JP2004042183A - 歯車加工機用クランプ治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワークの端面にフレがあっても歯溝のフレを低減することができる歯車加工機用クランプ治具の提供。
【解決手段】ワーク13の内径部19に挿入されるサポートセンタ20と、ワーク13を一側から押さえる第1クランプ部21と、ワーク13を逆側から押さえる第2クランプ部22とを有するものであって、第1クランプ部21には、ワーク13に対し反対側に球面47が形成されるクランプ部材38と、クランプ部材38の球面47に当接する球面座金50とが設けられている。
【選択図】 図2
【解決手段】ワーク13の内径部19に挿入されるサポートセンタ20と、ワーク13を一側から押さえる第1クランプ部21と、ワーク13を逆側から押さえる第2クランプ部22とを有するものであって、第1クランプ部21には、ワーク13に対し反対側に球面47が形成されるクランプ部材38と、クランプ部材38の球面47に当接する球面座金50とが設けられている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯切り盤や歯車研削盤等の歯車加工機に用いられる歯車加工機用クランプ治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
歯車加工機用クランプ治具に関するものとして、例えば実開平3−47722号公報に開示されたものがある。この種の歯車加工機用クランプ治具の従来のものは、歯車加工が行われるワークの内径部に挿入されるサポートセンタと、サポートセンタに挿入されたワークを下側から押さえる第1クランプ部と、サポートセンタに挿入されたワークを上側から押さえる第2クランプ部とを有する基本構造になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ワークは前工程までの製造誤差を持った状態で歯車加工機にクランプされることになる。このような製造誤差のうち特に歯端面の平行度誤差による端面のフレがある場合には、サポートセンタで内径部を受けた状態でワークを第1クランプ部と第2クランプ部とでクランプすると、上記端面のフレによってサポートセンタに曲がりが生じてしまうことがあった。このようにサポートセンタに曲がりが生じた状態すなわちワークの芯出しが正確に行われていない状態で歯車加工が行われると、当然のことながら、歯溝のフレが大きくなってしまう。
【0004】
近年、ワーク一つ当たりのサイクルタイムの短縮化のためにワークを多段に積み重ねて歯車加工することが一般に行われているが、このような多段積み加工を行うと、ワークの誤差が累積されることになり、その結果、上記のような問題がより顕著に生じてしまう。
【0005】
したがって、本発明の目的は、ワークの端面にフレがあっても歯溝のフレを低減することができる歯車加工機用クランプ治具の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の歯車加工機用クランプ治具は、歯車加工が行われるワーク(例えば実施の形態におけるワーク13)の内径部(例えば実施の形態における内径部19)に挿入されるサポートセンタ(例えば実施の形態におけるサポートセンタ20)と、該サポートセンタに挿入されたワークを一側から押さえる第1クランプ部(例えば実施の形態における上部クランプ部21)と、前記サポートセンタに挿入されたワークを逆側から押さえる第2クランプ部(例えば実施の形態における下部クランプ部22)とを有するものであって、前記第1クランプ部および前記第2クランプ部のうちの少なくともいずれか一方には、前記ワークに対し反対側に球面(例えば実施の形態における上端面47)が形成されるクランプ部材(例えば実施の形態におけるクランプ部材38)と、該クランプ部材の前記球面に当接する球面座金(例えば実施の形態における球面座金50)とが設けられていることを特徴としている。
【0007】
これにより、サポートセンタで内径部を受けた状態でワークを第1クランプ部と第2クランプ部とでクランプした場合に、ワークの端面にフレがあっても、第1クランプ部および第2クランプ部のうちの少なくともいずれか一方に設けられたクランプ部材が、そのワークに対し反対側に設けられた球面をこれに当接している球面座金に対し摺動させながら全体として傾動可能となっているため、このように傾動することによってフレの影響を吸収する。その結果、サポートセンタにワーク端面のフレの影響が及ぶことを防止できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態の歯車加工機用クランプ治具(以下クランプ治具と称す)を図面を参照して以下に説明する。
【0009】
本実施形態のクランプ治具11が設けられる歯車加工機12は、図1に示すように、上下に複数段具体的には二段に積み重ねた状態のワーク13を鉛直軸回りに回転させながらホブカッタ14による歯切り加工で外歯を形成する歯切り盤(ホブ盤)であり、クランプ治具11は歯車加工機12に設けられてワーク13を上記のような積み重ね状態でクランプする。
【0010】
クランプ治具11は、ワーク13の回転軸である鉛直軸回りに回転可能かつ上下動可能な歯車加工機12の上部のスライドコラム17と、鉛直軸回りに回転可能な支持台18との間に設けられるもので、鉛直方向に軸線を配置した状態でスライドコラム17の下部に固定されるとともに円環状のワーク13の内径部19に挿入されるサポートセンタ20と、鉛直方向に軸線を配置した状態でサポートセンタ20に支持されるとともに、サポートセンタ20に挿入されたワーク13を鉛直方向に移動することで上側から押さえる上部クランプ部(第1クランプ部)21と、鉛直方向に軸線を配置した状態で支持台18に支持されるとともに、サポートセンタ20に挿入されたワーク13を逆側である下側から押さえる下部クランプ部(第2クランプ部)22とを有している。
【0011】
サポートセンタ20は、上部に、最も大径でスライドコラム17の下部に当接する上端大径部24とこの上端大径部24の下側の段部25とを有しており、中間部にワーク13の内径部19に嵌合される芯出し部26が設けられ、下部に歯車加工機12の支持台18の内側に設けられた引込部27で引き込まれる係合部28が設けられている。
【0012】
下部クランプ部22は、歯車加工機12の回転可能な支持台18上に同軸をなして固定される略円筒状の第1クランプ部材30と、この第1クランプ部材30上に同軸をなして固定される略円筒状の第2クランプ部材31とを有している。この第2クランプ部材31の上端面32は、支持台18の鉛直延在する回転軸線に対し直交しており、下側のワーク13の外径側の下端面33を下側から支持する。
【0013】
上部クランプ部21は、図2にも示すように、サポートセンタ20の上端大径部24の外径側に同軸に嵌合固定されて下方に延出する円筒状のケース35と、ケース35の下端に固定されてケース35よりも半径方向内方に突出する円環状の受け板36と、上部の大径部37でケース35の内径側に支持される略円筒状のクランプ部材38とを有している。なお、クランプ部材38は、その大径部37が受け板36により下方移動が規制されることで受け板36およびケース35に吊り下げられた状態となっている。また、クランプ部材38の下部内径側には小径部39が形成されている。
【0014】
上部クランプ部21は、サポートセンタ20の段部25と芯出し部26との間の外径側に摺動可能に嵌合されるスリーブ42と、スリーブ42の上端フランジ部41とサポートセンタ20の段部25との間に配置されてスリーブ42を下方に付勢するスプリング43とを有している。ここで、スリーブ42は、クランプ部材38に対しても摺動可能とされており、このクランプ部材38の小径部39で上端フランジ部41の下方移動が規制される。
【0015】
クランプ部材38は、その下端面45が軸線に対し直交しており、上側のワークの外径側の上端面46を上側から押さえる。
【0016】
そして、本実施形態において、上部クランプ部21のクランプ部材38は、そのワーク13に対し反対側である上端面47が、ワーク13に対し反対側である上側に凸をなしかつ歯車加工機12の回転軸に中心を配置する球面とされている。
【0017】
加えて、本実施形態において、クランプ部材38のワーク13に対し反対側である上側には、クランプ部材38の球面とされた上端面47に当接する球面座金50が、サポートセンタ20の上端大径部24との間に介装されている。この球面座金50は、そのワーク13側である下端面51が、ワーク13に対し反対側である上側に凸をなしかつクランプ部材38の上端面47と同じ形状の球面とされている。
【0018】
ここで、サポートセンタ20の上端大径部24と受け板36との間隔、ケース35および受け板36の内径等は、これらの内側に大径部37を配置したクランプ部材38が、その上端面47において球面座金50の下端面51に案内されながらサポートセンタ20の中心軸線に対し所定角度傾動可能となるように適宜のクリアランスをもつように設定されている。
【0019】
以上のように構成されたクランプ治具11は、ワーク13をクランプする前の状態においては、歯車加工機12のスライドコラム17の上昇で上部クランプ部21およびサポートセンタ20が支持台18上の下部クランプ部22から上側に離間しており、この状態でワーク13が複数具体的には二つ積み重ねた状態で下部クランプ22の第2クランプ部材31の上端面31に載置される。
【0020】
この状態で、歯車加工機12のスライドコラム17が下降すると、上部クランプ部21およびサポートセンタ20が下降し、サポートセンタ20が両ワーク13の内径部19内に進入するとともに、スプリング43で付勢されてクランプ部材38よりも下方に最も突出した状態のスリーブ42がワーク13の内径側の上端面52に当接してこれをスプリング43の付勢力で仮押さえしながら、さらに上部クランプ部21およびサポートセンタ20が下降する。そして、上部クランプ部21のクランプ部材38の下端面45がワーク13の外径側の上端面46に当接するとともに、サポートセンタ20の芯出し部26が両ワーク13の内径部19に嵌合する。
【0021】
そして、サポートセンタ20がその係合部28において支持台18よりも内側の引込部27に係合しこの引込部27で下方に引かれる。すると、上部クランプ部21は、支持台18上に載置されたワーク13に当接しているクランプ部材38がその上側の球面座金50を介してサポートセンタ20で下方に押され、その結果、上部クランプ部21は複数のワーク13を下部クランプ部22とで上下からクランプする。
【0022】
ここで、このようにサポートセンタ20が引込部27で下方に引かれることで、球面座金50、クランプ部材38、支持台18上の複数のワーク13が下方に押されたときに、図3に概念的に示すように、ワーク13に端面46のフレがあると、クランプ部材38は、このフレに合わせて、その球面の上端面47をこれに当接している球面座金50の下端面51に対し摺動させながら全体として傾動することによって、このフレを吸収しつつクランプ状態となる。
【0023】
そして、このようにしてクランプ治具11でクランプされた状態のワーク13が支持台18の回転により回転しながら、ホブカッタ14で歯切り加工される。
【0024】
以上に述べた本実施形態のクランプ治具11によれば、サポートセンタ20で内径部19を受けた状態でワーク13を上部クランプ部21と下部クランプ部22とでクランプした場合に、ワーク13の端面にフレがあっても、上部クランプ部21に設けられたクランプ部材38が、そのワーク13に対し反対側に設けられた球面からなる上端面47をこれに当接している球面座金50に対し摺動せながら全体として傾動することによってフレの影響を吸収する。その結果、ワーク13の端面のフレの影響をサポートセンタ20から切り離すことができ、サポートセンタ20にワーク13の端面のフレの影響が及ぶことを防止できる。
【0025】
したがって、ワーク13の端面にフレがあっても、サポートセンタ20で適正に芯出しした状態でワーク13をクランプすることができるため、ワーク13に生じる歯溝のフレを低減することができる。特に、ワーク13の誤差が累積される積み重ね加工においてその効果が大きい。
【0026】
なお、以上の実施形態においては、上部クランプ部のみに、上記構成すなわちクランプ部材のワークに対し反対側に球面を形成しこの球面に当接する球面座金を設ける構成を採用する場合を例にとり説明したが、これに加えて、下部クランプ部に、上記構成すなわちクランプ部材のワークに対し反対側に球面を形成しこの球面に当接する球面座金を設ける構成を採用しても良い。勿論、下部クランプ部のみに、上記構成すなわちクランプ部材のワークに対し反対側に球面を形成しこの球面に当接する球面座金を設ける構成を採用しても良い。
【0027】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の歯車加工機用クランプ治具によれば、サポートセンタで内径部を受けた状態でワークを第1クランプ部と第2クランプ部とでクランプした場合に、ワークの端面にフレがあっても、第1クランプ部および第2クランプ部のうちの少なくともいずれか一方に設けられたクランプ部材が、そのワークに対し反対側に設けられた球面をこれに当接している球面座金に対し摺動させながら全体として傾動することによってフレの影響を吸収する。その結果、サポートセンタにワーク端面のフレの影響が及ぶことを防止できる。
【0028】
したがって、ワークの端面にフレがあっても、サポートセンタで適正に芯出しした状態でワークをクランプすることができるため、ワークに生じる歯溝のフレを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の歯車加工機用クランプ治具を示す正断面図である。
【図2】本発明の一実施形態の歯車加工機用クランプ治具の要部を示す部分拡大正断面図である。
【図3】本発明の一実施形態の歯車加工機用クランプ治具のクランプ状態を概念的に示す模式図である。
【符号の説明】
13 ワーク
19 内径部
20 サポートセンタ
21 上部クランプ部(第1クランプ部)
22 下部クランプ部(第2クランプ部)
38 クランプ部材
47 上端面(球面)
50 球面座金
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯切り盤や歯車研削盤等の歯車加工機に用いられる歯車加工機用クランプ治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
歯車加工機用クランプ治具に関するものとして、例えば実開平3−47722号公報に開示されたものがある。この種の歯車加工機用クランプ治具の従来のものは、歯車加工が行われるワークの内径部に挿入されるサポートセンタと、サポートセンタに挿入されたワークを下側から押さえる第1クランプ部と、サポートセンタに挿入されたワークを上側から押さえる第2クランプ部とを有する基本構造になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ワークは前工程までの製造誤差を持った状態で歯車加工機にクランプされることになる。このような製造誤差のうち特に歯端面の平行度誤差による端面のフレがある場合には、サポートセンタで内径部を受けた状態でワークを第1クランプ部と第2クランプ部とでクランプすると、上記端面のフレによってサポートセンタに曲がりが生じてしまうことがあった。このようにサポートセンタに曲がりが生じた状態すなわちワークの芯出しが正確に行われていない状態で歯車加工が行われると、当然のことながら、歯溝のフレが大きくなってしまう。
【0004】
近年、ワーク一つ当たりのサイクルタイムの短縮化のためにワークを多段に積み重ねて歯車加工することが一般に行われているが、このような多段積み加工を行うと、ワークの誤差が累積されることになり、その結果、上記のような問題がより顕著に生じてしまう。
【0005】
したがって、本発明の目的は、ワークの端面にフレがあっても歯溝のフレを低減することができる歯車加工機用クランプ治具の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の歯車加工機用クランプ治具は、歯車加工が行われるワーク(例えば実施の形態におけるワーク13)の内径部(例えば実施の形態における内径部19)に挿入されるサポートセンタ(例えば実施の形態におけるサポートセンタ20)と、該サポートセンタに挿入されたワークを一側から押さえる第1クランプ部(例えば実施の形態における上部クランプ部21)と、前記サポートセンタに挿入されたワークを逆側から押さえる第2クランプ部(例えば実施の形態における下部クランプ部22)とを有するものであって、前記第1クランプ部および前記第2クランプ部のうちの少なくともいずれか一方には、前記ワークに対し反対側に球面(例えば実施の形態における上端面47)が形成されるクランプ部材(例えば実施の形態におけるクランプ部材38)と、該クランプ部材の前記球面に当接する球面座金(例えば実施の形態における球面座金50)とが設けられていることを特徴としている。
【0007】
これにより、サポートセンタで内径部を受けた状態でワークを第1クランプ部と第2クランプ部とでクランプした場合に、ワークの端面にフレがあっても、第1クランプ部および第2クランプ部のうちの少なくともいずれか一方に設けられたクランプ部材が、そのワークに対し反対側に設けられた球面をこれに当接している球面座金に対し摺動させながら全体として傾動可能となっているため、このように傾動することによってフレの影響を吸収する。その結果、サポートセンタにワーク端面のフレの影響が及ぶことを防止できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態の歯車加工機用クランプ治具(以下クランプ治具と称す)を図面を参照して以下に説明する。
【0009】
本実施形態のクランプ治具11が設けられる歯車加工機12は、図1に示すように、上下に複数段具体的には二段に積み重ねた状態のワーク13を鉛直軸回りに回転させながらホブカッタ14による歯切り加工で外歯を形成する歯切り盤(ホブ盤)であり、クランプ治具11は歯車加工機12に設けられてワーク13を上記のような積み重ね状態でクランプする。
【0010】
クランプ治具11は、ワーク13の回転軸である鉛直軸回りに回転可能かつ上下動可能な歯車加工機12の上部のスライドコラム17と、鉛直軸回りに回転可能な支持台18との間に設けられるもので、鉛直方向に軸線を配置した状態でスライドコラム17の下部に固定されるとともに円環状のワーク13の内径部19に挿入されるサポートセンタ20と、鉛直方向に軸線を配置した状態でサポートセンタ20に支持されるとともに、サポートセンタ20に挿入されたワーク13を鉛直方向に移動することで上側から押さえる上部クランプ部(第1クランプ部)21と、鉛直方向に軸線を配置した状態で支持台18に支持されるとともに、サポートセンタ20に挿入されたワーク13を逆側である下側から押さえる下部クランプ部(第2クランプ部)22とを有している。
【0011】
サポートセンタ20は、上部に、最も大径でスライドコラム17の下部に当接する上端大径部24とこの上端大径部24の下側の段部25とを有しており、中間部にワーク13の内径部19に嵌合される芯出し部26が設けられ、下部に歯車加工機12の支持台18の内側に設けられた引込部27で引き込まれる係合部28が設けられている。
【0012】
下部クランプ部22は、歯車加工機12の回転可能な支持台18上に同軸をなして固定される略円筒状の第1クランプ部材30と、この第1クランプ部材30上に同軸をなして固定される略円筒状の第2クランプ部材31とを有している。この第2クランプ部材31の上端面32は、支持台18の鉛直延在する回転軸線に対し直交しており、下側のワーク13の外径側の下端面33を下側から支持する。
【0013】
上部クランプ部21は、図2にも示すように、サポートセンタ20の上端大径部24の外径側に同軸に嵌合固定されて下方に延出する円筒状のケース35と、ケース35の下端に固定されてケース35よりも半径方向内方に突出する円環状の受け板36と、上部の大径部37でケース35の内径側に支持される略円筒状のクランプ部材38とを有している。なお、クランプ部材38は、その大径部37が受け板36により下方移動が規制されることで受け板36およびケース35に吊り下げられた状態となっている。また、クランプ部材38の下部内径側には小径部39が形成されている。
【0014】
上部クランプ部21は、サポートセンタ20の段部25と芯出し部26との間の外径側に摺動可能に嵌合されるスリーブ42と、スリーブ42の上端フランジ部41とサポートセンタ20の段部25との間に配置されてスリーブ42を下方に付勢するスプリング43とを有している。ここで、スリーブ42は、クランプ部材38に対しても摺動可能とされており、このクランプ部材38の小径部39で上端フランジ部41の下方移動が規制される。
【0015】
クランプ部材38は、その下端面45が軸線に対し直交しており、上側のワークの外径側の上端面46を上側から押さえる。
【0016】
そして、本実施形態において、上部クランプ部21のクランプ部材38は、そのワーク13に対し反対側である上端面47が、ワーク13に対し反対側である上側に凸をなしかつ歯車加工機12の回転軸に中心を配置する球面とされている。
【0017】
加えて、本実施形態において、クランプ部材38のワーク13に対し反対側である上側には、クランプ部材38の球面とされた上端面47に当接する球面座金50が、サポートセンタ20の上端大径部24との間に介装されている。この球面座金50は、そのワーク13側である下端面51が、ワーク13に対し反対側である上側に凸をなしかつクランプ部材38の上端面47と同じ形状の球面とされている。
【0018】
ここで、サポートセンタ20の上端大径部24と受け板36との間隔、ケース35および受け板36の内径等は、これらの内側に大径部37を配置したクランプ部材38が、その上端面47において球面座金50の下端面51に案内されながらサポートセンタ20の中心軸線に対し所定角度傾動可能となるように適宜のクリアランスをもつように設定されている。
【0019】
以上のように構成されたクランプ治具11は、ワーク13をクランプする前の状態においては、歯車加工機12のスライドコラム17の上昇で上部クランプ部21およびサポートセンタ20が支持台18上の下部クランプ部22から上側に離間しており、この状態でワーク13が複数具体的には二つ積み重ねた状態で下部クランプ22の第2クランプ部材31の上端面31に載置される。
【0020】
この状態で、歯車加工機12のスライドコラム17が下降すると、上部クランプ部21およびサポートセンタ20が下降し、サポートセンタ20が両ワーク13の内径部19内に進入するとともに、スプリング43で付勢されてクランプ部材38よりも下方に最も突出した状態のスリーブ42がワーク13の内径側の上端面52に当接してこれをスプリング43の付勢力で仮押さえしながら、さらに上部クランプ部21およびサポートセンタ20が下降する。そして、上部クランプ部21のクランプ部材38の下端面45がワーク13の外径側の上端面46に当接するとともに、サポートセンタ20の芯出し部26が両ワーク13の内径部19に嵌合する。
【0021】
そして、サポートセンタ20がその係合部28において支持台18よりも内側の引込部27に係合しこの引込部27で下方に引かれる。すると、上部クランプ部21は、支持台18上に載置されたワーク13に当接しているクランプ部材38がその上側の球面座金50を介してサポートセンタ20で下方に押され、その結果、上部クランプ部21は複数のワーク13を下部クランプ部22とで上下からクランプする。
【0022】
ここで、このようにサポートセンタ20が引込部27で下方に引かれることで、球面座金50、クランプ部材38、支持台18上の複数のワーク13が下方に押されたときに、図3に概念的に示すように、ワーク13に端面46のフレがあると、クランプ部材38は、このフレに合わせて、その球面の上端面47をこれに当接している球面座金50の下端面51に対し摺動させながら全体として傾動することによって、このフレを吸収しつつクランプ状態となる。
【0023】
そして、このようにしてクランプ治具11でクランプされた状態のワーク13が支持台18の回転により回転しながら、ホブカッタ14で歯切り加工される。
【0024】
以上に述べた本実施形態のクランプ治具11によれば、サポートセンタ20で内径部19を受けた状態でワーク13を上部クランプ部21と下部クランプ部22とでクランプした場合に、ワーク13の端面にフレがあっても、上部クランプ部21に設けられたクランプ部材38が、そのワーク13に対し反対側に設けられた球面からなる上端面47をこれに当接している球面座金50に対し摺動せながら全体として傾動することによってフレの影響を吸収する。その結果、ワーク13の端面のフレの影響をサポートセンタ20から切り離すことができ、サポートセンタ20にワーク13の端面のフレの影響が及ぶことを防止できる。
【0025】
したがって、ワーク13の端面にフレがあっても、サポートセンタ20で適正に芯出しした状態でワーク13をクランプすることができるため、ワーク13に生じる歯溝のフレを低減することができる。特に、ワーク13の誤差が累積される積み重ね加工においてその効果が大きい。
【0026】
なお、以上の実施形態においては、上部クランプ部のみに、上記構成すなわちクランプ部材のワークに対し反対側に球面を形成しこの球面に当接する球面座金を設ける構成を採用する場合を例にとり説明したが、これに加えて、下部クランプ部に、上記構成すなわちクランプ部材のワークに対し反対側に球面を形成しこの球面に当接する球面座金を設ける構成を採用しても良い。勿論、下部クランプ部のみに、上記構成すなわちクランプ部材のワークに対し反対側に球面を形成しこの球面に当接する球面座金を設ける構成を採用しても良い。
【0027】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の歯車加工機用クランプ治具によれば、サポートセンタで内径部を受けた状態でワークを第1クランプ部と第2クランプ部とでクランプした場合に、ワークの端面にフレがあっても、第1クランプ部および第2クランプ部のうちの少なくともいずれか一方に設けられたクランプ部材が、そのワークに対し反対側に設けられた球面をこれに当接している球面座金に対し摺動させながら全体として傾動することによってフレの影響を吸収する。その結果、サポートセンタにワーク端面のフレの影響が及ぶことを防止できる。
【0028】
したがって、ワークの端面にフレがあっても、サポートセンタで適正に芯出しした状態でワークをクランプすることができるため、ワークに生じる歯溝のフレを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の歯車加工機用クランプ治具を示す正断面図である。
【図2】本発明の一実施形態の歯車加工機用クランプ治具の要部を示す部分拡大正断面図である。
【図3】本発明の一実施形態の歯車加工機用クランプ治具のクランプ状態を概念的に示す模式図である。
【符号の説明】
13 ワーク
19 内径部
20 サポートセンタ
21 上部クランプ部(第1クランプ部)
22 下部クランプ部(第2クランプ部)
38 クランプ部材
47 上端面(球面)
50 球面座金
Claims (1)
- 歯車加工が行われるワークの内径部に挿入されるサポートセンタと、該サポートセンタに挿入されたワークを一側から押さえる第1クランプ部と、前記サポートセンタに挿入されたワークを逆側から押さえる第2クランプ部とを有する歯車加工機用クランプ治具において、
前記第1クランプ部および前記第2クランプ部のうちの少なくともいずれか一方には、前記ワークに対し反対側に球面が形成されるクランプ部材と、該クランプ部材の前記球面に当接する球面座金とが設けられていることを特徴とする歯車加工機用クランプ治具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002202640A JP2004042183A (ja) | 2002-07-11 | 2002-07-11 | 歯車加工機用クランプ治具 |
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JP2002202640A JP2004042183A (ja) | 2002-07-11 | 2002-07-11 | 歯車加工機用クランプ治具 |
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ID=31708769
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2004042183A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006334678A (ja) * | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Musashi Seimitsu Ind Co Ltd | クランプ治具 |
EP2886234A1 (en) * | 2013-12-20 | 2015-06-24 | Shivam Autotech Ltd. | Method for multi-gear hobbing and its application thereof |
CN104741705A (zh) * | 2013-12-31 | 2015-07-01 | 天津建筑机械厂 | 一种推土机轴齿轮磨齿专用工具 |
JP2015136758A (ja) * | 2014-01-22 | 2015-07-30 | シバム オートテック リミテッド | 複数の歯車のホブ切り方法とその応用方法 |
CN108284255A (zh) * | 2018-03-30 | 2018-07-17 | 浙江中马传动股份有限公司 | 一种齿轮的涨套夹具 |
CN109047951A (zh) * | 2018-10-15 | 2018-12-21 | 安徽明雁齿轮有限公司 | 一种用于高精度齿轴外花键滚齿加工夹具 |
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2002
- 2002-07-11 JP JP2002202640A patent/JP2004042183A/ja active Pending
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