JP2023153651A - ショーケースの中間ダクト - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストの増大化を抑制しつつ汎用性を良好なものとすること。【解決手段】ケース本体10の収納室12の背面板121に形成された孔部121aを貫通した状態で収納室12の任意の商品載置棚14の下部に着脱可能に設けられ、背面板121により収納室12と区画された空気風路13を通過する空気を後端ダクト部21に設けられた導入口21aより導入して中間領域ダクト部22を通過させて前端ダクト部23に形成された中間吹出口23aより吹き出すことにより、収納室12における自身の下方域の前面にエアカーテンを形成する中間ダクト20であって、前端ダクト部23は、左延出部231が左方に突出するとともに右延出部232が右方に突出する態様で、左右方向の寸法が中間領域ダクト部22の左右方向の寸法よりも大きく形成され、左右方向の全域に亘って中間吹出口23aが形成されている。【選択図】図1
Description
本発明は、ショーケースの中間ダクトに関し、より詳細には、商品載置棚に載置された商品を少なくとも2つの温度に保持するショーケースに適用される中間ダクトの改良に関するものである。
従来、商品載置棚に載置された商品を少なくとも2つの温度に保持するショーケースとして、次のようなものが知られている。
例えば、前面開口を有したケース本体の内部の収納室に複数の商品載置棚が上下方向に沿って並ぶよう設けられており、それぞれの商品載置棚に商品が載置されている。また、ケース本体の内部であって収納室外となる個所には、吸込口を通じて吸い込んだ空気の風路が2つ形成されており、一方の空気風路を通過した空気は、収納室上部に形成された上部吹出口より吹き出される。他方の空気風路には、通過する空気を冷却する蒸発器が設置されており、この蒸発器で冷却された空気は、収納室の任意の商品載置棚の下部に設けられた中間ダクトを通じて中間吹出口より吹き出される。上部吹出口から吹き出された空気、並びに中間吹出口より吹き出された空気は、吸込口に吸い込まれることによりそれぞれケース本体の前面開口にエアカーテンを形成している。
このようなショーケースでは、上部吹出口より吹き出される空気により温度が調整される域と、中間吹出口より吹き出される空気により温度が調整される域との2つの異なる温度帯域が収納室に形成され、それぞれの温度帯域において商品載置棚に載置された商品を所望の温度状態に調整するようにしている。より詳細に説明すると、中間吹出口より吹き出される空気により、中間ダクトより下方域を低温度帯域として該域にある商品載置棚に載置される商品を冷却し、中間ダクトより上方域を高温度帯域として該域にある商品載置棚に載置される商品を所望の温度に調整している。
ところで、上述したショーケースでは、商品載置棚の前後方向の長さが収納室における設置高さ位置により異なるのが一般的である。そのため、任意の商品載置棚の下部に設けられる中間ダクトも、該商品載置棚の長さに応じて変える必要があり、商品載置棚の長さに応じて設置される中間ダクトを変更していた。換言すると、ショーケースの中間ダクトは、商品載置棚の前後方向の長さにより設置個所が制限され、汎用性を有していなかった。
そこで、空気風路から空気を導入する導入口が形成された第1ダクト部と、上記中間吹出口が形成された第2ダクト部と、これら第1ダクト部と第2ダクト部とを互いに近接離反する態様でこれらに介在する弾性部材とを備え、前後方向の長さが可変で中間吹出口の位置を移動させることができる中間ダクトが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に提案されているような中間ダクトでは、前後方向の長さを可変とするために、第1ダクト部及び第2ダクト部だけでなく弾性部材を必要とし、部品点数の増加により製造コストの増大化を招来していた。
本発明は、上記実情に鑑みて、製造コストの増大化を抑制しつつ汎用性を良好なものとすることができるショーケースの中間ダクトを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るショーケースの中間ダクトは、ケース本体の収納室の背面板に形成された孔部を貫通した状態で前記収納室の任意の商品載置棚の下部に着脱可能に設けられ、かつ前記背面板により前記収納室と区画された空気風路を通過する空気を後端部に設けられた導入口より導入して中間領域部を通過させて前端部に形成された中間吹出口より吹き出すことにより、前記収納室における自身の下方域の前面にエアカーテンを形成する中間ダクトであって、前記前端部は、左端部分が左方に突出するとともに右端部分が右方に突出する態様で、左右方向の寸法が前記中間領域部の左右方向の寸法よりも大きく形成され、かつ左右方向の全域に亘って前記中間吹出口が形成されたことを特徴とする。
また本発明は、上記ショーケースの中間ダクトにおいて、前記前端部は、前記左端部分及び前記右端部分の上下寸法がその他の部分の上下寸法よりも短いことを特徴とする。
本発明によれば、中間ダクトの前端部は、左端部分が左方に突出するとともに右端部分が右方に突出する態様で、左右方向の寸法が中間領域部の左右方向の寸法よりも大きく形成され、かつ左右方向の全域に亘って中間吹出口が形成されているので、種々の商品載置棚の下部に設けられたとしてもケース本体の側板との隙間を小さくすることができるとともに、該中間ダクトの上方域の空気が該中間ダクトの下方域に乱流として進入することを抑制することができる。これにより種々の商品載置棚の下部に装着することができ、しかも従来のように弾性部材等を必要としないので、部品点数の増加を抑制することができ、製造コストの増大化を抑制しつつ汎用性を良好なものとすることができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明に係るショーケースの中間ダクトの好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態である中間ダクトが装着されたショーケースの構造を模式的に示す断面側面図である。ここで例示するショーケース1は、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗において商品を収納するものであり、ケース本体10を備えている。
ケース本体10は、前面に開口(以下、前面開口ともいう)11を有した略直方状の断熱筐体であり、その内部には収納室12が形成されているとともに空気風路13が設けられている。
収納室12は、上記前面開口11を臨む態様で形成された室であり、上下方向に沿って複数段(図示の例では5段)の商品載置棚14が設けられている。複数の商品載置棚14は、それぞれ同様の構成を有しており、収納室12の背面を構成する背面板121の左右両側部に設けられた棚支柱15(図6参照)より前方に延在する態様で取り付けられた左右一対のブラケット部材141に、従来公知のスライダ142(図6参照)等を介在させてこれらブラケット部材141間に棚支持部材143を架設させ、この棚支持部材143が棚板144を支持することにより構成されている。
そのような商品載置棚14は、棚板144の上面に商品を載置して陳列させるものであり、前面開口11を通じて棚板144が前後にスライド可能なものである。
かかる商品載置棚14は、前後方向の寸法が収納室12における設置高さ位置によって異なっており、最上段の商品載置棚14の前後寸法が最も短く、最下段の商品載置棚14の前後寸法が最も長くなっている。
図示の例では、上から2段目の商品載置棚14の前後寸法が最上段の商品載置棚14の前後寸法よりも長くなっており、上から3段目及び4段目の商品載置棚14の前後寸法が上から2段目の商品載置棚14の前後寸法より長くなっている。上から3段目の商品載置棚14の前後寸法と上から4段目の商品載置棚14の前後寸法は略同一である。最下段の商品載置棚14の前後寸法は、上から3段目及び4段目の商品載置棚14の前後寸法よりも長くなっている。
空気風路13は、下側ダクト131、後側ダクト132及び上側ダクト133を備えている。下側ダクト131は、収納室12の底面を構成する底面板122よりも下方となる部分に構成されている。底面板122の前端部分には、左右方向に沿って延在する吸込口122aが形成されている。つまり吸込口122aは、収納室12の前方下部に開口している。
後側ダクト132は、背面板121よりも後方となる部分に構成されている。この後側ダクト132は、下端部分が下側ダクト131の後端部分と連通している。上側ダクト133は、収納室12の天面を構成する天面板123よりも上方となる部分に構成されている。天面板123の前端部分には、左右方向に沿って延在する吹出口123aが形成されている。つまり吹出口123aは、収納室12の前方上部に開口している。
上記空気風路13の内部には、送風ファン16及び蒸発器17が設置されている。送風ファン16は、下側ダクト131に設置されている。この送風ファン16は、駆動する場合に、吸込口122aより吸い込んだ空気を下側ダクト131、後側ダクト132、上側ダクト133の順に通過させて吹出口123aより吹き出させることにより、収納室12と空気風路13との間で空気を循環させる循環手段である。
尚、本実施の形態では、送風ファン16が下側ダクト131の所定部位に設けられているが、本発明では、送風ファン16の配設位置は特に限定されるものではなく、送風ファン16の機能を発揮することができる個所であればどこに設けられても構わない。
蒸発器17は、後側ダクト132に設置されており、図示せぬ圧縮機、凝縮器及び膨張機構と冷媒管路で順次接続されて冷媒を循環させる冷凍サイクルを構成している。
圧縮機は、冷媒を圧縮するものであり、凝縮器は、圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させるものである。膨張機構は、凝縮器で凝縮された冷媒を断熱膨張させて低温低圧の状態にさせるものである。
かかる蒸発器17は、冷凍サイクルにて冷媒が循環することにより、冷媒が蒸発して周囲空気、すなわち送風ファン16の駆動により後側ダクト132を通過する空気を冷却するものである。
そのようなショーケース1においては、中間ダクト20が装着されている。中間ダクト20は、全体として略平板状の形態を成している。この中間ダクト20は、背面板121のいずれかの孔部121aを貫通して後側ダクト132を遮断する態様で収納室12に設けられており、より詳しくは、任意の商品載置棚14(図示の例では上から3段目の商品載置棚14)の下部に設けられている。
ここで背面板121に形成される孔部121aは、各商品載置棚14の下方部分に形成されており、左右方向が長手方向となる矩形状の長孔である。
図2及び図3は、それぞれ図1に示した中間ダクト20の外観構成を示す斜視図である。これら図2及び図3に示すように、後端ダクト部21、中間領域ダクト部22及び前端ダクト部23を有している。
後端ダクト部21は、図1に示したように、任意の孔部121aを前方から挿通して後側ダクト132を遮断するのに十分な大きさを有した箱状部分であり、中間ダクト20の後端部を構成している。つまり、後端ダクト部21は、左右寸法及び上下寸法が孔部121aの左右寸法及び上下寸法よりもそれぞれ僅かに小さく、前後寸法が後側ダクト132の前後寸法よりも大きいものである。
そのような後端ダクト部21の下面には導入口21aが形成されている。導入口21aは、空気風路13を通過する空気、すなわち後側ダクト132を上方に向けて通過する空気を導入するための開口である。
中間領域ダクト部22は、後端ダクト部21の前端部分に連続する箱状部分であり、中間ダクト20の中間領域部を構成している。この中間領域ダクト部22は、左右寸法及び上下寸法が後端ダクト部21の左右寸法及び上下寸法よりも大きく、上記孔部121aの左右寸法及び上下寸法よりも大きい。より詳細には、中間領域ダクト部22は、左右寸法が商品載置棚14における左右一対のスライダ142の相互間の距離よりも僅かに小さい。
そのような中間領域ダクト部22の後端部分、すなわち後端ダクト部21と連結する部分の上方部分及び後方部分には、背面板121に当接するためのクッション材24が貼付されている。また中間領域ダクト部22は、図4に示すように、内部が後端ダクト部21の内部に連通しており、複数の整流部材25が配設されている。
前端ダクト部23は、中間領域ダクト部22の前端部分に連続する箱状部分であり、中間ダクト20の前端部を構成している。この前端ダクト部23は、上下寸法が中間領域ダクト部22の上下寸法と略等しく、左右寸法が中間領域ダクト部22の左右寸法よりも大きい。つまり、前端ダクト部23は、左端部分となる左延出部231が中間領域ダクト部22よりも左方に突出するとともに、右端部分となる右延出部232が中間領域ダクト部22よりも右方に突出している。
そのような前端ダクト部23は、図4に示したように、内部が中間領域ダクト部22の内部に連通しており、下面に中間吹出口23aが形成されている。この中間吹出口23aは、前端ダクト部23の下面の左右方向の全域に亘って形成されており、左延出部231及び右延出部232にも形成されている。かかる中間吹出口23aは、後端ダクト部21、中間領域ダクト部22及び前端ダクト部23のそれぞれの内部を通じて導入口21aに連通している。
また前端ダクト部23においては、左延出部231及び右延出部232の上下寸法が、その他の部分、すなわち中間領域ダクト部22の前方側となる部分の上下寸法より小さい。
そのような構成を有する中間ダクト20の前後寸法は、該中間ダクト20が最下段の商品載置棚14の下部に装着された場合に、該中間ダクト20の前端部分が棚板144が最も後方にスライドした状態の商品載置棚14の前端部分よりも前方に僅かに突出する大きさとされている。
かかる中間ダクト20が装着されたショーケース1においては、圧縮機が駆動するともに送風ファン16が駆動することにより、収納室12の内部の空気が次のように循環する。
吸込口122aを通じて空気風路13の下側ダクト131に吸い込まれた空気は、該下側ダクト131を通過した後に、後側ダクト132を通過する。
後側ダクト132を通過する空気は、蒸発器17で冷却される。蒸発器17で冷却された空気は、導入口21aを通じて中間ダクト20の内部に導入され、該内部(後端ダクト部21の内部→中間領域ダクト部22の内部→前端ダクト部23の内部)を通過し、中間吹出口23aを通じて吹き出され、再び吸込口122aを通じて空気風路13に吸い込まれることにより、収納室12の内部と外部とを循環する。これにより収納室12における中間ダクト20の下方域の前面には、蒸発器17で冷却された空気によるエアカーテンが形成される。
このようにして中間吹出口23aより吹き出される空気により中間ダクト20の下方域の前面にエアカーテンが形成されるので、収納室12における中間ダクト20の下方域を、中間ダクト20の上方域よりも冷却することができる。これにより、収納室12における中間ダクト20の上方域と下方域とを異なる温度帯にすることができ、収納室12の商品を2つの温度に保持することができる。
ところで、上述したように中間ダクト20の前後寸法は、最下段の商品載置棚14の下部に装着された場合に、該中間ダクト20の前端部分が該商品載置棚14の前端部分よりも前方に僅かに突出する大きさとされている。そのため、かかる中間ダクト20が最下段の商品載置棚14以外の商品載置棚14の下部に装着された場合、該中間ダクト20の商品載置棚14からの前方への突出寸法が大きくなり、それは上方側の商品載置棚14ほど顕著になる。
しかしながら、中間ダクト20の前端ダクト部23は、左延出部231が左方に突出するとともに右延出部232が右方に突出する態様で、左右方向の寸法が中間領域ダクト部22の左右方向の寸法よりも大きく形成されているので、図5に示すように、左延出部231及び右延出部232がケース本体10の側板18に近接し、該側板18との隙間を十分に小さくすることができる。しかも中間吹出口23aが前端ダクト部23の下面の左右方向の全域に亘って形成されているので、左延出部231及び右延出部232からも空気を吹き出すことができ、該中間ダクト20の上方域の空気が側板18沿いに該中間ダクト20の下方域に乱流として進入することを抑制することができる。これにより中間ダクト20を種々の商品載置棚14の下部に装着することができる。しかも従来のように弾性部材等を必要としないので、部品点数の増加を抑制することができる。
従って、本発明の実施の形態である中間ダクト20によれば、製造コストの増大化を抑制しつつ汎用性を良好なものとすることができる。
また上記中間ダクト20によれば、左延出部231及び右延出部232の上下寸法が、前端ダクト部23の他の部分の上下寸法より小さいので、図6に示すように、商品載置棚14を構成するスライダ142等との干渉を防止でき、棚板144が前後にスライドすることを妨げることがない。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態では、左延出部231が左方に突出するとともに右延出部232が右方に突出する態様で、前端ダクト部23の左右方向の寸法が中間領域ダクト部22の左右方向の寸法よりも大きく形成されていたが、本発明においては、中間ダクトの前端部は、左端部分が左方に出没可能な態様で突出しつつ右端部分が右方に出没可能な態様で突出してもよい。
1…ショーケース、10…ケース本体、12…収納室、121…背面板、121a…孔部、122…底面板、122a…吸込口、123…天面板、123a…吹出口、13…空気風路、131…下側ダクト、132…後側ダクト、133…上側ダクト、14…商品載置棚、15…棚支柱、16…送風ファン、17…蒸発器、18…側板、20…中間ダクト、21…後端ダクト部、21a…導入口、22…中間領域ダクト部、23…前端ダクト部、23a…中間吹出口、231…左延出部、232…右延出部。
Claims (2)
- ケース本体の収納室の背面板に形成された孔部を貫通した状態で前記収納室の任意の商品載置棚の下部に着脱可能に設けられ、かつ前記背面板により前記収納室と区画された空気風路を通過する空気を後端部に設けられた導入口より導入して中間領域部を通過させて前端部に形成された中間吹出口より吹き出すことにより、前記収納室における自身の下方域の前面にエアカーテンを形成する中間ダクトであって、
前記前端部は、左端部分が左方に突出するとともに右端部分が右方に突出する態様で、左右方向の寸法が前記中間領域部の左右方向の寸法よりも大きく形成され、かつ左右方向の全域に亘って前記中間吹出口が形成されたことを特徴とするショーケースの中間ダクト。 - 前記前端部は、前記左端部分及び前記右端部分の上下寸法がその他の部分の上下寸法よりも短いことを特徴とする請求項1に記載のショーケースの中間ダクト。
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