JP2023149572A - 免震機構 - Google Patents

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充 村瀬
Mitsuru Murase
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Abstract

Figure 2023149572000001
【課題】過度な滑り変位及び残留変位が生じることを抑制する免震機構を提供する。
【解決手段】免震機構1は、上下方向に離間して配置された一対の構造体11,16の間に設置され、一対の構造体11,16のいずれか一方16に固定され、一対の構造体の他方11に固定されていない免震装置40と、免震装置40の他方の構造体11を向く面に固定された装置支持部30と、装置支持部30と水平方向に離間して配置され、他方の構造体11に固定された壁部12と、他方の構造体11の装置支持部30を向く面に固定された滑り板20と、装置支持部30の他方の構造体11を向く面に固定され、滑り板20に対して滑動可能な滑り材32と、装置支持部30と壁部12との間に設けられた緩衝材50と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、免震機構に関するものである。
従来から、免震構造は、地震時に免震層が大きく変形することで地震エネルギーを効率よく吸収し、建物に生じる地震荷重を低減することができる構造形式である。一般的に、免震層の設計は、設計時に想定する地震動に対して、免震装置の変形量が許容変形量以内に納まるように免震装置やダンパーを設計する。しかし、今後の地震に関する知見の増加や建物性能の要求水準の向上等により、想定する地震動レベルが大きくなり、既存の免震装置の許容変形量を超えた範囲の変形を許容する必要が生じることが考えられる。
下記の特許文献1では、積層ゴムと滑り支承とを上下方向に並べて設置した免震装置が提案されている。
特開2010-190409公報
しかしながら、特許文献1の免震装置では、過大な滑り変位を抑制する機構がなく、滑り変位や残留変位が大きくなるという問題点がある。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、過度な滑り変位及び残留変位が生じることを抑制する免震機構を提供する。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る免震機構は、上下方向に離間して配置された一対の構造体の間に設置され、前記一対の構造体のいずれか一方に固定され、前記一対の構造体の他方に固定されていない免震装置と、前記免震装置の前記他方の構造体を向く面に固定された装置支持部と、前記装置支持部と水平方向に離間して配置され、前記他方の構造体に固定された壁部と、前記他方の構造体の前記装置支持部を向く面に固定された滑り板と、前記装置支持部の前記他方の構造体を向く面に固定され、前記滑り板に対して滑動可能な滑り材と、前記装置支持部と前記壁部との間に設けられた緩衝材と、を備える。
このように構成された免震機構では、地震時に、上側の構造体に所定の水平荷重が作用するまでは、免震装置が変形して応答加速度を低減し、装置支持部は水平方向に変位しない。水平荷重がさらに増加すると、滑り材が滑り板を滑動して装置支持部が緩衝材を押圧する。緩衝材がエネルギーを吸収しつつ免震装置及び装置支持部は水平方向に変位するため、過度な滑り変位が生じることを抑制することができる。
また、上側の構造体に水平荷重が作用しなくなると、緩衝材の復元力によって、免震装置及び装置支持部は元の位置に押し戻されるため、残留変位が生じることを抑制することができる。
また、本発明に係る免震機構では、前記一方の構造体は、前記免震装置の上方に配置された上部構造体であり、前記他方の構造体は、前記免震装置の下方に配置された下部構造体であってもよい。
このように構成された免震機構では、緩衝材は、免震装置の下部構造体を向く面に設けられた装置支持部と壁部との間に設けられる。よって、緩衝材を設置するには、滑り板の上面に接着剤等を用いて設置することができ、緩衝材の設置作業が容易に行うことができる。
また、本発明に係る免震機構では、前記緩衝材は、前記装置支持部と前記壁部との間の空間を埋めるように設けられていてもよい。
このように構成された免震機構では、緩衝材は、装置支持部と壁部との間の空間を埋めるように設けられている。これによって、滑り材が滑動し出した直後から、緩衝材は装置支持部によって押圧されエネルギーを吸収する。したがって、過度な滑り変位が生じることを抑制することをより一層抑制することができる。
また、本発明に係る免震機構では、前記緩衝材は前記壁部における前記装置支持部を向く側に設けられ、前記緩衝材と前記装置支持部との間には空間部が形成されていてもよい。
このように構成された免震機構では、緩衝材は、壁部における装置支持部を向く側に設けられ、緩衝材と装置支持部との間には空間部が形成されている。これによって、滑り材が滑動して、装置支持部が緩衝材に当接した段階から、緩衝材はエネルギーを吸収する。したがって、設置する緩衝材の量を抑えつつ、過度な滑り変位が生じることを抑制することができる。また、緩衝材によって、装置支持部が壁部に衝突した際の壁部の損傷や破壊を抑制することができる。
また、本発明に係る免震機構では、前記壁部は、前記他方の構造体と一体に形成されていてもよい。
このように構成された免震機構では、壁部は、他方の構造体と一体に形成されている。よって、他方の構造体の施工時に壁部も施工することができ、施工性が良い。
本発明に係る免震機構によれば、過度な滑り変位及び残留変位が生じることを抑制することができる。
本発明の第一実施形態に係る免震機構を示す模式的な鉛直断面図である。 本発明の第一実施形態に係る免震機構を示す模式的な平面図である。 本発明の第一実施形態に係る免震機構の滑り出し前の挙動を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る免震機構の滑り出し後の挙動を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る免震機構の荷重変形関係の概略図である。 本発明の第一実施形態に係る免震機構の滑り出し直前に作用する力を示す。 本発明の第一実施形態に係る免震機構の限界変形時に作用する力を示す。 せん断質点系モデルを示す。 緩衝材単体の荷重変形関係を示す図である。 本実施形態の免震機構全体の荷重変形関係を示す図である。 入力地震動波形を示し(a)告示神戸Lv2×1.5倍であり、(b)告示関東Lv2×1.5倍であり、(c)熊本地震西原村×0.75倍であり、(d)OS1基盤波×1.0倍である。 西原村入力時の最大層間変形角を示す図である。 西原村入力時の最大加速度応答を示す図である。 西原村入力時の免震層応答変位波形を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る免震機構を示す模式的な鉛直断面図である。 本発明の第二実施形態に係る免震機構の荷重変形関係の概略図である。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態に係る免震機構について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る免震機構を示す模式的な鉛直断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る免震機構1は、下部構造体11と上部構造体16との間に設置されている。下部構造体11は、例えば基礎であり、鉄筋コンクリートで形成されている。上部構造体16は、例えば建物であり、鉄筋コンクリートで形成されている。なお、下部構造体11の構造及び上部構造体16の構造は、鉄筋コンクリートに限られない。下部構造体11は、請求項の他方の構造体に対応する。上部構造体16は、請求項の一方の構造体に対応する。
免震機構1は、壁部12と、滑り板20と、滑り装置30Aと、緩衝材50と、を備えている。
壁部12は、下部構造体11に固定され、下部構造体11から上方に立設されている。本実施形態では、壁部12は、下部構造体11と一体に形成されたシアコッターである。
図2は、免震機構1を示す模式的な平面図である。なお、図2では、上部構造体16の図示を省略している。
図2に示すように、壁部12は、後述する免震基礎30の外側を囲むように、免震基礎30の外周の全周にわたって配置されている。平面視で、壁部12は、四方枠状に配置されている。なお、壁部12は、免震基礎30と水平方向に離間して配置されていれば、外周の全周に配置されていなくてもよい。
滑り板20は、壁部12で囲まれた内側の領域全域に配置されている。図1に示すように、下部構造体11の上面11uに固定されている。なお、滑り板20は、後述する免震基礎30の下面30dに固定された滑り材32の滑動範囲となる壁部12で囲まれた内側の領域全域に配置されていることが好ましいが、壁部12で囲まれた内側において滑り板20が配置されていない領域があってもよい。下部構造体11の上面11uは、請求項の下部構造体11における免震基礎30を向く側に対応する。
滑り板20は、滑り摩擦係数μ=0.05~0.15程度の高摩擦性材料で形成されている。滑り板20は、例えばステンレス製の鋼板で形成されている。
滑り装置30Aは、免震基礎30と、滑り材32と、免震装置40と、を有している。
免震基礎30は、滑り板20の上側に載置されている。免震基礎30は、下部構造体11及び滑り板20に対して固定されていない。免震基礎30は、例えば鉄筋コンクリートで形成されている。免震基礎30は、請求項の装置支持部に対応する。
滑り材32は、免震基礎30の下面30dに固定されている。滑り材32は、滑り摩擦係数を低減させるための部材である。滑り材32は、滑り板20に対して滑動可能である。滑り材32は、例えばポリテトラフルオロエチレン(Polytetrafluoroethylene:PTFE)、いわゆるテフロン(登録商標)等を採用することができる。免震基礎30の下面30dは、請求項の免震基礎30の他方の構造体を向く面に対応する。
平面視で、滑り材32は、壁部12で囲まれた矩形の内側の略中央に配置されている。なお、滑り材32は、壁部12で囲まれた矩形の内側の任意に位置に配置されていてもよい。
免震装置40は、下側フランジ41と、上側フランジ42と、積層ゴム43と、を有している。免震装置40は、天然ゴム系積層ゴム、鉛プラグ入り積層ゴム、高減衰系積層ゴム等の周知の構成である。
下側フランジ41は、平板状に形成されている。下側フランジ41の板面は、上下方向を向いている。下側フランジ41は、平面視で円形状をしているが、形状は適宜設定可能である。下側フランジ41は、アンカーボルト等の固定手段41aによって免震基礎30の上面30uに固定されている。下側フランジ41は、下部構造体11及び滑り板20に対して固定されていない。
上側フランジ42は、下側フランジ41の上方に配置されている。上側フランジ42は、平板状に形成されている。上側フランジ42の板面は、上下方向を向いている。上側フランジ42は、平面視で円形状をしているが、形状は適宜設定可能である。上側フランジ42は、アンカーボルト等の固定手段42aによって上部構造体16の下面16dに固定されている。
積層ゴム43は、下側フランジ41と上側フランジ42との間に配置されている。積層ゴム43は、例えば複数の円盤状のゴム層と複数の円盤状の鋼板層とが交互に積層されて構成されている。
緩衝材50は、滑り板20の上面20uに載置されている。緩衝材50は、下部構造体11及び滑り板20に対して固定されていない。
緩衝材50は、壁部12と免震基礎30との間に配置されている。図2に示すように、平面視で、緩衝材50は、壁部12で囲まれた矩形の内側において、免震基礎30が配置されていない領域の略全部に配置されている。換言すると、緩衝材50は、壁部12と免震基礎30との間の空間を埋めるように配置されている。なお、平面視で、緩衝材50は、壁部12で囲まれた矩形の内側において、任意の位置に配置されていればよい。
緩衝材50は、衝撃等の外力を受けた際に、外力を吸収(あるいは緩和)する特性を有する部材で形成されている。緩衝材50は、例えばゴムやスポンジ等によって形成されている。緩衝材50の復元力特性は、ハードニング特性を有するものが適している。
本実施形態では、緩衝材50は、ブロック状に形成されたブロック部材50aが敷き詰められて構成されている。施工時の設置作業や、大変形後に緩衝材50が破損した場合の交換時の交換作業を容易に行うことができる。
図3は、滑り装置30Aの滑り出し前の挙動を示す図である。図4は、滑り装置30Aの滑り出し後の挙動を示す図である。
免震機構1は、図3に示す挙動の後に、図4に示す挙動を行い、主に2段階の挙動を示す。
図3に示すように、1段階目は、上部構造体16に生じる水平荷重が免震基礎30の滑り出し荷重以下の領域において、免震装置40のみが変形する。この段階では、通常の免震装置40と同様の挙動である。
図4に示すように、更に上部構造体16に生じる水平荷重が増加し、免震基礎30の滑り出し荷重を超過すると、免震基礎30は緩衝材50を押し縮めながら滑動する。これが2段階目の挙動である。
図5は、本発明の第一実施形態に係る免震機構の荷重変形関係の概略図である。実線Aは本実施形態を示し、二点鎖線Bは免震装置40単体の場合を示し、一点破線Cは本実施形態から緩衝材50を取り除いた場合を示す。
図5に示すように、免震基礎30が滑ることで、上部構造体16に過大な水平荷重が作用した際に早期の免震装置40の破断を抑制することができる。また、緩衝材50の効果で、免震基礎30の滑り出し後に緩やかに荷重が増加するため、過大な滑り変位が生じることを抑制することができる。
次に、緩衝材50の限界変形時の面圧を計算した。
図6は、滑り装置30Aの滑り出し直前に作用する力を示す。図7は、免震装置40の限界変形時に作用する力を示す。
図6及び図7に示すように、免震装置40をφ1300mmとする。免震基礎30の一辺2600mm、高さ300mmとする。緩衝材50の最大変形量250mm、緩衝材50の許容ひずみを50%とすると、緩衝材50の幅(免震基礎30から壁部12の内面までの距離)は500mmとなる。
図中で、Qisoは免震装置40の負担せん断力を示し、Qrubは緩衝材50の負担せん断力を示し、Qfriは滑り板20と滑り材32との間に生じる摩擦力を示す。
免震装置40の滑り出し変位を550mmとし、免震装置40の限界変形800mmとする。図6に示すように、滑り装置30Aの滑り出し直前では、免震装置40の負担せん断力(Qiso)は1430kNであり、緩衝材50の負担せん断力(Qrub)は0kNであり、滑り板20と滑り材32との間に生じる摩擦力(Qfri)は1430kNである。
図7に示すように、免震装置40の限界変形時に緩衝材50が最大変形量に達するように設計した場合、緩衝材50が負担する荷重(Qrub)は約650kN、緩衝材50の変形量は250mm、緩衝材50の面圧は0.83N/mmとなる。免震装置40の負担せん断力(Qiso)は2080kNであり、滑り板20と滑り材32との間に生じる摩擦力(Qfri)は1430kNである。
次に、数値解析により提案免震装置の効果を検証する。
解析では,図8に示す30層せん断質点系免震建物モデルを用いる。構造諸元は表1の通りとする。
Figure 2023149572000002
免震上部構造(上部構造体16)は固有周期3秒、構造減衰2%とする。免震装置(免震装置40)はゴム層厚200mmの天然ゴム系積層ゴムとし、免震剛性Kisoは線形で41600kN/mとした。このとき、滑りを考慮しない場合の免震建物の固有周期は6.2秒である。滑り要素Kfriの初期剛性は免震装置剛性に対し十分大きな値とした。滑り出し荷重は免震装置の変形が550mmとなるときの荷重(22880kN)とし、滑り後の剛性はほぼ0とした。このとき、滑り摩擦係数はμ=0.071である。緩衝材要素krubの剛性は図9に示す通りとし、戻り剛性は最終剛性の2倍とした。免震機構1全体の荷重変形関係は図10のようになる。また、免震層のオイルダンパーはiso層と地面の間に設置し、表2に示す1000kNバイリニア型オイルダンパーを8台考慮した。
Figure 2023149572000003
図11に示す4種類の巨大地震を考慮する。入力地震動の最大加速度を表3に示す。
Figure 2023149572000004
<解析結果>
モデルa:免震装置単体(すべり要素剛・緩衝材要素剛)、モデルb:すべりのみ(緩衝材要素なし)、モデルc:すべり・緩衝材ありの3種類のモデルの解析結果を比較する。
表4は、免震装置単体の最大変形(mm)を示す。表5は、すべり要素単体の最大変形(mm)を示す。表6は、免震層全体の最大変形(mm)を示す。表7は、最大ベースシア係数を示す。図12に西原村入力時の最大層間変形角を示し、図13に西原村入力時の最大加速度応答を示す。
Figure 2023149572000005
Figure 2023149572000006
Figure 2023149572000007
Figure 2023149572000008
告示神戸及び告示関東入力時は、ほとんどすべりが生じないため,モデルbとモデルcとの差異は少ない。一方、西原村やOS1入力時は緩衝材を考慮することで、滑り変位を約半減し、免震層全体の最大変形も7~8%程度低減できる。モデルaの免震装置の最大変形は1mを超過しており、免震装置の限界変形800mm(せん断ひずみ400%)を超過しているが、モデルcの免震装置の最大変形は778mmで、免震装置の限界せん断ひずみ以内となる。モデルcはモデルbに比べ最大ベースシアは増加するが、モデルaに比べると20%程度低減できる。また、上部構造の最大層間変形角や最大加速度もモデルcが最も小さい。
また、西原村入力時の免震層応答変位波形を図14に示す。すべり部の残留変位は、モデルbが338mmとなるのに対し、モデルcは199mmとなり、約40%低減できる。
以上より、緩衝材を用いた大変形対応免震装置は、巨大地震入力時に免震装置の破断防止効果、過大すべり変形防止効果、及び残留変位低減効果があることを確認した。
このように構成された免震機構1では、地震時に、上部構造体16に所定の水平荷重が作用するまでは、免震装置40が変形して応答加速度を低減し、免震基礎30は水平方向に変位しない。水平荷重がさらに増加すると、免震基礎30の下側に固定された滑り材32が滑り板20上を滑動して免震基礎30が緩衝材50を押圧する。緩衝材50がエネルギーを吸収しつつ免震装置40及び免震基礎30は水平方向に変位するため、過度な滑り変位が生じることを抑制することができる。
また、上部構造体16に水平荷重が作用しなくなると、緩衝材50の復元力によって、免震装置40及び免震基礎30は元の位置に押し戻されるため、残留変位が生じることを抑制することができる。
また、緩衝材50は、免震基礎30と壁部12との間の空間を埋めるように設けられている。これによって、滑り材32が滑動し出した直後から、緩衝材50は免震基礎30によって押圧されエネルギーを吸収する。したがって、過度な滑り変位が生じることを抑制することをより一層抑制することができる。
また、壁部12は、下部構造体11と一体に形成されている。よって、下部構造体11の施工時に壁部12も施工することができ、施工性が良い。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態に係る免震機構について、主に図15及び図16を用いて説明する。なお、以下に示す実施形態では、上述の第一実施形態と同一又は同様な部材及び部分には同一の符号を用いて説明を省略し、実施形態と異なる構成について説明する。
図15は、本発明の第二実施形態に係る免震機構を示す模式的な鉛直断面図である。図16は、本発明の第二実施形態に係る免震機構の荷重変形関係の概略図である。
図15に示すように、免震機構1Aの緩衝材50Aは、壁部12の内面12aに設けられている。平面視で、緩衝材50Aは、壁部12の内面12aに沿って四方枠状に配置されている。緩衝材50Aと免震基礎30との間には空間部s1が形成されている。壁部12の内面12aは、請求項の壁部における装置支持部を向く側に対応する。
上記の免震機構1Aは、主に2段階の挙動を示す。1段階目は、上部構造体16に生じる水平荷重が免震基礎30の滑り出し荷重以下の領域において、免震装置40のみが変形する。更に上部構造体16に生じる水平荷重が増加し、免震基礎30の滑り出し荷重を超過すると、免震基礎30は空間部s1内を移動して、緩衝材50Aに当たると、緩衝材50Aを押し縮めながら滑動する。これが2段階目の挙動である。
図16に示すように、免震基礎30が滑り出して緩衝材50Aに当たり、緩衝材50Aを押し縮めながら滑ることで、上部構造体16に過大な水平荷重が作用した際に早期の免震装置40の破断を抑制することができる。また、緩衝材50Aの効果で、免震基礎30の滑り出し後に緩やかに荷重が増加するため、過大な滑り変位が生じることを抑制することができる。
このように構成された免震機構1Aでは、地震時に、上部構造体16に所定の水平荷重が作用するまでは、免震装置40が変形して応答加速度を低減し、免震基礎30は水平方向に変位しない。水平荷重がさらに増加すると、免震基礎30の下側に固定された滑り材32が滑り板20上を滑動して免震基礎30が緩衝材50Aを押圧する。緩衝材50Aがエネルギーを吸収しつつ免震装置40及び免震基礎30は水平方向に変位するため、過度な滑り変位が生じることを抑制することができる。
また、上部構造体16に水平荷重が作用しなくなると、緩衝材50Aの復元力によって、免震装置40及び免震基礎30は元の位置に押し戻されるため、残留変位が生じることを抑制することができる。
また、緩衝材50Aは、壁部12の内面12aに設けられ、緩衝材50Aと免震基礎30との間には空間部s1が形成されている。これによって、滑り材32が滑動して、免震基礎30が緩衝材50Aに当接した段階から、緩衝材50Aはエネルギーを吸収する。したがって、設置する緩衝材50の量を抑えつつ、過度な滑り変位が生じることを抑制することができる。また、緩衝材50Aによって、免震基礎30が壁部12に衝突した際の壁部12の損傷や破壊を抑制することができる。
なお、上述した実施の形態において示した組立手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記に示す実施形態では、免震装置40が上部構造体16に固定され、下部構造体11に固定されていない構成であるが、本発明はこれに限られない。本実施形態を上下反転させた構成であってもよい。つまり、上部構造体16の下面16dに滑り板20が固定され、滑り板20の下側に緩衝材50が設けられている。緩衝材50は滑り板20から落下しないように接着剤等で設置されている。免震装置40の上側フランジ42には装置支持部30が固定され、装置支持部30の上面30uに滑り材32が固定されている。滑り材32の上面は、滑り板20の下面を滑動可能である。免震装置40の下側フランジ41は、下部構造体11に固定されている。下部構造体は請求項の一方の構造体に対応し、上部構造体は請求項の他方の構造体に対応する。
1,1A 免震機構
11 下部構造体
12 壁部
16 上部構造体
20 滑り板
30,30A 免震基礎(装置支持部)
32 滑り材
40 免震装置
50,50A 緩衝材
s1 空間部

Claims (5)

  1. 上下方向に離間して配置された一対の構造体の間に設置され、前記一対の構造体のいずれか一方に固定され、前記一対の構造体の他方に固定されていない免震装置と、
    前記免震装置の前記他方の構造体を向く面に固定された装置支持部と、
    前記装置支持部と水平方向に離間して配置され、前記他方の構造体に固定された壁部と、
    前記他方の構造体の前記装置支持部を向く面に固定された滑り板と、
    前記装置支持部の前記他方の構造体を向く面に固定され、前記滑り板に対して滑動可能な滑り材と、
    前記装置支持部と前記壁部との間に設けられた緩衝材と、を備える免震機構。
  2. 前記一方の構造体は、前記免震装置の上方に配置された上部構造体であり、
    前記他方の構造体は、前記免震装置の下方に配置された下部構造体である請求項1に記載の免震機構。
  3. 前記緩衝材は、前記装置支持部と前記壁部との間の空間を埋めるように設けられている請求項1または2に記載に免震機構。
  4. 前記緩衝材は前記壁部における前記装置支持部を向く側に設けられ、前記緩衝材と前記装置支持部との間には空間部が形成されている請求項1または2に記載の免震機構。
  5. 前記壁部は、前記他方の構造体と一体に形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の免震機構。
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