JP2022022978A - メタノール及びメタンの併産方法並びにメタノール及びメタンの併産設備 - Google Patents

メタノール及びメタンの併産方法並びにメタノール及びメタンの併産設備 Download PDF

Info

Publication number
JP2022022978A
JP2022022978A JP2021085901A JP2021085901A JP2022022978A JP 2022022978 A JP2022022978 A JP 2022022978A JP 2021085901 A JP2021085901 A JP 2021085901A JP 2021085901 A JP2021085901 A JP 2021085901A JP 2022022978 A JP2022022978 A JP 2022022978A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methanol
methane
water
carbon dioxide
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021085901A
Other languages
English (en)
Inventor
浩文 大塚
Hirofumi Otsuka
慎平 則岡
Shimpei NORIOKA
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Publication of JP2022022978A publication Critical patent/JP2022022978A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】二酸化炭素と水と電力を用いてメタノール及びメタンを製造するに際して、設備コストを抑制しつつ、変換効率の改善されたメタン及びメタノールの併産方法を提供する。【解決手段】二酸化炭素と水と電力とを用いてメタノール及びメタンを併産する方法であって、水を気化させて水蒸気を生成する工程と、水蒸気と二酸化炭素との混合ガスを固体酸化物形電解セルで還元して、水素、一酸化炭素、二酸化炭素及び水蒸気を含む合成ガスを得る工程と、合成ガスを冷却して水を分離し、圧縮する工程と、水を分離し、圧縮した合成ガスをメタノール合成触媒に通じてメタノールを合成する工程と、合成したメタノールを未反応の合成ガスから分離する工程と、メタノールが分離された合成ガスをメタン化触媒に通じてメタンを合成する工程とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、二酸化炭素と水と電力を用いてメタノール及びメタンを併産する方法並びに設備に関する。
近年、地球温暖化対策の観点から、燃焼利用しても大気中の二酸化炭素濃度を実質的に増加させることがないカーボンニュートラル燃料に注目が集まっている。
工業プロセスや火力発電などで発生する排ガスから二酸化炭素を回収し、再生可能エネルギーである太陽光発電や風力発電などによる電力を用いた電気分解により得られた水素と反応させることにより、メタンあるいはメタノールを得ることができる。この方法によって得られたメタンあるいはメタノールは、燃焼利用しても追加的な二酸化炭素の発生がないことから、地球温暖化に影響しないカーボンニュートラル燃料と考えることができる。
二酸化炭素と水素とを反応させてメタンを得るメタン化反応(式1)は公知である。
(式1)
CO+4H → CH+2H
特許文献1には、CO及びHを含むガスをメタン化するに際し、上流側にCu-Zn系低温シフト触媒を配し且つ下流側にメタン化触媒を配置したメタン化反応器を使用することを特徴とするCO及びHを含むガスのメタン化方法が開示されている。上流側の低温シフト反応器ではCOシフト反応(式2)が進行するので、原料ガスに含まれる一酸化炭素の大部分は水蒸気と反応して二酸化炭素に転換され、下流側のメタン化触媒上では二酸化炭素のメタン化反応が進行しているものと考えられる。
(式2)
CO+HO → CO+H
メタン化反応はアンモニア合成用の水素から一酸化炭素及び二酸化炭素を除去する目的で古くから使用されており、NiやRuなどを担持した触媒が高活性を示すことが知られている(非特許文献1、2)。
二酸化炭素を水素と反応させてメタンを得るメタン化反応は、工業的にも確立された技術(たとえば非特許文献3)であるが、カーボンニュートラル燃料の製造の観点では、なお改良の余地がある。
二酸化炭素を水素と反応させてメタンを得るメタン化反応は、式1に示す通り、4molの水素から1molのメタンを生成する反応である。水素4molの発熱量(高位発熱量、以下同じ)は、1143.3kJであり、メタン1molの発熱量は890.3kJであるから、反応が理論式通り100%の収率で進行した場合でも、得られるメタンの発熱量は、原料となる水素の発熱量の77.9%にとどまる。残りは反応熱として放出されて、通常は利用することができないので、水素からメタンへの変換過程で約22%のエネルギーを失うことになる。
二酸化炭素と水素とを反応させてメタノールを得る反応(式3)も公知である(例えば、特許文献2)。
(式3)
CO+3H → CHOH+H
この反応では、3molの水素から1molのメタノールを生成する。水素3molの発熱量(高位発熱量、以下同じ)は、857.5kJであり、メタノール1molの発熱量は726.1kJであるから、反応が理論式通り100%の収率で進行した場合に得られるメタノールの発熱量は、原料となる水素の発熱量の84.7%となって、メタンに変換する場合よりも効率は高いことになる。
このように変換の熱効率が高いことは、反面で二酸化炭素と水素とを反応させてメタノールを得る反応の反応熱(エンタルピー変化)が小さいことも意味し、これは反応のギブズエネルギー変化が小さいこと、すなわち平衡的に反応が進行し難いことにつながる。
例えば、250℃、5MPaの条件で、CO:H=1:4のガスをメタン化反応させて平衡組成とした場合には、COの99.5%がメタンに変換される。これに対して、同じ250℃、5MPaの条件で、CO:H=1:3のガスをメタノール合成反応させて平衡組成とした場合には、COの約20%しかメタノールに変換されない。このように、二酸化炭素と水素との反応によりメタノールを合成する反応は、平衡的に高い転化率が得難い問題がある。
これに対して、一酸化炭素と水素からメタノールを得る反応(式4)は、二酸化炭素と水素からメタノールを得る反応よりも発熱量が大きい。これに伴い、平衡的に一酸化炭素のメタノールへの転化率は、二酸化炭素からのメタノール合成反応よりも高くなる。例えば、250℃、5MPaの条件で、CO:H=1:2のガスをメタノール合成反応させて平衡組成とした場合には、COの58%がメタノールに変換される。
(式4)
CO+2H → CHOH
高温で水蒸気を電気分解して水素を生成する水蒸気電解装置と、高温で二酸化炭素を電気分解して一酸化炭素を生成する二酸化炭素電解装置と、前記水蒸気電解装置にて生成された水素及び二酸化炭素電解装置にて生成された一酸化炭素が供給されるメタノール合成装置と、を備えるメタノール合成システムが知られている(特許文献3)。
水蒸気の電解による水素生成と、二酸化炭素の電解による一酸化炭素生成を個別に行い、得られた水素及び一酸化炭素を混合してメタノール合成反応に供することは、一酸化炭素のメタノールへの転化率が高くなるCO:H=1:2のガスが得られるという意味では優れている。
一方で、高温で二酸化炭素を電気分解して一酸化炭素を生成する場合、一酸化炭素の不均化反応(式5)による炭素析出が極めて起こりやすくなり、二酸化炭素電解装置の安定した運転が困難であるという課題も存在する。
(式5)
2CO → C(固体)+CO
高温で二酸化炭素を電気分解して一酸化炭素を生成するに際し、原料中に微量の硫黄分を共存させることにより、炭素析出を抑制できるとする文献もある(特許文献4)。
しかし、一酸化炭素の不均化による炭素析出は、固体酸化物電解セルの中のみならず、配管や熱交換器の中でも進行し、メタルダスティングと呼ばれる現象も引き起こすことから、種々の課題が存在し、それらの回避には多くの費用がかかり、経済的に有利とはいえない。
高温の固体酸化物型電解セルに、水蒸気と二酸化炭素の混合ガスを供給して、電解すなわち電気化学的に還元する(水蒸気と二酸化炭素の共電解)ことで、水素と一酸化炭素を含む合成ガスが得られることは知られている(非特許文献4)。
固体酸化物型電解セルの運転は、通常600℃~1000℃程度、一般的には700℃~850℃程度で行われる。このような比較的高温の条件では、発熱反応であるCOシフト反応は、吸熱側であるCO生成側(逆シフト反応側)に有利となり、一般的に高濃度の一酸化炭素が含む合成ガスが得られる。このような合成ガスは、メタノール合成反応で高い転化率を得るのに適していると考えられる。
しかし、発明者らの検討により、以下の共電解により得られた合成ガスからのメタノール合成においては、次の課題があることが判明した。
固体酸化物型電解セルによる共電解では、原料である水蒸気及び二酸化炭素を完全に水素と一酸化炭素に変換する(利用率100%)ことは困難であり、供給された水蒸気及び二酸化炭素のうち10%~20%程度が残存する(利用率80%~90%)。このため、共電解により得られた合成ガスをそのままメタノール合成反応に用いた場合、高い転化率が得られない。利用率を高めることにより、合成ガスに残存する水蒸気及び二酸化炭素の濃度を低減することは可能であるが、高い利用率の領域では、固体酸化物型電解セルの電流密度が低くなるため、固体酸化物型電解セルの利用効率が低下するほか、炭素析出のおそれも高くなる。
さらに、メタノール合成反応は、高い転化率が得られやすい一酸化炭素の水素化であっても、通常の反応条件では転化率が50%程度にとどまるため、多量の未反応の合成ガスが残存する。通常のメタノール合成反応では、これをメタノール合成反応器の入口側に循環(リサイクル)して利用しているが、未反応の合成ガスには二酸化炭素が高濃度で含まれるため、リサイクルを行うことでメタノール合成反応の転化率がさらに低下し、循環ガス量が多大になって、経済性が得られ難い。
特開昭60-235893号公報 特開平7-39755号公報 特開2017-178810号公報 国際公開第2014/154253号
社団法人化学工学協会編、化学プロセス集成、1970年、p.153 触媒学会編、触媒便覧、2008年、p.535 川越、松田、松島及び植松、日立評論、68巻10号、1986年、p.73 Kurucz及びBencik編、Stoots他著、"Syngas Production methods, post treatment and economics"、Nova Science Publishers(New York)、2009年、p.345
本発明が解決しようとする課題は、以上の問題に鑑み、二酸化炭素と水と電力からメタン及びメタノールを製造するに際して、設備コストを抑制しつつ、生産性の改善されたメタン及びメタノールの併産方法並びに併産設備を提供することにある。
本発明に係るメタノール及びメタンの併産方法の特徴構成は、
二酸化炭素と水と電力とを用いてメタノール及びメタンを併産する方法であって、
(a)水を気化させて水蒸気を生成する工程と、
(b)水蒸気と二酸化炭素との混合ガスを固体酸化物形電解セルで還元して、水素、一酸化炭素、二酸化炭素及び水蒸気を含む合成ガスを得る工程と、
(c)合成ガスを冷却して水を分離し、圧縮する工程と、
(d)水を分離し、圧縮した合成ガスをメタノール合成触媒に通じてメタノールを合成する工程と、
(e)(d)工程で得たガスを冷却して、メタノールを分離する工程と、
(f)メタノールが分離された合成ガスをメタン化触媒に通じてメタンを合成する工程と、
を備える点にある。
また、本発明に係るメタノール及びメタンの併産設備の特徴構成は、
二酸化炭素と水と電力とを用いてメタノール及びメタンを併産する設備であって、
水を気化させて水蒸気を生成する水蒸気生成部と、
水蒸気と二酸化炭素との混合ガスを固体酸化物形電解セルで還元して、水素、一酸化炭素、二酸化炭素及び水蒸気を含む合成ガスを生成する電解部と、
合成ガスを冷却して水を分離し、圧縮する水分離・圧縮部と、
水を分離し、圧縮した合成ガスをメタノール合成触媒に通じてメタノールを合成するメタノール合成部と、
メタノール合成部から送出されたガスを冷却して、メタノールを分離するメタノール分離部と、
メタノールが分離された合成ガスをメタン化触媒に通じてメタンを合成するメタン化反応部と、
を備える点にある。
本特徴構成によれば、水蒸気と二酸化炭素の混合ガスを固体酸化物形電解セルで還元して得た、水素及び一酸化炭素を主に含む合成ガスをメタノール合成反応に供しているので、水電解や水蒸気電解で得た水素と二酸化炭素をメタノール合成反応に供する場合と比較して、メタノールへの転化率が高くなり、経済的に有利となる。
また、水蒸気と二酸化炭素の混合ガスを固体酸化物形電解セルで還元する共電解反応を利用しているため、二酸化炭素のみを固体酸化物形電解セルで還元して一酸化炭素を得る場合と比較して、炭素析出が生じ難く、固体酸化物形電解セルの安定した運転が可能となる。
本発明に係るメタノール及びメタンの併産方法の更なる特徴構成は、(f)工程において、メタノールが分離された合成ガスの全量をメタン化触媒に通じてメタンを合成する点にある。
また、本発明に係るメタノール及びメタンの併産設備の更なる特徴構成は、メタン化反応部において、メタノールが分離された合成ガスの全量をメタン化触媒に通じてメタンを合成できるように構成されている点にある。
本特徴構成によれば、メタノール合成反応後の二酸化炭素濃度の高い合成ガスは、メタノール合成反応の原料側にリサイクルされることなく、メタン化触媒に通じてメタンの合成に用いられるため、メタノール合成反応の転化率が低下することがなく、少ない量のメタノール合成触媒で、メタノール製造を行うことができ、経済的に有利となる。また、リサイクルを行う場合に必要となるリサイクルコンプレッサーなどの設備も不要となるので、設備費用が低減でき、経済的に有利となる。
本発明に係るメタノール及びメタンの併産方法の更なる特徴構成は、
(b)工程を0.4MPa以下で行い、
(d)工程を4MPa以上で行う点にある。
また、本発明に係るメタノール及びメタンの併産設備の更なる特徴構成は、
電解部は、0.4MPa以下の環境下において、固体酸化物形電解セルにより混合ガスを還元可能に構成され、
メタノール合成部は、4MPa以上の環境下において、メタノールを合成可能に構成される点にある。
0.4MPaを超える圧力で電解を行うと、電解反応に際して、メタン化反応が併発するため、後段のメタノール合成工程に供される原料ガスに多量のメタンが含まれることになって、メタノールの製造量が低下する虞がある。一方、メタノール合成は、4MPa未満の圧力下で行うと、反応が進み難い。本特徴構成によれば、0.4MPa以下の圧力で電解を行うことができるため、メタノール合成工程に供される原料ガスに多量のメタンが含まれることを防止し、且つ、4MPa以上の圧力でメタノール合成を行うことができ、反応が進み易くなるため、結果的に、十分なメタノール製造量を確保することができる。
本発明のメタノール及びメタンの併産方法並びに併産設備を示すブロックフロー図である。 本発明のメタノール及びメタンの併産方法並びに併産設備を示すプロセスフロー図である。
〔実施形態〕
以下、メタノール及びメタンの併産方法並びに併産設備の実施形態について説明する。
図1は、本発明のメタノール及びメタンの併産方法並びに併産設備を示すブロックフロー図である。本実施形態に係るメタノール及びメタンの併産方法は、水を気化させて水蒸気を生成する工程(水蒸気生成工程)、水蒸気と二酸化炭素との混合ガスを固体酸化物形電解セルで還元し、水素、一酸化炭素、二酸化炭素及び水蒸気を含む合成ガスを得る工程(電解工程)、合成ガスを冷却して水を分離し、圧縮する工程(水分離・圧縮工程)、水を分離した合成ガスをメタノール合成触媒に通じてメタノールを合成する工程(メタノール合成工程)、メタノール合成工程で得たガスを冷却して、メタノールを分離する工程(メタノール分離工程)、メタノールが分離された合成ガスをメタン化触媒に通じてメタンを合成する工程(メタン化反応工程)を有する。
また、本実施形態に係るメタノール及びメタンの併産設備は、上記併産方法における各工程に対応する水蒸気生成部1、電解部2、水分離・圧縮部3、メタノール合成部4、メタノール分離部5、メタン化反応部6を有する。
水蒸気生成工程(水蒸気生成部1)では、水を蒸発器で気化させて水蒸気を生成する。
熱源には、メタノール合成反応及びメタン化反応の発熱が利用できる。水を気化させる際の圧力は、電解部2の操作圧力に、系内で生じる圧力損失を加味して設定され、通常0.1MPa以上0.5MPaの範囲である。0.5MPaを超える圧力で水を気化させること自体は問題ないが、水が気化する温度が180℃を超える温度となり、これに伴って180℃以上の熱が気化熱として供給される必要が生じることから、系内で発生する発熱で、水の気化熱の全量は賄えなくなり、メタノール及びメタンの併産プロセスとしての熱効率が低下する場合がある。
電解工程(電解部2)では、水蒸気生成部1で得た水蒸気と二酸化炭素を混合し、固体酸化物形電解セルに導入して、電解反応により水蒸気を水素に、二酸化炭素を一酸化炭素に還元する。
原料として用いる二酸化炭素は、固体酸化物形電解セルでの電解反応に支障のない純度及び性状のものである限り、どのような方法で製造されたものであっても差支えない。燃焼排ガスからアミン吸収法などの公知の二酸化炭素回収方法によって回収されたものであってもよく、有機物をメタン発酵させて得られるバイオガスから回収された二酸化炭素であってもよい。
二酸化炭素に硫黄分やハロゲン化合物、シロキサン化合物、重質炭化水素などが含まれる場合、これらが電解セルまたは後段のメタノール合成触媒の劣化を引き起こすことがあるので、必要に応じて反応に供する前にこれらを除去することが好ましい。
固体酸化物形電解セルは、公知の固体酸化物形電解セルを用いることができる。電解反応は、通常600℃~1000℃程度、好ましくは700℃~850℃程度で行う。電解反応の温度がこの範囲であると、十分な電解電流密度が確保できるため、設備コストが安価に抑えられ、かつ、電解セルの劣化が抑制されるため、運転コストが安価に抑えられる。
固体酸化物形電解セルでは、供給された水蒸気及び二酸化炭素のすべてを還元することは難しく、通常は供給された水蒸気及び二酸化炭素の70%~90%程度が還元される、すなわち利用率が70%~90%程度となる条件で運転される。この範囲であると、原料である水蒸気及び二酸化炭素の予熱に必要な熱量が過大となることがなく、また、電解セルの電流密度が過少となることもないので、経済性が得られやすい。
固体酸化物形電解セルで電解反応を行う際の圧力は、常圧(0.1MPa)以上0.4MPa以下とするのが好ましい(即ち、電解部2は、常圧以上0.4MPa以下の環境下において、固体酸化物形電解セルにより混合ガスを還元可能に構成されることが好ましい)。
0.4MPaを超える圧力で電解を行うと、電解反応に際して、メタン化反応が併発するため、後段のメタノール合成工程(メタノール合成部4)に送入される原料ガスに多量のメタンが含まれることになって、メタノールの製造量が低下する。
水分離・圧縮工程(水分離・圧縮部3)では、前記の電解工程(電解部2)により得た、水素、一酸化炭素、二酸化炭素及び水蒸気を含むガスを冷却して、水蒸気を水として分離する。電解反応後のガスは、十分高い温度にあるので、その顕熱は熱回収して、例えば電解反応に供する二酸化炭素と水素との混合ガスと熱交換して、その予熱に用いるのが好ましい。
電解反応に供する二酸化炭素と水素との混合ガスとの熱交換だけでは、十分に温度が低下しない場合には、さらに冷却水や空冷などの手段により冷却し、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下に冷却して、凝縮した水を分離する。例えば、冷凍機などを用いて、さらに低い温度に冷却すると、後段のメタノール合成工程で得られるメタノールの量がある程度増加するが、通常は冷却水等での冷却で十分である。
水分離・圧縮工程(水分離・圧縮部3)では、水の分離に加えて、合成ガスを圧縮して、後段のメタノール合成工程及びメタン化反応工程に適した圧力まで昇圧する。圧縮後の圧力は、3MPa以上10MPa以下とするのが好ましく、より好ましくは4MPa以上7MPa以下の範囲とする。この範囲であると、メタノール合成工程において十分なメタノール製造量が確保しやすく、極端な高圧とはならないことから、設備コストが過大となることを回避しやすい。
合成ガスの圧縮は、通常の回転式または往復動式ガス圧縮機を用いることができる。所望の圧力まで一段で圧縮するのではなく、多段に分けてその間で冷却しながら圧縮すると、圧縮動力が節減できて好ましい。その際、冷却後に生成した水は適宜分離すると、設備の耐久性及び圧縮動力の低減の観点で好ましい。
メタノール合成工程(メタノール合成部4)では、水を除去した水素、一酸化炭素、二酸化炭素と、微量の水蒸気を含むガスをメタノール合成触媒に接触させて、メタノールを生成する。尚、メタノール合成部4は、4MPa以上の環境下において、メタノールを合成可能に構成されることが好ましい。
メタノール合成触媒としては、公知の銅-亜鉛触媒、クロム-亜鉛触媒、銅-クロム-亜鉛触媒などが使用できる。
メタノール合成触媒に接触させる温度は、200℃以上350℃以下が好ましく、220℃以上280℃以下がより好ましい。前記の範囲にあると、十分な反応速度と、メタノールへの転化率が確保できるので、触媒量を過大に用いることなく、メタノールの生産量が確保できる。
メタノール合成反応は一定の発熱を伴うことから、メタノール合成反応器としては、発生した熱を除去しながら反応を進行させる熱交換型反応器を用いるのが好ましい。
メタノール分離工程(メタノール分離部5)では、前記のメタノール合成工程により得た、メタノールと未反応の水素、一酸化炭素、二酸化炭素を含むガスを冷却して、メタノールを液体として分離回収する。メタノール合成工程後のガスは、十分高い温度にあるので、その顕熱は熱回収して、例えばメタノール合成に供するガスと熱交換して、その予熱に用いるのが好ましい。
メタノールは、常温でも一定の蒸気圧を持つことから、熱交換による冷却や、水冷あるいは空冷による冷却に加えて、冷凍機と熱交換器を用いて、常温以下まで冷却するとメタノールの回収量を高めることができる。好ましくは20℃以下、より好ましくは10℃以下に冷却して、メタノールを分離する。
メタン化反応工程(メタン化反応部6)では、前記のメタノールを分離後の、未反応の水素、一酸化炭素、二酸化炭素を含むガスをメタン化触媒に接触させて、メタンを生成する。
メタン化反応工程において用いるメタン化触媒としては、NiやRuなどを含有する公知のメタン化触媒を用いることができる。
メタン化触媒に接触させる際の入口温度は、200℃以上350℃以下が好ましく、225℃以上275℃以下がより好ましい。前記の範囲にあると、十分な反応速度が得られやすいことから、触媒量を過大に用いることなくメタン化反応を進行させることが容易になり、かつ、メタン化反応の出口温度を抑制しやすいことから、触媒の耐久性を確保することが容易になる。
メタン化反応は、比較的大きな発熱を伴うため、反応の進行に伴い、ガスの温度が上昇し、それに伴って平衡転化率が低下する。従って、1段の反応で所望の転化率を得ることは通常困難である。断熱型の反応器を用いる場合には、反応熱により温度が上昇した出口ガスを熱交換により冷却したのち、次段反応器に導入するプロセスとするのが好ましい。
断熱型の反応器を冷却用の熱交換器を介して多段に連結してもよく、入口側の少なくとも1つの断熱型反応器と、出口側の少なくとも1つの熱交換型反応器とを、冷却用の熱交換器を介して、連結して用いてもよい。
メタン化反応は、比較的大きな発熱を伴うことから、触媒の熱劣化が問題となる場合もある。反応器出口側のガスを、反応器入口側に戻して、反応に供するガスを希釈することもできる。この反応器構成を用いると、希釈効果により温度上昇が抑えられることから触媒の耐久性が改善される。加えて、反応器出口温度が低下することにより、平衡転化率が高まる効果も生じるため、単純な多段反応器の構成よりも反応器の段数を削減できる場合がある。
メタン化反応後のガスを冷却して、水分を分離することにより、メタンを主成分とするガスが得られる。
本発明のメタノール及びメタンの併産方法並びに併産設備では、合成ガスから、まずメタノールが合成され、これを分離した後の未反応の合成ガスを原料としてメタンが合成される。生産されるメタノールとメタンのモル比は、反応圧力及び電解反応条件によって決まる合成ガス中の一酸化炭素と二酸化炭素の合計量に対する割合などによって決まり、通常3:7~7:3の範囲である。
〔実施例及び比較例〕
以下に、プロセス計算に基づく試算例を示す。各機器及び配管における圧力損失及び放熱損失は考慮していない。尚、図2は、本発明のメタノール及びメタンの併産方法並びに併産設備の一態様を示すプロセスフロー図である。
〔実施例1〕
水蒸気生成部1には、水が温度25℃、圧力0.1MPa、流量3.365mol/sの条件で供給される。この水は、熱交換器11において、後述するメタノール合成及びメタン化反応工程の発熱で得られた高圧蒸気(250℃、HPS)及び低圧蒸気(150℃、LPS)を用いて加熱され、230℃の水蒸気となる(水蒸気生成工程)。
電解部2の還元側(燃料極)には、水蒸気生成部1で生成された水蒸気と、二酸化炭素が供給される。二酸化炭素は、温度25℃、圧力0.1MPa、流量1mol/sの条件で供給され、高圧蒸気(250℃)を用いて230℃まで加熱し、前記の水蒸気と混合されて、固体酸化物型電解セル24の還元側に供給される。電解セル入口のガスと出口のガスとは、熱交換器22及び25を用いて熱交換される。
電解部2の酸化側(空気極)には、空気を供給する。空気は、温度25℃、圧力0.1MPa、流量1.75mol/sの条件で供給され、電解セル入口のガスと出口のガスとは、熱交換器23及び27を用いて熱交換される。
電解セル入口のガスは630℃まで予熱し、電解セルの出口温度は750℃とする。水蒸気及び二酸化炭素の利用率は80%とする。COシフト反応及びメタン化反応が平衡に達しているとき、生成ガスの流量は、水素2.644mol/s、一酸化炭素0.748mol/s、二酸化炭素0.227mol/s、水蒸気0.671mol/s、メタン0.025mol/sとなる。このように、固体酸化物型電解セル24の燃料極側からは、高濃度の一酸化炭素を含む合成ガスが得られる(電解工程)。
熱交換後の電解セルの出口ガスは、燃料極側も空気極側のいずれも常温より十分高い温度にあるため、熱交換器26及び28において、水との熱交換により、低圧蒸気(150℃)を生成しながら、170℃まで熱回収する。電解部2で得られた合成ガスは、水分離・圧縮部3に送入される。
水分離・圧縮部3では、電解部2で得られた合成ガスが、熱交換器31において、冷却水を用いて40℃まで冷却され、気液分離ドラム32において、凝縮水が分離されたのち、コンプレッサー33により、5MPaまで圧縮される(水分離・圧縮工程)。コンプレッサー33では、まず0.37MPaまで圧縮し、冷却水で40℃まで冷却して、圧縮により発生した凝縮水を分離し、次いで、1.37MPaまで圧縮し、同様に冷却水で40℃まで冷却して、圧縮により発生した凝縮水を分離し、最後に5MPaまで圧縮する。
水が分離され、圧縮された合成ガスはメタノール合成部4に送入される。
メタノール合成部4では、合成ガスが、熱交換器41において、高圧蒸気(250℃)により、230℃まで加熱され、メタノール合成反応器42に送入される。メタノール合成反応器42は熱交換型の反応器であり、約250℃に保たれた状態でメタノール合成反応が進行し、250℃の平衡転化率が得られる(メタノール合成工程)。反応器出口のガスは、水との熱交換により、低圧蒸気(150℃)を生成しながら170℃まで熱回収され、メタノール分離部5に送られる。
メタノール分離部5では、メタノール合成反応後のガスから、熱交換器51で冷却水を用いて40℃まで冷却し、さらに冷凍機と熱交換器(図示せず)を用いて常温以下まで冷却し、気液分離ドラム52により、生成したメタノールを分離する(メタノール分離工程)。
メタン化反応部6では、メタノール分離部5でメタノールを分離した合成ガスを、熱交換器61において高圧蒸気を用いて予熱し、さらに後述する熱交換器63の出口から分岐したガスと混合し240℃で、メタン化反応器62に通じて、合成ガスのメタン化反応を行う(メタン化反応工程)。メタン化反応器62は断熱型の反応器であり、メタン化の進行に伴い温度が上昇して、600℃の平衡組成までメタン化反応が進行する。反応後のガスは、熱交換器63で高圧蒸気として熱回収しながら、270℃まで冷却され、74.8%がリサイクルコンプレッサー(図示せず)を用いて、リサイクルガスとして入口側に返送される。残る25.2%は、メタン化反応器64に送られる。メタン化反応器64は熱交換型反応器であり、反応により生成する発熱を除去しながら概ね250℃を保って反応が進行し、250℃の平衡組成までメタン化反応が進行する。この際の反応熱は高圧蒸気として回収される。反応後のガスは、熱交換器65により、170℃まで熱回収して低圧蒸気を得たのち、さらに熱交換器66により冷却水で冷却して、気液分離ドラム67で水を分離することで、メタン主成分ガスが得られる。
プロセスの主要な箇所における、温度及び流量を表1に示す。
Figure 2022022978000002
メタノール及びメタンの生産量は、それぞれ0.508mol/s、0.490mol/sであった。生成したメタン主成分ガスの脱水後の組成は、メタン97.94%、水素1.65%、二酸化炭素0.41%であった。また、表1に示す通り、メタノール合成触媒の入口ガス量は3.664mol/sであった。メタノール合成触媒の設計触媒量をガス時間当たり空間速度(GHSV)毎時2000で設計する場合、145リットルのメタノール合成触媒が必要となり、メタノール合成触媒の単位体積当たりのメタノール生産量は、12.4mol[メタノール]/(h・L[触媒])となった。
〔比較例〕
次に、比較例の検討結果を示す。メタン化反応部6を有さず、メタノール分離部5の気液分離ドラム52の出口ガスのうち、1%をパージガスとして廃棄し、残部はリサイクルコンプレッサーを用いてメタノール合成部4の熱交換器41の前に戻すプロセスフローを比較例として検討した。
プロセスの主要な箇所における、温度及び流量を表2に示す。
Figure 2022022978000003
メタノールの生産量は、0.947mol/sであった。また、表2に示す通り、メタノール合成触媒の入口ガス量は14.37mol/sであった。メタノール合成触媒の設計触媒量をガス時間当たり空間速度(GHSV)毎時2000で設計する場合、580リットルのメタノール合成触媒が必要となり、メタノール合成触媒の単位体積当たりのメタノール生産量は、5.88mol[メタノール]/(h・L[触媒])となった。
比較例においては、メタノール合成触媒の単位体積当たりのメタノール生産量が実施例の半分以下となった。メタノールを分離した後の合成ガスを、メタノール合成工程にリサイクルする場合には、メタノール合成触媒の原料ガスに含まれる二酸化炭素の割合が増加し、これによりメタノール合成工程における単通転化率が大きく低下したためと考えられる。
〔実施例2〕
水蒸気と二酸化炭素との混合ガスを固体酸化物形電解セルで還元して、水素、一酸化炭素、二酸化炭素及び水蒸気を含む合成ガスを得る工程を0.37MPaの圧力で実施するものとし、その他の条件は実施例1と同様とした。
水蒸気生成部1には、水が温度25℃、圧力0.37MPa、流量3.5mol/sの条件で供給される。
水分離・圧縮部3では、電解部2で得られた合成ガスが、熱交換器31において、冷却水を用いて40℃まで冷却され、気液分離ドラム32において、凝縮水が分離されたのち、コンプレッサー33により、5MPaまで圧縮される(水分離・圧縮工程)。コンプレッサー33では、合成ガスが、まず1.37MPaまで圧縮され、冷却水で40℃まで冷却されて、圧縮により発生した凝縮水が分離され、次いで、5MPaまで圧縮される。
プロセスの主要な箇所における、温度及び流量を表3に示す。
Figure 2022022978000004
メタノール及びメタンの生産量は、それぞれ0.399mol/s、0.599mol/sであった。生成したメタン主成分ガスの脱水後の組成は、メタン98.21%、水素1.40%、二酸化炭素0.39%であった。また、表3に示す通り、メタノール合成触媒の入口ガス量は3.374mol/sであった。メタノール合成触媒の設計触媒量をガス時間当たり空間速度(GHSV)毎時2000で設計する場合、136リットルのメタノール合成触媒が必要となり、メタノール合成触媒の単位体積当たりのメタノール生産量は、10.5mol[メタノール]/(h・L[触媒])となった。
実施例2では、メタノール合成触媒の単位体積当たりのメタノール生産量が実施例1よりも幾分低下した。これは、電解時の圧力が高まったことにより、電解反応に際してメタン化反応が併発して、後段のメタノール合成工程に送入される原料ガスに含まれるメタンの割合が高くなったためである。
〔実施例3〕
メタノール合成及びメタン化反応工程を4MPaの圧力で実施するものとし、その他の条件は実施例1と同様とした。
水蒸気生成部1には、水が温度25℃、圧力0.1MPa、流量3.45mol/sの条件で供給される。
水分離・圧縮部3では、電解部2で得られた合成ガスが、熱交換器31において、冷却水を用いて40℃まで冷却され、気液分離ドラム32において、凝縮水が分離されたのち、コンプレッサー33により、4MPaまで圧縮される(水分離・圧縮工程)。コンプレッサー33では、合成ガスが、まず0.37MPaまで圧縮され、冷却水で40℃まで冷却されて、圧縮により発生した凝縮水が分離され、次いで、1.37MPaまで圧縮され、同様に冷却水で40℃まで冷却されて、圧縮により発生した凝縮水が分離され、最後に4MPaまで圧縮される。
プロセスの主要な箇所における、温度及び流量を表4に示す。
Figure 2022022978000005
メタノール及びメタンの生産量は、それぞれ0.443mol/s、0.555mol/sであった。生成したメタン主成分ガスの脱水後の組成は、メタン97.77%、水素1.91%、二酸化炭素0.32%であった。また、表4に示す通り、メタノール合成触媒の入口ガス量は3.732mol/sであった。メタノール合成触媒の設計触媒量をガス時間当たり空間速度(GHSV)毎時2000で設計する場合、151リットルのメタノール合成触媒が必要となり、メタノール合成触媒の単位体積当たりのメタノール生産量は、10.6mol[メタノール]/(h・L[触媒])となった。
実施例3では、メタノール合成触媒の単位体積当たりのメタノール生産量が実施例1よりも幾分低下した。これは、メタノール合成時の圧力が低くなったことにより、メタノール合成反応が平衡的に進み難くなったためである。
メタノール合成反応は、比較的低温で行われる、反応速度の遅い反応で、多量の触媒量を必要とする。また、反応による発熱量が比較的大きいうえに、好適な反応温度域よりも50~100℃程度上昇するだけで、転化率が大きく低下することから、複雑な構造の熱交換型反応器を必須とし、設備費用が高額となりやすい。本発明のメタン及びメタノールの併産方法並びに併産設備によれば、単位触媒量当たりのメタノールの生産量が高く保たれるうえに、未反応の合成ガスはメタン化原料として有効に活用することができるので、設備コストを抑制しつつ、メタン及びメタノールを効率よく製造することができる。
〔別実施形態〕
〔1〕上記の実施形態では、メタノール合成工程とメタン化反応工程の圧力を同一(4MPa又は5MPa)とした例について特に説明した。しかし、本発明に係るメタノール合成工程及びメタン化反応工程において、圧力は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
〔2〕メタノールからは、脱水反応(式6)によりジメチルエーテルが得られるほか、MTOあるいはMTP反応により炭素数2~4のオレフィン炭化水素(エチレン、プロピレン、ブチレン)を得ることができる。炭素数2~4のオレフィン炭化水素からは、水素化反応により、炭素数2~4のパラフィン炭化水素(エタン、プロパン、ブタン)を得ることができる。
(式6)
2CHOH → (CHO + H
したがって、本発明の方法で得られたメタノールは、前記の方法で、ジメチルエーテル、炭素数2~4のオレフィン炭化水素又は炭素数2~4のパラフィン炭化水素に変換してもよい。また、本発明のメタノール及びメタンの併産設備は、メタノールをジメチルエーテルに変換するための脱水反応部をさらに備えていてもよく、MTOあるいはMTP反応部をさらに備えていてもよく、MTOあるいはMTP反応部で得られたオレフィン炭化水素を水素化するための水素化反応部をさらに備えていてもよい。
上記実施形態(別実施形態を含む)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、たとえば、都市ガス原料となるメタン主成分ガスと化学品あるいは液体燃料として利用できるメタノールを製造する方法及び設備として利用することができる。
1 水蒸気生成部
2 電解部
3 水分離・圧縮部
4 メタノール合成部
5 メタノール分離部
6 メタン化反応部
24 固体電解質形電解セル
42 メタノール合成反応器
62 メタン化反応器(断熱型)
64 メタン化反応器(熱交換型)

Claims (6)

  1. 二酸化炭素と水と電力とを用いてメタノール及びメタンを併産する方法であって、
    (a)水を気化させて水蒸気を生成する工程と、
    (b)水蒸気と二酸化炭素との混合ガスを固体酸化物形電解セルで還元して、水素、一酸化炭素、二酸化炭素及び水蒸気を含む合成ガスを得る工程と、
    (c)合成ガスを冷却して水を分離し、圧縮する工程と、
    (d)水を分離し、圧縮した合成ガスをメタノール合成触媒に通じてメタノールを合成する工程と、
    (e)(d)工程で得たガスを冷却して、メタノールを分離する工程と、
    (f)メタノールが分離された合成ガスをメタン化触媒に通じてメタンを合成する工程と、
    を備えるメタノール及びメタンの併産方法。
  2. (f)工程において、メタノールが分離された合成ガスの全量をメタン化触媒に通じてメタンを合成する請求項1に記載のメタノール及びメタンの併産方法。
  3. (b)工程を0.4MPa以下で行い、
    (d)工程を4MPa以上で行う請求項1又は2に記載のメタノール及びメタンの併産方法。
  4. 二酸化炭素と水と電力とを用いてメタノール及びメタンを併産する設備であって、
    水を気化させて水蒸気を生成する水蒸気生成部と、
    水蒸気と二酸化炭素との混合ガスを固体酸化物形電解セルで還元して、水素、一酸化炭素、二酸化炭素及び水蒸気を含む合成ガスを生成する電解部と、
    合成ガスを冷却して水を分離し、圧縮する水分離・圧縮部と、
    水を分離し、圧縮した合成ガスをメタノール合成触媒に通じてメタノールを合成するメタノール合成部と、
    メタノール合成部から送出されたガスを冷却して、メタノールを分離するメタノール分離部と、
    メタノールが分離された合成ガスをメタン化触媒に通じてメタンを合成するメタン化反応部と、
    を備えるメタノール及びメタンの併産設備。
  5. メタン化反応部において、メタノールが分離された合成ガスの全量をメタン化触媒に通じてメタンを合成できるように構成されている請求項4に記載のメタノール及びメタンの併産設備。
  6. 電解部は、0.4MPa以下の環境下において、固体酸化物形電解セルにより混合ガスを還元可能に構成され、
    メタノール合成部は、4MPa以上の環境下において、メタノールを合成可能に構成される請求項4又は5に記載のメタノール及びメタンの併産設備。
JP2021085901A 2020-07-01 2021-05-21 メタノール及びメタンの併産方法並びにメタノール及びメタンの併産設備 Pending JP2022022978A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020114260 2020-07-01
JP2020114260 2020-07-01

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022022978A true JP2022022978A (ja) 2022-02-07

Family

ID=80225040

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021085901A Pending JP2022022978A (ja) 2020-07-01 2021-05-21 メタノール及びメタンの併産方法並びにメタノール及びメタンの併産設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022022978A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7241995B1 (ja) * 2022-05-31 2023-03-17 三菱電機株式会社 メタン生成システム
JP7278517B1 (ja) * 2022-05-31 2023-05-19 三菱電機株式会社 分散型メタネーションシステム
WO2023210125A1 (ja) * 2022-04-26 2023-11-02 株式会社日立製作所 炭化水素製造システム

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023210125A1 (ja) * 2022-04-26 2023-11-02 株式会社日立製作所 炭化水素製造システム
JP7241995B1 (ja) * 2022-05-31 2023-03-17 三菱電機株式会社 メタン生成システム
JP7278517B1 (ja) * 2022-05-31 2023-05-19 三菱電機株式会社 分散型メタネーションシステム
WO2023233500A1 (ja) * 2022-05-31 2023-12-07 三菱電機株式会社 分散型メタネーションシステム
WO2023233494A1 (ja) * 2022-05-31 2023-12-07 三菱電機株式会社 メタン生成システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1084583A (en) Using a fuel cell to oxidise the off-gas generated by a catalytic process
JP2022022978A (ja) メタノール及びメタンの併産方法並びにメタノール及びメタンの併産設備
EP2192082B1 (en) Co-production of methanol and ammonia
KR102027913B1 (ko) 메탄올 및 요소의 공동생산
US20140316016A1 (en) Conversion of Carbon Dioxide to Hydrocarbons Via Hydrogenation
CN110177772B (zh) 甲醇、氨和尿素的联合生产
BR112012032800B1 (pt) coprodução de metanol e amônia
JP5562873B2 (ja) 二酸化炭素と水素からメタンを合成する方法
CA2985284C (en) Use of syngas comprising carbon monoxide and water in the synthesis of methanol
JP2024503997A (ja) メタノールおよび炭化水素生成物を製造するための二酸化炭素と水の合成ガスへの変換
Banu et al. Integration of methane cracking and direct carbon fuel cell with CO2 capture for hydrogen carrier production
JPH03200734A (ja) メタノールの合成方法
EP2905433B1 (en) Method and system for producing liquid fuel and generating electric power
WO2020207926A1 (en) Chemical synthesis plant
KR101328697B1 (ko) 합성천연가스 제조장치 및 그 제조방법
JPS5953479B2 (ja) 熱エネルギ搬送方法
JP2006521989A (ja) 水素リッチ流の製造方法
EP4357327A1 (en) Apparatus for producing hydrocarbon and method for producing hydrocarbon
JP2022012436A (ja) メタノール及びメタンの併産方法並びにメタノール及びメタンの併産設備
NO157498B (no) Fremgangsm te ved fremstilling av metanol.
AU2022294430A1 (en) Hydrocarbon production apparatus and hydrocarbon production method
KR20230123462A (ko) 합성가스를 생산하는 방법 및 설비
US20220153657A1 (en) Methods and systems for converting carbon oxides to olefins
WO2023187147A1 (en) Conversion of carbon dioxide to gasoline using e-smr
US20230073089A1 (en) Co-production of methanol, ammonia and urea

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231121