JP2023117909A - 被加工物の研削方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】被加工物の表面粗さのばらつきを低減することが可能な被加工物の研削方法を提供する。【解決手段】被加工物を第1チャックテーブルの第1保持面で保持する第1保持ステップと、第1チャックテーブルと研削ホイールとの位置関係を調節する第1位置付けステップと、研削ホイールの砥石を被加工物に接触させて被加工物を研削する第1研削ステップと、被加工物を第2チャックテーブルの第2保持面で保持する第2保持ステップと、チャックテーブルと第2研削ホイールとの位置関係を調節する第2位置付けステップと、研削ホイールの砥石を被加工物に接触させて被加工物の外周部を研削する第2研削ステップと、を含む被加工物の研削方法。【選択図】図1

Description

本発明は、研削装置を用いて被加工物を研削する被加工物の研削方法に関する。
複数のデバイスが形成されたウェーハを分割して個片化することにより、デバイスをそれぞれ備える複数のデバイスチップが製造される。また、複数のデバイスチップをベース基板上に実装し、実装されたデバイスチップを樹脂でなる封止材(モールド樹脂)で被覆することにより、パッケージ基板が形成される。パッケージ基板を分割して個片化することにより、パッケージ化された複数のデバイスチップをそれぞれ備える複数のパッケージデバイスが製造される。デバイスチップやパッケージデバイスは、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の様々な電子機器に組み込まれる。
ウェーハやパッケージ基板の分割には、切削装置が用いられる。切削装置は、被加工物を保持するチャックテーブルと、被加工物に切削加工を施す切削ユニットとを備えており、切削ユニットには環状の切削ブレードが装着される。被加工物をチャックテーブルで保持し、切削ブレードを回転させつつ被加工物に切り込ませることにより、被加工物が切削、分割される。
また、近年では、電子機器の小型化に伴い、デバイスチップやパッケージデバイスに薄型化が求められている。そこで、研削装置を用いて分割前のウェーハやパッケージ基板を研削して薄化する処理が実施されることがある。研削装置は、被加工物を保持するチャックテーブルと、被加工物に研削加工を施す研削ユニットとを備えており、研削ユニットには複数の砥石を含む環状の研削ホイールが装着される。被加工物をチャックテーブルで保持し、チャックテーブル及び研削ホイールを回転させつつ砥石を被加工物に接触させることにより、被加工物が研削、薄化される(特許文献1参照)。
特開2014-124690号公報
研削装置を用いて被加工物を研削する際は、例えば、チャックテーブルによって保持された被加工物の中心が研削ホイールの砥石の移動経路(回転経路)と重なるように、チャックテーブルと研削ホイールとの位置関係が調節される。そして、チャックテーブルと研削ホイールとをそれぞれ回転させつつ、研削ホイールを被加工物に向かって所定の速度で下降させる加工送りを行う。これにより、高速で回転する砥石が被加工物の上面に接触し、被加工物の上面側が研削される。このような研削方式は、インフィード研削と呼ばれる。
インフィード研削では、被加工物の外周縁から中心に至る円弧状の経路に沿って移動する砥石を、チャックテーブルとともに回転する被加工物に接触させる。このような方式で被加工物を研削すると、被加工物の外周部では、常に砥石が接触する被加工物の中央部と比較して単位時間あたりに除去される被加工物の体積が大きくなる。これにより、被加工物の外周部に大きな加工負荷がかかり、被加工物の外周部では中央部よりも被研削面の表面粗さが大きくなる傾向がある。
被加工物の中央部と外周部とにおける表面粗さの差は、被加工物の分割によって得られるチップ(デバイスチップ、パッケージデバイス等)の機械的強度にばらつきが生じる原因となる。これにより、チップの品質管理が難しくなり、チップの歩留まりが低下するおそれがある。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、被加工物の表面粗さのばらつきを低減することが可能な被加工物の研削方法の提供を目的とする。
本発明の一態様によれば、研削装置を用いて被加工物を研削する被加工物の研削方法であって、該研削装置は、第1保持面を有する第1チャックテーブルと、第2保持面を有する第2チャックテーブルと、複数の砥石を有する研削ホイールが先端部に装着されるスピンドルを備える研削ユニットと、を備え、該被加工物を該第1保持面で保持する第1保持ステップと、該被加工物のうち該第1チャックテーブルの回転軸が通過する領域と該砥石の移動経路とが重なるように、該第1チャックテーブルと該研削ホイールとの位置関係を調節する第1位置付けステップと、該被加工物のうち該第1チャックテーブルの回転軸が通過する領域と該砥石との距離が該被加工物の他の領域と該砥石との距離よりも小さくなるように傾きが調節されている該第1チャックテーブルと、該研削ホイールと、をそれぞれ回転させつつ、該第1保持面と該研削ホイールとを相対的に接近させることにより、該砥石を該被加工物に接触させて該被加工物を研削する第1研削ステップと、該被加工物を該第2保持面で保持する第2保持ステップと、該被加工物のうち該第2チャックテーブルの回転軸が通過する領域と該砥石の移動経路とが重なるように、該第2チャックテーブルと該研削ホイールとの位置関係を調節する第2位置付けステップと、該第2チャックテーブルの回転軸上で該被加工物が研削されないように傾きが調節されている該第2チャックテーブルと、該研削ホイールと、をそれぞれ回転させつつ、該第2保持面と該研削ホイールとを相対的に接近させることにより、該砥石を該被加工物に接触させて該被加工物の外周部を研削する第2研削ステップと、を含み、該第2研削ステップでは、該第1研削ステップよりも該被加工物の表面粗さが小さくなる加工条件で該被加工物を研削する被加工物の研削方法が提供される。
なお、好ましくは、該第2研削ステップにおける該第2チャックテーブルの回転速度は、該第1研削ステップにおける該第1チャックテーブルの回転速度よりも低い。また、好ましくは、該第2研削ステップにおける該研削ホイールの回転速度は、該第1研削ステップにおける該研削ホイールの回転速度よりも高い。また、好ましくは、該第2研削ステップにおける該第2保持面と該研削ホイールとの相対的な接近速度は、該第1研削ステップにおける該第1保持面と該研削ホイールとの相対的な接近速度よりも低い。
本発明の一態様に係る被加工物の研削方法では、被加工物の中央部を外周部よりも薄くすることが可能となるように傾きが調節された第1チャックテーブルによって保持された被加工物を研削し(第1研削ステップ)、その後、被加工物の外周部を研削可能となるように傾きが調節された第2チャックテーブルによって保持された被加工物を表面粗さが小さくなる加工条件で研削する(第2研削ステップ)。これにより、被加工物の中央部と外周部とにおける表面粗さの差が小さくなり、研削後の被加工物における表面粗さのばらつきが低減される。
研削装置を示す斜視図である。 図2(A)は粗研削用のチャックテーブルを示す断面図であり、図2(B)は仕上げ研削用の第1チャックテーブルを示す断面図であり、図2(C)は仕上げ研削用の第2チャックテーブルを示す断面図である。 第1研削ユニット及び第2研削ユニットを示す正面図である。 被加工物の研削方法を示すフローチャートである。 第1保持ステップにおける被加工物を示す断面図である。 図6(A)は第1位置付けステップにおける被加工物を示す一部断面側面図であり、図6(B)は第1研削ステップにおける被加工物を示す一部断面側面図である。 第1研削ステップ後の被加工物を示す断面図である。 第2保持ステップにおける被加工物を示す断面図である。 図9(A)は第2位置付けステップにおける被加工物を示す一部断面側面図であり、図9(B)は第2研削ステップにおける被加工物を示す一部断面側面図である。 第2研削ステップ後の被加工物を示す断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の一態様に係る実施形態を説明する。まず、本実施形態に係る被加工物の研削方法の実施に用いることが可能な加工装置の構成例について説明する。図1は、被加工物11を研削する研削装置2を示す斜視図である。なお、図1において、X軸方向(第1水平方向、左右方向)とY軸方向(第2水平方向、前後方向)とは、互いに垂直な方向である。また、Z軸方向(加工送り方向、鉛直方向、上下方向、高さ方向)は、X軸方向及びY軸方向と垂直な方向である。
研削装置2は、研削装置2を構成する各構成要素を支持又は収容する基台4を備える。基台4の前端部の上面側には開口4aが設けられており、開口4aの内側には被加工物11を搬送する搬送ユニット(搬送機構)6が設けられている。
搬送ユニット6の両側には、カセット設置領域8A,8Bが設けられている。カセット設置領域8A,8B上にはそれぞれ、複数の被加工物11を収容可能なカセット10A,10Bが配置される。カセット10Aには、研削装置2によって加工される予定の被加工物11(加工前の被加工物11)が収容される。一方、カセット10Bには、研削装置2によって加工された被加工物11(加工後の被加工物11)が収容される。
例えば被加工物11は、単結晶シリコン等の半導体材料でなる円盤状のウェーハであり、互いに概ね平行な表面(第1面)11a及び裏面(第2面)11bを備える。被加工物11は、互いに交差するように格子状に配列された複数のストリート(分割予定ライン)によって、複数の矩形状の領域に区画されている。また、被加工物11の表面11a側のストリートによって区画された各領域にはそれぞれ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)、LED(Light Emitting Diode)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイス等のデバイスが形成されている。
被加工物11をストリートに沿って分割することにより、デバイスをそれぞれ備える複数のデバイスチップが製造される。また、被加工物11の分割前に研削装置2によって被加工物11を研削して薄化しておくと、薄型化されたデバイスチップが得られる。
ただし、研削装置2によって研削される被加工物11の種類、材質、大きさ、形状、構造等に制限はない。例えば被加工物11は、シリコン以外の半導体(GaAs、InP、GaN、SiC等)、ガラス、セラミックス、樹脂、金属等でなる基板(ウェーハ)であってもよい。また、被加工物11に形成されるデバイスの種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はなく、被加工物11にはデバイスが形成されていなくてもよい。
さらに、被加工物11は、CSP(Chip Size Package)基板、QFN(Quad Flat Non-leaded package)基板等のパッケージ基板であってもよい。例えばパッケージ基板は、ベース基板上に実装された複数のデバイスチップを樹脂層(モールド樹脂)で封止することによって形成される。パッケージ基板を分割して個片化することにより、パッケージ化された複数のデバイスチップをそれぞれ備える複数のパッケージデバイスが製造される。
開口4aの斜め後方には、位置合わせ機構(アライメント機構)12が設けられている。カセット10Aに収容された被加工物11は、搬送ユニット6によって位置合わせ機構12に搬送される。そして、位置合わせ機構12は被加工物11を挟み込んで所定の位置に配置する。
位置合わせ機構12に隣接する位置には、被加工物11を搬送する搬送ユニット(搬送機構、ローディングアーム)14が設けられている。例えば搬送ユニット14は、被加工物11の上面側を吸引保持する吸引パッドを備える。搬送ユニット14は、位置合わせ機構12によって位置合わせが行われた被加工物11を吸着パッドで保持した後、吸着パッドを旋回させて被加工物11を後方に搬送する。
搬送ユニット14の後方には、円盤状のターンテーブル16が設けられている。ターンテーブル16には、ターンテーブル16をZ軸方向と概ね平行な回転軸の周りで回転させるモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。
ターンテーブル16上には、被加工物11を保持する3個のチャックテーブル(保持テーブル)18A,18B,18Cが設けられている。チャックテーブル18A,18B,18Cは、ターンテーブル16の周方向に沿って概ね等間隔(120°間隔)に配列されている。
チャックテーブル18Aは、後述の研削ユニット40Aによって粗研削が施される被加工物11を保持する粗研削用のチャックテーブルである。一方、チャックテーブル18B,18Cは、後述の研削ユニット40Bによって仕上げ研削が施される被加工物11を保持する仕上げ研削用のチャックテーブルである。
図2(A)は、チャックテーブル18Aを示す断面図である。チャックテーブル18Aは、SUS(ステンレス鋼)等の金属、ガラス、セラミックス、樹脂等でなる円柱状の枠体(本体部)20を備える。枠体20の上面20a側の中央部には、円柱状の凹部20bが設けられている。
枠体20の凹部20bには、ポーラスセラミックス等の多孔質部材でなる円盤状の保持部材22が嵌め込まれている。保持部材22は、保持部材22の上面から下面まで連通する多数の空孔を含んでいる。保持部材22の上面は、チャックテーブル18Aで被加工物11を保持する際に被加工物11を吸引する円形の吸引面22aを構成している。
枠体20の上面20aと保持部材22の吸引面22aとによって、被加工物11を保持する保持面18aが構成される。保持面18a(吸引面22a)は、保持部材22に含まれる空孔、枠体20の内部に形成された流路20c、バルブ(不図示)等を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続される。
チャックテーブル18Aには、チャックテーブル18Aの傾きを調節する傾き調節機構(不図示)が連結されている。また、チャックテーブル18Aの保持面18aは、保持面18aの中心を頂点とする円錐状に形成されており、保持面18aの径方向に対して僅かに傾斜している。そして、チャックテーブル18Aは、保持面18aの一部に相当し保持面18aの中心から外周縁に至る保持領域18bが水平面と概ね平行になるように、僅かに傾いた状態で配置される。
また、チャックテーブル18Aには、チャックテーブル18Aを回転させるモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。回転駆動源は、チャックテーブル18Aを保持面18aと交差する回転軸24Aの周りで回転させる。チャックテーブル18Aの回転軸24Aは、保持面18aの径方向と垂直な方向に沿って保持面18aの中心を通過するように設定されており、Z軸方向に対して僅かに傾斜している。
なお、図2(A)では説明の便宜上、保持面18aの傾斜を誇張して図示しているが、実際の保持面18aの傾斜は小さい。例えば、保持面18aの直径が290mm以上310mm以下程度である場合には、保持面18aの中心と外周縁との高さの差(円錐の高さに相当)は、20μm以上40μm以下程度に設定される。
図2(B)はチャックテーブル18Bを示す断面図であり、図2(C)はチャックテーブル18Cを示す断面図である。チャックテーブル18B,18Cの構成は、チャックテーブル18Aと同様である。ただし、チャックテーブル18Bの回転軸24Bと、チャックテーブル18Cの回転軸24Cとはそれぞれ、チャックテーブル18Aの回転軸24A(図2(A)参照)に対して所定の角度だけ傾くように設定されている。なお、図2(B)及び図2(C)では説明の便宜上、回転軸24B,24Cの傾斜を誇張して図示している。回転軸24B,24Cの傾きの詳細については後述する。
図1に示すターンテーブル16は、平面視で時計回り及び/又は反時計回りに回転する。これにより、チャックテーブル18A,18B,18Cをそれぞれ所望のタイミングで搬送位置A、第1研削位置B、又は第2研削位置Cに位置付けることができる。
第1研削位置Bの近傍と第2研削位置Cの近傍とにはそれぞれ、チャックテーブル18A,18B,18Cによって保持された被加工物11の厚さを測定する厚さ測定器26が設けられている。例えば厚さ測定器26は、チャックテーブル18A,18B,18Cによって保持された被加工物11の上面の高さを測定する第1高さ測定器(第1ハイトゲージ)と、チャックテーブル18A,18B,18Cの上面の高さを測定する第2高さ測定器(第2ハイトゲージ)とを備える。
第1研削位置B、第2研削位置Cの後方にはそれぞれ、柱状の支持構造28A,28Bが配置されている。そして、支持構造28Aの前面側には移動ユニット(移動機構)30Aが設けられ、支持構造28Bの前面側には移動ユニット(移動機構)30Bが設けられている。
移動ユニット30A,30Bはそれぞれ、Z軸方向に沿って配置された一対のガイドレール32を備える。一対のガイドレール32には、平板状の移動プレート34がガイドレール32に沿ってスライド可能に装着されている。
移動プレート34の後面側(裏面側)には、ナット部(不図示)が設けられている。このナット部には、一対のガイドレール32の間にZ軸方向に沿って配置されたボールねじ36が螺合されている。また、ボールねじ36の端部には、ボールねじ36を回転させるパルスモータ38が連結されている。パルスモータ38でボールねじ36を回転させると、移動プレート34がZ軸方向に沿って移動する。
移動ユニット30Aには、被加工物11を研削する研削ユニット(第1研削ユニット)40Aが装着されている。研削ユニット40Aは、中空の円柱状に形成されたハウジング42Aを備え、ハウジング42Aは移動ユニット30Aが備える移動プレート34の前面側(表面側)に固定されている。移動ユニット30Aは、研削ユニット40AをZ軸方向に沿って昇降させることにより、第1研削位置Bに位置付けられたチャックテーブル18Aと研削ユニット40Aとを互いに接近及び離隔させる。
移動ユニット30Bには、被加工物11を研削する研削ユニット(第2研削ユニット)40Bが装着されている。研削ユニット40Bは、中空の円柱状に形成されたハウジング42Bを備え、ハウジング42Bは移動ユニット30Bが備える移動プレート34の前面側(表面側)に固定されている。移動ユニット30Bは、研削ユニット40BをZ軸方向に沿って昇降させることにより、第2研削位置Cに位置付けられたチャックテーブル18B又はチャックテーブル18Cと研削ユニット40Bとを互いに接近及び離隔させる。
図3は、研削ユニット40A及び研削ユニット40Bを示す正面図である。研削ユニット40Aは、第1研削位置B(図1参照)に位置付けられたチャックテーブル18Aによって保持されている被加工物11を研削する。一方、研削ユニット40Bは、第2研削位置C(図1参照)に位置付けられたチャックテーブル18B又はチャックテーブル18Cによって保持されている被加工物11を研削する。
研削ユニット40Aは、円柱状のスピンドル(第1スピンドル)44Aを備える。スピンドル44Aはハウジング42A(図1参照)に収容されており、スピンドル44Aの先端部(下端部)はハウジング42Aから露出している。また、スピンドル44Aの基端部(上端部)には、モータ等の回転駆動源46A(図1参照)が連結されている。
スピンドル44Aの下端部には、金属等でなる円盤状のマウント48Aが固定されている。そして、マウント48Aの下面側に研削ホイール(第1研削ホイール)50Aが装着される。研削ホイール50Aは、マウント48Aに着脱可能で被加工物11を研削する加工工具であり、例えば締結ボルト等の固定具によってマウント48Aに固定される。これにより、スピンドル44Aの先端部に研削ホイール50Aが装着される。
研削ホイール50Aは、環状のホイール基台52Aを備える。ホイール基台52Aは、アルミニウム、ステンレス等の金属でなり、マウント48Aと概ね同径に形成される。また、ホイール基台52Aの下面側には、複数の砥石(第1砥石)54Aが固定されている。例えば砥石54Aは、直方体状に形成され、ホイール基台52Aの周方向に沿って概ね等間隔で環状に配列される。
研削ユニット40Bは、円柱状のスピンドル(第2スピンドル)44Bを備える。スピンドル44Bはハウジング42B(図1参照)に収容されており、スピンドル44Bの先端部(下端部)はハウジング42Bから露出している。また、スピンドル44Bの基端部(上端部)には、モータ等の回転駆動源46B(図1参照)が連結されている。
スピンドル44Bの下端部には、金属等でなる円盤状のマウント48Bが固定されている。そして、マウント48Bの下面側に研削ホイール(第2研削ホイール)50Bが装着される。研削ホイール50Bは、マウント48Bに着脱可能で被加工物11を研削する加工工具であり、例えば締結ボルト等の固定具によってマウント48Bに固定される。これにより、スピンドル44Bの先端部に研削ホイール50Bが装着される。
研削ホイール50Bは、環状のホイール基台52Bを備える。ホイール基台52Bは、アルミニウム、ステンレス等の金属でなり、マウント48Bと概ね同径に形成される。また、ホイール基台52Bの下面側には、複数の砥石(第2砥石)54Bが固定されている。例えば砥石54Bは、直方体状に形成され、ホイール基台52Bの周方向に沿って概ね等間隔で環状に配列される。
砥石54A,54Bは、ダイヤモンド、cBN(cubic Boron Nitride)等でなる砥粒と、砥粒を固定するメタルボンド、レジンボンド、ビトリファイドボンド等の結合材とを含む。なお、砥石54A,54Bの材質、形状、構造、大きさ等に制限はなく、砥石54A,54Bの数及び配列も任意に設定できる。
回転駆動源46A(図1参照)を駆動させると、スピンドル44A及び研削ホイール50Aが回転軸56Aの周りを回転し、複数の砥石54Aがそれぞれ回転軸56Aを中心とする環状の移動経路(軌道)に沿って移動する。同様に、回転駆動源46B(図1参照)を駆動させると、スピンドル44B及び研削ホイール50Bが回転軸56Bの周りを回転し、複数の砥石54Bがそれぞれ回転軸56Bを中心とする環状の移動経路(軌道)に沿って移動する。なお、スピンドル44A及び研削ホイール50Aの回転軸56Aと、スピンドル44B及び研削ホイール50Bの回転軸56Bとはそれぞれ、Z軸方向と概ね平行に設定されている。
研削ユニット40Aは、被加工物11に粗研削を施す粗研削用の研削ユニットであり、スピンドル44Aの先端部には粗研削用の研削ホイール50Aが装着される。一方、研削ユニット40Bは、被加工物11に仕上げ研削を施す仕上げ研削用の研削ユニットであり、スピンドル44Bの先端部には仕上げ研削用の研削ホイール50Bが装着される。具体的には、研削ホイール50Bの砥石54Bに含まれる砥粒の平均粒径は、研削ホイール50Aの砥石54Aに含まれる砥粒の平均粒径よりも小さい。
研削ユニット40A,40Bの内部又は近傍にはそれぞれ、純水等の液体(研削液)を供給するノズル等の研削液供給路(不図示)が設けられている。被加工物11の研削中は、被加工物11及び砥石54A,54Bに研削液が供給される。これにより、被加工物11及び砥石54A,54Bが冷却されるとともに、研削によって発生した屑(研削屑)が洗い流される。
図1に示すように、搬送ユニット14とX軸方向において隣接する位置には、被加工物11を搬送する搬送ユニット(搬送機構、アンローディングアーム)58が設けられている。例えば搬送ユニット58は、被加工物11の上面側を吸引保持する吸引パッドを備える。搬送ユニット58は、搬送位置Aに配置されたチャックテーブル18Cによって保持されている被加工物11を吸着パッドで保持した後、吸着パッドを旋回させて被加工物11を前方に搬送する。
搬送ユニット58の前方側には、被加工物11を洗浄する洗浄ユニット(洗浄機構、洗浄装置)60が設けられている。洗浄ユニット60は、搬送ユニット58によってチャックテーブル18Cから搬送された被加工物11を洗浄する。例えば洗浄ユニット60は、被加工物11を保持して回転するスピンナテーブルと、スピンナテーブルによって保持された被加工物11に洗浄用の液体(純水等)を供給するノズルとを備える。
また、研削装置2は、研削装置2を構成する各構成要素(搬送ユニット6、位置合わせ機構12、搬送ユニット14、ターンテーブル16、チャックテーブル18A,18B,18C、厚さ測定器26、移動ユニット30A,30B、研削ユニット40A,40B、搬送ユニット58、洗浄ユニット60等)に接続された制御ユニット(制御部、制御装置)62を備える。制御ユニット62は、研削装置2の各構成要素に制御信号を出力することにより、研削装置2の稼働を制御する。
例えば制御ユニット62は、コンピュータによって構成され、研削装置2の稼働に必要な演算を行う演算部と、研削装置2の稼働に用いられる各種の情報(データ、プログラム等)を記憶する記憶部とを含む。演算部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成される。また、記憶部は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリを含んで構成される。
研削装置2で被加工物11を加工する際には、まず、複数の被加工物11がカセット10Aに収容され、カセット10Aがカセット設置領域8A上に設置される。そして、搬送ユニット6によって被加工物11がカセット10Aから位置合わせ機構12に搬送され、位置合わせ機構12によって被加工物11の位置合わせが行われる。その後、搬送ユニット14によって被加工物11が搬送位置Aに配置されたチャックテーブル18Aに搬送され、チャックテーブル18Aによって保持される。
次に、ターンテーブル16が回転し、チャックテーブル18Aが第1研削位置Bに位置付けられる。そして、被加工物11が研削ユニット40Aによって研削される。これにより、被加工物11に粗研削が施される。
次に、ターンテーブル16が回転し、チャックテーブル18Aが搬送位置Aに位置付けられる。その後、搬送ユニット14によって被加工物11がチャックテーブル18Aから持ち上げられた状態で、ターンテーブル16が更に回転し、チャックテーブル18Bが搬送位置Aに位置付けられる。そして、搬送ユニット14によって保持されている被加工物11がチャックテーブル18B上に配置され、チャックテーブル18Bによって保持される。
次に、ターンテーブル16が回転し、チャックテーブル18Bが第2研削位置Cに位置付けられる。そして、チャックテーブル18Bによって保持されている被加工物11が研削ユニット40Bによって研削される。これにより、被加工物11に1段階目の仕上げ研削が施される。
次に、ターンテーブル16が回転し、チャックテーブル18Bが搬送位置Aに位置付けられる。その後、搬送ユニット14によって被加工物11がチャックテーブル18Bから持ち上げられた状態で、ターンテーブル16が更に回転し、チャックテーブル18Cが搬送位置Aに位置付けられる。そして、搬送ユニット14によって保持されている被加工物11がチャックテーブル18C上に配置され、チャックテーブル18Cによって保持される。
次に、ターンテーブル16が回転し、チャックテーブル18Cが第2研削位置Cに位置付けられる。そして、チャックテーブル18Cによって保持されている被加工物11が研削ユニット40Bによって研削される。これにより、被加工物11に2段階目の仕上げ研削が施される。
被加工物11の研削が完了すると、ターンテーブル16が回転し、チャックテーブル18Cが搬送位置Aに位置付けられる。そして、被加工物11は搬送ユニット58によってチャックテーブル18C上から洗浄ユニット60に搬送され、洗浄ユニット60によって洗浄される。洗浄後の被加工物11は、搬送ユニット6によってカセット10Bに搬送され、収容される。
次に、研削装置2を用いて被加工物11を研削する被加工物の研削方法の具体例について説明する。図4は、被加工物の研削方法を示すフローチャートである。本実施形態における被加工物の研削方法では、被加工物11をチャックテーブル18Bで保持して研削ユニット40Bで研削する1段階目の研削と、被加工物11をチャックテーブル18Cで保持して研削ユニット40Bで研削する2段階目の研削とを実施することにより、研削後の被加工物11の表面粗さのばらつきを低減する。
なお、研削ユニット40Bによる被加工物11の研削の前には、必要に応じて研削ユニット40Aによる被加工物11の研削(粗研削)が実施される。具体的には、まず、位置合わせ機構12によって位置合わせが行われた被加工物11が、搬送ユニット14によって搬送され、搬送位置Aに配置されたチャックテーブル18A上に配置される(図1参照)。
次に、ターンテーブル16が回転し、チャックテーブル18Aが第1研削位置Bに位置付けられる。これにより、チャックテーブル18Aと研削ホイール50Aとの位置関係が調節される。このときチャックテーブル18Aは、被加工物11のうちチャックテーブル18Aの回転軸24A(図2(A)参照)が通過する領域(被加工物11の中心)と、研削ホイール50Aの砥石54A(図3参照)の移動経路とが重なるように位置付けられる。
次に、チャックテーブル18A及び研削ホイール50Aを回転させつつ、チャックテーブル18Aの保持面18a(図2(A)参照)と研削ホイール50Aとを相対的に接近させることにより、砥石54A(図3参照)を被加工物11に接触させて、被加工物11を研削する。これにより、被加工物11に粗研削が施される。そして、被加工物11が所望の厚さになるまで研削されると、被加工物11の研削が停止される。
なお、被加工物11の粗研削は、研削装置2とは別の研削装置を用いて実施してもよい。この場合には、研削装置2からチャックテーブル18A及び研削ユニット40Aを省略できる。
次に、被加工物11をチャックテーブル18B(第1チャックテーブル)の保持面18a(第1保持面)で保持する(第1保持ステップS11)。第1保持ステップS11では、まず、粗研削が施された被加工物11を保持しているチャックテーブル18Aが搬送位置Aに位置付けられ、搬送ユニット14によって被加工物11がチャックテーブル18Aから持ち上げられる。この状態で、ターンテーブル16が回転し、チャックテーブル18Bが搬送位置Aに位置付けられる。そして、搬送ユニット14によって保持されている被加工物11がチャックテーブル18B上に配置される。
図5は、第1保持ステップS11における被加工物11を示す断面図である。例えば被加工物11は、表面11a側が保持面18aに対面し、裏面11b側が上方に露出するように、チャックテーブル18B上に配置される。このとき被加工物11は、被加工物11の中心位置と保持面18aの中心位置とが重なり、且つ、吸引面22aの全体が被加工物11によって覆われるように位置付けられる。これにより、チャックテーブル18Bの回転軸24Bが被加工物11の中心を通過するように、被加工物11が保持面18aと同心円状に配置される。
被加工物11が保持面18a上に配置された状態で、吸引面22aに吸引源の吸引力(負圧)を作用させると、被加工物11が吸引面22aに吸引される。その結果、被加工物11が円錐状の保持面18aに沿って僅かに変形した状態でチャックテーブル18Bによって吸引保持される。
なお、被加工物11の表面11a側には、被加工物11を保護する保護シートが貼付されてもよい。これにより、被加工物11の表面11a側(デバイス等)が保護シートによって覆われて保護され、被加工物11は保護シートを介してチャックテーブル18Bの保持面18aで保持される。
例えば保護シートとして、円形に形成されたフィルム状の基材と、基材上に設けられた粘着層(糊層)とを含むテープが用いられる。基材は、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂でなる。また、粘着層は、エポキシ系、アクリル系、又はゴム系の接着剤等でなる。なお、粘着層は、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化性樹脂であってもよい。
次に、チャックテーブル18Bと研削ホイール50Aとの位置関係を調節する(第1位置付けステップS12)。第1位置付けステップS12では、ターンテーブル16が回転し、被加工物11を保持したチャックテーブル18Bが第2研削位置C(図1参照)に位置付けられる。これにより、被加工物11及びチャックテーブル18Bが研削ホイール50Bの下方の所定の位置に配置される。
図6(A)は、第1位置付けステップS12における被加工物11を示す一部断面側面図である。チャックテーブル18Bが第2研削位置Cに位置付けられると、被加工物11のうちチャックテーブル18Bの回転軸24Bが通過する領域と研削ホイール50Bの砥石54Bの移動経路とが重なるように、チャックテーブル18Bと研削ホイール50Bとの位置関係が調節される。
前述のように、被加工物11は、チャックテーブル18Bの回転軸24Bが被加工物11の中心を通過するように配置されている。この場合、被加工物11の中心が研削ホイール50Bを回転軸56Bの周りで回転させた際の砥石54Bの移動経路とZ軸方向において重なるように、チャックテーブル18Bが配置される。
ここで、チャックテーブル18Bの傾き(回転軸24Bの傾き)は、被加工物11のうちチャックテーブル18Bの回転軸24Bが通過する領域(被加工物11の中心)と砥石54Bとの距離が、被加工物11の他の領域と砥石54Bとの距離よりも小さくなるように、予め調節されている。具体的には、チャックテーブル18Bの保持領域18bが砥石54Bの下面によって構成される研削面に対して傾斜するように、チャックテーブル18Bが研削ホイール50B側に傾いている。
そのため、被加工物11のうち保持領域18bによって支持されている領域において、被加工物11の中心から外周縁に向かうほど(回転軸24Bから離れるほど)被加工物11と砥石54Bとの距離が大きくなる。すなわち、被加工物11の中心と砥石54Bとの距離Sが被加工物11の外周縁と砥石54Bとの距離Sよりも小さくなるように、被加工物11が配置される。
チャックテーブル18Bと研削ホイール50Bとの相対的な傾きは、被加工物11に要求されるTTV(total thickness variation)等に応じて任意に設定できる。例えば、チャックテーブル18Bの回転軸24Bと研削ホイール50Bの回転軸56Bとのなす角が、0°以上0.004°以下、一例としては0.0034°程度に設定される。
次に、チャックテーブル18Bと研削ホイール50Bとをそれぞれ回転させつつ、チャックテーブル18Bの保持面18aと研削ホイール50Bとを相対的に接近させることにより、砥石54Bを被加工物11に接触させて被加工物11を研削する(第1研削ステップS13)。図6(B)は、第1研削ステップS13における被加工物11を示す一部断面側面図である。
第1研削ステップS13では、まず、チャックテーブル18Bを回転軸24Bの周りで回転させるとともに、スピンドル44B及び研削ホイール50Bを回転軸56Bの周りで回転させる。例えば、チャックテーブル18Bの回転速度は100rpm以上900rpm以下に設定され、スピンドル44B及び研削ホイール50Bの回転速度は1000rpm以上3000rpm以下に設定される。
次に、チャックテーブル18B及び研削ホイール50Bを回転させた状態で、研削ユニット40BをZ軸方向に沿って所定の速度で下降させ、チャックテーブル18Bの保持面18aと研削ホイール50Bとを相対的に接近させる。このときの研削ホイール50Bの下降速度、すなわち、チャックテーブル18B(被加工物11)と研削ホイール50BとのZ軸方向における相対的な移動速度が、第1研削ステップS13における加工送り速度に相当する。例えば、第1研削ステップS13における加工送り速度は、1.5μm/s以上5.0μm/s以下に設定される。
チャックテーブル18Bの保持面18aと研削ホイール50Bとを相対的に接近させると、回転する砥石54Bが被加工物11の裏面11b側に接触し、被加工物11が研削される。このとき、複数の砥石54Bはそれぞれ、チャックテーブル18Bの回転軸24Bを通過するように回転し、被加工物11の外周部から中心に至る円弧状の領域を研削する。また、チャックテーブル18Bの回転によって被加工物11の裏面11b側の全体に砥石54Bが接触する。これにより、被加工物11が研削、薄化される。
被加工物11の厚さが所定の値になるまで被加工物11が研削されると、研削ユニット40Bが上昇し、砥石54Bが被加工物11から離隔される。これにより、研削ホイール50Bによる被加工物11の研削が停止される。
図7は、第1研削ステップS13後の被加工物11を示す断面図である。第1研削ステップS13では、被加工物11のうちチャックテーブル18Bの回転軸24Bが通過する領域(被加工物11の中心)と砥石54Bとの距離が被加工物11の他の領域(被加工物11の外周縁等)と砥石54Bとの距離よりも小さくなるように傾きが調節されているチャックテーブル18Bによって被加工物11が保持され、研削ホイール50Bによって研削される。そのため、被加工物11の中央部が優先的に研削され、被加工物11は中央部が外周部よりも薄くなるように加工される。その結果、被加工物11の中央部の裏面11b側に円錐状の凹部が形成される。
なお、第1研削ステップS13における被加工物11の研削は、所謂インフィード研削である。そのため、被加工物11の外周部では、常に砥石54Bが接触する被加工物11の中央部と比較して単位時間あたりに除去される被加工物の体積が大きくなる。これにより、被加工物11の外周部に大きな加工負荷がかかり、被加工物11の外周部では中央部よりも裏面11b(被研削面)の表面粗さが大きくなる。
次に、被加工物11をチャックテーブル18C(第2チャックテーブル)の保持面18a(第2保持面)で保持する(第2保持ステップS14)。第2保持ステップS14では、まず、第1研削ステップS13において研削された被加工物11を保持しているチャックテーブル18Bが搬送位置Aに位置付けられ、搬送ユニット14によって被加工物11がチャックテーブル18Bから持ち上げられる。この状態で、ターンテーブル16が回転し、チャックテーブル18Cが搬送位置Aに位置付けられる。そして、搬送ユニット14によって保持されている被加工物11がチャックテーブル18C上に配置される。
図8は、第2保持ステップS14における被加工物11を示す断面図である。被加工物11は、表面11a側が保持面18aに対面し、第1研削ステップS13において研削された裏面11b側が上方に露出するように、チャックテーブル18C上に配置される。このとき被加工物11は、被加工物11の中心位置と保持面18aの中心位置とが重なり、且つ、吸引面22aの全体が被加工物11によって覆われるように位置付けられる。これにより、チャックテーブル18Cの回転軸24Cが被加工物11の中心を通過するように、被加工物11が保持面18aと同心円状に配置される。
被加工物11が保持面18a上に配置された状態で、吸引面22aに吸引源の吸引力(負圧)を作用させると、被加工物11が吸引面22aに吸引される。その結果、被加工物11が円錐状の保持面18aに沿って僅かに変形した状態でチャックテーブル18Cによって吸引保持される。
次に、チャックテーブル18Cと研削ホイール50Bとの位置関係を調節する(第2位置付けステップS15)。第2位置付けステップS15では、ターンテーブル16が回転し、被加工物11を保持したチャックテーブル18Cが第2研削位置C(図1参照)に位置付けられる。これにより、被加工物11及びチャックテーブル18Cが研削ホイール50Bの下方の所定の位置に配置される。
図9(A)は、第2位置付けステップS15における被加工物11を示す一部断面側面図である。チャックテーブル18Cが第2研削位置Cに位置付けられると、被加工物11のうちチャックテーブル18Cの回転軸24Cが通過する領域と研削ホイール50Bの砥石54Bの移動経路とが重なるように、チャックテーブル18Cと研削ホイール50Bとの位置関係が調節される。
前述のように、被加工物11は、チャックテーブル18Cの回転軸24Cが被加工物11の中心を通過するように配置されている。この場合、被加工物11の中心が研削ホイール50Bを回転軸56Bの周りで回転させた際の砥石54Bの移動経路とZ軸方向において重なるように、チャックテーブル18Cが配置される。
ここで、チャックテーブル18Cの傾き(回転軸24Cの傾き)は、後述の第2研削ステップS16においてチャックテーブル18Cの回転軸24C上で被加工物11が研削されないように、予め調節されている。例えば、被加工物11のうちチャックテーブル18Cの回転軸24Cが通過する領域(被加工物11の中心)と砥石54Bとの距離が、被加工物11の他の領域と砥石54Bとの距離よりも大きくなるように、研削ホイール50Cの傾きが調節される。具体的には、チャックテーブル18Cの保持領域18bが砥石54Bの下面によって構成される研削面に対して傾斜するように、チャックテーブル18Cが研削ホイール50Bとは反対側に傾いている。
そのため、被加工物11のうち保持領域18bによって支持されている領域において、被加工物11の中心から外周縁に向かうほど(回転軸24Cから離れるほど)被加工物11と砥石54Bとの距離が小さくなる。すなわち、被加工物11の中心と砥石54Bとの距離Sが被加工物11の外周縁と砥石54Bとの距離Sよりも大きくなるように、被加工物11が配置される。
チャックテーブル18Cと研削ホイール50Bとの相対的な傾きは、被加工物11に要求されるTTV等に応じて任意に設定できる。例えば、チャックテーブル18Cの回転軸24Cと研削ホイール50Bの回転軸56Bとのなす角が、0.007°以上0.012°以下、一例としては0.008°程度に設定される。
次に、チャックテーブル18Cと研削ホイール50Bとをそれぞれ回転させつつ、チャックテーブル18Cの保持面18aと研削ホイール50Bとを相対的に接近させることにより、砥石54Bを被加工物11に接触させて被加工物11の外周部を研削する(第2研削ステップS16)。図9(B)は、第2研削ステップS16における被加工物11を示す一部断面側面図である。
第2研削ステップS16では、まず、チャックテーブル18Cを回転軸24Cの周りで回転させるとともに、スピンドル44B及び研削ホイール50Bを回転軸56Bの周りで回転させる。次に、チャックテーブル18C及び研削ホイール50Bを回転させた状態で、研削ユニット40BをZ軸方向に沿って所定の速度で下降させ、チャックテーブル18Cの保持面18aと研削ホイール50Bとを相対的に接近させる。このときの研削ホイール50Bの下降速度、すなわち、チャックテーブル18C(被加工物11)と研削ホイール50BとのZ軸方向における相対的な移動速度が、第2研削ステップS16における加工送り速度(研削送り速度)に相当する。
チャックテーブル18Cの保持面18aと研削ホイール50Bとを相対的に接近させると、回転する砥石54Bが被加工物11の外周部の裏面11b側に接触し、被加工物11の外周部が研削される。そして、被加工物11の外周部の厚さが所定の値になるまで被加工物11が研削されると、研削ユニット40Bが上昇し、砥石54Bが被加工物11から離隔される。これにより、研削ホイール50Bによる被加工物11の研削が停止される。
図10は、第2研削ステップS16後の被加工物11を示す断面図である。第2研削ステップS16においては、砥石54Bが被加工物11の外周部のみと接触可能となるように傾きが調節されているチャックテーブル18Cによって被加工物11が保持され、研削ホイール50Bによって研削される。そして、チャックテーブル18Cの回転軸24C上で砥石54Bが被加工物11に接触する前に、研削が停止される。これにより、チャックテーブル18Cの回転軸24C上及びその近傍において被加工物11の中央部が研削されず、被加工物11の外周部のみが研削、薄化される。その結果、被加工物11の中央部と外周部との高低差が小さくなる。
なお、前述の通り、第1研削ステップS13後の被加工物11(図7参照)の外周部では、中央部よりも裏面11b(被研削面)の表面粗さが大きくなる。そこで、第2研削ステップS16では、第1研削ステップS13よりも被加工物11の表面粗さが小さくなる加工条件で、被加工物11の外周部を研削する。これにより、被加工物11の中央部と外周部とにおける表面粗さのばらつきを抑制することができる。
第2研削ステップS16における被加工物11の具体的な加工条件は、第2研削ステップS16後の被加工物11の外周部における表面粗さを低減可能であれば制限はない。例えば、チャックテーブル18Cの回転速度、研削ホイール50Bの回転速度、加工送り速度等を調節することにより、被加工物11の外周部における表面粗さを低減できる。
具体的には、第2研削ステップS16におけるチャックテーブル18Cの回転速度は、第1研削ステップS13におけるチャックテーブル18Bの回転速度より低く設定されてもよい。好ましくは、チャックテーブル18Cの回転速度は、チャックテーブル18Bの回転速度の1/3以下に設定される。例えば、チャックテーブル18Cの回転速度は、30rpm以上300rpm以下に設定できる。この場合、チャックテーブル18Cの回転速度以外の加工条件は、第1研削ステップS13と同様に設定できる。
また、第2研削ステップS16における研削ホイール50Bの回転速度は、第1研削ステップS13における研削ホイール50Bの回転速度より高く設定されてもよい。好ましくは、第2研削ステップS16における研削ホイール50Bの回転速度は、第1研削ステップS13における研削ホイール50Bの回転速度の2倍以上に設定される。例えば、第2研削ステップS16における研削ホイール50Bの回転速度は、2000rpm以上6000rpm以下に設定できる。この場合、研削ホイール50Bの回転速度以外の加工条件は、第1研削ステップS13と同様に設定できる。
さらに、第2研削ステップS16における加工送り速度(チャックテーブル18Cの保持面18aと研削ホイール50Bとの相対的な接近速度)は、第1研削ステップS13における加工送り速度(チャックテーブル18Bの保持面18aと研削ホイール50Bとの相対的な接近速度)より低く設定されてもよい。好ましくは、第2研削ステップS16における加工送り速度は、第1研削ステップS13における加工送り速度の1/5以下に設定される。例えば、第2研削ステップS16における加工送り速度は、0.3μm/s以上1.0μm/s以下に設定できる。この場合、加工送り速度以外の加工条件は、第1研削ステップS13と同様に設定できる。
上記のように第2研削ステップS16における加工条件を設定することにより、被加工物11の外周部の表面粗さを、被加工物11の中央部の表面粗さとは独立して制御できる。これにより、第2研削ステップS16後の被加工物11(図10参照)において、外周部の表面粗さを、例えば中央部の表面粗さの±20%の範囲内に抑えることが可能になる。その結果、被加工物11の裏面11b(被研削面)における表面粗さのばらつきが低減される。なお、第2研削ステップS16では、第1研削ステップS13から上記の加工条件の3項目のうち1項目のみ変更してもよいし、3項目から選択した任意の2項目以上を変更してもよい。
また、第2研削ステップS16において研削される被加工物11の範囲は、被加工物11の表面粗さのばらつきが一定範囲に納まる範囲内で、適宜設定できる。例えば、第2研削ステップS16では、被加工物11の外周縁からの距離が被加工物11の半径の1/3以上2/3以下である領域が研削される。特に、第2研削ステップS16では、被加工物11の外周縁からの距離が被加工物11の半径の2/5以上3/5以下である領域が研削されることが好ましい。
図1に示す制御ユニット62の記憶部(メモリ)には、上記の第1保持ステップS11、第1位置付けステップS12、第1研削ステップS13、第2保持ステップS14、第2位置付けステップS15、第2研削ステップS16を順に実施するために必要な研削装置2の構成要素の一連の動作を記述するプログラムが記憶されている。そして、被加工物11の加工を実施する際には、制御ユニット62が記憶部からプログラムを読み出して実行し、研削装置2の各構成要素に制御信号を順次出力する。これにより、研削装置2の稼働が制御され、本実施形態に係る被加工物の研削方法が自動で実施される。
以上の通り、本実施形態に係る被加工物の研削方法では、被加工物11の中央部を外周部よりも薄くすることが可能となるように傾きが調節されたチャックテーブル18Bによって保持された被加工物11を研削し(第1研削ステップS13)、その後、被加工物11の外周部を研削可能となるように傾きが調節されたチャックテーブル18Cによって保持された被加工物11を表面粗さが小さくなる加工条件で研削する(第2研削ステップS16)。これにより、被加工物11の中央部と外周部とにおける表面粗さの差が小さくなり、研削後の被加工物11における表面粗さのばらつきが低減される。
また、第1研削ステップS13ではチャックテーブル18Bによって保持された被加工物11が研削され、第2研削ステップS16ではチャックテーブル18Cによって保持された被加工物11が研削される。そのため、チャックテーブル18B,18Cの傾きをそれぞれ第1研削ステップS13、第2研削ステップS16の内容に適合するように予め個別に調節しておくことができ、第1研削ステップS13と第2研削ステップS16との間においてチャックテーブル及び研削ホイールの傾きを調節する作業を省略することが可能になる。これにより、被加工物11の加工効率が向上する。
なお、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
11 被加工物
11a 表面(第1面)
11b 裏面(第2面)
2 研削装置
4 基台
4a 開口
6 搬送ユニット(搬送機構)
8A,8B カセット設置領域
10A,10B カセット
12 位置合わせ機構(アライメント機構)
14 搬送ユニット(搬送機構、ローディングアーム)
16 ターンテーブル
18A,18B,18C チャックテーブル(保持テーブル)
18a 保持面
18b 保持領域
20 枠体(本体部)
20a 上面
20b 凹部
20c 流路
22 保持部材
22a 吸引面
24A,24B,24C 回転軸
26 厚さ測定器
28A,28B 支持構造
30A,30B 移動ユニット(移動機構)
32 ガイドレール
34 移動プレート
36 ボールねじ
38 パルスモータ
40A,40B 研削ユニット
42A,42B ハウジング
44A,44B スピンドル
46A,46B 回転駆動源
48A,48B マウント
50A,50B 研削ホイール
52A,52B ホイール基台
54A,54B 砥石
56A,56B 回転軸
58 搬送ユニット(搬送機構、アンローディングアーム)
60 洗浄ユニット(洗浄機構、洗浄装置)
62 制御ユニット(制御部、制御装置)

Claims (4)

  1. 研削装置を用いて被加工物を研削する被加工物の研削方法であって、
    該研削装置は、
    第1保持面を有する第1チャックテーブルと、
    第2保持面を有する第2チャックテーブルと、
    複数の砥石を有する研削ホイールが先端部に装着されるスピンドルを備える研削ユニットと、を備え、
    該被加工物を該第1保持面で保持する第1保持ステップと、
    該被加工物のうち該第1チャックテーブルの回転軸が通過する領域と該砥石の移動経路とが重なるように、該第1チャックテーブルと該研削ホイールとの位置関係を調節する第1位置付けステップと、
    該被加工物のうち該第1チャックテーブルの回転軸が通過する領域と該砥石との距離が該被加工物の他の領域と該砥石との距離よりも小さくなるように傾きが調節されている該第1チャックテーブルと、該研削ホイールと、をそれぞれ回転させつつ、該第1保持面と該研削ホイールとを相対的に接近させることにより、該砥石を該被加工物に接触させて該被加工物を研削する第1研削ステップと、
    該被加工物を該第2保持面で保持する第2保持ステップと、
    該被加工物のうち該第2チャックテーブルの回転軸が通過する領域と該砥石の移動経路とが重なるように、該第2チャックテーブルと該研削ホイールとの位置関係を調節する第2位置付けステップと、
    該第2チャックテーブルの回転軸上で該被加工物が研削されないように傾きが調節されている該第2チャックテーブルと、該研削ホイールと、をそれぞれ回転させつつ、該第2保持面と該研削ホイールとを相対的に接近させることにより、該砥石を該被加工物に接触させて該被加工物の外周部を研削する第2研削ステップと、を含み、
    該第2研削ステップでは、該第1研削ステップよりも該被加工物の表面粗さが小さくなる加工条件で該被加工物を研削することを特徴とする被加工物の研削方法。
  2. 該第2研削ステップにおける該第2チャックテーブルの回転速度は、該第1研削ステップにおける該第1チャックテーブルの回転速度よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の被加工物の研削方法。
  3. 該第2研削ステップにおける該研削ホイールの回転速度は、該第1研削ステップにおける該研削ホイールの回転速度よりも高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の被加工物の研削方法。
  4. 該第2研削ステップにおける該第2保持面と該研削ホイールとの相対的な接近速度は、該第1研削ステップにおける該第1保持面と該研削ホイールとの相対的な接近速度よりも低いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の被加工物の研削方法。
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