JP2023154590A - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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康亮 富永
Yasusuke Tominaga
大介 由徳
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Abstract

【課題】ドットの滲みのない高精細な画像を形成する記録方法を提供する。【解決手段】インク付与工程と、乾燥工程と、紫外線照射工程とを有し、インクは水溶性重合性化合物含む紫外線硬化インクであり、インクが記録媒体に着弾した時間を0ミリ秒、着弾したインクの体積と時間の関係における傾きが連続して-0.01μL/ミリ秒以上になるまでの時間、及び1000ミリ秒までの時間のいずれか短い方の時間をTとし、0ミリ秒から0.1Tまでの着弾したインクの粘度の経時変化から算出される第一の近似直線の傾きが2.0×10-2mPa・s/s以下であり、0.9Tから該Tまでの着弾したインクの粘度の経時変化から算出され第二の近似直線の傾きが1.4mPa・s/s以上であり、前記第一の近似直線と第二の近似直線の交点が400ミリ秒以下であることを特徴とするインクジェット記録方法である。【選択図】 図1

Description

本発明は、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に関する。
従来、インクジェット記録方法において、活性エネルギー線硬化型液体組成物をインクとして使用する技術が知られている。活性エネルギー線硬化型液体組成物をインクとして用いる場合は、硬化性物質として非水性、または水性の硬化性物質を適用することが知られている。
また、これらのインクを用いた画像記録において、ドットの滲みによる画像の乱れを抑制する方法として、インクの凝集反応、乾燥などの方法が広く知られている。例えば、特許文献1は溶媒、光重合開始剤、溶媒に分散した粒子である重合性化合物を含有したインク組成物を記録媒体に付与し、溶媒を蒸発させた後に光を照射する方法が提案されている。
特許第6047904号公報
特許文献1の方法ではドットの滲みによる画像の乱れを十分に抑制することができず、良好な画像を形成するためには更なる改善が必要であることが分かった。
従って、本発明の目的は、滲みのない高精細な画像を形成するインクジェット記録方法、及び、インクジェット記録装置を提供することにある。
上記目的は、以下の本発明によって解決される。即ち、本発明にかかるインクジェット記録方法は、
加熱された記録媒体上にインクを付与するインク付与工程と、加熱された該記録媒体上に付与されたインクを乾燥させる乾燥工程と、該記録媒体上の乾燥されたインクに対して紫外線照射を実施する紫外線照射工程とを有し、該インクは水と水溶性重合性化合物と色材とを含む紫外線硬化インクであり、
該インク付与工程及び該乾燥工程において、
該インクが該記録媒体に着弾した時間を0ミリ秒、着弾したインクの体積と時間の関係における傾きが連続して-0.01μL/ミリ秒以上になるまでの時間、及び1000ミリ秒までの時間のいずれか短い方の時間をTとし、着弾したインクの粘度と時間との関係を表すグラフにおいて、0ミリ秒から0.1Tまでの着弾したインクの粘度の経時変化から算出される第一の近似直線の傾きが2.0×10-2mPa・s/s以下であり、
0.9Tから該Tまでの着弾したインクの粘度の経時変化から算出される第二の近似直線の傾きが1.4mPa・s/s以上であり、
該第一の近似直線と該第二の近似直線の交点の時間が400ミリ秒以下であることを特徴とするインクジェット記録方法である。
また、本発明にかかるインクジェット記録装置は、
加熱された記録媒体上にインクを付与するインク付与装置と、
加熱された該記録媒体上に付与されたインクを乾燥させる乾燥装置と、
該記録媒体上の乾燥されたインクに対して紫外線照射を実施する紫外線照射装置と、
を有し、
上記のインクジェット記録方法を利用する、インクジェット記録装置である。
本発明によれば、インクの乾燥によりドットをとどめることができ、滲みのない高精細な画像を形成するインクジェット記録方法、及び、インクジェット記録装置を提供することができる。
本発明の一実施形態におけるインクジェット記録装置の構成を示す模式図である。 接触角測定におけるインク液滴の形状を示す模式図である。 (a)加熱された記録媒体の表面温度が40℃であるときの、インクが記録媒体に着弾してからの時間とインクの液滴の体積の関係を示すグラフである。(b)加熱された記録媒体の表面温度が25℃であるときの、インクが記録媒体に着弾してからの時間とインクの液滴の体積の関係を示すグラフである。 加熱された記録媒体の表面温度が40℃であるときの、インクが記録媒体に着弾してからの時間とインク濃度(質量%)の関係を示すグラフである。 インク濃度(質量%)と粘度の関係を示す図である。 インクが前記記録媒体に着弾してからの時間と粘度の関係、第一の近似直線、第二の近似直線、及び第一の近似直線と第二の近似直線の交点を示す図である。
以下に、本発明に係るインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を、インクジェット記録装置を例示して詳しく説明する。ただし、構成、構造、材料、設定等は、発明を適用する各種条件に応じて適宜変更されるべきものであり、本発明の範囲を限定する趣旨のものではない。本発明のインクジェット記録装置は、本発明のインクジェット記録方法を適用した直描型のインクジェット記録装置である。
本発明のインクジェット記録方法は、加熱された記録媒体上にインクを付与するインク付与工程と、加熱された該記録媒体上に付与されたインクを乾燥させる乾燥工程と、該記録媒体上の乾燥されたインクに対して紫外線照射を実施する紫外線照射工程とを有し、該インクは水と水溶性重合性化合物と色材とを含む紫外線硬化インクであり、
該インクが該記録媒体に着弾した時間を0ミリ秒、着弾したインクの体積と時間の関係における傾きが連続して-0.01μL/ミリ秒以上になるまでの時間、及び1000ミリ秒までの時間のいずれか短い方の時間をTとし、着弾したインクの粘度と時間との関係を表すグラフにおいて、0ミリ秒から0.1Tまでの着弾したインクの粘度の経時変化から算出される第一の近似直線の傾きが2.0×10-2mPa・s/s以下であり、
0.9Tから該Tまでの着弾したインクの粘度の経時変化から算出される第二の近似直線の傾きが1.4mPa・s/s以上であり、
該第一の近似直線と該第二の近似直線の交点の時間が400ミリ秒以下であることを特徴とする。
第一の近似直線の傾きが2.0×10-2mPa・s/s以下であることにより、着弾したインクが適切な大きさに濡れ広がり画像を埋め込むことができると考えられる。また、第二の近似直線の傾きが1.4mPa・s/s以上であり、前記第一の近似直線と第二の近似直線の交点の時間が400ミリ秒以下であることにより、隣接したインクドットが滲むことによる画像弊害を抑制できることができ、滲みのない高精細な画像を形成することができる。
特許文献1の重合性化合物が溶媒に分散した粒子である場合は、溶媒の乾燥過程で粒子状態が一定時間維持されるため、第二の近似直線の傾きと、第一の近似直線と第二の近似直線の交点の粘度の値が本発明以下になると考えられる。
図1は、本実施形態の直描型インクジェット記録装置100の概略構成の一例を示す模式図である。以下に、本実施形態の直描型インクジェット記録装置100にのっとり、記録が実施される工程について詳細に説明する。
<インク付与工程>
インクジェット記録装置100は記録媒体102にインクを付与するインク付与装置101を有する。本実施形態ではX方向、Y方向、Z方向が、それぞれ、インクジェット記録装置100の全長方向、奥行き方向、高さ方向を示している。本実施形態では記録媒体102は記録媒体搬送装置103によってX方向に搬送される。
インク付与装置101の下に搬送された記録媒体102は記録媒体加熱装置105によって所定の温度まで加熱される。記録媒体加熱装置105は記録媒体102を加熱できる装置であればよく、ヒーター、温風機構等が挙げられる。また、これらは単独で用いてもよく、併用してもよい。このように、インクジェット記録装置100は、記録媒体加熱装置105を有することが好ましい。
また、記録媒体102の加熱時間を短縮するために、インク付与装置101に搬送されるまでに事前に記録媒体102を加熱する装置(不図示)を設けてもよい。
インク付与装置101は、加熱された記録媒体102にインクを付与し画像を記録する工程を実施しうる装置である。本実施形態ではインク付与装置101として、インクジェット記録ヘッドを用いる。インクジェット記録ヘッドとしては、例えば電気-熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する形態、電気-機械変換体によってインクを吐出する形態、静電気を利用してインクを吐出する形態等が挙げられる。本実施形態では、公知のインクジェット記録ヘッドを用いることができる。中でも特に高速で高密度の印刷の観点からは電気-熱変換体を利用したものが好適に用いられる。描画は画像信号を受け、各位置に必要なインク量を付与する。
本実施形態におけるインクジェット記録ヘッドは、用いられる記録媒体102に対応するだけのY方向に長さを有するラインヘッド、または記録媒体の搬送方向と直行する方向に走査するシリアルヘッドが用いられる。インクジェット記録ヘッドはその下面にノズルが開口したインク吐出面を有しており、インク吐出面は微小な隙間(数ミリ程度)を空けて記録媒体102の表面に対向することとなる。
インク付与装置101は、記録媒体102上に各色のカラーインクを付与するために、インクジェット記録ヘッドを複数有していてもよい。例えば、イエローインク、マゼンタインク、シアンインクの3種類のインクを記録媒体102上にそれぞれ吐出する3つのインクジェット記録ヘッドを有していてもよい。記録媒体102に付与されたインクは水が蒸発することにより乾燥し、粘度が上昇する。
本実施形態における記録媒体102は特に限定されず、公知の記録媒体を用いることができる。記録媒体にはインクの浸透が容易な吸収性記録媒体、インクの浸透が困難な非吸収性記録媒体など様々なものが挙げられる。本発明では吸収性が低く、ドットの滲みの点で困難な、非吸収性記録媒体で効果を発揮できる。非吸収性記録媒体としては特に限定されず、例えば表面処理されていないプラスチックフィルムが挙げられる。上記プラスチックとしては特に限定されず、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレンが挙げられる。本発明に係る記録媒体は、ポリ塩化ビニルまたはポリエチレンテレフタレートを主成分とするものが好ましい。又、インク付与工程においてインクが付与される加熱された記録媒体の表面温度が、40℃以下であることが好ましい。なお、記録媒体の表面温度は、インクが付与される側の記録媒体の表面温度である。また、記録媒体の表面温度は、非接触型の赤外線温度計等の公知の方法で測定することができる。
また、記録媒体102の形状は特に限定されず、ロール状に巻回された長尺物、あるいは所定の寸法に裁断された枚葉のものが挙げられる。
また、図1では記録媒体102を搬送するための記録媒体搬送装置103を備える。記録媒体搬送装置103は、記録媒体送り出しローラ103a、103b、103c及び記録媒体巻き取りローラ103d、103e、103f、記録媒体搬送ベルト103gによって構成されているが、記録媒体を搬送できればよく、特にこの構成に限定されるものではない。
<乾燥工程>
記録媒体102はX方向に搬送され、記録媒体上に付与されたインクは乾燥装置106によって乾燥される。インク中に含まれる液体成分(主に水)を蒸発させたうえで紫外線照射を行うことにより、より堅牢性の高い硬化物を得ることができる。また、乾燥装置106は高い乾燥状態のインクを硬化させるために、紫外線照射工程中、常に記録媒体102を加熱させることができる大きさであることが好ましい。乾燥装置106は乾燥を促進できる装置であればよく、ヒーター、温風機構等が挙げられる。また、これらは単独で用いてもよく、併用してもよい。また、図1では記録媒体加熱装置105と乾燥装置106は別々の装置として記載しているが、一体の装置であってもよい。
<紫外線照射工程>
紫外線照射装置104は、前記記録媒体102上の乾燥されたインクに対して紫外線を照射して、インク中の重合性化合物を重合させ、インクを増粘または硬化させる装置である。紫外線照射装置104としては、インク中の重合性化合物の重合を進めることのできる装置であれば、公知の装置を限定せずに用いることができる。例として、水銀ランプ、メタルハイドランプ、エキシマランプ、LED、等が挙げられる。
紫外線照射装置104によって照射される紫外線の照度及び積算光量は特に限定されるものではないが、インク(以下「水性インク」とも呼ぶ。)を十分に硬化させるために、照度300mW/cm以上、積算光量1000mJ/cm以上であることが好ましい。又、紫外線照射工程は、インク付与工程において複数色のインクが付与される場合、1色のインクが記録媒体に付与されるごとに紫外線を照射する工程であってもよいし、複数色のすべてのインクが記録媒体に付与された後に紫外線を照射する工程であってもよい。インク付与工程が複数のインクヘッドを有する場合も含めインク付与工程の終了後から行う(すなわち、複数色のすべてのインクが記録媒体に付与された後から行う)ことが好ましい。
<水性インク>
本実施形態のインクは、インクが前記記録媒体に着弾した時間を0ミリ秒、着弾したインクの体積と時間の関係における傾きが連続して-0.01μL/ミリ秒以上になるまでの時間、及び1000ミリ秒までの時間のいずれか短い方の時間をTとし、着弾したインクの粘度と時間との関係を表すグラフにおいて、0ミリ秒から0.1Tまでの着弾したインクの粘度の経時変化から算出される第一の近似直線の傾きが2.0×10-2mPa・s/s以下であり、0.9TからTまでの着弾したインクの粘度の経時変化から算出される第二の近似直線の傾きが1.4mPa・s/s以上であり、前記第一の近似直線と第二の近似直線の交点の時間が400ミリ秒以下であることを特徴とするインクである。本発明において、インクが記録媒体に着弾してからの時間と粘度の関係とは、インク付与工程、及び乾燥工程における粘度の時間変化を示すものである。紫外線照射工程により紫外線を照射することによる、インクの増粘、硬化を示すものではない。
インクが記録媒体に着弾してからの時間と粘度の関係の算出方法について、図2~図5を用いて説明する。自動微小接触角計MCA-J2(協和界面科学社製)を用い、記録媒体上にインクを吐出し液滴を形成し、接触角測定モードにより1ミリ秒毎に最大1000ミリ秒まで液滴の画像を取り込んだ。記録媒体はPETフィルムU292W(帝人デュポン社製)を用い、シリコーンラバーヒーターで所定の温度に(インク付与工程及び乾燥工程における記録媒体の表面温度を考慮して)加熱した。測定により液滴左端、液滴右端、液滴頂点を検出させた(図2)。液滴左端、液滴右端から得られた半径r、液滴左端と液滴右端を結んだ線と液滴頂点から得られた高さhから、液滴が理想的な球欠構造であると仮定して液滴の体積を式(1)で算出した。
球欠の体積=π(3hr+h)/6 式(1)
図3に算出したインクの液滴の体積と時間の関係を示す。図3(a)はシリコーンラバーヒーターで記録媒体を40℃に加熱した場合の液滴の体積と時間の関係である。乾燥が早い場合は1000ミリ秒より早い時間で体積の減少が抑えられ、乾燥が概ね完了するように観察される場合があった。(図3(a)の約400ミリ秒近傍)。解析の範囲を具体的にするために、以下の手法でグラフの傾きを求め、解析の範囲を定めた。まず、0ミリ秒から19ミリ秒の20点の時間と体積のデータから傾きを算出し、0ミリ秒のグラフの傾きとした。同様に1から20ミリ秒のデータから傾きを算出し、1ミリ秒のグラフの傾きとした。これを繰り返し、1ミリ秒毎の各時間における傾きを算出した。次に各時間の傾きが連続して-0.01μL/ミリ秒以上になった時間を乾燥が完了した時間と想定し、データ解析範囲とした。図3(a)においては395ミリ秒であった。また、図3(b)はシリコーンラバーヒーターで記録媒体を25℃に加熱した場合の液滴の体積と時間の関係である。乾燥が遅い場合は1000ミリ秒まで乾燥が完了する様子は見られなかった。その場合は1000ミリ秒を解析範囲とした。
次に、図3で示した液滴の体積変化はすべて水が乾燥したものであり、インクの比重を1とし、インクの体積と初期濃度から乾燥後のインク濃度(質量%)を式(2)で算出した。
乾燥後のインク濃度(質量%)
=初期の濃度(質量%)×初期のインク体積/乾燥後のインク体積 式(2)
図3(a)で用いたインクの初期濃度は27質量%であり、式(2)を用いて算出した乾燥後のインク濃度と時間の関係を図4に示す。
次に、レオメータMCR302(アントンパール社製)を用い、剪断速度1/1000秒の条件でインクの粘度を測定した。乾燥前の水分量(初期濃度27質量%)のインクのほか、水分量を減らしたインクを最低2水準用意した。図5に40℃におけるインク濃度と粘度(対数)の関係を示す。インク濃度と粘度(対数)の近似直線からインク濃度と粘度の関係式を算出し、図4の濃度に算入することで、インクが記録媒体に着弾してからの時間と粘度の関係を得た(図6)。
次に、図6のインクが記録媒体に着弾してからの時間と粘度の関係における、第一の近似直線、第二の近似直線、及び第一の近似直線と第二の近似直線の交点について説明する。図6ではインクの乾燥状態における0ミリ秒から395ミリ秒をデータ範囲とした。この場合はデータ範囲の前半10%(0.1T)である、0ミリ秒から39ミリ秒の時間と粘度の関係から得られる近似直線を第一の近似直線として、その傾きを粘度/時間(mPa・s/s)として算出した。次にデータ範囲の後半10%である、355ミリ秒から395ミリ秒の時間(0.9TからT)と粘度の関係から得られる近似直線を第二の近似直線として、その傾きを粘度/時間(mPa・s/s)として算出した。さらに、第一の近似直線と第二の近似直線の交点を算出した。
(重合性化合物)
本発明に係る水溶性重合性化合物は、水に溶解し、重合性官能基をもつ化合物であれば、特に限定されるものではない。本発明に係るインクの保存安定性、硬化特性の観点から、(メタ)アクリルアミド構造を有する化合物が好ましい。本発明における(メタ)アクリルアミド構造とは、アクリルアミド、及びそれに対応したメタクリルアミドのいずれかを意味する。また、インクが記録媒体に着弾してからの時間と粘度の関係における粘度上昇の観点から、2級(メタ)アクリルアミド構造を有する化合物が好ましい。また、インクが記録媒体に着弾してからの時間と粘度の関係における粘度上昇の観点、及び水溶性重合性化合物が硬化した後の堅牢性の観点から、2官能以上の多官能の化合物が好ましい。また、水溶性重合性化合物が硬化した後の耐水性の観点から、前記(メタ)アクリルアミド構造を有する化合物が、窒素原子に結合した炭素数5以下の二価の飽和炭化水素基と連結したアミド結合を有することが好ましい。炭素数が5を超える場合、モノマーの水溶性が低下する場合がある。又、水溶性重合性化合物は、25℃で固体であることが好ましい。
本発明の水溶性重合性化合物の具体例としては、N,N´-エチレンビスアクリルアミド、N,N´-メチレンビスアクリルアミド、N-(1,1-ジメチル-3-オキソブチル)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、ジメチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミドなど、市販の水溶性の(メタ)アクリルアミドが挙げられる。また、合成により作製してもよい。合成方法は特に限定されるものではないが、例えばアミン化合物にアクリル酸クロリド、無水アクリル酸、アクリル酸などを反応縮合させる方法、アミン化合物とエステル化合物を交換反応させる方法が挙げられる。
本発明に係る水溶性重合性化合物の添加量は特に限定されるものではないが、吐出性能の観点から、水性インクの総量に対して、50質量%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましい。また、画像の光沢均一性の観点から、20%以下であることが最も好ましい。本発明に係る水性インクは、必要に応じて、水溶性重合性化合物を複数組み合わせてもよい。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、非水溶性の重合性化合物を含んでもよい。非水溶性の重合性化合物としては、水に分散した紫外線硬化性エマルション樹脂が挙げられる。ウレタン系の紫外線硬化性エマルション樹脂が好ましく用いられる。水に分散した紫外線硬化性エマルション樹脂の例として、UAW-1000-W20(共栄社化学社製)、UVTKA-420(トクシキ社製)等が挙げられる。
(重合開始剤)
本発明に係るインクに含まれる重合開始剤は、活性エネルギー線の照射により水溶性重合性化合物の重合を開始させる活性種を生成するものであれば、特に限定されるものではない。本発明に係る水溶性重合性化合物はラジカルにより硬化反応が進行するため、ラジカルを生成する重合開始剤が好ましい。
重合開始剤の構造は、水性インクとして使用する場合には親水性の官能基を有することが好ましい。親水性の官能基としては、水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、リン酸塩基、エーテル基、アミド基が挙げられる。重合開始剤の具体的な構造を以下に示すが、本発明に係るインクに含まれる重合開始剤はこれらに限定されるものではない。
Figure 2023154590000002
Figure 2023154590000003
Figure 2023154590000004
重合開始剤は、必要に応じて、2種以上の重合開始剤を組み合わせてもよいし、重合開始剤と増感剤を組み合わせてもよい。2種以上の重合開始剤、重合開始剤と増感剤を組み合わせることで、1種の重合開始剤では有効に利用できない波長の活性エネルギー線を利用して、さらなるラジカルを発生させることができる。
重合開始剤の含有量は、水性インクの質量に対して、0.01質量%以上20質量%以下の範囲が好ましく、0.01質量%以上10質量%以下の範囲がより好ましく、0.01以上5質量%以下の範囲がさらに好ましい。重合開始剤の含有量が多すぎる場合には、未反応の重合開始剤が硬化膜中に残存し、硬化膜の強度が低下する場合がある。
(色材)
本発明に係るインクに含まれる色材は特に限定されるものではなく、一般的に染料や顔料、またこれらの分散体が好適に用いられる。
染料としては限定を受けず、一般的に使われる染料であれば問題なく用いることが出来る。例としては、C.Iダイレクトブルー6,8,22,34,70,71,76,78,86,142,199、C.Iアシッドブルー9,22,40,59,93,102,104,117,120,167,229、C.Iダイレクトレッド1,4,17,28,83,227、C.Iアシッドレッド1,4,8,13,14,15,18,21,26,35,37,249,257,289、C.Iダイレクトイエロー12,24,26,86,98,132,142、C.Iアシッドイエロー1,3,4,7,11,12,13,14,19,23,25,34,44,71、C.Iフードブラック1,2、C.Iアシッドブラック2,7,24,26,31,52,112,118等が挙げられる。
顔料としては限定を受けず、一般的に使われる顔料であれば問題なく用いることが出来る。例としては、C.Iピグメントブルー1,2,3,15:3,16,22、C.Iピグメントレッド5,7,12,48(Ca),48(Mn)57(Ca),112,122、C.Iピグメントイエロー1,2,3,13,16,83、カーボンブラックNo2300,900,33,40,52、MA7,8,MCF88(三菱化成製)、RAVEN1255(コロンビア製)、REGAL330R、660R、MOGUL(キャボット製)、Color Black FW1,FW18,S170,S150,Printex35(デグッサ製)等が挙げられる。
インクを水性のインクとする場合、前記染料及び顔料を分散し得る分散樹脂としては、水溶性で重量平均分子量が1000から15000程度のものが好適に使用される。例としては、以下のモノマーからなるブロック共重合体あるいはランダム共重合体、またこれらの塩等が挙げられる。
・スチレン及びその誘導体
・ビニルナフタレン及びその誘導体
・α,β-エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル
・アクリル酸及びその誘導体
・マレイン酸及びその誘導体
・イタコン酸及びその誘導体
・フマル酸及びその誘導体。
また、分散樹脂を用いず、活性エネルギー線硬化性樹脂を単独で用いる事も出来る。
また本発明はインク形態としての限定を受けず、自己分散タイプ、樹脂分散タイプ、マイクロカプセルタイプ等の使用も適宜可能である。
(溶媒)
本発明に係るインクに含まれる溶媒は、少なくとも水を含み、必要に応じて、インクジェット吐出性や乾燥性を制御するために、有機溶剤を含んでも良い。使用する有機溶剤は高沸点で蒸気圧の低い水溶性の材料が好ましく、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン等が挙げられる。また、粘度、表面張力等を調整する成分としてエチルアルコールやイソプロピルアルコール等のアルコール類や各種界面活性剤を添加する事も出来る。
溶媒の含有量は、用途により適宜選択されるが、水性インクの全質量に対して、10質量%以上が好ましく、特に本発明に係るインクジェット記録方法に適応する場合には、水性インクの全質量に対して、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がさらに好ましい。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。
本発明の実施例、及び比較例は水溶性重合性化合物として表1で示される物質を用いた。
Figure 2023154590000005
(水溶性重合性化合物の合成)
以下に、水溶性重合性化合物4の合成方法を示す。
3-アクリルアミドプロパン酸35.0g(0.24mol)、メタノール1Lを混合した。室温で1,3―ジアミノプロパン7.4g(0.10mol)を加え30分撹拌した。DMT-MM55.0g(0.20mol)を加え、一晩撹拌した。反応終了後、反応液を濾過した。得られた濾液を濃縮したのち、カラムクロマトグラフィーで精製し、水溶性重合性化合物4を22.9g得た。なお、3-アクリルアミドプロパン酸は、3-アミノプロパン酸にアクリル酸クロリドを反応させる方法で用意したが、これに限定されるものではない。
<実施例1>
(水性インクの調整)
以下に、表1に記載の水溶性重合性化合物を用いて水性インクを調整した。
水溶性重合性化合物1:N,N´-エチレンビスアクリルアミド(東京化成社製)20質量%
エマルション:UAW-1000-W20(共栄社化学社製) 5質量%
活性エネルギー線重合開始剤(化合物A) 2質量%
界面活性剤:アセチレノールE100(川研ファインケミカル社製) 1質量%
イオン交換水 72質量%
そこに、それぞれマゼンタ顔料分散体を4%、イエロー顔料分散体を4%添加して撹拌した後、ポアサイズ0.5μmのフィルタを用いて加圧濾過することで、マゼンタインク、イエローインクを作製した。
(インクが記録媒体に着弾してからの時間と粘度の測定)
前述方法で記録媒体の表面温度が60℃となるように加熱した場合におけるインクが記録媒体に着弾してからの時間と粘度を測定した。第一の近似直線の傾きは4.0×10-3mPa・s/s、第二の近似直線の傾きは3.8mPa・s/s、第一の近似直線と第二の近似直線の交点は290ミリ秒であった。
(画像の作成)
記録媒体102としてPETフィルムU292W(帝人デュポン社製)を用意した。記録媒体加熱装置105を用い、記録媒体102の表面温度が60℃になるように加熱した。インク付与工程として、電気-熱変換素子を用いオンデマンド方式にてインク吐出を行うタイプのインクジェットヘッド(ノズル列密度1200dpi)を使用し、周波数14.173kHzで駆動させてインクを48ng/600dpiで付与した。次に、乾燥工程として、乾燥装置106を用い記録媒体102の表面温度を60℃となるように加熱し、60秒間乾燥させた。次に、紫外線照射装置104として、UV-LED「Unijet i1200III 395nm」(ウシオ電機社製)を用い、紫外線照射を実施した。照射する紫外線の照度は4000mW/cm、積算光量は8000mJ/cmとした。マゼンタインクとイエローインクの界面を目視で観察した。滲みの観察されないものをA、わずかに滲みの観察されたものをB、大きく滲みの観察されたものをCと評価した。作成した画像を観察した結果、滲みは観察されずAとした。
<実施例2>
インクが記録媒体に着弾してからの時間と粘度を測定において、記録媒体の加熱温度を40℃にしたこと以外は実施例1同様に測定した。第一の近似直線の傾きは9.8×10-3mPa・s/s、第二の近似直線の傾きは4.6mPa・s/s、第一の近似直線と第二の近似直線の交点は340ミリ秒であった。
次にインク付与工程における加熱された記録媒体102の表面温度を40℃にしたこと、乾燥工程において記録媒体の表面温度を40℃で180秒間乾燥させたこと以外は実施例1と同様に画像を作成し観察した。作成した画像を観察した結果、わずかに滲みが観察されBと評価した。
<実施例3>
以下のように水性インクを調整したこと以外は実施例1と同様にインクが記録媒体に着弾してからの時間と粘度を測定した。
水溶性重合性化合物1:N,N´―エチレンビスアクリルアミド(東京化成社製) 5質量%
エマルション:UAW-1000-W20(共栄社化学社製) 8質量%
活性エネルギー線重合開始剤(化合物A) 2質量%
界面活性剤:アセチレノールE100(川研ファインケミカル社製) 1質量%
イオン交換水 84質量%
そこに、それぞれマゼンタ顔料分散体を4%、イエロー顔料分散体を4%添加して撹拌した後、ポアサイズ0.5μmのフィルタを用いて加圧濾過することで、マゼンタインク、イエローインクを作製した。
第一の近似直線の傾きは3.2×10-3mPa・s/s、第二の近似直線の傾きは4.0mPa・s/s、第一の近似直線と第二の近似直線の交点は250ミリ秒であった作成した画像を観察した結果、滲みは観察されずAと評価した。
<実施例4>
インクが記録媒体に着弾してからの時間と粘度を測定において、インク付与工程における加熱された記録媒体の表面温度を40℃にしたこと以外は実施例3と同様に測定した。第一の近似直線の傾きは8.9×10-3mPa・s/s、第二の近似直線の傾きは10mPa・s/s、第一の近似直線と第二の近似直線の交点は280ミリ秒であった。
次にインク付与工程における加熱された記録媒体102の表面温度が40℃になるように加熱したこと、乾燥工程において記録媒体102の表面温度を40℃で180秒間乾燥させたこと以外は実施例3と同様に画像作成し観察した。作成した画像を観察した結果、観察の結果、滲みは観察されずAと評価した。
<実施例5>
水溶性重合性化合物1を水溶性重合性化合物2であるN-(2-ヒドロキシエチル)アクリルアミド(東京化成社製)にしたこと以外は実施例1同様にインクが記録媒体102に着弾してからの時間と粘度を測定した。第一の近似直線の傾きは8.2×10-3mPa・s/s、第二の近似直線の傾きは4.6mPa・s/s、第一の近似直線と第二の近似直線の交点は380ミリ秒であった。作成した画像を観察した結果、わずかに滲みが観察されBと評価した。
<実施例6>
水溶性重合性化合物1を水溶性重合性化合物3であるN-(1,1-ジメチル-3-オキソブチル)アクリルアミド(KHネオケム社製)にしたこと以外は実施例1同様にインクが記録媒体102に着弾してからの時間と粘度を測定した。第一の近似直線の傾きは5.3×10-3mPa・s/s、第二の近似直線の傾きは3.6mPa・s/s、第一の近似直線と第二の近似直線の交点は350ミリ秒であった。作成した画像を観察した結果、わずかに滲みが観察されBと評価した。
<実施例7>
水溶性重合性化合物1を水溶性重合性化合物4にしたこと以外は実施例1同様にインクが記録媒体に着弾してからの時間と粘度を測定した。第一の近似直線の傾きは3.8×10-3mPa・s/s、第二の近似直線の傾きは4.1mPa・s/s、第一の近似直線と第二の近似直線の交点は250ミリ秒であった。作成した画像を観察した結果、滲みは観察されずAと評価した。
<実施例8>
水溶性重合性化合物1を水溶性重合性化合物5であるアクリロイルモルフォリン(KJケミカルズ社製)にしたこと以外は実施例1同様にインクが記録媒体に着弾してからの時間と粘度を測定した。第一の近似直線の傾きは4.7×10-3mPa・s/s、第二の近似直線の傾きは3.1mPa・s/s、第一の近似直線と第二の近似直線の交点は400ミリ秒であった。作成した画像を観察した結果、わずかに滲みが観察されBと評価した。
<実施例9>
画像の作成において、インク付与工程において加熱された記録媒体102の表面温度を40℃とし、乾燥工程における記録媒体102の表面温度を60℃となるように加熱したこと以外は実施例2同様に評価した。
インクが記録媒体に着弾してからの時間と粘度を測定したところ、実施例2と同程度の結果であった。作成した画像を観察した結果、わずかに滲みが観察されBと評価した。これは、画像の滲みは、インクが記録媒体102に着弾してから乾燥工程に入る前に決まるためと考えられる。一方、乾燥工程における記録媒体の表面温度を高くしたため、乾燥時間を短縮することができ、生産性が向上する効果があった。
<比較例1>
インクが記録媒体に着弾してからの時間と粘度を測定において、インク付与工程における記録媒体の表面温度を25℃にしたこと以外は実施例1同様に測定した。第一の近似直線の傾きは9.7×10-3mPa・s/s、第二の近似直線の傾きは3.9×10-1mPa・s/s、第一の近似直線と第二の近似直線の交点は820ミリ秒であった。
次にインク付与工程における記録媒体102の表面温度を25℃にしたこと、乾燥工程として25℃で300秒乾燥させたこと以外は実施例1同様に画像作成し観察した。作成した画像を観察した結果、大きく滲みが観察されCと評価した。
<比較例2>
インクが記録媒体に着弾してからの時間と粘度を測定において、乾燥工程における記録媒体の表面温度を80℃にしたこと以外は実施例1と同様に測定した。第一の近似直線の傾きは7.1×10-2mPa・s/s、第二の近似直線の傾きは5.1mPa・s/s、第一の近似直線と第二の近似直線の交点は160ミリ秒であった。
次にインク付与工程における加熱された記録媒体102の表面温度を80℃にしたこと、乾燥工程として記録媒体の表面温度を80℃で30秒間乾燥させたこと以外は実施例1の同様に画像作成し観察した。作成した画像を観察した結果、ドットが小さく評価できない画像であった。これは、乾燥が早すぎたためと考えられる。
<比較例3>
以下のように水性インクを調整したこと以外は実施例1同様にインクが記録媒体に着弾してからの時間と粘度を測定した。
エマルション:UAW-1000-W20(共栄社化学社製) 13質量%
活性エネルギー線重合開始剤(化合物A) 2質量%
界面活性剤:アセチレノールE100(川研ファインケミカル社製) 1質量%
イオン交換水 84質量%
そこに、それぞれマゼンタ顔料分散体を4%、イエロー顔料分散体を4%添加して撹拌した後、ポアサイズ0.5μmのフィルタを用いて加圧濾過することで、マゼンタインク、イエローインクを作製した。
第一の近似直線の傾きは6.7×10-2mPa・s/s、第二の近似直線の傾きは1.1mPa・s/s、第一の近似直線と第二の近似直線の交点は470ミリ秒であった。作成した画像を観察した結果、大きく滲みが観察されCと評価した。
<比較例4>
以下のように水性インクを調整したこと以外は実施例1同様にインクが記録媒体に着弾してからの時間と粘度を測定した。
グリセリン 10質量%
エチレングリコール 5質量%
界面活性剤:アセチレノールE100(川研ファインケミカル社製) 1質量%
イオン交換水 84質量%
そこに、それぞれマゼンタ顔料分散体を4%、イエロー顔料分散体を4%添加して撹拌した後、ポアサイズ0.5μmのフィルタを用いて加圧濾過することで、マゼンタインク、イエローインクを作製した。
第一の近似直線の傾きは0.23mPa・s/s、第二の近似直線の傾きは0.08mPa・s/sであった。観察の結果、大きく滲みが観察されCと評価した。
表2に、実施例、及び比較例の結果を示す。
Figure 2023154590000006
100 インクジェット記録装置
101 インク付与装置
102 記録媒体
103 記録媒体搬送装置
104 紫外線照射装置
105 記録媒体加熱装置
106 乾燥装置

Claims (19)

  1. 加熱された記録媒体上にインクを付与するインク付与工程と、
    加熱された該記録媒体上に付与されたインクを乾燥させる乾燥工程と、
    該記録媒体上の乾燥されたインクに対して紫外線照射を実施する紫外線照射工程と、を有し、
    該インクは、水と水溶性重合性化合物と色材とを含む紫外線硬化インクであり、
    該インク付与工程及び該乾燥工程において、
    該インクが該記録媒体に着弾した時間を0ミリ秒、
    着弾したインクの体積と時間の関係における傾きが連続して-0.01μL/ミリ秒以上になるまでの時間、及び1000ミリ秒までの時間のいずれか短い方の時間をTとし、着弾したインクの粘度と時間との関係を表すグラフにおいて、
    0ミリ秒から0.1Tまでの着弾したインクの粘度の経時変化から算出される第一の近似直線の傾きが2.0×10-2mPa・s/s以下であり、
    0.9Tから該Tまでの着弾したインクの粘度の経時変化から算出され第二の近似直線の傾きが1.4mPa・s/s以上であり、
    該第一の近似直線と該第二の近似直線の交点の時間が、400ミリ秒以下であるインクジェット記録方法。
  2. 前記インク付与工程の終了後に、前記紫外線照射工程を行う請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記インク付与工程においてインクが付与される加熱された記録媒体の表面温度が、40℃以下である請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記乾燥工程における記録媒体上のインクの乾燥が前記記録媒体を加熱することによって行われ、前記インク付与工程の終了後に、前記乾燥工程における記録媒体の表面温度を前記インク付与工程において前記インクが付与される加熱された記録媒体の表面温度より高くし、その後に、前記紫外線照射工程を行う請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記水溶性重合性化合物が、(メタ)アクリルアミド構造を有する請求項4に記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記水溶性重合性化合物が、2級(メタ)アクリルアミド構造を有する請求項5に記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記水溶性重合性化合物が、2官能以上の重合性官能基を有する請求項6に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記水溶性重合性化合物が、2級(メタ)アクリルアミド構造の窒素原子に結合した、炭素数5以下の二価の飽和炭化水素基と連結したアミド結合を有する請求項7に記載のインクジェット記録方法。
  9. 前記水溶性重合性化合物が、25℃で固体である請求項8に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記インクが、非水溶性の重合性化合物として、ウレタン系の紫外線硬化性エマルション樹脂を含む請求項5~9のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
  11. 前記記録媒体が、非吸収性の記録媒体である請求項10に記載のインクジェット記録方法。
  12. 前記記録媒体が、表面処理されていない塩化ビニルまたはポリエチレンテレフタレートを主成分とする記録媒体である請求項10に記載のインクジェット記録方法。
  13. 加熱された記録媒体上にインクを付与するインク付与装置と、
    加熱された該記録媒体上に付与されたインクを乾燥させる乾燥装置と、
    該記録媒体上の乾燥されたインクに対して紫外線照射を実施する紫外線照射装置と、
    を有し、
    請求項1に記載のインクジェット記録方法を利用する、インクジェット記録装置。
  14. 前記水溶性重合性化合物が、(メタ)アクリルアミド構造を有する請求項13に記載のインクジェット記録装置。
  15. 前記水溶性重合性化合物が、2級(メタ)アクリルアミド構造を有することを特徴とする請求項14に記載のインクジェット記録装置。
  16. 前記水溶性重合性化合物が、2官能以上の重合性官能基を有する請求項15に記載のインクジェット記録装置。
  17. 前記水溶性重合性化合物が、2級(メタ)アクリルアミド構造の窒素原子に結合した、炭素数5以下の二価の飽和炭化水素基と連結したアミド結合を有する請求項16に記載のインクジェット記録装置。
  18. 前記水溶性重合性化合物が、25℃で固体である請求項17に記載のインクジェット記録装置。
  19. 前記インクが、非水溶性の重合性化合物として、ウレタン系の紫外線硬化性エマルション樹脂を含む請求項14~18のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
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