JP2023150561A - クランプ装置 - Google Patents

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伸晃 石橋
Nobuaki Ishibashi
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伸 中川
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Abstract

【課題】遠心力の影響を軽減してワークの変形量を小さくできるクランプ装置を提供する。【解決手段】クランプ装置30は、工作機械の回転台にワーク100を固定する。クランプ装置30は、把持部41~43と接続リング70を備える。把持部41~43は、ワーク100の端部と係合する。接続リング70は、回転台の周方向に隣り合う把持部41~43同士を接続する。これにより、加工中において、各把持部41~43が径方向外側に開こうとする遠心力を互いに保持し合うことで、クランプ装置30はワーク100の変形量を軽減できる。【選択図】図7

Description

本発明は、クランプ装置に関する。
特許文献1に記載の工作機械はワークを固定した回転台を回転させ、工具をワークに接触させて加工する旋盤の機能を備える。モーターケース等の単純でない円筒形状を加工する際、シリンダーで動作させるクランプ装置を用いる。クランプ装置は回転台に取り付ける。クランプ装置はワークを回転台側に押し付ける複数の把持部を備える。加工時、複数の把持部はワークを保持し、工作機械は回転台を回転させる。
特開2015-62973号公報
回転台を回転させることによって、回転による遠心力がワークとクランプ装置の複数の把持部にも作用する。これにより、ワークは径方向外側に変形し、加工後の真円度が低下するという問題点があった。
本発明の目的は、遠心力の影響を軽減してワークの変形量を小さくできるクランプ装置を提供することである。
請求項1のクランプ装置は、工作機械の回転台にワークを固定するクランプ装置において、前記ワークの端と係合する複数の把持部と、前記回転台の周方向に隣り合う前記把持部同士を接続する接続部とを備えたことを特徴とする。接続部で複数の把持部同士を周方向に接続することで、回転台が回転するとき、各把持部が径方向に開こうとする遠心力を互いに保持し合うことで、各把持部がワークを径方向に引っ張るのを抑制できる。これにより、クランプ装置は遠心力の影響を軽減し、ワークの変形量を小さくできる。
請求項2のクランプ装置の前記複数の把持部は、前記ワークに対して前記回転台側とは反対側に当接し、前記ワークを前記回転台側に押し付けて固定してもよい。これにより、クランプ装置はワークを回転台側に強く固定できる。また、複数の把持部は、ワークに対して回転台側とは反対側に当接するので、ワークの側面に把持部が接触しない。これにより、ワークの側面に工具を接触させて加工できる。なお、ワークの側面とは、ワークの回転台側の部分と、その反対側の部分との間の部分である。
請求項3のクランプ装置の前記接続部は環状であってもよい。接続部は環状なので、複数の把持部同士をバランスよく接続できる。
請求項4のクランプ装置は、前記回転台に取り付けるベースを備え、前記複数の把持部は、前記ベース上に設けられると共に、前記ワークを前記ベース上に固定するものであって、前記ベースと前記接続部の間には、隙間が設けられてもよい。ベースと接続部の間に隙間が設けられているので、工作機械はその隙間を介して工具をワークに接触させることができる。それ故、工作機械はワークの側面を加工できる。
請求項5のクランプ装置の前記接続部は環状であって、前記ベースと同軸上に配置されてもよい。これにより、回転台と一体してベースが回転するとき、そのベースと同軸上に配置された接続部には遠心力が略均一にかかる。そのような接続部で複数の把持部同士を接続するので、回転台が回転するとき、各把持部において径方向に開こうとする遠心力をバランスよく互いに保持し合うことができる。
請求項6のクランプ装置の前記把持部は、前記ベース上から上方に延びる柱部と、前記柱部の上部に設けられ、前記ワークを押さえる押え部とを備え、前記接続部は、前記柱部の上側に固定されてもよい。把持部は柱部を備えるので、その上部に設けられた押え部が回転時の遠心力の影響を受け易いが、接続部が押え部に近い位置に設けられているので、その影響を軽減できる。
工作機械1(ワーク無し)の斜視図。 工作機械1(ワーク100有り)の斜視図。 クランプ装置30の斜視図。 クランプ装置30の正面図。 クランプ装置30の平面図。 図5に示すI-I線矢視方向断面図。 ワーク100を保持したクランプ装置30の斜視図。 ワーク100を保持したクランプ装置30の正面図。 試験(従来例)の結果を示すグラフ。 試験(クランプ装置30)の結果を示すグラフ。
本発明の一実施形態を説明する。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。工作機械1の左右方向、前後方向、上下方向は夫々工作機械1のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向である。図1に示す工作機械1は、ワークの切削加工と旋削加工ができる複合機である。
図1,図2を参照し、工作機械1の構造を説明する。図1に示すように、工作機械1は基台2、上基台3、右基台11、左基台12、コラム4、主軸ヘッド5、主軸(図示略)、Y軸移動機構6、X軸移動機構7、Z軸移動機構(図示略)、回転装置8、工具交換装置9を備える。基台2は鉄製で前後方向に長い略直方体状である。上基台3は基台2上面後部に設け、基台2上面の前後方向略中間部まで延びる略直方体状である。右基台11は基台2上面で且つ上基台3右前方に設け、支持柱11Aと11Bを備える。支持柱11Aと11Bは基台2上面に固定し、互いに前後方向に離間する。左基台12は基台2上面で且つ上基台3左前方に設け、支持柱12Aと12Bを備える。支持柱12Aと12Bは基台2上面に固定し、互いに前後方向に離間する。支持柱11A,11B、12A,12Bは、後述の回転装置8を下方から支持する。
Y軸移動機構6は上基台3上面に設け、移動体10をY軸方向に移動可能に支持する。X軸移動機構7は移動体10上面に設ける。X軸移動機構7はコラム4をX軸方向に移動可能に支持する。Z軸移動機構はコラム4前面に設け、主軸ヘッド5をZ軸方向に移動可能に支持する。主軸ヘッド5は主軸を回転可能に支持する。主軸モータ16は主軸ヘッド5上部に固定し、主軸を回転駆動する。主軸は下方に工具装着穴(図示略)を備える。工具は工具装着穴に着脱自在に装着する。
回転装置8は主軸ヘッド5下方に配置し、ワーク100(図2参照)を回転可能に保持する。回転装置8は右側駆動支持部22、左側支持部23、A軸台21、回転台25、C軸モータ26を備える。右側駆動支持部22は右基台11上部に固定する。左側支持部23は左基台12上部に固定する。右側駆動支持部22と左側支持部23は、A軸台21の左右両端部と夫々連結し、A軸を中心に回転可能に支持する。A軸はX軸方向に平行な軸である。右側駆動支持部22はA軸モータ27を備え、A軸モータ27はA軸台21を回転駆動する。A軸台21は、傾斜角度=0°で上面が水平面となる平面視略矩形状に形成される。回転台25はA軸台21上面中央に設けられ、Z軸方向に平行なC軸(傾斜角度=0°時)を中心に回転可能に支持される。回転台25は円盤状である。C軸モータ26は回転台25を回転駆動する。
図2に示すように、回転台25上面には、後述のクランプ装置30を固定できる。クランプ装置30は回転台25に対して、後述の円筒状のワーク100を固定できる。回転装置8はA軸台21をA軸回りに任意角度で傾けることで、主軸に装着する工具に対して、回転装置8に保持されたワーク100を任意方向に傾けることができる。
工具交換装置9は、コラム4と主軸ヘッド5周囲を取り巻く環状である。工具マガジンは複数のポット(図示略)、チェーン(図示略)、マガジンモータ(図示略)等を備える。ポットは工具を着脱可能に装着する。チェーンは工具マガジンに沿って環状に設ける。複数のポットはチェーンに沿って取り付ける。マガジンモータの駆動で、チェーンと共にポットは工具マガジンの形状に沿って移動する。工具交換位置は工具マガジン最下部に位置するポットの位置である。工具交換装置9はZ軸移動機構により、主軸ヘッド5を加工領域からZ軸原点まで上昇し、工具交換領域内において主軸ヘッド5を昇降する間に、工具交換位置のポットが保持する工具を、主軸に装着した工具と入れ替え交換する。Z軸原点とはZ軸の機械原点である。機械原点とはX軸、Y軸の機械座標が零である位置、Z軸の機械座標がワークを加工可能な上限位置となる位置である。加工領域とはZ軸原点よりも回転台25側の領域である。工具交換領域とはZ軸原点に対して加工領域とは反対側の領域であり、ATC原点との間の領域である。ATC原点とはマガジンモータを駆動してポットが移動できる位置である。
図3~図6を参照し、クランプ装置30の構造を説明する。クランプ装置30は、例えば円筒状のワーク100(図2参照)を回転台25に固定する装置である。クランプ装置30は、ベース31、3本の把持部41~43、接続リング70(本発明の「接続部」の一例)を備える。
ベース31の構成を説明する。ベース31は略円板状である。ベース31下面の外周部を除く略中央部には、固定座部32が下方に突出する。固定座部32はベース31よりも小径の短軸略円柱状である。固定座部32下面略中央には、底面視略円形状の凹部321(図6参照)が設けられる。凹部321内側には、工作機械1の回転台25が嵌まる。凹部321の内側上面には、2本の係合突起33が下方に突出する。
ベース31上面には、複数の固定穴37、3本の支持柱34~36が設けられる。複数の固定穴37は、ベース31上面略中央に設けられる。固定穴37はベース31及び固定座部32を上下方向に貫通する。複数の固定穴37は、工作機械1の回転台25上面に設けられた複数の固定穴(図1参照)に対応する。
3本の支持柱34~36は、ベース31上面における8つの固定穴37よりも外周側において、周方向に互いに間隔を空けて設ける。支持柱34~36は上方向に延びる略円柱状である。支持柱34はベース31上面右側に設けられ、支持柱35はベース31上面左斜め後側に設けられ、支持柱36はベース31上面左斜め前側に設けられる。ベース31には、支持柱34~36の夫々に対応する3つの固定穴315(図6参照、支持柱35に対応する固定穴は図示略)が設けられる。これら3つの固定穴315にネジ38が下方から挿入され、支持柱34~36に締結する。これにより、支持柱34~36がベース31上面に固定される。
支持柱34の上端部には、支持面341と係止部342が設けられる。支持面341は、Dカットされた平面である。係止部342は、支持面341に隣接して上方に突出する平面視D状の突起である。支持柱35の上端部にも、同形状の支持面351と係止部352が設けられる。支持柱36の上端部にも、同形状の支持面361と係止部362が設けられる。
ベース31の外周部には、第1突出部311、第2突出部312、第3突出部313が周方向に間隔を空けて設けられ、径方向外側に突出する。周方向において、第1突出部311と第2突出部312の間隔は、第2突出部312と第3突出部313の間隔、及び第3突出部313と第1突出部311の間隔よりも長い。第1突出部311、第2突出部312、第3突出部313の夫々の上面は、ベース31上面と面一で接続し、平面視略矩形状である。
把持部41~43の構成を説明する。把持部41は、ベース31の第1突出部311上面に立設する。把持部42は、ベース31の第2突出部312上面に立設する。把持部43は、ベース31の第3突出部313上面に立設する。
把持部41は、柱部45、固定台51、当接部61を備える。柱部45は上下方向に延びる略四角柱状であって、第1突出部311上面にネジ(図示略)で固定する。柱部45の上端面には、後述の接続リング70下面の対応する一部が接着剤で固定される。固定台51は平面視略矩形状である。固定台51は接続リング70上面で且つ柱部45上端面に対応する位置に配置し、接続リング70上面に対して4カ所を上方からネジ48で固定する。固定台51上面の左端側中央には、上下方向に貫通する固定穴511(図6参照)が設けられる。当接部61は軸部611と押え部612を備える。軸部611は上下方向に延びる。軸部611は軸線に沿って軸穴613を備える。押え部612は、軸部611上端部からベース31の中心部側に向かって突出し、平面視先細り状に形成される。固定台51の固定穴511に対して、ユーザは当接部61の軸部611を上方から挿入する。ユーザは軸部611の軸穴613に対してネジ65を上方から挿入し、接続リング70の対応する固定穴701に締結する。固定穴701は接続リング70に設けた螺子穴である。これにより、当接部61が固定台51に固定される。
把持部42,43の構成は、把持部41の構成と同様である。把持部42は、柱部46、固定台52、当接部62を備える。把持部43は、柱部47、固定台53、当接部63を備える。把持部42,43を構成する各部材は、把持部41を構成する各部材と同じなので、具体的な説明は省略する。
接続リング70の形状を説明する。接続リング70は金属製の環状部材であり、好ましくは鉄製である。接続リング70の厚みは15mm程度である。接続リング70の径は、ベース31の径よりも大きい。接続リング70は、ベース31上面に立設する柱部45~47の夫々の上端面に載置し、下面を接着剤で固定する。それ故、接続リング70は、柱部45~47によってベース31上方に支持される。接続リング70とベース31の間には、隙間80が形成される。
接続リング70上面には、上記の固定台51~53に加え、4つの横当て部75が固定される。横当て部75は、固定台51と52の間に2つ、固定台52と53の間に1つ、固定台53と51の間に1つ固定される。横当て部75は固定台51~53よりも小さい略直方体状であって、接続リング70内側に向けてネジ76の先端部を略水平に突出する。ネジ76の回転量を調節することで、ネジ76の先端部の位置が接続リング70の径方向に調節される。
図2に示すように、ユーザは、上記構成のクランプ装置30を、工作機械1の回転台25上に取り付ける。回転台25上面に設けられた2つの係合穴(図示略)に対し、ベース31の下面側から下方に突出する2本の係合突起33を上方から差し込んで係合する。ユーザは固定座部32の凹部321の内側に、工作機械1の回転台25を嵌め込む。回転台25上面に設けられた8つの固定穴(図示略)に対して、ベース31に設けられた複数の固定穴37が夫々位置決めされる。ユーザは、複数の固定穴37の夫々にネジ57を上方から差し込み、回転台25上面に設けられた対応する複数の固定穴に対して締結する。これにより、工作機械1の回転台25上に、クランプ装置30が固定される。
図7,図8を参照し、クランプ装置30にワーク100を取り付ける手順の一例を説明する。ワーク100は略円筒状である。ワーク100をクランプ装置30に取り付ける前、ユーザは、把持部41~43のネジ65~67を緩め、当接部61~63の夫々の押え部612,622,632を回転し、接続リング70の内側から外側に退避させる。ユーザは、ワーク100の軸線の向きが上下方向となる姿勢で、ワーク100を接続リング70内側に上方から差し入れ、ワーク100の下端面を、支持柱34~36の支持面341,351,361上に載置する。このとき、支持柱34~36の夫々の上端部に形成された係止部342,352,362は、ワーク100の内面に内側から係止する。
次いで、ユーザは、当接部61~63の夫々の押え部612,622,632を接続リング70の内側に向けて回転し、ワーク100の上端面の上方に配置した状態で、ネジ65~67を締結する。ネジ65~67の締結により、押え部612,622,632は、ワーク100の上端面をベース31上面に押し付け、ワーク100を回転台25側に固定する。これにより、把持部41~43の当接部61~63がワーク100の上端に係合する。次いで、ユーザは、4つの横当て部75の夫々のネジ76を回転させ、ネジ76の先端部をワーク100の側面に当接させる。これにより、ワーク100は径方向においても位置決めされる。
上記のように、クランプ装置30は、ベース31上面において3本の把持部41~43を周方向に立設し、これらを接続リング70で連結する。このようなクランプ装置30にワーク100を取り付け、工作機械1において、回転台25を回転した場合、把持部41~43には径方向外側に開こうとする遠心力が働くが、接続リング70によって、把持部41~43がその遠心力をバランスよく互いに保持し合う。これにより、クランプ装置30は、回転台25の回転による遠心力で把持部41~43がワーク100を径方向外側へ変形させるのを抑制できる。よって、クランプ装置30は、加工後におけるワーク100の真円度が低下するのを抑制できる。
次に、クランプ装置30の接続リング70の効果を確認する為、試験を行った。本試験では、接続リング70を備える本実施形態のクランプ装置30を用いてワーク100を加工した場合と、接続リング70を備えない従来のクランプ装置を用いてワーク100を加工した場合とについて、加工後のワーク100の真円度を比較した。接続リング70は鉄製のものを用いた。ワーク100の真円度は、ワーク100の側面に予め設定した12カ所の位置について、真円の位置を100としたときの割合を算出してプロットした。なお、従来のクランプ装置とは、接続リング70を備えず、把持部41~43が互いに連結せずに、ベース31の第1突出部311、第2突出部312、第3突出部313の夫々上面に互いに独立して立設するものである。
図9,図10を参照し、結果について説明する。図9は、従来のクランプ装置で加工した場合の円筒状のワーク100の真円度をプロットした円グラフである。グラフ中に示す一点鎖線は真円Cの位置を示す。黒丸は真円Cに対するワーク100の側面の位置である。把持部41~43の各位置は、ワーク100の上端に押し当てて固定した位置に対応する。なお、真円度は真円Cの位置に対するずれ量を示し、小さければ小さいほど真円Cに近く、大きければ大きいほど真円Cから離れる。
図9のグラフに示すように、加工後のワーク100の真円度を見ると、把持部41~43が当接した部分において、径方向内側に変形していることが分かった。ワーク100の加工中において、クランプ装置は回転台25と共に高速回転するので、把持部41~43の夫々には強い遠心力(図9中矢印P参照)が別個に生じる。それ故、把持部41~43は、ワーク100において把持部41~43が当接する部分を径方向外側に拡げるように引っ張ることから、加工中においては回転前の当初の位置よりも径方向外側にずれてしまう。その状態で、工作機械1は、回転前の当初の位置で工具を当ててワーク100の内径側面を加工したことから、ワーク100の内径側面の把持部の近傍を削り残してしまったものと考えられる。
これに対し、図10は、本実施形態のクランプ装置30で加工した場合のワーク100の真円度をプロットしたグラフである。加工後のワーク100の真円度を見ると、把持部41~43が当接した部分において、図9のグラフに比べて、グラフ中に示す一点鎖線に近づき、全体が真円Cとほぼ同様の形状であったことから、真円度が向上したとみられる。この理由について、クランプ装置30では、把持部41~43が接続リング70で周方向に連結されていることから、把持部41~43が径方向に開こうとする遠心力を互いに保持し合うと思われる。これにより、加工中において、ワーク100において把持部41~43が当接する部分の位置が回転前の当初の位置よりもほとんどずれないことから、ワーク100の側面の変形量が低減したと考えられる。以上の結果より、クランプ装置30は接続リング70を備えることにより、加工中の遠心力の影響を軽減してワーク100の変形量を小さくできることが実証された。
以上説明したように、本実施形態のクランプ装置30は、工作機械1の回転台25にワーク100を固定する。クランプ装置30は、把持部41~43と接続リング70を備える。把持部41~43は、ワーク100の端に係合する。接続リング70は、回転台25の周方向に隣り合う把持部41~43同士を接続する。これにより、加工中において、各把持部41~43が径方向外側に開こうとする遠心力を互いに保持し合うことで、ワーク100の変形量を軽減できる。
把持部41~43は、ワーク100を回転台25側に押し付けて固定する。これにより、クランプ装置30はワーク100を回転台25に強く固定できる。また、ワーク100を回転台25側に押し付けるので、ワーク100の側面に把持部41~43が接触しない。これにより、ワーク100の側面に工具を接触させて加工できる。
接続リング70は環状なので、把持部41~43同士をバランスよく接続できる。
クランプ装置30は、回転台25に取り付けるベース31を備える。把持部41~43は、ベース31上に設けられると共に、ワーク100をベース31上に固定する。ベース31と接続リング70の間には、隙間80が設けられる。これにより、工作機械1は、隙間80を介して工具をワーク100の側面に接触させることができるので、側面に自由に切削加工ができる。
接続リング70は、クランプ装置30のベース31と同軸上に配置される。これにより、回転台25と一体してベース31が回転するとき、そのベース31と同軸上に配置された接続リング70には遠心力が略均一にかかる。そのような接続リング70で把持部41~43同士を接続するので、回転台25が回転するとき、各把持部41~43において径方向に開こうとする遠心力をバランスよく互いに保持し合うことができる。
把持部41~43は、ベース31上から上方に延びる柱部45~47と、柱部45~47の上部に設けられ、ワーク100を押さえる当接部61~63とを備える。接続リング70は、柱部45~47の上端面に固定される。把持部41~43は柱部45~47を備えるので、その上部に設けられた当接部61~63が回転時の遠心力の影響を受け易いが、接続リング70が当接部61~63に近い位置に設けられているので、その影響を効果的に軽減できる。
本発明は上記実施形態に限らず各種変形が可能である。図1に示す工作機械1は、ワークの切削加工と旋削加工ができる複合機であるが、旋削加工ができる旋盤であってもよい。
クランプ装置30は、3本の把持部41~43を備えるが、把持部の数は複数であればよく、例えば2本、又は3本以上であってもよい。
接続リング70は環状であるが、周方向に隣り合う把持部同士を接続できる形状であればよく、例えば、3本の把持部において、周方向に隣り合う把持部同士を直線状に接続する平面視略三角形状であってもよい。また、把持部同士の間は直線でなくてもよく、例えば途中で湾曲、又は折曲してもよい。
接続リング70の材質は鉄製であるが、鉄以外の金属でもよく、樹脂でもよい。例えば、カーボンファイバー樹脂等を用いれば強度を保つと共に軽量化が期待できる。
接続リング70は、把持部41の固定台51と柱部45の間、把持部42の固定台52と柱部46の間、把持部43の固定台53と柱部47の間に挟んで固定することで、把持部41~43を周方向に接続するが、これ以外の構成で接続してもよい。例えば、把持部41~43において、固定台51~53を柱部45~47の各上端面に固定し、固定台51~53若しくは柱部45~47を接続リングで周方向に接続してもよい。
接続リング70は、柱部45~47の上端に固定されるが、要求される加工精度によっては柱部45~47の下側でもよい。加工精度にとって、接続リング70は柱部45~47の上端面、若しくは上側が好ましいが、許容される加工精度範囲であれば、上端から下方に離れてもよい。
クランプ装置30において、把持部41~43はワーク100の上端面に当接してベース31上面に押し付けることで、ワーク100を回転台25に固定するが、例えばワーク100の側面に径方向外側から当接し、径方向内側に押し付けることで、回転台25に対して固定してもよい。
クランプ装置30は、把持部41~43をベース31上面に立設するが、ベース31を省略してもよい。例えば、把持部41~43を回転台25上面に固定し、それらを接続リング70で接続するようにしてもよい。
1 工作機械
25 回転台
30 クランプ装置
31 ベース
41~43 把持部
45~47 柱部
61~63 当接部
70 接続リング
80 隙間
100 ワーク
612,622,632 押え部

Claims (6)

  1. 工作機械の回転台にワークを固定するクランプ装置において、
    前記ワークの端と係合する複数の把持部と、
    前記回転台の周方向に隣り合う前記把持部同士を接続する接続部と
    を備えたことを特徴とするクランプ装置。
  2. 前記複数の把持部は、前記ワークに対して前記回転台側とは反対側に当接し、前記ワークを前記回転台側に押し付けて固定すること
    を特徴とする請求項1に記載のクランプ装置。
  3. 前記接続部は環状であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載のクランプ装置。
  4. 前記回転台に取り付けるベースを備え、
    前記複数の把持部は、前記ベース上に設けられると共に、前記ワークを前記ベース上に固定するものであって、
    前記ベースと前記接続部の間には、隙間が設けられたこと
    を特徴とする請求項1から3の何れか一に記載のクランプ装置。
  5. 前記接続部は環状であって、前記ベースと同軸上に配置されたこと
    を特徴とする請求項4に記載のクランプ装置。
  6. 前記把持部は、
    前記ベース上から上方に延びる柱部と、
    前記柱部の上部に設けられ、前記ワークを押さえる押え部と
    を備え、
    前記接続部は、前記柱部の上側に固定されたこと
    を特徴とする請求項4又は5に記載のクランプ装置。
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