JP2023163828A - Hipeフォーム及び切削加工材料 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023163828000001
【課題】大型化した場合においても局所的な物性のばらつきの小さいHIPEフォーム及びこのHIPEフォームからなる切削加工材料を提供する。
【解決手段】HIPEフォーム1は、スチレン系単量体及び/またはアクリル系単量体の重合体を基材樹脂とし、一片の長さが60mmの立方体を切り出し得る大きさを有している。HIPEフォーム1の密度が35kg/m以上350kg/m以下である。HIPEフォーム1における、密度が最も低い部分である最小密度部112の密度ρminに対する、密度が最も高い部分である最大密度部111の密度ρmaxの密度比ρmax/ρminが1.30以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、HIPEフォーム及び切削加工材料に関する。
従来、ビニル系単量体の重合体中に多数の気泡が存在する気泡構造を有すると共に、気泡間を連通する多数の細孔が形成された連続気泡構造を有する、HIPEフォーム等と呼ばれる多孔体が知られている(例えば、特許文献1)。
HIPEフォームを製造するに当たっては、まず、水等の水性液体からなる水相を、ビニル系単量体、架橋剤、乳化剤、重合開始剤等を含む有機相中に高比率で内包させて油中水型の高内相エマルション(つまり、HIPE)を形成する。このエマルション中で有機相を重合することにより、HIPEフォームを得ることができる。HIPEフォームは、重合時における、高内相エマルション中での有機相と水相との分散形態や水相の分散形状が反映された重合体となる。
このようにして得られたHIPEフォームは、その用途に応じてスライスや切削などの加工が施された後、種々の用途に使用される。
特表平11-507409号公報
近年、HIPEフォームからなる製品の生産性向上や、製品の大型化が望まれており、かかる観点からより大型のHIPEフォームが求められている。しかし、従来のHIPEフォームは、大型化すると局所的な物性のばらつきが大きくなりやすいという問題があった。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、大型化した場合においても局所的な物性のばらつきの小さいHIPEフォーム及びこのHIPEフォームからなる切削加工材料を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、以下の[1]~[5]に記載のHIPEフォームにある。
[1]スチレン系単量体及び/またはアクリル系単量体の重合体を基材樹脂とし、一片の長さが60mmの立方体を切り出し得る大きさを有するHIPEフォームであって、
前記HIPEフォームの密度が35kg/m以上350kg/m以下であり、
前記HIPEフォームにおける、密度が最も低い部分である最小密度部の密度ρminに対する、密度が最も高い部分である最大密度部の密度ρmaxの密度比ρmax/ρminが1.30以下である、HIPEフォーム。
[2]前記HIPEフォームの形状が柱状であり、前記HIPEフォームの上下方向の長さが70mm以上である、[1]に記載のHIPEフォーム。
[3]前記HIPEフォームの平均気泡径が10μm以上150μm以下である、[1]または[2]に記載のHIPEフォーム。
[4]前記HIPEフォームの断面における円相当直径3mm以上の孔の数が、断面積1m当たり1個以下(ただし、0個を含む)である、[1]~[3]のいずれか1項に記載のHIPEフォーム。
[5]前記HIPEフォームの断面における円相当直径が1mm以上3mm未満の孔の数が、断面積1m当たり30個以下(ただし、0個を含む)である、[1]~[4]のいずれか1項に記載のHIPEフォーム。
本発明の他の態様は、[1]~[5]のいずれか1つに記載のHIPEフォームから構成された切削加工材料にある。
前記の態様によれば、大型化した場合においても局所的な物性のばらつきの小さいHIPEフォーム及びこのHIPEフォームからなる切削加工材料を提供することができる。
図1は、HIPEフォームの最大密度部及び最小密度部を決定する方法の説明図である。 図2は、HIPEフォームの低真空走査電子顕微鏡写真である。
(HIPEフォーム)
以下に、HIPEフォームの好ましい実施形態について説明する。本明細書におけるHIPEフォームは、ポリHIPEフォーム、ポリHIPE材料、HIPE由来フォーム物質、高内相エマルション多孔体、高内相エマルション発泡体等とも呼ばれる多孔質重合体である。HIPEフォームは、例えば、水相を有機相中に高比率で内包させた、油中水型の高内相エマルション(つまり、HIPE)中で単量体を重合することにより得られる。また、HIPEフォームは、構造中に多数の気泡が存在すると共に、隣接する気泡間を連通する多数の貫通孔が形成された、連続気泡構造を有する。
HIPEフォームは、例えば、水相を有機相中に高比率で内包させた、油中水型の高内相エマルション中でビニル系単量体(具体的には、アクリル系単量体及び/又はスチレン系単量体)を重合(または共重合)することにより得られる多孔質重合体である。HIPEフォームは、例えば、油中水型高内相エマルション中でアクリル系単量体及び/又はスチレン系単量体を重合することにより得られる、アクリル系単量体及び/又はスチレン系単量体に由来する成分を含む重合体を基材樹脂としている。HIPEフォームは、具体的には、重合体の重合体骨格中にアクリル系単量体及び/又はスチレン系単量体に由来する成分を含む。また、HIPEフォームは、高内相エマルション中で、架橋剤の存在下でアクリル系単量体及び/又はスチレン系単量体を重合することにより製造されてもよい。この場合、HIPEフォームは、アクリル系単量体及び/又はスチレン系単量体の重合体が架橋されてなる重合体を基材樹脂とする。
また、HIPEフォームは、高内相エマルションを硬化してなる多孔質の硬化物であり、その気泡壁が重合体(例えばビニル系重合体)から構成されているともいえる。気泡は気孔ということもできる。HIPEフォームにおける気泡壁及び気泡の形状には、重合時における、高内相エマルションでの有機相と水相との分散形態や水相(つまり、分散相)の分散形状が反映されている。
HIPEフォームの製造過程においては重合体が延伸されにくい。そのため、HIPEフォームは、一般的に、分子配向を生じにくいと共に、異方性の少ない重合体となる。HIPEフォームは、押出機を用いた押出発泡法により得られる発泡体や、発泡性樹脂粒子を発泡させて得られる発泡粒子を型内成形することにより得られる発泡粒子成形体等のように、製造時に延伸されて製造される発泡体とは容易に区別することができる。
[密度]
前記HIPEフォームの密度は35kg/m以上350kg/m以下であり、前記HIPEフォームにおける、密度が最も低い部分である最小密度部の密度ρminに対する、密度が最も高い部分である最大密度部の密度ρmaxの密度比ρmax/ρminは1.30以下である。前記HIPEフォームは、密度を前記特定の範囲とした上で、さらに、最大密度部の密度ρmaxと最小密度部の密度ρminとの密度比ρmax/ρminを前記特定の範囲内とすることにより、大型化した場合においても局所的な物性のばらつきを小さくすることができる。なお、密度比ρmax/ρminの下限は、その定義上1である。
HIPEフォームの密度は、40kg/m以上であることが好ましく、45kg/m以上であることがより好ましく、50kg/m以上であることがさらに好ましい。この場合には、HIPEフォームの強度、復元性及び延性をより容易に向上させることができる。また、この場合には、HIPEフォームの取り扱い性をより向上させることができる。
また、HIPEフォームの密度は、330kg/m以下であることが好ましく、300kg/m以下であることがより好ましく、280kg/m以下であることがさらに好ましい。この場合には、HIPEフォームの軽量性及び延性をより向上させることができる。
密度比ρmax/ρminをより容易に前記特定の範囲内とすることができる観点からは、HIPEフォームの密度は、40kg/m以上330kg/m以下であることが好ましく、45kg/m以上300kg/m以下であることがより好ましく、50kg/m以上280kg/m以下であることがさらに好ましい。
また、前記密度比ρmax/ρminが1.30以下であるHIPEフォームは、HIPEフォーム内部での気泡の分布の偏りが比較的小さく、HIPEフォーム全体に比較的均一に気泡が存在している。それ故、前記HIPEフォームは、局所的な物性のばらつきを低減することができる。HIPEフォームの局所的な物性のばらつきをより低減する観点から、前記密度比ρmax/ρminは、1.25以下であることが好ましく、1.20以下であることがより好ましい。
前述したHIPEフォームの密度は、HIPEフォームの質量をHIPEフォームの体積にて除することにより算出される。HIPEフォームの体積は、HIPEフォームの外形寸法に基づいて算出することができる。
また、HIPEフォームの最大密度部の密度ρmax及び最小密度部の密度ρminの算出方法は以下の通りである。まず、HIPEフォームを縦方向、横方向及び上下方向の各方向について5等分となるように切断し、125個の直方体の小片を作製する。例えば、図1に示すHIPEフォーム1のように、HIPEフォームが直方体状や立方体状等の比較的単純な形状である場合には、HIPEフォーム1を縦方向、横方向及び上下方向にそれぞれ5等分に分割して小片11を作製すればよい。一方、図には示さないが、HIPEフォームが円柱状や球状等の、等分に分割しただけでは立方体状の小片を得ることができない形状である場合には、HIPEフォームから一辺が60mm以上の直方体を切り出した後、当該直方体を縦方向、横方向及び上下方向にそれぞれ5等分に分割して小片を作製すればよい。なお、前述の方法によりHIPEフォームを分割するに当たり、分割前のHIPEフォームがスキン面、つまり重合時に容器と接触していた面を有する場合には、予めスキン面を含む層を除いた後にHIPEフォームの分割を行う。また、分割前のHIPEフォームから一辺が60mm以上の直方体を切り出す場合、可能な限り大きな直方体をHIPEフォームから切り出した後にHIPEフォームの分割を行う。
このようにして得られた小片11のそれぞれについて、小片11の質量を小片11の体積で除することにより密度を算出する。そして、密度が最大である小片11をHIPEフォームの最大密度部111とし、当該小片の密度をHIPEフォームの最大密度部の密度ρmaxとする。また、密度が最小である小片11をHIPEフォームの最小密度部112とし、当該小片の密度をHIPEフォームの最小密度部の密度ρminとする。なお、最大密度部111は、通常、製造時の高さ方向(つまり、上下方向)において最も上方に位置する小片11のうちの1つである。また、最小密度部112は、通常、製造時の高さ方向において最も下方に位置する小片11のうちの1つである。
HIPEフォームの上下方向における単位長さあたりの前記密度比ρmax/ρminの値(単位:1/m)が8.0以下であることが好ましく、7.5以下であることがより好ましく、7.0以下であることがさらに好ましい。この場合には、HIPEフォームの局所的な物性のばらつきの増大を抑制しつつ、HIPEフォームをより容易に大型化することができる。なお、HIPEフォームの上下方向における単位長さあたりの前記密度比ρmax/ρmin(単位:1/m)の下限は、例えば2であってもよく、3であってもよい。
同様の観点から、HIPEフォームの上下方向における単位長さあたりの、最大密度部の密度ρmaxと最小密度部の密度ρminとの密度差ρmax-ρminの値(単位:(kg/m)/m)が300以下であることが好ましく、200以下であることがより好ましく、150以下であることがさらに好ましく、120以下であることがよりさらに好ましく、100以下であることが特に好ましい。なお、HIPEフォームの上下方向における単位長さあたりの、最大密度部の密度ρmaxと最小密度部の密度ρminとの密度差ρmax-ρminの値(単位:(kg/m)/m)の下限は、例えば5であってもよく、10であってもよい。
また、前記HIPEフォームの上下方向の特定方法は以下の通りである。まず、前述した最大密度部の密度ρmax及び最小密度部の密度ρminの測定方法と同様にして、直方体状の小片を作製する。これらの小片のうち、HIPEフォームまたはHIPEフォームから切り出した立方体の6つの面に露出していた小片を1つの面あたり1個ずつ採取し、各小片の密度を算出する。そして、各小片と、当該小片を採取した面の背面から採取された小片との密度の差を算出する。このようにして算出された密度の差が最も大きい面の並び方向を上下方向とする。なお、このようにして特定されるHIPEフォームの上下方向は、通常、HIPEフォームの製造時の上下方向に対応する。また、HIPEフォームの上下方向を高さ方向ということもある。
HIPEフォームの密度は、後述のHIPEフォームの製造方法において、ビニル系単量体、架橋剤、乳化剤、及び重合開始剤の総量と、水相(具体的には、水性液体)の量との比率等を調整することにより、上記範囲に調整される。
[HIPEフォームの形状]
前記HIPEフォームは、一片の長さが60mmの立方体を切り出し得る大きさを有していれば、どのような形状であってもよい。例えば、前記HIPEフォームは、四角柱状や五角柱状などの角柱状や円柱状等の柱状形状を有していてもよい。前記HIPEフォームを所望の形状に成形する際の成形の自由度をより高める観点から、前記HIPEフォームの形状は柱状であることが好ましく、四角柱状であることがより好ましい。なお、四角柱には、直方体が含まれる。HIPEフォームは、一片の長さが90mmの立方体を切り出し得る大きさを有していることが好ましく、一片の長さが100mmの立方体を切り出し得る大きさを有していることがより好ましい。
前記HIPEフォームの製造過程においては、例えば、重合を行うための容器等に前記高内相エマルションが充填された後、容器が加熱されることにより、高内相エマルション中の有機相の重合が行われる。この際、有機相の重合は、通常、静置された状態の前記高内相エマルション中で進行する。ここで、深い容器を用いて高さが高いような大型のHIPEフォームを製造する場合には、重合反応が十分に進行するまでに要する時間が長くなる傾向にあり、重合途中に、高内相エマルション中の水相が徐々に沈降しやすくなる。そのため、大型のHIPEフォームを製造する場合、容器の上方に存在する高内相エマルションと下方に存在する高内相エマルションとで、水相(水滴)の分布が異なりやすくなり、結果として、得られるHIPEフォームの密度分布に偏りが生じやすくなる傾向があった。これに対し、前記HIPEフォームにおいては、後述する製造方法を採用することで、前記密度比を前記特定の範囲内に容易に制御し、HIPEフォームの密度分布の偏りを容易に抑制することができる。また、前記HIPEフォームは、大型化した場合においても局所的な物性のばらつきを低減することができる。
このような効果をより有益なものとする観点から、前記HIPEフォームの形状が柱状であり、前記HIPEフォームの上下方向の長さ(つまり、HIPEフォームの高さ)が70mm以上であることが好ましく、90mm以上であることがより好ましく、100mm以上であることがさらに好ましく、120mm以上であることが特に好ましい。一方、前記HIPEフォームの上下方向の長さは、例えば500mm以下であってもよく、400mm以下であってもよい。また、前記HIPEフォームの上下方向(高さ方向)と、柱状のHIPEフォームの柱軸方向とが一致することがより好ましい。
同様の観点から、前記HIPEフォームの体積が1×10mm以上であることが好ましく、3×10mm以上であることがより好ましく、5×10mm以上であることがさらに好ましい。一方、前記HIPEフォームの体積は、例えば50×10mm以下であってもよく、40×10mm以下であってもよい。
[気泡構造]
HIPEフォームは、上記のごとく連続気泡構造を有する多孔質重合体である。図2に例示されるように、HIPEフォーム1は重合体から構成された気泡壁12を有している。また、HIPEフォーム1は、多数の気泡13が均質に存在する気泡構造を有すると共に、気泡壁12を貫通し、隣接する気泡間を連通する多数の貫通孔14が形成された連続気泡構造を有する。なお、図2において、気泡13は、気泡壁12により囲まれた部分である。貫通孔14は、気泡壁12を貫通し、隣接する気泡13間を連通する穴である。具体的には、貫通孔14は、気泡壁12に形成されると共に、気泡壁12を挟んで隣接する気泡13間を連通する穴である。貫通孔14のことを、貫通窓、連結孔ということもできる。
HIPEフォームの平均気泡径は10μm以上150μm以下であることが好ましい。HIPEフォームの平均気泡径を前記特定の範囲内とすることにより、HIPEフォーム内の気泡の分布をより均一にすることができる。その結果、HIPEフォームの物性のばらつきをより低減することができる。
前述した平均気泡径は、気泡の円相当直径の平均値である。気泡の円相当直径は、HIPEフォームの断面における気泡の面積と同じ面積の真円の直径である。平均気泡径の測定方法については、後述するが、例えば、HIPEフォームの連続気泡構造を画像解析することにより測定される。
平均気泡径は、後述のHIPEフォームの製造方法において、高内相エマルションの水相(つまり分散相)の水滴径を調整することにより制御できる。例えば、水滴径を小さくすることにより、気泡径をより小さくすることができる。
前記HIPEフォームのサイズが大きくなると、HIPEフォーム内に孔等の欠陥が形成されやすくなる。このような欠陥が存在するとHIPEフォームの均質性が損なわれやすくなる。従って、HIPEフォームの均質性をより高める観点から、前記HIPEフォームの断面における円相当直径3mm以上の孔の数が、断面積1m当たり1個以下(ただし、0個を含む)であることが好ましい。
また、前記HIPEフォームの断面における、円相当直径が1mm以上3mm未満の孔の数が、断面積1m当たり30個以下(ただし、0個を含む)であることが好ましい。この場合には、HIPEフォームの均質性をより高めることができる。また、HIPEフォームを切断した際の切断面の外観等を良好にすることで、HIPEフォームの品質をより高めることができる。同様の観点から、前記HIPEフォームの断面における、円相当直径が1mm以上3mm未満の孔の数が、断面積1m当たり20個以下(ただし、0個を含む)であることがより好ましく、断面積1m当たり10個以下(ただし、0個を含む)であることがさらに好ましく、断面積1m当たり5個以下(ただし、0個を含む)であることがよりさらに好ましい。
前述した孔の数の計測方法は以下の通りである。まず、前述した最大密度部の密度ρmax及び最小密度部の密度ρminの算出方法と同様にして、HIPEフォームから125個の小片を作製する。これらの小片から無作為に20個以上の観察対象を抽出し、観察対象の表面に存在する孔の円相当直径を算出する。そして、観察対象の表面に存在する円相当直径3mm以上の孔の数、及び円相当直径が1mm以上3mm未満の孔の数を断面積1m当たりの数に換算することにより、前述した孔の数を算出することができる。
[構成成分]
HIPEフォームの基材樹脂は、スチレン系単量体及び/またはアクリル系単量体の重合体である。すなわち、HIPEフォームの基材樹脂は、単官能のビニル系単量体の重合体であり、単官能のビニル系単量体に由来する成分を有する。本明細書において、ビニル系単量体は、スチレン系単量体、アクリル系単量体等である。ビニル系単量体としては、スチレン系単量体及び/又はアクリル系単量体を用いることができる。より具体的には、HIPEフォームの基材樹脂は、スチレン系単量体に由来する成分のみからなる重合体であってもよく、アクリル系単量体に由来する成分のみからなる重合体であってもよい。また、HIPEフォームの基材樹脂は、スチレン系単量体に由来する成分と、アクリル系単量体に由来する成分とを有する共重合体であってもよく、スチレン系単量体に由来する成分及びアクリル系単量体に由来する成分のうち少なくとも一方の成分と、他の成分とを有する共重合体であってもよい。
スチレン系単量体としては、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-t-ブチルスチレン、o-クロロスチレン、m-クロロスチレン、p-クロロスチレン、2,4,6-トリブロモスチレン、スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウムなどのスチレン化合物等が挙げられる。アクリル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸アダマンチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、メタクリル酸アダマンチル等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。また、アクリル系単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル等も挙げられる。
ビニル系単量体がスチレン系単量体を含む場合、ビニル系単量体におけるスチレン系単量体の含有割合が、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましい。この場合には、比較的硬質で、機械的物性に優れるHIPEフォームをより容易に得ることができる。また、ビニル系単量体がスチレン系単量体とアクリル系単量体とを含む場合、スチレン系単量体とアクリル系単量体との質量比は、スチレン系単量体:アクリル系単量体=40:60~90:10であることが好ましく、50:50~80:20であることがより好ましい。この場合には、製造コストの削減や、所望の物性に調整しやすくなるという効果が得られる。なお、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味する。
HIPEフォームを構成する重合体は、前述したビニル系単量体に由来する成分に加えて、架橋剤に由来する成分を有していてもよい。架橋剤成分は、重合体における架橋剤に由来する構成単位のことである。架橋剤は、重合体を構成する高分子鎖間を架橋(結合)し、重合体中に架橋構造を形成する化合物である。
架橋剤としては、例えば、ビニル基及びイソプロペニル基から選択される官能基を分子内に少なくとも2つ有するビニル系化合物が用いられる。重合体が架橋剤成分を所定量含有することにより、重合体の剛性、靭性を高めることができる。なお、上記ビニル系化合物には、アクリロイル基やメタクリロイル基のように、官能基の構造中にビニル基及び/又はイソプロペニル基を含む化合物も含まれる。架橋剤を安定して重合させる観点から、ビニル系化合物における、官能基の数は、6個以下であることが好ましく、5個以下であることが好ましく、4個以下であることがさらに好ましい。また、重合体の靭性をより高めやすくなるという観点から、架橋剤は、分子の少なくとも両末端に官能基を有することが好ましく、分子の両末端のみに官能基を有することがより好ましい。
重合体は、例えば1種類の架橋剤を用いて作製された、1種類の架橋剤成分を含有するものであってもよいが、重合体の剛性を高めつつ、重合体の靭性を高めやすいことから、比較的分子鎖が短いハード系架橋剤に由来するハード系架橋剤成分と、比較的分子鎖が長いソフト系架橋剤に由来するソフト系架橋剤成分とを含有することが好ましい。この場合には、HIPEフォームの過度な脆化を抑制することができる。なお、ハード系架橋剤のことを第1架橋剤といい、ソフト系架橋剤のことを第2架橋剤ということもできる。
ハード系架橋剤として用いられるビニル系化合物としては、ジビニルベンゼン;トリアリルイソシアヌレート;多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル等のビニル系化合物が挙げられる。多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルとしては、ブタンジオールジアクリレート等のブタンジオール(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレート等のトリメチロールプロパン(メタ)アクリレート;ヘキサンジオールジアクリレート等のヘキサンジオール(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のペンタエリスリトール(メタ)アクリレート等のビニル系化合物が挙げられる。ただし、ハード系架橋剤における官能基の数は2つ以上である。官能基は、ビニル基及び/又はイソプロペニル基であることが好ましい。これらのハード系架橋剤は、単独で使用されてもよく、2種以上のハード系架橋剤が併用されてもよい。つまり、HIPEフォームに含まれるハード系架橋剤成分は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。なお、HIPEフォームの剛性を調整し易くなるという観点から、ハード系架橋剤としては、ジビニルベンゼン及び/又はブタンジオールジアクリレートを主成分とするハード系架橋剤を用いることが好ましく、ジビニルベンゼンを主成分とするハード系架橋剤を用いることがより好ましい。なお、ハード系架橋剤の主成分とは、ハード系架橋剤中の割合が50質量%以上である成分を意味する。また、ハード系架橋剤において主成分となる前記ビニル系化合物の割合は、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
ソフト系架橋剤として用いられるビニル系化合物としては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル、ポリエーテルグリコールと(メタ)アクリル酸とのエステル、ウレタンオリゴマーと(メタ)アクリル酸とのエステル、エポキシオリゴマーと(メタ)アクリル酸とのエステル、(メタ)アクリル変性シリコーン等が挙げられる。より具体的には、上記ビニル系化合物としては、ノナンジオールジアクリレート等のノナンジオール(メタ)アクリレート;デカンジオールジアクリレート等のデカンジオール(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジアクリレート等のポリエチレングリコール(メタ)アクリレート;ポリプロピレングリコールジアクリレート等のポリプロピレン(メタ)アクリレート;ポリテトラメチレングリコールジアクリレート等のポリテトラメチレングリコール(メタ)アクリレート;ポリグリセリンジアクリレート等のポリグリセリン(メタ)アクリレート;ウレタンジアクリレート等のウレタン(メタ)アクリレート;エポキシジアクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート;ポリエステルジアクリレート等のポリエステル(メタ)アクリレート;両末端(メタ)アクリル変性シリコーン等の(メタ)アクリル変性シリコーン;カプロラクトン変性トリスイソシアヌレート等のカプロラクトン変性イソシアヌレート;エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート等のエトキシ化ビスフェノールA(メタ)アクリレート等が挙げられる。ただし、ソフト系架橋剤における官能基の数は2つ以上である。官能基は、ビニル基及び/又はイソプロペニル基であることが好ましい。これらのソフト系架橋剤は、単独で用いられてもよく、2種以上のソフト系架橋剤が併用されていてもよい。つまり、HIPEフォームに含まれるソフト系架橋剤成分は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。これらの中でも、HIPEフォームの靭性を高めやすい観点から、ソフト系架橋剤としては、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル変性シリコーンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物を用いることが好ましい。
また、HIPEフォームの靭性を調整し易くなるという観点からは、ソフト系架橋剤としてポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを主成分とするソフト系架橋剤を用いることが好ましい。ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートにおけるエチレングリコール由来の繰り返し構成単位の数は、3~23であることが好ましい。なお、ソフト系架橋剤の主成分とは、ソフト系架橋剤中の割合が50質量%以上である成分を意味する。また、ソフト系架橋剤において主成分となる前記ビニル系化合物の割合は、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
代表的な架橋剤の分子量、官能基1つ当たりの分子量(つまり、官能基当量)を表1に示す。
Figure 2023163828000002
HIPEフォームを構成する重合体が、少なくとも、スチレン系単量体と、アクリル系単量体と、架橋剤との共重合体である場合、HIPEフォームの靱性と剛性とのバランスがより良好になるという観点から、重合体におけるスチレン系単量体成分の含有量は、重合体を構成するビニル系単量体成分と架橋剤成分との合計100質量部に対して、30質量部以上85質量部以下であることが好ましく、40質量部以上75質量部以下であることがより好ましく、45質量部以上65質量部以下であることがさらに好ましい。同様の観点から、HIPEフォームを構成する重合体におけるアクリル系単量体成分の含有量は、重合体を構成するビニル系単量体成分と架橋剤成分との合計100質量部に対して、10質量部以上60質量部以下であることが好ましく、15質量部以上50質量部以下であることがより好ましく、20質量部以上40質量部以下であることがさらに好ましい。
また、スチレン系単量体としては、スチレンを用いることが好ましい。スチレン系単量体としてスチレンを用いる場合、スチレン系単量体中のスチレンの含有割合が、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。また、アクリル系単量体としては、炭化水素基の炭素数が3~10の(メタ)アクリル酸エステルを用いることが好ましい。アクリル系単量体として炭化水素基の炭素数が3~10の(メタ)アクリル酸エステルを用いる場合、アクリル系単量体中の、炭化水素基の炭素数が3~10の(メタ)アクリル酸エステルの含有割合が50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
また、炭化水素基の炭素数が3~10の(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸2-エチルヘキシル及び/又はアクリル酸ブチルが好ましく、アクリル酸ブチルがより好ましい。
HIPEフォームを構成する重合体がハード系架橋剤成分とソフト系架橋剤成分とを含む場合において、HIPEフォームの剛性を高めやすくなる観点から、重合体におけるハード系架橋剤成分の含有量は、重合体を構成するビニル系単量体成分と架橋剤成分との合計100質量部に対して、1質量部以上、10質量部以下であることが好ましく、2質量部以上、6質量部以下であることがより好ましく、2質量部以上、5質量部以下であることがさらに好ましい。また、HIPEフォームが過度に脆化することを抑制する観点から、重合体におけるソフト系架橋剤成分の含有量は、重合体を構成するビニル系単量体成分と架橋剤成分との合計100質量部に対して、3質量部以上、50質量部以下であることが好ましく、5質量部以上、40質量部以下であることがより好ましく、8質量部以上、30質量部以下であることがさらに好ましい。
[用途]
前記HIPEフォームは、その物性に応じて種々の用途に用いることができる。例えば、前記HIPEフォームは、吸音材や清掃材、拭き取り材などの用途に用いられてもよい。前述したように、前記HIPEフォームは、大型化した場合においても局所的な物性のばらつきが小さいという特性を有している。そのため、大型のHIPEフォームを作製した後、HIPEフォームを所望の寸法にスライスすることにより、所望の特性を有する吸音材等を効率よく製造することができる。
また、前記HIPEフォームは、切削加工により、切削加工品を製造するための切削加工材料として用いられてもよい。前記HIPEフォームは、前述したように、大型化した場合においても局所的な物性のばらつきが小さいという特性を有しているため、前記HIPEフォームを切削加工材料として用いることにより、より大型の切削加工品を容易に得ることができる。
切削加工品としては、例えば、建築物等の建築模型、機械装置等の機械模型、車や列車等の車両模型、鋳造木型と呼ばれる鋳造用の砂型を作製するための鋳造用模型、美術品や展示品等の美術模型、プレ製品模型等の各種模型が挙げられる。なお、このような模型材料は、被切削体(つまり、切削加工材料)に切削加工を施すことにより製造される。
前記HIPEフォームは、鋳造用模型の作製に用いられることが好ましい。なお、鋳造用模型とは、例えば、砂型の形成に用いられる模型である。このような模型のことを、適宜「木型」という。前記HIPEフォームは、切削面の平滑性に優れているため、前記HIPEフォームから作製された鋳造用模型は、平滑な表面を有している。また、鋳造用模型の表面形状は鋳物の表面形状に反映されるため、平滑な表面を有する鋳造用模型を用いて鋳造を行うことにより、滑らかな鋳肌を有する鋳物を容易に得ることができる。
(HIPEフォームの製造方法)
HIPEフォームは、油中水型高内相エマルションを重合させることにより得られる。油中水型高内相エマルションの有機相は、ビニル系単量体、架橋剤、乳化剤、重合開始剤等を含む連続相であり、水相は、脱イオン水等の水を含む分散相である。
HIPEフォームの製造方法は、例えば、アクリル系単量体及び/又はスチレン系単量体と、乳化剤と、重合開始剤とを含む有機相に、水を含む水相を内包させた油中水型高内相エマルションを形成する乳化工程と、
反応容器に充填された前記油中水型高内相エマルション中で、アクリル系単量体及び/又はスチレン系単量体を重合する重合工程とを有している。
[乳化工程]
乳化工程においては、ビニル系単量体、乳化剤及び重合開始剤等の有機物を含む油性液体(有機相)を攪拌しながら、油性液体中に水を含む水性液体(水相)を滴下することにより、油中水型高内相エマルションを作製する。乳化工程では、体積比で水相が有機相の例えば3倍以上となるように油性液体に水性液体を添加することにより、高内相エマルションを作製することができる。なお、有機相に内包させる水相の比率は、有機相と水相との質量比で調整することができる。高内相エマルションにおける前記水相の含有量は、前記有機相100質量部に対して、250質量部以上3000質量部以下であることが好ましく、400質量部以上2500質量部以下であることがより好ましく、500質量部以上2000質量部以下であることがさらに好ましい。
乳化工程において形成される油中水型高内相エマルションの粘度は、1Pa・s以上250Pa・s以下であることが好ましい。高内相エマルションの粘度を前記特定の範囲とすることにより、高内相エマルション中に水相を均一に分散させるとともに、水相の分散状態を安定させることができる。その結果、最終的に得られるHIPEフォーム中に気泡をより均一に形成し、最大密度部の密度ρmaxと最小密度部の密度ρminとの差をより小さくするとともに局所的な物性のばらつきをより小さくすることができる。高内相エマルションの粘度が低すぎる場合には、高内相エマルション中の水相が重力によって沈降しやすくなる。その結果、最終的に得られるHIPEフォームにおける製造時に下方であった部分に気泡が偏在しやすくなり、最大密度部の密度ρmaxと最小密度部の密度ρminとの差が大きくなりやすい。一方、高内相エマルションの粘度が高すぎる場合には、高内相エマルションの攪拌中に気泡が混入しやすくなり、最終的に得られるHIPEフォーム中に孔等の欠陥が形成されやすくなる。これらの問題をより容易に回避する観点から、乳化工程において形成される油中水型高内相エマルションの粘度は、3Pa・s以上200Pa・s以下であることがより好ましく、5Pa・s以上150Pa・s以下であることがさらに好ましく、10Pa・s以上100Pa・s以下であることが特に好ましい。
油中水型高内相エマルションの粘度は、B型粘度計を用いて測定される値である。高内相エマルションの粘度の具体的な測定方法については実施例において詳説する。
乳化工程での攪拌速度は、特に限定されないが、例えば、攪拌動力密度が0.01kW/m3以上10kW/m3以下の範囲内から適宜設定することができる。所望の気泡構造を有するHIPEフォームをより容易に得やすくなる観点からは、乳化工程における攪拌動力密度は0.03kW/m3以上7kW/m3以下であることがより好ましい。なお、乳化工程における攪拌動力密度(単位:kW/m3)は、乳化工程において用いる攪拌装置のトルク(単位:N・m)、回転数(単位:rpm)から、攪拌時における動力(単位:kW)を算出し、この動力を乳化工程における容器の内容物の体積(単位:m3)で除することで求めることができる。
乳化工程での油性液体への水性液体の添加方法は、特に限定されないが、攪拌容器内に油性液体と水性液体を投入した状態で攪拌を開始して乳化を行う方法や、攪拌容器内に油性液体のみを投入して攪拌を開始し、攪拌下で、容器内にポンプ等を用いて水性液体を投入して乳化を行う方法等を採用することができる。ポンプなどを用いて水性液体を投入する場合、水性液体の添加速度は、特に限定されないが、例えば、油性液体100質量%に対して10質量%/min以上1000質量%/min以下の範囲にて調整することができる。水性液体の添加速度は、油性液体(有機相)100質量%に対して100質量%/min以上800質量%/min以下であることがより好ましく、200質量%/min以上600質量%/min以下であることがさらに好ましい。また、乳化工程の具体的な態様は特に限定されることはなく、例えば、攪拌装置を備えた攪拌容器や遠心振とう機を用いて乳化するバッチ式の乳化工程、スタティックミキサーやメッシュ等を備えたライン中に、油性液体と水性液体を連続的に供給して混合させる連続式の乳化工程の種々の態様を採用することができる。
水相は、脱イオン水等の水、重合開始剤、電解質などを含むことができる。乳化工程では、例えば、油性液体、水性液体をそれぞれ作製し、攪拌下で油性液体に水性液体を添加して、高内相エマルションを作製する。また、乳化工程において、水相及び/又は有機相には、難燃剤、難燃助剤、耐光剤、着色剤等の添加剤を適宜配合することができる。
難燃剤は、HIPEフォームの難燃性を向上させるために用いられる。難燃剤としては、ハロゲン、リン、窒素、シリコーン等を含む有機化合物;金属水酸化物、リン、窒素等を含む無機化合物等が挙げられる。難燃剤は、本発明の効果を損なわない範囲で使用され得る。難燃剤を配合する場合、その配合量は、重合体を構成するビニル系単量体成分と架橋剤成分との合計100質量部に対して、5質量部以上20質量部以下であることが好ましい。少量の添加でも優れた難燃性を付与しやすい観点から、難燃剤としては、臭素化ビスフェノール系難燃剤を用いることが好ましく、2,3-ジブロモ-2-メチルプロピル基を有する臭素化ビスフェノール系難燃剤及び/又は2,3-ジブロモプロピル基を有する臭素化ビスフェノール系難燃剤を用いることがより好ましく、2,2-ビス(4-(2、3-ジブロモ-2-メチルプロポキシ)-3,5-ジブロモフェニル)プロパンを用いることがさらに好ましい。
また、HIPEフォームには、難燃効率を向上させる目的として、難燃助剤を適宜配合することができる。例えば、ハロゲン系難燃剤を用いる場合において、難燃助剤としてジクミルパーオキサイド等のラジカル発生剤を用いると、ラジカル発生剤の分解によって難燃剤中のハロゲンの脱離が促進され、難燃効率の向上が期待できる。また、ハロゲン系難燃剤を用いる場合において、難燃助剤として三酸化アンチモン等のアンチモン化合物を用いると、ハロゲン系難燃剤によるラジカルトラップの効果と、酸化アンチモンによる空気遮断の効果とが相乗的に複合されることで難燃効率の向上が期待できる。なお、難燃剤は単独で用いても良く、異なる難燃機構の難燃剤を2種以上併用しても良い。
重合開始剤は、ビニル系単量体の重合を開始させるために用いられる。重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤を用いることができる。具体的には、ジラウロイルパーオキサイド(LPO)、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(LTCP)、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、t-ブチルパーオキシピバレエート、t-ヘキシルパーオキシピバレエート、t-ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ヘキシルパーオキシネオデカノエート、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物;2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’アゾビス(4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’アゾビス(2-メチルプロピオネート)、2,2’アゾビス(2-メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物等が用いられる。これらの重合開始剤は、単独で使用されてもよいし、2種以上の重合開始剤が併用されてもよい。
高内相エマルションに添加される重合開始剤には、1時間半減期温度が40℃以上70℃以下である重合開始剤が含まれていることが好ましい。1時間半減期温度が40℃以上70℃以下である重合開始剤を使用することにより、重合工程におけるビニル系単量体の重合開始温度をより低くすることができる。そして、ビニル系単量体の重合開始温度を低くすることにより、油中水型高内相エマルションにおける水相の沈降が進む前にビニル系単量体を十分に進行させることができる。その結果、最終的に得られるHIPEフォーム中に気泡をより均一に形成し、最大密度部の密度ρmaxと最小密度部の密度ρminとの差をより小さくすることができる。
重合開始剤は、有機相及び/又は水相に添加することができる。また、水相に重合開始剤を添加する場合は、2,2’アゾビス(2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン)ジヒドロクロリド、2,2’アゾビス(2-メチルプロピオナミジンジヒドロクロリド、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性の重合開始剤を用いてもよい。重合開始剤の添加量は、例えば、ビニル系単量体と架橋剤との合計100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下の範囲とすることができる。また、最大密度部の密度ρmaxと最小密度部の密度ρminとの差を小さくできるという観点からは、重合開始剤の添加量は、ビニル系単量体と架橋剤との合計100質量部に対して、0.4質量部以上4質量部以下であることが好ましく、0.6質量部以上3質量部以下であることがより好ましい。
乳化剤は、高内相エマルションの形成及び安定化のために用いられる。乳化剤としては、例えば、界面活性剤を用いることができる。具体的には、ポリグリセリン縮合リシノレート、ポリグリセリンステアレート、ポリグリセリンオレエート、ポリグリセリンラウレート、ポリグリセリンミリステート等のグリセロールエステル類;ソルビタンオレエート、ソルビタンステアレート、ソルビタンラウレート、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート等のソルビトールエステル類;エチレングリコールソルビタンエステル類;エチレングリコールエステル類;ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体等が用いられる。乳化剤の添加量は、例えば、ビニル系単量体と架橋剤と乳化剤との合計100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲とすることができる。
電解質は、水相にイオン強度を付与し、乳化物の安定性を高めるために用いられる。電解質としては、水溶性の電解質を用いることができる。具体的には、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム等が用いられる。電解質の添加量は、例えば、水性液体100質量部に対して、0.01質量部以上10質量部以下の範囲とすることができる。
[重合工程]
重合工程においては、前記油中水型高内相エマルションを反応容器に充填した後、反応容器内でスチレン系単量体及び/またはアクリル系単量体を重合させる。重合工程においては、例えば、反応容器内の高内相エマルションを加熱することにより、ビニル系単量体を重合させて重合生成物(具体的には、水分を含んだ重合体)を得ることができる。重合工程における高内相エマルションの加熱方法としては、温水等の熱媒体液による加熱や、高周波及びマイクロ波などの電磁波による加熱等を好適に採用することができる。これらの加熱方法を採用することによって、ビニル系単量体の重合を早期に完了させやすくなり、所望の密度比等を有するHIPEフォームを製造しやすくなる。
重合工程での重合温度は、例えば、ビニル系重合体の種類、重合開始剤の種類、架橋剤の種類等によって調整される。HIPEフォーム中に気泡をより均一に形成し、最大密度部の密度ρmaxと最小密度部の密度ρminとの差をより小さくすることができる観点からは、重合温度は、50℃以上90℃以下であることが好ましい。また、重合温度が前述した範囲内である場合、重合時間は、0.5時間以上15時間以下であることが好ましく、0.5時間以上12時間以下であることがより好ましく、0.5時間以上10時間以下であることがさらに好ましい。
重合工程においては、油中水型高内相エマルションの反応容器への充填が完了した時点から3時間以内に前記アクリル系単量体及び/または前記スチレン系単量体の温度を50℃に到達させることが好ましい。このように、重合工程においてビニル系単量体の温度を迅速に上昇させることにより、油中水型高内相エマルションにおける水相の沈降が進む前にビニル系単量体の重合を十分に進行させることができる。その結果、最終的に得られるHIPEフォーム中に気泡をより均一に形成し、最大密度部の密度ρmaxと最小密度部の密度ρminとの差をより小さくすることができる。かかる観点から、重合工程においては、油中水型高内相エマルションの反応容器への充填が完了した時点から1時間以内に前記アクリル系単量体及び/または前記スチレン系単量体の温度を50℃に到達させることがより好ましく、0.5時間以内に前記アクリル系単量体及び/または前記スチレン系単量体の温度を50℃に到達させることがさらに好ましい。
また、重合工程においては、油中水型高内相エマルションの反応容器への充填が完了した時点から前記アクリル系単量体及び/または前記スチレン系単量体の重合転化率が90%に到達するまでの時間を7時間以内とすることが好ましい。このように、重合工程においてビニル系単量体を比較的短時間で重合させることにより、油中水型高内相エマルションにおける水相の沈降が進む前にビニル系単量体の重合を十分に進行させることができる。その結果、最終的に得られるHIPEフォーム中に気泡をより均一に形成し、最大密度部の密度ρmaxと最小密度部の密度ρminとの差をより小さくすることができる。かかる観点から、重合工程においては、油中水型高内相エマルションの反応容器への充填が完了した時点から前記アクリル系単量体及び/または前記スチレン系単量体の重合転化率が90%に到達するまでの時間を5時間以内とすることがより好ましく、4時間以内とすることがさらに好ましい。
重合工程においては、温水等の熱媒体液や、高周波及びマイクロ波などの電磁波を用いて反応容器に充填された高内相エマルションの加熱を行い、反応容器内の単量体の加熱効率を高めることにより、重合温度を早期に所定の温度まで上昇させることや、単量体の重合転化率が90%に到達するまでの時間を短縮することができる。
重合工程におけるビニル系単量体の重合転化率の算出方法は以下の通りである。まず、前述した方法により、重合転化率を測定しようとする時点まで重合工程を行う。次に、重合転化率を測定しようとする時点まで重合工程が進行した時点から10分以内に反応容器の内容物の温度を30℃以下まで冷却して重合反応を停止させる。
内容物の冷却が完了した後、反応容器から重合途中のHIPEフォームを取り出す。そして、HIPEフォームの中心部からサンプルを採取する。このサンプル中に残留する未反応のビニル系単量体の量をガスクロマトグラフィーを用いて測定する。ビニル系単量体の重合転化率は、下記式(1)により算出される値である。
重合転化率(単位:質量%)=100-未反応のビニル系単量体の量(単位:質量%) ・・・(1)
[乾燥工程]
以上のようにして得られた重合生成物、つまり、水分を含んだ重合体から水分を除去することにより、HIPEフォームを得ることができる(乾燥工程)。乾燥工程では、オーブン、真空乾燥機、高周波・マイクロ波乾燥機等を用いて、重合生成物を乾燥させる。乾燥が完了することで、重合前の乳化物において水滴があった箇所が、乾燥後の重合体においては気泡となり、HIPEフォームを得ることができる。乾燥前に、例えばプレス機等を用いて圧搾することにより重合生成物を脱水させることができる。圧搾は、室温(例えば23℃)で行ってもよいが、例えば、HIPEフォームを構成する重合体のガラス転移温度以上の温度で行うこともできる。この場合には、圧搾による脱水が容易になり、乾燥時間を短くすることができる。また、遠心分離により、重合体の脱水を行うこともできる。この場合にも乾燥時間を短くすることができる。
前記HIPEフォームの実施例を以下に説明する。なお、実施例及び比較例において用いたアクリル系単量体、スチレン系単量体、架橋剤、乳化剤及び重合開始剤及びこれらの略称は以下の通りである。
・アクリル系単量体
BA:ブチルアクリレート
2EHA:2-エチルヘキシルアクリレート
・スチレン系単量体
St:スチレン
・架橋剤
DVB:ジビニルベンゼン(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製「DVB-570」、純度57%)
PEGDA:ポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製「NKエステルA-400」)
EpDA:エポキシジアクリレート(具体的には、両末端アクリル変性エポキシプレポリマー、ダイセル・オルネクス株式会社製「EBECRYL(登録商標)3708」)
・乳化剤
PGPR:ポリグリセリン縮合リシノレート(阪本薬品工業株式会社製「CRS-75」)
DGMO:ジグリセリンモノオレエート
・重合開始剤
LPO:ジラウロイルパーオキサイド(日油株式会社製「パーロイル(登録商標)L」、1時間半減期温度:79.5℃)
LTCP:ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(日油株式会社製「パーロイルTCP」、1時間半減期温度:57.5℃)
PPS:過硫酸カリウム
(実施例1)
本例では、以下の方法によりHIPEフォームを製造した。まず、トルク変換器付攪拌装置の付いた内容積が3Lのガラス容器に、スチレン系単量体としてのスチレン54質量部と、アクリル系単量体としてのブチルアクリレート24質量部と、架橋剤としてのジビニルベンゼン12質量部及びポリエチレングリコールジアクリレート5質量部と、乳化剤としてのポリグリセリン縮合リシノレート5質量部と、重合開始剤としてのジラウロイルパーオキサイド0.5質量部及びビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート0.2質量部とを投入した。これらをガラス容器内で混合することにより、有機相を形成した。
次に、攪拌動力密度1.6kW/m3で有機相を攪拌しながら、温度20℃の脱イオン水614質量部を約450g/minの速度でガラス容器内に添加した。脱イオン水の添加が終了してから10分間攪拌を継続することにより、油中水型(つまりW/O型)の高内相エマルションを調製した。乳化完了後の攪拌動力密度は1.4kW/m3であった。なお、攪拌動力密度(単位:kW/m3)は、攪拌装置のトルク(単位:N・m)、回転数(単位:rpm)より動力(単位:kW)を算出し、内容物の体積(単位:m3)で除することで求めることができる。
次に、攪拌動力密度を0.1kW/m3に下げ、ガラス容器にアスピレーターを接続して容器内を減圧することにより、エマルション中に含まれる微小気泡を除去した。減圧開始から10分後、攪拌を停止して容器内を大気圧に戻した。なお、攪拌開始から攪拌終了までの間、チラーを用いてガラス容器内の温度を20℃に維持した。
このようにして得られた高内相エマルションを、幅約160mm、長さ約220mm、深さ約170mmの反応容器に充填した。その後、マイクロ波加熱装置を用いて反応容器内の高内相エマルションに出力1000Wのマイクロ波を約15分間照射し、高内相エマルションの中心部の温度を70℃まで上昇させた。マイクロ波による加熱が完了した後、反応容器を温度70℃の恒温水槽に投入し、温水により反応容器の内容物を6時間加熱した。以上により、高内相エマルション中のスチレン系単量体、アクリル系単量体及び架橋剤を重合させ、反応容器内に水を含むHIPEフォームを形成した。
次に、反応容器を恒温水槽から取り出してHIPEフォームを冷却した。その後、反応容器からHIPEフォームを取り出し、水で洗浄した。洗浄後のHIPEフォームを90℃のオーブンで恒量になるまで乾燥させた後、HIPEフォームの表面からの深さが2mmとなる位置でHIPEフォームを切断することにより、HIPEフォームのスキン層(HIPEフォームのスキン面を含む層)を除去した。このようにして、ビニル系重合体から構成された、直方体形状のHIPEフォームを得た。このHIPEフォームの寸法は、縦160mm、横220mm、高さ(上下方向の長さ)170mmであった。なお、HIPEフォームの上下方向は、HIPEフォームの重合時における上下方向に対応する。
本例の仕込み組成等を表2に示す。なお、HIPEフォーム中の各種成分(ビニル系単量体及び架橋剤)の含有量は、仕込み時における、各種成分の配合量(架橋剤に関しては、不純物を除く配合量)と、ビニル系単量体成分と架橋剤成分(不純物を除く)との合計配合量とから求めることができる。
(実施例2)
本例においては、重合時に使用する反応容器の寸法を、幅約500mm、長さ約500mm、深さ約110mmに変更した点、及び高内相エマルションを加熱する際にマイクロ波を使用せず、70℃の恒温水槽を用いて温水のみで12時間加熱した点以外は、実施例1と同様にしてHIPEフォームを得た。本例のHIPEフォームの寸法は、縦500mm、横500mm、高さ(上下方向の長さ)110mmであった。
(実施例3)
本例においては、有機相に対する水相の添加量を表2に示すように変更した点以外は、実施例2と同様にしてHIPEフォームを得た。なお、本例における乳化完了時の攪拌動力密度は1.6kW/m3であった。
(実施例4)
本例においては、有機相に対する水相の添加量を表3に示すように変更した点以外は、実施例1と同様にしてHIPEフォームを得た。なお、実施例4における乳化完了時の攪拌動力密度は1.0kW/m3であった。
(実施例5、実施例8、実施例9)
本例においては、水相および有機相の組成を表3または表4に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてHIPEフォームを得た。なお、実施例5における乳化完了時の攪拌動力密度は2.0kW/m3であり、実施例8における乳化完了時の攪拌動力密度は2.1kW/m3であり、実施例9における乳化完了時の攪拌動力密度は1.7kW/m3であった。
(実施例6)
本例においては、乳化時の攪拌回転数を変更するとともに、脱泡時の攪拌動力密度を0.06kW/m3に変更した以外は、実施例1と同様にしてHIPEフォームを得た。なお、本例における乳化完了時の攪拌動力密度は0.06kW/m3であった。
(実施例7)
本例においては、乳化時の攪拌回転数を変更した以外は、実施例1と同様にしてHIPEフォームを得た。なお、本例における乳化完了時の攪拌動力密度は7.9kW/m3であった。
(実施例10)
本例においては、重合時に使用する反応容器の寸法を、幅約250mm、長さ約250mm、深さ約300mmに変更した点以外は、実施例2と同様にしてHIPEフォームを得た。本例のHIPEフォームの寸法は、縦250mm、横250mm、高さ(上下方向の長さ)300mmであった。
(比較例1)
本例においては、水相および有機相の組成を表5に示すように変更し、高内相エマルションを加熱する際にマイクロ波を使用せず、70℃のオーブンを用いて温風のみで12時間加熱した以外は、実施例1と同様にしてHIPEフォームを得た。なお、本例における乳化完了後の攪拌動力密度は1.4kW/m3であった。
(比較例2)
本例においては、水相および有機相の組成を表5に示すように変更するとともに、高内相エマルションの重合温度を65℃に変更した以外は、比較例1と同様にしてHIPEフォームを得た。なお、本例における乳化完了後の攪拌動力密度は1.5kW/m3であった。
(比較例3)
本例においては、乳化時の攪拌回転数を変更するとともに脱泡時の攪拌動力密度を0.02kW/m3に変更した以外は、実施例1と同様にしてHIPEフォームを得た。なお、本例における乳化完了時の攪拌動力密度は0.02kW/m3であった。
(比較例4)
本例においては、高内相エマルションを加熱する際にマイクロ波を使用せず、70℃の温風のみを用いて12時間加熱した以外は、実施例9と同様にしてHIPEフォームを得た。
次に、表2~表5に示した各物性の評価方法を説明する。
[高内相エマルションの粘度]
B型粘度計(英弘精機株式会社製「LVDV-II+Pro」)を用い、乳化工程において攪拌が完了した後の高内相エマルションの粘度を測定した。実施例及び比較例において得られる高内相エマルションは擬塑性流体であるため、せん断速度がゼロである状態(つまり、静置状態)では粘度が高く、せん断速度が高くなると粘度が低下する。それ故、同一の高内相エマルションを測定する場合であっても、スピンドルの回転数(つまり、せん断速度)が変化すると粘度の測定値が変化する。このようなせん断速度による粘度の変化の影響を避けるため、スピンドルの回転速度は0.2rpmとし、測定時のトルクが装置の最大許容トルクに対して10%以上90%以下の範囲となるようなスピンドルを用いて測定を行った。より具体的には、粘度が概ね10000mPa・s以下の場合にはLV-1スピンドルを、概ね10000mPa・sを超え80000mPa・s以下の場合にはLV-2スピンドルを、概ね80000mPa・sを超えるの場合にはLV-3スピンドルを使用した。また、測定温度は20℃とし、測定に使用した高内相エマルションの量は600mLとした。
[中心点の50℃到達時間、60℃到達時間及び70℃到達時間]
重合時における反応容器の中心点の温度測定は、前述したHIPEフォームの作製とは別の実験として行った。具体的には、安立計器株式会社製の蛍光式光ファイバー温度計(FL-2000)を用い、プローブの先端が反応容器の中心になるよう固定し、前述したHIPEフォームの作製と同じ手順で重合を開始し、反応容器の中心部の温度推移を測定した。そして、上記測定における加熱開始時点から反応容器の中心部の温度が50℃、60℃及び70℃に到達するまでの所要時間を、重合工程における、加熱開始時点から、反応容器の中心部における温度が50℃、60℃及び70℃に到達するまでの所要時間とした。
[重合転化率90%までの所要時間]
重合転化率が90%に到達するまでの所要時間の測定は、前述したHIPEフォームの作製とは別の実験として行った。まず、シミュレーションにより重合転化率が90%に到達する時間を予測した。次に、実施例及び比較例と同様の方法により高内相エマルションを作製し、シミュレーションによる予測を参考に、重合転化率を測定しようとする時点まで重合工程を行った。重合転化率を測定しようとする時点まで重合工程を進行させた後、10分以内に反応容器の内容物の温度を30℃以下まで冷却して重合反応を停止させた。
内容物の冷却が完了した後、反応容器から重合途中のHIPEフォームを取り出した。そして、HIPEフォームの中心部からサンプルを採取した。このサンプル中に残留する未反応のビニル系単量体の量をガスクロマトグラフィーを用いて測定した。このようにして得られた未反応のビニル系単量体の量を用い、下記式に基づいて重合転化率を算出した。
重合転化率(単位:質量%)=100-未反応のビニル系単量体の量(単位:質量%)
以上の操作を、重合開始からの経過時間を0.5時間間隔で段階的に変更して複数回行い、重合転化率が90%以上となった時の重合開始からの経過時間を重合転化率90%までの所要時間とした。
なお、ガスクロマトグラフィーの詳細な測定条件は以下の通りである。
まず、100mLのメスフラスコに内部標準物質としてのシクロペンタノール約5gを入れ、シクロペンタノールの質量を小数点以下第3位まで精秤した。次いで、メスフラスコ内にジメチルホルムアミド(DMF)を加えて全体の体積を100mLにした。このシクロペンタノール/DME溶液に、さらにDMFを加え、溶液を100倍希釈することで、内部標準溶液を調製した。
次いで、測定対象となるサンプル約1gを小数点以下第3位まで精秤した。精秤した試料を約18mLのDMFに溶解させ、さらに内部標準溶液をホールピペットにて正確に2mL加えた。このようにして得られた溶液1μLをマイクロシリンジにて採集し、ガスクロマトグラフィーに導入し、クロマトグラムを得た。得られたクロマトグラムから、未反応のビニル系単量体及び内部標準物質のピーク面積を求め、下式(2)から各成分の濃度を求めた。
成分濃度(質量%)=(Wi/10000)×2×(An/Ai)×Fn÷Ws×100 ・・・(2)
なお、上記式(2)における各記号の意味は以下の通りである。
Wi:内部標準溶液を作成したときのシクロペンタノール質量(単位:g)
Ws:DMFに溶解させた試料質量(単位:g)
An:ガスクロマトグラフ測定時の各成分のピーク面積
Ai:ガスクロマトグラフ測定時の内部標準物質のピーク面積
Fn:あらかじめ作成した検量線より求めた各成分の補正係数
また、上記ガスクロマトグラフ分析の条件は以下の通りとした。
使用機器:(株)島津製作所製のガスクロマトグラフGC-6AM
検出器:FID(水素炎イオン化検出器)
カラム材質:内径3mm 、長さ5000mmのガラスカラム
カラム充填剤:[液相名]FFAP(遊離脂肪酸)、[液相含浸率]10質量%、[担体名]ガスクロマトグラフ用珪藻土Chomasorb W、[担体粒度]60/80メッシュ、[担体処理方法]AW-DMCS(水洗・焼成・酸処理・シラン処理)、[充填量]90mL
注入口温度:250℃
カラム温度:120℃
検出部温度:250℃
キャリヤーガス:N、流量:40ml/分
[最大密度部の密度ρmax、最小密度部の密度ρmin
スキン層を除去した後のHIPEフォームを、縦方向、横方向及び上下方向(高さ方向)のそれぞれについて5等分に分割することにより、125個の直方体状の小片を作製した。次に、各小片の質量(単位:kg)を外形寸法から算出される体積(単位:m)で除することにより、各小片の密度(単位:kg/m)を算出した。そして、125個の小片のうち、最も密度の高い小片を最大密度部とし、その密度を最大密度部の密度ρmaxとした。また、最も密度の低い小片を最小密度部とし、その密度を最小密度部の密度ρminとした。なお、実施例及び比較例のいずれにおいても、最大密度部はスキン層を除去した後のHIPEフォームにおける上面を含む小片であり、最小密度部はスキン層を除去した後のHIPEフォームにおける下面を含む小片であった。
また、表2~表5には、最小密度部ρminに対する最大密度部の密度ρmaxの密度比ρmax/ρmin、この密度比をHIPEフォームの高さ(上下方向の長さ)で除した値である密度比/高さ、最大密度部の密度ρmaxと最小密度部の密度ρminとの密度差ρmax-ρmin、及びこの密度差をHIPEフォームの高さで除した値である密度差/高さの値を記載した。
[HIPEフォーム全体の密度]
HIPEフォームの質量(単位:kg)を外形寸法から算出される体積(単位:m)で除することにより、HIPEフォーム全体の密度(単位:kg/m)を算出した。
[上方部の曲げ最大点応力、下方部の曲げ最大点応力]
スキン層を除去した後のHIPEフォームの表面のうち、製造時の高さ方向における上方の面を上面とし、上面からの深さが20mmとなる面に沿ってHIPEフォームを切断した。これにより得られた、HIPEフォームにおける上面を含む厚み20mmの板から幅25mm、長さ120mm、厚み20mmの試験片を5つ作製した。これらの試験片を用い、JIS K7221-1:2006に準拠して3点曲げ試験を実施した。そして、5つの試験片の曲げ最大点応力の算術平均値を上方部の曲げ最大点応力とした。
3点曲げ試験の具体的な試験条件は以下の通りである。
・測定装置:株式会社島津製作所製「オートグラフAGS-10kNG」
・室温:23℃
・湿度:50%
・試験速度:10mm/min
・支点間距離:100mm
・支持台及び圧子の先端形状:半径5mmの円柱状
また、スキン層を除去した後のHIPEフォームの表面のうち、製造時の高さ方向における下方の面を下面とし、下面からの深さが20mmとなる面に沿ってHIPEフォームを切断した。これにより得られた、HIPEフォームにおける下面を含む厚み20mmの板から幅25mm、長さ120mm、厚み20mmの試験片を5つ作製した。これらの試験片を用い、JIS K7221-1:2006に準拠して3点曲げ試験を実施した。そして、5つの試験片の曲げ最大点応力の算術平均値を下方部の曲げ最大点応力とした。
また、表2~表5には、これらの曲げ最大点応力の測定結果に基づいて算出した、曲げ最大点応力の平均値、応力比、曲げ最大点応力の標準偏差、曲げ最大点応力の変動係数及び比強度を記載した。具体的には、曲げ最大点応力の平均値は、上方部から採取した5個の試験片の曲げ最大点応力と、下方部から採取した5個の試験片の曲げ最大点応力との算術平均値である。応力比は、下方部の曲げ最大点応力に対する上方部の曲げ最大点応力の比を百分率(単位:%)で表した値である。曲げ最大点応力の標準偏差は、上方部から採取した5個の試験片の曲げ最大点応力と、下方部から採取した5個の試験片の曲げ最大点応力とから算出した値である。曲げ最大点応力の変動係数は、曲げ最大点応力の平均値に対する標準偏差の比を百分率(単位:%)で表した値である。比強度は、HIPEフォーム全体の密度に対する、上方部の曲げ最大点応力と下方部の曲げ最大点応力との算術平均値の比(単位:kN・m/kg)である。
[平均気泡径]
まず、前述した最大密度部の密度ρmax及び最小密度部の密度ρminの算出方法において作製された125個の小片のうち、上下方向の各段から無作為に1個ずつ小片を取り出した。これら5個の試料を、低真空走査電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクサイエンス製「Miniscope(登録商標) TM3030Plus」)で観察し、断面写真を撮影した。図2に、HIPEフォームの断面写真の一例を示す。なお、詳細な観察条件は以下の通りとした。
・試料の前処理:メタルコーティング装置(株式会社真空デバイス製「MSP-1S」)を用いて、試料の導電処理を行った。ターゲット電極にはAu-Pdを用いた。
・観察倍率:50倍
・加速電圧:5kV
・観察条件:表面(低倍率)
・観察モード:二次電子(標準)
次に、撮影した断面写真を画像処理ソフト(ナノシステム(株)のNanoHunter NS2K-Pro)で解析し、各試料の断面写真上に存在する気泡の気泡径(円相当直径)を算出した。そして、これらの算術平均値を各試料の気泡径とした。さらに、5つの試料の気泡径を算術平均し、この値をHIPEフォームの平均気泡径とした。詳細な解析の手順および条件は以下の通りとした。
(1)モノクロ変換
(2)平滑化フィルタ(3×3、8近傍、処理回数=1)
(3)濃度ムラ補正(背景より明るい、大きさ=5)
(4)NS法2値化(背景より暗い、鮮明度=9、感度=1、ノイズ除去、濃度範囲=0~255)
(5)収縮(8近傍、処理回数=1)
(6)特徴量(面積)による画像の選択(50~∞μm2のみ選択、8近傍)
(7)隣と接続されない膨張(8近傍、処理回数=3)
(8)円相当直径計測(面積から計算、8近傍)
[1m当たりの円相当直径3mm以上の孔の個数、円相当直径1~3mmの孔の個数]
前述した最大密度部の密度ρmax及び最小密度部の密度ρminの算出方法において作製された125個の小片から、無作為に20個の小片を取り出した。これら20個の観察対象の断面に存在する孔の円相当直径を算出した。そして、観察対象の断面に存在する円相当直径3mm以上の孔の数、及び円相当直径が1mm以上3mm未満の孔の数を数えた。これらの値を観察を行った断面の面積で除することにより、断面1m当たりに存在する孔の数を算出した。
また、表2~表5の「穴の最大径」欄には、前述した観察対象物の断面に存在していた孔の円相当直径の最大値を記載した。
[切削面の平滑性]
実施例1、2、7、10及び比較例1、3で得られたHIPEフォームを用い、以下の方法により切削面の平滑性を評価した。
まず、スキン層を除去した後のHIPEフォームから、HIPEフォームの下面を含む切削用サンプルを切り出した。次に、切削加工装置を用いて切削用サンプルにおけるHIPEフォームの下面に直線状の溝を形成した。詳細な切削条件は、以下の通りである。
・切削加工装置:NCルータ(SHODA株式会社製「NCN8200」)
・切削工具:スクエアエンドミル(福田鉄工株式会社製、4枚刃、直径20mm)
・切削工具の回転数:3000rpm
・切削工具の送り速度:5000mm/min
・切削深さ:10mm
次に、(株)キーエンス製の3D形状測定機VR-3200を用いて、切削加工により形成した溝の底面の算術平均面粗さSa及び最大面粗さSzを測定した。なお、観察倍率は12倍であり、測定領域は実寸法で約18mm×24mmの範囲とした。この測定領域は、観察倍率12倍で観察した場合の観察面の全領域に相当する。なお、算術平均面粗さSaは、基準面からの凹凸の平均値であり、最大面粗さSzは、最高点と最低点の差である。
上記の評価において、溝の底面の算術平均粗さSaが20μm以下、かつ最大面粗さSzが500μm以下である場合に、切削面(つまり、溝の底面)の平滑性が良好であると判断した。また、溝の底面の算術平均粗さSaが20μmを超える場合、または最大面粗さSzが500μmを超える場合に、切削面(つまり、溝の底面)の平滑性に劣ると判断した。
Figure 2023163828000003
Figure 2023163828000004
Figure 2023163828000005
Figure 2023163828000006
表2~表4に示したように、実施例のHIPEフォームの密度及び最小密度部の密度ρminに対する最大密度部の密度ρmaxの密度比ρmax/ρminはそれぞれ前記特定の範囲内である。そのため、実施例のHIPEフォームは、大型化した場合においても局所的な物性のばらつきが小さい。また、[切削面の平滑性]評価の結果、実施例のHIPEフォームの切削面の平滑性は良好であり、大型化した場合においても切削加工性に優れていた。
一方、表5に示したように、比較例のHIPEフォームにおける密度比ρmax/ρminは前記特定の範囲よりも大きくなった。これは、重合工程において、重合反応が開始されるまでの時間が長い、あるいは有機相の粘度が低いなどの理由により、ビニル系単量体の重合が十分に進行する前に水相が沈降し、HIPEフォームの下方に形成される気泡の数が上方に形成される気泡よりも多くなったためである。また、[切削面の平滑性]評価の結果、比較例のHIPEフォームは、切削面の平滑性が劣っており、大型化した場合に切削加工性が悪化した。比較例のHIPEフォームにおいては、局所的な密度のばらつきが生じたことにより、HIPEフォームの下面に切削加工を行った際に、基材樹脂のむしれ、ちぎれが生じやすくなり、平滑性が損なわれたものと考えられる。
以上、実施例に基づいて本発明に係るHIPEフォームの具体的な態様を説明したが、本発明に係るHIPEフォームの態様は実施例の態様に限定されることはなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜構成を変更することができる。
1 HIPEフォーム
11 小片
111 最大密度部
112 最小密度部

Claims (6)

  1. スチレン系単量体及び/またはアクリル系単量体の重合体を基材樹脂とし、一片の長さが60mmの立方体を切り出し得る大きさを有するHIPEフォームであって、
    前記HIPEフォームの密度が35kg/m以上350kg/m以下であり、
    前記HIPEフォームにおける、密度が最も低い部分である最小密度部の密度ρminに対する、密度が最も高い部分である最大密度部の密度ρmaxの密度比ρmax/ρminが1.30以下である、HIPEフォーム。
  2. 前記HIPEフォームの形状が柱状であり、前記HIPEフォームの上下方向の長さが70mm以上である、請求項1に記載のHIPEフォーム。
  3. 前記HIPEフォームの平均気泡径が10μm以上150μm以下である、請求項1に記載のHIPEフォーム。
  4. 前記HIPEフォームの断面における円相当直径3mm以上の孔の数が、断面積1m当たり1個以下(ただし、0個を含む)である、請求項3に記載のHIPEフォーム。
  5. 前記HIPEフォームの断面における円相当直径が1mm以上3mm未満の孔の数が、断面積1m当たり30個以下(ただし、0個を含む)である、請求項4に記載のHIPEフォーム。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載のHIPEフォームから構成された切削加工材料。
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