JP2024058034A - 被加工物の研削方法及び研削装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工不良の発生を抑制することが可能な被加工物の研削方法を提供する。【解決手段】研削装置を用いて被加工物を研削する被加工物の研削方法であって、研削装置は、被加工物を保持する保持面を有するチャックテーブルと、研削砥石を含む研削ホイールが先端部に装着されるスピンドルを有する研削ユニットと、を備え、被加工物を保持面で保持する保持ステップと、チャックテーブルと研削ホイールとの位置関係を調節する準備ステップと、研削砥石で被加工物を研削する研削ステップと、を含み、研削ステップでは、被加工物と研削砥石との接触面積に応じて、被加工物と研削ホイールとの相対的な移動速度を変更する。【選択図】図3

Description

本発明は、研削装置を用いて被加工物を研削する被加工物の研削方法、及び、被加工物を研削する研削装置に関する。
デバイスチップの製造プロセスでは、互いに交差する複数のストリート(分割予定ライン)によって区画された複数の領域にそれぞれデバイスが形成されたウェーハが用いられる。このウェーハをストリートに沿って分割することにより、デバイスをそれぞれ備える複数のデバイスチップが得られる。デバイスチップは、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の様々な電子機器に組み込まれる。
近年では、電子機器の小型化に伴い、デバイスチップの薄型化が求められている。そこで、分割前のウェーハを研削装置で研削して薄化する工程が実施されることがある。研削装置は、被加工物を保持する保持面を有するチャックテーブルと、被加工物を研削する研削ユニットとを備えている。研削ユニットはスピンドルを備え、スピンドルの先端部には複数の研削砥石を含む研削ホイールが装着される。
研削装置を用いてウェーハ等の被加工物を研削する際には、チャックテーブルの保持面で保持された被加工物の中心が研削砥石の軌道と重なるように、チャックテーブルと研削ユニットとの位置関係が調節される。そして、チャックテーブルと研削ホイールとをそれぞれ回転させつつ、研削ホイールをスピンドルの回転軸と平行な加工送り方向(鉛直方向)に沿って下降させる。これにより、研削砥石の下面が被加工物の上面側に接触して、被加工物が研削される。このような研削方式は、インフィード研削と呼ばれる。
一方、被加工物の研削には、クリープフィード研削と称される研削方式が用いられることもある。クリープフィード研削では、研削砥石が被加工物の外側に位置付けられ、且つ、研削砥石の下面が被加工物の上面よりも下方に位置付けられるように、チャックテーブルと研削ユニットとの位置関係が調節される。そして、研削ホイールを回転させつつ、チャックテーブルを保持面と平行な加工送り方向(水平方向)に沿って移動させる。これにより、研削砥石の側面及び底面が被加工物の上面側に接触して、被加工物が研削される(特許文献1参照)。
特開2005-28550号公報
上記のように、被加工物にクリープフィード研削を施す際には、研削ホイールを回転させつつ、チャックテーブルと研削ホイールとを加工送り方向に沿って所定の移動速度(加工送り速度)で相対的に移動させることにより、研削砥石を被加工物の一端部から他端部まで加工送り方向に沿って接触させる。そして、加工送り速度は、被加工物の研削中に被加工物及び研削砥石にかかる負荷(研削負荷)を考慮して設定される。
しかしながら、クリープフィード研削では、加工送りの進行に伴って被加工物と研削砥石との接触面積が変化する。これにより、被加工物の研削中に研削負荷が変動し、被加工物に加工不良が発生するおそれがある。例えば、被加工物と研削砥石との接触面積が拡大しているにも関わらず加工送り速度が高速に維持されると、加工負荷が過度に増大し、被加工物に深い傷(スクラッチ)が形成されることがある。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、加工不良の発生を抑制することが可能な被加工物の研削方法及び研削装置の提供を目的とする。
本発明の一態様によれば、研削装置を用いて被加工物を研削する被加工物の研削方法であって、該研削装置は、該被加工物を保持する保持面を有するチャックテーブルと、研削砥石を含む研削ホイールが先端部に装着されるスピンドルを有する研削ユニットと、を備え、該被加工物を該保持面で保持する保持ステップと、該保持面に沿って設定された加工送り方向において該被加工物と該研削砥石とが互いに離隔し、且つ、該研削砥石の下面が該被加工物の上面から所定の距離下方に位置づけられるように、該チャックテーブルと該研削ホイールとの位置関係を調節する準備ステップと、該研削ホイールを回転させつつ該被加工物と該研削ホイールとを該加工送り方向に相対的に移動させることにより、該研削砥石で該被加工物を研削する研削ステップと、を含み、該研削ステップでは、該被加工物と該研削砥石との接触面積に応じて、該被加工物と該研削ホイールとの相対的な移動速度を変更する被加工物の研削方法が提供される。
なお、好ましくは、該研削ステップでは、該接触面積が大きくなるほど該移動速度を低くする。
また、本発明の他の一態様によれば、被加工物を研削する研削装置であって、該被加工物を保持する保持面を有するチャックテーブルと、研削砥石を含む研削ホイールが先端部に装着されるスピンドルを有する研削ユニットと、該保持面に沿って設定された加工送り方向において該被加工物と該研削ホイールとを相対的に移動させる移動機構と、コントローラと、を備え、該コントローラは、該被加工物と該研削砥石との接触面積に応じた該被加工物と該研削ホイールとの相対的な移動速度を示す速度情報を記憶する速度情報記憶部と、該速度情報記憶部に記憶された該速度情報に基づいて、該被加工物と該研削ホイールとの相対的な移動速度を調節する速度調節部と、を含む研削装置が提供される。
なお、好ましくは、該速度情報は、該接触面積が大きくなるほど該移動速度が低くなるように設定される。
本発明の一態様に係る被加工物の研削方法及び研削装置では、被加工物との研削砥石との接触面積の変化に応じて加工送り速度が調節される。これにより、クリープフィード研削において研削負荷を所望の範囲内に維持することが可能になり、加工不良の発生が抑制される。
研削装置を示す斜視図である。 研削装置を示す一部断面側面図である。 被加工物の研削方法を示すフローチャートである。 保持ステップ及び準備ステップにおける研削装置を示す側面図である。 図5(A)は被加工物の一端部を研削する研削装置を示す側面図であり、図5(B)は被加工物の中央部を研削する研削装置を示す側面図であり、図5(C)は被加工物の他端部を研削する研削装置を示す側面図である。 円盤状の被加工物を示す平面図である。 図7(A)は長方形状の被加工物を示す平面図であり、図7(B)は正方形状の被加工物を示す平面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の一態様に係る実施形態を説明する。まず、本実施形態に係る研削装置の構成例について説明する。図1は、研削装置2を示す斜視図である。なお、図1において、X軸方向(加工送り方向、第1水平方向、前後方向)とY軸方向(第2水平方向、左右方向)とは、互いに垂直な方向である。また、Z軸方向(高さ方向、鉛直方向、上下方向)は、X軸方向及びY軸方向と垂直な方向である。
研削装置2は、研削装置2を構成する各構成要素を支持又は収容する基台4を備える。基台4の上面側には、長手方向がX軸方向に沿うように形成された直方体状の開口4aが設けられている。また、基台4の上面側の後端部には、直方体状の支持構造6がZ軸方向に沿って設けられている。
開口4aの内側には、研削装置2による加工の対象物である被加工物を保持するチャックテーブル(保持テーブル)8が設けられている。チャックテーブル8の上面は、水平面(XY平面)と概ね平行な平坦面であり、被加工物を保持する保持面8aを構成している。保持面8aは、チャックテーブル8の内部に形成された流路(不図示)、バルブ(不図示)等を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。
図2は、研削装置2を示す一部断面側面図である。チャックテーブル8には、移動機構(移動ユニット)10が連結されている。移動機構10は、基台4の開口4aの内部に設けられており、チャックテーブル8を加工送り方向(X軸方向)に沿って移動させる。なお、図2では、研削装置2の一部の構成要素の図示を省略している。
移動機構10は、チャックテーブル8を支持する平板状の移動プレート12を備える。移動プレート12の裏面側(下面側)には、ナット部14が設けられている。ナット部14には、X軸方向に沿って配置されたボールねじ16が螺合されている。また、ボールねじ16の端部には、ボールねじ16を回転させるパルスモータ18が連結されている。そして、移動プレート12の表面側(上面側)に、チャックテーブル8が搭載されている。パルスモータ18でボールねじ16を回転させると、チャックテーブル8及び移動プレート12がX軸方向に沿って移動する。
また、チャックテーブル8には、チャックテーブル8を保持面8aと概ね垂直な回転軸(Z軸方向と概ね平行な回転軸)の周りで回転させるモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。すなわち、チャックテーブル8の回転軸は保持面8aと垂直な方向に沿って設定されている。
図1に示すように、チャックテーブル8の周囲には、チャックテーブル8を囲むテーブルカバー20が設けられている。また、テーブルカバー20の前方及び後方には、X軸方向に沿って伸縮可能な蛇腹状の防塵防滴カバー22が設けられている。テーブルカバー20及び防塵防滴カバー22は、開口4aの内部に設けられた移動機構10の構成要素を覆っている。
支持構造6の前面側には、移動機構(移動ユニット)24が設けられている。移動機構24は、Z軸方向に沿って配置された一対のガイドレール26を備える。一対のガイドレール26には、平板状の移動プレート28がガイドレール26に沿ってスライド可能に装着されている。
移動プレート28の裏面側(後面側)側には、ナット部(不図示)が設けられている。このナット部には、一対のガイドレール26の間にZ軸方向に沿って配置されたボールねじ30が螺合されている。また、ボールねじ30の端部には、ボールねじ30を回転させるパルスモータ32が連結されている。パルスモータ32でボールねじ30を回転させると、移動プレート28がガイドレール26に沿ってZ軸方向に移動(昇降)する。
移動プレート28には、移動プレート28の表面(前面)から前方に突出する支持部材34が固定されている。支持部材34は、被加工物11に研削加工を施す研削ユニット36を支持している。研削ユニット36は、支持部材34に支持される円柱状のハウジング38と、ハウジング38に収容されZ軸方向に沿って配置された円柱状のスピンドル40とを備える。
スピンドル40の先端部(下端部)は、ハウジング38の下面から下方に突出している。そして、スピンドル40の先端部には、金属等でなる円盤状のホイールマウント42が固定されている。また、スピンドル40の基端部(上端部)には、スピンドル40を回転させるモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。
ホイールマウント42の下面側には、被加工物11を研削する環状の研削ホイール44が装着される。例えば研削ホイール44は、ボルト等の固定具(不図示)によってホイールマウント42に固定される。これにより、研削ホイール44がホイールマウント42を介してスピンドル40の先端部に装着される。
研削ホイール44は、環状のホイール基台46と、ホイール基台46に固定された複数の研削砥石48とを備える。ホイール基台46は、ステンレス、アルミニウム等の金属や樹脂等でなり、ホイールマウント42と概ね同径に形成される。そして、ホイール基台46の下面側に、例えば直方体状に形成された複数の研削砥石48が、ホイール基台46の外周縁に沿って概ね等間隔に配列される。
研削砥石48は、ダイヤモンド、cBN(cubic Boron Nitride)等でなる砥粒と、砥粒を固定する結合材(ボンド材)とを含む。結合材としては、メタルボンド、レジンボンド、ビトリファイドボンド等を用いることができる。ただし、研削砥石48の材質、形状、構造、サイズ等に制限はなく、ホイール基台46に固定される研削砥石48の個数も任意に設定できる。
研削ホイール44は、回転駆動源からスピンドル40及びホイールマウント42を介して伝達される動力により、Z軸方向と概ね平行な回転軸の周りで回転する。すなわち、研削ホイール44の回転軸は、チャックテーブル8の保持面8aと垂直で、且つ、スピンドル40の回転軸と平行な方向に沿って設定されている。
研削ユニット36の内部又は近傍には、研削ユニット36に純水等の液体(研削液)を供給する研削液供給路(不図示)が設けられている。例えば研削液供給路は、研削ホイール44の近傍に設置されたノズルや、ホイールマウント42及び研削ホイール44の内部に形成されている流路によって構成される。
また、研削装置2は、研削装置2を制御するコントローラ(制御ユニット、制御部、制御装置)50を備える。コントローラ50は、研削装置2の構成要素(チャックテーブル8、移動機構10、移動機構24、研削ユニット36等)に接続されており、各構成要素の動作を制御する制御信号を生成する。
例えばコントローラ50は、コンピュータによって構成され、研削装置2を稼働するための演算を行う演算部と、研削装置2の稼働に用いられる各種の情報(データ、プログラム等)を記憶する記憶部とを備える。演算部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含んで構成される。また、記憶部は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリを含んで構成される。
次に、研削装置2を用いた被加工物の研削方法の具体例について説明する。図3は、被加工物の研削方法を示すフローチャートである。本実施形態では、チャックテーブル8と研削ホイール44とを保持面8aに沿って設定された加工送り方向(X軸方向)に相対的に移動させるクリープフィード研削によって、被加工物11を研削する。
研削装置2で被加工物11を研削する際は、まず、被加工物11をチャックテーブル8の保持面8aで保持し(保持ステップS1)、チャックテーブル8と研削ホイール44との位置関係を調節する(準備ステップS2)。図4は、保持ステップS1及び準備ステップS2における研削装置2を示す側面図である。
例えば被加工物11は、シリコン等の半導体材料でなる円盤状のウェーハであり、互いに概ね平行な表面(第1面)11a及び裏面(第2面)11bを備える。被加工物11は、互いに交差するように格子状に配列された複数のストリート(分割予定ライン)によって、複数の矩形状の領域に区画されている。また、ストリートによって区画された複数の領域の表面11a側にはそれぞれ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)、LED(Light Emitting Diode)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイス等のデバイス(不図示)が形成されている。
被加工物11を切削加工、レーザー加工等によってストリートに沿って分割することにより、デバイスをそれぞれ備える複数のデバイスチップが製造される。また、被加工物11の分割前に研削装置2で被加工物11を研削して薄化しておくと、薄型化されたデバイスチップが得られる。
ただし、被加工物11の種類、材質、大きさ、形状、構造等に制限はない。例えば被加工物11は、シリコン以外の半導体(GaAs、InP、GaN、SiC等)、ガラス、セラミックス、樹脂、金属等でなる円盤状の基板(ウェーハ)であってもよい。また、デバイスの種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はなく、被加工物11にはデバイスが形成されていなくてもよい。
さらに、被加工物11は、CSP(Chip Size Package)基板、QFN(Quad Flat Non-leaded package)基板等のパッケージ基板であってもよい。例えばパッケージ基板は、実装基板上に実装された複数のデバイスチップを樹脂層(モールド樹脂)で被覆して封止することによって形成される。パッケージ基板を分割して個片化することにより、パッケージ化された複数のデバイスチップを備えるパッケージデバイスが製造される。また、パッケージ基板の分割前に研削装置2でパッケージ基板の樹脂層を研削して薄化しておくと、薄型化されたパッケージデバイスが得られる。
保持ステップS1では、被加工物11がチャックテーブル8の保持面8aで保持される。例えば被加工物11は、表面11a側が保持面8aに対面し、裏面11b側(被研削面)が上方に露出するように、チャックテーブル8上に配置される。この状態で保持面8aに吸引源の吸引力(負圧)を作用させると、被加工物11がチャックテーブル8の保持面8aで吸引保持される。
なお、被加工物11の表面11a側に保護部材を固定することにより、被加工物11の表面11a側に形成されたデバイス等を保護してもよい。この場合には、被加工物11が保護部材を介してチャックテーブル8の保持面8aで保持される。
保護部材としては、例えば被加工物11と概ね同径の円形に形成されたテープ(保護テープ)が用いられる。保護テープは、フィルム状の基材と、基材上に設けられた粘着層(糊剤)とを含む。基材は、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂でなる。また、粘着層は、エポキシ系、アクリル系、又はゴム系の接着剤等でなる。なお、粘着層は、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化樹脂であってもよい。
次に、準備ステップS2が実施される。準備ステップS2では、チャックテーブル8の保持面8aで保持された被加工物11と研削砥石48とが加工送り方向(X軸方向)において互いに離隔し、且つ、研削砥石48の下面が被加工物11の上面(裏面11b、被研削面)から所定の距離下方に位置付けられるように、チャックテーブル8と研削ホイール44との位置関係が調節される。
具体的には、被加工物11が研削ホイール44と重ならず研削ホイール44の前方(図4における左側)に配置されるように、チャックテーブル8のX軸方向における位置が移動機構10(図1及び図2参照)によって調節される。また、研削砥石48の下面が被加工物11の上面よりも下方に位置付けられるように、研削ユニット36のZ軸方向における位置が移動機構24(図1参照)によって調節される。このときの被加工物11の上面と研削砥石48の下面との高さ位置(Z軸方向における位置)の差ΔHが、被加工物11の研削量(研削前後の被加工物11の厚さの差)の目標値に相当する。
次に、研削ホイール44の研削砥石48で被加工物11を研削する(研削ステップS3)。研削ステップS3では、研削ホイール44を回転させつつ被加工物11と研削ユニット36とを加工送り方向(X軸方向)に沿って相対的に移動させることにより、研削砥石48で被加工物11を一端側から他端側まで研削する。
具体的には、まず、スピンドル40を回転させることにより、研削ホイール44をスピンドル40の回転軸の周りで回転させる。これにより、複数の研削砥石48がそれぞれ、スピンドル40の回転軸を中心とする環状の軌道(移動経路)に沿って旋回する。研削ホイール44の回転数は、例えば1000rpm以上3000rpm以下に設定される。
そして、研削ホイール44が回転し、且つ、チャックテーブル8が回転していない状態で、チャックテーブル8を移動機構10(図1及び図2参照)で加工送り方向に沿って移動させる。これにより、チャックテーブル8と研削ホイール44とが、チャックテーブル8の保持面8aと平行で、且つ、スピンドル40の回転軸と垂直な方向に沿って相対的に移動し、互いに接近する。このときのチャックテーブル8の移動速度、すなわちチャックテーブル8と研削ホイール44との相対的な移動速度が、加工送り速度に相当する。加工送り速度は、例えば1mm/s以上20mm/s以下の範囲内で設定される。
図5(A)は、被加工物11の一端部を研削する研削装置2を示す側面図である。チャックテーブル8が移動して被加工物11の一端部(被加工物11の移動方向における前端部、図5(A)における右端部)が研削砥石48の軌道に到達すると、被加工物11の一端部が研削砥石48によって削り取られる。
図5(B)は、被加工物11の中央部を研削する研削装置2を示す側面図である。加工送りが進行すると、被加工物11の中央部が研削砥石48の軌道に到達し、研削砥石48によって削り取られる。
図5(C)は、被加工物11の他端部を研削する研削装置2を示す側面図である。加工送りがさらに進行すると、被加工物11の他端部(被加工物11の移動方向における後端部、図5(C)における左端部)が研削砥石48の軌道に到達し、研削砥石48によって削り取られる。このようにして、被加工物11が研削砥石48によって一端側から他端側まで研削され、被加工物11の全体が薄化される。
そして、被加工物11の厚さが最終的な厚さの目標値(仕上げ厚さ)になるまで、被加工物11の研削が繰り返される。なお、クリープフィード研削の回数(準備ステップS2及び研削ステップS3の回数)は、被加工物11の材質、研削量等に応じて適宜設定できる。
被加工物11の研削中は、被加工物11及び研削砥石48に純水等の研削液が供給される。これにより、被加工物11及び研削砥石48が冷却されるとともに、研削加工によって発生した屑(研削屑)が洗い流される。
なお、クリープフィード研削では、被加工物11と、研削ホイール44が備える複数の研削砥石48との接触面積が、研削の進行に伴って変化する。図6は、クリープフィード研削によって研削される円盤状の被加工物11を示す平面図である。
被加工物11の研削の序盤では、研削砥石48の軌道が被加工物11の一端部に相当する第1領域13Aと重なり、第1領域13Aが研削される。このとき、被加工物11と研削砥石48との接触面積は小さい。その後、チャックテーブル8の加工送りが進行すると、被加工物11と研削砥石48との接触面積が徐々に増加する。そして、研削砥石48の軌道が被加工物11の円弧状の第2領域13Bと重なった際に、被加工物11と研削砥石48との接触面積が最大になる。
その後、チャックテーブル8の加工送りがさらに進行すると、被加工物11と研削砥石48との接触面積が徐々に減少する。そして、被加工物11の研削の終盤では、研削砥石48の軌道が被加工物11の他端部に相当する第3領域13Cと重なり、第3領域13Cが研削される。
上記のように、加工送りの進行によって被加工物11と研削砥石48との接触面積が変化すると、被加工物11の研削中に被加工物11及び研削砥石48にかかる負荷(研削負荷)が変動し、被加工物11に加工不良が発生するおそれがある。例えば、被加工物11と研削砥石48との接触面積が拡大しているにも関わらず加工送り速度が高速に維持されると、加工負荷が過度に増大し、被加工物11に深い傷(スクラッチ)が形成されることがある。
そこで、本実施形態においては、被加工物11と研削砥石48との接触面積に応じて、被加工物11と研削ホイール44との相対的な移動速度(加工送り速度)を変更する。これにより、研削負荷を適切な範囲に維持することができ、加工不良の発生が抑制される。
図1に示すように、コントローラ50は、速度情報記憶部(メモリ)52及び速度調節部54を含む。速度情報記憶部52は、被加工物11と研削砥石48との接触面積に応じた加工送り速度を示す情報(速度情報)を記憶する。また、速度調節部54は、速度情報記憶部52に記憶された速度情報に基づいて、被加工物11と研削ホイール44との相対的な移動速度(加工送り速度)を調節する。例えば速度情報は、被加工物11と研削砥石48との接触面積が大きくなるほど加工送り速度が低くなるように設定される。
速度情報の具体的な内容に制限はない。例えば、チャックテーブル8の位置を示す情報(チャックテーブル8の位置情報)と加工送り速度との対応関係を示す情報が、速度情報として速度情報記憶部52に記憶される。
より詳細には、被加工物11と研削砥石48との接触面積は、研削加工中のチャックテーブル8の加工送り方向(X軸方向)における位置に依存する。また、適切な加工送り速度は、被加工物11と研削砥石48との接触面積に依存する。そこで、予め研削装置2を試験的に稼働させ、適切な加工送り速度をチャックテーブル8の位置ごとに決定する。そして、チャックテーブル8の位置情報と適切な加工送り速度との対応関係を、速度情報として速度情報記憶部52に記憶する。
例えば、チャックテーブル8の位置範囲と、チャックテーブル8がその位置範囲に配置されている際における適切な加工送り速度とを示すテーブル(データセット)が、速度情報として速度情報記憶部52に記憶される。この場合には、被加工物11と研削砥石48との接触面積が増大すると、加工送り速度が段階的に減少する。
また、チャックテーブル8の位置ごとの適切な加工送り速度を表すグラフ(関数)が、速度情報として速度情報記憶部52に記憶されてもよい。この場合には、被加工物11と研削砥石48との接触面積が増大すると、加工送り速度が連続的に減少する。
チャックテーブル8の位置情報は、チャックテーブル8の位置を直接又は間接に示す値であれば制限はない。例えば位置情報として、チャックテーブル8又は移動プレート12(図2参照)の座標や、パルスモータ18(図2参照)の回転数等を用いることができる。また、チャックテーブル8の初期位置からの移動距離、チャックテーブル8の移動時間等を、チャックテーブル8の位置情報として用いることもできる。
被加工物11の研削中は、研削装置2の任意の構成要素から速度調節部54に、チャックテーブル8の位置情報が逐次入力される。例えば、チャックテーブル8又は移動プレート12の座標や、パルスモータ18の回転数が、移動機構10(図2参照)から速度調節部54に入力される。
速度調節部54は、入力されたチャックテーブル8の位置情報を、速度情報記憶部52に記憶されている速度情報に当てはめることにより、適切な加工送り速度を決定する。そして、速度調節部54は、移動機構10のパルスモータ18(図2参照)に制御信号を出力することにより、チャックテーブル8が決定された加工送り速度で移動するようにパルスモータ18の回転速度(パルス周期)を調節する。これにより、速度調節部54が決定した加工送り速度でチャックテーブル8と研削ホイール44とが相対的に移動する。その結果、研削負荷が所望の範囲内に維持されるように、加工送り速度が逐次調節される。
なお、被加工物11と研削砥石48との接触面積を測定可能である場合には、接触面積と加工送り速度との対応関係を示す速度情報(テーブル、グラフ等)が速度情報記憶部52に記憶されてもよい。この場合には、被加工物11の研削中に、被加工物11と研削砥石48との接触面積が逐次測定される。そして、速度調節部54は、測定された接触面積を速度情報記憶部52に記憶されている速度情報に当てはめることにより、適切な加工送り速度を決定する。これにより、実際の被加工物11と研削砥石48との接触面積に応じて加工送り速度を調節できる。
上記の研削装置2を用いると、研削ステップS3において、被加工物11と研削砥石48との接触面積が大きいほど加工送り速度が低くなるように、加工送り速度が調節される。具体的には、被加工物11の一端部が研削される際には、チャックテーブル8の速度がV(高速)に設定される(図5(A)参照)。そして、加工送りが進行すると、被加工物11と研削砥石48との接触面積が増加し、チャックテーブル8の速度がVからV(<V、低速)に減少する(図5(B)参照)。その後、さらに加工送りが進行すると、被加工物11と研削砥石48との接触面積が減少し、チャックテーブル8の速度がVからV(>V、高速)に増加する(図5(C)参照)。
以上の通り、本実施形態に係る研削装置2では、被加工物11と研削砥石48との接触面積の変化に応じて加工送り速度が調節される。これにより、クリープフィード研削において研削負荷を所望の範囲内に維持することが可能になり、加工不良の発生が抑制される。
なお、上記実施形態では、円盤状の被加工物11(図6参照)が研削される例について説明したが、被加工物の形状に制限はない。例えば、研削装置2によって矩形状の被加工物を研削することもできる。この場合にも、被加工物と研削砥石48との接触面積に応じて加工送り速度が調節される。
図7(A)は、長方形状の被加工物15を示す平面図である。被加工物15は、平面視で長方形状に形成された板状の基板であり、短辺が加工送り方向(X軸方向)に沿うようにチャックテーブル8の保持面8a(図1等参照)で保持される。この状態で被加工物15にクリープフィード研削を施すと、加工送り方向の一端部(短辺方向の一端部)に相当する第1領域17A、円弧状の第2領域17B、加工送り方向の他端部(短辺方向の他端部)に相当する一対の第3領域17Cが順に研削される。
図7(B)は、正方形状の被加工物19を示す平面図である。被加工物19は、平面視で正方形状に形成された板状の基板であり、一辺が加工送り方向(X軸方向)に沿うようにチャックテーブル8の保持面8a(図1等参照)で保持される。この状態で被加工物19にクリープフィード研削を施すと、加工送り方向の一端部に相当する第1領域21A、円弧状の第2領域21B、加工送り方向の他端部に相当する一対の第3領域21Cが順に研削される。
図7(A)及び図7(B)に示すように、矩形状の被加工物にクリープフィード研削を施す際にも、被加工物と研削砥石48との接触面積が増減する。そして、加工送り速度をコントローラ50(図1参照)で調節することにより、被加工物と研削砥石48との接触面積に応じた適切な加工送り速度でクリープフィード研削を実施できる。なお、チャックテーブル8の保持面8a(図1等参照)の形状は、被加工物の形状に応じて適宜変更できる。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
11 被加工物
11a 表面(第1面)
11b 裏面(第2面)
13A 第1領域
13B 第2領域
13C 第3領域
15 被加工物
17A 第1領域
17B 第2領域
17C 第3領域
19 被加工物
21A 第1領域
21B 第2領域
21C 第3領域
2 研削装置
4 基台
4a 開口
6 支持構造
8 チャックテーブル(保持テーブル)
8a 保持面
10 移動機構(移動ユニット)
12 移動プレート
14 ナット部
16 ボールねじ
18 パルスモータ
20 テーブルカバー
22 防塵防滴カバー
24 移動機構(移動ユニット)
26 ガイドレール
28 移動プレート
30 ボールねじ
32 パルスモータ
34 支持部材
36 研削ユニット
38 ハウジング
40 スピンドル
42 ホイールマウント
44 研削ホイール
46 ホイール基台
48 研削砥石
50 コントローラ(制御ユニット、制御部、制御装置)
52 速度情報記憶部(メモリ)
54 速度調節部

Claims (4)

  1. 研削装置を用いて被加工物を研削する被加工物の研削方法であって、
    該研削装置は、該被加工物を保持する保持面を有するチャックテーブルと、研削砥石を含む研削ホイールが先端部に装着されるスピンドルを有する研削ユニットと、を備え、
    該被加工物を該保持面で保持する保持ステップと、
    該保持面に沿って設定された加工送り方向において該被加工物と該研削砥石とが互いに離隔し、且つ、該研削砥石の下面が該被加工物の上面から所定の距離下方に位置づけられるように、該チャックテーブルと該研削ホイールとの位置関係を調節する準備ステップと、
    該研削ホイールを回転させつつ該被加工物と該研削ホイールとを該加工送り方向に相対的に移動させることにより、該研削砥石で該被加工物を研削する研削ステップと、を含み、
    該研削ステップでは、該被加工物と該研削砥石との接触面積に応じて、該被加工物と該研削ホイールとの相対的な移動速度を変更することを特徴とする被加工物の研削方法。
  2. 該研削ステップでは、該接触面積が大きくなるほど該移動速度を低くすることを特徴とする請求項1記載の被加工物の研削方法。
  3. 被加工物を研削する研削装置であって、
    該被加工物を保持する保持面を有するチャックテーブルと、
    研削砥石を含む研削ホイールが先端部に装着されるスピンドルを有する研削ユニットと、
    該保持面に沿って設定された加工送り方向において該被加工物と該研削ホイールとを相対的に移動させる移動機構と、
    コントローラと、を備え、
    該コントローラは、
    該被加工物と該研削砥石との接触面積に応じた該被加工物と該研削ホイールとの相対的な移動速度を示す速度情報を記憶する速度情報記憶部と、
    該速度情報記憶部に記憶された該速度情報に基づいて、該被加工物と該研削ホイールとの相対的な移動速度を調節する速度調節部と、を含むことを特徴とする研削装置。
  4. 該速度情報は、該接触面積が大きくなるほど該移動速度が低くなるように設定されることを特徴とする請求項3記載の研削装置。
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