JP2023163342A - 樹脂組成物、硬化物、ウエハ保持体、および半導体製造装置 - Google Patents

樹脂組成物、硬化物、ウエハ保持体、および半導体製造装置 Download PDF

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Kazuya Kiguchi
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Abstract

【課題】 冷却性能が高く、かつ、セラミックと金属冷却板の熱膨張を緩和して基材に密着、追従する要求に対し、熱伝導性と接着性を併せ持つ、樹脂組成物を提供すること。【解決手段】 a)熱可塑性樹脂、b)エポキシ樹脂、c)硬化剤、及びd)フィラーを含有する樹脂組成物であって、前記a)熱可塑性樹脂が、示差走査熱量分析法にて測定したTgが-120℃~-30℃であり、かつ重量平均分子量が110万~150万であり、前記b)エポキシ樹脂及び前記c)硬化剤の合計100重量部に対し、前記a)熱可塑性樹脂を400重量部~1000重量部含有し、前記d)フィラーは、前記b)エポキシ樹脂及び前記c)硬化剤の合計100重量部に対し、600重量部を超えて、4000重量部以下含有することを特徴とする、樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、硬化物、ウエハ保持体、及び半導体製造装置に関する。
セラミック製の静電チャック(静電チャックヒーター、サセプター)と金属製の冷却板とを接着したウエハ保持体において、静電チャックと冷却板との接着には、樹脂性接着テープや接着剤を使用した物が一般的である。このような用途の接着剤組成物として、柔軟で伸張性が高いアクリル系共重合体などの熱可塑性樹脂を含有する接着シートが提案されている(特許文献1)。ドライエッチング装置などの半導体製造装置に使用する静電チャックは、動作時に静電チャック部の温度が上昇するため、静電チャックを冷却しながら動作する必要がある。接着剤は、上記部材の中で最も熱抵抗が高く、冷却性能向上のためには、接着剤の熱抵抗低減が必要となる。熱抵抗低減のためには、接着剤を薄くする、接着剤の熱伝導率を高くする必要がある。熱伝導率を向上させる手法として、熱伝導フィラーを添加した接着剤が提案されている。(特許文献2)。
特開平11-265960号公報 特開2003-273202号公報
しかしながら、接着剤を薄くすると、接着剤の伸張性の低下や被着体の凹凸への追従が困難となり、ウエハ保持体として使用することは難しくなるため、一般的に50μm程度が薄膜化の限界となる。一方、熱伝導フィラーを添加すると、接着剤中の柔軟で伸張性が高い樹脂成分の割合が低下し、接着剤の伸張性が低下するため、セラミック静電チャックと金属冷却板の熱膨張差を吸収できず、変形や割れが生じてしまう。ウエハ保持体として使用することは難しくなる。
そこで本発明は、上記諸欠点を解消し、冷却性能が高く、かつ、セラミックと金属冷却板の熱膨張を緩和して基材に密着、追従する要求に対し、熱伝導性と接着性を併せ持つ静電チャック用接着シートを製造可能な樹脂組成物を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は次の構成を有する。
(1)
a)熱可塑性樹脂、b)エポキシ樹脂、c)硬化剤、及びd)フィラーを含有する樹脂組成物であって、
前記a)熱可塑性樹脂が、示差走査熱量分析法にて測定したTgが-120℃~-30℃であり、かつ重量平均分子量が110万~150万であり、
前記b)エポキシ樹脂及び前記c)硬化剤の合計100重量部に対し、前記a)熱可塑性樹脂を400重量部~1000重量部含有し、
前記d)フィラーは、前記b)エポキシ樹脂及び前記c)硬化剤の合計100重量部に対し、600重量部を超えて、4000重量部以下含有することを特徴とする、樹脂組成物。
(2)
前記a)熱可塑性樹脂が、エポキシ基、水酸基、アミノ基、ヒドロキシアルキル基、ビニル基、シラノール基、及びイソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するモノマーからなる構成単位1、
及び、炭素数1~8の側鎖を有するアクリル酸エステルおよび/または炭素数1~8の側鎖を有するメタクリル酸エステルからなる構成単位2、
を含む重合体である、前記(1)に記載の樹脂組成物。
(3)
前記a)熱可塑性樹脂は、前記構成単位1を1モル%~10モル%、前記構成単位2を90モル%~99モル%含む重合体である、前記(2)に記載の樹脂組成物。
(4)
前記d)フィラーは、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、シリカ、及び酸化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、前記(1)~(3)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(5)
前記d)フィラーの平均粒径は、0.1μm~4.5μmである、前記(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(6)
前記d)フィラーは、同一組成であり、平均粒径の異なるフィラーを少なくとも2つ含む、前記(1)~(5)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(7)
前記d)フィラーは、同一組成であり、平均粒径が1.0μm~4.5μmのフィラー(以下、フィラー1、という)、及び、平均粒径が0.01μm~0.5μmのフィラー(以下、フィラー2、という)を少なくとも含む、前記(6)に記載の樹脂組成物。
(8)
前記フィラー1と前記フィラー2の質量比が60:40~99:1である、前記(7)に記載の樹脂組成物。
(9)
金属部材とセラミック部材を接着する用途で使用する、前記(1)~(8)のいずれかに記載の樹脂組成物
(10)
前記(1)~(9)のいずれかに記載の樹脂組成物を硬化した硬化物。
(11)
セラミック部材、前記(10)に記載の硬化物、及び金属部材を含む、ウエハ保持体。
(12)
前記(11)に記載のウエハ保持体を含む、半導体製造装置

本発明の樹脂組成物により、冷却性能が高く、かつ、セラミックと金属冷却板の熱膨張を緩和して基材に密着、追従する要求に対し、熱伝導性と接着性を併せ持つ静電チャック用接着シートを得ることができる。
本発明は、a)熱可塑性樹脂、b)エポキシ樹脂、c)硬化剤、及びd)フィラーを含有する樹脂組成物であって、前記a)熱可塑性樹脂が、示差走査熱量分析法にて測定したTgが-120℃~-30℃であり、かつ重量平均分子量が110万~150万であり、前記b)エポキシ樹脂及び前記c)硬化剤の合計100重量部に対し、前記a)熱可塑性樹脂を400重量部~1000重量部含有し、前記d)フィラーは、前記b)エポキシ樹脂及び前記c)硬化剤の合計100重量部に対し、600重量部を超えて、4000重量部以下含有することを特徴とする、樹脂組成物である。

以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本明細書において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において樹脂組成物中の各成分の含有率は、樹脂組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、樹脂組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率を意味する。
本明細書において「層」との語には、当該層が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本明細書において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、2以上の層が結合されていてもよく、2以上の層が着脱可能であってもよい。

<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、a)熱可塑性樹脂、b)エポキシ樹脂、c)硬化剤、及びd)フィラーを含有する樹脂組成物であって、前記a)熱可塑性樹脂が、示差走査熱量分析法にて測定したTgが-120℃~-30℃であり、かつ重量平均分子量が110万~150万であり、前記b)エポキシ樹脂及び前記c)硬化剤の合計100重量部に対し、前記a)熱可塑性樹脂を400重量部~1000重量部含有し、前記d)フィラーは、前記b)エポキシ樹脂及び前記c)硬化剤の合計100重量部に対し、600重量部を超えて、4000重量部以下含有する。
本発明の樹脂組成物は、金属部材とセラミック部材を接着する用途で使用することが好ましい。
前記金属部材は特に限定されないが、熱伝導率の観点から、アルミニウム、銅、金及び銀が好ましい。セラミック部材との線膨張差の観点からチタンが好ましい。また、コスト面からアルミニウムが更に好ましい。また、金属部材は酸化アルミニウムなどのセラミックで溶射しても良く、アルマイト処理していても良い。
前記セラミック部材は特に限定されないが、熱伝導率、耐プラズマ性の観点から、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムが好ましい。これらは、単独でも良く、2種類以上の混ぜ物でも良い。

<a)熱可塑性樹脂>
a)熱可塑性樹脂のポリマーの種類は特に限定されない。熱可塑性樹脂は、可撓性、熱応力の緩和、低吸水性による絶縁性の向上等の機能を有する。熱可塑性樹脂としては、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体(NBR)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂(ABS)、ポリブタジエン、スチレン-ブタジエン-エチレン樹脂(SEBS)、炭素数1~8の側鎖を有するアクリル酸および/またはメタクリル酸エステル樹脂(アクリルゴム)、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン等が例示される。
なお、本発明のa)熱可塑性樹脂として好適な熱可塑性樹脂は、一般的な定義のとおり、ガラス転移温度または融点まで加熱することによって軟らかくなる樹脂である。熱可塑性樹脂は、エポキシ基、エチレン性二重結合等の反応性官能基や、イソシアネート基と水酸基、イソシアネート基とアミノ基といったような反応性のある官能基の組み合わせを有さないか、前述の官能基を有している場合であっても官能基含有量が2.0当量/kg以下のものが好ましい。
本発明では、a)熱可塑性樹脂として、示差走査熱量分析法にて測定したTgが-120℃~-30℃、好ましくは、-100℃~-40℃以下の熱可塑性樹脂を用いる。Tgが-100℃~-30℃以下であることによって、後述するb)エポキシ樹脂やc)硬化剤、及びd)フィラーを含有した樹脂組成物の硬化後のTgを0℃以下に調整し易くなり、一般的に静電チャックが使用される0℃~150℃の領域で、応力緩和性の高い状態を保つことができる。
また、本発明では、a)熱可塑性樹脂として、重量平均分子量が110万~150万の熱可塑性樹脂を用いる。加熱硬化後の伸張性、層間絶縁性や膜強度の観点、特に例えば150℃のような高温領域での膜強度の維持の観点から、熱可塑性樹脂の重量平均分子量が110万以上、好ましくは120万以上である。また、塗料粘度の取り扱い性の観点から、150万以下、好ましくは140万以下である。重量平均分子量については、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法により測定し、ポリスチレン換算で算出する。
a)熱可塑性樹脂が、エポキシ基、水酸基、アミノ基、ヒドロキシアルキル基、ビニル基、シラノール基、及びイソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するモノマーからなる構成単位1、及び、炭素数1~8の側鎖を有するアクリル酸エステルおよび/または炭素数1~8の側鎖を有するメタクリル酸エステルからなる構成単位2、を含む重合体であることが好ましい。構成単位2について、より好ましくは、低Tgの観点から、側鎖の炭素数は3~6であることが好ましい。
構成単位1が、b)エポキシ樹脂およびc)硬化剤との反応が可能な官能基を持つことにより、a)熱可塑性樹脂との結合が強固になり、接着力や膜強度が向上するので好ましい。構成単位1中の官能基としては、特にエポキシ基を用いることが、b)エポキシ樹脂との相溶性、硬化剤との反応性の観点からより好ましい。
炭素数1~8の側鎖を有するアクリル酸エステルおよび/または炭素数1~8の側鎖を有するメタクリル酸エステルからなる構成単位2の例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、メタクリル酸-2-エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチルのようなアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、また、アクリル酸シクロヘキシルのようなアクリル酸の脂環属アルコールとのエステル、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン、メチルスチレン、クロルスチレン、ビニリデンクロライド、エチルα-アセトキシアクリレート等が挙げられる。また、このようなアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルは、単独であるいは組み合わせて使用することができる。
構成単位1として好適な、エポキシ基、水酸基、アミノ基、ヒドロキシアルキル基、ビニル基、シラノール基およびイソシアネート基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基を有するモノマーとしては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸アミド、メタクリル酸アミドが挙げられる。
a)の熱可塑性樹脂は、構成単位1を1モル%~10モル%、構成単位2を90モル%~99モル%以下含む重合体であることが好ましい。構成単位1が1モル%~10モル%であると、架橋後も低弾性であり、エポキシ樹脂と相溶性が悪く、相分離するため、硬化後の応力緩和性が高くなる。
本発明の樹脂組成物において、a)熱可塑性樹脂の含有量は、b)エポキシ樹脂とc)硬化剤の合計100重量部に対し、400重量部~1000重量部含有する。好ましくは、b)エポキシ樹脂とc)硬化剤の合計100重量部に対し、a)熱可塑性樹脂を400重量部~800重量部含有する態様である。この範囲であれば、温度サイクル試験において、b)エポキシ樹脂とc)硬化剤の添加によって樹脂組成物自体の膜強度を確保しつつ、a)熱可塑性樹脂によって、十分な応力緩和性が得られるため、被着体の線膨張差によって発生するせん断応力による剥がれが発生しない。
なお、本発明の樹脂組成物において、a)熱可塑性樹脂、b)エポキシ樹脂、c)硬化剤の重量部は、配合比だけでなく、組成物をクロロホルム等有機溶媒に溶解し、GPC分取し、各分取物を熱分解GC/MS分析することで、それぞれ測定することができる。

<b)エポキシ樹脂>
本発明の樹脂組成物は、b)エポキシ樹脂を含有する。本発明の樹脂組成物がエポキシ樹脂を含むことにより、耐熱性、高温での絶縁性、耐薬品性、接着剤層にしたときの強度等の物性バランスを実現することができる。エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限されず、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型骨格を含有するエポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、およびハロゲン化エポキシ樹脂等が挙げられる。
熱伝導率を向上する観点から、b)エポキシ樹脂としては結晶性のエポキシ樹脂が好ましい。結晶性のエポキシ樹脂とは、ビフェニル基、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、フェニルベンゾエート基、ベンズアニリド基などのメソゲン骨格を有するエポキシ樹脂である。このようなエポキシ樹脂に対応する製品としては、三菱化学(株)製のJERYX4000、JERYX4000H、JERYX8800、JERYL6121H、JERYL6640、JERYL6677、JERYX7399や日本化薬(株)製のNC3000、NC3000H、NC3000L、CER-3000Lや新日鐵化学(株)製のYSLV-80XY、YDC1312やDIC(株)製のHP4032、HP4032D、HP4700などが挙げられる。
また、硬化物の弾性率を低くして、柔軟性を向上し、接触界面での接触熱抵抗を低減する観点から、シロキサン骨格を含有するエポキシ樹脂が好ましい。このようなエポキシ樹脂として、信越化学(株)製のX-40-2695B、X-22-2046などが挙げられる。シロキサン骨格を含有しない柔軟なエポキシ樹脂として、三菱化学(株)製のYX7400、YX7110、YX7180、YX7105などが挙げられる。
また、本発明に用いられるエポキシ樹脂は、1種類でもよく、2種類以上組み合わせてもよい。

<C)硬化剤>
本発明の樹脂組成物は、エポキシ基と架橋反応するc)硬化剤を含有する。本発明の樹脂組成物がエポキシ基と架橋反応する硬化剤を含有することで、硬化後の接着力が向上する。
硬化剤の例としては、3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’-テトラエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、2,2’,3,3’-テトラクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,4,4’-トリアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミン、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯体等の三フッ化ホウ素のアミン錯体、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどのノボラックフェノール樹脂、ビスフェノールAなどのビスフェノール化合物、1,2,3-ベンゾトリアゾール、4-メチル-ベンゾトリアゾール、5-メチル-ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、ニトロ-1H-ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール誘導体、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の有機酸、ジシアンジアミド等公知のものが挙げられる。これらは単独または2種以上用いてもよい。
これらの中でも耐熱性に優れることから、ノボラックフェノール樹脂やビスフェノール化合物などのフェノール系硬化剤が好ましい。
b)エポキシ樹脂とc)硬化剤の比率は、官能基当量比で、1.0:0.8~1.4が好ましい。熱可塑性樹脂のエポキシ基との反応の観点から、1.0:1.0~1.4が好ましい。
また、トリフェニルホスフィン(TPP)、2-アルキル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4-アルキルイミダゾール等のイミダゾール誘導体等公知の硬化促進剤(硬化触媒)も、本発明においてはc)硬化剤に含まれるものとする。
硬化促進剤を単独で、c)硬化剤として含有する場合、b)エポキシ樹脂とc)硬化剤の比率は、重量比で、1.0:0.01~0.1が好ましい。

<d)フィラー>
本発明の樹脂組成物は、d)フィラーを含有する。d)フィラーは、b)エポキシ樹脂及びc)硬化剤の合計100重量部に対し、600重量部を超えて4000重量部以下含有する。b)エポキシ樹脂及びc)硬化剤の合計100重量部に対し、d)フィラーの含有量が600重量部以下であると樹、脂組成物の高熱伝導効果が低く、4000重量部を超えると、樹脂組成物の伸張性が低下する。
高熱伝導化と高伸張性のバランスの観点から、b)エポキシ樹脂及びc)硬化剤の合計100重量部に対し、d)フィラーは1000重量部~3000重量部がより好ましい。
フィラーの種類は特に限定されないが、その具体例としては、シリカ、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、金、銀、銅、鉄、ニッケル、炭化珪素、窒化チタン、炭化チタン等が挙げられる。中でも、絶縁性及び熱伝導性の観点から、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、シリカ、及び酸化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましく用いられる。これらのフィラーに耐熱性、接着性等の向上を目的として、シランカップリング剤等を用いて表面処理を施してもよい。
また、フィラーの形状は特に限定されず、破砕系、球状、鱗片状などが用いられるが、塗料への分散性、充填性の観点から、球状が好ましく用いられる。
本発明の樹脂組成物中のフィラーの平均粒径は特に限定されないが、分散性及び塗工性の観点から、d)フィラーの平均粒径は0.1μm~4.5μmが好ましい。平均粒径が4.5μm以下であると、樹脂組成物の伸張性の観点から好ましい。
なお、ここでいうd)フィラーの平均粒径は、樹脂組成物を堀場製作所製 レーザー回折式粒度分布計 LA500で測定した際のピークのトップの値を指す。ピークが複数ある場合、平均粒径が異なるフィラーが存在することを指す。このようなピークが複数ある場合、各ピークのトップの値を読み取り、それぞれをd)フィラーの平均粒径とする。なお、d)フィラーのピークが複数の場合は、少なくとも1つのピークのトップの値が、0.1μm~4.5μmの範囲に入っていることが好ましい。
前記d)フィラーは、同一組成であり、平均粒径の異なるフィラーを少なくとも2つ含むことが、塗工性の観点から好ましい。なお、ここでいうd)フィラーが同一組成とは、樹脂組成物中のフィラーを、ろ過によって前述のレーザー回折式粒度分布計で測定した粒度分布のピーク毎に分離し、分離した各粒子をSEM-EDXにより同定した際の、重量比が上位二種の元素が同じであることを指す。
なおd)フィラーは、同一組成であり、平均粒径が1.0μm~4.5μmのフィラー(以下、フィラー1、という)、及び、平均粒径が0.01μm~0.5μmのフィラー(以下、フィラー2、という)を少なくとも含む事が好ましい。つまり同一組成のフィラーは、その少なくとも1つの平均粒径(フィラー1の平均粒径)が1.0μm~4.5μm、更に好ましくは、1.0μm~3.0μmのフィラーであることが好ましく、別の他の1つの平均粒径(フィラー2の平均粒径)が0.01μm~0.5μm、更に好ましくは、0.01μm~0.3μmである。
さらにフィラー1とフィラー2の質量比は、60:40~99:1であることが好ましく、フィラーの充填性及び分散性の観点から、70:30~95:5であることが更に好ましい。

<有機溶剤>
本発明の樹脂組成物は、少なくとも1種類の有機溶剤を更に含んでいてもよい。有機溶剤を含むことで、樹脂組成物を種々の成形プロセスに適合させることができる。有機溶剤としては、樹脂組成物に通常用いられるものを用いることができる。具体的には、アルコール溶剤、エーテル溶剤、ケトン溶剤、アミド溶剤、芳香族炭化水素溶剤、エステル溶剤、ニトリル溶剤等を挙げることができる。例えば、メチルイソブチルケトン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、スルホラン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンを用いることができる。これらの有機溶剤は1種類単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
<その他の成分>
本発明の樹脂組成物は、上記成分に加え、必要に応じてその他の成分を含むことができる。その他の成分の例としては、分散剤、可塑剤等が挙げられる。分散剤としては例えば、ビックケミー・ジャパン株式会社製、商品名:DISPERBYKシリーズ(「DISPERBYK」は、登録商標。)、味の素ファインテクノ株式会社製、商品名:アジスパーシリーズ(「アジスパー」は、登録商標。)、楠本化成株式会社製、商品名:HIPLAADシリーズ(「HIPLAAD」は、登録商標。)、及び花王株式会社製、商品名:ホモゲノールシリーズ(「ホモゲノール」は、登録商標。)が挙げられる。これらの分散剤は1種類単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。

<硬化物>
本発明の硬化物は、本発明の樹脂組成物を硬化した物である。
硬化物は、未硬化状態の樹脂組成物を硬化処理することで製造することができる。硬化処理の方法は、組成物の構成、組成物の目的等に応じて適宜選択することができるが、加熱及び加圧処理であることが好ましい。例えば、加熱温度は100℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましく、150℃以上がさらに好ましい。一方、加熱温度は400℃以下が好ましく、300℃以下がより好ましく、250℃以下がさらに好ましい。また、加熱時間は30分間から6時間が好ましい。加熱温度を段階的に昇温してもよいし、ある温度範囲を選び連続的に昇温してもよい。例えば、130℃および200℃で各30分間ずつ加熱処理する方法や、室温から250℃まで2時間かけて直線的に昇温する方法などが挙げられる。加熱処理装置としては、例えば、オーブン、ホットプレート、オートクレーブ、加熱プレス機などが挙げられる。硬化温度が180℃を超える場合は、窒素雰囲気下や真空下で硬化することが好ましい。

<ウエハ保持体>
本発明のウエハ保持体は、セラミック部材、本発明の硬化物、及び金属部材を含む。さらに具体的には、本発明のウエハ保持体は、セラミック部材、本発明の硬化物、及び金属部材を、この順に積層した積層部材を含む。以下、セラミック部材、本発明の硬化物、及び金属部材をこの順に積層した部材のことを、積層部材という。

本発明のウエハ保持体は、より具体的には、ウエハを吸着保持する機能を有するセラミック製のクーロン力型静電チャックと、金属製の冷却板との間に、本発明の硬化物を備えた積層部材を含むものである。本発明のウエハ保持体は温調機能を有し、吸着対象物の温度を均一かつ一定に調節する機能を有することが好ましい。ウエハ保持体は0℃以下の低温から150℃以上の高温まで広範囲の温度で使用されるため、冷熱サイクルを繰り返しても静電チャックと冷却板の剥がれなきことが求められる。本発明の硬化物を部材Aと部材Bの間に設けることにより、冷熱サイクルにおける熱応力を緩和し、広い温度範囲、長期間にわたって接着状態を良好に維持することができる。
<半導体製造装置>
本発明の半導体製造装置は、本発明のウエハ保持体を含む。そのため本発明の半導体製造装置は、プラズマ源、温調機構を有するウエハ保持体を有することが好ましい。半導体製造装置においては、処理チャンバー内に設けられたウエハ保持体上に、半導体ウエハ等の被処理基板を載置し、真空環境下で処理チャンバーに高周波電圧を印加することによりプラズマを発生させて、被処理基板に対するドライエッチング工程を行う。ドライエッチング工程に求められる加工精度が高くなっていることから、被処理基板の面内におけるプラズマ処理の均一性を高めるため、被処理基板の温度が一定になるように調整することが行われている。前期の通り、本発明の硬化物を設けることにより、広い温度範囲、長期間にわたって接着状態を良好に維持することができ、ひいては、被処理基板の面内におけるプラズマ処理の均一性を良好に維持することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。まず、実施例1~15および比較例1~4で行った評価方法について述べる。
<評価用硬化物サンプルの作製>
後述する実施例及び比較例で作製した、両面にポリエチレンテレフタレートフィルム付きの50μm厚の樹脂組成物を、50mm角に切り出し、一方のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、70℃、0.4MPaの条件で樹脂組成物面同士をラミネートし、積層した。これを繰り返し、両面にポリエチレンテレフタレートフィルム付きの200μm厚の樹脂組成物を形成後、170℃、3時間の加熱硬化を行い、評価用硬化物サンプルを得た。

(1)ガラス転移温度(Tg)
上記評価用硬化物サンプルを5mm×20mmに切り出したものを用いて、動的粘弾性測定を行ない、ガラス転移温度(Tg)を求めた。装置はセイコーインスツルメンツ(株)製の動的粘弾性測定装置DMS6100を用い、温度:-100~300℃、昇温速度:5℃/min、引張モード、周波数:1Hzとして測定を行なった。得られたカーブのtanδのピーク値の温度をTgとした。

(2)せん断歪
後述する樹脂組成物を10mm×10mmに切り出し、片側のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、縦50mm×横15mm×厚さ0.5mmのアルミニウム板に貼付した。更にもう片側のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、別のアルミニウム板にずらした状態で貼付し、せん断試験用の試験片を作成した。
せん断試験用の試験片に170℃、3時間の加熱硬化を行った後、ミネベアミツミ株式会社製引張圧縮試験機 テクノグラフ TG-1kNで引っ張り試験を行い、破断点での変位を測定した。ロードセルは1kN,引張速度は5mm/分で測定した。破断点での変位をシート状組成物の厚みで除した値をせん断歪とした。

(3)熱伝導率:
上記評価用硬化物サンプルを10mm角に切り出したものを熱伝導率評価用硬化物サンプルとした。
熱伝導率評価用硬化物サンプルをグラファイトスプレーにて黒化処理した後、キセノンフラッシュ法(NETZSCH社製の商品名:LFA447 nanoflash)にて熱拡散率を評価した。この値と、アルキメデス法で測定した評価用硬化物サンプルの密度と、DSC(示差走査熱量測定装置;Perkin Elmer社製の商品名:DSC Pyris1)にて求めた評価用硬化物サンプルの比熱の積から、硬化物の厚さ方向の熱伝導率を求めた。結果を表1~表4に示す。
比熱は、評価用硬化物サンプル10.0mgをアルミパンに入れ、室温から10℃/分の昇温温度で200℃まで昇温し、200℃に達してから5分間保持した後に、10℃/分で降温した。同様に、基準物質としてサファイア26.8mgをアルミパンに入れ、同条件で測定した。さらに、ブランクとしてサンプルを入れていない空のアルミパンを同条件で測定した。それぞれのDSC曲線の25℃におけるHeat Flowの値を読み取り、下記式1により比熱容量を算出した。
Cpは評価用硬化物サンプルの比熱、C’pは25℃における基準物質(サファイア)比熱、hは空容器と評価用硬化物サンプルのDSC曲線の差、Hは空容器と基準物質(サファイア)のDSC曲線の差、mは評価用硬化物サンプル質量(g)、m’は基準物質(サファイア)質量(g)を表す。 Cp=(h/H)×(m’/m)×C’p・・・式1
測定した、熱拡散率、密度、比熱の積から、熱伝導率評価用硬化物サンプルの厚さ方向の熱伝導率を求めた。

<組成>
下記熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、硬化剤、フィラーを、それぞれ表1~表4に示した組成となるように配合し、固形分濃度35重量%となるようにDMF/モノクロルベンゼン/MIBK混合溶媒に40℃で攪拌、溶解して接着剤溶液を作製した。この接着剤溶液をバーコータで、シリコーン離型剤付きの厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(藤森工業(株)製“フィルムバイナ”GT)に約50μmの乾燥厚さとなるように塗布し、150℃で5分間乾燥し、75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(藤森工業(株)製“フィルムバイナ”GT)を貼り合わせて、本発明の樹脂組成物を作製した。評価結果を表1~表4に示す。
なお、熱伝導率が0.3W/m・K以上、せん断歪が2以上の特性を満たす場合は〇、どちらか一方でも特性を満たさない場合は×と判定した。
実施例に使用した各原材料は次の通りである。

<a)熱可塑性樹脂>
混合機及び冷却器を備えた反応器に窒素雰囲気下(又は、窒素気流下)にて、下記に示す割合のモノマーと溶媒を入れ、大気圧(1013hPa)下、85℃に加熱し、さらに連鎖移動剤、重合開始剤等を滴下し、下記に示す重量平均分子量になるまで重合した。
得られたポリマーの重量平均分子量を、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法(装置:東ソー社製 GELPERMEATIONCHROMATOGRAPH,カラム:東ソー社製TSK-GEL GMHXL 7.8*300mm)により測定し、ポリスチレン換算で算出した。
また得られたポリマーのTgを、示差走査熱量分析法にて測定した。SII社製EXTER DSC6100を用いて、温度-70℃~200℃、昇温速度10℃/分、試料量約10mg、Al製オープンパン使用、窒素ガスフロー40mL/分にて測定した。
・熱可塑性樹脂1:重量平均分子量85万エポキシ基含有アクリルゴム、Tg-32℃、モノマー重合比率(アクリル酸エチル:アクリル酸ブチル:アクリル酸グリシジル=65モル%:35モル%:1モル%)
・熱可塑性樹脂2:重量平均分子量110万エポキシ基含有アクリルゴム、Tg-32℃、モノマー重合比率(アクリル酸エチル:アクリル酸ブチル:アクリル酸グリシジル=65モル%:35モル%:1モル%)
・熱可塑性樹脂3:重量平均分子量140万エポキシ基含有アクリルゴム、Tg-32℃、モノマー重合比率(アクリル酸エチル:アクリル酸ブチル::アクリル酸グリシジル=65モル%:35モル%:1モル%)

<b)エポキシ樹脂>
・1001:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル(株)製)
・EOCN-102S:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製)
・YX-7110:ビスフェノールFと1,6-ヘキサンジオールグリシジルエーテルの共重合エポキシ樹脂(三菱ケミカル(株)製)

<c)硬化剤>
・HF-4:ノボラックフェノール樹脂(明和化成(株)製)
・C17Z:2-ヘプタデシルイミダゾール(四国化成工業(株)製)

<d)フィラー>
・AA-18:酸化アルミニウム(平均粒径:18μm、住友化学(株)製)
・AA-3:酸化アルミニウム(平均粒径:3μm、住友化学(株)製)
・LS210B:酸化アルミニウム(平均粒径:3μm、日本軽金属(株)製)
・AO-502:酸化アルミニウム(平均粒径:0.2μm、(株)アドマテックス製)
・FAN-f30:窒化アルミニウム(平均粒径:30μm、古河電子(株)製)
・H:窒化アルミニウム(平均粒径:1μm、トクヤマ製)
Figure 2023163342000001
Figure 2023163342000002
Figure 2023163342000003
Figure 2023163342000004
表1~表3より、実施例1~実施例15は、いずれも熱伝導率が0.3W/m・K以上かつせん断歪が2以上であり、高い熱伝導性と伸張性を有しており、良好に異種材料の被着体へ密着、追従する接着剤である。また、フィラーの平均粒径が5μmよりも小さい実施例1~実施例4、実施例7及び実施例9~11は、フィラー量及び熱可塑性樹脂1の量が同じであり、フィラーの平均粒径が5μmよりも大きい実施例14及び実施例15と比較し、せん断歪が大きくなる傾向があり、平均粒径が5μm以下のフィラーを適用することで、接着剤の伸張性が高く、被着体への密着、追従性が良い接着剤となる。
一方で、表4より、フィラー量が実施例と比較し少ない、比較例1及び比較例2は、せん断歪は高いが、熱伝導性が低く、両立ができない組成である。一方で、フィラー量が実施例と比較し多い、比較例4は、高熱伝導率を有すが、せん断歪が2未満と非常に小さいことから、被着体への密着、追従性が不十分である。
また、熱可塑性樹脂量が実施例よりも少ない比較例3は、せん断歪が2未満と非常に小さいことから、比較例4と同様に被着体への密着、追従性が不十分である。

Claims (12)

  1. a)熱可塑性樹脂、b)エポキシ樹脂、c)硬化剤、及びd)フィラーを含有する樹脂組成物であって、
    前記a)熱可塑性樹脂が、示差走査熱量分析法にて測定したTgが-120℃~-30℃であり、かつ重量平均分子量が110万~150万であり、
    前記b)エポキシ樹脂及び前記c)硬化剤の合計100重量部に対し、前記a)熱可塑性樹脂を400重量部~1000重量部含有し、
    前記d)フィラーは、前記b)エポキシ樹脂及び前記c)硬化剤の合計100重量部に対し、600重量部を超えて、4000重量部以下含有することを特徴とする、樹脂組成物。
  2. 前記a)熱可塑性樹脂が、エポキシ基、水酸基、アミノ基、ヒドロキシアルキル基、ビニル基、シラノール基、及びイソシアネート基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有するモノマーからなる構成単位1、
    及び、炭素数1~8の側鎖を有するアクリル酸エステルおよび/または炭素数1~8の側鎖を有するメタクリル酸エステルからなる構成単位2、
    を含む重合体である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記a)熱可塑性樹脂は、前記構成単位1を1モル%~10モル%、前記構成単位2を90モル%~99モル%含む重合体である、請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記d)フィラーは、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、シリカ、及び酸化マグネシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  5. 前記d)フィラーの平均粒径は、0.1μm~4.5μmである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  6. 前記d)フィラーは、同一組成であり、平均粒径の異なるフィラーを少なくとも2つ含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  7. 前記d)フィラーは、同一組成であり、平均粒径が1.0μm~4.5μmのフィラー(以下、フィラー1、という)、及び、平均粒径が0.01μm~0.5μmのフィラー(以下、フィラー2、という)を少なくとも含む、請求項6に記載の樹脂組成物。
  8. 前記フィラー1と前記フィラー2の質量比が60:40~99:1である、請求項7に記載の樹脂組成物。
  9. 金属部材とセラミック部材を接着する用途で使用する、請求項1に記載の樹脂組成物
  10. 請求項1~9のいずれかに記載の樹脂組成物を硬化した硬化物。
  11. セラミック部材、請求項10に記載の硬化物、及び金属部材を含む、ウエハ保持体。
  12. 請求項11に記載のウエハ保持体を含む、半導体製造装置
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