JP2023156885A - 流体機械 - Google Patents

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晴永 中山
Harunaga Nakayama
重樹 岩波
Shigeki Iwanami
渓太 齋藤
Keita Saito
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Abstract

【課題】外部開放部から作動流体を吸い込む流体機械において、異物や水などの内部吸入を抑制できかつ排出を円滑に行えることである。【解決手段】流体機械1は、外部の空気を取り込む外部開放部8を備える。外部開放部8は流体機械1の外部に対して開放する外部開放口10aと、吸入室71と外部開放口10aとを連通する上流側内部空間8uおよび下流側内部空間8dとを有する。外部開放口10aの通路横断面積は内部空間と吸入室71とを連通させる吸入通路70の通路横断面積よりも大きく形成されている。外部開放口10aは吸入通路70の入口よりも下方に位置して設けられている。外部開放口10aは、内部空間に取り込まれた空気から分離された異物または水分が外部へ落下する排出口として機能する。【選択図】図1

Description

この明細書における開示は、流体機械に関する。
特許文献1は、膨張室と共鳴室により圧縮機の騒音が減衰できる圧縮機の吸入マフラを開示している。
特許第2960409号公報
特許文献1の装置では、蒸発器からの気相冷媒が吸入孔を通って本体内の膨張室に流入して膨張室で膨張し、膨張した冷媒は吸入室に流入する。膨張室では冷媒が膨張するため、圧縮機の吸気負荷が減少し、これにより、圧力脈動に因る騒音が低減される。
特許文献1の技術は、外部開放部から作動流体とともに水や異物を吸い込んだ装置に適用した場合に装置内部への吸入を抑制できかつ排出を行う点について改良の余地がある。この明細書は、異物や水などの流体内部への吸入を抑制できかつ排出を円滑に行えるように、特許文献1に記載されていない技術を開示する。
この明細書における開示の目的は、外部開放部から作動流体を吸い込む流体機械において、異物や水などの内部吸入を抑制できかつ排出を円滑に行えることである。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
開示された流体機械の一つは、ハウジング(24,31,32;131;231)と、モータ部(2)と、モータ部が与える駆動力によって駆動されて、ハウジングの内側において回転するポンプロータ(6)と、ハウジングの内部に設けられた吸入室(71)に吸入された作動流体をポンプロータの回転に伴って圧縮して吐出する圧縮室(73)と、流体機械の外部雰囲気に存在している作動流体に対して開放する外部開放口(10a)、および吸入室と外部開放口とを連通する通路の一つである内部空間(8u,8d;108u,108d;208u,208d;508a)を有する外部開放部(8;108;208;308;408;508)と、を備え、
外部開放口は、通路横断面積が内部空間と吸入室とを連通させる吸入通路(10c,70;381a;18a)の通路横断面積よりも大きく形成され、さらに吸入通路の入口よりも下方に位置して設けられており、外部開放口は、内部空間に取り込まれた作動流体から分離された異物または水分が外部へ落下する排出口として機能する。
この流体機械によれば、外部開放口は吸入通路よりも大きな通路横断面積を有するため、吸引流速が抑えられ内部空間に水滴などが吸引されにくい構造を提供する。外部開放口は吸入通路の入口よりも下方に位置するため、作動流体を吸入通路に吸引でき、かつ内部空間に進入してしまった異物や水分を外部開放口へ戻すことに寄与する。さらに外部開放口は、外部の作動流体を吸入室へ吸引する入口部であるとともに外部開放口へ戻った異物や水分を重力によって落下させる排出口として提供される。したがって、この流体機械によれば、外部開放部から作動流体を吸い込む機器において、異物や水などの内部吸入を抑制できかつ排出を円滑に行える。
開示された流体機械の一つは、ハウジング(24,31,32)と、モータ部(2)と、モータ部が与える駆動力によって駆動されて、ハウジングの内側において回転するポンプロータ(6)と、ハウジングの内部に設けられた吸入室(71)に吸入された作動流体をポンプロータの回転に伴って圧縮して吐出する圧縮室(73)と、流体機械の外部雰囲気に存在している作動流体に対して開放する外部開放口(10a)、外部開放口を覆うように設けられたフィルタ部材(19)、および、吸入室と外部開放口とを連通する通路の一つである内部空間(608a)を有する外部開放部(608)と、を備え、
外部開放口は、通路横断面積が内部空間と吸入室とを連通させる吸入通路(10c,70)の通路横断面積よりも大きく形成され、さらに吸入通路の入口よりも下方に位置して設けられており、外部開放口は、内部空間に取り込まれた作動流体から分離された水分が外部へ落下する排出口として機能する。
この流体機械は、外部開放口は吸入通路よりも大きな通路横断面積を有するため、吸引流速が抑えられ内部空間に水滴などが吸引されにくい構造を提供する。外部開放口を覆うフィルタ部材は、内部空間に進入しようとする異物や水分を捕捉可能なため、異物等の吸入室への侵入を抑制することができる。外部開放口は吸入通路の入口よりも下方に位置するため、作動流体を吸入通路に吸引でき、かつフィルタ部材を通過した水分等を外部開放口へ戻すことに寄与する。さらに外部開放口は、外部の作動流体を吸入室へ吸引する入口部であり、捕捉漏れして外部開放口へ戻ってきた水分等を重力によって落下させる排出口として提供される。この流体機械によっても、外部開放部から作動流体を吸い込む機器において、異物や水などの内部吸入を抑制できかつ排出を円滑に行える。
第1実施形態に係る流体機械の縦断面図である。 第2実施形態の流体機械における排出部の横断面図である。 第3実施形態の流体機械における排出部の横断面図である。 第4実施形態の流体機械における排出部の横断面図である。 第5実施形態の流体機械における排出部の横断面図である。 第6実施形態の流体機械における排出部の横断面図である。 第7実施形態の流体機械における排出部の横断面図である。
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
<第1実施形態>
流体機械の一例を開示する第1実施形態について図1を参照しながら説明する。流体機械は、作動流体を圧縮するポンプ部を含んでいる。作動流体は、流体機械の外部雰囲気に存在している流体である。作動流体の好ましい例としては、流体機械の外部に存在している空気である。流体機械は、流体機械が設置されている室内などに存在している作動流体を内部に吸入し圧縮して外部に吐出する。第1実施形態に開示する流体機械1は、雰囲気に存在する空気を圧縮して外部へ流出させることができる。流体機械1は、例えば、閉じられた配管などによって形成されたループ回路において作動流体を駆動する装置ではない。流体機械1は、外部の雰囲気に対して開放された外部開放部8から吸入した作動流体を流体機械1の外部へ供給する。また、流体機械1は、例えば、室内または室外から吸入した作動流体を外部へ供給することに適用可能な装置である。
この明細書で開示する流体機械は、ベーン型流体機械に限定されるものではない。ここで流体機械1は、一つの例として、ポンプロータ6を貫通するように延びて径方向に滑動するベーンを備えたベーン型流体機械である。流体機械1は、外部からオイルの供給を受けないで正常に機能を発揮できるオイルレス方式の装置であることが好ましい。流体機械1は、例えば医療用エアや工場用エアなど、クリーンな空気を供給する空気圧源としても適用することができる。以下に、流体機械1が作動流体を空気とする例について説明する。
以下に、流体機械1の構成について図1を参照して説明する。図1において、RDは径方向を示し、ADはシャフト21やポンプロータ6の軸方向を示し、MSはモータ部2側を示し、CSは圧縮機構部側を示している。図1において、軸方向ADは横方向または水平方向を示し、径方向RDは上下方向を示している。図1において、RDは鉛直方向でもあり、UDは上方向を示し、BDは下方向を示している。流体機械1は、モータ部2、ポンプ部3等を備えている。ポンプ部3は、シリンダ32、ポンプロータ6および複数のベーン等によって周方向に区画形成された圧縮室73を備えている。ポンプ部3は、流体機械1においてモータ部2を除く作動流体が流通する通路を形成している。圧縮室73は、吸入室71を経て供給された空気をポンプロータ6の回転に伴って圧縮して吐出する。
流体機械1は、複数の部材によって一体に形成されたハウジングを備えている。流体機械1は、モータヨーク24、吸入室ケース31、シリンダ32、吸入側プレート35、吐出側プレート33およびカバー34を含んでハウジングを形成している。モータヨーク24と吸入室ケース31は、結合されてハウジングの一部を構成している。吸入室ケース31とモータヨーク24は、ボルト締めまたは溶接等により固定されている。
吸入室ケース31は、内部に第2軸受部212を含んでいる。吸入室ケース31とシリンダ32は、吸入側プレート35を介して一体に形成されている。吸入室ケース31は、筒状体の端部がガスケットを介在させて吸入側プレート35に結合する構成により、封止状態で吸入側プレート35と一体になっている。シリンダ32は、筒状体の端部がガスケットを介在させて吸入側プレート35に結合する構成により、封止状態で吸入側プレート35と一体になっている。各ガスケットは、ポンプ室から外気への作動流体の流出を、外気からの作動流体への異物の流入を抑止している。
シリンダ32とカバー34は、吐出側プレート33を介して一体に形成されている。シリンダ32は、筒状体の端部がガスケットを介在させて吐出側プレート33に結合する構成により、封止状態で吐出側プレート33と一体になっている。カバー34は、筒状体の端部がガスケットを介在させて吐出側プレート33に結合する構成により、封止状態で吐出側プレート33と一体になっている。吸入室ケース31、吸入側プレート35、シリンダ32、吐出側プレート33およびカバー34は、例えばボルト締めまたは溶接等により固定されている。これらの部材は、シャフト21の軸方向ADに積層するように設置されてハウジングを形成する。
吸入室ケース31、吸入側プレート35、シリンダ32、吐出側プレート33、カバー34は、それぞれの外壁が大気に露出するように設置されている。これらの部材は、少なくとも一部が熱伝導性の良い金属によって形成されている構成でもよい。これらの部材は、少なくとも一部が大気に露出するように構成されていればよい。この構成によれば、ポンプロータ6の回転によって摺動する部分で発生する熱は、外壁を通じて拡散し、流体機械1の外部の雰囲気に放出される。
吸入室ケース31は、流体機械1におけるハウジングの一部である。吸入室ケース31は、内側に、空気が吸入される吸入室71を形成している。吸入室71は、モータ部2とポンプ部3との間に設けられているマフラ室であり、作動流体の脈動低減に寄与している。吸入室ケース31には、外部から流出した空気を吸入室71に吸い込む吸入通路70が設けられている。吸入通路70は、吸入室ケース31を径方向に貫通する通路であり、流体機械1の内部に空気を取り入れる入口部である。
吸入通路70と吸入室71は、フィルタ部材15を介して連通している。吸入室71は、フィルタ部材15よりも作動流体流路の下流に設けられている。吸入通路70を通じて吸い込まれた空気は、フィルタ部材15、吸入室71の順に流下する。吸入室71は、吸入通路70よりも通路横断面積が大きく形成されている。吸入室71の通路横断面積は、吸入室71について軸方向ADに直交する平面の断面積である。
フィルタ部材15は、圧縮室73よりも上流において作動流体中に含まれる異物を捕捉する装置である。フィルタ部材15は、異物による動作不具合、腐食等によって性能が損なわれることを抑止する。フィルタ部材15は、多孔質材料によって形成されている。フィルタ部材15は、例えば、繊維の織布、不織布などの濾材によって形成されている。フィルタ部材15は、例えば、異物が通過しない開口率に設定された網部と網部を支持するフレーム部とを備えている。網部は例えばポリプロピレンまたはナイロン66で形成されており、フレーム部は、例えばガラス繊維によって強化されたポリプロピレンまたはナイロン66によって形成されている。フィルタ部材15は、防水処理がなされている構成でもよい。
吸入側プレート35には、吸入室71と圧縮室73とを連通させる圧縮室導入通路72が設けられている。圧縮室導入通路72は、吸入側プレート35を軸方向ADに貫通する通路であり、空気を吸入室71から圧縮室73に引き込む通路である。吸入側プレート35は、圧縮室導入通路72が設けられた通路形成部材である。圧縮室導入通路72は、周方向に細長く、シリンダ32の内周面32aに沿うような形状である開口を形成している。
吸入通路70と圧縮室導入通路72は、作動流体が吸入室71における広範囲に流通するような位置関係で設けられていることが好ましい。吸入室71に流入した作動流体は、シャフト21の周りを流れてシャフト21を通り越して移動し、軸方向に流れを変更して圧縮室導入通路72に至る。
カバー34は、基盤部と、基盤部の周縁部から基盤部を取り囲むように軸方向ADに突出する筒状壁とを備える。カバー34の基盤部は、吐出側プレート33に接触し、シリンダ32とで吐出側プレート33を挟んで支持している。カバー34と吐出側プレート33とで囲まれた空間は、吐出口76に連通する吐出室75を区画形成している。吐出口76は、吐出室75に連通し、流体機械1の外部へ流体を吐出する外部側流出通路である。
吐出室75には、フィルタ部材16が設けられている構成でもよい。この場合のフィルタ部材16は、固定された部材とポンプロータ6との摺動によって発生する摩耗粉などを捕集可能な部材である。このフィルタ部材は、多孔質材料によって形成されている。フィルタ部材16は、多孔質材料を所定の形状に形成した部材である。フィルタ部材16は、例えば、繊維の織布、不織布などの濾材によって形成されている。フィルタ部材16は、防水処理がなされている構成でもよい。
吐出側プレート33には、吐出室75と圧縮室73とを連通させる吐出室導入通路74が設けられている。吐出室導入通路74は、吐出側プレート33を軸方向ADに貫通する通路であり、作動流体を圧縮室73から吐出室75に吐出する通路である。吐出室導入通路74は、周方向に細長く、シリンダ32の内周面32aに沿うような形状である開口を形成している。シリンダ32、ポンプロータ6、ベーンは、作動流体を吸入し圧縮し、吐き出すための圧縮機構部を構成している。
筒状のシリンダ32の内側には、円柱状のポンプロータ6が設けられている。ポンプロータ6の外周面6aとシリンダ32の内周面32aとの間には、複数の圧縮室73が形成されている。ポンプロータ6の中心軸は、シリンダ32の中心軸に対してずれた位置に設けられている。この構成により、ポンプロータ6は、シリンダ32の内側において片側に寄った位置で回転する。ポンプロータ6には、周方向に並んで設置された複数のベーンが滑動可能に装着されている。ベーンは、ポンプロータ6に形成されたベーン溝に嵌まった状態で径方向に滑動する。ベーンにおける径外側の先端部は、ポンプロータ6の回転とともにシリンダ32の内周面32aに対して摺動する。
複数の圧縮室73のそれぞれは、周方向に隣り合うベーンとベーンとの間に形成されている。圧縮室73は、ベーンとシリンダ32の内周面32aとポンプロータ6の外周面6aと吸入側プレート35と吐出側プレート33とによって区画されている。他の部分よりも外周面6aが内周面32aに接近している部分において外周面6aと内周面32aの間は、狭くなっている。狭くなっている外周面6aと内周面32aの間には、他の部分よりも狭い圧縮室73が形成されている。この実施形態で一例として挙げる流体機械1は、4個のベーンを備えている。流体機械1は、周方向に並ぶ3個の圧縮室73を有している。流体機械1は、狭い圧縮室73と、狭い圧縮室73とは反対側に位置する広い圧縮室73とを有している。狭い圧縮室73は、外周面6aが内周面32aに接近している部分において形成されている。広い圧縮室73は、外周面6aが内周面32aに大きく離間している部分において形成されている。複数の圧縮室73は、ポンプロータ6の回転に伴って周方向に移動する。ベーンが周方向に移動するにつれて、周方向に隣り合うベーン間の圧縮室73は最大の状態から最小の状態へ変化し、さらに最小の状態から最大の状態へ変化する。
ポンプロータ6は、シャフト21における圧縮機構部側の一方端部21bに連結されている軸部材に接触して支持されている被支持部を備えている。被支持部は、ポンプロータ6において軸方向に延びる内周面を形成し、所定の軸方向長さを有する部分である。軸部材は、被支持部の内周面に対して圧入されて、軸部材と被支持部は嵌合している。
ポンプロータ6には、ベーンが嵌まっているスリット状のベーン溝が設けられている。ベーン溝は、ポンプロータ6の半径方向に対して交差する方向に延びる細長い横断面形状を有し、軸方向に延びる溝によって形成されている。ベーン溝は、ポンプロータ6を軸方向に貫通する溝面によって形成された空間である。ベーン溝は、ベーンを完全に収容することができる形状や体積を有している。ベーンの先端部には、湾曲面が形成されている。
ポンプロータ6には、軸方向に貫通する穴を形成する係合穴部が設けられている。係合穴部は、挿通された駆動用ピンに接触している。駆動用ピンは、係合穴部に係合してポンプロータ6を支持している。シャフト21と駆動用ピン64は、シャフト21の回転に伴い一体に回転する。シャフト21は、駆動用ピン64を介してポンプロータ6を駆動する。この構成により、シャフト21およびポンプロータ6は、シャフト21によって一体に回転する。シャフト21は、ポンプロータ6に対して回転駆動力を与える駆動部である。
吸入室ケース31、シリンダ32、吸入側プレート35、吐出側プレート33、カバー34は、金属、樹脂などによって形成することができる。ポンプロータ6は、例えば、ステンレス系の材質によって形成されている。吸入側プレート35、吐出側プレート33は、ポンプロータ6と摺動する摺動面に設けられたポリテトラフルオロエチレンのコーティングを有している。あるいは、ポンプロータ6はカーボンによって形成されており、吸入側プレート35、吐出側プレート33はステンレス系の材質によって形成されている構成としてもよい。このような構成によれば、外部から潤滑油の供給が無い無給油条件下における摺動性能を確保することに寄与する。
シリンダ32は、流体機械1におけるハウジングの一部である。シリンダ32は、例えば、ステンレス系の材質によって形成されている。ベーンは、カーボンによって形成されていることが好ましい。この構成によれば、ベーンの先端部とシリンダ32の内周面32aとの摩耗や焼き付きを抑えることに寄与し、無給油条件下で使用される流体機械1において有用である。
吸入室ケース31には、シリンダ32側とは反対側においてモータ部2が一体に設けられている。モータヨーク24は、筒状体の端部がガスケットを介在させて吸入室ケース31に結合する構成により、封止状態で吸入室ケース31と一体になっている。モータヨーク24は、流体機械1におけるハウジングの一部である。
モータ部2は、モータヨーク24の内側に設けられた、ステータ、モータロータ22およびシャフト21等を有している。モータ部2は、モータ室241に収容されている。モータ室241は、第1軸受支持部と第2軸受部212と吸入室ケース31とによって吸入室71に対して遮断するように区画されている。モータ室241は、吸入室71から吐出口76までの作動流体である空気の流路から遮断されているため、大気圧に維持されている。このため、モータ室241には積極的な外気の流入がなく、流体機械1は、外気に起因する湿気によるモータ部2の腐食抑制に寄与する。
モータ部2として、ブラシ付モータまたはブラシレスモータなど、種々のモータを採用することが可能である。シャフト21は、モータヨーク24の内側に設けられた第1軸受部211と、第2軸受部212とによって回転可能に設けられている。第1軸受部211は、シャフト21におけるモータ部側の他方端部21aを支持する。第2軸受部212は、吸入室ケース31の内側に位置して、モータ部2の駆動力をポンプロータ6に伝達するシャフト21を回転可能に支持する軸受部である。
ステータ、モータロータ22等は、モータヨーク24の内側に形成されたモータ室241に位置している。モータ室241は、モータヨーク24と、吸入室ケース31、第1軸受部211および第2軸受部212を支持する軸受支持部で囲まれた内部空間によって形成されている。モータ室241は、吸入室ケース31を介して吸入室71に隣接している空間部である。
シャフト21は、モータ部2が与える駆動力によって回転駆動される。ポンプロータ6およびシャフト21は、同軸に配されており、一体に回転駆動される。シャフト21の中心軸は、ポンプロータ6の回転軸である。シャフト21は、駆動用ピンを介してポンプロータ6を回転させる駆動軸部である。
ポンプロータ6は、外周面6aのうち内周面32aに最接近する円弧状シール部と内周面32aから大きく離間する離間部とを形成した状態で、シリンダ32内を自転する。流体機械1は、円弧状シール部側に狭い圧縮室73を形成し、離間部側に広い圧縮室73を形成する。狭い圧縮室73は、ベーンが回転する間に回転方向に移動し、離間部に近づくにつれて拡大して広い圧縮室73に変化する。広い圧縮室73は、ベーンが回転する間に回転方向に移動し、円弧状シール部に近づくにつれて縮小して狭い圧縮室73に変化する。このように各圧縮室73は、ベーンが一回転する間に吐出室導入通路74に近づきながら、その容積が次第に縮小するように変化する。圧縮室導入通路72を通じて圧縮室73に供給された空気は圧縮され、この空気は吐出室導入通路74から吐出室75に吐き出される。
流体機械1において作動流体である空気は、吸入通路70、吸入室71、圧縮室導入通路72、圧縮室73の順に流下する。空気は、圧縮室73から吐出室導入通路74、吐出室75の順に流下し、吐出口76から外部に流出する。空気は、この流体経路を流れる過程において、各部の冷却を図り、特に摺動部分の熱を効果的に放出することに寄与する。
次に、外部開放部8について説明する。吸入室ケース31には、吸入通路70に連通する通路を形成する外部開放部8が一体に固定されている。外部開放部8は、外部雰囲気に存在する作動流体を吸入室71に吸引するための導入用部材である。外部開放部8は、下壁と、下壁に対向する上壁81と、上壁81から下方に延びる側壁80とを含んで形成された筐体状をなしている。外部開放部8の各部は、防錆効果のある材質、例えば樹脂もしくはステンレス等によって形成されていることが好ましい。あるいは外部開放部8の各部には、アルマイトや金属メッキなど防錆処理の施された材質が用いられていることが好ましい。
図1に示すように、外部開放部8は、外部開放口10aと、外部開放口10aよりも下流側に形成された内部空間と、吸入通路10cとを備えている。吸入通路10cは、内部空間に流入した作動流体を、吸入室71に連通する吸入通路70に吸い込む通路である。吸入通路10cは、外部開放部8の上壁81を上下方向に貫通する通路であり、流体機械1の内部に作動流体を取り入れる入口部である。吸入通路10cの入口は、下方に向けて開口し、吸入通路70や吸入室71よりも下方に位置している。
内部空間は、吸入室71と外部開放口10aとを連通する通路である。内部空間は、外部開放口10aに連通する上流側内部空間8uと、上流側内部空間8uよりも下流に位置する下流側内部空間8dとを含んでいる。上流側内部空間8uは、外部開放部8の内部に設けられた障壁部83よりも上流に形成されている空間である。下流側内部空間8dは、障壁部83よりも下流に形成されている空間である。上流側内部空間8uは、容積が下流側内部空間8dよりも大きくなるように形成されている。吸入通路10cの入口は、下流側内部空間8dにおいて開口している。
障壁部83は、外部開放部8の上壁81から下方に向けて延びる壁部である。障壁部83は、外部開放部8内に吸引された作動流体が衝突する壁部として機能する。障壁部83の下端部は、外部開放部8の下壁、例えば傾斜壁82に対して離間している。障壁部83の下端部と外部開放部8の下壁との間は、絞り通路10bを形成する。絞り通路10bは、上流側内部空間8uや下流側内部空間8dよりも通路横断面積が小さい通路であり、外部開放部8内に吸引された作動流体の通路抵抗部として機能する。図1の実線矢印で示すように、上流側内部空間8uに流入した作動流体は、障壁部83に衝突すると下方に向きが変わり絞り通路10bを経由して下流側内部空間8dに流入する。
外部開放口10aは、外部開放部8を形成する筐体の下壁に形成されて下方に向けて開口している。外部開放口10aは、通路横断面積が吸入通路70や吸入通路10cの通路横断面積よりも大きく形成されている。この明細書における外部開放口10aの通路横断面積は、外部開放口10aについて中心軸に直交する平面の断面積である。外部開放口10aは、一つの開口部で形成される構成でもよいし、複数の開口部で形成される構成でもよい。この場合、外部開放口10aの通路横断面積は、複数の開口部に係る合計の通路横断面積に相当する。
外部開放口10aは、吸入通路10cの入口や吸入通路70の入口よりも下方に位置して設けられている。外部開放口10aは、筐体の上壁81から下方に向けて延びている3つの側壁80b,80cの下端部と傾斜壁82の下端部とによって形成されている。傾斜壁82は、吸入通路10cと障壁部83の真下に設けられている。傾斜壁82は、吸入通路10cの真下に位置する部位よりも障壁部83の真下に位置する部位の方が低くなるように形成されている。傾斜壁82は、障壁部83の真下に位置する部位よりも外部開放口10aの開口縁部を形成する部位の方が低くなるように形成されている。傾斜壁82は、吸入通路10cの真下に近い下流側部位よりも外部開放口10aに近い上流側部位の方が低くなるように形成されている。
上壁81は、流体機械1におけるハウジングに接触している。上壁81とハウジングとの間には、両者に密着してシールするガスケットが設けられている。外部開放口10aは、上壁81に対して対向する位置に設けられている。外部開放口10aと上壁81の間には、内部空間の一つである上流側内部空間8uが形成されている。
吸入室71に作用する吸引力により、流体機械1の外部雰囲気に存在する作動流体の一例である空気は、外部開放口10aから上流側内部空間8uに吸い込まれる。このとき、外部開放口10aの通路横断面積が吸入通路70等よりも大きいため、吸入流速を抑制できるので空気とともに異物や水分を吸引することを抑制できる。外部開放口10aからゆるやかに吸い込まれた空気は、上流側内部空間8uで拡散し障壁部83に衝突したりしながら絞り通路10bを通過する際に大きな通風抵抗を受ける。さらに空気は、絞り通路10bから下流側内部空間8dへ流入して拡散した後、吸入通路10cを通じて吸入室71に吸引される。
流体機械1は、空気が上流側内部空間8u、絞り通路10b、下流側内部空間8d、吸入通路10cを流通する際に膨張、収縮を繰り返すことで吸入空気の圧力脈動を抑制できる。この圧力脈動の抑制により、流体機械1は騒音の低減を図ることができる。上流側内部空間8uに流入した空気は、絞り通路10bを流下するまでに障壁部83やその他の壁に衝突して、空気から異物や水分が分離されて落下する。分離された異物等は、図1の破線矢印で示すように傾斜壁82に落下して傾斜壁82を下っていき、外部開放口10aから外部に落下する。また、下流側内部空間8dに流入した異物等は、吸入通路10cを流下するまでに重力により空気から分離して落下する。分離された異物等は、傾斜壁82に落下して傾斜壁82を下っていき、外部開放口10aから外部に落下する。このように外部開放口10aは、外部から内部空間へ空気を取り込む取入口であるとともに、内部空間に取り込まれた空気から分離された異物等が外部へ落下する排出口でもある。
第1実施形態の流体機械1がもたらす作用効果について説明する。流体機械1は、外部雰囲気に存在する作動流体を取り込む外部開放部8を備える。外部開放部8は、流体機械の外部に対して開放する外部開放口10aと、吸入室71と外部開放口10aとを連通する通路の一つである内部空間を有する。外部開放口10aは、通路横断面積が内部空間と吸入室71とを連通させる吸入通路70の通路横断面積よりも大きく形成され、さらに吸入通路10c,70の入口よりも下方に位置して設けられている。外部開放口10aは、内部空間に取り込まれた作動流体から分離された異物または水分が外部へ落下する排出口として機能する。
吸入通路70よりも大きな通路横断面積を有する外部開放口10aによれば、吸引流速が抑えられ内部空間に水滴などが吸引されにくい流体機械1を提供できる。吸入通路70の入口よりも下方の外部開放口10aによれば、作動流体を吸入通路70に吸引できかつ内部空間に進入した異物や水分を外部開放口10aへ戻すことに寄与する。さらに外部開放口10aは、外部の作動流体を吸入室71へ吸引する入口部であるとともに外部開放口側へ戻る異物や水分を重力によって落下させる排出口として提供される。
外部開放部8は、外部開放口10aから流入した作動流体が衝突可能な障壁部83を備える。障壁部83は、内部空間に取り込まれた作動流体から異物または水分を分離する分離機能部である。これによれば、外部開放部8内に取り込まれた作動流体が障壁部83に衝突することで作動流体の流速を低下させて異物の慣性力を低下し重力により異物等を落下できる。したがって、外部開放部8は、障壁部83の分離機能によって、外部開放口10aからの異物の落下を助長する効果を奏する。
外部開放部8は、外部開放口10aに向けて高さが低くなるように鉛直方向に対して傾斜する面を形成し傾斜壁82を備える。傾斜壁82は、内部空間に取り込まれた作動流体から分離された異物または水分が外部開放口10aへ向けて落ちることを助長する機能を有する。これによれば、外部開放部8内に取り込まれた作動流体から分離された異物または水分が重力により傾斜壁82の表面を外部開放口10aへ向けて落下することができる。したがって、外部開放部8は、傾斜壁82の案内機能によって、外部開放口10aからの異物の落下を助長する効果を奏する。
外部開放部8の障壁部83は、下端が傾斜壁82の真上に位置するように設けられている。これによれば、障壁部83への衝突によって落下した異物等を傾斜壁82の表面に導いて円滑に外部開放口10aから排出することができる。したがって、外部開放部8は、障壁部83の分離機と傾斜壁82の案内機能によって、外部開放口10aからの異物の落下を助長する効果を奏する。
流体機械1は、車両搭載用であって空気を吸引するポンプであることが好ましい。これによれば、空気に含まれる水分、路面の水飛沫などを吸引しやすい車両搭載環境において、とりわけ有用な流体機械1を提供できる。
<第2実施形態>
第2実施形態について図2を参照して説明する。図2は、第2実施形態に係る流体機械101を示している。第2実施形態は、第1実施形態に対して、外部開放部108の構成が相違する。第2実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
図2に示すように、吸入室ケース31の上壁には、吸入通路70に連通する通路を形成する外部開放部108が一体に固定されている。外部開放部108は、外部雰囲気に存在する作動流体を吸入室71に吸引するための導入用部材である。外部開放部108は、外部開放口10aと、外部開放口10aよりも下流側に形成された内部空間と、吸入管17とを備えている。吸入管17内の吸入通路10cは、内部空間に流入した作動流体を、吸入室71に連通する吸入通路70に吸い込む通路である。
吸入通路10cは、下流側内部空間108dにおいて上下方向に延びる通路であり、流体機械101の内部に作動流体を取り入れる入口部である。吸入管17において上端に位置する開口端部17aは、吸入通路10cの入口に相当する。吸入通路10cの入口は、上方に向けて開口し、吸入通路70や吸入室71よりも上方に位置している。
内部空間は、外部開放口10aに連通する上流側内部空間108uと、上流側内部空間108uよりも下流に位置する下流側内部空間108dとを含む。上流側内部空間108uは、外部開放部108の内部に設けられた障壁部183よりも上流に形成されている空間である。下流側内部空間108dは、障壁部183よりも下流に形成されている空間である。吸入通路10cの入口は、下流側内部空間108dにおいて開口している。
障壁部183は、外部開放部108の上壁81から下方に向けて延びる壁部である。障壁部183は、外部開放部108内に吸引された作動流体が衝突する壁部として機能する。障壁部183の下端部は、外部開放部108の下壁、例えば傾斜壁82に対して離間している。障壁部183の下端部と外部開放部108の下壁との間は、絞り通路10bを形成する。絞り通路10bは、上流側内部空間108uや下流側内部空間108dよりも通路横断面積が小さい通路である。絞り通路10bは、外部開放部108内に吸引された作動流体の通路抵抗部として機能する。開口端部17aまたは吸入通路10cの入口は、障壁部183の下端部よりも高い位置にある。図2の実線矢印で示すように、上流側内部空間108uに流入した作動流体は、障壁部183に衝突すると下方に向きが変わり絞り通路10bを経由して下流側内部空間108dに流入する。
外部開放口10aは、外部開放部108を形成する筐体の下壁に形成されて下方に向けて開口している。吸入通路10cの入口は、外部開放口10aよりも上方に位置して設けられている。傾斜壁82は、障壁部183の真下や、吸入通路10cの入口よりも下方に設けられている。傾斜壁82の傾斜面は、下流側内部空間108dに位置する部位に対して、外部開放口10aに近づくにつれて低くなるように形成されている。
外部開放部108の下壁は、流体機械101におけるハウジングに接触している。下壁とハウジングとの間には、両者に密着してシールするガスケットが設けられている。外部開放口10aと上壁81の間には、内部空間の一つである上流側内部空間108uが形成されている。
吸入室71に作用する吸引力により、流体機械101の外部雰囲気に存在する作動流体の一例である空気は、外部開放口10aから上流側内部空間108uに吸い込まれる。第2実施形態においても、外部開放口10aの通路横断面積の大きさによって吸入流速を抑制できるので空気とともに異物や水分を吸引することを抑制できる。外部開放口10aからゆるやかに吸い込まれた空気は、上流側内部空間108uで拡散し障壁部183に衝突したりしながら絞り通路10bを通過する際に大きな通風抵抗を受ける。さらに空気は、絞り通路10bから下流側内部空間108dへ流入して拡散した後、吸入通路10cを通じて吸入室71に吸引される。
空気は上流側内部空間108u、絞り通路10b、下流側内部空間108d、吸入通路10cを流通する際に膨張、収縮を繰り返すことで吸入空気の圧力脈動を抑制できる。この圧力脈動の抑制により、流体機械101は騒音の低減を図ることができる。上流側内部空間108uに流入した空気は、絞り通路10bを流下するまでに障壁部183やその他の壁に衝突して、空気から異物や水分が分離されて落下する。分離された異物等は、図2の破線矢印で示すように傾斜壁82に落下して傾斜壁82を下っていき、外部開放口10aから外部に落下する。また、下流側内部空間108dに流入した異物等は、吸入通路10cを流下するまでに重力により空気から分離して落下する。分離された異物等は、傾斜壁82を下っていき、外部開放口10aから外部に落下する。流体機械101の外部開放口10aは、外部から内部空間へ空気を取り込む取入口でありかつ内部空間に取り込まれた空気から分離された異物等が外部へ落下する排出口である。
第2実施形態の流体機械101によれば、吸入通路10cの入口が、ポンプ部3および外部開放口10aよりも高い位置に設けられている。この構成によれば、吸入室71への水滴の接近を防ぐことができ、防水性能を高めることに寄与する。
<第3実施形態>
第3実施形態について図3を参照して説明する。図3は、第3実施形態に係る流体機械201を示している。第3実施形態は、第1実施形態に対して、外部開放部208の構成および流体機械201の設置状態が相違する。第3実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
図3において、軸方向ADは上下方向を示し、径方向RDは横方向または水平方向を示している。また、モータ部2はポンプ部3より上方に位置している。図3に示すように、吸入室ケース31の側壁には、吸入通路70に連通する通路を形成する外部開放部208が一体に固定されている。
外部開放部208は、外部雰囲気に存在する作動流体を吸入室71に吸引するための導入用部材である。外部開放部208は、上壁81と、上壁81から下方に延びる側壁80とを含んで形成された筐体状をなしている。図3に示すように、外部開放部208は、外部開放口10aと、外部開放口10aよりも下流側に形成された内部空間と、吸入通路10cとを備えている。吸入通路10cは、下流側内部空間208dにおいて横方向に開口している。吸入通路10cは、外部開放部208の側壁80cを径方向または横方向に貫通する通路であり、流体機械201の内部に作動流体を取り入れる入口部である。
内部空間は、外部開放口10aに連通する上流側内部空間208uと、上流側内部空間208uよりも下流に位置する下流側内部空間208dとを含む。上流側内部空間208uは、外部開放部208の内部に設けられた障壁部283よりも上流に形成されている空間である。上流側内部空間208uは、障壁部283よりも下方に形成されている空間である。下流側内部空間208dは、障壁部283よりも下流に形成されている空間である。下流側内部空間208dは、障壁部283よりも上方に形成されている空間である。上流側内部空間208uは、容積が下流側内部空間208dよりも大きくなるように形成されている。
障壁部283は、外部開放部208の側壁80aから、対向する側壁80bに向けて延びる壁部である。障壁部283は、外部開放部208内に吸引された作動流体が衝突する壁部として機能する。障壁部283の先端部は、側壁80bに対して離間している。障壁部283の先端部と側壁80bとの間は、絞り通路10bを形成する。絞り通路10bは、上流側内部空間208uや下流側内部空間208dよりも通路横断面積が小さい通路である。絞り通路10bは、外部開放部208内に吸引された作動流体の通路抵抗部として機能する。図3の実線矢印で示すように、上流側内部空間208uに流入した作動流体は、障壁部283に衝突すると側壁80b側に向きが変わり絞り通路10bを経由して下流側内部空間208dに流入する。
外部開放口10aは、外部開放部208を形成する筐体の下壁に形成されて下方に向けて開口している。外部開放部208の外部開放口10aは、通路横断面積が吸入通路70や吸入通路10cの通路横断面積よりも大きく形成されている。外部開放部208の外部開放口10aは、吸入通路10cの入口や吸入通路70の入口よりも下方に位置して設けられている。外部開放口10aは、筐体の上壁81から下方に向けて延びている4つの側壁の下端部によって形成されている。
側壁80cは、流体機械201におけるハウジングに接触している。側壁80cとハウジングとの間には、両者に密着してシールするガスケットが設けられている。外部開放口10aと上壁81の間には、上流側内部空間208uと下流側内部空間208dとが並んで形成されている。
吸入室71に作用する吸引力により、流体機械201の外部雰囲気に存在する作動流体の一例である空気は、外部開放口10aから上流側内部空間208uに吸い込まれる。外部開放口10aからゆるやかに吸い込まれた空気は、上流側内部空間208uで拡散し障壁部283に衝突したりしながら絞り通路10bを通過する際に大きな通風抵抗を受ける。さらに空気は、絞り通路10bから下流側内部空間208dへ流入して拡散した後、吸入通路10cを通じて吸入室71に吸引される。
空気が上流側内部空間208u、絞り通路10b、下流側内部空間208d、吸入通路10cを流通する際に膨張、収縮を繰り返すことで吸入空気の圧力脈動を抑制できる。この圧力脈動の抑制により、流体機械201は騒音の低減を図ることができる。上流側内部空間208uに流入した空気は、絞り通路10bを流下するまでに障壁部283やその他の壁に衝突して、空気から異物や水分が分離されて落下する。分離された異物等は、図3の破線矢印で示すように障壁部283から落下したり側壁をつたって落下したりして、外部開放口10aから外部に落下する。また、下流側内部空間208dに流入した異物等は、吸入通路10cを吸い込まれるまでに重力により空気から分離して落下する。分離された異物等は、障壁部283上に落下したり、側壁をつたって落下して外部開放口10aから外部に落下する。また障壁部283の上面を傾斜面に形成した構成の場合、分離された異物等は障壁部283の上面を滑り落ちて先端部から落下して外部開放口10aから外部に落下する。流体機械201の外部開放口10aは、外部から内部空間へ空気を取り込む取入口でありかつ内部空間に取り込まれた空気から分離された異物等が外部へ落下する排出口である。
<第4実施形態>
第4実施形態について図4を参照して説明する。図4は、第4実施形態に係る流体機械301を示している。第4実施形態は、第1実施形態に対して、外部開放部308をハウジングの内部において吸入室71に隣接させて設ける点が相違する。第4実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
図4に示すように、吸入室ケース131には、吸入室71に連通する通路を形成する外部開放部308が一体に設けられている。吸入室ケース131の内部には、外部開放部308の上流側内部空間8uと下流側内部空間8dとが隣接して設けられている。外部開放部308は、外部雰囲気に存在する作動流体を吸入室71に吸引するための導入部である。外部開放部308は、傾斜壁82を含む下壁と、下壁に対向する上壁381と、上壁381から下方に延びる側壁80とを含み、吸入室ケース131の一部をなしている。上壁381は、吸入室71と外部開放部308の内部空間とを仕切る仕切壁である。
上流側内部空間8uと下流側内部空間8dを含む内部空間は、軸方向ADについてモータ部2とポンプ部3の間に位置するように設けられている。内部空間は、モータ部2とポンプ部3の間において、軸方向ADについてモータ部2とポンプ部3の両方に隣接する位置に設けられている。外部開放部308は、軸方向ADについてモータ部2とポンプ部3の間に位置して挟まれるように設けられている。
図4に示すように、外部開放部308は、外部開放口10aと、外部開放口10aよりも下流側に形成された内部空間と、吸入通路381aとを備えている。吸入通路381aは、内部空間に流入した作動流体を、吸入室71に吸い込む通路である。吸入通路381aは、外部開放部308の上壁381を上下方向に貫通する通路であり、流体機械301の吸入室71に作動流体を取り入れる入口部である。吸入通路381aの入口は、下方に向けて開口し、吸入室71よりも下方に位置している。
外部開放部308の内部空間は、外部開放口10aに連通する上流側内部空間8uと、上流側内部空間8uよりも下流に位置する下流側内部空間8dとを含んでいる。上流側内部空間8uは、外部開放部308の内部に設けられた障壁部383よりも上流に形成されている空間である。下流側内部空間8dは、障壁部383よりも下流に形成されている空間である。吸入通路381aの入口は、下流側内部空間8dにおいて開口している。
障壁部383は、吸入室ケース131の内部に設けられた上壁381から下方に向けて延びる壁部である。障壁部383は、外部開放部308内に吸引された作動流体が衝突する壁部として機能する。障壁部383の下端部は、外部開放部308の下壁、例えば傾斜壁82に対して離間している。障壁部383の下端部と外部開放部308の下壁との間は、絞り通路10bを形成する。絞り通路10bは、上流側内部空間8uや下流側内部空間8dよりも通路横断面積が小さい通路であり、外部開放部308内に吸引された作動流体の通路抵抗部として機能する。図4の実線矢印のように、上流側内部空間8uに流入した作動流体は、障壁部383に衝突すると下方に向きが変わり絞り通路10bを経由して下流側内部空間8dに流入する。
外部開放口10aは、外部開放部308を形成する筐体の下壁に形成されて下方に向けて開口している。外部開放口10aは、通路横断面積が吸入通路381aの通路横断面積よりも大きく形成されている。外部開放口10aは、吸入通路381aの入口よりも下方に位置して設けられている。外部開放口10aは、筐体の上壁381から下方に向けて延びている3つの側壁80b,80cの下端部と傾斜壁82の下端部とによって形成されている。
傾斜壁82は、吸入通路381aと障壁部383の真下に設けられている。傾斜壁82は、吸入通路381aの真下に位置する部位よりも障壁部383の真下に位置する部位の方が低くなるように形成されている。傾斜壁82は、障壁部383の真下に位置する部位よりも外部開放口10aの開口縁部を形成する部位の方が低くなるように形成されている。傾斜壁82は、吸入通路381aの真下に近い下流側部位よりも外部開放口10aに近い上流側部位の方が低くなるように形成されている。外部開放口10aは、上壁381に対して対向する位置に設けられている。外部開放口10aと上壁381の間には、内部空間の一つである上流側内部空間8uが形成されている。
吸入室71に作用する吸引力により、流体機械301の外部雰囲気に存在する作動流体の一例である空気は、外部開放口10aから上流側内部空間8uに吸い込まれる。このとき、外部開放口10aの通路横断面積が吸入通路381aよりも大きいため、吸入流速を抑制できるので空気とともに異物や水分を吸引することを抑制できる。外部開放口10aからゆるやかに吸い込まれた空気は、上流側内部空間8uで拡散し障壁部383に衝突したりしながら絞り通路10bを通過する際に大きな通風抵抗を受ける。さらに空気は、絞り通路10bから下流側内部空間8dへ流入して拡散した後、吸入通路381aを通じて吸入室71に吸引される。
空気が上流側内部空間8u、絞り通路10b、下流側内部空間8d、吸入通路381aを流通する際に膨張、収縮を繰り返すことで吸入空気の圧力脈動を抑制できる。この圧力脈動の抑制により、流体機械301は騒音の低減を図ることができる。上流側内部空間8uに流入した空気は、絞り通路10bを流下するまでに障壁部383やその他の壁に衝突して、空気から異物や水分が分離されて落下する。分離された異物等は、図4の破線矢印で示すように傾斜壁82に落下して傾斜壁82を下っていき、外部開放口10aから外部に落下する。また、下流側内部空間8dに流入した異物等は、吸入通路381aを流下するまでに重力により空気から分離して落下する。このように分離された異物等は、傾斜壁82に落下して傾斜壁82を下っていき、外部開放口10aから外部に落下する。外部開放口10aは、外部から内部空間へ空気を取り込む取入口であり、かつ内部空間に取り込まれた空気から分離された異物等が外部へ落下する排出口でもある。
第4実施形態によれば、外部開放部308は、内部空間がハウジングの内部において吸入室71に隣接するように、ハウジングの一部をなして設けられている。外部開放部308と、吸入室71を形成するハウジングとは、同一の部品として構成される。また、外部開放部308は、軸方向ADについてモータ部2とポンプ部3の間に位置して、モータ部2とポンプ部3の両方に隣接するように設けられている。これによれば、ハウジング内部に、吸入室71と圧力脈動抑制の構造と防水および排水の構造とを集約して搭載する流体機械301を提供できる。したがって、騒音低減機能、防水および排水機能を兼ね備えた流体機械301の小型化を図ることができる。流体機械301は、特に径方向の体格を抑えることに寄与する。
<第5実施形態>
第5実施形態について図5を参照して説明する。図5は、第5実施形態に係る流体機械401を示している。第4実施形態は、第1実施形態に対して、外部開放部408をハウジングの内部において吸入室71に隣接させて設ける点が相違する。第5実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
図5に示すように、吸入室ケース231には、吸入室71に連通する通路を形成する外部開放部408が一体に設けられている。吸入室ケース231の内部には、外部開放部408の上流側内部空間8uと下流側内部空間8dとが隣接して設けられている。外部開放部408は、外部雰囲気に存在する作動流体を吸入室71に吸引するための導入部である。外部開放部408は、傾斜壁482を含む下壁と、下壁に対向する上壁231cと、上壁231cから下方に延びる側壁231aとを含み、吸入室ケース231の一部をなしている。
外部開放部408内の内部空間は、軸方向ADについてモータ部2とポンプ部3の間に位置するように設けられている。この内部空間は、モータ部2とポンプ部3の間において、軸方向ADについてモータ部2とポンプ部3の両方に隣接する位置に設けられている。外部開放部408は、軸方向ADについてモータ部2とポンプ部3の間に位置して挟まれるように設けられている。
図5に示すように、外部開放部408は、外部開放口10aと、外部開放口10aよりも下流側に形成された内部空間と、吸入管18とを備えている。吸入管18内の吸入通路18aは、内部空間に流入した作動流体を、吸入室71に吸い込む通路である。吸入通路18aは、下流側内部空間8dにおいて上下方向に延びる通路であり、流体機械401の吸入室71に作動流体を取り入れる入口部である。吸入管18において上端に位置する開口端部は、吸入通路18aの入口に相当する。吸入通路18aの入口は、上方に向けて開口し、吸入室71よりも上方に位置している。吸入通路18aは、外部開放部408の下壁231bを貫通するように設けられて、下流側内部空間8dと吸入室71とを連通している。
外部開放部408の内部空間は、外部開放口10aに連通する上流側内部空間8uと、上流側内部空間8uよりも下流に位置する下流側内部空間8dとを含んでいる。上流側内部空間8uは、外部開放部408の内部に設けられた障壁部483よりも上流に形成されている空間である。下流側内部空間8dは、障壁部483よりも下流に形成されている空間である。障壁部483は、上流側内部空間8uと下流側内部空間8dとを仕切る仕切壁である。吸入通路18aの入口は、下流側内部空間8dにおいて開口している。
障壁部483は、吸入室ケース231に設けられた上壁231cから下方に向けて延びる壁部である。障壁部483は、上壁231cと下壁231bとを接続する壁部である。障壁部483は、外部開放部408内に吸引された作動流体が衝突する壁部として機能する。障壁部483を貫通する絞り通路483aは、上流側内部空間8uと下流側内部空間8dとを連通させる通路である。絞り通路483aは、上流側内部空間8uや下流側内部空間8dよりも通路横断面積が小さい通路であり、外部開放部408内に吸引された作動流体の通路抵抗部として機能する。図5の実線矢印のように、上流側内部空間8uに流入した作動流体は、障壁部483に衝突して絞り通路483aへ向きが変わり絞り通路483aから下流側内部空間8dに流入する。
外部開放口10aは、外部開放部408を形成する側壁231aに形成されて横方向に向けて開口している。外部開放口10aは、通路横断面積が吸入通路18aの通路横断面積よりも大きく形成されている。外部開放口10aは、吸入通路18aの入口よりも下方に位置して設けられている。外部開放口10aは、筐体の上壁231cから下方に向けて延びている側壁231aの下端部と傾斜壁482の下端部とによって形成されている。
傾斜壁482は、障壁部483の下部に接触して設けられている。傾斜壁482の傾斜面は、障壁部483側の部位に対して、外部開放口10aに近づくにつれて低くなるように形成されている。外部開放口10aと障壁部483の間には、内部空間の一つである上流側内部空間8uが形成されている。
吸入室71に作用する吸引力により、流体機械401の外部雰囲気に存在する作動流体の一例である空気は、外部開放口10aから上流側内部空間8uに吸い込まれる。このとき、外部開放口10aの通路横断面積が吸入通路18aよりも大きいため、吸入流速を抑制できるので空気とともに異物や水分を吸引することを抑制できる。外部開放口10aからゆるやかに吸い込まれた空気は、上流側内部空間8uで拡散し障壁部483に衝突したりしながら絞り通路483aを通過する際に大きな通風抵抗を受ける。さらに空気は、絞り通路483aから下流側内部空間8dへ流入して拡散した後、吸入通路18aを通じて吸入室71に吸引される。
空気が上流側内部空間8u、絞り通路483a、下流側内部空間8d、吸入通路18aを流通する際に膨張、収縮を繰り返すことで吸入空気の圧力脈動を抑制できる。この圧力脈動の抑制により、流体機械401は騒音の低減を図ることができる。上流側内部空間8uに流入した空気は、絞り通路483aを流下するまでに障壁部483やその他の壁に衝突して、空気から異物や水分が分離されて落下する。分離された異物等は、図5の破線矢印のように傾斜壁482に落下して傾斜壁482を下っていき、外部開放口10aから外部に落下する。また、下流側内部空間8dに流入した異物等は、吸入通路18aの入口部に達するまでに重力により空気から分離して落下する。このように重力によって落下した異物等は、吸入室71には流入しない。
第5実施形態によれば、外部開放部408は、内部空間がハウジングの内部において吸入室71に隣接するように、ハウジングの一部として設けられている。外部開放部408と、吸入室71を形成するハウジングとは、同一の部品として構成される。また、外部開放部408は、軸方向ADについてモータ部2とポンプ部3の間に位置して、モータ部2とポンプ部3の両方に隣接するように設けられている。これによれば、ハウジング内部に、吸入室71と圧力脈動抑制の構造と防水および排水の構造とを集約して搭載する流体機械401を提供できる。したがって、騒音低減機能、防水および排水機能を兼ね備えた流体機械401の小型化を図ることができる。流体機械401は、特に径方向の体格を抑えることに寄与する。
<第6実施形態>
第6実施形態について図6を参照して説明する。図6は、第6実施形態に係る流体機械501を示している。第6実施形態は、第1実施形態に対して、外部開放部508の構成が相違する。第6実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
図6に示すように、吸入室ケース31の下壁には、吸入通路70に連通する通路を形成する外部開放部508が一体に固定されている。外部開放部508は、外部雰囲気に存在する作動流体を吸入室71に吸引するための導入用部材である。外部開放部508は、外部開放口10aと、外部開放口10aよりも下流側に形成された内部空間508aとを備えている。内部空間508aは、外部雰囲気から取り入れ作動流体を、吸入室71に連通する吸入通路70に吸い込む通路である。内部空間508aは、外部開放口10aと吸入通路70とを連通させる通路を構成する。内部空間508aは、外部開放口10aから吸入通路70に至る過程で、鉛直方向に対して蛇行する蛇行通路を形成する。
障壁部583は、吸入室ケース31の下壁から下方に向けて延びる壁部である。障壁部583は、外部開放部508内に吸引された作動流体が衝突する壁部として機能する。障壁部583は、蛇行通路を形成する通路壁部の一部をなしている。障壁部583の下端部は、外部開放部508の下壁、例えば傾斜壁582の上端部に結合している。外部開放部508は、内部空間508aにおいて通路横断面積が前後の通路よりも小さい絞り通路を備える構成でもよい。この絞り通路は、外部開放部508内に吸引された作動流体の通路抵抗部として機能する。図2の実線矢印のように、内部空間508aに流入した作動流体は、障壁部583に沿って上方に流れ吸入室ケース31の下壁で横方向に向きが変わり、吸入通路70へ流下する。さらに作動流体は、吸入通路70に流入する際に、上向きの流れに変わり、吸入室71に吸入される。
外部開放口10aは、外部開放部508を形成する筐体において横方向に向けて開口している。吸入通路70の入口は、外部開放口10aよりも上方に位置して設けられている。傾斜壁582は、障壁部583や、吸入通路70の入口よりも下方に設けられている。傾斜壁582の傾斜面は、障壁部583近傍の上流部位に対して、外部開放口10aに近づくにつれて低くなるように形成されている。
吸入室71に作用する吸引力により、流体機械501の外部雰囲気に存在する作動流体の一例である空気は、外部開放口10aから内部空間508aに吸い込まれる。第6実施形態においても、外部開放口10aの通路横断面積の大きさによって吸入流速を抑制できるので空気とともに異物や水分を吸引することを抑制できる。外部開放口10aからゆるやかに吸い込まれた空気は、内部空間508aで拡散し障壁部183に衝突したりしながら蛇行通路を通過する際に通風抵抗を受ける。さらに空気は、吸入通路70を通じて吸入室71に吸引される。
空気は、蛇行通路を形成する内部空間508a、吸入通路10cを流通する際に膨張、収縮を繰り返すことで吸入空気の圧力脈動を抑制できる。この圧力脈動の抑制により、流体機械501は騒音の低減を図ることができる。内部空間508aに流入した空気は、吸入通路70に流入するまでに障壁部583やその他の壁に衝突して、空気から異物や水分が分離されて落下する。分離された異物等は、図6の破線矢印で示すように傾斜壁582に落下して傾斜壁582を下っていき、外部開放口10aから外部に落下する。流体機械501の外部開放口10aは、外部から内部空間へ空気を取り込む取入口でありかつ内部空間に取り込まれた空気から分離された異物等が外部へ落下する排出口である。
第6実施形態の流体機械501は、吸入通路70の入口が、外部開放口10aよりも高い位置に設けられている。流体機械501によれば、吸入室71への水滴の接近を防ぐことができ、防水性能を高めることに寄与する。
<第7実施形態>
第7実施形態について図7を参照して説明する。図7は、第7実施形態に係る流体機械601を示している。第7実施形態は、第1実施形態に対して、外部開放部608の構成が相違する。第7実施形態で特に説明しない構成、作用、効果については、前述の実施形態と同様であり、以下、異なる点についてのみ説明する。
図7に示すように、吸入室ケース31の下壁には、吸入通路70に連通する通路を形成する外部開放部608が一体に固定されている。外部開放部608は、外部雰囲気に存在する作動流体を吸入室71に吸引するための箱体状の導入用部材である。外部開放部608は、外部開放口10aと、外部開放口10aよりも下流側に形成された内部空間608aと、外部開放口10aを覆うフィルタ部材19とを備えている。フィルタ部材19は、板材に多数の孔部が形成した構成を有し、または、繊維の織布、不織布などの濾材によって形成されている。フィルタ部材19は、例えば、異物が通過しない開口率に設定された網部と網部を支持するフレーム部とを備えている。フィルタ部材19の網部は、例えば、多数の孔部が形成された板状部や、ポリプロピレンまたはナイロン66で形成されている。フィルタ部材19のフレーム部は、例えばガラス繊維によって強化されたポリプロピレンまたはナイロン66によって形成されている。フィルタ部材19は、例えば、多数の孔部やメッシュ構造を有する金属製の部材で構成されてもよい。フィルタ部材19は、防水処理がなされている構成でもよい。
吸入通路10c,70は、内部空間608aにおいて上下方向に延びる通路であり、流体機械601の内部に作動流体を取り入れる入口部である。吸入通路70は、吸入通路10cの下流に接続されている。吸入通路10cの入口は、内部空間608aにおいて下方に向けて開口している。
図7の実線矢印で示すように、フィルタ部材19を通過した作動流体は、内部空間608aに流入して拡散し、横向きに流れの向きが変わり吸入通路70へ向かう。作動流体は、吸入通路10cに流入する際に、上方に流れの向きが変わるとともに通路抵抗によって収縮するようになる。
外部開放口10aは、外部開放部608を形成する筐体の下壁に形成されて下方に向けて開口している。外部開放部608における吸入通路10cの入口は、外部開放口10aよりも上方に位置して設けられている。外部開放部608の上壁81は、流体機械601におけるハウジングに接触している。
吸入室71に作用する吸引力により、流体機械601の外部雰囲気に存在する作動流体の一例である空気は、外部開放口10aから内部空間608aに吸い込まれる。第7実施形態においても、外部開放口10aの通路横断面積の大きさによって吸入流速を抑制できるので空気とともに異物や水分を吸引することを抑制できる。外部開放口10aからゆるやかに吸い込まれた空気は、内部空間608aで拡散し壁部に衝突したりしながら吸入通路10cを通過する際に大きな通風抵抗を受ける。
空気はフィルタ部材19、内部空間608a、吸入通路10cを流通する際に膨張、収縮を繰り返すことで吸入空気の圧力脈動を抑制できる。この圧力脈動の抑制により、流体機械601は騒音の低減を図ることができる。外部雰囲気に存在する空気は、フィルタ部材19を通過する際に、空気から異物や水分が分離されて捕捉される。フィルタ部材19が異物により目詰まりする前に、フィルタ部材19から異物を除去したり、フィルタ部材19を交換したりすることが好ましい。内部空間608aで分離された水分等は、図7の破線矢印で示すように下壁86に落下して外部開放口10aへ向けて流下し、外部開放口10aから外部に落下する。また、下壁86の表面は、外部開放口10aに近づくにつれて低くなるように形成されていることが好ましい。流体機械601の外部開放口10aは、外部から内部空間へ空気を取り込む取入口でありかつ内部空間に取り込まれた空気から分離された水分が外部へ落下する排出口である。
第7実施形態の流体機械601は、外部雰囲気に存在する作動流体を取り込む外部開放部608を備える。外部開放部608は、流体機械の外部に対して開放する外部開放口10aと、吸入室71と外部開放口10aとを連通する通路の一つである内部空間を有する。外部開放部608は、外部開放口10aを覆うように設けられたフィルタ部材19を備える。外部開放口10aは、通路横断面積が内部空間608aと吸入室71とを連通させる吸入通路70の通路横断面積よりも大きく形成されている。さらに外部開放口10aは、吸入通路10c,70の入口よりも下方に位置して設けられている。外部開放部608の外部開放口10aは、内部空間に取り込まれた作動流体から分離された異物または水分が外部へ落下する排出口として機能する。
流体機械601は、外部開放口10aが吸入通路よりも大きな通路横断面積を有するため、吸引流速が抑えられ内部空間に水滴などが吸引されにくい構造を提供する。フィルタ部材19は、内部空間に進入しようとする異物や水分を捕捉可能なため、異物等の吸入室への侵入を抑制することができる。外部開放口10aは吸入通路の入口よりも下方に位置するため、作動流体を吸入通路に吸引できかつフィルタ部材19で捕捉漏れした水分を外部開放口へ戻すことに寄与する。外部開放口10aは、外部の作動流体を吸入室へ吸引する入口部であり、捕捉漏れして外部開放口へ戻ってきた水分を重力によって落下させる排出口として提供される。この流体機械601によっても、外部開放口10aから作動流体を吸い込む機器において、異物や水などの内部吸入を抑制できかつ排出を円滑に行える。
<他の実施形態>
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
この明細書で開示する目的を達成可能な流体機械は、前述のベーン型流体機械に限定されない。例えば、この流体機械は、スクロール型圧縮機、ダイヤフラム式圧縮機などを含んでいる。
第2実施形態~第7実施形態における外部開放部の各部は、外部開放部8と同様に、防錆効果を有する素材や、防錆処理の施された材質で形成されていることが好ましい。
第4実施形態の外部開放部308は、前述のフィルタ部材19と同様の構成を有するフィルタ部材を備える構成でもよい。例えば、外部開放部308のフィルタ部材は、外部開放口10aを覆うように設けられている。
2…モータ部、 6…ポンプロータ
8,108,208,308,408,508,608…外部開放部
8d,108d,208d…下流側内部空間(内部空間)
8u,108u,208u…上流側内部空間(内部空間)、 10a…外部開放口
10c,18a,70,381a…吸入通路、 19…フィルタ部材
24…モータヨーク(ハウジング)
31,131,231…吸入室ケース(ハウジング)、 32…シリンダ(ハウジング)
71…吸入室、 73…圧縮室、 82,482,582…傾斜壁
83,183,283,383,483,583…障壁部
508a,608a…内部空間

Claims (8)

  1. ハウジング(24,31,32;131;231)と、
    モータ部(2)と、
    前記モータ部が与える駆動力によって駆動されて、前記ハウジングの内側において回転するポンプロータ(6)と、
    前記ハウジングの内部に設けられた吸入室(71)に吸入された作動流体を前記ポンプロータの回転に伴って圧縮して吐出する圧縮室(73)と、
    流体機械の外部雰囲気に存在している作動流体に対して開放する外部開放口(10a)、および前記吸入室と前記外部開放口とを連通する通路の一つである内部空間(8u,8d;108u,108d;208u,208d;508a)を有する外部開放部(8;108;208;308;408;508)と、
    を備え、
    前記外部開放口は、通路横断面積が前記内部空間と前記吸入室とを連通させる吸入通路(10c,70;381a;18a)の通路横断面積よりも大きく形成され、さらに前記吸入通路の入口よりも下方に位置して設けられており、
    前記外部開放口は、前記内部空間に取り込まれた作動流体から分離された異物または水分が外部へ落下する排出口として機能する流体機械。
  2. 前記外部開放口から流入した作動流体が衝突可能な障壁部(83;183;283;383;483;583)を備え、
    前記障壁部は、前記内部空間に取り込まれた前記作動流体から異物または水分を分離する分離機能部である請求項1に記載の流体機械。
  3. 前記外部開放口に向けて高さが低くなるように鉛直方向に対して傾斜する面を形成し、前記内部空間に取り込まれた作動流体から分離された異物または水分が前記外部開放口へ向けて落ちることを助長する傾斜壁(82;482;582)をさらに備える請求項1に記載の流体機械。
  4. 前記外部開放口に向けて高さが低くなるように鉛直方向に対して傾斜する面を形成し、前記内部空間に取り込まれた作動流体から分離された異物または水分が前記外部開放口へ向けて落ちることを助長する傾斜壁(82)をさらに備え、
    前記障壁部は、下端が前記傾斜壁の真上に位置するように設けられている請求項2に記載の流体機械。
  5. 前記外部開放部は、前記内部空間が前記ハウジングの内部において前記吸入室に隣接するように、前記ハウジングの一部をなして設けられている請求項1に記載の流体機械。
  6. 前記外部開放部は、前記ポンプロータの軸方向について、作動流体を圧縮するポンプ部(3)と前記モータ部との間に位置して前記モータ部と前記ポンプ部の両方に隣接するように、設けられている請求項1に記載の流体機械。
  7. 前記吸入室に設けられたフィルタ部材(15)をさらに備える請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の流体機械。
  8. ハウジング(24,31,32)と、
    モータ部(2)と、
    前記モータ部が与える駆動力によって駆動されて、前記ハウジングの内側において回転するポンプロータ(6)と、
    前記ハウジングの内部に設けられた吸入室(71)に吸入された作動流体を前記ポンプロータの回転に伴って圧縮して吐出する圧縮室(73)と、
    流体機械の外部雰囲気に存在している作動流体に対して開放する外部開放口(10a)、前記外部開放口を覆うように設けられたフィルタ部材(19)、および、前記吸入室と前記外部開放口とを連通する通路の一つである内部空間(608a)を有する外部開放部(608)と、
    を備え、
    前記外部開放口は、通路横断面積が前記内部空間と前記吸入室とを連通させる吸入通路(10c,70)の通路横断面積よりも大きく形成され、さらに前記吸入通路の入口よりも下方に位置して設けられており、
    前記外部開放口は、前記内部空間に取り込まれた作動流体から水分が外部へ落下する排出口として機能する流体機械。
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