JP2023152743A - 接触位置設定装置、実装装置及び接触位置設定方法 - Google Patents

接触位置設定装置、実装装置及び接触位置設定方法 Download PDF

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【課題】保持部が接触対象に接触するための接触基準高さ位置を、実際の接触高さ位置とのずれを抑えて設定できる接触位置設置装置、実装装置及び接触位置設定方法を提供する。【解決手段】接触位置設定装置Sにおいて、実装装置1は、電子部品2を吸引保持する保持部211を接触対象に接離する方向に移動させる駆動機構220と、接触を検出する接触検出部230と、保持部の移動を停止させる停止制御部62、接触が検出されて停止制御部により停止させられた保持部を接触対象から離脱する方向に移動させ、この時の圧力検出部240により検出される吸引圧力の変化に基づいて、保持部の接触対象からの離脱を検出する離脱検出部63及び離脱検出部により離脱が検出された時に位置検出部250により検出された保持部の高さ位置に基づいて、保持部が接触対象に対する接触基準高さ位置を設定する基準位置設定部64を含む制御装置60と、有する。【選択図】図1

Description

本発明は、接触位置設定装置、実装装置及び接触位置設定方法に関する。
半導体チップなどの電子部品を基板に実装する実装装置では、ウェーハシートに支持されて供給される電子部品を、ウェーハシートからピックアップして基板の上に搬送し、基板に押し付けて、実装している。このような実装装置では、電子部品が保持部に保持される。この保持部は、電子部品をピックアップするために、電子部品に対して接離するように移動し、ウェーハシートに支持された電子部品に接近して接触し、電子部品を保持してウェーハシートから離れるように移動する。また、電子部品を基板に押し付けるために、電子部品を保持して基板に対して接離するように移動して基板に接近して、電子部品を基板に接触させ、電子部品の保持を解除して基板から離れるように移動する。このような保持部の移動のために、電子部品や基板などの接触対象までの移動量を認識することが必要となる。
このような保持部は、駆動機構によって接触対象に対して接離方向に駆動されるとともに、多くの場合、この駆動機構に対し相対移動可能に設けられる。これにより、保持部が、接触対象に向かって移動し、接触対象に接触した時に、保持部と駆動機構が相対移動する。そして、この相対移動が、センサによって検出されるようになっている。すなわち、駆動機構と保持部との相対位置が変化するので、この相対位置の変化がセンサによって検出され、予め定めた変化量によって、保持部が接触対象に接触したと認識されるようになっている。このようにして、接触対象の位置(高さ位置)を認識し、接触対象までの移動量を認識している。
したがって、このように検出された接触対象の高さ位置が、例えば、ピックアップ時に電子部品に保持部が接触するための移動目標となり、実装時に基板に保持部が保持した電子部品が接触するための移動目標となる高さ位置である。つまり、接触対象は、保持部が直接接触する対象物も、保持部が直接接触している物を介して、間接的に接触する対象も含む。このような接触対象に接触するための移動目標が、接触基準高さ位置とされる。
特開2010-206103号公報
しかしながら、駆動機構と保持部との相対位置の変化に基づく保持部の接触対象の接触の認識には、接触対象に接触してから予め定めた相対位置の変化量になるまでの時間が存在するため、接触対象に接触した時点と接触を認識(検出)した時点にずれが生じ、このずれによって接触基準高さ位置を正確に検出できない。また、小型の電子部品や微細な加工を施してある電子部品の場合、電子部品へストレスを与えないように、保持部の先端に軟質のラバーを用いるケースが多い。すると、接触対象に保持部が接触した時点では、駆動機構と保持部との相対位置は変化せず、軟質のラバーが接触対象に押し付けられて変形しきってから、相対位置が変化することになり、さらに接触の検出遅れが生じてしまい、接触基準高さ位置を正確に検出できない。
本発明の実施形態は、保持部が接触対象に接触するための接触基準高さ位置を、実際の接触高さ位置とのずれを抑えて設定できる接触位置設置装置、実装装置及び接触位置設定方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、実施形態の接触位置設定装置は、電子部品を吸引保持する保持部と、前記保持部を、接触対象に接離する方向に移動させる駆動機構と、前記保持部の前記接触対象に対する接触を検出する接触検出部と、前記保持部の吸引圧力を検出する圧力検出部と、前記保持部の高さ位置を検出する位置検出部と、吸引力が付与された前記保持部を前記接触対象に接触する方向に移動させ、前記接触検出部により接触が検出されると、前記保持部の移動を停止させる停止制御部と、接触が検出されて前記停止制御部により停止させられた前記保持部を前記接触対象から離脱する方向に移動させ、この時の前記圧力検出部により検出される吸引圧力の変化に基づいて、前記保持部の前記接触対象からの離脱を検出する離脱検出部と、前記離脱検出部により離脱が検出された時に前記位置検出部により検出された前記保持部の高さ位置に基づいて、前記保持部の前記接触対象に対する接触基準高さ位置を設定する基準位置設定部と、を有する。
実施形態の実装装置は、前記接触位置設定装置と、前記電子部品を供給する供給装置と、前記供給装置から前記電子部品をピックアップするピックアップ装置と、基板を支持する基板ステージと、前記ピックアップされた前記電子部品を前記基板に搭載する搭載装置と、を有する。
実施形態の接触位置設定方法は、吸引力が付与された保持部を、駆動機構が接触対象に接触する方向に移動させ、前記保持部の前記接触対象への接触を接触検出部が検出した時に、前記駆動機構が前記保持部を停止させ、前記駆動機構が、停止させた前記保持部を前記接触対象から離脱する方向に移動させ、圧力検出部が、前記保持部の吸引圧力の変化に基づいて、前記保持部の前記接触対象からの離脱を検出し、位置検出部が、前記圧力検出部により離脱が検出された時の前記保持部の高さ位置を検出し、基準位置設定部が、前記位置検出部により検出された前記保持部の高さ位置に基づいて、前記保持部の前記接触対象に対する接触基準高さ位置を設定する。
本発明の実施形態は、保持部が接触対象に接触するための接触基準高さ位置を、実際の接触高さ位置とのずれを抑えて設定でき、その設定に基づいて電子部品を実装することができる。
実施形態の実装装置を示す正面図及び接触位置設定装置を示すブロック図である。 実施形態の実装装置を示す平面図である。 実施形態の接触位置設定装置を構成するピックアップユニットを示す側面図である。 接触基準高さ位置の設定におけるピックアップユニットの動作を示す説明図である。 接触基準高さ位置の設定の手順を示すフローチャートである。 突き上げ基準高さ位置の設定における保持部の動作を示す説明図である。 突き上げ基準高さ位置の設定の手順を示すフローチャートである。
本発明の実施の形態(以下、本実施形態と呼ぶ)について、図面を参照して具体的に説明する。なお、図面は模式図であって、各部のサイズ、比率等は、理解を容易にするために誇張している部分を含んでいる。
図1及び図2に示すように、本実施形態の接触位置設定装置Sは、電子部品2の実装装置1に使用される。実装装置1は、電子部品2の供給装置10、ピックアップ装置20、搭載装置30、中継装置40、基板ステージ50及び制御装置60を有する。実装装置1は、供給装置10からピックアップ装置20によってピックアップされた電子部品2を反転させて、搭載装置30に受け渡し、基板ステージ50に支持された基板Mに実装する。または、供給装置10からピックアップ装置20によってピックアップされた電子部品2を、中継装置40を介して、搭載装置30に受け渡し、基板ステージ50に支持された基板Mに実装する。このとき、接触位置設定装置Sは、電子部品2の、ピックアップ、実装、あるいは中継装置40を介する受け渡しなどで、基準となる高さ位置を設定する。
[電子部品]
電子部品2は、例えば、矩形状の薄小片部品である。本実施形態では、電子部品2は、ウェーハを個片に分割した半導体チップである。半導体チップは、表裏のうち一面に半導体素子として機能する機能面を有する。
[供給装置]
供給装置10は、電子部品2をピックアップ装置20へと供給する装置である。供給装置10は、ピックアップ対象の電子部品2を供給位置P1に移動させる。供給位置P1とは、ピックアップ装置20が、ピックアップ対象となる電子部品2をピックアップする位置である。供給装置10は、複数の電子部品2が貼り付けられたシート11を支持する供給ステージ12、供給ステージ12を移動させるステージ移動機構13を備える。このステージ移動機構13としては、例えば、サーボモータによって駆動されるボールねじ機構によって、レール上をスライダが移動するリニアガイドを用いることができる。供給装置10は、ステージ移動機構13によって、供給ステージ12にシート11を介して支持される複数の電子部品2のうち、ピックアップ対象の電子部品2を供給位置P1に移動させる。
電子部品2が貼り付けられるシート11は、ここでは、図示しないウェーハリングに貼り付けられた粘着性を有するウェーハシートである。シート11上にはウェーハを個片化した複数の電子部品2がマトリクス(行列)状に配置されている。本実施形態では、電子部品2は、機能面が上方に露出したフェイスアップ状態で配置されているものとする。
供給ステージ12は、シート11が貼り付けられたウェーハリングを水平に支持する台である。つまり、供給ステージ12は、電子部品2が貼り付けられたシート11を、ウェーハリングを介して支持する。供給ステージ12は、ステージ移動機構13によって、水平方向に移動可能に設けられている。シート11は、供給ステージ12とともにステージ移動機構13に水平に支持されているため、シート11及び当該シート11に載せられた電子部品2もまた、水平方向に移動可能に設けられている。
なお、図1に示すように、水平方向のうち、供給装置10と搭載装置30が並ぶ方向をX軸方向、X軸に直交する方向をY軸方向という。また、シート11の平面に直交する方向をZ軸方向または上下方向という。上方向とは、シート11の平面を境界として電子部品2が載せられている側の方向であり、下方向とは、シート11の平面を境界として電子部品2が載せられていない側の方向である。
本実施形態では、予め定めるZ方向の基準とする原点(基準点)の高さ位置(原点高さ位置)からの距離を「高さ」と言う。そして、その距離の高さの位置を高さ位置とする。本実施形態の場合、Z方向は垂直方向、鉛直方向である。このときの「原点」は、例えば、ピックアップ装置20、搭載装置30など、各装置で共通であっても良いし、各装置で特有であっても良い。このときの「距離」は、例えば、ピックアップ装置20、搭載装置30など、各装置におけるそれぞれの駆動機構220、昇降機構322などが、Z方向へ移動する移動量と言える。なお、理解を容易とするため「高さ位置」と称しているが、「高さ位置」は、原点からの距離である。そして、「高さ位置」は、接触対象に対して移動する方向の距離であり、必ずしも垂直方向、鉛直方向の距離に限定されるものではない。
[ピックアップ装置]
ピックアップ装置20は、供給装置10から電子部品2をピックアップし、ピックアップした電子部品2を搭載装置30に受け渡す装置である。このピックアップ装置20は、ピックアップユニット200と、移動機構22と、反転機構23と、突き上げ機構24とを備える。
[ピックアップユニット]
ピックアップユニット200は、電子部品2を吸引保持し、また吸引保持を解除して電子部品2を解放する機構である。ピックアップユニット200は、接触位置設定装置Sの機構部分を構成する。接触位置設定装置Sは、ピックアップユニット200の接触対象との接触基準高さ位置を設定する装置である。本実施形態の接触位置設定装置Sは、機構部分としてピックアップユニット200を含み、制御部分として、後述の制御装置60の停止制御部62、離脱検出部63、基準位置設定部64、突き上げ基準位置設定部65を含む。
上記のように、電子部品2である半導体チップは、粘着性のあるシート11(ウェーハシート)に粘着支持されている。半導体チップは、支持されているシート11の反対面から、突き上げピンや押し上げ体等の突き上げ機構24により、シート11を介して突き上げられ、粘着面から離脱される。このとき、ピックアップユニット200は半導体チップを保持し、突き上げ動作と併せてシート11から半導体チップを引き剥がす。このようにして半導体チップがシート11からピックアップされる。
以下、接触位置設定装置Sの機構部分であるピックアップユニット200について説明する。図3(A)は、ピックアップユニット200の概略的構成を示す。ピックアップユニット200は、ピックアップツール210、駆動機構220、接触検出部230を有するとともに、圧力検出部240、位置検出部250を有する(図1参照)。
(ピックアップツール)
ピックアップツール210は、保持部211、昇降ロッド212、係止体213、検知体214を有する。保持部211は、電子部品2を吸引保持する。保持部211は下方の先端に向かって径が小さくなる円錐台形状であり、先端面に吸引孔211aが設けられている。保持部211の上部は、図3(B)に示すように、取付部材211bに着脱可能に設けられている。取付部材211bは、後述する昇降ロッド212の下端に設けられたブロック形状の部材である。保持部211の吸引孔211aは、取付部材211b内の吸気経路を介して、取付部材211bの側面に取り付けられた配管211cに連通している。配管211cは、後述する圧力検出部240を介して、真空ポンプ等を含む負圧発生回路(図示せず)に接続されている。このため、吸引孔211aに吸引力を生じさせ、保持部211の先端面に電子部品2を吸着保持できる。保持部211は、電子部品2への接触時におけるダメージを低減するために、弾性変形可能な材質によって形成されている。例えば、保持部211は、ラバーによって形成されている。
昇降ロッド212は、軸線を垂直とした棒状の部材であり、その下端に上記のように取付部材211bが設けられている。係止体213は、昇降ロッド212の上端に、径が拡大するように設けられた板状体である。検知体214は、係止体213の上部に設けられた水平な板状体であり、昇降ロッド212の軸からずれた一方向に突出している。
(駆動機構)
駆動機構220は、保持部211を接触対象に接離する方向に移動させる機構である。駆動機構220は、架台221、リニアガイド222、駆動体223、ねじ軸224、駆動源225、ブラケット226、ホルダ227、付勢部材228を有する。
架台221は垂直方向の板状体である。リニアガイド222は、架台221の垂直面221aに上下方向に沿って設けられている。駆動体223は、リニアガイド222に、受け部223aを移動可能に係合させて支持されている。ねじ軸224は、軸線を垂直とし、駆動体223に螺合されている。駆動源225は架台221に設けられ、ねじ軸224を回転駆動するモータである。駆動源225によってねじ軸224が回転することにより、駆動体223はリニアガイド222に沿って上下方向に駆動される。
ブラケット226は、その一端が駆動体223に固着されている。ブラケット226の他端は、筒状体のホルダ227に取り付けられている。ブラケット226の詳細については後述する。ホルダ227には、ピックアップツール210が、上下方向に移動可能に設けられている。つまり、ホルダ227内に、昇降ロッド212が昇降可能に挿通支持され、係止体213がホルダ227の上端に当接することにより、下方への移動端が規定されている。付勢部材228は、ホルダ227の下端と保持部211の上端との間に設けられ、ピックアップツール210を下方向に付勢する荷重を付与する。
(接触検出部)
接触検出部230は、保持部211の接触対象に対する接触を検出する。本実施形態における「接触を検出する」とは、例えば保持部211が接触対象に接触していない状態から接触している状態に変わる瞬間を検出することを言う。接触している状態を維持しているか否かを検出し続けることではない。また、以降の説明において、「接触した」、「接触する」と言う表記も同様である。
接触検出部230は、保持部211と駆動機構220のホルダ227との相対的な高さ位置の変位量に基づいて、保持部211の接触対象に対する接触を検出する。本実施形態の接触検出部230は、検知体214との距離を非接触で検出する変位センサである。本実施形態では、渦電流式の変位センサを用いる。接触検出部230は、ホルダ227の側面に支持具214aを介して取り付けられ、検知体214に対向している。駆動機構220のホルダ227が下降するように駆動されると、ピックアップツール210が下降して、保持部211が接触対象に接触する。すると、ピックアップツール210の下降は停止する。ホルダ227が下降を続けると、停止しているピックアップツール210とホルダ227とは相対移動することになる。これによって、ピックアップツール210の検知体214に対して、ホルダ227とともに接触検出部230が相対的に下降し、ギャップgが拡大する。これにより、接触検出部230と検知体214とのギャップgが予め設定されたしきい値分よりも大きくなると、それが接触検出部230によって検出される。
(圧力検出部)
圧力検出部240(図1、図3参照)は、保持部211の吸引圧力の変化に基づいて、保持部211の接触対象からの離脱を検出する。圧力検出部240は、配管211cに接続され、配管211c内の圧力変動に応じてダイヤフラムが変形し、これに設けられた検出素子の電気抵抗の変化を、電気信号に変換して出力する吸引圧力センサである。
(位置検出部)
位置検出部250(図1参照)は、保持部211の高さ位置を検出する。位置検出部250は、駆動機構220に設けられ、駆動源225によるねじ軸224の回転量をカウントするエンコーダである。したがって、ねじ軸224の回転によって移動する駆動体223の移動量をカウントする。つまり、駆動体223と一体で移動するブラケット226、ホルダ227を介して、ホルダ227に係止されるピックアップツール210の移動量をカウントする。これにより、位置検出部250は、所定の基準となる原点からの移動量に基づいて、ピックアップツール210の保持部211の高さ位置を検出する。
ところで、ピックアップツール210は、ホルダ227に対して相対移動できるように付勢部材228に付勢されて係止されている。ピックアップツール210の保持部211が移動して、接触対象に接触してピックアップツール210の移動が停止させられると、ホルダ227だけがピックアップツール210に対して相対移動する。このため、保持部211は停止しているが、継続して移動するホルダ227の高さ位置が、位置検出部250によって検出される。接触検出部230によって、保持部211が接触対象に接触したと認識されるまで、位置検出部250によるホルダ227の高さ位置は検出される。このように、位置検出部250の検出する保持部211の高さ位置とは、保持部211が接触対象に接触した後のホルダ227が停止するまでの間に検出される高さ位置も含む。
(突き上げ位置検出部)
突き上げ位置検出部260(図1参照)は、後述する突き上げ機構24が電子部品2を突き上げることにより移動させた突き上げ高さ位置を検出する。突き上げ位置検出部260は、突き上げ機構24の駆動機構に設けられ、駆動機構による突き上げピン24aの移動量をカウントするエンコーダである。また、突き上げ位置検出部260は、所定の基準となる原点からの移動量に基づいて、突き上げピン24aの高さ位置を検出する。
[移動機構]
移動機構22は、図1及び図2に示すように、供給位置P1と受け渡し位置P2との間で保持部211を有するピックアップユニット200を往復移動させ、また、供給位置P1及び受け渡し位置P2で昇降させる機構である。なお、受け渡し位置P2とは、ピックアップ装置20が、供給位置P1でピックアップした電子部品2を後述する受取部として機能するボンディングヘッド31に受け渡す位置である。供給位置P1及び受け渡し位置P2は、主にXY方向の位置を意味し、必ずしもZ軸方向の位置を意味するものではない。
移動機構22は、上記のピックアップユニット200の駆動機構220を含み構成され、駆動機構220を移動させることにより、ピックアップユニット200に設けられた保持部211を左右方向に移動させる。駆動機構220は、保持部211を上下方向に移動させる昇降機構として機能する。つまり、図1に示すように、駆動機構220のブラケット226は、移動ブロック226a、アーム226bを有する。移動ブロック226aは、駆動体223に固着されている。アーム226bの一端は移動ブロック226aに取り付けられ、アーム226bの他端は、筒状体のホルダ227に取り付けられている。このため、駆動源225によって駆動体223がリニアガイド222に沿って上下方向に駆動されるとともに、ホルダ227が上下動するので、保持部211が上下動する。
また、移動機構22は、スライド機構22aを備える。スライド機構22aは、駆動機構220を移動させることにより、保持部211を供給位置P1と受け渡し位置P2との間で往復移動させる。ここでは、スライド機構22aは、X軸方向と平行に延び、支持フレーム22bに固定されたレール22cと、レール22c上を走行するスライダ22dとを有する。スライダ22dは、図示はしないが、回転モータにより駆動されるボールねじ、リニアモータ等により駆動される。このスライダ22dに、駆動機構220が取り付けられている。
[反転機構]
反転機構23は、アーム226bに接続され、保持部211の向きを変更する機構である。反転機構23は、モータ等の駆動源、ボールベアリング等の回転ガイドを含んでなるアクチュエータである。保持部211の向きとは、ピックアップユニット200の係止体213側から、吸引孔211aへと向かう向きとする。向きを変更するとは、上下方向に0°~180°回転させることである。例えば、吸引孔211aを供給ステージ12へと向けた保持部211が供給位置P1で電子部品2を吸着保持する。その後、反転機構23は、吸着面が上に向くように保持部211の向きを変更する。この時、回転角度は180°である。
[突き上げ機構]
突き上げ機構24は、供給装置10のシート11の下方に設けられている。突き上げ機構24は、突き上げピン24a、バックアップ体24b及び図示しない突き上げピン24aの駆動機構を有する。突き上げピン24aは、先端の尖った針状の部材である(図6参照)。バックアップ体24bは、突き上げピン24aが、長さ方向がZ軸方向に平行になるように設けられている。駆動機構は、バックアップ体24bに設けられ、突き上げピン24aをその内部から進出またはその内部へと退避させる。この進出または退避は、上下方向に行われる。この駆動機構は、例えば、上下方向のレールにガイドされて移動するスライダと、スライダを駆動するエアシリンダやカム機構を含む。
[搭載装置]
搭載装置30は、ピックアップ装置20から受け取った電子部品2を実装位置P3まで搬送し、基板Mに搭載する装置である。実装位置P3とは、電子部品2を基板Mに実装する位置である。搭載装置30は、ボンディングヘッド31、ヘッド移動機構32を有する。
ボンディングヘッド31は、受け渡し位置P2で保持部211から電子部品2を受け取る受取部としての機能を有し、また当該電子部品2を実装位置P3で基板Mに実装する装置である。ボンディングヘッド31は、電子部品2を保持し、また実装後は保持状態を解除して電子部品2を解放する。ボンディングヘッド31も、ピックアップユニット200と同様に、接触位置設定装置Sの機構部分を構成する。接触位置設定装置Sは、ボンディングヘッド31の接触対象との接触基準高さ位置を設定する。
具体的には、ボンディングヘッド31は、ノズル31aを備える。ノズル31aは、電子部品2を保持し、また保持状態を解除して電子部品2を解放する。ノズル31aは、ノズル孔を備える。ノズル孔は、ノズル31aの先端の吸着面に開口する。ノズル孔は真空ポンプ等を含む負圧発生回路(図示せず)と連通しており、当該回路が負圧を発生させることによって、ノズル31aの吸着面に電子部品2を吸引して保持する。また、負圧を解除することで吸着面から電子部品2の保持状態を解除する。
なお、前述のように、本実施形態のボンディングヘッド31は、ピックアップユニット200のピックアップツール210と同様の構成を有している。つまり、ノズル31aは、ピックアップツール210における保持部211に相当し、図示は省略するが、昇降ロッド212、係止体213、検知体214と同様の昇降ロッド、係止体、検知体を有する。また、駆動機構220に相当する構成として、後述するヘッド移動機構32の昇降機構322が設けられている。位置検出部250は、保持部211同様に、ノズル31aの高さ位置を検出する。
ヘッド移動機構32は、ボンディングヘッド31を、受け渡し位置P2と実装位置P3との間で往復移動させ、また、受け渡し位置P2及び実装位置P3で昇降させる機構である。具体的には、ヘッド移動機構32は、スライド機構321、昇降機構322を備える。
スライド機構321は、ボンディングヘッド31を受け渡し位置P2と実装位置P3との間で往復移動させる。ここでは、スライド機構321は、X軸方向と平行に延び、支持フレーム321aに固定された2本のレール321bと、レール321b上を走行するスライダ321cとを有する。スライダ321cは、図示はしないが、回転モータにより駆動されるボールねじ、リニアモータ等により駆動される。
なお、図示はしないが、スライド機構321は、ボンディングヘッド31をY軸方向にスライド移動させるスライド機構を有している。このスライド機構も、Y軸方向のレールとレールを走行するスライダによって構成できる。スライダは、回転モータにより駆動されるボールねじ、リニアモータ等により駆動される。
昇降機構322は、ノズル31aを接触対象に接離する方向(上下方向)に移動させる機構である。昇降機構322は、図示はしないが、ピックアップユニット200の駆動機構220と同様の構成を有している。つまり、昇降機構322は、駆動機構220における架台221、リニアガイド222、駆動体223、ねじ軸224、駆動源225、ブラケット226、ホルダ227、付勢部材228と同様に、架台、リニアガイド、駆動体、ねじ軸、駆動源、ブラケット、ホルダ、付勢部材を有する。これにより、ノズル31aは、駆動源により回転するねじ軸によって、昇降させることができる。なお、昇降機構322には、ノズル31aを反転させるためのアームや反転機構は設けられておらず、ノズル31aは、ねじ軸にブラケット、ホルダを介して取り付けられている。また、搭載装置30は、接触検出部230、圧力検出部240、位置検出部250と同様の接触検出部、圧力検出部、位置検出部を有する。以上の搭載装置30の構成により、後述の変形例で示すように、搭載装置30を接触位置設定装置Sとして機能させることができる。
さらに、搭載装置30は、図示しない撮像装置、画像処理装置、位置認識装置を有する。この撮像装置によって、ボンディングヘッド31に保持された電子部品2と基板ステージ50に支持された基板Mを撮像し、画像処理装置が処理した画像に基づいて、位置認識装置が両者の位置関係を認識する。この位置関係に基づいて、搭載装置30は電子部品2を基板Mに実装する。撮像装置としては、電子部品2と基板Mとの間に挿入され、両者を同時に撮像可能な上下二視野カメラであっても、両者を個別に撮像するカメラであってもよい。
[中継装置]
中継装置40は、ピックアップ装置20から搭載装置30へと電子部品2を受け渡すまでの間に、電子部品2を載置する装置である。本実施形態の実装装置1は、ピックアップした電子部品2を移送途中で反転機構23を用いて反転させて基板Mに搬送(実装)する機能と、ピックアップした電子部品2を中継装置40を用いてそのままの姿勢で基板Mに搬送(実装)する機能とを選択的に実行できる。つまり、実装装置1は、フェイスアップボンディングとフェイスダウンボンディングを兼用可能な装置である。
中継装置40は、保持部211が電子部品2を載置し、またボンディングヘッド31が当該電子部品2を受け取るための中継台41を備える。つまり、中継台41は、受け渡し位置P2で保持部211から電子部品2を受け取る受取部としての機能を有するステージである。中継台41は、電子部品2を保持し、また保持状態を解除して電子部品2を手放すために、ノズル孔を備える(不図示)。ノズル孔は、中継台41の載置面に開口する。ノズル孔は、真空ポンプ等を含む負圧発生回路(図示せず)と連通しており、当該回路が負圧を発生させることによって、電子部品2を吸着保持する。また、負圧を解除することで中継台41から電子部品2の保持状態を解除する。なお、中継台41は、移動用のステージを備え、ピックアップ装置20がピックアップした電子部品2を反転させてボンディングヘッド31に受け渡す場合に、干渉しないように受け渡し位置P2から退避させる。ただし、電子部品2を反転させても干渉しない場合には、移動用のステージを設けず、中継台41は固定されていてもよい。
[基板ステージ]
基板ステージ50は、電子部品2を実装するための基板Mを支持する台である。基板ステージ50は、ステージ移動機構51に設けられている。ステージ移動機構51は、基板ステージ50をXY平面上でスライド移動させ、基板Mにおける電子部品2の実装予定位置を実装位置P3に位置付ける移動機構である。ステージ移動機構51は、例えば、サーボモータによって駆動されるボールねじ機構によって、レール上をスライダが移動するリニアガイドを用いることができる。
[制御装置]
制御装置60は、供給装置10、ピックアップ装置20、搭載装置30、中継装置40、基板ステージ50の起動、停止、速度、動作タイミング等を制御する。制御装置60は、実装装置1の各種の機能を実現するべく、プログラムを実行するプロセッサ、プログラムや動作条件などの各種情報を記憶するメモリ、各要素を駆動する駆動回路等を有する。制御装置60には、図1に示すように、オペレータが制御に必要な指示や情報を入力する入力装置70、装置の状態を確認するための表示装置80が接続されている。入力装置70は、スイッチ、タッチパネル、キーボード、マウスなどを用いることができる。表示装置80は、液晶、有機ELなどを用いることができる。
本実施形態の制御装置60は、機構制御部61、停止制御部62、離脱検出部63、基準位置設定部64、突き上げ基準位置設定部65、記憶部66を有する。機構制御部61は、供給装置10、ピックアップ装置20、搭載装置30、中継装置40、基板ステージ50の各部の機構を制御する。例えば、本実施形態では、後述する接触基準高さ位置の設定時には、停止制御部62、離脱検出部63が、機構制御部61を介してピックアップユニット200の駆動機構220の動作を制御する。また、後述する突き上げ基準高さ位置の設定時には、停止制御部62が、機構制御部61を介して、突き上げ機構24の動作を制御する。なお、突き上げ基準高さ位置の設定時にも、接触基準高さ位置の設定時と同様の動作により、後述する検出誤差を求めるために、停止制御部62、離脱検出部63が、機構制御部61を介して、駆動機構220の動作を制御する。
停止制御部62は、機構制御部61に、吸引力を付与された状態の保持部211を接触対象に接する方向に移動させ、接触検出部230により保持部211の接触対象に対する接触が検出されると、保持部211の移動を停止させる。また、停止制御部62は、機構制御部61に、突き上げ機構24の突き上げピン24aを突き上げ方向に移動させ、接触検出部230により保持部211の接触対象に対する接触が検出されると、突き上げピン24aの移動を停止させる。離脱検出部63は、機構制御部61に、停止制御部62に停止させられた保持部211を接触対象から離脱する方向に移動させ、この時の圧力検出部240により検出される吸引圧力の変化に基づいて、保持部211の接触対象からの離脱を検出する。すなわち、保持部211が接触対象から離れた時の吸引圧力の変化によって離脱を検出する。
基準位置設定部64は、離脱検出部63により離脱が検出された時に位置検出部250により検出された保持部211の高さ位置に基づいて、保持部211の接触対象に対する接触基準高さ位置を設定する。つまり、保持部211の接触対象からの離脱時の高さ位置を、保持部211と接触対象の接触する高さ位置として、接触基準高さ位置を設定する。
また、突き上げ基準位置設定部65は、突き上げ基準高さ位置を設定する。突き上げ基準高さ位置は、シート11から電子部品2をピックアップする時の突き上げピン24aの初期位置(待機位置)である。突き上げ基準高さ位置は、シート11の下面の高さ位置であり、バックアップ体24bの上面の高さ位置である。なお、突き上げ基準位置設定部65は、突き上げ基準高さ位置の設定のために、接触基準高さ位置と接触検出部230が接触を検出した高さ位置(検出位置)との誤差を算出し、接触基準高さ位置と誤差に基づいて、保持部211の退避位置の高さ位置を算出する。退避位置は、予め定めた退避量分、電子部品2の表面から高い位置である。突き上げ基準高さ位置の設定処理の詳細は、後述する。
記憶部66は、記録媒体である各種メモリ(HDD:Hard Disk DriveやSSD:Solid State Driveなど)、記録媒体と外部とのインターフェースを含む記憶装置である。記憶部66には、実装装置1の動作に必要なデータ、プログラムが記憶される。必要なデータは、例えば、各種のしきい値、接触基準高さ位置、突き上げ基準高さ位置などを含む。また、各装置が出力するデータも、記憶部66に適宜記憶される。以下の説明で、各装置において出力されるデータを取得することも、記憶部66に記憶することに相当する。
[動作]
以上のような実装装置1において、ピックアップ装置20により供給装置10から電子部品2をピックアップし、当該電子部品2を搭載装置30に受け渡す動作を、図1~図3に加えて、図4~図7を参照しつつ、以下に説明する。なお、以下の説明では、接触検出部230が電子部品2との接触を検出した状態をON、接触を検出していない状態をOFFとする。この接触の検出は、保持部211と駆動機構220のホルダ227との相対的な高さ位置の変位量に基づいて判定する。つまり、変位センサにより検出されるギャップgが所定のしきい値を超えたか否かにより判定する。例えば、後述のように、保持部211が電子部品2に接触した後、ギャップgは拡大する。ギャップgが、係止体213がホルダ227に接触しているときの検知体214との距離(初期距離)から所定の距離(所定のしきい値)拡大したかどうかにより判定する。つまり、所定の距離を超えていない場合、接触検出部230はOFFを出力し、所定の距離より長くなって、それを超えた場合に、接触検出部230はONを出力する。
また、圧力検出部240により検出される圧力が、保持部211の電子部品2に対する接触により所定のしきい値内となった状態をON、電子部品2からの離脱により所定のしきい値を超えた状態をOFFとする。例えば、配管211c内は吸引による負圧がかけられているが、保持部211が電子部品2に接触前には、吸引孔211aからの吸い込みによって、配管211c内の圧力はそれほど低くないものとなる。保持部211が電子部品2に接触した後では、吸引孔211aからの吸い込みが阻害されるので、配管211c内の圧力が低くなる。この圧力が所定の圧力範囲(所定のしきい値)の内、すなわち所定圧力より低い圧力となっている場合に圧力検出部240がONを出力し、圧力が所定の圧力範囲の外、すなわち所定圧力より高い圧力となっている場合に圧力検出部240がOFFを出力する。
[接触高さ位置の設定]
(接触基準高さ位置の設定)
まず、保持部211が接触対象である電子部品2に接触するために、移動する目標となる接触基準高さ位置の設定について、図4の説明図、図5のフローチャートを参照して説明する。すなわち、図4(A)に示すように、保持部211の吸引を開始して、駆動機構220がピックアップツール210を下降させることにより、保持部211を電子部品2に接触する方向へ移動させる(ステップS101)。このとき、保持部211はホルダ227に対して付勢部材228によって付勢されており、係止体213はホルダ227の上端に接触している。これによって、検知体214と接触検出部230のギャップgは初期の間隔となっている。
図4(B)に示すように、保持部211が電子部品2の表面に接触する(ステップS102)。このとき、接触検出部230は未だ接触を検出できない。つまり、ギャップgに変化が生じないため、接触検出部230はOFFのままである。また、保持部211の先端が電子部品2に対して接触するが、吸引孔211aは十分に塞がらず、隙間からのエアのリークがある状態である。このため、圧力検出部240により検出される配管211c内の圧力は徐々に低下を始めるが、圧力検出部240はOFFのままである。
図4(C)に示すように、電子部品2に接した保持部211がさらに下降して先端が潰れを開始する(ステップS103)。すると、接触している保持部211の先端でのエアのリークが徐々に無くなっていくので、圧力検出部240により検出される配管211c内の圧力が低下して行く。配管211c内の圧力がしきい値内となると、圧力検出部240がONとなる。一方、保持部211の潰れとともに付勢部材228が圧縮されることによりギャップgが広がる。しかし、保持部211の潰れのために、接触検出部230により検出される変位量はわずかとなり、しきい値を超えないため、接触検出部230はOFFのままである。
図4(D)に示すように、さらに保持部211が下降して、保持部211の先端が潰れ切って、付勢部材228がさらに圧縮される(ステップS104)。これにより、ギャップgがさらに広がるので、接触検出部230により検出される変位量がしきい値を超え、接触検出部230がОNとなる。この時、接触検出部230は保持部211が電子部品2に接触したと認識(検出)する。このような接触検出部230による接触の検出により、停止制御部62が、駆動機構220に保持部211を停止させる(ステップS105)。
なお、接触検出部230と圧力検出部240のいずれが先にONとなるかは、保持部211の先端の状態、弾性率、吸引圧力、下降速度、付勢部材228の弾性率、各しきい値等によって異なる。本実施形態では、圧力検出部240が先にONとなるように設定されている。なお、接触検出部230、圧力検出部240の信号の揺れやノイズが存在するため、しきい値を厳密に設定すると誤検出のおそれがあるので、ある程度の余裕を持たせた設定とすることが好ましい。
次に、図4(E)に示すように、離脱検出部63が、駆動機構220によって保持部211を電子部品2から離脱させる方向へ移動させる(ステップS106)。すると、付勢部材228の縮みが延びて、ギャップgがしきい値内となり、接触検出部230がOFFとなる。但し、このとき保持部211の潰れは残った状態であり、保持部211の先端の吸引孔211aが塞がれているので、圧力検出部240による配管211c内の圧力はしきい値内であり、圧力検出部240はONのままである。
図4(F)に示すように、さらに保持部211が上昇して、保持部211の潰れが延び切る(ステップS107)。このとき、保持部211の先端の吸引孔211aはまだ塞がれた状態であるため、圧力検出部240による配管211c内の圧力はしきい値内であり、圧力検出部240はONのままである。
図4(G)に示すように、さらに保持部211が上昇して、保持部211が電子部品2から離脱する(ステップS108)。すると、その瞬間に保持部211の先端の吸引孔211aが開放され、この時の圧力検出部240により検出される配管211c内の圧力が急激に上昇してしきい値を超えるので、圧力検出部240がОFFとなる。図4(G)では、分かり易くするために、保持部211の先端と電子部品2との間に隙間が生じているが、実際に圧力検出部240がОFFとなるのは、保持部211の先端と電子部品2が離脱する瞬間であるため、保持部211の先端と電子部品2が接触する瞬間の高さ位置とほぼ同じである。
基準位置設定部64は、圧力検出部240がОFFとなった時点で位置検出部250によって検出される保持部211の高さ位置を、接触基準高さ位置として設定する(ステップS109)。
(突き上げ基準高さ位置の設定)
次に、突き上げ基準高さ位置の設定について、図6の説明図、図7のフローチャートを参照して説明する。なお、図6において、Bは突き上げ基準高さ位置である。このBは、バックアップ体24bの上面である。Lrは、上記のように基準位置設定部64により設定された保持部211の接触基準高さ位置である。Loは、突き上げピン24aの上昇高さとして検出される検出位置である。Leは、接触基準高さ位置Lrから予め設定された距離である退避量dだけ離隔した保持部211の退避位置である。つまり、退避位置Leは、接触基準高さ位置Lrから、所定の退避量dにより決まる保持部211の高さ位置である。
後述するように、電子部品2をピックアップする際、保持部211と突き上げピン24aにより電子部品2を挟持して、保持部211と突き上げピン24aとが同期して移動し、電子部品2をシート11から引き剥がす。したがって、突き上げピン24aの先端を所定の基準高さ位置に待機させておく必要がある。この待機する高さ位置が突き上げ基準高さ位置Bであり、上記のようにバックアップ体24bの上面である。
突き上げピン24aの高さ位置は、突き上げピン24aを、電子部品2を介して保持部211に押し当て、その押し当てたことによる接触を接触検出部230によって検出し、その接触が検出された時の高さ位置が突き上げ位置検出部260によって取得される。
したがって、突き上げ基準高さ位置Bは、供給位置P1で予め設定した高さ位置に位置付けた保持部211に、機構制御部61を介して制御された突き上げ機構24の突き上げピン24aにより、電子部品2を突き上げて接触させ、この接触が検出された時の突き上げピン24aの高さ位置に基づいて設定される。つまり、突き上げ基準位置設定部65は、突き上げ機構24により移動する電子部品2が、保持部211に接触したことを接触検出部230が検出した時に、突き上げ位置検出部260により検出された突き上げ高さ位置に基づいて、突き上げ機構24による突き上げ基準高さ位置Bを設定する。
なお、接触検出部230での保持部211が接触したことの検出には、保持部211が接触対象に実際に接触してから、接触検出部230が接触を検出するまでに遅れが発生する。この遅れは、後述するように、実際に接触してから、保持部211が潰れたり、検出のためのしきい値を超えるまでの時間であり、その間にホルダ227が移動する。この移動量は、実際に保持部211が接触対象に接触した高さ位置に対する検出誤差となる。したがって、上記接触検出部230の検出に基づいて取得した突き上げピン24aの高さ位置にも、この検出誤差が含まれることになる。
そこで、より正確に突き上げ基準高さ位置を設定するために、接触検出部230の検出に基づいて取得した突き上げピン24aの高さ位置に対して、検出誤差を加味して突き上げ基準高さ位置を設定することが好ましい。つまり、突き上げ基準位置設定部65は、突き上げ位置検出部260が検出した突き上げ高さ位置と、接触検出部230が検出した保持部211が電子部品2に接触した高さ位置と、離脱検出部63が保持部211の電子部品2からの離脱を検出した時の保持部211の高さ位置との差分とに基づいて、突き上げ基準高さ位置を設定する。
まず、上記の接触基準高さ位置を得る動作と同様の動作(図4参照)によって、保持部211が電子部品2に接触した高さ位置(接触基準高さ位置)と、この接触基準高さ位置と接触検出部230が接触を検出した高さ位置(検出位置)との誤差Eを求める(ステップS201)。すなわち、保持部211を供給位置P1に位置付けられた電子部品2に向けて下降させて、接触検出部230がONとなり、下降が停止した保持部211の高さ位置を取得する。この時、保持部211が電子部品2に接触してから接触検出部230がONとなるまでには、検出の誤差Eとなる保持部211の潰れる高さやしきい値を超えるまでのホルダ227の下降量が含まれる。
次に、離脱検出部63が、保持部211を上昇させて、保持部211が電子部品2から離脱した時の高さ位置を取得する。この保持部211が離脱した時の高さ位置は、保持部211が接触対象である電子部品2から離れた瞬間の高さ位置であるので、保持部211が接触対象に接触した瞬間の高さ位置でもある。つまり、この保持部211が離脱した時の高さ位置が、保持部211が電子部品2に接触したときの高さ位置である。基準位置設定部64は、この保持部211が離脱した時の高さ位置を接触基準高さ位置Lrとして設定する。
そして、突き上げ基準位置設定部65は、保持部211が離脱した時の高さ位置から、接触が検出された時の高さ位置を減算することにより、接触検出の誤差E(接触誤差)を算出する。
ところで、上記の接触基準高さ位置の設定動作においても、ステップS105で接触検出部230がONとなった時の保持部211の高さ位置と、ステップS109で圧力検出部240がОFFとなった時の保持部211の高さ位置との差分が、上記の接触検出の誤差Eとなる。このため、この誤差Eを、突き上げ基準高さ位置Bの設定において用いる誤差Eとしてもよい。この場合、予めステップS105において、下降が停止した時の保持部211の高さ位置を取得しておけば、あらためて誤差の算出のためのステップS201の動作を行う必要はない。別の観点から言えば、突き上げ基準高さ位置Bの設定において用いる誤差Eを求める処理の中で、保持部211が離脱した時の高さ位置を取得している。このように取得した保持部211が離脱した時の高さ位置を、接触基準高さ位置として設定するようにすれば、単独で接触基準高さ位置の設定のためのステップS109の動作を行う必要はない。
このようにして、接触基準高さ位置Lrと、誤差Eを取得する。そして、突き上げ基準位置設定部65が、予め定めた退避量dの分、電子部品2の表面から高い位置である退避位置Leの高さ位置を算出する。
次に、図6(A)に示すように、保持部211を退避位置Leに移動させる(ステップS202)。突き上げ基準高さ位置Bの設定において、保持部211を接触基準高さ位置Lrに移動させるのではなく、接触基準高さ位置Lrから離隔した退避位置Leに移動させるのは、以下の理由による。すなわち、保持部211を接触基準高さ位置Lrに移動させた場合、変位センサである接触検出部230が、電子部品2との接触によりONとなってしまう可能性がある。しかし、保持部211を電子部品2から離隔した高さ位置に退避させておけば、接触検出部230をOFFの状態で待機させることができ、電子部品2が突き上げられた時に、接触検出部230がOFFからONに切り替わるので、この時点を確実に検出できることになる。
そして、突き上げ機構24の突き上げピン24aに、原点位置からの上昇移動を開始させる(ステップS203)。すると、図6(B)に示すように、突き上げピン24aによって、シート11を介して突き上げられた電子部品2が上昇して、保持部211に接触する(ステップS204)。このように接触した時点では、上記のように、ギャップgにまだ変化が生じないため、接触検出部230はOFFのままである。
さらに、図6(C)に示すように、突き上げピン24aが上昇すると、保持部211が潰れるとともに、付勢部材228が圧縮されることによりギャップgが広がり、接触検出部230が検出する変位量がしきい値を超えた時に、接触検出部230がОNとなる(ステップS205)。接触検出部230がОNとなった時、つまり接触検出部230でチップの接触を検出したら、停止制御部62が、突き上げ機構24に突き上げピン24aの上昇を停止させる(ステップS206)。このように停止した突き上げピン24aの原点位置からの高さ位置を、突き上げ位置検出部260が、突き上げ高さ位置として、突き上げ機構24の駆動機構より取得する。このときの突き上げピン24aの高さ位置が検出位置Loである。つまり、検出位置Loは、突き上げ機構24の駆動機構によって取得する。なお、この突き上げピン24aの停止した高さ位置とは、突き上げピン24aの上昇を開始する原点位置からの距離であり、移動量でもある。
突き上げ基準位置設定部65は、検出位置Loと退避位置Le(実際に接触した位置)との差(誤差E)も加味して、突き上げ基準高さ位置Bを算出して設定する(ステップS207)。保持部211は、電子部品2の高さである接触基準高さ位置Lrから、退避量dだけ高い退避位置Leに位置付けられている。このため、ステップS204における接触高さ位置は、接触基準高さ位置Lrから突き上げピン24aによって突き上げられた電子部品2が、退避位置Leの保持部211に接触した時の高さとなる。つまり、退避位置Leが実際に接触した高さ位置となる。誤差Eは、接触検出部230により接触が検出されたときの突き上げピン24aの高さ位置と、突き上げピン24aで突き上げられた電子部品2が保持部211に接触した高さ位置との差分であるので、検出位置Loと退避位置Leとの差分となる。これは、図6に示したLоとLeとの距離(Lо-Le)と等しい。つまり、誤差E=距離(Lо-Le)となる。
したがって、検出位置Loから誤差Eを差し引いた高さ位置が退避位置Leとなる。この退避位置Leから退避量dを差し引いた高さ位置が接触基準高さ位置Lr、すなわち電子部品2の表面の高さ位置となる。この接触基準高さ位置Lrから電子部品2の厚さt1とシート11の厚さt2とを差し引いた高さ位置がバックアップ体24bの上面の高さ位置となり、突き上げ基準高さ位置Bとなる。
換言すると、検出位置Lоから、誤差E及び退避量dを引いた高さが、接触基準高さ位置Lr(電子部品2の表面高さ)である。この接触基準高さ位置Lrの高さから、さらに電子部品2の厚さt2とシート11の厚さt2の分だけ下がった高さ位置が、突き上げ基準高さ位置Bとなる。つまり、突き上げ基準高さ位置Bは、以下の式で求めることができる。
突き上げ基準高さ位置B=Lo-E-d-t1-t2
なお、突き上げピン24aがシート11に食い込む量なども誤差Eに含めておいてもよい。このようにして求めた突き上げ基準高さ位置Bを、突き上げ基準位置設定部65は、シート11から電子部品2をピックアップする時の突き上げピン24aの初期位置(待機位置)として設定する。
[電子部品の実装動作]
次に、以上のように接触基準高さ位置Lr及び突き上げ基準高さ位置Bが設定された実装装置1において、電子部品2を基板Mに実装する手順を説明する。ここでは、フェイスダウン状態で電子部品2を基板Mに実装する手順を説明する。
まず、ピックアップ装置20によって、保持部211を突き上げピン24aが位置する供給位置P1に移動させ、保持部211の先端と突き上げピン24aを対向させる。一方、供給装置10は、供給ステージ12を移動させ、供給位置P1にピックアップ対象の電子部品2を位置させる。この後、保持部211が、ピックアップツール210のホルダ227とともに降下して、電子部品2に接近して行く。このとき、突き上げピン24aは原点位置から上昇して突き上げ基準高さ位置Bで待機させておく。
保持部211が接触基準高さ位置Lrまで下降して停止する。このとき、保持部211は電子部品2に接触している。この保持部211が停止した状態で、吸引孔211aからの吸引を開始する。この吸引によって、電子部品2は保持部211に保持される。この状態で、突き上げピン24aが上昇するとともに、これと同期して保持部211が上昇して、あらかじめ設定された所定量上昇すると停止する。そして、さらに上昇する保持部211によって吸引された電子部品2が、シート11から引き剥がされることにより、ピックアップされる。
ピックアップ装置20は、反転機構23によって、保持部211を反転させる。ピックアップ装置20は、移動機構22によって、受け渡し位置P2にピックアップした電子部品2を移動させる。受け渡し位置P2では、搭載装置30のボンディングヘッド31が待機しており、反転した保持部211に保持された電子部品2と対向する。
受け渡し位置P2に位置した保持部211に向けてボンディングヘッド31を下降させ、ボンディングヘッド31で電子部品2を保持した後、保持部211が負圧を解除することにより、ボンディングヘッド31へと電子部品2を受け渡す。この後、ボンディングヘッド31は、保持部211から離間するように上昇、実装位置P3へと移動し、電子部品2を基板Mに実装する。
[効果]
(1)本実施形態の接触位置設定装置Sは、電子部品2を吸引保持する保持部211と、保持部211を、接触対象に接離する方向に移動させる駆動機構220と、吸引力が付与された保持部211の接触対象に対する接触を検出する接触検出部230と、保持部211の吸引圧力を検出する圧力検出部240と、保持部211の高さ位置を検出する位置検出部250と、吸引力が付与された保持部211を接触対象に接触する方向に移動させ、接触検出部230により接触が検出されると、保持部211の移動を停止させる停止制御部62と、接触が検出されて停止制御部62により停止させられた保持部211を接触対象から離脱する方向に移動させ、この時の圧力検出部240により検出される吸引圧力の変化に基づいて、保持部211の接触対象からの離脱を検出する離脱検出部63と、離脱検出部63により離脱が検出された時に位置検出部250により検出された保持部211の高さ位置に基づいて、保持部211が接触対象に対する接触基準高さ位置を設定する基準位置設定部64と、を有する。
また、本実施形態の接触位置設定方法は、吸引力が付与された保持部211を、駆動機構220が接触対象に接触する方向に移動させ、保持部211の電子部品2への接触を接触検出部230が検出した時に、駆動機構220が保持部211を停止させる。駆動機構220が停止させた保持部211を接触対象から離脱する方向に移動させ、圧力検出部240が保持部211の吸引圧力の変化に基づいて、保持部211の接触対象からの離脱を検出する。位置検出部250が、圧力検出部240により離脱が検出された時の保持部211の高さ位置を検出し、基準位置設定部64が、位置検出部250により検出された保持部211の高さ位置に基づいて、保持部211の接触対象に対する接触基準高さ位置を設定する。
保持部211が電子部品2に接触するための下降量(移動量)が不足すると、保持部211は、電子部品2に接触できないために、電子部品2を保持することができず、ピックアップミスとなることがある。また、下降量(移動量)が大き過ぎると、保持部が電子部品2に過剰に押し付けられ、電子部品2にダメージを与え、割れや欠けを生じることがある。ピックアップミスには、電子部品2を保持できないこと以外にも、保持した電子部品2の姿勢が傾斜したり保持中心から大きくずれたりすることも含まれる。数mm角程度の小さい電子部品2では、このような保持での姿勢不良も発生しやすい。
下降量は、保持部211がその下降の基準となる高さ位置(原点高さ位置)から電子部品2に接触するまでの移動量であり、下降量が不足するとは、保持部211が電子部品2に接して保持するため下降したときの高さ位置が高く、電子部品2に接しない状態になってしまうことを意味する。また、下降量が過大となるとは、保持部211が電子部品2に接して保持するため下降したときの高さ位置が低く、電子部品2を過剰に押し付けた状態になってしまうことを意味する。したがって、保持部211が電子部品2に接する高さ位置がずれると、ピックアップミスや電子部品2へのダメージなどにつながる。したがって、保持部211の移動量を決める移動位置は、最適値に正確に設定する必要がある。
ところで、保持部211の移動位置を決める基準となる位置(高さ位置)は、実際の高さ位置をセンサによって検出する。この検出は、検出値が予め定めた所定のしきい値を超えることで行われる。このため、検出値がしきい値を超えるまでの間の時間によって、実際の高さ位置と検出された高さ位置とにずれが生じる。
本実施形態の接触位置設定装置S、接触位置設定方法によれば、保持部211の移動位置を最適値に正確に設定できる。つまり、保持部211の接触対象からの「離脱」によって基板Mの表面の高さ位置を正確に認識できるので、保持部211が接触対象に接触するための接触基準高さ位置を、実際の接触高さ位置とのずれを抑えて設定でき、接触対象のピックアップミス、ダメージや姿勢不良を低減できる。
また、本実施形態において、保持部211は、駆動機構220に対して相対移動可能に設けられる。これにより、保持部211は、保持部211の接触対象への接触時の衝撃を吸収するように変位することができる。
接触検出部230は、相対移動可能に設けられた保持部211と駆動機構220のホルダ227との相対的な高さ位置の変位量に基づいて、保持部211の接触対象に対する接触を検出する。具体的には、保持部211が接触対象に実際に接触してから、予め定めた相対的な高さ位置の変位量(しきい値)となると、接触検出部230が接触を検出する。このため、当該変位量がしきい値を超えるまでの間の時間が生じる。この時間は、保持部211が接触対象に実際に接触してから接触検出部230が接触を検出するまでの遅れとなる。この遅れによって、実際の高さ位置と検出された高さ位置とにずれ(誤差)が生じる。
このように、保持部211が接触対象に実際に接触してから、接触検出部230が接触を検出するまでに遅れがある結果、実際に接触した高さ位置と接触を検出した高さ位置との間に誤差が生じる場合であっても、保持部211が接触対象から離脱する時の圧力変化によって取得した高さ位置に基づいて、実際の接触高さ位置との誤差が少ない接触基準高さ位置を設定できる。つまり、保持部211が接触対象から離脱する時の高さ位置と、接触検出部230が接触を検出した時の高さ位置との差分が誤差であり、この誤差の高さ分を、必要な高さ位置に反映することができる。これによって、実際の接触高さ位置との誤差が少ない接触基準高さ位置も設定することができる。なお、この接触検出部230が接触を検出するまでの遅れに、保持部211の弾性変形に起因するものも含まれるとさらに誤差が増大するが、このような場合であっても、本実施形態は、正確な保持部211が接触対象に接触する位置(高さ位置)に、接触基準高さ位置の設定をすることができる。
このため、保持部211が接触対象に接触するための移動の基準位置(到達すべき目標位置。この場合、保持部211が接触対象に接触する高さ位置)を、実際の接触高さ位置とのずれを低減して設定でき、接触対象にダメージを与えずに、保持部211を接触させることができる。
ところで、上記のような接触検出の遅れ、特に、相対変位を検出することで生じる遅れを解消するために、吸引する圧力(負圧)が付与された保持部211を接触対象に接触させ、変位センサ等の変位の変化によらずに、保持部211が接触対象に接触することで吸引孔211aが閉塞され、それによって吸引する圧力が変化する。この変化によって、接触を検出することが考えられる。しかし、この場合でも、吸引経路に残留した気体を吸引する時間かかるとともに、吸引圧力や流量の変化は緩慢なものとなるため変化を捉え難く、応答遅れが大きくなってしまう。特に、保持部211と接触対象との接触部分で吸引のリークがある場合には、より変化が捉えがたい。保持部211がラバーの場合でもラバー表面は凹凸が存在し、接触初期にはリークが起きる。発明者は、保持部211の接触対象への接触を、接触対象への接触時に検出するという通常の手法ではなく、接触対象からの離脱時に、吸引圧力が解放され、急激な圧力変化、流量変化が生じることに着目した。つまり、この変化は顕著であるために検出し易く、またしきい値に対する変化時間が短いため、検出遅れも小さい。このように、本実施形態は、保持部211の接触対象への接触する時の吸引圧力の変化を用いているのではなく、保持部211の接触対象からの離脱する時の吸引圧力の変化(圧力上昇であっても吸引流量の増大であってもよい)によって接触を検出している。つまり、保持部211の接触対象への接触時ではなく、離脱時の圧力変化を用いることで、検出遅れを低減できる。
(2)また、本実施形態の接触位置設定装置Sは、電子部品2を、保持部211に向かって移動させる突き上げ機構24と、突き上げ機構24が電子部品2を突き上げることにより移動させた突き上げ高さ位置を検出する突き上げ位置検出部260と、突き上げ機構24により移動する電子部品2が、保持部211に接触したことを接触検出部230が検出した時に、突き上げ位置検出部260により検出された突き上げ高さ位置に基づいて、突き上げ機構24による突き上げ基準高さ位置を設定する突き上げ基準位置設定部65と、を有する。
そして、突き上げ基準位置設定部65は、突き上げ位置検出部260が検出した突き上げ高さ位置と、接触検出部230が検出した保持部211が電子部品2に接触した高さ位置と、離脱検出部63が保持部211の接触対象からの離脱を検出した時の保持部211の高さ位置との差分と、に基づいて、突き上げ機構24による突き上げ基準高さ位置を設定する。
このため、突き上げ機構24により突き上げられた電子部品2を、ダメージを与えずにピックアップすることが可能になる。また、電子部品2の保持ミスや落下、実装位置の不良などの発生を抑制できる。保持部211が電子部品2をピックアップする高さ位置と突き上げ基準高さ位置が正確でない場合、保持部211の停止位置と電子部品2に対する接触高さ位置とのずれが大きくなり、電子部品2にダメージが入る可能性がある。例えば、突き上げピン24aの突き上げ高さが過大となる場合、電子部品2の姿勢変化によるクラックや、シート11の形状変化により、周囲の電子部品2同士が干渉してチッピングが発生する。また、ピックアップ時の電子部品2の姿勢不良による保持ミス、落下、実装時の位置ずれにつながる。
本実施形態の接触位置設定装置S、接触位置設定方法によれば、保持部211の移動位置を最適値に正確に設定できる。保持部211が接触対象に接触するための接触基準高さ位置を、実際の接触高さ位置とのずれを抑えて設定できる。このため、突き上げ基準高さ位置も、誤差を抑制した設定とすることができる。
ここで、従来の突き上げ基準高さ位置となる高さの設定手順を説明する。
[1]電子部品の上方に所定の退避量だけ高い位置に、ピックアップコレット(保持部)を位置付ける。
[2]バックアップ体の上面(ウェーハシートの下面)より下の突き上げピンの原点位置から突き上げピンを上昇させる。
[3]突き上げピンがウェーハシートを介して電子部品を上昇させる。
[4]電子部品の上方に位置させたピックアップコレットに電子部品が接触する。
[5]さらに電子部品を押し上げることで、変位センサがONとなった時(接触を検出した時)に、突き上げピンの上昇を停止させ、その時の突き上げピンの原点からの高さ位置(移動量)を測定する。
[6][5]で測定した高さ位置から、退避量を差し引いた位置をバックアップ体の上面として、突き上げ基準高さ位置に設定する。
このように、従来も、変位センサによるピックアップコレットの接触検出を利用して突き上げ基準高さ位置を設定していた。しかし、この検出値には、ピックアップコレットが電子部品に接触してから、変位センサがONするまでの間の突き上げピンの移動分が誤差として含まれている。ピックアップコレットがラバーの場合、コレットの潰れ分も含まれるので、より大きな誤差となる。
この状態は、突き上げピンにより突き上げられた電子部品がピックアップコレットに接触したと認識した高さ位置が、実際より上となっている。よって、ピックアップ時に、突き上げピンを、その先端がバックアップ体の上面に位置しているとして待機させていた高さ位置が、実際には突き上げピンがバックアップ体の上面より飛び出した状態となる。これでは、突き上げピンにウェーハシートが引っかかり、電子部品のピックアップ位置への移動ができないことになる。また、突き上げピンが破損してしまう場合もある。さらに、ウェーハシートが、皴が寄ったり、切り裂かれたりして、ピックアップできない場合も生じる。
また、ピックアップ時、突き上げピンは、電子部品をピックアップコレットと挟持しながら、電子部品がウェーハシートから十分剥離するまで上昇させる。この時、突き上げピンとピックアップコレットは、同期して上昇し、同期ずれはバネの変位で吸収している。突き上げピンの待機位置からの上昇量、つまり突き上げ高さ量は、バックアップ体の上面よりも高い底上げ状態となる。一方、ピックアップ側では、実際のピックアップコレットの先端は、変位センサの応答誤差分、下方に位置している。このため、電子部品を挟持する間隔は、想定より狭くなり、過剰な力が電子部品にかかって、ダメージを与えるおそれが大きい。なお、待機位置を設けないと、突き上げ移動時間が長くなり、ピックアップ動作に時間がかかることになるので、生産性が低下する。
本実施形態では、事前に接触検出部230での接触検出の遅れに相当する高さ位置(誤差分)を把握しておき、上記[6]での突き上げ基準高さ位置の算出において、この誤差分も差し引いて突き上げ基準高さ位置を設定するので、上記のような問題が回避される。
(3)前記保持部211は、弾性変形可能な材質により形成されている。このため、保持部211の弾性変形に起因する接触検出部230での検出遅れが生じる。しかし、このような弾性変形があっても、正確に接触基準高さ位置を設定できる。
[変形例]
本発明は、上記の実施形態には限定されない。上記の実施形態と基本的な構成は同様として、以下のような変形例も適用可能である。
(1)上記の態様では、接触位置設定装置Sはピックアップ装置20に構成され、接触基準高さ位置は、シート11に支持され、供給位置P1に位置付けられた電子部品2の表面の高さ位置であった。但し、以下に説明する態様のように、接触位置設定装置Sは、ピックアップ装置20、搭載装置30及び中継装置40のいずれか又は全てにおいて、接触高さ位置を設定することができる。これらの場合には、接触基準高さ位置は、基板ステージ50に支持され、実装位置P3に位置付けられた基板Mの表面の高さ位置、受け渡し位置P2における中継台41の表面の高さ位置、中継台41に支持された電子部品2の表面の高さ位置となる。このような態様では、それぞれの接触基準高さ位置を記憶部66が記憶し、保持部の接触対象に応じて、いずれを接触基準高さ位置とするかを切り替えて適用することができる。
例えば、搭載装置30がピックアップユニット200と同様の構成を備えることにより、ボンディングヘッド31のノズル31aを保持部とする接触位置設定装置Sを構成することもできる。この場合、接触対象は基板Mであり、保持部であるノズル31aが保持する電子部品2の下面(保持面の反対面)が、基板Mの表面に接触する。よって、ノズル31aが保持する電子部品2が接触する高さ位置は、基板Mの表面の高さ位置となる。接触位置設定装置Sにおける接触基準高さ位置は、離脱検出部63によりノズル31aが基板Mの表面から離脱が検出された時に、位置検出部250により検出されたノズル31aの高さ位置に基づく。したがって、接触位置設定装置Sは、認識した基板Mの表面の高さ位置を、接触基準高さ位置として設定する。つまり、この接触基準高さ位置を、ボンディングヘッド31が保持した電子部品2を基板Mに搭載する際の高さ位置(実装高さ位置)として設定する。
ところで、実際に基板Mに接触するのは電子部品2である。よって、ノズル31aが、保持した電子部品2を基板Mに搭載する際の停止する高さ位置は、接触位置設定装置Sが設定した接触基準高さ位置に、電子部品2の厚さ分の高さを加えて高くなる高さ位置となる。このため、搭載装置30が電子部品2を基板Mに搭載する際のボンディングヘッド31のノズル31aが移動する移動目標は、接触位置設定装置Sが設定する接触基準高さ位置に電子部品2の厚さ分を加えたものとなる。したがって、接触位置設定装置Sが設定する接触基準高さ位置を、実装高さ位置として、電子部品2の厚さ分を加えた高さ位置とすることもできる。
これらのように、実装高さ位置を正確に決めることができるので、基板Mの表面への電子部品2の実装時における電子部品2へのダメージや位置ずれが低減される。
電子部品2を基板Mに実装する際に、ノズル31aが保持する電子部品2が基板Mに接するための下降量(移動量)が不足すると、実装不良となり、下降量(移動量)が大き過ぎると電子部品2にダメージを与え、割れや欠けを生じることがある。実装不良には、実装の位置ずれ、水平面内の傾き、垂直面内の傾斜などの姿勢不良が含まれる。
下降量は、ノズル31aがその下降の基準高さ位置(原点高さ位置)から保持する電子部品2が基板Mに接触するまでの移動量であり、下降量が不足するとは、電子部品2が基板Mに接するために下降したときの高さ位置が高く、電子部品2が基板Mに接しない状態になってしまうことを意味する。この場合、電子部品2が宙に浮いている状態で電子部品2の吸着保持を解除してしまうので、姿勢が変化し、実装位置の精度が悪化する。また、十分な加圧力が付与できず接合を行えなくなる(接合不良)。一方、下降量が過大となるとは、ノズル31aが下降したときの高さ位置が低く、電子部品2を基板Mに過剰に押し付けた状態になってしまうことを意味する。この場合、過剰な押圧により、電子部品2に割れや欠けなどのダメージを与え、また、電子部品2の姿勢がずれることもある。このように、ノズル31aが保持する電子部品2が基板Mに接する高さ位置がずれると、実装不良や電子部品2へのダメージなどにつながる。したがって、ノズル31aの移動量を決める移動位置は、最適値に正確に設定する必要がある。
本態様では、ノズル31aの移動位置を最適値に正確に設定できる。ノズル31aが接触対象に接触するための接触基準高さ位置を、実際の接触位置とのずれを抑えて設定できる。つまり、ノズル31aの接触対象からの「離脱」によって基板Mの表面の高さ位置を正確に認識できるので、ノズル31aが接触対象に接触するための接触基準高さ位置を、実際の接触高さ位置とのずれを抑えて設定でき、接触対象の実装不良、ダメージや姿勢不良を低減できる。
(2)供給装置10及び搭載装置30に構成された接触位置設定装置Sは、それぞれ中継台41にピックアップツール210が電子部品2を載置する場合の接触基準高さ位置、中継台41からボンディングヘッド31が電子部品2をピックアップする場合の接触基準高さ位置を設定する接触位置設定装置Sとして機能することもできる。すなわち、接触位置設定装置Sは、中継台41の表面の高さ位置あるいは中継台41に載置された電子部品2の表面の高さ位置を、接触基準高さ位置として設定できる。したがって、中継台41あるいは中継台41に載置された電子部品2は、接触位置設定装置Sにとって接触対象となる。中継台41には、中継台41に載置された電子部品2を保持するため吸引孔を設けている。接触基準高さ位置を設定する際に、離脱が確実に検出できるよう、この吸引孔を避けた中継台41上の高さ位置で、接触基準高さ位置を設定するようにするのが良い。また、中継台41に載置された電子部品2の上面の高さ位置を、接触基準高さ位置として設定する場合、中継台41に吸着保持された電子部品2が、保持部211の離脱を確実に検出できるように、中継台41に吸着保持されていなければならない。このため保持部211の吸引力より大きな吸引力で、中継台41は電子部品2を吸着保持するのが良い。なお、搭載装置30の接触位置設定装置Sは、上記のように中継台41に載置された電子部品2の表面の高さ位置を接触基準高さ位置として設定しても良いし、中継台41の表面の高さ位置を接触基準高さ位置として設定し、中継台41から電子部品2を受け取る際には、設定した接触基準高さ位置に電子部品2の厚さ分を加えた高さ位置で受け取るようにしてもよい。
(3)接触検出部230に用いられるセンサは、相対移動可能なもの同士の所定の相対変位が認識できるものであればどのようなものであってもよい。ただし、センサの寿命や接触により発生するパーティクルを考慮すると、非接触で変位が認識できるものが好ましい。本実施形態では、渦電流式の変位センサ(例えば、ギャップセンサ(登録商標))を用いたが、変位センサとしては、例えば、渦電流式(高周波発振式)のみならず、磁気式、静電容量式、超音波式、レーザ式などの変位センサであってもよい。いずれのセンサも、検出値と所定のしきい値との比較によって、保持部211の接触を認識できる。
(4)また、接触検出部230に用いられるセンサは、前述のような非接触のセンサに限定されるわけではなく、保持部211が接触した時に生じる応力を認識できるものでもよい。例えば、応力を検出できる圧電素子や歪ゲージ(ロードセル)でも、検出した応力値の所定のしきい値との比較によって、保持部211の接触を認識できる。この場合、取付部材211bに歪ゲージを設置して、保持部211が接触対象に接触したことによる取付部材211bに生じる歪を計測する。あるいは、検知体214に対して近接するようにロードセルを設置して、保持部211が接触対象に接触したあと、検知体214とロードセルが接触して生じる加圧力を計測する。などの構成とすることができる。また、保持部211とホルダ227が相対移動せず保持部211にかかる力をロードセルで計測するようにしてもよい。同様に、保持部211とホルダ227が相対移動せず保持部211の変形を歪みゲージで計測するようにしてもよい。
これらのようなセンサであっても、検出値がしきい値に至るまでの時間の遅れが誤差となる。特に、センサの信号の揺れやノイズが存在するため、しきい値を厳密に設定すると誤検出のおそれがあるので、ある程度の余裕を持たせた設定とする場合、誤差となる遅れは増大する。また、保持部211の変形による遅れも生じる。本発明では、上述のように保持部211の接触対象からの離脱を検出するようにしたので、センサの信号が急激に大きく変化し、しきい値に余裕を持たせても誤差となる遅れは短くできる。また、保持部の変形による遅れもキャンセルできる。したがって、正確に保持部211の接触基準高さ位置を設定できる。もちろん、ボンディングヘッド31のノズル31aに適用しても同じである。
(5)また、接触検出部230に用いられるセンサは、保持部211の吸引圧力を検出するものであってもよい。上記の態様では、保持部211の離脱の時点における高さ位置を検出するようにしている。これにより、接触検出部230における検出遅れに起因する誤差はキャンセルされる。センサが、保持部211の吸引圧力を検出する場合、保持部211が接触対象に接触した後、圧力検出部240により検出される圧力がしきい値を超えるまで、保持部211は移動する。この時に生じる圧力検出部240の接触認識の誤差は、上述のようにキャンセルされるので問題にはならない。つまり、圧力検出部240を接触検出部230として用いることができ、構成を簡素にできる。
(6)上記のように、弾性を有する保持部211の場合、その弾性力、潰れによる誤差はいずれのセンサであっても同じように含まれてしまう。この場合でも、保持部211の接触対象からの離脱時に取得した高さ位置で、補正ができる。また、これに限らず、金属のような弾性変形がほとんど伴わない硬質な材質であっても、同じ接触位置設定装置Sを構成できる。この場合、弾性を有する保持部211の変形による誤差は生じないが、上述のように、接触検出部230における測定値がしきい値を超えて接触を検出するまでの時間による誤差は生じる。この誤差があっても、保持部211の接触対象からの離脱時に取得した高さ位置で、補正ができるので、正確に接触基準高さ位置を設定できる。なお、硬質の保持部211の場合、電子部品2へのダメージを防ぐために、接触時の圧力を適切に設定する必要がある。保持部211がホルダ227に対して相対移動できる場合、保持部211が電子部品2に接触する際の衝撃力を小さくすることができる。これは、ボンディングヘッド31のノズル31aが電子部品2を基板Mに押し付ける際も同様である。また、相対移動によって過剰な接触圧にならないようにすることも容易にできる。さらに、保持部211やノズル31aの接触対象への接触時の圧力を容易に設定できる。本実施形態のピックアップユニット200では、付勢部材228により保持部を付勢している。このため、保持部211とホルダ227との相対変位によって、保持部211には付勢部材288の変位による付勢力がかかる。この付勢力が電子部品2にかかることになる。本実施形態では、保持部211が電子部品2に接触する高さ位置を正確に把握できる。そして、保持部211が電子部品2に接触してからの変位量を容易に制御することができる。これにより、付勢部材の圧縮量を正確に制御でき、電子部品2にかかる圧力を正確に所望する圧力とすることができる。これは、ボンディングヘッド31のノズル31aによる電子部品2の押付の際も同様である。なお、このような圧力は、例えばボイスコイルモータなどを利用すれば、変位量に関係なく容易に制御できるが、安価で、シンプルで軽量な付勢部材を利用しても正確な圧力制御を行うことができる。
(7)上記の実施形態では、供給装置10において、電子部品2は機能面が上方に露出したフェイスアップ状態で配置されていたが、機能面が下方のシート11側となったフェイスダウン状態で配置されていても良い。また、上記のように、電子部品2は、基板Mに対してフェイスダウンで実装される場合も、フェイスアップで実装される場合も含む。つまり、フェイスアップで配置された電子部品2は、反転させることによりフェイスダウンボンディングができ、中継装置40を経由することによりフェイスアップボンディングができる。また、フェイスダウンで配置された電子部品2は、反転させることによりフェイスアップボンディングができ、中継装置40を経由することによりフェイスダウンボンディングができる。
一例として、シート11にフェイスアップ状態で配置された電子部品2を、基板Mにフェイスアップ状態で実装する場合を述べる。すなわち、上記のように保持部211により電子部品2をピックアップした後、反転機構23による保持部211の反転を行わず、移動機構22によって、受け渡し位置P2にピックアップした電子部品2を移動させる。保持部211に保持された電子部品2は、中継装置40の中継台41に対向する。保持部211を下降させて、中継台41が電子部品2を吸着保持した後、保持部211が負圧を解除することにより、中継台41へと電子部品2を受け渡す。
この後、ピックアップユニット200が受け渡し位置P2より退避したら、搭載装置30のボンディングヘッド31のノズル31aが受け渡し位置P2に移動して、中継台41に保持された電子部品2と対向する。中継台41に向けてボンディングヘッド31を下降させ、ノズル31aで電子部品2を保持した後、中継台41が負圧を解除することにより、ボンディングヘッド31のノズル31aへと電子部品2を受け渡す。この後、上記と同様に、電子部品2を基板Mに実装する。
このように中継台41に対して保持部211が電子部品2へ載置する際、中継台41からボンディングヘッド31のノズル31aが電子部品2をピックアップする際にも、上記と同様に、接触対象に接触するための接触基準高さ位置を正確に設定できる。したがって、電子部品2のシート11からのピックアップ、中継台41への載置、中継台41からのピックアップ、基板Mへの搭載の各場面で、接触対象に接触するための接触基準高さ位置を、実際の接触高さ位置とのずれを抑えて、適切な高さ位置に正確に設定できるので、ダメージやずれがなく確実に保持ができる。それによって、中継台41を介したボンディングにおいても、ダメージがなく、正確な高さ位置への正確な姿勢での効率的な実装ができる。なお、フェイスアップ状態で実装する場合でなくても、中継台41を使うこともある。
実装装置1の形態は、接触対象に対する接触高さ位置を、離脱状態の検出によって取得できればよい。したがって、電子部品2をピックアップして実装するヘッドが1つ(1ヘッド)の装置であってもよい。つまり、ピックアップ装置20と搭載装置30が兼用である実装装置1であってもよい。この場合、保持部211及びボンディングヘッド31を兼用するヘッドが電子部品2をピックアップし、基板Mまで移送し、基板Mへ実装する。接触基準高さ位置は、シート11上の電子部品2の高さ、基板Mの表面高さとなる。これにより、上記の実施形態と同様の効果を得ることができる。この場合、フェイスアップ状態で配置された電子部品2が、フェイスアップで実装されるため、反転機構は不要となる。但し、θ補正のための水平回動機構を有することが好ましい。
(8)上記の実施形態では、ステップS103、S104で、圧力検出部240がONになることは、動作には関係なかった。但し、以下のような態様も可能である。保持部211が最初に接触対象に接触して圧力検出部240がONになった時、あるいは圧力検出部240がONになった後でZ軸方向の動作が停止した時、保持部211の吸引を停止する。Z軸方向の動作が停止した時の圧力検出部240での圧力を取得する。そして、取得した圧力からの変化量を、所定のしきい値として設定する。
このように吸引が停止されると、リークにより経路内の圧力は徐々に上昇する。そして、保持部211が吸引を続けているときよりも、接触対象に対する吸引力は低下する。したがって、保持部211が離脱時に必要となる力は低下するため、離脱が容易となる。この場合であっても、吸引孔211aは一気に解放され、保持部211の離脱時に急激な圧力変化が起きることに変わりはないので、しきい値により離脱を正確に検出できる。なお、自然なリークによらず、配管211c内に給気して圧力をわずかに上昇させておいてもよい。配管211c内の圧力は、保持部211が離脱した時に、許容できる検出誤差内で離脱が検出できる変化が起きるように設定されればよい。
ここで、保持部211に吸引力が強く働いた状態であると、離脱時に離脱しにくくなる。特に、ラバー製の保持部211の場合、離脱の直前に伸びが生じる可能性がある。保持部211に伸びが生じた場合には、その分だけ保持部211が上昇してしまうので、接触時の高さ位置と離脱時の高さ位置とにずれが生じるために誤差となる。本態様では、保持部211が接触対象から容易に離脱できるので、離脱時に生じる誤差を最小に抑制できる。
なお、このように接触を認識した後で圧力を変更しなくても、はじめから接触時の吸引力を小さく(低負圧)しておいてもよい。つまり、離脱時の検出ができ、ラバー製等の保持部211の伸びが生じにくい圧力にしておけば、接触を認識した後で圧力を変えることと同様となり、上記と同様の作用効果を奏することができる。
(9)供給ステージ12は、シート11に代えて、複数の電子部品2が載置されているトレイを支持する構成であってもよい。このようなトレイに載置される電子部品2も、ピックアップ対象となる。トレイは供給ステージ12に直接支持されてもよいし、支持板等の部材を介して間接的に支持されてもよい。供給ステージ12は、トレイに載置された電子部品2を供給位置P1に位置付けることができる。トレイあるいはトレイを支持する部材は、保持部211の接触対象となる。これは、上記の態様における基板Mと同様である。
例えば、供給ステージ12が、複数の電子部品2を載置するトレイを、シート11に代わる支持板を介して支持する態様を説明する。このシート11に代わる支持板に保持部211を接触させた後、離脱検出部63による保持部211の離脱を検出した時に、位置検出部250が支持板の上面の高さ位置を検出する。そして、基準位置設定部64は、この検出した高さ位置を接触基準高さ位置として設定する。電子部品2をピックアップする高さ位置としては、設定した接触基準位置に、トレイの電子部品2を載置する面までの高さおよび電子部品2の厚さ分を加えた高さ位置とすることができる。
また、トレイが、支持板に粘着や板バネで挟持される等により保持されている場合には、トレイの電子部品2を載置する面の高さ位置を、保持部211の離脱によって検出して、接触基準高さ位置として設定することもできる。この場合、設定された接触基準高さ位置に、電子部品2の厚さ分を加えた高さ位置を、電子部品2をピックアップする高さ位置とすることができる。
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態を全て又はいずれかを組み合わせた形態も包含する。さらに、これらの実施形態を発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができ、その変形も本発明に含まれる。
1 実装装置
2 電子部品
M 基板
10 供給装置
11 シート
12 供給ステージ
13 ステージ移動機構
20 ピックアップ装置
22 移動機構
22a スライド機構
22b 支持フレーム
22c レール
22d スライダ
23 反転機構
24 突き上げ機構
24a 突き上げピン
24b バックアップ体
30 搭載装置
31 ボンディングヘッド
31a ノズル
32 ヘッド移動機構
40 中継装置
41 中継台
50 基板ステージ
51 ステージ移動機構
60 制御装置
61 機構制御部
62 停止制御部
63 離脱検出部
64 基準位置設定部
65 突き上げ基準位置設定部
66 記憶部
70 入力装置
80 表示装置
200 ピックアップユニット
210 ピックアップツール
211 保持部
211a 吸引孔
211b 取付部材
211c 配管
212 昇降ロッド
213 係止体
214 検知体
214a 支持具
220 駆動機構
221 架台
221a 垂直面
222 リニアガイド
223 駆動体
223a 受け部
224 ねじ軸
225 駆動源
226 ブラケット
226a 移動ブロック
226b アーム
227 ホルダ
228 付勢部材
230 接触検出部
240 圧力検出部
250 位置検出部
260 突き上げ位置検出部
321 スライド機構
321a 支持フレーム
321b レール
321c スライダ
322 昇降機構

Claims (11)

  1. 電子部品を吸引保持する保持部と、
    前記保持部を、接触対象に接離する方向に移動させる駆動機構と、
    前記保持部の前記接触対象に対する接触を検出する接触検出部と、
    前記保持部の吸引圧力を検出する圧力検出部と、
    前記保持部の高さ位置を検出する位置検出部と、
    吸引力が付与された前記保持部を前記接触対象に接触する方向に移動させ、前記接触検出部により接触が検出されると、前記保持部の移動を停止させる停止制御部と、
    接触が検出されて前記停止制御部により停止させられた前記保持部を前記接触対象から離脱する方向に移動させ、この時の前記圧力検出部により検出される吸引圧力の変化に基づいて、前記保持部の前記接触対象からの離脱を検出する離脱検出部と、
    前記離脱検出部により離脱が検出された時に前記位置検出部により検出された前記保持部の高さ位置に基づいて、前記保持部の前記接触対象に対する接触基準高さ位置を設定する基準位置設定部と、
    を有することを特徴とする接触位置設定装置。
  2. 前記接触検出部は、前記保持部と前記駆動機構との相対的な高さ位置の変位量に基づいて、前記保持部の前記接触対象に対する接触を検出することを特徴とする請求項1記載の接触位置設定装置。
  3. 前記接触対象を、前記保持部に向かって移動させる突き上げ機構と、
    前記突き上げ機構が前記接触対象を突き上げることにより移動させた突き上げ高さ位置を検出する突き上げ位置検出部と、
    前記突き上げ機構により移動する前記接触対象が、前記保持部に接触したことを前記接触検出部が検出した時に、前記突き上げ位置検出部により検出された前記突き上げ高さ位置に基づいて、前記突き上げ機構による突き上げ基準高さ位置を設定する突き上げ基準位置設定部と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の接触位置設定装置。
  4. 前記突き上げ基準位置設定部は、
    前記突き上げ位置検出部が検出した前記突き上げ高さ位置と、
    前記接触検出部が検出した前記保持部が前記接触対象に接触した高さ位置と、前記離脱検出部が前記保持部の前記接触対象からの離脱を検出した時の前記保持部の高さ位置との差分と、
    に基づいて、前記突き上げ機構による突き上げ基準高さ位置を設定する、
    ことを特徴とする請求項3記載の接触位置設定装置。
  5. 前記接触対象を、前記保持部に向かって移動させる突き上げ機構と、
    前記突き上げ機構が前記接触対象を突き上げることにより移動させた突き上げ高さ位置を検出する突き上げ位置検出部と、
    前記突き上げ機構により移動する前記接触対象が、前記保持部に接触したことを前記接触検出部が検出した時に、前記突き上げ位置検出部により検出された前記突き上げ高さ位置に基づいて、前記突き上げ機構による突き上げ基準高さ位置を設定する突き上げ基準位置設定部と、
    を有することを特徴とする請求項2記載の接触位置設定装置。
  6. 前記突き上げ基準位置設定部は、
    前記突き上げ位置検出部が検出した前記突き上げ高さ位置と、
    前記接触検出部が検出した前記保持部が前記接触対象に接触した高さ位置と、前記離脱検出部が前記保持部の前記接触対象からの離脱を検出した時の前記保持部の高さ位置との差分と、
    に基づいて、前記突き上げ機構による突き上げ基準高さ位置を設定する、
    ことを特徴とする請求項5記載の接触位置設定装置。
  7. 前記保持部は、弾性変形可能な材質により形成されていることを特徴とする請求項1記載の接触位置設定装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかの接触位置設定装置と、
    電子部品を供給する供給装置と、
    前記供給装置から前記電子部品をピックアップするピックアップ装置と、
    基板を支持する基板ステージと、
    前記ピックアップされた前記電子部品を前記基板に搭載する搭載装置と、
    を有し、
    前記接触位置設定装置の前記保持部及び前記駆動機構は、前記ピックアップ装置及び前記搭載装置の一部としてそれぞれに設けられ、
    前記基準位置設定部は、前記ピックアップ装置における前記保持部の前記接触対象に対する接触基準高さ位置を設定し、前記搭載装置における前記保持部の前記接触対象に対する接触基準高さ位置を設定することを特徴とする実装装置。
  9. 前記ピックアップ装置は、ピックアップした前記電子部品を反転させる反転機構を有し、
    前記搭載装置は、前記反転機構により反転された前記電子部品を受け取り、前記基板に搭載することを特徴とする請求項8記載の実装装置。
  10. 前記ピックアップ装置がピックアップした前記電子部品を載置する中継台を有し、
    前記搭載装置は、前記ピックアップ装置により前記中継台に載置された前記電子部品を受け取り、前記基板に搭載することを特徴とする請求項8記載の実装装置。
  11. 吸引力が付与された保持部を、駆動機構が接触対象に接触する方向に移動させ、
    前記保持部の前記接触対象への接触を接触検出部が検出した時に、前記駆動機構が前記保持部を停止させ、
    前記駆動機構が、停止させた前記保持部を前記接触対象から離脱する方向に移動させ、
    圧力検出部が、前記保持部の吸引圧力の変化に基づいて、前記保持部の前記接触対象からの離脱を検出し、
    位置検出部が、前記圧力検出部により離脱が検出された時の前記保持部の高さ位置を検出し、
    基準位置設定部が、前記位置検出部により検出された前記保持部の高さ位置に基づいて、前記保持部の前記接触対象に対する接触基準高さ位置を設定する、
    ことを特徴とする接触位置設定方法。
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