JP2023157449A - 画像形成装置、画像形成方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】連続紙に対する画像形成において、作像条件を調整する際にかぶり帯のトナー定着不良を防止する。【解決手段】画像形成装置10は、連続紙PMに複数色のトナー画像を形成して定着させる画像形成部13と、画像形成部13により連続紙PMに複数の作像条件で複数のパッチ画像(補正パッチ)を形成させ、パッチ画像に基づいて連続紙PMに形成される画像の画質を調整する制御部11と、を備え、制御部11は、複数のパッチ画像を形成する際に、複数色の作像条件を変更する際に発生するかぶり帯の位置が、複数のグループに分散されるようにすることが可能である。【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成装置、画像形成方法及びプログラムに関する。
従来、用紙に補正パッチを形成し、当該補正パッチの濃度に基づいて作像条件を調整することで、用紙に形成される画像の画質を調整する画像形成装置がある。
例えば、特許文献1には、用紙に濃度パッチ(補正パッチ)を形成して、濃度パッチの濃度を濃度検出部で読み取り、当該濃度検出部の検出結果に基づいて、トナーによる最高濃度が目標濃度に合致するように画像形成部の作像条件を制御することが記載されている。
特開2015-106059号公報
ところで、ロール紙等の連続紙に画像を形成する画像形成装置において作像条件を調整する場合、予め互いに異なる複数の作像条件で補正パッチを連続的に形成し、形成された複数の補正パッチの濃度を濃度検出部により一括で読み取る。この場合、作像条件を変更する際に発生するかぶり帯が連続紙に形成される。例えば、感光体の表面電位が現像ローラーに印加される直流電圧よりも低くなると、現像ローラーから感光体にトナーが移動する等によって、本来トナー像が形成されるべきでない部分に、トナー像が形成されてしまう「かぶり」という現象が発生する。かぶり帯は、かぶりにより形成される画像である。
図8に、連続紙PMに形成された補正パッチP1,P2及びかぶり帯L1の一例を示す。図8に示す例において、補正パッチP1は変更前の作像条件で形成された補正パッチであり、補正パッチP2は変更後の作像条件で形成された補正パッチである。かぶり帯L1は、画像形成装置で形成可能である色の全色のトナーにより形成されたそれぞれのかぶり帯が重なってできた画像である。
しかしながら、作像条件の変更量によってはこのような重なったかぶり帯におけるトナー付着量が、定着部で安定的に定着させることができる量を超えてしまうことがあった。すなわち単位面積あたりのトナー量が定着部において加熱できる量を超える場合、定着オフセットとして用紙上に定着しきれないトナーが定着部のローラー表面に付着し、それが未定着トナーとして連続紙を汚してしまったり、画像形成装置内を汚してしまうおそれがある。
特許文献1の発明における用紙は枚葉紙であるため、作像条件の変更は用紙間において行うことができ、かぶり帯が用紙に形成されないように制御することが可能だが、ロール紙等の連続紙では用紙間が存在しないため、異なる作像条件で補正パッチを形成する際には連続紙上にかぶり帯が形成される結果となる。かぶり帯におけるトナー付着量が、定着部で安定的に定着させることができる量を超えてしまうと、上述のように未定着トナーによって連続紙を汚してしまったり、画像形成装置内を汚してしまう問題が生じる。
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、連続紙に対する画像形成において、作像条件を調整する際にかぶり帯のトナー定着不良を防止することができる画像形成装置、画像形成方法及びプログラムを提供する。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の画像形成装置は、
連続紙に複数色のトナー画像を形成して定着させる画像形成部と、
前記画像形成部により前記連続紙に複数の作像条件で複数のパッチ画像を形成させ、前記パッチ画像に基づいて前記連続紙に形成される画像の画質を調整する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記複数のパッチ画像を形成する際に、前記複数色の前記作像条件を変更する際に発生するかぶり帯の位置が、複数のグループに分散されるようにすることが可能である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記複数色のうち少なくとも一色の前記作像条件を変更するタイミングと、前記複数色の他の色の前記作像条件を変更するタイミングとを異ならせることが可能である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記かぶり帯におけるトナー付着量が所定の閾値以上かを判断する判断部を備え、
前記制御部は、前記判断部により前記かぶり帯におけるトナー付着量が所定の閾値以上であると判断された場合、前記かぶり帯におけるトナー付着量が所定の閾値未満となるように、前記複数色のうちの少なくとも一色の前記作像条件を変更するタイミングと、他の色の前記作像条件を変更するタイミングとを異ならせる。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記複数色の前記作像条件をそれぞれの色ごとの互いに異なるタイミングにおいて変更する。
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記複数色の前記作像条件を前記複数色のグループごとの互いに異なるタイミングにおいて変更する。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記制御部は、前記パッチ画像に基づいて前記連続紙に形成される画像の最大濃度が目標濃度に一致するように前記作像条件を調整する。
請求項7に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記作像条件は、前記画像形成部における帯電バイアス電圧、現像バイアス電圧、転写バイアス電圧、及び露光量のうちの少なくとも一つである。
請求項8に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記画像形成部は、前記複数色ごとの画像形成ユニットを備え、
前記制御部は、それぞれ個別に前記画像形成ユニットの前記作像条件を変更することが可能である。
請求項9に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記連続紙に形成された画像を読み取る出力画像読取部を備え、
前記制御部は、前記出力画像読取部により読み取られた前記パッチ画像に基づいて前記作像条件を調整する。
請求項10に記載の画像形成方法は、
連続紙に複数色のトナー画像を形成して定着させる画像形成部を備える画像形成装置における画像形成方法であって、
前記画像形成部により前記連続紙に複数の作像条件で複数のパッチ画像を形成させ、前記パッチ画像に基づいて前記連続紙に形成される画像の画質を調整する工程を有し、
前記複数のパッチ画像を形成する際に、前記複数色の前記作像条件を変更する際に発生するかぶり帯の位置が、複数のグループに分散されるようにする。
請求項11に記載のプログラムは、
連続紙に複数色のトナー画像を形成して定着させる画像形成部を備える画像形成装置のコンピューターを、
前記画像形成部により前記連続紙に複数の作像条件で複数のパッチ画像を形成させ、前記パッチ画像に基づいて前記連続紙に形成される画像の画質を調整する制御部として機能させ、
前記制御部は、前記複数のパッチ画像を形成する際に、前記複数色の前記作像条件を変更する際に発生するかぶり帯の位置が、複数のグループに分散されるようにすることが可能である。
本発明によれば、連続紙に対する画像形成において、作像条件を調整する際にかぶり帯のトナー定着不良を防止することができる。
画像形成装置の概略構成図である。 画像形成装置の機能的構成を示すブロック図である。 作像条件調整処理を示すフローチャートである。 連続紙に形成された補正パッチの一例を示す図である。 トナー量調整処理を示すフローチャートである。 連続紙に形成された補正パッチ及びかぶり帯の一例を示す図である。 変形例の連続紙に形成された補正パッチ及びかぶり帯の一例を示す図である。 従来の連続紙に形成された補正パッチ及びかぶり帯の一例を示す図である。
以下、本発明に係る画像形成装置、画像形成方法及びプログラムの実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
<画像形成装置の構成>
図1は、本実施形態における画像形成装置10の概略構成図である。図2は、画像形成装置10の機能的構成を示すブロック図である。画像形成装置10は、連続紙PMを記録媒体として使用し、この連続紙PM上に画像を形成する。ここでは、連続紙PMとしてロール紙を用いる。
画像形成装置10は、制御部11と、操作表示部12と、画像形成部13と、出力画像読取部14と、通信部15と、給紙部16と、搬送部17と、巻取部18と、記憶部19と、を備える。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部11のCPUは、記憶部19に記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って、各種処理を実行する。
また、制御部11は、画像形成部13により連続紙PMに複数の作像条件で複数の補正パッチ(パッチ画像)を形成させ、パッチ画像に基づいて連続紙PMに形成される画像の画質を調整する。
また、制御部11は、かぶり帯におけるトナー付着量が定着閾値(所定の閾値)以上かを判断する。ここで、制御部11は判断部として機能する。
操作表示部12は、表示部12aと、操作部12bと、を備える。
表示部12aは、LCD(Liquid Crystal Display)等を備えて構成されており、制御部11から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
操作部12bは、各種機能キーや、表示部12aの表示画面上を覆うように形成されたタッチパネルを備えて構成されており、ユーザーからの各種操作を受け付ける。
画像形成部13は、搬送部17により搬送されている連続紙PMに対して、電子写真方式により画像を形成する。
図1に示すように、画像形成部13は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、特色(S)の各色成分に対応する5組の感光体131、露光部132及び現像部133と、中間転写ベルト134と、転写ローラー135と、定着部136と、を備えている。
感光体131、露光部132及び現像部133が画像形成ユニットである。
感光体131は、帯電バイアス電圧が印加されることにより、表面が所定の極性の所定の電位に帯電される。
露光部132は、帯電された感光体131上に、所定の露光量のレーザー光を照射、露光して、感光体131上に静電潜像を形成する。
現像部133は、露光された感光体131上に現像ローラーにより所定の色(Y、M、C、K、S)のトナーを供給して、現像バイアス電圧が印加されることにより、感光体131上に形成された静電潜像を現像する。
Y、M、C、K、Sの各色に対応する感光体131上に形成された各色のトナー像(単色画像)は、中間転写ベルト134上に逐次転写され、各色の層が重畳されたトナー像(カラー画像)が形成される。中間転写ベルト134は、複数のローラーにより巻回された無端ベルトである。そして、トナーと逆極性の転写バイアス電圧が転写ローラー135に印加されることにより、中間転写ベルト134上に形成されたトナー像が連続紙PM上に転写される。
定着部136は、連続紙PM上に転写されたトナー像を、加熱及び加圧により連続紙PM上に定着させる。
出力画像読取部14は、用紙搬送経路上の画像形成部13より下流に設けられている。出力画像読取部14は、連続紙PMに対して画像形成部13により画像が形成された印刷物を読み取り、読取画像データを生成する。出力画像読取部14は、読取結果(読取画像データ)を制御部11に出力する。
出力画像読取部14は、光源から射出され連続紙PMの表面で反射した光を受光素子で受光し、光の強度に応じた赤、緑、青の信号を出力するカラーセンサーである。出力画像読取部14は、例えば、複数の受光素子が用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に所定の間隔で配置されたラインセンサーによって構成される。
なお、出力画像読取部14は、ポイントで画像を読み取る測色器などであってもよく、本発明としては、画像の読み取りを行えればよく、特定のものに限定されない。
通信部15は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークを介して接続されたPC(Personal Computer)等の外部装置との間でデータの送受信を行う。通信部15は、例えば、外部装置から印刷用の画像データを含むジョブを受信する。
給紙部16は、連続紙PMを画像形成部13へ給紙する。給紙部16の筐体内では、ロール状の連続紙PMが支持軸に巻回されて回転可能に保持される。給紙部16では、支持軸に巻回された連続紙PMは、複数のローラーを経由して、一定の速度で画像形成部13へ搬送される。また、図1には、一の連続紙PMしか示されていないが、複数の連続紙PMが保持されていてもよい。
搬送部17は、連続紙PMの搬送機構である。搬送部17は、複数のローラーによって、給紙部16から給紙された連続紙PMを画像形成部13へ搬送し、画像形成部13を通過した連続紙PMを巻取部18へと搬送する。
巻取部18は、画像形成部13から搬送されてきた連続紙PM(印刷出力物)を巻き取る。巻取部18の筐体内では、連続紙PMが支持軸に巻回されてロール状に保持される。巻取部18において、画像形成部13から搬送されてきた連続紙PMは、複数のローラーを経由して、一定の速度で支持軸に巻き取られる。
記憶部19は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリー等で構成されている。記憶部19には、制御部11で実行されるシステムプログラムや処理プログラムを始めとする各種プログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータが記憶されている。
また、記憶部19には、定着閾値が記憶されている。連続紙PMに形成されるトナー像のトナー付着量が、当該定着閾値より多い場合、定着部136で安定して定着することができない可能性がある。
<画像形成装置の動作>
次に、画像形成装置10における動作について説明する。
(作像条件調整処理)
図3は、画像形成装置10において実行される作像条件調整処理を示すフローチャートである。作像条件調整処理は、画像形成部13により形成される画像の画質が目標画質に一致するように作像条件(画像形成条件)を調整する処理であり、制御部11のCPUと記憶部19に記憶されているプログラムとの協働によって実現される。
本実施形態において、作像条件は、上記帯電バイアス電圧、露光量、現像バイアス電圧、及び転写バイアス電圧を含む。
本実施形態において、制御部11は、Y,M,C,K,Sのそれぞれの画像形成ユニットにおいて、個別に作像条件を変更することが可能である。
作像条件調整処理において、まず、制御部11は、画像形成部13を制御して、連続紙PM上に図4に示す補正パッチP1を形成する(ステップS1)。図4に示す例において、矢印は連続紙PMの搬送方向を示す。
次に、制御部11は、作像条件が異なる補正パッチを所定数分形成したか否かを判断する(ステップS2)。当該作像条件が異なる補正パッチを形成する数、及び作像条件を異ならせる値は任意に設定することができる。作像条件と、形成される画像における濃度との対応関係が算出できる数、及び値であればよい。
作像条件が異なる補正パッチを所定数分形成していない場合(ステップS2;NO)、制御部11は、図5に示すトナー量調整処理を実行する(ステップS3)。
(トナー量調整処理)
トナー量調整処理において、制御部11は、作像条件を変更した際に発生するかぶり帯における対象色のトナー付着量を算出する(ステップA1)。ここで、対象色は例えば、イエロー(Y)であるとする。
具体的には、制御部11は、現在の作像条件と、現在の作像条件から所定値だけ変更した(異ならせた)作像条件との差分から、かぶり帯におけるYのトナー付着量を算出する。
次に、制御部11は、ステップA1において算出したかぶり帯における対象色のトナー付着量を、かぶり帯の累積トナー量に加算する(ステップA2)。加算する前のかぶり帯の累積トナー量はゼロであるため、このとき、(かぶり帯の累積トナー量)=(かぶり帯のYのトナー付着量)である。
次に、制御部11は、ステップA2において算出されたかぶり帯の累積トナー量は、定着閾値以上であるか否かを判断する(ステップA3)。
かぶり帯の累積トナー量が定着閾値未満である場合(ステップA3;NO)、制御部11は、Y,M,C,K,Sの全色をそれぞれ対象色としてステップA1~A3を実施したか(処理が完了したか)否かを判断する(ステップA4)。
全色の処理が完了していない場合(ステップA4;NO)、制御部11は、本処理をステップA1に移行する。
2回目のステップA1において、制御部11は、例えば、マゼンタ(M)を対象色として、かぶり帯における対象色(M)のトナー付着量を算出する。
次に、2回目のステップA2において、制御部11は、かぶり帯における対象色(M)のトナー付着量を、かぶり帯の累積トナー量に加算する。このとき、(かぶり帯の累積トナー量)=(かぶり帯のYのトナー付着量)+(かぶり帯のMのトナー付着量)=(かぶり帯のY,Mのトナー付着量)である。
かぶり帯のY,Mのトナー付着量が定着閾値未満であり(ステップA3;NO)、全色の処理が完了していない場合(ステップA4;NO)、制御部11は、本処理を再びステップA1に移行する。
3回目のステップA1において、制御部11は、例えば、シアン(C)を対象色として、かぶり帯における対象色(C)のトナー付着量を算出する。
次に、3回目のステップA2において、制御部11は、かぶり帯における対象色(C)のトナー付着量を、かぶり帯の累積トナー量に加算する。このとき、(かぶり帯の累積トナー量)=(かぶり帯のYのトナー付着量)+(かぶり帯のMのトナー付着量)+(かぶり帯のCのトナー付着量)=(かぶり帯のY,M,Cのトナー付着量)である。
かぶり帯のY,M,Cのトナー付着量が定着閾値未満であり(ステップA3;NO)、全色の処理が完了していない場合(ステップA4;NO)、制御部11は、本処理を再びステップA1に移行する。
4回目のステップA1において、制御部11は、例えば、ブラック(K)を対象色として、かぶり帯における対象色(K)のトナー付着量を算出する。
次に、4回目のステップA2において、制御部11は、かぶり帯における対象色(K)のトナー付着量を、かぶり帯の累積トナー量に加算する。このとき、(かぶり帯の累積トナー量)=(かぶり帯のYのトナー付着量)+(かぶり帯のMのトナー付着量)+(かぶり帯のCのトナー付着量)+(かぶり帯のKのトナー付着量)=(かぶり帯のY,M,C,Kのトナー付着量)である。
ここで、かぶり帯のY,M,C,Kのトナー付着量が定着閾値以上であるとすると(ステップA3;YES)、制御部11は、対象色(K)における作像条件の変更タイミングをシフトする(ステップA5)。
つまり、作像条件を変更する際に、Y、M、及びCにおける作像条件の変更タイミングと、Kにおける作像条件の変更タイミングとをずらすとする。
次に、制御部11は、かぶり帯の累積トナー量をかぶり帯における対象色のトナー付着量とする(ステップA6)。このとき、(かぶり帯の累積トナー量)=(かぶり帯のKのトナー付着量)である。
そして、制御部11は、本処理をステップA4に移行し、全色の処理が完了していない場合(ステップA4;NO)、制御部11は、本処理を再びステップA1に移行する。
5回目のステップA1において、制御部11は、例えば、特色(S)を対象色として、かぶり帯における対象色(S)のトナー付着量を算出する。
次に、5回目のステップA2において、制御部11は、かぶり帯における対象色(S)のトナー付着量を、かぶり帯の累積トナー量に加算する。このとき、(かぶり帯の累積トナー量)=(かぶり帯のKのトナー付着量)+(かぶり帯のSのトナー付着量)=(かぶり帯のK,Sのトナー付着量)である。
かぶり帯のK,Sのトナー付着量が定着閾値未満であり(ステップA3;NO)、全色の処理が完了した場合(ステップA4;YES)、制御部11は、本処理終了する。
制御部11は、上記トナー量調整処理を実行することにより、作像条件を変更する際の、各色における作像条件の変更タイミングを決定する。上記した例において、制御部11は、Y、M、及びCの作像条件を同時に変更して、Y、M、及びCの作像条件を変更するタイミングとは異なるタイミングにおいて、K及びSの作像条件を同時に変更することを決定する。
また、制御部11は、上記トナー量調整処理を実行することにより、かぶり帯におけるトナー付着量を定着閾値未満にすることができるため、トナー付着量過多による定着不良を防ぐことができる。
なお、上記トナー量調整処理において、Y,M,C,K,Sの順に対象色としたがこれに限らず、その他の順であってもよい。
図3に戻り、制御部11は、ステップS3において決定した各色の作像条件の変更タイミングにおいて、作像条件を現在の値から所定値だけ変更し(ステップS4)、本処理をステップS1に移行する。当該変更する作像条件は、帯電バイアス電圧、露光量、現像バイアス電圧、及び転写バイアス電圧のうちの少なくとも一つである。
2回目のステップS1において、制御部11は、変更した作像条件で補正パッチP2(図6参照)を形成する。
図6に、補正パッチP1、P2、及びかぶり帯L2、L3が形成された連続紙PMの例を示す。図6に示す例において、補正パッチP1は変更前の作像条件で形成された補正パッチであり、補正パッチP2は変更後の作像条件で形成された補正パッチである。
また、上記したように、制御部11は、Y、M、及びCの作像条件を同時に変更して、Y、M、及びCの作像条件を変更するタイミングとは異なるタイミングにおいて、K及びSの作像条件を同時に変更した。例えば、制御部11は、Y、M、及びCの作像条件を変更したタイミングの後に、K及びSの作像条件を変更したとする。
Y、M、及びCの作像条件を同時に変更したことにより、Y、M、及びCの作像条件の変更によるかぶり帯は、連続紙PM上の同じ位置に形成され、当該形成されたかぶり帯が図6に示すかぶり帯L2である。
また、K及びSの作像条件を同時に変更したことにより、K及びSの作像条件の変更によるかぶり帯は、連続紙PM上の同じ位置に形成され、当該形成されたかぶり帯が図6に示すかぶり帯L3である。そして、かぶり帯L3は、かぶり帯L2の後に形成される。
このように複数色(5色)のかぶり帯を2グループに分散し、かぶり帯L2、かぶり帯L3として連続紙PM上に形成したことで定着不良を防ぐことが可能となる。
次に、制御部11は、作像条件が異なる補正パッチを所定数分形成するまでステップS1~S4を繰り返す。
そして、作像条件が異なる補正パッチを所定数分形成した場合(ステップS2;YES)、制御部11は、出力画像読取部14から、形成した所定数分の補正パッチの読取画像データを取得する(ステップS5)。
次に、制御部11は、ステップS5において取得した所定数分の補正パッチの読取画像データに基づいて、それぞれの補正パッチの読取画像の濃度を検出する(ステップS6)。
次に、制御部11は、ステップS6において検出した各補正パッチの読取画像の濃度に基づいて、最大濃度(最も濃い濃度)が予め設定されている目標濃度に一致するように作像条件を決定し(ステップS7)、本処理を終了する。
制御部11は、上記作像条件調整処理において決定された作像条件の下で画像形成部13を動作させることにより、高品質な印刷物を安定的に出力することができる。つまり、制御部11は、上記作像条件調整処理を実行することにより、画像形成部13により形成される画像の画質が目標画質に一致するように作像条件を調整することができる。
<変形例>
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
以下では、上記実施形態との差異を中心に説明する。
本変形例において、制御部11は、上記トナー量調整処理を実行する代わりに、作像条件を変更する際の、各色における作像条件の変更タイミングが全て異なるように制御する。つまり、制御部11は、複数色の作像条件をそれぞれの色ごとの互いに異なるタイミングにおいて変更する。
図7に、本変形例の作像条件調整処理において、補正パッチP1、P2、及びかぶり帯L4(かぶり帯L41,L42,L43,L44,L45)が形成された連続紙PMの例を示す。
図7に示す例において、制御部11は、Y,M,C,K,Sの順に作像条件を変更した。それにより、連続紙PM上に、Yの作像条件の変更によるかぶり帯L41、Mの作像条件の変更によるかぶり帯L42、Cの作像条件の変更によるかぶり帯L43、Kの作像条件の変更によるかぶり帯L44、Sの作像条件の変更によるかぶり帯L45が順に形成される。
これにより、全色の作像条件を同時に変更した場合よりも、かぶり帯における単位面積当たりのトナー付着量を減少させることができるため、トナー付着量過多による定着不良を防ぐことができる。
なお、本変形例において、制御部11は、上記トナー量調整処理を実行する代わりに、各色における作像条件の変更を、予め設定されたグループごとのタイミングにおいて行うとしてもよい。つまり、制御部11は、複数色の作像条件を複数色のグループごとの互いに異なるタイミングにおいて変更する。
例えば、Y及びMの作像条件を同時に変更し、その後にC及びKの作像条件を同時に変更し、その後にSの作像条件を変更することが予め設定されているとしてもよい。この場合、Y,M,C,K,Sの作像条件の変更タイミングを3グループに分けたが、グループ数はこれに限らない。
この場合においても、全色の作像条件を同時に変更した場合よりも、かぶり帯における単位面積当たりのトナー付着量を減少させることができるため、トナー付着量過多による定着不良を防ぐことができる。
以上説明したように、本実施形態の画像形成装置10は、連続紙PMに複数色のトナー画像を形成して定着させる画像形成部13と、画像形成部13により連続紙PMに複数の作像条件で複数のパッチ画像(補正パッチ)を形成させ、パッチ画像に基づいて連続紙PMに形成される画像の画質を調整する制御部11と、を備え、制御部11は、複数のパッチ画像を形成する際に、複数色の作像条件を変更する際に発生するかぶり帯の位置が、複数のグループに分散されるようにすることが可能である。
したがって、連続紙に対する画像形成において、作像条件を調整する際に、かぶり帯における単位面積当たりのトナー付着量を減少させることができる。そのため、トナー付着量過多による定着不良を防ぐことができる。
また、本実施形態の画像形成装置10において、制御部11は、複数色のうち少なくとも一色の作像条件を変更するタイミングと、複数色の他の色の作像条件を変更するタイミングとを異ならせることが可能である。
したがって、作像条件を調整する際に、全色の作像条件を同時に変更した場合よりも、かぶり帯における単位面積当たりのトナー付着量を減少させることができる。そのため、トナー付着量過多による定着不良を防ぐことができる。
また、本実施形態の画像形成装置10は、かぶり帯におけるトナー付着量が所定の閾値(定着閾値)以上かを判断する判断部(制御部11)を備え、制御部11は、判断部によりかぶり帯におけるトナー付着量が所定の閾値以上であると判断された場合、かぶり帯におけるトナー付着量が所定の閾値未満となるように、複数色のうちの少なくとも一色の作像条件を変更するタイミングと、他の色の作像条件を変更するタイミングとを異ならせる。
したがって、かぶり帯におけるトナー付着量を定着閾値未満にすることができるため、トナー付着量過多による定着不良を防ぐことができる。
また、本実施形態の画像形成装置10において、制御部11は、複数色の作像条件をそれぞれの色ごとの互いに異なるタイミングにおいて変更する。
したがって、全色の作像条件を同時に変更した場合よりも、かぶり帯における単位面積当たりのトナー付着量を減少させることができる。
また、本実施形態の画像形成装置10において、制御部11は、複数色の作像条件を複数色のグループごとの互いに異なるタイミングにおいて変更する。
したがって、全色の作像条件を同時に変更した場合よりも、かぶり帯における単位面積当たりのトナー付着量を減少させることができる。
また、本実施形態の画像形成装置10において、制御部11は、パッチ画像に基づいて連続紙PMに形成される画像の最大濃度が目標濃度に一致するように作像条件を調整する。
したがって、連続紙に形成される画像の最大濃度が目標濃度に一致するように作像条件を調整することで、連続紙に形成される画像の画質を目標画質に一致させることができる。
また、本実施形態の画像形成装置10において、作像条件は、画像形成部13における帯電バイアス電圧、現像バイアス電圧、転写バイアス電圧、及び露光量のうちの少なくとも一つである。
したがって、連続紙に形成される画像の最大濃度が目標濃度に一致するように、帯電バイアス電圧、現像バイアス電圧、転写バイアス電圧、及び露光量のうちの少なくとも一つを調整することで、連続紙に形成される画像の画質を目標画質に一致させることができる。
また、本実施形態の画像形成装置10において、画像形成部13は、複数色ごとの画像形成ユニット(感光体131、露光部132及び現像部133)を備え、制御部11は、それぞれ個別に画像形成ユニットの作像条件を変更することが可能である。
したがって、色ごとに作像条件を変更することができるため、かぶり帯における単位面積当たりのトナー付着量を調整することができる。
また、本実施形態の画像形成装置10は、連続紙PMに形成された画像を読み取る出力画像読取部14を備え、制御部11は、出力画像読取部14により読み取られたパッチ画像に基づいて作像条件を調整する。
したがって、出力画像読取部14により読み取られたパッチ画像に基づいて、作像条件をより適切に調整することができる。
なお、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る画像形成装置、画像形成方法及びプログラムの例であり、これに限定されるものではない。画像形成装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
例えば、複数の補正パッチを形成する際に作像条件を変更しないトナー色がある場合には、上記トナー量調整処理において、当該トナー色を対象色とした処理は省いてもよい。
各処理を実行するためのプログラムを格納するコンピューター読み取り可能な媒体としては、上記の例に限定されず、可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
10 画像形成装置
11 制御部(判断部)
12 操作表示部
12a 表示部
12b 操作部
13 画像形成部
131 感光体
132 露光部
133 現像部
134 中間転写ベルト
135 転写ローラー
136 定着部
14 出力画像読取部
16 給紙部
17 搬送部
18 巻取部
19 記憶部
L1、L2、L3、L4 かぶり帯
P1、P2 補正パッチ
PM 連続紙

Claims (11)

  1. 連続紙に複数色のトナー画像を形成して定着させる画像形成部と、
    前記画像形成部により前記連続紙に複数の作像条件で複数のパッチ画像を形成させ、前記パッチ画像に基づいて前記連続紙に形成される画像の画質を調整する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記複数のパッチ画像を形成する際に、前記複数色の前記作像条件を変更する際に発生するかぶり帯の位置が、複数のグループに分散されるようにすることが可能である画像形成装置。
  2. 前記制御部は、前記複数色のうち少なくとも一色の前記作像条件を変更するタイミングと、前記複数色の他の色の前記作像条件を変更するタイミングとを異ならせることが可能な請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記かぶり帯におけるトナー付着量が所定の閾値以上かを判断する判断部を備え、
    前記制御部は、前記判断部により前記かぶり帯におけるトナー付着量が所定の閾値以上であると判断された場合、前記かぶり帯におけるトナー付着量が所定の閾値未満となるように、前記複数色のうちの少なくとも一色の前記作像条件を変更するタイミングと、他の色の前記作像条件を変更するタイミングとを異ならせる請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御部は、前記複数色の前記作像条件をそれぞれの色ごとの互いに異なるタイミングにおいて変更する請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御部は、前記複数色の前記作像条件を前記複数色のグループごとの互いに異なるタイミングにおいて変更する請求項2に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御部は、前記パッチ画像に基づいて前記連続紙に形成される画像の最大濃度が目標濃度に一致するように前記作像条件を調整する請求項1から5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記作像条件は、前記画像形成部における帯電バイアス電圧、現像バイアス電圧、転写バイアス電圧、及び露光量のうちの少なくとも一つである請求項1から5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記画像形成部は、前記複数色ごとの画像形成ユニットを備え、
    前記制御部は、それぞれ個別に前記画像形成ユニットの前記作像条件を変更することが可能な請求項1から5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記連続紙に形成された画像を読み取る出力画像読取部を備え、
    前記制御部は、前記出力画像読取部により読み取られた前記パッチ画像に基づいて前記作像条件を調整する請求項1から5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  10. 連続紙に複数色のトナー画像を形成して定着させる画像形成部を備える画像形成装置における画像形成方法であって、
    前記画像形成部により前記連続紙に複数の作像条件で複数のパッチ画像を形成させ、前記パッチ画像に基づいて前記連続紙に形成される画像の画質を調整する工程を有し、
    前記複数のパッチ画像を形成する際に、前記複数色の前記作像条件を変更する際に発生するかぶり帯の位置が、複数のグループに分散されるようにする画像形成方法。
  11. 連続紙に複数色のトナー画像を形成して定着させる画像形成部を備える画像形成装置のコンピューターを、
    前記画像形成部により前記連続紙に複数の作像条件で複数のパッチ画像を形成させ、前記パッチ画像に基づいて前記連続紙に形成される画像の画質を調整する制御部として機能させ、
    前記制御部は、前記複数のパッチ画像を形成する際に、前記複数色の前記作像条件を変更する際に発生するかぶり帯の位置が、複数のグループに分散されるようにすることが可能であるプログラム。
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