JP2023162934A - 加飾薄状物、及び該加飾薄状物を備えた表示装置 - Google Patents

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裕万 笹川
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Abstract

【課題】視認側における表示のぼやけを抑制することができる加飾薄状物を提供する。【解決手段】加飾薄状物は、厚みに相当する長さの導光機能を有する光学構造体を導光方向と交差する方向に配列した構造を有する薄状基体と、薄状基体の視認側の表面を構成し、透光性を有する加飾層と、を備える。【選択図】図6

Description

本開示は、加飾薄状物に関し、より詳しくは、バックライティング可能な加飾薄状物、
及び該加飾薄状物を備えた表示装置に関する。
従来、バックライティング可能な加飾薄状物は、電気製品や自動車部品等に用いられる。加飾薄状物の外観面には、文字、図形などのパターン形状の透光部とその周囲の遮光部とを有する。当該加飾薄状物の背後側から光源で照らすと、透光部のみが光透過し、透光部のパターン形状が視認される。一方、背後側から光源で照らされていない状態では、パターン形状が視認されない。
この種のバックライティング可能な加飾薄状物として、例えば、特許文献1に記載された加飾薄状物がある。図9は、従来のバックライティング可能な加飾薄状物の断面構造を示す概略断面図である。図示のように、当該加飾薄状物は、透光部1と当該透光部に隣接する遮光部2とを有する。透光部1の周辺領域において、成形品表面に視認側から遮光層9および着色透光層8が順次積層形成されている。
特開2001-347539号公報
特許文献1の加飾薄状物は、背後側から光源3 で照らすと透光部1 のパターンが浮き出るが、背後側から光源で照らされていない状態では、そのパターンが周囲の遮光部と同化して、その存在がわからなくなり、成形品表面の意匠性を向上させることができる。
しかしながら、加飾薄状物の背後側の光照射が無い場合においても、視認側の照明により、視認側から透光部を通して、背後側の光源を含む構造物が透けて見えてしまう場合がある。また、透光部に形成されたパターン形状に限らず、加飾薄状物の背後側の光表示を、視認側において視認させる要望がある。特に、光源としてディスプレイの映像を想定した場合、光源から出た光が着色透光層の拡散性に影響を受け、更にディスプレイと着色透光層との間の基材厚みが増すにつれ表示画像がぼやけるため、視認側における表示のぼやけを抑制するという観点で改善の余地がある。
そこで、本開示の目的は、前記課題を解決することにあって、視認側における表示のぼやけを抑制することができる加飾薄状物を提供することにある。
本開示に係る加飾薄状物は、厚みに相当する長さの導光機能を有する光学構造体を導光方向と交差する方向に配列した構造を有する薄状基体と、薄状基体の視認側の表面を構成し、透光性を有する加飾層と、を備える。
本開示に係る加飾薄状物によると、加飾薄状物において視認側における表示のぼやけを抑制することができる。
透光性の加飾層を備える加飾薄状物による、背後側に位置する構造物の隠蔽を示す概略断面図である。 透光性の加飾層を備える加飾薄状物による、背後側の光表示の視認を示す概略断面図である。 加飾層がない構成の場合の表示のぼやけのない光表示を示す概略断面図である。 透光性の加飾層により、視認側における表示のぼやけを示す概略断面図である。 基材厚みによるぼやけ増大を示す概略断面図である。 (a)は、厚みに相当する長さの導光機能を有する光学構造体を導光方向と垂直な方向に配列した構造の断面構造を示す概略断面図であり、(b)は、(a)の一部を拡大した部分拡大斜視図であり、(c)は、1本の光ファイバを表面から突出させた状態で示している概略斜視図である。 図3の光学構造体を薄状基体とし、透光性の加飾層を備える加飾薄状物の断面構造を示す概略断面図である。 透光性および拡散反射性を兼ね備える拡散反射透光層を視認側に配置した加飾薄状物による、背後側Bに位置する構造物の隠蔽を示す概略断面図である。 図5(a)の構成を有する加飾薄状物による背後側Bの光表示の視認を示す概略断面図である。 本開示の実施の形態1に係る加飾薄状物を備えた表示装置(実施例1)の断面構造を示す概略断面図である。 本開示の比較例に係る加飾薄状物を備えた表示装置の断面構造を示す概略断面図である。 実施例1の加飾薄状物を備えた表示装置(c1)、および比較例の加飾薄状物を備えた表示装置(a2-c2)による視認側における光表示の一例を示す模式図である。 従来のバックライティング可能な加飾薄状物の断面構造を示す断面図である。
本開示の第1の様態に係る加飾薄状物によれば、厚みに相当する長さの導光機能を有する光学構造体を導光方向と交差する方向に配列した構造を有する薄状基体と、薄状基体の視認側の表面を構成し、透光性を有する加飾層と、を備える。
本開示の第2の態様に係る加飾薄状物によれば、上記第1の態様において、導光機能を有する光学構造体は、ガラス製又はプラスチック製であってもよい。
本開示の第3の態様に係る加飾薄状物によれば、上記第1又は第2の態様において、光学構造体の薄状物の形状は、光を入射面から出射面に導光することができる、円形状、多角形を含む非円形状、又は、ハニカム構造であってもよい。
本開示の第4態様に係る加飾薄状物によれば、上記第1から第3のいずれかの態様において、光学構造体の直径は、光源として用いるディスプレイの画素のピッチより小さくてもよい。
これにより、表示のぼやけが抑制できる。
本開示の第5態様に係る加飾薄状物によれば、上記第1から第4のいずれかの態様において、薄状基体と加飾層との間に透光調整層を備え、透光調整層は、全光線透過率が3%~50%であり、且つ、ヘーズが50%~99%であってもよい。
上記態様によれば、加飾薄状物の背後側の光照射が無い場合は、背後側に位置する構造物を隠蔽でき、背後側の光照射がある場合に、背後側に位置する光表示を視認側に視認させ、且つ、視認側における表示のぼやけを抑制することができる。
本開示の第6態様に係る加飾薄状物によれば、上記第5の態様において、透光調整層は、光拡散反射層とスモーク層とを含み、光拡散反射層は、スモーク層よりも高い全光線透過率を有し、且つ、スモーク層よりも高いヘーズを有してもよい。
本開示の第7態様に係る加飾薄状物によれば、上記第6の態様において、光拡散反射層は、偏光パール顔料を含み、全光線透過率が70%~99%であり、且つ、ヘーズが50%~99%であってもよい。
本開示の第8態様に係る加飾薄状物によれば、上記第1から第7のいずれかの態様において、加飾層は薄状基体の面と直交する方向に積層した複数の層で構成されていてもよい。
本開示の第9態様に係る加飾薄状物によれば、上記第5から第7のいずれかの態様において、加飾層と透光調整層とのいずれか一方または両方は、直接に薄状基体の表面に一体化されているか、又は、中間層を介して薄状基体に接合されていてもよい。
本開示の第10態様に係る表示装置によれば、上記第1から第9のいずれかの態様に係る加飾薄状物と光表示デバイスと、を備え、光表示デバイスは、光照射により加飾薄状物の背後側において光表示させる。
なお、上記様々な態様のうちの任意の態様を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏することができる。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態に係る加飾薄状物及び該加飾薄状物を備えた表示装置を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供するものであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。また、各図においては、説明を容易なものとするため、各要素を誇張して示している。
<本発明に至る経緯>
先ず、図1乃至図4を参照しながら、本開示に係る加飾薄状物に至る経緯について説明する。
図1(a)は、透光性の加飾層を備える加飾薄状物10aによる、背後側に位置する構造物の隠蔽を示す概略断面図であり、図1(b)は、背後側の光表示の視認を示す概略断面図である。
加飾薄状物10aの視認側の照明により、視認側から透光部を通して、背後側に位置する構造物が透けて見えることを防止するためには、透過率を低く抑えた加飾層を用いる必要がある。図1(a)に示すように、加飾薄状物10aは、視認側Fから背後側Bに向かって、透光性を有する加飾層11aと透光性を有する薄状基体12aとが順に積層形成されている。これによって、背後側の光照射が無い場合に、視認側Fにおける照明体20aからの光は、加飾層11aで吸収され、僅かな光のみが薄状基体12aを透過するため、背後側Bに位置する30aを隠蔽することができる。
一方で、図1(b)に示すように、背後側Bに位置する構造物30aに含まれる光表示35aは、薄状基体12a、加飾層11aの順に透過し、視認側Fにおいて視認者が視認することができる。すなわち、バックライティング可能な加飾薄状物を表している。
しかしながら、加飾層11aは、意匠性を高めるための印刷層や透過率を抑えるための減光層を含んでおり、これらの層は印刷インキなどによる光の拡散性を有している。そのため、図2(a)に示すように、加飾層が無い構成であれば視認者は光表示35bそのものを視認する。一方、図2(b)に示すように、加飾層11cが有る構成の場合、背後側Bにおける光表示35cの位置から厚さ方向に離れた位置に加飾層11cを配置している。このため、加飾層11cにおける光の拡散反射により、視認側Fの視認者から見て、本来の位置からずれて光表示が視認される光経路が発生してしまう。具体的には、例えば、背後側Bにおける光表示位置S1からの光は、光経路P1に沿って加飾層11cに到達した後、加飾層11cにより拡散反射され、偏向した光経路P2に沿って視認者の目に到達する。なお、本明細書においては、説明をシンプルにするため、光の屈折により加飾薄状物に含まれる各層の界面における光経路の変化を考慮しない。このとき、加飾層11cが光表示位置S1から厚さ方向に離れて、薄状基体12cの視認側に配置されている。このため、光経路P1に沿った光は、薄状基体12cの表面と直交する光経路O1から大きく離れて加飾層11bに到達する。その結果、偏向した光経路P2は、光経路O1と角度β1を成して視認者の目に到達し、視認者は、偏向した光経路P2の延長線にある位置S2に、本来の光表示位置S1にある光表示の像を視認する。位置S2は、本来の光表示位置S1から大きくずれており、本来、光表示位置S2における光表示と、本来の光表示位置S1における光表示の像とが重なる。このように、異なる位置の光表示の像が多数積み重なると、視認側Fにおいて全体的にぼやけた表示が視認されることになる。
さらに、図2(b)の構成で薄状基体12cの厚みが厚くなった状態を示した図2(c)においては、図2(b)に示した光経路P1と同じ偏向方向の光経路Q1に沿った光は、薄状基体12dの表面と直交する光経路O2から大きく離れて加飾層11dに到達する。その結果、偏向した光経路Q2は、光経路O2と角度β2を成して視認者の目に到達し、視認者は、偏向した光経路Q2の延長線にある位置T2に、本来、光表示位置T1にある光表示の像を視認する。このとき、β1<β2となり、薄状基体12dの厚みが増すにつれ、視認側Fにおいて視認される光表示のぼやけの具合は増大していくは明らかである。一般的にディスプレイを用いたバックライティング可能な加飾薄状物は2~3mmの厚みを要求されるため、3mm厚の基体でぼやけを抑える構成が必要とされる。
図2(b)、図2(c)に示す問題を回避するため、本発明者らは、加飾薄状物において、薄状基体の構造を改善することを検討した。
図3は、図2(b)に示した薄状基体12cの厚みに相当する長さの導光機能を有する光学構造体を導光方向と交差する方向、例えば、垂直な方向に配列した構造を持つ薄状基体の概略構成図である。ここでは、導光機能を有する光学構造体として光ファイバを用いた場合について説明する。同図3において図3(a)は、光学構造体の断面構造を示す概略断面図であり、図3(b)は、図3(a)の部分拡大斜視図である。また図3(c)では、形状が分かり易いように1本の光ファイバ14aを表面から突出させた状態で示している概略斜視図である。光ファイバ14aは、コア部14a1とクラッド部14a2とからなり、クラッド部14a2の屈折率はコア部14a1の屈折率よりも低い。その屈折率の差は、0.2%~12.5%の範囲内で、0.2%~8%が好ましく、0.2%~3%がより好ましい。光ファイバ14aに入射された光は、コア部14a1とクラッド部14a2との屈折率差によって、コア部14a1内を全反射して出射面に伝達する特徴を有する。
ファイバ径は、3~100μm程度のものが一般的であるが、光表示のぼやけを低減するためには上限が50μm程度が好ましく、さらにぼやけを低減するためには上限が25μmよりも小さいという風に可能な限り細いものが好ましい。光源として液晶ディスプレイを用いた場合、ディスプレイの解像度以上の径を有する光ファイバを用いると、光学構造体14が解像度を低下させることになり好ましくない。それ故、液晶ディスプレイの解像度より十分小径のコアを有する光ファイバを用いることが求められる。
複数本の光ファイバを固着する手段としては、クラッド層を溶融して融着してもよい。また、接着剤を用いてクラッド層同士を接着してもよい。クラッド層がコアとの屈折率の差を保持して光を伝達することが可能であれば、その手段は限定すべきではない。固着された光ファイバ束は、切断、研磨を行い、光学構造体14を形成する。
図4は、図3に示した光学構造体を薄状基体14とし、透光性の加飾層11eを備える加飾薄状物10eの断面構造を示す概略断面図である。このような構成を有する加飾薄状物10eは、背後側Bに位置する構造物30eに含まれる光表示35eを、視認側Fにおいて視認させるときに、光表示からの光は、光学構造体14の光ファイバ効果によって光が入射面から出射面に伝達され、あたかも加飾層11eの背後側面の位置に光表示35eがU1‘のように存在する現象が生じる。この場合、加飾層11eは光表示35eから離れた位置に配置されていないため、光表示35eは、光の拡散反射の影響をほぼ受けない状態で偏向した光経路R2に沿って視認者の目に到達する。偏向の光経路R2と光経路O3とが成す角度β3は、図2(b)に示す角度β1に比べ遥かに小さい。視認者は、偏向した光経路R2の延長線にあるU2に本来光表示位置U1’における光表示の像を視認する。位置U2は、位置U1‘から大きくずれないため、異なる位置の光表示の像の積み重ねが軽減され、視認側Fにおける表示のぼやけを抑制することができる。また、光ファイバ効果は、薄状基体14の厚みが増しても得られる効果は同じである。このように、薄状基体14を、厚みに相当する長さの光ファイバを導光方向と交差する方向、例えば、垂直な方向に配列した構造を持つ光学構造体に変更することにより、視認側における表示のぼやけを抑制する加飾薄状物の構成を見出し、本開示に至った。
また、図2(b)の構成において、背後側Bに位置する光表示デバイス(構造物)30cの隠蔽性を高めるため、発明者らは、透光性および拡散反射性を兼ね備える拡散反射透光層を採用することを考えた。
図5(a)は、透光性および拡散反射性を兼ね備える拡散反射透光層を視認側に配置した加飾薄状物による、背後側Bに位置する構造物の隠蔽を示す概略断面図である。図5(b)は、上記構成を有する加飾薄状物による背後側Bの光表示の視認を示す概略断面図である。図5(a)に示すように、加飾薄状物10fは、視認側Fから背後側Bに向かって、透光性を有する加飾層11fと、拡散反射透光層15fと、厚みに相当する長さの光ファイバを導光方向と交差する方向、例えば、垂直な方向に配列した構造を持つ光学構造体を基体とする薄状基体14fとが順に積層形成されている。これによって、背後側の光照射が無い場合に、視認側Fにおける照明体20fから発されて、拡散反射透光層15fに到達した光の一部が拡散反射されるため、一部の光が薄状基体14を透過しても、背後側Bに位置する光表示デバイス(構造物)30fは、視認側Fから加飾薄状物10fを透けて見えづらくなり、一定の透光性を保持したまま構造物30fを隠蔽することができる。さらに、拡散反射透光層を採用することにより、加飾層11fに透過率を抑えるための減光層を含まなくても、同等の隠蔽効果を有するため、加飾層11fの透過率を高くすることができ、より高い意匠性を発現することができる。また、図5(b)に示すように、加飾層11fおよび拡散反射透光層15fは、光表示35fから離れた位置に配置されていない状態となるため、光表示35fは、光の拡散反射の影響をほぼ受けない状態で偏向の光経路W2に沿って視認者の目に到達する。偏向した光経路W2と光経路O4とが成す角度β4は、図2(b)に示す角度β1に比べ遥かに小さい。
これにより、視認側Fから見て、一定の透光性を保持したまま構造物30fを隠蔽し、尚且つ、視認側における表示のぼやけを抑制することができる本開示に係る加飾薄状物の構成を見出すことができた。
以下、図6を参照して、本開示の実施の形態1に係る加飾薄状物、及び、該加飾薄状物を備えた表示装置について説明する。
(実施の形態1)
<表示装置>
図6は、本開示の実施の形態1に係る加飾薄状物100aを備えた表示装置500aの断面構造を示す概略断面図である。
図6に示す表示装置500aは、加飾薄状物100aと光表示デバイス30とを備えている。光表示デバイス30は、発光体(図示せず)と表示部32とを含むことができる。表示装置500aは、表示部32が「ON」状態にあるとき、加飾薄状物100aの背後側Bに位置する光表示35を加飾薄状物100aの視認側Fに視認させ、表示部32を「OFF」状態に切り替えると、背後側Bに位置する光表示デバイス30の全体を隠蔽することができる。
<加飾薄状物100aの構成>
図6に示すように、表示装置500aに備えている加飾薄状物100aは、視認側Fから背後側Bにむかって、透光性を有する加飾層101と、透光性および拡散性を兼ね備える透光調整層102と、透光性を有する薄状基体108と、厚みに相当する長さの光ファイバを導光方向と交差する方向、例えば、垂直な方向に配列した構造体を持つ光学構造体である薄状基体109とが、順に積層形成されている。なお、加飾薄状物100aにおいて、透光調整層は、必須の構成ではない。
<加飾層>
加飾層101は、透光性を有し、薄状基体の表面と直交する方向に積層した複数の層で構成することができる。本実施の形態1において、加飾層101は、構成全体の視認側Fの表面を保護するハードコート層104と、加飾の柄を表現するための印刷層105とによって構成されている。
印刷層105は、透光性および拡散性を備える透光調整層102に直接印刷されてもよく、ハードコート層104は、熱真空ラミネートによって印刷層105に積層して一体化されてもよい。また、本開示の加飾層101は、これに限定されない。例えば、加飾層101は、触感を与えるための凹凸触感層、または、様々な装飾効果、例えば、木目柄、マット面、金属面、石、布、天然革、人工皮革などを表す装飾層などを含むことができる。
また、印刷層105は、透光性を確保しやすく、印刷解像度を高くしやすいインクジェット印刷法が好ましいが、スクリーン印刷法やグラビア印刷法といった他の印刷法を用いてもよい。ハードコート層104は、構成全体を保護する要求に応じて、紫外線カット層、アンカー層、接着層などを複数層で構成されてもよい。
<透光調整層>
透光調整層102は、本実施の形態1において、例えば、光拡散反射層106と、スモーク層107とによって構成され、光拡散反射層106とスモーク層107とは、それぞれ薄状基体108の視認側Fからスクリーン印刷法にて積層印刷して形成されてもよい。また、本実施の形態1において、光拡散反射層106とスモーク層107とは、図6に示す積層順で構成されているが、本開示はこれに限定されることなく、光拡散反射層106とスモーク層107とは、逆の積層順で構成されてもよい。また、本実施の形態1では、透光調整層102を薄状基体108に積層印刷して形成したが、薄状基体108に直接積層印刷してもよい。本開示はこれに限定されることはない。
光拡散反射層106は、例えば、偏光パール顔料を含む層で構成することができる。パール顔料は、雲母(マイカ)の鱗状の微粒子の表面に二酸化チタンなどの高屈折率材料からなる被覆層を有する薄板状微粒子が挙げられ、光の拡散反射性と透光性とを兼ね備えている。パール顔料には、例えば、白色パール顔料、干渉パール顔料、又は着色パール顔料がある。本開示は、光拡散反射層106に含まれるパール顔料の種類又は着色を限定しない。スモーク層107は、例えば、スモーク顔料を含む層で構成することができ、加飾薄状物100aの全体を通しての光透過率を調整するために用いられている。本実施の形態において、光拡散反射層106は、スモーク層107に比べ、より高い全光線透過率を有し、且つ、高いヘーズを有する。
厚さ20~30μmの光拡散反射層106と、厚さ5~20μmのスモーク層107と、厚さ188μmの薄状基体108とを有する加飾薄状物サンプルを用いて、光の透過率およびヘーズを測定した。測定は、ヘーズメーター NDH 7000SP II(日本電色工業)を用いて、JIS K 7361-1(ISO 13468-1)による全光線透過率と、JIS K 7136(ISO 14782)およびJIS K 7105によるヘーズの測定結果を表1に示す。
Figure 2023162934000002
表1に示すように、光拡散反射層106は、例えば、全光線透過率が70%~99%であって、ヘーズが50%~99%である。スモーク層107により光透過率を調整した結果、透光調整層102は、全光線透過率が3%~50%であって、且つ、ヘーズが50%~99%である。このように構成された透光調整層102によって、本実施の形態の加飾薄状物100aは、背後側の光照射が無い場合に、背後側に位置する光表示デバイス30の全体を隠蔽し、背後側の光照射が有る場合に、背後側に位置する光表示35を視認側Fに視認させることができる。
<薄状基体>
薄状基体108の材料として、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、アクリル樹脂などがあり、透光性のある材料であれば限定されることはない。なお、光学構造体としての機能を有さず、薄状基体としての機能のみを有する場合には、薄状基体108とする。
<光学構造体(薄状基体)>
本実施の形態において、光学構造体及び薄状基体としての機能を有する光学構造体(薄状基体)109は、例えば、厚みに相当する長さの光ファイバを導光方向と交差する方向、例えば、垂直な方向にわたって配列した構造を有する光学構造体である。光学構造体は、平面状に配列した構造を有してもよい。厚みは3.0mm、ファイバ径は6.0μmである。光学構造体(薄状基体)109の材料として、例えば、ガラス、プラスチックなどがある。ガラス製の材料としては、石英ガラスや多成分系ガラスなどを用いることができる。また、プラスチック製の材料としては、ポリメタクリル酸メチルやポリカーボネートを主成分とするプラスチック材料が可視域の透明性が高い。しかしながら、光を入射面から出射面へ伝達することが可能であれば、その材質は限定すべきでない。なお、材質がプラスチック製の場合、薄状物の重量と価格を抑えることができる。光学構造体は、厚みに相当する長さにわたって導光機能を有すればよく、光ファイバに限られない。また、光を上記厚みに相当する長さの端部である入射面から出射面へ伝達することが可能であれば、その材料は限定されることはない。また、光学構造体の薄状物の形状は、円形状の他、四角形や六角形、八角形などの多角形を含む非円形状、又は、ハニカム構造であってもよい。光を入射面から出射面に導光(伝達)することができるものであればよく、その形状は限定されない。
さらに、光学構造体の直径は、光源として用いるディスプレイの画素のピッチより小さくてもよい。例えば、3~100μm、好ましくは、50μm以下、さらに好ましくは25μm以下である。これにより、表示のぼやけが抑制できる。なお、上記光学構造体とは、光を入射面から出射面に導光する一つの単位としての構造体を指す場合と、上記構造体を導光方向と交差する方向、例えば、垂直な方向にわたって配列した構造体全体を指す場合とがある。
一方、光学構造体(薄状基体)109は、薄状基体としての機能を有し、加飾層101および透光調整層102に対して支持を提供し、加飾薄状物100a全体の必要な強度を担保することができる。そこで、光学構造体及び薄状基体の両方の機能を有する場合には、薄状基体として記載する場合がある。
<光表示デバイス>
本実施の形態1において、表示装置500aの光表示デバイス30は、加飾薄状物100aの背後側Bに配置されている。光表示デバイス30に備えている発光体は、一般の照明用光源であってもよく、LEDまたはレーザなどの発光デバイスであってもよい。表示部32は、例えば、高輝度モニターを用いてもよく、発光体の作動により、「ON」と「OFF」とで切り替えてもよい。表示部32が「ON」状態にあるとき、発光体の光照射によって加飾薄状物100aの背後側Bに光表示35を表示させる。
また、本実施の形態において用いた光表示デバイス30は、7インチサイズの高輝度液晶モニターであり、画素数においては横1,920ピクセル、縦1,080ピクセルのフルHD仕様である。すなわち、解像度は314ppi、画素のドットピッチは80μmであり、光学構造体(薄状基体)109の光ファイバ径は十分に小径であるため、その視認性を損ねることはない。
前述したように、光学構造体を薄状基体109として用い、光表示35の直上に配置することによって、視認側Fにおけるぼやけを抑制することができる。好ましくは、薄状基体109と光表示35との間の距離は5mm以下である。
また、本開示の加飾薄状物の加飾層101と透光調整層102とは、薄状基体108もしくは薄状基体109の表面に一体化形成されてもよく、あるいは、中間層を介して薄状基体108もしくは薄状基体109に接合されてもよい。
上述したように構成された表示装置500aによれば、表示部32が「OFF」状態にあるとき、加飾薄状物100aの背後側Bに位置する光表示デバイス30の全体を隠蔽し、表示部32が「ON」状態にあるとき、背後側Bに位置する光表示35を視認側に視認させ、且つ、視認側における表示のぼやけを抑制することができる。
(実施例1および比較例)
次に、図6に示す加飾薄状物100aを備えた表示装置500aを実施例1とし、図7に示す加飾薄状物300を備えた表示装置600を比較例とした、この場合において、透光調整層を、加飾薄状物の背後側に位置する光表示の近傍に配置することによって、視認側Fにおける表示のぼやけの抑制効果について検証を行った。
図7は、本開示の比較例に係る加飾薄状物300を備えた表示装置600の断面構造を示す概略断面図である。なお、図7において、図6と同じ構成の要素については同じ符号を用いている。図7に示す表示装置600の加飾薄状物300は、実施例1の加飾薄状物100a(図6)と同様に、透光性を有する101と、透光性および拡散反射性を兼ね備える透光調整層102と、透光性を有する薄状基体108と、さらに透光性を有する薄状基体110とを備えている。実施例1の加飾薄状物100aと比較例の加飾薄状物300とは、支持体となる薄状基体の構造において異なる。図7に示すように、比較例に係る加飾薄状物300の薄状基体110は、単なる透光性を有する基体である。本検証において、実施例1と比較例との対応する各層のうち、薄状基体以外の構成および厚さは同じであり、光表示デバイス30は、光表示35が加飾薄状物の背後側の表面と接触するように配置された。
図8は、実施例1の加飾薄状物100aを備えた表示装置500a(c1)および比較例の加飾薄状物300を備えた表示装置600(a2-c2)による、視認側Fにおける表示を示す図である。実施例1における光学構造体(薄状基体)109の厚さを3.0mm(c1)とし、比較例における薄状基体110の厚さを1.0mm(a2)、2.0mm(b2)、3.0mm(c2)とした。このとき、実施例1と比較例とのそれぞれの検証結果を図8に示している。図示のように、比較例の加飾薄状物300を備えた表示装置600を用いたとき(a2-c2)に、視認側Fにおける表示がぼやけていた。また、薄状基体110の厚さの増加につれ、視認側Fにおける表示のぼやけがより顕著になった。これに対し、実施例1の加飾薄状物100aを備えた表示装置500aを用いた場合、厚みが3.0mm(c1)であっても、視認側Fにおいて、表示のぼやけが改善され、より鮮明な表示が得られた。厚みに相当する長さの光ファイバを導光方向と垂直な方向に配列した構造を持つ光学構造体を薄状基体109とすることによって、厚みを有した場合でも、視認側Fにおける表示のぼやけを抑制することが確認できた。
本開示は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
本開示に係るバックライティング可能な加飾薄状物によれば、背後側の光表示がOFFのときに、背後側の構造物が隠蔽され、光表示がONのときに、視認側において、表示のぼやけが抑制され、鮮明な表示を視認させることができる。本開示は、車載部品、家電製品、住宅用品などの分野で空間に溶け込むようなシームレスな意匠性、質感を有し、必要時のみ光表示が視認可能な加飾パネルの用途として幅広く適用できる。
30 光表示デバイス
32 表示部
35 光表示
100a、300 加飾薄状物
101 加飾層
102 透光調整層
104 ハードコート層
105 印刷層
106 光拡散反射層
107 スモーク層
108 薄状基体
109 光学構造体(薄状基体)
110 薄状基体
500a、600 表示装置

Claims (10)

  1. 厚みに相当する長さの導光機能を有する光学構造体を導光方向と交差する方向に配列した構造を有する薄状基体と、
    前記薄状基体の視認側の表面を構成し、透光性を有する加飾層と、
    を備えた、加飾薄状物。
  2. 前記導光機能を有する光学構造体は、ガラス製又はプラスチック製である、
    請求項1に記載の加飾薄状物。
  3. 前記導光機能を有する光学構造体の形状は、光を入射面から出射面に導光することができる、円形状、多角形を含む非円形状、又は、ハニカム構造である、請求項1に記載の加飾薄状物。
  4. 前記導光機能を有する光学構造体の直径は、光源として用いるディスプレイの画素のピッチより小さい、請求項1に記載の加飾薄状物。
  5. 前記薄状基体と前記加飾層との間に透光調整層を備え、
    前記透光調整層は、全光線透過率が3%~50%であり、且つ、ヘーズが50%~99%である、
    請求項1に記載の加飾薄状物。
  6. 前記透光調整層は、光拡散反射層とスモーク層とを含み、
    前記光拡散反射層は、前記スモーク層よりも高い全光線透過率を有し、且つ、前記スモーク層よりも高いヘーズを有する、
    請求項5に記載の加飾薄状物。
  7. 前記光拡散反射層は、偏光パール顔料を含み、全光線透過率が70%~90%であり、且つ、ヘーズが50%~99%である、請求項6に記載の加飾薄状物。
  8. 前記加飾層は、前記薄状基体の面と直交する方向に積層した複数の層で構成されている、請求項1に記載の加飾薄状物。
  9. 前記加飾層と前記透光調整層とのいずれか一方または両方は、直接に前記薄状基体の表面に一体化されているか、又は、中間層を介して前記薄状基体に接合されている、請求項5に記載の加飾薄状物。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の加飾薄状物と、
    光表示デバイスと、
    を備え、
    前記光表示デバイスは、光照射により前記加飾薄状物の背後側において光表示させる、
    表示装置。
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