以下、図面に基づいて本発明の一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る家具1は、複数の収納部31、32、33、34が形成された家具本体2と、収納部31、32、33、34に挿入され家具本体2に着脱可能に設けられた第1貯蔵庫ユニット41、第2貯蔵庫ユニット42、第3貯蔵庫ユニット43及び第4貯蔵庫ユニット44と、引き出し50とを備えている。なお、第1貯蔵庫ユニット41、第2貯蔵庫ユニット42、第3貯蔵庫ユニット43及び第4貯蔵庫ユニット44は、総称して貯蔵庫ユニット41,42,43,44と呼ぶことがある。
家具本体2は、左右の側板20R、20Lと、天板21と、底板22と、棚板23と、中央仕切板24と、横桟25を有し、前面及び背面に開口する矩形箱状をなしている。
左右の側板20R、20Lは、例えば木製の矩形状板材からなり、家具本体2の奥行き方向よりも高さ方向に長く形成されている。
左右の側板20R、20Lの内側面(対向面)には、天板21、底板22及び複数の棚板23が不図示のボルトによって固定されている。天板21及び底板22は、左右の側板20R、20Lとともに家具本体2の外郭を構成する。これらの板20R、20L、21、22に囲われた内部空間が、複数の棚板23によって上下に区画されている。
中央仕切板24は、棚板23の幅方向中央部に着脱可能に設けられ、棚板23によって区画された空間を左右に分割する。
図1に例示する家具本体2では、3枚の棚板23によって上下4段の収納部31、32、33、34に分割されている。上から1段目及び2段目の収納部31、32は、中央仕切板24によって幅方向に2等分され、右側の収納部31R、32Rと左側の収納部31L、32Lに分割されている。
これにより、家具本体2は、上から1段目及び2段目に正面視において略正方形状をなしている同一形状の収納部31L、31R、32L、32Rが左右に並んで設けられ、上から3段目及び4段目に家具本体2の全幅にわたる長方形状の収納部33、34が設けられている。
なお、図1及び図2では、上から1段目及び2段目の収納部31、32に中央仕切板24が設けられ、上から3段目及び4段目の収納部33、34に中央仕切板24が設けられていないが、1段目及び2段目の収納部31、32に中央仕切板24を設けず家具本体2の全幅にわたる長方形状の収納部としたり、3段目及び4段目の収納部33、34に中央仕切板24を設けて、収納部33、34を左右に分割することができるようになっている。
天板21、底板22、棚板23及び中央仕切板24は、例えば木製の矩形状板材からなり、奥行き方向の長さが、左右の側板20R、20Lより短く設けられている。本実施形態では、天板21、底板22、棚板23及び中央仕切板24の前端面が、左右の側板20R、20Lの前端面に揃えた状態で固定されている。これにより、左右の側板20R、20Lの後端部が、天板21、底板22、棚板23及び中央仕切板24より後方へ突出する、家具本体2の後端をなしている。
横桟25は、例えば木製の矩形状板材からなり、左右の側板20R、20Lの後端部を連結して家具本体2を補強する。また、横桟25は、貯蔵庫ユニット41、42、43、44を収納部31、32、33に挿入する際に、貯蔵庫ユニット41、42、43、44の背面が左右の側板20R、20Lの後端より後方に位置することがないように、貯蔵庫ユニット41、42、43、44の後方への移動を規制する。これにより、貯蔵庫ユニット41,42,43,44が収納部31、32、33に挿入された状態において、貯蔵庫ユニット41,42,43,44の筐体412、422、432、442の背面より後方に家具本体2の後端が位置する。
具体的には、横桟25は、左右の側板20R、20Lにおいて、天板21、底板22、棚板23及び中央仕切板24より後方へ突出する部分に固定されている。横桟25は、棚板23によって区画された4つの収納部31、32、33、34毎に1つずつ合計4つ設けられており、収納部31、32、33、34の底面を構成する棚板23及び底板22からの距離(高さ)が全て等しくなるように側板20R、20Lに固定されている。
また、横桟25の前面には、貯蔵庫ユニット41,42,43,44へ電力を供給する複数の給電コネクタ26が設けられている。
給電コネクタ26は、中央仕切板24によって収納部31、32、33、34を左右に分割して形成される8つの収納部において占める位置が一定になるように、各収納部にそれぞれ1つずつ設けられている。
つまり、横桟25に設けられた各給電コネクタ26は、収納部31、32、33、34の底面を構成する棚板23及び底板22からの距離(高さ)hと、左側板20L及び中央仕切板24から右へ離れる距離mが、等しくなるように1つの横桟25に対して2つ設けられている。複数の給電コネクタ26は、左右一方の側板(例えば、右側板20R)及び横桟25に設けられた配線27を介してACプラグ28に接続されており、商用電源(壁コンセント)から電力が供給されるようになっている。
このような家具本体2は、収納部31Rに第1貯蔵庫ユニット41が装着され、収納部31Lに第2貯蔵庫ユニット42が装着され、収納部32Lに第3貯蔵庫ユニット43が装着され、収納部33に第4貯蔵庫ユニット44が装着され、収納部34に引き出し50が装着されている。
図3〜図12に示すように、貯蔵庫ユニット41、42、43、44は、内部に貯蔵室411、421、431、441が形成された筐体412、422、432、442と、筐体412、422、432、442の前面開口部を開閉可能に閉塞する扉413、423、433、443と、貯蔵室411、421、431、441内の貯蔵雰囲気を調整する調整部414、424、434、444とを備える。
第1貯蔵庫ユニット41を構成する筐体412は、鋼板製の外箱と合成樹脂製の内箱との間隙にウレタンフォームや真空断熱パネルなどの断熱材を設けることで、前面が開口し内部を貯蔵室411とした断熱性を有した箱状体からなる。この筐体412は、正面形状が収納部31L、31R、32L、32Rより若干小さい略正方形状に設けられており、収納部31L、31R、32L、32Rなど、中央仕切板24によって区画された任意の収納部へ挿入可能な形状及び大きさをなしている。
筐体412の背面の所定位置には、受電コネクタ418が設けられている。第1貯蔵庫ユニット41を収納部31L、31R、32L、32Rに挿入して家具本体2に装着すると、図3に示すように、受電コネクタ418が家具本体2に設けられた給電コネクタ26に接続され、貯蔵庫ユニット41が外部電源に接続される。また、家具本体2に装着された第1貯蔵庫ユニット41は、前方へ引き抜くことで受電コネクタ418と給電コネクタ26との接続が解除され、収納部31L、31R、32L、32Rから取り外される。
筐体412の内部に設けられた貯蔵室411は、調整部414を備えた仕切体415によって上下に区画され、仕切体415の上方に上側貯蔵室411aが形成され、仕切体415の下方に下側貯蔵室411bが形成されている。
筐体412の前面開口部を開閉可能に閉塞する扉413は、扉前面板と扉内板の間にウレタンフォームや真空断熱パネルなどの断熱材が設けられた断熱扉からなる。なお、扉413の一部を2重ガラスなどのガラス板で構成して、外部より貯蔵室411を視認可能に設けてもよい。
調整部414は、上側貯蔵室411aと下側貯蔵室411bとを異なる温度に調整するものであって、図5に示すように、ペルチェ素子414a、第1伝熱ブロック414b、第2伝熱ブロック414c、第1ファン414d及び第2ファン414eを有し、仕切体415の内部に形成された空間に設けられている。
ペルチェ素子414aは、不図示の電源基板よる制御(駆動電力)に従って熱を発生するものである。ペルチェ素子414aは、仕切体415の内部に形成された空間を、第1空間S1と第2空間S2に区画する隔壁415aの一部を構成している。
第1空間S1に向いたペルチェ素子414aの一方の熱交換面には、第1伝熱ブロック414bが取り付けられ、第1伝熱ブロック414bが第1空間S1内に配置されている。第2空間S2に向いたペルチェ素子414aの他方の熱交換面には、第2伝熱ブロック414cが取り付けられ、第2伝熱ブロック414cが第2空間S2内に配置されている。第1伝熱ブロック414b及び第2伝熱ブロック414cは、熱伝導性のよいアルミ合金等の金属材から構成され、第1空間S1及び第2空間S2を流れる空気の流通方向に沿って延びる突条状のフィンが複数設けられている。
第1空間S1は、仕切体415の上面に開口する第1吸込口415b及び第1吹出口415cを介して上側貯蔵室411aに連通している。第1空間S1には、第1伝熱ブロック414bとともに第1ファン414dが収納されている。
第2空間S2は、仕切体415の下面に開口する第2吸込口415d及び第2吹出口415eを介して下側貯蔵室411bに連通している。第2空間S2には、第2伝熱ブロック414cとともに第2ファン414eが収納されている。
このような調整部414は、不図示の電源基板からペルチェ素子414a、第1ファン414d及び第2ファン414eに駆動電力が入力される。
ペルチェ素子414aに駆動電力が入力されると、ペルチェ素子414aの一方の熱交換面が発熱して、第1伝熱ブロック414bを加熱し、ペルチェ素子414aの他方の熱交換面が吸熱して、第2伝熱ブロック414cを冷却する。
第1ファン414dに駆動電力が入力されると、第1ファン414dが回転して、上側貯蔵室411aの空気が、第1吸込口415bから第1空間S1へ吸い込まれ、第1吸込口415bから第1吹出口415cへ向けて第1空間S1を流れる。第1空間S1を流れる空気は、ペルチェ素子414aによって加熱された第1伝熱ブロック414bと熱交換して加熱された後、第1吹出口415cより上側貯蔵室411aへ吹き出し、上側貯蔵室411aを加熱する。
第2ファン414eに駆動電力が入力されると、第2ファン414eが回転して、下側貯蔵室411bの空気が、第2吸込口415dから第2空間S2へ吸い込まれ、第2吸込口415dから第2吹出口415eへ向けて第2空間S2を流れる。第2空間S2を流れる空気は、ペルチェ素子414aによって冷却された第2伝熱ブロック414cと熱交換して加熱された後、第2吹出口415eより下側貯蔵室411bへ吹き出し、下側貯蔵室411bを冷却する。
上側貯蔵室411a及び下側貯蔵室411bの温度は、調整部414に設けられた第1ファン414dや第2ファン414eの回転数を制御したり、ペルチェ素子414aの一方に供給する電力量を制御することで調整することができる。また、第1吹出口415cや第2吹出口415eにダンパを設け、当該ダンパによって各吹出口415c,415eの開度を調整することで、上側貯蔵室411a及び下側貯蔵室411bの温度を調整してもよい。
第2貯蔵庫ユニット42は、図6に示すように、調整部424を備えた仕切体425が貯蔵室421を左右に区画している点で、上記した第1貯蔵庫ユニット41と相違するが、その他の構成は基本的に第1貯蔵庫ユニット41と同一である。
すなわち、第2貯蔵庫ユニット42を構成する筐体422は、前面が開口し内部を貯蔵室421とした断熱性を有した箱状体からなり、収納部31L、31R、32L、32Rなど、中央仕切板24によって区画された任意の収納部へ挿入可能な形状及び大きさをなしている。
筐体422の背面の所定位置には、不図示の受電コネクタが設けられており、貯蔵庫ユニット42を収納部31L、31R、32L、32Rに挿入して家具本体2に装着すると、受電コネクタが家具本体2に設けられた給電コネクタ26に接続され、貯蔵庫ユニット42が外部電源に接続される。また、家具本体2に装着された貯蔵庫ユニット42は、前方へ引き抜くことで受電コネクタと給電コネクタ26との接続が解除され、収納部31L、31R、32L、32Rから取り外される。
貯蔵室421は、仕切体425の左側に左側貯蔵室421aが形成され、右側に右側貯蔵室421bを形成されている。仕切体425に設けられた調整部424は、上記した調整部414と同様、図6に示すように、ペルチェ素子424a、第1伝熱ブロック424b、第2伝熱ブロック424c、第1ファン424d及び第2ファン424eを有し、仕切体425の内部に形成された第1空間S1及び第2空間S2に設けられている。
調整部424は、不図示の電源基板からペルチェ素子424a、第1ファン424d及び第2ファン424eに駆動電力が入力されると、第1伝熱ブロック424bを加熱し、第2伝熱ブロック424cを冷却するとともに、第1ファン424d及び第2ファン424eが回転する。
調整部424は、第1吸込口425bから第1空間S1へ吸い込んだ空気を第1伝熱ブロック424bとの熱交換により加熱した後、第1吹出口425cより左側貯蔵室421aへ供給して左側貯蔵室421aを加熱するとともに、第2吸込口425dから第2空間S2へ吸い込んだ空気を第2伝熱ブロック424cとの熱交換により冷却した後、第2吹出口425eより右側貯蔵室421bへ供給して右側貯蔵室421bを冷却する。
第3貯蔵庫ユニット43は、調整部434の構成が上記した貯蔵庫ユニット41、42に設けられた調整部414、424と相違するが、その他の構成は基本的に貯蔵庫ユニット41、42と同一である。
すなわち、第3貯蔵庫ユニット43を構成する筐体432は、前面が開口し内部を貯蔵室431とした断熱性を有した箱状体からなり、収納部31L、31R、32L、32Rなど、中央仕切板24によって区画された任意の収納部へ挿入可能な形状及び大きさをなしている。
筐体432の背面の所定位置には、受電コネクタ438が設けられており、第3貯蔵庫ユニット43を収納部31L、31R、32L、32Rに挿入して家具本体2に装着すると、受電コネクタ438が家具本体2に設けられた給電コネクタ26に接続され、第3貯蔵庫ユニット43が外部電源に接続される。また、家具本体2に装着された第3貯蔵庫ユニット43は、前方へ引き抜くことで受電コネクタ438と給電コネクタ26との接続が解除され、収納部31L、31R、32L、32Rから取り外される。
調整部434は、貯蔵室431の冷却及び加熱を、不図示のスイッチによって切り換えて実行するものであって、図8に示すような冷凍サイクルから構成されている。
調整部434を構成する冷凍サイクルは、圧縮機61、凝縮器62、キャピラリーチューブ63、蒸発器64及び四方弁65を備え、凝縮器62、キャピラリーチューブ63及び蒸発器64が順に接続されるとともに、圧縮機61の吐出側配管61a及び吸込側配管61bと、凝縮器62と、蒸発器64とが四方弁65にそれぞれ接続されている。
圧縮機61、凝縮器62及びキャピラリーチューブ63は、筐体432の背面下部に形成された機械室435に収納され、蒸発器64は、貯蔵室431の背面に設けられた蒸発器室436に送風ファン437とともに収納されている。
このような調整部434は、スイッチによって制御される四方弁65の切換動作で上記冷凍サイクルを流れる冷媒の循環方向を可逆にすることにより、貯蔵室431の冷却及び加熱を行う。
具体的には、貯蔵室431を冷却する場合、四方弁65が、圧縮機61の吐出側配管61aと凝縮器62を接続し、圧縮機61の吸込側配管61bと蒸発器64を接続する。そして、不図示の電源基板から圧縮機61及び送風ファン437に駆動電力を入力して、圧縮機61を駆動しながら送風ファン437を回転させる。
これにより、蒸発器室436に設けられた蒸発器64が、蒸発器室436の空気を冷却する。蒸発器64で冷却された空気は、送風ファン437の送風作用によって蒸発器室436から貯蔵室431へ導入され貯蔵室431を冷却する。貯蔵室431を冷却し終えた空気は、蒸発器室436に戻され蒸発器64と熱交換して再び冷却される。
また、貯蔵室431を加熱する場合、四方弁65が、圧縮機61の吐出側配管61aと蒸発器64を接続し、圧縮機61の吸込側配管61bと凝縮器62を接続する。そして、不図示の電源基板から圧縮機61及び送風ファン437に駆動電力を入力して、圧縮機61を駆動しながら送風ファン437を回転させる。
これにより、蒸発器室436に設けられた蒸発器64が、蒸発器室436の空気を加熱する。蒸発器64で加熱された空気は、送風ファン437の送風作用によって蒸発器室436から貯蔵室431へ導入され貯蔵室431を加熱する。貯蔵室431を加熱し終えた空気は、蒸発器室436に戻され蒸発器64と熱交換して再び加熱される。
第4貯蔵庫ユニット44を構成する筐体442は、鋼板製の外箱と合成樹脂製の内箱との間隙にウレタンフォームなどの断熱材を発泡充填することで、前面が開口し内部を貯蔵室411とした断熱性を有した箱状体からなる。この筐体442は、図1及び図9に示すように、正面形状が収納部33、34より若干小さい長方形状に設けられており、収納部33、34など、中央仕切板24が設けられていない任意の収納部へ挿入可能な形状及び大きさをなしている。
図3及び図4に示すように、筐体442の背面の所定位置には、受電コネクタ448が設けられており、貯蔵庫ユニット44を収納部33、34に挿入して家具本体2に装着すると、受電コネクタ448が家具本体2に設けられた給電コネクタ26に接続され、貯蔵庫ユニット44が外部電源に接続される。また、家具本体2に装着された貯蔵庫ユニット44は、前方へ引き抜くことで受電コネクタ448と給電コネクタ26との接続が解除され、収納部33、34から取り外される。
図9に示すように、筐体442の内部に設けられた貯蔵室441は、断熱仕切壁452によって左右に断熱的に区画され、断熱仕切壁452の右側に右側貯蔵室441aが形成され、断熱仕切壁452の左側に左側貯蔵室441bが形成されている。
右側貯蔵室441a及び左側貯蔵室441bには、それぞれ扉443a、443bが別々に設けられており、各貯蔵室441a、441bを独立して開閉することができるようになっている。
調整部444は、図10に示すような冷凍サイクルから構成され、右側貯蔵室441aを加熱し、左側貯蔵室441bを冷却する。
調整部444を構成する冷凍サイクルは、圧縮機71、庫内凝縮器72、庫外凝縮器76、キャピラリーチューブ73、蒸発器74及び三方弁75を備える。圧縮機71の吐出側配管71aには三方弁75が接続され、三方弁75から二股に分かれた冷媒流路の一方に庫内凝縮器72が接続され、他方に庫外凝縮器76が接続されており、三方弁75を切り替えることで、圧縮機61より吐出された高温高圧のガス状の冷媒を庫内凝縮器72と庫外凝縮器76に切り替えて流すようになっている。庫内凝縮器72及び庫外凝縮器76の下流側には、キャピラリーチューブ73を介して蒸発器74が接続されている。蒸発器74の下流側は、圧縮機71の吸込側配管71bが接続され、蒸発器74を流れた冷媒が再び圧縮機71に取り込まれ冷凍サイクルを循環する。
図10、図11及び図12に示すように、圧縮機71、庫外凝縮器73、キャピラリーチューブ73及び三方弁75は、右側貯蔵室441aの後方における筐体442の背面下部に形成された機械室445に収納されている。庫内凝縮器72は、右側貯蔵室441aの背面に設けられた凝縮器室449に送風ファン450とともに収納されている。蒸発器74は、左側貯蔵室441bの背面に設けられた蒸発器室446に送風ファン447とともに収納されている。
このような調整部434は、右側貯蔵室441aを加熱し、左側貯蔵室441bを冷却する場合、不図示の電源基板から圧縮機71、三方弁75及び送風ファン447、450に駆動電力を入力して、圧縮機71の吐出側配管71aと庫内凝縮器72を接続して高温高圧のガス状の冷媒を庫内凝縮器72に供給するとともに、送風ファン447、450を回転させる。
これにより、庫内凝縮器72は、圧縮機71より供給された高温高圧のガス状の冷媒によって加熱され、凝縮器室449の空気を加熱し、蒸発器74は、キャピラリーチューブ73より供給された低温の冷媒によって冷却され、蒸発器室446の空気を冷却する。
庫内凝縮器72によって加熱され凝縮器室449の空気は、送風ファン450の送風作用によって凝縮器室449から右側貯蔵室441aへ導入され右側貯蔵室441aを加熱する。右側貯蔵室441aを冷却し終えた冷気は、凝縮器室449に戻され庫内凝縮器72と熱交換して再び加熱される。
蒸発器74で冷却された空気は、送風ファン447の送風作用によって蒸発器室446から左側貯蔵室441bへ導入され左側貯蔵室441bを冷却する。左側貯蔵室441bを冷却し終えた冷気は、蒸発器室446に戻され蒸発器74と熱交換して再び冷却される。
また、右側貯蔵室441aを加熱することなく、左側貯蔵室441bを冷却する場合、調整部434は、不図示の電源基板から圧縮機71、三方弁75及び送風ファン447に駆動電力を入力して、圧縮機71の吐出側配管71aと庫外凝縮器76を接続して高温高圧のガス状の冷媒を庫外凝縮器76に供給するとともに、送風ファン447を回転させる。
これにより、圧縮機71より供給された高温高圧のガス状の冷媒は、庫外凝縮器76において冷却された後、キャピラリーチューブ73を介して蒸発器74に供給される。蒸発器74は、キャピラリーチューブ73より供給された低温の冷媒によって冷却され、蒸発器室446の空気を冷却する。
蒸発器74で冷却された空気は、送風ファン447の送風作用によって蒸発器室446から左側貯蔵室441bへ導入され左側貯蔵室441bを冷却する。左側貯蔵室441bを冷却し終えた冷気は、蒸発器室446に戻され蒸発器74と熱交換して再び冷却される。
以上のような本実施形態の家具1では、家具本体2に設けられた複数の収納部31、32、33、34に貯蔵庫ユニット41、42、43、44を着脱することができるため、貯蔵雰囲気が調整可能な貯蔵庫ユニット41、42、43、44を任意の収納部31、32、33、34に装着することができ、収納スペースのレイアウトの自由度が高く、使い勝手を向上することができる。
また、本実施形態の家具1では、貯蔵庫ユニット41、42、43、44を収納部31、32、33、34に挿入すると、受電コネクタ418、438、448が家具本体2に設けられた給電コネクタ26に接続されるため、商用電源からの電力を貯蔵庫ユニット41、42、43、44に簡便に供給することができる。
また、本実施形態の家具1では、貯蔵庫ユニット41,42,43,44が収納部31、32、33に挿入され状態において、貯蔵庫ユニット41,42,43,44の筐体412、422、432、442の背面より後方に家具本体2の後端が位置する。そのため、部屋の壁面に家具1の背面を沿わせて家具1を設置する場合でも、貯蔵庫ユニット41,42,43,44の背面と部屋の壁面との間に空間が形成され、貯蔵庫ユニット41,42,43,44から発生する熱を効率的に外部へ排出することがでる。
また、本実施形態では、貯蔵庫ユニット41、42に設けられた調整部414,424が、一方の貯蔵室411a、421aを加熱するとともに、他方の貯蔵室411b、421bを冷却するため、ペルチェ素子414a、424aから発生する温熱及び冷熱を、貯蔵室の温度調節に利用することができ、消費電力を抑えることができる。
また、本実施形態では、貯蔵庫ユニット44に設けられた調整部444が、一方の貯蔵室441aを加熱する庫内凝縮器72と、他方の貯蔵室441bを冷却する蒸発器74とを備えた冷凍サイクルから構成されているため、冷凍サイクルから発生する温熱及び冷熱を、貯蔵室の温度調節に利用することができ、消費電力を抑えることができる。
(他の実施形態)
上記した実施形態では、家具本体2に装着される貯蔵庫ユニットが、ペルチェ素子を備える調整部や冷凍サイクルから構成された調整部によって、貯蔵室の温度を調整する場合について説明したが、ヒータによって貯蔵室の温度を調整してもよい。
また、上記した実施形態では、家具本体2に装着される貯蔵庫ユニットが、調整部によって貯蔵室温度を調整する場合について説明したが、例えば、貯蔵室の湿度を調整したり、貯蔵室内の酸素濃度を調整したり、貯蔵室内の圧力を調整してもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。