JP2024062728A - 被加工物の研削方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被加工物の品質のばらつきを低減することが可能な被加工物の研削方法を提供する。【解決手段】研削砥石を含む研削ホイールで被加工物を研削する被加工物の研削方法であって、第1チャックテーブルの保持面でドレッシングボードを保持する第1保持ステップと、研削砥石の研削面側でドレッシングボードを研削して研削砥石の研削面側の端部を曲面状に整形するドレッシングステップと、第2チャックテーブルの保持面で被加工物を保持する第2保持ステップと、研削砥石の研削面側で被加工物を研削して被加工物に凹部を形成する研削ステップと、を含む。【選択図】図4
Description
本発明は、研削ホイールで被加工物を研削する被加工物の研削方法に関する。
デバイスチップの製造プロセスでは、格子状に配列された複数のストリート(分割予定ライン)によって区画された複数の領域にそれぞれデバイスが形成されたデバイス領域を表面側に備えるウェーハが用いられる。このウェーハをストリートに沿って分割することにより、デバイスをそれぞれ備える複数のデバイスチップが得られる。デバイスチップは、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の様々な電子機器に組み込まれる。
近年では、電子機器の小型化に伴い、デバイスチップの薄型化が求められている。そこで、研削装置を用いて分割前のウェーハを研削して薄化する処理が実施されることがある。研削装置は、被加工物を保持するチャックテーブルと、被加工物を研削する研削ユニットとを備えており、研削ユニットには研削砥石を含む環状の研削ホイールが装着される。チャックテーブルでウェーハを保持し、チャックテーブル及び研削ホイールを回転させつつ研削砥石の研削面をウェーハの裏面側に接触させることにより、ウェーハが研削、薄化される。
ウェーハを薄化すると、ウェーハの剛性が低下し、その後のウェーハの取り扱い(搬送、保持等)の際にウェーハの変形や破損が生じやすくなる。そこで、ウェーハの裏面側のうちデバイス領域と重なる領域のみを研削して薄化する手法が提案されている(特許文献1参照)。この手法を用いると、ウェーハの中央部が薄化されてウェーハの中央部に円形の凹部が形成される一方で、ウェーハの外周部は薄化されずに厚い状態に維持され、環状の補強部として残存する。これにより、ウェーハの剛性の低下が抑制される。
ウェーハ等の被加工物を研削ホイールで研削する際には、研削砥石でドレッシングボードを研削して研削砥石を意図的に摩耗させるドレッシングが実施される。これにより、研削砥石の研削面の形状が整えられる。
ドレッシングが施された研削砥石で被加工物を研削して円形の凹部を形成すると、研削砥石の研削面側の端部が徐々に摩耗して曲面状になる。また、研削砥石の端部の形状が被加工物に形成される凹部にも反映され、凹部の底面の外周部(凹部の側壁の下端部)に曲面が形成される。なお、研削砥石に形成される曲面状の領域は、研削ホイールで被加工物を研削するごとに拡大し、被加工物の凹部に形成される曲面の幅も徐々に大きくなる。そして、被加工物を一定枚数(例えば15枚程度)研削すると、研削砥石の端部が概ね一定の曲率を維持したまま摩耗するようになり、被加工物の凹部に形成される曲面の幅も概ね一定になる。
被加工物の凹部に形成される曲面の幅は、被加工物の外周部(補強部)の機械的強度やデバイスチップの製造に使用可能な有効領域の大きさに影響する。そのため、被加工物の品質を一定に保つためには、被加工物の凹部に形成される曲面の幅のばらつきを抑えることが求められる。しかしながら、上記のように、研削砥石のドレッシングを実施した直後においては、研削砥石で被加工物に凹部を形成するごとに凹部の曲面の幅が大きくなるため、被加工物の品質が不安定になる。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、被加工物の品質のばらつきを低減することが可能な被加工物の研削方法の提供を目的とする。
本発明の一態様によれば、研削砥石を含む研削ホイールで被加工物を研削する被加工物の研削方法であって、第1チャックテーブルの保持面でドレッシングボードを保持する第1保持ステップと、該第1保持ステップの後に、該第1チャックテーブル及び該研削ホイールを回転させた状態で、該第1チャックテーブルと該研削ホイールとを該研削ホイールの回転軸と平行な方向及び該研削ホイールの回転軸と交差する方向に沿って相対的に移動させることにより、該研削砥石の研削面側で該ドレッシングボードを研削して該研削砥石の該研削面側の端部を曲面状に整形するドレッシングステップと、該ドレッシングステップの後に、第2チャックテーブルの保持面で該被加工物を保持する第2保持ステップと、該第2保持ステップの後に、該第2チャックテーブル及び該研削ホイールを回転させた状態で、該第2チャックテーブルと該研削ホイールとを該研削ホイールの回転軸と平行な方向に沿って相対的に移動させることにより、該研削砥石の該研削面側で該被加工物を研削して該被加工物に凹部を形成する研削ステップと、を含む被加工物の研削方法が提供される。
なお、好ましくは、該ドレッシングステップでは、該研削砥石の軌道が該第1チャックテーブルの回転軸に到達するまで該研削砥石で該ドレッシングボードを研削する。また、好ましくは、該被加工物の研削方法は、該第1保持ステップの後、且つ、該ドレッシングステップの前に、該第1チャックテーブル及び該研削ホイールを回転させた状態で、該第1チャックテーブルと該研削ホイールとを該研削ホイールの回転軸と平行な方向に沿って相対的に移動させることにより、該研削砥石の該研削面側で該ドレッシングボードを研削して該研削砥石の該研削面をドレッシングする事前ドレッシングステップをさらに含む。
本発明の一態様に係る被加工物の研削方法では、研削砥石の研削面側でドレッシングボードを研削して研削砥石の研削面側の端部を曲面状に整形した後、研削砥石の研削面側で被加工物を研削して被加工物に凹部を形成する。これにより、研削砥石の摩耗による端部の曲率の変動が抑制される。その結果、被加工物の凹部に形成される曲面の幅が変化しにくくなり、被加工物の品質のばらつきが低減される。
以下、添付図面を参照して本発明の一態様に係る実施形態を説明する。まず、本実施形態に係る被加工物の研削方法の実施に用いることが可能な研削装置の構成例について説明する。図1は、研削装置2を示す一部断面側面図である。なお、図1において、X軸方向(第1水平方向、前後方向)とY軸方向(第2水平方向、左右方向)とは、互いに垂直な方向である。また、Z軸方向(高さ方向、鉛直方向、上下方向)は、X軸方向及びY軸方向と垂直な方向である。
研削装置2は、研削装置2を構成する各構成要素を支持又は収容する基台4を備える。基台4の上面側には、直方体状の開口4aが設けられている。開口4aの内側には、研削装置2による研削加工の対象物である被加工物を保持するチャックテーブル(保持テーブル)6が設けられている。チャックテーブル6の上面は、被加工物を保持する保持面6aを構成している。
図2は、チャックテーブル6を示す断面図である。チャックテーブル6は、SUS(ステンレス鋼)等の金属、ガラス、セラミックス、樹脂等でなる円柱状の枠体(本体部)8を備える。枠体8の上面8a側の中央部には、円柱状の凹部8bが設けられている。
枠体8の凹部8bには、ポーラスセラミックス等の多孔質材でなる円盤状の保持部材10が嵌め込まれている。保持部材10は、保持部材10の上面から下面まで連通する多数の気孔を含んでいる。保持部材10の上面は、チャックテーブル6で被加工物を保持する際に被加工物を吸引する円形の吸引面10aを構成している。
枠体8の上面8aと保持部材10の吸引面10aとによって、チャックテーブル6の保持面6aが構成される。そして、保持面6aは、保持部材10に含まれる気孔、枠体8の内部に設けられた流路8c、バルブ(不図示)等を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続される。
チャックテーブル6の保持面6aは、保持面6aの中心を頂点とする円錐状に形成されており、保持面6aの径方向に対して僅かに傾斜している。そして、チャックテーブル6は、保持面6aの一部に相当し保持面6aの中心から外周縁に至る保持領域6bが水平面と概ね平行になるように、僅かに傾いた状態で配置される。被加工物のうち保持面6aの保持領域6bで保持された領域が、後述の研削ユニット32によって研削される。
なお、図2では説明の便宜上、保持面6aの傾斜を誇張して図示しているが、実際の保持面6aの傾斜は小さい。例えば、保持面6aの直径が290mm以上310mm以下程度である場合には、保持面6aの中心と外周縁との高さの差(円錐の高さに相当)は、20μm以上40μm以下程度に設定される。
チャックテーブル6には、チャックテーブル6を回転させるモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。回転駆動源は、チャックテーブル6を回転軸6cの周りで回転させる。チャックテーブル6の回転軸6cは、保持面6aの径方向と垂直な方向に沿って設定され、Z軸方向に対して僅かに傾斜している。そして、回転軸6cは保持面6aと交差しつつ保持面6aの中心を通過する。
図1に示すように、基台4の内側には移動機構(移動ユニット)12が設けられている。移動機構12は、チャックテーブル6に連結されており、チャックテーブル6をX軸方向に沿って移動させる。具体的には、移動機構12は、X軸方向に沿って配置されたボールねじ14を備える。ボールねじ14は、チャックテーブル6に連結されたナット部(不図示)に螺合されている。また、ボールねじ14の端部には、ボールねじ14を回転させるパルスモータ16が連結されている。パルスモータ16でボールねじ14を回転させると、チャックテーブル6がX軸方向に沿って移動する。
チャックテーブル6及び移動機構12の後方(図1における右側)には、直方体状の支持構造(コラム)18が設けられている。また、支持構造18の表面側(前面側)には、移動機構(移動ユニット)20が設けられている。移動機構20は、支持構造18の表面側に固定された一対のガイドレール22を備える。一対のガイドレール22は、Y軸方向において互いに離隔した状態で、Z軸方向に沿って配置されている。一対のガイドレール22には、平板状の移動プレート24がガイドレール22に沿ってスライド可能に装着されている。
移動プレート24の裏面側(背面側)には、ナット部26が設けられている。また、一対のガイドレール22の間にはボールねじ28がZ軸方向に沿って設けられており、ボールねじ28はナット部26に螺合されている。ボールねじ28の端部には、ボールねじ28を回転させるパルスモータ30が連結されている。パルスモータ30でボールねじ28を回転させると、移動プレート24がガイドレール22に沿ってZ軸方向に移動(昇降)する。
移動プレート24の表面側(前面側)には、被加工物に研削加工を施す研削ユニット32が装着されている。研削ユニット32は、移動プレート24の表面側に固定された中空の円柱状の支持部材34を備える。支持部材34には、円柱状のハウジング36が収容されている。ハウジング36の下面側は、ゴム等の弾性体でなる緩衝部材38を介して、支持部材34の底面によって支持されている。
ハウジング36には、Z軸方向に沿って配置された円柱状のスピンドル40が収容されている。スピンドル40の先端部(下端部)は、ハウジング36から露出しており、支持部材34の底部に設けられた開口を介して支持部材34の下面から下方に突出している。また、スピンドル40の基端部(上端部)には、スピンドル40を回転させるモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。回転駆動源を駆動させると、スピンドル40がZ軸方向に沿って設定された回転軸40aの周りを回転する。
スピンドル40の先端部には、金属等でなる円盤状のホイールマウント42が固定されている。ホイールマウント42の下面側には、被加工物を研削する環状の研削ホイール44が着脱可能に装着される。例えば研削ホイール44は、ボルト等の固定具によってホイールマウント42に固定される。
研削ホイール44は、アルミニウム、ステンレス等の金属でなりホイールマウント42と概ね同径に形成された環状のホイール基台46を備える。ホイール基台46の上面側がホイールマウント42の下面側に固定される。
ホイール基台46の下面側には、複数の研削砥石48が固定されている。研削砥石48の下面は、被加工物を研削する研削面48aを構成している。例えば研削砥石48は、直方体状に形成され、ホイール基台46の周方向に沿って概ね等間隔で環状に配列される。
研削砥石48は、ダイヤモンド、cBN(cubic Boron Nitride)等でなる砥粒と、砥粒を固定するメタルボンド、レジンボンド、ビトリファイドボンド等の結合材(ボンド材)とを含む。ただし、研削砥石48の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。また、研削砥石48の数も任意に設定できる。
研削ホイール44は、回転駆動源(不図示)からスピンドル40及びホイールマウント42を介して伝達される動力により、スピンドル40の回転軸40aの周りを回転する。すなわち、スピンドル40の回転軸40aは、ホイールマウント42及び研削ホイール44の回転軸に相当する。研削ホイール44を回転させると、複数の研削砥石48がそれぞれ、回転軸40aを中心とし水平面(XY平面)と概ね平行な環状の軌道(経路)に沿って旋回する。
移動機構12でチャックテーブル6を移動させると、チャックテーブル6と研削ホイール44とがX軸方向に沿って相対的に移動する。また、移動機構20で研削ユニット32を昇降させると、チャックテーブル6と研削ホイール44とがZ軸方向に沿って相対的に移動する。
研削ユニット32の内部又は近傍には、純水等の液体(研削液)を供給するための研削液供給路(不図示)が設けられている。研削ホイール44で被加工物を研削する際には、研削液が被加工物及び研削砥石48に供給される。これにより、被加工物及び研削砥石48が冷却されるとともに、研削加工によって発生した屑(研削屑)が洗い流される。
また、研削装置2は、研削装置2を制御するコントローラ(制御ユニット、制御部、制御装置)50を備える。コントローラ50は、研削装置2の構成要素(チャックテーブル6、移動機構12、移動機構20、研削ユニット32等)に接続されており、各構成要素の動作を制御する制御信号を生成する。
例えばコントローラ50は、コンピュータによって構成され、研削装置2の稼働に必要な演算を行う演算部と、研削装置2の稼働に用いられる各種の情報(データ、プログラム等)を記憶する記憶部とを含む。演算部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成される。記憶部は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリを含んで構成される。
図3は、研削装置2によって研削される被加工物11を示す斜視図である。例えば被加工物11は、単結晶シリコン等の半導体材料でなる円盤状のウェーハであり、互いに概ね平行な表面(第1面)11a及び裏面(第2面)11bを含む。
被加工物11は、互いに交差するように格子状に配列された複数のストリート(分割予定ライン)13によって、複数の矩形状の領域に区画されている。また、ストリート13によって区画された領域の表面11a側にはそれぞれ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)、LED(Light Emitting Diode)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイス等のデバイス15が形成されている。
被加工物11は、複数のデバイス15が形成された略円形のデバイス領域17と、デバイス領域17を囲む環状の外周余剰領域19とを、表面11a側に備える。外周余剰領域19は、表面11aの外周縁を含む所定の幅(例えば2mm程度)の帯状領域に相当する。外周余剰領域19には、デバイス15が形成されておらず、又は製品に使用されないデバイス15(ダミーデバイス)のみが形成されている。図3には、デバイス領域17と外周余剰領域19との仮想的な境界を破線で示している。
なお、被加工物11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えば被加工物11は、シリコン以外の半導体(GaAs、InP、GaN、SiC等)、ガラス(石英ガラス、ホウケイ酸ガラス等)、セラミックス、樹脂、金属等でなる基板(ウェーハ)であってもよい。また、デバイス15の種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はない。
被加工物11をストリート13に沿って分割することにより、デバイス15をそれぞれ備える複数のデバイスチップが製造される。また、被加工物11の分割前に、被加工物11の裏面11b側を研削して被加工物11を薄化しておくと、薄型化されたデバイスチップが得られる。
ただし、被加工物11の裏面11b側の全体が研削されると、被加工物11の全体が薄化されて被加工物11の剛性が低下し、研削後の被加工物11の取り扱い(搬送、保持等)の際に被加工物11の変形や破損が生じやすくなる。そこで、本実施形態においては、被加工物11の裏面11b側の中央部のみを研削して薄化する。
次に、本実施形態に係る被加工物の研削方法の具体例について説明する。図4は、被加工物の加工方法を示すフローチャートである。本実施形態では、研削砥石48にドレッシングを施した後(第1保持ステップS1、事前ドレッシングステップS2、ドレッシングステップS3)、研削砥石48で被加工物11を研削する(第2保持ステップS4、研削ステップS5)。
具体的には、まず、チャックテーブル6の保持面6aでドレッシングボード31を保持する(第1保持ステップS1)。図5(A)は第1保持ステップS1における研削装置2を示す一部断面側面図であり、図5(B)は第1保持ステップS1における研削装置2を示す斜視図である。なお、図5(A)では簡略化のため、チャックテーブル6の保持面6aを平坦に図示している(図6(A)以降も同様)。ただし、前述の通り、実際の保持面6aは円錐状に形成されている(図2参照)。
第1保持ステップS1では、研削砥石48のドレッシングに用いられるドレッシングボード31をチャックテーブル6で保持する。例えばドレッシングボード31は、円盤状に形成され、互いに概ね平行な第1面31a及び第2面31bを備える。また、ドレッシングボード31は、グリーンカーボランダム(GC)、ホワイトアランダム(WA)等でなる砥粒と、砥粒を固定するレジンボンド、ビトリファイドボンド等の結合材とを含む。ただし、ドレッシングボード31の形状、材質等に制限はない。
ドレッシングボード31は、支持部材33を介してチャックテーブル6の保持面6aで保持される。例えば支持部材33は、ポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂でなる円盤状の部材であり、互いに概ね平行な第1面33a及び第2面33bを備える。また、支持部材33の直径は、チャックテーブル6の吸引面10a(図2参照)の直径以上に設定される。ただし、支持部材33でドレッシングボード31を支持可能であり、且つ、支持部材33でチャックテーブル6の吸引面10a(図2参照)の全体を覆うことが可能であれば、支持部材33の材質、形状、大きさ等に制限はない。
支持部材33の第1面33a側に、ドレッシングボード31の第2面31b側が接着剤等を介して固定される。そして、ドレッシングボード31の第1面31a側が上方に露出し、ドレッシングボード31の第2面31b側(支持部材33の第2面33b側)が保持面6aと対面するように、ドレッシングボード31が支持部材33を介してチャックテーブル6上に配置される。
なお、ドレッシングボード31は、チャックテーブル6の回転軸6cがドレッシングボード31の中心を通過するように、保持面6aと同心円状に位置付けられる。また、支持部材33は、チャックテーブル6の吸引面10a(図2参照)の全体を覆うように位置づけられる。この状態で、保持面6aに吸引源の吸引力(負圧)を作用させると、ドレッシングボード31が支持部材33を介してチャックテーブル6によって吸引保持される。
ただし、ドレッシングボード31を チャックテーブル6で保持する方法に制限はない。例えば、ドレッシングボード31の第2面31b側に樹脂等でなるシート(テープ)を貼付し、シートを介してドレッシングボード31をチャックテーブル6で吸引保持してもよい。
次に、研削砥石48の研削面48a側でドレッシングボード31を研削して研削砥石48の研削面48aをドレッシングする(事前ドレッシングステップS2)。図6(A)は事前ドレッシングステップS2における研削装置2を示す一部断面側面図であり、図6(B)は事前ドレッシングステップS2における研削装置2を示す斜視図である。
事前ドレッシングステップS2では、まず、チャックテーブル6と研削ホイール44との位置関係が調節される。具体的には、チャックテーブル6を移動機構12(図1参照)でX軸方向に沿って移動させ、ドレッシングボード31の中心と研削砥石48の軌道とがZ軸方向において重なるように位置付ける。
次に、チャックテーブル6及び研削ホイール44を回転させた状態で、チャックテーブル6と研削ホイール44とを回転軸40aと平行な方向(Z軸方向)に沿って相対的に移動させる。これにより、研削砥石48の研削面48aがドレッシングボード31に接触し、研削面48aにドレッシングが施される。
具体的には、まず、チャックテーブル6を回転軸6cの周りで回転させるとともに、研削ホイール44を回転軸40aの周りで回転させる。例えば、チャックテーブル6の回転数は10rpm以上300rpm以下に設定され、研削ホイール44の回転数(スピンドル40の回転数)は1000rpm以上6000rpm以下に設定される。
次に、研削ユニット32を移動機構20(図1参照)でZ軸方向に沿って下降させる。これにより、チャックテーブル6と研削ホイール44とが回転軸40aと平行な方向(Z軸方向)に沿って相対的に移動し、ドレッシングボード31と研削砥石48とが接近する。なお、チャックテーブル6と研削ホイール44とのZ軸方向における相対的な移動速度(加工送り速度)は、例えば0.1μm/s以上10μm/s以下に設定される。
ドレッシングボード31に研削砥石48が接触すると、研削砥石48はチャックテーブル6の回転軸6cを通過するように旋回しつつ、ドレッシングボード31の第1面31a側の全体を研削する。これにより、ドレッシングボード31が均一に薄化されるとともに、複数の研削砥石48の研削面48a側が摩耗して研削面48aの形状が整えられる。このようにして、研削砥石48の研削面48aにドレッシングが施される。
上記の事前ドレッシングステップS2を実施すると、複数の研削砥石48の研削面48aが概ね同一平面上に位置付けられ、研削面48aの高さ位置のばらつきが低減される(ツルーイング)。なお、複数の研削砥石48の研削面48aの高さ位置が既に揃っている場合や、研削面48aの高さ位置のばらつきが後の工程における被加工物11の研削に悪影響を与えない場合には、事前ドレッシングステップS2を省略してもよい。
次に、研削砥石48の研削面48a側でドレッシングボード31を研削して、研削砥石48の研削面48a側の端部を曲面状に整形する(ドレッシングステップS3)。図7(A)はドレッシングステップS3における研削装置2を示す一部断面側面図であり、図7(B)はドレッシングステップS3における研削装置2を示す斜視図である。
ドレッシングステップS3では、まず、チャックテーブル6と研削ホイール44との位置関係が調節される。具体的には、チャックテーブル6を移動機構12(図1参照)でX軸方向に沿って移動させ、ドレッシングボード31と研削砥石48の軌道とがZ軸方向において重なるように位置付ける。ただし、チャックテーブル6の位置は、研削砥石48の軌道がドレッシングボード31の中心とZ軸方向において重ならないように調節される。
次に、チャックテーブル6及び研削ホイール44を回転させる。具体的には、チャックテーブル6を回転軸6cの周りで回転させるとともに、研削ホイール44を回転軸40aの周りで回転させる。例えば、チャックテーブル6の回転数は10rpm以上300rpm以下に設定され、研削ホイール44の回転数(スピンドル40の回転数)は1000rpm以上6000rpm以下に設定される。
そして、チャックテーブル6及び研削ホイール44を回転させた状態で、チャックテーブル6と研削ホイール44とを回転軸40aと平行な方向(Z軸方向)及び回転軸40aと交差する方向(X軸方向)に沿って相対的に移動させる。具体的には、チャックテーブル6を移動機構12(図1参照)でX軸方向に沿って移動させつつ、研削ユニット32を移動機構20(図1参照)でZ軸方向に沿って下降させる。なお、移動機構12によるチャックテーブル6の移動の方向は、研削砥石48の軌道がチャックテーブル6の回転軸6c及びドレッシングボード31の中心に近づくように設定される。これにより、研削ホイール44がXZ平面においてドレッシングボード31に対して斜めに移動しながら接近する。
なお、チャックテーブル6と研削ホイール44とのX軸方向における相対的な移動速度(第1加工送り速度)は、例えば0.5μm/s以上200μm/s以下に設定される。また、チャックテーブル6と研削ホイール44とのZ軸方向における相対的な移動速度(第2加工送り速度)は、例えば0.1μm/s以上10μm/s以下に設定される。例えば、第1加工送り速度は第2加工送り速度以上に設定できる。
ドレッシングボード31に研削砥石48が接触すると、研削砥石48はチャックテーブル6の回転軸6c及びドレッシングボード31の中心に接近しながらドレッシングボード31の第1面31a側を研削する。その結果、研削砥石48の研削面48a側のうち研削砥石48の軌道の径方向外側に位置する端部(角部)が優先的に摩耗し、研削面48aの端部の形状が整えられる。
図8は、ドレッシングステップS3後の研削ホイール44の一部を示す側面図である。研削砥石48は、研削面48aと、研削面48aに接続されホイール基台46の径方向外側(研削砥石48の軌道の径方向外側)を向く側面48bとを含む。研削面48aと側面48bとは、研削砥石48の端部(角部)48cにおいて接続されている。端部48cは、研削面48aの側面48b側に位置する端部、及び、側面48bの下端部に相当する。
ドレッシングステップS3を実施すると、研削砥石48の端部48cに対して重点的にドレッシングが施される。その結果、研削砥石48の端部48cが摩耗して角が落ち、曲面状に整形される。すなわち、端部48cは研削面48aから側面48bに向かって湾曲した形状になる。
なお、ドレッシングステップS3では、研削砥石48の軌道がチャックテーブル6の回転軸6cに到達するまで研削砥石48でドレッシングボード31を研削することが好ましい。具体的には、研削砥石48がドレッシングボード31の中心に接触するまでチャックテーブル6を移動機構12(図1参照)でX軸方向に沿って移動させた後、研削ユニット32を移動機構20(図1参照)で上昇させてドレッシングボード31と研削砥石48とを互いに離隔させる。これにより、ドレッシングボード31の第1面31a側の全体が研削される。
ドレッシングボード31の第1面31a側の全体を研削することにより、ドレッシングボード31が均一に薄化され、ドレッシングステップS3の実施後におけるドレッシングボード31の第1面31aがフラットな状態になる。これにより、次に事前ドレッシングステップS2又はドレッシングステップS3を実施する際、ドレッシングボード31の第1面31aに残存する凹凸によって研削砥石48のドレッシングが阻害されることを回避できる。
次に、チャックテーブル6の保持面6aで被加工物11を保持する(第2保持ステップS4)。図9(A)は第2保持ステップS4における研削装置2を示す一部断面側面図であり、図9(B)は第2保持ステップS4における研削装置2を示す斜視図である。
第2保持ステップS4では、チャックテーブル6からドレッシングボード31及び支持部材33を搬送した後、被加工物11をチャックテーブル6で保持する。具体的には、被加工物11は、表面11a側が保持面6aに対面し、裏面11b側が上方に露出するように、チャックテーブル6上に配置される。この状態で、保持面6aに吸引源の吸引力(負圧)を作用させると、被加工物11がチャックテーブル6によって吸引保持される。
なお、被加工物11をチャックテーブル6で保持する際には、被加工物11の表面11a側に保護部材(不図示)を固定してもよい。保護部材は、被加工物11の表面11a側の全体を覆うように固定され、被加工物11の表面11a側及びデバイス15(図3参照)を保護する。この場合には、被加工物11が保護部材を介してチャックテーブル6の保持面6aで保持される。
例えば保護部材として、被加工物11と概ね同径に形成された円形のシートが用いられる。具体的には、保護部材は、フィルム状の基材と、基材上に設けられた粘着層(糊剤)とを含む。基材はポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂でなり、粘着層はエポキシ系、アクリル系、又はゴム系の接着剤等でなる。なお、粘着層は、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化樹脂であってもよい。
次に、研削砥石48の研削面48a側で被加工物11を研削して、被加工物11に凹部を形成する(研削ステップS5)。図10(A)は研削ステップS5における研削装置2を示す一部断面側面図であり、図10(B)は研削ステップS5における研削装置2を示す斜視図である。
研削ステップS5では、まず、チャックテーブル6と研削ホイール44との位置関係が調節される。具体的には、チャックテーブル6を移動機構12(図1参照)でX軸方向に沿って移動させ、被加工物11の中心と研削砥石48の軌道とがZ軸方向において重なるように位置付ける。
なお、研削砥石48の軌道の直径は、被加工物11の半径よりも小さい。例えば、研削砥石48の軌道の直径は、被加工物11のデバイス領域17(図3参照)の半径と概ね同一に設定される。そのため、複数の研削砥石48は、被加工物11のデバイス領域17と重なり、且つ、被加工物11の外周縁とは重ならないように配置される。
次に、チャックテーブル6及び研削ホイール44を回転させた状態で、チャックテーブル6と研削ホイール44とを回転軸40aと平行な方向(Z軸方向)に沿って相対的に移動させる。これにより、被加工物11の中央部が研削砥石48の研削面48a側で研削される。その結果、被加工物11の裏面11b側の中央部に円形の凹部(溝)21が形成される。
具体的には、まず、チャックテーブル6を回転軸6cの周りで回転させるとともに、研削ホイール44を回転軸40aの周りで回転させる。例えば、チャックテーブル6の回転数は10rpm以上300rpm以下に設定され、研削ホイール44の回転数(スピンドル40の回転数)は1000rpm以上6000rpm以下に設定される。
次に、研削ユニット32を移動機構20(図1参照)でZ軸方向に沿って下降させる。これにより、チャックテーブル6と研削ホイール44とが回転軸40aと平行な方向(Z軸方向)に沿って相対的に移動し、被加工物11と研削砥石48とが接近する。なお、チャックテーブル6と研削ホイール44とのZ軸方向における相対的な移動速度(加工送り速度)は、例えば0.1μm/s以上10μm/s以下に設定される。
研削砥石48が被加工物11に接触すると、研削砥石48はチャックテーブル6の回転軸6cを通過するように旋回しつつ、被加工物11の裏面11b側の中央部を研削する。これにより、被加工物11の中央部のみが薄化され、被加工物11の裏面11b側の中央部に円形の凹部21が形成される。また、被加工物11の外周部には、研削加工が施されていない領域に相当する環状の補強部23が残存する。補強部23は、外周余剰領域19(図3参照)を含み、デバイス領域17(図3参照)及び凹部21を囲繞している。
上記のように、被加工物11の中央部のみを薄化すると、被加工物11の外周部(補強部23)が厚い状態に維持され、補強部23が被加工物11を補強する補強領域として機能する。これにより、被加工物11の剛性の低下が抑制され、被加工物11の変形や破損が生じにくくなる。
そして、凹部21の深さが所定の厚さに達し、被加工物11の中央部の厚さが所定の目標値になると、研削ユニット32が上昇し、被加工物11と研削砥石48とが互いに離隔する。これにより、研削ホイール44による被加工物11の研削が完了する。
図11は、研削ステップS5後の被加工物11の一部を示す断面図である。研削ステップS5で被加工物11に形成される凹部21は、被加工物11の表面11a及び裏面11bと概ね平行な円形の底面21aと、底面21a及び裏面11bに接続された環状の側面(側壁、内壁)21bとを含む。なお、凹部21の直径はデバイス領域17の直径と概ね同一であり、凹部21はデバイス15(図3参照)と重なるように形成される。
底面21aと側面21bとは、凹部21の端部(底周部)21cにおいて接続されている。端部21cは、底面21aの外周部及び側面48bの下端部に相当し、研削砥石48の端部48c(図8参照)によって研削された環状の領域に相当する。そのため、凹部21の端部21cには研削砥石48の端部48cの形状が反映される。具体的には、凹部21の端部21cには、研削砥石48の端部48cの曲率に対応する曲面が形成される。すなわち、端部21cは底面21aから側面21bに向かって湾曲した形状を有する。
凹部21の端部21cに曲面が形成されると、底面21aの外周部と側面21bの下端部とが直角である場合と比較して端部21cの近傍の剛性が高くなり、補強部23が変位しにくくなる。これにより、補強部23の機械的強度が向上する。
なお、仮に第1保持ステップS1、事前ドレッシングステップS2、ドレッシングステップS3が実施されないと、研削砥石48の端部48c(図8参照)が略直角な状態のままで被加工物11が研削される。この場合、複数枚の被加工物11の研削を経ることにより、研削砥石48の端部48cに所定の曲率の曲面が徐々に形成される。そして、被加工物11を一定枚数研削すると、研削砥石48の端部48cが概ね一定の曲率を維持したまま摩耗するようになる。そのため、研削砥石48による被加工物11の研削を開始してから一定枚数の被加工物11の研削が完了するまでは、被加工物11の凹部21の端部21cに形成される曲面の幅(被加工物11の径方向における長さ)にばらつきが生じる。
一方、第1保持ステップS1、事前ドレッシングステップS2、ドレッシングステップS3を実施することにより、被加工物11の研削を開始する前に予め研削砥石48の端部48cに所望の曲面を形成できる。これにより、研削砥石48による被加工物11の研削を開始した直後から、被加工物11の凹部21の端部21cに所望の幅の曲面を形成することが可能になる。その結果、複数の被加工物11の間における曲面の幅のばらつきが低減される。
その後、被加工物11をストリート13(図3参照)に沿って分割することにより、被加工物11のデバイス領域17(図3参照)が個片化され、デバイス15を備える薄型のデバイスチップが得られる。なお、被加工物11の分割には、環状の切削ブレードで被加工物11を切削する切削装置、被加工物11にレーザー加工を施すレーザー加工装置等の加工装置を用いることができる。
以上の通り、本実施形態に係る被加工物の研削方法では、研削砥石48の研削面48a側でドレッシングボード31を研削して研削砥石48の研削面48a側の端部48cを曲面状に整形した後、研削砥石48の研削面48a側で被加工物11を研削して被加工物11に凹部21を形成する。これにより、研削砥石48の摩耗による端部48cの曲率の変動が抑制される。その結果、被加工物11の凹部21に形成される曲面の幅が変化しにくくなり、被加工物11の品質のばらつきが低減される。
なお、上記実施形態では研削装置2が1個のチャックテーブル6を備える例について説明したが(図1参照)、研削装置2は複数のチャックテーブル6を備えていてもよい。この場合、ドレッシングボード31を保持するチャックテーブル6(第1チャックテーブル、図5(A)及び図5(B)参照)と、被加工物11を保持するチャックテーブル6(第2チャックテーブル、図9(A)及び図9(B)参照)とは、同一チャックテーブルであっても異なるチャックテーブルであってもよい。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
11 被加工物
11a 表面(第1面)
11b 裏面(第2面)
13 ストリート(分割予定ライン)
15 デバイス
17 デバイス領域
19 外周余剰領域
21 凹部(溝)
21a 底面
21b 側面(側壁、内壁)
21c 端部(底周部)
23 補強部
31 ドレッシングボード
31a 第1面
31b 第2面
33 支持部材
33a 第1面
33b 第2面
2 研削装置
4 基台
4a 開口
6 チャックテーブル(保持テーブル)
6a 保持面
6b 保持領域
6c 回転軸
8 枠体(本体部)
8a 上面
8b 凹部
8c 流路
10 保持部材
10a 吸引面
12 移動機構(移動ユニット)
14 ボールねじ
16 パルスモータ
18 支持構造(コラム)
20 移動機構(移動ユニット)
22 ガイドレール
24 移動プレート
26 ナット部
28 ボールねじ
30 パルスモータ
32 研削ユニット
34 支持部材
36 ハウジング
38 緩衝部材
40 スピンドル
40a 回転軸
42 ホイールマウント
44 研削ホイール
46 ホイール基台
48 研削砥石
48a 研削面
48b 側面
48c 端部(角部)
50 コントローラ(制御ユニット、制御部、制御装置)
11a 表面(第1面)
11b 裏面(第2面)
13 ストリート(分割予定ライン)
15 デバイス
17 デバイス領域
19 外周余剰領域
21 凹部(溝)
21a 底面
21b 側面(側壁、内壁)
21c 端部(底周部)
23 補強部
31 ドレッシングボード
31a 第1面
31b 第2面
33 支持部材
33a 第1面
33b 第2面
2 研削装置
4 基台
4a 開口
6 チャックテーブル(保持テーブル)
6a 保持面
6b 保持領域
6c 回転軸
8 枠体(本体部)
8a 上面
8b 凹部
8c 流路
10 保持部材
10a 吸引面
12 移動機構(移動ユニット)
14 ボールねじ
16 パルスモータ
18 支持構造(コラム)
20 移動機構(移動ユニット)
22 ガイドレール
24 移動プレート
26 ナット部
28 ボールねじ
30 パルスモータ
32 研削ユニット
34 支持部材
36 ハウジング
38 緩衝部材
40 スピンドル
40a 回転軸
42 ホイールマウント
44 研削ホイール
46 ホイール基台
48 研削砥石
48a 研削面
48b 側面
48c 端部(角部)
50 コントローラ(制御ユニット、制御部、制御装置)
Claims (3)
- 研削砥石を含む研削ホイールで被加工物を研削する被加工物の研削方法であって、
第1チャックテーブルの保持面でドレッシングボードを保持する第1保持ステップと、
該第1保持ステップの後に、該第1チャックテーブル及び該研削ホイールを回転させた状態で、該第1チャックテーブルと該研削ホイールとを該研削ホイールの回転軸と平行な方向及び該研削ホイールの回転軸と交差する方向に沿って相対的に移動させることにより、該研削砥石の研削面側で該ドレッシングボードを研削して該研削砥石の該研削面側の端部を曲面状に整形するドレッシングステップと、
該ドレッシングステップの後に、第2チャックテーブルの保持面で該被加工物を保持する第2保持ステップと、
該第2保持ステップの後に、該第2チャックテーブル及び該研削ホイールを回転させた状態で、該第2チャックテーブルと該研削ホイールとを該研削ホイールの回転軸と平行な方向に沿って相対的に移動させることにより、該研削砥石の該研削面側で該被加工物を研削して該被加工物に凹部を形成する研削ステップと、を含むことを特徴とする被加工物の研削方法。 - 該ドレッシングステップでは、該研削砥石の軌道が該第1チャックテーブルの回転軸に到達するまで該研削砥石で該ドレッシングボードを研削することを特徴とする請求項1に記載の被加工物の研削方法。
- 該第1保持ステップの後、且つ、該ドレッシングステップの前に、該第1チャックテーブル及び該研削ホイールを回転させた状態で、該第1チャックテーブルと該研削ホイールとを該研削ホイールの回転軸と平行な方向に沿って相対的に移動させることにより、該研削砥石の該研削面側で該ドレッシングボードを研削して該研削砥石の該研削面をドレッシングする事前ドレッシングステップをさらに含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の被加工物の研削方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022170769A JP2024062728A (ja) | 2022-10-25 | 2022-10-25 | 被加工物の研削方法 |
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