JP2023152199A - 紫外線吸収剤、組成物、成形体および塗膜 - Google Patents

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僚一 辰巳
Ryoichi Tatsumi
宏明 清水
Hiroaki Shimizu
雄也 折原
Yuya Orihara
崇裕 石井
Takahiro Ishii
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Abstract

【課題】本発明は、紫外線のみならず、波長400nm程度の可視光短波長領域の光も吸収する優れたブルーライトカット性に加え、耐熱性、耐光性、透明性、溶解性ならびに溶解後の安定性を有する紫外線吸収剤の提供を目的とする。【解決手段】ヒドロキシナフチル基と直接結合するトリアジン環を有する紫外線吸収剤であって、前記ヒドロキシナフチル基中は、1以上の置換基を有し、前記置換基は、炭素数3以上の直鎖または分岐アルキル基、ならびに少なくとも2価連結基および炭素数3以上の直鎖アルキル基または分岐アルキル基(ただし、芳香環を有する基を除く)を有する基からなる群より選択される1種以上であり、前記2価連結基は、ハメット則のσp値が0.2~1.2の基に基づく2価連結基である、紫外線吸収剤。【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線吸収剤およびそれを用いた組成物等に関する。
太陽光のうち紫外線が有害であるため樹脂に紫外線吸収剤を配合して成形体や塗膜に紫外線吸収性を付与している。近年、紫外線のみならず波長380~420nm程度のブルーライトも有機物や人体にダメージを与えることが知られている。そのため、特定の用途においては、紫外線~ブルーライト領域の光まで吸収できる紫外線吸収剤が求められている。
例えば、医薬品薬剤や化粧品等の包装材料は、内容物の有機物が紫外線により劣化する。また、ビタミンなどの特定の成分は、400~420nm程度の可視光短波長領域の光でも劣化する。そのため、これらの材料を使用する用途では、遮光層を設置して対応していた。
また、液晶ディスプレイは、使用されている偏光板保護フィルム等の光学フィルムに紫外線吸収剤を添加して、光学フィルムの変色を防止している。また、液晶ディスプレイから発するいわゆるブルーライトが人体に与える影響が知られている。そのため、ブルーライトを抑制するニーズがある。
例えば、特許文献1や特許文献2には、400nm程度のブルーライト領域の光を吸収するベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤が開示されている。また、特許文献3には、400nm程度の可視光短波長領域を吸収するトリアジン系の紫外線吸収剤が開示されている。
特開2018-177696号公報 特表2016-514756号公報 特開2017-132948号公報
しかし、従来のベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤は、400nm程度の可視光短波長領域の光を吸収し、ある程度の耐光性と耐熱性があるものが開発されているものの、高い温度での加熱処理によって紫外線吸収性が低下する、耐熱性の問題があった。また、従来のトリアジン系の紫外線吸収剤は、高い耐光性と耐熱性があるものの、実用上必要な紫外線吸収性を得るために使用量を増やすと成形体の透明性が低下する問題があった。また、溶剤等に対する溶解性および溶解後の安定性が低いため、薄膜の塗膜を形成し難い問題があった。
本発明は、紫外線のみならず、波長400nm程度の可視光短波長領域の光も吸収する優れたブルーライトカット性に加え、耐熱性、耐光性、透明性、溶解性ならびに溶解後の安定性を有する紫外線吸収剤の提供を目的とする。
本発明の紫外線吸収剤は、ヒドロキシナフチル基と直接結合するトリアジン環を有する
紫外線吸収剤であって、前記ヒドロキシナフチル基は、1以上の置換基を有し、前記置換基は、炭素数3以上の直鎖または分岐アルキル基、ならびに少なくとも2価連結基および炭素数3以上の直鎖アルキル基または分岐アルキル基(ただし、芳香環を有する基を除く)を有する基からなる群より選択される1種以上であり、前記2価連結基は、ハメット則のσp値が0.2~1.2の基に基づく2価連結基である。
上記の本発明によれば、紫外線のみならず、波長400nm程度の可視光短波長領域の光も吸収する優れたブルーライトカット性に加え、耐熱性、耐光性、透明性、溶解性ならびに溶解後の安定性を有する紫外線吸収剤を提供できる。また組成物、塗膜、および成形体も提供できる。
本発明の紫外線吸収剤は、ヒドロキシナフチル基と直接結合するトリアジン環を有する紫外線吸収剤であって、前記ヒドロキシナフチル基は、1以上の置換基を有し、前記置換基は、炭素数3以上の直鎖または分岐アルキル基、ならびに少なくとも2価連結基および炭素数3以上の直鎖アルキル基または分岐アルキル基(ただし、芳香環を有する基を除く)を有する基からなる群より選択される1種以上であり、前記2価連結基は、ハメット則のσp値が0.2~1.2の基に基づく2価連結基である。
本発明の紫外線吸収剤は、ヒドロキシナフチル基、およびヒドロキシナフチル基と直接結合するトリアジン環を有する骨格の作用により、400nm未満の紫外線領域に加え400~420nm程度の可視光短波長領域の光を吸収できる。また、本発明の紫外線吸収剤は、前記骨格に由来する優れた耐熱性と耐光性を有する。また、前記ヒドロキシナフチル基は、1以上の置換基を有し、前記置換基が炭素数3以上の直鎖または分岐アルキル基、ならびに少なくとも2価連結基および炭素数3以上の直鎖アルキル基または分岐アルキル基(ただし、芳香環を有する基を除く)を有する基からなる群より選択される1種以上であることにより、優れた溶解性を発揮し、高い耐久性と優れた溶解性を両立できる予想外の効果を有している。また、高い紫外線吸収性により少量で波長吸収が可能であるため添加量を抑制できるため、成形体や塗膜の透明性を損なわない。すなわち、従来よりも透明性を改善できる。
前記ヒドロキシナフチル基は、トリアジン環に1、2または3個が直接結合できる。中でもヒドロキシナフチル基が3個の場合、より長波長側まで可視光を吸収できるため最も好ましい。ヒドロキシナフチル基が1個の場合、上記の中では最大吸収波長が最も短波であるが、無色に近いという観点では最も好ましい。ヒドロキシナフチル基が2個の場合、両者のバランスを取ることができる観点で好ましい。吸収したい波長領域によって、ヒドロキシナフチル基の数を選択もしくは組み合わせることが好ましい。
前記炭素数3以上の直鎖および分岐鎖アルキル基は、ヒドロキシナフチル基と直接結合するトリアジン環を有する紫外線吸収剤の疎水性を高め、溶剤への溶解性を向上できる。特に炭化水素系溶剤への溶解性が極めて高くなる。溶解性の観点から炭素数は4以上が好ましく、7以上がより好ましい。また、吸光度の観点から、1分子中における前記炭素数は30以下が好ましい。前記炭素数3以上の直鎖および分岐鎖アルキル基は、ヒドロキシナフチル基と直接結合することにより、溶解後の安定性が優れる点からより好ましい。
前記2価連結基は、ヒドロキシナフチル基と、炭素数3以上の直鎖アルキル基または分岐アルキル基(ただし、芳香環を有する基を除く)を有する基を連結する基であり、ハメット則のσp値が0.2~1.2の基に基づく2価連結基である。これにより、電子の状態が変化し、熱分解開始温度が高くなり、耐熱性が向上する。また、溶解後の安定性が優
れる。
<ハメット則の置換基定数σp値>
前記ハメット則の置換基定数σは、置換安息香酸の酸解離平衡定数における置換基の効果を数値で表したものであり、置換基の電子吸引性および電子供与性の強度を示すパラメータである。本明細書におけるハメットの置換基定数σp値は、置換基が安息香酸のパラ位に位置する場合の置換基定数σを意味する。
本明細書における各基のハメットの置換基定数σp値は、文献「Hansch et
al.,Chemical Reviews,1991,Vol,91,No.2, 165-195」に記載された値を採用する。なお、上記文献にハメットの置換基定数σp値が示されていない基については、ソフトウェア「ACD/ChemSketch(ACD/Labs 8.00 Release Product Version:8.08)」を用いて、安息香酸のpKaと、パラ位に置換基を有する安息香酸誘導体のpKaとの差に基づいて、ハメットの置換基定数σp値を算出できる。
本明細書でハメットの置換基定数σpが0.2~1.2の2価連結基とは、電子吸引性の2価連結基であることを示している。σp値として好ましくは0.25以上1.2以下であり、より好ましくは0.3以上1.0以下である。
<ハメット則のσp値が0.2~1.2の2価連結基>
前記ハメット則のσp値が0.2~1.2の2価連結基は、例えは、アルコキシカルボニル基(-COOMe:0.45)、カルバモイル基(-CONH:0.36)、アルキルカルボニル基(-COMe:0.50)、アルキルスルホニル基(-SOMe:0.72)等が挙げられる。なお、Meはメチル基を示す。なお、括弧内の値は代表的な置換基のσp値をChem.Rev.,1991年,91巻,165~195ページから抜粋したものである。
本明細書でハメット則のσp値が0.2~1.2の基に基づく2価連結基は、例えば、前記Me(メチル基)がメチレンの態様で使用する。
前記少なくとも2価連結基および炭素数3以上の直鎖アルキル基または分岐アルキル基を有する基は、芳香環を有する基を除く基であり、*-COOR、*-CONR、及び*-SONRより選択される基が好ましい。
~Rは、それぞれ独立して、炭素数3以上の直鎖又は分岐鎖アルキル基であり、水酸基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトリル基、ニトロ基、カルボキシル基、またはスルホ基の置換基を有してもよく、炭素原子と炭素原子の間が一つまたは複数の-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CONH-、または-NHCO-で連結されていてもよい。
は、水素原子、炭素数3以上の直鎖又は分岐鎖アルキル基、炭素数3以上の直鎖又は分岐鎖アルケニル基、炭素数3以上の直鎖又は分岐鎖アルコシキ基、もしくは炭素数3以上の直鎖又は分岐鎖アルケニルオキシ基であり、水酸基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトリル基、ニトロ基、カルボキシル基、またはスルホ基の置換基を有してもよく、炭素原子と炭素原子の間が一つまたは複数の-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CONH-、または-NHCO-で連結されていてもよい。なお、溶解性がより向上する観点から、水素原子以外がより好ましい。*はヒドロキシナフチル基との結合手を示す。
前記R~Rは、エステル系溶媒やケトン系溶媒に溶解して使用されるような場合、炭素原子と炭素原子の間が一つまたは複数の-O-、-CO-、-COO-、-OCO-で連結されていることが好ましい。また、溶解性の観点からアルキル基は分岐鎖が好ましい。
前記2価連結基が、*-COORの場合、特にエステル系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、グリコールエステル系溶剤、グリコールエーテル系溶媒との親和性が高く、極めて良好な溶解性を発揮することができる。溶解性の観点からR中の炭素数は4以上が好ましく、7以上がより好ましい。また、吸光度の観点から1分子中の前記炭素数は30以下が好ましい。
前記2価連結基が、*-CONRの場合、特にアミド系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、グリコールエステル系溶剤との親和性が高く、極めて良好な溶解性を発揮することができる。溶解性の観点からR、R中の炭素数は4以上が好ましく、7以上がより好ましい。また、吸光度の観点から1分子中の前記炭素数は30以下が好ましい。
前記2価連結基が、-SONRの場合、特にアミド系溶剤との親和性が高く、極めて良好な溶解性を発揮することができる。溶解性の観点からR、R中の炭素数は4以上が好ましく、7以上がより好ましい。また、吸光度の観点から1分子中の前記炭素数は30以下が好ましい。
使用する溶剤の種類によって上記置換基の種類を適宜選択できる。
本発明の紫外線吸収剤は、効率的に紫外線および波長400nm程度のブルーライト領域の光を吸収する点、および耐熱性、耐光性が優れる点から、前記ヒドロキシナフチル基が下記一般式(1)で示される基が好ましい。
一般式(1)

(一般式(1)中、Rは、炭素数3以上の直鎖および分岐鎖アルキル基、またはハメット則のσp値が0.2~1.2の基に基づく2価連結基を有する炭素数3以上の基を示す。*はトリアジン環との結合手を示す。)
トリアジン環に対し一般式(1)で示すようにヒドロキシナフチル基が結合することで、ヒドロキシナフチル基上にHOMO(最高被占軌道)の電子分布が広がり、HOMO(最高被占軌道)-LUMO(最低空軌道)遷移が大きくなる。これにより、波長400nm程度のブルーライトカット領域の吸光度が向上する(可視光短波領域の光を吸収できる)。また、一般式(1)のRにハメット則のσp値が0.2~1.2である置換基を有すると、電子求引性基によりLUMOが安定化され励起寿命が短くなり、耐光性が向上する。また、一般式(1)のRの位置に置換基を有することで、最も効率的に合成反応を進めることができる。これにより、反応由来の不純物を抑制できため成形物等透明性と吸光度向上を高度に両立できる。
本発明の紫外線吸収剤は、例えば、以下の構造が挙げられる。なお、紫外線吸収剤が限定されないことはいうまでもない。

上記紫外線吸収剤の合成方法は、トリアジン構造を有する化合物の公知の合成法を使用して合成できる。例えば、塩化シアヌルにナフトールまたはナフトール誘導体を、三塩化ア
ルミニウムを用いて付加反応させる方法が挙げられる。他にも、例えば、2-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸メチルとベンズアミジン塩酸塩を、ナトリウムメトキシドを用いて縮合環化反応させる方法も挙げられる。トリアジン環に単結合で連結したナフタレン環が備える置換基は、トリアジン構造を形成した後に導入してもよく、トリアジン構造を形成する前に導入してもよい。前記合成法は代表的な製造法を記載したものであり限定されない。
本発明の組成物は、本発明のヒドロキシナフチル基と直接結合するトリアジン環を有する紫外線吸収剤以外のその他紫外線吸収剤(C)を含有できる。
その他紫外線吸収剤(C)は、トリアジン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、およびベンゾフェノン系化合物から選ばれる1種以上が好ましい。
紫外線領域全体を幅広い遮蔽を本発明の紫外線吸収剤で行うよりもその他紫外線吸収剤(C)を組み合わせることで、紫外線領域を幅広く、かつ波長400~420nm程度の可視光短波長領域を簡易かつより効果的に遮蔽することができる。また、本発明の紫外線吸収剤とその他紫外線吸収剤(C)が互いの化合物を保護するため、より良好な耐光性および耐熱性が得られる。
<その他紫外線吸収剤(C)>
その他紫外線吸収剤(C)のうち、ベンゾトリアゾール系化合物は、一般的に波長360nm以下の光を吸収する化合物であり、例えば、2-(5メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、オクチル-3[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェニル]プロピオネートと2-エチルヘキシル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェニル]プロピオネートの混合物、2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α, α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-tブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5%の2-メトキシ-1-メチルエチルアセテートと95%のベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ,C7-9側鎖および直鎖アルキルエステルの化合物、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-エチルヘキシル-3-[3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェニル]プロピオネート、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチル-フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-3-t-ブチルフェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1-3,3-テトラメチルブチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-3-メチルフェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチル-フェノール、2,2’-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]等が挙げられる。
市販品は、BASFジャパン社製「TINUVIN P」、「TINUVIN PS」、「TINUVIN 109」、「TINUVIN 234」、「TINUVIN 326」、「TINUVIN 328」、「TINUVIN 329」、「TINUVIN
360」、「TINUVIN 384-2」、「TINUVIN 900」、「TINUVIN 928」、「TINUVIN 99-2」、「TINUVIN 1130」、ADEKA社製「アデカスタブLA-29」、大塚化学社製「RUNA-93」等が挙げられる。
紫外線吸収剤(C)のうち、本発明のヒドロキシナフチル基と直接結合するトリアジン環を有する紫外線吸収剤以外の化合物であるトリアジン系化合物は、一般的に波長360nm以下の光を吸収する化合物であり、例えば、2-[4,6-ジ(2,4-キシリル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-オクチルオキシフェノール、2‐[4,6‐ビス(2,4‐ジメチルフェニル)‐1,3,5‐トリアジン‐2‐イル]‐5‐[3‐(ドデシルオキシ)‐2‐ヒドロキシプロポキシ]フェノール、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと(2-エチルヘキシル-グリシド酸エステルの反応生成物、2,4-ビス「2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル」-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3-5-トリアジン、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル)-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-(2’-エチル)ヘキシル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-(2’-エチル)ヘキシル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-ヘキシロキシフェノール(III-5)ビスエチルヘキシロキシフェノール メトキシフェニルトリアジン等が挙げられる。
市販品は、ケミプロ化成社製「KEMISORB 102」、BASFジャパン社製「TINUVIN 400」、「TINUVIN 405」、「TINUVIN 460」、「TINUVIN 477-DW」、「TINUVIN 479」、「TINUVIN
1577」、ADEKA社製「アデカスタブLA-46」、「アデカスタブLA-F70」、サンケミカル社製「CYASORB UV-1164」等が挙げられる。
紫外線吸収剤(C)のうち、ベンゾフェノン系化合物は、一般的に波長360nm以下の光を吸収する化合物であり、例えば、2,4-ジ-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルフォン酸ナトリウム、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2,2-ジ-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、ヘキシル 2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、1,4-ビス(4-ベンゾイル-3-ヒドロキシフェノキシ)ブタン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルフォニックアシッド、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
市販品は、BASFジャパン社製「Uvinul 3050」、「Uvinul 3049」、ケミプロ化成社製「KEMISORB 10」、「KEMISORB 11」、「KEMISORB 11S」、「KEMISORB 12」、「KEMISORB 111」、シプロ化成社製「SEESORB 101」、「SEESORB 107」、ADEKA社製「アデカスタブ1413」等が挙げられる。
本発明のヒドロキシナフチル基と直接結合するトリアジン環を有する紫外線吸収剤の含有量は、組成物の不揮発分中、0.005~50質量%が好ましく、0.01~40質量%がより好ましい。これにより目的の分光カット率に応じて紫外線吸収剤の含有量を設計できる。
紫外線吸収剤(C)の含有量は、組成物の不揮発分中、0.005~50質量%が好ましく、0.01~40質量%がより好ましい。目的の分光カット率によって紫外線吸収剤の含有量を設計することができる。
本発明のヒドロキシナフチル基と直接結合するトリアジン環を有する紫外線吸収剤を含む紫外線吸収剤の含有量は、組成物の不揮発分中、0.005~50質量%が好ましく、0.01~40質量%がより好ましい。目的の分光カット率によって紫外線吸収剤の含有量を調整できる。
本発明の組成物は、波長450~650nmの可視波長域に対して、波長域の80%以上を遮光する色材(D)(以下、色材(D)という)を含有できる。色材(D)は、2種類以上の有彩色着色剤を含むことが好ましい。本発明の紫外線吸収剤は、波長420nm以下に強い吸収を持つため、450~650nmの特定の波長領域に吸収を持つ有彩色着色剤と組み合わせることで、700nm以下をカットして近赤外線領域の光を利用できる。そのため例えば、目的に応じ適宜分光を調整するバンドパス材料として使用できる。また、本発明の紫外線吸収剤が前記色材(D)を紫外線から保護するため、組成物全体の耐光性および耐熱性が向上する。
色材(D)は、例えば、青色色素、黄色色素、紫色色素、赤色色素等が挙げられる。
有機色素は、有機顔料を用いても良く、例えば、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、又はポリアゾ等のアゾ系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、又はビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料または金属錯体系顔料等が挙げられる。
また、有機色素として、染料を用いても良く、例えば、アントラキノン系染料、モノアゾ系染料、ジスアゾ系染料、オキサジン系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、トリフェニルメタン系染料などが挙げられる。染料を用いる際には。アニオン性染料、カチオン性染料の極性基を用いて樹脂中に取り込み有機溶剤への溶解性を付与する方法が有効となる。
(青色色素)
青色顔料は、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79等が挙げられる。なお、「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 発行)を意味する。
青色染料は、例えばC.I.アシッドブルー1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、13、14、15、17、19、21、22、23、24、25、26、27、29、34、35、37、40、41、41:1、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、62、62:1、63、64、65、68、69、70、73、75、78、79、80、81、83、8485、86、88、89、90、90:1、91、92、93、95、96、99、100、103、104、108、109、110、111、112、113、114、116、117、118、119、120、123、124、127、127:1、128、129、135、137、138、143、145、147、150、155、159、169、174、175、176、183、198、203、204、205、206、208、213、227、230、231、232、233、235、239、245、24
7、253、257、258、260、261、262、264、266、269、271、272、273、274、277、278、280等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクトブルー1、2、3、4、6、7、8、8:1、9、10、12、14、15、16、19、20、21、21:1、22、23、25、27、29、31、35、36、37、40、42、45、48、49、50、53、54、55、58、60、61、64、65、67、79、96、97、98:1、101、106、107、108、109、111、116、122、123、124、128、129130、130:1、132、136、138、140、145、146、149、152、153、154、156、158、158:1、164、165、166、167、168、169、170、174、177、181、184、185、188、190、192、193、206、207、209、213、215、225、226、229、230、231、242、243、244、253、254、260、263等が挙げられる。
(黄色色素)
黄色顔料は、例えばC.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208等が挙げられる。
黄色染料は、例えばC.I.アシッドイエロー2,3、4、5、6、7、8、9、9:1、10、11、11:1、12、13、14、15、16、17、17:1、18、20、21、22、23、25、26、27、29、30、31、33、34、36、38、39、40、40:1、41、42、42:1、43、44、46、48、51、53、55、56、60、63、65、66、67、68、69、72、76、82、83、84、86、87、90、94、105、115、117、122、127、131、132、136、141、142、143、144、145、146、149、153、159、166、168、169,172、174、175、178、180、183、187、188、189、190、191、192、199等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクトイエロー1、2、4、5、12、13、15、20、24、25、26、32、33、34、35、41、42、44、44:1、45、46、48、49、50、51、61、66、67、69、70、71、72、73、74、81、84、86、90、91、92、95、107、110、117、118、119、120、121、126、127、129、132、133、134等が挙げられる。
(紫色色素)
紫色顔料は、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50等が挙げられる。
紫色染料は、例えばC.I.アシッドバイオレット1、2、3、4、5、5:1、6、7、7:1、9、11、12、13、14、15、16、17、19、20、21、23
、24、25、27、29、30、31、33、34、36、38、39、41、42、43、47、49、51、63、67、72、76、96、97、102、103、109等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクトバイオレット1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、16、17、18、21、22、25、26、27、28、29、30、31、32、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、45、51、52、54、57、58、61、62、63、64、71、72、77、78、79、80、81、82、83、85、86、87、88、93、97等が挙げられる。
(赤色色素)
赤色顔料は、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、1 01、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276等が挙げられる。
赤色顔料と同様にはたらくオレンジ色顔料は、例えばC.I.ピグメント オレンジ36、38、43、51、55、59、61等のオレンジ色顔料等が挙げられる。
赤色染料は、例えばC.I.アシッドレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、23、24、25、25:1、26、26:1、26:2、27、29、30、31、32、33、34、35、36、37、39、40、41、42、43、44、45、47、50、52、53、54、55、56、57、59、60、62、64、65、66、67、68、70、71、73、74、76、76:1、80、81、82、83、85、86、87、88、89、91、92、93、97、99、102、104、106、107、108、110、111、113、114、115、116、120、123、125、127、128、131、132、133、134、135、137、138、141、142、143、144、148、150、151、152、154、155、157、158、160、161、163、164、167、170、171、172、173、175、176、177、181、229、231、237、239、240、241、242、249、252、253、255、257、260、263、264、266、267、274、276、280、286、289、299、306、309、311、323、333、324、325、326、334、335、336、337、340、343、344、347、348、350、351、353、354、356、388等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクトレッド1、2、2:1、4、5、6、7、8、10、10:1、13、14、15、16、17、18、21、22、23、24、26、26:1、28、29、31、33、33:1、34、35、36、37、39、42、43、43:1、44、46、49、52、53、54、55、56、57、58、59、60、6
1、62、67、67:1、68、72、72:1、73、74、75、77、78、79、81、81:1、85、86、88、89、90、97、100、101、101:1、107、108、110、114、116、117、120、121、122、122:1、124、125、127、127:1、127:2、128、129、130、132、134、135、136、137、138、140、141、148、149、150、152、153、154、155、156、169、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、186、189、204、211、213、214、217、222、224、225、226、227、228、232、236、237、238等が挙げられる。
色材(D)の中で染料は、良好な分光特性を有し、発色性に優れるものの、耐光性、耐熱性に問題がある。そのため、これらの問題を改善するために、塩基性染料は、有機酸や過塩素酸を用い塩を形成する造塩化合物して用いることが好ましい。有機酸は、有機スルホン酸、有機カルボン酸が好ましい。中でもトビアス酸等のナフタレンスルホン酸、過塩素酸が耐性の面で好ましい。
また、アニオン基を有する樹脂と造塩化して用いることが好ましく、ベタイン構造を有する樹脂と有機酸とともに造塩する造塩化合物として用いることも好ましい。
また、酸性染料、直接染料を含むアニオン性染料は、カチオン性基を有する化合物やカチオン性基を有する樹脂をカウンターイオンとして用いた造塩化合物として用いることが耐熱性、耐光性、耐溶剤性の面で好ましい。また、造塩化合物の合成には、カチオン基を有する樹脂を用いることが好ましく、側鎖にカチオン基を有する樹脂と有機酸とともに造塩して用いることもより好ましい。
また、アニオン性染料はスルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物として用いることでも、耐性の面で好ましく使用できる。
色材(D)は、塗工用途で、青色顔料はPigment.Blue.15:3もしくはPigment.Blue.15:6、黄色色素はPigment.Yellow.139、紫色色素はPigment.Violet.23を用いることが好ましい。また成形用途で、青色顔料はPigment.Blue.15:3もしくはPigment.Blue.15:6、黄色色素はPigment.Yellow.147、赤色色素はSolvent.Red.52が好ましい。
色材(D)の含有量は、組成物の不揮発分中、0.005~50質量%が好ましく、0.005~20質量%がより好ましく、0.5~50質量%がより好ましい。目的の分光カット率によって紫外線吸収剤の含有量を設計することができる。
本発明の組成物は、必要に応じて色素誘導体を添加することができる。
色素誘導体は、有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などを有する化合物である
。色素誘導体は、例えば、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基などの酸性置換基を有する化合物及びこれらのアミン塩や、スルホンアミド基や末端に3級アミノ基などの塩基性置換基を有する化合物、フェニル基やフタルイミドアルキル基などの中性置換基を有する化合物が挙げられる。
有機色素は、例えばジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チアジンインジゴ系顔料、トリアジン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ベンゾイソインドール等のインドール系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ナフトール系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、等が挙げられる。
色素誘導体は、それぞれ単独または2種以上を併用して使用できる。
本発明の組成物は、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、スクアリリウム化合物、シアニン化合物、およびジケトピロロピロール化合物から選ばれる1種以上の波長600~1500nmの波長領域に極大吸収を有する近赤外線吸収剤(E)を含有できる。これにより、目的に応じ適宜分光を調整でき、本発明の紫外線吸収剤が近赤外線吸収剤(E)の劣化を保護するため、耐久性が向上する。
近赤外線吸収剤(E)は、波長600~1,500nmに極大吸収を有する化合物である。なお、前記極大吸収は、波長700~1,500nmより好ましい。
シアニン化合物は、国際公開第2006/006573号、国際公開第2010/073857号、特開2013-241598号公報、特開2016-113501号公報、特開2016-113504号公報等;フタロシアニン化合物は、特開平4-23868号公報、特開平06-192584号公報、特開2000-63691号公報、国際公開第2014/208514号等;ナフタロシアニン化合物は、特開平11-152414号公報、特開2000-86919号公報、特開2009-29955号公報、国際公開第2018/186490号等;インジゴ化合物は、特開2013-230412号公報等;インモニウム化合物は、特開2005-336150号公報、特開2007-197492号公報、特開2008-88426号公報等;アントラキノン化合物は、特開昭62-903号公報、特開平1-172458号公報等;ピロロピロール化合物は、特開2009-263614号公報、特開2010-90313号公報、特開2011-068731号公報;スクアリリウム化合物は、特開2011-132361号公報、特開2016-142891号公報、国際公開第2017/135359号、国際公開第2018/225837号、特開2019-001987号公報、国際公開第2020/054718号等;クロコニウム化合物は、国際公開第2019/021767号等に記載の化合物が挙げられる。
(スクアリリウム化合物)
スクアリリウム化合物は、下記一般式(4)で表される化合物が好ましい。
一般式(4)

(一般式(4)中、R~Rはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、-OR10、-COR11、-COOR12、-OCOR13、-NR1415、-NHCOR16、-CONR1718、-NHCONR1920、-NHCOOR21、-SR22、-SO23、-SOOR24、-NHSO25、-SONR2627、-B(OR28、および-NHBR2930を表す。R10~R
30は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、およびアラルキル基を表す。なお、-COOR12のR12が水素の場合(すなわち、カルボキシル基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、カルボネート基)、塩の状態であってもよい。また、-SOOR24のR24が水素原子の場合(すなわち、スルホ基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、スルホネート基)、塩の状態であってもよい。また、RとR、RとRはお互いに結合して環を形成しても良い。)
「置換基」としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、
-OR100、-COR101、-COOR102、-OCOR103、-NR104105、-NHCOR106、-CONR107108、-NHCONR109110、-NHCOOR111、-SR112、-SO113、-SOOR114、-NHSO115または-SONR116117が挙げられる。
100~R117は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、またはアラルキル基を表す。なお、-COOR102のR102が水素の場合(すなわち、カルボキシル基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、カルボネート基)、塩の状態であってもよい。また、-SOOR114のR114が水素原子の場合(すなわち、スルホ基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、スルホネート基)、塩の状態であってもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基の炭素数は、1~20が好ましく、1~12がさらに好ましく、1~8が特に好ましい。アルキル基は直鎖、分岐、環状のいずれでも良い。
アルケニル基の炭素数は、2~20が好ましく、2~12がさらに好ましく、2~8が特に好ましい。アルケニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでも良い。
アルキニル基の炭素数は、2~20が好ましく、2~12がさらに好ましく、2~8が特に好ましい。アルキニル基は直鎖、分岐、環状のいずれでも良い。
アリール基の炭素数は、6~25が好ましく、6~15がさらに好ましく、6~10が特に好ましい。
アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基のアリール部分は、上記アリール基と同様である。アラルキル基の炭素数は、7~40が好ましく、7~30がさらに好ましく、7~25が特に好ましい。
ヘテロアリール基は、単環または縮合環が好ましく、単環または縮合数が2~8の縮合環がさらに好ましく、単環または縮合数が2~4の縮合環が特に好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子の数は1~3が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成するヘテロ原子は、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子が好ましい。ヘテロアリール基は、5員環または6員環が好ましい。ヘテロアリール基の環を構成する炭素原子の数は3~30が好ましく、3~18がさらに好ましく、3~12が特に好ましい。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、およびアラルキル基は置換基を有していても良く、無置換であっても良い。置換基としては上述した「置換基」が挙げられる。
スクアリリウム化合物は、耐光性、耐熱性の観点から、下記一般式(5)で表される化合物がより好ましい。
一般式(5)
Figure 2023152199000005

(一般式(5)中、R~Rはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、-OR50、-COR51、-COOR52、-OCOR53、-NR5455、-NHCOR56、-CONR5758、-NHCONR5960、-NHCOOR61、-SR62、-SO63、-SOOR64、-NHSO65または-SONR6667、-B(OR68、および-NHBR6970を表す。R50~R70は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、およびアラルキル基を表す。なお、-COOR52のR52が水素の場合(すなわち、カルボキシル基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、カルボネート基)、塩の状態であってもよい。また、-SOOR64のR64が水素原子の場合(すなわち、スルホ基)は、水素原子が解離してもよく(すなわち、スルホネート基)、塩の状態であってもよい。また、RとR、RとRはお互いに結合して環を形成しても良い。)
「置換基」は、上述の「置換基」と同様の意義である。
以下、スクアリリウム化合物の具体例を示す。なお、本発明はこれらに限定されない。


(ピロロピロール化合物)
ピロロピロール化合物は、下記一般式(4)で表される化合物が好ましい。
一般式(6)
(一般式(6)中、R1x及びR1yは、各々独立に、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、R及びRは、各々独立に、水素原子又は置換基を表し、R及びRは、互いに結合して環を形成してもよく、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、-BR4x4y又は金属原子を表し、Rは、R1x、R1y及びRからなる群から選ばれる少なくとも1つと共有結合又は配位結合してもよく、R4x4yは各々独立に、置換基を表す。一般式(6)は、特開2009-263614号公報、特開2011-68731号公報、国際公開第2015/166873号に記載されている。
1x及びR1yは、各々独立に、アリール基又はヘテロアリール基が好ましく、アリール基がより好ましい。また、R1x及びR1yが表すアルキル基、アリール基が及びヘテロアリール基は、置換基を有してもよく、無置換であってもよい。置換基としては、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-OCOR11、-SOR12、-SO13等が挙げられる。R11~R13は、各々独立に、炭化水素基又はヘテロアリール基を表す。また、置換基としては、特開2009-263614号公報の段落0020~0022に記載の置換基が挙げられる。なかでも、置換基としては、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-OCOR11、-SOR12、-SO13が好ましい。R1x及びR1yで表される基としては、分岐アルキル基を有するアルコキシ基、又は-OCOR11で表される基を置換基として有するアリール基が好ましい。分岐アルキル基の炭素数は、3~30が好ましく、3~20がより好ましい。
及びRの少なくとも一方は電子吸引性基が好ましく、Rは電子吸引性基を表し、Rはヘテロアリール基を表すことがより好ましい。ヘテロアリール基は、5員環又は6員環が好ましい。また、ヘテロアリール基は、単環又は縮合環が好ましく、単環又は縮合数が2~8の縮合環が好ましく、単環又は縮合数が2~4の縮合環がより好ましい。ヘテロアリール基を構成するヘテロ原子の数は、1~3が好ましく、1~2がより好ましい。ヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が挙げられる。ヘテロアリール基は、窒素原子を1個以上有することが好ましい。一般式(4)における2個のR同士は同一であってもよく、異なっていてもよい。また、一般式(4)における2個のR同士は同一であってもよく、異なっていてもよい。
は、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、又は-BR4x4yで表される基が好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、又は-BR4x4yで表される基であることがより好ましく、-BR4x4yで表される基であることが特に好ましい。R4x4yが表す置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又はヘテロアリール基が好ましく、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基がより好ましく、アリール基が特に好ましい。これらの基は、更に置換基を有してもよい。一般式(4)における2個のR同士は同一または異なっていてもよい。
以下、ピロロピロール化合物の具体例を示す。以下の構造式中、Meはメチル基、Phはフェニル基を表す。また、ピロロピロール化合物としては、特開2009-263614号公報の段落0016~0058、特開2011-68731号公報の段落0037~0052、特開2014-130343号公報の段落0014~0027、国際公開第2015/166873号の段落0010~0033に記載の化合物が挙げられる。なお、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2023152199000009

(ナフタロシアニン化合物)
ナフタロシアニン化合物は、下記一般式(7)で表される化合物が好ましい。
一般式(7)



(一般式(7)中、R~R24は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、カルボキシル基、スルホン基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、
置換基を有してもよいアリールアミノ基、置換基を有してもよいスルファモイル基を表す。
Zは、一般式(8)で示す単量体単位を含む重合体部位、または一般式(9)で表すリン化合物部位であり、*は、Alとの結合手である。)
一般式(8)



(一般式(8)中、Xは、-CONH-R25-、-COO-R26-、-CONH-R27-O-、-COO-R28-O-、R25~R28は、炭素原子と炭素原子の間が、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CONH-、または-NHCO-で連結されていても良いアルキレン基もしくはアリーレン基を表す。R31は水素または、メチル基を表す。)
一般式(9)
Figure 2023152199000012


(一般式(9)中、R29およびR30は、それぞれ独立に、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシル基または置換基を有してもよいアリールオキシ基を表し、R29とR30は、互いに結合して環を形成しても良い。)
以下、ナフタロシアニン化合物の具体例を示す。なお、本発明はこれらに限定されない。

近赤外線吸収剤(E)の含有量は、組成物の不揮発分中、0.005~50質量%が好ましく、0.01~40質量%がより好ましい。目的の分光カット率によって紫外線吸収剤の含有量を設計することができる。
本発明の組成物は、樹脂を含有できる。樹脂は、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられる。
まず、本発明の紫外線吸収剤、および熱可塑性樹脂を含む組成物を説明する。前記組成物は、例えば、成形体用途に使用できる。熱可塑性樹脂は、例えば、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアクリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリビニルアセタール、シクロオレフィン樹脂等が挙げられる。
<ポリオレフィン>
ポリオレフィン樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン-1、およびポリ-4-メチルペンテン、ならびにこれらの共重合体が挙げられる。
ポリエチレンは、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが挙げられる。
ポリプロピレンは、例えば、結晶性または非晶性ポリプロピレンが挙げられる。
これらを用いた共重合体は、例えば、エチレン-プロピレンのランダム、ブロックあるい
はグラフト共重合体、α-オレフィンとエチレンあるいはプロピレンの共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体およびエチレン-アクリル酸共重合体等が挙げられる。
これらの中でも結晶性または非晶性ポリプロピレン、エチレン-プロピレンのランダム、ブロックあるいはグラフト共重合体が好ましく、プロピレン-エチレンブロック共重合体がより好ましい。また安価で、比重が小さいために成形品を軽量化できる観点からはポリプロピレン系樹脂が好ましい。
ポリオレフィンの数平均分子量は、30,000~500,000程度である。
ポリオレフィンのメルトフローレイト(MFR)は1~100(g/10分)が好ましい。なお、MFRはJISK-7210に準拠して求めた数値である。
<ポリカーボネート>
ポリカーボネートは、非晶性樹脂であり、芳香族ジヒドロキシ化合物に、ホスゲン或いは炭酸ジエステル等のカーボネート前駆体を反応させて合成する。ホスゲンを用いる合成反応の場合は、例えば、界面法が好ましい。また、炭酸ジエステルを用いる合成反応の場合、溶融状で反応させるエステル交換法が好ましい。
芳香族ジヒドロキシ化合物は、例えば、例えば、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-t-ブチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルエーテル等のジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。また、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4’-ジヒドロキシジフェニル類を混合して使用してもよい。
前記カーボネート前駆体は、例えば、例えば、ホスゲン、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類等が挙げられる。
芳香族ジヒドロキシ化合物、およびカーボネート前駆体は、それぞれ単独または2種類以上を併用して使用できる。
ポリカーボネートの粘度平均分子量は、15,000~30,000が好ましく、16,000~27,000がより好ましい。なお、本明細書における粘度平均分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算される値
である。
ポリカーボネートの市販品は、例えば、ユーピロンH-4000(三菱エンジニアリングプラスチック社製、粘度平均分子量16,000)ユーピロンS-3000(三菱エンジニアリングプラスチック社製、粘度平均分子量23,000)、ユーピロンE-2000(三菱エンジニアリングプラスチック社製、粘度平均分子量27,000)等が挙げられる。
<ポリアクリル>
ポリアクリルは、メタクリル酸メチルおよび/またはメタクリル酸エチル等のモノマーおよび必要に応じて使用する他のモノマーを公知の方法で重合した化合物である。ポリアクリルは、例えば、エチレン-アクリル酸メチル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体およびエチレン-アクリル酸共重合体等が挙げられる。前記モノマーの他に、例えば、ブタジエン、α-メチルスチレン、無水マレイン酸等のモノマーを加えて重合することもでき、モノマー量と分子量によって耐熱性、流動性、衝撃性を調整することができる。
<ポリエステル>
ポリエステルは、分子の主鎖にエステル結合を有する樹脂であり、ジカルボン酸(その誘導体を含む)と、ジオール(2価アルコールまたは2価フェノール)とから合成した重縮合物;、ジカルボン酸(その誘導体を含む)と、環状エーテル化合物とから合成した重縮合物;、環状エーテル化合物の開環重合物等が挙げられる。ポリエステルは、ジカルボン酸とジオールでの重合体によるホモポリマー、複数の原料を使用するコポリマー、これらを混合するポリマーブレンド体が挙げられる。なお、ジカルボン酸の誘導体とは、酸無水物、エステル化物である。ジカルボン酸は、脂肪族および芳香族の2種類のジカルボン酸があるところ、耐熱性が向上する芳香族がより好ましい。
芳香族ジカルボン酸は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、p-カルボキシルフェニル酢酸、m-フェニレンジグリゴール酸、p-フェニレンジグリコール酸、ジフェニルジ酢酸、ジフェニル-p,p’-ジカルボン酸、ジフェニル-4,4’-ジ酢酸、ジフェニルメタン-p,p’-ジカルボン酸、ジフェニルエタン-m,m’-ジカルボン酸、スチルベンジルカルボン酸、ジフェニルブタン-p,p’-ジカルボン酸、ベンゾフェノン-4,4’-ジカルボン酸、ナフタリン-1,4-ジカルボン酸、ナフタリン-1,5-ジカルボン酸、ナフタリン-2,6-ジカルボン酸、ナフタリン-2,7-ジカルボン酸、p-カルボキシフェノキシ酢酸、p-カルボキシフェノキシブチル酸、1,2-ジフェノキシプロパン-p,p’-ジカルボン酸、1,5-ジフェノキシペンタン-p,p’-ジカルボン酸、1,6-ジフェノキシヘキサン-p,p’-ジカルボン酸、p-(p-カルボキシフェノキシ)安息香酸、1,2-ビス(2-メトキシフェノキシ)-エタン-p,p’-ジカルボン酸、1,3-ビス(2-メトキシフェノキシ)プロパン-p,p’-ジカルボン酸、1,4-ビス(2-メトキシフェノキシ)ブタン-p,p’-ジカルボン酸、1,5-ビス(2-メトキシフェノキシ)-3-オキシペンタン-p,p’-ジカルボン酸等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸は、例えば、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、コルク酸、マゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
2価アルコールは、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、2,2-ジメチルプロパン-1,4-ジオール、cis-2-ブテン-1,4-ジオール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレ
ングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらの中でもエチレングリコール、ブタン-1,4-ジオール、シクロヘキサンジメタノールが好ましい。
2価フェノールは、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールA等が挙げられる。
環状エーテル化合物は、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。
ジカルボン酸や2価アルコールは、それぞれ単独または2種類以上を併用して使用できる。
<ポリアミド>
ポリアミドは、結晶性樹脂であり、例えば、カルボン酸成分と、アミノ基を2個以上有する化合物(Am)とを脱水縮合反応させて合成できる。
カルボン酸成分は、例えば、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が挙げられる。なお、カルボン酸成分は、3以上のカルボキシル基を有する化合物を使用できる。
アミノ基を2個以上有する化合物(Am)は、例えば、公知のものを使用することができ、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミン;イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジアミン等の脂環式ポリアミンを含む脂肪族ポリアミン;フェニレンジアミン、キシリレンジアミン等の芳香族ポリアミン;1,3-ジアミノ-2-プロパノール、1,4-ジアミノ-2-ブタノール、1-アミノ-3-(アミノメチル)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン-1-オール、4-(2-アミノエチル)-4,7,10-トリアザデカン-2-オール、3-(2-ヒドロキシプロピル)-o-キシレン-α,α’-ジアミン等のジアミノアルコールが挙げられる。
ポリアミドの市販品は、例えば、6ナイロン(東レ社製)、66ナイロン(東レ社製)、610ナイロン等が挙げられる。
<ポリエーテルイミド>
ポリエーテルイミドは、ガラス転移温度が180℃超の非晶性樹脂であり、透明性良好で高強度、高耐熱性、高弾性率および広範な耐薬品性を有している。そのため自動車、遠隔通信、航空宇宙、電気/電子、輸送およびヘルスケアなどの多様な用途で広範に使用されている。
ポリエーテルイミドの製造プロセスの1つは、ビスフェノールA二ナトリウム塩(BPA・Na)などのジヒドロキシ芳香族化合物のアルカリ金属塩とビス(ハロフタルイミド)との重合によるものである。得られたポリエーテルイミドの分子量は2つの方法で制御できる。第1の方法は、ジヒドロキシ芳香族化合物のアルカリ金属塩に対して、モル過剰のビス(ハロフタルイミド)を使用することである。第2の方法は、末端キャッピング剤を形成する無水フタル酸などの単官能性化合物の存在下でビス(無水ハロフタル酸)を調製することである。無水フタル酸は、有機ジアミンの一部と反応してモノハロ-ビス(フタルイミド)を形成する。モノハロ-ビス(フタルイミド)は、成長中のポリマー鎖におけるフェノキシド末端基との反応による重合ステップにおいて、末端キャッピング剤として働く。
ポリエーテルイミドの市販品は、ULTEM(サウジ基礎産業公社製)が挙げられる。
<シクロオレフィン>
シクロオレフィン樹脂は、主鎖および又は側鎖に脂環構造を有する非晶性樹脂である。脂環構造の種類は、例えば、例えば、ノルボルネン重合体、単環の環状オレフィン重合体
、環状共役ジエン重合体、およびビニル脂環式炭化水素重合体、ならびにこれらの水素化物等が挙げられる。これらの中でも成形性と透明性に優れることから、ノルボルネン重合体が好ましい。ノルボルネン単量体は、例えば、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン(慣用名:ノルボルネン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3,7-ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、7,8-ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3-エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン(慣用名:テトラシクロドデセン)等が挙げられる。
シクロオレフィン樹脂の市販品は、例えば、トパス(ポリプラスチックス社製)、アペル(三井化学社製)が挙げられる。
<ポリビニルアセタール>
ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルアセタールが好ましい。ポリビニルアセタールは、ポリビニルブチラール樹脂より好ましい。ポリビニルブチラール樹脂は、例えば、ポリビニルアルコールとブチルアルデヒドを酸性条件化で反応させて合成できる。
熱可塑性樹脂は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
紫外線吸収剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.01~10質量部が好ましく、0.05~1質量部がより好ましい。
前記紫外線吸収剤と熱可塑性樹脂を含む組成物は、例えば、紫外線吸収剤を高濃度で配合したマスターバッチとして製造することが好ましい。マスターバッチを作製し、次いで、希釈樹脂(熱可塑性樹脂)と溶融混錬して成形体を作製すると、マスターバッチを経ず作成した成形体と比較して、紫外線吸収剤を成形体中に均一に分散し易く、紫外線吸収剤の凝集を抑制できるこれにより、成形体の透明性が向上する。
マスターバッチは、例えば、紫外線吸収剤と熱可塑性樹脂を溶融混練し、ペレタイザーを使用してペレット状に製造できる。なお、紫外線吸収剤の凝集を防ぐため、予め、紫外線吸収剤とワックスを溶融混練した分散体を作製した後、熱可塑性樹脂と共に、溶融混錬してマスターバッチを作製することが好ましい。ここで、分散体の作製は、ブレンドミキサーや3本ロールミルを用いることが好ましい。
組成物をマスターバッチとして作製する場合、紫外線吸収剤の配合量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.1~30質量部が好ましく、0.5~3質量部がより好ましい。マスターバッチ(X)と希釈用樹脂(Y)との質量比は、X/Y=1/5~1/100が好ましい。この範囲にすると成形品は、良好な光特性が得やすい。
また、本発明の組成物は、液状マスターバッチを作製し、次いで、希釈樹脂(熱可塑性樹脂)とともに溶融混錬して成形体を作製することができる。
液状マスターバッチは、紫外線吸収剤を液体樹脂に溶解もしくは分散させて得られる。
液体樹脂は、25℃の粘度が8,000mPa・s以下の樹脂である。なお、前記粘度は、10~5,000mPa・sが好ましく、100~3,000mPa・sがより好ましい。上記範囲内であると、紫外線吸収剤を液状マスターバッチ中に容易に分散できる。本明細書における粘度はJIS K7117-1:1999に従ってB型粘度計を用いて25℃で測定した値である。
液体樹脂の含有量は、液状マスターバッチ100質量%中、50質量%以上が好ましく、60~95質量%がより好ましく、70~90質量%がさらに好ましい。この範囲内で
あることにより、例えば、溶融混錬の際、溶融粘度を抑制できるため、紫外線吸収剤を分散し易くなる。この液状マスターバッチを使用すると、透明性が高い成形体が得られる。
また、液体樹脂の数平均分子量(Mn)は、100~3000が好ましく、200~2000がより好ましく、500~1500がさらに好ましく、1000~1500が特に好ましい。Mn200以上により成形体の成形性と透明性を両立し易い。また、Mnが2000以下により、分散性と帯電防止性が向上する。
液体樹脂は、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ系樹脂、脂肪族ポリエステル、ポリエーテル樹脂、ポリアルキレングリコール樹脂、ポリエーテルエステル樹脂、またはアセチルクエン酸トリブチル等が挙げられる。主剤樹脂がポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネートなどの高い成型温度が必要な場合にも、耐熱性が高く、帯電防止性も優れる点で、脂肪族ポリエステル、ポリアルキレングリコール樹脂、ポリエーテルエステル樹脂、またはアセチルクエン酸トリブチルが好ましい。
[脂肪族ポリエステル]
脂肪族多価カルボン酸と多価アルコールとの反応によって得られる樹脂である。
前記脂肪族多価カルボン酸は、カルボキシル基を2つ以上有する脂肪族カルボン酸である。脂肪族多価カルボン酸は、例えば、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、トリカルバリル酸、1,3,6-ヘキサントリカルボン酸、1,3,5-ヘキサントリカルボン酸等が挙げられる。
前記多価アルコールは、水酸基を2つ以上有するアルコールである。多価アルコールは、例えば、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-n-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-オクタデカンジオール等の脂肪族グリコール及びジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸および多価アルコールは、それぞれ単独または2種類以上併用して使用できる。
脂肪族ポリエステルの凝固点は、-5℃以下が好ましく、-50℃~-10℃がより好ましい。
脂肪族ポリエステルの市販品は、例えば、アデカサイザーPN‐170(ADEKA社製、25℃での粘度800mPa・s、凝固点-15℃、アジピン酸ポリエステル)、アデカサイザーP-200(ADEKA社製、25℃での粘度2,600mPa・s、凝固点-20℃、アジピン酸ポリエステル)、アデカサイザーPN-250(ADEKA社製、25℃での粘度4,500mPa・s、凝固点-20℃、アジピン酸ポリエステル)等が挙げられる。
[ポリエーテル樹脂]
ポリエーテル樹脂は、アルキレンオキシ基の繰り返し単位を有する樹脂である。アルキレンオキシ基の炭素数は1~6が好ましい。ポリエーテル樹脂は、25℃における粘度が10,000mPa・s以下が好ましい。この粘度であれば、液状マスターバッチ用途の使用に適している。なお、アルキレンオキシ基の炭素数は、2~4が好ましい。これにより相溶性が向上する一方、吸水性を抑制できる。
ポリエーテル樹脂は、例えば、いずれも繰り返し単位中の炭素数が2であるポリエチレングリコールや、いずれも繰り返し単位中の炭素数が3であるポリトリメチレングリコールおよびポリプロピレングリコールや、いずれも繰り返し単位中の炭素数が4であるポリテトラメチレングリコールおよびポリブチレングリコール等が挙げられる。
[ポリエーテルエステル樹脂]
ポリエーテルエステル樹脂は、脂肪族多価カルボン酸樹脂とアルキレングリコール樹脂とのエステル化合物である。
ポリエーテルエステル樹脂の市販品は、例えば、アデカサイザーRS‐107(ADEKA社製、25℃での粘度20mPa・s、凝固点-47℃、アジピン酸エーテルエステル系樹脂)、アデカサイザーRS-700(ADEKA社製、25℃での粘度30mPa・s、凝固点-53℃、ポリエーテルエステル系樹脂)等が挙げられる。
液体樹脂の凝固点は、-5℃以下が好ましく、-50℃~-10℃がより好ましい。
本明細書の組成物は、可塑剤分散液を作製し、次いで、希釈樹脂(熱可塑性樹脂)とともに溶融混錬して成形体を作製することができる。
紫外線吸収剤の含有量は、可塑剤分散液中、0.1~30質量%が好ましい。
可塑剤分散液は、紫外線吸収剤を可塑剤に溶解もしくは分散して作製する。
可塑剤は、例えば、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、ポリエステル、リン酸エステル、クエン酸エステル、エポキシ化植物油、セバシン酸エステルなどが挙げられる。これらの中でもトリエチレングリコール-ジ-2-エチルヘキサノエート、トリエチレングリコール-ジ-n-ヘプタノエートが好ましく、トリエチレングリコール-ジ-2-エチルヘキサノエートがより好ましい。
可塑剤は、単独または2種類以上併用して使用できる。
可塑剤の含有量は、可塑剤分散液中、60~99.9質量%が好ましい。
(樹脂型分散剤)
本発明の液状マスターバッチや、可塑剤分散液は樹脂型分散剤を含んでも良い。これにより、液状マスターバッチや可塑剤分散液中で、紫外線吸収剤がより均一に分散されるため、成形体はさらに高い透明性が得られる。また、樹脂型分散剤を含むことで、液状マスターバッチや可塑剤分散液の保存安定性が向上する。
樹脂型分散剤は、紫外線吸収剤や色材に吸着する性質を有する吸着部位と、紫外線吸収剤や色材以外の成分と相溶性のある緩和部位とを有する樹脂である。樹脂型分散剤としては、塩基性分散剤、酸性分散剤、中性分散剤又は両性分散剤が挙げられる。樹脂型分散剤がの主骨格としては、例えば、ポリウレタン骨格、ポリオレフィン骨格、ポリ(メタ)アクリル骨格、ポリエステル骨格、ポリアミド骨格、ポリカーボネート骨格、ポリエーテル骨
格、ポリシロキサン骨格、ポリビニル骨格、ポリイミド骨格又はポリウレア骨格等が挙げられ、さらにこれらの骨格の複合樹脂でも良い。また、また、樹脂型分散剤の構造に制限は無く、ランダム構造、ブロック構造、鎖状構造、櫛型構造又は星型構造等が挙げられる。
また、樹脂型分散剤は、酸性基や塩基性基を有する場合は、その一部もしくは全てが中和されていても良い。
また、樹脂型分散剤は、4級アンモニウム塩基部位を含有していても良い。
上記分散剤のうち少量の添加量で分散体の粘度が低くなるという理由から、塩基性官能基を有する樹脂型分散剤が好ましく、窒素原子含有グラフト共重合体や、側鎖にアミノ基、4級アンモニウム塩基、含窒素複素環などを含む官能基を有する、窒素原子含有アクリル系ブロック共重合体およびウレタン系樹脂型分散剤などが好ましい。
樹脂型分散剤は、単独または2種類以上併用して使用できる。
樹脂型分散剤の含有量は、紫外線吸収剤100質量部に対して5~200質量%程度が好ましく、10~100質量%程度がより好ましい。
市販の樹脂型分散剤は、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk-101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti-Terra-U、203、204、またはBYK-P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon-WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE-3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、BASF社製のEFKA-46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
なお、樹脂型分散剤が有機溶剤に溶解した状態の場合は、液体樹脂を添加し、減圧して加熱し、溶媒を留去して使用することが好ましい。その場合、これを含有する液状マスターバッチも有機溶剤を含まないため、工程面でも使用しやすい。
<液状マスターバッチの製造方法>
液状マスターバッチは、紫外線吸収剤と液状樹脂を混合することで作製できる。なお、前記作製には、樹脂型分散剤を用いることが好ましい。前記混合は、例えば、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、またはアトライター等の装置を使用できる。
<可塑剤分散液の製造方法>
可塑剤分散液は、紫外線吸収剤と可塑剤を混合することで作製できる。なお、前記作製には、樹脂型分散剤を用いることが好ましい。前記混合は、前記「液状マスターバッチの製造方法」で説明した装置を使用できる。
本明細書の組成物は、熱可塑性樹脂、紫外線吸収剤以外に任意成分として、酸化防止剤、光安定剤、分散剤、ワックス等を含有できる。
本明細書の組成物は、例えば、塗料として製造することも好ましい。
前記塗料に使用できる樹脂は、ガラス転移温度が、30℃以上の樹脂が好ましい。前記樹脂は、例えば、ニトロセルロース、ポリエステル等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
本発明の塗料は、樹脂型分散剤としてカルボキシル基を有する樹脂型分散剤を含んでも良い。カルボキシル基を有する樹脂型分散剤の形状としては、直鎖状の樹脂型分散剤、櫛型の樹脂型分散剤がある。
<櫛型の樹脂型分散剤>
カルボキシル基を有する櫛型の樹脂型分散剤としては、下記(S1)又は(S2)がある。
[樹脂型分散剤(S1)]
樹脂型分散剤(S1)は、WO2008/007776号公報、特開2008-029901号公報、特開2009-155406号公報等の公知の方法で製造することができる。
例えば、水酸基を有する重合体の水酸基と、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物である樹脂型分散剤であるか、水酸基を有する化合物の水酸基と、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物の存在下に、エチレン性不飽和単量体を重合した重合体である樹脂型分散剤。
[樹脂型分散剤(S2)]
樹脂型分散剤(S2)は、WO2008/007776号公報、特開2009-155406号公報、特開2010-185934号公報、特開2011-157416号公報等の公知の方法で製造することができる。
例えば、水酸基を有する化合物の水酸基と、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基との反応生成物の存在下に、水酸基、t-ブチル基あるいはオキセタン骨格、ブロックイソシアネートなどの熱架橋基を有するエチレン性不飽和単量体とそれ以外を重合した側鎖を持つ樹脂型分散剤とさらにその側鎖の水酸基にイソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体を反応させて得られる樹脂型分散剤。
<直鎖状の樹脂型分散剤>
直鎖状の樹脂型分散剤は、すべて公知の方法を利用して製造することができ、例えば、特開2009-251481号公報、特開2007-23195号公報、特開1996-143651号公報、に示されるような公知の方法を利用して合成することが出来る。直鎖の分散剤の製造方法の一例として、カルボキシル基を有する分散剤は、片末端に1つの水酸基を有するビニル系重合体を原料として、トリカルボン酸無水物を水酸基に付加することによって製造することが出来る。
[その他の樹脂型分散剤]
その他の樹脂型分散剤としては、紫外線吸収剤や色材に吸着する性質を有する親和性部位と、紫外線吸収剤や色材担体と相溶性のある部位とを有し、添加紫外線吸収剤や色材に吸着して着色剤担体への分散を安定化する働きをするものであれば良く、前述と重複するも
のも含めて、具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコ-ル、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独または2種以上を混合して用いることができる。
塩基性官能基を有する高分子分散剤としては、窒素原子含有グラフト共重合体や、側鎖に3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、含窒素複素環などを含む官能基を有する、窒素原子含有アクリル系ブロック共重合体及びウレタン系高分子分散剤などが挙げられる。
市販の樹脂型分散剤は、前記同様である。
次に、本発明の紫外線吸収剤、および光硬化性樹脂を含む組成物を説明する。前記組成物は、例えば、ハードコート層、トップコート層、各種積層体の中間層などの塗膜層用途に使用できる。この場合、組成物は、紫外線吸収剤、光重合性化合物および光重合開始剤を含むことが好ましい。また、前期組成物中の紫外線吸収剤は光硬化性部位を含むことがより好ましい。また前記組成物は、樹脂を含有できる。また前記組成物は、光硬化性組成物として公知の添加剤や必要に応じて有機溶剤を含有できる。
光重合性化合物は、モノマーおよびオリゴマーを含む。光重合性化合物は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。
光重合開始剤は、例えば、アセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物、オキシムエステル系化合
物、ホスフィン系化合物、キノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が挙げられる。これらの中でも高感度の面でオキシムエステル系化合物が好ましい。
次に、本発明の紫外線吸収剤、および熱硬化性樹脂を含む、組成物を説明する。前記組成物は、例えば、塗料、粘着剤用途に使用できる。この場合、組成物は、紫外線吸収剤、熱硬化性樹脂を含むことが好ましく、さらに硬化剤を含むことが好ましい。換言すると本明細書の粘着剤は、紫外線吸収剤、粘着性樹脂、および硬化剤を含有することが好ましい。
前記粘着性樹脂は、ガラス転移温度が-50~-20℃程度の樹脂である。粘着性樹脂の種類は、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル、ウレタン樹脂等が挙げられる。また、粘着性樹脂は、硬化剤と反応可能な官能基を有することが好ましい。前記官能基は、例えば、カルボキシル基、水酸基等が挙げられる。
前記硬化剤は、例えば、イソシアネート硬化剤、エポキシ硬化剤、アジリジン硬化剤、金属キレート硬化剤等が挙げられる。
本発明の成形体は、前記紫外線吸収剤と樹脂などを含む組成物を溶融混錬して成形して作製することができる。組成物がマスターバッチである場合、マスターバッチと希釈樹脂を溶融混錬して成形体を作製することが好ましい。なお、本発明で成型体は型に樹脂を投入し物品を得るものである。また、成形体は、プラスチックフィルムなど型を使用せずに得た物品と成型体を含む。なお、希釈樹脂は、既に説明した熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。
溶融混練は、例えば単軸混練押出機、二軸混練押出機、タンデム式二軸混練押出機等を用が好ましい。溶融混錬温度は、熱可塑性樹脂の種類により異なるが、通常150~320℃程度である。
成形方法は、例えば、押出成形、射出成形、ブロー成形などが挙げられる。押出成形は、例えばコンプレッション成形、パイプ押出成形、ラミネート成形、Tダイ成形、インフレーション成形、溶融紡糸等が挙げられる。
成形温度は、希釈樹脂の軟化点によるところ、通常160~320℃である。
本発明の成形体は、例えば、医薬品包装材、食品包装材、ディスプレイ、ガラス中間膜、光学レンズ、太陽電池、ウィンドウフィルム、眼鏡レンズ用途に使用することができる。
医薬品包装材や食品包装材は、熱可塑性樹脂に、例えば、ポリエステル、シクロオレフィン樹脂等を使用することが好ましい。これら成形体は、柔軟性および視認性が向上し、内容物の劣化を抑制できる。
ディスプレイ、ガラス中間膜、光学レンズ、太陽電池用途で使用できる成形体は、熱可塑性樹脂から構成されている成形体であれば何でも良いが、所望の波長に対して透明な性質を有する樹脂からなるフィルムが好ましい。このような成形体を構成する樹脂としては、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート系樹脂、脂環構造を有するオレフィンポリマー系樹脂(脂環式オレフィンポリマー系樹脂)、セルロースエステル系樹脂などが挙げられる。
本発明の塗膜は、前記紫外線吸収剤と樹脂を含む組成物、および有機溶剤などを含む塗料を基板などに塗工して乾燥し作製することができる。例えば、ハードコート層、トップコート層、各種積層体の中間層などの塗膜層、粘着剤層などが挙げられる。
前記ハードコート層、トップコート層、各種積層体の中間層などの塗膜層は、例えばディスプレイ用材料、センサー用材料、光学制御材料、各種産業用被覆材、自動車用部品、家電製品、住宅等の建材、トイレタリー用品などの用途で、基材などに塗工して紫外線を遮蔽する膜を形成し、有機材料などの劣化を抑制することができる。
前記粘着剤層は、例えば、剥離シート上に塗工し、乾燥することで粘着剤層を形成し、粘着剤層上に基材を貼り合わせて粘着シートを作製できる。
本明細書の粘着シートは、例えばディスプレイ(例えば、テレビ、パソコン、スマホ等)や自動車用部品、センサー用部材、家電製品、住宅等の建材、ガラス中間膜用途などの用途で、各基材に貼り合わせる使用することが好ましい。粘着シートは、本発明の紫外線吸収剤を含むことで、バックライトや太陽光に含まれる紫外線や可視光の短波長領域の光を吸収し、目や人体への悪影響を抑制することやディスプレイの表示素子の劣化を抑制することができる。なお、シート、フィルムおよびテープは同義語である。
<用途および効果>
本発明の紫外線吸収剤、組成物、成形体および塗膜を以下の用途に用いることで、波長400nm未満の紫外線、および400~420nm程度の可視光短波長領域の光から、有機物や人体に与えるダメージを低減することが可能である。
ディスプレイ用途では、例えば、テレビ、パソコン、スマホ等に使用できる光学フィルム等で使用できる。本発明の成形体もしくは塗膜を使用した積層体は、ディスプレイのバックライトに含まれる紫外線や可視光の短波長領域の光を吸収することで、目への悪影響を抑制することができ、また、太陽光に含まれる紫外線や可視光の短波長領域の光を吸収することで、ディスプレイの表示素子の劣化を抑制できる。
ガラス中間膜用途では、例えば自動車や建築物等の合わせガラス等で使用できる。上記の組成物を含む成形体を使用した合わせガラスは、太陽光に含まれる紫外線や可視光の短波長領域の光を吸収することで、目や人体への悪影響を抑制することができる。
レンズ用途では、例えば眼鏡や光学センサー等に使用できるレンズ等で使用できる。上記の組成物を含む成形体を使用したレンズは、例えば眼鏡用途では太陽光に含まれる紫外線や可視光の短波長領域の光を吸収することで、目や人体への悪影響を抑制することができ、光学センサー用途ではノイズに成り得る不要な波長の光をカットすることで、センサーの感度を高めることができる。
医薬品薬剤や化粧品等の包装材料では、内容物であるビタミンなどの特定の成分は、400~420nm程度の可視光短波長領域の光においても劣化するため、従来の紫外線吸収剤に比べ劣化をより低減することができる。
化粧品用途では、日焼け止めやファンデーション等に使用できる。紫外線だけでなく400~420nm程度の可視光短波長領域の光においても肌への影響を与えるため、より肌や人体への悪影響を抑制することができる。
また、紫外線および400~420nm程度の可視光短波長領域の光は樹脂を劣化するため、樹脂を使用する用途全般において劣化を低減し、寿命を延長することができる。結果
として、廃棄物削減に貢献することができる。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。なお、本発明は実施例に限定ない。また、「質量部」は「部」、「質量%」は「%」と記載する。
<製造方法>
[紫外線吸収中間体(a-1)]
500mL三角フラスコに、ニトロベンゼンを160部、塩化シアヌルを8部、塩化アルミニウムを17.4部仕込み、撹拌して懸濁させた。次に、氷水で冷却しながら、2-ナフトールを21.9部、少しずつ添加した。その後、徐々に室温に戻しながら終夜撹拌し、反応液を得た。一方、500mLビーカーに水を38.1部、35%塩酸を10.0部、メタノールを45.0部仕込み、反応液を少しずつ滴下した。30分攪拌後、ろ別し、得られたウェットケーキをメタノール100部中に戻して室温で30分リスラリーを行い、濾別した後、水45gをふりかけ洗浄した。得られたウェットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収中間体(a-1)を得た。
(化合物の同定方法)
本発明に用いた紫外線吸収中間体および紫外線吸収剤の同定には、NMRを用いた。
<測定条件>
装置:BRUKER AVANCE400
共振周波数:400MHz(1H-NMR)
溶媒:ジメチルスルホキシド-d
1H-NMRの内部標準物質として、テトラメチルシランを用い、ケミカルシフト値はδ値(ppm)、カップリング定数はHertzで示した。またsはsinglet、dはdoublet、mはmultipletの略とする。得られたNMRスペクトルの内容は以下のとおりである。
δ=12.05(s,3H),8.70(d,J=8.4Hz,3H),8.07(d,J=8.8Hz,3H),7.93(d,J=8.0Hz,3H),7.46-7.50(m,3H),7.38-7.42(m,3H),7.34(d,J=9.2Hz,3H)
上記の通り、紫外線吸収中間体(a-1)のNMR測定を行った結果、上記構造を支持する結果が得られた。他の紫外線吸収中間体および紫外線吸収剤も上記同様にNMRで構造同定を行ったがデータは省略する。
[紫外線吸収剤1]
300mL三角フラスコに98%硫酸を100部、紫外線吸収中間体(a-1)を10部、2-クロロ-2メチルプロパンを11.9部仕込み、氷浴中で10℃以下に保ちながら6時間撹拌し、反応液を得た。次に氷200部、水400部の混合液に前記反応液を少しずつ滴下した。30分攪拌後、ろ別し、得られたウェットケーキをメタノール/水=10/1の混合液450部中に戻して室温で30分リスラリーを行い、濾別した。次いで得られたウェットケーキを50℃以上の水100部中に戻して室温で30分リスラリーを行い、濾別した。得られたウェットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収剤1を得た。
Figure 2023152199000014

<紫外線吸収中間体(b-1)の製造方法>
500mL三角フラスコに、ニトロベンゼンを150部、塩化シアヌルを10部、塩化アルミニウムを36.2部仕込み、撹拌して懸濁させた。次いで、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチルを38.4部、少しずつ添加した。その後、80℃まで昇温して3時間攪拌し、反応液を得た。一方、2Lビーカーに水を100部、メタノールを400部仕込み、反応液を少しずつ滴下した。30分攪拌後、ろ別し、得られたウェットケーキをメタノール200部中に戻して室温で30分リスラリーを行った。次いで、濾別し得られたウェットケーキを、水100gと35%塩酸5gの混合溶液に戻して室温で30分リスラリーを行った。濾別し得られたウェットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収中間体(b-1)を得た。
<紫外線吸収中間体(bb-1)の製造方法>
500mL三角フラスコに、ニトロベンゼンを150部、塩化シアヌルを10部、塩化アルミニウムを24.1部仕込み、撹拌して懸濁させた。次いで、2-ナフトールを17.2部、少しずつ添加した。その後、80℃まで昇温して2時間攪拌し、反応液を得た。次いで、塩化アルミニウムを12.1部、2-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチルを12.1部を添加し、80℃で2時間攪拌し、反応液を得た。一方、2Lビーカーに水を100部、メタノールを400部仕込み、反応液を少しずつ滴下した。30分攪拌後、ろ別し、得られたウェットケーキをメタノール200部中に戻して室温で30分リスラリーを行った。次いで、濾別し得られたウェットケーキを、水100gと35%塩酸5gの混合溶液に戻して室温で30分リスラリーを行った。濾別し得られたウェットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収中間体(bb-1)を得た。
Figure 2023152199000015

<紫外線吸収中間体(c-1)の製造方法>
500mL三角フラスコに、紫外線吸収中間体(b-1)を10部、メタノールを100
部、イオン交換水を50部、25%カセイソーダを50部仕込み、60℃で3時間撹拌し、反応液を得た。次に、水50部と35%塩酸50部の混合液を、反応液に少しずつ滴下した。30分攪拌後、ろ別した。得られたウェットケーキを水200部にリスラリーし、30分攪拌後、ろ別した。得られたウェットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収中間体(c-1)を得た。
<紫外線吸収中間体(cc-1)の製造方法>
紫外線吸収中間体(c-1)の製造において、紫外線吸収中間体(b-1)代わりに紫外線吸収中間体(bb-1)を用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収中間体(cc-1)を得た。
Figure 2023152199000016

<紫外線吸収中間体(d-1)の製造方法>
300mL三角フラスコに、98%硫酸を50部、紫外線吸収中間体(a-1)を10部仕込み、70℃で3時間撹拌し、反応液を得た。次に、氷100部、水100部の混合液中に、反応液を少しずつ滴下した。30分攪拌後、ろ別し、5%塩酸を振りかけ、ウェットケーキを得た。得られたウェットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収中間体(d-1)を得た。
<紫外線吸収中間体(a-2)の製造方法>
300mL三角フラスコに、クロロベンゼンを160部、2,4-ジクロロ-6-フェニル-1,3,5-トリアジンを8部、塩化アルミニウムを11.8部仕込み、撹拌して懸濁させた。次に、氷水で冷却しながら、2-ナフトールを12.8部、少しずつ添加した。その後、徐々に室温に戻しながら終夜撹拌し、反応液を得た。一方、500mLビーカーに水を38.1部、35%塩酸を10.0部、メタノールを45.0部仕込み、反応液を少しずつ滴下した。30分攪拌後、ろ別し、得られたウェットケーキをメタノール100部中に戻して室温で30分リスラリーを行い、濾別した後、水45gをふりかけ洗浄した。得られたウェットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収中間体(a-2)を得た。
Figure 2023152199000017
<紫外線吸収中間体(b-2)の製造方法>
紫外線吸収中間体(b-1)の製造において、塩化シアヌルを10部、塩化アルミニウムを36.2部、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチルを38.4部の代わりに2,4-ジクロロ-6-フェニルー1,3,5-トリアジンを10部、塩化アルミニウムを26.5部、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチルを19.7部を用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収中間体(b-2)を得た。
<紫外線吸収中間体(bb-2)の製造方法>
500mL三角フラスコに、ニトロベンゼンを150部、2,4-ジクロロ-6-フェニルー1,3,5-トリアジンを10部、塩化アルミニウムを13.3部仕込み、撹拌して懸濁させた。次いで、2-ナフトールを7.0部、少しずつ添加した。その後、80℃まで昇温して2時間攪拌し、反応液を得た。次いで、塩化アルミニウムを13.3部、2-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチルを9.8部を添加し、80℃で2時間攪拌し、反応液を得た。一方、2Lビーカーに水を100部、メタノールを400部仕込み、反応液を少しずつ滴下した。30分攪拌後、ろ別し、得られたウェットケーキをメタノール200部中に戻して室温で30分リスラリーを行った。次いで、濾別し得られたウェットケーキを、水100gと35%塩酸5gの混合溶液に戻して室温で30分リスラリーを行った。濾別し得られたウェットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収中間体(bb-2)を得た。
Figure 2023152199000018

<紫外線吸収中間体(c-2)の製造方法>
紫外線吸収中間体(c-1)の製造において、紫外線吸収中間体(b-1)代わりに紫外線吸収中間体(b-2)を用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収中間体(c-2)を得た。
<紫外線吸収中間体(cc-2)の製造方法>
紫外線吸収中間体(c-1)の製造において、紫外線吸収中間体(b-1)代わりに紫外線吸収中間体(bb-2)を用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収中間体(cc-2)を得た。
Figure 2023152199000019
<紫外線吸収中間体(d-2)の製造方法>
紫外線吸収中間体(d-1)の製造において、紫外線吸収中間体(a-1)の代わりに紫外線吸収中間体(a-2)を用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収中間体(d-2)を得た。
<紫外線吸収中間体(a-3)の製造方法>
300mL三角フラスコに、キシロールを128部、安息香酸メチルを32部、2-クロロ-4、6-ジフェニル-1,3,5-トリアジンを8部、塩化アルミニウムを8.0部仕込み、撹拌して懸濁させた。次に、氷水で冷却しながら、2-ナフトールを6.5部、少しずつ添加した。その後、徐々に室温に戻しながら終夜撹拌し、反応液を得た。一方、500mLビーカーに水を38.1部、35%塩酸を10.0部、メタノールを45.0部仕込み、反応液を少しずつ滴下した。30分攪拌後、ろ別し、得られたウェットケーキをメタノール100部中に戻して室温で30分リスラリーを行い、濾別した後、水45gをふりかけ洗浄した。得られたウェットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収中間体(a-3)を得た。
Figure 2023152199000020
<紫外線吸収中間体(b-3)の製造方法>
500mL三角フラスコに、キシロールを100部、2-クロロ-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジンを10部仕込み、撹拌して溶解させた。次いで、トリフルオロメタンスルホン酸を11.2部仕込み、攪拌して溶解させた。次いで、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチルを11.3部、少しずつ添加し、45℃まで昇温して6時間攪拌し、反応液を得た。上記反応液にメタノールを100部、水を50部添加して、一晩攪拌後、ろ別した。得られたウェットケーキをメタノール200部中に戻して室温で30分リスラリーを行った。濾別し得られたウェットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収中間体(b-3)を得た。
<紫外線吸収中間体(c-3)の製造方法>
紫外線吸収中間体(c-1)の製造において、紫外線吸収中間体(b-1)代わりに紫外線吸収中間体(b-3)を用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収中間体(c-3)を得た。
<紫外線吸収中間体(d-3)の製造方法>
紫外線吸収中間体(d-1)の製造において、紫外線吸収中間体(a-1)の代わりに紫外線吸収中間体(a-3)を用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収中間体(d-3)を得た。
Figure 2023152199000021
<紫外線吸収中間体(b-4)の製造方法>
紫外線吸収中間体(b-3)の製造において、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチルの代わりに7-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチルを用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収中間体(b-4)を得た。
<紫外線吸収中間体(c-4)の製造方法>
紫外線吸収中間体(c-1)の製造において、紫外線吸収中間体(b-1)代わりに紫外線吸収中間体(b-4)を用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収中間体(c-4)を得た。
Figure 2023152199000022

[紫外線吸収剤2]
500mL三角フラスコに、N-メチル-2-ピロリドンを100部、紫外線吸収中間体(c-1)を10部を仕込んで溶解した。次いで、2-エチルヘキシルグリシジルエーテルを10.2部、3,5-ルチジンを0.5部仕込み、120℃に昇温して6時間撹拌し、反応液を得た。反応液を50℃以下に冷却後、前記反応液に35%塩酸を40部、メタノールを200部を少しずつ滴下した。30分攪拌後、ろ別し、得られたウェットケー
キをメチルエチルケトン100部に戻し、40℃で30分攪拌した。次いで、メタノールを100部添加し、氷冷しながら30分攪拌後に濾別した。得られたウェットケーキをメタノール100部に戻し、30分攪拌後、ろ別した。得られたウェットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収剤2を得た。
[紫外線吸収剤3]
500mL三角フラスコに、N-メチル-2-ピロリドンを100部、紫外線吸収中間体(cc-1)を10部、メチルヒドロキノンを0.01部、メタクリル酸グリシジルを5.2部、N,N-ジメチルベンジルアミンを0.3部仕込み、100℃に昇温して4時間撹拌した後、40℃まで降温させ反応液を得た。次いで、前記反応液に、メタノールを100部、35%塩酸を50部、水を50部を少しずつ滴下した。30分攪拌後、ろ別し、得られたウェットケーキをメタノール100部に戻し、30分攪拌後、ろ別した。次いで、得られたウェットケーキを水100部に戻し、30分攪拌後、ろ別した。得られたウェットケーキを60℃で減圧乾燥し、紫外線吸収剤3を得た。
Figure 2023152199000023
[紫外線吸収剤4]
300mL三角フラスコに、N-メチル-2-ピロリドンを100部、紫外線吸収中間体(c-3)を10部、メチルヒドロキノンを0.01部、4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテルを5.2部、N,N-ジメチルベンジルアミンを0.3部仕込み、100℃に昇温して4時間撹拌した後、40℃まで降温させ反応液を得た。次いで、前記反応液に、メタノールを100部、35%塩酸を50部、水を50部を少しずつ滴下した。30分攪拌後、ろ別し、得られたウェットケーキをメタノール100部に戻し、30分攪拌後、ろ別した。次いで、得られたウェットケーキを水100部に戻し、30分攪拌後、ろ別した。得られたウェットケーキを60℃で減圧乾燥し、紫外線吸収剤4を得た。
[紫外線吸収剤5]
500mL三角フラスコに、N-メチル-2-ピロリドンを150部、紫外線吸収中間体(d-1)を10部仕込み溶解した。次いで、N,N-ジメチルホルムアミドを0.5部、塩化チオニルを6.4部仕込み、室温で5分撹拌後、ジイソブチルアミンを6.9部仕込み3時間攪拌し反応液を得た。次いで、メタノール405部、35%塩酸65部の混合液に反応液を少しずつ滴下した。1時間攪拌後、ろ別し、得られたウェットケーキをメタノール450部、水100部の混合液に戻し、30分攪拌後、ろ別した。得られたウェットケーキを80℃で乾燥し、紫外線吸収剤5を得た。
Figure 2023152199000024

[紫外線吸収剤6]
紫外線吸収剤1の製造において、紫外線吸収中間体(a-1)を10部、2-クロロ-2メチルプロパンを11.9部の代わりに紫外線吸収中間体(a-2)を10部、2-クロロ-2メチルプロパンを11.5部を用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤6を得た。
[紫外線吸収剤7]
紫外線吸収剤2の製造において、紫外線吸収中間体(c-1)を10部、2-エチルヘキシルグリシジルエーテルを10.2部、3,5-ルチジンを0.5部の代わりに紫外線吸収中間体(c-2)を10部、2-エチルヘキシルグリシジルエーテルを8.8部、3,5-ルチジンを0.4部を用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤7を得た。
Figure 2023152199000025
[紫外線吸収剤8]
紫外線吸収剤3の製造において、紫外線吸収中間体(cc-1)を10部、メタクリル酸グリシジルを5.2部、N,N-ジメチルベンジルアミンを0.3部の代わりに紫外線吸収中間体(cc-2)を10部、メタクリル酸グリシジルを5.9部、N,N-ジメチルベンジルアミンを0.3部を用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤8を得た。
[紫外線吸収剤9]
300mL三角フラスコに、N-メチル-2-ピロリドンを150部、紫外線吸収中間
体(c-2)を10部を仕込み、85℃で溶解後、室温に戻した。次いで、N,N-ジメチルホルムアミドを0.5部、塩化チオニルを6.7部仕込み、室温で5分撹拌後、ジ(2-エチルヘキシル)アミンを27.4部仕込み、2時間攪拌して反応液を得た。次いで、メタノール405部、35%塩酸65部の混合液に反応液を少しずつ滴下した。1時間攪拌後、ろ別し、得られたウェットケーキをメタノール450部、水100部の混合液に戻し、30分攪拌後、ろ別した。得られたウェットケーキを80℃で乾燥し、紫外線吸収剤9を得た。
Figure 2023152199000026
[紫外線吸収剤10]
紫外線吸収剤5の製造において、紫外線吸収中間体(d-1)を10部、塩化チオニルを6.4部、ジイソブチルアミンを6.9部の代わりに紫外線吸収中間体(d-2)を10部、塩化チオニルを5.9部、ジイソブチルアミンを6.5部用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤10を得た。
[紫外線吸収剤11]
紫外線吸収剤1の製造において、紫外線吸収中間体(a-1)を10部、2-クロロ-2メチルプロパンを11.9部の代わりに紫外線吸収中間体(a-3)を10部、2-クロロ-2メチルプロパンを9.94部を用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤11を得た。
Figure 2023152199000027

[紫外線吸収剤12]
紫外線吸収剤2の製造において、紫外線吸収中間体(c-1)を10部、2-エチルヘキシルグリシジルエーテルを10.2部、3,5-ルチジンを0.5部の代わりに紫外線吸収中間体(c-3)を10部、2-エチルヘキシルグリシジルエーテルを6.7部、3,5-ルチジンを0.3部用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤12を得た。
[紫外線吸収剤13]
500mL三角フラスコに、N-メチル-2-ピロリドンを100部、紫外線吸収中間体(c-3)を10部、メチルヒドロキノンを0.01部、メタクリル酸グリシジルを6.8部、N,N-ジメチルベンジルアミンを0.3部仕込み、100℃に昇温して4時間撹拌した後、40℃まで降温させ反応液を得た。次いで、前記反応液に、メタノールを100部、35%塩酸を50部、水を50部を少しずつ滴下した。30分攪拌後、ろ別し、得られたウェットケーキをメタノール100部に戻し、30分攪拌後、ろ別した。次いで、得られたウェットケーキを水100部に戻し、30分攪拌後、ろ別した。得られたウェットケーキを60℃で減圧乾燥し、紫外線吸収剤13を得た。
[紫外線吸収剤14]
紫外線吸収剤9の製造において、紫外線吸収中間体(c-2)を10部、塩化チオニルを6.7部、ジ(2-エチルヘキシル)アミンを27.4部の代わりに紫外線吸収中間体(c-3)を10部、塩化チオニルを5.7部、ジ(2-エチルヘキシル)アミンを28.8部を用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤14を得た。
Figure 2023152199000028

[紫外線吸収剤15]
紫外線吸収剤5の製造において、紫外線吸収中間体(d-1)を10部、塩化チオニルを6.4部、ジイソブチルアミンを6.9部の代わりに紫外線吸収中間体(d-3)を10部、塩化チオニルを5.2部、ジイソブチルアミンを5.7部用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤15を得た。
[紫外線吸収剤16]
紫外線吸収剤9の製造において、ジ(2-エチルヘキシル)アミンを27.4部の代わりにジイソブチルアミンを14.6部を用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤16を得た。
Figure 2023152199000029

[紫外線吸収剤17]
500mL三角フラスコに、ジクロロエタンを70部、2-ナフトールを10部仕込み、50℃に昇温して撹拌して懸濁させた。次に、塩化アルミニウムを3.7部、2,4,4-トリメチル-1-ペンテンを11.7部仕込み、50℃で1時間攪拌後、室温に戻した。次に、2-クロロ-4.6-ジフェニル-1,3,5-トリアジンを13部、塩化アルミニウムを1.2部を添加し、50℃に昇温して2時間攪拌し、反応液を得た。得られた反応液に酢酸エチル70部、水10部を少しずつ滴下した。1時間攪拌後、ろ別し、得られたウェットケーキを80℃で終夜乾燥し、紫外線吸収剤17を得た。
[紫外線吸収剤18]
紫外線吸収剤17の製造において、2-ナフトールの代わりに1-ナフトールを用いた以外は同様な方法で製造し、を用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤18を得た。
Figure 2023152199000030
[紫外線吸収剤19]
紫外線吸収剤12の製造において、紫外線吸収中間体(c-1)の代わりに紫外線吸収中間体(c-4)を用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤19を得た。
[紫外線吸収剤20]
紫外線吸収剤11の製造において、2-クロロ-2メチルプロパンを11.9部の代わりに2-クロロプロパンを8.4部を用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤2
0を得た。
Figure 2023152199000031

[紫外線吸収剤21]
紫外線吸収中間体(b-2)の製造において、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチルを19.7部の代わりに6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸プロピルを22.4部を用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤21を得た。
[紫外線吸収剤22]
紫外線吸収剤1の製造において、2-クロロ-2メチルプロパンを11.9部の代わりに1-クロロデカンを22.6部を用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤22を得た。
Figure 2023152199000032
[紫外線吸収剤23]
紫外線吸収剤14の製造において、ジ(2-エチルヘキシル)アミンを28.8部の代わりにジデシルアミンを35.5部を用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤23を得た。
[紫外線吸収剤24]
紫外線吸収中間体(b-2)の製造において、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸メチルを38.4部の代わりに6-ブチリル-2-ナフトールを40.6部を用いた以外は同様な方法で製造し、紫外線吸収剤24を得た。
Figure 2023152199000033

比較例で用いた比較材料は、下記の紫外線吸収剤を使用した。
(比較材料1)Tinuvin970(BASFジャパン社製、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤)
(比較材料2)Tinuvin460(BASFジャパン社製、トリアジン系紫外線吸収剤)
Figure 2023152199000034
(比較材料3)LA-F70(ADEKA社製、トリアジン系紫外線吸収剤)
(比較材料4)特許第6668091号公報に記載の方法と同様にして、比較材料4(ミヨシ油脂社製、トリアジン系紫外線吸収剤)を得た。
(比較材料1)はベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤であり、本発明の構造と異なる。なお、(比較材料2)、(比較材料3)、および(比較材料4)はトリアジン系の紫外線吸収剤であり、それぞれナフタレン環を有さない。
<紫外線吸収剤の評価>
(実施例1-1)
<溶液分光>
前記紫外線吸収剤1について、紫外~可視吸収スペクトルを測定した。結果を表1に示す。また、吸光度測定用の溶液調整方法、および測定条件は以下の通りである。
<溶液調整方法>
紫外線吸収剤1を1部、テトラヒドロフラン1000部を混合し、完全に溶解させた。続いて先の溶解液2部、テトラヒドロフラン98部を均一に混合し、濃度20ppmの溶液を調整した。
<測定条件>
装置:U-3500(日立製作所社製)
測定波長:300~700
溶媒:テトラヒドロフラン
濃度:20ppm
<紫外線吸収性>
紫外~可視吸収スペクトルの評価基準は以下の通りである。結果を表1に示す。
◎:360~400nmの極大吸収波長の吸光度が0.8以上
〇:360~400nmの極大吸収波長の吸光度が0.4以上、0.8未満
△:360~400nmの極大吸収波長の吸光度が0.2以上、0.4未満
×:360~400nmの極大吸収波長の吸光度が0.2未満
<透過率5%以下の最大波長>
得られた吸光度を用いて、360~400nmの極大吸収波長における吸光度を1に規格化しAbs(1)を算出した。次いで、下記の計算式で透過率を算出し、透過スペクトルを作成した。
透過率T[%]=0.1
n=Abs(1)×2
上記計算式を用いて透過率5%以下の最大波長を算出し、下記ブルーライトカット性を評価した。
<ブルーライトカット性>
ブルーライトカット性の光吸収性の評価基準は以下の通りである。結果を表1に示す。
○:透過率5%以下の最大波長が390nm以上
×:透過率5%未満の最大波長が390nm未満
<熱分解開始温度>
前記紫外線吸収剤1について、島津製作所社製の熱重量測定装置TGA-50を使用して下記の測定条件で熱分解による重量減少を測定し、初期重量から1%減量した温度を分解開始温度(℃)として測定した。結果を表1に示す。
<測定条件>
試料量5mg、昇温速度10℃/分(最高到達温度400℃)、窒素雰囲気中、流量10mL/分の条件で測定した。
耐熱性は、分解開始温度から下記基準により評価した。
○:300℃以上
×:300℃未満
<溶解性>
前記紫外線吸収剤1について、20℃におけるシクロヘキサノン、トルエン、酢酸エチル、およびメチルエチルケトン(MEK)に対する溶解度(%)を、以下の方法により測定した。結果を表1に示す。
<溶解性評価方法>
紫外線吸収剤1をガラス製試験管に秤り取り、溶媒を混合し20℃で撹拌して溶解させ、その溶液の状態を目視観察し、溶解可能な重量濃度を評価した。
◎: 10%以上溶解する。
○: 4%以上10%未満溶解する
△: 2%以上4%未満溶解する
×: 2%未満しか溶解しない
<溶解後の安定性>
前記溶解性の評価で△以上であったものについて、溶解後のサンプルを20℃にて28日間経時させ、析出の有無を目視で観察した。
A: 析出はみられず、液はクリアである。
B: 析出物はみられないが、液にわずかに濁りがある。
C: わずかに析出物がみられる。
D: 大量の析出物がみられる。
溶解後の安定性は、上記A~Dから下記基準により評価した。
◎: すべてAに該当
○: すべてAもしくはBに該当
△: AもしくはBに該当が3つ以下
×: AもしくはBに該当が2つ以下
(実施例1-2~1-24、比較例1-1~1-4)
実施例1-1と同様に、紫外線吸収剤2~24、比較材料1~4を用いて、それぞれ紫外線吸収性、ブルーライトカット性、熱分解開始温度、溶解性、および溶解後の安定性を評価し実施例1-2~1-24、比較例1-1~1-4を行った。結果を表1に示す。
Figure 2023152199000037
表1に示す通り、本発明の紫外線吸収剤は400nmの光の吸収性が高く、優れた耐熱性、溶解性、溶解後の安定性を有していることがわかった。また、ベンゾトリアゾール系の比較材料1は耐熱性が低いことが確認された。以降はトリアジン系の材料のみを評価した。
<塗料>
(実施例2-1)
以下の組成で撹拌混合を行い、塗料を調整した。
紫外線吸収剤1 0.5部
ポリエステル(バイロンGK250、東洋紡社製) 9.5部
メチルエチルケトン 90.0部
(実施例2-2~2-24、比較例2-1~2-5)
表2に示すように、実施例2-1と同様に調整し、それぞれ実施例2-2~2-24、比較例2-1~2-5の塗料を得た。
(塗膜の作製)
得られた塗料を厚さ1000μmのガラス基板にバーコーターを用いて乾燥膜厚で10μmとなるよう塗布し、100℃2分で乾燥させて塗膜を形成した。
(塗膜の評価)
得られた塗膜を、以下の方法で評価した。
[ブルーライトカット性]
得られた塗工物の透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて測定し、以下の条件を満たすか否かを評価した。
◎:波長400nmの光透過率が1%未満:非常に良好
〇:波長400nmの光透過率が1%以上5%未満:良好
△:波長400nmの光透過率が5%以上10%未満:実用不可
×:波長400nmの光透過率が全領域にわたって10%以上:実用不可
[透明性]
得られた塗工物の透明性を目視評価した。なお評価基準は以下の通りである。
○:濁りが全く認められない。良好
△:濁りが若干認められる。実用域
×:明らかに濁りが認められる。実用不可
[耐光性]
得られた塗工物をキセノンウェザーメーターで、300~400nmが60W/m2の照度で100時間暴露した。
〇:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%未満:良好
△:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%以上、10%未満:実用域
×:極大吸収波長の吸光度の減少率が10%以上:実用不可
[耐湿熱安定性]
<評価>
塗工物を試験条件85℃,85%R.H.100時間投入後、オプトデジタルマイクロスコープ(DSX500、OLYMPUS社製)を使用して塗膜の状態を以下の基準で評価した。
◎:変化なし(優れている)
〇:0.5mm以上の析出物が1個以下(実用上問題ない)
×:0.5mm以上の析出物が2個以上(実用不可)
Figure 2023152199000038

表2に示す通り、本発明の紫外線吸収剤を用いた塗膜は、400nm程度の光吸収性が高く、耐光性が高い。少量添加で実用域に至るため塗工物の透明性を損なわないことがわかった。また、耐湿熱安定性が優れることがわかった。
<紫外線領域吸収塗料の製造>
実施例で使用したその他紫外線吸収剤(C)を以下に示す。
(C-1):TINUVIN 326(BASFジャパン社製、ベンゾトリアゾール系)(C-2):TINUVIN 400(BASFジャパン社製、トリアジン系)
(C-3):ユビナール3050(BASFジャパン社製、ベンゾフェノン系)
(実施例3-1)
以下の組成で撹拌混合を行い、塗料を調整した。
紫外線吸収剤2 0.5部
紫外線吸収剤(C-1) 0.3部
ポリエステル(バイロンGK250、東洋紡社製) 9.2部
メチルエチルケトン 90.0部
(実施例3-2~3-9)
表3に示すように、実施例3-1と同様に調整し、それぞれ実施例3-2~3-9の塗料を得た。
(塗膜の作製)
得られた塗料を厚さ1000μmのガラス基板にバーコーターを用いて乾燥膜厚で10μmとなるよう塗布し、100℃2分で乾燥させて塗膜を形成した。
(塗膜の評価)
得られた塗膜を、以下の方法で評価した。結果を表3に示す。
[分光特性]
得られた塗工物の透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を使用して下記基準で評価した。
◎:波長300~400nmの光透過率が全領域にわたって1%未満:非常に良好
〇:波長300~400nmの光透過率が1%以上5%未満:良好
△:波長300~400nmの光透過率が5%以上10%未満:実用域
×:波長300~400nmの光透過率が全領域にわたって10%以上:実用不可
[透明性]
得られた塗工物の透明性を目視評価した。なお評価基準は以下の通りである。
○:濁りが全く認められない。良好
△:濁りが若干認められる。実用域
×:明らかに濁りが認められる。実用不可
[耐光性]
得られた塗工物をキセノンウェザーメーターで、300~400nmが60W/mの照度で100時間暴露した。暴露前後の塗工物の吸光度を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を使用して測定し、下記基準で評価した。
〇:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%未満:良好
△:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%以上、10%未満:実用域
×:極大吸収波長の吸光度の減少率が10%以上:実用不可
[耐湿熱安定性]
塗工物を試験条件85℃,85%R.H.に設定した恒温恒湿機内に100時間投入後、23℃50%雰囲気に取り出しオプトデジタルマイクロスコープ(DSX500、OLYMPUS社製)を使用して塗膜の状態を下記基準で評価した。
◎:変化なし(優れている)
〇:0.5mm以上の析出物が1個以下(実用上問題ない)
×:0.5mm以上の析出物が2個以上(実用不可)
Figure 2023152199000039
<光硬化性組成物>
(実施例4-1)
以下の組成で、各原料を撹拌混合し、光硬化性組成物を調整した。
紫外線吸収剤1 1.0部
光重合性化合物(多官能アクリレート「KAYARAD DPHA」日本化薬社製)
18.0部
光重合開始剤(IGM ResinBV製「Omnirad184」)1.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 80.0部
(実施例4-2~4-24、比較例4-1~4-5)
表4に示すように、実施例4-1と同様に調整し、それぞれ実施例4-2~4-24、比較例4-1~4-5の光硬化性組成物を得た。
(塗膜の作製)
上記の光硬化性組成物をバーコーターを用いて厚さ1mmのガラス基板に乾燥膜厚で6μmとなるよう塗布した。得られた塗布層を、100℃1分で乾燥したのち、高圧水銀ランプで400mJ/cmの紫外線を照射して硬化し塗工物を作製した。
(塗膜の評価)
得られた塗膜を、以下の方法で評価した。結果を表4に示す。
[ブルーライトカット性]
得られた塗工物の透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を使用して下記基準で評価した。
◎:波長400nmの光透過率が1%未満:非常に良好
〇:波長400nmの光透過率が1%以上5%未満:良好
△:波長400nmの光透過率が5%以上10%未満:実用不可
×:波長400nmの光透過率が全領域にわたって10%以上:実用不可
[耐光性]
得られた塗工物をキセノンウェザーメーターで、300~400nmが60W/mの照度で100時間暴露した。暴露前後の塗工物の吸光度を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を使用して測定し、下記基準で評価した。
〇:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%未満:良好
△:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%以上、10%未満:実用域
×:極大吸収波長の吸光度の減少率が10%以上:実用不可
[透明性]
得られた塗工物の透明性を目視評価した。なお評価基準は以下の通りである。
○:濁りが全く認められない。良好
△:濁りが若干認められる。実用域
×:明らかに濁りが認められる。実用不可
[耐擦傷性]
塗工物を学振試験機にセットし、スチールウールを用いて、荷重250gで10回学振させた。取り出した塗工物について、キズのつき具合を以下の基準で目視評価した。
5:キズが全くない。:良好
4:僅かにキズが付いている。:実用域
3:キズは付いているが、基材は見えていない。:実用域だが好ましくない
2:キズが付き、一部硬化膜が剥がれている。:実用不可
1:硬化膜が剥がれてしまい、基材が剥き出しの状態。:実用不可であり、著しく悪い
[鉛筆硬度]
JIS-K5600に準拠し、鉛筆硬度試験機(HEIDON社製Scratching
Tester HEIDON-14)を用い、鉛筆の芯の硬さを種々変えて、塗工物の硬化膜に対して荷重500gにて5回試験をした。5回中、1回も傷がつかない、もしくは1回のみ傷が付く時の芯の硬さを、その硬化膜の鉛筆硬度とした。評価基準は以下の通りである。
A:2H以上。
B:H。
C:Hより低い。
[耐湿熱安定性]
<評価>
塗工物を試験条件85℃,85%R.H.に設定した恒温恒湿機内に100時間投入後、23℃50%雰囲気に取り出しオプトデジタルマイクロスコープ(DSX500、OLYMPUS社製)を使用して塗膜の状態を下記基準で評価した。
◎:変化なし(優れている)
〇:0.5mm以上の析出物が1個以下(実用上問題ない)
×:0.5mm以上の析出物が2個以上(実用不可)
Figure 2023152199000040
表4に示す通り、本発明の紫外線吸収剤を用いた塗膜は、400nmの光吸収性が高く、耐光性が高い。少量添加で実用域に至るため塗工物の透明性を損なわない。また、良好な耐湿熱安定性、耐擦傷性、鉛筆硬度も有している。
<粘着剤>
(粘着性樹脂の製造例L-1)
攪拌機、還流冷却機、窒素導入管、温度計、滴下管を備えた反応装置を使用して、窒素雰囲気下にてn-ブチルアクリレート96.0部と、2-ヒドロキシルエチルアクリレート4.0部の合計量のうちの50%、及び重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチルニトリルを0.2部、溶剤として酢酸エチルを150部反応槽に仕込み、前記合計量の残りの50%と適量の酢酸エチルを滴下槽に仕込んだ。次いで、加熱を開始して反応槽内での反応開始を確認してから、還流下、滴下管の内容物、及び0.01部の2,2’-アゾビスイソブチルニトリルの酢酸エチル希釈液を滴下した。滴下終了後、還流状態を維持したまま5時間反応を行った。反応終了後、冷却し、適量の酢酸エチルを添加することで、アクリル系樹脂である粘着性樹脂の製造例F-1を得た。得られた製造例F-1の粘着剤樹脂の重量平均分子量は50万、不揮発分は40%、粘度は3,200mPa・sであった。
(粘着性樹脂の製造例L-2)
攪拌機、還流冷却機、窒素導入管、温度計、滴下管を備えた反応装置を使用して、窒素雰囲気下にてn-ブチルアクリレート96.0部と、アクリル酸4.0部の合計量のうちの50%、及び重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチルニトリルを0.2部、溶剤として酢酸エチルを150部反応槽に仕込み、前記合計量の残りの50%と適量の酢酸エチルを滴下槽に仕込んだ。次いで、加熱を開始して反応槽内での反応開始を確認してから、還流下、滴下管の内容物、及び0.01部の2,2’-アゾビスイソブチルニトリルの酢酸エチル希釈液を滴下した。滴下終了後、還流状態を維持したまま5時間反応を行った。反応終了後、冷却し、適量の酢酸エチルを添加することで、アクリル系樹脂である粘着性樹脂の製造例F-2を得た。得られた製造例F-2の粘着剤樹脂の重量平均分子量は60万、不揮発分は40%、粘度は4,000mPa・sであった。
(実施例5-1)
粘着性樹脂として、製造例L-1の粘着性樹脂の不揮発分100部に対して、紫外線吸収剤1を1.0部を混合し、シランカップリング剤としてKBM-403(信越化学工業製)を0.1部、硬化剤としてトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(略号:TDI-TMP、NCO価=13.2、不揮発分=75%)を0.4部加え、よく攪拌し粘着剤を得た。その後、この粘着剤を厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート基材の剥離フィルム上に、乾燥後の厚みが50μmになるように塗布し、100℃の熱風オーブンで2分間乾燥させた。そして、粘着剤層側に25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼り合せ、この状態で室温にて7日間エージングさせ、粘着シートを得た。
(実施例5-2~5-24、比較例5-1~5-5)
表5に示すように、実施例5-1と同様に調整して、それぞれ実施例5-2~5-24、比較例5-1~5-5の粘着シートを得た。
(粘着シートの評価)
得られた粘着シートを、以下の方法で評価した。結果を表5に示す。
[粘着力]
得られた粘着シートを幅25mm・縦150mmの大きさに準備した。23℃、相対湿度50%雰囲気下、前記粘着シートから剥離性フィルムを剥がして露出した粘着剤層をガラス板に貼り付け、2kgロールで1往復圧着した。24時間放置した後に引張試験機を用いて180度方向に300mm/分の速度で引き剥がす180°ピール試験において粘着力を測定し、下記の評価基準に基づいて評価を行った。(JIS Z0237:2000に準拠)
○:「粘着力が10N以上であり、良好。」
×:「粘着力が10N未満であり、実用不可。」
[保持力]
得られた粘着シートを幅25mm・縦150mmの大きさに準備した。JIS Z0237:2000に準拠して前記粘着シートから剥離性シートを剥がして、研磨した幅30mm・縦150mmのステンレス板の下端部幅25mm・横25mmの部分に粘着剤層を貼着し、2kgロールで1往復圧着した後、40℃雰囲気で1kgの荷重をかけ、7万秒放置することで保持力を測定した。評価は、粘着シート貼付面上端部が下にずれた長さを測定した。
評価基準
○:「粘着シートのずれた長さが0.5mm未満である。良好。」
×:「粘着シートのずれた長さが0.5mm以上である。実用不可。」
[ブルーライトカット性]
得られた粘着シートの透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて下記基準で評価した。
◎:波長400nmの光透過
率が1%未満:非常に良好
〇:波長400nmの光透過率が1%以上5%未満:良好
△:波長400nmの光透過率が5%以上10%未満:実用不可
×:波長400nmの光透過率が全領域にわたって10%以上:実用不可
[耐光性]
得られた粘着シートをキセノンウェザーメーターで、300~400nmが60W/mの照度で100時間暴露した。暴露前後の粘着シートの吸光度を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を使用して測定し、下記基準で評価した。
〇:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%未満:良好
△:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%以上、10%未満:実用域
×:極大吸収波長の吸光度の減少率が10%以上:実用不可
[透明性]
得られた粘着シートの透明性を目視評価した。なお評価基準は以下の通りである。
○:濁りが全く認められない。良好
△:濁りが若干認められる。実用域
×:明らかに濁りが認められる。実用不可
[経時安定性]
前記粘着シートから厚さ38μmの剥離フィルムを剥がし、PETフィルム(東レ社製、ルミラーT60、厚さ50μm)に張り合わせた。次いでこのシートを3cm×10cmに裁断し、さらに粘着シートの反対面に厚さ1mmのガラス板を貼付し、テープ圧着ローラーを用いて2kg加重をかけて圧着し、PET/粘着層/ガラス板の3層構造の積層体を作製した。
この積層体を温度100℃の環境下で最大120時間静置し、粘着層中に0.5mm以上の結晶化した色素が存在するか光学顕微鏡を用いて倍率50倍にて観察した。同様の積層体を別途-40℃環境下に静置し、同様の析出物を観察した。評価基準は下記の通りとし、△以上を良好とした。
◎:いずれの環境下でも、120時間後の析出物が1個以下
〇:いずれの環境下でも、80時間後の析出物が1個以下
△:いずれの環境下でも、50時間後の析出物が1個以下
×:いずれの環境下でも、50時間後の析出物が1個以上
Figure 2023152199000041
表5に示す通り、本発明の紫外線吸収剤を用いた塗膜は、400nm程度の光吸収性が高く、耐光性が高い。少量添加で実用域に至るため粘着シートの透明性を損なわないことがわかった。また、溶解性が優れるために経時安定性が優れる。さらに、良好な粘着力と保持力もある。
<成形体>
実施例で使用した熱可塑性樹脂を以下に示す。
(F-1)ポリエチレン(サンテックLD M2270、MFR=7g/10min、旭化成ケミカルズ社製)

(F-2-2)ポリエチレン(ノバテックUJ790、MFR=50g/10min、日本ポリエチレン社製)
(F-3)ポリプロピレン(ノバテックPP FA3EB、MFR=10.5g/10min、日本ポリプロ社製)
(F-4)ポリプロピレン(プライムポリプロJ226T、MFR=20g/10min、プライムポリマー社製)
(G-1)ポリエステルMA-2101M(ポリエステル、ユニチカ社製、結晶性樹脂、融点264℃、MFR45g/10min(280℃/2.16kg))
(G-2)ユーピロンS-3000(ポリカーボネート樹脂、三菱エンジニアリングプラスチック社製、非晶性樹脂、ガラス転移温度145℃、MFR15g/10min(300℃/1.2kg))
(G-3)トパス6013M-07(シクロオレフィン樹脂、ポリプラスチックス社製、非晶性樹脂、ガラス転移温度142℃、MFR13g/10min(260℃/2.16kg))
(G-4)アペル(シクロオレフィン樹脂、三井化学社製、非晶性樹脂、ガラス転移温度135℃、MFR11g/10min以上(260℃/2.16kg))
(G-5)アミランCM3001-N(ポリアミド、東レ社製、結晶性樹脂、融点265℃、MFR7g/10min以上(235℃/2.16kg))
(G-6)ULTEM(ポリエーテルイミド、サウジ基礎産業公社製、非晶性樹脂、ガラス転移温度217℃、MFR8g/10min以上(337℃/6.6kg))
実施例で使用した液体樹脂を以下に示す。
(H-1):ユニオールD-1200(日油社製、ポリアルキレングリコール樹脂、ポリプロピレングリコール樹脂、数平均分子量1200、粘度200mPa・s)
(H-2):PEG-400(三洋化成工業社製、ポリアルキレングリコール樹脂、ポリプロピレングリコール樹脂、数平均分子量400、粘度90mPa・s)
(H-3):ユニオールD-400(日油社製、ポリアルキレングリコール樹脂、ポリプロピレングリコール樹脂、数平均分子量400、粘度100mPa・s)
(H-4):アデカサイザーRS-107(ADEKA社製、エーテルエステル樹脂、アジピン酸エーテルエステル樹脂、数平均分子量430、粘度20mPa・s)
(H-5):アデカサイザーRS-700(ADEKA社製、エーテルエステル樹脂、、数平均分子量550、粘度30mPa・s)
(H-6):アデカサイザーPN-250(ADEKA社製、脂肪酸ポリエステル、アジピン酸ポリエステル、数平均分子量2100、粘度4,500mPa・s)
(H-7):アデカサイザーPN-350(ADEKA社製、脂肪酸ポリエステル、アジピン酸ポリエステル、数平均分子量4500、粘度10,000mPa・s)
実施例で使用した可塑剤を以下に示す。
(I-1)トリエチレングリコール-ジ-2-エチルヘキサノエート
(I-2)トリエチレングリコール-ジ-n-ヘプタノエート
<樹脂型分散剤(J)>
(樹脂型分散剤溶液(J-1)の製造)
不揮発分60%であるビックケミー・ジャパン社製のBYK-LPN6919に、BYK-LPN6919と同量の液体樹脂(H-4)を加え、100℃に加熱し減圧して溶剤を留去することにより、BYK-LPN6919の不揮発分/液体樹脂(H-4)=1/1の樹脂型分散剤溶液(J-1)を得た。
[エチレン性不飽和単量体(b-5)の合成]
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、メタクリル酸2-イソシアナトエチル60部、3-(ジメチルアミノ)プロピルアミン29部、テトラヒドロフラン(THF)120部を仕込み、室温で5時間撹拌した。FT-IRで反応が完結していることを確認したのち、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去し、淡黄色透明の液体として、下記のエチレン性不飽和単量体(b-5)を73部得た(収率82%)。得られた化合物の同定は、1H-NMRで実施した。
[エチレン性不飽和単量体(b-9)の合成]
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、エチレン性不飽和単量体(b-5)の合成で得られた、エチレン性不飽和単量体(b-5)6.6部、イオン交換水5部を仕込み、室温で撹拌したのち、35%塩酸水溶液8部を滴下した。アミン価測定で反応が完結していることを確認し、淡黄色透明液体として、エチレン性不飽和単量体(b-9)水溶液を20部得た。得られた化合物の同定は、1H-NMRで実施した。
Figure 2023152199000042
(樹脂型分散剤溶液(J-2)の製造)
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、メチルメタクリレート17.7部、n-ブチルメタクリレート53.2部、テトラメチルエチレンジアミ
ン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル2.6部、塩化第一銅5.6部、PGMAc100部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応槽に、PGMAc20部、第二ブロックモノマーとしてエチレン性不飽和単量体(b-5)21.2部、エチレン性不飽和単量体(b-9)水溶液27部(不揮発分38%)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40質量%になるようにPGMAcを添加した。このようにして、不揮発分当たりのアミン価が50mgKOH/g、4級アンモニウム塩価が20mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,800、不揮発分が40質量%の樹脂型分散剤溶液を得た。
さらに、この樹脂型分散剤溶液の不揮発分と同量の液体樹脂(H-4)を加え、100℃に加熱し減圧してPGMAcと水を留去することにより、この樹脂型分散剤溶液の不揮発分/液体樹脂(H-4)=1/1の樹脂型分散剤溶液(J-2)を得た。
(実施例6-1)
<マスターバッチの製造>
紫外線吸収色素1を2部と、ポリオレフィン樹脂(F-1)98部とを同じ供給口からスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、240℃で溶融混錬した上で、ペレタイザーを用いてペレット状にカッティングしてマスターバッチ(K-1)を作製した。
<フィルム成形>
希釈樹脂のポリオレフィン樹脂(F-1)90部に対して、得られたマスターバッチ(D-1)10部を混合し、T-ダイ成形機(東洋精機社製)を用いて、温度180℃で溶融混合し、厚さ250μmのフィルム(X-1)を成形した。
(実施例6-2~6-24、比較例6-1~6-5)
実施例6-1と同様に、表6記載の材料を用いて、厚さ250μmのフィルム(X-2)~(X-24)、(XX-1)~(XX-5)を成形した。
[ブルーライトカット性]
得られたフィルムの透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて測定し、以下の基準で評価した。
◎:波長400nmの光透過率が1%未満:非常に良好
〇:波長400nmの光透過率が1%以上5%未満:良好
△:波長400nmの光透過率が5%以上10%未満:実用不可
×:波長400nmの光透過率が全領域にわたって10%以上:実用不可
[透明性]
得られたフィルムの透明性を目視評価した。評価基準は以下の通りである。
○:濁りが全く認められない。:良好
△:濁りが若干認められる。:実用域
×:明らかに濁りが認められる。:実用不可
[耐光性]
得られたフィルムをキセノンウェザーメーターで、300~400nmが60W/mの照度で100時間暴露した。暴露前後のフィルムの吸光度を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を使用して測定し、下記基準で評価した。
〇:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%未満:良好
△:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%以上、10%未満:実用域
×:極大吸収波長の吸光度の減少率が10%以上:実用不可
[凝集物]
得られたフィルムの表面を、光学顕微鏡で観察し、判別可能な異物の個数をカウントし、以下の基準で評価した。
◎:凝集物が存在せず、フィルム表面が均一であるもの
〇:凝集物がほぼ存在せず、フィルム表面が均一であるもの
△:凝集物が存在し、フィルム表面が均一でないもの
×:凝集物が多数あり、フィルム表面が均一でないもの
Figure 2023152199000043
(実施例7-25)
<マスターバッチの製造>
紫外線吸収色素1を2部と、ポリエステル(G-1)98部とを同じ供給口からスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、240℃で溶融混錬した上で、
ペレタイザーを用いてペレット状にカッティングしてマスターバッチ(K-21)を作製した。
<フィルム成形>
希釈樹脂のポリエステル(G-1)95部に対して、得られたマスターバッチ(K-21)10部を混合し、T-ダイ成形機(東洋精機社製)を用いて、温度180℃で溶融混合し、厚さ250μmのフィルム(X-25)を成形した。
(実施例2-26~2-48、比較例2-6~2-10)
実施例2-25と同様に、表7-1記載の材料を用いて、厚さ250μmのフィルム(X-26)~(X-48)、(XX-6)~(XX-10)を成形した。
(実施例2-49)
<液状マスターバッチの製造>
紫外線吸収剤1を10部と、液体樹脂(H-1)90部とをロールで混錬することにより、液状マスターバッチ(K-49)を作製した。
<フィルム成形>
希釈樹脂の熱可塑性樹脂(G-1)99.5部に対して、得られた液状マスターバッチ(K-49)0.5部を混合し、T-ダイ成形機(東洋精機社製)を用いて、温度300℃で溶融混合し、厚さ250μmのフィルム(X-49)を成形した。
(実施例2-50~2-72)
実施例2-49と同様に、表7-2記載の材料を用いて、厚さ250μmのフィルム(X-50)~(X-72)を成形した。
(実施例2-73)
<液状マスターバッチの製造>
紫外線吸収色素1を10部、樹脂型分散剤(J-1)20部と液体樹脂(H-1)70部とをビーズミルで分散することにより、液状マスターバッチ(K-73)を作製した。
<フィルム成形>
希釈樹脂の熱可塑性樹脂(G-1)99.5部に対して、得られた液状マスターバッチ(K-73)0.5部を混合し、T-ダイ成形機(東洋精機社製)を用いて、温度300℃で溶融混合し、厚さ250μmのフィルム(X-73)を成形した。
(実施例2-74~2-96)
実施例2-73と同様に、表7-2記載の材料を用いて、厚さ250μmのフィルム(X-74)~(X-96)を成形した。
(実施例2-97)
<可塑剤分散液の製造>
紫外線吸収剤1を10部と可塑剤(I-1)90部とをビーズ分散することにより、可塑剤分散液(K-97)を作製した。
<フィルム成形>
希釈樹脂の熱可塑性樹脂(G-1)98部に対して、得られた可塑剤分散液(K-97)2部を混合し、T-ダイ成形機(東洋精機社製)を用いて、温度280℃で溶融混合し、厚さ250μmのT-ダイフィルム(X-97)を成形した。
(実施例2-98~2-120)
実施例2-97と同様に、表7-3記載の材料を用いて、厚さ250μmのフィルム(X-98)~(X-120)を成形した。
(実施例2-121)
<可塑剤分散液の製造>
紫外線吸収色素1を10部、樹脂型分散剤(J-1)20部と可塑剤(I-1)70部とをビーズミルで分散することにより、可塑剤分散液(K-121)を作製した。
<フィルム成形>
希釈樹脂の熱可塑性樹脂(G-1)99.5部に対して、得られた可塑剤分散液(K-121)0.5部を混合し、T-ダイ成形機(東洋精機社製)を用いて、温度280℃で溶融混合し、厚さ250μmのフィルム(X-121)を成形した。
(実施例2-122~2-144)
実施例2-121と同様に、表4-3記載の材料を用いて、厚さ250μmのフィルム(X-122)~(X-144)を成形した。
Figure 2023152199000044
Figure 2023152199000045
Figure 2023152199000046
[ブルーライトカット性]
得られたフィルムの透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて測定し、以下の基準で評価した。
◎:波長400nmの光透過率が1%未満:非常に良好
〇:波長400nmの光透過率が1%以上5%未満:良好
△:波長400nmの光透過率が5%以上10%未満:実用不可
×:波長400nmの光透過率が全領域にわたって10%以上:実用不可
[透明性]
得られたフィルムの透明性を目視評価した。評価基準は以下の通りである。
○:濁りが全く認められない。:良好
△:濁りが若干認められる。:実用域
×:明らかに濁りが認められる。:実用不可
[ヘーズ値]
得られたフィルムに対し、ヘーズメーターでヘーズ値を測定し、下記基準で評価した。
◎+:0.2未満 極めて良好
◎ :0.2以上0.5未満 非常に良好
〇 :0.5以上2未満 良好
△ :2以上5未満 良好
× :5以上 実用不可
[耐光性]
得られたフィルムをキセノンウェザーメーターで、300~400nmが60W/mの照度で100時間暴露した。暴露前後のフィルムの吸光度を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を使用して測定し、下記基準で評価した。
〇:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%未満:良好
△:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%以上、10%未満:実用域
×:極大吸収波長の吸光度の減少率が10%以上:実用不可
[凝集物]
得られたフィルムの表面を、光学顕微鏡で観察し、判別可能な異物の個数をカウントし、以下の基準で評価した。
◎:凝集物が存在せず、フィルム表面が均一であるもの
〇:凝集物がほぼ存在せず、フィルム表面が均一であるもの
△:凝集物が存在し、フィルム表面が均一でないもの
×:凝集物が多数あり、フィルム表面が均一でないもの
Figure 2023152199000047
表7-4、7-5に示す通り、本発明の成形体は、400~420nmの可視光短波長領域において、単位重量当たりの紫外線吸収性が高く、耐光性が高い。また、少量添加で実用域に至るためフィルムの透明性が高く、ヘーズが低いことがわかった。また、溶解性が優れるため凝集物が存在しない均一なフィルムが得られる。
(実施例8-1)
<マスターバッチの製造>
紫外線吸収色素1を2部と熱可塑性樹脂(G-1)98部とを同じ供給口からスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、300℃で溶融混錬した上で、ペレタイザーを用いてペレット状にカッティングしてマスターバッチ(K-25)を作製した。
<フィルム成形>
希釈樹脂の熱可塑性樹脂(G-1)90部に対して、得られたマスターバッチ(K-25)10部を混合し、T-ダイ成形機(東洋精機社製)を用いて、温度300℃で溶融混合した。次いで、20分間300℃で滞留させた。その後、厚さ250μmのフィルム(Y-1)を成形した。
(実施例8-2~8-120、比較例8-1~8-5、参考例8-1~8-5)
実施例8-1と同様に、表7-1~7-3記載の材料を用いて、厚さ250μmのフィルム(Y-2)~(Y-120)、(YY-1)~(YY-5)、(YY´-1)~(YY´-5)を成形した。
[滞留後のブルーライトカット性]
得られたフィルムの透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて測定し、以下の基準で評価した。
◎:波長400nmの光透過率が1%未満:非常に良好
〇:波長400nmの光透過率が1%以上5%未満:良好
△:波長400nmの光透過率が5%以上10%未満:実用不可
×:波長400nmの光透過率が全領域にわたって10%以上:実用不可
[耐熱性]
得られたフィルム(Y-1)~(Y-120)について、実施例(2-25)~(2-144)、比較例(2-5)~(2-10)、参考例(2-5)~(2-10)で得られたフィルム(X-25)~(X-144)、(XX-6)~(XX-19)、(XX’-6)~(XX’-10)との紫外線吸収性の差を比較し評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:波長400nmの光透過率が1%未満:非常に良好
〇:波長400nmの光透過率が1%以上5%未満:良好
△:波長400nmの光透過率が5%以上10%未満:実用不可
×:波長400nmの光透過率が全領域にわたって10%以上:実用不可
なお、実施例8-1~8-120および比較例8-1~8-5、参考例8-1~8-5の原料および配合比は、それぞれ実施例2-25~2-144および比較例2-6~2-10、参考例2-6~2-10と同一であるため表8には結果のみを記載する。
Figure 2023152199000048
表8に示す通り、本発明の紫外線吸収剤を用いた成形体は、フィルム成形時の溶融混合時の滞留時間による紫外線吸収性の変化率が小さい。よって良好な耐熱性を保有している。
(実施例9-1)
<紫外線領域吸収マスターバッチの製造>
紫外線吸収剤2を1部、紫外線吸収剤C-1を1部、紫外線吸収剤ポリエステル(G-1)98部とを同じ供給口からスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、240℃で溶融混錬した上で、ペレタイザーを用いてペレット状にカッティングしてマスターバッチ(K-145)を作製した。
<フィルム成形>
希釈樹脂のポリエステル(G-1)90部に対して、得られたマスターバッチ(K-145)10部を混合し、T-ダイ成形機(東洋精機社製)を用いて、温度180℃で溶融混
合し、厚さ250μmのフィルム(Z-1)を成形した。
(実施例9-2~9-9)
実施例4-1と同様に、表6-1記載の材料を用いて、厚さ250μmのフィルム(Z-2)~(Z-9)を成形した。
[分光特性]
得られたフィルムの透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて測定し、以下の基準で評価した。
◎:波長300~400nmの光透過率が全領域にわたって1%未満:非常に良好
〇:波長300~400nmの光透過率が1%以上5%未満:良好
△:波長300~400nmの光透過率が5%以上10%未満:実用域
×:波長300~400nmの光透過率が全領域にわたって10%以上:実用不可
[耐光性]
得られたフィルムをキセノンウェザーメーターで、300~400nmが60W/m2の照度で100時間暴露した。暴露前後のフィルムの吸光度を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を使用して測定し、下記基準で評価した。
〇:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%未満:良好
△:極大吸収波長の吸光度の減少率が5%以上、10%未満:実用域
×:極大吸収波長の吸光度の減少率が10%以上:実用不可
[耐熱性]
実施例8と同様の方法で耐熱性を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:波長300~400nmの光透過率の差が1%未満:良好
〇:波長300~400nmの光透過率の差が1%以上5%未満:実用域
△:波長300~400nmの光透過率の差が5%以上10%未満:実用不可
×:波長300~400nmの光透過率の差が10%以上:実用不可
[透明性]
得られたフィルムの透明性を目視評価した。評価基準は以下の通りである。
○:濁りが全く認められない。:良好
△:濁りが若干認められる。:実用域
×:明らかに濁りが認められる。:実用不可
<紫外・可視光領域吸収マスターバッチの製造>
実施例で使用した色材(D)を以下に示す。
(D-1)C.I.ピグメントブルー 15:6(PB15:6)
(D-2)C.I.ソルベントレッド 52(SR52)
(D-3)C.I.ピグメントイエロー 147(PY147)
(実施例9-10)
紫外線吸収剤2を1部、色材D-1を1部、色材D-2を1部、色材D-3を1部、紫外線吸収剤ポリエステル(G-1)96部を同じ供給口からスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、240℃で溶融混錬した上で、ペレタイザーを用いてペレット状にカッティングしてマスターバッチ(K-154)を作製した。
<フィルム成形>
希釈樹脂のポリエステル(G-1)90部に対して、得られたマスターバッチ(K-15
4)10部を混合し、T-ダイ成形機(東洋精機社製)を用いて、温度180℃で溶融混合し、厚さ250μmのフィルム(Z-10)を成形した。
(実施例9-11~9-18)
実施例9-10と同様に、表9-1記載の材料を用いて、厚さ250μmのフィルム(Z-11)~(Z-18)を成形した。
[分光特性]
得られたフィルムの透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて測定し、以下の基準で評価した。
◎:波長400~650nmの光透過率が全領域にわたって1%未満であり、:良好
〇:波長400~650nmの光透過率が1%以上5%未満:実用域
△:波長400~650nmの光透過率が5%以上10%未満:実用不可
×:波長400~650nmの光透過率が全領域にわたって10%以上:実用不可
実施例9-1と同様の方法で、耐光性と耐熱性を評価した。
<紫外・近赤外領域マスターバッチの製造>
実施例で使用した近赤外線吸収剤(E)を以下に示す。
Figure 2023152199000049


Figure 2023152199000050

(実施例9-19)
紫外線吸収剤2を1部、近赤外収集色素E-1を1部、紫外線吸収剤ポリエステル(G-1)98部とを同じ供給口からスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、240℃で溶融混錬した上で、ペレタイザーを用いてペレット状にカッティングしてマスターバッチ(K-163)を作製した。
<フィルム成形>
希釈樹脂のポリエステル(G-1)90部に対して、得られたマスターバッチ(K-163)10部を混合し、T-ダイ成形機(東洋精機社製)を用いて、温度180℃で溶融混合し、厚さ250μmのフィルム(Z-7)を成形した。
(実施例9-20~9-27)
実施例9-19と同様に、表9記載の材料を用いて、厚さ250μmのフィルム(Z-20)~(Z-27)を成形した。
[分光特性]
得られたフィルムの透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて測定し、以下の基準で評価した。
◎:波長380~400nmかつ波長700~800nmの光透過率が全領域にわたって1%未満:良好
〇:波長380~400nmかつ波長700~800nmの光透過率が1%以上5%未満:実用域
△:波長380~400nmかつ波長700~800nmの光透過率が5%以上10%未満:実用不可
×:波長380~400nmかつ波長700~800nmの光透過率が全領域にわたって10%以上:実用不可
実施例9-1と同様の方法で、耐光性と耐熱性を評価した。
(実施例9-28)
<紫外・近赤外領域吸収マスターバッチの製造>
紫外線吸収剤2を1部、紫外線吸収剤C-1を1部、近赤外収集色素E-1を1部、紫外線吸収剤ポリエステル(G-1)97部とを同じ供給口からスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、240℃で溶融混錬した上で、ペレタイザーを用いてペレット状にカッティングしてマスターバッチ(K-172)を作製した。
<フィルム成形>
希釈樹脂のポリエステル(G-1)90部に対して、得られたマスターバッチ(K-172)10部を混合し、T-ダイ成形機(東洋精機社製)を用いて、温度180℃で溶融混合し、厚さ250μmのフィルム(Z-28)を成形した。
(実施例9-29~9-36)
実施例9-28と同様に、表9-1記載の材料を用いて、厚さ250μmのフィルム(Z-29)~(Z-36)を成形した。
[分光特性]
得られたフィルムの透過率を、紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所社製)を用いて測定し、以下の基準で評価した。
◎:波長300~400nmかつ波長700~800nmの光透過率が全領域にわたって1%未満:良好
〇:波長300~400nmかつ波長700~800nmの光透過率が1%以上5%未満:実用域
△:波長300~400nmかつ波長700~800nmの光透過率が5%以上10%未満:実用不可
×:波長300~400nmかつ波長700~800nmの光透過率が全領域にわたって10%以上:実用不可
実施例9-1と同様の方法で、耐光性と耐熱性を評価した。結果を表10に示す。
Figure 2023152199000051
Figure 2023152199000052



Claims (12)

  1. ヒドロキシナフチル基と直接結合するトリアジン環を有する紫外線吸収剤であって、
    前記ヒドロキシナフチル基中は、1以上の置換基を有し、
    前記置換基は、炭素数3以上の直鎖または分岐アルキル基、ならびに少なくとも2価連結基および炭素数3以上の直鎖アルキル基または分岐アルキル基(ただし、芳香環を有する基を除く)を有する基からなる群より選択される1種以上であり、
    前記2価連結基は、ハメット則のσp値が0.2~1.2の基に基づく2価連結基である、紫外線吸収剤。
  2. 請求項1に記載の紫外線吸収剤、およびそれ以外のその他紫外線吸収剤(C)を含む、組成物。
  3. 請求項1に記載の紫外線吸収剤、および波長450~650nmの可視波長域の光を遮光する色材(D)を含む、組成物。
  4. 前記可視波長域の光を遮光する色材(D)は、2種類以上の有彩色着色剤を含む、請求項3記載の組成物。
  5. 請求項1に記載の紫外線吸収剤、および波長600~1500nmに極大吸収を有する近赤外線吸収剤(E)を含む、組成物。
  6. 請求項1または2に記載の紫外線吸収剤、および樹脂を含む、組成物。
  7. 請求項1または2に記載の紫外線吸収剤、光重合性化合物および光重合開始剤を含む、組成物。
  8. 請求項6記載の組成物から成形されてなる、成形体。
  9. 請求項6記載の組成物から形成されてなる、塗膜。
  10. 請求項7記載の組成物から形成されてなる、塗膜。
  11. 前記少なくとも2価連結基および炭素数3以上の直鎖アルキル基または分岐アルキル基を有する基は、*-COOR、*-CONR、及び*-SONRより選択される基である、請求項1記載の紫外線吸収剤。
    (ただし、R~Rは、それぞれ独立して、炭素数3以上の直鎖アルキル基または分岐アルキル基を有する基、または2価連結基および炭素数3以上の直鎖アルキル基または分岐アルキル基を有する基である。Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数3以上の直鎖アルキル基または分岐アルキル基を有する基、または2価連結基および炭素数3以上の直鎖アルキル基または分岐アルキル基を有する基である。*はヒドロキシナフチル基との結合手を示す)
  12. 前記ヒドロキシナフチル基が下記一般式(1)で示される基である、請求項1または2に記載の紫外線吸収剤。
    一般式(1)

    (一般式(1)中、Rは、炭素数3以上の直鎖または分岐アルキル基、ならびに少なくともハメット則のσp値が0.2~1.2の基に基づく2価連結基および炭素数3以上の直鎖アルキル基または分岐アルキル基(ただし、芳香環を有する基を除く)を有する基を示す。*はトリアジン環との結合手を示す。)
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