JP2023150419A - 水系カラーインク及び印刷方法 - Google Patents

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康寛 河合
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Abstract

【課題】吐出安定性、非吸収性基材に対する濡れ性及び耐擦過性に優れる水系カラーインクを提供する。【解決手段】少なくとも水、色材、樹脂粒子、水溶性有機溶剤、少なくとも1種類のノニオン系表面調整剤、及びセルロース系増粘剤を含む水系カラーインクであって、前記水溶性有機溶剤が、炭素数5~8のジオール系有機溶剤を含み、前記水系カラーインク中の前記ジオール系有機溶剤の含有量が1.0質量%~10.0質量%であり、前記水系カラーインク中の前記水溶性有機溶剤の総量が10.0質量%~30.0質量%の範囲内であることを特徴とする水系カラーインクである。【選択図】なし

Description

本発明は、水系カラーインク及び該水系カラーインクを用いた印刷方法に関し、特には、吐出安定性、非吸収性基材に対する濡れ性及び耐擦過性に優れる水系カラーインクに関するものである。
ポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の基材に印刷を行う軟包装材分野ではオフセット印刷で賄いきれない多品種少数生産の需要が増加し、それに伴いインクジェットプリンタでの印刷手法が求められており、その中でも環境負荷を低減する観点から、水系インクが注目されている。しかしながら、水系インクは溶媒として水を多く含むため、基材上で液寄りが発生する。その問題に対してはグリコールエーテル溶剤やアルカンジオール溶剤をインク中に加えることで系全体の表面張力を低くする処方が主となっている。例えば、特開2020-164571号公報(特許文献1)及び特開2019-199621号公報(特許文献2)では、アルカンジオールを用いることでインクの表面張力を低下させる技術が提案されている。
グリコールエーテル溶剤やアルカンジオール溶剤を用いた従来の手法では、上記基材上での液寄りは解消できるものの、ヘッド上にインクが付着し硬化してしまうことに加え、インクが所定の位置に着弾できず結果として綺麗な印刷物が得られないという問題があった。具体的には、表面張力の低い溶剤を多く加える事により吐出直後のインク液滴がいくつかに分離した分滴が発生し、結果としてミスト状態となり風等の外的要因の影響を受け上記問題が発生している。また、濡れ性を改善する手法としてアセチレンポリオール系界面活性剤を用いる方法もあるが〔例えば、特開2020-056018号公報(特許文献3)、特開2017-165982号公報(特許文献4)、特開2019-119787号公報(特許文献5)〕、PPやPET等の基材に対しては濡れ性が足りなく、十分にインクが濡れ広がるに至らないことに加え、上記に記載した溶剤と同じくインク滴がミストになりやすい傾向にあった。
特開2020-164571号公報 特開2019-199621号公報 特開2020-056018号公報 特開2017-165982号公報 特開2019-119787号公報
そこで、本発明の目的は、吐出安定性、非吸収性基材に対する濡れ性及び耐擦過性に優れる水系カラーインクを提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかる水系カラーインクを用いた印刷方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討したところ、少なくとも水、色材、樹脂粒子、水溶性有機溶剤として炭素数5~8のジオール系有機溶剤、少なくとも1種類のノニオン系表面調整剤、及びセルロース系増粘剤を含む水系カラーインクを調製し、その際に、水系カラーインク中の炭素数5~8のジオール系有機溶剤の含有量を1.0質量%~10.0質量%とし、水系カラーインク中の水溶性有機溶剤の総量を10.0質量%~30.0質量%の範囲内とすることで、インクの吐出時にミストを発生させることなく吐出可能であり、あらゆる非吸収性基材に対しても濡れ広がることが可能な水系カラーインクを提供できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
また、本発明者は、樹脂を使用しない水系カラーインクについても、吐出安定性及び非吸収性基材に対する濡れ性に優れる水系カラーインクを提供できることを確認しているが、その場合、強固なインク膜を形成できず、基材から印刷物が剥がれ易くなる課題を有していた。
従って、本発明の水系カラーインクは、少なくとも水、色材、樹脂粒子、水溶性有機溶剤、少なくとも1種類のノニオン系表面調整剤、及びセルロース系増粘剤を含む水系カラーインクであって、前記水溶性有機溶剤が、炭素数5~8のジオール系有機溶剤を含み、前記水系カラーインク中の前記ジオール系有機溶剤の含有量が1.0質量%~10.0質量%であり、前記水系カラーインク中の前記水溶性有機溶剤の総量が10.0質量%~30.0質量%の範囲内であることを特徴とする水系カラーインクである。
本発明の水系カラーインクの好適例においては、前記水系カラーインク中におけるセルロース系増粘剤の含有量が0.050質量%~0.50質量%の範囲内である。
本発明の水系カラーインクの他の好適例において、前記セルロース系増粘剤は、セルロースナノクリスタルである。
本発明の水系カラーインクの他の好適例において、前記樹脂粒子は、ウレタン樹脂粒子又はアクリル樹脂粒子である。
本発明の水系カラーインクの他の好適例においては、前記水系カラーインク中における樹脂粒子の含有量が2.0質量%~10.0質量%の範囲内である。
本発明の水系カラーインクの他の好適例において、前記ノニオン系表面調整剤は、少なくとも1種類のシリコーン系表面調整剤を含む。
本発明の水系カラーインクの他の好適例においては、前記水系カラーインク中におけるシリコーン表面調整剤の含有量が0.050質量%~1.50質量%の範囲内である。
本発明の水系カラーインクの他の好適例において、前記ノニオン系表面調整剤は、少なくとも1種類のアルコキシアルコール系表面調整剤を含む。
本発明の水系カラーインクの他の好適例においては、前記水系カラーインク中におけるアルコキシアルコール系表面調整剤の含有量が0.10質量%~3.0質量%の範囲内である。
本発明の水系カラーインクの他の好適例においては、前記水溶性有機溶剤が炭素数3~4のジオール系有機溶剤を含み、前記水系カラーインク中における炭素数3~4のジオール系有機溶剤の含有量が5.0質量%~25質量%の範囲内である。
本発明の水系カラーインクの他の好適例において、前記水系カラーインクは、グリコールエーテル系有機溶剤を含まない、又は前記水系カラーインクがグリコールエーテル系有機溶剤を含む場合、前記水系カラーインク中におけるグリコールエーテル系有機溶剤の含有量が5.0質量%以下である。
また、本発明の印刷方法は、上述した本発明の水系カラーインクを用いて印刷し、印刷後の前記水系カラーインクを乾燥させることを特徴とする印刷方法である。
本発明の印刷方法の好適例においては、前記水系カラーインクの乾燥時間が2秒以上である。
本発明の印刷方法の他の好適例においては、前記印刷が、非吸収性基材上で行われる。
本発明の水系カラーインクによれば、吐出安定性、非吸収性基材に対する濡れ性及び耐擦過性に優れる水系カラーインクを提供することができる。また、本発明の印刷方法によれば、かかる水系カラーインクを用いた印刷方法を提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明は、水系カラーインク及び印刷方法に関する。
本発明の1つの態様は、水、色材、樹脂粒子、水溶性有機溶剤、ノニオン系表面調整剤、及びセルロース系増粘剤を含む水系カラーインクである。本明細書では、この水系カラーインクを「本発明の水系カラーインク」又は「本発明のカラーインク」とも称する。
本明細書において、「カラーインク」は、被印刷物上に色付けを行い、文字や画像等を描くためのインクであり、通常、色材、樹脂、及び溶媒を含む。「水系インク」は、主溶媒として水を含有するインクである。
本発明の水系カラーインクは、単独の水系カラーインクから構成されていてもよいし、異なる色を発する複数の水系カラーインクから構成されていてもよく、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク及びブラックインクの4種類のインクを少なくとも含む水系カラーインクを例示することができる。このような複数のインクから構成される一組のインクを「インクセット」とも称する。
本発明のカラーインクは、水を含む。水系カラーインクに使用できる水としては、イオン交換水や蒸留水等の純水、超純水等が好適に挙げられる。また、インクを長期保存する場合には、カビやバクテリアの発生を防止するため、紫外線照射等により滅菌処理した水を用いてもよい。ここで、水系カラーインク中の水の含有量は、例えば20~90質量%であり、好ましくは50~90質量%であり、更に好ましくは60~80質量%である。
これによって、より環境への負荷の少ないカラーインクを提供することができる。
本発明のカラーインクは、樹脂を含む。本発明において、樹脂は、インク中で分散しており、粒子の形態にある。インク中の樹脂が粒子状で存在していると、ヘッドでの吐出不良を防ぐとともに、基材着弾後の熱硬化時に強固なインク膜を形成することができる。本明細書では、このようにインク中で粒子の形態で分散している樹脂を「樹脂粒子」と称する。樹脂粒子とは別に水溶性樹脂(水系インク中では溶解している樹脂)もあるが、水溶性樹脂よりも樹脂粒子を使用する方が、強固な膜を形成できることに加えて、インクの吐出安定性にも優れる。また、樹脂を使用しないインクでは、強固なインク膜を形成できず、基材から印刷物が剥がれ易い。
本発明のカラーインクにおいて、樹脂粒子の平均粒子径(D50)は、10nm~90nmであることが好ましく、20nm~70nmであることがより好ましく、30nm~60nmであることが更に好ましい。樹脂粒子の平均粒子径が上記特定した範囲内であれば、樹脂の分散状態が良く保存安定性に優れるインクを調製できる。
本明細書において、平均粒子径(D50)は、体積基準粒度分布の50%粒子径(D50)を指し、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(例えばSALD-7000:株式会社島津製作所社製)を用いて測定される粒度分布から求めることができる。ここで、粒子径は、レーザ回折・散乱法による球相当径で表される。
本発明のカラーインクには、樹脂粒子として、インク業界において通常使用されている樹脂を用いることができ、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ロジン樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、ビニル樹脂等が挙げられる。樹脂粒子は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のカラーインクにおいて、樹脂粒子は、ウレタン樹脂粒子又はアクリル樹脂粒子であることが好ましい。これらの樹脂粒子は、ポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の非吸収性基材に対して優れた密着特性を確保することができる。ウレタン樹脂粒子としては、後述のように、ポリエステルウレタン樹脂粒子、ポリエーテルウレタン樹脂粒子及びポリカーボネートウレタン樹脂粒子等が挙げられるが、これらの中でも、ポリエステルウレタン樹脂粒子及びポリエーテルウレタン樹脂粒子は、非吸収性基材に対する密着特性の点でより好ましい樹脂粒子である。また、樹脂粒子は、耐擦過性、耐水性等のインク膜の性能を向上させる観点から、ウレタン樹脂粒子であることが好ましい。
本発明のカラーインクは、樹脂粒子として自己分散性樹脂を含むことができる。自己分散性樹脂とは、界面活性剤や乳化剤を使用しなくても、インク中で分散状態を保つことができる樹脂であり、通常、スルホン酸又はその塩やカルボン酸又はその塩等の親水性基を末端又は側鎖に有するポリマーや、ポリカーボネート基、ポリエステル基、ポリエーテル基等の親水性基を主鎖に有するポリマー等が好適に使用される。自己分散性樹脂は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
自己分散性樹脂は、重量平均分子量が100,000~1,000,000であることが好ましく、150,000~750,000であることがより好ましく、200,000~500,000であることが更に好ましい。自己分散性樹脂の重量平均分子量が上記特定した範囲内にあれば、耐擦過性を確保でき、強固なインク膜の形成が可能となる。
本明細書において、樹脂の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した値であり、標準物質にはポリスチレンが使用され、移動相にはテトラヒドロフランが使用される。
自己分散性樹脂は、その酸価が5.0~60.0であることが好ましい。上記特定した範囲内の酸価であれば、分散性を向上させることができる。本明細書において、樹脂の酸価とは、樹脂1gを中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数を意味する。
自己分散性アクリル樹脂は、例えば、アクリル成分を重合させる重合体の製造方法やアクリル成分とスチレン等の非アクリル成分とを重合させる重合体の製造方法において、アクリル成分又は非アクリル成分として、スルホン酸又はその塩やカルボン酸又はその塩等の親水性基を有するモノマーを用いることで調製することが可能である。アクリル成分とは、アクリル酸、メタクリル酸およびその誘導体(例えば、アクリル酸およびメタクリル酸のエステル、アミド等の(メタ)アクリロイル基を有する化合物やアクリル酸ニトリル、メタクリル酸ニトリル等)を指す。
自己分散性ウレタン樹脂は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等のポリオール成分と、ポリイソシアネート成分と、任意に鎖伸長剤とを反応させて得ることができる。
ポリエステルポリオールとしては、特に制限はなく、例えば、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリジエチレンアジペート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリヘキサメチレンイソフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンセバケート、ポリ-ε-カプロラクタムジオール及びポリ(3-メチル-1,5-ペンチレンアジペート)等を挙げることができる。ポリオール成分としてポリエステルポリオールを用いることで、ポリエステル基含有自己分散性ウレタン樹脂を得ることができる。このような樹脂は、インク中にて粒子の形態で分散していることから、本明細書においては、ポリエステルウレタン樹脂粒子とも称される。
ポリエーテルポリオールとしては、特に制限はなく、例えば、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール及びポリオキシエチレン・プロピレングリコール等を挙げることができる。ポリオール成分としてポリエーテルポリオールを用いることで、ポリエーテル基含有自己分散性ウレタン樹脂を得ることができる。このような樹脂は、インク中にて粒子の形態で分散していることから、本明細書においては、ポリエーテルウレタン樹脂粒子とも称される。
ポリカーボネートポリオールは、特に制限はなく、例えば、1,6-ヘキサンジオールポリカーボネートポリオール、1,4-ブタンジオールポリカーボネートポリオール及びポリ-1,4-シクロヘキサンジメチレンカーボネートジオール等を挙げることができる。ポリオール成分としてポリカーボネートポリオールを用いることで、ポリカーボネート基含有自己分散性ウレタン樹脂を得ることができる。このような樹脂は、インク中にて粒子の形態で分散していることから、本明細書においては、ポリカーボネートウレタン樹脂粒子とも称される。
ポリオール成分としては、アクリルポリオール等を用いてもよい。
ポリオール成分は、1種を単独で使用することもでき、また2種以上を組み合わせて使用することもできる。
ポリイソシアネート成分としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及びノルボルナンジイソシアネート等のポリイソシアネート化合物が挙げられる。これらのポリイソシアネート成分の中でも、好ましくは、キシレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)又はノルボルナンジイソシアネートである。これらのポリイソシアネート成分は、1種を単独で使用することもでき、また2種以上を組み合わせて使用することもできる。
鎖伸長剤としては、例えば、低分子量の多価アルコール及び低分子量のポリアミンを挙げることができる。低分子量の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジメチロールブタン酸及びジメチロールプロピオン酸等のジメチロールアルカン酸類等が挙げられる。低分子量のポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノシクロヘキシルメタン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びイミノビスプロピルアミン等が挙げられる。鎖伸長剤は、1種を単独で使用することもでき、また2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明のカラーインク中における樹脂粒子の含有量は、2.0質量%~10.0質量%の範囲内であることが好ましく、3.0~6.0質量%であることが更に好ましい。樹脂粒子の含有量を上記特定した範囲とすることで、ヘッド界面での硬化を防ぐことに加え、ポリプロピレン(PP)やポリエチレンテレフタレート(PET)等の非吸収性基材に対して十分な密着強度を確保することができる。
本発明のカラーインクは、色材を含む。本発明のカラーインクには、色材として、インク業界において色材として通常使用されている有機顔料、無機顔料等の顔料を用いることができる。また、本発明のカラーインクは、色材として自己分散性顔料を含むことができる。自己分散性顔料とは、顔料分散剤を使用しなくても、インク中で分散状態を保つことができる顔料であり、通常、親水性に優れた官能基を表面に付与することで得られる。
本発明において、自己分散性顔料としては、カルボキシルイオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、水酸化物イオン等のアニオン性の基が表面に直接結合している顔料が好ましい。このようなアニオン型の自己分散性顔料を用いることにより分散剤を添加せずに顔料をインク中で安定に分散させることができ、より鮮明な画像を印刷することができる。
色材として使用できる顔料としては、例えば、ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、31、42、53、55、74、83、86、93、109、110、117、120、122、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、166、168、180、181、184、185、213;ピグメントオレンジ16、36、38、43、51、55、59、61、64、65、71;ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、101、122、123、149、168、177、180、192、202、206、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、244、254;ピグメントバイオレット19、23、29、30、32、37、40、50;ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、27、28、29、30、60、64、80;ピグメントグリーン7、36;ピグメントブラウン23、25、26;及びピグメントブラック1、7、26、27、28、ピグメントホワイト6等が挙げられる。
シアンインクに使用できる顔料としては、例えば、ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、27、28、29、30、60、64、80等が挙げられる。
マゼンタインクに使用できる顔料としては、例えば、ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、101、122、123、149、168、177、180、192、202、206、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、244、254等が挙げられる。
イエローインクに使用できる顔料としては、例えば、ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、31、42、53、55、74、83、86、93、109、110、117、120、122、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、166、168、180、181、184、185、213等が挙げられる。
ブラックインクに使用できる顔料としては、例えば、ピグメントブラック1、7、26、27、28等が挙げられる。
その他の顔料として、ピグメントオレンジ16、36、38、43、51、55、59、61、64、65、71;ピグメントバイオレット19、23、29、30、32、37、40、50;ピグメントグリーン7、36;ピグメントブラウン23、25、26;ピグメントホワイト6等の顔料も、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックといった基本色インクに用いることができるとともに、オレンジインク、バイオレットインク、グリーンインク、レッドインク等の特殊色インクに用いることもできる。
本発明のカラーインク中における色材の含有量は、使用する色材の種類等により任意に決定できるが、0.5~10質量%であることが好ましい。色材は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のカラーインクは、水溶性有機溶剤を含むものであるが、該水溶性有機溶剤は、炭素数5~8のジオール系有機溶剤を含む。炭素数5~8のジオール系有機溶剤は、インクの表面張力値を低くする観点から好ましく、これによりインクの濡れ性を向上でき、液寄り現象を抑制する効果が奏される。他方で、炭素数5~8のジオール系有機溶剤の量が多すぎると、吐出時にミストが発生する恐れがあるので、望ましくない。このため、本発明のカラーインク中における炭素数5~8のジオール系有機溶剤の含有量は、1.0~10.0質量%であることが好ましく、2.0~5.0質量%であることが更に好ましい。
炭素数5~8のジオール系有機溶剤の含有量を上記特定した範囲とすることで、基材への濡れ性を向上させつつ、吐出時のミストの発生を防ぐことができる。更に、本発明のカラーインクによれば、炭素数5~8のジオール系有機溶剤をノニオン系表面調整剤と併用することによって、非吸収性基材に対する濡れ性に優れた水系カラーインクを提供することができる。
水溶性有機溶剤は、水に溶ける性質を持つ有機溶剤であり、インクの技術分野において周知の事項である。また、水溶性有機溶剤であるかの簡易的な判断手法として、例えば、100gの水に50gの有機溶剤を加えて混合溶液が透明であるかを判断する手法がある。混合溶液が透明であれば、その有機溶剤は水溶性有機溶剤であるといえる。
ジオール系有機溶剤は、2つの水酸基を有する有機溶剤であり、水酸基以外の構造が非環式の飽和炭化水素に基づく構造であることが好ましい。ただし、分子内にエーテル構造を有する有機溶剤は、ジオール系有機溶剤から除かれる。即ち、本明細書において、ジオール系有機溶剤は、エーテル構造を有しないジオール系有機溶剤である。炭素数5~8のジオール系有機溶剤としては、例えば、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオール等が挙げられる。炭素数5~8のジオール系有機溶剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のカラーインクにおいて、水溶性有機溶剤は、炭素数5~8のジオール系有機溶剤に加えて、さらなる水溶性有機溶剤を含んでもよい。さらなる有機溶剤としては、例えば、炭素数5~8のジオール以外のジオール系有機溶剤、グリコールエーテル系有機溶剤、三~五員環のラクトン系有機溶剤、アミド系有機溶剤等が挙げられる。
炭素数5~8のジオール以外のジオール系有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール等が挙げられる。水溶性有機溶剤は、炭素数3~4のジオール系有機溶剤を含んでもよく、その際、水系カラーインク中における炭素数3~4のジオール系有機溶剤の含有量は、例えば5.0質量%~25質量%の範囲内である。
グリコールエーテル系有機溶剤は、グリコール由来のエーテル結合を有する有機溶剤である。また、溶剤であることから揮発性の物質であり、グリコールエーテル系有機溶剤の分子量は、通常、70~220の範囲内である。グリコールエーテル系有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール骨格やプロピレングリコール骨格を有するグリコールエーテル系有機溶剤であって、1つもしくは2つの水酸基を有するか又は水酸基を有しないグリコールエーテル系有機溶剤等が挙げられる。ここで、エチレングリコール骨格とは、エチレングリコールに由来する構造(-OCHCHO-)であり、プロピレングリコール骨格とは、プロパンジオールに由来する構造(-OCHCH(CH)O-、-OCHCHCHO-)である。
グリコールエーテル系有機溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノシクロヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノターシャリブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノシクロヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノペンチルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノシクロヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル及びトリエチレングリコールモノベンジルエーテル等のエチレングリコールエーテル類、並びにプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノペンチルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノシクロヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノペンチルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールモノシクロヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノペンチルエーテル、トリプロピレングリコールモノヘキシルエーテル及びトリプロピレングリコールモノシクロヘキシルエーテル等のプロピレングリコールエーテル類等が挙げられる。
三~五員環のラクトン系有機溶剤は、-C(=O)-O-を一部に含むラクトン環を有する化合物のうち、環を構成する原子数が3である三員環、原子数が4である四員環又は原子数が5である五員環の化合物である。具体例としては、α-アセトラクトン、β-プロピオンラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン等が挙げられる。
アミド系有機溶剤は、非環状のアミド化合物が好ましく、例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、スルファニルアミド、トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N-ジメチル-β-メトキシプロピオンアミド、N,N-ジメチル-β-ブトキシプロピオンアミド、N,N-ジメチル-β-ペントキシプロピオンアミド、N,N-ジメチル-β-ヘキソキシプロピオンアミド、N,N-ジメチル-β-ヘプトキシプロピオンアミド、N,N-ジメチル-β-2-エチルヘキソキシプロピオンアミド、N,N-ジメチル-β-オクトキシプロピオンアミド、N,N-ジエチル-β-メトキシプロピオンアミド、N,N-ジエチル-β-ブトキシプロピオンアミド、N,N-ジエチル-β-ペントキシプロピオンアミド、N,N-ジエチル-β-ヘキソキシプロピオンアミド、N,N-ジエチル-β-ヘプトキシプロピオンアミド、N,N-ジエチル-β-オクトキシプロピオンアミド等が挙げられる。これらの中でも、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチル-β-メトキシプロピオンアミド、N,N-ジメチル-β-ブトキシプロピオンアミド、N,N-ジエチル-β-メトキシプロピオンアミド、N,N-ジエチル-β-ブトキシプロピオンアミドが好ましい。
本発明のカラーインク中における水溶性有機溶剤の総量は、10.0質量%~30.0質量%の範囲内であることが好ましく、15.0~25.0質量%であることが更に好ましい。水溶性有機溶剤の総量を上記特定した範囲とすることで、印刷を行っていない状態でのヘッドの乾燥を防ぐことができ、結果としてヘッドの間欠吐出性を確保することに加え、基材着弾時のインクの液寄りを防ぐことができる。また、水溶性有機溶剤の総量を上記特定した範囲とすることで、インクの保存安定性も向上させることができる。水溶性有機溶剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の好ましい実施形態においては、水系カラーインクは、グリコールエーテル系有機溶剤を含まない、又は水系カラーインクがグリコールエーテル系有機溶剤を含む場合であっても、水系カラーインク中におけるグリコールエーテル系有機溶剤の含有量は、5.0質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下である。グリコールエーテル系有機溶剤は、吐出時にミストが発生する原因となり得る有機溶剤であり、また、グリコールエーテル系有機溶剤の量が多いと、インクの保存安定性が低下する場合もある。このため、本発明の水系カラーインクでは、グリコールエーテル系有機溶剤を使用しないことが好ましい。
本発明のカラーインクは、ノニオン系表面調整剤を含む。本発明のカラーインクは、吐出時のミストの発生を防ぐ目的で炭素数5~8のジオール系有機溶剤の量を抑えているため、ノニオン系表面調整剤を併用することが好ましい。これによって、吐出時のミストの発生を防ぎつつ、非吸収性基材に対する濡れ性に優れた水系カラーインクを提供することができる。
ノニオン系表面調整剤は、少なくとも1種類のシリコーン系表面調整剤を含むことが好ましい。シリコーン系表面調整剤は、総合的な濡れ性の向上効果が高く、結果として水系カラーインクが印刷された際のはじきを防ぐことができる。本発明のカラーインク中におけるシリコーン系表面調整剤の含有量は、0.050質量%~1.50質量%の範囲内であることが好ましく、0.20~1.00質量%であることが更に好ましい。
シリコーン系表面調整剤の具体例としては、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリエスエル変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性水酸基含有ポリシロキサン、ポリエステル変性水酸基含有ポリシロキサン等が挙げられ、BYK-Chemie社、信越化学工業社等から市販されている商品が入手可能である。
ノニオン系表面調整剤は、少なくとも1種類のアルコキシアルコール系表面調整剤を含むことが好ましい。アルコキシアルコール系表面調整剤は、カラーインクの着弾直後における濡れ性を向上させ、結果として水系カラーインクが印刷された際のビーディングを防ぐことができる。本発明のカラーインク中におけるアルコキシアルコール系表面調整剤の含有量は、0.10質量%~3.0質量%の範囲内であることが好ましく、0.50~2.0質量%であることが更に好ましい。
アルコキシアルコール系表面調整剤は、アルコキシル化アルコール又はアルコキシアルコールともいわれ、例えば、スターター分子である1価アルコール(3,5,5-トリメチルヘキサノール等)にアルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド等)を付加してなるポリマーが知られている。また、アルコキシアルコール系表面調整剤の分子量は、通常、240以上であり、好ましくは240~2000の範囲内である。市販品ではEVONIK社等から販売されている商品が入手可能である。
ノニオン系表面調整剤は、シリコーン系表面調整剤とアルコキシアルコール系表面調整剤の両方を含むことが特に好ましい。本発明のカラーインク中におけるシリコーン系表面調整剤とアルコキシアルコール系表面調整剤の総量は、例えば0.1~5.0質量%である。
また、本発明のカラーインクには、他のノニオン系表面調整剤を使用することもできる。例えば、アセチレングリコール系表面調整剤、アクリル系表面調整剤、ビニル系表面調整剤、及びフッ素系表面調整剤等が挙げられる。
本発明のカラーインク中におけるノニオン系表面調整剤の総量は、例えば0.1~5.0質量%である。ノニオン系表面調整剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のカラーインクは、セルロース系増粘剤を含む。本発明のカラーインクは、インク吐出時のミストの発生の課題を解決するために炭素数5~8のジオール系有機溶剤の量を抑えることを特徴とするものであるが、インクの吐出安定性をさらに改善するために検討したところ、セルロース系増粘剤が有効であることを見出した。特に、カラーインクの粘度を高めに設定した場合、セルロース系増粘剤による吐出安定性の向上効果は、他の増粘剤と比べて顕著である。
セルロース系増粘剤は、セルロースナノファイバー(CNF)、セルロースナノクリスタル(CNC)、バクテリアナノセルロース(BNC)等のナノセルロース系増粘剤であることが好ましく、セルロースナノクリスタル(CNC)であることが特に好ましい。増粘剤は一般的に擦り傷性等の塗膜物性を低下させる傾向にあるが、ナノセルロース系増粘剤、特にセルロースナノクリスタルは、吐出安定性の向上効果が高いことに加えて、塗膜に不利な影響を及ぼさずに塗膜物性を維持することが可能である。
本明細書において、ナノセルロースは、直径が1~100nmの細長いセルロースであり、一般にアスペクト比(長さ/直径)は10以上である。ナノセルロースのアスペクト比の上限は、特に制限されるものではないが、例えば100以下のアスペクト比を有するものであれば増粘剤として好適に利用可能である。
ナノセルロースの中でも比較的大きなものをセルロースナノファイバーと称する。本明細書において、セルロースナノファイバーは、直径が3~100nmで、長さが100μm以下、例えば10~100μmのセルロースである。セルロースナノファイバーのアスペクト比は、例えば100以上、好ましくは100~10000である。
セルロースナノクリスタルは、直径が10~50nmで、CNFよりも短く、長さが例えば500nm以下、好ましくは100~500nmのセルロースである。セルロースナノクリスタルのアスペクト比は、10~100であることが好ましい。また、セルロースは、結晶領域、准結晶領域、非晶領域からなるが、セルロースナノクリスタルは、大部分が結晶領域からなるという特徴も有している。通常、紡錘状または針状の形状を有することから、セルロースナノクリスタルをセルロースナノウィスカー(CNW)と称する場合もある。
バクテリアナノセルロースは、CNFやCNCが木材等を原料とする植物由来のナノセルロースであるのに対して、微生物が生成するナノセルロースである。バクテリアナノセルロースは、通常、直径が20~100nmで、長さが1.5~5.0μmのセルロースである。バクテリアナノセルロースのアスペクト比は、150~300であることが好ましい。
上記ナノセルロースの直径および長さは、乾燥状態におけるナノセルロースの平均幅および平均長さであり、走査電子顕微鏡(SEM)または透過型電子顕微鏡(TEM)により得られる画像から100本程度のナノセルロースの幅(直径)と長さの情報を読み取り、その平均を算出する。複数枚の重複しない領域の画像からナノセルロースの幅(直径)と長さの情報を得ることもできる。本明細書では、SEMまたはTEMにより得られる画像から測定されるナノセルロースの寸法を幅と長さと表現しているが、一般に繊維状物質であることから、「幅」を「直径」や「繊維径」と称することも可能である。
本発明のカラーインク中におけるセルロース系増粘剤の含有量は、0.050質量%~0.50質量%の範囲内であることが好ましく、0.10~1.0質量%であることが更に好ましい。セルロース系増粘剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のカラーインクは、インクジェットプリンタ等の印刷機器の金属部分(特にプリントヘッド)における腐食の発生を抑える観点から、塩基性であることが好ましく、pHが7.01~10.0の範囲内にあることが好ましい。
pHの調整には、pH調整剤を使用できるが、アミン化合物の使用が好ましく、沸点が70~270℃であるアミン化合物の使用が更に好ましい。沸点70~270℃のアミン化合物の具体例としては、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン等が挙げられる。アミン化合物は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明のカラーインク中におけるアミン化合物の含有量は、0.1~2.0質量%の範囲内であることが好ましい。
本発明のカラーインクには、必要に応じて、消泡剤、保湿剤、湿潤分散剤、防腐剤、防かび剤、溶解助剤、酸化防止剤、金属トラップ剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合してもよい。
本発明のカラーインクは、必要に応じて適宜選択される各種成分を混合することにより調製できる。
本発明のカラーインクは、25℃における表面張力値が20.0mN/m以上50.0mN/m以下であることが好ましい。本明細書において、インクの表面張力値は、平衡状態に達している表面張力値(いわゆる静的表面張力値)を指し、プレート法に基づき測定される。
本発明のカラーインクは、25℃における粘度が3.0~15.0mPa・sの範囲内であることが好ましい。本明細書において、インクの粘度は、レオメーター(例えばTAインスツルメンツ社製レオメーターARES)を用い、液温を25℃に調整した後に100s-1のせん断速度で測定される。
本発明のカラーインクは、チクソトロピックインデックス(TI)値が2.0~5.0であることが好ましい。本明細書において、TI値は、せん断速度0.1s-1及び25℃での粘度に対するせん断速度1.0s-1及び25℃での粘度の値である。
本発明の別の態様は、上述した本発明の水系カラーインクを用いた印刷方法である。本明細書においては、この印刷方法を「本発明の印刷方法」とも称する。
本発明の印刷方法は、上述した本発明の水系カラーインクを用いて印刷し、印刷後の水系カラーインクを乾燥させることが好ましい。ここで、乾燥は、加熱乾燥であることが好ましく、印刷により形成されるインク膜を熱風によって乾燥させる工程を含むことが更に好ましい。加熱乾燥によってインク膜中に含まれる樹脂を基材上に融着させ、強固な膜を形成することができ、結果として、堅牢性に優れた印刷物を提供することが可能である。
熱風には、通常、空気を利用できる。乾燥温度(熱風を利用する場合は熱風の温度)は、70~130℃であることが好ましく、80~110℃であることが更に好ましい。また、水系カラーインクの乾燥時間は、2秒以上であることが好ましく、5秒以上であることが更に好ましい。水系カラーインクの乾燥時間の上限は特に制限されるものではないが、例えば120秒あれば水系カラーインクの乾燥時間として十分である。
本発明の印刷方法において、印刷が行われる基材は、特に限定されるものではなく、例えば、鉄鋼、亜鉛めっき鋼(例えばトタン板)、錫めっき鋼(例えばブリキ板)、ステンレス鋼、マグネシウム合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属基材、ガラス、セラミック等の無機系基材、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン等のプラスチック基材、コート紙(具体的には樹脂コート紙)、アート紙、キャスト紙、微塗工紙、上質紙、合成紙、インクジェット用紙等の紙基材、木材、石膏、珪酸カルシウム、コンクリート、セメント、モルタル、スレート等の無機系基材等が挙げられる。基材は、インク膜との付着性を向上させるため、プライマー処理やコロナ処理等の一般的な表面処理が施されていてもよい。
本発明の印刷方法の好ましい実施態様においては、印刷が、インクを吸収しない基材(非吸収性基材)上で行われる。非吸収性基材としては、例えば、上述のような金属基材、ガラス、プラスチック基材等が挙げられ、プラスチック基材が特に好ましい。本発明の水系カラーインクは、非吸収性基材に対する濡れ性に優れるインクであることから、本発明の水系カラーインクを用いて非吸収性基材に印刷を行うことで、鮮明な画像を印刷することができる。
本発明の水系カラーインクは、吐出安定性に優れ、ミストを発生させることなく吐出可能であることから、プリントヘッドを備える印刷装置を用いた印刷に好適である。また、本発明の印刷方法において、印刷は、インクジェット印刷方式にて行われることが好適であるものの、これに限定されず、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、フレキソ印刷方式、スクリーン印刷方式、コーター方式等の各種印刷方式によって行うことも可能である。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<原料>
インクの配合処方を示す表中において「*1」等の注釈が付けられた原料の詳細は、以下のとおりである。
自己分散顔料分散液
*1 自己分散顔料分散液としては、以下を用いた。
・CAB-O-JET 450C
(キャボット社製、シアンの自己分散性顔料水分散液、顔料含有量15質量%)
・CAB-O-JET-465M
(キャボット社製、マゼンタの自己分散性顔料水分散液、顔料含有量15質量%)
・CAB-O-JET 470Y
(キャボット社製、イエローの自己分散性顔料水分散液、顔料含有量15質量%)
・CAB-O-JET 400K
(キャボット社製、ブラックの自己分散性顔料水分散液、顔料含有量15質量%)
樹脂
*2 樹脂分散剤Aとしては以下を用いた。
NEOREZ R-967(DSM Coating Regins製、ポリエーテル基含有自己分散ウレタン樹脂、樹脂含有量40質量%)
*3 樹脂分散剤Bとしては以下を用いた。
NEOCRYL A-1127(DSM Coating Regins製、アクリルエマルジョン樹脂、樹脂含有量44質量%)
*4 樹脂水溶液Cとしては以下を用いた。
ハイロス X AW-36H(星光PMC社製、水溶性アクリル樹脂、樹脂含有量25質量%)
樹脂分散剤Aおよび樹脂分散剤Bを用いて調製されたインクは、樹脂粒子を含むインクである。
増粘剤
*5 セルロース系増粘剤Dとしては以下を用いた。
CelluForce NCC(セルフォース社製、セルロースナノクリスタル材料、粉末状結晶)
*6 非イオン性高分子増粘剤Eとして以下の材料を用いた。
ポリエチレングリコール20000(ADEKA社製、ポリエチレングリコール)
*7 非イオン性高分子増粘剤Fとして以下の材料を用いた。
ポリエチレングリコール6000(ADEKA社製、ポリエチレングリコール)
*8 非イオン性高分子増粘剤Gとして以下の材料を用いた。
ポリエチレングリコール1000(ADEKA社製、ポリエチレングリコール)
*9 ウレタン会合型増粘剤Hとして以下の材料を用いた。
アデカノール UH-541VF(ADEKA社製、水溶性ポリエーテルウレタン会合型増粘剤、増粘剤含有量30質量%)
*10 セルロース系増粘剤Iとしては以下を用いた。
レオクリスタ I-2SX(第一工業製薬社製、セルロースナノファイバー材料、含有量2.0質量%)
表面調整剤
*11 BYK349(BYK社製、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、該シリコーン系表面調整剤含有量100質量%)
*12 TEGO WET280(EVONIK社製、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、該シリコーン系表面調整剤含有量100質量%)
*13 SAG008(日信化学工業社製、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、該シリコーン系表面調整剤含有量100質量%)
*14 TEGO WET500(EVONIK社製、アルコキシアルコール系界面活性剤、該アルコキシアルコール系表面調整剤含有量100質量%)
*15 E1010(日信化学工業社製、アセチレングリコール系界面活性剤、該アセチレングリコール系表面調整剤含有量100質量%)
非自己分散型顔料
*16 非自己分散型顔料としては、以下を用いた。
・FASTOGEN Blue FA5380(フタロシアニンブルー、DIC社製シアン色顔料)
・シンカシャマゼンタRT(ジクロロキナクリドン、BASF社製マゼンタ色顔料)
・Hostaperm Yellow H5G(キノキサリンジオン、クラリアント社製イエロー色顔料)
・Nerox-1000(カーボンブラック、オリオンエンジニアリドカーボン社製、ブラック色顔料)
消泡剤
*17 消泡剤(SNデフォーマー1312、サンノプコ社製)
湿潤分散剤
*18 湿潤分散剤(ノイゲンEA-157、第一工業製薬社製)
<インクの調製例>
表1~18に示す配合処方に従ってインクの調製を行った。
非自己分散型顔料を用いる場合は、表10~18に示す配合処方に従って非自己分散型顔料を含む水系着色分散液を予め調製した。
Figure 2023150419000001
Figure 2023150419000002
Figure 2023150419000003
Figure 2023150419000004
Figure 2023150419000005
Figure 2023150419000006
Figure 2023150419000007
Figure 2023150419000008
Figure 2023150419000009
Figure 2023150419000010
Figure 2023150419000011
Figure 2023150419000012
Figure 2023150419000013
Figure 2023150419000014
Figure 2023150419000015
Figure 2023150419000016
Figure 2023150419000017
Figure 2023150419000018
調製されたインクを用いて、吐出安定性、放置後の吐出安定性、連続印刷時の吐出安定性、濡れ性、耐擦過性および保存安定性の評価を行った。なお、表19~28に示される乾燥時間は、濡れ性および耐擦過性での乾燥時間である。
<吐出安定性>
トライテック社製Stage JETを用いて、まず、調製されたインクをプリンターに充填した後、透明OHPシート上に着弾させ、装置に組み込まれているチェックパターンを印刷した(工程A)。次いで、工程Aで用いたインクと同じインクを別の基材に対して吐出し、25m相当の12pL100%ベタ印刷を行った。その後、工程Aで用いたインクと同じインクを別の透明OHPシート上に着弾させ、工程Aと同一のチェックパターンを印刷した(工程B)。工程A及び工程Bにおいてチェックパターンが印刷されたそれぞれのOHPシートを目視で確認し、チェックパターンから抜けているピンの割合を評価した。評価基準は以下の通りである。評価結果を表19~28に示す。
(評価基準)
○:工程Aで印刷したチェックパターン中に不吐出がなく、工程Bで印刷したチェックパターンから抜けているピンの割合が5%未満である。
△:工程Aで印刷したチェックパターン中に不吐出がなく、工程Bで印刷したチェックパターンから抜けているピンの割合が5~30%未満である。
×:工程Aで印刷したチェックパターン中に不吐出がなく、工程Bで印刷したチェックパターンから抜けているピンの割合が30%以上である。
<放置後の吐出安定性>
トライテック社製Stage JETを用いて、まず、調製されたインクをプリンターに充填した後、透明OHPシート上に着弾させ、装置に組み込まれているチェックパターンを印刷した(工程C)。次いで、充填したインクを吐出しないままヘッド温度を32℃に設定して30分間の放置を行った。その後、工程Cで用いたインクと同じインクを別の透明OHPシート上に着弾させ、工程Cと同一のチェックパターンを印刷した(工程D)。工程C及び工程Dにおいてチェックパターンが印刷されたそれぞれのOHPシートを目視で確認し、チェックパターンから抜けているピンの割合を評価した。評価基準は以下の通りである。評価結果を表19~28に示す。
(評価基準)
○:工程Cで印刷したチェックパターン中に不吐出がなく、工程Dで印刷したチェックパターンから抜けているピンの割合が5%未満である。
△:工程Cで印刷したチェックパターン中に不吐出がなく、工程Dで印刷したチェックパターンから抜けているピンの割合が5~30%未満である。
×:工程Cで印刷したチェックパターン中に不吐出がなく、工程Dで印刷したチェックパターンから抜けているピンの割合が30%以上である。
<連続印刷時の吐出安定性>
トライテック社製Stage JETを用いて、調製されたインクをプリンターに充填した後、インクジェットヘッド界面に対してハイスピードカメラを設置し、撮影を行う範囲のヘッドのみに対して12pLで連続的に吐出をさせ、該カメラにより10分間観察することで、インクの吐出状態を確認し、連続印刷時の吐出安定性の評価を行った。評価基準は以下の通りである。評価結果を表19~28に示す。
(評価基準)
○:初期状態と10分経過後の比較で不吐出割合が初期と比べ1割未満
△:初期状態と10分経過後の比較で不吐出割合が初期と比べ1割以上5割未満
×:初期状態と10分経過後の比較で不吐出割合が初期と比べ5割以上
インクの吐出安定性について、上記3つの評価を行ったが、<吐出安定性>の評価結果が〇で、<放置後の吐出安定性>の評価結果が〇または△で、<連続印刷時の吐出安定性>の評価結果が〇または△であるインクは、吐出安定性に優れるインクである。
シアンインク9(比較例2)やシアンインク78(比較例17)では、炭素数5~8のジオール系有機溶剤の量が多すぎたことから、吐出時にミストの発生が確認された。
<濡れ性>
トライテック社製Stage JETを用いて、調製されたインクを12pL、25m/minの高速印刷条件下での搬送速度でシングルパス吐出し、100%のベタ画像をPETシートの基材表面に印刷した。ベタ画像を印刷した後、温度が100℃の乾燥炉を用いて、表19~28に示される乾燥時間でベタ画像を乾燥させた。乾燥後、印刷部分を目視により下記の評価基準でインクの濡れ性を評価した。ベタ画像の解像度は、縦×横=600×600dpiと設定した。評価結果を表19~28に示す。評価結果が〇または△であるインクは、濡れ性に優れるインクである。
(評価基準)
○:ベタ印刷に滲みやスジ感が見られない
△:ベタ印刷に滲み又はスジ感が見られる
×:ベタ印刷に滲み及びスジ感がみられる
<耐擦過性>
トライテック社製Stage JETを用いて、調製されたインクを12pL、25m/minの高速印刷条件下での搬送速度でシングルパス吐出し、100%のベタ画像をPETシートの基材表面に印刷した。ベタ画像を印刷した後、温度が100℃の乾燥炉を用いて、表19~28に示される乾燥時間でベタ画像を乾燥させた。乾燥後、印刷部分を綿棒(商標登録、白十字社製)で5往復こすり、目視により下記の評価基準で耐擦過性を評価した。ベタ画像の解像度は、縦×横=600×600dpiと設定した。評価結果を表19~28に示す。評価結果が〇または△であるインクは、耐擦過性に優れるインクである。
(評価基準)
○:綿棒にインクが付かない。
△:綿棒にインクが付くが、基材からインクが剥れない。
×:綿棒にインクが付き、かつ基材からインクが剥れる。
<保存安定性>
インクを110ccのガラス瓶に100gとり、60℃で4週間の保存を行い、保存前と保存後の粘度、表面張力、比重およびpHの測定を行った。その結果を比較して保存安定性を評価した。評価基準は以下のとおりである。評価結果を表19~28に示す。
(評価基準)
○:すべての項目に対して変化率10%以内
△:いずれか1つの項目で変化率が10%を超え20%未満
×:いずれか1つの項目で変化率20%以上
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Figure 2023150419000020
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Figure 2023150419000027
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Claims (14)

  1. 少なくとも水、色材、樹脂粒子、水溶性有機溶剤、少なくとも1種類のノニオン系表面調整剤、及びセルロース系増粘剤を含む水系カラーインクであって、前記水溶性有機溶剤が、炭素数5~8のジオール系有機溶剤を含み、前記水系カラーインク中の前記ジオール系有機溶剤の含有量が1.0質量%~10.0質量%であり、前記水系カラーインク中の前記水溶性有機溶剤の総量が10.0質量%~30.0質量%の範囲内であることを特徴とする水系カラーインク。
  2. 前記水系カラーインク中におけるセルロース系増粘剤の含有量が0.050質量%~0.50質量%の範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の水系カラーインク。
  3. 前記セルロース系増粘剤は、セルロースナノクリスタルであることを特徴とする、請求項1~2のいずれか一項に記載の水系カラーインク。
  4. 前記樹脂粒子は、ウレタン樹脂粒子又はアクリル樹脂粒子であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の水系カラーインク。
  5. 前記水系カラーインク中における樹脂粒子の含有量が2.0質量%~10.0質量%の範囲内であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の水系カラーインク。
  6. 前記ノニオン系表面調整剤は、少なくとも1種類のシリコーン系表面調整剤を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の水系カラーインク。
  7. 前記水系カラーインク中におけるシリコーン表面調整剤の含有量が0.050質量%~1.50質量%の範囲内であることを特徴とする、請求項6に記載の水系カラーインク。
  8. 前記ノニオン系表面調整剤は、少なくとも1種類のアルコキシアルコール系表面調整剤を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の水系カラーインク。
  9. 前記水系カラーインク中におけるアルコキシアルコール系表面調整剤の含有量が0.10質量%~3.0質量%の範囲内であることを特徴とする、請求項8に記載の水系カラーインク。
  10. 前記水溶性有機溶剤が炭素数3~4のジオール系有機溶剤を含み、前記水系カラーインク中における炭素数3~4のジオール系有機溶剤の含有量が5.0質量%~25質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の水系カラーインク。
  11. 前記水系カラーインクは、グリコールエーテル系有機溶剤を含まない、又は前記水系カラーインクがグリコールエーテル系有機溶剤を含む場合、前記水系カラーインク中におけるグリコールエーテル系有機溶剤の含有量が5.0質量%以下であることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の水系カラーインク。
  12. 請求項1~11のいずれか一項に記載の水系カラーインクを用いて印刷し、印刷後の前記水系カラーインクを乾燥させることを特徴とする印刷方法。
  13. 前記水系カラーインクの乾燥時間が2秒以上であることを特徴とする、請求項12に記載の印刷方法。
  14. 前記印刷が、非吸収性基材上で行われることを特徴とする、請求項12又は13に記載の印刷方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN117887304A (zh) * 2023-12-25 2024-04-16 湛江卷烟包装材料印刷有限公司 一种水性印刷油墨及其制备方法和在烟包上的应用

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