JP2023161600A - 炭化水素製造システム - Google Patents

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Abstract

Figure 2023161600000001
【課題】炭化水素を生成する触媒反応器と高温電解を行う固体酸化物形電解セルの双方の安定した運転の制御を可能とする炭化水素製造システムを提供する。
【解決手段】炭化水素製造システムは、水蒸気と二酸化炭素を含有するガスから、メタンと水素と一酸化炭素とを含有するガスを生成する固体酸化物形電解セルと、前記固体酸化物形セルで生成した前記ガスから炭化水素を生成する触媒反応器と、前記触媒反応器において前記炭化水素が生成されるときの熱を利用して前記水蒸気を発生させる蒸発器と、前記水蒸気を生成するための熱エネルギーを、前記蒸発器に、直接又は間接的に供給するエネルギー供給装置と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化水素製造システムに関する。
地球温暖化抑制のため、二酸化炭素排出量の低減が求められており、再生可能エネルギーを利用した発電システムの導入拡大が求められている。しかしながら、再生可能エネルギーとして例えば太陽光や風力等を利用した場合、天候により発電量が大きく変動することがある。このため、その変動を補うためにエネルギーの貯蔵が必要となる。数日や数か月単位での長期のエネルギー貯蔵のためには、エネルギー密度の観点から化学エネルギーへの変換が有用である。変換する化学種として、エネルギー密度が高く、貯蔵、運搬、利用などインフラが整っているメタン、エタン、プロパン、メタノールなどの炭化水素が有望な候補として挙げられる。
例えば特許文献1では、メタネーションの反応熱で水を加熱し、加熱した水を水蒸気電解の供給原料として利用することが記載されている。同様に非特許文献1では、メタネーションの反応熱で直接水蒸気を発生させ、その水蒸気を利用して水蒸気電解し、得られた水素をメタネーション反応器に戻すシステムを検討している。
また、特許文献2では、メタネーション反応工程を複数に分け、原料を後段の反応工程にバイパスさせることで、温度上昇を抑制している。
特表2015-513531号公報 特開2018-135283号公報
Fuel Processing Technology Volume 181(1 December,2018) page 61
特許文献1に記載の従来技術では、エネルギー効率が向上するものの、水蒸気電解装置とメタンへ変換する反応器との間で熱と物質が循環するため、水蒸気電解装置及び反応器の安定した運転の制御が困難になる。非特許文献1においても、水蒸気電解装置と反応器とを連結させた状態では、水蒸気電解装置及び反応器の安定した運転の制御が困難となったことが報告されている。下記式(1)~(4)に示す通り、低分子の炭化水素を生成する場合ほど反応器での反応熱とその原料となる水蒸気蒸発潜熱の熱量が近い値となり、エネルギーの調整量が減少する。
そのため、反応器の運転状態の変動により、反応器での熱回収量が変動すると、熱回収量の変動が調整されず、水蒸気発生量がその影響を大きく受ける。その結果、水蒸気電解装置でのH発生量が変動し、Hが供給される反応器の運転状態がさらに変動する。このように一度運転状態に変動が発生すると、水蒸気電解装置及び反応器の安定した運転の制御が困難になる。
CO+4H→CH+2HO(g) ΔH=-165kJ/mol (1)
4HO(l)→4HO(g) ΔH= 176kJ/mol (2)
2CO+7H→C+4HO(g) ΔH=-265kJ/mol (3)
7HO(l)→7HO(g) ΔH= 308kJ/mol (4)
また、特許文献2に記載の従来技術では、反応工程を複数に分けているため、複数の工程からの熱回収量を安定させることが困難になりやすい。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、炭化水素を生成する触媒反応器と高温電解を行う固体酸化物形電解セルの双方の安定した運転の制御を可能とする炭化水素製造システムを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る炭化水素製造システムは、水蒸気と二酸化炭素を含有するガスから、メタンと水素と一酸化炭素とを含有するガスを生成する固体酸化物形電解セルと、前記固体酸化物形電解セルで生成した前記ガスから炭化水素を生成する触媒反応器と、前記触媒反応器において前記炭化水素が生成されるときの熱を利用して前記水蒸気を発生させる蒸発器と、前記水蒸気を生成するための熱エネルギーを、前記蒸発器に、直接又は間接的に供給するエネルギー供給装置と、を備えることを特徴とする。
本発明の炭化水素製造システムによれば、触媒反応器と固体酸化物形電解セルの安定した運転の制御が可能となる。上記以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
第1実施形態に係る炭化水素製造システムのブロック図。 CO:H=1:4の原料ガスの平衡組成図。 第2実施形態に係る炭化水素製造システムのブロック図。 変形例に係る炭化水素製造システムのブロック図。 実施例の炭化水素製造システムのブロック図。 比較例の炭化水素製造システムのブロック図。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、各実施形態において同一の符号を付された構成については、特に言及しない限り、各実施形態において同様の機能を有し、その説明を省略する。
<第1実施形態>
図1を用いて、第1実施形態に係る炭化水素製造システム1Aについて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る炭化水素製造システム1Aの概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係る炭化水素製造システム1Aは、SOEC(固体酸化物形電解セル)10と、触媒反応器20と、蒸発器30と、エネルギー供給装置40と、を備える。
炭化水素製造システム1Aは、触媒反応器20と蒸発器30の間で熱媒を循環させる熱媒流路50を有する。熱媒流路50は、触媒反応器20から蒸発器30へ、熱媒を搬送する第1熱媒流路52と、蒸発器30から触媒反応器20へ、熱媒を搬送する第2熱媒流路54と、を有する。熱媒流路50には熱媒ポンプ95が設けられており、熱媒ポンプ95の駆動により、熱媒が熱媒流路50を循環する。
また、炭化水素製造システム1Aは、蒸発器30からSOEC10へ水蒸気を供給する水蒸気供給配管(供給配管)70と、蒸発器30へ水を供給する水供給配管71と、SOEC10から触媒反応器20へガスを供給するガス供給配管72と、水蒸気供給配管70へ二酸化炭素(CO)を供給する二酸化炭素供給配管74と、触媒反応器20で生成された炭化水素をシステムから取り出す炭化水素搬送配管76と、第1凝縮器90において分離された水を搬送する水搬送配管77と、を有する。
触媒反応器20は、SOEC10で生成したガス(即ち、メタンと水素と一酸化炭素と二酸化炭素とを含有するガス)から、炭化水素を生成する。例えば、二酸化炭素と水素から合成されるメタンを製造する(メタネーション)反応として、サバティエ反応が知られており、上述した反応式(1)で示される。
図1に示すように、触媒反応器20は、触媒が充填された触媒層22と、触媒層22に近接し、かつ、隔離された冷却層24とを有する。サバティエ反応は、発熱、体積減少反応であるため、低温、高圧において反応が進みやすい。触媒層22は、通常、反応温度が300℃前後となるように、冷却層24によって冷却される。
触媒層22には、水素や二酸化炭素等を含むガスが供給される。触媒層22では、上述した反応式(1)や(3)などの反応に基づいて、炭化水素の生成反応が進行する。触媒層22に充填される触媒には、目的とする炭化水素種に応じて様々な材料が選択できる。例えば、活性金属にはRu、Ni、Cuなどが選択でき、活性金属の担持体には、Al、SiO、CeO、ZrOなどが選択できる。また、触媒形状には、ハニカム型、ペレット型などが選択できる。
図1に示すように、第1凝縮器90や分離器(図示せず)は、触媒層22で反応したガスから、炭化水素以外の水などの成分を、分離する。水搬送配管77は、分離された水を、例えば、炭化水素製造システム1Aの外部に搬送する。第1凝縮器90に供給されたガスから、炭化水素以外の成分を分離するために、水を使用する場合、第1凝縮器90での熱交換により加温された水を、蒸発器30へ供給してもよい。
また、触媒層22で生成されたCHなどの炭化水素は、炭化水素搬送配管76に設けられた背圧弁93等の圧力調整手段を通過し、製品として取り出される。背圧弁93は、SOEC10の内部の圧力を調整する。なお、触媒層22で反応したガスが、第1凝縮器90や分離器(図示せず)を通過した後に、当該ガスを、第2触媒反応器(図示せず)で反応させて、さらに炭化水素を生成しても良い。また、分離された炭化水素以外の成分(例えば、水搬送配管77を通じて取り出された水)を再利用しても良い。
冷却層24には、第2熱媒流路54を通じて、熱媒が供給され、触媒層22で発生した熱が、冷却層24で熱媒に吸収され、触媒層22が冷却される。冷却層24へ供給する熱媒には熱媒油、高圧水など様々な種類が選択できる。本実施形態では、常圧よりも高い圧力に加圧された水を高圧水と呼ぶ。熱媒として、高圧水を選択した場合、熱媒油を選択した場合と比較して、熱媒流路50を循環する熱媒の圧力制御を容易に行うことができる。また、高圧水は、燃焼の危険がないため、より安全に取り扱うことができる。触媒反応器20の形状は、シェルアンドチューブ型、プレート型など様々な形状が選択できる。
蒸発器30は、触媒反応器20において炭化水素が生成されるときの熱を利用して水を加熱し、水蒸気を発生させる。蒸発器30は、水が蒸発する蒸発層34と、蒸発層34と近接し、かつ、隔離された加熱層32とを有する。蒸発層34へは、水ポンプ94の駆動により、水供給配管71を通じて、水が供給され、加熱層32へは、第1熱媒流路52を通じて、冷却層24を通過した熱媒が供給される。蒸発器30の形状は、シェルアンドチューブ型、プレート型など様々な形状が選択できる。
エネルギー供給装置40は、第1熱媒流路52に設けられている。エネルギー供給装置40は、第1熱媒流路52を通じて、触媒反応器20から蒸発器30に供給される熱媒に、熱エネルギーを供給し、熱媒を加熱する。つまり、エネルギー供給装置40は、熱媒を介して、間接的に、蒸発器30に熱エネルギーを供給する。エネルギー供給装置40は、熱媒を、第1熱媒流路52の外部から加熱しても良いし、第1熱媒流路52の内部から加熱してもよい。エネルギー供給装置40は、電気ヒータ、熱交換器など様々な種類が選択できる。
なお、エネルギー供給装置40とは別のエネルギー供給装置を、蒸発器30の出口と触媒反応器20の入口の間の第2熱媒流路54に追加で設置しても良い。例えば、Ni系のメタネーション触媒の適正温度下限は200~250℃であり、1.0MPaにおける水沸点は約180℃である。このため、蒸発器30の出口側の熱媒温度が、触媒反応器20の触媒層22の適正温度下限を下回ることがある。この場合、触媒層22の適正温度下限を上回るように、第2熱媒流路54に追加で設置したエネルギー供給装置で、熱媒の温度を調整することができる。
SOEC10は、水蒸気と二酸化炭素を含有するガスから、メタンと水素と一酸化炭素とを含有するガスを生成する。SOEC10には、蒸発器30で発生した水蒸気と、二酸化炭素供給配管74を通じて搬送されたCOと、が供給される。水蒸気とCOの混合比は目的とする炭化水素に合わせて選択できる。SOEC10における炭素析出を抑制する観点から、水蒸気及びCOの供給量の比(水蒸気/CO)は3以上が望ましく、さらに好ましくは3.5以上が望ましい。
SOEC10は、500~1000℃の高温で作動し、水蒸気とCOを含有するガスを原料に電気分解が可能である。SOEC10は、入口ガスを、燃料極、および、空気極の出口ガスと熱交換することで予熱しても良く、また、ヒータ等で加熱しても良い。
SOEC10は、水よりもエネルギー状態が高い水蒸気を電解するため、電解に必要なエネルギーが少ないこと、高温で動作するため、反応抵抗が低いことが特徴である。このため、SOEC10による水蒸気電解は、水の電気分解と比較してエネルギー効率が高い。
SOEC10には様々な種類のセルが選択できる。例えば、平板型、円筒型、扁平円筒型などの形状が選択できる。SOEC10は、電解質支持、空気極支持、燃料極支持、金属支持などの支持体を有している。SOEC10の構成材料も任意のものが選択できる。燃料極としては、一般にNiと電解質のサーメットが使用され、Niの酸化を防ぐため、燃料極には還元ガスを供給する必要がある。本実施形態に係る炭化水素製造システム1Aでは、製品である炭化水素を一部再利用し、COに混合する(図示せず)。SOEC10の作動温度は、構成材料やセル形状に合わせて任意の温度を選択できる。平衡状態におけるCH濃度、放熱抑制の観点からは800℃以下が望ましい。
本実施形態に係る炭化水素製造システム1Aは、SOEC10へ供給する電流値を制御する制御装置(図示せず)を有する。このため、制御装置によりSOEC10へ供給される電流値を変更することにより、SOEC10における電気化学的な反応量を制御することができる。
SOEC10への水蒸気供給量が低下した場合、HOやCOの欠乏防止の観点から、SOEC10へ供給する電流を下げる必要がある。それにともない、触媒反応器20へのガス供給量が減少し、触媒反応器20での発熱量が減少する。そのため、熱媒による熱回収量も減少し、SOEC10への水蒸気供給量がさらに低下する。
SOEC10の燃料極には、水蒸気、二酸化炭素に加え、水素、一酸化炭素、メタン、その他の炭化水素を供給してもよい。燃料極では、以下の式(5)、式(6)で示すような電気化学反応が起こる。
O+2e→H+O2-(5)
CO+2e→CO+O2-(6)
また、SOEC10の電極表面では、以下の式(7)、(8)、(9)で示すような反応が起こる。
+CO→CO+HO(7)
CO+3H→CH+HO(8)
2CO→C+CO(9)
図2にCO:H=1:4の原料ガスの平衡組成を示す。図2は、横軸において、SOEC10の温度を示し、縦軸において、原料ガスの組成がCO:H=1:4である場合、SOEC10で生成されるCHの量を示す。図2では、SOEC10に供給される原料ガスの圧力(0.1MPa、0.3MPa、1.0MPa)に応じた、CHの生成量が示される。
図2に示すようにSOEC10の作動温度(約600℃~約800℃)においても、常圧(0.1MPa)よりも高い高圧条件であれば、式(1)や(8)の反応によりCHが生成可能である。SOEC10へ供給される原料ガスのCOのCHへの転化率は15%以上が望ましく、さらに好ましくは30%以上が望ましい。式(1)や(8)の反応は発熱反応であり、発生する熱エネルギーの分、SOEC10における熱的中性電圧が低下し、電解電力を低減することができる。平衡におけるCH生成量の増加の観点から、SOEC10における反応圧力は、常圧(0.1MPa)よりも高い圧力が望ましく、好ましくは0.3MPa以上が望ましく、さらに好ましくは1.0MPa以上が望ましい。SOEC10に供給されるガスの絶対圧力は、炭化水素搬送配管76に設けられた背圧弁93によって、調整される。
図1に示すように、炭化水素製造システム1Aは、SOEC10を収容する加圧容器80を備える。加圧容器80は、加圧容器80の内部圧力を、SOEC10に供給されるガスの圧力と等しくなるように保持する。SOEC10からのガスリーク抑制、SOEC10へかかる応力低減の観点から、SOEC10のスタックは加圧容器80内に設置し、SOEC10内と加圧容器80内の差圧は可能な限り低減することが望ましい。差圧の許容範囲は、ガスシール構造やシール材の材質、セル強度などに依存し、適宜設計できる。
上記式(9)に示す不均化反応による炭素析出が発生すると電極の劣化につながる。そのため、式(5)、(6)の反応が起こった後の燃料極出口の組成、温度において、平衡上炭素析出しないようにガス組成、ガス流量、電流値等を制御する必要がある。具体的には、燃料極出口ガスの酸素原子/炭素原子比として2以上が好ましく、3以上がさらに好ましい。
また、燃料極入口ガス組成および流量に対して、SOEC10における電解可能量は、「(入口ガスの酸素原子流量)-(入口ガスの炭素原子流量)」で定義される。SOEC10の各セルに供給されるガスの流量にはばらつきがあり、また、燃料極での反応量にもばらつきがあるので、電解可能量と同等の電流を流した場合、局所的にHOやCOが欠乏し、セルの劣化や破損につながるおそれがある。このため、電流値は、電解可能量に対して90%以下、より好ましくは80%以下が望ましい。一方、電解電流量が小さすぎると、ガスをSOEC10へ供給するために予熱したエネルギーが無駄になるため、エネルギー効率が低下する。このため、電解可能量に対する電解電流量の比率は50%以上、より好ましくは70%以上が望ましい。上記のような炭素析出防止、および、HOやCO欠乏防止の観点から、電流と供給するガス組成等を制御する必要がある。
SOEC10における空気極の雰囲気は、空気極材料の還元を防ぐため、酸化雰囲気に保つ必要がある。例えば、空気や酸素を供給することができ、電解反応中はガスを供給しなくてもよい。SOEC10として使用する複数のセルの電気的接続(直並列数)は任意に設定できる。
SOEC10の燃料極において生成したCH、H、COを含むガスは、触媒反応器20に供給される。当該ガスは、触媒反応器20に直接供給しても良いし、ガス組成を調整後に供給しても良い。例えば、凝縮器(図示せず)により、HOを取り除くと式(1)の反応が進行しやすくなるため、望ましい。触媒反応器20へ供給するガス中の元素比H/Cを低減するため、COを追加で供給しても良いし、CHを分離しても良い。
図1に示すように、炭化水素製造システム1Aは、第1熱媒流路52に設けられた第1検知部(検知部)60と、第1検知部60によって検知された情報に基づいて、エネルギー供給装置40の動作を制御する制御部64と、を有する。
第1検知部60は、蒸発器30へ供給される熱媒の熱エネルギーを検知する。具体的には、第1検知部60は、熱媒の熱エネルギーとして、熱媒の温度及び流量の少なくとも一方を検知する。つまり、第1検知部60は、触媒反応器20の冷却層24において加熱された後の熱媒の、蒸発器30の入口側(第1熱媒流路52)における温度や流量を検知する。第1検知部60は、様々な種類のものが選択できる。
第1検知部60の検知情報は制御部64に伝達される。制御部64は、第1検知部60の情報をもとに、エネルギー供給装置40の熱エネルギー供給量を制御する。具体的には、制御部64は、蒸発器30からSOEC10へ供給される水蒸気の流量が所望の範囲となるように、エネルギー供給装置40の熱エネルギー供給量を制御する。制御部64は、熱媒の温度と流量、および、予め入手される熱媒の比熱に基づいて、熱媒から蒸発器30へ供給される熱エネルギーを算出し、その熱エネルギーが所望の範囲となるように、エネルギー供給装置40の熱エネルギー供給量を制御する。
蒸発器30へ供給される熱エネルギーを所望の範囲に制御することにより、SOEC10へ供給される水蒸気の流量が所望の範囲となる。これにより、熱媒による触媒反応器20からの熱回収量が変動しても、変動により低下した熱回収量を補充するために必要な熱エネルギーを、第1熱媒流路52を実際に流れる熱媒の温度等に基づいて、正確に算出することができる。よって、エネルギー供給装置40による過剰な熱エネルギー供給を防ぐことができるので、エネルギー効率を向上させつつ、水蒸気発生量を安定させることができる。
また、制御部64は、システム稼働中、エネルギー供給装置40による熱エネルギーの供給を継続させる制御を行う。これにより、エネルギー供給装置40における定常的な熱エネルギー供給量が増加する。このため、熱媒による触媒反応器20からの熱回収量の変動に対し、エネルギー供給装置40の熱エネルギー供給量を変動させる際に、定常的な熱エネルギー供給量に対する変動量の割合が減少する。定常的な熱エネルギー供給量に対する変動量の割合が減少すると、エネルギー供給装置40の熱容量の影響による応答の遅れ(即ち、エネルギー供給装置40が、実際に、熱媒に熱を供給するまでの時間の遅れ)を低減でき、水蒸気発生量の安定な制御が可能となる。蒸発器30に定常的に供給する熱エネルギーのうち、エネルギー供給装置40から供給するエネルギーの割合が15%以上であることが望ましく、さらに好ましくは30%以上であることが望ましい。
また、炭化水素製造システム1Aは、第1検知部60に加え、第2熱媒流路54に設けられた第2検知部62を有してもよい。第2検知部62は、熱媒の熱エネルギーとして、熱媒の温度及び流量の少なくとも一方を検知する。つまり、第2検知部62は、蒸発器30の加熱層32を通過した熱媒の、第2熱媒流路54における温度や流量を検知する。
第2検知部62の検知情報は制御部64に伝達される。制御部64は、第1検知部60及び第2検知部62の情報をもとに、蒸発器30からSOEC10へ供給される水蒸気の流量が所望の範囲となるように、エネルギー供給装置40の熱エネルギー供給量を制御する。例えば、制御部64は、第1熱媒流路52を流れる熱媒の温度と、第2熱媒流路54を流れる熱媒の温度と、を比較し、その差から、蒸発器30へ供給された熱エネルギーを算出する。なお、制御部64は、熱媒の温度に加え、第1熱媒流路52及び第2熱媒流路54を流れる熱媒の流量を比較し、温度差及び流量差から、蒸発器30へ供給された熱エネルギーを算出してもよい。これにより、蒸発器30へ供給された熱エネルギーを、より正確に算出することができる。
本実施形態の炭化水素製造システム1Aによれば、エネルギー供給装置40によって、熱媒に対して熱が供給されるため、触媒反応器20の運転状態の変動により、冷却層24で熱媒に吸収される熱量が低下した場合であっても、低下した熱量を、エネルギー供給装置40によって補充することができる。このため、蒸発器30の加熱層32へ供給される熱媒の熱量の低下が回避され、蒸発器30の蒸発層34からSOEC10へ供給される水蒸気量の低下が回避される。この結果、SOEC10で生成されるガス量の低下が回避される。よって、触媒反応器20の運転状態が変動したとしても、SOEC10から触媒反応器20に供給されるガス量の低下が回避されるため、触媒反応器20及びSOEC10の運転を安定して制御することができる。
また、SOEC10を高圧、かつ、CO供給状態で運転することにより、SOEC10でメタンを生成する。SOEC10でメタンが生成されることから、触媒反応器20の触媒層22を小型化し、触媒反応器20で生成されるメタンの量を低減した場合であっても、炭化水素製造システム1Aで得られるメタンの生成量が、低下することを回避できる。このように、メタンの生成量を低下させることなく、コンパクトな触媒反応器20を提供することができる。また、触媒反応器20を小型化し、触媒反応器20での発熱量が減少するので、触媒劣化の原因となる温度上昇を抑制しやすく、触媒の長寿命化を図ることができる。
また、式(1)や(8)のメタネーション反応は発熱反応であり、発生する熱エネルギーの分、SOEC10における熱的中性電圧が低下し、電解電力を低減することができる。SOEC10での電解電力が減少しているので、エネルギー供給装置40からの定常的なエネルギー供給量が増加しても、炭化水素製造システム1Aのエネルギー効率の低下を回避することができる。
また、エネルギー供給装置40における定常的な熱エネルギー供給量が増加するため、触媒反応器20からの熱回収量の変動に対する調整手段として、エネルギー供給装置40のエネルギー供給量を変動させる際に、定常的な熱エネルギー供給量に対する変動量の割合が減少する。定常的な熱エネルギー供給量に対する変動量の割合が少ないと、エネルギー供給装置40の熱容量の影響による応答の遅れを低減でき、水蒸気蒸発量を安定させることが可能となる。
また、システムの起動時、熱媒ポンプ95及びエネルギー供給装置40の駆動により、加熱された熱媒を、熱媒流路50で循環させることができる。このため、触媒反応器20及び蒸発器30を、同時に暖めることができ、炭化水素製造システム1Aを、より迅速に起動することができる。
<第2実施形態>
次いで、本発明の第2実施形態に係る炭化水素製造システム1Bについて、図3に基づいて説明する。図3は、本発明の第2実施形態に係る炭化水素製造システム1Bの概略構成を示すブロック図である。第2実施形態の炭化水素製造システム1Bにおいて、第1実施形態の炭化水素製造システム1Aと同様の構成及び動作については、同一の符号を付してその説明を省略する。第2実施形態に係る炭化水素製造システム1Bは、第1実施形態に係る炭化水素製造システム1Aに対し、蒸発器30が第1蒸発器36及び第2蒸発器38を有する点、エネルギー供給装置40が第2蒸発器38に熱エネルギーを供給し、第2蒸発器38が水蒸気を発生させる点、第1検知部60がSOEC10に供給される水蒸気流量を検知する点、で異なる。
図3に示すように、本実施形態に係る炭化水素製造システム1Bの蒸発器30は、触媒反応器20において炭化水素が生成されるときの熱を利用して水蒸気を発生させる第1蒸発器36と、エネルギー供給装置40により供給された熱エネルギーを利用して水蒸気を発生させる第2蒸発器38と、を有する。
第1蒸発器36には、水ポンプ94の駆動により、水供給配管71を通じて、水が供給され、第1蒸発器36は、触媒反応器20からの熱により、水蒸気を発生させることができる。第2蒸発器38には、水ポンプ94Aの駆動により、水供給配管71Aを通じて、水が供給され、第2蒸発器38は、エネルギー供給装置40からの熱エネルギーにより、水蒸気を発生させることができる。エネルギー供給装置40は、第2蒸発器38に、直接、熱エネルギーを供給する。
第1蒸発器36及び第2蒸発器38は、生成した水蒸気を、水蒸気供給配管70に供給する。第1蒸発器36は、触媒反応器20と統合され、第1蒸発器36及び触媒反応器20が直接熱交換している。そのため、高い熱流束で触媒反応器20の冷却が可能となる。また、熱媒流路50を不要とすることができるので、炭化水素製造システム1Bを簡便かつコンパクトな構成とすることができる。第2蒸発器38は、第1蒸発器36と近接していても良いし、分離していても良い。
第1検知部60は、水蒸気供給配管70を流れる水蒸気の流量、即ちSOEC10に供給される合計の水蒸気流量を検知する。制御部64は、第1検知部60での検知情報(水蒸気の流量)をもとに、水蒸気供給配管70を流れる水蒸気の流量が所望の範囲となるように、エネルギー供給装置40の熱エネルギー供給量を制御する。これにより、制御部64は、SOEC10へ供給される水蒸気量を安定に制御する。
通常、蒸発器は、熱媒と比較して、熱容量が高いため、エネルギー供給装置40によって、第2蒸発器38へ熱エネルギーが供給されても、所望の水蒸気流量を得るまでに、長時間を要するおそれがある。このため、第1検知部60で水蒸気流量を測定し、制御部64では、第2蒸発器38へ供給された熱エネルギーと水蒸気流量の時間遅れとを考慮して、エネルギー供給装置40の熱エネルギー供給量を制御(増大)しても良い。
第1実施形態の炭化水素製造システム1Aと同様に、本実施形態に係る炭化水素製造システム1Bでは、触媒反応器20の発熱量を減少させ、その一方で、第2蒸発器38での定常的な水蒸気発生量を増加することができる。このため、SOEC10に対する水蒸気供給量の変動抑制のために、第2蒸発器38における水蒸気発生量を変動させた際に、定常的な水蒸気発生量に対する、水蒸気変動量の割合が減少する。これにより、第2蒸発器38の熱容量の影響による応答遅れ(エネルギー供給装置40によって第2蒸発器38へ熱エネルギーが供給されてから、所望の水蒸気流量を得るまでの時間の遅れ)を低減でき、SOEC10への水蒸気量の安定な制御が可能となる。SOEC10へ定常的に供給する水蒸気量のうち第2蒸発器38から供給する割合が15%以上であることが望ましく、さらに好ましくは30%以上であることが望ましい。
<変形例>
次いで、本発明の第1実施形態の変形例に係る炭化水素製造システム1Cについて、図4に基づいて説明する。図4は、本発明の第1実施形態の変形例に係る炭化水素製造システム1Cの概略構成を示すブロック図である。本変形例に係る炭化水素製造システム1Cにおいて、第1実施形態に係る炭化水素製造システム1Aと同様の構成及び動作については、同一の符号を付してその説明を省略する。本変形例に係る炭化水素製造システム1Cは、第1実施形態に係る炭化水素製造システム1Aに対し、ガス供給配管72に第2凝縮器91とCHの分離器96を有する点、SOEC10へ供給するガス組成の比が水蒸気量/二酸化炭素<4である点、が異なる。
図4では、SOEC10へ供給するガス組成の比を水蒸気量/二酸化炭素<4とし、ガス供給配管72に第2凝縮器91とCHの分離器96を有しているため、触媒反応器20へ供給するガスのH/C比を低下させることができる。
、Cなど高分子な炭化水素を生成するためには、触媒反応器20へ供給するガスのH/C比を低くする必要がある。しかしながら、上述のように、H/C比が低いガス、つまり、水蒸気量/二酸化炭素比が低いガスをSOEC10に供給するとSOEC10内で炭素析出の恐れがある。本変形例に係る炭化水素製造システム1Cでは、SOEC10の出口側のガス供給配管72においてCHと水を分離しているため、触媒反応器20へ供給するガスをC、Cなど高分子な炭化水素の生成に適したH/C比に調整することができ、C、Cなど高分子な炭化水素を製品として取り出すことができる。また分離器96で分離されたCHは製品として利用できる。
本発明を以下の実施例により説明する。図5は、本発明の実施例に係る炭化水素製造システムの概略構成を示すブロック図である。図6は、本発明の比較例に係る炭化水素製造システムの概略構成を示すブロック図である。本実施例に係る炭化水素製造システム1D、及び、比較例に係る炭化水素製造システム1Eにおいて、第1実施形態に係る炭化水素製造システム1Aと同様の構成及び動作については、同一の符号を付してその説明を省略する。
[実施例]
実施例では、図5に示すような構成の炭化水素製造システム1Dとした。熱媒には高圧水を使用し、触媒反応器20の出口から触媒反応器20の入口へ循環する熱媒流路50を設置した。また、熱媒流路50に、高圧水の圧力調整装置98を設置し、高圧水の圧力を約10MPaに調整した。
蒸発器30の入口側の熱媒流路50(第1熱媒流路52)におけるエネルギー供給装置40として第1ヒータ42を設置し、第1熱媒流路52における熱媒の温度及び流量を、第1検知部60により測定した。また、蒸発器30の出口側の熱媒流路50(第2熱媒流路54)に第2ヒータ44を設置し、触媒反応器20の入口の熱媒温度を240℃に調整した。
第1凝縮器90の後段に別の触媒反応器20A、および、第3凝縮器92を設置し、ガス組成の調整を行った。
触媒反応器20の触媒層22にはNi-Al触媒を充填し、別の触媒反応器20Aの触媒層にはRu-Al触媒を充填した。
SOEC10内部の圧力が1.0MPaとなるように、背圧弁93を用いて、ガス供給配管72内の圧力を調整した。また、加圧容器80内の圧力を、SOEC10内部の圧力と同じに調整した。
二酸化炭素(CO)を流量4m/hで二酸化炭素供給配管74を通じて、水蒸気供給配管70に供給し、水蒸気供給配管70において、蒸発器30で生成した水蒸気と混合し、200℃程度でSOEC10に供給した。蒸発器30へ供給する水は、第1凝縮器90及び第3凝縮器92に供給され、ガスとの熱交換により加温された水である。
SOEC10内部の熱交換器で供給ガスと生成ガスを熱交換し、さらにセルの作動温度700℃まで、供給ガスを第3ヒータ46で昇温した後に、セルスタックへ供給した。第3ヒータ46の平均出力は2.7kWであった。セルスタックは電極面積121cmのセル800個で構成し、電流密度0.4A/cm、セル当たりの電解電圧1.20V、46.0kWで電解した。電解可能量に対する電解電流量の割合は80%であった。SOEC10の燃料極での生成ガスを第2凝縮器91で50℃まで冷却して凝縮させた後、SOEC10の出口ガスと熱交換して250℃まで予熱し、触媒反応器20へ供給した。
第2凝縮器91の出口におけるガス組成は、水素63%、水蒸気1%、一酸化炭素8%、二酸化炭素10%、メタン18%であった。
触媒反応器20において、触媒層22の出口ガスが300℃以下となるように、熱媒ポンプ95及び圧力調整装置98を用いて、冷却層24の高圧水流量を制御した。触媒反応器20での熱媒による熱回収量は平均5.1kWであった。また、熱媒の温度調節に使用した第1ヒータ42の出力は平均3.1kWであり、蒸発器30の消費熱量のうち約38%が第1ヒータ42からの熱量であった。第2ヒータ44は定常時には使用しなかった。
触媒反応器20の触媒層22の出口ガスは、第1凝縮器90で50℃まで冷却して凝縮させた後、触媒層22の出口ガスと熱交換して200℃以上に予熱し、別の触媒反応器20Aに供給した。別の触媒反応器20Aの触媒層出口ガスは、第3凝縮器92で50℃まで冷却して凝縮させた。その後、ガスポンプ97を用いて、ガス戻り配管73を通じて、流量0.4m/hのガスをSOEC10入口の還元ガスとして戻し、残りを製品として取り出した。
メタン(CH)濃度98.3%、水素(H)濃度0.4%のガスを得た。燃焼熱は高位発熱量基準で44.2kWであった。エネルギー効率(=製品ガス発熱量/電力消費量)は84%であった。
[比較例]
比較例では、図6に示すような構成のメタネーションシステムとした。図5との違いを主に以下で説明する。
SOEC10を加圧容器80に収容せず、SOEC10を大気圧0.1MPa下に置いた。二酸化炭素(CO)を流量4m/hで、二酸化炭素供給配管74を通じて、水蒸気供給配管70に供給し、水蒸気供給配管70において、蒸発器30で生成した水蒸気と混合し、250℃程度でSOEC10に供給した。SOEC10内部の熱交換器で供給ガスと生成ガスを熱交換し、さらにセルの作動温度700℃まで、供給ガスを第3ヒータ46で昇温した後に、セルスタックへ供給した。
第3ヒータ46の平均出力は2.3kWであった。セルスタックは電極面積121cmのセル640個で構成し、電流密度0.5A/cm、セル当たりの電解電圧1.31V、50.3kWで電解した。電解可能量に対する電解電流量の割合は80%であった。SOEC10の燃料極での生成ガスを実施例と同様に触媒反応器20の触媒層22の入口へ導入した。
第2凝縮器91の出口におけるガス組成は、水素66%、水蒸気12%、一酸化炭素14%、二酸化炭素6%、メタン2%であった。触媒反応器20での熱媒による熱回収量は、変動が少ない時間における平均が10.0kWであった。
第1ヒータ42、第2ヒータ44ともに、定常的には使用せず、間欠的な使用を時間平均すると合計で0.3kWであり、蒸発器30の消費熱量の3%程度であった。触媒反応器20の触媒層22の出口からのガスは、実施例と同様の処理後、製品として取り出した。
変動が少ない時間における製品の平均的な組成は、メタン(CH)濃度85%、水素(H)濃度3%であり、燃焼熱は高位発熱量基準で44.3kWであった。エネルギー効率82%であった。起動後、短い時間のみ定格の出力を得ることができたが、SOEC10の電圧が急激に上昇したため、電流低下させるなど、定格で安定な運転をすることができなかった。
表1に実施例と比較例の生成ガスエネルギーと消費電力を示す。実施例は比較例と比較して、第1ヒータ42、第2ヒータ44の出力増加量(2.8kW)よりも電解電力の低減量(4.3kW)の方が大きく、エネルギー効率が向上した。
表2に実施例と比較例の第1ヒータ42、第2ヒータ44の、蒸発器30の熱量に対する割合、および、触媒反応器20での熱媒による熱回収量を示す。実施例では30%以上の熱量を第1ヒータ42から蒸発器30に定常的に供給していたため、蒸発器30で生成される水蒸気量の安定化ができていたと推測される。それに対して、比較例では、第1ヒータ42から蒸発器30への定常的な熱供給がなかったため、蒸発器30で生成される水蒸気量の安定化ができず、定格で安定に運転できなかったと推測される。また、実施例では比較例と比較して触媒反応器20での発熱量(熱媒による熱回収量)が半減した。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、或る実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、或る実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路にて設計する等によりハードウェアによって実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアによって実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テープ、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(solid state drive)等の記録装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1A,1B,1C,1D,1E 炭化水素製造システム、10 SOEC(固体酸化物形電解セル)、20,20A 触媒反応器、30 蒸発器、36 第1蒸発器、38 第2蒸発器、40 エネルギー供給装置、50 熱媒流路、60 第1検知部(検知部)、64 制御部、70 水蒸気供給配管(供給配管)、80 加圧容器、93 背圧弁(圧力調整手段)

Claims (13)

  1. 水蒸気と二酸化炭素を含有するガスから、メタンと水素と一酸化炭素とを含有するガスを生成する固体酸化物形電解セルと、
    前記固体酸化物形電解セルで生成した前記ガスから炭化水素を生成する触媒反応器と、
    前記触媒反応器において前記炭化水素が生成されるときの熱を利用して前記水蒸気を発生させる蒸発器と、
    前記水蒸気を生成するための熱エネルギーを、前記蒸発器に、直接又は間接的に供給するエネルギー供給装置と、を備えることを特徴とする炭化水素製造システム。
  2. 前記触媒反応器と前記蒸発器の間で熱媒を循環させる熱媒流路を有し、
    前記エネルギー供給装置は、前記熱媒流路に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の炭化水素製造システム。
  3. 前記エネルギー供給装置は、前記触媒反応器から前記蒸発器に供給される前記熱媒に、前記熱エネルギーを供給する、ことを特徴とする請求項2に記載の炭化水素製造システム。
  4. 前記蒸発器へ供給される前記熱媒の熱エネルギーを検知する検知部と、
    前記検知部の情報をもとに、前記エネルギー供給装置の熱エネルギー供給量を制御する制御部と、を備えることを特徴とする請求項3に記載の炭化水素製造システム。
  5. 前記制御部は、前記水蒸気の流量が所望の範囲となるように、前記エネルギー供給装置の熱エネルギー供給量を制御する、請求項4に記載の炭化水素製造システム。
  6. 前記検知部は、前記熱媒の熱エネルギーとして、前記熱媒の流量と温度の少なくとも一方を検知することを特徴とする請求項5に記載の炭化水素製造システム。
  7. 前記熱媒は、常圧よりも高い圧力を有する高圧水であることを特徴とする請求項6に記載の炭化水素製造システム。
  8. 前記蒸発器は、
    前記触媒反応器において前記炭化水素が生成されるときの熱を利用して前記水蒸気を発生させる第1蒸発器と、
    前記エネルギー供給装置により供給された前記熱エネルギーを利用して前記水蒸気を発生させる第2蒸発器と、を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の炭化水素製造システム。
  9. 前記第1蒸発器及び前記第2蒸発器で生成された前記水蒸気を前記固体酸化物形電解セルへ供給する供給配管と、
    前記供給配管を流れる水蒸気の流量を検知する検知部と、
    前記検知部の情報をもとに、前記供給配管を流れる前記水蒸気の流量が所望の範囲となるように、前記エネルギー供給装置の熱エネルギー供給量を制御する制御部と、を備えることを特徴とする請求項8に記載の炭化水素製造システム。
  10. 前記制御部は、システム稼働中、前記エネルギー供給装置による熱エネルギーの供給を継続させる制御を行う、ことを特徴とする請求項4又は9に記載の炭化水素製造システム。
  11. 前記固体酸化物形セルを収容する加圧容器を備え、
    前記加圧容器の内部圧力を、前記固体酸化物形電解セルに供給されるガスの絶対圧力と等しくなるように保持する、ことを特徴とする請求項1に記載の炭化水素製造システム。
  12. 前記固体酸化物形電解セルに供給されるガスの絶対圧力を常圧より高い圧力に調整する圧力調整手段を備える、ことを特徴とする請求項1又は11に記載の炭化水素製造システム。
  13. 前記圧力調整手段は、前記ガスの絶対圧力を0.3MPa以上に調整する、請求項12に記載の炭化水素製造システム。
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