有価金属類高濃縮灰と有価金属類低濃縮灰との有価金属濃縮分布は、主灰の量や有価金属の種類によって様々であるが、例えば、銅である場合、有価金属類低濃縮灰の銅濃度に比して、有価金属類高濃縮灰の銅濃度は2倍以上である。
含水主灰が有価金属類高濃縮灰と有価金属類低濃縮灰とに分離された状態で傾斜部20を上向きに搬送され、傾斜部20の先端21bに到達すると、掻き取りドラム50が回転
し、含水主灰の下層(有価金属類高濃縮灰)は掻き取られて、第1のシュート43の含水主灰投入口に投入され、含水主灰の上層(有価金属類低濃縮灰)は第2のシュート45に投入され、公知の後処理に供される。
上述の各工程は、全て制御された自動システムとして構成することが可能である。これらは、別途設けられた中央制御室(図示せず)に備えられている分散型制御システム(DCS)により、ストーカ制御、灰押出装置制御、灰押出装置注水制御、下流搬送装置制御を監視・制御することにより実施することができる。
更に、貯水部10に、水と一緒にキレート剤(例えば、ジエチルジチオカルバミン系キレート剤、ピペラジン系キレート剤、無機系キレート剤など)や塩化第二鉄などの鉄共沈剤を添加することで、金属イオンのアルカリ沈殿効果や鉄共沈効果により、粒径差や比重差の分離速度を速めて分離待機時間を短くすることもできる。これにより、各施設や各ごみ質による攪拌ストローク長や粒径差や比重差の分離待機時間の調整がし易くなり、試運転や調整に掛かる時間も削減できる。キレート剤として何を用いるか、及び使用量は、主灰に含まれる有価金属量などによって任意に選択される。
更には、貯水部10の水中にバブリングを行うことでも粒径差や比重差の分離を早めることができる。
本発明は上述の実施形態に何ら制限されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
本発明の灰押出装置及び灰押出方法によれば、湿式で主灰中の有価金属類が濃縮された灰を効率よく回収することができる。特に本発明の装置では、排水処理装置や乾燥装置等を必要としないため、水処理に掛かるエネルギーが不要である。本発明の灰押出装置及び灰押出方法は、イニシャルコストやランニングコストを掛けず、廃棄物焼却施設に現に備わっている装置や機器をそのまま利用して、有価金属類の回収を効率的に行うことができるので、一部の企業や自治体のみならず、日本全体において有益な資源回収システムの前処理工程を提供できる。
図2に示す灰押出装置の模擬実験機を用いて、スライド調整板60の位置A(図11)、すなわち第1のシュートの含水主灰投入口の大きさと、掻き取りドラム50の回転数と、を変えて、含水主灰の掻き取り量を測定した。プッシャー30の全ストロークは500mm、スライド調整板60の位置Aの可動範囲は0mm~250mmである。
プッシャー30を約15秒間かけて、ストローク約300mmまで前進させ、主灰と水を混合しながら含水主灰を形成させた。このとき、掻き取りドラム50は回転させなかった。次に、プッシャー30を約10秒間かけて、ストローク約300mmから500mmまで前進させるとともに、掻き取りドラム50を回転させた。プッシャー30のストロークが約500mmすなわち前進限に達した時点で、プッシャー30を停止させた。含水主灰は、傾斜部20の先端21bに到達していた。掻き取りドラム50を約10秒間回転させ、掻き取り量を測定した。掻き取りが終了した時点で、プッシャー30を後退させた。
掻き取りドラムの回転数とスライド調整板の位置と含水主灰の掻き取り量とを表1及び図12に示す。1回のプッシャー前進限までの前進による含水主灰の押出量は130kgであった。表1の含水主灰掻き取り量は、第1のシュートに落下した含水主灰の量を示す。
Figure 2023167493000002
掻き取りドラムの回転数が50min-1又は60min-1では、スライド調整板位置すなわち含水主灰投入口の大きさが50mm以上250mm以下において110kg以上の含水主灰の掻き取りが可能であった。スライド調整板位置すなわち含水主灰投入口の大きさが100mm以上において掻き取りドラムの回転数を30min-1以上で110kg以上の含水主灰の掻き取りが可能であった。スライド調整板位置すなわち含水主灰投入口の大きさが200mm以上では、掻き取りドラムの回転数が20min-1以上で110kg以上の含水主灰の掻き取りが可能であり、掻き取りドラムの回転数を増やしても含水主灰の掻き取り量はほぼ120kg程度で安定していた。
スライド調整板位置すなわち含水主灰投入口の大きさ及び掻き取りドラムの回転数は、含水主灰の性状、たとえば含水率に応じて変化させることができる。
本発明の装置は、偏析現象(粒径差、比重差)を利用して、既存のストーカ式焼却施設からの主灰に含有されている微量の有価金属類を濃縮し、有価金属類高濃縮灰と有価金属類低濃縮灰とに分別し、二次側の中間処理施設や資源化施設へ用途に合わせて提供することができる。そのため、主灰の減容や資源回収をシステムフローとして有益に機能させることができる。これにより主灰に微量に含まれている有価金属類を効率的に回収し資源化することができ、他方で有価金属類低濃縮灰は、本来の残渣として埋め立て処分することで減容化(延命化)を達成し、その他エコセメント等で用いることにより更なる資源化と減容化にも資する。これにより2050年カーボンニュートラルゼロを目指す廃棄物循環型社会の構築に寄与することができる。

Claims (5)

  1. ストーカ式焼却炉から排出される主灰を受け入れて水冷する貯水部と、
    当該貯水部の一端側に設けられ、冷却された含水主灰を排出するシュートと、
    当該貯水部から上記シュートまで上向きに傾斜して設けられている傾斜部と、
    当該貯水部内に投入された主灰を当該傾斜部に向かって押し出すプッシャーと、
    を備えるストーカ式焼却炉の灰押出装置であって、
    当該シュートは、第1のシュートと第2のシュートとに区分されており、
    当該第1のシュートと当該第2のシュートとの間には、傾斜部からシュートに向かう含水主灰の進行方向に対向する方向に回転する掻き取りドラムが設けられ、
    当該傾斜部の先端と当該掻き取りドラムとの間に、当該第1のシュートへの投入開口の寸法を調整するスライド調整板が設けられている
    ことを特徴とするストーカ式焼却炉の灰押出装置。
  2. 前記プッシャーの先端に位置する押出面は、少なくとも一部に、プッシャーの前進方向に突出するように形成された傾斜部を有することを特徴とする請求項1に記載の灰押出装置。
  3. 前記プッシャーは、その押出面の後退限位置から半ストローク以下のストローク長で複数回往復動して、前記貯水部に投入された主灰と水とを流動撹拌させて含水主灰を生成可能であり、該押出面を所定時間停止可能であり、且つ該押出面を後退限位置から前進限位置まで全ストローク長で稼働させて、含水主灰を前記傾斜部に圧縮搬送することにより、含水主灰中の相対的に小粒径の粒子又は相対的に重量成分を沈降させて、相対的に大粒径の軽量成分を浮上させ、有価金属類の含有量が異なる第1の含水主灰と第2の含水主灰を形成可能であることを特徴とする、請求項1または2に記載のストーカ式焼却炉の灰押出装置。
  4. 請求項1又は2に記載の灰押出装置を具備するストーカ式焼却設備において主灰を分別回収する灰押出方法であって、
    ストーカ式焼却炉から貯水部に投入された主灰に対して、半ストローク長以下の複数回の往復動にてプッシャーにより撹拌混合を行ない、含水主灰を形成する撹拌混合工程と、当該プッシャーを所定時間停止させて、当該含水主灰中の相対的に小粒径の粒子又は重量成分を沈降させ、相対的に大粒径の軽量成分を浮上させる静止工程と、
    当該プッシャーを全ストローク長で進行させて、当該含水主灰を傾斜部に圧縮搬送させる圧縮搬送工程と、を含み、
    当該撹拌混合工程と、当該静止工程と、当該圧縮搬送工程を複数回繰り返して、当該含水主灰を傾斜部に沿って上向きにシュートまで圧縮搬送しながら、含水主灰中の相対的に小粒径の粒子又は相対的に重量成分を沈降させて、相対的に大粒径の軽量成分を浮上させ、有価金属類の濃度が異なる第1の含水主灰と第2の含水主灰とを形成し、
    当該含水主灰が傾斜部の先端に到達した時点で、掻き出しドラムを含水主灰の進行方向と対向する方向に回転させて、含水主灰の下層を掻き取って第1のシュートに投入し、含水主灰の残部を第2のシュートに投入し、有価金属類の濃度が異なる含水主灰を分別回収することを特徴とする灰押出方法。
  5. 前記第1の含水主灰は、相対的に有価金属類の濃度が高い有価金属類高濃縮主灰であり、前記第2の含水主灰は、相対的に有機金属類の濃度が低い有価金属類低濃縮主灰である、請求項4に記載の灰押出方法。
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