JP2023158692A - 被加工物の研削方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】研削砥石の消耗量を低減することが可能な被加工物の研削方法を提供する。【解決手段】研削装置を用いて被加工物を研削する被加工物の研削方法であって、研削装置は、被加工物を保持面で保持するチャックテーブルと、研削砥石を有する研削ホイールが先端部に装着されるスピンドルを備える研削ユニットと、研削砥石の被加工物と接触する研削面側の状態を整える研削面調整ユニットと、を備え、被加工物を保持する保持ステップと、被加工物を研削する研削ステップと、を含み、研削ステップでは、研削負荷に対応する値が所定の基準値以上である場合には、研削面調整ユニットによる研削砥石の状態の調整を行いつつ被加工物を研削し、研削負荷に対応する値が所定の基準値未満である場合には、研削面調整ユニットによる研削砥石の状態の調整を行わずに被加工物を研削する。【選択図】図1

Description

本発明は、研削装置を用いて被加工物を研削する被加工物の研削方法に関する。
複数のデバイスが形成されたウェーハを分割して個片化することにより、デバイスを備えるデバイスチップが製造される。また、所定の基板上に複数のデバイスチップを実装し、デバイスチップを樹脂層(モールド樹脂)で被覆して封止することにより、パッケージ基板が形成される。このパッケージ基板を分割して個片化することにより、パッケージ化された複数のデバイスチップを備えるパッケージデバイスが製造される。デバイスチップやパッケージデバイスは、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の様々な電子機器に組み込まれる。
近年では、電子機器の小型化に伴い、デバイスチップやパッケージデバイスに薄型化が求められている。そこで、研削装置を用いて分割前のウェーハやパッケージ基板を研削して薄化する処理が実施されることがある。研削装置は、被加工物を保持するチャックテーブルと、被加工物に研削加工を施す研削ユニットとを備える。研削ユニットにはスピンドルが内蔵されており、スピンドルの先端部には複数の研削砥石を含む環状の研削ホイールが装着される。被加工物をチャックテーブルで保持し、チャックテーブル及び研削ホイールを回転させつつ研削を被加工物に接触させることにより、被加工物が研削、薄化される(特許文献1参照)。
研削ホイールの研削砥石は、砥粒を結合材(ボンド材)で固定することによって形成される。結合材から露出する砥粒が被加工物に衝突することにより、被加工物が研削される。なお、研削砥石による被加工物の研削を継続すると、結合材が消耗(摩耗)し、露出している砥粒が脱落するとともに結合材の内部に埋め込まれている砥粒が新たに露出する。この現象は自生発刃と呼ばれており、自生発刃によって研削砥石の研削能力が維持される。
特開2014-124690号公報
研削装置で被加工物を研削する際には、研削ホイールの研削砥石が被加工物に接触し、研削砥石に力(研削負荷)が作用する。研削負荷は研削の対象物の材質によって異なり、研削が進行しにくい材質(難削材)でなる被加工物を研削する際には研削負荷が大きくなる傾向がある。研削負荷が高い状態で被加工物の研削を継続すると、被加工物に欠け(チッピング)等の加工不良が発生しやすくなる。
そこで、難削材等でなる被加工物を研削する際には、被加工物に接触した際に消耗しやすい研削砥石が用いられる。これにより、被加工物の研削中における自生発刃が促進され、研削砥石の研削能力が高い状態を維持しつつ被加工物を研削できる。その結果、研削砥石に作用する研削負荷が低減され、加工不良の発生が抑制される。
しかしながら、研削装置は様々な種類の被加工物の研削に用いられる。そのため、消耗しやすい研削砥石を含む研削ホイールが研削ユニットに装着されると、難削材でなる被加工物(SiCウェーハ、サファイアウェーハ等)の研削だけでなく、研削しやすい材質でなる被加工物(シリコンウェーハ等)の研削にも消耗しやすい研削砥石が用いられることになる。この場合、研削しやすい被加工物の研削時において、頻繁な自生発刃が要求されないにも関わらず研削砥石が必要以上に消耗する。その結果、被加工物を所定の厚さまで薄化するために必要な研削時間が長くなり、加工効率が低下する。また、研削砥石の激しい消耗によって研削ホイールの交換頻度が高くなり、コストが増大する。
また、研削装置で同一の種類の被加工物が研削される場合であっても、被加工物の研削中に研削負荷が変動することがある。例えば、被加工物の研削中に研削砥石のコンディションが経時的に変化し、研削加工が進行するにつれて研削負荷が徐々に増加することがある。また、裏面側に酸化膜(SiO膜)が形成されたシリコンウェーハを研削する際には、研削しにくい酸化膜と、研削しやすい単結晶シリコンとが連続的に研削され、研削加工の途中で研削負荷が変動する。このような場合、研削負荷を低く抑えることを優先して消耗しやすい研削砥石を用いると、研削負荷が低い状態で被加工物が研削されている間も研削砥石が不必要に消耗し、加工効率の低下やコスト増大の原因となる。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、研削砥石の消耗量を低減することが可能な被加工物の研削方法の提供を目的とする。
本発明の一態様によれば、研削装置を用いて被加工物を研削する被加工物の研削方法であって、該研削装置は、該被加工物を保持面で保持するチャックテーブルと、研削砥石を有する研削ホイールが先端部に装着されるスピンドルを備える研削ユニットと、該研削砥石の該被加工物と接触する研削面側の状態を整える研削面調整ユニットと、を備え、該チャックテーブルで該被加工物を保持する保持ステップと、該研削ホイールを回転させつつ該研削砥石を該チャックテーブルで保持された該被加工物に接触させることにより、該被加工物を研削する研削ステップと、を含み、該研削ステップでは、研削負荷に対応する値が所定の基準値以上である場合には、該研削面調整ユニットによる該研削砥石の状態の調整を行いつつ該被加工物を研削し、研削負荷に対応する値が所定の基準値未満である場合には、該研削面調整ユニットによる該研削砥石の状態の調整を行わずに該被加工物を研削する被加工物の研削方法が提供される。
該研削面調整ユニットは、該研削砥石の該研削面側に流体を噴射し、又は、該研削砥石の該研削面側にレーザービーム若しくは超音波を照射してもよい。また、該研削面調整ユニットは、該研削砥石の該研削面側に接触するドレッシングボード又はブラシを備えていてもよい。
該研削負荷に対応する値は、該スピンドルを回転させるモータの電流値であってもよい。また、該研削負荷に対応する値は、該チャックテーブル又は該スピンドルにかかる荷重値であってもよい。
本発明の一態様に係る被加工物の研削方法では、研削負荷が高い場合には、研削砥石の状態の調整を行い研削砥石の研削能力を高く維持した状態で、被加工物を研削する。一方、研削負荷が低い場合には、研削砥石の状態の調整を行わずに研削砥石の消耗を抑制した状態で、被加工物を研削する。これにより、研削負荷の増大による加工不良の発生を防止しつつ、研削砥石の消耗量を低減することができる。
研削装置を示す斜視図である。 チャックテーブル及び研削ユニットを示す斜視図である。 チャックテーブルを示す断面図である。 被加工物の研削方法を示すフローチャートである。 チャックテーブルで被加工物を保持する研削装置を示す斜視図である。 図6(A)は研削砥石の状態の調整を行いつつ被加工物を研削する研削装置を示す斜視図であり、図6(B)は研削砥石の状態の調整を行わずに被加工物を研削する研削装置を示す斜視図である。 チャックテーブル及び研削ホイールを示す平面図である。 図8(A)は研削砥石にレーザービームを照射する研削面調整を示す斜視図であり、図8(B)は研削砥石に超音波を照射する研削面調整ユニットを示す斜視図である。 図9(A)は研削砥石に接触するドレッシングボードを備える研削面調整ユニットを示す斜視図であり、図9(B)は研削砥石に接触するブラシを備える研削面調整ユニットを示す斜視図である。
以下、添付図面を参照して本発明の一態様に係る実施形態を説明する。まず、本実施形態に係る被加工物の研削方法の実施に用いることが可能な研削装置の構成例について説明する。図1は、被加工物11を研削する研削装置2を示す斜視図である。なお、図1において、X軸方向(加工送り方向、第1水平方向、前後方向)とY軸方向(第2水平方向、左右方向)とは、互いに垂直な方向である。また、Z軸方向(鉛直方向、上下方向、高さ方向)は、X軸方向及びY軸方向と垂直な方向である。
例えば被加工物11は、単結晶シリコン等の半導体材料でなる円盤状のウェーハであり、互いに概ね平行な表面(第1面)11a及び裏面(第2面)11bを備える。被加工物11は、互いに交差するように格子状に配列された複数のストリート(分割予定ライン)によって、複数の矩形状の領域に区画されている。また、ストリートによって区画された複数の領域の表面11a側にはそれぞれ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)、LED(Light Emitting Diode)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイス等のデバイス(不図示)が形成されている。
被加工物11をストリートに沿って分割することにより、デバイスをそれぞれ備える複数のデバイスチップが製造される。被加工物11の分割には、環状の切削ブレードで被加工物11を切削する切削装置、レーザービームの照射によって被加工物11を加工するレーザー加工等の各種の加工装置を用いることができる。また、被加工物11の分割前に、研削装置2によって被加工物11の裏面11b側を研削して被加工物11を薄化しておくと、薄型化されたデバイスチップが得られる。
ただし、被加工物11の種類、材質、大きさ、形状、構造等に制限はない。例えば被加工物11は、シリコン以外の半導体(GaAs、InP、GaN、SiC等)、サファイア、ガラス、セラミックス、樹脂、金属等でなる円盤状のウェーハ(基板)であってもよい。また、デバイスの種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はなく、被加工物11にはデバイスが形成されていなくてもよい。
研削装置2は、研削装置2を構成する各構成要素を支持又は収容する基台4を備える。基台4の上面側には、長手方向がX軸方向に沿うように形成された矩形状の開口4aが設けられている。また、基台4の後端部の上面側には、直方体状の支持構造6がZ軸方向に沿って設けられている。
開口4aの内側には、被加工物11を保持するチャックテーブル(保持テーブル)8が設けられている。チャックテーブル8の上面は、水平面(XY平面)と概ね平行な平坦面であり、被加工物11を保持する保持面8aを構成している。チャックテーブル8には、チャックテーブル8をX軸方向に沿って移動させるX軸移動ユニット10が連結されている。
X軸移動ユニット10は、例えばボールねじ式の移動機構であり、開口4aの内側に設けられている。具体的には、X軸移動ユニット10は、X軸方向に沿って配置されたX軸ボールねじ(不図示)と、X軸ボールねじを回転させるX軸パルスモータ(不図示)とを備える。また、X軸移動ユニット10は、チャックテーブル8を囲むように設けられた平板状のテーブルカバー12を備える。テーブルカバー12の前方及び後方には、X軸方向に沿って伸縮可能な蛇腹状の防塵防滴カバー14が設けられている。テーブルカバー12及び防塵防滴カバー14は、開口4aの内側に収容されているX軸移動ユニット10の構成要素(X軸ボールねじ、X軸パルスモータ等)を覆うように設置される。
X軸移動ユニット10を作動させると、チャックテーブル8がX軸方向に沿って移動し、開口4aの前端部(搬送位置)又は後端部(研削位置)に位置付けられる。また、チャックテーブル8には、チャックテーブル8をZ軸方向と概ね平行な回転軸の周りで回転させるモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。
支持構造6の前面側には、Z軸移動ユニット16が設けられている。Z軸移動ユニット16は、Z軸方向に沿って配置された一対のZ軸ガイドレール18を備える。また、一対のZ軸ガイドレール18には、平板状のZ軸移動プレート20がZ軸ガイドレール18に沿ってスライド可能に装着されている。
Z軸移動プレート20の裏面側(後面側)側には、ナット部(不図示)が設けられている。このナット部には、一対のZ軸ガイドレール18の間にZ軸方向に沿って配置されたZ軸ボールねじ22が螺合されている。また、Z軸ボールねじ22の端部には、Z軸ボールねじ22を回転させるZ軸パルスモータ24が連結されている。Z軸パルスモータ24でZ軸ボールねじ22を回転させると、Z軸移動プレート20がZ軸ガイドレール18に沿ってZ軸方向に移動(昇降)する。
Z軸移動プレート20の表面(前面)側には、支持部材26が固定されている。支持部材26は、被加工物11に研削加工を施す研削ユニット28を支持している。研削ユニット28は、支持部材26によって支持された円柱状のハウジング30を備える。また、ハウジング30には、Z軸方向に沿って配置された円柱状のスピンドル32が収容されている。スピンドル32の先端部(下端部)は、ハウジング30の下面から下方に突出している。
スピンドル32の先端部には、金属等でなる円盤状のマウント34が固定されている。マウント34の下面側には、被加工物11を研削する環状の研削ホイール36が着脱可能に装着される。例えば研削ホイール36は、締結ボルト等の固定具(不図示)によってマウント34に固定される。これにより、研削ホイール36がマウント34を介してスピンドル32の先端部に装着される。
研削ホイール36は、環状のホイール基台38と、ホイール基台38に固定された複数の研削砥石40とを備える。ホイール基台38は、アルミニウム合金等の金属でなり、マウント34と概ね同径に形成される。また、ホイール基台38の下面側には、複数の研削砥石40がホイール基台38の外周縁に沿って概ね等間隔で環状に配列されている。なお、研削砥石40の下面はそれぞれ、被加工物11に接触して被加工物11を研削する研削面40a(図2参照)を構成している。
研削砥石40は、例えば直方体状に形成され、ダイヤモンド、cBN(cubic Boron Nitride)等でなる砥粒と、砥粒を固定する結合材(ボンド材)とを含む。結合材としては、メタルボンド、レジンボンド、ビトリファイドボンド等を用いることができる。ただし、研削砥石40の数、形状、材質、サイズ等に制限はない。
研削ユニット28の内部又は近傍には、純水等の液体(研削液)を供給する研削液供給路(不図示)が設けられている。被加工物11の研削中は、研削液供給路から被加工物11及び研削砥石40に研削液が供給される。これにより、被加工物11及び研削砥石40が冷却されるとともに、被加工物11の研削によって発生した屑(研削屑)が洗い流される。
研削ユニット28の下方には、研削砥石40の研削面40a(図2参照)側の状態を整える研削面調整ユニット42が設けられている。研削面調整ユニット42は、研削砥石40の研削面40a側を消耗させて研削砥石40の自生発刃を促進させるとともに、研削砥石40の研削面40a側に付着している研削屑等の異物を除去することにより、研削砥石40のコンディションを整える。なお、研削面調整ユニット42の構成及び機能の詳細については後述する。
また、研削装置2は、研削装置2を制御する制御ユニット(制御部、制御装置)44を備える。制御ユニット44は、研削装置2の各構成要素(チャックテーブル8、X軸移動ユニット10、Z軸移動ユニット16、研削ユニット28、研削面調整ユニット42等)に接続されている。制御ユニット44は、研削装置2の各構成要素に制御信号を出力することにより、研削装置2の動作を制御する。
例えば制御ユニット44は、コンピュータによって構成され、研削装置2を稼働するための演算を行う演算部と、研削装置2の稼働に用いられる各種の情報(データ、プログラム等)を記憶する記憶部とを備える。演算部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成される。また、記憶部は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリを含んで構成される。
図2は、チャックテーブル8及び研削ユニット28を示す斜視図である。チャックテーブル8は、SUS(ステンレス鋼)等の金属、ガラス、セラミックス、樹脂等でなる円柱状の枠体(本体部)50を備える。枠体50の上面50a側の中央部には、円柱状の凹部50bが設けられている。また、凹部50bには、ポーラスセラミックス等の多孔質部材でなる円盤状の保持部材52が嵌め込まれている。保持部材52は、保持部材52の上面から下面まで連通する複数の空孔によって構成される流路を含む。保持部材52の上面は、チャックテーブル8で被加工物11を保持する際に被加工物11を吸引する円形の吸引面52aを構成している。
凹部50bの深さと保持部材52の厚さとは概ね同一であり、枠体50の上面50aと保持部材52の吸引面52aとによってチャックテーブル8の保持面8aが構成される。保持面8a(吸引面52a)は、保持部材52に含まれる空孔、枠体50の内部に形成された流路50c(図3参照)、バルブ(不図示)等を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続される。
図3は、チャックテーブル8を示す断面図である。チャックテーブル8の保持面8aは、保持面8aの中心を頂点とする円錐状に形成されており、保持面8aの径方向に対して僅かに傾斜している。そして、チャックテーブル8は、保持面8aの一部に相当し保持面8aの中心から外周縁に至る保持領域8bが水平面と平行になるように、僅かに傾いた状態で配置される。また、チャックテーブル8の回転軸は、保持面8aの径方向と垂直な方向に沿って設定されており、鉛直方向に対して僅かに傾斜している。
なお、図3では説明の便宜上、保持面8aの傾斜を誇張して図示しているが、実際の保持面8aの傾斜は小さい。例えば、保持面8aの直径が290mm以上310mm以下程度である場合には、保持面8aの中心と外周縁の高さの差(円錐の高さに相当)は、20μm以上40μm以下程度に設定される。
図2に示すように、チャックテーブル8には、チャックテーブル8にかかる荷重を測定する荷重測定ユニット54が接続されている。例えば荷重測定ユニット54は、チャックテーブル8に連結されたロードセルであり、チャックテーブル8にかかる荷重を電気信号に変換して出力する。そして、チャックテーブル8にかかる荷重値に対応する信号が、荷重測定ユニット54から制御ユニット44に入力される。
チャックテーブル8の上方には、研削ユニット28が設けられている。研削ユニット28には、スピンドル32を所定の回転数で回転させるモータ56が接続されている。制御ユニット44からモータ56に制御信号を出力してモータ56を駆動させると、スピンドル32、マウント34及び研削ホイール36がZ軸方向と概ね平行な回転軸の周りを回転する。また、モータ56の駆動中は、モータ56の電流値がモータ56から制御ユニット44に入力される。なお、モータ56の電流値は、スピンドル32、マウント34及び研削ホイール36の回転数を所定の値に維持するために必要なモータ56のトルクに対応する。
さらに、研削ユニット28には、スピンドル32、マウント34及び研削ホイール36にかかる荷重を測定する荷重測定ユニット58が接続されている。例えば荷重測定ユニット58は、スピンドル32に連結されたロードセルであり、スピンドル32にかかる荷重を電気信号に変換して出力する。そして、スピンドル32かかる荷重値に対応する信号が、荷重測定ユニット58から制御ユニット44に入力される。
モータ56を駆動させると、モータ56からスピンドル32及びマウント34を介して伝達される動力によって研削ホイール36が回転する。これにより、複数の研削砥石40がそれぞれ、水平面(XY平面)と概ね平行な環状の移動経路(回転軌道)に沿って移動する。被加工物11をチャックテーブル8で保持し、チャックテーブル8及び研削ホイール36を回転させつつ研削砥石40を被加工物11に接触させることにより、被加工物11が研削される。
なお、研削砥石40による被加工物11の研削を継続すると、研削砥石40の結合材から露出した砥粒が消耗により平滑化されて研削砥石40の研削能力が低下する目つぶれと称される現象や、研削屑等の異物が研削砥石40の研削面40a側に付着して砥粒の一部又は全体が埋没する目詰まりと称される現象が発生することがある。目つぶれや目詰まりが生じると、研削砥石40の研削能力が低下し、研削砥石40に作用する力(研削負荷)が増大する。そして、研削負荷が高い状態で被加工物11の研削を継続すると、被加工物11に欠け(チッピング)等の加工不良が発生しやすくなる。
そこで、研削装置2には、研削砥石40の研削面40a側の状態を整える研削面調整ユニット42が搭載される。研削面調整ユニット42は、研削砥石40の研削面40a側を消耗させることにより、研削砥石40の自生発刃を促進させる。また、研削面調整ユニット42は、研削砥石40の研削面40a側を洗浄することにより、研削砥石40に付着している研削屑等の異物を除去する。これにより、研削砥石40のコンディションが整えられる。
研削面調整ユニット42は、研削砥石40の研削面40a側に流体62を噴射するノズル60を備える。例えばノズル60は、チャックテーブル8の側方に研削砥石40と重なるように配置される。
流体62としては、ポンプによって加圧された純水等の液体(高圧水)を用いることができる。例えばノズル60は、流体62を0.1MPa以上(好ましくは2MPa以上13MPa以下)の圧力で研削砥石40の研削面40a側に噴射する。ただし、流体62の種類に制限はない。例えば流体62は、砥粒を含む純水等の液体(砥粒入り高圧水)であってもよい。また、流体62は、混合された液体(純水等)及び気体(エアー等)を含む混合流体であってもよい。
ノズル60から噴射された流体62が研削砥石40の研削面40a側に衝突すると、研削砥石40の結合材が部分的に破壊されて消耗し、露出している砥粒が脱落するとともに結合材の内部に埋め込まれている砥粒が新たに露出する。これにより、研削砥石40の研削能力が回復する。また、研削砥石40の研削面40a側に付着している研削屑等の異物が、流体62によって洗い流されて除去される。これにより、研削砥石40の研削面40a側で砥粒が適切に露出し、目詰まりが解消される。このようにして、研削砥石40の状態が荷重測定ユニット54によって調整される。
また、研削装置2は、被加工物11の研削時に研削砥石40にかかる力(研削負荷)に応じて、研削面調整ユニット42による研削砥石40の状態の調整を行うか否かを選択する。具体的には、制御ユニット44は、研削砥石40の調整を行うか否かを判定する判定部44aと、判定部44aによる判定に用いられる情報を記憶する記憶部44bとを含む。
被加工物11の研削中は、研削負荷に対応する値が判定部44aに逐次入力される。また、記憶部44bには、研削負荷の基準値(閾値)が予め記憶されている。そして、判定部44aは、研削負荷に対応する値と基準値とを比較することにより、研削砥石40の状態を整えるか否かを判定する。
具体的には、チャックテーブル8にかかる荷重が荷重測定ユニット54によって測定され、チャックテーブル8にかかる荷重値に対応する信号が判定部44aに入力される。また、スピンドル32を所定の回転数で回転させているモータ56の電流値に対応する信号が判定部44aに入力される。さらに、スピンドル32にかかる荷重が荷重測定ユニット58によって測定され、スピンドル32にかかる荷重値に対応する信号が判定部44aに入力される。
チャックテーブル8の荷重値、モータ56の電流値、スピンドル32の荷重値はそれぞれ、被加工物11と接触した研削砥石40に作用する力(研削負荷)に対応する。すなわち、研削負荷が増大すると、チャックテーブル8の荷重値、モータ56の電流値、及びスピンドル32の荷重値も増大する。そのため、被加工物11の研削中にチャックテーブル8の荷重値、モータ56の電流値、及びスピンドル32の荷重値を測定することにより、研削負荷を監視することができる。
なお、研削負荷に対応する値は、少なくとも1種類取得されればよい。すなわち、チャックテーブル8の荷重値、モータ56の電流値、スピンドル32の荷重値から選択された1種類又は2種類の値が判定部44aに入力されてもよい。
研削負荷に対応する値が所定の基準値以上である場合には、判定部44aは、研削砥石40の状態の調整が必要であると判定する。そして、制御ユニット44は、研削面調整ユニット42を作動させ、ノズル60から流体62を噴出させる。これにより、研削装置2は研削砥石40の状態の調整を行いつつ被加工物11を研削する。その結果、目潰れや目詰まりが解消されて研削能力が高い状態に維持された研削砥石40によって被加工物11が研削され、加工不良の発生が抑制される。
一方、研削負荷に対応する値が所定の基準値未満である場合には、判定部44aは、研削砥石40の状態の調整が不要であると判定する。そして、制御ユニット44は、研削面調整ユニット42を作動させず、ノズル60から流体62を噴出させない。これにより、研削装置2は研削砥石40の状態の調整を行わずに被加工物11を研削する。その結果、研削砥石40の消耗が抑制された状態で被加工物11の研削が行われる。
次に、研削装置2を用いた被加工物11の研削方法の具体例を説明する。以下では一例として、被加工物11の裏面11b側を研削装置2で研削する場合について説明する。図4は、被加工物の研削方法を示すフローチャートである。
研削装置2で被加工物11を研削する際には、まず、チャックテーブル8で被加工物11を保持する(保持ステップ)。図5は、チャックテーブル8で被加工物11を保持する研削装置2を示す斜視図である。
被加工物11は、表面11a側が保持面8aに対面し、裏面11b側が上方に露出するように、チャックテーブル8上に配置される。このとき被加工物11は、被加工物11の中心位置と保持面8aの中心位置とが重なり、且つ、吸引面52a(図2参照)の全体が被加工物11によって覆われるように配置される。この状態で、保持面8aに吸引源の吸引力(負圧)を作用させると、被加工物11がチャックテーブル8によって吸引保持される(ステップS1)。
なお、厳密には、前述の通りチャックテーブル8の保持面8aは円錐状に形成されている(図3参照)。そのため、チャックテーブル8で被加工物11を保持すると、被加工物11は保持面8aに沿って僅かに変形した状態で保持される。そして、被加工物11のうち保持領域8bによって支持されている領域が、概ね水平に配置される。
被加工物11の表面11a側には、被加工物11を保護する保護シートが固定されてもよい。これにより、被加工物11の表面11a側(デバイス等)が保護シートによって覆われて保護される。そして、被加工物11は、保護シートを介してチャックテーブル8の保持面8aで保持される。
例えば保護シートとして、円形に形成されたフィルム状の基材と、基材上に設けられた粘着層(糊層)とを含むテープが用いられる。基材は、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂でなる。また、粘着層は、エポキシ系、アクリル系、又はゴム系の接着剤等でなる。なお、粘着層は紫外線硬化性樹脂であってもよい。
次に、研削ホイール36を回転させつつ研削砥石40をチャックテーブル8で保持された被加工物11に接触させることにより、被加工物11を研削する(研削ステップ)。研削ステップにおける研削装置2を、図6(A)及び図6(B)に示す。なお、図6(A)は研削砥石40の状態の調整を行いつつ被加工物11を研削する研削装置2を示す斜視図であり、図6(B)は研削砥石40の状態の調整を行わずに被加工物11を研削する研削装置2を示す斜視図である。
研削ステップでは、まず、チャックテーブル8と研削ホイール36との位置関係が調節される。具体的には、被加工物11の中心が研削砥石40の移動経路と重なるように、チャックテーブル8を研削ユニット28の下方に位置付ける。そして、チャックテーブル8と研削ホイール36とをそれぞれ、所定の方向に所定の回転数で回転させる。例えば、チャックテーブル8の回転数は60rpm以上300rpm以下に設定され、研削ホイール36の回転数は3000rpm以上6000rpm以下に設定される。
図7は、チャックテーブル8及び研削ホイール36を示す平面図である。なお、図7では、研削ホイール36のホイール基台38の図示を省略している。チャックテーブル8と研削ホイール36との位置関係が調節されると、研削砥石40の移動経路が、チャックテーブル8の側方に設置されている研削面調整ユニット42のノズル60とZ軸方向において重なるように位置付けられる。なお、研削面調整ユニット42は2組以上設置されてもよい。この場合には、研削砥石40の移動経路が複数のノズル60とZ軸方向において重なるように配置される。
次に、チャックテーブル8及び研削ホイール36を回転させた状態で、研削ユニット28をZ軸方向に沿って下降させ、被加工物11と研削ホイール36とを互いに接近させる。このときの研削ホイール36の下降速度、すなわち、チャックテーブル8(被加工物11)と研削ホイール36とのZ軸方向における相対的な移動速度が、加工送り速度(研削送り速度)に相当する。加工送り速度は、例えば0.1μm/s以上1μm/s以下に設定される。ただし、加工送り速度は、被加工物11の材質、研削砥石40の材質、被加工物11の研削量(研削前後における被加工物11の厚さの差)等に応じて適宜設定できる。
研削ホイール36を下降させると、環状の移動経路に沿って回転する研削砥石40がチャックテーブル8で保持されている被加工物11の裏面11b側に接触する。これにより被加工物11の研削が開始され、被加工物11の裏面11b側が削り取られる(ステップS2)。
研削砥石40は、被加工物11のうちチャックテーブル8の保持領域8b(図3参照)又はその近傍の領域によって支持されている部分に接触し、被加工物11を被加工物11の外周縁から中心に向かう方向に沿って円弧状に研削する。そして、チャックテーブル8の回転により、被加工物11の裏面11b側の全体が研削砥石40によって研削され、被加工物11が薄化される。
なお、被加工物11の研削中は、研削砥石40にかかる力(研削負荷)に対応する値が測定される。例えば前述のように、チャックテーブル8にかかる荷重、モータ56(図2参照)の電流値、又はスピンドル32にかかる荷重が、研削負荷に対応する値として測定され、制御ユニット44の判定部44a(図2参照)に逐次入力される。そして、判定部44aは、研削負荷に対応する値と、記憶部44b(図2参照)に記憶されている基準値とを比較することにより、研削負荷に対応する値が基準値以上であるか基準値未満であるかを判定する。
研削負荷に対応する値が基準値以上である場合には(ステップS3でYES)、図6(A)に示すように、研削面調整ユニット42が作動し、ノズル60から研削砥石40の研削面40a側に流体62が噴射される。これにより、研削面調整ユニット42による研削砥石40の状態の調整が行われつつ被加工物11が研削される(ステップS4)。その結果、目潰れや目詰まりが解消されて研削能力が高い状態に維持された研削砥石40によって被加工物11が研削され、加工不良の発生が抑制される。
一方、研削負荷に対応する値が基準値未満である場合には(ステップS3でNO)、図6(B)に示すように、研削面調整ユニット42が作動せず、ノズル60から流体62が噴射されない。これにより、研削面調整ユニット42による研削砥石40の状態の調整が行われずに被加工物11が研削される(ステップS5)。その結果、被加工物11の研削中における研削砥石40の消耗が抑制される。なお、研削負荷が低い場合には、研削砥石40の状態を整えずに被加工物11を研削しても加工不良は発生しにくい。
上記の被加工物11の研削が、被加工物11の厚さが仕上げ厚さになるまで継続される(ステップS6でNO、ステップS3~S5)。そして、被加工物11の厚さが仕上げ厚さになると(ステップS6でYES)、研削ホイール36が上昇して被加工物11から離れ、被加工物11の研削が停止される。これにより、被加工物11の研削が完了する。
以上の通り、本実施形態に係る被加工物の研削方法では、研削負荷が高い場合には、研削砥石40の状態の調整を行い研削砥石40の研削能力を高く維持した状態で、被加工物11を研削する。一方、研削負荷が低い場合には、研削砥石40の状態の調整を行わずに研削砥石40の消耗を抑制した状態で、被加工物11を研削する。これにより、研削負荷の増大による加工不良の発生を防止しつつ、研削砥石40の消耗量を低減することができる。
例えば、研削装置2は、研削しにくい材質でなる第1被加工物(SiCウェーハ、サファイアウェーハ等)と研削しやすい材質でなる第2被加工物(シリコンウェーハ等)の両方を研削することがある。この場合、第1被加工物の研削時には研削負荷が大きくなり、第2被加工物の研削時には研削負荷が小さくなる。そのため、研削装置2は、研削砥石40の状態の調整を行いつつ第1被加工物を研削し、研削砥石40の状態の調整を行わずに第2被加工物を研削する。これにより、第1被加工物の研削時における加工不良の発生が抑制される。また、第2被加工物の研削時における研削砥石40の消耗が抑制される。
また、被加工物11の研削中に、研削砥石40のコンディションが経時的に変化し、研削加工が進行するにつれて研削負荷が徐々に増加することがある。この場合、研削装置2は、研削負荷が小さい研削加工の序盤では研削砥石40の状態の調整を行わずに被加工物11を研削し、研削負荷が大きい研削加工の終盤では研削砥石40の状態の調整を行いつつ被加工物11を研削する。これにより、加工不良の発生を抑制しつつ研削砥石40の消耗量を低減できる。
また、被加工物11が材質の異なる複数の層を含む場合にも、被加工物11の研削中に研削負荷が変動する。例えば、被加工物11がシリコンウェーハであり、被加工物11の裏面11b側に酸化膜(SiO膜)が形成されている場合には、研削しにくい酸化膜と研削しやすい単結晶シリコンとが連続的に研削され、研削加工の途中で研削砥石40に作用する研削負荷が変動する。この場合、研削装置2は、酸化膜の研削時には研削砥石40の状態の調整を行いつつ被加工物11を研削し、単結晶シリコンの研削時には研削砥石40の状態の調整を行わずに被加工物11を研削する。これにより、加工不良の発生を抑制しつつ研削砥石40の消耗量を低減できる。
なお、上記実施形態では、流体62を噴射するノズル60を備える研削面調整ユニット42について説明したが(図2参照)、研削砥石40の状態を整えることが可能であれば、研削面調整ユニットの構成に制限はない。例えば研削装置2は、研削砥石40の研削面40a側にレーザービーム又は超音波を照射する研削面調整ユニットを備えていてもよい。研削面調整ユニットの変形例を、図8(A)及び図8(B)に示す。
図8(A)は、研削砥石40にレーザービーム74を照射する研削面調整ユニット42Aを示す斜視図である。研削面調整ユニット42Aは、研削砥石40の研削面40a側にレーザービーム74を照射することにより、研削砥石40の状態を調整する。
具体的には、研削面調整ユニット42Aは、レーザー照射ユニット64を備える。例えばレーザー照射ユニット64は、レーザー発振器66と、レーザー発振器66から出射したレーザービーム74を反射させるミラー68と、レーザービーム74を集光させる集光器70とを備える。集光器70は、複数の光学素子によって構成され、レーザービーム74を整形するシリンドリカルレンズ等のレンズ72を含む。例えばレンズ72は、レーザービーム74を線状に整形する。
レーザー発振器66から出射したレーザービーム74は、ミラー68で反射した後、集光器70に入射する。そして、レンズ72によって線状に整形されたレーザービーム74が研削砥石40の研削面40a側で集光する。レーザービーム74の照射条件は、例えば以下のように設定できる。
波長 :1030nm
繰り返し周波数:200kHz
パルス幅 :8ps
平均出力 :30W
研削砥石40の状態を整える際には、レーザー照射ユニット64から研削砥石40の研削面40a側にレーザービーム74が照射される。これにより、研削砥石40の研削面40a側において結合材が部分的に溶融して消耗し、自生発刃が促進される。また、研削砥石40の研削面40a側に付着している研削屑等の異物が溶融して除去される。
上記のように、研削面調整ユニット42Aは、レーザービーム74の照射によって研削砥石40のコンディションを整える。なお、研削面調整ユニット42Aは、2組以上設置されてもよい。この場合には、研削砥石40の移動経路上の2箇所以上にレーザービーム74が同時に照射される。
図8(B)は、研削砥石40に超音波78を照射する研削面調整ユニット42Bを示す斜視図である。研削面調整ユニット42Bは、研削砥石40の研削面40a側に超音波78を照射することにより、研削砥石40の状態を調整する。
具体的には、研削面調整ユニット42Bは、超音波78を発する超音波発信器76を備える。そして、研削砥石40の状態を整える際には、超音波発信器76から研削砥石40の研削面40a側に超音波78が照射される。これにより、ホイール基台38及び研削砥石40に対して超音波帯域に属する振動数の振動が付与され、研削砥石40が被加工物11に接触した際に研削砥石40が消耗しやすくなる。その結果、研削砥石40の目潰れや目詰まりが解消され、研削砥石40の研削能力が高い状態に維持される。
上記のように、研削面調整ユニット42Bは、超音波78の照射によって研削砥石40のコンディションを整える。なお、研削面調整ユニット42Bは、2組以上設置されてもよい。この場合には、研削砥石40の移動経路上の2箇所以上に超音波78が同時に照射される。
また、研削装置2は、研削砥石40の研削面40a側に接触するドレッシングボード又はブラシを備えていてもよい。研削面調整ユニットの他の変形例を、図9(A)及び図9(B)に示す。
図9(A)は、研削砥石40に接触するドレッシングボード86を備える研削面調整ユニット42Cを示す斜視図である。研削面調整ユニット42Cは、研削砥石40の研削面40a側にドレッシングボード86を接触させることにより、研削砥石40の状態を調整する。
研削面調整ユニット42Cは、昇降機構80を備える。例えば昇降機構80は、エアシリンダによって構成され、Z軸方向に沿って昇降するロッド82を備える。ロッド82の上端部には円盤状の支持基台84が固定されており、支持基台84上には円盤状のドレッシングボード86が固定されている。
ドレッシングボード86は、ホワイトアランダム(WA)、グリーンカーボランダム(GC)等でなる砥粒を、ビトリファイドボンド等の結合材で固定することによって形成される。なお、ドレッシングボード86の直径は、研削砥石40の長さ及び幅よりも大きい。
被加工物11の研削中に、ドレッシングボード86を昇降機構80によって上昇させることにより、ドレッシングボード86の上面が回転する研削砥石40の研削面40a側に押し当てられる。これにより、研削砥石40の研削面40a側が消耗して自生発刃が促進されるとともに、研削砥石40の研削面40aに付着している異物が除去される。
上記のように、研削面調整ユニット42Cは、ドレッシングボード86を研削砥石40に接触させることにより、研削砥石40のコンディションを整える。なお、研削面調整ユニット42Cは、2組以上設置されてもよい。この場合には、研削砥石40の移動経路上の2以上の箇所において研削砥石40とドレッシングボード86とが接触する。
図9(B)は、研削砥石40に接触するブラシ92を備える研削面調整ユニット42Dを示す斜視図である。研削面調整ユニット42Dは、研削砥石40の研削面40a側にブラシ92を接触させることにより、研削砥石40の状態を調整する。
研削面調整ユニット42Dは、昇降機構88を備える。例えば昇降機構88は、エアシリンダによって構成され、Z軸方向に沿って昇降するロッド90を備える。また、ロッド90の上端部には、ブラシ92が固定されている。
ブラシ92としては、例えば筒型ブラシが用いられる。具体的には、ブラシ92は、円柱状の筒部94と、筒部94によって支持された毛部96とを備える。毛部96は、ポリアミド、ポリエステル等の樹脂でなる毛材を束ねることによって構成され、毛材の基端部がそれぞれ筒部94に固定される。ただし、ブラシ92の種類、構造等に制限はない。
被加工物11の研削中に、ブラシ92を昇降機構88によって上昇させることにより、ブラシ92の毛部96の上端部が回転する研削砥石40の研削面40a側に接触する。これにより、研削砥石40の研削面40a側が消耗して自生発刃が促進されるとともに、研削砥石40の研削面40aに付着している異物が除去される。
上記のように、研削面調整ユニット42Dは、ブラシ92を研削砥石40に接触させることにより、研削砥石40のコンディションを整える。なお、研削面調整ユニット42Dは、2組以上設置されてもよい。この場合には、研削砥石40の移動経路上の2以上の箇所において研削砥石40とブラシ92とが接触する。
なお、研削装置2は、研削面調整ユニット42,42A,42B,42C,42Dのうち2種類以上の研削面調整ユニットを備えていてもよい。この場合には、研削砥石40の移動経路上において研削砥石40のコンディションが2種類以上の方法で整えられる。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
11 被加工物
11a 表面(第1面)
11b 裏面(第2面)
2 研削装置
4 基台
4a 開口
6 支持構造
8 チャックテーブル(保持テーブル)
8a 保持面
8b 保持領域
10 X軸移動ユニット
12 テーブルカバー
14 防塵防滴カバー
16 Z軸移動ユニット
18 Z軸ガイドレール
20 Z軸移動プレート
22 Z軸ボールねじ
24 Z軸パルスモータ
26 支持部材
28 研削ユニット
30 ハウジング
32 スピンドル
34 マウント
36 研削ホイール
38 ホイール基台
40 研削砥石
40a 研削面
42,42A,42B,42C,42D 研削面調整ユニット
44 制御ユニット(制御部、制御装置)
44a 判定部
44b 記憶部
50 枠体
50a 上面
50b 凹部
50c 流路
52 保持部材
52a 吸引面
54 荷重測定ユニット
56 モータ
58 荷重測定ユニット
60 ノズル
62 流体
64 レーザー照射ユニット
66 レーザー発振器
68 ミラー
70 集光器
72 レンズ
74 レーザービーム
76 超音波発信器
78 超音波
80 昇降機構
82 ロッド
84 支持基台
86 ドレッシングボード
88 昇降機構
90 ロッド
92 ブラシ
94 筒部
96 毛部

Claims (5)

  1. 研削装置を用いて被加工物を研削する被加工物の研削方法であって、
    該研削装置は、
    該被加工物を保持面で保持するチャックテーブルと、
    研削砥石を有する研削ホイールが先端部に装着されるスピンドルを備える研削ユニットと、
    該研削砥石の該被加工物と接触する研削面側の状態を整える研削面調整ユニットと、を備え、
    該チャックテーブルで該被加工物を保持する保持ステップと、
    該研削ホイールを回転させつつ該研削砥石を該チャックテーブルで保持された該被加工物に接触させることにより、該被加工物を研削する研削ステップと、を含み、
    該研削ステップでは、
    研削負荷に対応する値が所定の基準値以上である場合には、該研削面調整ユニットによる該研削砥石の状態の調整を行いつつ該被加工物を研削し、
    研削負荷に対応する値が所定の基準値未満である場合には、該研削面調整ユニットによる該研削砥石の状態の調整を行わずに該被加工物を研削することを特徴とする被加工物の研削方法。
  2. 該研削面調整ユニットは、該研削砥石の該研削面側に流体を噴射し、又は、該研削砥石の該研削面側にレーザービーム若しくは超音波を照射することを特徴とする請求項1記載の被加工物の研削方法。
  3. 該研削面調整ユニットは、該研削砥石の該研削面側に接触するドレッシングボード又はブラシを備えることを特徴とする請求項1記載の被加工物の研削方法。
  4. 該研削負荷に対応する値は、該スピンドルを回転させるモータの電流値であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の被加工物の研削方法。
  5. 該研削負荷に対応する値は、該チャックテーブル又は該スピンドルにかかる荷重値であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の被加工物の研削方法。
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